特許第6900570号(P6900570)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 納獅新材料有限公司の特許一覧 ▶ 嘉興奥徳医療技術有限公司の特許一覧

<>
  • 特許6900570-機能性複合粒子及びその製造方法 図000004
  • 特許6900570-機能性複合粒子及びその製造方法 図000005
  • 特許6900570-機能性複合粒子及びその製造方法 図000006
  • 特許6900570-機能性複合粒子及びその製造方法 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6900570
(24)【登録日】2021年6月18日
(45)【発行日】2021年7月7日
(54)【発明の名称】機能性複合粒子及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B22F 1/02 20060101AFI20210628BHJP
   C23C 14/16 20060101ALI20210628BHJP
   B22F 1/00 20060101ALI20210628BHJP
【FI】
   B22F1/02 D
   C23C14/16 Z
   B22F1/00 K
   B22F1/00 R
   B22F1/00 L
   B22F1/00 N
【請求項の数】14
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2020-501361(P2020-501361)
(86)(22)【出願日】2017年7月18日
(65)【公表番号】特表2020-531680(P2020-531680A)
(43)【公表日】2020年11月5日
(86)【国際出願番号】CN2017093391
(87)【国際公開番号】WO2019014854
(87)【国際公開日】20190124
【審査請求日】2020年6月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】520007019
【氏名又は名称】納獅新材料有限公司
【氏名又は名称原語表記】NAXAU NEW MATERIALS CO., LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】520007020
【氏名又は名称】嘉興奥徳医療技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】AODOZ MEDICAL TECHNOLOGY CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】袁 安 素
【審査官】 田代 吉成
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−519374(JP,A)
【文献】 特開2005−68508(JP,A)
【文献】 特開2004−84069(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 1/02
B22F 1/00
C23C 14/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能性金属粒子で構成され、外面を有するコアと、
生体適合性セラミックス材料で構成される物理気相成長(PVD)セラミックス層であり、前記コアの外面に付着しているシェルと、を含み、
前記シェルが結晶構造であることにより、前記コア中の機能性金属粒子が、イオン化状態で結晶粒界を介して前記シェルの外に徐放されることが可能である、
機能性複合粒子。
【請求項2】
前記機能性金属粒子は抗菌金属粒子であり、前記抗菌金属粒子はAg金属粒子、Zn金属粒子、Cu金属粒子又はそれらの混合物である請求項1に記載の機能性複合粒子。
【請求項3】
前記機能性金属粒子は成長促進金属粒子であり、前記成長促進金属粒子はCa金属粒子、K金属粒子、Mg金属粒子又はそれらの混合物である請求項1に記載の機能性複合粒子。
【請求項4】
前記機能性金属粒子の粒子径は5nm〜5mmである請求項1に記載の機能性複合粒子。
【請求項5】
前記PVDセラミックス層は、Zr、Ti又はAlからなる金属酸化物若しくは金属窒化物のうちの一種又はそれらの混合物で構成される生体適合性セラミックス層である請求項1に記載の機能性複合粒子。
【請求項6】
前記PVDセラミックス層は、ZrN、TiN、AlTiN又はAl2O3で構成される生体適合性セラミックス層である請求項1に記載の機能性複合粒子。
【請求項7】
前記PVDセラミックス層は、厚さが5nm〜50000nmであり、表面硬度が1000HV〜4500HVである請求項1に記載の機能性複合粒子。
【請求項8】
蒸発凝縮プロセスを採用して、機能性金属粒子からなる固体金属ブロックを坩堝に入れて、加熱により真空物理気相成長(PVD)プロセス炉へ蒸発させ、凝縮させる工程と、
PVDプロセスにより、凝縮状態での機能性金属粒子の外面において生体適合性セラミックス材料で構成されるPVDセラミックス層を成長させる工程と、
を含む機能性複合粒子の製造方法。
【請求項9】
前記機能性金属粒子は抗菌金属粒子であり、前記抗菌金属粒子はAg金属粒子、Zn金属粒子、Cu金属粒子又はそれらの混合物である請求項8に記載の機能性複合粒子の製造方法。
【請求項10】
前記機能性金属粒子は成長促進金属粒子であり、前記成長促進金属粒子はCa金属粒子、K金属粒子、Mg金属粒子又はそれらの混合物である請求項8に記載の機能性複合粒子の製造方法。
【請求項11】
前記PVDセラミックス層は、ZrN、TiN、AlTiN又はAl2O3で構成される生体適合性セラミックス層である請求項8に記載の機能性複合粒子の製造方法。
【請求項12】
加熱効率を調整することで前記機能性金属粒子の凝縮後の粒子径を変化させる請求項8に記載の機能性複合粒子の製造方法。
【請求項13】
PVDプロセスにより前記PVDセラミックス層を形成する工程は、真空物理気相成長(PVD)プロセス炉へ純度99.999%の窒素ガス又は酸素ガスを流し込み、バイアス電圧0V〜1000Vの条件で、生体適合性セラミックス材料を含むターゲットを開放し、アーク電流を120A〜200Aとし、PVDプロセスにより凝縮状態での前記機能性金属粒子の外面に、前記PVDセラミックス層を成長させることを含む請求項8に記載の機能性複合粒子の製造方法。
【請求項14】
金属、布地、セラミックス若しくはプラスチックの表面に対するコーティング、又は金属、布地、セラミックス若しくはプラスチックへの埋め込みに用いる請求項1〜7のいずれか一項に記載の機能性複合粒子の用途。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複合材料の技術分野に係り、特に機能性複合粒子及びその製造方法に係るものである。
【背景技術】
【0002】
生体適合性セラミックス(Biocompatible ceramics)は、セラミックスの力学適合性と安定性を有するだけでなく、生体組織との親和性及び生体活性を有し、人体や動物体に関する生物、医療、化学などの分野に用いることができる。しかしながら、単一の生体適合性セラミックスは実際の応用において一定の制限性がある。例えば、生体適合性セラミックスを人工関節に応用した場合に、細菌感染を引き起こし易く、ひいては一部の骨格の合併症を引き起こすことがある。
【0003】
特定の機能を有する金属粒子と生体適合性セラミックスとを組み合わせることは、上記の生体適合性セラミックスの制限性の問題を解決する構想の一つである。例えば、特許CN10293614Aにおいて、セラミックス原料に所定量の金属銀粉末をドープし、空気中又は高酸素雰囲気中で焼結して、銀イオンを放出できるセラミックスを形成することにより、一定の抗菌作用を達成する。しかし、セラミックスの焼結過程においては、高すぎる温度により金属銀を固定の位置に維持することが難しく、そのため、金属銀とセラミックス材料は製品において分布が不均一になり、且つ、高温状態下の銀は雰囲気における酸素ガスにより酸化して銀イオンの抗菌作用を失い易い。なお、金属銀とセラミックス材料との間の結合力が弱いので、実際の使用過程において銀イオンの放出時間が比較的短く、持続的な抗菌効果を達成することが難しい。
【0004】
したがって、既存の生体適合性セラミックスにまだ改善の余地がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
既存の生体適合性セラミックスの性能を改善してその生体安全性及び特定の機能性を向上させるために、本発明の目的の一つは、機能性複合粒子及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施例では、機能性金属粒子で構成され、外面を有するコアと、生体適合性セラミックス材料で構成される物理気相成長(PVD)セラミックス層であり、当該コアの外面に付着しているシェルと、を含み、当該シェルが結晶構造であることにより、当該コア中の機能性金属粒子が、イオン化状態で結晶粒界を介して当該シェルの外に徐放されることが可能な、機能性複合粒子を提供する。
【0007】
本発明の別の実施例では、蒸発凝縮プロセスを採用して、機能性金属粒子で構成される固体金属ブロックを坩堝に入れて、加熱により真空物理気相成長(PVD)プロセス炉へと蒸発させ、凝縮させる工程と、PVDプロセスにより凝縮状態での機能性金属粒子の外面に、生体適合性セラミックス材料で構成されるPVDセラミックス層を成長させる工程と、を含む機能性複合粒子の製造方法を提供する。
【0008】
本発明の別の実施例では、さらに、当該機能性複合粒子を金属、布地、セラミックス若しくはプラスチックの表面に対するコーティング、又は金属、布地、セラミックス若しくはプラスチックへの埋め込みに用いる、機能性複合粒子の用途を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施例において、物理気相成長(PVD)プロセスにより生体適合性セラミックス材料で特定の機能を有する機能性金属粒子の外面を被覆して機能性複合粒子を形成し、機能性複合粒子のこのような被覆構造により、機能性金属粒子が外部の酸素ガスにより酸化することを防止でき、また、機能性金属粒子はイオン化状態でシェルの結晶粒界を介して徐放されることが可能となり、これにより機能性金属粒子の作用時間が延長される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施例における機能性複合粒子の金属組織画像である。
図2】本発明の一実施例における別の機能性複合粒子の金属組織画像である。
図3図1に示される機能性複合粒子の金属組織画像の部分拡大図である。
図4】本発明の一実施例における機能性複合粒子の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の趣旨をより良く理解させるために、以下、図面及び具体的な実施例を参照して本発明の実施例によって提供される機能性複合粒子をさらに詳細に説明する。以下の説明及び特許請求の範囲により、本発明の実施例の利点と特徴はより明らかになる。
【0012】
図1図3は電子顕微鏡によって撮像された金属組織画像であり、図4における模式図において、本発明の実施例を容易で明らかに補助的に説明するために、正確なスケールではなく簡略化した形式を採用したことを先ず説明しておく。
【0013】
具体的には、図1は本発明の一実施例における機能性複合粒子の金属組織画像である。図2は本発明の一実施例における別の機能性複合粒子の金属組織画像である。図3図1に示される機能性複合粒子の金属組織画像の部分拡大図である。図4は本発明の一実施例における機能性複合粒子の構造模式図である。
【0014】
図1図4を参照し、機能性複合粒子10はコア11とシェル12とを含み、コア11は機能性金属粒子で構成され、外面111を有する。シェル12はコア11の外面111に付着しており、生体適合性セラミックス材料で構成される物理気相成長(PVD)セラミックス層である。
【0015】
本発明の一実施例において、コア11の機能性金属粒子の粒子径は5 nm〜5 mmであり、シェル12は、Zr、Ti又はAlからなる、金属酸化物若しくは金属窒化物のうちの一種又はそれらの混合物で構成される生体適合性セラミックス層であり、その厚さが5 nm〜50000 nmであり、好ましくは50 nm〜5000 nmであり、表面硬度が1000HV〜4500HVであり、好ましくは3000HV〜4000HVである。
【0016】
本発明の一実施例において、シェル12は、ZrN、TiN、AlTiN又はAl2O3で構成される生体適合性セラミックス層である。
【0017】
本発明の一実施例において、コア11の機能性金属粒子は抗菌金属粒子であり、当該抗菌金属粒子はAg金属粒子、Zn金属粒子、Cu金属粒子又はそれらの混合物である。
【0018】
本発明の別の実施例において、コア11の機能性金属粒子は成長促進金属粒子であり、当該成長促進金属粒子はCa金属粒子、K金属粒子、Mg金属粒子又はそれらの混合物である。
【0019】
図3及び図4から分かるように、シェル12は結晶構造であり、結晶粒界121を有し、当該結晶粒界121は、コア11中のイオン化状態の機能性金属粒子にシェル12の外部に通じる通路を提供する。当該機能性複合粒子の使用過程においては、シェルが結晶構造であるので、コア11中の機能性金属粒子は、イオン化状態の態様で結晶粒界121を介してシェル12の外部に緩やかに放出される。本発明によって提供される当該機能性複合粒子において、コア11の外面111を被覆するシェル12により、コア11中の機能性金属粒子が外部の酸素ガスと接触することを効果的に防止して、過度に早く酸化されるのを回避することができ、また、コア11中の機能性金属粒子はシェル12の結晶粒界121を介して緩やかに放出されることを可能とし、機能性金属粒子の作用時間を延長する。
【0020】
図1図4に示される機能性複合粒子10の製造方法は、
蒸発凝縮プロセスを採用して、機能性金属粒子からなる固体金属ブロックを坩堝に入れて、加熱により真空物理気相成長(PVD)プロセス炉に蒸発させ、凝縮させることにより、外面111を有するコア11を形成する工程と、
PVDプロセスにより凝縮状態での機能性金属粒子(コア11)の外面111に、生体適合性セラミックス材料で構成されるPVDセラミックス層を成長させることにより、シェル12を形成する工程であって、当該シェル12は結晶構造であり、結晶粒界121を有し、且つ、コア11中の機能性金属粒子がイオン化状態で結晶粒界121を介してシェル11の外に徐放されることを可能にする工程と、を含む。
【0021】
本発明の一実施例においては、機能性金属粒子の凝縮後の粒子径は加熱源の加熱効率により影響される。本発明の一実施例において、加熱源として電子銃を用いて機能性金属粒子からなる固体金属ブロックを加熱し、電子銃の電流強度の範囲は60A〜300Aであり、好ましくは150A〜250Aである。
【0022】
本発明の一実施例においては、PVDプロセスによりPVDセラミックス層を形成する工程は、真空物理気相成長(PVD)プロセス炉へ純度99.999%の窒素ガス又は酸素ガスを流し込み、バイアス電圧0V〜1000Vの条件で、生体適合性セラミックス材料を含むターゲットを開放し、アーク電流を120A〜200Aとし、PVDプロセスにより凝縮状態での機能性金属粒子の外面においてPVDセラミックス層を成長させることを含む。
【0023】
本発明の実施例においては、通常のPVD設備を用いて通常のPVDプロセスによりシェル12を形成することができる。
【0024】
本発明の実施例においては、機能性金属粒子の種類の違いによって、得られる機能性複合粒子の有する機能が異なる。例えば、Ag金属粒子、Zn金属粒子、Cu金属粒子又はそれらの混合物は抗菌機能性複合粒子に対応し、Ca金属粒子、K金属粒子、Mg金属粒子又はそれらの混合物は成長促進機能性複合粒子に対応する。
【0025】
機能性複合粒子は、さらに、金属、布地(純綿、不織布など)、セラミックス又はプラスチックの表面にコーティングされることができる。例えば、機能性複合粒子は、整骨科器具、人工支持体又は人工関節などの金属製品の表面にコーティングされて抗菌コーティング又は成長促進コーティングを形成することができ、プラスチック製品の表面にコーティングされて抗菌コーティングを形成することができ、不織布の表面にコーティングされて抗菌コーティングなどを形成することもできる。
【0026】
なお、機能性複合粒子は、金属、布地、セラミックス又はプラスチックに埋め込まれて特定の機能を有する製品を直接形成することもできる。
【0027】
以下、本発明の一部のより好ましい実施例を参照して本発明をさらに説明する。
実施例1
蒸発凝縮プロセスを採用し、Ag金属ブロックを坩堝に入れて、電子銃により電流強度200Aで加熱することで真空物理気相成長(PVD)プロセス炉へ蒸発させて凝縮させる。
【0028】
真空PVDプロセス炉へ純度99.999%の窒素ガスを流し込み、バイアス電圧80V〜100Vの条件で、Tiを含むターゲットを開放し、アーク電流を120A〜200Aとし、PVDプロセスにより凝縮状態でのAg金属粒子の外面において、TiNセラミックス層を成長させることにより、図1に示すように、粒子径d1が68 nmであるTiN-Ag複合粒子粉末を形成する。
【0029】
実施例2
蒸発凝縮プロセスを採用し、Cu金属ブロックを坩堝に入れて、電子銃により電流強度200Aで加熱することで真空物理気相成長(PVD)プロセス炉へ蒸発させて凝縮させる。
【0030】
真空PVDプロセス炉へ純度99.999%の窒素ガスを流し込み、バイアス電圧80V〜100Vの条件で、Tiを含むターゲットを開放し、アーク電流を120A〜200Aとし、PVDプロセスにより凝縮状態でのCu金属粒子の外面に、TiNセラミックス層を成長させることにより、図2に示すように粒子径d2が154nmであるTiN-Cu複合粒子粉末を形成する。
【0031】
実施例3
蒸発凝縮プロセスを採用し、Zn金属ブロックを坩堝に入れて、電子銃により電流強度200Aで加熱することで真空物理気相成長(PVD)プロセス炉へ蒸発させて凝縮させる。
【0032】
真空PVDプロセス炉へ純度99.999%の酸素ガスを流し込み、バイアス電圧80V〜100Vの条件で、Alを含むターゲットを開放し、アーク電流を120A〜200Aとし、PVDプロセスにより凝縮状態でのZn金属粒子の外面に、TiNセラミックス層を成長させることにより、成長促進効果を有するTiN-Zn複合粒子粉末を形成する。
【0033】
実施例4
蒸発凝縮プロセスを採用し、Mg金属ブロックを坩堝に入れて、電子銃により電流強度200Aで加熱することで真空物理気相成長(PVD)プロセス炉へ蒸発させて凝縮させる。
【0034】
真空PVDプロセス炉へ純度99.999%の窒素ガスを流し込み、バイアス電圧80V〜100Vの条件で、AlTiの混合物を含むターゲットを開放し、アーク電流を120A〜200Aとし、PVDプロセスにより凝縮状態でのMg金属粒子の外面に、AlTiNセラミックス層を成長させることにより、成長促進効果を有するAlTiN-Mg複合粒子粉末を形成する。
【0035】
前記実施例1〜2で得られた機能性複合粒子をプラスチック製品の表面にそれぞれコーティングして、以下の抗菌効果実験のサンプルとする。また、表面に機能複合材料がコーティングされていない別の同様なプラスチック製品を対照群とする。試験方法については、ISO 22196:2011の基準を参照する。
【0036】
実験データについては、表1及び表2を参照する。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
注:表中の抗菌活性値は、対照群に対するサンプルの抗菌活性値である。
表1〜2から分かるように、本発明の実施例1〜2によって提供される機能性複合粒子がコーティングされていないプラスチックと比較して、コーティングされているプラスチックは明らかにより高い抗菌性能を有する。
【0040】
本発明の実施例においては、PVDプロセスにより生体適合性セラミックス材料で特定の機能を有する機能性金属粒子の外面を被覆することで機能性複合粒子を形成し、当該機能性複合粒子中の機能性金属粒子は、イオン化状態でシェルの結晶粒界を介して徐放されることを可能とし、これにより機能性金属粒子の作用時間を延長する。
【0041】
本発明の技術内容及び技術的特徴は既に上記のとおり記載されているが、当業者は、本発明の教示及び記載に基づいて本発明の趣旨を逸脱しない各種の置換及び修飾を行うこともできる。したがって、本発明の保護範囲は、実施例に記載されている内容に限定されず、本発明を逸脱しない各種の置換及び修飾を含むべきであり、本願の特許請求の範囲に包含されるべきである。
図1
図2
図3
図4