(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コヒーレント光源は、前記コヒーレント光源からの前記第1の光を受け取る第3の光ファイバであり、前記振動ステージ及び前記コンデンサレンズはコンデンサモードミキサ装置の中に含められ、これは、
前記第3の光ファイバに接続されるための入射光コネクタと、
前記光ファイバと、前記第二の光ファイバに直接連結される第4の光ファイバとの間に接続されるための射出光コネクタと、
前記コンデンサレンズの前記振動のための電力を供給する電源と、
をさらに含み、
前記コンデンサレンズは30Hzより高い周波数で振動する、
請求項1に記載の装置。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の開示されている実施形態は、手術用照明に使用される光ファイバにおける異なるモードを均一化するために使用されてよいモードミキシング用集光光学系を提供する。振動ステージがコンデンサレンズに機械的運動を付与して、コヒーレント光源から均一な照明場を生成してもよい。
【0006】
一態様において、開示されている方法は手術用照明のためのものである。方法は、コヒーレント光源からの第1の光を光ファイバへとコンデンサレンズを使って投射させて、第1の光を光ファイバのファイバコアにおける焦点に集光させるステップを含んでいてもよく、第1の光は、手術中の患者の照明に使用される。方法はまた、コンデンサレンズを光ファイバの伝送方向に垂直な平面内で振動させるステップを含んでいてもよい。この方法において、焦点はファイバコア上で動かされて第2の光が生成されてもよい。方法はまた、光ファイバからの第2の光を、第2の光を患者へと投射する第2の光ファイバへと伝送するステップも含んでいてよい。
【0007】
方法の開示されている実施形態の何れにおいても、手術は眼科手術であり、第2の光ファイバは第2の光を患者の眼へと投射し、この方法は、光ファイバからの第2の光の強度を測定するステップをさらに含む。測定された強度に基づき、方法は、振動を制御して焦点の動きをファイバコアに限定するステップを含んでいてもよい。
【0008】
方法の開示されている実施形態の何れにおいても、コヒーレント光源は単色レーザであってよい。
【0009】
方法の開示されている実施形態の何れにおいても、コヒーレント光源は第1の光を生成するように組み合わせられた複数の単色レーザであってよい。
【0010】
方法の開示されている実施形態の何れにおいても、コンデンサレンズを振動させる操作方法は、コンデンサレンズに機械的に連結された圧電アクチュエータを使ってコンデンサレンズを振動させるステップをさらに含んでいてよい。
【0011】
方法の開示されている実施形態の何れにおいても、コンデンサレンズを振動させる操作方法は、コンデンサレンズに機械的に連結された電磁アクチュエータを使ってコンデンサレンズを振動させるステップをさらに含んでいてよい。
【0012】
方法の開示されている実施形態の何れにおいても、コンデンサレンズを振動させる操作方法は、コンデンサレンズに機械的に連結された電子機械工学的アクチュエータを使ってコンデンサレンズを振動させるステップをさらに含んでいてもよい。
【0013】
方法の開示されている実施形態の何れにおいても、コンデンサレンズは焦点に往復運動及び円運動の少なくとも一方を付与してもよい。
【0014】
方法の開示されている実施形態の何れにおいても、コンデンサレンズは焦点にランダム化運動を付与してもよい。
【0015】
方法の開示されている実施形態の何れにおいても、コヒーレント光源は、コヒーレント光源からの第1の光を受け取る第3の光ファイバであってもよく、振動ステージ及びコンデンサレンズはコンデンサモードミキサ装置の中に含められてもよい。コンデンサモードミキサ装置は、第3の光ファイバとの接続のための入射光コネクタと、光ファイバとの接続のための射出光コネクタと、コンデンサレンズの振動のための電力を供給する電源と、をさらに含んでいてもよい。方法において、コンデンサレンズは30Hzより高い周波数で振動してもよい。
【0016】
別の態様において、開示されている装置は手術用照明のためのものである。装置は、手術中の患者の照明のための第1の光を生成するコヒーレント光源を含んでいてもよい。装置はまた、第1の光を光ファイバのファイバコアにおける焦点へと集光させるためのコンデンサレンズも含んでいてよい。装置は、コンデンサレンズを光ファイバの伝送方向に垂直な平面内で振動させる振動ステージをさらに含んでいてもよく、その間に焦点はファイバコア上で動かされて、第2の光が生成される。装置は、光ファイバの第2の光を受け取る第2の光ファイバをまたさらに含んでいてもよく、第2の光ファイバは第2の光を患者に投射する。
【0017】
装置の開示されている実施形態の何れにおいても、手術は眼科手術であってよく、第2の光ファイバは第2の光を患者の眼に投射してもよく、装置は光ファイバからの第2の光の強度を測定するための光強度センサをさらに含む。装置において、振動ステージは、測定された強度に基づいて、焦点の動きをファイバコアに限定するように制御されてもよい。
【0018】
装置の開示されている実施形態の何れにおいても、コヒーレント光源は単色レーザであってよい。
【0019】
装置の開示されている実施形態の何れにおいても、コヒーレント光源は第1の光を生成するように組み合わせられた複数の単色レーザであってよい。
【0020】
装置の開示されている実施形態の何れにおいても、振動ステージは、コンデンサレンズに機械的に連結された圧電アクチュエータをさらに含んでいてよい。
【0021】
装置の開示されている実施形態の何れにおいても、振動ステージは、コンデンサレンズに機械的に連結された電磁アクチュエータをさらに含んでいてよい。
【0022】
装置の開示されている実施形態の何れにおいても、振動ステージは、コンデンサレンズに機械的に連結された電子機械工学的アクチュエータをさらに含んでいてよい。
【0023】
装置の開示されている実施形態の何れにおいても、振動ステージは、コンデンサレンズに往復運動及び円運動の少なくとも一方を焦点に付与させてよい。
【0024】
装置の開示されている実施形態の何れにおいても、コンデンサレンズは焦点にランダム化運動を付与してよい。
【0025】
装置の開示されている実施形態の何れにおいても、コヒーレント光源は、コヒーレント光源からの第1の光を受け取る第3の光ファイバであってよく、振動ステージ及びコンデンサレンズはコンデンサモードミキサ装置の中に含められてよい。コンデンサモードミキサ装置は、第3の光ファイバに接続されるための入射光コネクタと、光ファイバと第2の光ファイバに直接連結される第4の光ファイバとの間に接続されるための射出光コネクタと、コンデンサレンズの振動のための電力を供給する電源と、をさらに含んでいてもよい。
【0026】
装置の開示されている実施形態の何れにおいても、コンデンサレンズは30Hzより高い周波数で振動してもよい。
【0027】
本開示とその特徴及び利点をより十分に理解するために、ここで、下記のような添付の図面と共に以下の説明を参照する。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下の説明文の中で、開示されている主旨の説明を容易にするために、詳細事項が例として示されている。しかしながら、当業者にとっては、開示されている実施形態は例に過ぎず、考えうるすべての実施形態を網羅しているわけではないことが明らかであるはずである。
【0030】
本明細書で使用されるかぎり、枝番のある参照番号はある要素の特定の例を指し、枝番のない参照番号は集合的な要素を指す。それゆえ、例えば、装置「12−1」は、ある装置の分類の一例を指し、これらはまとめて装置「12」と呼ばれてよく、そのうちの何れの1つも総称的に装置「12」と呼ばれてよい。
【0031】
前述のように、光ファイバ及びコヒーレント光源の使用は、光ファイバのごく小さい物理的寸法内に提供される高い光強度により、手術照明にとって望ましい。このような手術用照明源は、様々な医療及び手術応用に使用されてよく、1つの例示的応用分野が網膜硝子体手術等の眼手術である。
【0032】
例えば、網膜硝子体手術では、照明源は典型的に、強膜を貫通する、照明器アセンブリを有する手術器具として実装され、他の手術器具と組み合わされてもよい。照明器アセンブリの遠位端において、光を眼底へと投射して、眼内で行われる手術処置を照明するためのごく小径の光ファイバが使用されてよい。例えば約25〜100μmのファイバコアを有するごく小径のファイバは典型的に、レーザ源等のコヒーレント光源の近位側に連結される光ファイバに連結される。各種の光ファイバが使用されてもよいが、コヒーレント光を照明のために眼内へと伝送するために、マルチモード光ファイバが使用されてよい。
【0033】
しかしながら、コヒーレント光がマルチモード光ファイバを通じて伝送される際、ファイバ内の、「モード」と呼ばれるコヒーレント光の異なる光子群は、わずかに異なる経路長さを通るかもしれない。光ファイバ内の異なるモードが異なる経路長さをたどる結果、モードは光ファイバ内で伝搬する間に、相互に強め合うように、及び弱め合うように干渉するかもしれない。異なるモードがファイバコアを通じて光ファイバから出ると、射出光により提供される照明場はモード間干渉によって不均一に見えるかもしれない。モード間干渉は、温度、ファイバの歪み、ファイバの動きによる影響を非常に受けやすく、均一な照明場が均一な背景光を投射する代わりに、不均一な照明場は望ましくないダイナミックパターンを投射するため、一般に、人間の眼でかなり認識可能となるかもしれない。不均一な照明場は、ダイナミックであるかもしれない異なる色の光の異なる領域として見えるため、不均一な照明場は手術用照明にあまり適さないかもしれない。
【0034】
例えば、網膜硝子体手術において、外科医が安全かつ有効に手術できるようにするためには、眼内の各種の微細生体構造の鮮鋭で明瞭な視野が非常に望ましく、これは不均一な照明場では提供されないかもしれない。特に、不均一な照明場は、幾つかの実装例において、単色レーザ源又は単色レーザ源の組合せで観察される。単色レーザ源の場合、示されるモードはより少なく、それゆえ、コヒーレント光を所望の均一な照明場へと均一化できるようにする光ファイバ内のモードミキシングの度合いはより低い。さらに、眼内照明装置又は複合的照明付き手術用具等、各種の手術器具が設計され、実装されるのに伴い、高い光強度を伝達する、より小径のファイバの使用がますます望ましくなる。しかしながら、モード間干渉の問題は、光ファイバの大きさ(すなわち、径)が小さくなるほど増大し、これは、望ましくないこととして、このような小型の照明システムの使用を制約する可能性がある。また、手術用照明の応用では、約2〜3mの長さ等の比較的短い長さの光ファイバが使用される。より均一な照明場につながるモードミキシングはファイバの長さと共に増大するため、手術用照明応用の中で使用される、より短い光ファイバに行われるモードミキシングは不十分であるかもしれず、その結果、照明場は不均一となる。また、ガラスコアを含む光ファイバでは、示されるモードがより少なく、モードミキシングはより小さく、特に不均一な照明場となるかもしれない。
【0035】
さらに詳しく説明するように、ミックスモード手術用レーザ照明のための集光光学系が開示される。本明細書において開示されるミックスモード手術用レーザ照明のための集光光学系は、コヒーレント光を伝送する光ファイバを使って、手術用照明のための均一な照明場を提供してよい。本明細書において開示されるミックスモード手術用レーザ照明のための集光光学系は、比較的短く、比較的小径の光ファイバと共に使用されてよい。本明細書において開示されるミックスモード手術用レーザ照明のための集光光学系は、ガラスコアを有する光ファイバと共に使用されてよい。本明細書において開示されるミックスモード手術用レーザ照明のための集光光学系は、手術用照明のための光源に実装されてよい。本明細書において開示されるミックスモード手術用レーザ照明のための集光光学系は、コヒーレント光源から手術用照明を提供する光ファイバに連結できる光学機器として実装されてよい。本明細書において開示されるミックスモード手術用レーザ照明のための集光光学系は、網膜硝子体手術等の眼科手術中の患者の眼の照明に使用されてよい。
【0036】
照明アセンブリ100が使用されてよい1つの方法が
図1に示されており、その中では、外科医120が患者130の眼104に対し、手術器具122を使って眼科手術を行っている。
図1において、眼104は開瞼器140を使って露出されており、接眼レンズ150が眼104上の所定の位置に保持されて、眼104の内部構造の可視化を容易にするための手術用顕微鏡102と視覚的に整列されている。外科医120は、手術器具122を使って眼104の内部構造に手術を実行している。
【0037】
例えば、手術器具122が硝子体切除プローブである場合、外科医120は手術器具122を使って、眼104の内部を通常満たしている透明なゲル状の硝子体を除去しており、その際、実質的に硝子体のみを除去するように注意しながら、機械的動作による影響をきわめて受けやすい、網膜等の付近の眼構造との相互作用を避ける。外科医が眼底をはっきりと見えることは、照明アセンブリ100により提供される均一な照明場によって容易になる。手術器具122は様々な手持ち型の手術器具の何れであってもよいことがわかる。幾つかの実施形態において、照明アセンブリ100は、第2の照明器具を使用せずに照明を提供するために、手術器具122の中に組み込まれてよい。
【0038】
図1の挿入図には、手術中の眼104のさらに詳細部分が示されている。カニューレを用いた強膜貫通を提供するための2つの強膜ポート108が見え、一方は手術器具122用、一方は照明器アセンブリ100用である。図のように、照明器アセンブリ100はミックスモード手術用レーザ照明のための集光光学系を含んでいてもよく、これについては後でさらに詳しく説明する。したがって、照明器アセンブリ100は、光を伝送して均一な照明場(
図1では見えない)を眼底に投射するための光ファイバを使って、眼104にコヒーレント光を投射するために使用されてよい。
【0039】
照明器アセンブリ100には、本開示の範囲から逸脱することなく、改良、追加、又は省略を行ってよい。本明細書に記載されている手術用照明器アセンブリ100の構成部品及び要素は、特定の用途に応じて統合されても分離されてもよい。照明器アセンブリ100は、幾つかの実施形態において、より多くの、より少ない、又は異なる構成部品を使って実装されてもよい。
【0040】
図2は、ファイバモードからの不均一な光の画像200を示す。画像200は、ページに対して斜めに向けられたスクリーン上に投射された、光ファイバからのコヒーレント光を示す。画像200において、図のスクリーンには、不均一な照明場の上下に黒インクで書かれた外部アノテーションがある。画像200内の不均一な照明場は、光ファイバ内の不十分なモードミキシングに起因する。画像200内の不均一な照明場は、最高約500%の強度変動を示すかもしれず、これは多くの用途や使用の場面においてダイナミックであり得、これは前述のように手術用照明にとって望ましくない。画像200内の不均一な照明場は、本願において開示されるモードミキシングのための手法を適用することによる実質的に均一な強度の照明場(図示せず)等の均一な照明場に直ちに変換されてよい。
【0041】
次に、
図3を参照すると、手術用照明システム300のある実施形態が示されている。
図3に示されるように、手術用照明システム300は
図1に示される眼104に対する眼科手術の中で使用されてよい。
図3は概略図であり、正確な縮尺又は透視図法によって描かれていない。
図3には、眼104の断面図が示され、それによって
図1に関して上述した各種の要素を見ることができる。具体的には、接眼レンズ120は、眼104の眼底の比較的広角の視野を提供しているように示され、2つの強膜ポート108が眼104の強膜を貫通している。手術器具122は1つの強膜ポート108を貫通しているように示され、照明アセンブリが別の強膜ポート108を貫通している。
【0042】
図3に示されるように、均一な照明場310が照明器アセンブリ100によって眼104内に投射される。具体的には、照明器アセンブリ100は遠位側で光ファイバ部分308で終了し、これらは露出して眼内に光を投射してもよい。光ファイバ部分308は外部光ファイバ304に連結される。幾つかの実施形態において、光ファイバ部分308は、外部光ファイバ304自体の遠位部分であってもよい。光ファイバ304はハンドピース306を通過するように示され、これは、光ファイバ304の周囲のシース又はチューブを含んでいてもよく、それによって強膜ポート108におけるカニューレ処置が可能となる。光ファイバ304は、手術コンソール312からハンドピース306まで延びているように示されている。
【0043】
図3において、手術コンソール312は、本明細書において開示されているように、ミックスモード手術用レーザ照明のための集光光学系を含んでいてもよい。幾つかの実施形態において、ミックスモード手術用レーザ照明のための集光光学系は、別の装置として実装されてもよい(
図4B及び4C参照)。具体的には、手術コンソール312は、レーザ源からなる集光光学系光源(
図4Aも参照)とコンデンサレンズ(又はそれと同等の光学素子)を含んでいてもよい。コンデンサレンズは、レーザ源により生成される第1の光を近位端における光ファイバ304のファイバコアにおいて焦点へと集光させてもよい。それに加えて、手術コンソール312は、光ファイバ304の伝送方向に垂直な平面内でコンデンサレンズを振動させるための振動ステージを含んでいてもよい。このように、焦点はファイバコア上で動かされ、光ファイバ304により伝送される第2の光が生成される。焦点の動きによって光ファイバ304の中のモードミキシングが行われ、又は向上するため、第2の光は、光ファイバ304の遠位端における光ファイバ部分308から出た後、眼104内に均一な照明場310を提供してもよい。
【0044】
手術コンソール312は、他の様々な機器や機能、例えば手術器具122のためのドライバ機器並びにデータの操作及び画像処理のためのユーザインタフェースを提供してよい。ミックスモード手術用レーザ照明のための集光光学系の内部のさらに詳細な部分について、
図4A、4B、及び4Cに関して後述する。
【0045】
ここで、
図4Aを参照すると、集光光学系光源400のある実施形態の図が示されている。
図4Aは概略図であり、正確な縮尺又は透視図法によって描かれていない。
図4Aには、集光光学系光源400に含められる要素が概略的に示されている。集光光学系光源400は、例えば
図4Aに示される構成部品を格納する筐体(図示せず)を有する光学機器として実装されてもよいことがわかるであろう。特定の実施形態において、集光光学系光源400は、手術コンソール312と共に含められ、又はそれに統合されてもよく(
図3参照)、この場合、光ファイバ304は遠位端から始まってよい。
【0046】
集光光学系光源400において、レーザ源430はコヒーレント光の発生源を表してよい。レーザ源430は、単色光源を表してよい。レーザ源430は、幾つかの実施形態において、複数の単色光源の組合せを表してもよい。レーザ源430は、コヒーレント光である第1の光440−1を生成してもよい。第1の光440−1はコンデンサレンズ432に投射されてよく、これは第1の光440−1を光ファイバ304のファイバコア442へと集光させ、第2の光440−2を生成するために使用されてよい。第1の光440−1は、様々な実施形態において、約10〜500mWの範囲の光学パワーを有する、直径約1〜5mmのコリメートレーザビームとして生成されてもよい。第1の光440−1は、コンデンサレンズ432により直径約5〜10μmの焦点に集光されてよい。焦点は各種の実施形態において、直径20μm未満、又は直径25μm未満であってもよい。ファイバコア442は、直径約30μmと細くてもよい。幾つかの実施形態において、ファイバコア442は、直径約50μm、又は直径約100μm、又はそれらの間の様々な直径サイズであってもよい。
【0047】
それに加えて、集光光学系光源400において、レーザ源430、光ファイバ304、及び振動ステージ434は、集光光学系光源400を格納してもよいハウジング(図示せず)の基底部を表してもよい固定表面436の上に載せられているように示されている。幾つかの実施形態において、固定表面436は、手術コンソール312の中に含められる。レーザ源430及び光ファイバ304は支持体438により固定されており、これはレーザ源430及び光ファイバ304を図のようにコンデンサレンズ432に関して固定された位置に保持するための何れの種類の機械的アタッチメントを表してもよい。
【0048】
図4Aに示されるように、振動ステージ434は、振動ステージ434がそこに固定されるコンデンサレンズ432を移動させ、又は振動させるための機械的構成部品を含んでいてもよい。機械的構成部品は、コンデンサレンズ432の動きを生じさせ、それによってファイバコア442上の第2の光440−2の焦点に動きを付与するための様々な機械的アクチュエータの何れを含んでいてもよい。振動ステージ434に含まれる機械的構成部品又はアクチュエータの例は、回転モータ、リニアモータ、圧電アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、油圧アクチュエータ、電磁アクチュエータ、及び電子機械工学的アクチュエータのほか、様々な異なる組合せを含んでいてもよい。振動ステージ434は、振動、回転、並進、又はそれらの組合せを可能にしてもよい。したがって、振動ステージ434は、往復運動及び円運動の少なくとも一方をコンデンサレンズ432に付与してもよい。幾つかの実施形態において、振動ステージ434はランダム化運動をコンデンサレンズ432に付与してもよい。特に、コンデンサレンズ432の動きは、
図4Aのページに垂直な平面に限定してファイバコア442までの一定の焦点距離を保持してもよく、それによって焦点は一定の大きさに保たれる。幾つかの実施形態において、コンデンサレンズ432の動きは、例えば、コンデンサレンズ432が電子的に調整可能な集光レンズである場合、光ファイバ304の伝送方向に沿っていてもよい(デフォーカスモード)。異なる実施形態において、振動ステージ434は約30Hzはそれ以上の周波数等、人間の目には見えない運動を生じさせる周波数で往復運動、回転、又は振動してもよい。電磁アクチュエータは、電子的に制御される磁石又は磁気コイル(電磁石)を有する様々なアクチュエータを含んでいてもよい。電子機械工学的アクチュエータは、内蔵ロボティックドライブ等、電子及び機械システム又は構成部品の様々な組合せを含んでいてもよい。
【0049】
集光光学系光源400は、コンデンサレンズ432に機械的に連結された振動ステージ434を有すると上で説明したが、ファイバコア442に関する第2の光440−2の運動は、モードミキシングを目的とした相対運動として実装されてもよいことがわかるであろう。したがって、幾つかの実施形態において、コンデンサレンズ432は表面436に関して固定された状態に保持されてもよいが、光ファイバ304又は光ファイバ304の光路内のコネクタは、振動ステージ434に連結されてもよい。幾つかの実施形態において、コンデンサレンズ434及び光ファイバ304の双方又は光ファイバ304のためのコネクタは、振動ステージ434等の別の振動ステージに機械的に連結されてもよい。
【0050】
ここで、
図4Bを参照すると、第2の集光光学装置401のある実施形態の図が示されている。
図4Bは概略図であり、正確な縮尺又は透視図法によって描かれていない。
図4Bには、第2の集光光学装置401内に含められる要素が概略的に示されている。第2の集光光学装置401は、例えば
図4Bに示される構成部品を格納する筐体(図示せず)を有する光学装置として実装されてもよいことがわかるであろう。特定の実施形態において、第2の集光光学装置401は、中間光学機器として光ファイバ304に沿って据え付けられてもよいが、光ファイバ304は適当な光コネクタで2つの部分に実装されてもよい。
【0051】
具体的には、第2の集光光学装置401は、光ファイバ304−1に接続されるための入射光コネクタ402を有し、また光ファイバ304−2に接続されるための射出光コネクタ406を有するように示されている。各種の実施形態において、入射光コネクタ402及び射出光コネクタ406は、光ファイバ304−1及び304−2に取り付けられた対応するコネクタと勘合する、釈放可能コネクタ(図示せず)であってもよい。幾つかの実施形態において、入射光コネクタ402及び射出光コネクタ406は、固定されたコネクタであってもよい。図のように、入射光コネクタ402は第1の内部光ファイバ408−1に連結され、これはコンデンサモードミキサ装置404に接続される。コンデンサモードミキサ装置404は、第2の内部光ファイバ408−2を使って射出光コネクタ406に接続されてよい。
【0052】
第2の集光光学装置401において、入射光コネクタ402は第1の光420−1を受け取ってもよく、これには、コヒーレント光源から伝送された後、光ファイバ304−1で不十分なモードミキシングがなされているかもしれない。コヒーレント光源は単色レーザ又は、第1の光420−1を生成するように組み合わされている単色レーザの組合せであってもよい。したがって、第1の光420−1は、異なる周波数(すなわち、色)からの光を含んでいてもよい。第1の光420−1は、第1の内部光ファイバ408−1によってコンデンサモードミキサ装置404に伝送され、これは集光光学系光源400と同様であり、
図4Cに関してこれを以下により詳しく説明する。コンデンサモードミキサ装置404は、モードミックスされた第2の光420−2を、射出光コネクタ406に接続される第2の内部光ファイバ408−2へと射出してもよい。
【0053】
図4Bに示されるように、光学タップ412が第2の内部光ファイバ408−2に沿って使用されてもよく、これは第2の光420−2からの一部の光エネルギーをフォトダイオード414(又は別の光強度センサ)へと分岐させる。フォトダイオード414からのフィードバック制御信号416は、コンデンサモードミキサ装置404により、(コンデンサモードミキサ装置404内に含まれる)コンデンサレンズ432の振動を調整してコンデンサレンズ432の焦点をファイバコア442に向けられたままに保つために使用されてよい。コンデンサレンズ432の焦点がファイバコア442に向けられていないと、フォトダイオード414により測定される強度が低下する(コヒーレント光源での光学パワーは一定であると仮定)。このようにして、フィードバック制御信号416により、所望の方法でコンデンサレンズ432の運動を調整することが可能となるかもしれない。
【0054】
図4Bには、第2の集光光学装置401と共に電源410も示され、これは、集光光学系光源400と共に含められる振動ステージ434に電源を供給してよい。幾つかの実施形態において、電源410は、遠隔操作を可能にするためのバッテリ等、第2の集光光学装置401への内部電源を表してもよい。他の実施形態において、電源410は外部電源、例えば外部電源(図示せず)からの電線電力又は直流のためのコネクタを表してもよい。
【0055】
次に、
図4Cを参照すると、コンデンサモードミキサ装置404(
図4Bも参照)のある実施形態の図が示されている。
図4Cは概略図であり、正確な縮尺又は透視図法によって描かれていない。
図4Cには、コンデンサモードミキサ装置404の中に含まれる要素が概略的に示されている。コンデンサモードミキサ装置404は、例えば
図4Cに示される構成部品を格納するための筐体(図示せず)を有する光学装置として実装されてよいことがわかるであろう。特定の実施形態において、コンデンサモードミキサ装置404は、上述の第2の集光光学装置401と共に含められてもよい。図のように、第1の内部光ファイバ408−1、第2の内部光ファイバ408−2、及び振動ステージ434は、コンデンサモードミキサ装置404を格納してもよいハウジング(図示せず)の基底部を表してもよい固定表面436の上にある。第1の内部光ファイバ408−1及び第2の内部光ファイバ408−2は、支持体438により固定され、これは図のように、光ファイバ408をコンデンサレンズ432に関して固定された位置に保持するための何れの種類の機械的アタッチメントを表してもよい。
【0056】
コンデンサモードミキサ装置404において、第1の光420−1は前述のように第1の内部光ファイバ408−1から到達する。第1の光420−1はコンデンサレンズ432に投射されてよく、これは第1の光420−1を第2の内部光ファイバ408−2のファイバコア442へと集光させて第2の光420−2を生成するために使用されてよい。振動ステージ434は、前述のように、振動、運動、回転、又は並進をコンデンサレンズ432に付与するように動作してもよい。振動ステージ434は、前述のように、コンデンサレンズ432の運動を調整するための入力としてフィードバック制御信号416を受け取るように示されている。
【0057】
コンデンサモードミキサ装置404は、振動ステージ434がコンデンサレンズ432に機械的連結されているように上で説明したが、ファイバコア442に関する第2の光420−2の運動は、モードミキシングの目的のために相対運動として実装されてよいことがわかるであろう。したがって、幾つかの実施形態において、コンデンサレンズ432は表面436に関して固定された状態に保持されてもよいが、光ファイバ408−2又は射出光コネクタ406は振動ステージ434に連結されてもよい。幾つかの実施形態において、コンデンサレンズ434及び光ファイバ408−2の双方、又は射出光コネクタ406は、振動ステージ434等、別の振動ステージに機械的に連結されてもよい。
【0058】
次に、
図5を参照すると、本明細書に記載されているモードミキシングのための集光光学系を使用する手術用レーザ照明の方法500のある実施形態の中の選択された要素のフローチャートがフローチャートの形態で示されている。方法500に記載されている特定の動作は任意選択によってもよく、又は異なる実施形態においては順序が変更されてもよいことがわかる。方法500は、本明細書に記載されているように、集光光学系光源400又は第2の集光光学装置402と共に照明アセンブリ100を使って実行されてもよい。
【0059】
方法500は、ステップ502で、コヒーレント光源からの第1の光を、コンデンサレンズを使って光ファイバに投射し、第1の光を光ファイバのファイバコアの焦点に集光させることから始まってもよく、第1の光は手術中、患者を照明するために使用される。ステップ504で、コンデンサレンズは光ファイバの伝送方向に垂直な平面内で振動させられ、焦点がファイバコア上で動かされて、第2の光が生成される。ステップ506で、第2の光は光ファイバから第2の光ファイバに伝送され、これが第2の光を患者に投射する。
【0060】
本明細書において開示されるように、モードミキシングのための集光光学系は、手術用照明のために使用される光ファイバの中の異なるモードを均一化するために使用されてよい。振動ステージは、コンデンサレンズに機械的運動を付与して、コヒーレント光源から均一な照明場を生成してもよい。
【0061】
上で開示された主旨は例示のためであって限定的ではなく、付属の特許請求の範囲は本開示の主旨と範囲に含まれるようなすべての改良、改善、及びその他の実施形態を網羅することが意図される。それゆえ、法により可能なかぎり、本開示の範囲は以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物の最も広い可能な解釈によって特定され、上記の詳細な説明によって制限又は限定されないものとする。