特許第6900077号(P6900077)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6900077
(24)【登録日】2021年6月18日
(45)【発行日】2021年7月7日
(54)【発明の名称】折畳み式焚き火台
(51)【国際特許分類】
   F24C 1/16 20210101AFI20210628BHJP
   A47J 37/07 20060101ALI20210628BHJP
   F24B 15/00 20060101ALI20210628BHJP
【FI】
   F24C1/16 A
   A47J37/07
   F24B15/00 A
   F24C1/16 B
【請求項の数】6
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2020-81271(P2020-81271)
(22)【出願日】2020年5月1日
【審査請求日】2020年5月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】500266151
【氏名又は名称】有限会社宮内製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100095337
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100174425
【弁理士】
【氏名又は名称】水崎 慎
(74)【代理人】
【識別番号】100203932
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 克宗
(72)【発明者】
【氏名】宮内 保昌
【審査官】 木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第01645216(EP,A2)
【文献】 国際公開第2017/174137(WO,A1)
【文献】 独国実用新案第000020306625(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 1/16
A47J 37/07
F24B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
略平板状の第一側板プレートと、前記第一側板プレートに連結された略平板状の第二側板プレートと、前記第一側板プレートまたは前記第二側板プレートの一方に一端部がヒンジ状に連結された略平板状の火床プレートと、を備え、
前記第一側板プレートまたは前記第二側板プレートの少なくとも一方は、下方に張り出して弧を描いた略半円状の下端部を有し、この下端部の前記弧に沿った両端および下端中央の少なくとも三箇所に形成された連結部で、前記第一側板プレートと前記第二側板プレートとが連結され、
折畳み時には、前記第一側板プレートと前記第二側板プレートとが、重なり合って前記火床プレートを挟んで閉じられており、
使用時には、前記第一側板プレートと前記第二側板プレートとが、前記連結部を軸として略V字形に開かれ、前記火床プレートの前記一端部と反対側の他端部が、前記第一側板プレートまたは前記第二側板プレートの他方に係止されて、前記火床プレートが、前記第一側板プレートと前記第二側板プレートとに跨がって橋架されることで、前記第一側板プレートおよび前記第二側板プレートが、両側辺間を二等分する中央近傍を前記略V字形に開かれる方向に張り出して、凹状に撓んだ状態で支持される、
ことを特徴とする折畳み式焚き火台。
【請求項2】
前記連結部は、前記下端部に前記弧から放射状に突起して形成された鉤状突起である突起部と、前記第一側板プレートまたは前記第二側板プレートの他方に形成され、前記突起部を差し込むことができるスリット部と、から構成された、
ことを特徴とする請求項1に記載の折畳み式焚き火台。
【請求項3】
前記火床プレートにおいて、空気を循環させるための複数の空気排出孔が形成され、
前記使用時の前記連結部における前記軸の両端部周辺において、前記第一側板プレートと前記第二側板プレートと前記火床プレートとで囲まれた空間に空気を供給するための空気供給孔が形成される、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載された折畳み式焚き火台。
【請求項4】
前記第一側板プレートの外側にヒンジ状に連結される第一脚部材と、前記第二側板プレートの外側にヒンジ状に連結される第二脚部材と、を備え、
前記折畳み時には、前記第一脚部材および前記第二脚部材が、前記第一側板プレートおよび前記第二側板プレートを挟んで閉じられており、
前記使用時には、前記第一脚部材が前記第一側板プレートに対して角度をつけた状態で係止され、前記第二脚部材が前記第二側板プレートに対して角度をつけた状態で係止され、前記第一側板プレートおよび前記第二側板プレートが、前記第一脚部材および前記第二脚部材に支持されることで、自立する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載された折畳み式焚き火台。
【請求項5】
前記使用時には、前記第一脚部材および前記第二脚部材が、底面視で略半円状に撓んだ状態で、前記第一側板プレートおよび前記第二側板プレートに係止される、
ことを特徴とする請求項4に記載された折畳み式焚き火台。
【請求項6】
前記第一側板プレート、前記第二側板プレート、前記火床プレート、前記第一脚部材および前記第二脚部材のそれぞれが、脱着可能である、
ことを特徴とする請求項4または請求項5に記載された折畳み式焚き火台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折畳み式焚き火台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、キャンプや登山等においては、食材や飲料等の調理物の加熱または暖をとる等のために、様々な種類の焚き火台が使用されている。これらの焚き火台には、焚き火台の上に載置される調理物や調理器具等の重さに加え、さらに、五徳やロストル等の載置台の重さと薪や炭等の燃料物の重さとの総重量を支えるのに十分な強度を備えていることが求められ、また、持ち運ぶ際の利便性や不使用時の収容性等も求められる。そこで、多くの焚き火台は、使用時には十分な強度を備えつつ、不使用時には折り畳まれ、持ち運びに便利な折畳み式の焚き火台として設計されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、焚き火台を構成する底板や側板等の各部材を重ねて折り畳むことができる折畳み式の焚き火台が提案されている。この折畳み式の焚き火台は、上方からの荷重や繰り返しの使用等にも耐えられるように、各部材が比較的厚めの金属製のプレートによって構成され、必要十分な強度を備えたものとなっている。しかし、その一方で、各部材が厚めの金属製のプレートで構成されたことで、重量が増加し、持ち運びに適した焚き火台とはいえないものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017−172893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、市販品の中には、各部材を比較的薄い金属製のプレートによって構成し、利便性や収容性等を高めた折畳み式の焚き火台が存在する。しかし、これらの焚き火台は、持ち運びや収納に適したものであっても、各部材が薄い金属製のプレートで構成されたことで、必要な強度、特に、使用時における上方からの荷重に対する強度が、十分に備わっていないものが多く存在している。また、近年では、個人や少人数でキャンプや登山等を楽しむ人が増加し、より手軽で、より利便性や収容性等に優れた焚き火台が求められている。
【0006】
本発明は、この様な実情に鑑みて提案されたものである。すなわち、持ち運ぶ際の利便性や不使用時の収納性に優れるだけでなく、上方からの荷重に十分に耐えることができる強度を備えた折畳み式焚き火台の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る折畳み式焚き火台は、略平板状の第一側板プレートと、前記第一側板プレートに互いの下部に形成された連結部で連結された略平板状の第二側板プレートと、前記第一側板プレートまたは前記第二側板プレートの一方に一端部がヒンジ状に連結された略平板状の火床プレートと、を備え、折畳み時には、前記第一側板プレートと前記第二側板プレートとが、重なり合って前記火床プレートを挟んで閉じられており、使用時には、前記第一側板プレートと前記第二側板プレートとが、前記連結部を軸として略V字形に開かれ、前記火床プレートの前記一端部と反対側の他端部が、前記第一側板プレートまたは前記第二側板プレートの他方に係止され、前記火床プレートが、前記第一側板プレートと前記第二側板プレートとに跨がって橋架される折畳み式焚き火台であって、前記連結部において、前記第一側板プレートまたは前記第二側板プレートの一方は、下方に張り出して弧を描いた略半円状の下端部を有し、少なくとも前記下端部の前記弧に沿った両端および中央の三箇所において、前記下端部から放射状に突起する突起部が形成され、前記第一側板プレートまたは前記第二側板プレートの他方は、前記折畳み時における前記突起部に対向する位置において、前記突起部を差し込むことができるスリット部が形成され、前記突起部が前記スリット部に差し込まれることで、前記第一側板プレートと前記第二側板プレートとが連結されている、ことを特徴とする。
【0008】
本発明に係る折畳み式焚き火台は、前記突起部が、鉤状突起として形成された、ことを特徴とする。
【0009】
本発明に係る折畳み式焚き火台は、前記火床プレートにおいて、空気を循環させるための複数の空気排出孔が形成され、前記使用時の前記連結部における前記軸の両端部周辺において、前記第一側板プレートと前記第二側板プレートと前記火床プレートとで囲まれた空間に空気を供給するための空気供給孔が形成される、ことを特徴とする。
【0010】
本発明に係る折畳み式焚き火台は、前記第一側板プレートの上端および前記第二側板プレートの上端に、調理物または調理器具である載置体が載置される載置台を係止するための切欠きが形成された、ことを特徴とする。
【0011】
本発明に係る折畳み式焚き火台は、前記第一側板プレートの外側にヒンジ状に連結される第一脚部材と、前記第二側板プレートの外側にヒンジ状に連結される第二脚部材と、を備え、前記折畳み時には、前記第一脚部材および前記第二脚部材が、前記第一側板プレートおよび前記第二側板プレートを挟んで閉じられており、前記使用時には、前記第一脚部材が前記第一側板プレートに対して角度をつけた状態で係止され、前記第二脚部材が前記第二側板プレートに対して角度をつけた状態で係止され、前記第一側板プレートおよび前記第二側板プレートが、前記第一脚部材および前記第二脚部材に支持されることで、自立する、ことを特徴とする。
【0012】
本発明に係る折畳み式焚き火台は、前記第一側板プレート、前記第二側板プレート、前記火床プレート、前記第一脚部材および前記第二脚部材のそれぞれが、脱着可能である、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る折畳み式焚き火台は、略平板状の第一側板プレートと、第一側板プレートに互いの下部に形成された連結部で連結された略平板状の第二側板プレートと、第一側板プレートまたは第二側板プレートの一方に一端部がヒンジ状に連結された略平板状の火床プレートと、を備え、折畳み時には、第一側板プレートと第二側板プレートとが、重なり合って火床プレートを挟んで閉じられており、使用時には、第一側板プレートと第二側板プレートとが、連結部を軸として略V字形に開かれ、火床プレートの一端部と反対側の他端部が、第一側板プレートまたは第二側板プレートの他方に係止され、火床プレートが、第一側板プレートと第二側板プレートとに跨がって橋架される折畳み式焚き火台であって、連結部において、第一側板プレートまたは第二側板プレートの一方は、下方に張り出して弧を描いた略半円状の下端部を有し、少なくとも下端部の弧に沿った両端および中央の三箇所において、下端部から放射状に突起する突起部が形成され、第一側板プレートまたは第二側板プレートの他方は、折畳み時における突起部に対向する位置において、突起部を差し込むことができるスリット部が形成され、突起部がスリット部に差し込まれることで、第一側板プレートと第二側板プレートとが連結されている。すなわち、本発明に係る折畳み式焚き火台は、不使用時には、第一側板プレートと第二側板プレートとが、火床プレートを挟んで折り畳まれることで、持ち運びや収納がしやすく、また、使用時には、第一側板プレートと第二側板プレートとが連結部を軸として略V字形に開かれ、第一側板プレートと第二側板プレートとの間に跨がって火床プレートが橋架されることで、第一側板プレートと第二側板プレートと火床プレートとが互いに堅固に支持された状態で、上方が開口した焚き火台として使用することができる。したがって、本発明に係る折畳み式焚き火台だけで焚き火をすることができるため、利便性や収納性にも優れ、手軽に焚き火を楽しむことができる。
【0014】
また、使用時における火床プレートは、薪や炭等の燃料物が載置される火床として機能し、さらに、第一側板プレートおよび第二側板プレートのそれぞれにおける火床プレートが橋架された部位よりも下部は、焚き火台の灰受として機能することから、本発明に係る折畳み式焚き火台では、炊き火台の下に別途の灰受や耐熱シート等を敷く必要がなく、利便性や収納性に優れ、手軽に焚き火を楽しむことができる。
【0015】
さらに、本発明に係る折畳み式焚き火台では、第一側板プレートと第二側板プレートとが、連結部を軸として略V字形に相対的に開かれる際に、一方の弧を描く略半円状の下端部が、他方の平面状のプレートに押し込まれるとともに、この下端部の押し込みに反発して、連結部における軸の両端が、略平板状のプレートの剛性力によって互いに引っ張られ、第一側板プレートおよび第二側板プレートのそれぞれの上端から下端にわたる中央付近が、凹状に撓んで略軒樋状の側板を形成する。この略軒樋状の側板によって、本発明に係る折畳み式焚き火台は、平面状のプレートのみで構成された炊き火台よりも、上方からの荷重に対して強度が増し、比較的薄い金属製のプレートで構成されたとしても、上方からの荷重に十分に耐えることができる。
【0016】
本発明に係る折畳み式焚き火台は、突起部が、鉤状突起として形成されている。すなわち、上記したとおり、本発明に係る折畳み式焚き火台は、連結部において、突起部がスリット部に差し込まれることで、第一側板プレートと第二側板プレートとが連結されており、さらに、第一側板プレートと第二側板プレートとが略V字形に相対的に開かれる際に、一方の下端部が他方に押し込まれる力と、互いの略平板状のプレートの剛性力とによって、第一側板プレートと第二側板プレートとが撓むように構成されている。そのため、第一側板プレートと第二側板プレートとが略V字形に開かれる際には、突起部とスリット部とに上記した力による負荷がかかりやすく、突起部がスリット部から抜けてしまうおそれがある。そこで、突起部を鉤状突起として形成することで、突起部の抜けを防止し、安全に第一側板プレートと第二側板プレートとを開閉することができる。
【0017】
本発明に係る折畳み式焚き火台は、火床プレートにおいて、空気を循環させるための複数の空気排出孔が形成され、使用時の連結部における軸の両端部周辺において、第一側板プレートと第二側板プレートと火床プレートとで囲まれた空間に空気を供給するための空気供給孔が形成されている。すなわち、本発明に係る折畳み式焚き火台は、火床プレートの上において、薪や炭等の燃料物がくべられた際に、燃料物の燃焼に必要な空気が、空気排出孔と空気供給孔とを通じて供給されることで、燃料物の燃料効率を高めることができる。また、燃料物が燃焼し終えた後の灰が、空気排出孔を通じて上記した灰受に落ちることで、燃料物が灰に埋もれて燃焼しにくくなることも防ぐことができる。
【0018】
本発明に係る折畳み式焚き火台は、第一側板プレートの上端および第二側板プレートの上端に、調理物または調理器具である載置体が載置される載置台を係止するための切欠きが形成されている。すなわち、本発明に係る折畳み式焚き火台は、第一側板プレートの上端および第二側板プレートの上端に形成された切欠きに、網やロストル等の載置台を係止することができ、この載置台の上に調理物または調理器具である載置体を載置した状態で使用することができる。
【0019】
本発明に係る折畳み式焚き火台は、第一側板プレートの外側にヒンジ状に連結される第一脚部材と、第二側板プレートの外側にヒンジ状に連結される第二脚部材と、を備え、折畳み時には、第一脚部材および第二脚部材が、第一側板プレートおよび第二側板プレートを挟んで閉じられており、使用時には、第一脚部材が第一側板プレートに対して角度をつけた状態で係止され、第二脚部材が第二側板プレートに対して角度をつけた状態で係止され、第一側板プレートおよび第二側板プレートが、第一脚部材および第二脚部材に支持されることで、自立する。すなわち、本発明に係る折畳み式焚き火台は、不使用時には、第一側板プレート、第二側板プレートおよび火床プレートと同様に、第一脚部材および第二脚部材のそれぞれを閉じて折り畳むことができ、さらに、使用時には、第一脚部材および第二脚部材が第一側板プレートおよび第二側板プレートを支持することで、自立する炊き火台として使用することができる。
【0020】
本発明に係る折畳み式焚き火台は、第一側板プレート、第二側板プレート、火床プレート、第一脚部材および第二脚部材のそれぞれが、脱着可能である。すなわち、本発明に係る折畳み式焚き火台は、不使用時において、各部材を折り畳む以外に、第一側板プレート、第二側板プレート、火床プレート、第一脚部材および第二脚部材のそれぞれを取り外した状態で、重ねて収納することもできる。また、第一側板プレート、第二側板プレート、火床プレート、第一脚部材および第二脚部材のそれぞれを取り外して洗うことができるため、手入れも容易である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態に係る折畳み式焚き火台の使用状態を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る折畳み式焚き火台の第一側板プレートの平面図である。
図3】本発明の実施形態に係る折畳み式焚き火台の第二側板プレートの平面図である。
図4】本発明の実施形態に係る折畳み式焚き火台の火床プレートの平面図である。
図5】本発明の実施形態に係る折畳み式焚き火台の第一脚部材(第二脚部材)の平面図である。
図6】本発明の実施形態に係る折畳み式焚き火台の使用状態を示す正面図である。
図7】本発明の実施形態に係る折畳み式焚き火台の使用状態を示す背面図である。
図8】本発明の実施形態に係る折畳み式焚き火台の使用状態を示す平面図である。
図9】本発明の実施形態に係る折畳み式焚き火台の使用状態を示す底面図である。
図10】本発明の実施形態に係る折畳み式焚き火台の使用状態を示す右側面図である。
図11】本発明の実施形態に係る折畳み式焚き火台が折り畳まれた状態を示す斜視図である。
図12】本発明の実施形態に係る折畳み式焚き火台が折り畳まれた状態を示す正面図である。
図13】本発明の実施形態に係る折畳み式焚き火台が折り畳まれた状態を示す背面図である。
図14】本発明の実施形態に係る折畳み式焚き火台が折り畳まれた状態を示す平面図である。
図15】本発明の実施形態に係る折畳み式焚き火台が折り畳まれた状態を示す底面図である。
図16】本発明の実施形態に係る折畳み式焚き火台が折り畳まれた状態を示す右側面図である。
図17】本発明の実施形態に係る折畳み式焚き火台において、第一脚部材が第一側板プレートに係止され、第二脚部材が第二側板プレートに係止された状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明の実施形態に係る折畳み式焚き火台1を図面に基づいて説明する。
なお、図1図11および図17に示すように、便宜上、折畳み式焚き火台1が直立する鉛直方向を上下方向、第一側板プレート10と第二側板プレート20とが開閉される方向を前後方向、第一側板プレート10および第二側板プレート20の連結部2における軸に沿った幅方向を左右方向として、説明する。
【0023】
折畳み式焚き火台1は、図1から図5に示すように、第一側板プレート10、第二側板プレート20、火床プレート30、第一脚部材40および第二脚部材50からなる5つの金属製のプレートで構成されている。折畳み式焚き火台1は、使用時には、図1および図6から図10に示すように、第一側板プレート10、第二側板プレート20、火床プレート30、第一脚部材40および第二脚部材50の各部材が、それぞれ撓んだ状態で連結および係止されて自立し、不使用時には、図11から図16に示すように、第一側板プレート10、第二側板プレート20、火床プレート30、第一脚部材40および第二脚部材50の各部材が、重ね合わさる状態で折り畳まれるものである。
【0024】
始めに、第一側板プレート10、第二側板プレート20、火床プレート30、第一脚部材40および第二脚部材50のそれぞれの各部材について、以下にて説明する。
【0025】
第一側板プレート10は、図2に示すように、平面視において、左右方向を長手方向とする略長方形に形成された略平板状の金属製のプレートである。この第一側板プレート10は、略長方形の下端である第一側板プレート下端部11が、下方に張り出して孤を描いた略半円状に形成されている。第一側板プレート下端部11は、第一側板プレート下端部11の孤に沿った両端および中央において、第二側板プレート20が連結されるスリット部12が形成されている。具体的には、スリット部12は、孤の両端の二箇所において、孤に沿って中央寄りが下方に傾斜した横長の略長方形のスリットである両端スリット部13、13が形成され、また、孤の中央の一箇所において、鉛直方向の縦の切込みの下部が略三角形に広げられたへら状のスリットである中央スリット部14が形成されることで、設けられる。なお、スリット部12は、第一側板プレート10に第二側板プレート20が重ねられた状態で、第二側板プレート20の突起部22に対向する位置に設けられる。
【0026】
また、第一側板プレート10には、第一側板プレート10の中心のやや下方で、かつ、第一側板プレート10の長手方向の幅を二等分する中心線を軸とした左右対象の二箇所において、火床プレート30が連結される火床プレート連結用フック15、15が形成されている。具体的には、火床プレート連結用フック15、15は、上記した二箇所において、略逆U字形の切欠き加工がされることで形成される。また、この切欠き加工では、略逆U字形の火床プレート連結用フック15、15に、火床プレート30を安定的に連結することができるように、略逆U字形の切欠きに加えて、この略逆U字形の切欠きの左右方向の両端部中央付近がそれぞれ左右方向に沿って外側に張り出した凸部を有する形状に、切欠きがなされている。
【0027】
さらに、第一側板プレート10には、第一側板プレート10の中心のやや上方で、かつ、第一側板プレート10の長手方向の幅を二等分する中心線を軸とした左右対象の二箇所において、第一脚部材40が連結される第一脚部材連結用フック16、16が形成されている。具体的には、第一脚部材連結用フック16、16は、上記した二箇所において、火床プレート連結用フック15、15と同様の略逆U字形の切欠き加工がされることで形成される。また、この切欠き加工においても、火床プレート連結用フック15、15の切欠きと同様に、略逆U字形の第一脚部材連結用フック16、16に、第一脚部材40を安定的に連結することができるように、略逆U字形の切欠きに加えて、この略逆U字形の切欠きの左右方向の両端部中央付近がそれぞれ左右方向に沿って外側に張り出した凸部を有する形状に、切欠きがなされている。すなわち、火床プレート連結用フック15、15と第一脚部材連結用フック16、16とは、高さを変えて同様の切欠き加工がなされ、同形状のフックとして形成されている。
【0028】
また、第一側板プレート10には、長手方向の両端で、かつ、火床プレート連結用フック15、15を通る水平線よりもやや上方の二箇所において、第一脚部材40が係止される第一脚部材係止用スリット17、17が形成されている。具体的には、第一脚部材係止用スリット17、17は、上記した二箇所において、上部が中央寄りに傾斜した縦長のスリットが形成されることで設けられ、折畳み式焚き火台1を自立させて使用する際に、第一脚部材40が係止される。
【0029】
さらに、第一側板プレート10には、上端で、かつ、第一側板プレート10の長手方向の幅を二等分する中心線を軸とした左右対象の二箇所において、調理物または調理器具である載置体(図示せず)が載置される載置台(図示せず)を係止するための第一載置台用切欠き18、18が形成されている。具体的には、第一載置台用切欠き18、18は、上記した二箇所において、上端から下方に向けて直線状の切欠きがなされることで形成され、折畳み式焚き火台1の使用時に、網やロストル等の載置台が係止される。
【0030】
第二側板プレート20は、図3に示すように、平面視において、第一側板プレート10と同様に、左右方向を長手方向とする略長方形に形成された略平板状の金属製のプレートである。この第二側板プレート20においても、第一側板プレート10と同様に、略長方形の下端である第二側板プレート下端部21は、下方に張り出して孤を描いた略半円状に形成されている。第二側板プレート下端部21には、第二側板プレート下端部21の孤に沿った両端および中央において、上記した第一側板プレート10のスリット部12に連結される突起部22が形成されている。具体的には、突起部22は、孤の両端の二箇所および中央の一箇所において、孤を描く下端から放射状に張り出した鈎状突起として形成されている。また、両端の突起部22は、鈎状の突起がそれぞれ左右外側の一方に向かって形成された略L字形の両端突起部23、23として形成され、中央の突起部22は、鈎状の突起が左右両外側に向かって形成された略T字形の中央突起部24として形成されている。
【0031】
なお、突起部22とスリット部12とは、図12および図13に示すように、中央突起部24が中央スリット部14に差し込まれ、両端突起部23、23が両端スリット部13、13に差し込まれることで連結される。また、この突起部22とスリット部12とが連結されて形成される連結部2によって、第一側板プレート10と第二側板プレート20とが連結されている。さらに、図2および図3に示すように、中央突起部24における鈎状の突起の左右方向の幅は、第一側板プレート10の中央スリット部14における鉛直方向の縦の切込みの長さよりも短く、中央スリット部14における略三角形に広げられた部位の下端である底辺の長さよりも長く形成されていることが好ましい。これにより、中央スリット部14に中央突起部24が差し込まれた後に、鈎状の突起が引っかかることで、中央突起部24が不意に抜けてしまうことを防止し、第一側板プレート10と第二側板プレート20とを安定的に連結し、かつ、第一側板プレート10と第二側板プレート20とを安全に開閉することができる。
【0032】
また、第二側板プレート20には、図3に示すように、第二側板プレート20の中心のやや下方で、かつ、第二側板プレート20の長手方向の幅を二等分する中心線上において、火床プレート30が係止される火床プレート係止用スリット25が形成されている。具体的には、火床プレート係止用スリット25は、横長の略長方形の切欠きによって形成される。なお、火床プレート係止用スリット25は、折畳み式焚き火台1の使用時における第一側板プレート10の火床プレート連結用フック15、15と同じ高さにおいて形成されることが好ましい。これにより、折畳み式焚き火台1の使用時には、火床プレート30が、第一側板プレート10と第二側板プレート20との間に水平に橋架され、水平な火床を構成することができる。
【0033】
さらに、第二側板プレート20には、第一側板プレート10の第一脚部材連結用フック16、16と同様に、第二側板プレート20の中心のやや上方で、かつ、第二側板プレート20の長手方向の幅を二等分する中心線を軸とした左右対象の二箇所において、第二脚部材50が連結される第二脚部材連結用フック26、26が形成されている。具体的には、第二脚部材連結用フック26、26は、上記した二箇所において、第一脚部材連結用フック16、16と同様に、略逆U字形の切欠き加工がされることで形成される。また、この切欠き加工においても、第一脚部材連結用フック16、16の切欠きと同様に、略逆U字形の第二脚部材連結用フック26、26に、第二脚部材50を安定的に連結することができるように、略逆U字形の切欠きに加えて、この略逆U字形の切欠きの左右方向の両端部中央付近がそれぞれ左右方向に沿って外側に張り出した凸部を有する形状に、切欠きがなされている。すなわち、第二脚部材連結用フック26、26と、火床プレート連結用フック15、15および第一脚部材連結用フック16、16とは、同形状のフックとして形成されている。
【0034】
また、第二側板プレート20には、第一側板プレート10の第一脚部材係止用スリット17、17と同様に、長手方向の両端で、かつ、火床プレート係止用スリット25を通る水平線よりもやや上方の二箇所において、第二脚部材50が係止される第二脚部材係止用スリット27、27が形成されている。具体的には、第二脚部材係止用スリット27、27は、上記した二箇所において、第一脚部材係止用スリット17、17と同様に、上部が中央寄りに傾斜した縦長のスリットが形成されることで設けられ、折畳み式焚き火台1を自立させて使用する際に、第二脚部材50が係止される。
【0035】
さらに、第二側板プレート20には、第一側板プレート10と同様に、上端で、かつ、第二側板プレート20の長手方向の幅を二等分する中心線を軸とした左右対象の二箇所において、調理物または調理器具である載置体が載置される載置台を係止するための第二載置台用切欠き28、28が形成されている。具体的には、第一側板プレート10の第一載置台用切欠き18、18と、第二側板プレート20の第二載置台用切欠き28、28とは、同形状の切欠きとして形成され、折畳み式焚き火台1の使用時に、第一載置台用切欠き18、18と第二載置台用切欠き28、28との間に跨がって、網やロストル等の載置台が係止される。なお、連結部2から第一載置台用切欠き18、18の下端までの長さと、連結部2から第二載置台用切欠き28、28の下端までの長さとは、同じ長さで構成されることが好ましい。これにより、載置台を水平に係止することができる。
【0036】
火床プレート30は、図4に示すように、平面視において、左右方向に横長の略楕円形に形成された略平板状の金属製のプレートである。火床プレート30には、孤を描く上端辺の中央において、第二側板プレート20の火床プレート係止用スリット25に係止される火床プレート係止用突起部32が形成されており、また、孤を描く下端辺に沿った中央付近においては、火床プレート30を左右に二等分する中心線を軸とした左右対称の二箇所において、第一側板プレート10の火床プレート連結用フック15、15に連結される火床プレート連結用凸部31、31が形成されている。具体的には、火床プレート係止用突起部32は、火床プレート係止用スリット25に差し込むことができる略半円状の突起が、上端辺から上方に張り出して形成されており、また、火床プレート連結用凸部31、31は、略U字形の凸部が下端辺から下方に張り出して形成されており、その中央には火床プレート連結用フック15、15を差し込むことができる孔として火床プレート連結孔31A、31Aが形成されている。
【0037】
また、火床プレート30は、図1図4および図8に示すように、左右の両端が、直線状に切り欠かれた直線両端辺33、33として形成されている。火床プレート30は、直線両端辺33、33が設けられたことで、折畳み式焚き火台1の使用時における第一側板プレート10および第二側板プレート20の左右方向の幅よりも短く形成されており、火床プレート30が第一側板プレート10と第二側板プレート20との間に跨がって橋架された際に、直線両端辺33、33の下方において、火床プレート30と第一側板プレート10と第二側板プレート20とで囲まれた空間に空気を供給するための空気供給孔60が形成される。
【0038】
さらに、火床プレート30には、図1および図4に示すように、火床プレート30を左右に二等分する中心線に沿った三箇所において丸孔34が形成され、また、火床プレート30を上下に二等分する中心線から放射状に、八箇所の縦長の長方形孔35が形成されることで、空気排出孔36が形成されている。この空気排出孔36によって、折畳み式焚き火台1の使用時に火床プレート30の上に燃料物がくべられた際に、上記した空気供給孔60から供給された空気が、煙突効果の上昇気流によって火床プレート30の下方から空気排出孔36を通って上方に排出されることで、燃料物に絶えず空気の供給がなされ、燃料物の燃焼効率を高めることができる。
【0039】
第一脚部材40は、図5に示すように、平面視において、左右方向を長手方向とする略長方形の略平板状の金属製のプレートであって、その下端において、第一脚部材40を左右に二等分する中心線を軸として、左右対称に、略三角形に切欠き加工がなされることで、脚部分が略M字形に形成されている。また、第一脚部材40は、略M字形に形成された脚部分の両端において、両端の脚部分に沿って、略逆三角形の肉抜きである第一肉抜き43が形成されている。
【0040】
また、第一脚部材40の上端には、中央付近において、第一脚部材40を左右に二等分する中心線を軸とした左右対称の二箇所において、第一側板プレート10の第一脚部材連結用フック16、16に連結される第一側板プレート連結用凸部41、41が形成されている。この第一側板プレート連結用凸部41、41は、略逆U字形の凸部が、上端から上方に張り出して形成されており、その中央には第一脚部材連結用フック16、16を差し込むことができる孔として第一側板プレート連結孔41A、41Aが形成されている。
【0041】
さらに、第一脚部材40の上端における両端においては、折畳み式焚き火台1の使用時において、第一側板プレート10の第一脚部材係止用スリット17、17に差し込まれる第一側板プレート係止用突起部42が形成されている。この第一側板プレート係止用突起部42は、第一脚部材40の上端と連設された部位の左右両端が、わずかに窪んで形成されることで、鉤状の突起として形成されている。
【0042】
第二脚部材50は、図5に示すように、第一脚部材40と同形状に形成された金属製のプレートである。そのため、説明は省略する。なお、以下においては、便宜上、第一脚部材40の第一側板プレート連結用凸部41、第一側板プレート連結孔41A、第一側板プレート係止用突起部42および第一肉抜き43に対応する第二脚部材50における各部位を、それぞれ第二側板プレート連結用凸部51、第二側板プレート連結孔51A、第二側板プレート係止用突起部52および第二肉抜き53として、説明する。
【0043】
以上、第一側板プレート10、第二側板プレート20、火床プレート30、第一脚部材40および第二脚部材50の各部材について説明した。次に、第一側板プレート10、第二側板プレート20、火床プレート30、第一脚部材40および第二脚部材50の各部材の連結方法について、以下にて説明する。
【0044】
第一側板プレート10と第二側板プレート20とは、図1から図3図9図11から図13および図15に示すように、第一側板プレート10のスリット部12に、第二側板プレート20の突起部22が差し込まれることで、連結部2を介して連結される。具体的には、まず、第一側板プレート10または第二側板プレート20の一方に対し、第一側板プレート10または第二側板プレート20の他方を垂直かつ90度ねじった状態とし、この状態において、第一側板プレート10の中央スリット部14における縦の切込みに、第二側板プレート20の中央突起部24が差し込まれる。次に、この中央スリット部14および中央突起部24を軸として、ねじれ状態の第一側板プレート10と第二側板プレート20とを、互いに重ね合わさる状態へと戻し、この重ね合わさる状態において、第一側板プレート10の両端スリット部13、13に、第二側板プレート20の両端突起部23、23が差し込まれる。これにより、スリット部12と突起部22とが連結されて連結部2が形成され、さらに、この連結部2を介して、かつ、連結部2を軸として略V字形に開閉可能に、第一側板プレート10と第二側板プレート20とが連結される。
【0045】
次に、火床プレート30は、図2図4図9および図15に示すように、火床プレート連結用凸部31、31の火床プレート連結孔31A、31Aに、第一側板プレート10の火床プレート連結用フック15、15が差し込まれることで、連結される。なお、火床プレート30は、第一側板プレート10に対し、ヒンジ状に回動可能に連結されている。
【0046】
続けて、第一脚部材40は、図2図5図11および図12およびに示すように、第一側板プレート連結用凸部41、41の第一側板プレート連結孔41A、41Aに、第一側板プレート10の第一脚部材連結用フック16、16が差し込まれることで、連結される。すなわち、第一脚部材40は、第一側板プレート10の第一脚部材連結用フック16、16に懸吊され、第一側板プレート10に対して、ヒンジ状に回動可能に連結されている。
【0047】
第二脚部材50は、図3図5および図13に示すように、上記した第一脚部材40および第一側板プレート10と同様に、第二側板プレート連結用凸部51、51の第二側板プレート連結孔51A、51Aに、第二側板プレート20の第二脚部材連結用フック26、26が差し込まれることで、連結される。すなわち、第二脚部材50は、第二側板プレート20の第二脚部材連結用フック26、26に懸吊され、第二側板プレート20に対して、ヒンジ状に回動可能に連結されている。
【0048】
以上、第一側板プレート10、第二側板プレート20、火床プレート30、第一脚部材40および第二脚部材50の各部材の連結方法について説明した。次に、折畳み式焚き火台1の折畳み時および使用時について、以下にて説明する。
【0049】
折畳み式焚き火台1は、図11から図16に示すように、不使用時には、第一側板プレート10、第二側板プレート20、火床プレート30、第一脚部材40および第二脚部材50のそれぞれが重ね合わせられ、閉じられた状態で折り畳まれる。このとき、第一側板プレート10と第二側板プレート20との間には、火床プレート30が挟まれているが、この火床プレート30は、第一側板プレート10に連結された火床プレート連結用凸部31、31を下側に、第二側板プレート20に係止される火床プレート係止用突起部32を上側にして、折り畳まれる。また、第一脚部材40および第二脚部材50についても、それぞれ第一側板プレート10および第二側板プレート20に角度をつけることなく、第一側板プレート10および第二側板プレート20に沿って閉じられた状態で折り畳まれる。
【0050】
折畳み式焚き火台1は、図1および図6から図10に示すように、使用時には、連結部2を介して連結された第一側板プレート10と第二側板プレート20とが、連結部2を軸として相対的に開かれ、この相対的に開かれた状態の第一側板プレート10と第二側板プレート20との間に、火床プレート30が橋架される。具体的には、開かれた状態の第一側板プレート10と第二側板プレート20とは、第二側板プレート20の弧を描く略半円状の第二側板プレート下端部21が、第一側板プレート10の平面状のプレート部分に押し込まれるとともに、第二側板プレート下端部21の押し込みに反発して、連結部2における両端スリット部13、13および両端突起部23、23が、プレートの剛性力によって互いに引っ張り合うことで、第一側板プレート10および第二側板プレート20の上端から下端にわたる中央付近が凹状に撓み、略軒樋状の側板を形成する。この略軒樋状の側板の上方から、第一側板プレート10とヒンジ状に連結された火床プレート30が、第二側板プレート20に橋架される。このとき、火床プレート30は、第一側板プレート10および第二側板プレート20が略軒樋状から略平板状に戻ろうとする剛性力および開かれた状態から閉じられた状態に戻ろうとする剛性力に逆らって橋架されるため、橋架された状態を保つことができるように、火床プレート30の火床プレート係止用突起部32が、第二側板プレート20の火床プレート係止用スリット25に差し込まれて、係止される。これにより、第一側板プレート10と第二側板プレート20と火床プレート30とが互いに堅固に支持される。また、第一側板プレート10と第二側板プレート20とは、略軒樋状の側板を形成しつつ、開かれた状態で保たれる。
【0051】
また、折畳み式焚き火台1は、図1および図6から図10に示すように、使用時には、開かれた状態の第一側板プレート10および第二側板プレート20が、第一側板プレート10および第二側板プレート20のそれぞれに角度をつけて係止された第一脚部材40および第二脚部材50に支持されることで、自立する。具体的には、図17に示すように、閉じられた状態の第一側板プレート10において、第一脚部材40の第一側板プレート係止用突起部42、42が、第一側板プレート10の第一脚部材係止用スリット17、17に差し込まれて係止され、この第一脚部材係止用スリット17、17が係止された状態の第一側板プレート10が、上記した開かれた状態となることで、図1および図6から図10に示すように、第一側板プレート10に第一脚部材40が角度をつけた状態で保たれる。また、図17に示した第一脚部材40と同様に、閉じられた状態の第二側板プレート20において、第二脚部材50の第二側板プレート係止用突起部52、52が、第二側板プレート20の第二脚部材係止用スリット27、27に差し込まれて係止され、この第二脚部材係止用スリット27、27が係止された状態の第二側板プレート20が、上記した開かれた状態となることで、図1および図6から図10に示すように、第二側板プレート20に第二脚部材50が角度をつけた状態で保たれる。これにより、折畳み式焚き火台1は、開かれた状態の第一側板プレート10および第二側板プレート20が、第一脚部材40および第二脚部材50に支持されて、自立する。なお、第一脚部材40および第二脚部材50のそれぞれは、第一側板プレート10および第二側板プレート20に係止された状態で撓むように構成されることが好ましい。この撓みによって上方からの荷重に対し、より強い炊き火台とすることができる。
【0052】
以上のとおり、本実施形態が構成されている。次に、本実施形態の効果について説明する。
【0053】
本実施形態の折畳み式焚き火台1は、上記したとおり、第一側板プレート10と、第一側板プレート10に連結部2で連結された第二側板プレート20と、第一側板プレート10にヒンジ状に連結された火床プレート30と、を備え、折畳み時には、第一側板プレート10と第二側板プレート20とが、重なり合って火床プレート30を挟んで閉じられており、使用時には、第一側板プレート10と第二側板プレート20とが連結部2を軸として略V字形に開かれ、火床プレート30が、第二側板プレート20に係止されて、第一側板プレート10と第二側板プレート20とに跨がって橋架される。すなわち、折畳み式焚き火台1は、不使用時には、第一側板プレート10と第二側板プレート20とが、火床プレート30を挟んで折り畳まれることで、持ち運びや収納がしやすく、また、使用時には、第一側板プレート10と第二側板プレート20とが連結部2を軸として略V字形に開かれ、第一側板プレート10と第二側板プレート20との間に跨がって火床プレート30が橋架されることで、第一側板プレート10と第二側板プレート20と火床プレート30とが互いに堅固に支持された状態で、上方が開口した焚き火台として使用することができる。したがって、折畳み式焚き火台1だけで焚き火をすることができるため、利便性や収納性にも優れ、手軽に焚き火を楽しむことができる。
【0054】
また、折畳み式焚き火台1では、使用時における火床プレート30が、薪や炭等の燃料物が載置される火床として機能し、さらに、第一側板プレート10および第二側板プレート20のそれぞれにおける火床プレート30が橋架された部位よりも下部が、焚き火台の灰受として機能することから、炊き火台の下に別途の灰受や耐熱シート等を敷く必要がなく、利便性や収納性に優れ、手軽に焚き火を楽しむことができる。
【0055】
折畳み式焚き火台1は、上記したとおり、第一側板プレート10と第二側板プレート20とが、連結部2を軸として略V字形に相対的に開かれる際に、第二側板プレート20の弧を描く略半円状の第二側板プレート下端部21が、第一側板プレート10の平面状のプレートに押し込まれるとともに、第二側板プレート下端部21の押し込みに反発して、連結部2における軸の両端、すなわち両端スリット部13、13および両端突起部23、23が、略平板状のプレートの剛性力によって互いに引っ張られ、第一側板プレート10および第二側板プレート20のそれぞれの上端から下端にわたる中央付近が、凹状に撓んで略軒樋状の側板を形成する。この略軒樋状に形成された側板によって、折畳み式焚き火台1は、平面状のプレートのみで構成された炊き火台よりも、上方からの荷重に対して強度が増し、比較的薄い金属製のプレートで構成されたとしても、上方からの荷重に十分に耐えることができる。
【0056】
折畳み式焚き火台1は、上記したとおり、突起部22が、両端突起部23、23および中央突起部24として鉤状に形成されている。すなわち、上記したとおり、折畳み式焚き火台1は、連結部2において、突起部22がスリット部12に差し込まれることで、第一側板プレート10と第二側板プレート20とが連結されており、さらに、第一側板プレート10と第二側板プレート20とが略V字形に相対的に開かれる際に、第二側板プレート下端部21が第一側板プレート10に押し込まれる力と、互いの略平板状のプレートの剛性力とによって、第一側板プレート10と第二側板プレート20とが撓むように構成されている。そのため、第一側板プレート10と第二側板プレート20とが略V字形に開かれる際には、突起部22とスリット部12とに上記した力による負荷がかかりやすく、突起部22がスリット部12から抜けてしまうおそれがある。そこで、突起部22を鉤状突起として形成することで、突起部22の抜けを防止し、安全に第一側板プレート10と第二側板プレート20とを開閉することができる。
【0057】
折畳み式焚き火台1は、火床プレート30において、空気を循環させるための丸孔34と長方形孔35とからなる空気排出孔36が形成され、また、使用時の連結部2における軸の両端部周辺である第一側板プレート10と第二側板プレート20と火床プレート30の直線両端辺33とで囲まれた部位において、第一側板プレート10と第二側板プレート20と火床プレート30とで囲まれた空間に空気を供給するための空気供給孔60が形成されている。すなわち、折畳み式焚き火台1は、火床プレート30の上において、薪や炭等の燃料物がくべられた際に、燃料物の燃焼に必要な空気が、空気排出孔36と空気供給孔60とを通じて供給されることで、燃料物の燃料効率を高めることができる。また、燃料物が燃焼し終えた後の灰が、空気排出孔36を通じて、灰受として機能する第一側板プレート10および第二側板プレート20のそれぞれにおける火床プレート30が橋架された部位よりも下部に落ちることで、燃料物が灰に埋もれて燃焼しにくくなることを防ぐことができる。
【0058】
折畳み式焚き火台1は、第一側板プレート10の上端および第二側板プレート20の上端のそれぞれにおいて、調理物または調理器具である載置体が載置される載置台を係止するための第一載置台用切欠き18、18および第二載置台用切欠き28、28が形成されている。すなわち、折畳み式焚き火台1は、第一載置台用切欠き18、18および第二載置台用切欠き28、28に、網やロストル等の載置台を係止することで、この載置台の上に調理物または調理器具である載置体を載置した状態で使用することができる。また、折畳み式焚き火台1では、連結部2から第一載置台用切欠き18、18の下端までの長さおよび連結部2から第二載置台用切欠き28、28の下端までの長さが同じ長さに構成されていることから、載置台を水平に係止することができる。
【0059】
折畳み式焚き火台1は、第一側板プレート10の外側にヒンジ状に連結される第一脚部材40と、第二側板プレート20の外側にヒンジ状に連結される第二脚部材50と、を備え、折畳み時には、第一脚部材40および第二脚部材50が、第一側板プレート10および第二側板プレート20を挟んで閉じられており、使用時には、第一脚部材40が第一側板プレート10に対して角度をつけた状態で係止され、第二脚部材50が第二側板プレート20に対して角度をつけた状態で係止され、第一側板プレート10および第二側板プレート20が、第一脚部材40および第二脚部材50に支持されることで、自立する。すなわち、折畳み式焚き火台1は、不使用時には、第一側板プレート10、第二側板プレート20および火床プレート30と同様に、第一脚部材40および第二脚部材50のそれぞれを閉じて折り畳むことができ、さらに、使用時には、第一脚部材40および第二脚部材50が第一側板プレート10および第二側板プレート20を支持することで、自立する炊き火台として使用することができる。さらに、折畳み式焚き火台1では、第一脚部材40および第二脚部材50のそれぞれが、第一側板プレート10および第二側板プレート20に係止された状態で撓むように構成されており、この撓んだ第一脚部材40および第二脚部材50によって、上方からの荷重に対し、より強い炊き火台とすることができる。
【0060】
折畳み式焚き火台1は、第一側板プレート10、第二側板プレート20、火床プレート30、第一脚部材40および第二脚部材50のそれぞれが、脱着可能である。すなわち、折畳み式焚き火台1は、不使用時において、折り畳む以外に、第一側板プレート10、第二側板プレート20、火床プレート30、第一脚部材40および第二脚部材50のそれぞれを取り外した状態で、重ねて収納することができる。また、第一側板プレート10、第二側板プレート20、火床プレート30、第一脚部材40および第二脚部材50のそれぞれを取り外して洗うことができるため、手入れも容易である。
【0061】
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。そして、本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。
【0062】
例えば、本発明の実施形態では、第一側板プレート10に火床プレート30の一端部が連結され、第二側板プレート20に火床プレート30の一端部と反対側の他端部が係止される折畳み式焚き火台1を示したが、これに限定されるものではなく、例えば、第二側板プレート20に火床プレート30の一端部が連結され、第一側板プレート10に火床プレート30の一端部と反対側の他端部が係止されるものでもよい。
【0063】
また、例えば、本発明の実施形態では、第二側板プレート20が、下方に張り出して弧を描いた略半円状の第二側板プレート下端部21を有し、この第二側板プレート下端部21に突起部22が形成され、第一側板プレート10の第一側板プレート下端部11に突起部22と連結されるスリット部12が形成された折畳み式焚き火台1を示したが、これに限定されるものではなく、例えば、第一側板プレート10の第一側板プレート下端部11が、下方に張り出して弧を描いた略半円状に形成され、この第一側板プレート下端部11に突起部が形成され、第二側板プレート20の第二側板プレート下端部21に突起部と連結されるスリット部が形成されたものでもよい。
【0064】
さらに、例えば、本発明の実施形態では、火床プレート30に直線両端辺33、33が形成された折畳み式焚き火台1を示したが、これに限定されるものではなく、別の切り欠き、例えば、中央寄りに向かって略三角形の切り欠きが設けられることや、火床プレート30を橋架させる位置を高くすることによって、空気供給孔60が形成されていてもよい。
【0065】
また、例えば、本発明の実施形態では、第一側板プレート10、第二側板プレート20、火床プレート30、第一脚部材40および第二脚部材50の各部材が、それぞれ金属製のプレートによって構成されたものを示したが、これに限定されるものではなく、錆びにくく、焚き火の熱に耐えられる素材であれば、他の素材によって構成されていてもよい。
【0066】
さらに、例えば、本発明の実施形態では、第一脚部材40および第二脚部材50が略M字形に形成されたものを示したが、これに限定されるものではなく、例えば、略M字形の切欠きがない形状等として構成されていてもよい。
【0067】
また、例えば、本発明の実施形態では、第一側板プレート10と火床プレート30とが、また、第一側板プレート10と第一脚部材40とが、さらに、第二側板プレート20と第二脚部材50とが、それぞれヒンジ状に連結されたものを示したが、本実施形態に限定さるものではなく、他の構成、例えば、蝶番を用いてヒンジ状に回動が可能に連結されていてもよい。
【0068】
さらに、例えば、本発明の実施形態では、火床プレート連結用フック15、第一脚部材連結用フック16、第一載置台用切欠き18、第二脚部材連結用フック26、丸孔34、長方形孔35、第一側板プレート連結用凸部41および第二側板プレート連結用凸部51のそれぞれが、複数箇所に形成されたものを示したが、これに限定されるものではなく、1つまたは任意の複数の数において形成されていてもよい。
【0069】
また、例えば、本発明の実施形態では、火床プレート30に、三箇所の丸孔34および八箇所の長方形孔35が形成されることによって、空気排出孔36が形成されたものを示したが、丸孔34および長方形孔35の数は任意である。また、空気排出孔36が、丸孔34または長方形孔35のいずれか一方のみで形成されていてもよく、さらに、空気排出孔36の形状も、丸孔34または長方形孔35の形状に限定されるものではなく、任意である。さらに、空気排出孔36をより多く設けるために、火床プレート30の弧を描く上端辺および下端辺において切り欠きを設けることで、空気排出孔36を形成してもよい。
【0070】
さらに、例えば、本発明の実施形態では、第一側板プレート10、第二側板プレート20、火床プレート30、第一脚部材40および第二脚部材50からなる5つの金属製のプレートで構成されたものを示したが、各部材の強度をより一層高めるものとして、各部材の撓みを妨げない方向に沿って、例えば、第一脚部材40および第二脚部材50における第一肉抜き43若しくは第二肉抜き53または略M字形に形成された脚部分の上下方向に沿って、別の金属製のプレートを重ね合わせて補強がなされていてもよい。
【符号の説明】
【0071】
1 折畳み式焚き火台
2 連結部
10 第一側板プレート
11 第一側板プレート下端部
12 スリット部
13 両端スリット部
14 中央スリット部
15 火床プレート連結用フック
16 第一脚部材連結用フック
17 第一脚部材係止用スリット
18 第一載置台用切欠き
20 第二側板プレート
21 第二側板プレート下端部
22 突起部
23 両端突起部
24 中央突起部
25 火床プレート係止用スリット
26 第二脚部材連結用フック
27 第二脚部材係止用スリット
28 第二載置台用切欠き
30 火床プレート
31 火床プレート連結用凸部
31A 火床プレート連結孔
32 火床プレート係止用突起部
33 直線両端辺
34 丸孔
35 長方形孔
36 空気排出孔
40 第一脚部材
41 第一側板プレート連結用凸部
41A 第一側板プレート連結孔
42 第一側板プレート係止用突起部
43 第一肉抜き
50 第二脚部材
51 第二側板プレート連結用凸部
51A 第二側板プレート連結孔
52 第二側板プレート係止用突起部
53 第二肉抜き
60 空気供給孔
【要約】
【課題】持ち運ぶ際の利便性や不使用時の収納性に優れるだけでなく、上方からの荷重に十分に耐えることができる強度を備えた折畳み式焚き火台の提供を目的とする。
【解決手段】本実施形態は、第一側板プレート10と、第一側板プレート10に連結部2で連結された第二側板プレート20と、第一側板プレート10にヒンジ状に連結された火床プレート30と、を備え、折畳み時には、第一側板プレート10と第二側板プレート20とが、重なり合って火床プレート30を挟んで閉じられており、使用時には、第一側板プレート10と第二側板プレート20とが連結部2を軸として略V字形に開かれ、火床プレート30が、第二側板プレート20に係止されて、第一側板プレート10と第二側板プレート20とに跨がって橋架される。
【選択図】図1
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