特許第6901075号(P6901075)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6901075
(24)【登録日】2021年6月21日
(45)【発行日】2021年7月14日
(54)【発明の名称】シングルポリ不揮発性メモリユニット
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20210701BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20210701BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20210701BHJP
   H01L 27/11558 20170101ALI20210701BHJP
   H01L 27/11519 20170101ALI20210701BHJP
【FI】
   H01L29/78 371
   H01L27/11558
   H01L27/11519
【請求項の数】23
【外国語出願】
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2018-245238(P2018-245238)
(22)【出願日】2018年12月27日
(65)【公開番号】特開2019-121802(P2019-121802A)
(43)【公開日】2019年7月22日
【審査請求日】2019年2月19日
(31)【優先権主張番号】62/615,463
(32)【優先日】2018年1月10日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】107142272
(32)【優先日】2018年11月27日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】510199683
【氏名又は名称】力旺電子股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】eMemory Technology Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】陳 學威
(72)【発明者】
【氏名】陳 緯仁
(72)【発明者】
【氏名】孫 文堂
(72)【発明者】
【氏名】郭 瑞旻
【審査官】 宮本 博司
(56)【参考文献】
【文献】 特表2005−532654(JP,A)
【文献】 特開2005−243127(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0225601(US,A1)
【文献】 特表2016−532292(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H01L 27/11519
H01L 27/11558
H01L 29/788
H01L 29/792
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電型を持つ半導体基板と、
前記半導体基板上に配置され、且つアイソレーション領域によって互いに隔てられた、第1の酸化物定義(OD)領域、第2のOD領域、及び第3のOD領域であり、当該第1のOD領域及び当該第2のOD領域は第1のイオンウェル内に形成され、該第1のイオンウェルは第2導電型を持つ、第1のOD領域、第2のOD領域、及び第3のOD領域と、
前記第1のOD領域上に配置された第1のメモリセルと、
前記第2のOD領域上に配置された第2のメモリセルであり、前記第1のメモリセル及び当該第2のメモリセルは、軸に対して非対称なメモリセルレイアウト構造を呈する、第2のメモリセルと、
前記第3のOD領域内に配置された消去ゲートと、を有し、
前記第1のメモリセルは、前記第1のOD領域から前記第3のOD領域まで延在する第1のフローティングゲート延長部を持つ第1のフローティングゲートトランジスタを有し、前記第2のメモリセルは、前記第2のOD領域から前記第3のOD領域まで延在する第2のフローティングゲート延長部を持つ第2のフローティングゲートトランジスタを有し、前記第1のフローティングゲート延長部は、前記第3のOD領域に部分的に重なるが、前記第3のOD領域と交差してはおらず、前記第2のフローティングゲート延長部は、前記第3のOD領域を渡っている、
シングルポリ不揮発性メモリ(NVM)ユニット。
【請求項2】
前記第1のOD領域及び前記第2のOD領域は互いに平行であり且つ第1方向に沿って延在しており、前記第3のOD領域は第2方向に沿って延在している、請求項1に記載のシングルポリNVMユニット。
【請求項3】
前記第3のOD領域は第2のイオンウェル内に形成され、該第2のイオンウェルは前記第1導電型を持つ、請求項1に記載のシングルポリNVMユニット。
【請求項4】
前記第1導電型はP型であり、前記第2導電型はN型である、請求項1に記載のシングルポリNVMユニット。
【請求項5】
前記第1のメモリセルは、前記第1のOD領域上に配置された、互いに直列に接続された第1の選択トランジスタと第1のフローティングゲートトランジスタとを有し、前記第2のメモリセルは、前記第2のOD領域上に配置された、互いに直列に接続された第2の選択トランジスタと第2のフローティングゲートトランジスタとを有する、請求項2に記載のシングルポリNVMユニット。
【請求項6】
前記第1の選択トランジスタは、第1のソースドーピング領域と、第1の共通ドーピング領域と、選択ゲートとを有し、前記第1のソースドーピング領域及び前記第1の共通ドーピング領域は、前記第1導電型を持ち、前記第1のフローティングゲートトランジスタは、前記第1の共通ドーピング領域と、第1のドレインドーピング領域と、第1のフローティングゲートとを有する、請求項5に記載のシングルポリNVMユニット。
【請求項7】
前記第2の選択トランジスタは、第2のソースドーピング領域と、第2の共通ドーピング領域と、前記選択ゲートとを有し、前記第2のソースドーピング領域及び前記第2の共通ドーピング領域は、前記第1導電型を持ち、前記第2のフローティングゲートトランジスタは、前記第2の共通ドーピング領域と、第2のドレインドーピング領域と、第2のフローティングゲートとを有する、請求項6に記載のシングルポリNVMユニット。
【請求項8】
前記第1のソースドーピング領域は前記第2のソースドーピング領域と合体されており、且つ/或いは、前記第1の共通ドーピング領域は前記第2の共通ドーピング領域と合体されている、請求項7に記載のシングルポリNVMユニット。
【請求項9】
前記第1のフローティングゲートは、前記第2方向に第1のチャネル幅を持ち、前記第2のフローティングゲートは、前記第2方向に第2のチャネル幅を持ち、前記第2のチャネル幅は前記第1のチャネル幅よりも小さい、請求項7に記載のシングルポリNVMユニット。
【請求項10】
前記第2のチャネル幅は、前記第1のチャネル幅の50%から90%である、請求項9に記載のシングルポリNVMユニット。
【請求項11】
前記第1のフローティングゲートと前記第1のOD領域との間の重なり面積が、前記第2のフローティングゲートと前記第2のOD領域との間の重なり面積よりも大きい、請求項7に記載のシングルポリNVMユニット。
【請求項12】
前記第1のOD領域の面積が、前記第2のOD領域の面積よりも大きい、請求項7に記載のシングルポリNVMユニット。
【請求項13】
前記第1のメモリセルの面積が、前記第2のメモリセルの面積よりも大きい、請求項7に記載のシングルポリNVMユニット。
【請求項14】
前記第1のメモリセルの前記第1のフローティングゲートは、前記第2のメモリセルのものよりも高いカップリングレシオを持つ、請求項7に記載のシングルポリNVMユニット。
【請求項15】
前記第1のフローティングゲート延長部は前記第1のOD領域と前記第3のOD領域との間の前記アイソレーション領域と交わる、請求項に記載のシングルポリNVMユニット。
【請求項16】
前記第2のフローティングゲート延長部は、前記第2のOD領域と前記第3のOD領域との間の前記アイソレーション領域と交わる、請求項に記載のシングルポリNVMユニット。
【請求項17】
前記消去ゲートは、消去ラインに電気的に結合される、請求項16に記載のシングルポリNVMユニット。
【請求項18】
前記消去ゲートは、前記第3のOD領域内に配置された前記第2導電型を持つ高濃度ドープ領域を有し、且つ前記第1のフローティングゲート延長部及び前記第2のフローティングゲート延長部に隣接している、請求項16に記載のシングルポリNVMユニット。
【請求項19】
前記第1のソースドーピング領域及び前記第2のソースドーピング領域は、ソースラインに電気的に結合される、請求項7に記載のシングルポリNVMユニット。
【請求項20】
前記第1のドレインドーピング領域は第1のビットラインに電気的に結合され、前記第2のドレインドーピング領域は第2のビットラインに電気的に結合される、請求項19に記載のシングルポリNVMユニット。
【請求項21】
前記第1のメモリセル及び前記第2のメモリセルは、同期的にプログラム又は消去される、請求項1に記載のシングルポリNVMユニット。
【請求項22】
前記第1のOD領域、前記第2のOD領域、及び前記第3のOD領域は、互いに平行であり且つ第1方向に沿って延在している、請求項1に記載のシングルポリNVMユニット。
【請求項23】
記第2のフローティングゲート延長部は更に、拡大された端部を有する、請求項22に記載のシングルポリNVMユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シングルポリ(single-poly)不揮発性メモリ(non-volatile memory;NVM)ユニットに関し、より具体的には、非対称なメモリセルレイアウト構造を有するシングルポリのマルチタイムプログラマブル(multi-time programmable;MTP)メモリユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
不揮発性メモリ(NVM)は、電源が存在しないときであっても記憶情報を保持するので、多様なエレクトロニクス装置で広く使用されている。不揮発性メモリは、プログラミングサイクルの回数に応じて、マルチタイムプログラマブル(MTP)メモリとワンタイムプログラマブル(one-time programmable;OTP)メモリとに分類される。MTPは、何度も読み出し可能且つ書き込み可能である。典型的に、MTPは、情報の書き込み及び読み出しのために単一の電荷蓄積領域を持ち、すなわち、1セル/ビットである。
【0003】
従来、NVMユニットは、例えば電子などの電荷を格納するためのフローティングゲートトランジスタと、該フローティングゲートトランジスタが対応する動作を実行することを可能にする1つ又は2つの選択トランジスタとを含んでいる。フローティングゲートは、プログラミング動作及び消去動作のために複数要素をカップリングさせることによって制御され得る。フローティングゲートにトラップされた電荷によって、トランジスタの状態が定められる。
【0004】
不揮発性メモリの1つの重要な特性はデータ保持であり、これは、書き込まれた情報が十分な程度にフローティングゲートに存続する時間として定義される。典型的に、フローティングゲートから電荷を消失させるリーク電流が、再書き込みすることなく何年(例えば、10年)もメモリが使用中のままであることができるほどに、小さくあるべきである。
【0005】
しかしながら、コンポーネントのサイズが縮小を続け、ゲート酸化物層をますます薄くしている。フローティングゲートから基板への電子のトンネル効果に起因して、薄いゲート酸化物層は、フローティングゲートにおける電荷損失を悪化させ得る。繰り返してのプログラミング(PGM)/消去(ERS)動作も、メモリの信頼性を劣化させ得る。書き換えサイクルの回数が増加して或る特定の限界を超えると、プログラム状態と消去状態との間の差が小さくなりすぎて認識できなくなり、耐久性不良をもたらす。
【0006】
シングルポリNVMの設計は追加のプロセスコストを低減可能であることが知られている。シングルポリNVMは、単一層のポリシリコンで電荷格納フローティングゲートを形成する。シングルポリNVMは、標準CMOSプロセスと適合するので、組み込みメモリ、ミクストモード回路、及び例えばシステム・オン・チップ(SOC)などのマイクロコントローラの内蔵不揮発性メモリに、一般的に用いられている。
【0007】
メモリセルのプログラミングは、ホットエレクトロン注入技術(チャネルホットエレクトロン注入としても知られている)によって遂行されることができ、また、メモリセルは、消去ゲートのファウラーノルドハイム(Fowler-Nordheim;FN)トンネリングを介して消去されることができる。一般に、より良好な消去性能を達成するためには、より高いカップリングレシオを得るために、より大きいメモリセルサイズが必要とされる。さらに、従来技術のMTPメモリは、基準電流変動に対処するために大きい動作ウィンドウを必要とし、このこともまた、メモリセルのサイズが更に縮小されることになる可能性を制限してしまう。
【発明の概要】
【0008】
本発明の1つの目的は、従来技術の不備及び欠点を解決することが可能な、非対称なセルレイアウト構造を有する改善されたシングルポリ不揮発性メモリ(NVM)ユニットを提供することである。
【0009】
本発明の一実施形態によれば、シングルポリ不揮発性メモリユニットは、第1導電型を持つ半導体基板と、該半導体基板上に配置され、且つアイソレーション領域によって互いに隔てられた、第1、第2及び第3のOD領域であり、当該第1のOD領域及び当該第2のOD領域は第1のイオンウェル内に形成され、該第1のイオンウェルは第2導電型を持つ、第1領域、第2及び第3のOD領域と、第1のOD領域上に配置された第1のメモリセルと、第2のOD領域上に配置された第2のメモリセルとを含む。第1のメモリセル及び第2のメモリセルは、軸に対して非対称なメモリセルレイアウト構造を呈する。第3のOD領域内に消去ゲートが配置される。
【0010】
本発明の一実施形態によれば、第1のOD領域及び第2のOD領域は互いに平行であり且つ第1方向に沿って延在し、第3のOD領域は第2方向に沿って延在する。第3のOD領域は第2のイオンウェル内に形成され、該第2のイオンウェルは第1導電型(例えば、P型)を持つ。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、第1のメモリセルは、第1のOD領域上に配置された、互いに直列に接続された第1の選択トランジスタと第1のフローティングゲートトランジスタとを有する。第2のメモリセルは、第2のOD領域上に配置された、互いに直列に接続された第2の選択トランジスタと第2のフローティングゲートトランジスタとを有する。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、第1の選択トランジスタは、第1のソースドーピング領域と、第1の共通(コモン)ドーピング領域と、選択ゲートとを有し、第1のソースドーピング領域及び第1の共通ドーピング領域は、第1導電型を持ち、第1のフローティングゲートトランジスタは、第1の共通ドーピング領域と、第1のドレインドーピング領域と、第1のフローティングゲートとを有する。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、第2の選択トランジスタは、第2のソースドーピング領域と、第2の共通ドーピング領域と、選択ゲートとを有し、第2のソースドーピング領域及び第2の共通ドーピング領域は、第1導電型を持ち、第2のフローティングゲートトランジスタは、第2の共通ドーピング領域と、第2のドレインドーピング領域と、第2のフローティングゲートとを有する。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、第1のソースドーピング領域は第2のソースドーピング領域と合体され、且つ/或いは、第1の共通ドーピング領域は第2の共通ドーピング領域と合体される。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、第1のフローティングゲートは、第2方向に第1のチャネル幅を持ち、第2のフローティングゲートは、第2方向に第2のチャネル幅を持ち、第2のチャネル幅は第1のチャネル幅よりも小さい。
【0016】
様々な図に例示される好適実施形態の以下の詳細な説明を読んだ後には、本発明のこれらの目的及びその他の目的が、疑いなく当業者に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
添付の図面は、実施形態の更なる理解を提供するために含められており、本明細書に組み込まれてその一部を構成する。図面は、実施形態のうち一部を例示するものであり、その説明と共に、それらの原理を説明する役割を果たす。図面は以下の図を含む。
図1】本発明の一実施形態に従ったシングルポリ不揮発性メモリ(NVM)ユニットを示す例示的なレイアウト図である。
図2図1の直線I−I’に沿ってとった模式的な断面図である。
図3図1の直線II−II’に沿ってとった模式的な断面図である。
図4図1の直線III−III’に沿ってとった模式的な断面図である。
図5】本発明の一実施形態に従った図1のシングルポリNVMユニット1をプログラミング、消去又は読み出すための動作条件テーブルを示している。
図6】本発明の他の一実施形態に従ったシングルポリNVMユニットのレイアウトを示す概略図である。
図7】本発明の他の一実施形態に従ったシングルポリNVMユニットのレイアウトを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の説明においては、本発明の完全なる理解を提供するために、数多くの具体的詳細が与えられる。しかしながら、当業者に明らかになることには、本発明はこれら具体的詳細を用いずにも実施され得る。また、一部のシステム構成及びプロセスステップは、当業者にはよく知られているはずであるので、それらを詳細に開示することはしない。他の実施形態も使用されることができ、本発明の範囲から逸脱することなく構造的、論理的、及び電気的な変更が為され得る。
【0019】
同様に、装置の実施形態を示す図は、半ば図式的であり、縮尺通りでなく、提示の明瞭さのために図中の一部の寸法を誇張している。また、複数の実施形態が一部の機構を共通に有するものとして開示及び説明される場合、その図示及び説明の容易さのために、同様又は類似の機構は通常、似通った参照符号を用いて記述する。
【0020】
用語“酸化物定義(oxide define;OD)領域”(“OD”領域は、“oxide defined”領域又は“oxide definition”領域として参照されるときもある)は、この技術分野において、ロコス(local oxidation of silicon;LOCOS)又はシャロートレンチアイソレーション(shallow trench isolation;STI)の領域以外の基板のシリコン主表面の領域として定義されることが一般に知られている。用語“酸化物定義(oxide define;OD)領域”はまた一般に、例えばトランジスタなどの能動回路要素が形成されて動作される“活性領域”としても参照される。
【0021】
本発明は、マルチタイムプログラマブル(MTP)メモリユニットとして使用されることが可能な、非対称なメモリセルレイアウト構造を有する改善された単層不揮発性メモリ(NVM)ユニットに関する。以下では、2セル/ビットのNVMユニットを例として用いるが、当業者が理解するはずのことには、本発明はマルチセル/ビットのNVMユニットに適用されることができる。理解されることには、例示目的で何らかの導電型が使用されているが、本発明は逆の導電型で実施されてもよい。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に従ったシングルポリ不揮発性メモリ(NVM)ユニットを示す例示的なレイアウト図である。図2は、図1の直線I−I’に沿ってとった模式的な断面図である。図3は、図1の直線II−II’に沿ってとった模式的な断面図である。図4は、図1の直線III−III’に沿ってとった模式的な断面図である。
【0023】
図1図4に示すように、本発明のシングルポリNVMユニット1は、例えばP型ドープされたシリコン基板などの第1導電型の半導体基板100上に製造される。半導体基板100上に、アイソレーション領域110によって互いに隔てられた、少なくとも3つの素子分離された酸化物定義(OD)領域100a、100b及び100cが設けられる。本発明の一実施形態によれば、アイソレーション領域110は、シャロートレンチアイソレーション(STI)領域とし得るが、それに限定されるものではない。本発明の一実施形態によれば、OD領域100a及びOD領域100bは、互いに平行であり、第1方向Dに沿って延在する。本発明のシングルポリNVMユニット1は、これら3つのOD領域100a、100b及び100c上に製造される。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、OD領域100a及びOD領域100bは、例えばN型ウェル(NW)などの第2導電型のイオンウェル101内に形成され、OD領域100cは、例えばP型ウェル(PW)などの第1導電型のイオンウェル103内に形成される。本発明の一実施形態によれば、イオンウェル101及び103の深さは、アイソレーション領域110の底よりも深いとし得るが、それに限定されるものではない。動作時、N型イオンウェル101はウェル電圧VNWを印加され、P型イオンウェル103はウェル電圧VPWを印加される。
【0025】
本発明の一実施形態によれば、本発明のシングルポリNVMユニット1は、仮想的な軸Sに対して非対称なメモリセルレイアウト構造を有する。本発明の一実施形態によれば、シングルポリNVMユニット1は、軸Sに対して非対称なメモリセルレイアウト構造を呈するメモリセルC及びメモリセルCを有する。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、図1及び図2に示すように、メモリセルCは、選択トランジスタ21及びフローティングゲートトランジスタ31を有する。選択トランジスタ21は、フローティングゲートトランジスタ31と直列に接続され、共にOD領域100aに配置される。本発明の一実施形態によれば、選択トランジスタ21は、PMOSトランジスタとすることができ、N型イオンウェル101内のソースドーピング領域121と、ソースドーピング領域121から離間された共通(コモン)ドーピング領域122と、ソースドーピング領域121と共通ドーピング領域122との間にあり且つ半導体基板100の主表面に隣接した選択ゲートチャネル領域210と、選択ゲートチャネル領域210の上に位置する選択ゲート(SG)212と、選択ゲートチャネル領域210と選択ゲート212との間のゲート誘電体層211とを含んでいる。
【0027】
図2に示すように、ソースドーピング領域121及び共通ドーピング領域122は、第1導電型を持ち得る。例えば、ソースドーピング領域121及び共通ドーピング領域122は、Pドープされた領域とし得る。本発明の一実施形態によれば、ソースドーピング領域121は、ソースラインSLに電気的に結合され得る。動作時、ソースドーピング領域121は、ソースラインSLを介してソースライン電圧VSLを印加される。
【0028】
フローティングゲートトランジスタ31は、OD領域100a上にフローティングゲート(FG)312を有する。本発明の一実施形態によれば、フローティングゲート312は、単層のポリシリコンからなる。本発明の一実施形態によれば、フローティングゲート312はシングルポリゲートであり、すなわち、フローティングゲート312上に更なるゲート層は積層されない。フローティングゲートトランジスタ31は更に、フローティングゲート312の一方側の共通ドーピング領域122と、ドレインドーピング領域123と、共通ドーピング領域122とドレインドーピング領域123との間のフローティングゲートチャネル領域310と、フローティングゲート312とフローティングゲートチャネル領域310との間のゲート誘電体層311とを有している。フローティングゲート312の両側の側壁にスペーサ(図示せず)が形成され得る。動作時、ドレインドーピング領域123は、ビットラインBLに電気的に結合され、ビットラインBLを介してビットライン電圧VBL1が印加される。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、図1及び4に示すように、メモリセルCは、選択トランジスタ22及びフローティングゲートトランジスタ32を有する。選択トランジスタ22及びフローティングゲートトランジスタ32は直列に接続され、共にOD領域100bに配置される。本発明の一実施形態によれば、選択トランジスタ22は、PMOSトランジスタとすることができ、N型イオンウェル101内のソースドーピング領域141と、ソースドーピング領域141から離間された共通ドーピング領域142と、ソースドーピング領域141と共通ドーピング領域142との間にあり且つ半導体基板100の主表面に隣接した選択ゲートチャネル領域220と、選択ゲートチャネル領域220の上に位置する選択ゲート212と、選択ゲートチャネル領域220と選択ゲート212との間のゲート誘電体層221とを含んでいる。
【0030】
図4に示すように、ソースドーピング領域141及び共通ドーピング領域142は、第1導電型を持ち得る。例えば、ソースドーピング領域141及び共通ドーピング領域142は、Pドープされた領域とし得る。本発明の一実施形態によれば、ソースドーピング領域141は、ソースラインSLに電気的に結合され得る。動作時、ソースドーピング領域141は、ソースラインSLを介してソースライン電圧VSLを印加される。
【0031】
本発明の一実施形態によれば、メモリセルC及びCは、ソースドーピング領域及び/又は共通ドーピング領域を共有し得る。例えば、ソースドーピング領域121はソースドーピング領域141と合体されることができ、且つ/或いは共通ドーピング領域141は共通ドーピング領域142と合体されることができる。
【0032】
フローティングゲートトランジスタ32は、OD領域100b上にフローティングゲート(FG)322を有する。本発明の一実施形態によれば、フローティングゲート322は、単層のポリシリコンからなる。本発明の一実施形態によれば、フローティングゲート322はシングルポリゲートであり、すなわち、フローティングゲート322上に更なるゲート層は積層されない。フローティングゲートトランジスタ32は更に、フローティングゲート322の一方側の共通ドーピング領域142と、ドレインドーピング領域143と、共通ドーピング領域142とドレインドーピング領域143との間のフローティングゲートチャネル領域320と、フローティングゲート322とフローティングゲートチャネル領域320との間のゲート誘電体層321とを有している。フローティングゲート322の両側の側壁にスペーサ(図示せず)が形成され得る。動作時、ドレインドーピング領域143は、ビットラインBLに電気的に結合され、ビットラインBLを介してビットライン電圧VBL2が印加される。
【0033】
本発明の一実施形態によれば、メモリセルCは、選択ゲート212をメモリセルCと共有し、動作中に選択ゲート212に選択ゲート電圧VSGが印加される。選択ゲート212及びフローティングゲート312は、第2方向Dに沿って平行に配置される。選択ゲート212及びフローティングゲート322は、第2方向Dに沿って平行に配置される。本発明の一実施形態によれば、選択ゲート212は、Nドープ又はPドープされたシングルポリゲートとし得るが、それに限定されるものではない。選択ゲート212の両側の側壁にスペーサ(図示せず)が形成され得る。
【0034】
図1から見て取れるように、シングルポリNVMユニット1は更に、それぞれフローティングゲート312及び322からOD領域100cまで連続的に延在するフローティングゲート延長部312a及び322aを有する。本発明の一実施形態によれば、ビットラインBL及びビットラインBLは第1方向Dに沿って延在することができ、消去ラインEL及びソースラインSLは第2方向Dに沿って延在することができる。例えば、消去ラインEL及びソースラインSLは、金属インターコネクト構造の第1金属層(M)内に配置されることができ、ビットラインBL及びビットラインBLは、第2金属層(M)内に配置されることができ、それらが、好適に構成されたコンタクトプラグを介して、下に位置するドーピング領域に電気的に接続される。
【0035】
図1から見て取れるように、フローティングゲート延長部312a及び322aは、OD領域100aとOD領域100cとの間でアイソレーション領域110と交わり、そして、OD領域100cと部分的に重なる。フローティングゲート延長部312a及び322aは、細長い形状を有し得るとともに、上から見たときに第1方向Dに沿って延在し得る。本発明の一実施形態によれば、第1方向Dは第2方向Dに対して直交する。
【0036】
図2に示すように、OD領域100c内に形成された例えばNドープ領域などの高濃度ドープされた領域302が、シングルポリNVMユニット1の消去ゲートとして使用され得る。高濃度ドープされた領域302は、フローティングゲート延長部312a及び322aに隣接している。消去動作において、高濃度ドープされた領域302に、消去ラインELを介して消去ライン電圧(VEL)が印加される。本発明の一実施形態によれば、本発明のシングルポリNVMユニット1の消去動作には、FNトンネリングのメカニズムが関与し、それが、フローティングゲート延長部312a及び322aを介してフローティングゲート312及び322から同時に電荷を除去する。
【0037】
本発明の一実施形態によれば、図3に示すように、第2方向Dに、フローティングゲートチャネル領域310はチャネル幅Wを有し、フローティングゲートチャネル領域320はチャネル幅Wを有する。本発明の一実施形態によれば、チャネル幅Wは、チャネル幅Wよりも小さい。例えば、WはWの50%から90%とし得るが、それに限定されるものではない。本発明の一実施形態によれば、第1方向Dにおけるフローティングゲート312及び322の幅(すなわち、チャネル長として参照される)は実質的に同じとし得るが、それに限定されるものではない。本発明の一実施形態によれば、フローティングゲート312とOD領域100aとの間の重なり面積は、フローティングゲート322とOD領域100bとの間の重なり面積よりも大きい。本発明の一実施形態によれば、OD領域100aの面積は、OD領域100bの面積よりも大きい。本発明の一実施形態によれば、メモリセルCの面積は、メモリセルCの面積よりも大きい。
【0038】
本発明の一実施形態によれば、フローティングゲートトランジスタ31及び32は、同期的に動作(例えば、プログラム又は消去)される。例えば、プログラム動作の後、フローティングゲートトランジスタ31及び32はどちらもプログラム状態にある。消去動作の後、フローティングゲートトランジスタ31及び32はどちらも消去状態にある。シングルポリNVMユニット1のメモリセルC及びメモリセルCは、軸Sに対して非対称なメモリセルレイアウト構造を有しているので、それが、メモリセルCに、メモリセルCよりも高いカップリングレシオを持たせる。換言すれば、プログラミング動作及び消去動作の双方において、メモリセルCのフローティングゲート312は、メモリセルCのフローティングゲート322よりも高い効率を有する。
【0039】
本発明の一実施形態によれば、シングルポリNVMユニット1の論理状態(ハイ/ロー)は、メモリセルC及びメモリセルCの読み出し電流(Iread)を比較することによって区別されることができる。例えば、メモリセルCの読み出し電流(Iread1)がメモリセルCの読み出し電流(Iread2)よりも大きい場合、シングルポリNVMユニット1は論理ハイ状態にあり、メモリセルCの読み出し電流(Iread1)がメモリセルCの読み出し電流(Iread2)よりも小さい場合、シングルポリNVMユニット1は論理ロー状態にある。しかしながら、当業者はまた、別の手法での読み出し電流の比較を定めることができる。例えば、メモリセルCの読み出し電流(Iread1)がメモリセルCの読み出し電流(Iread2)よりも大きい場合に、シングルポリNVMユニット1は論理ロー状態にあり、メモリセルCの読み出し電流(Iread1)がメモリセルCの読み出し電流(Iread2)よりも小さい場合に、シングルポリNVMユニット1は論理ハイ状態にある。なお、メモリセルCの読み出し電流(Iread1)とメモリセルCの読み出し電流(Iread2)との間の電流差は、センス増幅器が検出して区別するのに十分である必要がある。
【0040】
図5は、本発明の一実施形態に従った図1のシングルポリNVMユニット1をプログラミング、消去又は読み出すための動作条件テーブルを示している。
【0041】
例えば、NVMユニット1のプログラム(PGM)動作において、高濃度ドープされた領域302に供給される消去ライン電圧VELは0VからVDDである。選択トランジスタ21及び22の選択ゲート212に供給される選択ゲート電圧VSGは0VからVDDである。選択トランジスタ21及び22のソースドーピング領域121及び141に供給されるソースライン電圧VSLはVPPである。ビットラインBL及びBLに供給されるビットライン電圧VBL1及びVBL2は0V(VBL1=VBL2=0V)である。N型イオンウェル101に供給されるウェル電圧VNWはVPPであり、P型イオンウェル103に供給されるウェル電圧VPWは0Vである。これらの条件下で、チャネルホットエレクトロン(CHE)メカニズムによって電子がフローティングゲート312及び322に注入され、メモリセルC及びメモリセルCが同時にプログラムされる。VPPはプログラム電圧又は書込み電圧を指し、VEEは消去電圧を指す。
【0042】
NVMユニット1の消去(ERS)動作において、高濃度ドープされた領域302に供給される消去ライン電圧VELは0VからVEEである(0V<VDD<VEE)。選択トランジスタ21及び22の選択ゲート212に供給される選択ゲート電圧VSGは0Vである。選択トランジスタ21及び22のソースドーピング領域121及び141に供給されるソースライン電圧VSLは0Vである。ビットラインBL及びBLに供給されるビットライン電圧VBL1及びVBL2は0V(VBL1=VBL2=0V)である。N型イオンウェル101に供給されるウェル電圧VNWは0Vであり、P型イオンウェル103に供給されるウェル電圧VPWは0Vである。これらの条件下で、FNトンネリングメカニズムによって電子がフローティングゲート312及び322から引き抜かれ、メモリセルC及びメモリセルCが同時に消去される。この不揮発性メモリ構造はシングルビット・マルチセル構造であるので、メモリアレイのビット不良率を大いに低下させることができる。
【0043】
NVMユニット1のネガティブ消去動作において、高濃度ドープされた領域302に供給される消去ライン電圧VELは0VからVEEである(0V<VDD<VEE)。選択トランジスタ21及び22の選択ゲート212に供給される選択ゲート電圧VSGは0Vから(VBB−V)である。選択トランジスタ21及び22のソースドーピング領域121及び141に供給されるソースライン電圧VSLはVBBである。ビットラインBL及びBLに供給されるビットライン電圧VBL1及びVBL2はVBBであり、VBBは負電圧である。N型イオンウェル101に供給されるウェル電圧VNWは0Vであり、P型イオンウェル103に供給されるウェル電圧VPWは0Vである。
【0044】
NVMユニット1の読み出し動作において、高濃度ドープされた領域302に供給される消去ライン電圧VELは0Vである。選択トランジスタ21及び22の選択ゲート212に供給される選択ゲート電圧VSGは0Vである。選択トランジスタ21及び22のソースドーピング領域121及び141に供給されるソースライン電圧VSLはVreadである(Vread<VDD)。ビットラインBL及びBLに供給されるビットライン電圧VBL1及びVBL2は0V(VBL1=VBL2=0V)である。N型イオンウェル101に供給されるウェル電圧VNWはVreadであり(Vread<VDD)、P型イオンウェル103に供給されるウェル電圧VPWは0Vである。
【0045】
手短に言えば、構造的に、本発明のシングルポリNVMユニット1は、第1導電型(例えば、P型)を持つ半導体基板100と、半導体基板100上に配置され、且つアイソレーション領域110によって互いに隔てられた、第1のOD領域100a、第2のOD領域100b、及び第3のOD領域100cを含む3つの酸化物定義(OD)領域とを有する。第1のOD領域100a及び第2のOD領域100bは第1のイオンウェル101内に形成され、第1のイオンウェル101は第2導電型(N型)を持つ。第1のOD領域100a上に第1のメモリセルCが配置され、第2のOD領域100b上に第2のメモリセルCが配置される。第1のメモリセルC及び第2のメモリセルCは、軸Sに対して非対称なメモリセルレイアウト構造を呈する。第3のOD領域100c内に消去ゲート(すなわち、高濃度ドープされた領域302)が設けられる。
【0046】
本発明の一実施形態によれば、第1のOD領域100a及び第2のOD領域100bは互いに平行であり且つ第1方向Dに沿って延在する。第3のOD領域100cは第2方向Dに沿って延在する。第3のOD領域100cは第2のイオンウェル103内に形成され、第2のイオンウェル103は第1導電型(例えば、P型)を持つ。
【0047】
本発明の一実施形態によれば、第1のメモリセルCは、互いに直列に接続された第1の選択トランジスタ21と第1のフローティングゲートトランジスタ31とを有する。第1の選択トランジスタ21及び第1のフローティングゲートトランジスタ31は、第1のOD領域100a上に配置される。第2のメモリセルCは、互いに直列に接続された第2の選択トランジスタ22と第2のフローティングゲートトランジスタ32とを有する。第2の選択トランジスタ22及び第2のフローティングゲートトランジスタ32は、第2のOD領域100b上に配置される。
【0048】
本発明の一実施形態によれば、第1の選択トランジスタ21は、第1のソースドーピング領域121と、第1の共通ドーピング領域122と、選択ゲート212とを有し、第1のソースドーピング領域121及び第1の共通ドーピング領域122は、第1導電型を持ち、第1のフローティングゲートトランジスタ31は、第1の共通ドーピング領域122と、第1のドレインドーピング領域123と、第1のフローティングゲート312とを有する。
【0049】
本発明の一実施形態によれば、第2の選択トランジスタ22は、第2のソースドーピング領域141と、第2の共通ドーピング領域142と、選択ゲート212とを有し、第2のソースドーピング領域141及び第2の共通ドーピング領域142は、第1導電型を持ち、第2のフローティングゲートトランジスタ32は、第2の共通ドーピング領域142と、第2のドレインドーピング領域143と、第2のフローティングゲート322とを有する。
【0050】
本発明の一実施形態によれば、図3に示したように、第1のフローティングゲート312は、第2方向Dに第1のチャネル幅Wを持ち、第2のフローティングゲート322は、第2方向Dに第2のチャネル幅Wを持つ。第2のチャネル幅Wは第1のチャネル幅Wよりも小さい。
【0051】
図6は、本発明の他の一実施形態に従ったシングルポリNVMユニットのレイアウトを示す概略図であり、同じ領域、層又は要素はなおも同じ参照符号によって表記している。図6は、2つのシングルポリNVMユニット2及び2aを示しており、シングルポリNVMユニット2は、メモリセルC及びメモリセルCを有し、シングルポリNVMユニット2aは、メモリセルC及びメモリセルCを有する。メモリセルC−Cは、1つの単一OD領域100cを共有している。以下、シングルポリNVMユニット2についてのみ説明する。同様に、シングルポリNVMユニット2は、例えばP型シリコン基板などの第1導電型の半導体基板100上に製造される。半導体基板100上に、アイソレーション領域110によって互いに隔てられた、少なくとも3つの素子分離された酸化物定義(OD)領域100a、100b及び100cが設けられる。本発明の一実施形態によれば、アイソレーション領域110は、シャロートレンチアイソレーション(STI)領域とし得るが、それに限定されるものではない。本発明の一実施形態によれば、OD領域100a−100cは、互いに平行であり、第2方向Dに沿って延在し、OD領域100aとOD領域100bとの間にOD領域100cが介在する。本発明のシングルポリNVMユニット2は、これら3つのOD領域100a、100b及び100c上に製造される。
【0052】
本発明の一実施形態によれば、OD領域100a及びOD領域100bは、例えばN型イオンウェルなどの第2導電型のイオンウェル101内に形成され、OD領域100cは、例えばP型イオンウェルなどの第1導電型のイオンウェル103内に形成される。本発明の一実施形態によれば、イオンウェル101及び103の深さは、アイソレーション領域110の底よりも深いとし得るが、それに限定されるものではない。動作時、N型イオンウェル101はウェル電圧VNWを印加され、P型イオンウェル103はウェル電圧VPWを印加される。
【0053】
本発明の一実施形態によれば、本発明のシングルポリNVMユニット2は、第2方向Dに延在する軸Sに対して非対称なメモリセルレイアウト構造を有する。本発明の一実施形態によれば、シングルポリNVMユニット2は、軸Sに対して非対称なメモリセルレイアウト構造を呈するメモリセルC及びメモリセルCを有する。
【0054】
本発明の一実施形態によれば、メモリセルCは、選択トランジスタ21及びフローティングゲートトランジスタ31を有する。選択トランジスタ21及びフローティングゲートトランジスタ31は、互いに直列に接続され、共にOD領域100aに配置される。本発明の一実施形態によれば、選択トランジスタ21は、PMOSトランジスタとすることができ、N型イオンウェル101内のソースドーピング領域121と、ソースドーピング領域121から離間された共通(コモン)ドーピング領域122と、ソースドーピング領域121と共通ドーピング領域122との間にあり且つ半導体基板100の主表面に隣接した選択ゲートチャネル領域(図6には明示的に示されない)と、選択ゲートチャネル領域の上に位置する選択ゲート(SG)212と、選択ゲート212と選択ゲートチャネル領域との間のゲート誘電体層(図6には明示的に示されない)とを含んでいる。
【0055】
ソースドーピング領域121及び共通ドーピング領域122は、第1導電型を持ち得る。例えば、ソースドーピング領域121及び共通ドーピング領域122は、Pドープされた領域とし得る。本発明の一実施形態によれば、ソースドーピング領域121は、ソースラインSLに電気的に結合され得る。動作時、ソースドーピング領域121は、ソースラインSLを介してソースライン電圧VSLを印加される。
【0056】
フローティングゲートトランジスタ31は、OD領域100a上にフローティングゲート312を有する。本発明の一実施形態によれば、フローティングゲート312は、単層のポリシリコンからなる。本発明の一実施形態によれば、フローティングゲート312はシングルポリゲートであり、すなわち、フローティングゲート312上に更なるゲート層は積層されない。フローティングゲートトランジスタ31は更に、フローティングゲート312の一方側の共通ドーピング領域122と、ドレインドーピング領域123と、共通ドーピング領域122とドレインドーピング領域123との間のフローティングゲートチャネル領域(図6には明示的に示されない)と、フローティングゲート312とフローティングゲートチャネル領域との間のゲート誘電体層(図6には明示的に示されない)とを有している。動作時、ドレインドーピング領域123は、ビットラインBLに電気的に結合され、ビットラインBLを介してビットライン電圧VBL1が印加される。
【0057】
本発明の一実施形態によれば、メモリセルCは、選択トランジスタ22及びフローティングゲートトランジスタ32を有する。選択トランジスタ22及びフローティングゲートトランジスタ32は互いに直列に接続され、共にOD領域100bに配置される。本発明の一実施形態によれば、選択トランジスタ22は、PMOSトランジスタとすることができ、N型イオンウェル101内のソースドーピング領域141と、ソースドーピング領域141から離間された共通ドーピング領域142と、ソースドーピング領域141と共通ドーピング領域142との間にあり且つ半導体基板100の主表面に隣接した選択ゲートチャネル領域(図6には明示的に示されない)と、選択ゲートチャネル領域の上に位置する選択ゲート212と、選択ゲート212と選択ゲートチャネル領域との間のゲート誘電体層(図6には明示的に示されない)とを含んでいる。
【0058】
ソースドーピング領域141及び共通ドーピング領域142は、第1導電型を持ち得る。例えば、ソースドーピング領域141及び共通ドーピング領域142は、Pドープされた領域とし得る。本発明の一実施形態によれば、ソースドーピング領域141は、ソースラインSLに電気的に結合され得る。動作時、ソースドーピング領域141は、ソースラインSLを介してソースライン電圧VSLを印加される。
【0059】
フローティングゲートトランジスタ32は、OD領域100b上にフローティングゲート322を有する。本発明の一実施形態によれば、フローティングゲート322は、単層のポリシリコンからなる。本発明の一実施形態によれば、フローティングゲート322はシングルポリゲートであり、すなわち、フローティングゲート322上に更なるゲート層は積層されない。フローティングゲートトランジスタ32は更に、フローティングゲート322の一方側の共通ドーピング領域142と、ドレインドーピング領域143と、共通ドーピング領域142とドレインドーピング領域143との間のフローティングゲートチャネル領域(図6には明示的に示されない)と、フローティングゲート322とフローティングゲートチャネル領域との間のゲート誘電体層(図6には明示的に示されない)とを有している。動作時、ドレインドーピング領域123は、1つのビットラインBLに電気的に結合され、ビットラインBLを介して1つのビットライン電圧VBL2が印加される。
【0060】
本発明の一実施形態によれば、メモリセルCは、選択ゲート212をメモリセルCと共有し、動作中に選択ゲート212に選択ゲート電圧VSGが印加される。選択ゲート212及びフローティングゲート312は、第1方向Dに沿って平行に配置される。選択ゲート212及びフローティングゲート322は、第1方向Dに沿って平行に配置される。本発明の一実施形態によれば、選択ゲート212は、Nドープ又はPドープされたシングルポリゲートとし得るが、それに限定されるものではない。
【0061】
シングルポリNVMユニット2はまた、それぞれフローティングゲート312及び322からOD領域100cまで連続的に延在するフローティングゲート延長部312a及び322aを有し、OD領域100cが消去ラインに電気的に結合される。フローティングゲート延長部312a及び322aは、OD領域100aとOD領域100cとの間でアイソレーション領域110を渡り、そして、OD領域100cと部分的に重なる。フローティングゲート延長部312a及び322aは、細長い形状を有し得るとともに、上から見たときに第1方向Dに沿って延在し得る。本発明の一実施形態によれば、第1方向Dは第2方向Dに対して直交する。
【0062】
本発明の一実施形態によれば、フローティングゲート延長部322aは、OD領域100cに対するフローティングゲート延長部322aのいっそう高いカップリングレシオをもたらす拡大された端部322bを有する。
【0063】
本発明の一実施形態によれば、OD領域100c内に形成された例えばNドープ領域などの高濃度ドープされた領域302が、シングルポリNVMユニット2用の消去ゲートとして使用され得る。高濃度ドープされた領域302は、フローティングゲート延長部312a及び322aに隣接している。消去動作において、高濃度ドープされた領域302に、消去ラインを介して消去ライン電圧(VEL)が印加される。
【0064】
本発明の一実施形態によれば、図6に示すように、フローティングゲートチャネル領域310はチャネル幅Wを有し、フローティングゲートチャネル領域320はチャネル幅Wを有する。本発明の一実施形態によれば、チャネル幅Wは、チャネル幅Wよりも小さい。例えば、WはWの50%から90%とし得るが、それに限定されるものではない。本発明の一実施形態によれば、第2方向Dにおけるフローティングゲート312及び322の幅(すなわち、チャネル長として参照される)は実質的に同じとし得るが、それに限定されるものではない。本発明の一実施形態によれば、フローティングゲート312とOD領域100aとの間の重なり面積は、フローティングゲート322とOD領域100bとの間の重なり面積よりも大きい。本発明の一実施形態によれば、OD領域100aの面積は、OD領域100bの面積よりも大きい。本発明の一実施形態によれば、メモリセルCの面積は、メモリセルCの面積よりも大きい。
【0065】
本発明の一実施形態によれば、フローティングゲートトランジスタ31及び32は、同期的に動作(例えば、プログラム又は消去)される。例えば、プログラム動作の後、フローティングゲートトランジスタ31及び32はどちらもプログラム状態にある。消去動作の後、フローティングゲートトランジスタ31及び32はどちらも消去状態にある。シングルポリNVMユニット2のメモリセルC及びメモリセルCは、軸Sに対して非対称なメモリセルレイアウト構造を有しているので、それが、メモリセルCに、メモリセルCよりも高いカップリングレシオを持たせる。換言すれば、プログラム動作及び消去動作の双方において、メモリセルCは、メモリセルCよりも高い効率を有する。
【0066】
図7は、本発明の他の一実施形態に従ったシングルポリNVMユニットのレイアウトを示す概略図であり、同じ領域、層又は要素はなおも同じ参照符号によって表記している。図7は、2つのシングルポリNVMユニット3及び3aを示しており、シングルポリNVMユニット3は、メモリセルC及びメモリセルCを有し、シングルポリNVMユニット3aは、メモリセルC及びメモリセルCを有する。メモリセルC−Cは、1つの単一OD領域100cを共有している。シングルポリNVMユニット3は、それぞれフローティングゲート312及び322からOD領域100cまで連続的に延在するフローティングゲート延長部312a及び322aを有し、OD領域100cが消去ラインに電気的に結合される。フローティングゲート延長部312a及び322aは、OD領域100aとOD領域100cとの間でアイソレーション領域110を渡り、そして、OD領域100cと重なる。フローティングゲート延長部312a及び322aは、細長い形状を有し得るとともに、上から見たときに第1方向Dに沿って延在し得る。本発明の一実施形態によれば、第1方向Dは第2方向Dに対して直交する。
【0067】
図7に示す実施形態と図6に示した実施形態との間の相違は、メモリセルCのフローティングゲート延長部312aは、OD領域100cと部分的に重なるのみで、OD領域100cと交差しておらず、メモリセルCのフローティングゲート延長部322aは、OD領域100cを渡っており、それが、OD領域100cに対するフローティングゲート延長部322aのいっそう高いカップリングレシオをもたらす、ということのみである。
【0068】
本発明は、少なくとも以下の利点を有する:(1)ウェイクアッププログラム動作を経ることなく、消去動作後に初期状態を自由に読み出すことができる;(2)メモリユニットが基準電流変動に対処する必要がなく、それ故に、メモリセルのサイズを更に縮小することができる;(3)メモリユニットが十分なセンシングウィンドウを維持することができる;(4)メモリユニットがデータ保持を向上させている;(5)プログラム/消去動作の動作電圧を低下させることができる;及び(6)より高速なアクセス時間。
【0069】
当業者がただちに気づくことには、本発明の教示を保持しながら装置及び方法の数多く変更及び改変が為され得る。従って、以上の開示は、添付の請求項の境界及び範囲によってのみ限定されると解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7