特許第6900519号(P6900519)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6900519水蒸気透過率が低いポリオレフィンエラストマー封止シート及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6900519
(24)【登録日】2021年6月18日
(45)【発行日】2021年7月7日
(54)【発明の名称】水蒸気透過率が低いポリオレフィンエラストマー封止シート及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08L 23/00 20060101AFI20210628BHJP
   C08K 5/14 20060101ALI20210628BHJP
   C08K 5/54 20060101ALI20210628BHJP
   C08L 23/26 20060101ALI20210628BHJP
   C08J 5/18 20060101ALI20210628BHJP
   H01L 23/29 20060101ALI20210628BHJP
   H01L 23/31 20060101ALI20210628BHJP
【FI】
   C08L23/00
   C08K5/14
   C08K5/54
   C08L23/26
   C08J5/18CES
   H01L23/30 R
   H01L23/30 F
【請求項の数】8
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-571600(P2019-571600)
(86)(22)【出願日】2018年3月19日
(65)【公表番号】特表2020-525596(P2020-525596A)
(43)【公表日】2020年8月27日
(86)【国際出願番号】CN2018079449
(87)【国際公開番号】WO2019136823
(87)【国際公開日】20190718
【審査請求日】2019年12月25日
(31)【優先権主張番号】201810022942.8
(32)【優先日】2018年1月10日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519320941
【氏名又は名称】杭州福斯特応用材料股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【弁理士】
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】王 龍
(72)【発明者】
【氏名】熊 曦
(72)【発明者】
【氏名】唐 国棟
(72)【発明者】
【氏名】侯 宏兵
(72)【発明者】
【氏名】周 光大
(72)【発明者】
【氏名】林 建華
【審査官】 藤本 保
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−233079(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/024599(WO,A1)
【文献】 中国特許出願公開第105733457(CN,A)
【文献】 特開2013−115211(JP,A)
【文献】 特開2015−135937(JP,A)
【文献】 特開2016−117893(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L1/00−101/16
C08K3/00−13/08
C08J5/18
H01L23/29
H01L23/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイス封止ためのポリオレフィンエラストマー封止シートであって、
50〜100質量部のマトリックス樹脂、
5〜40質量部の変性樹脂、
0.001〜2質量部の活性化剤、
0.1〜3質量部の有機過酸化物、
0.02〜5質量部の架橋助剤、
0.02〜2質量部のシランカップリング剤、
0.005〜2質量部の光安定剤、及び
0〜20質量部の撥水フィラー
を含み、
前記マトリックス樹脂がポリオレフィンエラストマーであり、
前記変性樹脂は、下記構造式(1)〜(14)の何れかを有する変性樹脂からなる群から選ばれた1種、または2種以上の任意配合比での組み合わせから構成され、
[構造式(1)〜(14)において、a、b、c、dは自然数であり、
X1はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基からなる群から選択され、
R1とR2はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキレン基であり、R3は炭素数1〜10のアルキル基であり、
X2及びX3は、架橋反応に関与し得、共重合反応、又はラジカルで開始されるグラフト反応で前記マトリックス樹脂分子鎖に導入される活性基であり、前記X2は、ハロゲン、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アルデヒド基、メルカプト基、酸無水物基、アクリルアミド基、スルホン酸基、エポキシ基、シアノ基、イソシアネート基、炭素-炭素二重結合、炭素-炭素三重結合、塩化アシル基からなる群から選択され、含有量が0.05%〜15wt%であり、前記X3は、前記R3をさらに連結する場合にはイミノ基、リン酸ジエステル基、炭素-炭素二重結合、炭素-炭素三重結合からなる群から選択され、前記R3を連結しない場合には炭素-炭素二重結合、炭素-炭素三重結合からなる群から選択され、前記X3の含有量が0.05〜15wt%である。]
前記活性化剤は、ハロゲン、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、酸無水物基、アクリルアミド基、イソシアネート基、アルデヒド基、スルホン酸基、シランカップリング基、塩化アシル基からなる群から選択される二つ或いは二つ以上の活性基を含むことを特徴とする
ポリオレフィンエラストマー封止シート。
【請求項2】
前記封止シートの厚さが0.01〜1mmであることを特徴とする請求項1に記載のポリオレフィンエラストマー封止シート。
【請求項3】
前記マトリックス樹脂は、エチレンがそれぞれにプロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテンと共重合反応して形成されるポリマーからなる群から選ばれた1種、または2種以上の任意配合比での組み合わせから構成され、メルトインデックスが0.5〜45g/10minであることを特徴とする請求項1に記載のポリオレフィンエラストマー封止シート。
【請求項4】
前記有機過酸化物は、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5-ジメチル-2,5-(ジ-t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキシルカーボネート、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-アミルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-アミルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)ブタン、 t -アミルパーオキシ 2 -エチルヘキシルカーボネート、2,5-ジメチル2,5-ジメチル2,5-ジメチル2,5-ビス(ベンゾイルパーオキシ)-ヘキサン、t-アミルパーオキシカーボネート、パーオキシ3,3,5-トリメチルカプロン酸t-ブチルからなる群から選ばれた1種、または2種以上の任意配合比での組み合わせから構成され、
前記架橋助剤は、トリアリルイソシアヌレート、シアヌル酸トリアリル、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸トリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化グリセロールトリアクリレート、プロポキシ化グリセロールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパンテトラアクリレート、ビストリメチロールプロパンテトラアクリレート、ビストリメチロールプロパンテトラメタクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、2,4,6-トリス(2-プロペニルオキシ)-1,3,5-トリアジン、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロピレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレートからなる群から選ばれた1種、または2種以上の任意配合比での組み合わせから構成され、
前記シランカップリング剤は、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリペルオキシド-t-ブチルシラン、トリ-t-ブチルペルオキシモノビニルシラン、トリアセトキシ(ビニル)シラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、メタクリル酸3-(トリメトキシシリル)プロピル、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメチルシランからなる群から選ばれた1種、または2種以上の任意配合比での組み合わせから構成され、
前記光安定剤は、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、デカン二酸ビス[2,2,6,6-テトラメチル-1-(オクチルオキシ)ピペリジン-4-イル]、4-(メタ)アクリロイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンとα-オレフィンモノマーとを重合して得られるグラフト共重合体、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジノール、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ安息香酸ヘキサデシル、セバシン酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)、及びトリス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)ホスファイトからなる群から選ばれた1種、または2種以上の任意配合比での組み合わせから構成される
ことを特徴とする請求項1に記載のポリオレフィンエラストマー封止シート。
【請求項5】
前記撥水フィラーが、多孔質吸着型材料又は水蒸気を吸着して結晶水を形成可能な化合物であることを特徴とする請求項1に記載のポリオレフィンエラストマー封止シート。
【請求項6】
前記撥水フィラーが分子篩、ゼオライト、珪藻土、活性炭、多孔質シリカ、多孔質アルミナ、カーボンブラック、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸銅、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸亜鉛、水酸化カルシウムからなる群から選ばれた1種、または2種以上の任意配合比での組み合わせから構成されることを特徴とする請求項7に記載のポリオレフィンエラストマー封止シート。
【請求項7】
請求項1に記載のポリオレフィンエラストマー封止シートの製造方法であって、
50〜100質量部のマトリックス樹脂、0〜40質量部の変性樹脂、0.001〜2質量部の活性化剤、0.1〜3質量部の有機過酸化物、0.02〜5質量部の架橋助剤、0.02〜2質量部のシランカップリング剤、0.005〜2質量部の光安定剤、及び0〜20質量部の撥水フィラーを混合した後、押出機に投入し、Tダイによって流延製膜を行い、ポリオレフィンエラストマー封止シートを得ることを特徴とするポリオレフィンエラストマー封止シートの製造方法。
【請求項8】
Tダイでの流延製膜後、照射量0.01〜0.1kWh/m2の紫外光又は照射量0.2〜100KGYの電子線の方式により処理を行うことで、マトリックス樹脂、変性樹脂と活性化剤、有機過酸化物、架橋助剤を架橋反応、グラフト反応を起こさせることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はPV(photovoltaic)用封止材料の分野に属し、特に電子デバイス封止ための低水蒸気透過率を有するポリオレフィンエラストマー封止シート及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギー不足問題と環境問題がますます顕在化している今日では、再生可能で、環境に優しいクリーンエネルギーを探すことは既に必然的な傾向となった。太陽光発電は、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換する過程であり、クリーン、無尽蔵、柔軟の3つの利点を有する。そして、太陽光発電は、従来の火力発電、水力発電及び原子力発電と比較して、設備の製造過程が簡単であり、再現性が強いため、将来性が高くて期待されている。
【0003】
従来の太陽電池モジュール(photovoltaic module)の封止材は主にエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)を採用する。しかし、EVA材料自体の分子構造によって、EVA封止シートに水蒸気透過率が高く、耐候性が低いなどの不足が存在する。電池技術の発展に伴い、N型太陽電池、PERC型太陽電池、両面発電型太陽電池等の様々な新規高効率セルが相次いで登場し、封止材のより高い性能が要求されている。また、漁業-太陽光発電業界相補等の項目において、モジュールの作業環境では湿度が高いため、モジュールの長期的効率的な運転を保証するにも、より低い水蒸気透過率を有する封止材が必要である。これらの新型高効率セル又は特殊な湿度環境には封止材の水蒸気バリア性能のさらなる改善が求められている。如何に封止材の水蒸気バリア性能を改善させ、太陽電池モジュールの寿命を向上させるかは業界が解決するすべきな問題である。
【0004】
マトリックス樹脂であるEVA中の酢酸ビニル(VA)含有量を低下させると、極性基の割合の低減に伴い、封止材のバリア性を相応的に向上させることができるが、光透過率を低下させるという問題が生じ、太陽電池の発電量の向上に不利になる。極端な例で、マトリックス樹脂として極性モノマー共重合体を用いらない。例えば、特許CN106752997A(公開番号)、特許CN102863916B(公開番号)などは、メタロセンを触媒として促進される、エチレンとブテン、ペンテン、オクテンなどのα-オレフィンモノマーとの共重合によって得られるポリマーを、マトリックス樹脂として用いて封止を行った。前記ポリマーは、分子鎖に不飽和結合がないため、耐候性と撥水性はいずれにもEVAよりも著しく優れているが、該改善方法は重合プロセス中にしか実現できず、封止シートの製造過程中の2回改善で実現することができない。
【0005】
封止シートの撥水性能を向上させるためには、封止シート中に吸水剤を添加し、物理吸着又は化学反応の方式により、封止シート中での水蒸気の拡散を緩和する方法が一般的である。例えば特許CN103756579Aにはイオン重合体、特許CN104962216A(公開番号)にはジシクロヘキシルカルボジイミド、1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドが添加された。この方法は、封止シートの撥水性能の向上に効果が限られ、且つ吸水剤は飽和するか、又は全部が水と反応すると撥水効果が失われてしまうため、モジュールの長期使用の信頼性を完全に保証することができない。
【0006】
上記の状況に鑑みて、低い水蒸気透過率を有する新規封止シートを開発して、太陽電池モジュールの長期的な効率的な運転を保証することが必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許CN106752997A
【特許文献2】特許CN102863916B
【特許文献3】特許CN103756579A
【特許文献4】特許CN104962216A
【発明の概要】
【0008】
本発明は、従来の技術の欠点を改善するように、水蒸気透過率が低い架橋型ポリオレフィンエラストマー封止シートを提供することを目的とする。過酸化物及び架橋助剤はポリオレフィンエラストマーの架橋を開始できるものである。活性基含有変性樹脂及び活性化剤を添加することにより、封止シートの架橋密度及び架橋度をより高める上、さらに撥水フィラーを配合する。これにより、封止シートの高効率な撥水特性を保証する。本発明は、透明オレフィン封止シートだけでなく、有色封止シートにも適用することができる。有色封止シートは、過酸化物架橋体系に加え、紫外線照射架橋や電子線照射架橋等の方式で封止シートに対して前処理を行うことによって、封止シートの架橋度及び架橋密度を高め、さらに封止シートの撥水性能を向上させることができる。本発明で製造されたポリオレフィンエラストマー封止シートは、超低の水蒸気透過率と優れた耐候性とを有するため、モジュールの屋外での長期的な効率的な作業を確実に保証できる。
【0009】
本発明の目的は以下の技術案により実現される。50〜100質量部のマトリックス樹脂、0〜40質量部の変性樹脂、0.001〜2質量部の活性化剤、0.1〜3質量部の有機過酸化物、0.02〜5質量部の架橋助剤、0.02〜2質量部のシランカップリング剤、0.005〜2質量部の光安定剤、及び0〜20質量部の撥水フィラーを含む電子デバイス封止ための低水蒸気透過率が低いポリオレフィンエラストマー封止シート。
【0010】
さらに、前記封止シート的厚さが0.01〜1mmである。
【0011】
さらに、前記マトリックス樹脂は、エチレンがそれぞれにプロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテンと共重合反応して形成されるポリマーからなる群から選ばれた1種、または2種以上の任意配合比での組み合わせから構成され、メルトインデックスが0.5〜45g/10minである。
【0012】
さらに、前記変性樹脂は、下記構造式(1)〜(14)の何れかを有する変性樹脂からなる群から選ばれた1種、または2種以上の任意配合比での組み合わせから構成される。
【0013】
【0014】
【0015】
上記構造式(1)〜(14)において、a、b、c、dは自然数であり、X1はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基からなる群から選択され、R1R2はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキレン基であり、R3は、炭素数1〜10のアルキル基であり、X2及びX3は、架橋反応に関与し得、共重合反応又はラジカルで開始されるグラフト反応でマトリックス樹脂分子鎖に導入される活性基であり、前記X2は、ハロゲン、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アルデヒド基、メルカプト基、酸無水物基、アクリルアミド基、スルホン酸基、エポキシ基、シアノ基、イソシアネート基、炭素-炭素二重結合、炭素-炭素三重結合、塩化アシル基からなる群から選択され、その含有量は0.05%〜15wt%であり、X3は、R3をさらに連結する場合にはイミノ基、リン酸ジエステル基、炭素-炭素二重結合、炭素-炭素三重結合からなる群から選択され、R3を連結しない場合には炭素-炭素二重結合、炭素-炭素三重結合からなる群から選択され、X3含有量が0.05〜15wt%である。
【0016】
さらに、前記活性化剤は、ハロゲン、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、酸無水物基、アクリルアミド基、イソシアネート基、アルデヒド基、スルホン酸基、シランカップリング基、塩化アシル基からなる群から選択される二つ或いは二つ以上の活性基を含む。
【0017】
さらに、前記有機過酸化物は、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5-ジメチル-2,5-(ジ-t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキシルカーボネート、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-アミルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-アミルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)ブタン、 t -アミルパーオキシ 2 -エチルヘキシルカーボネート、2,5-ジメチル2,5-ジメチル2,5-ジメチル2,5-ビス(ベンゾイルパーオキシ)-ヘキサン、t-アミルパーオキシカーボネート、パーオキシ3,3,5-トリメチルカプロン酸t-ブチルからなる群から選ばれた1種、または2種以上の任意配合比での組み合わせから構成され、前記架橋助剤は、トリアリルイソシアヌレート、シアヌル酸トリアリル、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸トリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化グリセロールトリアクリレート、プロポキシ化グリセロールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパンテトラアクリレート、ビストリメチロールプロパンテトラアクリレート、ビストリメチロールプロパンテトラメタクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、2,4,6-トリス(2-プロペニルオキシ)-1,3,5-トリアジン、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート(NEOPENTYL GLYCOL PROPOXYLATE DIACRYLATE)、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロピレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレートからなる群から選ばれた1種、または2種以上の任意配合比での組み合わせから構成され、前記シランカップリング剤は、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリペルオキシド-t-ブチルシラン、トリ-t-ブチルペルオキシモノビニルシラン、トリアセトキシ(ビニル)シラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、メタクリル酸3-(トリメトキシシリル)プロピル、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメチルシランからなる群から選ばれた1種、または2種以上の任意配合比での組み合わせから構成され、前記光安定剤は、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、デカン二酸ビス[2,2,6,6-テトラメチル-1-(オクチルオキシ)ピペリジン-4-イル](Bis-(1-octyloxy-2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidinyl) sebacate)、4-(メタ)アクリロイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン(2,2,6,6-TETRAMETHYL PIPERIDINYL METHACRYLATE)とα-オレフィンモノマーとを重合して得られるグラフト共重合体、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジノール、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ安息香酸ヘキサデシル、セバシン酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)、及びトリス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)ホスファイトからなる群から選ばれた1種、または2種以上の任意配合比での組み合わせから構成される。
【0018】
さらに、前記撥水フィラーが、多孔質吸着型材料又は水蒸気を吸着して結晶水を形成可能な化合物である。
【0019】
さらに、前記撥水フィラーが分子篩、ゼオライト、珪藻土、活性炭、多孔質シリカ、多孔質アルミナ、カーボンブラック、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸銅、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸亜鉛、水酸化カルシウムからなる群から選ばれた1種、または2種以上の任意配合比での組み合わせから構成される。
【0020】
前記水蒸気透過率が低いポリオレフィンエラストマー封止シートの製造方法であって、50〜100質量部のマトリックス樹脂、0〜40質量部の変性樹脂、0.001〜2質量部の活性化剤、0.1〜3質量部の有機過酸化物、0.02〜5質量部の架橋助剤、0.02〜2質量部のシランカップリング剤、0.005〜2質量部の光安定剤、及び0〜20質量部の撥水フィラーを混合した後、押出機に投入し、Tダイでの流延製膜を行い、水蒸気透過率が超低なポリオレフィンエラストマー封止シートを得る前記水蒸気透過率が低いポリオレフィンエラストマー封止シートの製造方法。
【0021】
さらに、Tダイでの流延製膜後、照射量0.01〜0.1kWh/m2の紫外光又は照射量0.2〜100KGYの電子線等の方式により処理を行うことで、マトリックス樹脂と変性樹脂を、活性化剤、有機過酸化物、及び架橋助剤と架橋反応、グラフト反応等の反応を起こさせる。
【0022】
本発明は、本発明の内容がポリオレフィンエラストマー系に限定されず、同様にEVA封止シート、PE封止シート、EMMA封止シートにも適用可能であるという有益な効果を有している。変性された樹脂および活性化剤を添加することにより、封止シートの架橋密度及び架橋度を向上させ、さらに適当な撥水フィラーを配合することで、高分子材料の撥水性能を大きく向上させることができる。これらのうち、マトリックス樹脂、活性化剤、架橋剤、および有機過酸化物のうちの2つ又は2つ以上が、バリア性を増加させる化学反応を起こすことができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に実施例を参照しながら本発明をさらに説明するが、本発明の範囲は実施例だけに限定されるものではない。
【0024】
実施例1
【0025】
メルトインデックスが5g/10minであるポリオレフィンエラストマー(品番:C5070D、SABIC Innovative Plastics)80部、、アミノ含有量が2.5%である変性エチレン・オクテン共重合体樹脂20部、シュウ酸0.26部、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート0.65部、トリアリルイソシアヌレート0.6部と、ビニルトリエトキシシラン0.5部、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-安息香酸ヘキサデシル0.04部、及び分子篩0.2部を含む成分をS-1とした。
【0026】
実施例2
【0027】
メルトインデックスが15g/10minであるポリオレフィンエラストマー(品番:C13060D、SABIC Innovative Plastics)65部、、カルボキシル含有量が1.0%である変性エチレン・ペンテン共重合体樹脂35部、1,4-ブタンジアミン0.20部、tert-ブチル(3,3,5-トリメチルヘキサノイル)ペルオキシド0.40部、トリアリルイソシアヌレートB0.35部、ビニルトリメトキシシラン0.5部、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジノール0.08部、及びシリカ0.25部を含む成分をS-2とした。
【0028】
実施例3
【0029】
メルトインデックスが30g/10minであるポリオレフィンエラストマー(品番:C30070D SABIC、Innovative Plastics)80部、、イソシアネート基含有量が2.0%である変性エチレン・ブテン共重合体樹脂20部、1,3-プロピレングリコール0.22部、1,1-ビス(t-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン0.65部、トリアリルイソシアヌレート0.6部、ビニルトリエトキシシラン0.5部、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジノール0.02部、及び硫酸マグネシウム0.2部を含む成分をS-3とした。
【0030】
実施例4
【0031】
メルトインデックスが0.5g/10minであるポリオレフィンエラストマー(品番:8150、Dow)60部、イソシアネート基含有量が0.2%である変性エチレン・ヘキセン共重合体樹脂40部、DL-酒石酸(DL-Tartaric Acid)0.30部、1,1-ビス(t-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン0.35部、トリメチロールプロパントリアクリレート0.3部、ビニルトリメトキシシラン0.5部、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-安息香酸ヘキサデシル0.005部、及び塩化カルシウム0.2部を含む成分をS-4とした。
【0032】
実施例5
【0033】
メルトインデックスが5g/10minであるポリオレフィンエラストマー(品番:8200、Dow)60部、ヒドロキシル含有量が1.0%である変性エチレン・ペンテン共重合体樹脂40部、1,5-ペンタンジスルホン酸2.0部、t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキシルカーボネート0.1部、ペンタエリスリトールテトラアクリレート0.02部、トリアセトキシ(ビニル)シラン0.8部、分子篩0.5部、及び3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-安息香酸ヘキサデシル0.02部を含む成分をS-5とした。
【0034】
実施例6
【0035】
メルトインデックスが5g/10minであるポリオレフィンエラストマー(品番:8200、Dow)60部、ヒドロキシル含有量が1.0%であるエチレン・ペンテン共重合体変性樹脂40部、トリレンジイソシアネート0.22部、3,3,5-トリメチルカプロン酸t-ブチル0.55部、トリメチロールプロパントリアクリレート0.5部、ビニルトリメトキシシラン1.0部、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジノール0.07部、及び硫酸カルシウム0.5部を含む成分をS-6とした。
【0036】
実施例7
【0037】
メルトインデックスが20g/10minであるポリオレフィンエラストマー8200(Dow)とC30070D(SABIC Innovative Plastics)との混合物70部、ヒドロキシル含有量が1.5%である変性エチレン・ブテン共重合体樹脂30部、1,6-アジピン酸0.24部、t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキシルカーボネート0.55部、ペンタエリスリトールテトラアクリレート0.5部、ビニルトリメトキシシラン0.5部、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-安息香酸ヘキサデシル0.05部、及び塩化マグネシウム0.5部を含む成分をS-7とした。
【0038】
実施例8
【0039】
メルトインデックスが15g/10minであるポリオレフィンエラストマー8402(Dow)と8200(Dow)との混合物60部、スルホン酸基含有量が1.5%である変性エチレン・オクテン共重合体樹脂40部、3-アミノ-1-ブタノール0.30部、t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキシルカーボネート0.5部、トリメチロールプロパントリアクリレート0.5部、ビニルトリエトキシシラン0.4部、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジノール0.05部、及び硫酸ナトリウム0.15部を含む成分をS-8とした。
【0040】
実施例9
【0041】
メルトインデックスが10g/10minであるポリオレフィンエラストマー8402(Dow)と8200(Dow)の混合物70部、スルホン酸基含有量が1.5%である変性エチレン・オクテン共重合体樹脂30部、1,3-ジアリル尿素0.30部、t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキシルカーボネート0.5部、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート0.5部、トリアセトキシ(ビニル)シラン0.3部、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-安息香酸ヘキサデシル2部、及び硫酸マグネシウム0.2部を含む成分をS-9とした。
【0042】
実施例10
【0043】
メルトインデックスが10g/10minであるポリオレフィンエラストマー8402(Dow)と8200(Dow)の混合物95部、スルホン酸基含有量が2.0%である変性エチレン・オクテン共重合体樹脂5部、1,4-ヘキサンジチオール0.001部、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.5部、エトキシ化トリアリルイソシアヌレート0.5部、ビニルトリメトキシシラン0.3部、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジノール0.09部、及び塩化カルシウム0.2部を含む成分をS-10とした。
【0044】
実施例11
【0045】
メルトインデックスが20g/10minであるポリオレフィンエラストマー8200(Dow)とC30070D(SABIC Innovative Plastics)との混合物90部、塩化アシル基含有量が0.1%である変性エチレン・オクテン共重合体樹脂10部、4-アミノ-1-酪酸0.08部、t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキシルカーボネート0.5部、トリメチロールプロパントリメタクリレート0.5部、ビニルトリエトキシシラン0.2部、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-安息香酸ヘキサデシル0.08部、塩化カルシウム0.1部、及び硫酸マグネシウム0.1部を含む成分をS-11とした。
【0046】
実施例12
【0047】
メルトインデックスが10g/10minであるポリオレフィンエラストマー8200(Dow)と8402(Dow)の混合物60部、塩化アシル基含有量が0.1%である変性エチレン・オクテン共重合体樹脂40部、シュウ酸0.95部、t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキシルカーボネート0.5部、トリメチロールプロパントリメタクリレート0.5部、ビニルトリメトキシシラン2.0部、及び3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-安息香酸ヘキサデシル1.2部を含む成分をS-12とした。
【0048】
実施例13
【0049】
メルトインデックスが5g/10minであるポリオレフィンエラストマー(品番:8200、Dow)70部、酸無水物基含有量が3.0%である変性エチレン・オクテン共重合体樹脂30部、1,4-ブタンジオール0.65部、t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキシルカーボネート0.5部、トリメチロールプロパントリメタクリレート0.5部、トリアセトキシ(ビニル)シラン0.6部、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジノール1.0部、炭酸カルシウム0.1部、及び硫酸マグネシウム0.1部を含む成分をS-13とした。
【0050】
実施例14
【0051】
メルトインデックスが5g/10minであるポリオレフィンエラストマー(品番:8200、Dow)70部、酸無水物基含有量が3.0%である変性エチレン・オクテン共重合体樹脂30部、4-アミノ-1-ブタノール0.65部、t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキシルカーボネート0.5部、トリメチロールプロパントリメタクリレート0.5部、トリアセトキシ(ビニル)シラン0.3部、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジノール0.02部、及び分子篩0.2部を含む成分をS-14とした。
【0052】
実施例15
【0053】
メルトインデックスが15g/10minであるポリオレフィンエラストマー8200(Dow)と8402(Dow)との混合物70部、スルホン酸基含有量が3.0%である変性エチレン・オクテン共重合体樹脂30部、テレフタルアミド0.65部、t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキシルカーボネート0.5部、トリメチロールプロパントリメタクリレート0.5部、トリアセトキシ(ビニル)シラン0.3部、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジノール0.02部、及び分子篩0.2部を含む成分をS-15とした。
【0054】
実施例16
【0055】
メルトインデックスが20g/10minであるポリオレフィンエラストマー8200(Dow)とC30070D(SABIC Innovative Plastics)の混合物60部、酸無水物基含有量が3.0%である変性エチレン・オクテン共重合体樹脂30部、1,4-ブタンジオール0.65部、t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキシルカーボネート0.5部、トリメチロールプロパントリメタクリレート0.5部、ビニルトリエトキシシラン0.2部、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-安息香酸ヘキサデシル0.06部、アルミナ4部、及び炭酸カルシウム6部を含む成分をS-16とした。
【0056】
実施例17
【0057】
メルトインデックスが5g/10minであるポリオレフィンエラストマー50部、品番8200(Dow)、イソシアネート基含有量が1.5%である変性エチレン・オクテン共重合体樹脂40部、1,6-ヘキサンジチオール0.25部、t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキシルカーボネート0.5部、トリメチロールプロパントリメタクリレート0.5部、ビニルトリメトキシシラン0.2部、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-安息香酸ヘキサデシル0.08部、シリカ10部、塩化カルシウム5部、及び炭酸カルシウム5部を含む成分をS-17とした。
【0058】
実施例18
【0059】
メルトインデックスが20g/10min的ポリオレフィンエラストマー8200(Dow)とC30070D(SABIC Innovative Plastics)の混合物70部、スルホン酸基含有量が3.0%である変性エチレン・オクテン共重合体樹脂30部、1,4-ブタンジアミン0.50部、t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキシルカーボネート0.3部、トリメチロールプロパントリメタクリレート0.3部、ビニルトリメトキシシラン0.2部、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-安息香酸ヘキサデシル0.09部、及び炭黒0.5部を含む成分をS-18とした。
【0060】
実施例19
【0061】
メルトインデックスが5g/10minであるポリオレフィンエラストマー(品番:8200、Dow)100部、シュウ酸0.26部、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート0.65部、トリアリルイソシアヌレート0.6部、ビニルトリエトキシシラン0.5部、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジノール0.06部、及び分子篩0.2部を含む成分をS-19とした。
【0062】
実施例20
【0063】
メルトインデックスが5g/10minであるポリオレフィンエラストマー(品番:8200、Dow)100部、1,3-プロピレングリコール0.26部、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート0.65部、トリアリルイソシアヌレート0.6部、トリアセトキシ(ビニル)シラン0.5部、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジノール0.05部、及び分子篩0.2部を含む成分をS-20とした。
【0064】
比較例1
【0065】
メルトインデックスが5g/10minであるポリオレフィンエラストマー(品番:C5070D、SABIC Innovative Plastics)100部、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート0.65部、トリアリルイソシアヌレート0.6部、ビニルトリメトキシシラン0.5部、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-安息香酸ヘキサデシル0.08部、及び分子篩0.2部を含む成分をC-1とした。
【0066】
比較例2
【0067】
メルトインデックスが5g/10minであるポリオレフィンエラストマー(品番:8200、Dow)80部、アミノ含有量が2.5%であるエチレン・ブテン共重合体変性樹脂20部、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート0.65部、トリアリルイソシアヌレート0.6部、ビニルトリエトキシシラン0.5部、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-安息香酸ヘキサデシル0.05部、及び分子篩0.2部を含む成分をC-2とした。
【0068】
比較例3
【0069】
メルトインデックスが25g/10minであるエチレン酢酸ビニル100部、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート0.65部、トリアリルイソシアヌレート0.6部、ビニルトリエトキシシラン0.5部、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジノール0.06部、及び分子篩0.2部を含む成分をC-5とした。
【0070】
比較例4
【0071】
メルトインデックスが25g/10min的エチレン酢酸ビニル90部、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート0.65部、トリアリルイソシアヌレート0.6部、ビニルトリエトキシシラン0.5部、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジノール0.07部、チタン白4部、及び塩化カルシウム6部を含む成分をC-6とした。
【0072】
上記実施例及び比較例のそれぞれの成分は、それぞれ比率に応じて混合した後、押出機に投入してスクリューによって精密に押出し、Tダイで流延製膜を行った。比較の便宜のために、上例では流延製膜した膜の厚さを0.5mmに統一した。
【0073】
前記実施例で得られた封止シートを太陽電池モジュールの封止に適用し、下記試験方法によって評価を行った。評価結果が表1に示されている。
【0074】
1. 封止シートの架橋度
【0075】
テスト方法は中国国家標準GB/T 29848である《太陽電池モジュール封止ためのエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)封止シート》を参照する。
【0076】
2. 水蒸気透過率
【0077】
テスト方法は中国国家標準GB/T 29848である《太陽電池モジュール封止ためのエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)封止シート》を参照する。
【0078】
3. 定湿熱老化耐性
【0079】
テスト方法は中国国家標準GB/T 29848である《太陽電池モジュール封止ためのエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)封止シート》を参照する。試験温度が+85℃であり、相対湿度が85%であり、老化時間が1000hである。試料の試験前後の黄変度(ΔYI)を中国国家標準GB 2409である《プラスチックの黄色度の試験方法》に応じて測定する。
【0080】
表1. 実施例及び比較例のサンプルのテスト結果のまとめ
【0081】
テストの結果から分かるように、本発明のポリオレフィンエラストマー封止シートは、低い水蒸気透過率と優れた耐候性とを有しているため、太陽電池モジュール、電子機器、表示デバイスなどの封止に適用可能な理想的な高分子封止材である。また、この結果から、活性基を持つ活性樹脂と活性化剤を導入することにより、活性基反応を開始し、封止シートの架橋密度及び架橋度を向上させることが材料の撥水性能を向上させる良い方法である、ということが証明された。また、適切な撥水フィラーをさらに配合すれば、撥水性能に優れた封止材を得ることができる。このような方法は、ポリオレフィンエラストマー封止シートのみならず、EVA、EMMA等の材料まで一般化して適用されることもできる。これは、材料の撥水性能を向上させるとともに、材料の耐候性を向上させることができる。透明な封止シートの製造に適用することができ、黒色封止シート、白色封止シートなどの有色封止シートの製造に適用することもできる。