(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記外固定子領域内に配置される固定子の固定子鉄心が前記モータハウジングの内面上に固定される、ことを特徴とする請求項1に記載の新型4固定子・4回転子付きの複合省エネ型モータ。
前記固定子は、複数の前記固定子鉄心が環状に分布している固定リングをさらに備え、 前記固定子は、前記固定子鉄心を前記固定リングに固定するための固定フレームをさらに備え、固定子鉄心は、第1円弧部分と、第2円弧部分と、第1円弧部分と第2円弧部分を接続する中間部分とを備えるI字型構造であり、コイルが両側にミゾが設けられる中間部分に巻き付けられ、第1円弧部分内には第1円弧部分を垂直に貫通する固定孔が設けられ、前記固定フレームは、この固定孔を通り抜けて、固定リングに固定接続され、
前記内固定子領域に配置される固定子の固定子鉄心は、第1円弧部分が外回転子部分に向かっており、第2円弧部分が内回転子部分に向かっているように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の新型4固定子・4回転子付きの複合省エネ型モータ。
内回転子部分と外回転子部分の永久磁石モジュールは、位置が対向し、数が同じであり、内回転子部分と外回転子部分の対向位置での永久磁石モジュールの、固定子領域に向かっている極性が反対する、ことを特徴とする請求項1に記載の新型4固定子・4回転子付きの複合省エネ型モータ。
前記内回転子部分の永久磁石モジュールの複数の永久磁石が内回転子部分の外側面に沿って垂直に装着されており、前記外回転子部分の永久磁石モジュールの複数の永久磁石が外回転子部分の内側面に沿って垂直に装着されている、ことを特徴とする請求項5に記載の新型4固定子・4回転子付きの複合省エネ型モータ。
回転軸をさらに備え、前記回転軸は、前記内回転子部分に接続され、前端蓋と後端蓋を通り抜けて、前記前端蓋と後端蓋に軸受を介して回転接続され、前記前端蓋と後端蓋に前記固定子が固定して設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の新型4固定子・4回転子付きの複合省エネ型モータ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術の不備を解消するために、本発明が解決しようとする技術課題は、如何に固定子巻線の両側磁場を用いて回転子を駆動するかである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的を実現するために、本発明は以下の技術案を用いる。
新型4固定子・4回転子付きの複合省エネ型モータであって、モータハウジングと、回転子と、4つの固定子とを備え、前記固定子と回転子が前記モータハウジング内に設けられており、前記固定子は、環状に分布している複数の固定子鉄心を備え、前記固定子鉄心には、磁気誘導線が前記固定子鉄心の径方向両側を透過するコイルが巻き付けられ、前記回転子は、外回転子部分と、内回転子部分と、フランジとを備え、前記外回転子部分が円筒形の内回転子部分の外に設けられており、前記外回転子部分と内回転子部分がフランジを介して接続され、外回転子部分と内回転子部分との間が内固定子領域となり、外回転子部分とモータハウジングとの間が外固定子領域となり、前記外回転子部分と内回転子部分がフランジを介して接続され、前記フランジが前記内固定子領域を第1内固定子領域と第2内固定子領域に分け、前記フランジが前記外固定子領域を第1外固定子領域と第2外固定子領域に分け、前記4つの固定子がそれぞれ前記第1、第2内固定子領域及び第1、第2外固定子領域に配置され、前記外回転子部分の内側面、及び前記内回転子部分の外側面には、環状に分布している複数の永久磁石モジュールが装着されており、隣接する2つの前記永久磁石モジュールの極性が反対する。
【0006】
好ましくまたは例示的には、前記外固定子領域内に配置される固定子の固定子鉄心が前記モータハウジングの内面上に固定される。
【0007】
好ましくまたは例示的には、前記固定子は、複数の前記固定子鉄心が環状に分布している固定リングをさらに備え、前記固定子は、前記固定子鉄心を前記固定リングに固定するための固定フレームをさらに備え、固定子鉄心は、第1円弧部分と、第2円弧部分と、第1円弧部分と第2円弧部分を接続する中間部分とを備えるI字型構造であり、コイルが両側にミゾが設けられる中間部分に巻き付けられ、第1円弧部分内には第1円弧部分を垂直に貫通する固定孔が設けられ、前記固定フレームは、この固定孔を通り抜けて、固定リングに固定接続され、前記内固定子領域に配置される固定子の固定子鉄心は、第1円弧部分が外回転子部分に向かっており、第2円弧部分が内回転子部分に向かっているように構成されている。
【0008】
好ましくまたは例示的には、前記永久磁石モジュールのそれぞれは、複数の永久磁石を備え、前記内回転子部分の永久磁石モジュールの複数の永久磁石が前記内回転子部分の外側面に沿って垂直に装着されており、前記外回転子部分の永久磁石モジュールの複数の永久磁石が前記外回転子部分の内側面に沿って斜めに装着されており、
好ましくまたは例示的には、前記内回転子部分の永久磁石モジュールの複数の永久磁石が内回転子部分の外側面に沿って斜めに装着されており、前記外回転子部分の永久磁石モジュールの複数の永久磁石が外回転子部分の内側面に沿って垂直に装着されている。
【0009】
好ましくまたは例示的には、斜めに装着されている複数の前記永久磁石の傾斜角度が5〜15度である。
【0010】
好ましくまたは例示的には、内回転子部分と外回転子部分の永久磁石モジュールは、位置が対向し、数が同じであり、内回転子部分と外回転子部分の対向位置での永久磁石モジュールの、固定子領域に向かっている極性が反対する。
【0011】
好ましくまたは例示的には、前記内回転子部分の永久磁石モジュールの複数の永久磁石が内回転子部分の外側面に沿って垂直に装着されており、前記外回転子部分の永久磁石モジュールの複数の永久磁石が外回転子部分の内側面に沿って垂直に装着されている。
【0012】
好ましくまたは例示的には、回転軸をさらに備え、前記回転軸は、前記内回転子部分に接続され、前端蓋と後端蓋を通り抜けて、前記前端蓋と後端蓋に軸受を介して回転接続され、前記前端蓋と後端蓋に前記固定子が固定して設けられる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の有益な効果は、以下のとおりである。
本発明は、固定子と回転子の構造を設計することによって、内固定子領域の固定子の両側の磁場と内回転子部分と外回転子部分の作用を活用し、モータ全体の出力電力が内回転子部分と外回転子部分電力の合計に等しく、固定子の両側の磁場を活用し、エネルギーの浪費を回避する。
【0014】
また、本発明は、さらに、モータ内部のスペースが活用され、外回転子部分とモータハウジングとの間に固定子を設けることで、外回転子部分の永久磁石モジュール35の両側磁場も利用でき、さらにモータ全体の出力電力を向上させる。
【0015】
上記の2つの省エネルギーの作用下で、従来のモータに比べて、同じ電力が実現される場合、本発明では、用いられる巻線の組数が著しく減少するので、固定子の体積が著しく減少でき、巻線材料が節約され、経済的利益が高くなる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図面についての解釈及び説明:
図1は、固定子20と回転子30との構造関係を断面視で示し、ここで、4つの固定子20がそれぞれの固定子領域内に位置する。
図2は、モータの全体図を示す。
図3は、固定子20と回転子30の嵌合関係を三次元的に示し、
図4は、内固定子領域36における固定子20内の各部材の構造の相互関係を示す。
図5は、固定子20での固定子鉄心22の分布関係を示す。
図6は、回転子30内の各部材の構造の相互関係を示し、
図6は、混合波モータの回転子の構造であり、外回転子部分31の永久磁石モジュール35が外回転子部分31の側面に沿って斜めに装着されており、内回転子部分32の永久磁石モジュール35が内回転子部分32の側面に沿って垂直に装着されている。
図7は、外固定子領域内の固定子構造を三次元的に示す。
図8は、固定子20と回転子30との構造関係を別の断面視で示す。
図9は、回転子30内の内回転子部分32と外回転子部分31における永久磁石モジュール35の磁気誘導線の方向を示す。
図10〜
図12は、本発明の各実施例の回転子の構造図を示し、その中で、
図10は混合波モータの回転子の構造、
図11は方形波モータの回転子の構造、
図12は正弦波モータの回転子の構造である。
図13は、固定子20を前端蓋または後端蓋に固定できる固定フレーム24の構造を示す。
図14は、
図13における前端蓋または後端蓋の構造を別の方向から示す。
図15は、
図13の前端蓋または後端蓋に固定子20が固定されるときの構造を示す。
図16は、ある時刻での固定子20におけるコイル23の磁気誘導線の方向を示し、それぞれのコイル23は、独立した磁石として、固定子鉄心22の径方向の両側へ磁気誘導線を発生させる。
図17は、回転子30の断面構造を示す。
図18は、外固定子領域37の固定子がモータハウジング10の内面に設けられた場合の断面構造を示す。
【0018】
以下、図面を参照する過程において、具体的な実施形態にて本発明の技術案についてさらに説明する。
【0019】
実施例1
(両側磁場を利用した実施形態)
本実施例は、新型4固定子・4回転子付きの複合省エネ型モータを提供し、このモータは、モータハウジング10と、回転子30と、4つの固定子20とを備え、前記固定子20と回転子30が前記モータハウジング10内に設けられており、ここで、固定子20は、環状に分布している複数の固定子鉄心22を備え、前記固定子鉄心22には、磁気誘導線が前記固定子鉄心22の径方向両側を透過できるコイル23が巻き付けられている。前記回転子30は、外回転子部分31と、内回転子部分32と、フランジ33とを備え、外回転子部分31と内回転子部分32との間が内固定子領域36となり、外回転子部分31とモータハウジング10との間が外固定子領域37となり、前記外回転子部分31と内回転子部分32がフランジ33を介して接続され、前記フランジ33が前記内固定子領域36を第1内固定子領域361と第2内固定子領域362に分け、前記フランジ33が前記外固定子領域37を第1外固定子領域371と第2外固定子領域371に分け、前記4つの固定子20がそれぞれ前記第1、第2内固定子領域及び第1、第2外固定子領域に配置され、前記外回転子部分31の内側面、及び前記内回転子部分32の外側面には環状に分布している複数の永久磁石モジュール35が装着されており、隣接する2つの前記永久磁石モジュール35の極性が反対する。
【0020】
固定子鉄心への巻き付け方式は複数あり、コイル23と永久磁石モジュール35の割合が一般的なモータと同じであり、一実施形態では、前記外回転子部分31の永久磁石モジュール35と、コイル23と、内回転子部分32の永久磁石モジュール35との数の比が2:3:2である。別の実施形態では、さらに別の割合関係であってもよい。
【0021】
さらに、前記外回転子部分31は、磁気誘導線が前記外回転子部分31を透過できるように、非磁性材料で製作される。
【0022】
本実施例の4固定子・4回転子付きの複合省エネ型モータは、電動機として使用されてもよく、発電機として使用されてもよい。
【0023】
電動機として用いられる場合、固定子鉄心22におけるコイル23に三相電流を印加し、内固定子領域36にある2つの固定子の作動プロセスについて説明する。固定子鉄心22が透磁材質で製造されるので、固定子鉄心22におけるコイル23が通電されると、コイル23の磁気誘導線が前記固定子鉄心22の径方向両側を透過でき、また、外回転子部分31と内回転子部分32がそれぞれ前記固定子鉄心22の径方向両側に設けられており、従って、コイル23が生じた磁気誘導線は、径方向両側の外回転子部分31と内回転子部分32に作用する。このとき、固定子鉄心22のそれぞれは、独立した磁石となり、位相が異なる磁場を発生させ、この磁場のN極及びS極がそれぞれこの固定子鉄心22の径方向両側にあり、それぞれ外回転子部分31と内回転子部分32に向かっている。固定子鉄心22におけるコイル23により生じた磁場の方向、強度が経時的に変わり、隣接する固定子鉄心22におけるコイル23の位相が異なる。
【0024】
外固定子領域37にある2つの固定子の作動プロセスについて説明する。三相電流が印加されると、固定子鉄心22におけるコイル23が磁場を発生させ、磁場が外回転子部分31における永久磁石モジュール35に作用する。
【0025】
三相電流が変化すると、外固定子領域と内固定子領域の固定子20は、それぞれ回転磁場を発生させ、これら回転磁場の両方により、永久磁石モジュール35が装着された外回転子部分31と内回転子部分32を回転駆動し、固定子鉄心22の磁場が変化すると、外固定子領域と内固定子領域の固定子20が回転磁場を形成し、内固定子領域36内の固定子20の磁場が外回転子部分31と内回転子部分32の永久磁石モジュール35に作用し、外固定子領域37内の固定子20の磁場が外回転子部分31の永久磁石モジュール35に作用する。外固定子領域と内固定子領域の固定子による回転磁場の変化が同期であり、外固定子領域と内固定子領域の固定子20のそれぞれにより回転子30に印加される力の方向が重なり、回転子30の総出力電力を外回転子部分31と内回転子部分32の電力の合計に等しくしてもよい。固定子鉄心22の磁場が変化すると、2つの固定子20が回転磁場を形成する。
【0026】
更なる実施形態では、外固定子領域の2つの固定子と内固定子領域の2つの固定子により回転子30に印加される力が重なり効果を奏することができるように、外固定子領域と内固定子領域の固定子の固定子鉄心22におけるコイル23は、巻き溝の数が同じであり、アーチの角度が同じであり且つアーチが対称的であり、対向位置でのコイル23の巻線位相が同じであり、磁気誘導線の方向が同じであり、それにより、外固定子領域と内固定子領域の固定子20の回転磁場が同期に変化する。このとき、外固定子領域と内固定子領域の固定子20の磁場は、変化が同期であり、位相が同じであり、それぞれにより回転子30に印加される力の方向が同じであり、重なり効果に優れる。
【0027】
更なる実施形態では、第1、第2内固定子領域の固定子及び第1、第2外固定子領域の固定子により外回転子部分31及び内回転子部分32に印加される力が重なり得るように、好ましくは、第1内固定子領域と第2内固定子領域の2つの固定子20が互いに対応し、第1外固定子領域と第2外固定子領域の2つの固定子20が互いに対応する。前記「互いに対応する」とは、回転磁場の位相が同じであり、コイル23の巻き数が同じであり、同期に回転することを意味し、具体的には、2つの固定子20が横方向に対称的であり、対応する固定子鉄心22におけるコイル23の電流の位相が同じであり、通電して生じた回転磁場は、位相が同じであり、方向が一致する。さらに、フランジ33により2つの部分に分割される外回転子部分31と内回転子部分32が同様に横方向に対称的であり、永久磁石モジュール35の分布位置が一致し、磁極方向が同じである。
【0028】
このとき、互いに対応する2つの固定子20の極数が一致し、外回転子部分31と内回転子部分32に印加される力は、方向が一致し、重なることで回転子30を回転駆動することができ、回転子30の出力電力がさらに高まる。
【0029】
図9に示すように、一実施形態では、永久磁石モジュール35の磁気誘導線の方向は図に示したとおりである。
【0030】
特に、電動機として用いられる場合、内固定子領域36内の固定子20については、2種の作用があり、回転子20の出力電力を向上させる。
【0031】
第一には、磁気誘導線が固定子鉄心22の径方向両側を透過できるため、コイル23の磁気誘導線が活用され、回転磁場により内回転子部分32と外回転子部分31の両方が回転駆動され、回転子20の出力電力が内回転子部分32と外回転子部分31の出力電力の合計に等しい。
【0032】
第二には、特定の角度範囲内では、内回転子部分32の磁気誘導線が固定子鉄心22に生じた磁場を強化し、外回転子部分31への磁場による作用力をさらに強化することができる。具体的には、回転子30が特定の角度範囲内で回転するとき、透磁特性に優れた固定子鉄心22が内回転子部分32の変化した磁気誘導線による作用を受け、誘起磁場を発生させ、この特定の角度範囲内では、固定子鉄心22の生じた誘起磁場はコイル23により生じた磁場の方向と同じであり、このとき、2つの磁場が重なり、固定子鉄心22に生じた磁場の強度がコイル23の回転磁場と固定子鉄心22の誘起磁場の合計に等しく、それにより、この固定子鉄心22に生じた磁場が強化され、その結果、外回転子部分31に作用する磁場が強化され、さらに外回転子部分31への作用力が高まる。同様に、別の特定の角度範囲内では、外回転子部分31の磁気誘導線も固定子鉄心22に生じた磁場を強化し、さらに内回転子部分32への磁場の作用力を強化することができる。一実施形態では、この特定角度を取得するように、三相電流の周期を適応的に調整する。
【0033】
この特定の角度を発生させる条件としては、固定子鉄心22における永久磁石モジュール35の生じた誘起磁場の方向が、このときのコイル23の回転磁場の方向と同じである。
【0034】
内回転子部分32がある固定子鉄心22におけるコイル23の回転磁場を強化する場合を例として、この特定角度のうちの1つが発生した状況について説明する。あるコイル23における磁場方向、強度が経時的に変化し、ある期間内に、ある固定子鉄心22におけるコイル23が一方向の磁場を発生させ、また、内回転子部分32に存在する1つの永久磁石モジュール35が内固定子領域36へ生じた磁気誘導線の方向は、このコイル23の磁気誘導線の方向と反対する。この永久磁石モジュール35がこの固定子鉄心22の一側から固定子鉄心22に正対する位置まで回転する過程において、固定子鉄心22における磁束が大きくなっていき、従って、固定子鉄心22がこの永久磁石モジュール35の磁場方向と反対する誘起磁場を発生させ、このとき、生じた誘起磁場の方向がコイル23の磁気誘導線の方向と同じであり、それにより、このコイル23の回転磁場が強化される。実際に作動するときには、この特定角度の発生条件を満たす位置が多く、コイル23の磁場が効果的に強化され得る。
【0035】
以上の2つの作用は相乗効果を果たし、回転子30の出力電力を増大させる。
【0036】
なお、本実施例の名称に記載の「4回転子」とは、フランジ33により分割された2つの外回転子部分31及び2つの内回転子部分32を意味する。
【0037】
上記の2番目の作用は、さらに、外固定子領域37の固定子20による外回転子部分31への作用力を強化することができる。具体的には、前述したように、2番目の作用が存在するため、特定の角度範囲内では、磁場が強化された内固定子領域の固定子鉄心22が外回転子部分31の磁場を強化する。このとき、外固定子領域37の固定子20による外回転子部分31への作用力が強化される。
【0038】
実際には、外回転子部分31と内回転子部分32がいずれもフランジ33により2つの部分に分割され、2つの部分に分割される回転子30のうち、一方は第1内固定子領域361と第1外固定子領域371の2つの固定子に対応し、他方は第2内固定子領域362と第2外固定子領域372の2つの固定子に対応する。それぞれ第2内固定子領域362と第2外固定子領域372内に配置される固定子20は、上記作用がいずれも存在する。本実施例では、4つの固定子20が4つの部分を回転駆動し、回転子30全体の出力電力が4つの回転部分の電力の合計に等しい。
【0039】
更なる実施形態では、4つの固定子により外回転子部分31及び内回転子部分32に印加される力が重なり得るように、好ましくは、4つの固定子20は、回転磁場の位相が同じであり、コイル23の巻き数が同じであり、同期に回転し、具体的には、4つの固定子20は、横方向に対称的であり、対応する固定子鉄心22におけるコイル23の電流の位相が同じであり、通電して生じた回転磁場は、位相が同じであり、方向が一致する。さらに、フランジ33により2つの部分に分割される外回転子部分31と内回転子部分32が同様に横方向に対称的であり、永久磁石モジュール35は、分布位置が一致し、磁極方向が同じである。
【0040】
このとき、4つの固定子20の極数が一致し、外回転子部分31と内回転子部分32に印加される力の方向が一致し、この力が重なり、回転子30を回転駆動することができ、回転子30の出力電力がさらに高まる。
【0041】
従来のモータに比べて、本実施例では、固定子20と回転子30の構造を設計することによって、内固定子領域36内の固定子20がそれぞれの固定子鉄心22を独立した電磁巻線として、複数の独立した電磁巻線の両側の磁場を利用して回転子30の外回転子部分31と内回転子部分32を駆動し、内固定子領域36の固定子20の両側の磁場を利用して内回転子部分32と外回転子部分31を駆動することに相当し、回転子30全体の出力電力が内回転子部分32と外回転子部分31の出力電力の合計に等しく、固定子20の両側の磁場とモータ内部のスペースが活用され、エネルギーの浪費を回避する。外固定子領域37内の固定子20の磁場により外回転子部分31が回転駆動され、回転子30の出力電力がさらに高まる。従来のモータに比べて、同じ電力が実現される場合、本発明では、用いられる巻線の組数が少ないため、固定子20の体積が減少し、巻線材料が節約され、経済的利益が高くなる。また、外回転子部分31における永久磁石モジュール35の両側磁場も利用され、2つの固定子20がそれぞれ外回転子部分31における永久磁石モジュール35の磁場を介して外回転子部分31に作用し、外回転子部分31を回転駆動し、回転子30の出力電力をさらに向上させ、同じ電力を実現するとき、外回転子部分31の両側の磁場が利用されているため、従来のモータに比べて、さらにエネルギーの利用効率を向上させ、省エネと環境保護の目的を実現する。
【0042】
発電機として用いられる場合、同様に、固定子鉄心22が透磁材質で製作されるものであるので、内回転子部分32と外回転子部分31の永久磁石モジュール35の磁気誘導線が内固定子領域36の固定子20の固定子鉄心22の径方向両側を透過してコイル23に作用することができ、また、外回転子部分31の永久磁石モジュール35の磁気誘導線がさらに外固定子領域37の固定子20のコイル23に作用できる。このとき、回転子30が回転し、その永久磁石モジュール35が回転して回転磁場を形成し、外固定子領域と内固定子領域の固定子20におけるコイル23が電磁誘導を生じ、同期化した起電力を発生させ、外部へ電気エネルギーを出力する。
【0043】
それぞれ第2内固定子領域362と第2外固定子領域372内に配置される固定子20は、上記作用が同様に存在し、発電機の出力電力が4つの固定子が4つの回転部分を駆動する発電電力の合計に等しい。
【0044】
一実施形態では、フランジ33により2つの部分に分割される外回転子部分31と内回転子部分32が同様に横方向に対称的であり、永久磁石モジュール35の分布位置が一致し、回転子30が回転するとき、4つの固定子20に対して生じた交流電気の初期位相と周波数が同じであり、さらに固定子20に生じた起電力が重なる。
【0045】
従来の発電機に比べて、本実施例では、内固定子領域36の固定子20におけるコイル23が外回転子部分31における永久磁石モジュール35から生じた磁気誘導線及び内回転子部分32における永久磁石モジュール35から生じた磁気誘導線の両方による作用を受け、内固定子領域36の固定子20におけるコイル23の磁束がより大きく変化し、生じ得る起電力がより強くなる。また、外固定子領域37の固定子20も磁気誘導線による作用を受けて、出力電力の起電力を強化する。
【0046】
実施例2
本実施例は、新型4固定子・4回転子付きの複合省エネ型モータの固定子20の固定態様を提供し、一実施形態では、
図18に示すように、前記外固定子領域37内に配置される固定子の固定子鉄心22が前記モータハウジング10の内面に固定され、このとき、外固定子領域37内の固定子の設置態様が一般的なモータの固定子設置態様と同じである。さらに、外固定子領域37内の固定子がモータハウジング10の内面に設けられるとき、外固定子領域37の固定子は2つ以上設けることができ、外回転子部分31が回転するように共同で駆動し、さらにより大きな出力電力を実現する。
【0047】
別の実施形態では、
図5に示すように、外固定子領域37と内固定子領域36の固定子がいずれも端蓋に固定され、第1内固定子領域361と第1外固定子領域371の固定子が前端蓋40に固定され、第2内固定子領域362と第2外固定子領域372の固定子が後端蓋50に固定される。具体的には、前記固定子20は、複数の前記固定子鉄心22が環状に分布している固定リング21をさらに備え、前記固定子20は、前記固定子鉄心22を固定リング21に固定するための固定フレーム24をさらに備える。好ましくは、固定リング21は2つ設けられ、固定子鉄心22が2つの固定リング21の間に固定される。
【0048】
一実施形態では、固定子鉄心22は、第1円弧部分221と、第2円弧部分222と、第1円弧部分と第2円弧部分を接続する中間部分223とを備えるI字型構造であり、コイル23は、両側にミゾが設けられる中間部分223に巻き付けられる。前記内固定子領域36に配置される固定子20の固定子鉄心22は、前記第1円弧部分221が外回転子部分31に向かっており、前記第2円弧部分222が内回転子部分32に向かっているように構成されている。
【0049】
一実施形態では、外固定子領域37内の固定子と内固定子領域36の固定子が全て前端蓋40に固定されるとき、前記外固定子領域37に配置される固定子20の固定子鉄心22は、前記第2円弧部分222が外回転子部分31に向かっているように構成されている。
【0050】
更なる実施形態では、第1円弧部分221内には第1円弧部分221を垂直に貫通する固定孔224が設けられ、前記固定フレーム24は、この固定孔224を通り抜けて、固定リング21に固定接続され、固定子鉄心22の間の対向位置を維持する。
【0051】
好ましくは、固定リング21は2つ設けられ、固定子鉄心22が2つの固定リング21の間に固定され、前記固定フレーム24の一端が一側の固定リング21から挿入されて固定孔224内に入り、前記固定孔224に沿って別の固定リング21へ延在し、別の固定リング21に固定接続される。さらに、前記固定フレーム24の他端が前端蓋40または後端蓋50に固定され、前記前端蓋40が後端蓋50に対向し、それぞれモータハウジング10の両側に設けられる。
【0052】
実施例3
本実施例は、混合波を発生可能な新型4固定子・4回転子付きの複合省エネ型混合波モータを提供し、
図6には、混合波モータの回転子の構造が示され、前記永久磁石モジュール35のそれぞれは、複数の永久磁石を備え、前記内回転子部分32の永久磁石モジュール35の複数の永久磁石が前記内回転子部分32の外側面に沿って垂直に装着されており、前記外回転子部分31の永久磁石モジュール35の複数の永久磁石が前記外回転子部分31の内側面に沿って斜めに装着されている。または、
図10には、別の混合波モータの回転子の構造が示され、前記内回転子部分32の永久磁石モジュール35の複数の永久磁石が前記内回転子部分32の外側面に沿って斜めに装着されており、前記外回転子部分31の永久磁石モジュール35の複数の永久磁石が前記外回転子部分31の内側面に沿って垂直に装着されている。
【0053】
本実施形態では、電動機として用いられる場合、作動プロセスが上記実施例1と同様である。
【0054】
本実施形態では、発電機として用いられる場合、特に、斜めに装着されている永久磁石モジュール35は、固定子20に正弦波の交流電気を生じさせることができ、また、垂直に装着されている永久磁石モジュール35は、固定子20に方形波の交流電気を生じさせることができる。従って、固定子20において、正弦波と矩形波を混合した混合波を生じることができ、混合波を出力し、使用ニーズに応じて、実用的な用途に適するように、交流電気の波形を適応的に選択することができる。
【0055】
本実施の形態では、出力される波形が正弦波と矩形波を組み合わせた混合波であるので、コントローラを選択する際、正弦波コントローラを選択してもよく、方形波コントローラを選択してもよく、本実施の形態のモータの適用性を向上させる。
【0056】
さらに、斜めに装着されている複数の前記永久磁石の傾斜角度が5〜15度であり、好ましくは、10度である。
図6と
図10に示すように、
図6と
図10において、斜めに装着されている複数の永久磁石の斜方向角度が10度である。
【0057】
一実施形態では、外回転子部分31または内回転子部分32における永久磁石35が斜めに装着されている場合、斜めに装着されている複数の永久磁石35は、異なる固定子20に対応するようにフランジ33により分割され、このとき、異なる固定子20に対応する永久磁石35は、位置が一対一で対応し、回転磁場が一致する2つの固定子20により斜めに装着された永久磁石の回転子部分に印加される力ができる限り重なる。
【0058】
実施例4
本実施例は、正弦波または方形波を発生できる新型4固定子・4回転子付きの複合省エネ型の正弦波または方形波モータを提供し、
図11と
図12に示すように、前記内回転子部分32と外回転子部分31の永久磁石モジュール35は、位置が対向し、数が同じであり、内回転子部分32と外回転子部分31の対向位置での永久磁石モジュール35の、内固定子領域36に向かっている極性が反対する。
【0059】
本実施の形態では、電動機として用いられる場合、回転子30の出力電力をさらに増大させることができ、原因は以下のとおりである。
【0060】
外回転子部分31と内回転子部分32の対向位置での永久磁石モジュール35の極性が反対し、外回転子部分31と内回転子部分32の永久磁石モジュール35の磁気誘導線が互いに抑制されるため、永久磁石モジュール35の磁気誘導線のほとんどが対向する永久磁石モジュール35の間に抑制され、内固定子領域36での磁気誘導線の集約度が高くなり、磁場が強くなる。従って、コイル23が通電されて回転磁場を発生させるとき、内外両側の永久磁石モジュール35への回転磁場の作用力が強化され、さらに回転子の出力電力が向上する。
【0061】
特に、外回転子部分31と外固定子領域37内の固定子が内回転子モータを構成し、従来の内回転子モータに比べて、本実施の形態では、外回転子部分31と外固定子領域37内の固定子とから構成される内回転子モータの出力電力がより大きくなる。具体的な原因は以下のとおりである。
【0062】
内固定子領域36内の固定子20が存在するとともに、外回転子部分31と内回転子部分32の対向位置での永久磁石モジュール35極性が反対するため、外回転子部分31における永久磁石モジュール35と内回転子部分32における永久磁石モジュール35の磁気誘導線が鉄材質の固定子20により吸引され、それにより、内回転子部分32における永久磁石モジュール35から生じた磁気誘導線が内固定子領域36の固定子を通った後、外回転子部分31まで延在することができ、さらに外固定子領域37に向かっている外回転子部分31の一側の磁場を強化し、外固定子領域37の固定子20が外回転子部分31に対してより強い駆動力を生じることができ、さらにモータ全体の出力電力を高める。
【0063】
発電機として用いられる場合は、電動機として用いられる場合と同様であり、磁気誘導線が互いに抑制されるため、磁気誘導線が集まることがあり、発電機の発電電力が強化される。同様に、外回転子部分31と外固定子領域37内の固定子とから構成される内回転子モータは、内固定子領域36内の固定子20による強化作用のため、一般的な内回転子モータに比べて、大きな交流電気を生じることができ、外回転子部分31が内固定子領域36の固定子に作用して生じた交流電気が、内回転子部分32が内固定子領域36の固定子に作用して生じた交流電気と重なり、出力電力効率を向上させる。
【0064】
更なる実施形態では、
図12には、正弦波モータの回転子の構造が示され、内回転子部分32の永久磁石モジュール35と外回転子部分33の永久磁石モジュール35の複数の永久磁石は、すべてそれらに対応する側面に沿って斜めに装着されており、好ましくは、2つの部分の複数の永久磁石の斜方向角度が同じである。
【0065】
本実施形態では、電動機として用いられる場合、作動プロセスが上記と同様である。
【0066】
一実施形態では、斜めに装着されている前記永久磁石モジュール35の複数の永久磁石の傾斜角度が5〜15度であり、好ましくは、斜方向角度が10度である。
図12に示すように、
図12における複数の永久磁石の斜方向角度が10度である。
【0067】
本実施形態では、電動機として用いられる場合、作動プロセスが上記と同様である。発電機として用いられる場合、重なった正弦波交流電気を生じ、斜めに装着されている永久磁石モジュール35の複数の永久磁石の傾斜角度の大きさが、固定子20の生じた正弦波の波形に影響を与える。
【0068】
実際の応用状況に応じて、傾斜角度を合理的に選択する。
【0069】
更なる別の実施形態では、
図11には方形波モータの回転子の構造が示され、前記内回転子部分の永久磁石モジュール35の複数の永久磁石が前記内回転子部分の外側面に沿って垂直に装着されており、前記外回転子部分の永久磁石モジュール35の複数の永久磁石が前記外回転子部分の内側面に沿って垂直に装着されている。
【0070】
本実施形態では、電動機として用いられる場合、前述したプロセスと同様である。本実施形態では、発電機として用いられる場合、方形波交流電気を生じる。
【0071】
本実施形態では、永久磁石モジュール35がすべて垂直に装着されているとき、減衰モータとして用いることができ、減衰モータとして用いられる場合、前記外回転子部分31の内側面と内回転子部分32の外側面における永久磁石モジュール35は、位置が対向し、磁場方向が同じである。この場合、位置が対向し、内回転子部分32の永久磁石モジュール35と外回転子部分31の永久磁石モジュール35の磁場が直接重なることができ、その結果、固定子20に作用する磁場は、そのうち1つの永久磁石が斜めに装着されている場合に比べて大きい。回転子30が回転するとき、特に内固定子領域36の固定子20が2つの永久磁石モジュール35の間に回転するとき、固定子20におけるコイル23の磁束が一方側に向かった状態から反対側に向かうようになり、数値の変化が非常に大きいため、固定子20が非常に大きな誘導起電力を生じ、回転子30のさらなる回転が制限される。
【0072】
本実施形態では、同様に、2つの部分の永久磁石モジュール35が重なることができるので、従来の減衰モータに比べて、固定子20に生じた誘導起電力が大きく、生じた減衰効果に優れる。
【0073】
実施例5
(回転軸、前端蓋の取り付け態様)
本実施例は、新型4固定子・4回転子付きの複合省エネ型の正弦波または方形波モータの回転軸の設置態様を提供し、本実施例は、回転軸34をさらに備え、前記回転軸34が前記内回転子部分に接続され、前記回転軸34が前端蓋40と後端蓋50を通り抜けて、前記前端蓋40と後端蓋50に軸受を介して回転接続され、前記前端蓋40と後端蓋50には前記固定子20が固定して設けられる。
【0074】
実施例2と組み合わせられれば、前記固定フレーム24は、一端が固定リング21を通り抜けて、前記前端蓋40または後端蓋50に固定され、他端が前記固定子鉄心22の前記固定孔224から挿入され、前記固定子鉄心22が環状に分布している固定リング21まで延在して、この固定リング21に固定される。
【0075】
前記固定子鉄心22の垂直両側にいずれも固定リング21が設けられるとき、前記前端蓋40または後端蓋50に向かっている固定リング21には、前記固定フレーム24が通り抜けるための孔が開設され、固定フレーム24は、この孔を通り抜けて、固定子鉄心22の固定孔224内に入り、延在して前記固定子鉄心22のこの端蓋から離れる固定リング21に固定される。
【0076】
本実施例は、固定子20の熱量を放熱する水冷放熱構造を設けることができ、その具体的な構造がCN204012958Uに開示されているものと同様である。
【0077】
本発明は好適な実施例にて説明され、当業者であれば分かるように、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、これらの特徴と実施例に対して様々な変更や等価置換を行うことができる。本発明は、ここに開示されている具体的な実施例で制限されず、本願の特許請求の範囲に属する実施例がすべて本発明の保護範囲に属する。
【解決手段】モータは、回転子30と4つの固定子20とを備え、回転子30は、外回転子部分31と内回転子部分32とを備え、外回転子部分31が円筒形の内回転子部分32の外に設けられており、外回転子部分31と内回転子部分32との間が内固定子領域36となり、外回転子部分31とモータハウジング10との間が外固定子領域37となり、外回転子部分31と内回転子部分32がフランジ33を介して接続され、フランジ33が内固定子領域36を第1、第2内固定子領域361,362に分け、フランジ33が外固定子領域37を第1、第2外固定子領域371,372に分け、4つの固定子20がそれぞれ第1、第2内固定子領域361,362及び第1、第2外固定子領域371,372に配置される。