(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
  以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
 
【0012】
  本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、遊技機の機械的構成および電気的構成を簡単に説明し、その後、各基板における具体的な処理を説明する。
 
【0013】
  図1は、本実施形態の遊技機100の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。図示のように、遊技機100は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠102と、この外枠102にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた中枠104と、この中枠104に、ヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた前枠106と、を備えている。
 
【0014】
  中枠104は、外枠102と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されており、この囲繞空間に遊技盤108が保持されている。また、前枠106には、ガラス製または樹脂製の透過板110が保持されている。そして、これら中枠104および前枠106を外枠102に対して閉じると、遊技盤108と透過板110とが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、遊技機100の正面側から、透過板110を介して遊技盤108が視認可能となる。
 
【0015】
  図2は、遊技機100の正面図である。この図に示すように、前枠106の下部には、遊技機100の正面側に突出する操作ハンドル112が設けられている。この操作ハンドル112は、遊技者が回転操作可能に設けられており、遊技者が操作ハンドル112を回転させて発射操作を行うと、当該操作ハンドル112の回転角度に応じた強度で、不図示の発射機構によって遊技球が発射される。このようにして発射された遊技球は、遊技盤108に設けられたレール114a、114b間を上昇して遊技領域116に導かれることとなる。
 
【0016】
  遊技領域116は、遊技盤108と透過板110との間隔に形成される空間であって、遊技球が流下または転動可能な領域である。遊技盤108には、多数の釘や風車(不図示)が設けられており、遊技領域116に導かれた遊技球が釘や風車に衝突して、不規則な方向に流下、転動するようにしている。
 
【0017】
  遊技領域116は、発射機構の発射強度に応じて遊技球の進入度合いを互いに異にし、遊技球の打ち分けが可能な第1遊技領域116aおよび第2遊技領域116bを備えている。すなわち、遊技機100は、遊技球が流下可能な複数の領域(第1遊技領域116aおよび第2遊技領域116b)で構成された遊技領域116を備えている。第1遊技領域116aは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の左側に位置し、第2遊技領域116bは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の右側に位置している。レール114a、114bが遊技領域116の左側にあることから、発射機構によって所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は第1遊技領域116aに進入し、所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球は第2遊技領域116bに進入することとなる。
 
【0018】
  また、遊技領域116には、遊技球が入球可能な一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122および第3始動口123が設けられており、これら一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122および第3始動口123に遊技球が入球すると、それぞれ所定の賞球が遊技者に払い出される。遊技球の入球に基づいて払い出される賞球数は、入賞口ごとに異なっていてもよい。
 
【0019】
  なお、詳しくは後述するが、第1始動口120内には第1始動領域が設けられ、また、第2始動口122内には第2始動領域が設けられ、第3始動口123内には第3始動領域が設けられている。そして、第1始動口120、第2始動口122または第3始動口123に遊技球が入球して第1始動領域、第2始動領域または第3始動領域に遊技球が進入すると、予め設けられた複数の特別図柄の中からいずれか1の特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には、遊技者にとって有利な大役遊技や小当たり遊技の実行可否が対応付けられている。したがって、遊技者は、第1始動口120、第2始動口122または第3始動口123に遊技球が入球すると、所定の賞球を獲得するのと同時に、種々の遊技利益を受ける権利獲得の機会を獲得することとなる。
 
【0020】
  また、第2始動口122には、開閉動作が可能な可動片122bが設けられており、この可動片122bの状態に応じて第2始動口122が開状態と閉状態とに可逆的に変移することで第2始動口122への遊技球の進入容易性が変化するようになっている。具体的には、第2始動口122が閉状態のとき、可動片122bは、第2始動口122への遊技球の進入を妨げる位置(閉状態位置)に配置される。このため、閉状態において第2始動口122への遊技球の入球、すなわち第2始動領域への遊技球の進入が不可能となっている。これに対して、遊技領域116に設けられたゲート124内の進入領域を遊技球が通過し、後述するゲート検出スイッチ124sに遊技球の通過が検知されたことに基づいて普通図柄の抽選が行われ、この抽選によって当たりに当選すると、可動片122bが閉状態から開状態に変移し、 所定時間に亘って開状態に制御される。普通図柄の抽選の詳細は、後述する。第2始動口122が開状態のとき、可動片122bは、第2始動口122への遊技球の進入を妨げない位置(開状態位置)に配置される。このため、開状態において第2始動口122への遊技球の入球、すなわち第2始動領域への遊技球の進入が容易となる。なお、ここでは、第2始動口122が閉状態にあるときに、当該第2始動口122への遊技球の入球が不可能であることとしたが、これに限られない。遊技機100は、閉状態における第2始動口122にも一定の頻度(ただし、第2始動口122が開状態である場合よりも低い頻度)で遊技球が入球可能となる、すなわち閉状態において第2始動口への遊技球の入球が開状態よりも困難となるように構成してもよい。以下、第2始動口122および可動片122bを合わせて可変入賞装置と称する場合がある。
 
【0021】
  なお、第1始動口120は、第1遊技領域116aを流下する遊技球のみが入球可能となり、第2始動口122および第3始動口123は、第2遊技領域116bを流下する遊技球のみが入球可能となる位置に配されている。なお、第1始動口120は、第2遊技領域116bを流下する遊技球が入球してもよいが、この場合には、第1遊技領域116aを流下する遊技球の方が、第2遊技領域116bを流下する遊技球よりも入球しやすい位置に配することが望ましい。同様に、第2始動口122および第3始動口123は、第1遊技領域116aを流下する遊技球が入球してもよいが、この場合には、第2遊技領域116bを流下する遊技球の方が、第1遊技領域116aを流下する遊技球よりも入球しやすい位置に配することが望ましい。
 
【0022】
  一般入賞口118または第1始動口120への遊技球の入賞を狙う場合、遊技者は第1遊技領域116aに遊技球が進入するように操作ハンドル112の回転角度を調整して回転操作(左打ち)を行う。また、第2始動口122または第3始動口123への遊技球の入賞を狙う場合、遊技者は第2遊技領域116bに遊技球が進入するように操作ハンドル112の回転角度を調整して回転操作(右打ち)を行う。
 
【0023】
  さらに、第2遊技領域116bにおいてゲート124の下方には、第2遊技領域116bを流下する遊技球が入球可能に配された第1大入賞口126が設けられている。第1大入賞口126には、開閉扉126bが開閉可能に設けられており、通常、開閉扉126bが第1大入賞口126を閉鎖して、第1大入賞口126への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、前述の大役遊技が実行されると、開閉扉126bが開放されて、開閉扉126bが受け皿として機能し、第1大入賞口126への遊技球の入球が可能となる。そして、第1大入賞口126に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。
 
【0024】
  また、第2遊技領域116bには、第2遊技領域116bを流下する遊技球が入球可能な位置、より具体的には第2始動口122の下方に、第2大入賞口128が設けられている。なお、第1大入賞口126および第2大入賞口128を単に大入賞口と総称する場合もある。
 
【0025】
  また、第2遊技領域116bには、第2大入賞口128が設けられている。第2大入賞口128には、開閉扉128bが開閉可能に設けられている。また、開閉扉126bと同様に、開閉扉128bは、通常、第2大入賞口128を閉鎖して、第2大入賞口128への遊技球の入球が不可能となっている。そして、後述の小当たり遊技が実行されると、開閉扉128bは、第2大入賞口128を開放する開状態に変移する。これにより、第2大入賞口128への遊技球の入球が可能となる。そして、第2大入賞口128に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。ここで、開閉扉128bは、例えば僅かに傾斜した形状を有しており、開閉扉128b上を遊技球が転動する時間が長く確保されている。そして、開閉扉128bが閉状態から開状態に変移することで、開閉扉128b上を転動している遊技球を第2大入賞口128内に導く。このため、開閉扉128bを開状態に維持する時間を僅かに設定したとしても、第2大入賞口128内に所定数の遊技球を導くことができる。換言すれば、第2大入賞口128内に所定数の遊技球を入球させるために必要となる、開閉扉128bを開状態に維持する時間を短時間とすることができる。また、開閉扉128bの上部や第2大入賞口128の周辺に、遊技球が接触するリブや凹凸を設けることで遊技球の移動速度を減速させてもよい。
 
【0026】
  また、第3始動口123は、第2大入賞口128の下方に設けられている。第3始動口123には、第2遊技領域116bを流下する遊技球のうち、第1大入賞口126、第2始動口122および第2大入賞口128のいずれにも入球しなかった遊技球が入球可能である。
 
【0027】
  また、
図2に示すように、遊技領域116の最下部には、一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122、第3始動口123、第1大入賞口126、第2大入賞口128のいずれにも入球しなかった遊技球を、遊技領域116から遊技盤108の背面側に排出する排出口130が設けられている。また、第2遊技領域116bにも同様に遊技球を遊技盤108の背面側に排出する排出口131が設けられている。第2遊技領域116bを流下する遊技球のうち、第1大入賞口126に入賞しなかった遊技球が排出口131か排出され得る。
 
【0028】
  そして、遊技機100には、遊技の進行中等に演出を行う演出装置として、液晶表示装置からなる演出表示装置200、可動装置からなる演出役物装置202、さまざまな点灯態様や発光色に制御されるランプからなる演出照明装置204、スピーカからなる音声出力装置206、遊技者の操作を受け付ける演出操作装置208が設けられている。
 
【0029】
  演出表示装置200は、画像を表示する画像表示部からなる演出表示部200aを備えており、この演出表示部200aを、遊技盤108の略中央部分において、遊技機100の正面側から視認可能に配置している。この演出表示部200aには、図示のように演出図柄210a、210b、210cが変動表示される等、種々の演出が実行されることとなる。
 
【0030】
  演出役物装置202は、演出表示部200aよりも前面に配置され、通常、遊技盤108の背面側の原点位置において、複数の構成部材に分割された状態で退避しており、遊技者が視認できないようになっている。そして、上記の演出図柄210a、210b、210cの変動表示中などに、アクチュエータの駆動により、演出表示部200aの前面にある可動位置まで各構成部材が移動すると、演出表示部200aの前面で各構成部材が合体して、遊技者に大当たりの期待感を付与する。
 
【0031】
  演出照明装置204は、演出役物装置202や遊技盤108等に設けられており、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて、さまざまに点灯制御される。
 
【0032】
  音声出力装置206は、前枠106の上部位置や外枠102の最下部位置に設けられ、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて、遊技機100の正面側に向けてさまざまな音声を出力する。
 
【0033】
  演出操作装置208は、遊技者の押下操作を受け付けるボタンで構成され、遊技機100の幅方向略中央位置であって、かつ、透過板110よりも下方位置に設けられている。この演出操作装置208は、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて有効化されるものであり、操作有効時間内に遊技者の操作を受け付けると、当該操作に応じて、さまざまな演出が実行される。
 
【0034】
  なお、図中符号132は、遊技機100から払い出される賞球や、遊技球貸出装置から貸し出される遊技球が導かれる上皿であり、この上皿132が遊技球で一杯になると、遊技球は下皿134に導かれることとなる。また、この下皿134の底面には、当該下皿134から遊技球を排出するための球抜き孔(不図示)が形成されている。この球抜き孔は、通常、開閉板(不図示)によって閉じられているが、球抜きつまみ134aを押下することにより、当該球抜きつまみ134aと一体となって開閉板がスライドし、球抜き孔から下皿134の下方に遊技球を排出することが可能となっている。
 
【0035】
  また、遊技盤108には、遊技領域116の外方であって、かつ、遊技者が視認可能な位置に、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172が設けられている。これら各表示器160〜172は、遊技に係る種々の状況を表示するための装置であるが、その詳細については後述する。
 
【0036】
(制御手段の内部構成)
  
図3は、遊技の進行を制御する制御手段の内部構成を示すブロック図である。
 
【0037】
  主制御基板300は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板300は、メインCPU300a、メインROM300b、メインRAM300cを備えている。メインCPU300aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM300bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM300cは、メインCPU300aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
 
【0038】
  上記主制御基板300には、一般入賞口118に遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出スイッチ118s、第1始動口120に遊技球が入球したことを検出する第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口122に遊技球が入球したことを検出する第2始動口検出スイッチ122s、第3始動口123に遊技球が入球したことを検出する第3始動口検出スイッチ123s、ゲート124を遊技球が通過したことを検出するゲート検出スイッチ124s、第1大入賞口126に遊技球が入球したことを検出する第1大入賞口検出スイッチ126s、第2大入賞口128に遊技球が入球したことを検出する第2大入賞口検出スイッチ128sが接続されており、これら各検出スイッチから主制御基板300に検出信号が入力されるようになっている。
 
【0039】
  また、主制御基板300には、第2始動口122の可動片122bを作動する普通電動役物ソレノイド122cと、第1大入賞口126を開閉する開閉扉126bを作動する第1大入賞口ソレノイド126cと、第2大入賞口128を開閉する開閉扉128bを作動する第2大入賞口ソレノイド128cと、が接続されており、主制御基板300によって、第1始動口120、第1大入賞口126、第2大入賞口128の開閉制御がなされるようになっている。
 
【0040】
  さらに、主制御基板300には、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172が接続されており、主制御基板300によって、これら各表示器の表示制御がなされるようになっている。
 
【0041】
  また、本実施形態の遊技機100は、主に第1始動口120、第2始動口122または第3始動口123への遊技球の入球によって開始される特別遊技と、ゲート124を遊技球が通過することによって開始される普通遊技とに大別される。そして、主制御基板300のメインROM300bには、特別遊技および普通遊技を進行するための種々のプログラムや、各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
 
【0042】
  また、主制御基板300には、払出制御基板310および副制御基板330が接続されている。
 
【0043】
  払出制御基板310は、遊技球を発射させるための制御、および、賞球を払い出すための制御を行う。この払出制御基板310も、CPU、ROM、RAMを備えており、主制御基板300に対して双方向に通信可能に接続されている。この払出制御基板310には遊技情報出力端子板312が接続されており、主制御基板300から出力される遊技進行上の種々の情報が、払出制御基板310および遊技情報出力端子板312を介して、遊技店のホールコンピュータや、各遊技機100の近傍に設けられたデータ表示器等に出力されることとなる。ホールコンピュータは、遊技場に設置された複数の遊技機100の遊技情報出力端子板312から出力された遊技進行上の種々の情報、例えば、第1特別図柄表示器160において変動表示が停止されたことを示す信号、第2特別図柄表示器162において変動表示が停止されたことを示す信号、大役遊技の実行を示す大役遊技中信号、小当たり遊技の実行を示す小当たり遊技中信号、時短遊技状態を示す信号等を集計する。また、データ表示器は、1の遊技機100の遊技情報出力端子板312から出力された、第1特別図柄表示器160において変動表示が停止されたことを示す信号、第2特別図柄表示器162において変動表示が停止されたことを示す信号、大役遊技中信号、小当たり遊技中信号、時短遊技状態を示す信号を集計して、例えば、大役遊技の回数、小当たり遊技の回数、変動回数等を表示する。
 
【0044】
  また、払出制御基板310には、貯留部に貯留された遊技球を賞球として遊技者に払い出すための払出モータ314が接続されている。払出制御基板310は、主制御基板300から送信された払出個数指定コマンドに基づいて払出モータ314を制御して所定の賞球を遊技者に払い出すように制御する。このとき、払い出された遊技球数が払出球計数スイッチ316sによって検出され、払い出すべき賞球が遊技者に払い出されたかが把握されるようになっている。
 
【0045】
  また、払出制御基板310には、下皿134の満タン状態を検出する皿満タン検出スイッチ318sが接続されている。この皿満タン検出スイッチ318sは、賞球として払い出される遊技球を下皿134に導く通路に設けられており、当該通路を遊技球が通過するたびに、遊技球検出信号が払出制御基板310に入力されるようになっている。
 
【0046】
  そして、下皿134に所定量以上の遊技球が貯留されて満タン状態になると、下皿134に向かう通路内に遊技球が滞留し、皿満タン検出スイッチ318sから払出制御基板310に向けて、遊技球検出信号が連続的に入力される。払出制御基板310は、遊技球検出信号が所定時間連続して入力された場合に、下皿134が満タン状態であると判断し、皿満タンコマンドを主制御基板300に送信する。一方、皿満タンコマンドを送信した後、遊技球検出信号の連続入力が途絶えた場合には、満タン状態が解除されたと判断し、皿満タン解除コマンドを主制御基板300に送信する。
 
【0047】
  また、払出制御基板310には、発射制御基板320が双方向に通信可能に接続されている。この発射制御基板320は、払出制御基板310から発射制御データを受信すると発射の許可を行う。この発射制御基板320には、操作ハンドル112に設けられ、当該操作ハンドル112に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ112sと、操作ハンドル112の操作角度を検出する操作ボリューム112aと、が接続されている。そして、タッチセンサ112sおよび操作ボリューム112aから信号が入力されると、発射制御基板320において、遊技球発射装置に設けられた発射用ソレノイド112cを通電して遊技球を発射させる制御がなされる。
 
【0048】
  副制御基板330は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この副制御基板330は、サブCPU330a、サブROM330b、サブRAM330cを備えており、主制御基板300に対して、当該主制御基板300から副制御基板330への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU330aは、主制御基板300から送信されたコマンドやタイマからの入力信号等に基づいて、サブROM330bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、演出を実行制御する。このとき、サブRAM330cは、サブCPU330aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
 
【0049】
  具体的には、副制御基板330では、サブCPU330a、サブROM330b、サブRAM330cが協働して、サブメイン、画像制御部、役物制御部、照明制御部、音声制御部として機能する。サブメインは、各種入力コマンドに応じて、実行する演出の内容を決定したり、演出の実行を管理、統括したりする。画像制御部は、上記演出表示部200aに画像を表示させる画像表示制御を行う。サブROM330bには、演出表示部200aに表示される図柄や背景、字幕等の画像データが多数格納されており、画像制御部が、画像データをサブROM330bから不図示のVRAMに読み出して、演出表示部200aの画像表示を制御する。
 
【0050】
  また、役物制御部は、サブメインによる演出の管理にしたがってアクチュエータを駆動し、演出役物装置202を可動制御する。照明制御部は演出照明装置204を点灯制御する。また、音声制御部は、上記音声出力装置206から音声を出力させる音声出力制御を行う。サブROM330bには、音声出力装置206から出力される音声や楽曲等の音声データが多数格納されており、音声制御部が、音声データをサブROM330bから読み出して、音声出力装置206の音声出力を制御する。
 
【0051】
  さらに、副制御基板330では、演出操作装置208が押下操作または回転操作されたことを検出する演出操作装置検出スイッチ208sから操作検出信号が入力された際に、所定の演出を実行する。
 
【0052】
  なお、各基板には、不図示の電源基板が接続されており、電源基板を介して商用電源から各基板に電力供給がなされている。また、電源基板にはコンデンサからなるバックアップ電源が設けられている。
 
【0053】
  次に、本実施形態の遊技機100における遊技について、メインROM300bに記憶されている各種テーブルと併せて説明する。
 
【0054】
  前述したように、本実施形態の遊技機100は、特別遊技と普通遊技の2種類の遊技が並行して進行するものである。特別遊技は、低確率遊技状態および高確率遊技状態のいずれかの遊技状態にて遊技が進行し、普通遊技は、非時短遊技状態または時短遊技状態のいずれかの遊技状態にて遊技が進行する。
 
【0055】
  各遊技状態の詳細については後述するが、低確率遊技状態というのは、大入賞口が開放される大役遊技を実行する権利獲得の確率が低く設定された遊技状態であり、高確率遊技状態というのは、大役遊技を実行する権利獲得の確率が高く設定された遊技状態である。また、時短遊技状態というのは、可動片120bが開状態になりやすく、第2始動口122に遊技球が入球しやすい遊技状態である。また、非時短遊技状態というのは、時短遊技状態よりも可動片122bが開状態になりにくく、時短遊技状態と比較して第2始動口122に遊技球が入球し難い遊技状態である。なお、時短遊技状態では、遊技中に第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射し続けている場合に、僅かに遊技球が減少するか、遊技球が殆ど減少しないように設定されている。
 
【0056】
  上記のように、特別遊技と普通遊技とは同時並行して進行することから、本実施形態では、低確率遊技状態または高確率遊技状態と、非時短遊技状態、中時短遊技状態、時短遊技状態のいずれかとが組み合わされた遊技状態となる。以下では、理解を容易とするため、特別遊技に係る遊技状態、すなわち、低確率遊技状態および高確率遊技状態を特別遊技状態と呼び、普通遊技に係る遊技状態、すなわち、非時短遊技状態および時短遊技状態を普通遊技状態と呼ぶ場合がある。遊技機100の初期状態は、低確率遊技状態および非時短遊技状態に設定されている。
 
【0057】
  遊技者が操作ハンドル112を操作して遊技領域116に遊技球を発射させるとともに、遊技領域116を流下する遊技球が第1始動口120、第2始動口122または第3始動口123に入球すると、遊技者に遊技利益を付与するか否かの抽選(以下、「大役抽選」という)が行われる。この大役抽選において、大当たりに当選すると、大入賞口が開放されるとともに当該大入賞口への遊技球の入球が可能となる大役遊技が実行され、また、当該大役遊技の終了後の遊技状態が、上記のいずれかの遊技状態に設定される。以下では、大役抽選方法について説明する。
 
【0058】
  なお、詳しくは後述するが、第1始動口120、第2始動口122または第3始動口123に遊技球が入球すると、大役抽選に係る種々の乱数値(大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、変動パターン乱数)が取得されるとともに、これら各乱数値がメインRAM300cの特図保留記憶領域に記憶される。以下では、第1始動口120に遊技球が入球して特図保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して特1保留とよび、第2始動口122または第3始動口123に遊技球が入球して特図保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して特2保留とよぶ。また、遊技球の入球により特1保留の取得契機が生じる第1始動口120を特1用始動口と称し、遊技球の入球により特2保留の取得契機が生じる第2始動口122および第3始動口123を特2用始動口と称する場合がある。
 
【0059】
  メインRAM300cの特図保留記憶領域は、第1特図保留記憶領域と第2特図保留記憶領域とを備えている。第1特図保留記憶領域および第2特図保留記憶領域は、それぞれ4つの記憶部(第1〜第4記憶部)を有している。そして、第1始動口120に遊技球が入球すると、特1保留を第1特図保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶し、第2始動口122または第3始動口123に遊技球が入球すると、特2保留を第2特図保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶する。
 
【0060】
  例えば、第1始動口120に遊技球が入球したとき、第1特図保留記憶領域の第1〜第4記憶部のいずれにも保留が記憶されていない場合には、第1記憶部に特1保留を記憶する。また、例えば、第1記憶部〜第3記憶部に特1保留が記憶されている状態で、第1始動口120に遊技球が入球した場合には、特1保留を第4記憶部に記憶する。また、第2始動口122または第3始動口123に遊技球が入球した場合にも、上記と同様に、第2特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部の中で、特2保留が記憶されていない、最も番号(序数)の小さい記憶部に特2保留が記憶される。
 
【0061】
  ただし、第1特図保留記憶領域および第2特図保留記憶領域に記憶可能な特1保留数(X1)および特2保留数(X2)は、それぞれ4つに設定されている。したがって、例えば、第1始動口120に遊技球が入球したときに、第1特図保留記憶領域に既に4つの特1保留が記憶されている場合には、当該第1始動口120への遊技球の入球によって新たに特1保留が記憶されることはない。同様に、第2始動口122または第3始動口123に遊技球が入球したときに、第2特図保留記憶領域に既に4つの特2保留が記憶されている場合には、当該第2始動口122または第3始動口123への遊技球の入球によって新たに特2保留が記憶されることはない。
 
【0062】
  図4は、大当たり決定乱数判定テーブルを説明する図である。第1始動口120、第2始動口122または第3始動口123に遊技球が入球すると、0〜65535の範囲内から1つの大当たり決定乱数が取得される。そして、大役抽選を開始するとき、すなわち、大当たりの判定を行うときの遊技状態に応じて大当たり決定乱数判定テーブルが選択され、当該選択された大当たり決定乱数判定テーブルと取得された大当たり決定乱数とによって大役抽選が行われる。
 
【0063】
  低確率遊技状態において特1保留について大役抽選を開始する場合には、
図4(a)に示すように、低確時大当たり決定乱数判定テーブル1が参照される。この低確時大当たり決定乱数判定テーブル1によれば、大当たり決定乱数が10001〜10205であった場合に大当たりと判定し、大当たり決定乱数が0〜10000、42730〜65535であった場合に小当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/319.6、小当たり確率は約160/319.6となる。
 
【0064】
  また、高確率遊技状態において特1保留について大役抽選を開始する場合には、
図4(b)に示すように、高確時大当たり決定乱数判定テーブル1が参照される。この高確時大当たり決定乱数判定テーブル1によれば、大当たり決定乱数が10001〜10874であった場合に大当たりと判定し、大当たり決定乱数が0〜10000、31851〜65535であった場合に小当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/75.0、小当たり確率は約50/75.0となる。
 
【0065】
  また、低確率遊技状態において特2保留について大役抽選を開始する場合には、
図4(c)に示すように、低確時大当たり決定乱数判定テーブル2が参照される。この低確時大当たり決定乱数判定テーブル2によれば、大当たり決定乱数が10001〜10205であった場合に大当たりと判定し、大当たり決定乱数が0〜10000、10206〜65534であった場合に小当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、
図4(a)に示す低確時大当たり決定乱数判定テーブル1と同様に、大当たり確率は約1/319.6、小当たり確率は約318/319.6となる。
 
【0066】
  また、高確率遊技状態において特2保留について大役抽選を開始する場合には、
図4(d)に示すように、高確時大当たり決定乱数判定テーブル2が参照される。この高確時大当たり決定乱数判定テーブル2によれば、大当たり決定乱数が10001〜10874であった場合に大当たりと判定し、大当たり決定乱数が0〜10000、10875〜65534であった場合に小当たりと判定し、大当たり決定乱数が65535であった場合にハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/75.0であり、小当たり確率は約73.9/75.0となる。
 
【0067】
  図5は、当たり図柄乱数判定テーブルおよび小当たり図柄乱数判定テーブルを説明する図である。第1始動口120、第2始動口122または第3始動口123に遊技球が入球すると、0〜99の範囲内から1つの当たり図柄乱数が取得される。そして、上記の大役抽選により「大当たり」の判定結果が導出された場合に、取得している当たり図柄乱数と当たり図柄乱数判定テーブルとによって、特別図柄の種別が決定される。このとき、特1保留によって「大当たり」に当選した場合には、
図5(a)に示すように、特1用当たり図柄乱数判定テーブルaが選択され、特2保留によって「大当たり」に当選した場合には、
図5(b)に示すように、特2用当たり図柄乱数判定テーブルbが選択される。また、特1保留によって「小当たり」に当選した場合には、
図5(c)に示すように、特1用小当たり図柄乱数判定テーブルaが選択され、特2保留によって「小当たり」に当選した場合には、
図5(d)に示す特2用小当たり図柄乱数判定テーブルbが選択される。
 
【0068】
  以下では、当たり図柄乱数によって決定される特別図柄、すなわち、大当たりの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄を大当たり図柄と呼び、小当たりの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄を小当たり図柄と呼び、ハズレの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄をハズレ図柄と呼ぶ。
 
【0069】
  図5(a)に示す特1用当たり図柄乱数判定テーブルaによれば、取得した当たり図柄乱数の値に応じて、図示のとおり、大当たり図柄として特別図柄A,B,Cが決定される。また、
図5(b)に示す特2用当たり図柄乱数判定テーブルbによれば、取得した当たり図柄乱数の値に応じて、図示のとおり、大当たり図柄として特別図柄D,E,Fが決定される。また、
図5(c)に示す特2用小当たり図柄乱数判定テーブルaによれば、取得した当たり図柄乱数の値に応じて、図示のとおり、小当たり図柄として特別図柄Z1,Z2,Z3が決定される。また、
図5(d)に示す特2用小当たり図柄乱数判定テーブルbによれば、取得した当たり図柄乱数の値に応じて、図示のとおり小当たり図柄として特別図柄Z4,Z5,Z6が決定される。
 
【0070】
  このように、遊技機100では、大役抽選が特1保留に基づいている場合、特別図柄A〜Cおよび特別図柄Z1〜Z3(第一特別図柄の一例)が決定され得る。また、大役抽選が特2保留に基づいている場合、特別図柄D〜Fおよび特別図柄Z4〜Z6(第二特別図柄の一例)が決定され得る。
 
【0071】
  なお、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に、当該抽選結果が特1保留によって導出されたときは、抽選を行うことなくハズレ図柄として特別図柄Xが決定され、当該抽選結果が特2保留によって導出されたときは、抽選を行うことなくハズレ図柄として特別図柄Yが決定される。つまり、当たり図柄乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「大当たり」であった場合にのみ参照され、大役抽選結果が「ハズレ」または「小当たり」であった場合に参照されることはない。また、小当たり図柄乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「小当たり」であった場合にのみ参照され、大役抽選結果が「大当たり」または「ハズレ」であった場合に参照されることはない。なお、小当たり図柄である特別図柄Z1〜Z6をまとめて単に特別図柄Zともよぶ。
 
【0072】
  図6(a)は、変動パターン乱数判定テーブルを説明する図であり、
図6(b)は変動時間決定テーブルを説明する図である。なお、変動パターン乱数判定テーブルは、保留種別、大役抽選の結果(特別図柄種別)、遊技状態、変動回数、さらには保留数ごとに複数設けられているが、ここでは、任意の変動パターン乱数判定テーブルxについて説明する。上記のようにして特別図柄の種別が決定されると、
図6(a)に示すような変動パターン乱数判定テーブルと、第1始動口120、第2始動口122または第3始動口123に遊技球が入球したときに取得した0〜238の範囲の変動パターン乱数とに基づいて、いずれかの変動パターン番号が決定される。この変動パターン番号には、
図6(b)に示すように、それぞれ変動時間が対応付けられている。この変動時間というのは、決定された特別図柄を、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に停止表示させるまでの時間である。
 
【0073】
  詳しくは後述するが、特1保留に基づいて特別図柄が決定されるとともに、変動パターン番号すなわち変動時間が決定されると、当該決定された変動時間に亘って第1特別図柄表示器160において図柄の変動表示が行われ、変動時間が経過すると、第1特別図柄表示器160に、決定された特別図柄が停止表示される。また、特2保留に基づいて特別図柄が決定されるとともに、変動パターン番号すなわち変動時間が決定されると、当該決定された変動時間に亘って第2特別図柄表示器162において図柄の変動表示が行われ、変動時間が経過すると、第2特別図柄表示器162に、決定された特別図柄が停止表示される。このとき、ハズレ図柄が第1特別図柄表示器160に停止表示されることで、大役抽選の結果としてハズレが確定し、次の特1保留に基づく大役抽選が実行可能となり、ハズレ図柄が第2特別図柄表示器162に停止表示されることで、大役抽選の結果としてハズレが確定し、次の特2保留に基づく大役抽選が実行可能となる。一方、大当たり図柄が第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に停止表示されると、大役抽選の結果として大当たりが確定し、大役遊技が実行され、小当たり図柄が第2特別図柄表示器162に停止表示されると、大役抽選の結果として小当たりが確定し、小当たり遊技が実行されることとなる。
 
【0074】
  また、詳しくは後述するが、本実施形態による遊技機100では、第1特別図柄表示器160における図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示とが、同時並行して実行可能である。
 
【0075】
  このように、変動時間は、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示の時間、換言すれば、大役抽選の結果を確定させるまでの時間を規定するものとなるが、この変動時間を決定するための変動パターン乱数判定テーブルは、保留種別、大役抽選の結果(特別図柄種別)、遊技状態等に応じて複数設けられている。これにより、取得した変動パターン乱数の値が同一であったとしても、選択する変動パターン乱数判定テーブルによって、異なる変動パターン番号、すなわち、変動時間が決定されることとなる。
 
【0076】
  以上のようにして変動パターン番号が決定されると、当該決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが副制御基板330に送信される。副制御基板330においては、受信した変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の態様が決定されることとなるが、その詳細については説明を省略する。
 
【0077】
  図7は、遊技状態および変動時間を説明する図である。上述のように、特別遊技状態と普通遊技状態とが組み合わされて1の遊技状態となり、設定中の遊技状態に応じて遊技の進行制御がなされる。既に説明したように、特別遊技状態は、大当たりの当選確率を異にする低確率遊技状態および高確率遊技状態の2種類が設けられている。また、普通遊技状態は、互いに第2始動口122への遊技球の入球容易性(入球頻度)を異にする非時短遊技状態および時短遊技状態の2種類が設けられている。
 
【0078】
  ここで、普通遊技において、第2始動口122への遊技球の入球容易性は、当選確率、変動時間、開放時間の3つの要素によって決定される。詳しくは後述するが、普通遊技では、ゲート124を遊技球が通過すると普図保留が記憶される。そして、記憶された普図保留に基づいて、可動片120bを開放するか否かを決定する普図抽選が行われる。この普図抽選の結果は、所定の変動時間が経過したところで確定する。普図抽選の結果として当たりが確定すると、可動片120bが開放される。このとき、普図抽選における当選確率、変動時間、および、可動片122bを開放する際の開放時間が、それぞれ普通遊技状態ごとに設定されている。
 
【0079】
  本実施形態では、
図7(a)に示すように、特別遊技状態および普通遊技状態の組み合わせにより4種類の遊技状態が設けられる。遊技機100の初期状態は、低確率遊技状態および非時短遊技状態となっている。なお、非時短遊技状態では、普図抽選における当選確率が低く、変動時間が長く、可動片122bの開放時間が短い。以下では、低確率遊技状態および非時短遊技状態が組み合わされた遊技状態を通常状態と呼ぶ。
 
【0080】
  また、本実施形態では、高確率遊技状態および非時短遊技状態に設定される場合があり、この両者が組み合わされた遊技状態を最優位状態と呼ぶ。なお、この最優位状態は、4つの遊技状態の中で最も有利度合いが高く、適切に遊技球を発射していると、大当たりに当選せずとも、遊技中に徐々に遊技球が増加していくように設定されている。
 
【0081】
  また、本実施形態では、低確率遊技状態および時短遊技状態に設定される場合がある。なお、時短遊技状態では、普図抽選における当選確率が高く、変動時間が短く、可動片122bの開放時間が長い。以下では、低確率遊技状態および時短遊技状態が組み合わされた遊技状態を時短状態と呼ぶ。
 
【0082】
  また、本実施形態では、高確率遊技状態および時短遊技状態に設定される場合がある。以下では、高確率遊技状態および時短遊技状態が組み合わされた遊技状態を確率変動状態(確変状態)と呼ぶ。なお、副制御基板330においては、主制御基板300で設定されている遊技状態に対応する演出モードが設定される。演出モードというのは、演出表示部200aに表示される背景画像やBGM等を規定するものであり、演出モードごとに、演出の内容が異なっている。したがって、遊技者は、例えば各演出モードにおける演出内容の違いによって、現在の遊技状態を識別することができる。
 
【0083】
  以上のように、本実施形態では、4つの遊技状態が設けられている。そして、
図7(b)に示すように、大役抽選が行われたときの保留種別、図柄の種別等に応じて、変動パターン乱数判定テーブルが選択され、選択した変動パターン乱数判定テーブルを参照して変動パターン番号が決定される。
 
【0084】
  ここで、遊技機100では、遊技状態ごとに、実質変動対象が設定されている。実質変動対象というのは、本来、大役抽選を行うべき保留の種別を示しており、遊技状態ごとに、特1保留および特2保留のいずれかが実質変動対象に設定されている。例えば通常状態では、特1保留が実質変動対象に設定されている。したがって、通常状態では、遊技者は、第1始動口120に遊技球を入球させるべく、第1遊技領域116aに向けて遊技球を発射させる必要がある。
 
【0085】
  通常状態において、実質変動対象である特1保留によって大役抽選が行われ、ハズレ図柄または小当たり図柄が決定されると、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルAが選択される。このテーブルAによれば、3〜100秒の範囲内で変動時間が決定される。また、通常状態において、特1保留によって大役抽選が行われ、大当たり図柄が決定されると、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルBが選択される。このテーブルBによれば、40〜100秒の範囲内で変動時間が決定される。
 
【0086】
  一方、通常状態において、実質変動対象ではない特2保留によって大役抽選が行われた場合には、決定された図柄種別に拘わらず、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルCが選択される。このテーブルCによれば、変動時間が例えば10分に決定される。このように、変動時間を10分といった長時間に設定することで、通常状態では、仮に遊技者が第2始動口122または第3始動口123に遊技球を入球させたとしても、特2保留に基づく大役抽選の実行機会が極めて少なくなる。
 
【0087】
  具体的に説明すると、第2遊技領域116bには、第2始動口122および第3始動口123が設けられており、また、第3始動口123は、常に遊技球が入球可能となる固定始動口で構成されている。さらに、遊技機100の遊技性により、第3始動口123は、第1始動口120よりも、容易に遊技球が入球する位置に配されている。このため、仮に、通常状態において、特2保留に係る変動時間を短時間としてしまうと、大役抽選の機会が必要以上に遊技者に与えられてしまう。そこで、通常状態における本来の遊技性に則り、適切に第1遊技領域116aに向けて遊技球を発射させるべく、特2保留に係る変動時間を特1保留に係る変動時間と比較して長時間(例えば10分)に設定している。
 
【0088】
  最優位状態では、特2保留が実質変動対象に設定されている。したがって、最優位状態では、遊技者は、第2始動口122または第3始動口123に遊技球を入球させるべく、第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射させる必要がある。最優位状態において、実質変動対象ではない特1保留によって大役抽選が行われた場合には、決定された図柄種別に拘わらず、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルDが選択される。このテーブルDによれば、変動時間が10分に決定される。最優位状態において、固定始動口である第1始動口120への遊技球の入球を契機とした特1保留に係る変動時間を短時間としてしまうと、大役抽選の機会が必要以上に遊技者に与えられてしまう。そこで、最優位状態における本来の遊技性に則り、適切に第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射させるべく、特1保留に係る変動時間を10分といった長時間に設定している。
 
【0089】
  また、
図7(b)に示すように、最優位状態において、実質変動対象である特2保留によって大役抽選が行われ、ハズレ図柄または小当たり図柄が決定されると、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルEが選択される。このテーブルEによれば、0.2秒または10秒の変動時間が決定される。また、最優位状態において、特2保留によって大役抽選が行われ、大当たり図柄が決定されると、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルFが選択される。このテーブルFによれば、変動時間が必ず10秒に決定される。
 
【0090】
  また、時短状態、および確変状態でも、特2保留が実質変動対象に設定されている。したがって、これら2つの遊技状態では、遊技者は、最優位状態と同様に第2始動口122または第3始動口123に遊技球を入球させるべく、第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射させる必要がある。これら2つの遊技状態は、普通遊技状態が時短遊技状態である点で共通している。時短遊技状態中には、普図抽選における当選確率が高く、変動時間が短く、可動片122bの開放時間が長い。このため、遊技機100では、第2遊技領域116bに向けて発射された遊技球は、その多くが第2始動口122に入球する。
 
【0091】
  時短状態において、実質変動対象ではない特1保留によって大役抽選が行われ、ハズレ図柄または小当たり図柄が決定されると、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルGが選択される。このテーブルGによれば、1〜30秒の範囲内で変動時間が決定される。また、時短状態において、特1保留によって大役抽選が行われ、大当たり図柄が決定されると、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルHが選択される。このテーブルHによれば、変動時間が100秒に決定される。一方、時短状態において、実質変動対象である特2保留によって大役抽選が行われた場合には、決定された図柄種別に拘わらず、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルIが選択される。このテーブルIによれば、1〜30秒の範囲内で変動時間が決定される。
 
【0092】
  確変状態において、実質変動対象ではない特1保留によって大役抽選が行われ、ハズレ図柄または小当たり図柄が決定されると、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルJが選択される。このテーブルJによれば、3〜100秒の範囲内で変動時間が決定される。また、時短状態において、特1保留によって大役抽選が行われ、大当たり図柄が決定されると、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルKが選択される。このテーブルKによれば、変動時間が40〜100秒の範囲で決定される。一方、確変状態において、実質変動対象である特2保留によって大役抽選が行われた場合には、決定された図柄種別に拘わらず、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルLが選択される。このテーブルLによれば、1〜30秒の範囲内で変動時間が決定される。
 
【0093】
  以上のように、本実施形態による遊技機100では、所定条件が成立していない場合の第1特別図柄表示器160(第一図柄表示手段の一例)および第2特別図柄表示器162(第二図柄表示手段の一例)の何れか一方における特別図柄の変動表示の時間を、所定条件が成立している場合における最長の変動表示の時間よりも長い時間に決定可能である。ここで、所定条件の成立とは、遊技状態ごとに設定された実質変動対象に基づく大役抽選が行われたことをいう。
 
【0094】
  実質変動対象としての保留種別に基づく大役抽選が行われた場合(所定条件が成立している場合)には、最長でも変動時間が100秒の特別図柄の変動表示(短変動)が実行される。一方、実質変動対象ではない保留種別に基づく大役抽選が行われた場合(所定条件が成立していない場合)には、保留種別に基づく大役抽選が行われた場合の最長の変動時間(本例では100秒)よりも長い変動時間の変動表示(長変動)が実行される。より具体的には、遊技機100では、実質変動対象ではない保留種別に基づく大役抽選が行われ、かつ遊技状態が通常状態または最優位状態である場合に長変動が実行される。これにより、遊技機100は、本来の遊技性に反した遊技が行われることを防止できる。ただし、遊技状態が時短状態または確変状態である場合は、実質変動対象ではない保留種別に基づく大役抽選(特1保留による抽選)が実行されても長変動は実行されない。
 
【0095】
  図8は、特別電動役物作動ラムセットテーブルを説明する第1の図であり、
図9は、特別電動役物作動ラムセットテーブルを説明する第2の図である。なお、特別電動役物作動ラムセットテーブルは、大役遊技または小当たり遊技を制御するための各種データが記憶されたものであり、大役遊技中および小当たり遊技中は、特別電動役物作動ラムセットテーブルを参照して、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cが通電制御される。なお、実際は、特別電動役物作動ラムセットテーブルは、特別図柄(大当たり図柄および小当たり図柄)の種別ごとに複数設けられており、決定された特別図柄の種別に応じて、対応するテーブルが大役遊技または小当たり遊技の開始時にセットされるが、ここでは、説明の都合上、図柄の種別ごとに特別図柄の制御データを示す。
 
【0096】
  図8に示すように、大役遊技は、第1大入賞口126が所定回数開閉される複数回のラウンド遊技で構成され、小当たり遊技は、第2大入賞口128が所定回数開閉される1回の遊技で構成される。この特別電動役物作動ラムセットテーブルによれば、オープニング時間(最初のラウンド遊技が開始されるまでの待機時間)、特別電動役物最大作動回数(1回の大役遊技または小当たり遊技中に実行されるラウンド遊技の回数)、特別電動役物開閉切替回数(1ラウンド中の大入賞口の開放回数)、ソレノイド通電時間(大入賞口の開放回数ごとの第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電時間、すなわち、1回の大入賞口の開放時間)、規定数(1回のラウンド遊技または小当たり遊技における大入賞口への最大入賞可能数)、大入賞口閉鎖有効時間(ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖時間、すなわち、インターバル時間)、エンディング時間(最後のラウンド遊技または小当たり遊技が終了してから、通常の特別遊技(後述する図柄の変動表示)が再開されるまでの待機時間)が、制御データとして、特別図柄の種別ごとに、図示のように予め記憶されている。
 
【0097】
  なお、特1保留によって大当たりに当選し、大当たり図柄として特別図柄Aまたは特別図柄Cが決定された場合には、いずれも6回のラウンド遊技で構成される大役遊技が実行される。各大役遊技においては、1〜6回目のラウンド遊技において第1大入賞口126が1回のみ開放される。各ラウンド遊技では、第1大入賞口126が最大で29.0秒開放され、この間に規定数の遊技球が入球するか、または、最大開放時間(29.0秒)が経過すると、第1大入賞口126が閉鎖されて1回のラウンド遊技が終了となる。
 
【0098】
  また、特1保留によって大当たりに当選し、大当たり図柄として特別図柄Bが決定された場合は、7回のラウンド遊技で構成される大役遊技が実行される。各大役遊技においては、1〜7回目のラウンド遊技において第1大入賞口126が1回のみ開放される。各ラウンド遊技では、大当たり図柄として特別図柄Aまたは特別図柄Cが決定された場合と同様に、第1大入賞口126が最大で29.0秒開放され、この間に規定数の遊技球が入球するか、または、最大開放時間(29.0秒)が経過すると、第1大入賞口126が閉鎖されて1回のラウンド遊技が終了となる。
 
【0099】
  また、特1保留によって小当たりに当選し、小当たり図柄として特別図柄Z1〜Z3が決定された場合には、第2大入賞口128が1回開閉される小当たり遊技が実行される。より具体的には、特1保留によって小当たりに当選した場合の小当たり遊技では、第2大入賞口128が0.1秒×1回開放される。
 
【0100】
  また、
図9に示すように、特2保留によって大当たりに当選し、大当たり図柄として特別図柄D、Fが決定された場合には、7回のラウンド遊技で構成される大役遊技が実行される。この大役遊技においては、1〜7回目のラウンド遊技において第1大入賞口126が1回のみ開放される。また、特2保留によって大当たりに当選し、大当たり図柄として特別図柄Eが決定された場合には、16回のラウンド遊技で構成される大役遊技が実行される。この大役遊技においては、1〜16回目のラウンド遊技において第1大入賞口126が1回のみ開放される。各ラウンド遊技では、第1大入賞口126が最大で29.0秒開放され、この間に規定数の遊技球が入球するか、または、最大開放時間(29.0秒)が経過すると、第1大入賞口126が閉鎖されて1回のラウンド遊技が終了となる。
 
【0101】
  このように、本実施形態による遊技機100では、特1保留による大当たり(特1大当たり)時の大役遊技を構成するラウンド遊技の最大回数(本例では7回)は、特2保留による大当たり(特2大当たり)時の大役遊技を構成するラウンド遊技の最大回数(本例では16回)よりも少なく設定されている。このため、遊技機100は、特1大当たり時と特2大当たり時とで遊技者が獲得可能な賞球数に差がつく(特1大当たり時の方が特2大当たり時よりも賞球数が少ない)ように構成される。
 
【0102】
  なお、遊技機100は、特1大当たり時において、特2大当たり時のラウンド遊技の最大回数と同数のラウンド遊技が実行されるように構成されてもよい。このとき、特1大当たりでのラウンド遊技では、短い開放時間(29.0秒未満)での第1大入賞口126の開放を行う短開放が多く設定され、長開放(29.0秒での第1大入賞口126の開放)は少なく設定されてもよい。これにより、特1大当たりと特2大当たりとでラウンド遊技の最大回数が同じ場合も、特1大当たり時と特2大当たり時とで遊技者が獲得可能な賞球数に差を出す(特1大当たり時の方が特2大当たり時よりも賞球数を少なくする)ことができる。
 
【0103】
  また、特1大当たり時において、特2大当たり時のラウンド遊技の最大回数と同数のラウンド遊技が実行される場合に、特1大当たり時と特2大当たり時とで遊技者の有利度、すなわち遊技者の獲得可能な賞球数が同程度であってもよい。この場合、特1大当たり時は、特2大当たり時と比較して、最大回数のラウンド遊技に対応する特別図柄が選択される確率が、最大回数よりも少ない回数のラウンド遊技に対応する特別図柄が選択される確率よりも低く設定される。特1大当たり時において最大回数のラウンド遊技が実行される確率が特2大当たり時よりも低いことで、特1大当たりと特2大当たりとで最大回数のラウンド遊技での遊技者の有利度が同等であっても、特1大当たり時と特2大当たり時とで遊技者が獲得可能な賞球数に差を出すことができる。
 
【0104】
  また、特2保留によって小当たりに当選し、小当たり図柄として特別図柄Z4〜Z6が決定された場合は、第2大入賞口128が所定回数に亘り開閉される小当たり遊技が実行される。ここで、小当たり図柄として特別図柄Z4が決定された場合の小当たり遊技では、第2大入賞口128が0.1秒×2回開放される。なお、第2大入賞口128の2回の開放の間の休止時間である小当たり中インターバル時間は、1.78秒に設定されている。遊技球は最短で0.6秒間隔で発射されるため、第2大入賞口128の開放時間と、遊技球の発射間隔とから考えると、この小当たり遊技中に遊技球が第2大入賞口128に入球する確率は低い。
 
【0105】
  しかしながら、本実施形態では、第2大入賞口128を閉状態に維持する開閉扉128b上に遊技球が滞留しやすい構造となっており、開閉扉128bが開状態に変移することで、開閉扉128b上に滞留する遊技球が第2大入賞口128内に導かれる。そのため、第2大入賞口128の0.1秒×2回の開放により、平均で2〜3個の遊技球が第2大入賞口128に入球することとなる。
 
【0106】
  また、小当たり図柄として特別図柄Z5が決定された場合の小当たり遊技では、第2大入賞口128が0.1秒×3回開放される。なお、この場合の小当たり中インターバル時間は、0.84秒に設定されている。この小当たり遊技においては、平均で3〜4個の遊技球が第2大入賞口128に入球する。
 
【0107】
  さらに、小当たり図柄として特別図柄Z6が決定された場合の小当たり遊技では、第2大入賞口128が0.1秒×12回開放される。なお、この場合の小当たり中インターバル時間は、0.84秒に設定されている。この小当たり遊技においては、第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射し続けることにより、ほぼ確実に規定数(例えば8個)の遊技球を第2大入賞口128に入球させることができる。
 
【0108】
  ここで、
図5(d)に示すように、特別図柄Z4〜Z6の選択比率は、49:49:2となっている。したがって、小当たり図柄として特別図柄Z6が決定される確率、すなわち第2大入賞口128の最大開放時間が長く、最も多量の賞球を獲得可能な小当たり遊技が実行される確率は低い。つまり、特別図柄Z6は、遊技者にとって希少なものであり、大当たりに次いで賞球数が多い特典として位置付けられている。したがって、特別図柄Z4、Z5に当選した場合に、図柄の変動表示中や小当たり遊技中において、特別図柄Z6に当選した場合と同一または近似した内容の演出を実行し、特別図柄Z6に当選するかもしれないといった期待感を遊技者に付与するとよい。また、特別図柄Z6に当選した場合に、特別図柄Z4、Z5に当選した場合の演出をまず行い、その後、恰も特別図柄が昇格したかのような演出を行ってもよい。このような演出を行うことで、遊技の単調さが解消され、演出効果を向上することができる。
 
【0109】
  このように、本実施形態による遊技機100において、大役抽選が特2保留に基づいている場合に決定され得る特別図柄には、第2大入賞口の開放条件が異なる複数の小当たり図柄が含まれる。この複数の小当たり図柄には、例えば所定の態様で第2大入賞口128を開放する第一開放条件に対応する小当たり図柄である特別図柄Z4,Z5(第一小当たり図柄の一例)と、所定の態様よりも遊技者に有利な態様で第2大入賞口を開放する第二開放条件に対応する小当たり図柄である特別図柄Z6(第二の小当たり図柄の一例)を少なくとも含む複数の小当たり図柄が含まれる。
 
【0110】
  また、詳しくは後述するが、本実施形態による遊技機100において小当たり遊技中における第2大入賞口128への遊技球の入球が容易であって、遊技者が小当たり遊技によって賞球を獲得し得るのは、遊技状態が最優位状態(特定遊技状態の一例)の場合のみである。他の遊技状態の場合、第2大入賞口128への遊技球の入球が困難であるため、小当たり遊技による賞球の獲得が困難である。したがって、小当たり図柄として特別図柄Z6が決定された場合に、遊技者が多量の賞球を獲得し得るのは、遊技状態が最優位状態である場合である。
 
【0111】
  また、遊技機100の設計段階では、遊技球の発射球数と、払い出された賞球数との比率である発射賞球比率を厳密に管理、調整する必要がある。そのため、本実施形態では、小当たり遊技において0.1秒の開放が2回なされる特別図柄Z1と、小当たり遊技において0.1秒の開放が3回なされる特別図柄Z2とを設け、これらの選択比率を変更するだけで、発射賞球比率を容易に調整、変更することができるようにしている。
 
【0112】
  図10は、大役遊技の終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブルを説明する図である。
図10に示すとおり、特別図柄A、Dが決定された場合には、大役遊技の終了後に遊技状態が時短状態(特別遊技状態が低確率遊技状態、普通遊技状態が時短遊技状態)に設定される。時短状態では時短遊技状態の継続回数(以下、「時短回数」という)は、50回に設定される。時短状態において、時短遊技状態の継続回数に達すると、遊技状態は通常状態(特別遊技状態が低確率遊技状態、普通遊技状態が非時短遊技状態)に遷移する。ただし、継続回数に到達するまでの間に大当たりに当選した場合には、再度、遊技状態の設定が行われることとなる。
 
【0113】
  また、特別図柄B,Eが決定された場合には、大役遊技の終了後に遊技状態が最優位状態(特別遊技状態が高確率遊技状態、普通遊技状態が非時短遊技状態)に設定される。最優位状態では、高確率遊技状態が次に大当たりに当選するまでの期間継続されるように設定される。最優位状態中に大当たりに当選した場合には、再度、遊技状態の設定が行われることとなる。
 
【0114】
  また、特別図柄C,Fが決定された場合には、大役遊技の終了後に遊技状態が確変状態(特別遊技状態が高確率遊技状態、普通遊技状態が時短遊技状態)に設定される。確変状態では、高確率遊技状態および時短遊技状態が次に大当たりに当選するまでの期間継続される。したがって、確変状態における時短回数は大当たりに当選するまでの期間に応じて異なる。また、確変状態中に大当たりに当選した場合には、再度、遊技状態の設定が行われることとなる。
 
【0115】
  なお、ここでは、大当たり図柄の種別に応じて、遊技状態や高確継続期間、時短回数を設定したが、大当たり図柄の種別に加え、大当たり当選時の遊技状態も考慮して、大役遊技の終了後の遊技状態および高確期間や、時短回数を設定してもよい。また、本実施形態による遊技機100では高確率遊技状態は次に大当たりに当選するまでの期間継続されるとしたが、これに限られない。一の高確率遊技状態における予め定められた大役抽選結果の導出回数(例えば1000回)を高確率遊技状態の最大継続回数として設定してもよい。
 
【0116】
  図11は、当たり決定乱数判定テーブルを説明する図である。第2遊技領域116bを流下する遊技球がゲート124を通過すると、第2始動口122の可動片122bを通電制御するか否かが対応付けられた普通図柄の判定処理(以下、「普図抽選」という)が行われる。
 
【0117】
  なお、詳しくは後述するが、遊技球がゲート124を通過すると、0〜99の範囲内から1つの当たり決定乱数が取得されるとともに、この乱数値がメインRAM300cの普図保留記憶領域に4つを上限として記憶される。つまり、普図保留記憶領域は、当たり決定乱数をセーブする4つの記憶部を備えている。したがって、普図保留記憶領域の4つの記憶部全てに当たり決定乱数が記憶された状態で、遊技球がゲート124を通過した場合には、当該遊技球の通過に基づいて当たり決定乱数が記憶されることはない。以下では、ゲート124を遊技球が通過して普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数を普図保留とよぶ。
 
【0118】
  普通遊技状態が非時短遊技状態であるときに普図抽選を開始する場合には、
図11(a)に示すように、非時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この非時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルによれば、当たり決定乱数が0であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、当たり決定乱数が1〜99であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、非時短遊技状態において当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率は30/100となる。詳しくは後述するが、この普図抽選において当たり図柄が決定されると、第2始動口122の可動片122bが開状態に制御され、ハズレ図柄が決定された場合には、第2始動口122の可動片122bが閉状態に維持される。
 
【0119】
  また、時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、
図11(b)に示すように、時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルによれば、当たり決定乱数が0〜98であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、当たり決定乱数が99であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、時短遊技状態において当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率は99/100となる。
 
【0120】
  図12(a)は、普通図柄変動時間データテーブルを説明する図であり、
図12(b)は、開閉制御パターンテーブルを説明する図である。上記のように、普図抽選が行われると、普通図柄の変動時間が決定される。普通図柄変動時間データテーブルは、普図抽選によって当たり図柄またはハズレ図柄が決定されたときに、当該普通図柄の変動時間を決定する際に参照されるものである。この普通図柄変動時間データテーブルによれば、遊技状態が非時短遊技状態に設定されている場合には変動時間が10秒に決定され、遊技状態が時短遊技状態に設定されている場合には変動時間が1秒に決定される。このようにして変動時間が決定されると、当該決定された時間にわたって普通図柄表示器168が変動表示(点滅表示)される。そして、当たり図柄が決定された場合には普通図柄表示器168が点灯し、ハズレ図柄が決定された場合には普通図柄表示器168が消灯する。
 
【0121】
  そして、普図抽選によって当たり図柄が決定されるとともに、普通図柄表示器168が点灯した場合には、第2始動口122の可動片122bが、
図12(b)に示すように、開閉制御パターンテーブルを参照して通電制御される。なお、実際は、開閉制御パターンテーブルは、遊技状態ごとに設けられており、普通図柄が決定されたときの遊技状態に応じて、対応するテーブルが普通電動役物ソレノイド122cの通電開始時にセットされる。
 
【0122】
  当たり図柄が決定されると、
図12(b)に示すように、開閉制御パターンテーブルを参照して第2始動口122が開閉制御される。この開閉制御パターンテーブルによれば、普電開放前時間(第2始動口122の開放が開始されるまでの待機時間)、普通電動役物最大開閉切替回数(第2始動口122の開放回数)、ソレノイド通電時間(第2始動口122の開放回数ごとの普通電動役物ソレノイド122cの通電時間、すなわち、1回の第2始動口122の開放時間)、規定数(第2始動口122の全開放中における第2始動口122への最大入賞可能数)、普電閉鎖有効時間(第2始動口122の各開放間の閉鎖時間、すなわち、休止時間)、普電有効状態時間(第2始動口122の最後の開放終了からの待機時間)、普電終了ウェイト時間(普電有効状態時間の経過後、後述する普通図柄の変動表示が再開されるまでの待機時間)が、第2始動口122の制御データとして、遊技状態ごとに、図示のように予め記憶されている。
 
【0123】
  このように、普通図柄の当選確率、変動時間および開放時間を設定することにより、
図12(b)の下部に示すように、発射賞球比率(遊技領域116に発射される遊技球に対して第2始動口122に遊技球が入球して遊技者に払い出される賞球数の比率)は、非時短遊技状態では発射数:賞球数=100:20、時短遊技状態では発射数:賞球数=100:99となる。
 
【0124】
  なお、第2始動口122の開閉条件は、普通図柄の当選確率、普通図柄の変動表示の時間、第2始動口122の開放時間の3つの要素を規定するものである。つまり、普通図柄の当選確率、普通図柄の変動表示の時間、第2始動口122の開放時間の3つの要素を組み合わせることにより、非時短遊技状態、時短遊技状態それぞれにおける、第2始動口122への遊技球の入球頻度や、発射賞球比率を設定可能である。いずれにしても、ここに示した3つの要素の組み合わせは一例にすぎず、非時短遊技状態よりも時短遊技状態の方が、発射賞球比率が高くなるように、3つの要素を組み合わせればよい。
 
【0125】
  図11および
図12に示すように、本実施形態による遊技機100では、非時短遊技状態における当選確率は30/100であって、時短遊技状態における当選確率(99/100)よりは低く設定されているものの、極めて低い確率(例えば1/100)ではない。また非時短遊技状態における第2始動口122の開放時間は1.0秒であって、時短遊技状態における開放時間(2.9秒)よりは短いものの極めて短い時間(例えば0.1秒)ではない。このため、遊技機100では、普通遊技が非時短遊技状態であっても、例えば遊技時の実質変動対象が特2保留であって右打ちが行われている場合には第2始動口122への遊技球の入球による大役抽選が実行される可能性が一定程度確保されている。
 
【0126】
  以下に、上記の遊技性を実現するための、主制御基板300の主な処理について、フローチャートを用いて説明する。
 
【0127】
(主制御基板300のCPU初期化処理)
  
図13は、主制御基板300におけるCPU初期化処理(S100)を説明するフローチャートである。
 
【0128】
  電源基板より電源が供給されると、メインCPU300aにシステムリセットが発生し、メインCPU300aは、以下のCPU初期化処理(S100)を行う。
 
【0129】
(ステップS100−1)
  メインCPU300aは、電源投入に応じて、初期設定処理として、メインROM300bから起動プログラムを読み込むとともに、各種処理を実行するために必要な設定処理を行う。
 
【0130】
(ステップS100−3)
  メインCPU300aは、タイマカウンタにウェイト処理時間を設定する。
 
【0131】
(ステップS100−5)
  メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。なお、主制御基板300には、電源断検知回路が設けられており、電源電圧が所定値以下になると、電源検知回路から電源断予告信号が出力される。電源断予告信号を検出している場合には、上記ステップS100−3に処理を移し、電源断予告信号を検出していない場合には、ステップS100−7に処理を移す。
 
【0132】
(ステップS100−7)
  メインCPU300aは、上記ステップS100−3で設定したウェイト時間が経過したか否かを判定する。その結果、ウェイト時間が経過したと判定した場合にはステップS100−9に処理を移し、ウェイト時間は経過していないと判定した場合には上記ステップS100−5に処理を移す。
 
【0133】
(ステップS100−9)
  メインCPU300aは、メインRAM300cへのアクセスを許可するために必要な処理を実行する。
 
【0134】
(ステップS100−11)
  メインCPU300aは、RAMクリア信号がオンしているか否かを判定する。なお、遊技盤108の背面には不図示のRAMクリアボタンが設けられており、このRAMクリアボタンが押圧操作されると、RAMクリア検出スイッチがRAMクリアボタンの押圧操作を検出して、主制御基板300にRAMクリア信号が出力される。ここでは、RAMクリアボタンが押圧操作された状態で電源が投入された場合に、RAMクリア信号がオンしていると判定される。そして、RAMクリア信号がオンしていると判定した場合にはステップS100−13に処理を移し、RAMクリア信号はオンしていないと判定した場合にはステップS100−19に処理を移す。
 
【0135】
(ステップS100−13)
  メインCPU300aは、メインRAM300cのうち、電源投入時(メインRAM300cをクリアするリセット時)にクリアすべきクリア対象のデータをクリアする初期化処理を行う。
 
【0136】
(ステップS100−15)
  メインCPU300aは、メインRAM300cがクリアされたことを副制御基板330に伝達するためのサブコマンド(RAMクリア指定コマンド)の送信処理を行う。
 
【0137】
(ステップS100−17)
  メインCPU300aは、メインRAM300cがクリアされたことを払出制御基板310に伝達するための払出コマンド(RAMクリア指定コマンド)の送信処理を行う。
 
【0138】
(ステップS100−19)
  メインCPU300aは、チェックサムを算出するために必要な処理を実行する。
 
【0139】
(ステップS100−21)
  メインCPU300aは、上記ステップS100−19で算出したチェックサムが、電源断時に保存されたチェックサムと不一致であるかを判定する。その結果、両者が不一致であると判定した場合にはステップS100−13に処理を移し、両者が不一致ではない(一致する)と判定した場合にはステップS100−23に処理を移す。
 
【0140】
(ステップS100−23)
  メインCPU300aは、メインRAM300cのうち、電源復帰時(メインRAM300cをクリアせずに、電源断前のデータを維持するとき)にクリアすべきクリア対象のデータをクリアする初期化処理を行う。
 
【0141】
(ステップS100−25)
  メインCPU300aは、電源断から復帰したことを副制御基板330に伝達するためのサブコマンド(電源復帰指定コマンド)の送信処理を行う。
 
【0142】
(ステップS100−27)
  メインCPU300aは、電源断から復帰したことを払出制御基板310に伝達するための払出コマンド(電源復帰指定コマンド)の送信処理を行う。
 
【0143】
(ステップS100−29)
  メインCPU300aは、特別図柄の種別を示す電源投入時特図図柄種別指定コマンド、特1保留数(X1)を示す特1保留指定コマンド、特2保留数(X2)を示す特2保留指定コマンド、記憶されている特1保留および特2保留の入賞順序を示す特別図柄入賞順序コマンドを送信するための電源投入時サブコマンドセット処理を実行する。
 
【0144】
(ステップS100−31)
  メインCPU300aは、タイマ割込みの周期を設定する。
 
【0145】
(ステップS100−33)
  メインCPU300aは、割込みを禁止するための処理を行う。
 
【0146】
(ステップS100−35)
  メインCPU300aは、当たり図柄乱数用初期値更新乱数を更新する。なお、当たり図柄乱数用初期値更新乱数は、当たり図柄乱数の初期値および終了値を決定するためのものである。つまり、後述する当たり図柄乱数の更新処理によって当たり図柄乱数が、当たり図柄乱数用初期値更新乱数から、当該当たり図柄乱数用初期値更新乱数−1まで1周すると、当たり図柄乱数は、そのときの当たり図柄乱数用初期値更新乱数に更新されることとなる。
 
【0147】
(ステップS100−37)
  メインCPU300aは、払出制御基板310から受信した受信データ(主コマンド)を解析し、受信データに応じた種々の処理を実行する。
 
【0148】
(ステップS100−39)
  メインCPU300aは、送信バッファに格納されているサブコマンドを副制御基板330に送信するための処理を行う。
 
【0149】
(ステップS100−41)
  メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行う。
 
【0150】
(ステップS100−43)
  メインCPU300aは、変動パターン乱数を更新し、以後、上記ステップS100−33から処理を繰り返す。
 
【0151】
  次に、主制御基板300における割込み処理について説明する。ここでは、電源断時退避処理(XINT割込み処理)およびタイマ割込み処理について説明する。
 
【0152】
(主制御基板300の電源断時退避処理(XINT割込み処理))
  
図14は、主制御基板300における電源断時退避処理(XINT割込み処理)を説明するフローチャートである。メインCPU300aは、電源断検知回路を監視しており、電源電圧が所定値以下になると、CPU初期化処理に割り込んで電源断時退避処理を実行する。
 
【0153】
(ステップS300−1)
  電源断予告信号が入力されると、メインCPU300aは、レジスタを退避する。
 
【0154】
(ステップS300−3)
  メインCPU300aは、電源断予告信号をチェックする。
 
【0155】
(ステップS300−5)
  メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。その結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS300−11に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS300−7に処理を移す。
 
【0156】
(ステップS300−7)
  メインCPU300aは、レジスタを復帰させる。
 
【0157】
(ステップS300−9)
  メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行い、当該電源断時退避処理を終了する。
 
【0158】
(ステップS300−11)
  メインCPU300aは、出力ポートの出力を停止する出力ポートクリア処理を実行する。
 
【0159】
(ステップS300−13)
  メインCPU300aは、チェックサムを算出して保存するチェックサム設定処理を実行する。
 
【0160】
(ステップS300−15)
  メインCPU300aは、メインRAM300cへのアクセスを禁止するために必要なRAMプロテクト設定処理を実行する。
 
【0161】
(ステップS300−17)
  メインCPU300aは、電源断発生監視時間を設定すべく、ループカウンタのカウンタ値に所定の電源断検出信号検出回数をセットする。
 
【0162】
(ステップS300−19)
  メインCPU300aは、電源断予告信号をチェックする。
 
【0163】
(ステップS300−21)
  メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。その結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS300−17に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS300−23に処理を移す。
 
【0164】
(ステップS300−23)
  メインCPU300aは、上記ステップS300−17でセットしたループカウンタの値を1減算する。
 
【0165】
(ステップS300−25)
  メインCPU300aは、ループカウンタのカウンタ値が0でないかを判定する。その結果、カウンタ値が0ではないと判定した場合にはステップS300−19に処理を移し、カウンタ値が0であると判定した場合には上記したCPU初期化処理(ステップS100)に移行する。
 
【0166】
  なお、実際に電源断が生じた場合には、ステップS300−17〜ステップS300−25をループしている間に遊技機100の稼働が停止する。
 
【0167】
(主制御基板300のタイマ割込み処理)
  
図15は、主制御基板300におけるタイマ割込み処理を説明するフローチャートである。主制御基板300には、所定の周期(本実施形態では4ミリ秒、以下「4ms」という)毎にクロックパルスを発生させるリセット用クロックパルス発生回路が設けられている。そして、リセット用クロックパルス発生回路によって、クロックパルスが発生すると、CPU初期化処理(ステップS100)に割り込んで、以下のタイマ割込み処理が実行される。
 
【0168】
(ステップS400−1)
  メインCPU300aは、レジスタを退避する。
 
【0169】
(ステップS400−3)
  メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行う。
 
【0170】
(ステップS400−5)
  メインCPU300aは、コモン出力バッファにセットされたコモンデータを出力ポートに出力し、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172を点灯制御するダイナミックポート出力処理を実行する。
 
【0171】
(ステップS400−7)
  メインCPU300aは、各種の入力ポート情報を読み込み、最新のスイッチ状態を正確に取得するためのポート入力処理を実行する。
 
【0172】
(ステップS400−9)
  メインCPU300aは、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を行う。ここで、各種タイマカウンタは、特に断る場合を除き、当該主制御基板300のタイマ割込み処理の度に減算され、0になると減算を停止する。
 
【0173】
(ステップS400−11)
  メインCPU300aは、上記ステップS100−35と同様、当たり図柄乱数用初期値更新乱数の更新処理を実行する。
 
【0174】
(ステップS400−13)
  メインCPU300aは、当たり図柄乱数を更新する処理を行う。具体的には、乱数カウンタを1加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを0に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時の当たり図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。
 
【0175】
  なお、詳しい説明は省略するが、本実施形態では、大当たり決定乱数および当たり決定乱数は、主制御基板300に内蔵されたハードウェア乱数生成部によって更新されるハードウェア乱数を用いている。ハードウェア乱数生成部は、大当たり決定乱数および当たり決定乱数を、いずれも一定の規則にしたがって更新し、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列を変更するとともに、システムリセット毎にスタート値を変更している。
 
【0176】
(ステップS500)
  メインCPU300aは、第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口検出スイッチ122s、第3始動口検出スイッチ123s、ゲート検出スイッチ124s、第1大入賞口検出スイッチ126s、第2大入賞口検出スイッチ128sから信号の入力があったか否か判定するスイッチ管理処理を実行する。なお、このスイッチ管理処理の詳細については後述する。
 
【0177】
(ステップS600)
  メインCPU300aは、上記の特別遊技を進行制御するための特別遊技管理処理を実行する。なお、この特別遊技管理処理の詳細については後述する。
 
【0178】
(ステップS700)
  メインCPU300aは、上記の普通遊技を進行制御するための普通遊技管理処理を実行する。なお、この普通遊技管理処理の詳細については後述する。
 
【0179】
(ステップS400−15)
  メインCPU300aは、各種エラーの判定およびエラー判定結果に応じた設定を行うためのエラー管理処理を実行する。
 
【0180】
(ステップS400−17)
  メインCPU300aは、一般入賞口検出スイッチ118s、第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口検出スイッチ122s、第3始動口検出スイッチ123s、第1大入賞口検出スイッチ126s、第2大入賞口検出スイッチ128sのチェックを行い、該当する賞球制御用のカウンタ等を加算するための入賞口スイッチ処理を実行する。
 
【0181】
  また、メインCPU300aは、第1大入賞口126または第2大入賞口128への遊技球の入球が適正になされたものであることを示す大入賞口入球コマンドを送信バッファにセットする。
 
【0182】
(ステップS400−19)
  メインCPU300aは、上記ステップS400−17でセットされた賞球制御用のカウンタのカウンタ値等に基づく払出コマンドの作成および送信を行うための払出制御管理処理を実行する。
 
【0183】
(ステップS400−21)
  メインCPU300aは、遊技情報出力端子板312から外部へ出力する外部情報用の出力データをセットするための外部情報管理処理を実行する。
 
【0184】
(ステップS400−23)
  メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172等の各種表示器(LED)を点灯制御するためのコモンデータをコモン出力バッファにセットするLED表示設定処理を実行する。
 
【0185】
(ステップS400−25)
  メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド122c、第1大入賞口ソレノイド126c、第2大入賞口ソレノイド128cのソレノイド出力イメージを合成し、出力ポートバッファに格納するためのソレノイド出力イメージ合成処理を実行する。
 
【0186】
(ステップS400−27)
  メインCPU300aは、各出力ポートバッファに格納されたコモン出力バッファの値を出力ポートに出力するためのポート出力処理を実行する。
 
【0187】
(ステップS400−29)
  メインCPU300aは、レジスタを復帰してタイマ割込み処理を終了する。
 
【0188】
  以下に、上記したタイマ割込み処理のうち、ステップS500のスイッチ管理処理、ステップS600の特別遊技管理処理、ステップS700の普通遊技管理処理について、詳細に説明する。
 
【0189】
  図16は、主制御基板300におけるスイッチ管理処理(ステップS500)を説明するフローチャートである。
 
【0190】
(ステップS500−1)
  メインCPU300aは、ゲート検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、ゲート124を遊技球が通過してゲート検出スイッチ124sからの検出信号がオンされたかを判定する。その結果、ゲート検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS510に処理を移し、ゲート検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−3に処理を移す。
 
【0191】
(ステップS510)
  メインCPU300aは、ゲート124への遊技球の通過に基づいてゲート通過処理を実行する。なお、このゲート通過処理の詳細については後述する。
 
【0192】
(ステップS500−3)
  メインCPU300aは、第1始動口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第1始動口120に遊技球が入球して第1始動口検出スイッチ120sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、第1始動口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS520に処理を移し、第1始動口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−5に処理を移す。
 
【0193】
(ステップS520)
  メインCPU300aは、第1始動口120への遊技球の入球に基づいて特1用始動口通過処理を実行する。なお、この特1用始動口通過処理の詳細については後述する。
 
【0194】
(ステップS500−5)
  メインCPU300aは、第2始動口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第2始動口122に遊技球が入球して第2始動口検出スイッチ122sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、第2始動口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS530に処理を移し、第2始動口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−7に処理を移す。
 
【0195】
(ステップS500−7)
  メインCPU300aは、第3始動口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第3始動口123に遊技球が入球して第3始動口検出スイッチ123sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、第3始動口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS530に処理を移し、第3始動口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−9に処理を移す。
 
【0196】
(ステップS530)
  メインCPU300aは、第2始動口122または第3始動口123への遊技球の入球に基づいて特2用始動口通過処理を実行する。なお、この特2用始動口通過処理の詳細については後述する。
 
【0197】
(ステップS500−9)
  メインCPU300aは、大入賞口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第1大入賞口126または第2大入賞口128に遊技球が入球して第1大入賞口検出スイッチ126sまたは第2大入賞口検出スイッチ128sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、大入賞口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS540に処理を移し、大入賞口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合には当該スイッチ管理処理を終了する。
 
【0198】
(ステップS540)
  メインCPU300aは、第1大入賞口126または第2大入賞口128への遊技球の入球が適正になされたものであるかを判定し、遊技球の入球が適正になされたと判定した場合には、第1大入賞口126または第2大入賞口128への遊技球の入球を示す大入賞口入球コマンドを副制御基板330に送信するための大入賞口通過処理を実行する。なお、この大入賞口通過処理の詳細については後述する。
 
【0199】
  図17は、主制御基板300におけるゲート通過処理(ステップS510)を説明するフローチャートである。
 
【0200】
(ステップS510−1)
  メインCPU300aは、ハードウェア乱数生成部によって更新された当たり決定乱数をロードする。
 
【0201】
(ステップS510−3)
  メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が最大値以上であるか、つまり、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が4以上であるかを判定する。その結果、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が最大値以上であると判定した場合には当該ゲート通過処理を終了し、普通図柄保留球数カウンタは最大値以上ではないと判定した場合にはステップS510−5に処理を移す。
 
【0202】
(ステップS510−5)
  メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
 
【0203】
(ステップS510−7)
  メインCPU300aは、普図保留記憶領域の4つの記憶部のうち、取得した当たり決定乱数をセーブする対象となる対象記憶部を算定する。
 
【0204】
(ステップS510−9)
  メインCPU300aは、上記ステップS510−1で取得した当たり決定乱数を、上記ステップS510−7で算定した対象記憶部にセーブする。
 
【0205】
(ステップS510−11)
  メインCPU300aは、普図保留記憶領域に記憶されている普図保留数を示す普図保留指定コマンドを送信バッファにセットし、当該ゲート通過処理を終了する。
 
【0206】
  図18は、第1始動口120(特1用始動口)への遊技球の入球に基づいて実行される主制御基板300における特1用始動口通過処理(ステップS520)を説明するフローチャートである。
 
【0207】
(ステップS520−1)
  メインCPU300aは、特別図柄識別値として「00H」をセットする。なお、特別図柄識別値は、保留種別として特1保留および特2保留のいずれであるかを識別するためのもので、特別図柄識別値(00H)は特1保留を示し、特別図柄識別値(01H)は特2保留を示す。
 
【0208】
(ステップS520−3)
  メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタのアドレスをセットする。
 
【0209】
(ステップS535)
  メインCPU300aは、特別図柄乱数取得処理を実行し、当該特1用始動口通過処理を終了する。なお、この特別図柄乱数取得処理は、特2用始動口通過処理(ステップS530)と共通のモジュールを利用して実行される。したがって、特別図柄乱数取得処理の詳細は、特2用始動口通過処理の説明後に説明する。
 
【0210】
  図19は、特2用始動口(第2始動口122、第3始動口123)への遊技球の入球に基づいて実行される主制御基板300における第2始動口通過処理(ステップS530)を説明するフローチャートである。
 
【0211】
(ステップS530−1)
  メインCPU300aは、特別図柄識別値として「01H」をセットする。
 
【0212】
(ステップS530−3)
  メインCPU300aは、特別図柄2保留球数カウンタのアドレスをセットする。
 
【0213】
(ステップS535)
  メインCPU300aは、後述する特別図柄乱数取得処理を実行し、当該特2用始動口通過処理を終了する。
 
【0214】
  図20は、主制御基板300における特別図柄乱数取得処理(ステップS535)を説明するフローチャートである。この特別図柄乱数取得処理は、上記した第1始動口通過処理(ステップS520)および第2始動口通過処理(ステップS530)において、共通のモジュールを用いて実行される。
 
【0215】
(ステップS535−1)
  メインCPU300aは、上記ステップS520−1またはステップS530−1でセットした特別図柄識別値をロードする。
 
【0216】
(ステップS535−3)
  メインCPU300aは、対象特別図柄保留球数をロードする。ここでは、上記ステップS535−1でロードした特別図柄識別値が「00H」であれば、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特1保留数をロードする。また、上記ステップS535−1でロードした特別図柄識別値が「01H」であれば、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特2保留数をロードする。
 
【0217】
(ステップS535−5)
  メインCPU300aは、ハードウェア乱数生成部によって更新された大当たり決定乱数をロードする。
 
【0218】
(ステップS535−7)
  メインCPU300aは、上記ステップS535−3でロードした対象特別図柄保留球数が上限値以上であるかを判定する。その結果、上限値以上であると判定した場合には、当該特別図柄乱数取得処理を終了し、上限値以上ではないと判定した場合には、ステップS535−9に処理を移す。
 
【0219】
(ステップS535−9)
  メインCPU300aは、対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
 
【0220】
(ステップS535−11)
  メインCPU300aは、特図保留記憶領域の記憶部のうち、取得した大当たり決定乱数をセーブする対象となる対象記憶部を算定する。
 
【0221】
(ステップS535−13)
  メインCPU300aは、上記ステップS535−5でロードした大当たり決定乱数、上記ステップS400−13で更新された当たり図柄乱数、上記ステップS100−43で更新された変動パターン乱数を取得し、上記ステップS535−11で算定した対象記憶部に格納する。このように、遊技中に各始動口に遊技球が入球したことに基づいて取得された種々の乱数が特図保留記憶領域に記憶されると、これを契機として大役抽選が実行される。より具体的には、第1始動口120に遊技球が入球したことに基づいて種々の乱数が取得されて第1特図保留記憶領域に記憶されると特1保留に基づく大役抽選の契機(第一抽選契機の一例)となる。また、第2始動口122または第3始動口123に遊技球が入球したことに基づいて種々の乱数が取得されて第2特図保留記憶領域に記憶されると特2保留に基づく大役抽選の契機(第二抽選契機の一例)となる。
 
【0222】
(ステップS535−15)
  メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタおよび特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値をロードする。
 
【0223】
(ステップS535−17)
  メインCPU300aは、上記ステップS535−15でロードしたカウンタ値に基づいて、特図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。ここでは、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値(特1保留数)に基づいて特
図1保留指定コマンドをセットし、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値(特2保留数)に基づいて特
図2保留指定コマンドをセットする。これにより、特1保留または特2保留が記憶されるたびに、特1保留数および特2保留数が副制御基板330に伝達されることとなる。
 
【0224】
(ステップS536)
  メインCPU300aは、取得時演出判定処理を行い、当該特別図柄乱数取得処理を終了する。この取得時演出判定処理では、大役抽選の結果や、変動パターン番号等が仮判定され、所定の先読み指定コマンドが副制御基板330に送信される。
 
【0225】
  図21は、主制御基板300における大入賞口通過処理(ステップS540)を説明するフローチャートである。
 
【0226】
(ステップS540−1)
  メインCPU300aは、上記ステップS500−7で大入賞口検出スイッチオン検出時であると判定した場合には、特別遊技管理フェーズをロードする。なお、詳しくは後述するが、特別遊技管理フェーズは、特別遊技の実行処理の段階、すなわち、特別遊技の進行状況を示すものであり、特別遊技の実行処理の段階に応じて更新される。
 
【0227】
(ステップS540−3)
  メインCPU300aは、上記ステップS540−1でロードした特別遊技管理フェーズが、大入賞口開放前処理以上の実行処理の段階を示すものであるかを判定する。なお、特別遊技管理フェーズは、00H〜08Hの9段階が設けられており、このうち、01H〜08Hが、大入賞口開放前処理以上の実行処理の段階に相当する。大役遊技または小当たり遊技は、特別遊技管理フェーズが01H〜08Hである場合に実行されることから、ここでは、現在、大役遊技中または小当たり遊技中であるかを判定することとなる。特別遊技管理フェーズが、大入賞口開放前処理以上の実行処理の段階を示すものであると判定した場合にはステップS540−5に処理を移し、特別遊技管理フェーズは、大入賞口開放前処理以上の実行処理の段階を示すものではないと判定した場合にはステップS540−7に処理を移す。
 
【0228】
(ステップS540−5)
  メインCPU300aは、第1大入賞口126または第2大入賞口128に適正に遊技球が入球したことを示す大入賞口入球コマンドを送信バッファにセットし、大入賞口通過処理を終了する。
 
【0229】
(ステップS540−7)
  メインCPU300aは、第1大入賞口126または第2大入賞口128への遊技球の入球が不適切なものであるとして、所定のエラー処理を実行し、大入賞口通過処理を終了する。
 
【0230】
  図22は、特別遊技管理フェーズを説明する図である。既に説明したとおり、本実施形態では、第1始動口120、第2始動口122または第3始動口123への遊技球の入球を契機とする特別遊技と、ゲート124への遊技球の通過を契機とする普通遊技とが、同時並行して進行する。特別遊技に係る処理は、段階的に、かつ、繰り返し実行されるが、主制御基板300では、こうした特別遊技に係る各処理を特別遊技管理フェーズによって管理している。
 
【0231】
  図25に示すように、メインROM300bには、特別遊技を実行制御するための複数の特別遊技制御モジュールが格納されており、これら特別遊技制御モジュールごとに、特別遊技管理フェーズが対応付けられている。具体的には、特別遊技管理フェーズが「00H」である場合には、「特別図柄変動処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「01H」または「05H」である場合には、「大入賞口開放前処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「02H」または「06H」である場合には、「大入賞口開放制御処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「03H」または「07H」である場合には、「大入賞口閉鎖有効処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「04H」または「08H」である場合には、「大入賞口終了ウェイト処理」を実行するためのモジュールがコールされる。
 
【0232】
  図23は、主制御基板300における特別遊技管理処理(ステップS600)を説明するフローチャートである。
 
【0233】
(ステップS600−1)
  メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズをロードする。
 
【0234】
(ステップS600−3)
  メインCPU300aは、上記ステップS600−1でロードした特別遊技管理フェーズに対応する特別遊技制御モジュールを選択する。
 
【0235】
(ステップS600−5)
  メインCPU300aは、上記ステップS600−3で選択した特別遊技制御モジュールをコールして処理を開始する。
 
【0236】
(ステップS600−7)
  メインCPU300aは、特別遊技の制御時間を管理する特別遊技タイマをロードし、当該特別遊技管理処理を終了する。
 
【0237】
  図24は、主制御基板300における特別図柄変動処理を説明するフローチャートである。この特別図柄変動処理は、特別遊技管理フェーズが「00H」であった場合に実行される。
 
【0238】
(ステップS610)
  メインCPU300aは、特別図柄変動待ち処理を実行する。この特別図柄変動待ち処理については、
図25〜
図27を用いて後述する。
 
【0239】
(ステップS620)
  メインCPU300aは、特別図柄変動中処理を実行する。この特別図柄変動中処理については、
図28を用いて後述する。
 
【0240】
(ステップS630)
  メインCPU300aは、特別図柄停止図柄表示処理を実行する。この特別図柄停止図柄表示処理については、
図29を用いて後述する。
 
【0241】
  図25は、主制御基板300における特別図柄変動待ち処理(ステップS610)を説明する第1のフローチャートであり、
図26は、主制御基板300における特別図柄変動待ち処理(ステップS610)を説明する第2のフローチャートである。
 
【0242】
(ステップS610−1)
  メインCPU300aは、中断中フラグがオンしているかを判定する。なお、詳しくは後述するが、本実施形態では、第1特別図柄表示器160における図柄の変動表示中に、第2特別図柄表示器162に小当たり図柄が停止表示される場合がある。この場合、第2特別図柄表示器162に小当たり図柄が停止表示されると、小当たり遊技が実行されるが、この間、第1特別図柄表示器160における特別図柄の変動時間の減算が中断され、小当たり遊技の終了後に、第1特別図柄表示器160における図柄の変動表示が再開される。中断中フラグは、第2特別図柄表示器162に小当たり図柄が停止表示されたときに、第1特別図柄表示器160において図柄の変動表示中であった場合にオンされる。ここでは、中断中フラグがオンしていると判定した場合にはステップS610−3に処理を移し、中断中フラグはオンしていないと判定した場合にはステップS610−5に処理を移す。
 
【0243】
(ステップS610−3)
  メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160における図柄の変動表示を再開するための処理を実行し、
図26のステップS610−51に処理を移す。
 
【0244】
(ステップS610−5)
  メインCPU300aは、特1保留数が1以上であるかを判定する。その結果、特1保留数が1以上であると判定した場合にはステップS610−7に処理を移し、特1保留数は1以上ではないと判定した場合にはステップS610−51に処理を移す。
 
【0245】
(ステップS610−7)
  メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160において、特1保留に基づく図柄の変動表示中であるか、または、特1保留に基づく図柄が停止表示中(停止表示時間の計時中)であるかを判定する。その結果、変動表示中である、または、停止表示中であると判定した場合にはステップS610−51に処理を移し、変動表示中ではなく、かつ、停止表示中ではないと判定した場合にはステップS610−9に処理を移す。
 
【0246】
(ステップS610−9)
  メインCPU300aは、第1特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている特1保留を、1つ序数の小さい記憶部にブロック転送する。具体的には、第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている特1保留を、第1記憶部〜第3記憶部に転送する。また、メインRAM300cには、処理対象となる第0記憶部が設けられており、第1記憶部に記憶されている特1保留を、第0記憶部にブロック転送する。なお、この特別図柄記憶エリアシフト処理においては、特1保留に対応する対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに、特1保留が「1」減算されたことを示す、保留減指定コマンドを送信バッファにセットする。
 
【0247】
(ステップS610−11)
  メインCPU300aは、第2特別図柄表示器162において図柄の変動表示中であるかを判定する。その結果、図柄の変動表示中であると判定した場合にはステップS610−17に処理を移し、図柄の変動表示中ではないと判定した場合にはステップS610−13に処理を移す。
 
【0248】
(ステップS610−13)
  メインCPU300aは、第0記憶部に転送された大当たり決定乱数、高確率遊技状態であるか低確率遊技状態であるかを識別する特別図柄確率状態フラグをロードし、対応する大当たり決定乱数判定テーブルを選択して大役抽選(特1保留による大役抽選(第一抽選の一例))を行い、その抽選結果を記憶する特別図柄当たり判定処理を実行する。
 
【0249】
(ステップS610−15)
  メインCPU300aは、特別図柄を決定するための特別図柄図柄判定処理を実行する。ここでは、上記ステップS610−13における大役抽選の結果が大当たりまたは小当たりであった場合、第0記憶部に転送された当たり図柄乱数、保留種別をロードし、対応する当たり図柄乱数判定テーブルまたは小当たり図柄乱数判定テーブルを選択して特別図柄判定データを抽出し、抽出した特別図柄判定データ(大当たり図柄の種別)をセーブする。また、上記ステップS610−13における大役抽選の結果がハズレであった場合には、ハズレ用の特別図柄判定データをセーブする。そして、特別図柄判定データをセーブしたら、当該特別図柄判定データに対応する図柄種別指定コマンドを送信バッファにセットする。
 
【0250】
(ステップS610−17)
  メインCPU300aは、第2特別図柄表示器162に最終的に停止表示される特別図柄が大当たり図柄であるかを判定する。その結果、大当たり図柄であると判定した場合にはステップS610−19に処理を移し、大当たり図柄ではないと判定した場合にはステップS610−13に処理を移す。
 
【0251】
(ステップS610−19)
  メインCPU300aは、第0記憶部に転送された大当たり決定乱数が、小当たりの範囲内であるかを判定する。その結果、小当たりの範囲内であると判定した場合にはステップS610−21に処理を移し、小当たりの範囲外であると判定した場合にはステップS610−23に処理を移す。
 
【0252】
(ステップS610−21)
  メインCPU300aは、第0記憶部に転送された当たり図柄乱数、保留種別をロードし、対応する小当たり図柄乱数判定テーブルを選択して特別図柄判定データを抽出し、抽出した特別図柄判定データ(小当たり図柄の種別)をセーブする。
 
【0253】
(ステップS610−23)
  メインCPU300aは、ハズレ図柄にかかる特別図柄判定データをセーブし、当該特別図柄判定データに対応する図柄種別指定コマンドを送信バッファにセットする。つまり、第2特別図柄表示器162において最終的に大当たり図柄が停止表示される図柄の変動表示が行われている場合、第1特別図柄表示器160においては、必ず、小当たり図柄またはハズレ図柄が最終的に停止表示される図柄の変動表示のみが行われることとなる。
 
【0254】
(ステップS610−25)
  メインCPU300aは、上記ステップS610−15、ステップS610−21、ステップS610−23で抽出した特別図柄判定データに対応する特別図柄停止図柄番号をセーブする。なお、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162は、それぞれ7セグで構成されており、7セグを構成する各セグメントには番号(カウンタ値)が対応付けられている。ここで決定する特別図柄停止図柄番号は、最終的に点灯するセグメントの番号(カウンタ値)を示すものである。
 
【0255】
(ステップS611)
  メインCPU300aは、変動パターン番号を決定する特別図柄変動番号決定処理を実行する。この特別図柄変動番号決定処理の詳細は後述する。
 
【0256】
(ステップS610−27)
  メインCPU300aは、上記ステップS611で決定された変動パターン番号をロードするとともに、変動時間決定テーブルを参照して変動時間を決定する。そして、決定した変動時間を、特別図柄変動タイマにセットする。
 
【0257】
(ステップS610−29)
  メインCPU300aは、大役抽選の結果が大当たりであるか否かを判定し、大当たりであった場合には、上記ステップS610−15でセーブした特別図柄判定データをロードして、大当たり図柄の種別を確認する。そして、遊技状態設定テーブルを参照して、大役遊技終了後に設定される特別遊技の遊技状態(高確率遊技状態または低確率遊技状態)、時短回数を判定し、その判定結果を特別図柄確率状態予備フラグ、時短状態予備フラグ、および、時短回数切り予備カウンタにセーブする。なお、ハズレ図柄がセーブされている場合には、当該処理を実行することなく、次の処理に移行する。
 
【0258】
(ステップS610−31)
  メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160において図柄の変動表示を開始するために、特別図柄表示図柄カウンタを設定する処理を実行する。第1特別図柄表示器160を構成する7セグの各セグメントにはカウンタ値が対応付けられており、特別図柄表示図柄カウンタに設定されたカウンタ値に対応するセグメントが点灯制御される。ここでは、図柄の変動表示の開始時に点灯させるセグメントに対応するカウンタ値が特別図柄表示図柄カウンタに設定されることとなる。なお、特別図柄表示図柄カウンタは、第1特別図柄表示器160に対応する特別図柄1表示図柄カウンタと、第2特別図柄表示器162に対応する特別図柄2表示図柄カウンタとが別個に設けられており、ここでは、特別図柄1表示図柄カウンタにカウンタ値が設定される。
 
【0259】
(ステップS610−33)
  メインCPU300aは、回数切り管理処理を実行する。ここでは、時短状態フラグをロードして、現在の遊技状態が時短遊技状態であるかを確認する。そして、遊技状態が時短遊技状態(特別遊技状態が低確率状態、普通遊技状態が事案遊技状態)であった場合には、時短回数切りカウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値から「1」減算した値に更新する。なお、時短回数切りカウンタを更新した結果、カウンタ値が「0」になった場合には、非時短遊技状態に対応する時短状態フラグをセットする。これにより、時短状態において、大当たりに当選することなく、大役抽選が所定回数実行されたところで、普通遊技状態が非時短遊技状態に移行し、遊技状態が通常状態に遷移することとなる。
 
【0260】
(ステップS610−35)
  メインCPU300aは、時短回数が0になるまでの残り回数(実残り回数)を示す回数コマンドを送信バッファにセットする。
 
【0261】
(ステップS610−51)
  
図26に示すように、メインCPU300aは、特2保留数が1以上であるかを判定する。その結果、特2保留数が1以上であると判定した場合にはステップS610−53に処理を移し、特2保留数は1以上ではないと判定した場合にはステップS610−83に処理を移す。
 
【0262】
(ステップS610−53)
  メインCPU300aは、第2特別図柄表示器162において、特2保留に基づく図柄の変動表示中であるか、または、特2保留に基づく図柄が停止表示中(停止表示時間の計時中)であるかを判定する。その結果、変動表示中、または、停止表示中であると判定した場合にはステップS610−83に処理を移し、変動表示中ではなく、かつ、停止表示中ではないと判定した場合にはステップS610−55に処理を移す。
 
【0263】
(ステップS610−55)
  メインCPU300aは、第2特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている特2保留を、1つ序数の小さい記憶部にブロック転送する。具体的には、第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている特2保留を、第1記憶部〜第3記憶部に転送する。また、メインRAM300cには、処理対象となる第0記憶部が設けられており、第1記憶部に記憶されている特2保留を、第0記憶部にブロック転送する。なお、この特別図柄記憶エリアシフト処理においては、特2保留に対応する対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに、特2保留が「1」減算されたことを示す、保留減指定コマンドを送信バッファにセットする。
 
【0264】
(ステップS610−57)
  メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160において図柄の変動表示中であるかを判定する。その結果、図柄の変動表示中であると判定した場合にはステップS610−63に処理を移し、図柄の変動表示中ではないと判定した場合にはステップS610−59に処理を移す。
 
【0265】
(ステップS610−59)
  メインCPU300aは、第0記憶部に転送された大当たり決定乱数、高確率遊技状態であるか低確率遊技状態であるかを識別する特別図柄確率状態フラグをロードし、対応する大当たり決定乱数判定テーブルを選択して大役抽選(特2保留による大役抽選(第二抽選の一例))を行い、その抽選結果を記憶する特別図柄当たり判定処理を実行する。
 
【0266】
(ステップS610−61)
  メインCPU300aは、特別図柄を決定するための特別図柄図柄判定処理を実行する。ここでは、上記ステップS610−59における大役抽選の結果が大当たりまたは小当たりであった場合、第0記憶部に転送された当たり図柄乱数、保留種別をロードし、対応する当たり図柄乱数判定テーブルまたは小当たり図柄乱数判定テーブルを選択して特別図柄判定データを抽出し、抽出した特別図柄判定データ(大当たり図柄の種別)をセーブする。また、上記ステップS610−59における大役抽選の結果がハズレであった場合には、ハズレ用の特別図柄判定データをセーブする。そして、特別図柄判定データをセーブしたら、当該特別図柄判定データに対応する図柄種別指定コマンドを送信バッファにセットする。
 
【0267】
(ステップS610−63)
  メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160に最終的に停止表示される特別図柄が大当たり図柄であるかを判定する。その結果、大当たり図柄であると判定した場合にはステップS610−65に処理を移し、大当たり図柄ではないと判定した場合にはステップS610−59に処理を移す。
 
【0268】
(ステップS610−65)
  メインCPU300aは、第0記憶部に転送された大当たり決定乱数が、小当たりの範囲内であるかを判定する。その結果、小当たりの範囲内であると判定した場合にはステップS610−67に処理を移し、小当たりの範囲外であると判定した場合にはステップS610−69に処理を移す。
 
【0269】
(ステップS610−67)
  メインCPU300aは、第0記憶部に転送された当たり図柄乱数、保留種別をロードし、対応する小当たり図柄乱数判定テーブルを選択して特別図柄判定データを抽出し、抽出した特別図柄判定データ(小当たり図柄の種別)をセーブする。
 
【0270】
(ステップS610−69)
  メインCPU300aは、ハズレ図柄にかかる特別図柄判定データをセーブし、当該特別図柄判定データに対応する図柄種別指定コマンドを送信バッファにセットする。つまり、第1特別図柄表示器160において最終的に大当たり図柄が停止表示される図柄の変動表示が行われている場合、第2特別図柄表示器162においては、必ず、小当たり図柄またはハズレ図柄が最終的に停止表示される図柄の変動表示のみが行われることとなる。
 
【0271】
(ステップS610−71)
  メインCPU300aは、上記ステップS610−61、ステップS610−67、ステップS610−69で抽出した特別図柄判定データに対応する特別図柄停止図柄番号をセーブする。
 
【0272】
(ステップS611)
  メインCPU300aは、変動パターン番号を決定する特別図柄変動番号決定処理を実行する。この特別図柄変動番号決定処理の詳細は後述する。
 
【0273】
(ステップS610−73)
  メインCPU300aは、上記ステップS611で決定された変動パターン番号をロードするとともに、変動時間決定テーブルを参照して変動時間を決定する。そして、決定した変動時間を、特別図柄変動タイマにセットする。
 
【0274】
(ステップS610−75)
  メインCPU300aは、上記ステップS610−59における大役抽選の結果が大当たりであるか否かを判定し、大当たりであった場合には、上記ステップS610−61でセーブした特別図柄判定データをロードして、大当たり図柄の種別を確認する。そして、遊技状態設定テーブルを参照して、大役遊技終了後に設定される遊技状態および時短回数を判定し、その判定結果を特別図柄確率状態予備フラグ、時短状態予備フラグ、および、時短回数切り予備カウンタにセーブする。なお、ハズレ図柄がセーブされている場合には、当該処理を実行することなく、次の処理に移行する。
 
【0275】
(ステップS610−77)
  メインCPU300aは、第2特別図柄表示器162において、図柄の変動表示を開始するために、特別図柄表示図柄カウンタを設定する処理を実行する。第2特別図柄表示器162を構成する7セグの各セグメントにはカウンタ値が対応付けられており、特別図柄表示図柄カウンタに設定されたカウンタ値に対応するセグメントが点灯制御される。ここでは、図柄の変動表示の開始時に点灯させるセグメントに対応するカウンタ値が特別図柄2表示図柄カウンタに設定されることとなる。
 
【0276】
(ステップS610−79)
  メインCPU300aは、上記ステップS610−33と同様の回数切り管理処理を実行する。
 
【0277】
(ステップS610−81)
  メインCPU300aは、上記ステップS610−79で更新されたカウンタ値(高確回数が0になるまでの残り回数)を示す回数コマンドを送信バッファにセットする。
 
【0278】
(ステップS610−83)
  メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162のいずれにおいても、図柄の変動表示および停止表示中でない場合に、所定の客待ち処理を実行し、当該特別図柄変動待ち処理を終了する。
 
【0279】
  図27は、主制御基板300における特別図柄変動番号決定処理(ステップS611)を説明するフローチャートである。
 
【0280】
(ステップS611−1)
  メインCPU300aは、上記ステップS610でセーブされた特別図柄判定データ(特別図柄の種別)をロードする。
 
【0281】
(ステップS611−3)
  メインCPU300aは、現在設定されている遊技状態を確認し、普通遊技状態が時短遊技状態であるかを判定する。その結果、普通遊技状態が時短遊技状態であると判定した場合にはステップS611−7に処理を移し、時短遊技状態ではないと判定した場合にはステップS611−5に処理を移す。
 
【0282】
(ステップS611−5)
  メインCPU300aは、現在の遊技状態、保留種別、決定された特別図柄の種別に基づいて、対応する変動パターン乱数判定テーブルを選択、セットする変動パターン乱数判定テーブル選択処理を実行する。
 
【0283】
(ステップS611−7)
  メインCPU300aは、合計変動回数カウンタをインクリメントする。なお、合計変動回数カウンタは、時短遊技状態に設定された後の、第1特別図柄表示器160における図柄の変動表示の回数(第1変動回数)と、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示の回数(第2変動回数)と、を合計した合計変動回数を計数するものである。この合計変動回数は、時短遊技状態において図柄の変動表示が開始されるたびに、1ずつ更新されていく。
 
【0284】
(ステップS611−9)
  メインCPU300aは、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示の開始時であるかを判定する。その結果、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示の開始時であると判定した場合にはステップS611−11に処理を移し、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示の開始時ではないと判定した場合にはステップS611−5に処理を移す。
 
【0285】
  なお、時短遊技状態において、第1特別図柄表示器160で図柄の変動表示が開始される場合には、上記ステップS611−7で更新した合計変動回数に基づいて、変動パターン乱数判定テーブルが選択されることとなる。
 
【0286】
(ステップS611−11)
  メインCPU300aは、第2変動回数カウンタをインクリメントする。なお、第2変動回数カウンタは、時短遊技状態に設定された後の、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示の回数(第2変動回数)を計数するものである。この第2変動回数は、時短遊技状態に設定されている場合に、第2特別図柄表示器162において図柄の変動表示が開始されるたびに、1ずつ更新されていく。
 
【0287】
(ステップS611−13)
  メインCPU300aは、上記ステップS611−11で更新した第2変動回数が4以下であるかを判定する。その結果、4以下であると判定した場合にはステップS611−15に処理を移し、4以下ではないと判定した場合にはステップS611−5に処理を移す。
 
【0288】
  なお、時短遊技状態において、第2特別図柄表示器162で図柄の変動表示が開始され、かつ、第2変動回数が5回以上である場合には、上記ステップS611−7で更新した合計変動回数に基づいて、変動パターン乱数判定テーブルが選択される。このとき選択されるテーブルIによれば、必ず、変動時間が10分に決定されることとなる。
 
【0289】
(ステップS611−15)
  メインCPU300aは、変動パターン乱数判定テーブルとして特殊テーブルを選択、セットする。
 
【0290】
(ステップS611−17)
  メインCPU300aは、上記ステップS611−5またはステップS611−15でセットした変動パターン乱数判定テーブルと、上記ステップS610−9またはステップS610−55で第0記憶部に転送した変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を決定する。
 
【0291】
(ステップS611−19)
  メインCPU300aは、上記ステップS611−17で決定した変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドを送信バッファにセットし、当該特別図柄変動番号決定処理を終了する。
 
【0292】
  図28は、主制御基板300における特別図柄変動中処理を説明するフローチャートである。
 
【0293】
(ステップS620−1)
  メインCPU300aは、処理対象識別値として「00H」をセットする。なお、処理対象識別値というのは、以下の各処理を実行する際に、特1保留にかかる処理を実行するのか、特2保留にかかる処理を実行するのかを識別するためのものであり、処理対象識別値として「00H」がセットされている場合には、特1保留にかかる処理が実行され、処理対象識別値として「01H」がセットされている場合には、特2保留にかかる処理が実行される。なお、特別図柄変動中処理および特別図柄停止図柄表示処理の説明で登場する各種のカウンタやタイマには、特1保留用と特2保留用とが設けられており、以下のステップS620−5〜ステップS620−23の処理では、メインRAM300cに記憶された処理対象識別値に対応する処理対象(カウンタやタイマ等)についてなされるものである。
 
【0294】
(ステップS620−3)
  メインCPU300aは、処理対象の保留が第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162において変動表示中であるかを判定する。その結果、変動表示中であれば、ステップS620−5に処理を移し、変動表示中でなければ、ステップS620−25に処理を移す。
 
【0295】
(ステップS620−5)
  メインCPU300aは、特別図柄変動ベースカウンタを更新する処理を実行する。なお、特別図柄変動ベースカウンタは、所定周期(例えば100ms)で1周するようにカウンタ値が設定される。具体的には、特別図柄変動ベースカウンタのカウンタ値が「0」であった場合には、所定のカウンタ値(例えば25)がセットされ、カウンタ値が「1」以上であった場合には、現在のカウンタ値から「1」減算した値にカウンタ値を更新する。
 
【0296】
(ステップS620−7)
  メインCPU300aは、上記ステップS620−5で更新した特別図柄変動ベースカウンタのカウンタ値が「0」であるかを判定する。その結果、カウンタ値が「0」であった場合にはステップS620−9に処理を移し、カウンタ値が「0」ではなかった場合にはステップS620−13に処理を移す。
 
【0297】
(ステップS620−9)
  メインCPU300aは、上記ステップS610−27またはステップS610−73で設定された特別図柄変動タイマのタイマ値を所定値減算する特別図柄変動タイマ更新処理を行う。
 
【0298】
(ステップS620−11)
  メインCPU300aは、上記ステップS620−9で更新した特別図柄変動タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、タイマ値が「0」であった場合にはステップS620−19に処理を移し、タイマ値が「0」ではなかった場合にはステップS620−13に処理を移す。
 
【0299】
(ステップS620−13)
  メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162を構成する7セグの各セグメントの点灯時間を計時する特別図柄表示タイマを更新する。具体的には、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であった場合には、所定のタイマ値がセットされ、タイマ値が「1」以上であった場合には、現在のタイマ値から「1」減算した値にタイマ値を更新する。
 
【0300】
(ステップS620−15)
  メインCPU300aは、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS620−17に処理を移し、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合にはステップS620−25に処理を移す。
 
【0301】
(ステップS620−17)
  メインCPU300aは、更新対象の特別図柄表示図柄カウンタのカウンタ値を更新し、ステップS620−25に処理を移す。これにより、7セグを構成する各セグメントが、所定時間おきに順次点灯することとなる。
 
【0302】
(ステップS620−19)
  メインCPU300aは、対象の特別図柄表示図柄カウンタに、上記ステップS610−25またはS610−71で決定した特別図柄停止図柄番号(カウンタ値)をセーブする。これにより、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に、決定された特別図柄が停止表示されることとなる。
 
【0303】
(ステップS620−21)
  メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に特別図柄が停止表示されたことを示す特図停止指定コマンドを送信バッファにセットする。
 
【0304】
(ステップS620−23)
  メインCPU300aは、特別図柄を停止表示する時間である特別図柄変動停止時間を特別遊技タイマにセットする。
 
【0305】
(ステップS620−25)
  メインCPU300aは、メインRAM300cに記憶された処理対象識別値が最大(01H)であるかを判定する。その結果、処理対象識別値が最大であると判定した場合には当該特別図柄変動中処理を終了し、処理対象識別値は最大ではないと判定した場合にはステップS620−27に処理を移す。
 
【0306】
(ステップS620−27)
  メインCPU300aは、処理対象識別値として「01H」をセットし、ステップS620−3に処理を移す。
 
【0307】
  図29は、主制御基板300における特別図柄停止図柄表示処理を説明するフローチャートである。
 
【0308】
(ステップS630−1)
  メインCPU300aは、処理対象識別値として「00H」をセットする。
 
【0309】
(ステップS630−3)
  メインCPU300aは、メインRAM300cにセットされた処理対象識別値に対応する保留種別にかかる特別図柄が、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に停止表示中であるかを判定する。その結果、停止表示中であると判定した場合にはステップS630−5に処理を移し、停止表示中ではないと判定した場合にはステップS630−27に処理を移す。
 
【0310】
(ステップS630−5)
  メインCPU300aは、上記ステップS620−23でセットした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合にはステップS630−27に処理を移し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS630−7に処理を移す。
 
【0311】
(ステップS630−7)
  メインCPU300aは、大役抽選の結果を確認する。
 
【0312】
(ステップS630−9)
  メインCPU300aは、大役抽選の結果がハズレであるかを判定する。その結果、ハズレであると判定した場合にはステップS630−25に処理を移し、ハズレではないと判定した場合にはステップS630−11に処理を移す。
 
【0313】
(ステップS630−11)
  メインCPU300aは、変動表示中の特別図柄があるかを判定する。その結果、変動表示中の特別図柄があると判定した場合にはステップS631に処理を移し、変動表示中の特別図柄はないと判定した場合にはステップS630−13に処理を移す。
 
【0314】
(ステップS631)
  メインCPU300aは、図柄強制停止処理を実行する。この図柄強制停止処理については、
図30を用いて後述する。
 
【0315】
(ステップS630−13)
  メインCPU300aは、遊技状態を更新する遊技状態更新処理を行う。ここでは、停止表示中の特別図柄が大当たり図柄である場合に遊技状態を初期状態に設定し、停止表示中の特別図柄が小当たり図柄である場合には、そのまま次の処理に移る。
 
【0316】
(ステップS630−15)
  メインCPU300aは、確定した特別図柄の種別に応じて、特別電動役物作動ラムセットテーブルのデータをセットする。
 
【0317】
(ステップS630−17)
  メインCPU300aは、特別電動役物最大作動回数設定処理を行う。具体的には、上記ステップS630−15でセットしたデータを参照し、特別電動役物最大作動回数カウンタに、カウンタ値として所定数(特別図柄の種別に対応するカウンタ値=ラウンド数)をセットする。なお、この特別電動役物最大作動回数カウンタは、これから開始する大役遊技において実行可能なラウンド数を示すものである。一方、メインRAM300cには、特別電動役物連続作動回数カウンタが設けられており、各ラウンド遊技の開始時に、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を「1」加算することで、現在のラウンド遊技数が管理される。ここでは、大役遊技の開始に伴って、この特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値をリセット(「0」に更新)する処理が併せて実行される。
 
【0318】
(ステップS630−19)
  メインCPU300aは、上記ステップS630−15でセットしたデータを参照し、特別遊技タイマに、タイマ値として所定のオープニング時間をセーブする。
 
【0319】
(ステップS630−21)
  メインCPU300aは、大役遊技の開始を副制御基板330に伝達するためのオープニング指定コマンドを送信バッファにセットする。
 
【0320】
(ステップS630−23)
  メインCPU300aは、大役遊技を開始する場合には特別遊技管理フェーズを「01H」に更新し、小当たり遊技を開始する場合には特別遊技管理フェーズを「05H」に更新して、当該特別図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、大役遊技または小当たり遊技が開始されることとなる。
 
【0321】
(ステップS630−25)
  メインCPU300aは、特別図柄が確定したときの遊技状態を示す特図確定時遊技状態確認指定コマンドを送信バッファにセットする。
 
【0322】
(ステップS630−27)
  メインCPU300aは、メインRAM300cに記憶された処理対象識別値が最大(01H)であるかを判定する。その結果、処理対象識別値が最大であると判定した場合には当該特別図柄停止図柄表示処理を終了し、処理対象識別値は最大ではないと判定した場合にはステップS630−29に処理を移す。
 
【0323】
(ステップS630−29)
  メインCPU300aは、処理対象識別値に01Hを加算し、ステップS630−3に処理を移す。
 
【0324】
  図30は、主制御基板300における図柄強制停止処理(ステップS631)を説明するフローチャートである。
 
【0325】
(ステップS631−1)
  メインCPU300aは、停止表示中(当該)の特別図柄が小当たり図柄であるかを判定する。その結果、小当たり図柄であると判定した場合にはステップS631−3に処理を移し、小当たり図柄ではないと判定した場合にはステップS631−11に処理を移す。
 
【0326】
(ステップS631−3)
  メインCPU300aは、処理対象識別値が00Hであるか、つまり、小当たり図柄が停止表示されたのが、第1特別図柄表示器160であるかを判定する。その結果、処理対象識別値が00Hであると判定した場合にはステップS631−11に処理を移し、処理対象識別値は00Hではないと判定した場合にはステップS631−5に処理を移す。
 
【0327】
(ステップS631−5)
  メインCPU300aは、変動表示中(他方)の特別図柄が大当たり図柄であるかを判定する。その結果、大当たり図柄であると判定した場合にはステップS631−11に処理を移し、大当たり図柄ではないと判定した場合にはステップS631−7に処理を移す。
 
【0328】
(ステップS631−7)
  メインCPU300aは、中断中フラグをオンする。
 
【0329】
(ステップS631−9)
  メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160における図柄の変動表示を中断する変動中断処理を実行し、当該図柄強制停止処理を終了する。ここでは、変動時間の残り時間や、特別図柄にかかる情報を一時的に所定の記憶領域に退避させる処理を行う。
 
【0330】
(ステップS631−11)
  メインCPU300aは、図柄が変動表示されている第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162にハズレ図柄を強制停止させる処理を行い、当該図柄強制停止処理を終了する。
 
【0331】
  上記の処理により、第1特別図柄表示器160に小当たり図柄が停止表示された場合には、第2特別図柄表示器162にハズレ図柄が強制停止表示される。また、第2特別図柄表示器162に小当たり図柄が停止表示された場合、大当たり図柄が第1特別図柄表示器160に最終的に停止表示される変動表示中であれば、第1特別図柄表示器160にハズレ図柄が強制停止表示される。一方、第2特別図柄表示器162に小当たり図柄が停止表示された場合、小当たり図柄またはハズレ図柄が第1特別図柄表示器160に最終的に停止表示される変動表示中であれば、第1特別図柄表示器160における変動表示が一時的に中断されることとなる。
 
【0332】
  図31は、主制御基板300における大入賞口開放前処理を説明するフローチャートである。この大入賞口開放前処理は、特別遊技管理フェーズが「01H」、「05H」であった場合に実行される。
 
【0333】
(ステップS640−1)
  メインCPU300aは、上記ステップS630−19等でセットした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該大入賞口開放前処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS640−3に処理を移す。
 
【0334】
(ステップS640−3)
  メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
 
【0335】
(ステップS640−5)
  メインCPU300aは、大入賞口の開放開始(ラウンド遊技の開始)を副制御基板330に伝達するための大入賞口開放指定コマンドを送信バッファにセットする。
 
【0336】
(ステップS641)
  メインCPU300aは、大入賞口開閉切替処理を実行する。この大入賞口開閉切替処理については後述する。
 
【0337】
(ステップS640−7)
  メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを、現在の値に01Hを加算した値(「02H」または「06H」)に更新し、当該大入賞口開放前処理を終了する。
 
【0338】
  図32は、主制御基板300における大入賞口開閉切替処理を説明するフローチャートである。
 
【0339】
(ステップS641−1)
  メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数(1回のラウンド遊技中における大入賞口の開閉回数)の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合には当該大入賞口開閉切替処理を終了し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS641−3に処理を移す。
 
【0340】
(ステップS641−3)
  メインCPU300aは、特別電動役物作動ラムセットテーブルのデータを参照し、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値に基づいて、第1大入賞口ソレノイド126c、第2大入賞口ソレノイド128cを通電制御するためのソレノイド制御データ、および、通電時間または通電停止時間であるタイマデータを抽出する。
 
【0341】
(ステップS641−5)
  メインCPU300aは、上記ステップS641−3で抽出したソレノイド制御データに基づいて、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電を開始するか、または、通電を停止するための大入賞口ソレノイド通電制御処理を実行する。この大入賞口ソレノイド通電制御処理の実行により、上記ステップS400−25およびステップS400−27において、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電開始または通電停止の制御がなされることとなる。
 
【0342】
(ステップS641−7)
  メインCPU300aは、上記ステップS641−3で抽出したタイマデータに基づくタイマ値を、特別遊技タイマにセーブする。なお、ここで特別遊技タイマにセーブされるタイマ値は、大入賞口の1回の最大開放時間となる。
 
【0343】
(ステップS641−9)
  メインCPU300aは、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電開始状態か、すなわち、上記ステップS641−5において、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電を開始する制御処理がなされたかを判定する。その結果、通電開始状態であると判定した場合にはステップS641−11に処理を移し、通電開始状態ではないと判定した場合には当該大入賞口開閉切替処理を終了する。
 
【0344】
(ステップS641−11)
  メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新し、当該大入賞口開閉切替処理を終了する。
 
【0345】
  図33は、主制御基板300における大入賞口開放制御処理を説明するフローチャートである。この大入賞口開放制御処理は、特別遊技管理フェーズが「02H」、「06H」であった場合に実行される。
 
【0346】
(ステップS650−1)
  メインCPU300aは、上記ステップS641−7でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合にはステップS650−5に処理を移し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS650−3に処理を移す。
 
【0347】
(ステップS650−3)
  メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合にはステップS650−7に処理を移し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS641に処理を移す。
 
【0348】
(ステップS641)
  上記ステップS650−3において、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数の上限値ではないと判定した場合には、メインCPU300aは、上記ステップS641の処理を実行する。
 
【0349】
(ステップS650−5)
  メインCPU300aは、上記ステップS500−9で更新された大入賞口入賞球数カウンタのカウンタ値が規定数に到達していないか、すなわち、大入賞口に、1ラウンド中の最大入賞可能数と同数の遊技球が入球していないかを判定する。その結果、規定数に到達していないと判定した場合には当該大入賞口開放制御処理を終了し、規定数に到達したと判定した場合にはステップS650−7に処理を移す。
 
【0350】
(ステップS650−7)
  メインCPU300aは、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電を停止して大入賞口を閉鎖するために必要な大入賞口閉鎖処理を実行する。これにより、大入賞口は閉鎖状態となる。
 
【0351】
(ステップS650−9)
  メインCPU300aは、大入賞口閉鎖有効時間(インターバル時間)を特別遊技タイマにセーブする。
 
【0352】
(ステップS650−11)
  メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを、現在の値に01Hを加算した値(「03H」または「07H」)に更新する。
 
【0353】
(ステップS650−13)
  メインCPU300aは、大入賞口が閉鎖されたことを示す大入賞口閉鎖指定コマンドを送信バッファにセットし、当該大入賞口開放制御処理を終了する。
 
【0354】
  図34は、主制御基板300における大入賞口閉鎖有効処理を説明するフローチャートである。この大入賞口閉鎖有効処理は、特別遊技管理フェーズが「03H」、「07H」であった場合に実行される。
 
【0355】
(ステップS660−1)
  メインCPU300aは、上記ステップS650−9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該大入賞口閉鎖有効処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS660−3に処理を移す。
 
【0356】
(ステップS660−3)
  メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物最大作動回数カウンタのカウンタ値と一致するか、すなわち、予め設定された回数のラウンド遊技が終了したかを判定する。その結果、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物最大作動回数カウンタのカウンタ値と一致すると判定した場合にはステップS660−9に処理を移し、一致しないと判定した場合にはステップS660−5に処理を移す。
 
【0357】
(ステップS660−5)
  メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「01H」に更新する。なお、特別遊技管理フェーズが07Hである場合、すなわち、小当たり遊技の制御中は、小当たり遊技のラウンド遊技回数が「1」であることから、上記ステップS660−3で必ずYESと判定され、当該ステップに処理が移行することはない。
 
【0358】
(ステップS660−7)
  メインCPU300aは、所定の大入賞口閉鎖時間を特別遊技タイマにセーブし、当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。これにより、次のラウンド遊技が開始されることとなる。
 
【0359】
(ステップS660−9)
  メインCPU300aは、エンディング時間を特別遊技タイマにセーブするエンディング時間設定処理を実行する。
 
【0360】
(ステップS660−11)
  メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを、現在の値に01Hを加算した値(「04H」または「08H」)に更新する。
 
【0361】
(ステップS660−13)
  メインCPU300aは、エンディングの開始を示すエンディング指定コマンドを送信バッファにセットし、当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。
 
【0362】
  図35は、主制御基板300における大入賞口終了ウェイト処理を説明するフローチャートである。この大入賞口終了ウェイト処理は、特別遊技管理フェーズが「04H」、「08H」であった場合に実行される。
 
【0363】
(ステップS670−1)
  メインCPU300aは、上記ステップS660−9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該大入賞口終了ウェイト処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS670−3に処理を移す。
 
【0364】
(ステップS670−3)
  メインCPU300aは、大役遊技終了後の遊技状態を設定するための状態設定処理を実行する。ここでは、上記ステップS610−29またはステップS610−75で予備領域に設定した遊技状態や高確回数、時短回数をロードし、大役遊技後の遊技状態として各フラグの設定やカウンタ値をセットする。なお、この処理は、大役遊技が実行された場合にのみ行われ、小当たり遊技が実行された場合には、当該処理を行うことはない。
 
【0365】
(ステップS670−5)
  メインCPU300aは、大役遊技の終了後に設定される遊技状態を伝達するための遊技状態変化指定コマンドを送信バッファにセットする。
 
【0366】
(ステップS670−7)
  メインCPU300aは、上記ステップS670−3でセーブした高確回数、時短回数に対応する回数コマンドを送信バッファにセットする。
 
【0367】
(ステップS670−9)
  メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該大入賞口終了ウェイト処理を終了する。これにより、特1保留または特2保留が記憶されている場合には、図柄の変動表示が再開されることとなる。
 
【0368】
  図36は、普通遊技管理フェーズを説明する図である。既に説明したとおり、本実施形態では、ゲート124への遊技球の通過を契機とする普通遊技に係る処理が、段階的に、かつ、繰り返し実行されるが、主制御基板300では、こうした普通遊技に係る各処理を普通遊技管理フェーズによって管理している。
 
【0369】
  図36に示すように、メインROM300bには、普通遊技を実行制御するための複数の普通遊技制御モジュールが格納されており、これら普通遊技制御モジュールごとに、普通遊技管理フェーズが対応付けられている。具体的には、普通遊技管理フェーズが「00H」である場合には、「普通図柄変動待ち処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「01H」である場合には、「普通図柄変動中処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「02H」である場合には、「普通図柄停止図柄表示処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「03H」である場合には、「普通電動役物入賞口開放前処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「04H」である場合には、「普通電動役物入賞口開放制御処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「05H」である場合には、「普通電動役物入賞口閉鎖有効処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「06H」である場合には、「普通電動役物入賞口終了ウェイト処理」を実行するためのモジュールがコールされる。
 
【0370】
  図37は、主制御基板300における普通遊技管理処理(ステップS700)を説明するフローチャートである。
 
【0371】
(ステップS700−1)
  メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。
 
【0372】
(ステップS700−3)
  メインCPU300aは、上記ステップS700−1でロードした普通遊技管理フェーズに対応する普通遊技制御モジュールを選択する。
 
【0373】
(ステップS700−5)
  メインCPU300aは、上記ステップS700−3で選択した普通遊技制御モジュールをコールして処理を開始する。
 
【0374】
(ステップS700−7)
  メインCPU300aは、普通遊技の制御時間を管理する普通遊技タイマをロードする。
 
【0375】
  図38は、主制御基板300における普通図柄変動待ち処理を説明するフローチャートである。この普通図柄変動待ち処理は、普通遊技管理フェーズが「00H」であった場合に実行される。
 
【0376】
(ステップS710−1)
  メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値をロードし、カウンタ値が「0」であるか、すなわち、普図保留が「0」であるかを判定する。その結果、カウンタ値が「0」であると判定した場合には当該普通図柄変動待ち処理を終了し、カウンタ値は「0」ではないと判定した場合にはステップS710−3に処理を移す。
 
【0377】
(ステップS710−3)
  メインCPU300aは、普図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている普図保留(当たり決定乱数)を、1つ序数の小さい記憶部にブロック転送する。具体的には、第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている普図保留を、第1記憶部〜第3記憶部に転送する。また、メインRAM300cには、処理対象となる第0記憶部が設けられており、第1記憶部に記憶されている普図保留を、第0記憶部に転送する。なお、この普通図柄記憶エリアシフト処理においては、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに、普図保留が「1」減算したことを示す、普図保留減指定コマンドを送信バッファにセットする。
 
【0378】
(ステップS710−5)
  メインCPU300aは、第0記憶部に転送された当たり決定乱数をロードし、現在の遊技状態に対応する当たり決定乱数判定テーブルを選択して普図抽選を行い、その抽選結果を記憶する普通図柄当たり判定処理を実行する。
 
【0379】
(ステップS710−7)
  メインCPU300aは、上記ステップS710−5の普図抽選の結果に対応する普通図柄停止図柄番号をセーブする。なお、本実施形態では、普通図柄表示器168は1つのLEDランプで構成されており、当たりの場合には普通図柄表示器168を点灯させ、ハズレの場合には普通図柄表示器168を消灯させる。ここで決定する普通図柄停止図柄番号は、最終的に普通図柄表示器168を点灯するか否かを示すものであり、例えば、当たりに当選した場合には、普通図柄停止図柄番号として「0」が決定され、ハズレの場合には、普通図柄停止図柄番号として「1」が決定される。
 
【0380】
(ステップS710−9)
  メインCPU300aは、現在の遊技状態を確認し、対応する普通図柄変動時間データテーブルを選択してセットする。
 
【0381】
(ステップS710−11)
  メインCPU300aは、上記ステップS710−3で第0記憶部に転送した当たり決定乱数と、上記ステップS710−9でセットした普通図柄変動時間データテーブルとに基づいて、普通図柄変動時間を決定する。
 
【0382】
(ステップS710−13)
  メインCPU300aは、上記ステップS710−11で決定した普通図柄変動時間を普通遊技タイマにセーブする。
 
【0383】
(ステップS710−15)
  メインCPU300aは、普通図柄表示器168において、普通図柄の変動表示を開始するために、普通図柄表示図柄カウンタを設定する処理を実行する。この普通図柄表示図柄カウンタに、カウンタ値として例えば「0」が設定されている場合には普通図柄表示器168が点灯制御され、カウンタ値として「1」が設定されている場合には普通図柄表示器168が消灯制御される。ここでは、普通図柄の変動表示の開始時に所定のカウンタ値が普通図柄表示図柄カウンタに設定されることとなる。
 
【0384】
(ステップS710−17)
  メインCPU300aは、普図保留記憶領域に記憶されている普図保留数を示す普図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。
 
【0385】
(ステップS710−19)
  メインCPU300aは、上記ステップS710−7で決定された普通図柄停止図柄番号、すなわち、普通図柄当たり判定処理によって決定された図柄種別(当たり図柄またはハズレ図柄)に基づいて、普通図柄指定コマンドを送信バッファにセットする。
 
【0386】
(ステップS710−21)
  メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「01H」に更新し、当該普通図柄変動待ち処理を終了する。
 
【0387】
  図39は、主制御基板300における普通図柄変動中処理を説明するフローチャートである。この普通図柄変動中処理は、普通遊技管理フェーズが「01H」であった場合に実行される。
 
【0388】
(ステップS720−1)
  メインCPU300aは、上記ステップS710−13でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、タイマ値が「0」であった場合にはステップS720−9に処理を移し、タイマ値が「0」ではなかった場合にはステップS720−3に処理を移す。
 
【0389】
(ステップS720−3)
  メインCPU300aは、普通図柄表示器168の点灯時間および消灯時間を計時する普通図柄表示タイマを更新する。具体的には、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であった場合には、所定のタイマ値がセットされ、タイマ値が「1」以上であった場合には、現在のタイマ値から「1」減算した値にタイマ値を更新する。
 
【0390】
(ステップS720−5)
  メインCPU300aは、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS720−7に処理を移し、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該普通図柄変動中処理を終了する。
 
【0391】
(ステップS720−7)
  メインCPU300aは、普通図柄表示図柄カウンタのカウンタ値を更新する。ここでは、普通図柄表示図柄カウンタのカウンタ値が、普通図柄表示器168の消灯を示すカウンタ値であった場合には点灯を示すカウンタ値に更新し、普通図柄表示器168の点灯を示すカウンタ値であった場合には消灯を示すカウンタ値に更新し、当該普通図柄変動中処理を終了する。これにより、普通図柄表示器168は、普通図柄変動時間に亘って、所定時間おきに点灯、消灯を繰り返す(点滅する)こととなる。
 
【0392】
(ステップS720−9)
  メインCPU300aは、普通図柄表示図柄カウンタに、上記ステップS710−7で決定した普通図柄停止図柄番号(カウンタ値)をセーブする。これにより、普通図柄表示器168が最終的に点灯または消灯制御され、普図抽選の結果が報知されることとなる。
 
【0393】
(ステップS720−11)
  メインCPU300aは、普通図柄を停止表示する時間である普通図柄変動停止時間を普通遊技タイマにセットする。
 
【0394】
(ステップS720−13)
  メインCPU300aは、普通図柄の停止表示が開始されたことを示す普図停止指定コマンドを送信バッファにセットする。
 
【0395】
(ステップS720−15)
  メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「02H」に更新し、当該普通図柄変動中処理を終了する。
 
【0396】
  図40は、主制御基板300における普通図柄停止図柄表示処理を説明するフローチャートである。この普通図柄停止図柄表示処理は、普通遊技管理フェーズが「02H」であった場合に実行される。
 
【0397】
(ステップS730−1)
  メインCPU300aは、上記ステップS720−11でセットした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通図柄停止図柄表示処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS730−3に処理を移す。
 
【0398】
(ステップS730−3)
  メインCPU300aは、普図抽選の結果を確認する。
 
【0399】
(ステップS730−5)
  メインCPU300aは、普図抽選の結果が当たりであるかを判定する。その結果、当たりであると判定した場合にはステップS730−9に処理を移し、当たりではない(ハズレである)と判定した場合にはステップS730−7に処理を移す。
 
【0400】
(ステップS730−7)
  メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該普通図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、1の普図保留に基づく普通遊技管理処理が終了し、普図保留が記憶されている場合には、次の保留に基づく普通図柄の変動表示を開始するための処理が行われることとなる。
 
【0401】
(ステップS730−9)
  メインCPU300aは、開閉制御パターンテーブルのデータを参照し、普通遊技タイマに、タイマ値として普電開放前時間をセーブする。
 
【0402】
(ステップS730−11)
  メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「03H」に更新し、当該普通図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、第2始動口122の開閉制御が開始されることとなる。
 
【0403】
  図41は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開放前処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口開放前処理は、普通遊技管理フェーズが「03H」であった場合に実行される。
 
【0404】
(ステップS740−1)
  メインCPU300aは、上記ステップS730−9でセットした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開放前処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS741に処理を移す。
 
【0405】
(ステップS741)
  メインCPU300aは、普通電動役物入賞口開閉切替処理を実行する。この普通電動役物入賞口開閉切替処理については後述する。
 
【0406】
(ステップS740−3)
  メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「04H」に更新し、当該普通電動役物入賞口開放前処理を終了する。
 
【0407】
  図42は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開閉切替処理を説明するフローチャートである。
 
【0408】
(ステップS741−1)
  メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数(1回の開閉制御中における第2始動口122の可動片122bの開閉回数)の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合には当該普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS741−3に処理を移す。
 
【0409】
(ステップS741−3)
  メインCPU300aは、開閉制御パターンテーブルのデータを参照し、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値に基づいて、普通電動役物ソレノイド122cを通電制御するためのソレノイド制御データ(通電制御データまたは通電停止制御データ)、および、普通電動役物ソレノイド122cの通電時間(ソレノイド通電時間)または通電停止時間(普電閉鎖有効時間=休止時間)であるタイマデータを抽出する。
 
【0410】
(ステップS741−5)
  メインCPU300aは、上記ステップS741−3で抽出したソレノイド制御データに基づいて、普通電動役物ソレノイド122cの通電を開始するか、または、普通電動役物ソレノイド122cの通電を停止するための普通電動役物ソレノイド通電制御処理を実行する。この普通電動役物ソレノイド通電制御処理の実行により、上記ステップS400−25およびステップS400−27において、普通電動役物ソレノイド122cの通電開始または通電停止の制御がなされることとなる。
 
【0411】
(ステップS741−7)
  メインCPU300aは、上記ステップS741−3で抽出したタイマデータに基づくタイマ値を、普通遊技タイマにセーブする。なお、ここで普通遊技タイマにセーブされるタイマ値は、第2始動口122の1回の最大開放時間となる。
 
【0412】
(ステップS741−9)
  メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド122cの通電開始状態か、すなわち、上記ステップS741−5において、普通電動役物ソレノイド122cの通電を開始する制御処理がなされたかを判定する。その結果、通電開始状態であると判定した場合にはステップS741−11に処理を移し、通電開始状態ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了する。
 
【0413】
(ステップS741−11)
  メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
 
【0414】
  図43は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開放制御処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口開放制御処理は、普通遊技管理フェーズが「04H」であった場合に実行される。
 
【0415】
(ステップS750−1)
  メインCPU300aは、上記ステップS741−7でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合にはステップS750−5に処理を移し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS750−3に処理を移す。
 
【0416】
(ステップS750−3)
  メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合にはステップS750−7に処理を移し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS741に処理を移す。
 
【0417】
(ステップS741)
  上記ステップS750−3において、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数の上限値ではないと判定した場合には、メインCPU300aは、上記ステップS741の処理を実行する。
 
【0418】
(ステップS750−5)
  メインCPU300aは、上記ステップS530−9で更新された普通電動役物入賞球数カウンタのカウンタ値が規定数に到達していないか、すなわち、第2始動口122に、1回の開閉制御中の最大入賞可能数と同数の遊技球が入球していないかを判定する。その結果、規定数に到達していないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開放制御処理を終了し、規定数に到達したと判定した場合にはステップS750−7に処理を移す。
 
【0419】
(ステップS750−7)
  メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド122cの通電を停止して第2始動口122を閉鎖するために必要な普通電動役物閉鎖処理を実行する。これにより、第2始動口122が閉鎖状態となる。
 
【0420】
(ステップS750−9)
  メインCPU300aは、普電有効状態時間を普通遊技タイマにセーブする。
 
【0421】
(ステップS750−11)
  メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「05H」に更新し、当該普通電動役物入賞口開放制御処理を終了する。
 
【0422】
  図44は、主制御基板300における普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口閉鎖有効処理は、普通遊技管理フェーズが「05H」であった場合に実行される。
 
【0423】
(ステップS760−1)
  メインCPU300aは、上記ステップS750−9でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS760−3に処理を移す。
 
【0424】
(ステップS760−3)
  メインCPU300aは、普電終了ウェイト時間を普通遊技タイマにセーブする。
 
【0425】
(ステップS760−5)
  メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「06H」に更新し、当該普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を終了する。
 
【0426】
  図45は、主制御基板300における普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口終了ウェイト処理は、普通遊技管理フェーズが「06H」であった場合に実行される。
 
【0427】
(ステップS770−1)
  メインCPU300aは、上記ステップS760−3でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS770−3に処理を移す。
 
【0428】
(ステップS770−3)
  メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を終了する。これにより、普図保留が記憶されている場合には、普通図柄の変動表示が再開されることとなる。
 
【0429】
(各遊技状態における遊技球の流下経路の一例)
  次に、
図4から
図12を参照しつつ
図46から
図49を用いて、本実施形態による遊技機100の各遊技状態における、遊技球の流下経路の一例を説明する。
 
【0430】
(通常状態における遊技球の流下経路の一例)
  まず、
図46を用いて通常状態における遊技球の流下経路の一例を説明する。
図46は、遊技状態が通常状態の場合に遊技者が左打ちした遊技球の流下経路の一例を説明する図である。
図46では、遊技盤108の遊技領域116に設けられた各入賞口を含む一部の構成と遊技領域116を流下する遊技球を模式的に示している。
 
【0431】
  遊技機100の初期状態では、遊技状態は通常状態に設定されている。また
図7(b)に示すように、通常状態では実質変動対象が特1保留に設定されている。このため、通常状態において遊技者は、第1始動口120に遊技球を入球させるべく、第1遊技領域116aに向けて遊技球を発射させる。第1遊技領域116aは、遊技盤108の左側に位置することから、遊技者は、通常状態において、所謂「左打ち」を行うこととなる。
 
【0432】
  第1始動口120への遊技球の入球を狙う場合、遊技者は第1遊技領域116aに遊技球が進入するように操作ハンドル112の回転角度を調整して回転操作(左打ち)を行う。左打ちされた遊技球は、レール114aおよび114b(
図2参照)の間を上昇し、第1遊技領域116aに放出される。
図46に示すように、第1遊技領域116aに放出された遊技球は、所定位置に設けられた複数の釘(不図示)等に接触しながら、第1遊技領域116aを流下して、第1始動口120に入球するか、一般入賞口118に入球するか、または排出口130から遊技盤108の背面側に排出される。一般入賞口118に遊技球が入球すると所定数の遊技球(例えば、3個)が払い出される。
 
【0433】
  また、第1始動口120に遊技球が入球すると特1保留が第1特図保留記憶領域に記憶される。第1特図保留記憶領域に記憶された特1保留は、メインCPU300aによって始動条件の成立により順次読み出され(ステップS610−9)、読み出された特1保留に基づく大役抽選が行われる(ステップS610−13)。通常状態(特別遊技状態が低確率遊技状態)での大役抽選では、メインCPU300aは、
図4(a)に示す低確時大当たり決定乱数判定テーブル1を選択し、遊技球が第1始動口120に入球したことを契機として取得した当たり決定乱数が当たりに当選しているか否かを判定する。低確時大当たり決定乱数判定テーブル1を用いる通常状態では、約1/319.6の確率で特1保留による大役抽選における大当たりに当選して大当たり遊技が実行される。
 
【0434】
  図5(a)に示すように、通常状態において、特1保留による大役抽選で大当たりに当選すると、大当たり図柄として特別図柄A,B,Cのいずれかが決定され、決定された特別図柄の種別に応じた大役遊技が実行される。ここでは、例えば、大当たり図柄として特別図柄Bが決定されたと仮定する。特別図柄Bが決定されると、
図8に示すように、第1大入賞口126が開放されるラウンド遊技が7回実行され、遊技者は7ラウンド分の賞球を獲得することができる。また、
図10に示すように、大当たり図柄として特別図柄Bが決定された場合、大役遊技の実行後には、遊技状態が最優位状態に遷移する。
 
【0435】
  また、
図4(a)に示す低確時大当たり決定乱数判定テーブル1を用いる、通常状態での特1保留による大役抽選では、約160/319.6の確率で小当たりに当選して小当たり遊技が実行される。特1保留によって小当たりに当選した場合には、
図5(c)に示すように小当たり図柄として特別図柄Z1〜Z3が決定される。これら特別図柄Z1〜Z3が第1特別図柄表示器160に停止表示された場合の小当たり遊技では、
図8に示すように第2大入賞口128が1回、0.1秒間しか開放されない。
 
【0436】
  また、特別図柄Z1〜Z3に対応する小当たり遊技では、オープニング時間やエンディング時間も極めて短い時間に設定されている。さらに、第2大入賞口128は、第2遊技領域116bに設けられている。したがって、実質変動対象が特1保留であり、遊技球が左打ちされる通常状態では、小当たり遊技の存在自体に遊技者が気付きにくく、大役抽選の結果が単なるハズレであったものと認識され易い。また、遊技球の発射間隔は約0.6秒程度である。このため、遊技球を左打ちしている際に、遊技者が小当たり遊技の存在自体に遊技者が気付いたとしても、極めて短い時間(0.1秒)で1回開放されるのみである第2大入賞口128に遊技球を入球させることはできない。したがって、通常状態において小当たり遊技が実行されても遊技者に右打ちを促すことにはならず、遊技機100の遊技性に反しない。
 
【0437】
  また、通常状態において、右打された遊技球が第2遊技領域116b設けられた第2始動口122または第3始動口123に入球したことを契機とした大役抽選、すなわち実質変動対象でない特2保留による大役抽選が実行されたと仮定する。この場合、
図7(b)に示すように第2特別図柄表示器162における特別図柄の変動時間が短変動(100秒以下)でなく、長変動(例えば10分)に決定される。これにより、遊技者にペナルティを科すべく、変動時間が10分に設定されることとなる。第2特別図柄表示器162において長時間(本例では10分)に亘って特別図柄の変動表示が継続されることで、遊技者は、遊技機100の遊技性に則り、左打ちを実行することとなる。
 
【0438】
(最優位状態における遊技球の流下経路の一例)
  次に、
図47を用いて最優位状態における遊技球の流下経路の一例を説明する。
図47は、遊技状態が最優位状態の場合に遊技者が右打ちした遊技球の流下経路の一例を説明する図である。より具体的には、
図47は、遊技状態が最優位状態、かつ小当たり遊技が実行中でない場合において遊技者が右打ちした遊技球の流下経路の一例を説明する図である。
図47では、第2遊技領域116bにおける遊技球の流下経路を説明するため、第2遊技領域116bの構成をより詳細に図示している。後述の
図48および
図49も同様である。
 
【0439】
  図7(b)に示すように、最優位状態では、実質変動対象が特2保留に設定されている。このため、例えば遊技機100において遊技状態が通常状態から最優位状態に遷移すると、遊技者は、第1始動口120への入球を狙う左打ちから第2始動口122または第3始動口123への入球を狙う右打ちに変更する。第2始動口122または第3始動口123への遊技球の入賞を狙う場合、遊技者は第2遊技領域116bに遊技球が進入するように操作ハンドル112の回転角度を調整して回転操作(右打ち)を行う。
 
【0440】
  ここで、遊技機100の遊技盤108における第2遊技領域116bの詳細な構成を説明しつつ、第2遊技領域116bにおける遊技球の流下経路の一例を説明する。
図47に示すように、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技盤108の右側領域に位置する第2遊技領域116bには、上から順に、ゲート124、第1大入賞口126、排出口131、第2始動口122、第2大入賞口128、第3始動口123が設けられている。第2始動口122および第3始動口123は、いずれも特2用始動口である。このように、本実施形態による遊技機100の第2遊技領域116bには、遊技球の流下経路上に複数(本例では、2つ)の特2用始動口が設けられている。遊技機100では、複数の特2用始動口のうち、一の特2用始動口(第2始動口122)は、遊技球の入球容易性が可変となる所謂、可変始動口であり、他の特2用始動口(第3始動口123)は、常に遊技球が入球可能となる固定始動口で構成されている。また、第2遊技領域116bの入り口付近にはガイド通路600が設けられており、第2遊技領域116bへ進入した遊技球がゲート124へ導かれ易いようになっている。
 
【0441】
  ガイド通路600は、左ガイド通路600aと右ガイド通路600bとで構成されている。左ガイド通路600aおよび右ガイド通路600bはゲート124の上部で合流するように形成されている。左ガイド通路600aの最下部には釘P1が設けられている。また、右ガイド通路600bの最下部には釘P2が設けられている。遊技球は、左ガイド通路600aおよび右ガイド通路600bのいずれを流下した場合でも、釘P1,P2に接触することで、ゲート124方向へ転動し易くなっている。このため、遊技球が左ガイド通路600aおよび右ガイド通路600bのいずれを流下しても、ゲート124の通過容易性(通過頻度)はほぼ同様である。また、ゲート124の直上には、遊技球の直径よりもやや広い間隔で釘P3および釘P4が配置されている。これにより、ゲート124を通過する遊技球が過剰にならないように、ゲート124の通過容易性が調整される。ガイド通路600を流下した遊技球は、釘P1と釘P3との間、または釘P2と釘P4との間を抜けてゲート124の脇を流下する場合もある。なお、釘P1,P2,P3,P4の設置個所は、
図47に示す例に限られない。また、
図47では、第2遊技領域116bに設けられた釘の一部を模式的に示しており、
図47に示す以外にも所定の釘が設けられていてもよい。
 
【0442】
  図47に示すように、最優位状態において右打ちされた遊技球は、レール114a,114b(
図2参照)を経て、第2遊技領域116bに到達すると、ガイド通路600の例えば左ガイド通路600aに導かれて流下し、ゲート124を通過する。メインCPU300aは、遊技球がゲート124を通過したことを契機として当たり決定乱数を取得し(ステップS510−1)、普図抽選を行う。
 
【0443】
  最優位状態(普通遊技状態が非時短遊技状態)での普図抽選では、メインCPU300aは、
図11(a)に示す非時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルを選択し、遊技球がゲート124を通過したことを契機として取得した当たり決定乱数が当たりに当選しているか否かを判定する。
図11(a)に示すように、非時短遊技状態では、30/100の確率で普図抽選に当選する。ここでは、例えば当たり決定乱数が「91」であって、メインCPU300aが普図抽選に当選していないと判定したと仮定する。さらに、
図47に示す例では、大役遊技中でないため、第1大入賞口126は閉状態である。このため、ゲート124を通過した遊技球およびゲート124の脇を流下した遊技球のいずれも、閉状態である第1大入賞口126の開閉扉126b上を転動して第2遊技領域116bをさらに流下する。
 
【0444】
  図47に示すように、第2遊技領域116bの流下経路は、第1大入賞口126の下流に設けられた第2始動口122の上方で左経路610a、右経路610bおよび排出口131へ向かう経路の3つのルートに分岐している。また、
図47に示す例では、3つのルートの分岐点には、4本の釘P5,P6,P7,P8が設けられている。第2遊技領域116bを流下する遊技球は、例えば釘P5と釘P6との間を通過した後に、例えば釘P8に接触して釘P5と釘P7との間を通過して左経路610aに進入するルート、釘P5と釘P6との間を下方向へ通過し、そのまま釘P7と釘P8との間を通過して右経路610bに進入するルート、または、釘P5と釘P6との間を通過した後に、例えば釘P7に接触して釘P6と釘P8との間を通過して排出口131から遊技盤108の背面側に排出されるルートの何れかのルートを辿る。
 
【0445】
  本実施形態による遊技機100は、例えばこれら3つのルートのうち遊技球が右経路610bに進入するルートを辿る確率が最も高く、次に左経路610aに進入するルートを辿る確率が高く、排出口131から排出されるルートを辿る確率が最も低くなるように構成されている。
図47に示すように、左経路610aに進入した遊技球は、第3始動口123に向かって第2遊技領域116bの流下を続ける。
 
【0446】
  また、
図47に示す例では、第2始動口122は開放中でなく、可動片122bが閉状態となっている。この場合、右経路610bに進入するルートを辿る遊技球は、閉状態である第2始動口122の可動片122b上を転動して、第2大入賞口128に向かって流下を続ける。さらに、
図47に示す例では、遊技機100が小当たり遊技中ではないため、第2大入賞口128の開閉扉128bは閉状態となっている。したがって、右経路610bに進入した遊技球は、閉状態である開閉扉128b上を転動して、第3始動口123へ向かって流下を続ける。したがって、右経路610bに進入するルートは、
図47に示すように可動片122bおよび開閉扉128bが閉状態である場合に、遊技球が第3始動口123に向かって流下可能に構成されている。左経路610aおよび右経路610bは、第3始動口123の上部で合流する。これにより、第2遊技領域116bの下流部分(左経路610aおよび右経路610bの合流部分から下方)において、遊技球が集約される。また、
図47に示すように、第3始動口123の直上には、遊技球を第3始動口123に導く導入経路620が形成されている。このため、第2遊技領域116bに放出され、第1大入賞口126、第2始動口122、第2大入賞口128のいずれにも入球せず、排出口131から排出もされなかった遊技球は、ほぼすべてが第3始動口123に向かって流下する。また、第3始動口123に向かって流下した遊技球は、ほぼすべてが第3始動口123に入球する。
 
【0447】
  本実施形態による遊技機100における導入経路620は、複数(本例では、5本)の釘(本例では、釘P9,P10,P11,P12,P13)によって形成された経路である。導入経路620に進入した遊技球は、釘P9から釘P13に接触しながら流下することにより、落下速度が低下し、かつ左右方向への球ぶれが減少する。このため、釘P12と釘P13との間を通過した遊技球は、第3始動口123の開口部に設けられた釘P14,P15の間を通過して第3始動口123に入球し易い。しかし、釘12から釘14の幅および釘13から釘15の幅は、遊技球の直径よりも長い。このため、釘P12と釘P13との間を通過した遊技球は、まれに、例えば釘P15に衝突して釘12と釘14との間を通るか、または釘P14に衝突して釘13と釘15との間を通って、排出口130に到達して排出される場合がある。
 
【0448】
  本実施形態による遊技機100において、第2遊技領域116bに設けられた複数の特2用始動口(第2始動口122、第3始動口123)のうちの最下流に設けられた第3始動口123は、第1大入賞口126、第2始動口122および第2大入賞口128のいずれにも入球せず、排出口131からも排出されなかった遊技球が入球し易いように構成されている。具体的には、第3始動口123の直上には、遊技球を第3始動口123に導く導入経路620が設けられている。これにより、遊技機100において、右打ちされた遊技球は、排出口130から排出される確率よりも、第3始動口123に入球する確率の方が高い。さらに、右打ちされた遊技球は、排出口130および排出口131から排出される確率よりも、第3始動口123に入球する確率の方が高い。
 
【0449】
  第3始動口123に遊技球が入球すると、特2保留が第2特図保留記憶領域に記憶される。第2特図保留記憶領域に記憶された特2保留は、メインCPU300aによって始動条件の成立により順次読み出され(ステップS610−55)、読み出された特2保留に基づく大役抽選が行われる(ステップS610−59)。最優位状態(特別遊技状態が高確率遊技状態)での大役抽選では、メインCPU300aは、
図4(d)に示す高確時大当たり決定乱数判定テーブル2を選択し、遊技球が第3始動口123に入球したことを契機として取得した当たり決定乱数が当たりに当選しているか否かを判定する。最優位状態では、約1/75.0の確率で特2保留による大役抽選における大当たりに当選して大当たり遊技が実行され、約73.9/75.0という非常に高い確率で小当たりに当選して小当たり遊技が実行される。ここでは、例えば、当たり決定乱数が「65534」であって、小当たりに当選したと仮定する。
 
【0450】
  最優位状態において、特2保留による大役抽選で小当たりに当選すると、メインCPU300aは、
図5(d)に示す特2用小当たり図柄乱数判定テーブルbを参照して小当たり図柄として特別図柄Z4,Z5,Z6のいずれかを決定し、決定された特別図柄の種別に応じた小当たり遊技が実行される。ここで、例えば、小当たり図柄として特別図柄Z6が決定され、賞球数が多い特典が遊技者に付与される小当たり遊技が実行されるとする。
 
【0451】
  図48は、遊技状態が最優位状態であって、小当たり遊技の実行中に遊技者が右打ちした遊技球の流下経路の一例を説明する図である。本例では、実行中の小当たり遊技は特別図柄Z6に対応する小当たり遊技であると仮定する。小当たり遊技の実行が決定されると、メインCPU300aによる大入賞口開閉切替処理(
図32参照)において第2大入賞口ソレノイド128cが通電制御される。これにより、
図48に示すように第2大入賞口128の開閉扉128bが開状態になる。
図48では、第2大入賞口128の開閉扉128bを不図示とすることで、開状態の第2大入賞口128を模式的に示している。
 
【0452】
  図9に示すように、特別図柄Z6に対応する小当たり遊技では、開閉扉128bが0.1秒×12回開放される。このため、小当たり遊技中において遊技者が遊技球の右打ちを継続していると、例えば0.6秒間隔で次々と遊技球が第2遊技領域116bに放出されて、ほぼ確実に規定数(例えば8個)の遊技球を第2大入賞口128に入球させることができる。
 
【0453】
  より具体的には、
図48に示すように、特別図柄Z6に対応する小当たり遊技中において右打ちされた遊技球は、ガイド通路600(左ガイド通路600aまたは右ガイド通路600b)を流下して、ゲート124上に到達し、ゲート124を通過するか、またはゲート124の脇を流下して、第1大入賞口126の開閉扉126b上に到達する。さらに、遊技球は、閉状態である開閉扉126b上を転動して流下し続け、例えば、右経路610bに進入する。右経路610bに進入した遊技球は、閉状態である第2始動口122の可動片122b上を転動してさらに流下し続け、開状態である第2大入賞口128に入球する。最優位状態では、普通遊技状態が非時短遊技状態に設定されるため、普図抽選に当選した場合も、第2始動口122の開放時間は時短遊技状態における開放時間(2.9秒間)よりも短い時間(1.0秒間)となる。したがって、非時短遊技状態では、普通遊技状態が時短遊技状態である場合と比べて、右経路610bに進入した遊技球が閉状態の第2始動口122上を転動して、第2始動口122よりも下流に設けられた第2大入賞口128に到達する可能性が高い。
 
【0454】
  一方、例えば左経路610aに進入した遊技球は、ほぼ全てが導入経路620を経て第3始動口123へ入球する。また、小当たり遊技中において、ラウンド中インターバル時間(第2大入賞口128の開放が休止される時間)に第2大入賞口128上に到達した遊技球は、閉状態の開閉扉128b上を転動してさらに流下し、導入経路620を経て第3始動口123へ入球する場合もある。
 
【0455】
  本実施形態による遊技機100では、第2大入賞口128へ入球した遊技球1個につき、10個の賞球が払い出される。このため、最優位状態において特別図柄Z6に対応する小当たり遊技が実行されると、最大で合計80個(=8個(規定数)×10個)の賞球が払い出され、遊技者は大当たりに次いで多い賞球を獲得することができる。本実施形態による遊技機100では、大当たり遊技中において、1回のラウンド遊技につき、例えば最大で合計120個(=8個(規定数)×15個)の賞球が払い出される。
 
【0456】
  最優位状態では、実質変動対象が特2保留であり、かつ特別遊技状態が高確率遊技状態であるため小当たりに当選する確率が極めて高い。このため、小当たり遊技が頻繁に実行される。ただし、
図5(d)に示すように、特別図柄Z4〜Z6の選択比率は、49:49:2となっており、小当たり図柄として特別図柄Z6が決定される確率は極めて低い。したがって、最優位状態において実行される小当たり遊技について、特別図柄Z6に対応する小当たり遊技の実行頻度は極めて低く、特別図柄Z4,Z5に対応する小当たり遊技の実行頻度が極めて高い。特別図柄Z4,Z5に対応する小当たり遊技では、開閉扉128bが開放される回数が特別図柄Z6に対応する小当たり遊技に比べて少ないものの、平均で2〜4個程度の遊技球が第2大入賞口128へ入球すると想定される。具体的には、特別図柄Z4に対応する小当たり遊技では最大で合計30個(3個(入球数)×10個)、特別図柄Z5に対応する小当たり遊技では最大で合計40個(4個(入球数)×10個)の賞球が想定される。
 
【0457】
  このように、本実施形態による遊技機100では、遊技者は、最優位状態において大役遊技に次いで多量の賞球を獲得可能な小当たり遊技(特別図柄Z6に対応する小当たり遊技)により最大80個の賞球を獲得できる。これにより、遊技機100は、遊技者に賞球獲得に対する大きな満足感を与えることができる。また、多量の賞球を獲得可能な小当たり遊技が実行されない場合であっても、遊技者は通常の小当たり遊技(特別図柄Z4,Z5に対応する小当たり遊技)において所定の賞球(最大40個)を獲得できる。さらに、最優位状態では、特別遊技状態が高確率遊技状態であるため、大当たりに当選する確率も高くなっている。このため、最優位状態は、遊技機100における複数(本例では4つ)の遊技状態のうち、遊技者に有利な遊技進行条件(特別遊技が高確率遊技状態かつ普通遊技が非時短遊技状態)が規定された遊技状態である。
 
【0458】
  さらに、
図47および
図48に示すように、本実施形態による遊技機100では、第3始動口123が第2遊技領域116bの下流部分であって遊技球が集約される位置に設けられている。したがって、最優位状態において右打ちにより第2遊技領域116bに放出されたものの、第2始動口122および第2大入賞口128のいずれにも入球しなかった遊技球は、導入経路620を経てほぼ全てが第3始動口123へ入球する。遊技機100では、第3始動口123へ入球した遊技球1個につき、1個の賞球が払い出される。このため、最優位状態中において遊技者は、多量の賞球を獲得可能な小当たり遊技が実行されない場合も、通常の小当たり遊技と第3始動口123への遊技球の入球に基づく賞球を得ることができる。これにより、遊技機100では、多量の賞球を獲得可能な小当たり遊技が実行されるか否かによって、遊技者が獲得可能な賞球数に極端な差がつくことが防止でき、出球率の安定の確保を図ることができる。
 
【0459】
  ここで、出玉率とは、大役遊技中以外において発射された遊技球に対する賞球の払出し比率をいう。例えば、100球の遊技球が発射され、20球の賞球払出しが行われた場合、出球率は20%となる。最優位状態中は普通遊技状態が非時短遊技状態であって第2始動口122に遊技球が入球する可能性が時短遊技状態中に比べて低い。また、大役抽選結果としてハズレが導出されることが続いたり、多量の賞球を獲得可能な小当たり遊技が実行されない状態が続いたりすることも想定される。こういった状況においては、出球率が低減してしまうことが考えられる。しかしながら、上述のように、本実施形態による遊技機100は、右打ちされた遊技球が集約されて第3始動口123へ入球し易いように構成されている。したがって、実質変動対象が特2保留である場合において、遊技者は、最優位状態中に右打ちをすることによって、少なくとも発射した遊技球とほぼ同数の賞球を安定して得ることができる。具体的には、遊技機100では、最優位状態中に右打ちした場合に、小当たり遊技中および第2始動口122の開放中以外は遊技球のほぼ全てが第3始動口123へ入球し、1個の賞球が払い出される。したがって、例えば100球の遊技球が第2遊技領域116bに発射された場合、ほぼ100個の賞球が安定して払い出される。このため、最優位状態における出球率は、最低でもほぼ100%となり、多量の賞球を獲得可能な小当たり遊技が実行されない場合も出球率の安定が確保される。これにより、遊技機100によれば、遊技者は、遊技に用いる持ち球の減少に気を取られることなく遊技に集中することができる。したがって、遊技機100によれば、遊技者の遊技の継続意欲を維持させることができる。また、例えば最優位状態中において、多量の賞球を獲得可能な小当たり遊技が実施されると、小当たり遊技に基づく賞球の払出しによって、出球率は100%を超過する。このため、最優位状態は、大役遊技中を除く4つの遊技状態(通常状態、最優位状態、時短状態、確変状態)のうち、最も出球率が高い遊技状態である。なお、遊技機100では、第2始動口122への入球1個に対しても、1個の賞球が払い出される。
 
【0460】
  また、
図11(a)に示すように、本実施形態による遊技機100では、非時短遊技状態においてもゲート124の通過を契機とする普図抽選に30/100の確率で当選し、所定時間(例えば1.0秒間)に亘って第2始動口122が開放される。したがって、最優位状態(普通遊技状態が非時短遊技状態)においても、時短遊技状態よりも低い頻度ではあるものの、所定の頻度で第2始動口122への遊技球の入球に基づく大役抽選が実行される。ここで、例えば、最優位状態において、第2始動口122への遊技球の入球を契機として、特2保留による大役抽選が実行され、大当たりに当選したとする。
 
【0461】
  図5(b)に示すように、最優位状態において、特2保留による大役抽選で大当たりに当選すると、大当たり図柄として特別図柄D,E,Fのいずれかが決定され、決定された特別図柄の種別に応じた大役遊技が実行される。ここでは、例えば、大当たり図柄として特別図柄Fが決定されたと仮定する。特別図柄Fが決定されると、
図9に示すように、第1大入賞口126が開放されるラウンド遊技が7回実行され、遊技者は7ラウンド分の賞球を獲得することができる。また、
図10に示すように、大当たり図柄として特別図柄Fが決定された場合、大役遊技の実行後には、遊技状態が確変状態に遷移する。
 
【0462】
  また、最優位状態において、左打ちされた遊技球が第1遊技領域116aに設けられた第1始動口120に入球したことを契機とした大役抽選、すなわち実質変動対象でない特1保留による大役抽選が実行されたと仮定する。この場合、
図7(b)に示すように、第1特別図柄表示器160における特別図柄の変動時間が短変動(100秒以下)でなく、長変動(例えば10分)に決定される。これにより、遊技者にペナルティを科すべく、変動時間が10分に設定されることとなる。第1特別図柄表示器160において長時間(本例では10分)に亘って特別図柄の変動表示が継続されることで、遊技者は、遊技機100の遊技性に則り、右打ちを実行することとなる。
 
【0463】
(確変状態における遊技球の流下経路の一例)
  次に、
図49を用いて確変状態における遊技球の流下経路の一例を説明する。
図49は、遊技状態が確変状態の場合に遊技者が右打ちした遊技球の流下経路の一例を説明する図である。より具体的には、
図49は、遊技状態が確変状態であって、第2始動口122が開放中かつ小当たり遊技中である場合において遊技者が右打ちした遊技球の流下経路の一例を説明する図である。
 
【0464】
  図7(b)に示すように、確変状態においても最優位状態と同様に、実質変動対象が特2保留に設定されている。このため、例えば最優位状態から確変状態に遊技状態が遷移した場合において遊技者は、最優位状態中と同様に第2始動口122または第3始動口123に遊技球を入球させるべく、第2遊技領域116bに向けて遊技球を右打ちを継続することとなる。
 
【0465】
  図49に示すように、最優位状態中において右打ちされた遊技球は、第2遊技領域116bに到達すると、ガイド通路600(左ガイド通路600aまたは右ガイド通路600b)に導かれて流下し、ゲート124を通過するか、またはゲート124の脇を流下する。
図49は、左ガイド通路600aに導かれて遊技球がゲート124を通過ている例を図示している。メインCPU300aは、遊技球がゲート124を通過したことを契機として当たり決定乱数を取得し(ステップS510−1)、普図抽選を行う。
 
【0466】
  確変状態(普通遊技状態が時短遊技状態)での普図抽選では、メインCPU300aは、
図11(b)に示す時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルを選択し、遊技球がゲート124を通過したことを契機として取得した当たり決定乱数が当たりに当選しているか否かを判定する。
図11(b)に示すように、時短遊技状態では、極めて高い確率(99/100)で普図抽選の当たりに当選し、メインCPU300aによる普通電動役物入賞口開放制御処理(
図43参照)において普通電動役物ソレノイド122cが通電される。これにより、可動片122bが第2始動口122への遊技球の進入を妨げない位置に配置された状態(開状態)になり、第2始動口122は開状態になる。
図49では、第2始動口122の可動片122bを不図示とすることで、開状態の第2始動口122を模式的に示している。
 
【0467】
  図49に示すように、第2始動口122の開放中において、第2遊技領域116bに放出された遊技球は、閉状態である第1大入賞口126の開閉扉126b上を転動して第2遊技領域116bを流下し、左経路610aまたは右経路610bに進入する。
 
【0468】
  図49に示すように、第2大入賞口128は右経路610bにおいて第2始動口122の下流側に設けられている。このため、右経路610bに進入した遊技球は、閉状態である第2始動口122上を転動しないと、第2大入賞口128へ到達できない。
図49に示すように、第2始動口122が開放されている場合、右経路610bに進入した遊技球は、第2大入賞口128に到達する前に第2始動口122へ入球する。また、普通遊技状態が時短遊技状態である場合、第2始動口122が高頻度で開放される。したがって、
図49に示すように、確変状態(普通遊技状態が時短遊技状態)において、小当たり遊技が実行されて第2大入賞口128が開放されても、遊技球が第2大入賞口128に到達することは困難である。このように、確変状態中には、小当たり遊技に基づく賞球の払出しが抑制される。このため、例え、確変状態中において特別図柄Z6に対応する小当たり遊技が実行されても、遊技者が多量の賞球を獲得することはない。
 
【0469】
  また、
図49に示すように、左経路610aに進入した遊技球は、導入経路620を経て、ほぼ全てが第3始動口123に入球する。また、確変遊技中においても、第2始動口122が閉状態である場合に右経路610bに進入した遊技球が、まれに第3始動口123に入球する場合がある。
 
【0470】
  一方で、普通遊技状態が時短遊技状態であることにより、確変状態では、第2始動口122が開状態となる頻度が高く、多くの遊技球が第2始動口122に入球可能である。本実施形態による遊技機100では、第2始動口122への遊技球1個の入球に基づいて所定個数(例えば1個)の賞球が払い出される。さらに、時短状態または確変状態において右打ちにより第2遊技領域116bに放出された遊技球のうち、例えば左経路610aに進入したために第2始動口122へ入球しなかった遊技球のほぼ全てが第3始動口123に入球し、入球1個につき1個の賞球が払い出される。
 
【0471】
  以上、確変状態における遊技球の流下経路の一例を説明したが、遊技状態が時短状態の場合も、確変状態と同様に普通遊技状態が時短遊技状態であって、高頻度で第2始動口122が開放される。このため、第2遊技領域116bにおける遊技球の流下経路は、
図49に示す確変状態における流下経路と同様である。具体的には、遊技状態が時短状態である場合においても、
図4(c)に示すように約318/319.6という非常に高い確率で小当りに当選し、小当たり遊技が実行されるが、右経路610bに進入した遊技球のほぼ全ては高頻度で開放される第2始動口122へ入球し、第2大入賞口128に到達しない。これにより、時短状態においても、小当たり遊技による賞球の払出しが抑制され、例え時短状態中において特別図柄Z6に対応する小当たり遊技が実行されても、遊技者が多量の賞球を獲得することはない。したがって、時短遊技状態における遊技球の流下経路の図示は省略する。ただし、
図10に示すように、時短状態では時短回数が50回に設定されている。このため、時短状態中に大当たりに当選せずに時短遊技状態の継続回数(本例では50回)に到達した場合、遊技状態は通常状態に遷移する。この場合、通常状態における実質変動対象が特1保留となる(
図7(b)参照)ことに伴い、遊技者は、第2始動口122または第3始動口123への入球を狙う右打ちから第1始動口120への入球を狙う左打ちへ変更する。
 
【0472】
  上述のように、普通遊技状態が時短遊技状態である(遊技状態が確変状態または時短状態である)場合、最優位状態と比較して小当たり遊技に基づく賞球の払出しが抑制されるものの、第2遊技領域116bに放出された遊技球のほぼ全てが第2始動口122に入球して所定数(例えば1個)の賞球が払い出される。したがって、時短遊技状態において右打ちを継続している限りにおいて、遊技者は、少なくとも発射した遊技球とほぼ同数の賞球を得ることができる。また、遊技機100は第3始動口123を備えることで、最優位状態中において出球率の安定を確保可能とすることに加え、時短遊技状態においても出球率を安定させることができる。
 
【0473】
  遊技規則上、普通遊技が時短遊技状態である場合に出球率が100%を超えることは許容されない。遊技機100において、実質変動対象が特2保留であり、かつ遊技者が遊技球の右打ちを継続する場合、小当たり遊技による多量の賞球獲得が可能な遊技状態(最優位状態)では、出球率が100%以上となるが、それ以外の遊技状態(時短状態および確変状態)では、出球率が100%未満に抑えられる。このため、遊技機100は、遊技状態により出球率に差が生じるように構成されている。具体的には、本実施形態による遊技機100では、第2遊技領域116bを流下した遊技球が集約される位置に設けられた第3始動口123および時短遊技状態において高頻度で開放される第2始動口122への入球1個に対する賞球数は、1個に設定されている。これにより、遊技機100は、普通遊技が時短遊技状態である場合の出球率を、遊技規則で定められた範囲内、すなわち100%を超えない範囲内に維持しつつ、出球率を低下させることなく該範囲内における最大限に近い出球率(ほぼ100%)を安定して確保することができる。
 
【0474】
  このように、本実施形態による遊技機100によれば、遊技者は、遊技に用いる持ち球の減少に気を取られることなく遊技に集中することができる。したがって、遊技機100は、遊技者の遊技の継続意欲を維持させることができる。さらに、遊技機100では、実質変動対象が特2保留の場合において、最低でもほぼ100%の出球率を安定して確保することができる。
 
【0475】
  以上説明したように、本実施形態による遊技機100は、遊技領域116に設けられ、遊技球の進入により特2保留による大役抽選(第二抽選)の契機を発生させる第2始動口122および第3始動口123(複数の始動口の一例)を備えている。また、第2始動口122および第3始動口123は、第2遊技領域116b(一の領域の一例)に設けられている。より具体的には、第3始動口123(一の始動入賞口の一例)は、第2遊技領域116bを流下した遊技球が集約される位置に設けられている。これにより、遊技機100は、大役遊技中を除く遊技状態のうち、特に実質変動対象が特2保留に設定された各遊技状態(最優位状態、時短状態および確変状態)において、遊技規則に則った範囲で出球率の安定の確保および遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
 
【0476】
(変形例)
  上記実施形態において、普通遊技状態が時短遊技状態か非時短遊技状態かによって普図当選確率および第2始動口122の開放時間が異なっているとしたが、本発明はこれに限られない。遊技機100は、例えば普通遊技状態に応じて普図当選確率および第2始動口122の開放時間の何れか一方のみが異なるように構成されてもよい。例えば、遊技機100は、普通遊技状態が時短遊技状態および非時短遊技状態のいずれであっても普図当選確率が同じであり、第2始動口122の開放時間のみが異なっていてもよい。この場合、時短遊技状態における第2始動口122の開放時間が、非時短遊技状態と比べて長く設定される。また、遊技機100は、普通遊技状態が時短遊技状態および非時短遊技状態のいずれであっても第2始動口122の開放時間が同じであり、普図当選確率のみが異なっていてもよい。この場合、時短遊技状態における普図当選確率が、非時短遊技状態と比べて高く設定される。
 
【0477】
  また、上記実施形態において、第2遊技領域116bを流下する遊技球を第3始動口123に導く導入経路は複数(本例では、5本)の釘によって形成されているとしたが、本発明はこれに限られない。導入経路は、例えば2本のレールにより形成された経路であってもよい。具体的には、導入経路は、釘P10から釘P12と同様の作用を奏する左側レールと釘P9から釘P13と同様の作用を奏する右側レールとで構成されていてもよい。この場合も、導入経路に進入した遊技球は、左右のレールに接触しながら流下することにより、落下速度が低下し、左右方向への球ぶれが減少する。また、導入経路は、樹脂製の通路ユニットとして形成されていてもよい。ただし、いずれの場合も、導入経路は、少なくとも遊技球の直径よりやや広い幅に形成される。また、いずれの場合も、導入経路と第3始動口123との間には、遊技球の直径より広い幅の間隙が設けられ、第3始動口123に入球しない遊技球が排出口130側へ流下可能に構成される。
 
【0478】
  また、上記実施形態において、右打ちされた遊技球は、排出口130および排出口131から排出される確率よりも、第3始動口123に入球する確率の方が高いとしたが、本発明はこれに限られない。遊技機100は、少なくとも、右打ちされた遊技球が排出口130から排出される確率よりも、第3始動口123に入球する確率の方が高くなるように構成されていればよい。このため、例えば、遊技機100は、右打ちされた遊技球が排出口130および排出口131から排出される確率の方が、第3始動口123に入球する確率よりも高くなるように構成されてもよい。
 
【0479】
  また、上記実施形態における特別図柄の種別や決定確率、遊技状態の遷移等は一例に過ぎない。いずれにしても、所定の遊技進行条件が規定された遊技状態、および、該所定の進行条件よりも遊技者に有利な遊技進行条件が規定された特定遊技状態を含む、複数の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態で遊技の進行制御がなされる遊技機であればよい。
 
【0480】
  また、上記実施形態では、第1特別図柄表示器160と第2特別図柄表示器162とで同時に図柄の変動表示がなされることとしたが、いずれか一方においてのみ図柄の変動表示が実行され得ることとしてもよいし、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162のいずれか一方のみを設けることとしてもよい。
 
【0481】
  また、上記実施形態では、特1保留によって小当たりに当選し得ることとしたが、特1保留によっては小当たりに当選することがないように設定してもよい。また、上記実施形態では、特2保留によって大当たりに当選し得ることとしたが、特2保留によっては大当たりに当選することがないように設定してもよく、さらには、特2保留によってハズレの大役抽選結果が導出されることとしてもよい。いずれにしても、始動領域への遊技球の進入を条件として、2以上の小当たり図柄を少なくとも含む複数種類の図柄の中からいずれかの図柄を決定し、所定の変動時間が経過すると、図柄を図柄表示部に停止表示させる図柄表示処理を実行し、図柄表示部に小当たり図柄が停止表示されると、小当たり図柄の種別ごとに規定された開閉条件にしたがって、遊技領域に設けられた大入賞口を開閉制御して小当たり遊技を実行すればよい。
 
【0482】
  また、上記実施形態では、大役遊技用の第1大入賞口126と、小当たり遊技用の第2大入賞口128とを別個に設けることとしたが、1つの大入賞口を設け、大役遊技と小当たり遊技とを共通の大入賞口で実行してもよい。また、複数の大入賞口を設け、ラウンド遊技によって開閉する大入賞口を異ならせてもよい。
 
【0483】
  また、上記実施形態において、第2遊技領域116bに2つの特2用始動口(第2始動口122、第3始動口123)が設けられているとしたが、本発明はこれに限られない。例えば、第2遊技領域116bには3つ以上の特2用始動口が設けられていてもよい。また、例えば第2遊技領域116bにおいて、第3始動口123よりも上流側に、第2始動口122以外の特2用始動口が設けられていてもよい。
 
【0484】
  上記実施形態において、メインCPU300aが、本発明の第一抽選手段および第二抽選手段の一例に相当する。また、上記実施形態において、第1特別図柄表示器160が第一図柄表示手段の一例に相当し、第2特別図柄表示器162が第二図柄表示手段の一例に相当する。また、上記実施形態において、メインCPU300aが、図柄制御手段、変動時間決定手段(特にステップS610−27)、遊技状態設定手段(特にステップS610−29、ステップS610−75)および大入賞口制御手段に相当する。