特許第6901116号(P6901116)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6901116
(24)【登録日】2021年6月21日
(45)【発行日】2021年7月14日
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/08 20060101AFI20210701BHJP
   F21Y 113/13 20160101ALN20210701BHJP
   F21Y 113/17 20160101ALN20210701BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20210701BHJP
【FI】
   F21S8/08 110
   F21Y113:13
   F21Y113:17
   F21Y115:10
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-26062(P2017-26062)
(22)【出願日】2017年2月15日
(65)【公開番号】特開2018-133203(P2018-133203A)
(43)【公開日】2018年8月23日
【審査請求日】2020年1月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000123608
【氏名又は名称】かがつう株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100062225
【弁理士】
【氏名又は名称】秋元 輝雄
(74)【代理人】
【識別番号】100186060
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 大輔
(72)【発明者】
【氏名】吉田 卓矢
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 徹
【審査官】 野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−305768(JP,A)
【文献】 特開2015−213041(JP,A)
【文献】 特開2016−058284(JP,A)
【文献】 特表2010−511269(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00、8/08
F21V 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下側に開口する内部空間を有し、後部に取り付け部を備えた本体と、
前記開口を覆うように前記本体に取り付けられた透光性カバーを備え、
前記本体の前記内部空間において、夜間に通常照明として発光する通常照明用光源と、前記通常照明用光源とは異なる色で発光する特別報知用光源とが、前記透光性カバーを通して光が透過するように配置され、
前記特別報知用光源は、異なる色を発する発光素子の複数が所定の位置に配置されるチップを複数含み、
前記複数のチップの一部又は全部は、列状に並べられ、
各列に並ぶ前記複数のチップにおいて、第1の向きのチップと、第1の向きとは異なる第2の向きのチップとが、交互に配置される
ことを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記本体は前後方向に長い形態をなし、
前記通常照明用光源は複数の白色系の発光素子が全体として前後方向に長い形態の配列をなし、前記特別報知用光源は、前記通常照明用光源とは異なる色で発光する複数の発光素子が全体として左右方向または前後方向に長い形態の配列をなし、前記特別報知用光源は前記通常照明用光源の前側に配置された、
ことを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記本体は前後方向に長い形態をなし、
前記開口に沿って前記本体に配置された金属製の取り付け板を備え、
前記取り付け板の下側面に、前記通常照明用光源と、前記通常照明用光源の前側に前記特別報知用光源が位置する関係に配置された、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記特別報知用光源が、光拡散性を有する特別報知部カバーで覆われた、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の照明器具。
【請求項5】
前記透光性カバーが、光拡散性を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の照明器具。
【請求項6】
前記透光性カバーの空間が、前記通常照明用光源が配置された空間と、前記特別報知用光源が配置された空間とに仕切られる不透光性の仕切り板を備えた、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通常照明を行う通常照明用光源の他に、特別な表示のための特別報知用光源を備えた屋外設置型の照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
屋外設置の道路灯等の照明器具は、照明器具の後部に設けた取り付け部を支柱に取り付けた状態で、照明器具に設けた通信制御部が外部と通信することにより、照明器具内に設けたLED光源の発光が制御される仕組みのものがある(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1のものは、照明器具内には、商用交流電力を電源とする常用LED光源と、内臓蓄電池を電源とする非常用LED光源と、警報用LED光源とを備え、商用交流電力が停電時には夜間において非常用LED光源を点灯する。また、基地局からの災害情報信号の受信によって、その災害の程度に応じて警報用LED光源を発光色の異なる状態で点灯させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-213041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のものは、後ろから順番に、常用LED光源、非常用LED光源、警報用LED光源が配置され、常用LED光源のLEDは、個々に反射板を備えており、それによって所期の方向への配光を得るようになっている。このため、常用LED光源部の部品と組み立て工数が多く、コストが嵩む。
また、常用LED光源は基板に取り付けた状態で放熱板に取り付けているが、警報用LED光源は、本体の側面から発光状態が見えるようにするために、図1から明らかなように、本体の側部から照射するようにしており、特別な取り付け構成となっている。
【0006】
本発明は、通常照明を行う通常照明用光源の他に、警報や通行方向等の特別な表示を行う特別報知用光源を備えた屋外設置型の照明器具を提供するものである。
【0007】
本発明の照明器具は、その使用目的からして、通常照明用光源は白色系光源であり、特別報知用光源は白色系以外の発光色系光源となり、夜間に点灯される。
小型の照明器具に通常照明用光源と特別報知用光源を隣接配置することとなる場合、通常照明用光源の白色系発光が特別報知用光源の発光領域に到達し、特別報知用光源の本来の発光色と異なる色に見えるようになる。
【0008】
このような点に鑑み、本発明は、照明器具に、通常照明用光源と、通常照明用光源の前側に通常照明用光源とは異なる発光色の特別報知用光源を設け、通常照明用光源による所期の照明効果を保ちつつ、特別報知用光源の発光色の視認性を向上できる技術を提供する。
【0009】
この目的を達成するための制御の一つとして、通常照明用光源の点灯制御は照明器具に設けた照度センサの検出により行い、特別報知用光源の点灯制御は外部からの指令によって行うようにする。
本発明において、点灯は発光を意味し、消灯は非発光を意味する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の本発明の照明器具は、
下側に開口する内部空間を有し、後部に取り付け部を備えた本体と、
前記開口を覆うように前記本体に取り付けられた透光性カバーを備え、
夜間に通常照明として発光する通常照明用光源と、前記通常照明用光源とは異なる色で発光する特別報知用光源とが、前記透光性カバーを通して光が透過するように配置された、
ことを特徴とする。
【0011】
第2の本発明の照明器具は、上記第1において、
前記本体は前後方向に長い形態をなし、
前記通常照明用光源は複数の白色系の発光素子が全体として前後方向に長い形態の配列をなし、前記特別報知用光源は、前記通常照明用光源とは異なる色で発光する複数の発光素子が全体として左右方向または前後方向に長い形態の配列をなし、前記特別報知用光源は前記通常照明用光源の前側に配置された、
ことを特徴とする。
【0012】
第3の本発明の照明器具は、上記第1または第2において、
前記本体は前後方向に長い形態をなし、
前記開口に沿って前記本体に配置された金属製の取り付け板を備え、
前記取り付け板の下側面に、前記通常照明用光源と、前記通常照明用光源の前側に前記特別報知用光源が位置する関係に配置された、
ことを特徴とする。
【0013】
第4の本発明の照明器具は、上記第1乃至第3のいずれかにおいて、
前記特別報知用光源が、光拡散性を有する特別報知部カバーで覆われた、
ことを特徴とする。
【0014】
第5の本発明の照明器具は、上記第1乃至第4のいずれかにおいて、
前記透光性カバーが、光拡散性を有する、
ことを特徴とする。
【0015】
第6の本発明の照明器具は、上記第1乃至第5のいずれかにおいて、
前記透光性カバーの空間が、前記通常照明用光源が配置された空間と、前記特別報知用光源が配置された空間とに仕切られる不透光性の仕切り板を備えた、
ことを特徴とする。
【0016】
第7の本発明の照明器具は、上記第1乃至第6のいずれかにおいて、
前記特別報知用光源は、異なる色を発する発光素子の複数が所定の配置で1チップに構成されて発光部基板に複数配置され、前記チップの少なくとも一つの向きが他のチップの向きと異なる向きに配置された、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の照明器具は、下側に開口する内部空間を有し、後部に取り付け部を備えた本体と、前記開口を覆うように前記本体に取り付けられた透光性カバーを備え、夜間に通常照明として発光する通常照明用光源と、前記通常照明用光源とは異なる色で発光する特別報知用光源とが、前記透光性カバーを通して光が透過するように配置された構成である。
このため、通常照明用光源が夜間に街路等の所要個所を照明できると共に、特別報知用光源の発光色がよく見える状態が形成でき、特別報知用光源の発光色の視認性が向上する。
【0018】
また、本体は前後方向に長い形態をなし、通常照明用光源は複数の白色系の発光素子が全体として前後方向に長い形態の配列をなし、特別報知用光源は通常照明用光源とは異なる色で発光する複数の発光素子が全体として左右方向または前後方向に長い形態の配列をなし、特別報知用光源は通常照明用光源の前側に配置されることによって、通常照明用光源で所期の照明を確保すると共に、特別報知用光源の発光色がよく見える状態が形成でき、特別報知用光源の発光の視認性に優れたものとなる。
【0019】
また、透光性カバーを通して光が透過するように、通常照明用光源と特別報知用光源が、本体の開口に沿って本体に配置された金属製の取り付け板の下側面に、通常照明用光源の前側に特別報知用光源が位置する関係に配置される。
これによって、通常照明用光源と特別報知用光源が発する熱の放熱効果が良好であると共に、通常照明用光源が夜間に街路等の所要個所を照明できると共に、特別報知用光源の発光色がよく見える状態が形成でき、特別報知用光源の発光色の視認性が向上する。
【0020】
また、特別報知用光源が、透明以外の光拡散性を有する透光性の特別報知部カバーで覆われることによって、通常照明用光源が夜間に街路等の所要個所を照明できると共に、特別報知用光源の発光色が遠方からよく見える状態が形成でき、特別報知用光源の発光色の視認性が向上する。
更に、透光性カバーが透明以外の光拡散性を有することによって、より一層、特別報知用光源の発光色が遠方からよく見える状態が形成でき、特別報知用光源の発光色の視認性が向上する。
【0021】
また、透光性カバーの空間が、通常照明用光源が配置された空間と、特別報知用光源が配置された空間とに仕切られる不透光性の仕切り板を備えることによって、通常照明用光源の影響を受けて特別報知用光源が本来の発光色とは異なる色で見えることが防止でき、特別報知用光源は本来の発光色として視認できることとなり、特別報知用光源の発光色の視認性を向上できるものとなる。
また、仕切り板は取り付け板に取り付ける構成によって、取り付け板に特別報知用光源、通常照明用光源及び仕切り板を取り付けた状態で、取り付け板を本体に取り付けることができるため、光源の構成の簡素化と、光源の発する熱の放熱効果を考慮した取り付けを達成することができる。
【0022】
また、例えば、1チップに赤、青、緑の発光素子が同じ配置で封入されている場合、全てのチップが同じ向きに配置された場合は、赤、青、緑の発光素子が点灯したとき、それを見る向きによって、例えば赤が強く視認される状態が生じる。
しかし、本発明では、特別報知用光源は、発光色が異なる発光素子の複数が所定の配置で1チップに構成されて発光部基板に複数配置される場合、このチップの少なくとも一つの向きが他のチップの向きと異なる向きに配置されることにより、上記のように一つの色が強く見えるというようなことは緩和され、3原色が所定の混ざり合った発光状態となり、好ましい発光状態となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明に係る照明器具の側面図である。
図2】本発明に係る照明器具の縦断側面図である。
図3】本発明に係る照明器具の透光性カバーを外した状態の側面図である。
図4】本発明に係る照明器具の透光性カバーを外した状態で下方から視た斜視図である。
図5】本発明に係る照明器具の透光性カバーを外した状態に下面図である。
図6】本発明に係る照明器具の分解斜視図である。
図7】本発明に係る照明器具の特別報知用光源の配置図である。
図8】本発明に係る照明器具の特別報知用光源の他の実施例を示す配置図である。
図9】本発明に係る照明器具の特別報知用光源の1チップの各発光素子の配置図である。
図10】本発明に係る照明器具の特別報知用光源の1チップの各発光素子の他の実施例を示す配置図である。
図11】本発明に係る照明器具の動作制御用ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の照明器具1は、下側に開口2Aを持つ内部空間4を有し、後部に取り付け部10を備えた前後方向に長い金属製の本体2と、開口2Aに臨み本体2に取り付けられた金属製の取り付け板40と、開口2Aを覆うように本体2に取り付けられた透光性カバー3と、取り付け板40の下側面に通常照明用光源50と通常照明用光源50とは異なる発光色で発光する特別報知用光源60が配置され、取り付け板40と透光性カバー3との間の空間を通常照明用光源50が配置された空間と、特別報知用光源60が配置された空間とに仕切る不透光性の仕切り板70を設けた構成である。
以下、本発明の実施形態として、光源としてLED素子(発光ダイオード)7A、7Bを採用した照明器具1について、図面を参照して説明する。
【0025】
照明器具1は、一つ形態として、図1図6に示すように、後部に取り付け部10を有する前後方向に長い形態である。本体2は、下面の略全域が開口するように開口部2Aを形成し内外両面に防錆効果のある熱伝導性塗装を施した金属製等の熱伝導良好な不透光性で構成され、乳白色等の合成樹脂製の透光性カバー3は、この本体2の開口部2Aを塞ぐように開口部2Aの周縁部に組み合わされる。
【0026】
本体2は、アルミニウムを材料としてダイキャスト成形され、上壁2Tと上壁2Tから前後左右に下降する周囲壁2Sで囲まれ上方に膨らむ形態の前後方向に長い内部空間4を有し、内部空間4は周囲壁2Sで囲まれ下側に開口する開口部2Aを形成し、支柱等への取り付け部10を後部に備える。
【0027】
透光性カバー3は、左右間の中央部が最低部となるように左右から中央部に向けて外側に曲面で膨らみ、全体形状が前後方向に長い船底型をなしており、その上端部には周縁部を巡る上方へ突出する環状フランジ3Fが形成されている。一方の本体2は、開口部2Aの周縁部を巡る環状フランジ2Fを形成している。本体2の環状フランジ2Fと透光性カバー3のフランジ3Fがパッキンを介して組み合わされた状態で、透光性カバー3を貫通するネジが本体2に一体形成した取り付けボス13のネジ孔に螺合して、透光性カバー3が本体2に液密状態に固定される。
【0028】
取り付け板40は、前後方向に長く、開口部2Aに沿うように開口2Aに臨み、開口2Aの左右辺に亘る幅を有する平板状であり、この平板部の前後の各二つの隅に形成した脚部が本体2に一体形成した取り付けボスにネジNCにて取り付けられることにより、平板部が開口2Aに沿うように取り付けられる。この状態で、取り付け板40は開口2Aの大半を塞ぐ大きさを有し、取り付け板40と透光性カバー3との間に、透光性カバー3で覆われる前後方向に長い船底型の空間3Pが形成される。取り付け板40の下側面には、取り付け板40からはみ出ることなく取り付け板40内に収まるように通常照明用光源50と特別報知用光源60が配置される。
【0029】
取り付け板40は、通常照明用光源50と特別報知用光源60から発生する熱を本体2へ伝達して放熱するための放熱板として有効である。取り付け板40は、通常照明用光源50用と特別報知用光源60用とに別個の取り付け板とすることでもよいが、コスト低減のためには、図示のように共通の取り付け板40とすることが好ましい。
【0030】
図示の形態では、取り付け板40は、1枚の平板状の金属製であり、図5等に示すように、取り付け板40の下側面には、取り付け板40に収まるように通常照明用光源50と特別報知用光源60が併設配置される。このため、通常照明用光源50及び特別報知用光源60の取り付け、配置、点灯電力供給線の配線がし易くなる。
【0031】
通常照明用光源50は、下側面にLED素子7Aが配置された発光部基板5が取り付け板40の下側面にネジN1で固定される構成である。電気絶縁性の発光部基板5は、複数のLED素子7Aを下面に実装し、LED素子7Aへの電路が同じ下面にプリント配線として形成され、このプリント配線を絶縁被膜で覆っている。
【0032】
通常照明用光源50のLED素子7Aは、白色系発光をなす白色系発光素子であり、LED素子7Aが全体として前後方向に長くなる配置である。一方の特別報知用光源60は、後述のように、赤、緑、緑の三原色の発光素子で構成され、目的に応じて通常照明用光源50とは異なる発光色で発光するように、赤、緑、緑の三原色の発光素子の一つまたは複数が同時発光する構成である。特別報知用光源60は通常照明用光源50の前側に配置され、LED素子7Bが全体として左右方向に長くなる配置である。前記白色系発光とは、自然光色、白色、青味がかった白色、暖色系の白色、太陽光と同等の昼光色のいずれも含むものである。
【0033】
通常照明用光源50は、図示の形態は、各LED素子7Aを覆うように発光部基板5の下側面に組み合わされLED素子7Aが放射する光を所定の配光にて出射する配光ユニット8を備える。
配光ユニット8は透光性合成樹脂製であり、板状部81に複数の配光部82を一体形成した構成であり、板状部81は発光部基板5と略同じ大きさであり、板状部81と発光部基板5は共に取り付け板40からはみ出ない大きさである。配光部82は、LED素子7Aごとに所定の配光となる出射光を形成する部分であり、実施例ではレンズ形態をなす。配光部82は、照明器具1の左右方向への配光特性を有する長円形状の第1配光部82Aと、照明器具1の略真下方向への配光特性を有する四角形状の第2配光部82Bとを有し、各LED素子7Aが第1配光部82Aに対応する状態と、各LED素子7Aが第2配光部82Bに対応する状態とに選択可能である。
【0034】
実施例では、図5に示すように、発光部基板5の下側面に所定間隔で配置した左右4個ずつのLED素子7Aを一組として前後に2組の通常照明用光源50が配置され、その各組ごとに配光ユニット8を設けている。これによって、通常照明用光源50は複数のLED素子7Aが全体として前後方向に長い形態の配列をなすこととなり、街路の幅に亘り街路の長さ方向への照明が可能となる。
通常照明用光源50の光が本体2の開口2A周縁で遮られないように、1配光部82Aと第2配光部82Bは本体2の開口2Aの周縁よりの若干下方位置となるように突出している。
【0035】
取り付け板40の下側面には、通常照明用光源50の前側に特別報知用光源60が配置される。特別報知用光源60は、下側面にLED素子7Bが配置された第2発光部基板5Bが取り付け板40の下側面にネジN2で固定される構成である。特別報知用光源60は、複数のLED素子7Bが全体として左右方向に長い形態の配列をなすこととなる。
また、第2発光部基板5Bを省略して発光部基板5を前後に長く形成し、これにLED素子7Aと、LED素子7Aの配置の前側において、LED素子7Bが左右方向に長く配置される形態でもよい。
いずれの構成においても、発光部基板5及び第2発光部基板5Bは、取り付け板40からはみ出ない大きさである。
【0036】
このように、通常照明用光源50のLED素子7Aは、全体として前後方向に長くなる配置であり、特別報知用光源60は、通常照明用光源50の前側に配置され、LED素子7Bが全体として左右方向に長くなる配置である。
このため、通常照明用光源50の発光と特別報知用光源60の発光の照射領域を十分確保できることとなり、通常照明用光源50が夜間に街路等の所要個所を照明できると共に、特別報知用光源の発光色がよく見える状態となり、特別報知用光源60の発光色の視認性が向上する。
【0037】
特別報知用光源60は、LED素子7Bを第2発光部基板5Bに取り付けたままの状態で、例えば、災害発生の状況の程度を異なる発光色で示すようにすることでもよいが、報知効果を向上させるために光拡散性を有する透光性の特別報知部カバー80で覆われるようにする。
光拡散性は、乳白色にするとか、特別報知用カバー80の内面をシボ加工等によって細かい凹凸形状によって達成できる。以下同じ。
この特別報知部カバー80は、透光性を有する合成樹脂製またはガラス製であり、災害発生時に有効な避難方向を示す矢印やマーク等の特別報知部81を形成することができる。特別報知部81は不透光性とすることによって、特別報知用光源60の点灯によって、外部からマーク等の特別報知部81が視認し易くなる。
【0038】
透光性カバー3は、透明または乳白色等の光拡散性を有する透光性とし、通常照明用光源50と、特別報知部カバー80で覆われた特別報知用光源60を覆う。この透光性カバー3は乳白色等の合成樹脂製またはガラス製で作成でき、通常照明用光源50の発光にて、その光が拡散し透光性カバー3を通して街路面を照射する。また特別報知用光源60が発光したときその光が拡散し、その発光色が透光性カバー3を通して街路からよく視認できるようになる。
【0039】
また、特別報知部カバー80は透明でもよいが、照明効果を向上させるために、特別報知部カバー80は光拡散性を有する透光性とする。このため、特別報知部カバー80を乳白色等の合成樹脂で構成し、特別報知部81は不透光性とすることによって、特別報知用光源60が発光したとき、その発光色が特別報知部カバー80で拡散し、その発光色が透光性カバー3を通して街路からよく視認できる状態となり、更に外部からマーク等の特別報知部81が視認し易くなる。
【0040】
照明器具1は、商用電源30から供給される電力に基づき動作する構成であり、第1配光部82Aを通して街路の延びる方向に通常照明用光源50の光が照射されるように、街路の端に設置した支柱の上部に街路の幅方向に向けて取り付けられる。特別報知部81を避難方向を示す矢印で示す場合に適するように、図5に示すように、特別報知用カバー80が街路方向である照明器具1の左右方向に長い形態とし、特別報知部81の矢印を街路方向とする。
この特別報知用カバー80は透明または乳白色等の合成樹脂で構成し、特別報知部81は不透光性とすることによって、特別報知用光源60の点灯によって、特別報知用カバー80によって特別報知用光源60の光が拡散し、複数色の発光が混ざり合って所期の発光状態に見えると共に、外部からマーク等の特別報知部81が視認し易くなる。
【0041】
特別報知用光源60のLED素子7Bは、通常照明用光源50とは異なる色で発光する発光素子で構成される。その一つとして、図9に示すように、LED素子7Bは、それぞれ赤(R)色の発光素子、緑(G)色の発光素子、青(B)色の発光素子の三原色の発光素子が1チップの中に、直線状、三角状等のように所定の配置構成である。
実施例では、このチップの複数が第2発光部基板5Bの下側面に前後に2列配置となるように、各列にチップの複数が所定間隔を存して左右方向に直線状に配置されている。特別報知用光源60の赤(R)、緑(G)、青(B)の発光素子の発光の一つまたは組み合わせにより、複数種類の発光色を得ることができる。
【0042】
図7(A)に示すように、2列のうちの各列では、全てのLED素子7Bのチップが同じ向きに配置された場合は、赤(R)、緑(G)、青(B)の発光素子7Bのうちの複数が点灯したとき、それを見る向きによって、一つの色が強く見える状態、例えば、横から見た場合、赤が強く視認される状態が生じる。
これを防止するために、特別報知用光源60は、発光色が異なる発光素子の複数が所定の配置で1チップに構成されて発光部基板5Bに列状に複数(2個以上)配置される場合、この列のチップの少なくとも一つの向きが他のチップの向きと異なる向きに配置されることにより、上記のように一つの色が強く見えるというようなことは緩和され、3原色が混ざり合った発光状態となり、好ましい発光状態となる。
この列は、直線配置、ジグザグ配置等のいずれでもよく、全体として列が形成される状態であればよい。
【0043】
その一つの好ましい実施形態として、図7(B)に示すように、LED素子7Bは隣り合うチップの向きが異なる向きに配置することにより、赤(R)、緑(G)、青(B)の発光が混ざり合うようにすることができ、所期の発光色が達成できるようになる。
図7(B)には、一列8個のチップのLED素子7Bのうちの3個のチップの内部の赤(R)、緑(G)、青(B)の発光素子の配置を示しているが、他の発光素子7Bの内部も同様の配置であり、それは、黒塗りダイオードマークを参照すれば、赤(R)、緑(G)、青(B)が同じ配置の発光素子7Bが一つ置きに配置されていることが判明する。
赤(R)と青(B)が点灯されたとき、または緑(G)と青(B)が点灯されたときも同様である。
なお、複数のLED素子7Bは、1列配置または複数列配置のいずれでもよい。
【0044】
本発明の他の実施例として、特別報知用光源60のLED素子7Bは、赤(R)、緑(G)、青(B)の三原色の発光素子の他に白色系発光をなす白色系発光素子(W)が1チップの中に含まれた構成であり、図10に示すように、赤(R)、緑(G)、青(B)、白(W)の各素子は四角配置である。前記白色系発光とは、自然光色、白色、青味がかった白色、暖色系の白色、太陽光と同等の昼光色のいずれも含むものである。
【0045】
この場合も、上記同様に、4個一列のチップの少なくとも一つの向きが他のチップの向きと異なる向きに配置されることにより、一つの色が強く見える状態を防止できる。その一つの好ましい実施形態として、図8に示すように、LED素子7Bは隣り合うチップの向きが異なる向きに配置することにより、赤(R)、緑(G)、青(B)のうちの複数の発光が混ざり合うようにすることができ、所期の発光色が達成できるようになる。
【0046】
なお、白色光を放出する場合は、赤色光を発する赤色LED素子(R)、緑色光を発する緑色LED素子(G)及び青色光を発する青色LED素子(B)によって白色光を放出するように構成してもよいが、白(W)の発光素子を備えることによって、明確に白(W)の発光が得られる。
【0047】
また、特別報知用光源60が、図9及び図10に示すように、赤(R)、緑(G)、青(B)または赤(R)、緑(G)、青(B)、白(W)のように、異なる色を発する発光素子の複数が所定の配置で1チップに構成され、このチップの複数(2個以上)が発光部基板5Bに列以外の配置状態である場合でも、前記チップの少なくとも一つの向きが他のチップの向きと異なる向きに配置されることにより、上記のように一つの色が強く見える状態を解決できる。
【0048】
照明器具1は街路の端に設置した支柱の上部に取り付けられて、夜間において通常照明用光源50によって街路を照射するが、特別報知用光源60が同時に点灯状態となった場合、街路から見た人は、通常照明用光源50の白色光が前方の特別報知用光源60に向けて照射され、特別報知用光源60の発光色が変化した状態に見える。
これを防止するために、図2に示すように、取り付け板40と透光性カバー3との間の船底型の空間3Pを、後側の通常照明用光源50が配置された空間3P1と、前側の特別報知用光源60が配置された空間3P2とに仕切る不透光性の仕切り板70を設けている。
【0049】
仕切り板70は、ネジN3によって取り付け板40の下側面に固定される。仕切り板70の上端は取り付け板40の下側面に当接し、仕切り板70の下端は透光性カバー3の内面に沿う形状で以って透光性カバー3の内面に当接または近接しており、仕切り板70の左右長さは略取り付け板40の左右幅と同等である。
【0050】
通常照明用光源50の上側への光は発光部基板5や取り付け板40にて遮られるが、前方への光は、この仕切り板70によって、通常照明用光源50の白色光が前方へ直進することが防止され、特別報知用光源60に到達するのを防止する。
このため、特別報知用光源60の発光色が通常照明用光源50の白色光によって薄められる減少を防止でき、特別報知用光源60が所期の発光色で発光しているように見えることが保障される。
【0051】
特別報知用光源60は、通常照明用光源50の前側に配置され、通常照明用光源50の発光と特別報知用光源60の発光の照射領域を十分確保できることにより、通常照明用光源50が夜間に街路等の所要個所を照明できると共に、特別報知用光源の発光色がよく見える状態となり、特別報知用光源60の発光色の視認性が向上する。
この効果を得るために、左右方向の幅に対して前後方向の長さが大である本体2の開口2Aにおいて、前側の特別報知用光源60と後側の通常照明用光源50の配置領域は、前記前後方向の長さのうち、仕切り板70で仕切られた前側の特別報知用光源60が占める領域が20%〜40%であり、仕切り板70で仕切られた後側の通常照明用光源50が占める領域が60%〜80%となる配置としている。
【0052】
照明器具1には、その周辺部の照度を検出する照度センサSSが、先端が透光性である保護カバー27に収容された状態で、本体2の後壁に形成した採光孔に取り付けられている。
【0053】
図11には照明器具1の動作制御用ブロック図を示す。外部電源である商用電源30の交流電力がAC/DC変換部31にてLED素子7A及び7Bの電源電力となる12ボルト直流電力であるLED電源32に変換される。LED電源32から供給されるLED素子7A用電源は32−7Aであり、電源32−7Aの電力はコネクタCT1を通してLED素子7Aに供給される。
LED素子7Bの赤(R)発光素子用電源は32−Rであり、緑(G)発光素子用電源は32−Gであり、青(B)発光素子用電源は32−Bであり、白(W)発光素子用電源は32−Wである。
【0054】
通常照明用光源50のLED素子7A及び特別報知用光源60のLED素子7Bの点灯・消灯の制御や、特別報知用光源60のLED素子7Bの赤(R)、緑(G)、青(B)の発光素子のいずれを発光させるかの選択制御は、制御部33によって行われる。
LED素子7Bの赤(R)発光素子を発光させる場合は、制御部33によって赤(R)発光素子用電源32−RがコネクタCT2から供給されて赤(R)発光素子が発光する。同様に、制御部33によって、緑(G)発光素子用電源32−GがコネクタCT2から供給されて緑(G)発光素子が発光し、青(B)発光素子用電源32−BがコネクタCT2から供給されて青(B)発光素子が発光し、白(W)発光素子用電源32−がコネクタCT2から供給されて白(W)発光素子が発光する。
【0055】
制御部33にはAC/DC変換部31にて変換した直流電力が供給され、制御部33の制御入力として、照度センサSSの検出に基づく検出信号と、外部から供給される外部信号がある。
照明器具1はこの外部信号を受信するアンテナを含む通信部34を備えている。一つの地域に設置された複数の照明器具1を管理センターで管理するようなシステムの場合、外部信号は、その管理センターから送信される信号である。
【0056】
通信部34が外部信号を受信するだけであれば通信部34は受信機能だけでよいが、通常は、通信部34が外部信号を受信したとき、受信したことを管理センターへ送信するため、通信部34は送受信機能を持つこととなる。
【0057】
図2に示すように、本体2の内部空間4の後部領域には、金属製のコ字状の取り付け板38が、本体2の取り付けボスにネジで縦方向に取り付けられている。取り付け板38の後面には、AC/DC変換部31にて変換された12ボルト直流電力を5ボルト直流電力に変換するDC/DC変換部32Tが取り付けられている。DC/DC変換部32Tは、所要の電気部品が基板に取り付けられ、この基板が取り付け板38に取り付けられている。DC/DC変換部32Tで変換された5ボルト直流電力が通信部34の電源として供給される。
【0058】
内部空間4において、取り付け板38の下端部に上面開口周縁をネジN7で取り付けた合成樹脂製の保護カバー39が結合され、保護カバー39内には、制御部33及び通信部34、更に通信部34のアンテナが収容される。
【0059】
透光性カバー3は、船底型の空間3Pの後部に下方へ膨出した収容部3Yを一体形成しており、保護カバー39がこの収容部3Yに収容される。通信部34のアンテナが受ける外部信号及びこのアンテナから発信する信号は、収容部3Yと保護カバー39を通過する。
【0060】
図2及び図6に示すように、LED電源32はプリント配線された電源基板に電気部品が取り付けられて構成され、前記電源基板が電気絶縁性の間隔子36Aを介して取り付け板40の上側面に取り付けられている。また、AC/DC変換部31は、プリント配線された変換部基板に電気部品が取り付けられて構成され、前記変換部基板が金属製のカバーKKに取り付けられ、本体に取り付けられる金属製の取り付け板KTの上面にこのカバーKKが取り付けられる。取り付け板KTは、本体の上壁2Tから垂下した取り付けボスにネジにて取り付けられる。
【0061】
AC/DC変換部31、LED電源32等の照明器具1の電気回路を雷サージから守るために、雷サージ回路35をAC/DC変換部31の後方で内部空間4で本体2の上壁に取り付けている。
雷サージ回路35はプリント配線された基板に電気部品が取り付けられて構成され、電気絶縁性の間隔子36Bを介して取り付け板KTの上側面に取り付けられている。
【0062】
商用電源30は、本体2の後壁に形成した貫通孔に挿入される絶縁ゴム製のブッシング28を貫通して電力ラインから供給される交流電力であり、その電力ラインの先端に取り付けた電源コネクタが前記変換部基板のコネクタと接続されることにより供給される電源である。
【0063】
通常照明用光源50は、照明器具1の周辺が所定の暗さになったとき、その照度を照度センサSSが検出し、その検出に基づく検出信号により制御部33によって夜間に点灯状態となる。また、照明器具1の周辺が所定の明るさになったとき、その照度を照度センサSSが検出し、その検出に基づく検出信号により制御部33によって昼間に消灯状態となる。
【0064】
特別報知用光源60は、特定信号に基づき通常照明用光源50とは異なる色で発光する。この特定信号は、外部通信部から供給される外部信号であり、この外部信号を通信部34が受信し、外部信号に基づき制御部33の動作によって点灯、消灯が制御される。また、通信部34が受信する外部信号は、危険度の程度に応じてLED素子7Bを所定の発光色で発光させるための指令信号であり、通信部34が受信する外部信号に基づく制御部33の動作によって、特別報知用光源60の発光色が制御される。このため、危険度が高い外部信号の場合は、特別報知用光源60のLED素子7Bを通常照明用光源50とは異なる発光色、例えば赤色等で点灯させることができ、危険度が低い外部信号の場合は、特別報知用光源60のLED素子7Bを、例えば緑色等で点灯させることができる。
【0065】
上記のように、通常照明用光源50は、照度センサSSの検出に基づき点灯及び消灯が制御されることにより、夜間での所期の照明が得られる。また、特別報知用光源60は、外部信号に基づき点灯、消灯、発光色が制御されるため、危険度の程度に応じた適切な報知となり、通常照明用光源50と特別報知用光源60の構成及び配置に特徴を持つ本発明の効果が十分活かされるものとなる。
【0066】
また、通常照明用光源50と特別報知用光源60が、夜間において同時点灯状態になっても、通常照明用光源50の白色光が仕切り板70によって前方の特別報知用光源60に到達することが阻止されるため、特別報知用光源60の発光色が通常照明用光源50の白色光によって薄められる減少を防止できる。このため、特別報知用光源60が所期の発光色で発光しているように見えることとなり、特別報知用カバー80も所期の発光色で見える状態となり、特別報知部81も明確に見えるようになり、特別報知用光源60を設ける所期の目的が達成できる。
【0067】
上記のように、特別報知用光源60を通常照明用光源50の前側に配置することにより、通常照明用光源50にて所期の照明の確保と共に、特別報知用光源60の発光の視認性に優れたものとなる。
また、図5に示すように、通常照明用光源50は複数のLED素子7Aが全体として前後方向に長い形態の配列をなし、特別報知用光源60は複数のLED素子7Bが全体として左右方向に長い形態の配列をなし、特別報知用光源60は通常照明用光源50の前側に配置されることにより、通常照明用光源50で所期の照明を確保すると共に、特別報知用光源60の発光の視認性に優れたものとなる。
【0068】
また、特別報知用光源60の赤(R)、緑(G)、青(B)の発光素子の発光の一つまたは組み合わせにより、種々の発光色が形成できるため、通常照明用光源50を発光させる必要がない昼間において、住民に特別報知の必要性が生じる事態においては、特別報知用光源60を例えば赤(R)のように所定の色で発光または点滅させる。この場合も、本発明の構成によって良好な発光表示が可能となる。
【0069】
また、上記のように、特別報知用光源60のLED素子7Bを赤(R)、緑(G)、青(B)で発光する発光素子の他に、図8及び図10に示すように、白色発光素子(W)を加えて、1チップに構成することができる。この場合、通常照明用光源50は、照度センサSSの検出に基づき点灯・消灯が制御される白色系発光であり、通常時の夜間において、特別報知用光源60の点灯が必要ないとき、通信部34が受信する外部信号に基づき制御部33によって、白色発光素子(W)を通常照明用光源50と同時点灯させる同時点灯モードを形成することによって、照明器具1の前側の照明効果を向上でき、夜間での路面の照明効果をアップさせることができる。
そして、災害時等の場合は、特別報知用光源60のLED素子7Bの発光が、白色以外の赤(R)、緑(G)、青(B)の単色または混合色となる発光状態とすることができる。
【0070】
特別報知用光源60のLED素子7Bを赤(R)、緑(G)、青(B)で発光する発光素子が1チップに構成される形態とはせず、個々のLED素子7Bが単色発光の赤(R)発光素子、緑(G)発光素子、青(B)発光素子で構成し、これらの発光色が混ざり合うような配列とし、上記同様の発光及び制御とすることもできる。
この場合、通常照明用光源50に設けた配光ユニット8と同様に、LED素子7Bごとのレンズ形態の配光部82を備える配光ユニット8を設ける形態とすることができ、その場合は、特別報知用カバー80は透明でもよく、また、この特別報知用カバー80を省くこともできる。
【0071】
上記の実施形態では、特別報知用光源60のLED素子7Bが左右方向に長い一列または複数列の配列であるが、特別報知用光源60のLED素子7Bは、通常照明用光源50の前側に、前後方向に長い一列または複数列で配置することもできる。この列は、直線配置、ジグザグ配置等のいずれでもよく、全体として列が形成される状態であればよい。
この場合、特別報知用光源60のLED素子7Bを赤(R)、緑(G)、青(B)で発光する発光素子が1チップに構成される形態の場合と、これに替わって上記のように、個々のLED素子7Bが単色発光の赤(R)発光素子、緑(G)発光素子、青(B)発光素子で構成し、これらの発光色が混ざり合うような配列とし、上記同様の構成とし、その発光及び制御とすることもできる。更に、LED素子7Bごとのレンズ形態の配光部82を備える配光ユニット8を設ける形態とすることができ、その場合は、特別報知用カバー80は透明でもよく、また、この特別報知用カバー80を省くこともできる。
【0072】
透光性カバー3および特別報知用カバー80は、両者とも透明または乳白色等の光拡散性を有する透光性とすることもできる。透光性カバー3および特別報知用カバー80の両者とも光拡散性を有する場合、通常照明用光源50の光の透過が若干低下するが眩しさが軽減される照明効果を得ることができ、特別報知用光源60による所期の発光色での報知効果を得ることができる。
また、透光性カバー3を光拡散性を有する構成とし、特別報知用カバー80を透明とする場合、通常照明用光源50の光の透過が若干低下するが眩しさが軽減される照明効果を得ることができ、特別報知用光源60による所期の発光色での報知効果を得ることができる。
【0073】
通常照明用光源50により街路を十分な照度で以って良好な照明効果を得るためには、透光性カバー3は透明が好ましい。その場合、特別報知用カバー80を光拡散性を有する構成とすることによって、特別報知用光源60による所期の発光色での報知効果を得ることができる。
【0074】
また、特別報知用カバー80を設けない場合は、透光性カバー3は、通常照明用光源50に対応する部分は透明とし、特別報知用光源60に対応する部分は光拡散性を有する構成とする。この場合、透光性カバー3は、仕切り板70で仕切られる後側の空間3P1に対応する部分を透明とし、前側の空間3P2に対応する部分を光拡散性を有する構成とすることにより、通常照明用光源50により街路を十分な照度で以って良好な照明効果が得られ、特別報知用光源60による所期の発光色での報知効果を得ることができる。
【0075】
また、透光性カバー3は、通常照明用光源50を覆う部分をレンズ形態の配光部82を備える配光ユニット8が一体形成された形態とすることもできる。この場合、特別報知用光源60に対応する部分を光拡散性を有する透光性とすることにより、通常照明用光源50により街路を十分な照度で以って良好な照明効果が得られ、特別報知用光源60による所期の発光色での報知効果を得ることができる。
【0076】
照明器具1に蓄電池を設け、商用電源が停電時には停電検出回路が停電を検出した時は、この蓄電池によって照明器具1が稼働するようにすることができる。この場合、停電時には、通常照明用光源50は点灯させず、特別報知用光源60の白色発光素子(W)を点灯させて非常時の路面照明を確保すると共に、上記同様に、通信部34が受信する外部信号の災害の危険度の程度に応じて、赤(R)、緑(G)、青(B)で発光する発光素子を所定の発光色で発光させることができる。
【0077】
照明器具1の形態は上記実施形態に限定されず、本発明の目的及び効果が達成される範囲で、適宜変更された形態でもよい。
【符号の説明】
【0078】
1 照明器具
2 本体
2A 本体の開口部
3 透光性カバー
4 本体の内部空間
4A 前部空間
4B 後部空間
5 発光部基板
5B 第2発光部基板
7 光源(LED素子)
8 配光ユニット
10 取り付け部
30 商用電源
31 AC/DC変換部
32 LED電源
33 制御部
34 通信部
35 雷サージ回路
40 取り付け板
50 通常照明用光源
60 特別報知用光源
70 仕切り板
80 特別報知用カバー
81 特別報知部
SS 照度センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11