特許第6900513号(P6900513)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6900513可傾標的支持体を有するレクリエーションまたはスポーツ目的の射撃レンジ設備、このような設備を構成する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6900513
(24)【登録日】2021年6月18日
(45)【発行日】2021年7月7日
(54)【発明の名称】可傾標的支持体を有するレクリエーションまたはスポーツ目的の射撃レンジ設備、このような設備を構成する方法
(51)【国際特許分類】
   F41J 1/10 20060101AFI20210628BHJP
   A63F 9/02 20060101ALI20210628BHJP
【FI】
   F41J1/10
   A63F9/02 B
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-566306(P2019-566306)
(86)(22)【出願日】2018年5月31日
(65)【公表番号】特表2020-521938(P2020-521938A)
(43)【公表日】2020年7月27日
(86)【国際出願番号】FR2018051253
(87)【国際公開番号】WO2018220329
(87)【国際公開日】20181206
【審査請求日】2020年1月10日
(31)【優先権主張番号】1754911
(32)【優先日】2017年6月2日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】510225292
【氏名又は名称】コミサリア ア レネルジー アトミック エ オ ゼネルジー アルテルナティブ
【氏名又は名称原語表記】COMMISSARIAT A L’ENERGIE ATOMIQUE ET AUX ENERGIES ALTERNATIVES
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(72)【発明者】
【氏名】ジャン−マルク、アレクサンドル
(72)【発明者】
【氏名】ロベール、ボダン
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン、ボルズマシェ
【審査官】 志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第06367800(US,B1)
【文献】 特開2014−025678(JP,A)
【文献】 特開2017−067439(JP,A)
【文献】 特開2014−025676(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0268013(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0234395(US,A1)
【文献】 独国実用新案第9313702(DE,U1)
【文献】 米国特許第06933930(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F41J 1/00
F41J 5/00
F41J 7/00
F41J 11/00
A63F 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レクリエーションまたはスポーツ目的の射撃レンジ設備であって、
− 基準面(P)に対して、いくつかの異なる傾斜に従い傾けることができる標的支持プレート(10;20)と、
− 前記標的支持プレート(10;20)の面(14;34)内に表示されることを意図した、少なくとも1つの標的表現(12,12A,12B;30)と、
を備えた射撃レンジ設備において、
各標的表現(12,12A,12B;30)は、前記いくつかの異なる傾斜とそれぞれ関連する、いくつかの異なる変形(12A,12A,12A,12B,12B,12B)を有し、これらの異なる変形は、前記変形がそれぞれ関連する傾斜に従って、前記変形がそれぞれ標的支持プレート(10;20)の面(14;34)に表示される際に、前記基準面(P)内の前記変形の正射影が全て同一となるように構成されている、ことを特徴とする射撃レンジ設備。
【請求項2】
各標的表現の各変形(12A,12A,12A,12B,12B,12B)は、前記標的支持プレート(10)に対して取り外し可能に配置され支持体上に表示される、ことを特徴とする請求項1に記載のレクリエーションまたはスポーツ目的の射撃レンジ設備。
【請求項3】
− この変形に関連する前記傾斜に対応する、少なくとも1つの角度値(α,β)を用いて、各標的表現(30)の各変形を計算するようにプログラムされた計算器(32)と、
− 前記計算器(32)によって計算された各変形を電子的に表示する装置(34,38)と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のレクリエーションまたはスポーツ目的の射撃レンジ設備。
【請求項4】
前記少なくとも1つの角度値(α,β)を供給するための、前記標的支持プレート(20)の傾斜の検出器(36)をさらに備え、
前記計算器(32)は、次いで、前記傾斜検出器(36)により供給される前記少なくとも1つの角度値(α,β)を用いる角度補正により検出された傾斜に対応する各標的表現(30)の変形を計算するようにプログラムされている、ことを特徴とする請求項3に記載のレクリエーションまたはスポーツ目的の射撃レンジ設備。
【請求項5】
前記標的支持プレート(10;20)は、前記設備が地面に設置される際に、水である前記基準面(P)の第1の主軸(D,x)を中心として、および/または、前記第1の主軸(D,x)に垂直の、前記基準面(P)の第2の軸(y)を中心として、角度的に傾けることができる、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のレクリエーションまたはスポーツ目的の射撃レンジ設備。
【請求項6】
− 前記第1の主軸(D,x)を中心とする任意の角度αの傾斜は、各標的表現の前記第1の主軸に直交する方向に、(cosα)−1の対応する比例幾何学的変形を生成し、および/または、
− 前記第2の軸(y)を中心とする任意の角度βの傾斜は、各標的表現(12,12A,12B;30)の前記第2の軸に直交する方向に、(cosβ)−1の対応する比例幾何学的変形を生成する、ことを特徴とする請求項5に記載のレクリエーションまたはスポーツ目的の射撃レンジ設備。
【請求項7】
− 射撃力レコーダ(26,28)と、
− 記録された射撃力に応じて、前記標的支持プレート(20)の傾斜を調整するための装置(36)と、
− 調整された前記傾斜に従って表示される前記標的表現変形を計算する第2の計算器(32)と、
をさらに備える、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のレクリエーションまたはスポーツ目的の射撃レンジ設備。
【請求項8】
前記標的支持プレート(10;20)は、透明または半透明であり、つや消しの前面と、前記少なくとも1つの標的表現を投影して、前記標的支持プレートの表示面を形成することを意図した背面とを有する、ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のレクリエーションまたはスポーツ目的の射撃レンジ設備。
【請求項9】
− 射撃衝撃の位置特定を行うための装置(22,26)と、
− 同じパターン(M)を再現するが、前記標的支持プレート(20)の表示面の異なる箇所に位置する、いくつかの標的中心にそれぞれ中心を合わせることを意図した、複数の標的表現(M1,M2,M3,M4,M5)と、
− 前記位置特定を行うための装置(22,26)によって供給される射撃衝撃の連続する位置および力を記録するための手段(26,28)と、
− 記録された射撃衝撃の前記連続する位置および力に応じて選択される表示の標的中心位置を選択するための手段(32)と、
をさらに備える、ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のレクリエーションまたはスポーツ目的の射撃レンジ設備。
【請求項10】
基準面(P)に対して、少なくとも1つの非ゼロ傾斜に従い傾けることができる標的支持プレート(20)と、前記プレートが前記基準面(P)に対して平行である場合に、前記プレート(20)の面(34)内に表示されることを意図した、少なくとも1つの基準標的表現(30)と、を備えたレクリエーションまたはスポーツ目的の射撃レンジ設備を構成するための方法であって、
− 前記少なくとも1つの基準標的表現(30)の少なくとも1つの変形を、前記少なくとも1つの非ゼロ傾斜に対応する少なくとも1つの角度値(α,β)を用いて計算(106)し、この計算は、前記少なくとも1つの角度値(α,β)に従って前記変形が傾けられる際に、前記基準面(P)内のこの変形の正射影が、前記基準標的表現(30)と同一となるようにして行われ、
− 前記少なくとも1つの計算された変形は、前記少なくとも1つの角度値(α,β)に従って前記プレートが傾けられる際に、前記プレート(20)の面(34)内に表示(108)される、
ことを特徴とする、構成するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可傾標的支持体を有するレクリエーションまたはスポーツ目的の射撃レンジ設備に関する。本発明は、また、このような設備を構成する方法に関する。
【0002】
本発明は、より正確には、基準面に対して、いくつかの異なる可能な傾斜に従い傾けることができる標的支持プレートと、標的支持プレートの面内に表示することを意図した少なくとも1つの標的表現と、を備えるレクリエーションまたはスポーツ目的の射撃レンジ設備に関する。
【背景技術】
【0003】
多くの種類のレクリエーションまたはスポーツ目的の射撃レンジ設備が、知られている。いくつかの設備は、耐衝撃性の標的支持プレートと、支持プレートの全面に対して固定される、複数組のボール紙の標的表現とを有する。それぞれのボール紙の標的表現は、各使用の後に交換しなければならず、射手との簡素なインタラクティブ性がなく、射手は、標的に向けて規則的に動くか、または標的を射手に向けて動かす必要がある。他の設備は、インタラクティブ面と、インタラクティブ面に対する衝撃を位置特定するための電子的手段とを有する。次いで、電子的に得られた位置特定データを、(例えば携帯電話または他の携帯型装置上の)電気通信チャネルを介してリアルタイムで射手に送信できるため、射手とのインタラクティブ性は大幅に改善される。例えば、光スキャナまたはレーザー光線を介した光学的技術、変調光線による遮断を用いた赤外線技術、特に複数の圧電検出器に対する衝撃により生成されたラム波束(Lamb wave packet)の遷移時間の差の測定と、波束の放射源の位置の、事前に確立された数学的公式を用いた確定的計算とに基づく、進行性機械波を検出するための技術の使用が知られている。例えば、米国特許第6,933,930号B2に開示されるものなどの、これらの後者の進行性機械波を検出するための技術は、さらに、レクリエーションまたはスポーツ目的の射撃レンジ設備に関して一般的に好ましいものであり、それはこれらの技術が、衝撃に対する耐性および反応性があるインタラクティブ面の使用を可能にするためである。さらに、これらの技術は、どのような消耗品も必要としない。
【0004】
選択される設備の種類に関わらず、標的表現は、好ましくは、既定値では視野および/または射撃の所望の軸に垂直の基準面に表示される。よって、標的表現は、射手の目には、そのまま変形なしに現れる。しかし実際には、特に、衝撃の位置特定を行うためのインタラクティブ面を有する設備には、米国特許第6,367,800号B1に記載のように、標的支持プレートを傾けて、発射物をできる限り回収ビンに向け直すだけでなく、過度に強い力またはエネルギーを有する衝撃から、衝撃面を保護することも好ましい。実際に、1つまたはいくつかの自由に選択された軸に従い、上記で定義された基準面に対して傾斜が高いほど、発射物を止めることなしに、発射物の軌道のずれを介して衝撃エネルギーがより減少し、これは、強い力/エネルギーに対するプレートの抵抗を増加させる効果を有し、したがってその寿命を延ばす。
【0005】
しかし、このような傾斜は、所望の視野および/または射撃軸から見られた場合、標的表現を変形させる。しかし、次いで、(基準面に表示されたままの)標的表現から(傾けることができる)衝撃面を取り外す必要があり、これは、視差の誤差による衝撃の位置特定に関して明らかな問題を生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、上述の問題および制約の少なくとも一部を克服することを可能にする、レクリエーションまたはスポーツ目的の射撃レンジ設備を設計することが、望まれる場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従って、レクリエーションまたはスポーツ目的の射撃レンジ設備が提案され、この設備は、
− 基準面に対して、いくつかの異なる可能な傾斜に従い傾けることができる標的支持プレートと、
− 標的支持プレートの面内に表示されることを意図した、少なくとも1つの標的表現と、
を備えた射撃レンジ設備において、
各標的表現は、前記いくつかの異なる可能な傾斜とそれぞれ関連する、いくつかの異なる表示可能な変形を有し、これらの異なる変形は、変形がそれぞれ関連する傾斜に従って、変形がそれぞれ標的支持プレートの面に表示される際に、基準面内の変形の正射影が全て同一となるように設計されている。
【0008】
よって、可能な傾斜の中から選択される傾斜に関わらず、所望の各標的表現は、所望の基準面に垂直の、視野および/または射撃の、軸内の明らかな変形なしに見ることができる。これは、特に火薬または圧縮空気の推進システムによる強力な発射から、標的の表現を破損することなく衝撃面を保護することを可能にし、このことは、特定の規律において、寸法および比率に関する厳しい必要条件をさらに満たす。
【0009】
任意で、各標的表現の各変形は、標的支持プレートに対して取り外し可能に配置されることを意図した、事前に製造された特定の支持体上に再現される。
【0010】
また、任意で、本発明に係るレクリエーションまたはスポーツ目的の射撃レンジ設備は、
− この変形に関連する傾斜に対応する、少なくとも1つの角度値を用いて、各標的表現の各変形を計算するようにプログラムされた計算器と、
− 計算器によって計算された各変形を電子的に表示する装置と、
をさらに備えることができる。
【0011】
また、任意で、本発明に係るレクリエーションまたはスポーツ目的の射撃レンジ設備は、前記少なくとも1つの角度値を供給するための、標的支持プレートの傾斜の検出器をさらに備えることができ、計算器は、次いで、傾斜検出器により供給される前記少なくとも1つの角度値を用いる角度補正により検出された傾斜に対応する各標的表現の変形を計算するようにプログラムされている。
【0012】
また、任意で、標的支持プレートは、特に設備が地面に設置される際に、実質的に水平となることを意図する、基準面の第1の主軸を中心として、および/または第1の主軸に垂直の、基準面の第2の軸を中心として、角度的に傾けることができる。
【0013】
また、任意で、
− 第1の主軸を中心とする任意の角度αの傾斜は、各標的表現の第1の主軸に直交する方向に、(cosα)−1の対応する比例幾何学的変形を生成し、および/または
− 第2の軸を中心とする任意の角度βの傾斜は、各標的表現の第2の軸に直交する方向に、(cosβ)−1の対応する比例幾何学的変形を生成する。
【0014】
また、任意で、本発明に係るレクリエーションまたはスポーツ目的の射撃レンジ設備は、
− 射撃力レコーダと、
− 記録された射撃力に応じて、標的支持プレートの傾斜を調整するための装置と、
− 調整された傾斜に従って表示される標的表現変形のアダプタと、
をさらに備えることができる。
【0015】
また、任意で、標的支持プレートは、透明または半透明であり、つや消しの前面と、前記少なくとも1つの標的表現を投影して、標的支持プレートの表示面を形成することを意図した背面とを有する。
【0016】
また、任意で、本発明に係るレクリエーションまたはスポーツ目的の射撃レンジ設備は、
− 射撃衝撃の位置特定を行うための装置と、
− 同じパターンを再現するが、標的支持プレートの表示面の異なる箇所に位置する、いくつかの標的中心にそれぞれ中心を合わせることを意図した、複数の標的表現と、
− 位置特定を行うための装置によって供給される射撃衝撃の連続する位置および力を記録するための手段と、
− 記録された射撃衝撃の連続する位置および力に応じて選択される表示の標的中心位置を選択するための手段と、
をさらに備えることができる。
【0017】
基準面に対して、少なくとも1つの非ゼロ傾斜に従い傾けることができる標的支持プレートと、プレートが基準面に対して平行である場合に、プレートの面内に表示されることを意図した、少なくとも1つの基準標的表現と、を備えたレクリエーションまたはスポーツ目的の射撃レンジ設備を構成するための方法が提案され、この構成するための方法は、
− 前記少なくとも1つの基準標的表現の少なくとも1つの変形を、前記少なくとも1つの非ゼロ傾斜に対応する少なくとも1つの角度値を用いて計算し、この計算は、前記少なくとも1つの角度値に従って変形が傾けられる際に、基準面内のこの変形の正射影が、基準標的表現と同一となるようにして行われ、
− 前記少なくとも1つの計算された変形は、前記少なくとも1つの角度値に従ってプレートが傾けられる際に、プレートの面内に表示される、方法である。
【0018】
本発明は、単なる例として与えられ、添付の図面を参照して与えられる、以下の説明を用いてより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の2つの実施形態に係るレクリエーションまたはスポーツ目的の射撃レンジ設備の概略構造を図式的に示す図。
図2】本発明の2つの実施形態に係るレクリエーションまたはスポーツ目的の射撃レンジ設備の概略構造を図式的に示す図。
図3図2の設備の代替実施形態を図式的かつ部分的に示す図。
図4図2の設備の代替実施形態を図式的かつ部分的に示す図。
図5図1または図2の設備の傾斜可能性を示す図。
図6図1または図2の設備による標的の、変形された表現を表示する可能性を示す図。
図7図1または図2の設備による標的の、変形された表現を表示する可能性を示す図。
図8図2の設備を構成するための方法の連続するステップを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1に図式的に示されるレクリエーションまたはスポーツ目的の射撃レンジ設備は、圧縮空気または火薬を用いた、武器、ライフルまたはピストルを用いるレクリエーションまたはスポーツ目的の射撃アクティビティ、あるいはアーチェリー、クロスボウ、吹き矢、ダーツその他を用いた射撃アクティビティに関する。
【0021】
設備は、基準面Pに対して、いくつかの異なる可能な傾斜(例えばα=0,α=α,α=α)に従い傾けることができる、側面図で示される標的支持プレート10を備える。この基準面Pは、紙面内で水平に示される視線および/または射撃の軸A自体に対して、鉛直かつ垂直に示される。簡潔に示されるが限定ではない例として、3つの異なる可能な傾斜を図1に示し、3つの全てが、基準面Pの水平軸Dを中心とし、角度値αによって識別される。第1の傾斜は、ゼロ(α=0)であり、第2は、αに対して値α(例えば15度)をとり、第3は、値α(例えば30度)をとる。
【0022】
レクリエーションまたはスポーツ目的の射撃レンジ設備は、標的支持プレート10の面14、例えばプレート10の背面に表示されることを意図した、少なくとも1つの標的表現12をさらに備える。標的表現の固定自体は完全に知られているため、その詳細は提供されない。この装置は、標的表現12を保護することを好適に可能にし、次いで、プレート10は、透明である必要がある。あるいは、標的面14は、プレート10の表面であり、この表面は、半透明とすることが可能である。
【0023】
図1に示す3つの可能な傾斜の下に、それぞれがいくつかの異なる表示可能な変形を有し、異なる可能な傾斜とそれぞれ関連する、いくつかの標的表現が示される。この図の非限定の例によれば、2つの異なる標的表現が提供される。
【0024】
第1の標的表現12Aは、10メートルでのピストルによる射撃競技用の標的である。この標的は、3つの変形を有し、それぞれが、例えば紙またはボール紙製の事前に製造された特定の支持体上に再現され、標的支持プレート10の前面または背面14に対して、取り外し可能に固定することにより配置されることを意図している。ゼロでありゼロ傾斜α=0に対応する第1の変形12Aは、オリンピック基準に従うゾーン7からゾーン10までの、直径が59.5mm(+/−0.2mm)の視覚的な黒色ディスクにより、170mm×170mmの最小寸法を有するボール紙の支持体上に番号が付された同心円を表す。第1の変形は、標的支持プレートが基準面Pに平行な場合に、標的支持プレート10の前面または背面14に表示することを意図している。非ゼロの傾斜α=αに対応する第2の変形12Aは、関連する傾斜α=αに従って、この第2の変形が標的支持プレート10の前面または背面14に表示される際に、基準面P内での楕円の正射影が、第1のゼロ変形12Aの同心円と同一になるように変形された同心楕円を示す。最後に、非ゼロの傾斜α=αに対応する第3の変形12Aは、関連する傾斜α=αに従って、この第3の変形が標的支持プレート10の前面または背面14に表示される際に、基準面P内での楕円の正射影が、第1のゼロ変形12Aの同心円と同一になるように変形された同心楕円を示す。
【0025】
第2の標的表現12Bは、10メートルでのライフルによる射撃競技用の標的である。この標的は、3つの変形を有し、それぞれが、紙またはボール紙製の事前に製造された特定の支持体上に再現され、標的支持プレート10の前面または背面14に対して、取り外し可能に固定することにより配置されることを意図している。ゼロでありゼロ傾斜α=0に対応する第1の変形12Bは、オリンピック基準に従うゾーン4からゾーン9までの、直径が30.5mm(+/−0.1mm)の視覚的な黒色ディスクにより、80mm×80mmの最小寸法を有するボール紙の支持体上に番号が付された同心円を表す。第1の変形は、標的支持プレートが基準面Pに平行な場合、標的支持プレート10の前面または背面14に表示することを意図している。非ゼロの傾斜α=αに対応する第2の変形12Bは、関連する傾斜α=αに従って、この第2の変形が標的支持プレート10の前面または背面14に表示される際に、基準面P内での楕円の正射影が、第1のゼロ変形12Bの同心円と同一となるように変形された同心楕円を示す。最後に、非ゼロの傾斜α=αに対応する第3の変形12Bは、関連する傾斜α=αに従って、この第3の変形が標的支持プレート10の前面または背面14に表示される際に、基準面P内での楕円の正射影が、第1のゼロ変形12Bの同心円と同一となるように変形された同心楕円を示す。
【0026】
実際には、変形は、次のやり方で確立される。軸Dを中心とする任意の角度αの傾斜は、Dに直交する方向に(cosα)−1の対応する比例幾何学的変形を生成する。この幾何学的変形に従って、F(x,y)が、任意の標的表現の第1のゼロ変形を示す場合(xは、軸Dに沿った横座標であり、yは、直交方向の縦座標である)、軸Dを中心とする傾斜αの結果として生じる変形G(x,y)は、次式の関係により与えられる。
F(x,y)=G(x,y.(cosα)−1
【0027】
これは、本発明の第1の態様によれば、同じ標的表現の可能な変形は、それぞれ関連する傾斜に従って、標的支持プレートの面にそれぞれ表示される際に、基準面P内の変形の正射影が全て同一となるような変形である、という結果をもたらす。
【0028】
もちろん、オリンピック基準に従っていようといまいと、標的表現は、複数である。例えば、
− 25〜50メートルでのピストルによる射撃競技においては、ゼロでありゼロ傾斜α=0に対応する第1の変形は、オリンピック基準に従うゾーン7からゾーン10までの、直径が200mm(+/−1mm)の視覚的な黒色ディスクにより、550mm×550mmの最小寸法のボール紙の支持体上に番号が付された同心円を表し、
− 25メートルでの高速ピストルによる射撃競技においては、ゼロでありゼロ傾斜α=0に対応する第1の変形は、オリンピック基準に従うゾーン5からゾーン10までの、直径が500mm(+/−2mm)の視覚的な黒色ディスクにより、550mm×550mmの最小寸法のボール紙の支持体上に番号が付された同心円を表し、
− 50メートルでのライフルによる射撃競技においては、ゼロでありゼロ傾斜α=0に対応する第1の変形は、オリンピック基準に従う、直径が112.40mm(+/−0.5mm)の視覚的な黒色ディスクにより、250mm×250mmの最小寸法のボール紙の支持体上に番号が付された同心円を表し、
− 300メートルでのライフルによる射撃競技においては、ゼロでありゼロ傾斜α=0に対応する第1の変形は、オリンピック基準に従うゾーン5からゾーン10までの、直径が600mm(+/−3mm)の視覚的な黒色ディスクにより、1020mm×1020mmの最小寸法のボール紙の支持体上に番号が付された同心円を表す。
【0029】
純粋にレクリエーション用である、完全にあらゆる種類の標的、特にゼロ変形を有する同心視野円を再現しない標的の表現の提供を妨げるものはない。
【0030】
さらに、各標的表現の各変形の紙、ボール紙、または他の材料製の各支持体は、どの標的表現とどの傾斜に対応するかを効果的に取得可能にする、バーコードなどの識別子IDを含むことができる。よって、図1の設備に、全てバーコードで識別され、所望の射撃規律および傾斜に従って標的支持プレート10の前面または背面14に表示できるいくつかの可能な変形を有する、1組の標的表現12が提供される。
【0031】
図2に図式的に示されるレクリエーションまたはスポーツ目的の射撃レンジ設備は、消耗品のない実施形態に従っており、電子装置が設けられて所望の標的表現を表示し、その変形を事前に計算する。この場合、標的は、固定画像またはアニメーション化された一連の画像とすることができる。これはさらに、衝撃を受けるためのインタラクティブ面と、位置特定のための電子手段とを用いて、特に差分通過時間計算によって、衝撃の位置特定が実行される実施形態である。この設備は、図1の設備と同じアクティビティに関連している。
【0032】
この設備は、また、上記で定義された基準面Pに関して、いくつかの異なる可能な傾斜に従い傾けることができる標的支持プレート20を備える。このプレート20は、衝撃からの進行性機械波を伝播することができるインタラクティブ表面を有する。さらに、プレート20に対して後方にいくつかのトランスデューサ22が分散されており、少なくとも3つ、さらに一般的には4つのトランスデューサが配置され、トランスデューサが送信する信号を用いた三角測量による位置特定を可能にする。トランスデューサは、実際に、インタラクティブ表面を伝播する進行性機械波を捕捉し、電気信号に変換するように設計されている。
【0033】
図2の設備は、電子中央ユニット24をさらに備え、このユニットは、トランスデューサ22に接続されてその電気信号を受信し、受信された電気信号で識別された衝撃検出の時点に基づいて、衝撃からトランスデューサ22に来る進行性機械波の伝搬時間の差の分析によって、プレート20のインタラクティブ表面内のどのような衝撃も、位置特定するようにプログラムされている。電子中央ユニット24は、この目的のために、衝撃を位置特定するための第1の計算器26を備え、この計算器は、任意で、位置特定された各衝撃の力の推定値を、さらに提供することができる。次いで、検出された各衝撃を、その位置とその力とともにメモリ28に保存し、衝撃の履歴を作成することができる。
【0034】
電子中央ユニット24は、標的支持プレート20の所望の面内に表示されることを意図した少なくとも1つの標的表現を、格納するためのメモリ30をさらに備える。各標的表現は、よって、デジタル形式で格納され、電子中央ユニット24の第2の計算器32は、この変形に関連するプレート20の傾斜に対応する、少なくとも1つの角度値を用いて、各標的表現の可能な各変形を計算するようにプログラムされている。
【0035】
第2の計算器32によって計算された各変形を、プレート20の所望の平面に電子的に表示するための装置34が、さらに設けられ、電子中央ユニット24に接続される。図2の例では、第2の計算器32に接続された電子表示装置34、例えばコンピュータ画面、対話型タブレットまたは任意のフラットスクリーンが、標的支持プレート20の背面に配置され、次いで標的支持プレートは、透明である必要がある。
【0036】
しかし、この実施形態では、標的支持プレート20と電子表示装置34とを設計するために、他の多くの代替案が可能である。まず、単一かつ同一のインタラクティブ画面が、両方の機能を実行できる。次いで画面は、衝撃に耐えるのに十分に堅固でなければならない。内部に電子ディスプレイ画面が配置されたインタラクティブな前面を有する保護ケースを、提供することも可能である。標的支持プレート20への投影または逆投影を介して、第2の計算器32によって計算された各変形の表示を提供することも可能である。
【0037】
任意だが好適には、図2の設備は、その表示面の傾斜の少なくとも1つの角度値αを供給するための標的支持プレート20の傾斜の検出器36(従来の傾斜計または他の任意の同等の装置)をさらに備え、第2の計算器32は、次いで、傾斜検出器36により供給される前記少なくとも1つの角度値を用いる角度補正により検出された傾斜に対応する各標的表現の変形を計算するようプログラムされている。
【0038】
任意だが好適には、傾斜検出器36は、記録された射撃力に応じて標的支持プレート20の傾斜を調整する機能をさらに実行することができる。この力は、実際に、第1の計算器26で測定および記録できるため、この力を用いて、傾斜を自動的に調整することができ、例えば、最後に記録された力が弱いほど、傾斜を低くして、衝撃の位置特定においてより高感度とし、最後に記録された力が強いほど、傾斜を高くして、プレート20の衝撃面の保護をより良くする。さらに、衝撃面のサイズと衝撃力の低減との間の最良の妥協点を得るために、傾斜を調整するのに適している。このように傾斜が調整されると、第2の計算器32は、調整された傾斜に従って、表示された標的表現変形を適合させる。
【0039】
図3は、前述の代替案を示しており、この代替案によれば、第2の計算器32によって計算された各変形が、標的支持プレート20の背面に逆投影により表示される。投影装置38は、プレート20の背面に配置され、プレート20は、好ましくは透明およびつや消しである。投影装置38は、電子中央ユニット24を含むか、または電子中央ユニット24に接続することができる。第1の態様とは異なり独立している、本発明の別の態様によれば、発砲の衝撃を受けることを意図したプレート20の前面10は、つや消しである。これにより、背面に逆投影された画像は、どのような視差の誤差もなしに前面に形成される。さらに、つや消しの前面は、経時的に変化する透明な面よりも、衝撃に対して損傷を受けにくいという利点を有する。さらに、つや消しの前面は、変質や付着物を除去するためにサンドペーパーで軽いメンテナンスを施すことにより、容易に維持することができる。
【0040】
図4は、前述の代替案を示しており、この代替案によれば、第2の計算器32によって計算された各変形が、標的支持プレート20の前面に投影によって表示される。投影装置38は、次いで、好ましくは不透明またはつや消しであるプレート20の前に配置される。
【0041】
投影装置38は、例えば、画像プロジェクタである。投影装置は、映像プロジェクタとすることもできる。レーザープロジェクタを選択して、高コントラストで画像を投影し、特に遠方から見ることができる円を形成することもできる。
【0042】
図5に示されるように、標的支持プレート10または20は、基準面Pのいくつかの軸、特に2つの軸を中心として角度的に傾けることができる。基準面Pの第1の主軸、例えば設備が地面に設置された場合、実質的に水平となることを意図した軸は、図5のx軸により識別される図1の軸Dであり、この軸を中心として、傾斜は、上記で定義した角度値αを用いて測定される。その軸を中心として標的支持プレート10または20を傾けることができる、基準面Pの第2の軸は、x軸に垂直であり、設備が地面に設置された場合、実質的に鉛直となることを意図している、図5のy軸である。このy軸を中心とする傾斜は、角度値βを用いて測定される。x軸を中心とする任意の角度αの傾斜は、β=0の場合、y軸の方向に(cosα)−1の対応する比例幾何学的変形を生成する。同様に、y軸を中心とする任意の角度βの傾斜は、α=0の場合、x軸の方向に(cosβ)−1の対応する比例幾何学的変形を生成する。
【0043】
一方で、x軸を中心とする傾斜αおよびy軸を中心とするβからの結果として生じる変形G(x,y)は、幾何学的考察から単純に例証される、次の関係により与えられる。
F(x,y)=G(x.(cosβ)−1+y.(tgα).(tgβ),y.(cosα)−1
ここで、β=0の場合、F(x,y)=G(x,y.(cosα)−1)であり、α=0の場合、F(x,y)=G(x(cosβ)−1,y)である。
【0044】
2つの別々の傾斜軸を設ける利点は、2つの傾斜を利用して、衝突の力を減少させることである。単一軸を有する場合、傾斜が高いほど、標的表現の知覚されるサイズはより速く減少し、これは、特定の限度を越えると、寸法を調整できる表現を表示することが問題となるようなやり方で減少する。2つの軸を有する場合、衝突の力の増加に伴うサイズの減少は、それほど速くはない。
【0045】
したがって、以下のやり方を進めて、標的支持プレートの傾斜を適合させることが可能である。
− 例えば、記録された最後の力からの結果として生じる、予想される射撃力を考慮して、射撃力が、プレートの弾性変形能力の限界を超えるかどうかを決定し、
− 限界を超える場合、プレート上で感知される力が、前述の弾性変形能力よりも小さくなるように、十分な角度値αおよびβで、2つの軸に従ってプレートが傾けられ、
− 標的表示の変形が、横座標の最大許容寸法を超える場合、αを増加させ、βを減少させるか、または標的支持プレートの材料を変更し、
− 標的表示の変形が、縦座標の最大許容寸法を超える場合、βを増加させ、αを減少させるか、または標的支持プレートの材料を変更する。
【0046】
材料に関して、プレート10または20は、ポリカーボネート、防弾とすることも可能なガラス、鋼合金等から、所望の用途に応じて選択することができる。そのような材料は、その透明性および/または予想される発射物への抵抗性に従って選択することが適切である。各標的表示変形の任意の事前に製造された支持体に関して、抵抗性の不透明な支持体が望まれる場合、エッチング、スクリーン印刷、亜鉛メッキまたは電気メッキによる化学または電気化学エッチング、あるいは塊(mass)への色の挿入によって、変形の有無によらず、標的表現をこの支持体に形成することができる。
【0047】
図6は、上述の2つの態様とは異なり独立している、本発明の別の態様を示している。これは、この別の態様によれば、同じパターンMを再現するが、標的支持プレート10または20の表示面の異なる位置にある、いくつかの標的中心にそれぞれ中心を合わせることを意図した、いくつかの標的表現を提供することを伴う。例えば、第1の表現M1は、視野の中心を表示面の中央に配置し、一方で第2の表現M2は、視野の中心を表示面の左上に配置し、一方で第3の表現M3は、視野の中心を表示面の右上に配置し、一方で第4の表現M4は、視野の中心を表示面の左下に配置し、一方で第5の表現M5は、視野の中心を表示面の右下に配置する。図6の5つの標的表現は、標的表現のそれぞれに対して複数の変形を表示できることが知られた上で、同じ変形に従ってさらに表示される。
【0048】
本発明のこの他の態様によれば、メモリ28に記録された射撃衝撃の連続する位置および力は、表示面内の衝撃の可能な限り均一な分布を可能にする、表示のための標的中心位置を選択する手段に供給される。連続する位置は、関連する衝撃力によってそれぞれ重み付けすることができる。よって、標的支持プレートの潜在的な損傷の2次元マップを、リアルタイムで定義し、最も影響の少ないゾーンに、視野の中心を配置することが可能である。具体的には、衝撃面を正方形のゾーンに分割することができ、これらゾーンにおいて、記録された衝撃力を漸進的に加算し、衝撃の少ないゾーンに視野の中心を変位させる。これにより、標的支持プレート10または20の耐用年数を延ばすことができる。図2の実施形態では、選択手段は、開始またはリセットのたびに、メモリ28に記録された衝撃の履歴を考慮して、脆弱化が最も少ないゾーンに視野中心を位置決めできる、第2の計算器32に好適に実装される。図1の実施形態では、マンマシンインターフェースが、脆弱化されたゾーンの知識に従って最適化された標的中心を有するそのような標的表現の使用を推奨することができる。
【0049】
図7は、図6の代替案を示しており、この代替案によれば、異なる位置に配置された同じパターンMを再現する異なる標的表現が、同じ支持プレート上で、または同じ一般的表現に共にグループ化されている。この場合、可能な全ての表現から所望の表現のみを表示するために、カバーを設ける必要がある。
【0050】
最後に、図8は、図2のようなレクリエーションまたはスポーツ目的の射撃レンジ設備を構成する方法の、連続するステップを示している。この方法を実行するために、設備は、基準面Pに対する少なくとも1つの非ゼロの傾斜に従って傾けることができる標的支持プレートと、標的支持プレートが基準面Pに平行な場合、プレートの平面に表示されることを意図した、すなわち変形なしの、少なくとも1つの基準標的表現と、を少なくとも備える必要がある。
【0051】
第1のステップ100の間、所定のレクリエーションまたはスポーツ活動の目的で、ユーザにより標的表現が選択される。
【0052】
任意の第2のステップ102の間、メモリ28に記録された射撃衝撃の連続する位置により、第2の計算器32は、選択された標的表現のための最適な標的中心位置を選択することが可能となる。
【0053】
任意の第3のステップ104の間、基準面Pの1つまたはいくつかの軸に応じた1つまたはいくつかの傾斜角が、以前に推定および記録された1つまたはいくつかの射撃力を考慮して決定される。結果として生じる傾斜は、標的支持プレート20に適用される。規定では、非ゼロ傾斜を、ユーザ自身によって選択する、および/または検出器36によって測定することができる。
【0054】
第4のステップ106の間、ステップ100および102で望まれ選択された標的表現の変形は、ステップ104で決定または測定された傾斜の角度値を用いて、第2の計算器32によって計算される。この計算は、上述したように、ステップ104で決定または測定された傾斜に従って変形が傾けられる際に、基準面P内の変形の正射影が基準標的表現と同一になるようにして行われる。
【0055】
最後の第5のステップ108の間、計算された変形は、ステップ104で決定または測定された傾斜に従ってプレート20が傾けられる際に、プレート20の平面に表示される。よって、射手は、基準面Pに垂直の軸Aに従って照準を合わせる際に、変形なしに標的表現を見る。
【0056】
上記のいずれかのようなレクリエーションまたはスポーツの目的のための射撃レンジ設備は、いくつかの可能な傾斜の中から望まれまたは選択された傾斜に関わらず、変形なしで標的表現を見ることを可能にすることが明らかであり、傾斜のうちの少なくとも1つは、非ゼロであり、標的支持プレートを強力な衝撃から保護する。図2図3および図4の実施形態では、そのような設備は、さらに消耗品なしで設計することができる。
【0057】
さらに、本発明は上述の実施形態に限定されないことに留意されたい。実際に、当業者には、開示された教示に鑑みて、上記の実施形態に様々な修正を加えることができることが分かるであろう。課題を解決する手段において先になされた発明の提示において、使用される用語は、本明細書に開示される実施形態に対して本発明を限定するものとして解釈されるべきではなく、当業者の一般的な知識を、当業者に開示された教示の実施に適用することにより、予見されるものが当業者の範囲内にある同等物の全てを含むと解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8