(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1被冷却体及びこの第1被冷却体よりも低い目標冷却温度が設定された第2被冷却体を収容するとともに、シリンダと当該シリンダ内に往復動可能でかつ当該シリンダに対して着脱可能となるように挿入されるディスプレーサと当該ディスプレーサを往復動させることにより冷熱を発生させる駆動部とを有する冷凍機であって前記ディスプレーサ及び前記シリンダにより第1の運転温度を有する第1段コールドヘッドと前記第1の運転温度よりも低い第2の運転温度を有しかつ前記第1段コールドヘッドと軸方向に並ぶ第2段コールドヘッドとが構成される冷凍機を支持して、前記第1被冷却体及び前記第2被冷却体がそれぞれ前記第1段コールドヘッド及び前記第2段コールドヘッドにより冷却されることを可能にする冷却容器であって、
真空状態を保ちながら前記第1被冷却体及び前記第2被冷却体を収容する容器本体と、
前記第1被冷却体と伝熱可能に接続された状態で前記容器本体内に配置されるとともに、上向きに開放された第1被冷却面を有する第1被冷却端子と、
前記第2被冷却体と伝熱可能に接続されかつ昇降可能な状態で前記容器本体内に配置されるとともに、前記第1被冷却面よりも下側の位置で上向きに開放された第2被冷却面を有する第2被冷却端子と、
前記第1段コールドヘッドの下面及び第2段コールドヘッドの下面がそれぞれ前記第1被冷却面及び前記第2被冷却面に対して上下方向に対向する姿勢で前記シリンダを保持しながら前記シリンダとともに昇降可能となるように前記容器本体に支持されるシリンダ保持体と、
前記容器本体内を密閉しながら前記容器本体に対する前記シリンダ保持体の昇降を許容するように当該容器本体と当該シリンダ保持体との間に介在する保持体シール部と、
前記第2段コールドヘッドの下面が前記第2被冷却面と接触して当該第2段コールドヘッドと前記第2被冷却端子との間の伝熱を可能にする第2伝熱位置と前記第2段コールドヘッドの下面が前記第2被冷却面から上方に離間して当該第2段コールドヘッドと前記第2被冷却端子との間の伝熱を遮断する第2遮断位置との間で前記シリンダ保持体を昇降させるように当該シリンダ保持体に連結される第2昇降機構と、
前記第2伝熱位置に対応する高さ位置にある前記第1段コールドヘッドの下面に対して前記第1被冷却面が接触して当該第1段コールドヘッドと前記第1被冷却端子との間の伝熱を可能にする第1伝熱位置と前記第1段コールドヘッドの下面に対して前記第1被冷却面が下方に離間して当該第1段コールドヘッドと前記第1被冷却端子との間の伝熱を遮断する第1遮断位置との間で前記第1被冷却端子を昇降させるように当該第1被冷却端子に連結される第1昇降機構と、を備える、冷却容器。
請求項2記載の冷却容器であって、前記第1昇降機構は、前記容器本体に垂直軸回りに回転可能となるように支持され、前記容器本体の外部に配置されて回転操作を受けることが可能な第1被操作部および前記回転操作に伴って上下方向に進行するねじが形成された第1ねじ部を有する第1ねじ部材と、前記第1被冷却端子とともに昇降可能となるように当該第1被冷却端子に連結されるとともに前記容器本体に昇降可能に支持され、かつ、前記第1ねじ部材に与えられる回転操作に伴って昇降するように前記第1ねじ部と螺合する第1昇降体と、を有する、冷却容器。
請求項3記載の冷却容器であって、前記第1昇降体は、前記容器本体の上面と前記シリンダ保持体との間の位置で昇降可能に配置されるとともに前記第1ねじ部に螺合される螺合部材と、当該螺合部材と前記容器本体との間に介在して当該容器本体に対する当該螺合部材の昇降を許容しながら前記容器本体内を密封する螺合部材シール部と、前記容器本体
内に配置されて前記螺合部材と前記第1被冷却端子とが一体に昇降するように両者を上下方向に連結する連結部材と、を有する、冷却容器。
請求項4記載の冷却容器であって、前記容器本体の上面は全周にわたって上下方向に延びる筒状の第1案内面を有し、前記螺合部材は前記第1案内面によって上下方向に案内されるように当該第1案内面に嵌合される第1被案内面を有する被案内部を含み、前記螺合部材シール部は前記第1案内面と前記第1被案内面との間に全周にわたり介在する環状の第1シール部材を含む、冷却容器。
請求項5記載の冷却容器であって、前記螺合部材の被案内部は前記第1被案内面の径方向外側または内側の位置で上下方向に延びる筒状の第2案内面をさらに有し、前記シリンダ保持体は前記第2案内面によって上下方向に案内されるように当該第2案内面に嵌合される第2被案内面を有し、前記保持体シール部は前記第2案内面と前記第2被案内面との間に介在する環状の第2シール部材を含む、冷却容器。
請求項1〜6のいずれかに記載の冷却容器であって、前記第2昇降機構は、回転操作を受けてこれを前記シリンダ保持体の昇降運動に変換する送りねじ機構を含む、冷却容器。
請求項7記載の冷却容器であって、前記第2昇降機構は、前記容器本体に対する下向きの変位を拘束されながら垂直軸回りに回転可能な第2ねじ部材を有し、当該第2ねじ部材は、前記シリンダ保持体の上方に配置されて回転操作を受けることが可能な第2被操作部と、当該第2被操作部から下方に延びて前記シリンダ保持体を上下方向に貫通する第2ねじ部と、を有し、当該第2ねじ部は前記第2被操作部に与えられる特定方向の回転操作に伴って前記シリンダ保持体を上昇させるように当該シリンダ保持体と螺合する、冷却容器。
請求項10記載の冷却容器であって、前記付勢機構は、前記容器本体に固定されるとともに前記シリンダ保持体の昇降を許容するように当該シリンダ保持体を貫通し、少なくとも当該シリンダ保持体よりも上側の領域において雄ねじ部を有するねじ軸と、前記シリンダ保持体よりも上方の位置で前記雄ねじ部に螺合されるナットと、当該ナットと前記シリンダ保持体との間に弾性圧縮変形した状態で介在するばね部材と、を有し、前記ばね部材の弾発力が前記シリンダ保持体に下向きの付勢力として作用する、冷却容器。
請求項1〜11のいずれかに記載の冷却容器であって、前記第2被冷却端子は、前記第2被冷却面上に設けられ、当該第2被冷却面に対して下降する前記第2段コールドヘッドの下端を当該第2被冷却面上の所定の位置に案内する案内部をさらに有する、冷却容器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前記特許文献1に記載される装置では、冷凍機と被冷却体との間でのスリーブの介在により、装置が大掛かりになるのに加え、前記冷凍機による前記被冷却体の冷却の効率が低下する。また、正常な冷却を成立させるためには、前記スリーブと前記冷凍機のシリンダとを十分な接触圧で相互接触させる必要があるが、そのための具体的手段は何ら示されていない。さらに、前記スリーブと前記冷凍機のシリンダとの間のOリングによるシール状態を保ちながら両者の伝熱を遮断するためには当該シリンダをごく限られた引上げ量だけ正確に引き上げなければならず、その作業は容易でない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、被冷却体を収容するとともに冷凍機を支持する冷却容器であって、前記冷凍機により前記被冷却体が効率よく冷却され、かつ、前記冷凍機のメンテナンスが容易に行われることを可能にする冷却容器を提供することを目的とする。
【0012】
提供されるのは、第1被冷却体及びこの第1被冷却体よりも低い目標冷却温度が設定された第2被冷却体を収容するとともに、シリンダと当該シリンダ内に往復動可能でかつ当該シリンダに対して着脱可能となるように挿入されるディスプレーサと当該ディスプレーサを往復動させることにより冷熱を発生させる駆動部とを有する冷凍機であって前記ディスプレーサ及び前記シリンダにより第1の運転温度を有する第1段コールドヘッドと前記第1の運転温度よりも低い第2の運転温度を有しかつ前記第1段コールドヘッドと軸方向に並ぶ第2段コールドヘッドとが構成される冷凍機を支持して、前記第1被冷却体及び前記第2被冷却体がそれぞれ前記第1段コールドヘッド及び前記第2段コールドヘッドにより冷却されることを可能にする冷却容器である。当該冷却容器は、真空状態を保ちながら前記第1被冷却体及び前記第2被冷却体を収容する容器本体と、前記第1被冷却体と伝熱可能に接続された状態で前記容器本体内に配置されるとともに、上向きに開放された第1被冷却面を有する第1被冷却端子と、前記第2被冷却体と伝熱可能に接続されかつ昇降可能な状態で前記容器本体内に配置されるとともに、前記第1被冷却面よりも下側の位置で上向きに開放された第2被冷却面を有する第2被冷却端子と、前記第1段コールドヘッドの下面及び第2段コールドヘッドの下面がそれぞれ前記第1被冷却面及び前記第2被冷却面に対して上下方向に対向する姿勢で前記シリンダを保持しながら前記シリンダとともに昇降可能となるように前記容器本体に支持されるシリンダ保持体と、前記容器本体内を密閉しながら前記容器本体に対する前記シリンダ保持体の昇降を許容するように当該容器本体と当該シリンダ保持体との間に介在する保持体シール部と、前記第2段コールドヘッドの下面が前記第2被冷却面と接触して当該第2段コールドヘッドと前記第2被冷却端子との間の伝熱を可能にする第2伝熱位置と前記第2段コールドヘッドの下面が前記第2被冷却面から上方に離間して当該第2段コールドヘッドと前記第2被冷却端子との間の伝熱を遮断する第2遮断位置との間で前記シリンダ保持体を昇降させるように当該シリンダ保持体に連結される第2昇降機構と、前記第2伝熱位置に対応する高さ位置にある前記第1段コールドヘッドの下面に対して前記第1被冷却面が接触して当該第1段コールドヘッドと前記第1被冷却端子との間の伝熱を可能にする第1伝熱位置と前記第1段コールドヘッドの下面に対して前記第1被冷却面が下方に離間して当該第1段コールドヘッドと前記第1被冷却端子との間の伝熱を遮断する第1遮断位置との間で前記第1被冷却端子を昇降させるように当該第1被冷却端子に連結される第1昇降機構と、を備える。
【0013】
この冷却容器によれば、前記第1及び第2昇降機構によって前記シリンダ保持体及び前記第1被冷却端子を前記容器本体に対してそれぞれ昇降させるだけの簡単な操作で、スリーブ等の特別な部材を冷凍機と被冷却体との間に介在させることを要することなく、前記冷凍機の第1段及び第2段コールドヘッドと前記第1及び第2被冷却端子との間の伝熱が可能な状態と当該伝熱が遮断される状態との切換を容易に行うことができる。このことは、冷凍機により第1及び第2被冷却体を効率よく冷却することと、前記冷凍機のメンテナンスを容易に行うことと、を可能にする。
【0014】
具体的に、前記冷却容器によれば、前記冷凍機の前記シリンダ内に前記ディスプレーサが挿入された状態(つまり冷凍機が組み上がっている状態)で前記第2昇降機構により前記シリンダ保持体を前記第2伝熱位置、つまり前記冷凍機の第2段コールドヘッドの下面が前記第2被冷却端子の第2被冷却面に接触する位置、まで降下させ、さらに、前記第1被冷却端子を前記第1伝熱位置、つまり前記第1被冷却端子の第1被冷却面が前記冷凍機の第1段コールドヘッドの下面に接触する位置、まで上昇させることにより、前記第1段コールドヘッドが前記第1被冷却端子を介して前記容器本体内の第1被冷却体を冷却するとともに前記第2段コールドヘッドが前記第2被冷却端子を介して前記容器本体内の第2被冷却体を冷却することが可能な状態、つまり正規の冷却運転状態、を形成することができる。
【0015】
逆に、前記第1昇降機構により前記第1被冷却端子を前記第1遮断位置、つまり、前記第1被冷却端子の第1被冷却面が前記冷凍機の第1段コールドヘッドの下面から下方に離間する位置、まで降下させ、さらに、前記第2昇降機構により前記シリンダ保持体を前記第2遮断位置、つまり前記冷凍機の第2段コールドヘッドの下面が前記第2被冷却端子の第2被冷却面から上方に離間する位置、まで上昇させることにより、前記第1段及び第2段コールドヘッドと前記第1及び第2被冷却端子との間の伝熱を遮断することができる。この状態で前記冷凍機における前記シリンダと前記ディスプレーサとを切り離し、当該シリンダが前記シリンダ保持部に保持された状態のまま前記ディスプレーサ及び前記駆動部のみを取り出すことにより、容器本体内の真空状態及び低温状態を保ちながら前記ディスプレーサ及び前記駆動部のメンテナンスを行うことができる。また、前記保持体シール部は、前記容器本体に対する前記シリンダ保持体の昇降にかかわらず、前記容器本体内の真空状態を維持する。
【0016】
前記第1昇降機構及び前記第2昇降機構は、例えば流体圧を利用したシリンダ装置や電磁式のソレノイド装置のような直動式の駆動機構でもよいが、回転操作を受けてこれを前記シリンダ保持体や前記第1被冷却端子の昇降運動に変換する送りねじ機構を含むものが、より好ましい。当該送りねじ機構は、前記回転操作によって前記第2被冷却面に対する前記第2段コールドヘッドの下面の接触圧や前記第1段コールドヘッドの下面に対する前記第1被冷却面の接触を調整することを可能にする。
【0017】
具体的に、前記第1昇降機構は、前記容器本体に垂直軸回りに回転可能となるように支持され、前記容器本体の外部に配置されて回転操作を受けることが可能な第1被操作部および前記回転操作に伴って上下方向に進行するねじが形成された第1ねじ部を有する第1ねじ部材と、前記第1被冷却端子とともに昇降可能となるように当該第1被冷却端子に連結されるとともに前記容器本体に昇降可能に支持され、かつ、前記第1ねじ部材に与えられる回転操作に伴って昇降するように前記第1ねじ部と螺合する第1昇降体と、を有するものが、好適である。
【0018】
より具体的に、前記第1昇降体は、前記容器本体の上面と前記シリンダ保持体との間の
位置で昇降可能に配置されるとともに前記第1ねじ部に螺合される螺合部材と、当該螺合部材と前記容器本体との間に介在して当該容器本体に対する当該螺合部材の昇降を許容しながら前記容器本体内を密封する螺合部材シール部と、前記容器本体内に配置されて前
記螺合部材と前記第1被冷却端子とが一体に昇降するように両者を上下方向に連結する連結部材と、を有するものが、好適である。当該第1昇降体は、前記第1ねじ部材が前記容器本体の上側に配置されることを可能にする。つまり、当該第1ねじ部材が前記第1被冷却端子に直接連結される態様に比べて当該第1ねじ部材の必要長さを大幅に小さくすることを可能にする。また、前記螺合部材は前記容器本体と前記シリンダ保持体との間のスペースを有効利用してコンパクトに配置されることが可能である。しかも、前記螺合部材シール部は、前記螺合部材の昇降にかかわらず前記容器本体内の真空状態を維持する。
【0019】
例えば、前記容器本体の上面は全周にわたって上下方向に延びる筒状の第1案内面を有し、前記螺合部材は前記第1案内面によって上下方向に案内されるように当該第1案内面に嵌合される第1被案内面を有する被案内部を含み、前記螺合部材シール部は前記第1案内面と前記第1被案内面との間に全周にわたり介在する環状の第1シール部材を含むものが、好適である。前記第1案内面と前記第1被案内面との組み合わせは、容器本体内の真空状態を保ちながら螺合部材が安定した状態で昇降することを可能にする。
【0020】
この場合、前記螺合部材の被案内部は前記第1被案内面の径方向外側または内側の位置で上下方向に延びる筒状の第2案内面をさらに有し、前記シリンダ保持体は前記
第2案内面によって上下方向に案内されるように当該第2案内面に嵌合される第2被案内面を有し、前記保持体シール部は前記第2案内面と前記第2被案内面との間に介在する環状の第2シール部材を含むことが、より好ましい。この態様では、前記螺合部材の被案内部は、前記シリンダ保持体を上下方向に案内してその昇降を安定させる案内部としても機能することが可能である。
【0021】
一方、前記第2昇降機構は、前記容器本体に対する下向きの変位を拘束されながら垂直軸回りに回転可能な第2ねじ部材を有し、当該第2ねじ部材は、前記シリンダ保持体の上方に配置されて回転操作を受けることが可能な第2被操作部と、当該第2被操作部から下方に延びて前記シリンダ保持体を上下方向に貫通する第2ねじ部と、を有し、当該第2ねじ部は前記第2被操作部に与えられる特定方向の回転操作に伴って前記シリンダ保持体を上昇させるように当該シリンダ保持体と螺合するものが、好適である。前記第2ねじ部材は、その第2被操作部が受ける回転操作に伴って、前記シリンダ保持体及びこれに保持されるシリンダを当該シリンダ保持体及び冷凍機の自重に抗して上昇させることが可能である。ここで、前記第2ねじ部材の下向きの変位の拘束は、例えば、当該第2ねじ部材の下端と前記第1昇降体または前記容器本体との上下方向の当接によって達成されることが可能である。
【0022】
一方、前記シリンダ保持体及びこれに保持されるシリンダの下降による前記第2段コールドヘッドの下面と前記第2被冷却面との接触は、例えば前記シリンダを含む冷凍機と前記シリンダ保持体の自重のみを利用して行われることも可能であるが、当該接触をより確実にするため、前記第2昇降機構は前記シリンダ保持体に対して下向きの付勢力を与える付勢機構をさらに有することが、好ましい。
【0023】
前記付勢機構は、前記下向きの付勢力を変化させる付勢力操作部を有することが可能であるものが、好ましい。当該付勢力が可変であることは、前記第2段コールドヘッドの下面と前記第2被冷却面との接触圧の調整を容易にする。
【0024】
具体的に、前記付勢機構は、前記容器本体に固定されるとともに前記シリンダ保持体の昇降を許容するように当該シリンダ保持体を貫通し、少なくとも当該シリンダ保持体よりも上側の領域において雄ねじ部を有するねじ軸と、前記シリンダ保持体よりも上方の位置で前記雄ねじ部に螺合されるナットと、当該ナットと前記シリンダ保持体との間に弾性圧縮変形した状態で介在するばね部材と、を有し、前記ばね部材の弾発力が前記シリンダ保持体に下向きの付勢力として作用するものが、好適である。前記ナットは、回転操作を受けて前記ねじ軸に対して昇降することにより、当該ナットと前記シリンダ保持体との間に介在する前記ばね部材の弾発力、すなわちシリンダ保持体に作用する下向きの付勢力、を変化させる。このことは、前記第2段コールドヘッドの下面と前記第2被冷却面との接触圧を容易に調整することを可能にする。
【0025】
前記第2被冷却端子は、前記第2被冷却面上に設けられ、当該第2被冷却面に対して下降する前記第2段コールドヘッドの下端を当該第2被冷却面上の所定の位置に案内する案内部をさらに有することが、好ましい。当該案内部は、前記第2昇降機構によって前記シリンダ保持部とともに降下させられる前記第2段コールドヘッドの下面が確実に前記第2被冷却面上の好ましい位置で当該第2被冷却面に接触することを可能にする。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0028】
図1及び
図2は、前記実施の形態に係る冷却容器10を備えた極低温装置の全体を示す。この極低温装置は、前記冷却容器10と、当該冷却容器10に収容される一対の超電導コイル12と、当該冷却容器10に収容される熱シールド容器14と、当該冷却容器10に装着される一対の冷凍機16と、を備える。
【0029】
前記一対の超電導コイル12は、本発明にいう「第2被冷却体」に相当する冷却対象であって、当該一対の超電導コイル12同士の間隔を保持するように図略のフレームによって支持される。当該フレームは、当該一対の超電導コイル12を保持する一対の保持部と、当該一対の保持部同士を連結する連結部と、を有する平面視略コ字状をなす。
【0030】
前記熱シールド容器14は本発明にいう「第1被冷却体」に相当する冷却対象であって、前記一対の超電導コイル12及び前記フレームを囲む形状を有する。前記冷却容器10は、前記熱シールド容器14及びその内部の前記一対の超電導コイル12を収容するとともに、当該冷却容器10に装着される前記一対の冷凍機16を支持して当該一対の冷凍機16のそれぞれが前記一対の超電導コイル12を冷却することを可能にする。
【0031】
前記一対の冷凍機16は、前記一対の超電導コイル12をそれぞれ所定の目標冷却温度(例えば4K)まで冷却して超電導状態に転移させるとともに、前記熱シールド容器14を前記一対の超電導コイル12の目標冷却温度よりも高い所定の目標冷却温度(例えば40K)まで冷却して前記超電導コイル12への熱侵入を抑止する。前記一対の超電導コイル12は、前記超電導状態で大電流の供給を受けることにより当該一対の超電導コイル12同士の間に強力な水平磁場を形成する。当該水平磁場は、例えばるつぼから円柱状に引き上げられる半導体単結晶中の不純物の除去やNMR等に利用される。
【0032】
本発明に係る冷却容器の具体的な形状や用途は前記のものに限定されない。換言すれば、当該冷却容器が収容する第1被冷却体及び第2被冷却体の種類や個数は前記のものに限定されない。例えば、本発明に係る冷却容器は、MRI用の単一の超電導コイルを収容するドーナツ状の真空容器にも適用されることが可能である。
【0033】
前記冷却容器10は、
図3及び
図4に示すように、容器本体18と、前記一対の超電導コイル12にそれぞれ対応して配置される一対の第1被冷却端子21及び一対の第2被冷却端子22と、を備える。
【0034】
前記容器本体18は、真空状態を保ちながら前記一対の超電導コイル12及び前記熱シールド容器14を収容する真空容器として機能するとともに、前記一対の冷凍機16を支持する支持構造体として機能する。具体的に、当該容器本体18は、前記熱シールド容器14を囲む形状を有してこれを収容する本体部24と、前記一対の冷凍機16をそれぞれ支持する一対の冷凍機支持部26と、を含む。
【0035】
前記一対の第2被冷却端子22は、前記一対の超電導コイル12にそれぞれ伝熱部材である伝熱部材28を介して伝熱可能に接続される。前記伝熱部材28は、高い熱伝導率を有する材料からなる部材、例えば、前記超電導コイル12と前記第2被冷却端子22とを結ぶように前記フレームの表面に貼り付けられる銅板、である。
図3及び
図4では前記伝熱部材28のうち前記第2被冷却端子22に接続される端部のみが示されている。
【0036】
前記一対の第2被冷却端子22のそれぞれは、
図3及び
図4に示すように、上向きに開放された上面である第2被冷却面32を有する。前記第2被冷却端子22は、この実施の形態では、前記容器本体18内において前記第2被冷却面32が前記冷凍機支持部26の下部と同等またはそれよりも下側であって前記熱シールド容器14よりも上側に位置するような高さ位置に配置されている。
【0037】
前記一対の第1被冷却端子21のそれぞれは、前記熱シールド容器14の上面に伝熱部材34を介して伝熱可能に接続される。当該伝熱部材34は、前記熱シールド容器14の上に立設されて前記第1被冷却端子21を所定の高さ位置において昇降可能に支持する。具体的に、当該伝熱部材34は、円筒部材36と可変形部38とにより構成される。前記円筒部材36は、上下方向に延びる中心軸を有する円筒状をなし、前記第1被冷却端子21の下面に接続される上端と、その反対側の下端とを有する。前記可変形部38は、前記円筒部材36の下端と前記熱シールド容器14の上面との間に介在する環状をなし、かつ、前記円筒部材36及び前記第1被冷却端子21の昇降を許容するように変形することが可能である。当該可変形部38は、例えば、前記昇降を許容するように撓むことが可能なフレキシブル材を含む。
【0038】
前記一対の第1被冷却端子21のそれぞれは、
図3及び
図4に示すように、水平な板材により構成され、上向きに開放された上面である第1被冷却面31を有する。当該第1被冷却端子21は、その第1被冷却面31が前記第1被冷却面32よりも上側に位置する高さ位置、換言すれば、前記第2被冷却面32が前記第1被冷却面31よりも下側に位置するような高さ位置、で前記容器本体18内、この実施の形態では前記冷凍機支持部26の高さ方向中段の位置、に配置されている。
【0039】
次に、前記一対の冷凍機16の構成及びその着脱のための構造について
図3〜
図6を併せて参照しながら説明する。なお、当該一対の冷凍機16及びそれぞれの着脱のための構造は互いに同一であるため、以下の説明は一方の冷凍機16についてのみ行う。
【0040】
前記冷凍機16は、シリンダ40と、ディスプレーサ42と、駆動部44と、を有する。前記シリンダ40は、略円筒状をなし、その中心軸に沿って前記ディスプレーサ42が往復動可能となるように当該ディスプレーサ42を収容する。前記駆動部44は、前記ディスプレーサ42が前記シリンダ40内で往復動するように当該ディスプレーサ42を駆動することにより、冷熱を発生させる。
【0041】
前記シリンダ40は、互いに軸方向に連なる第1シリンダ部47及び第2シリンダ部48を有し、
図3及び
図4に示されるように前記第2シリンダ部48が前記第1シリンダ部47の下側に位置する姿勢で前記冷却容器10に装着される。以下、この姿勢を「装着姿勢」と称する。
【0042】
前記第1シリンダ部47は、前記第2シリンダ部48の外径及び内径よりも大きな外径及び内径を有する。前記第1シリンダ部47の両端部、すなわち前記装着姿勢における上端部及び下端部、のうち前記下端部が前記第2シリンダ部48とつながる。前記上端部はディスプレーサ挿入口を囲むように開口しており、当該ディスプレーサ挿入口を通じてのシリンダ40内への前記ディスプレーサ42の挿入を受け入れる。前記装着姿勢における前記第2シリンダ部48の下端部は底壁50によって塞がれている。
【0043】
前記ディスプレーサ42は、互いに軸方向に連なる第1ディスプレーサ部51及び第2ディスプレーサ部52を有する。前記第1ディスプレーサ部51は、前記第1シリンダ部47とともに第1段コールドヘッド55を構成し、前記第1シリンダ部47内で往復動することにより冷熱を発生させて第1の運転温度(例えば40K)まで冷却される。同様に、前記第2ディスプレーサ52は、前記第2シリンダ部48とともに第2段コールドヘッド56を構成し、前記第2シリンダ部48内で往復動することにより冷熱を発生させて前記第1の運転温度よりも低い第2の運転温度(例えば4K)まで冷却される。
【0044】
前記駆動部44は、前記ディスプレーサ42の端部、詳しくは前記第2ディスプレーサ52の両端部のうち前記第1ディスプレーサ部51の反対側の端部であって前記装着姿勢における上端部、に連結され、前記第1及び第2ディスプレーサ部51,52を軸方向に往復動させることにより冷熱を発生させる。当該駆動部44は、前記ディスプレーサ42に連結された状態で、当該ディスプレーサ42と一体に前記シリンダ40から取り外されることが可能である。
【0045】
前記装着姿勢における前記第1シリンダ部47の上端部(すなわち前記ディスプレーサ挿入口の周縁部)及び下端部近傍の部分にはそれぞれ、当該第1シリンダ部47の他の部分よりも径方向外向きに突出する上端フランジ58及び中段フランジ60が形成されている。このうち前記中段フランジ60の下面は、前記第1被冷却端子21の上面である前記第1被冷却面31と接触可能な第1段コールドヘッド55の下面62として機能する。また、前記第2シリンダ部48の底壁50の下面は、前記第2被冷却端子22の上面である前記第2被冷却面32と接触可能な第2段コールドヘッド56の下面64として機能する。
【0046】
換言すれば、前記冷凍機18は、前記第1段及び第2段コールドヘッド55,56の下面62,64が前記第1及び第2被冷却端子21,22の前記第1及び第2被冷却面31,32に対してそれぞれ上下方向に対向するように、前記冷凍機支持部26に装着される。ここにおいて、前記第1被冷却端子21はその装着された状態における前記冷凍機16を囲む環状、詳しくは当該冷凍機16の上下方向の挿通を許容する貫通穴66を画定する環状、をなす。
【0047】
前記第2被冷却端子22の前記第2被冷却面32上には、上から挿入される冷凍機16の第2段コールドヘッド56の下端を中央の正規位置に案内するための案内部材68が設けられることが、好ましい。当該案内部材68は、平面視において略円環状(
図6に示される例では略C字状)をなし、かつ、下方に向かう(すなわち第2被冷却面32に向かう)に従って次第に内径が小さくなる向きの円錐状の案内面を有する。
【0048】
前記容器本体18における前記冷凍機支持部26は、冷凍機支持台70と、支柱71と、支持天壁72と、を有する。前記冷凍機支持台70は、前記容器本体18の本体部24の上面よりもさらに上向きに突出する部分であって平面視において前記冷凍機16及び前記第2被冷却端子22を囲む円環状をなす。前記支柱71は、前記冷凍機16及び前記第1被冷却端子21を収容することが可能な内径をもつ円筒状をなし、前記冷凍機支持台70の上に立設される。前記支持天壁72は、前記支柱71の上端が囲む開口を塞ぐように当該上端に接合される。当該支持天壁72は、その中央部において前記冷凍機16の上下方向の挿通を許容する貫通穴74を囲む環状をなす。
【0049】
前記冷凍機支持部26内には、
図3に示されるような酸化物超電導リード75が配置されている。当該酸化物超電導リード75は、冷却容器10の外部に配備された電源から前記一対の超電導コイル12に電流を供給するための経路となる部材であって、極低温状態では0に近い電気抵抗を有する。この酸化物超電導リード75は、好ましくは前記冷凍機16の第2段コールドヘッド56の近傍の位置に、例えば
図3に示されるように当該第2段コールドヘッド56に沿って上下方向に延びる姿勢で、配置されることが好ましい。当該配置は、前記外部電源や前記冷凍機16に作動不良が発生した場合にもしばらくは前記酸化物超電導リード75が十分な低温状態に保たれることを可能にし、これにより、前記酸化物超電導リード75の急激な昇温による電気抵抗の急増に起因する当該酸化物超電導リード75の焼損を未然に防止することを可能にする。
【0050】
この実施の形態に係る冷却容器10は、その特徴として、前記容器本体18内の真空状態を保ったまま前記冷凍機支持部26に対する前記冷凍機16の着脱(より詳しくは後述のような冷凍機16のディスプレーサ42及び駆動部46の着脱)を容易に行うことを可能にする手段をさらに備える。具体的に、当該手段は、
図7〜
図10に詳しく示されるシリンダ保持体76、第1昇降機構77、及び第2昇降機構78、を含む。
【0051】
前記シリンダ保持体76は、前記冷凍機16が前記装着姿勢、具体的には前記第1段コールドヘッド55の下面(この実施の形態では中段フランジ60の下面)62及び第2段コールドヘッド56の下面(この実施の形態では底壁50の下面)64がそれぞれ前記第1被冷却面31及び前記第2被冷却面32に対して上下方向に対向する姿勢、にある状態で当該冷凍機16のシリンダ40を保持するとともに、当該シリンダ40と一体に容器本体18に対して昇降可能となるように当該容器本体18、詳しくは前記冷凍機支持部26の支持天壁72、に支持される。
【0052】
具体的に、前記シリンダ保持体76は、本体板80と、被案内部82と、を一体に有する。
【0053】
前記本体板80は、平板であってかつ前記冷凍機16の上下方向の挿通を許容する貫通穴83を囲む環状をなし、水平な姿勢で前記支持天壁72の上に配置される。当該本体板80の上面には前記冷凍機16の位置決めのための凹部84が形成され、当該凹部84に前記シリンダ40の上端フランジ58が嵌め込まれた状態で当該上端フランジ58を保持する。換言すれば、前記本体板80の上面に前記上端フランジ58の下面が接触する状態で当該上端フランジ58が当該本体板80に固定される。当該固定のための具体的手段は限定されない。当該手段は、例えば、前記本体板80の上面とクランプ部材の下面とで前記上端フランジ58をクランプする機構であってもよいし、ボルトを含む締結具であってもよい。あるいは、冷凍機16の運転に影響を与えないことを前提とした磁力による前記上端フランジ58への吸引であってもよい。
【0054】
前記上端フランジ58の下面と前記本体板80の上面との間には、
図7,
図9及び
図10に示すような環状のシリンダシール部材85が全周にわたって介在するのが、好ましい。当該シリンダシール部材85は、例えば、前記本体板80の上面に形成された周溝内に嵌め込まれるゴム製のOリングである。
【0055】
前記被案内部82は、前記冷凍機16を囲む円筒状をなし、前記貫通穴83と同軸の位置で前記本体板80の下面から下方に延びるように当該本体板80とつながる。当該被案内部82の外周面は、後に詳述するように、上下方向への案内を受ける円筒状の第2被案内面86を構成する。
【0056】
前記第2昇降機構78は、前記シリンダ保持体76を第2伝熱位置と第2遮断位置との間で昇降させるように当該シリンダ保持体76に連結される。前記第2伝熱位置は、前記第2段コールドヘッド56の下面(底壁50の下面)64が前記第2被冷却面32と接触して当該第2段コールドヘッド56と前記第2被冷却端子22との間の伝熱を可能にする高さ位置であり、前記第2遮断位置は、前記第2段コールドヘッド56の下面64が前記第2被冷却面32から上方に離間して当該第2段コールドヘッド56と前記第2被冷却端子22との間の伝熱を遮断する高さ位置である。当該第2昇降機構78の具体的構成については後述する。
【0057】
前記第1昇降機構77は、前記第1被冷却端子21を第1伝熱位置と第1遮断位置との間で昇降させるように当該第1被冷却端子21に連結される。前記第1伝熱位置は、前記第2伝熱位置に対応する高さ位置にある前記第1段コールドヘッド55の下面62に対して前記第1被冷却面31が接触して当該第1段コールドヘッド55と前記第1被冷却端子21との間の伝熱を可能にする高さ位置であり、前記第1遮断位置は、前記第1段コールドヘッド55の下面62に対して前記第1被冷却面31が下方に離間して当該第1段コールドヘッド55と前記第1被冷却端子21との間の伝熱を遮断する高さ位置である。
【0058】
この実施の形態に係る前記第1昇降機構77は、回転操作を受けることによりこれに対応して前記第1被冷却端子21を昇降させる送りねじ機構を含む。具体的に、当該第1昇降機構77は、複数の第1ボルト(第1ねじ部材)88と、第1昇降体90と、を有する。
【0059】
前記複数の第1ボルト88は、前記シリンダ保持体76上で周方向に並ぶ複数の位置にそれぞれ設けられ、互いに同一の形状を有する。
図7では、当該複数の第1ボルト88のうちの2本の第1ボルト88が示されている。
【0060】
図8に示されるように、前記複数の第1ボルト88のそれぞれは、頭部91と第1ねじ部92とを有する。頭部91は、前記第1ボルト88の中心軸回りの回転操作を受けることが可能な第1被操作部として機能する。前記第1ねじ部92は、前記頭部91よりも小径で円筒状の外周面をもつ軸であり、当該外周面には前記回転操作に伴って上下方向に進行する螺旋状の雄ねじが刻まれている。
【0061】
前記第1ボルト88は、前記容器本体18、具体的には前記冷凍機支持部26の支持天壁72、に垂直軸回りに回転可能となるように支持される。具体的には、前記第1ねじ部92が上下方向に延び、かつ、前記頭部91が前記シリンダ保持体76の本体板80の上方に位置する姿勢で、前記第1ねじ部92の下端が当該第1ねじ部92の中心軸回りに回転可能となるように前記支持天壁72に支持されている。より具体的に、前記シリンダ保持体76の本体板80には、前記第1ねじ部92の上下方向の挿通を許容するように当該本体板80を上下方向に貫通するボルト挿通穴93が形成されている。一方、当該支持天壁72の上面には部分的に下方に凹んだ凹部94が形成され、この凹部94に前記第1ねじ部92の下端部がほぼ隙間なくかつ回転可能に嵌め込まれている。
【0062】
前記第1昇降体90は、第1被冷却端子21とともに昇降可能となるように当該第1被冷却端子21に連結されるとともに前記容器本体18、具体的には前記冷凍機支持部26の支持天壁72、に昇降可能に支持される。また、当該第1昇降体90は、前記第1ボルト88の前記第1ねじ部92と螺合する部分を含み、これにより、当該第1ボルト88の前記頭部91に与えられる回転操作に伴って昇降する。
【0063】
具体的に、前記第1昇降体90は、昇降フランジ96及び複数の連結棒98を有する。前記昇降フランジ96は、前記第1ねじ部92に螺合される螺合部材として機能し、前記支持天壁72の上面と前記シリンダ保持体76との間の位置で昇降可能となるように配置されている。前記複数の連結棒98は、前記昇降フランジ96と前記第1被冷却端子21とが一体に昇降するように両者を上下方向に連結する連結部材として機能する。
【0064】
前記昇降フランジ96は、中央板部100と、フランジ部102と、被案内周壁104と、を一体に有する。前記中央板部100は、前記冷凍機16を囲む環状の平板である。すなわち、当該中央板部100の中央には前記冷凍機16の挿通を許容する貫通穴101が形成されている。前記フランジ部102は平面視において前記中央板部100の径方向外側に位置する環状の平板であり、かつ、当該中央板部100よりも上側に位置する。つまり前記中央板部100と前記フランジ部102との間には上下方向の段差が与えられている。被案内周壁104は、上下方向に中心軸をもつ円筒状をなし、前記中央板部100の外周部と前記フランジ部102の内周部とを上下方向に連結するように当該中央板部100と当該フランジ部102とに一体につながる。
【0065】
前記フランジ部102にはこれを上下方向に貫通する複数のねじ穴106が形成されている。当該複数のねじ穴106は前記複数の第1ボルト88にそれぞれ対応にして設けられている。当該複数のねじ穴106を囲む前記フランジ部102の内周面には前記第1ボルト88の第1ねじ部92の雄ねじに螺合する雌ねじが刻まれている。従って、前記複数の第1ボルト88はそれぞれに対応するねじ穴106に挿通された状態で前記フランジ部102と螺合される。
【0066】
前記被案内周壁104は、
図9及び
図10にも示されるように、前記支持天壁72によって上下方向に案内される被案内部として機能する。具体的に、前記支持天壁72の径方向内側部分はその外側の外周部分に対して下方に凹んでおり、当該径方向内側部分と外周部分との境界に、径方向内側を向く円筒状の内周面である第1案内面108が形成されている。これに対し、前記被案内周壁104は前記第1案内面108と僅かな隙間をもって嵌合される円筒状の外周面を有し、当該外周面が前記第1案内面108によって上下方向に案内される第1被案内面110を構成する。
【0067】
図9及び
図10に示されるように、前記第1案内面108と前記第1被案内面110との間にはその全周にわたって複数の環状の第1シール部材112が介在する。当該複数の第1シール部材112は、例えば、前記第1被案内面110に形成された周溝に嵌め込まれるゴム製のOリングである。当該複数の第1シール部材112は、前記支持天壁72に対する前記昇降フランジ96の昇降を許容しながら前記冷凍機支持部26内、ひいては前記容器本体18内、を密封する螺合部材シール部を構成する。
【0068】
前記被案内周壁104は、前記支持天壁72に案内される被案内部として機能するのに加え、前記シリンダ保持体76を上下方向に案内する案内部としても機能する。具体的に、前記被案内周壁104の内周面は、前記第1被案内面110よりも径方向内側の位置で上下方向に延びる円筒状の第2案内面114を構成し、前記シリンダ保持体76における前記被案内部82の外周面すなわち前記第2被案内面86と僅かな隙間をもって嵌合されることにより、当該被案内部82を上下方向に案内する。
【0069】
前記第2案内面114と前記第2被案内面86との間には、その全周にわたって複数の環状の第2シール部材116が介在する。当該複数の第2シール部材116は、例えば、前記第1被案内面86に形成された周溝に嵌め込まれるゴム製のOリングである。当該複数の第2シール部材116は、前記冷凍機支持部26内を密閉しながら前記支持天壁72に対する前記シリンダ保持体76の昇降を許容するように当該支持天壁72と当該シリンダ保持体76との間に介在する(この実施の形態では前記第2案内面114と接触する)保持体シール部を構成する。
【0070】
なお、本発明にいう「被案内部」の第2案内面は第1被案内面の径方向外側に位置してもよい。例えば、
図9及び
図10に示される昇降フランジ96の内周面が第1被案内面を構成し、外周面が第2案内面を構成してもよい。この場合、支持天壁72の第1案内面は前記第1被案内面と径方向に対向する円筒状外周面となり、シリンダ保持体76の第2被案内面は前記第2案内面と径方向に対向する円筒状内周面となる。
【0071】
前記複数の連結棒98は、周方向に並ぶ複数の位置にそれぞれ設けられ、
図3及び
図7にはそのうちの1本の連結棒98が示されている。それぞれの連結棒98は、上下方向に延びる姿勢で配置され、前記昇降フランジ96の中央板部100に連結される上端部と、前記第1被冷却端子21に連結される下端部と、を有する。
【0072】
前記第2昇降機構78は、回転操作を受けてこれを前記シリンダ保持体76の昇降運動に変換する送りねじ機構を含む。具体的に、当該第2昇降機構78は、複数の第2ボルト(第2ねじ部材)120を含む。当該複数の第2ボルト120は、前記シリンダ保持体76の本体板80の周方向に並ぶ複数の位置に設けられ、
図3及び
図7はそのうちの一つの第2ボルト120を示している。
【0073】
前記複数の第2ボルト120のそれぞれは、
図9に示すような頭部122及び第2ねじ部124を一体に有する。前記頭部122は、前記第2ボルト120の中心軸回りの回転操作を受けることが可能な第2被操作部として機能する。前記第2ねじ部124は、前記頭部122よりも小径でかつ円筒状の外周面をもつ軸であり、当該外周面には前記回転操作に伴って上下方向に進行する雄ねじが刻まれている。
【0074】
前記第2ボルト120は、前記頭部122が前記シリンダ保持体76の上方に位置し、かつ、当該頭部122から前記第2ねじ部124が下方に延びて前記シリンダ保持体76の本体板80を上下方向に貫通する状態で、当該本体板80に螺合されている。具体的に、当該本体板80には、周方向に並ぶ複数の位置のそれぞれにおいて当該本体板80を貫通するねじ穴126が形成され、当該ねじ穴126を画定する当該本体板80の内周面には前記第2ねじ部124の雄ねじと螺合可能な雌ねじが刻まれている。前記複数の第2ボルト120のそれぞれは、当該第2ボルト120に対応する前記ねじ穴126に前記第2ねじ部124が挿通された状態で前記本体板80と螺合されることが可能である。
【0075】
前記本体板80は、前記昇降フランジ96のフランジ部102の直上方に位置している。従って、
図9に示すように前記第2ボルト120の第2ねじ部124の下端が前記フランジ部102の上面128に当接することにより、それ以上の当該第2ボルト120の下向きの変位が規制される。このことは、当該第2ボルト120の頭部122に与えられる特定方向の回転操作に伴って前記シリンダ保持体76が前記支持天壁72及び前記昇降フランジ96に対して上昇することを可能にする。当該第2ボルト120の下向きの変位の規制は、
図9に示されるような態様に限らず、例えば前記第2ねじ部124がさらに前記フランジ部102を貫通して当該第2ねじ部124の下端が前記支持天壁72の上面に当接する態様でも、達成されることが可能である。
【0076】
前記第2昇降機構78は、さらに、複数の付勢機構130を有する。当該複数の付勢機構130は、前記シリンダ保持体76に対して下向きの付勢力を与えることにより、当該シリンダ保持体76に保持されるシリンダ40を含む冷凍機16の第2段コールドヘッド56の下面64と前記第2被冷却面32との接触をより確実にするものである。前記複数の付勢機構130は、前記シリンダ保持体76において周方向に並ぶ複数の位置にそれぞれ設けられ、
図3,
図4及び
図7は当該複数の付勢機構130のうちの一つの付勢機構130のみを示している。
【0077】
前記複数の付勢機構130のそれぞれは、
図10に示すように、ねじ軸132と、ナット134と、ばね部材136と、を有する。
【0078】
前記ねじ軸132は、前記支持天壁72に固定されるとともに、前記シリンダ保持体76の昇降を許容するように当該シリンダ保持体76を貫通し、少なくとも当該シリンダ保持体76よりも上側の領域において雄ねじ部を有する。この実施の形態に係るねじ軸132は、その全長にわたり雄ねじが刻まれた外周面を有する植込みボルトである。一方、前記シリンダ保持体76の本体板80及び前記昇降フランジ96のフランジ部102にはそれぞれこれらを上下方向に貫通するねじ挿通穴138,140が形成され、前記支持天壁72には上向きに開口するねじ穴142が形成されている。前記ねじ軸132は前記ねじ挿通穴138,140にそれぞれ挿通され、かつ、当該ねじ軸132の下端部が前記ねじ穴142にねじ込まれる。これにより、当該ねじ軸132は前記支持天壁72から上向きに立直する状態で当該支持天壁72に固定されている。
【0079】
前記ナット134は、前記本体板80よりも上方の位置で前記ねじ軸132に螺合される。前記ばね部材136は、前記ナット134の下面と前記本体板80の上面との間に弾性圧縮変形した状態で介在することにより、前記シリンダ保持体76に対して下向きの付勢力として作用する弾発力を生成する。当該ばね部材136は、
図10に示される例では、互いに上下方向に積層された複数枚の皿ばねにより構成されている。しかし、当該ばね部材136は、圧縮コイルばねであってもよいし、圧縮方向に大きく変形可能なブロック体であってもよい。
【0080】
前記ナット134は、回転操作を受けて前記ねじ軸132に対して昇降することにより、当該ナット134の下面と前記本体板80の上面との間に介在する前記ばね部材136の弾発力、すなわちシリンダ保持体76に作用する下向きの付勢力、を変化させることが可能である。
【0081】
以上説明した冷却容器10によれば、前記第1及び第2昇降機構77,78によって前記シリンダ保持体76及び前記第1被冷却端子21を容器本体18(この実施の形態では当該容器本体18の冷凍機支持部76)に対してそれぞれ昇降させるだけの簡単な操作で、スリーブ等の特別な部材を冷凍機16と被冷却体(この実施の形態では一対の超電導コイル12や熱シールド容器14)との間に介在させることなく、前記冷凍機16の第1段及び第2段コールドヘッド55,56と第1及び第2被冷却端子21,22との間の伝熱が可能な状態と当該伝熱が遮断される状態との切換を容易に行うことができる。このことは、冷凍機16により前記被冷却体を効率よく冷却することと、前記冷凍機16のメンテナンスを容易に行うことと、を可能にする。
【0082】
具体的に、前記冷却容器10によれば、例えば次の要領で前記容器本体18に対する前記冷凍機16の着脱(正確には当該冷凍機16におけるディスプレーサ42及び駆動部44の着脱)及びこれによるメンテナンスを行うことが可能である。
【0083】
(1)容器本体18への冷凍機16の装着
極低温装置の使用前の段階では、冷凍機16全体が容器本体18に対して装着される。まず、当該冷凍機16の第2段コールドヘッド56が第1段コールドヘッド55の下側に位置する装着姿勢で当該冷凍機16が冷凍機支持部26に対して上から挿入される。より具体的には、シリンダ保持体76の本体板80、昇降フランジ96の中央板部100、及び支持天壁72のそれぞれに形成された貫通穴83,101,74に対して冷凍機16が上から挿通され、当該冷凍機16におけるシリンダ40の上端フランジ58が前記本体板80の凹部84に嵌め込まれる。つまり、当該上端フランジ58の下面が当該本体板80の上面(凹部84の底面)に当接する位置まで前記冷凍機16の挿入が進められる。
【0084】
この初期段階では、前記冷凍機16の挿入が完了した段階で前記第1段及び第2段コールドヘッド55,56の下面62,64がそれぞれ第1及び第2被冷却端子21,22の第1及び第2被冷却面31,32に対して上方に離間する(つまり当該下面62,64が当該第1及び第2被冷却面31,32には到達しない)ように、予め前記シリンダ保持体76及び第1被冷却端子21の高さ位置が第1及び第2昇降機構77,78によって調整されていることが、好ましい。具体的には、前記シリンダ保持体76の高さ位置が十分高い位置に、逆に前記第1被冷却端子21の高さ位置が十分低い位置に、それぞれ設定されていることが好ましい。
【0085】
前記冷凍機16の挿入の完了後、前記シリンダ40の上端フランジ58が前記シリンダ保持体76の本体板80に適当な手段で固定される。具体的には、当該上端フランジ58が当該本体板80の凹部84に嵌め込まれて当該凹部84の底面と当該上端フランジ58の下面との間にシリンダシール部材85が介在する状態で、当該上端フランジ58が当該本体板80に固定される。これにより、当該シリンダ保持体76と当該シリンダ40を含む冷凍機16全体とが一体に昇降する状態となる。
【0086】
前記固定の後、前記第2昇降機構78の操作によって前記シリンダ保持体76の位置が下げられることにより、前記第2段コールドヘッド56の下面64と前記第2被冷却端子22の第2被冷却面32との接触及びその接触圧の調整が行われる。具体的には、まず
図9に示される第2ボルト120が前記本体板80に対して相対的に上昇するように当該ボルト120の頭部122に所定方向の回転操作が与えられる。これに伴い、当該本体板80を含むシリンダ保持体76及びこれに固定された冷凍機16はその自重と付勢機構130による付勢力とによって次第に下降し、第2伝熱位置、すなわち第2段コールドヘッド56の下面64と第2被冷却端子22の第2被冷却面32とが接触する位置、に到達する。ここでの各第2ボルト120の好ましい操作は後の「(3)ディスプレーサ42及び駆動部44の再装着」の項で詳述する。
【0087】
前記第2伝熱位置への到達後、さらに、
図10に示される付勢機構130のナット134を下降させる向きに当該ナット134が回転操作されることにより、当該付勢機構130におけるばね部材136の弾発力であって下向きの付勢力が増加され、ひいては前記第2被冷却面32に対する前記第2段コールドヘッド56の下面64の接触圧が増加される。そして、この接触圧が適当な接触圧に到達した段階で前記ナット134の回転操作が停止される。このようにして、当該接触圧の調整が達成される。
【0088】
前記第2段コールドヘッド56の下面64と前記第2被冷却面32との接触圧の調整の完了後、今度は第1昇降機構77の操作によって第1被冷却端子21の第1被冷却面31と第1段コールドヘッド55の下面62との接触及びその接触圧の調整が行われる。具体的には、
図8に示される第1ボルト88に対して昇降フランジ96のフランジ部102を上昇させる向きの回転操作が当該第1ボルト88の頭部91に与えられる。これにより、当該昇降フランジ96及びこれに複数の連結棒98を介して連結された前記第1被冷却端子21が冷凍機支持部26を含む容器本体18に対して一体に上昇し、当該第1被冷却端子21が第1伝熱位置、つまり当該第1被冷却端子21の第1被冷却面31が第1段コールドヘッド55の下面62に接触する位置、に到達する。さらに前記第1ボルト88の回転操作を続けると、前記第1被冷却面31の接触圧と前記第1段コールドヘッド55の下面62との接触圧が上昇する。この接触圧が適当な接触圧に到達した段階で前記第1ボルト88の回転操作が停止される。このようにして、当該接触圧の調整が達成され、冷凍機16の装着が完了する。
【0089】
前記装着が完了した状態では、前記冷凍機16の第1段及び第2段コールドヘッド55,56の下面62,64と前記第1及び第2被冷却面31,32とがそれぞれ十分な接触圧で接触することにより、当該第1段及び第2段コールドヘッド55,56と前記第1及び第2被冷却端子21,22との良好な伝熱が可能である。従って、前記冷凍機16の作動により、前記第1及び第2被冷却端子21,22及びこれにつながる第1及び第2被冷却体(この実施の形態では熱シールド容器14及び一対の超電導コイル12)をそれぞれ所定の目標温度まで良好に冷却することができる。
【0090】
(2)容器本体18からの冷凍機16のディスプレーサ42及び駆動部44の脱着
前記冷凍機16のディスプレーサ42または駆動部44についてメンテナンスが必要となった時点で、当該ディスプレーサ42及び当該駆動部44が容器本体18から取り外される。当該ディスプレーサ42及び当該駆動部44は、前記冷凍機16のシリンダ40が前記シリンダ保持体76に保持されたままの状態で当該シリンダ40から抜き取られる。しかも、この作業は、前記第1及び第2昇降機構77,78の操作により前記シリンダ40と前記第1及び第2被冷却端子21,22との間の伝熱を遮断した状態で、行われることが可能である。具体的には次のとおりである。
【0091】
まず、前記第1昇降機構77の第1ボルト88に対して前記フランジ部102を下降させる向きに当該第1ボルト88の頭部91に回転操作が与えられる。この回転操作に伴い、当該フランジ部102を含む昇降フランジ96、複数の連結棒98及び第1被冷却端子21が一体に下降する。これにより、冷凍機16の第1段コールドヘッド55の下面62から前記第1被冷却端子21の第1被冷却面31が下方に離間して当該第1段コールドヘッド55と当該第1被冷却端子21との間の伝熱が遮断される。
【0092】
次に、前記第2昇降機構78の第2ボルト120に対して前記シリンダ保持体76の本体板80を上昇させる向きの回転操作が当該第2ボルト120の頭部122に与えられる。このとき、当該第2ボルト120の第2ねじ部124の下端がフランジ部102の上面128に当接しているために当該第2ボルト120の下向きの変位が規制されていることから、前記シリンダ保持体76及びこれに保持されているシリンダ40を含む冷凍機16全体がその自重及び付勢機構130の付勢力(ばね部材136の弾発力)に抗して上昇する。これにより、前記冷凍機16の第2段コールドヘッド56の下面64が前記第2被冷却端子22の第2被冷却面32から上方に離間して当該第2段コールドヘッド56と当該第2被冷却端子22との間の伝熱が遮断される。
【0093】
前記第2ボルト120の回転操作の前に前記付勢機構130を改めて操作することは特に要しない。当該操作をせずに付勢機構130をそのままにしておくことにより、後に示すディスプレーサ42及び駆動部44の再装着の際に付勢力を再び調整する作業が不要となる。逆に、前記第1ボルト120の回転操作の前に前記付勢機構130のナット134を上昇させて当該回転操作に必要な操作力を低減するといったことが行われてもよい。
【0094】
前記第1及び第2昇降機構77,78の操作が終了した後、前記冷凍機16におけるシリンダ40とディスプレーサ42との連結が切り離され、当該シリンダ40がシリンダ保持体76に保持されたままの状態で当該シリンダ40から前記ディスプレーサ42及びこれに連結されている駆動部44が上方に抜き取られる。
【0095】
このとき、前記第1及び第2昇降機構77,78の操作によって前記第1段及び第2段コールドヘッド55,56と前記第1及び第2被冷却端子21,22との間の伝熱がそれぞれ遮断されているので、前記ディスプレーサ42の抜き取りにより前記シリンダ40の内側面が大気に暴露されることに伴う当該内側面への着氷や着霜が抑制される。また、前記伝熱の遮断により前記シリンダ40から前記第1及び第2被冷却端子21,22への熱侵入が抑えられているので、当該シリンダ40の内側面に氷や霜が付着しても当該内側面を加熱して当該氷や霜を容易に除去することが可能である。
【0096】
前記シリンダ40の内側面の加熱は、例えば熱風の吹込みにより行われてもよいし、予め当該内側面上に仕込まれたヒータ(例えば当該内側面上に配索された電熱線)の作動により行われてもよい。後者の場合、前記シリンダ40から前記ディスプレーサ42を抜き取る前に前記ヒータを作動させることにより、着氷や着霜の未然防止も可能である。
【0097】
前記のようにして抜き取られた前記ディスプレーサ42及び前記駆動部44は、容易にメンテナンスに供されることが可能である。ここにいう「メンテナンス」には、前記ディスプレーサ42または前記駆動部44の補修、点検、交換等が含まれる。
【0098】
(3)ディスプレーサ42及び駆動部44の再装着
前記メンテナンスの終了後、前記ディスプレーサ42が前記シリンダ40内に上から挿入されることにより、当該ディスプレーサ42及びこれに連結される前記駆動部44が冷却容器10に再装着される。
【0099】
前記ディスプレーサ42の挿入及び組み付けの完了後、第2ボルト120に対してシリンダ保持体76の本体板80が下降する向きに当該第2ボルト120の頭部122に回転操作が与えられることにより、当該シリンダ保持体76及びこれに保持されるシリンダ40を含む冷凍機16がその自重によって次第に下降する。これにより、当該シリンダ保持体76及びこれに保持されるシリンダ40は、当該シリンダ40を含む前記冷凍機16の第2段コールドヘッド56の下面64が第2被冷却端子22の第2被冷却面32に接触する第2接触位置に到達することができる。
【0100】
このとき、複数の第2ボルト120の操作順序は特に限定されない。好ましくは、当該複数の第2ボルト120のうちの一部の第2ボルト120についてはその第2ねじ部124の下端がフランジ部102の上面128から離間する前にその回転操作を停止し、残りの第2ボルト120についてその第2ねじ部124の下端が前記上面128から離間するまで回転操作を行い、その後に前記一部の第2ボルト120の回転操作を再びかつ同時に行うといった操作が行われるのが、よい。このような操作は、前記複数の第2ボルト120のうちの一部の第2ボルト120に偏って大きな荷重が作用するのを回避することを可能にする。当該操作は、前記の「(1)容器本体18への冷凍機16の装着」の項で述べた最初の装着時においても同様である。
【0101】
前記第2ボルト120の操作の終了後、前記第1昇降機構77の第1ボルト88を操作して昇降フランジ96を含む第1昇降体90及び第1被冷却端子21を上昇させることにより、当該第1被冷却端子21の第1被冷却面31を第1伝熱位置すなわち第1段コールドヘッド55の下面62と接触する位置に至らせることができる。
【0102】
以上説明した一連の操作の間、保持体シール部を構成する第1シール部材112は前記支持天壁72に対する前記昇降フランジ96の昇降にかかわらず容器本体18内の密閉を保つことができ、また螺合部材シール部を構成する第2シール部材116は前記昇降フランジ96及び前記支持天壁72に対する前記シリンダ保持体76の昇降にかかわらず容器本体18内の密閉を保つことができる。このことは、容器本体18内の真空状態を保ったまま前記冷凍機16の着脱を容易に行うことを可能にする。
【0103】
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されない。本発明は、例えば次のような形態を包含することが可能である。
【0104】
(A)容器本体による冷凍機の支持について
前記実施の形態では、
図3及び
図4に示されるように容器本体18の冷凍機支持部26が本体部24の上面から上方に大きく突出して冷凍機16の大部分を収容する形状を有するが、本発明において容器本体が冷凍機を支持する部分は必ずしも他の部分に対して上向きに突出していなくてもよい。ただし、前記のように部分的に上向きに突出して冷凍機16を収容する冷凍機支持部26は、容器本体18全体の無駄な容積を大幅に削減することを可能にする。
【0105】
(B)第1及び第2昇降機構について
本発明に係る第1昇降機構及び前記第2昇降機構は、例えば流体圧を利用したシリンダ装置や電磁式のソレノイド装置のような直動式の駆動機構でもよい。しかし、前記のような送りねじ機構は、ねじ部材の回転操作によって前記第2被冷却面に対する前記第2段コールドヘッドの下面の接触圧や前記第1段コールドヘッドの下面に対する前記第1被冷却面の接触を調整することを可能にする。
【0106】
本発明に係る第1昇降機構は、螺合部材(前記実施の形態では昇降フランジ96)と連結部材(前記実施の形態では複数の連結棒98)との組み合わせを含むものに限定されない。本発明に係る第1昇降機構は、例えば、容器本体に昇降可能に螺合されるとともに第1被冷却端子に直接連結される長尺の第1ねじ部材を有するものでもよい。ただし、前記螺合部材と連結部材の組合せは、第1ねじ部材(前記実施の形態では第1ボルト88)が容器本体の上側に配置されることを可能にして当該第1ねじ部材の必要長さを大幅に小さくすることを可能にする。また、前記螺合部材は前記容器本体と前記シリンダ保持体との間のスペース(前記実施の形態では支持天壁72の上面と本体板80の下面との間のスペース)を有効利用してコンパクトに配置されることが可能である。また、螺合部材シール部が前記螺合部材の昇降にかかわらず前記容器本体内の真空状態を維持することを、可能にする。また、前記第1ねじ部材はシリンダ保持体を貫通するものに限定されない。当該第1ねじ部材が当該シリンダ保持体の径方向外側の位置に配置されることにより、当該第1ねじ部材の第1被操作部が容器本体の上方で露出するものでもよい。
【0107】
本発明は、前記第2昇降機構が前記付勢機構130を有しない態様も包含する。この態様では、冷凍機等の自重のみを利用してその第2段コールドヘッドの下面と第2被冷却面との接触が行われる。ただし、前記付勢機構130は、前記シリンダ保持体76に下向きの付勢力を与えることによって前記接触の確実性を高めることができる。また、当該付勢機構130による付勢力を調整することによって前記第2段コールドヘッドの下面と前記第2被冷却面との接触圧をより容易に調整することが可能である。