特許第6900142号(P6900142)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6900142カートキャスタ方向を制御するカート制御システムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6900142
(24)【登録日】2021年6月18日
(45)【発行日】2021年7月7日
(54)【発明の名称】カートキャスタ方向を制御するカート制御システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 19/40 20060101AFI20210628BHJP
   B62B 3/00 20060101ALI20210628BHJP
   B62B 5/00 20060101ALI20210628BHJP
   B65D 19/42 20060101ALI20210628BHJP
【FI】
   B65D19/40 Z
   B62B3/00 D
   B62B5/00 J
   B65D19/42
【請求項の数】7
【外国語出願】
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2015-22970(P2015-22970)
(22)【出願日】2015年2月9日
(65)【公開番号】特開2015-212173(P2015-212173A)
(43)【公開日】2015年11月26日
【審査請求日】2018年2月7日
【審判番号】不服2020-3629(P2020-3629/J1)
【審判請求日】2020年3月17日
(31)【優先権主張番号】14/270,577
(32)【優先日】2014年5月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン・マイケル・ヤング
(72)【発明者】
【氏名】カール・アーロン・デイヴィソン
【合議体】
【審判長】 井上 茂夫
【審判官】 石井 孝明
【審判官】 藤原 直欣
(56)【参考文献】
【文献】 特開平9−182635(JP,A)
【文献】 特開2001−26387(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D19/00-19/44
B62B1/00-5/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左旋回キャスタ24と右旋回キャスタ24とを有するカート20を、前記左旋回キャスタ24が左に拡張されかつ前記右旋回キャスタ24が右に拡張された状態の前記カート20よりも狭いコンパートメント60内に収容する方法であって、
前記左旋回キャスタ24を左に向くように反時計回りに旋回させ、前記右旋回キャスタ24を右に向くように時計回りに旋回させながら、前記カート20を前記コンパートメント60に挿入することと、
前記左旋回キャスタ24を反時計回りに旋回させ、前記右旋回キャスタ24を時計回りに旋回させて安定した車輪追従構造を達成することによって前記カート20を前記コンパートメント60から引き出すこととを含み、
前記挿入することは、左ガイド面52を横断して前記左旋回キャスタ24を反時計回りに旋回させることと、右ガイド面52を横断して前記右旋回キャスタ24を時計回りに旋回させることとを含み、
前記左ガイド面52が複数のキャスタデフレクタ82を含み、かつ、前記右ガイド面52が複数のキャスタデフレクタ82を含み
前記キャスタデフレクタ82のそれぞれは、前記コンパートメント60の左壁64および右壁66と略平行な進行方向を横切って配向される長手方向を含み、前記長手方向と前記進行方向との間の鋭角が60度〜80度であり、
前記キャスタデフレクタ82は、前記旋回キャスタ24の車輪28の直径よりも小さな間隔を伴って互いに平行に配置され、
前記複数のキャスタデフレクタ82は1つ以上の間隔をおいて周期的に配置される、方法。
【請求項2】
前記左ガイド面52の前記キャスタデフレクタ82と前記右ガイド面52の前記キャスタデフレクタ82が細長である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記左ガイド面52の前記キャスタデフレクタ82と前記右ガイド面52の前記キャスタデフレクタ82がそれぞれ隆線、畝、細片、傾斜、隆起、棒、細長凸部、谷、路、溝、窪み、間隙、細長凹部のうち少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記左ガイド面52の前記キャスタデフレクタ82と前記右ガイド面52の前記キャスタデフレクタ82がそれぞれ1mm以上かつ10mm未満の高さ変化を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記引き出すことが、左ガイド面52を横断して前記左旋回キャスタ24を反時計回りに旋回させることと、右ガイド面52を横断して前記右旋回キャスタ24を時計回りに旋回させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記挿入することが前記コンパートメント60に前記カート20を固定することを含み、前記引き出すことが前記コンパートメント60から前記カート20を解放することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
左旋回キャスタ24および右旋回キャスタ24を有するカート20と、
前記カート20を支持し、左ガイド面52および右ガイド面52を含む床50と、
前記床50に連結される左壁64および右壁66と、
を備えるカート20の制御システムであって、
前記左ガイド面52が前記左壁64に隣接し、複数の細長のキャスタデフレクタ82を含み、かつ、前記右ガイド面52が前記右壁66に隣接し、複数の細長のキャスタデフレクタ82を含み、
前記左ガイド面52が、前記左旋回キャスタ24が前記左壁64および前記右壁66と略平行な進行方向に前記左ガイド面52を横断する際、前記左壁64に向くように前記左旋回キャスタ24を旋回させるように構成され
前記右ガイド面52が、前記右旋回キャスタ24が前記進行方向に前記右ガイド面52を横断する際、前記右壁66に向くように前記右旋回キャスタ24を旋回させるように構成され、
前記キャスタデフレクタ82のそれぞれが前記進行方向を横切って配向される長手方向を含み、前記長手方向と前記進行方向との間の鋭角が60度〜80度であり、
前記キャスタデフレクタ82は、前記旋回キャスタ24の車輪28の直径よりも小さな間隔を伴って互いに平行に配置され、
前記複数のキャスタデフレクタ82は1つ以上の間隔をおいて周期的に配置される、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カート制御システムおよびカートキャスタ方向を制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
旋回キャスタ(旋回カスタとも称する)付きカートは機動性があるが、カートの方向が反転したときにキャスタが時計回りまたは反時計回りに予測不能に旋回する場合がある。制限された領域で使用される場合、キャスタの旋回によってカートが壁に衝突する、あるいは壁に詰まって動けなくなることがある。例えば、航空機のギャレー領域でよく発生する問題として、ギャレーのカートキャスタが外方向に旋回してギャレーカートコンパートメント壁にぶつかり、車輪が動かなくなってカートをギャレーカートコンパートメントから容易に引き出せなくなる。
【0003】
通常、キャスタ詰まりは、壁近傍のカートの方向を反転させる際に問題となる。キャスタ詰まりを回避する方法の1つは、壁近傍にカートを配置するのを避けることである。例えば、カートは、すべてのキャスタが360度自由に回転できるように十分な幅のコンパートメントに収容することができる。これは有効な解決策ではあるが、空間はほぼ常に極めて貴重であり、壁から十分に離して動作させることが選択肢にならない場合もある。
【0004】
キャスタ詰まりを回避するもう1つの方法は、側方キャスタガイドおよび/または旋回止めを使用することである。壁に沿った帯状材である側方キャスタガイドは、キャスタが壁近傍で自由に旋回するのを防止することができる。キャスタがカートの下から突出することがある場所に近接して、壁に沿った帯状材を配置することによって、キャスタの旋回を制限し、キャスタが壁まで旋回して詰まるのを防ぐことができる。コンパートメント、キャスタ、カート、関連部品の間隔や形状には大きなばらつきがあるため、通常、キャスタガイドはコンパートメント、壁、カート、キャスタの組み合わせ毎に特別注文しなければならない。また、狭い空間に適合させる際、キャスタガイドとキャスタ間の間隙を精密かつ非常に狭く制限しなければならず、カートを余裕を持って空間に転がり入れるのは困難であり、キャスタが詰まって動かなくなる。さらに、カートは、キャスタが特定の位置まで旋回する(例えばカートの下から突出する)のを防ぐ旋回止めを含むことができる。旋回止めは通常、カートの機動性を低下させ、壁から離して動作させる場合でもキャスタを転がす代わりに引きずってしまうことがある。
【0005】
したがって、カートの使用を邪魔せずに、様々なコンパートメント、壁、カート、キャスタの組み合わせに適応できる解決策が有益であろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
カートキャスタ方向を制御するカート制御システムおよび方法により、キャスタ詰まりなしに壁近傍でカートを動作させることができる。カート制御システムは1つ以上の旋回キャスタを有するカートと、壁と、壁に隣接するガイド面とを備え、ガイド面は、旋回キャスタが壁に略垂直な方向にガイド面を横断する際、壁に向くように旋回キャスタのうち少なくとも1つを旋回させるように構成される。キャスタが壁の方に旋回させられると、キャスタの床50との接点はキャスタの旋回軸よりも遠くに壁から離れ、カートの下に来る。方向を反転させると、キャスタは、キャスタの床50との接点がキャスタの旋回軸よりも壁から遠くに保持されるように外方に旋回する。よって、キャスタは壁まで旋回せず、カートを詰まらせることもない。
【0007】
壁近傍のカートのキャスタの方向を制御する方法は、壁の長さに沿って第1の方向にカートを移動させ、ガイド面を横断させることによって壁に向くようにキャスタを旋回方向(例えば、時計回りまたは反時計回り)に旋回させることと、その後で壁の長さに沿って第1の方向と反対の第2の方向にカートを移動させ、同一の旋回方向にキャスタを旋回させることとを備える。
【0008】
カート制御システムは2つ以上のガイド面を有する床50を備えてもよく、各ガイド面は壁に隣接する。例えば、左ガイド面は左壁に隣接し、右ガイド面は右壁に隣接する。ガイド面はそれぞれ、相互に略平行である進行方向を有する。ガイド面は、キャスタが進行方向にガイド面を横断する際、隣接する壁を向くように外方にキャスタを旋回させるように構成される。例えば、外方への旋回時、左キャスタは隣接する左壁を向くように反時計回りに旋回し、右キャスタは隣接する右壁を向くように時計回りに旋回する。カート方向が反転すると、同じキャスタとガイド面は、キャスタの追従(追跡)部がほぼカートの下に保持されるようにキャスタを外方に旋回させるべく配置および/または構成される。よって、キャスタは対応する壁まで旋回せず、カートを詰まらせることもない。
【0009】
カートの制御方法は、左車輪が左に向き右車輪が右に向くように外方に旋回させながらカートをコンパートメントに挿入することと、左車輪と右車輪を外方に旋回させながらカートをコンパートメントから引き出すことによって、カートをコンパートメント内に収容することを備えていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】カート制御システムの概略図である。
図2】カート制御システムの概略平面図である。
図3】コンパートメントへのカート挿入の開始時のカート制御システムの概略平面図である。
図4】コンパートメントへのカート挿入の終了時のカート制御システムの概略平面図である。
図5】コンパートメントからのカート引出しの開始時のカート制御システムの概略平面図である。
図6】コンパートメントからのカート引出しの終了時のカート制御システムの概略平面図である。
図7】キャスタデフレクタを備えた床板の例示的かつ非排他的例の透視図である。
図8】コンパートメントの終端から見た、コンパートメントへのカート挿入の開始時のカート制御システムの例示的かつ非排他的例の透視図である。
図9】コンパートメントの始端から見た、コンパートメントへのカート挿入の開始時のカート制御システムの例示的かつ非排他的例の概略透視図である。
図10】1つ以上のカート制御システムを含む航空機の図である。
図11】本開示によるカート制御方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1から図10は、カート制御システムとそのコンポーネントとを示す。同様の、または少なくとも略同様の目的を果たす構成要素には図面中で同じ符号を付す。図1から図10中の符号とそれに対応する構成要素、は、図1から図10のそれぞれを参照して詳細に説明しない場合がある。同様に、図1から図10のそれぞれですべての構成要素に符号を付すとは限らず、関連付けられる参照符号は整合性を保つために使用することができる。図1から図10のうち1つ以上の図面を参照して説明する構成要素、コンポーネント、および/または形状は、本開示の範囲を逸脱せずに図1から図10のいずれかに含める、および/または図1から図10のいずれかで使用することができる。概して、含められる可能性の高い構成要素は実線で示し、任意のまたは代替の構成要素は破線および/または破線の引出し線で示す。しかしながら、実線で示す構成要素は必ずしも必須であるとは限らず、本開示の範囲を逸脱せずに省略してもよい。
【0012】
図1から図2は、カート20が壁62の近傍で動作させられる際(図2に示す)にキャスタ詰まりを回避および/または防止するガイド面52を採用するカート制御システム10を示す。カート制御システム10は、1つ以上の旋回キャスタ24を有するカート20、壁62、床50、床50のガイド面52を備える。壁62は床50に隣接し、床50に動作可能に連結される。ガイド面52は壁62に隣接して配置され、キャスタ24が壁62に略平行な所定の方向(ガイド面52の進行方向58)でガイド面52を移動する際にキャスタ24のうち少なくとも1つを壁62に向けるように構成される。
【0013】
本明細書で使用される際、左、右、前、後、内、外、時計回り、反時計回りなどの方向は、カート20に対面しカート20の後ろに立つカートオペレータから見た方向である。したがって、前方はオペレータの前の方向であり、左壁64はオペレータとカート20の左にある。内方と外方は、それぞれシステムの左右中線に向かう方向と離れる方向である。壁62の近傍で、内方は壁62から離れる方向を指し、外方は壁62に向かう方向を指す。よって、方向の原点(方向に対応付けられる物体)がシステムの左および/または左壁64の近傍にある場合、左から右への方向が内方である。同様に、方向の原点がシステムの右および/または右壁66の近傍にある場合、右から左への方向が外方である(図1および2には示さず)。
【0014】
床50は通常、構造内の支持面である。しかしながら、床50はグラウンド、通路、道路、タールマカダム舗装などなどの外面であってもよい。床50はカート20を支持するように構成される。また、床50は、ギャレー、台所、浴室などの湿潤環境用に構成してもよい。床50は床50の上面の液体を阻止および/または排除するように構成してもよいし、床50および/または床50の周囲の液体漏れを防止する(ことによって液体を抑制する、および/または床50下構造の損傷を回避する)ように構成してもよい。
【0015】
床50の少なくとも1つの縁部(例えば、図2に示す左縁87)および/または少なくとも1つの端領域(例えば、図2に示す左端領域88)は壁62に隣接する。床50は、床50を形成する、床50に連結される、床50に付着される、および/または床50によって支持される床板80を含んでいてもよい。床板80が連結される、付着される、あるいはその他の形で床50に固定される場合、接続部は例えば固定具用の床板80および/または床50の貫通を封止する、および/または床板80および/または床50の貫通を必要としない接着剤を使用することによって、湿潤環境用に構成してもよい。床50は2つ以上のガイド面52を含み、2つ以上の壁62に隣接させてもよい。壁62および/またはガイド面52は床50の様々な縁部および/または端領域、例えば、他の図面およびより具体的な実施形態を参照して本明細書でさらに説明するように前端領域84、後端領域86、左縁87、左端領域88、右縁89、および/または右端領域90に置くことができる。同じ床50の複数のガイド面52の進行方向58は通常、整合させられる。
【0016】
キャスタ24(カスタとも称する)は、カート20などの物体の底面に搭載されて、物体を支持し、物体を移動させることができる車輪アセンブリである。本明細書で使用される際、カート20は任意の適切な物体を指し、他の物体を搬送および/または輸送するように構成、適合、および/または設計される物体のみに限定されない。カート20は1つ以上のキャスタ24を含んでよく、通常はカート20の対向側に少なくとも1つのキャスタ24を有する。例えば、カート20は2つの前側キャスタ24、例えば、左に1つと右に1つを組み込んでもよい。別の例として、カート20は4つのキャスタ24、例えば、略矩形のフットプリントのカートの各隅に1つずつを含んでもよい。
【0017】
キャスタ24は1つ以上の車輪28、キャスタ24をカート20の残りの部分と連結する搭載機構32、搭載機構32に連結される回転継手30、回転継手30に連結され車輪28に回転可能に連結されるフォーク26を含む。
【0018】
車輪28は、転動軸34と旋回軸42の2つの略直交軸を中心に回転するように構成される。車輪28は、床50に沿って転動軸34を中心に転動するように構成される(図1では転動動作48で示す)。床50と車輪28間の接点は床接点38であり、車輪中心36の略下方向にある。転動軸34は略水平である、すなわち、床50に平行である。キャスタ24は2つ以上の車輪28を含んでもよく、各車輪28は共通軸を中心に回転するように構成される。したがって、車輪28は個々に転動できるが、車輪28の動作は共通すると考えることができる。
【0019】
また、車輪28は旋回軸42を中心に旋回するように構成される(図1および2では旋回動作44で示す)。旋回軸42は略縦方向である、すなわち床50および重力方向に垂直である。車輪28が旋回軸42を中心に旋回すると、転動軸34の配向が変化して、車輪28の転動方向も変化する。通常、キャスタ24は、車輪28が任意の方向に自由に旋回し、少なくとも完全に旋回するように構成される。
【0020】
旋回軸42は車輪中心36および車輪28の床接点38からオフセットされる。旋回軸42のオフセットのため、キャスタ24は、キャスタ24を含むカート20が動作中であるとき旋回軸42が車輪中心36および床接点38を先導するように自然と旋回する傾向がある。すなわち、車輪28が自由に転動および旋回する機会を与えられると、車輪中心36と床接点38はカート20の移動方向74に沿って、旋回軸42を追従または追跡する。この自然で安定したキャスタ24の構造を車輪追従構造または車輪追跡構造と称する場合がある。
【0021】
より一般的には、車輪追従構造または車輪追跡構造は、旋回軸42が車輪中心36および床接点38よりもカート20の移動方向74に沿って前方にあるときはいつでも存在する。したがって、キャスタ24は移動方向74とずれているけれども、まだ車輪追従構造をとる。車輪追従構造の反対が車輪先導構造である。車輪先導構造では、車輪中心36および床接点38が旋回軸42よりもカート20の移動方向74に沿って前方にある。車輪追従構造をとる、車輪先導構造をとる、あるいはいずれの構造もとらないとしても、キャスタの構造はカート20の移動の存在と移動方向に依存する。ある瞬間に車輪追従構造をとるキャスタ24が、カート20の移動方向74が反転すれば次の瞬間に車輪先導構造をとる場合がある。カート20が移動していない場合、キャスタ24は車輪追従構造も車輪先導構造もとらない。
【0022】
車輪28の転動方向がカート20の移動方向74と整合するとき、キャスタ24は車輪追従構造または車輪先導構造をとることができる。整合した車輪追従構造(図1および2に示す)はカート−キャスタシステムの動的平衡状態である。したがって、カート20の移動中、キャスタ24はまだ一致させられていない場合は、一致した、車輪追従構造をとるように旋回する。時計回りまたは反時計回りの旋回方向(床50の上から見て)はほぼ角度変位が最小である方向であり、結果的に整合した車輪追従構造につながる。キャスタ24が整合した車輪先導構造をとっていない場合、時計回りと反時計回り方向は略同等に起こる可能性があるため、旋回方向はほぼランダムで予測不能である。
【0023】
キャスタ24の配向40は、整合した車輪追従構造に至るカート20の動作方向によって特徴付けられる。この方向、ひいてはキャスタ配向40は、旋回軸42に沿った車輪中心36および床接点38から旋回軸42への方向である。キャスタ24が特定の方向に向けられると記載される際、キャスタ配向40はその方向を向く。同様に、キャスタ24が物体に向けられると記載される際、キャスタ配向40は、カート20の移動方向74がキャスタ配向40と同一であればカート20を物体の方に先導する方向で物体の方を向く。例えば、キャスタ24が外方を向くと、キャスタ配向40は隣接する壁62の方を向く。別の例では、キャスタ24が隣接する壁62の方を向くと、旋回軸42は車輪中心36および床接点38よりも壁62に近くなる。
【0024】
車輪追従構造および車輪先導構造とは異なり、キャスタ配向40はカート20の動作に依存せず、したがって、キャスタ24はカート20の動作の存在および方向に無関係なキャスタ配向40を有する。キャスタ配向40はカート20の動作に依存しないが、カート20の動作により、キャスタ24が整合した車輪追従構造をとる際にキャスタ24が旋回し、キャスタ配向40を変更させる。
【0025】
本明細書で使用される際、キャスタ24の旋回方向は、車輪中心36および床接点38に対する旋回軸42の相対的動作によって定義される。キャスタ24がある方向に旋回すると、旋回軸42は車輪中心36および床接点38に対する方向に移動する。外方に旋回するとは、旋回軸42が車輪中心36および床接点38に対して外方に移動することを意味する。左に旋回するとは、旋回軸42が車輪中心36および床接点38に対して左に移動することを意味する。反時計回りに旋回するとは、旋回軸42が車輪中心36および床接点38に対して反時計回りに移動することを意味する。方向時計回りと反時計回りはキャスタ24が旋回する際に名称を変更しないが、キャスタ24が左または右に旋回しようと、あるいは同様に内方または外方に旋回しようと、キャスタ24の配向40に依存する。前方に向くキャスタ24は、反時計回りに旋回する場合は左に旋回する。後方に向くキャスタ24は、反時計回りに旋回する際に右に旋回する。なお、車輪中心36および床接点38はキャスタ24と左右および内外としては逆方向に旋回するが、時計回りおよび反時計回りとしては同方向に旋回する。したがって、キャスタ24が外方に旋回すると、車輪中心36および床接点38は内方に旋回する、すなわち、旋回軸42が車輪中心36および床接点38に対して外方に移動すると、車輪中心36および床接点38は旋回軸42に対して内方に移動する。
【0026】
キャスタ24が旋回軸42を中心に旋回する際、キャスタ24、通常は車輪28の最大範囲が旋回軸42の周囲の弧を掃引する。キャスタ24が取り得るすべての位置の軌跡46を図2に破線の円として示す。しかしながら、例えば、キャスタ24の旋回角度が360度未満に制限される、あるいは旋回軸42が垂直でない場合、軌跡46は常に真円とは限らない。
【0027】
1つ以上のキャスタ24が取り得る位置の軌跡46が図2に示すように壁62と交差するときに、カート詰まりが問題となる。通常、壁62は略垂直であるため、詰まりリスクが存在し得るキャスタ24は、キャスタ24の軌跡46がカート20のフットプリント22を超えて延在するように 、カート20の縁部近傍に位置する。カート20のフットプリント22は床50上のカート20から縦方向に突出し、キャスタ24を無視する。
【0028】
キャスタ24が壁62へと旋回して詰まるのを回避および/または防止するため、カート制御システム10は床50に少なくとも1つのガイド面52を備える。ガイド面52は、カート20の方向が反転しても、キャスタ24が車輪先導構造をとる間、移動方向74を横切り、カート20のフットプリント22の幅を超えて延在することがないように構成される。カート制御システム10、ガイド面52、床50、および/または床板80は、例えば軽量材料および/または軽量コネクタ機構(例えば、固定具ではなく接着剤を使用)を導入してさらに軽量に構成してもよい。
【0029】
ガイド面52は、キャスタ24がガイド面52を進行方向58に横断する際にキャスタ24を再度方向付ける。ガイド面52の進行方向58は隣接する壁62と略平行であり、広く前方と説明される。よって、カート20の移動方向74がほぼガイド面52の進行方向58(すなわち、前方向)である場合、ガイド面52(例えば、左ガイド面54)を移動するキャスタ24は、キャスタ配向40が隣接壁62(例えば、左壁64)を向くように旋回する。例えば、図2では、キャスタ24が前方(図面では上)に移動するとすれば、キャスタ24は、キャスタ配向40が左壁64を向くように旋回軸42を中心に反時計回りに旋回する。図2には示していないが、同じ作用が右壁66近傍でも発生する。すなわち、略進行方向58(すなわち、前方)に右ガイド面56を移動するキャスタ24は、キャスタ配向40が右壁64を向くように旋回軸42を中心に時計回りに旋回する。この時計回りの旋回(右ガイド面56用)と反時計回りの旋回(左ガイド面54用)は外方への旋回と記載することもできる(すなわち、右壁66と左壁64に向かう)。キャスタ24が外方に旋回して外を向くと、旋回軸42は車輪中心36および床接点38よりも隣接壁62に近くなる。したがって、車輪中心36および床接点38はほぼカート20のフットプリント22内に納まる。
【0030】
キャスタ24が外を向くこの配置では、カート20の移動方向74が反転する(ガイド面52の進行方向58と略反対に後方へ移動する)場合、キャスタ24は自然に旋回し、車輪追従構造がキャスタ24を外方に旋回させる。すなわち、左ガイド面54上のキャスタ24は反時計回りに旋回し、右ガイド面56上のキャスタ24は時計回りに旋回する。キャスタ24の自然な旋回に加えて、ガイド面52は、車輪先導構造をとるキャスタ24が進行方向58と略反対に(進行方向58の反対方向は後退方向とも称する場合がある)ガイド面を移動するとき、キャスタ24を外方に旋回させるように構成してもよい。具体的には、カート20の略進行方向58への移動によりキャスタ24が外を向いた後、方向が反転して、少なくとも最初はキャスタに車輪先導構造をとらせる。ガイド面52は、キャスタ24が進行方向58の略反対にガイド面52を移動する際、車輪先導構造をとっているキャスタ24を外方に旋回させるように構成してもよい。なお、ガイド面52は通常、キャスタ24が進行方向58および後退方向にガイド面52を移動するとき、キャスタ24を同じ時計回りまたは反時計回り方向に旋回させるように構成される。
【0031】
ガイド面52は、キャスタ24の車輪28の異なる側間で力の不均衡を生成することによって動作する。別の言い方をすると、ガイド面52は、キャスタ24の旋回軸42を中心とするトルクを生成することによって動作する。ガイド面52は、車輪28の一方の側の転動を妨害および/または促進することによって所望の方向に旋回すべくキャスタ24を促すように構成してもよい。例えば、キャスタ24が左車輪(すなわち、キャスタ24が前方に向くときはキャスタ24の左側)と右車輪(すなわち、キャスタ24が前方に向くときはキャスタ24の右側)の2つの車輪28を含む場合、ガイド面52は一方の車輪のみの転動を妨害および/または促進して、一方のキャスタ24を時計回りまたは反時計回りに旋回させるように構成してもよい。図2では、キャスタ24の車輪28は、車輪28が進行方向58に前方へ移動している間、車輪28の左側が車輪28の右側より前にキャスタデフレクタ82に遭遇するように、ある角度をもってキャスタデフレクタ82と遭遇する(本明細書でさらに説明する)。
【0032】
ガイド面52は、キャスタ24を所望の方向(例えば、時計回りまたは反時計回り)に旋回させるように構成される1つ以上のキャスタデフレクタ82を含んでもよい。ガイド面52および/またはキャスタデフレクタ82は様々なキャスタの形状、寸法、および/または位置に対応するように配置させることができる。例えば、床50は、キャスタ24間の間隔および/またはキャスタ24の(カートフットプリント22に対する)相対位置が異なるようにカート20上のキャスタ24の向きを変えるように構成してもよい。したがって、単独床50および/または床板80は、カート20の種類、寸法、および/または構造が異なるキャスタ24を誘導するように構成されるガイド面52および/またはキャスタデフレクタ82の1配置を有することができる。よって、床50および/または床板80は、様々なカート20に適合するように再構成する必要がない。1つの構成例は、進行方向58を横断する方向において、キャスタ24の車輪28よりも幅が広いガイド面52および/またはキャスタデフレクタ82を含む。例えば、ガイド面52および/またはキャスタデフレクタ82は10mm、20mm、30mm、40mm、50mm、60mm、80mm、100mm、150mm、200mm、または500mmより広くてもよい。
【0033】
ガイド面52および/またはキャスタデフレクタ82は高さ変化を含んでもよい。例えば、キャスタデフレクタ82は、進行方向58(したがって、カート20が前方または後方に移動する際のカート20の移動方向74)に沿って高さ変化を含んでもよい。キャスタデフレクタ82の例示的かつ非排他的例は隆線、畝、細片、傾斜、隆起、棒、細長凸部、谷、路、溝、窪み、間隙、細長凹部を含む。キャスタデフレクタが高さ変化を含む場合、ガイド面52および/または床50は、最小高さからの突出下で中空であってもよい(および/または空隙および/または中空空間を含んでもよい)。中空である、および/または空隙および/または中空空間を含むことにより、軽量のカート制御システム10、床50、ガイド面52、および/またはキャスタデフレクタ82を製造することができる。高さの変化に加えて、または高さの変化の代わりに、ガイド面52および/またはキャスタデフレクタ82 は、テクスチャ、摩擦係数、粘着性、硬度、弾力性などの表面特性の変化を含んでよい。存在する場合、高さとその他の表面特性の変化(例えば、ガイド面52の進行方向58の変化、および/またはキャスタデフレクタ82とガイド面52および/または別のキャスタデフレクタ82間の変化)は、キャスタ24の旋回に対応するように構成してもよい。存在する場合、進行方向58に沿った高さ変化は通常、車輪28の半径よりも小さく、半径の約1%よりも大きい、例えば、半径の0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、8%、10%、または20%以上、および/または100%、50%、20%、または10%未満である。典型的な車輪28は約10mm、20mm、30mm、40mm、50mm、60mm、80mm、100mm、または150mmの半径を有する。したがって、高さ変化は0.5mm、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、8mm、10mm、15mm、20mm、または30mm以上、および/または150mm、100mm、50mm、40mm、30mm、20mm、10mm、または5mm未満としてよい。
【0034】
ガイド面52は一連のおよび/または一続きのキャスタデフレクタ82などの複数のキャスタデフレクタ82を含んでよい。複数のキャスタデフレクタ82は1つ以上の間隔をおいて周期的に配置してよい。2つ以上のキャスタデフレクタ82が含まれる場合、キャスタデフレクタ82間の間隔は、車輪28が一度に1つのキャスタデフレクタ82と相互作用するように構成される。したがって、キャスタデフレクタ82間の間隔は車輪28の半径と同等にしてよい。例えば、2つのキャスタデフレクタ82間の間隔および/または周期的な一連のキャスタデフレクタ82間の間隔は、5mm、10mm、20mm、または40mm以上、150mm、100mm、80mm、60mm、40mm、20mm、または10mm未満、および/または約10mm、20mm、30mm、40mm、50mm、60mm、70mm、または80mmとしてよい。
【0035】
キャスタデフレクタ82はガイド面52、床50、および/または床板80にとって不可欠であってもよい。さらに、またはもしくは、1つ以上のキャスタデフレクタ82は、ガイド面52、床50、および/または床板80に連結される、付着される、および/または支持されてもよい。キャスタデフレクタ82がガイド面52、床50、および/または床板80に連結、付着、またはその他の形で固定される場合、キャスタデフレクタ82は接着剤および/または固定具を用いて連結、付着、またはその他の形で固定されてもよい。通常、接着剤への依存、および/または固定具への依存低減は、キャスタデフレクタ82を組み込む構造の軽量化につながる、および/また組立時間の短縮によりコスト節減につながる。既存の床および/または床板を改造して、適切な床板80および/またはキャスタデフレクタ82を連結、付着、および/または支持することによってガイド面52(床50および/または床板80となる)を含めてもよい。既存の床および/または床板の変更は、キャスタ24が進行方向58にキャスタデフレクタ82を移動する際、旋回キャスタ24が隣接壁62へと外方に向くように1つ以上のキャスタデフレクタ82を配置することを含む。
【0036】
キャスタデフレクタ82は細長であり、略横方向に長手方向に配向されてもよいが、必ずしもガイド面52の進行方向58と垂直でなくてもよい。この構成では、通常、キャスタデフレクタ82は、長手方向に沿ってある範囲の位置でキャスタ24をキャスタデフレクタ82に対向させるように構成される。したがって、キャスタ24を再度方向付けるのに、キャスタ24とキャスタデフレクタ82を精密に整合させる必要がない。
【0037】
キャスタデフレクタ82は、進行方向58に移動する車輪28が、車輪28の他方の側より前に車輪28の一方の側でキャスタデフレクタ82に遭遇するように進行方向58に対してある角度をもって配置してもよい。例えば、キャスタデフレクタ82が移動を妨害するためには、キャスタデフレクタ82は、車輪28の内側より前に車輪28の外側がキャスタデフレクタ82に遭遇して、車輪28の内側をより速く、および/またはより自由に転動させることで、車輪28を外方に旋回させるように配向してもよい。キャスタデフレクタ82が移動を促進するためには、キャスタデフレクタ82は、車輪28の外側よりも前に車輪28の内側がキャスタデフレクタ82に遭遇して、車輪28の内側をより速く、および/またはより自由に転動させることで、車輪28を外方に旋回させるように配向してもよい。細長キャスタデフレクタ82は進行方向58から約50度、60度、65度、70度、75度、80度、85度、または90度に配向される長手方向を有してもよい。長手方向と進行方向58間の鋭角は45度〜90度、50度〜90度、50度〜85度、60度〜80度、および/または60度〜75度であってもよい。
【0038】
キャスタデフレクタ82は、進行方向58に沿って(および/または、細長である場合、キャスタデフレクタ82の長手方向に垂直)略対称または非対称であってもよい。例えば、高さ変化を含むキャスタデフレクタ82は均等な隆起を呈してもよい。別の例として、高さ変化を含むキャスタデフレクタ82は、例えば、後退(反対)方向の急な傾斜とは異なる進行方向58の円滑な傾斜を呈してもよい。したがって、非対称キャスタデフレクタ82は、キャスタ24が進行方向58または反対の進行方向58に移動する間にキャスタデフレクタ82に遭遇する際、様々な力および/またはトルクを提供することができる。
【0039】
キャスタデフレクタ82および/またはガイド面52はキャスタロックおよび/またはカートロックとして構成してもよい。すなわち、キャスタデフレクタ82および/またはガイド面52は、カート20および/または1つ以上のキャスタ24の転動を阻むように構成してもよい。カート20がガイド面52を進行方向58に移動すると、ガイド面52に対向するキャスタ24は壁62へ外に向くように外方に旋回する。床50は、カート20の少なくとも2つのキャスタ24を相互に逆に向けるように(例えば、左キャスタ24は左に向き、右キャスタ24は右に向く)構成してもよい。したがって、相互に逆に向いたキャスタ24は共に転動するのを阻まれ、少なくともキャスタ24が旋回して略整合するまでカート20も転動を阻まれる。このような交差キャスタ構造はカート20を引きずるには小さすぎる力からカート20を安定させて固定するが、キャスタデフレクタ82および/またはガイド面52の係止構造に加えて、またはその代わりに他の係止構造を使用してもよい。他の係止構造はキャスタロックとカート拘束手段を含んでもよい。
【0040】
キャスタ24がガイド面52を移動する際、キャスタ24とガイド面52との相互作用により、カート20および/またはカート20によって支持されるアイテムをがたつかせる騒音および/または振動が生じがちである。この騒音および/または振動は、消音材92をカート制御システム10に組み込むことによって抑制および/または排除することができる。例えば、キャスタデフレクタ82、ガイド面52、床50、および/または床板80は消音材92を含む、消音材92から成る、および/または消音材92で被覆してもよい。騒音および/または振動の抑制に加えて、消音材92はカート20を少なくとも一時的に支持することができる。したがって、消音材92はカート20の重量を支えるように構成する、および/または使用時の摩耗に抵抗できるほど頑丈におよび/または弾力的に形成してもよい。消音材92は柔軟に、非剛体に、可撓に、粘弾性的に、および/またはスポンジ状に形成してもよい。例えば、消音材92はプラスチック、ゴム、発泡材、および/または低硬度材料(例えば、ショアA硬度計で90未満)を含んでもよい。
【0041】
カート制御システム10は図2と、図3の例示的かつ非排他的例に示すようにコンパートメント60を含んでもよい。コンパートメント60は床50に連結される少なくとも2つの壁62、左壁64と右壁66を含む。コンパートメント60はカート20を収容するように構成できるため、コンパートメント60を含むカート制御システム10はカート収容システムと呼んでもよい。このようなカート制御システム10は、カート20をコンパートメント60に挿入する、およびコンパートメント60から引き出す際にキャスタ詰まりを回避および/または防止するように構成される。コンパートメント60はカート20の出入り口である始端72と、コンパートメント60の末端である終端70も含む。コンパートメント60は、カート20がコンパートメント60に挿入される際にカート20をほぼ包囲するように構成してもよい。
【0042】
コンパートメント60の床50は、左壁64に関連付けられる左ガイド面54と右壁66に関連付けられる右ガイド面56の少なくとも2つのガイド面52を含む。左ガイド面54は左壁64に隣接し、左壁64に向かって進行方向58に移動するキャスタ24の向きを変えるように構成される。右ガイド面56は右壁66に隣接し、右壁66に向かって進行方向58に移動するキャスタ24の向きを変えるように構成される。左ガイド面54と右ガイド面56は相互に、および/または他のガイド面52と間隔をおいて配置される、接する、隣接する、および/または交互に配置されるように構成される。左ガイド面54および右ガイド面56の進行方向58は、ほぼ始端72から終端70に向かう。したがって、コンパートメント60に対する前方方向は始端72から終端70への方向であり、カート20をコンパートメント60に挿入する方向である。同様に、コンパートメント60に対する後方方向は終端70から始端72への方向であり、カートをコンパートメント60から引き出す方向である。床50の対応する端領域は終端70に隣接する前端領域84と始端72に隣接する後端領域86である。
【0043】
コンパートメント60はカート20のフットプリント22よりも広いが、他の用途のための床空間を保持するために通常はわずかだけ広い。コンパートメント60の幅は一般的に、キャスタ24がカート20のフットプリント22外で最大範囲(幅に略垂直)拡張されている場合はカート20の対応する幅よりも狭い。このような狭いコンパートメント60の場合、ガイド面52を持たない従来のシステムでも大きな障害なくカートを挿入できるが、カートを引き出すときにキャスタ詰まりが生じる場合がある。従来のシステムでは、カートが挿入されるとき、カートのキャスタは安定した車輪追従構造をとる。しかしながら、カートを引き出そうとすると、方向が反転して不安定な車輪先導構造を招く。不安定な車輪先導キャスタがランダムな方向(時計回りまたは反時計回り)に旋回することで、少なくとも1つが内方に旋回して、キャスタの追従(追跡)部がコンパートメント壁のうち1つまで旋回し、さらに引き出すときにカートを詰まらせる可能性が高い。カート制御システム10のガイド面52は、カート20をコンパートメント60から引き出すときにキャスタ24を外方に旋回させることによってカート詰まりを回避する。
【0044】
図3から図6は、カート20がコンパートメント60に挿入される、およびコンパートメント60から引き出される際のカート制御システム10の例示的かつ非排他的例を示す。本例では、カート20は4つのキャスタ24を含み、各キャスタがカート20の各隅の近傍に位置する。図3に示すカート挿入の開始時、カート20はコンパートメント60の始端72と交差するように操作される。カート20がコンパートメント60の終端70に向かう移動方向74でまっすぐ前方に移動する間、ガイド面52と相互作用する前に、キャスタ24は整合した車輪追従構造まで旋回する(キャスタ配向40は移動方向74、すなわち前方を向く)。キャスタ24がガイド面52に対向し進行方向58にほぼ沿って移動すると、図4に示すように、対応するガイド面52は各キャスタ24を外方に旋回させて、隣接する壁62の方に向ける。すなわち、カート20の左側のキャスタ24は左壁64に向くように反時計回りに旋回し、カート20の右のキャスタ24は右壁66に向くように時計回りに旋回する。
【0045】
カート20がコンパートメント60内へ前方に移動する際、ガイド面52はキャスタ24を外方に向けておく。いったん2つのキャスタ24が相互に逆に方向付けられたら、カート20のコンパートメント60内への前方移動は、キャスタ24の引きずりと転動の組み合わせとなる。カート20がコンパートメント60に完全に収容されると、図4に示すように、カート20はコンパートメント60によって包囲され、キャスタ24はそれぞれの隣接する壁64(例えば、左壁64または右壁66)に向く。
【0046】
コンパートメント60からカート20を引き出すため、移動方向74は、ガイド面52の進行方向58とは反対の後方方向(すなわち、終端70から始端72へ)である。カート引出しの開始時、キャスタ24は図4に示すように最初は整合されており、車輪先導構造をとる(キャスタ配向40が移動方向74とほぼ反対を向く、すなわち、ほぼ前方を向く)。カート20がコンパートメント60から出されると、最初の外向きのキャスタ配向40および/またはキャスタ24が進行方向58と反対にガイド面52を移動する際のキャスタ24の動作により、キャスタ24は(図5に示すように)外方に旋回する。1つ以上のキャスタ24が対応するガイド面52を離れると、キャスタ24は図6に示すような安定した車輪追従構造に戻る。
【0047】
図3から図6に示す例のキャスタデフレクタ82は細長であり、様々なカート20と様々なカート挿入状態を受け入れることができる。例えば、キャスタ24間の間隔がより狭いまたは広いカート20でも、ガイド面52とキャスタデフレクタ82によって影響を受けるため、カート制御システム10はまだ作用する。別の例では、ガイド面52とキャスタデフレクタ82は、カート20が左壁64により近く、または左壁64からより遠く挿入される場合でもキャスタ24の方向に影響を及ぼす。
【0048】
図7は、各ガイド面52の略進行方向58に移動するキャスタ24(図示せず)を再度方向付けるように構成される2つのガイド面52(左ガイド面54と右ガイド面56)を備えた床板80の例示的かつ非排他的例を示す。左ガイド面54は少なくとも部分的に床板80の左端領域88内にあり、右ガイド面56は少なくとも部分的に床板80の右端領域90内にある。ガイド面52の進行方向58は相互にほぼ整合されており、床板80の前端領域84へと前方に向く。
【0049】
ガイド面52は略周期的な一連のキャスタデフレクタ82を含む。各キャスタデフレクタは細長い円形隆起である。各キャスタデフレクタ82はそれぞれの進行方向58に対してある角度(約60度〜80度の鋭角)で配置される。左ガイド面54および右ガイド面56のキャスタデフレクタ82は、各キャスタデフレクタ82の中央部(左縁87と右縁89間の床板80の中線に最も近い)がキャスタデフレクタ82の外側部分(左縁87または右縁89に最も近い)よりも床板80の前端領域84に近くなるように傾斜する。左ガイド面54と右ガイド面56は相互にほぼミラー像である。
【0050】
本例では、床板80はコンパートメント60に嵌合するように構成される一体形部分であり、コンパートメント60の床50として機能する、および/または左壁64および右壁66に隣接する床50として機能する。床板80の左縁87、左端領域88、右縁89、および/または右端領域90は対応する左壁64または右壁66と整合するように構成される。床板80の前端領域84と後端領域86はコンパートメント60の終端70と始端72とにそれぞれ整合させてもよい。
【0051】
図8から図9は、コンパートメント60の終端70(図8)およびコンパートメントの始端72(図9)から見てカートが挿入される際のコンパートメント60を示す。コンパートメント60は、左ガイド面54と右ガイド面56の2つのガイド面52を有する床50を含む。床50は図7の例示的かつ非排他的例のような床板80である、あるいは床板80を含んでもよい。図8に示すように、キャスタ24は、最も近い壁62(左壁64または右壁66)へ外方に向けられる。キャスタ24が細長隆起として示されるキャスタデフレクタ82に対向すると、キャスタ24は旋回して、キャスタデフレクタ82の長手方向に垂直なキャスタ配向40に整合する。図9に示すように、この整合により、床接点38を含むキャスタ24の追従(追跡)部はカート20のフットプリント22内に納まる。
【0052】
本開示のカート制御システム10は様々な箇所や状況で使用することができる。例えば、航空機94(図10に示す)は、1つ以上のカート制御システム10を含むことを好み、重量および空間上の制約を有する。航空機94では、フードサービス用カート20(ギャレーカートおよび/またはフードサービスカートと称する)は、航空機94のギャレー領域のコンパートメント60に収容される。本明細書に記載するように、コンパートメント60は、カートをコンパートメント60に挿入する、およびコンパートメント60から引き出す際にギャレーカートのキャスタ詰まりを防ぐガイド面52を含む。コンパートメント60は様々なフットプリント22、キャスタ種類、キャスタ間隔を有するギャレーカートに適合して、航空機94内でのギャレーカートの交換および/または置換を簡易化することができる。
【0053】
図11は壁近傍のキャスタの方向を制御する方法100を概略的に示す。通常、方法100は、壁近傍の少なくとも1つのキャスタの方向を制御することを備える、および/または、例えばカート収容中に単独カートの複数のキャスタの方向を連携して制御することを備えることができる。方法100は、カート制御システム10とそのコンポーネントとで使用することができる。
【0054】
キャスタの方向の制御方法100は、壁の長さに沿った第1の方向(すなわち、壁の長さ方向)にキャスタ付きカートを移動させること102と、その後で第1の方向と略反対の第2の方向にカートを移動させること104とを備えてもよい。方向反転時にキャスタが壁にぶつかって詰まるのを防ぐため、第1の方向に移動すること102は、ガイド面52などのガイド面を横断することによって壁を向くようにキャスタを外方に旋回させることを含む。第1の方向はガイド面の進行方向であってもよい。移動すること102の外方旋回は、キャスタの追従(追跡)部がカートのフットプリント内にほぼ納まるようにキャスタを旋回させる。第2の方向に移動すること104は、キャスタの追従(追跡)部がカートのフットプリント内にほぼ納まって、キャスタの壁への詰まりを回避するようにキャスタを外方に旋回させることを含む。通常、移動すること104は、キャスタを安定した車輪追従構造まで旋回させることを含む。第2の方向に移動すること104は、ガイド面上でキャスタを第2の方向に移動することを含んでもよい。いずれにせよ、第2の方向に移動すること104による第2の方向へのガイド面の横断は、キャスタを優先的に外方に旋回させる。
【0055】
方法100は、カートの複数のキャスタの連携制御を備えていてもよい。例えば、第1の方向に移動すること102は、各キャスタが異なる隣接壁に向く、例えば、左キャスタが左壁に向き、右キャスタが右壁に向くように、カートの対向側の2つのキャスタを反対方向(一方は時計回り、他方は反時計回り)に旋回させることを含んでもよい。別の例として、第1の方向に移動すること102は、両キャスタがカートとキャスタ側に隣接する壁に向くように、カートの同じ側の2つのキャスタを同一方向(時計回りまたは反時計回り)に旋回させることを含んでもよい。回転させることは、各キャスタガイド面を横断させること、および/または異なるキャスタに異なるガイド面を横断させることを含んでもよい。さらに、第2の方向に移動すること104、例えばカートを反転させることは、カートの対向側の2つのキャスタを回転させること、および/またはカートの同じ側の2つのキャスタを回転させることを含んでもよい。
【0056】
方法100は、コンパートメントにカートを収容することを備えてもよい。この場合、第1の方向に移動すること102はカートをコンパートメントに挿入すること106を備え、第2の方向に移動すること104はカートをコンパートメントから引き出すこと108を備える。カートは少なくとも左キャスタと右キャスタを含む。コンパートメントは左壁と右壁を含む。左壁と右壁間のコンパートメントは、キャスタが完全に拡張したとき(例えば、左キャスタはキャスタの追従(追跡)部が左に拡張するように旋回し、右キャスタはキャスタの追従(追跡)部が右に拡張するように旋回する)、カートフットプリントよりも広く、カートよりも狭い。挿入すること106は、左壁近傍で左に向くように左キャスタを旋回させることと、右壁近傍で右に向くように右キャスタを旋回させることとを含む。挿入すること106は、左キャスタに左ガイド面を横断させることと、右キャスタに右ガイド面を横断させることとを含む。引き出すこと108は、カートの方向を反転させることと、左キャスタおよび右キャスタを外方に旋回させて、任意で安定した車輪追従構造を達成することとを含む。さらに、挿入すること106はコンパートメントにカートを固定することを含んでもよく、引き出すこと108はカートをコンパートメントから解放することを含んでもよい。
【0057】
本開示による発明の主題の例示的かつ非排他的例を以下の列挙した段落において説明する。
【0058】
A1.左ガイド面を含む左端領域、右ガイド面を含む右端領域、後端領域、前端領域と、
左端領域に隣接する左縁と右端領域に隣接する右縁と、
を備える床であって、
左ガイド面が、左旋回キャスタが左縁を向くように左旋回キャスタを偏向させるキャスタデフレクタを含み、
右ガイド面が、右旋回キャスタが右縁を向くように右旋回キャスタを偏向させるキャスタデフレクタを含む床。
【0059】
A2.床板を含み、任意で床板であり、任意で接着剤で、および/または床を貫通する固定具なしに床に付着される床板を含む段落A1の床。
【0060】
A3.旋回キャスタ付きのカートを支持するように構成される段落A1からA2のいずれかの床。
【0061】
A4.左ガイド面および/または右ガイド面が後端領域から前端領域に向く進行方向を有する段落A1からA3のいずれかの床。
【0062】
A4. 1.キャスタが進行方向に左ガイド面を横断する際、左ガイド面がキャスタを左縁に向けるように構成される段落A4の床。
【0063】
A4. 2.キャスタが進行方向に左ガイド面を横断する際、左ガイド面がキャスタを反時計回りに旋回させるように構成される段落A4からA4. 1のいずれかの床。
【0064】
A4. 3.キャスタが進行方向と反対に左ガイド面を横断する際、のいずれかの床。左ガイド面がキャスタを反時計回りに旋回させるように構成される段落A4からA4. 2の床。
【0065】
A4. 3. 1.キャスタが進行方向と反対に左ガイド面を横断する際、左ガイド面が車輪先導構造にあるキャスタを反時計回りに旋回させるように構成される段落A4. 3の床。
【0066】
A4. 4.キャスタが進行方向に右ガイド面を横断する際、右ガイド面がキャスタを右縁に向けるように構成される段落A4からA4. 3. 1のいずれかの床。
【0067】
A4. 5.キャスタが進行方向に右ガイド面を横断する際、右ガイド面がキャスタを時計回りに旋回させるように構成される段落A4からA4. 4のいずれかの床。
【0068】
A4. 6.キャスタが進行方向と反対に右ガイド面を横断する際、右ガイド面がキャスタを時計回りに旋回させるように構成される段落A4からA4. 5のいずれかの床。
【0069】
A4. 6. 1.キャスタが進行方向と反対に右ガイド面を横断する際、右ガイド面が車輪先導構造にあるキャスタを時計回りに旋回させるように構成される段落A4. 6の床。
【0070】
A4. 7.左ガイド面のキャスタデフレクタおよび/または右ガイド面のキャスタデフレクタが、左ガイド面の進行方向および/または右ガイド面のそれぞれに沿って、対称な外形を有する、段落A4からA4. 6. 1のいずれかの床。.
【0071】
A4. 8.左ガイド面のキャスタデフレクタおよび/または右ガイド面のキャスタデフレクタが、左ガイド面の進行方向および/または右ガイド面のそれぞれに沿って、非対称な外形を有する、段落A4からA4. 6. 1のいずれかの床。
【0072】
A5.左ガイド面と右ガイド面が、間隔をおいて配置される、接触する、隣接する、交互に配置される、のうち少なくとも1つである段落A1からA4. 8のいずれかの床。
【0073】
A6.左ガイド面のキャスタデフレクタおよび/または右ガイド面のキャスタデフレクタがそれぞれ細長であり、任意で10mm、20mm、30mm、40mm、50mm、60mm、80mm、100mm、150mm、200mm、または500mm超の長手方向の幅を有する段落A1からA5のいずれかの床。
【0074】
A6. 1.A4に従属するとき、左ガイド面のキャスタデフレクタの長手方向が進行方向を横切って配向され、任意で長手方向と進行方向間の鋭角が約50度、60度、65度、70度、75度、80度、85度、または90度、および/または45度〜90度、50度〜90度、50度〜85度、60度〜80度、または60度〜75度である段落A6の床。
【0075】
A6. 2.A4に従属するとき、右ガイド面のキャスタデフレクタの長手方向が進行方向を横切って配向され、任意で長手方向と進行方向間の鋭角が約50度、約60度、約65度、約70度、約75度、約80度、約85度、または約90度、および/または45度〜90度、50度〜90度、50度〜85度、60度〜80度、または60度〜75度である段落A6からA6. 1のいずれかの床。
【0076】
A6. 3.左ガイド面のキャスタデフレクタが長手方向と垂直な対称な外形を有する段落A6からA6. 2のいずれかの床。
【0077】
A6. 4.左ガイド面のキャスタデフレクタが長手方向と垂直な非対称な外形を有する段落A6からA6. 2のいずれかの床。
【0078】
A6. 5.右ガイド面のキャスタデフレクタが長手方向と垂直な対称な外形を有する段落A6からA6. 4のいずれかの床。
【0079】
A6. 6.右ガイド面のキャスタデフレクタが長手方向と垂直な非対称な外形を有する段落A6からA6. 4のいずれかの床。
【0080】
A7.左ガイド面のキャスタデフレクタおよび/または右ガイド面のキャスタデフレクタがそれぞれ隆線、畝、細片、傾斜、隆起、棒、細長凸部、谷、路、溝、窪み、間隙、細長凹部のうち少なくとも1つである段落A1からA6. 6のいずれかの床。
【0081】
A8.左ガイド面のキャスタデフレクタおよび/または右ガイド面のキャスタデフレクタがそれぞれ任意で0.5mm、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、8mm、10mm、15mm、20mm、または30mm以上、および/または150mm、100mm、50mm、40mm、30mm、20mm、10mm、または5mm未満の高さ変化を含む段落A1からA7のいずれかの床。
【0082】
A9.左ガイド面が複数のキャスタデフレクタを含み、任意で複数のキャスタデフレクタが一連のおよび/または一続きのキャスタデフレクタである段落A1からA8のいずれかの床。
【0083】
A9. 1.複数のキャスタデフレクタのうち2つのキャスタデフレクタ間の間隔が5mm、10mm、20mm、または40mm以上、および/または150mm、100mm、80mm、60mm、40mm、20mm、または10mm未満である段落A9の床。
【0084】
A9. 2. 複数のキャスタデフレクタが任意で約10mm、20mm、30mm、40mm、50mm、60mm、70mm、または80mmの間隔で、周期的な一連のキャスタデフレクタを含む段落A9からA9. 1のいずれかの床。
【0085】
A10.右ガイド面が複数のキャスタデフレクタを含み、任意で複数のキャスタデフレクタが一連のおよび/または一続きのキャスタデフレクタである段落A1からA9. 2のいずれかの床。
【0086】
A10. 1.複数のキャスタデフレクタのうち2つのキャスタデフレクタ間の間隔が5mm、10mm、20mm、または40mm以上、および/または150mm、100mm、80mm、60mm、40mm、20mm、または10mm未満である段落A10の床。
【0087】
A10. 2.複数のキャスタデフレクタが任意で約10mm、約20mm、約30mm、約40mm、約50mm、約60mm、約70mm、または約80mmの間隔で、周期的な一連のキャスタデフレクタを含む段落A10からA10. 1のいずれかの床。
【0088】
A11.床が消音材をさらに備える段落A1からA10. 2のいずれかの床。
【0089】
A12.左ガイド面のキャスタデフレクタが中空である、空隙を含む、および/または中空空間を含む段落A1からA11のいずれかの床。
【0090】
A13.右ガイド面のキャスタデフレクタが中空である、空隙を含む、および/または中空空間を含む段落A1からA12のいずれかの床。
【0091】
A14.左ガイド面のキャスタデフレクタが接着剤で床に付着される段落A1からA13のいずれかの床。
【0092】
A15.右ガイド面のキャスタデフレクタが接着剤で床に付着される段落A1からA14のいずれかの床。
【0093】
A16.段落A1からA15のいずれかの床と、
床に連結される左壁と、
床に連結される右壁と、
を備えるコンパートメントであって、
左ガイド面がコンパートメントの左壁に隣接し、右ガイド面がコンパートメントの右壁に隣接し、床の後端領域がコンパートメントの終端に隣接し、床の前端領域がコンパートメントの始端に隣接するコンパートメント。
【0094】
A17.段落A1からA15のいずれかの1つ以上の床、および/または段落A16の1つ以上のコンパートメントを備える航空機。
【0095】
B1.1つ以上の旋回キャスタを有するカートと、
カートを支持し、ガイド面を含む床と、
床に連結される壁と、
を備えるカート制御システムであって、
ガイド面が壁に隣接し、壁に略垂直な進行方向を含み、
ガイド面が、旋回キャスタが進行方向にガイド面を横断する際、壁を向くように旋回キャスタのうちの少なくとも1つを外方に旋回させるように構成されるカート制御システム。
【0096】
B2.旋回キャスタが進行方向と反対にガイド面を横断する際、ガイド面が車輪先導構造にある旋回キャスタの少なくとも1つを外方に旋回させるように構成される段落B1のカート制御システム。
【0097】
B3.ガイド面がキャスタデフレクタを含む段落B1からB2のいずれかのカート制御システム。
【0098】
B3. 1.キャスタデフレクタが進行方向に沿って対称な外形を有する段落B3のカート制御システム。
【0099】
B3. 2.キャスタデフレクタが進行方向に沿って非対称な外形を有する段落B3のカート制御システム。
【0100】
B3. 3.キャスタデフレクタが細長である段落B3からB3. 2のいずれかのカート制御システム。
【0101】
B3. 3. 1.キャスタデフレクタが10mm、20mm、30mm、40mm、50mm、60mm、80mm、100mm、150mm、200mm、または500mmの長手方向の長さを有する段落B3. 3のカート制御システム。
【0102】
B3. 3. 2.キャスタデフレクタが進行方向を横切って配向され、任意で長手方向と進行方向間の鋭角が約50度、60度、65度、70度、75度、80度、85度、または90度、および/または45度〜90度、50度〜90度、50度〜85度、60度〜80度、または60度〜75度である段落B3. 3からB3. 3. 1のいずれかのカート制御システム。
【0103】
B3. 3. 3.キャスタデフレクタが長手方向に垂直な対称な外形を有する段落B3. 3からB3. 3. 2のいずれかのカート制御システム。
【0104】
B3. 3. 4.キャスタデフレクタが長手方向に垂直な非対称な外形を有する段落B3. 3からB3. 3. 2.のいずれかのカート制御システム。
【0105】
B3. 4.キャスタデフレクタが隆線、畝、細片、傾斜、隆起、棒、細長凸部、谷、路、溝、窪み、間隙、細長凹部のうち少なくとも1つである段落B3からB3. 3. 4のいずれかのカート制御システム。
【0106】
B3. 5.キャスタデフレクタが任意で0.5mm、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、8mm、10mm、15mm、20mm、または30mm以上、および/または150mm、100mm、50mm、40mm、30mm、20mm、10mm、または5mm未満の高さ変化を含む段落B3からB3. 4のいずれかのカート制御システム。
【0107】
B3. 6.ガイド面が複数のキャスタデフレクタを含み、任意で複数のキャスタデフレクタが一連のおよび/または一続きのキャスタデフレクタである段落B3からB3. 5のいずれかのカート制御システム。
【0108】
B3. 6. 1.複数のキャスタデフレクタのうち2つのキャスタデフレクタ間の間隔が5mm、10mm、20mm、または40mm以上、および/または150mm、100mm、80mm、60mm、40mm、20mm、または10mm未満である段落B3. 6のカート制御システム。
【0109】
B3. 6. 2.複数のキャスタデフレクタが任意で約10mm、20mm、30mm、40mm、50mm、60mm、70mm、または80mmの間隔で、周期的な一連のキャスタデフレクタを有する段落B3. 6からB3. 6. 1のいずれかのカート制御システム。
【0110】
B4.床が消音材を含む段落B1からB3. 6. 2のいずれかのカート制御システム。
【0111】
B5.壁を含むコンパートメントを備える段落B1からB4のいずれかのカート制御システム。
【0112】
B6.壁が左壁であり、左壁に略垂直である右壁を備える段落B1からB5のいずれかのカート制御システム。
【0113】
B6. 1.ガイド面が左ガイド面であり、右壁に隣接する床上の右ガイド面と、任意で段落A1からA15のいずれかの床とを備える段落B6のカート制御システム。
【0114】
B7.段落B1からB6. 1のいずれかの1つ以上のカート制御システムを備える航空機。
【0115】
C1.壁近傍のカートのキャスタの方向を制御する方法であって、
第1に、壁の長さに沿って第1の方向にカートを移動させ、第1の方向が、ガイド面の進行方向に沿ってガイド面を横断することによってカートのキャストを壁に向くような旋回方向に旋回させることを含むことと、
第2に、壁の長さに沿って第1の方向の第2の方向にカートを移動させ、第2の方向に移動させることが、任意で進行方向の反対にガイド面を横断することによって旋回方向にキャスタを旋回させることを含む方法。
【0116】
C2.第1の方向に移動させることが、進行方向にカートを移動させることを含む段落C1の方法。
【0117】
C3.第2の方向に移動させることが、カートを進行方向と反対に移動させることを含む段落C1からC2のいずれかの方法。
【0118】
C4.ガイド面がキャスタデフレクタを含む段落C1からC3のいずれかの方法。
【0119】
C4. 1.キャスタデフレクタが進行方向に沿って対称である段落C4の方法。
【0120】
C4. 2.キャスタデフレクタが進行方向に沿って非対称である段落C4の方法。
【0121】
C4. 3.キャスタデフレクタが長手方向に細長である段落C4からC4. 2のいずれかの方法。
【0122】
C4. 3. 1.キャスタデフレクタが10mm、20mm、30mm、40mm、50mm、60mm、80mm、100mm、150mm、200mm、または500mm超の長さを長手方向に有する段落C4. 3の方法。
【0123】
C4. 3. 2.キャスタデフレクタが進行方向を横切って配向され、任意で長手方向と進行方向間の鋭角が約50度、60度、65度、70度、75度、80度、85度、または90度、および/または45度〜90度、50度〜90度、50度〜85度、60度〜80度、または60度〜75度である段落C4. 3からC4. 3. 1のいずれかの方法。
【0124】
C4. 4.キャスタデフレクタが、隆線、畝、細片、傾斜、隆起、棒、細長凸部、谷、路、溝、窪み、間隙、細長凹部のうち少なくとも1つである段落C4からC4. 3. 2のいずれかの方法。
【0125】
C4. 5.キャスタデフレクタが任意で0.5mm、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、8mm、10mm、15mm、20mm、または30mm以上、および/または150mm、100mm、50mm、40mm、30mm、20mm、10mm、または5mm未満の高さ変化を含む段落C4からC4. 4のいずれかの方法。
【0126】
C4. 6.ガイド面が複数のキャスタデフレクタを含み、任意で複数のキャスタデフレクタが一連のおよび/または一続きのキャスタデフレクタである段落C4からC4. 5のいずれかの方法。
【0127】
C4. 6. 1.複数のキャスタデフレクタのうち2つのキャスタデフレクタ間の間隔が5mm、10mm、20mm、または40mm以上、および/または150mm、100mm、80mm、60mm、40mm、20mm、または10mm未満である段落C4. 6の方法。
【0128】
C4. 6. 2.複数のキャスタデフレクタが任意で約10mm、20mm、30mm、40mm、50mm、60mm、70mm、または80mmの間隔で、周期的な一連のキャスタデフレクタを含む段落C4. 6からC4. 6. 1のいずれかの方法。
【0129】
C5.カート隣接壁の一方の側の少なくとも2つのキャスタの連携制御を備える段落C1からC4. 6. 2のいずれかの方法。
【0130】
C5. 1.第1の方向に移動させることが、進行方向に沿ってガイド面を横断することによって、各キャスタを旋回方向に旋回させることを含む段落C5の方法。
【0131】
C5. 2.第2の方向に移動させることが、任意で進行方向の反対にガイド面を横断することによって、各キャスタを旋回方向に旋回させることを含む段落C5からC5. 1のいずれかの方法。
【0132】
C6.カートの対向側の少なくとも2つのキャスタの連携制御を備え、キャスタが左キャスタであり、壁が左壁であり、ガイド面が左ガイド面であり、少なくとも2つのキャスタが左キャスタと右キャスタを含み、カートを第1の方向に移動することが、左壁の長さに沿って移動させながら右壁の長さに沿って移動することを含む段落C1からC5. 2のいずれかの方法。
【0133】
C6. 1.第1の方向に移動させることが、進行方向に左ガイド面を横断することによって左壁に向くように左キャスタを反時計回りに旋回させることと、進行方向に沿って右ガイド面を横断することによって右壁に向くように右キャスタを時計回りに旋回させることとを含む段落C6の方法。
【0134】
C6. 2.第2の方向に移動させることが、任意で進行方向の反対に左キャスタを左ガイド面に横断させ、進行方向の反対に右キャスタを右ガイド面に横断させることによって左キャスタを反時計回りに、右キャスタを時計回りに旋回させることを含む段落C6からC6. 1のいずれかの方法。
【0135】
C7.第1の方向に移動させること、および/または第2の方向に移動させることが、第1の方向に移動させることおよび/または第2の方向に移動させることに関連する音と振動を抑制することを含む段落C1からC6. 2のいずれかの方法。
【0136】
C8.ガイド面が段落A1からA15のいずれかの床のガイド面である段落C1からC7のいずれかの方法。
【0137】
C9.カートが段落B1からB6. 1のいずれかの制御システムのカートである段落C1からC8のいずれかの方法。
【0138】
C10.ガイド面が段落B1からB6. 1のいずれかの制御システムのガイド面である段落C1からC9のいずれかの方法。
【0139】
D1.左旋回キャスタと右旋回キャスタを有するカートを、左旋回キャスタが左に拡張し、右旋回キャスタが右に拡張したときにカートよりも狭いコンパートメントに収容する方法であって、
左に向くように左キャスタを反時計回りに旋回させ、右に向くように右キャスタを時計回りに旋回させながらコンパートメントにカートを挿入することと、
左キャスタを反時計回りに旋回させ、右キャスタを時計回りに旋回させて安定した車輪追従構造を達成することによってコンパートメントをカートから引き出すことと、
を備える方法。
【0140】
D2.挿入することが、左ガイド面を横断して左キャスタを反時計回りに旋回させることと、右ガイド面を横断して右キャスタを時計回りに旋回させることとを含む段落D1の方法。
【0141】
D3.引き出すことが、左ガイド面を横断して左キャスタを反時計回りに旋回させることと、右ガイド面を横断して右キャスタを時計回りに旋回させることとを含む段落D1からD2のいずれかの方法
【0142】
D3. 1.左ガイド面および/または右ガイド面が、コンパートメントの始端からコンパートメントの終端に向く進行方向を有する段落D2からD3のいずれかの方法。
【0143】
D3. 2.左ガイド面と右ガイド面が間隔をおいて配置される、接する、隣接する、交互に配置される、のうち少なくとも1つである段落D2からD3. 1のいずれかの方法。
【0144】
D3. 3.左ガイド面および/または右ガイド面がキャスタデフレクタを含む段落D2からD3. 2のいずれかの方法。
【0145】
D3. 3. 1.左ガイド面のキャスタデフレクタおよび/または右ガイド面のキャスタデフレクタがそれぞれ細長であり、任意で10mm、20mm、30mm、40mm、50mm、60mm、80mm、100mm、150mm、200mm、または500mm超の長手方向の長さを有する段落D3. 3の方法。
【0146】
D3. 3. 2.D3. 1に従属するとき、左ガイド面のキャスタデフレクタの長手方向が左ガイド面の進行方向を横切って配向され、任意で長手方向と進行方向間の鋭角が約50度、60度、65度、70度、75度、80度、85度、または90度、および/または45度〜90度、50度〜90度、50度〜85度、60度〜80度、または60度〜75度である段落D3. 3からD3. 3. 1のいずれかの方法。
【0147】
D3. 3. 3.D3. 1に従属するとき、右ガイド面のキャスタデフレクタの長手方向が右ガイド面の進行方向を横切って配向され、任意で長手方向と進行方向間の鋭角が約50度、60度、65度、70度、75度、80度、85度、または90度、および/または45度〜90度、50度〜90度、50度〜85度、60度〜80度、または60度〜75度である段落D3. 3からD3. 3. 2のいずれかの方法。
【0148】
D3. 3. 4.左ガイド面のキャスタデフレクタおよび/または右ガイド面のキャスタデフレクタがそれぞれ、隆線、畝、細片、傾斜、隆起、棒、細長凸部、谷、路、溝、窪み、間隙、細長凹部のうち少なくとも1つである段落D3. 3からD3. 3. 3のいずれかの方法。
【0149】
D3. 3. 5.左ガイド面のキャスタデフレクタおよび/または右ガイド面のキャスタデフレクタがそれぞれ任意で0.5mm、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、8mm、10mm、15mm、20mm、または30mm以上、および/または150mm、100mm、50mm、40mm、30mm、20mm、10mm、または5mm未満の高さ変化を含む段落D3. 3からD3. 3. 4のいずれかの方法。
【0150】
D3. 4.左ガイド面が複数のキャスタデフレクタを含み、任意で複数のキャスタデフレクタが一連のおよび/または一続きのキャスタデフレクタである段落D3からD3. 3. 5のいずれかの方法。
【0151】
D3. 4. 1.複数のキャスタデフレクタのうち2つのキャスタデフレクタ間の間隔が5mm、10mm、20mm、または40mm以上、および/または150mm、100mm、80mm、60mm、40mm、20mm、または10mm未満である段落D3. 4の方法。
【0152】
D3. 4. 2.複数のキャスタデフレクタが任意で約10mm、20mm、30mm、40mm、50mm、60mm、70mm、または80mmの間隔で、周期的な一連のキャスタデフレクタを含む段落D3. 4からD3. 4. 1のいずれかの方法。
【0153】
D3. 5.段落D3からD3. 4. 2のいずれかの方法。右ガイド面が複数のキャスタデフレクタを含み、任意で複数のキャスタデフレクタが一連のおよび/または一続きのキャスタデフレクタ。.
【0154】
D3. 5. 1.複数のキャスタデフレクタのうち2つのキャスタデフレクタ間の間隔が5mm、10mm、20mm、または40mm以上、および/または150mm、100mm、80mm、60mm、40mm、20mm、または10mm未満である段落D3. 5のいずれかの方法。
【0155】
D3. 5. 2.複数のキャスタデフレクタが任意で約10mm、20mm、30mm、40mm、50mm、60mm、70mm、または80mmの間隔で、周期的な一連のキャスタデフレクタを含む段落D3. 5からD3. 5. 1のいずれかの方法。
【0156】
D4.コンパートメントが左壁と右壁を含み、挿入することが左壁近傍で左を向くように左キャスタを反時計回りに旋回させることと、右壁近傍で右を向くように右キャスタを時計回りに旋回させることを含む段落D1からD3. 5. 2のいずれかの方法。
【0157】
D5.挿入することが、コンパートメントにカートを固定することを含む段落D1からD4のいずれかの方法。
【0158】
D6.引き出すことが、コンパートメントからカートを解放することを含む段落D1からD5のいずれかの方法。
【0159】
D7.挿入することおよび/または引き出すことが、挿入することおよび/または引き出すことに関連する音および振動を抑制することを含む段落D1からD6のいずれかの方法。
【0160】
本明細書で使用される際、「適合される」や「構成される」という表現は、構成要素、コンポーネント、またはその他の主題が所与の機能を果たすように設計される、および/または所与の機能を果たすように意図されることを意味する。よって、「適合される」や「構成される」という表現の使用は、所与の構成要素、コンポーネント、またはその他の主題が単に所与の機能を実行する「ことができる」ことを意味するように解釈すべきではなく、それらの構成要素、コンポーネント、および/またはその他の主題が機能を果たすために特別に選択、生成、実現、利用、計画、および/または設計されることを意味するものと解釈すべきである。また、本開示の範囲において、特定の機能を果たすように適合されると記載される構成要素、コンポーネント、および/またはその他の主題は、さらにまたはもしくはその機能を果たすように構成されると記載してもよく、その逆も成り立つ。同様に、特定の機能を実行するように構成される主題は、さらにまたはもしくはその機能を果たすように作用すると記載してもよい。さらに、本明細書で使用される単数形「a」、「an」、「the」は、文脈上明らかに別の意味を示す場合を除き、複数も含むと意図される。
【0161】
本明細書に開示する装置の各種構成要素および方法ステップは、本開示によりすべての装置および方法にとって必須というわけではなく、本開示は本明細書に開示する各種構成要素およびステップのすべての新規かつ非自明な組み合わせを含む。さらに、本明細書に開示する各種構成要素およびステップの1つ以上は、開示される装置または方法全体とは別個の独立した発明の主題を定義することができる。したがって、上記発明の主題は本明細書に明瞭に開示する特定の装置および方法と関連付ける必要はなく、本明細書に明瞭に開示されない装置および/または方法において有用性を見出すことができる。
【符号の説明】
【0162】
10 カート制御システム
20 カート
22 フットプリント
24 キャスタ
26 フォーク
28 車輪
30 回転継手
32 搭載機構
34 転動軸
36 車輪中心
38 床接点
40 キャスタ24の配向
42 旋回軸
44 旋回動作
46 軌跡
48 転動動作
50 床
52 ガイド面
54 左ガイド面
56 右ガイド面
58 ガイド面52の進行方向
60 コンパートメント
62 壁
64 左壁
66 右壁
70 終端
72 始端
74 移動方向
80 床板
82 キャスタデフレクタ
84 前端領域
86 後端領域
87 左縁
88 左端領域
89 右縁
90 右端領域
92 消音材
94 航空機
100 制御方法
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11