(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6902005
(24)【登録日】2021年6月22日
(45)【発行日】2021年7月14日
(54)【発明の名称】コイル構造及びそれを有するコモンモードフィルタ
(51)【国際特許分類】
H01F 17/00 20060101AFI20210701BHJP
H01F 27/29 20060101ALI20210701BHJP
【FI】
H01F17/00 B
H01F27/29 P
H01F27/29 123
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-166545(P2018-166545)
(22)【出願日】2018年9月6日
(62)【分割の表示】特願2014-173045(P2014-173045)の分割
【原出願日】2014年8月27日
(65)【公開番号】特開2019-4175(P2019-4175A)
(43)【公開日】2019年1月10日
【審査請求日】2018年9月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000204284
【氏名又は名称】太陽誘電株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119378
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 弘幸
(72)【発明者】
【氏名】上山 義明
(72)【発明者】
【氏名】野木 謙一郎
(72)【発明者】
【氏名】雨宮 芳恵
【審査官】
井上 健一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−288505(JP,A)
【文献】
特開2011−114627(JP,A)
【文献】
特開2001−126923(JP,A)
【文献】
特開2003−077727(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0290977(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0052766(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 17/00
H01F 27/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1対の対向する側面をもち、少なくとも一部に磁性体を含む絶縁体と、
前記絶縁体中に埋め込まれ、前記側面に対して垂直な平面上にある第1の平面コイルと、
上記1対の対向する側面の一方の側面に形成された内端用外部電極と、
上記1対の対向する側面の他方の側面に形成された外端用外部電極と、
第1の平面コイルの内側の端部と内端用外部電極とを、上記第1の平面コイルの中心軸の軸方向から平面視したときに直線的に連結する第1の内側引出部と、
第1の平面コイルの外側の端部と外端用外部電極とを連結する第1の外側引出部と、を有し、
一方の側面から第1の平面コイルに至る最短距離は、他方の側面から第1の平面コイルに至る最短距離より大きい、コイル構造。
【請求項2】
一方の側面から平面視したとき、内端用外部電極及び外端用外部電極は第1の平面コイルの最内周より外側に位置している、請求項1記載のコイル構造。
【請求項3】
さらに、
前記絶縁体中に埋め込まれた第2の平面コイルと、
第2の平面コイルの内側の端部と内端用外部電極とを連結する第2の内側引出部と、
第2の平面コイルの外側の端部と外端用外部電極とを連結する第2の外側引出部と、を有し、
一方の側面から第2の平面コイルに至る最短距離は、他方の側面から第2の平面コイルに至る最短距離より大きく、
第1及び第2の平面コイルは中心軸を共有して、前記側面と垂直である絶縁層を上下から挟んで互いに対向するように配置されている、請求項1又は2記載のコイル構造。
【請求項4】
第1及び第2の内側引出部は、(A)上側の平面コイルより上にある平面、又は、(B)下側の平面コイルより下にある平面、に形成され、第1及び第2の内側引出部と第1及び第2の平面コイルとの距離の最小値は、2つの平面コイルの間隔より大きい、請求項3記載のコイル構造。
【請求項5】
第1及び第2の内側引出部はいずれも、上側の平面コイルより上にある平面に形成され、第1及び第2の内側引出部と第1及び第2の平面コイルとの距離の最小値は、第1及び第2の平面コイルの間隔より大きい、請求項3記載のコイル構造。
【請求項6】
絶縁体が非磁性体と非磁性体の上下両側に配置される磁性体とを有し、第1及び第2の平面コイルは非磁性体内にあり、第1及び第2の内側引出部は非磁性体と磁性体との間にある、請求項3〜5のいずれか1項記載のコイル構造。
【請求項7】
請求項3〜6のいずれか1項記載のコイル構造を有するコモンモードフィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型のコモンモードフィルタなどといったコイル部品に含まれるコイル構造に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯型電子機器や薄型の電子機器のニーズが拡大することに伴い、これらの電子機器の差動伝送回路等に用いるコモンモードフィルタ等も小型化及び薄型化が求められ、さらに、高周波化への対応も求められている。コモンモードフィルタ等においてデバイスの小型化が進むと、コイル径が部品サイズの決定要因になってくる。特許文献1には、コモンモードフィルタを小型化するに際して、チップ形状と類似した四角形に近い形状のコイルを形成することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−45784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コモンモードフィルタ等のコイル部品の小型化においては、絶縁体をこれまで以上に有効に使うことが重要であると考えられる。また、単に小型化するのみならず、電気的特性の維持・向上も必要である。これらのことにかんがみて、本発明は、コイル部品に高インピーダンス特性と優れた周波数特性とを両立させ得るようなコイル構造及びそれを有するコモンモードフィルタの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らが鋭意検討した結果、以下の特徴を有するコイル構造に関する本発明を完成した。コイル構造は、少なくとも1対の対向する側面をもち、少なくとも一部に磁性体を含む絶縁体を有する。コイル構造は、前記絶縁体中に埋め込まれ、前記側面に対して垂直な中心軸をもつ第1の平面コイルをさらに有する。コイル構造は、上記1対の対向する側面の一方の側面に形成された内端用外部電極と、上記1対の対向する側面の他方の側面に形成された外端用外部電極と、をさらに有する。コイル構造は、第1の平面コイルの内側の端部と内端用外部電極とを連結する第1の内側引出部と、第1の平面コイルの外側の端部と外端用外部電極とを連結する第1の外側引出部と、をさらに有する。一方の側面から第1の平面コイルに至る最短距離は、他方の側面から第1の平面コイルに至る最短距離より大きい。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、高インピーダンス特性と優れた周波数特性とを両立し得るコモンモードフィルタ等に有用なコイル構造が提供される。具体的には、内端用外部電極と平面コイルとの間での容量を低く抑えることができ、デバイスを小型化しても、周波数特性の向上と、高インピーダンス特性との両立が可能になる。好適態様においては、外部電極を平面コイルの最内周の径より外側に配置で、外部電極と平面コイル間での容量を低く抑えることができ、そのことで内周の径を大きくでき、周波数特性を落とすことなくインピーダンスを高くできる。別の好適態様では、内側引出部と平面コイルとの距離が大きいので、これらの間での容量を低く抑えることができ、周波数特性を向上させることができる。さらなる好適態様では、内側引出部が上側の平面コイルより上にあるから、容量を低く抑えたまま、絶縁体の高さを低くすることができる。別の好適態様では、内側引出部を非磁性体と磁性体との間に設けることで、容量を低く抑えたまま、絶縁体の高さをさらに低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明のコイル構造を有するコモンモードフィルタの模式図である。
【
図2】本発明のコイル構造を有するコモンモードフィルタの模式平面図である。
【
図3】本発明のコイル構造を有するコモンモードフィルタの模式断面図である。
【
図4】本発明のコイル構造を有するコモンモードフィルタの模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を適宜参照しながら本発明を詳述する。但し、本発明は図示された態様に限定されるわけでなく、また、図面においては発明の特徴的な部分を強調して表現することがあるので、図面各部において縮尺の正確性は必ずしも担保されていない。また、以下の説明では、本発明のコイル構造について、当該コイル構造を有するコイル部品の非限定的な例示としてのコモンモードフィルタの記述を介して説明する。
【0009】
図1は本発明のコイル構造を有するコモンモードフィルタの模式図である、
図1(A)は平面図であり、
図1(B)は断面図である。本発明によれば、コモンモードフィルタの内部には、2つの平面コイル、すなわち第1の平面コイル20A及び第2の平面コイル20Bが絶縁層11Mを上下から挟む積層構造が存在する。本発明において「上下」の概念は積層構造の説明の便宜のため、および、後述する各構成の方向性の便宜のためのものであって、製造時における工程の順序を限定するものではなく、使用時における方向性や配置を限定するものでもない。よって、2つの平面コイル20A・20Bのうち、どちらを「上」として認識するかについては任意である。平面コイル20A・20Bは、それぞれ、渦巻き状のコイルの内側の端部21及び外側の端部22をもつ。2つの平面コイルを含む積層構造について、その態様や製造方法は従来技術を適宜参照することができ、また、後述の実施例において、製造例が紹介される。
【0010】
平面コイル20A・20Bは、絶縁体10の中に埋め込まれるように、かつ両平面コイルが中心軸を共有するように存在している。絶縁体10は、少なくとも1対の対向する側面10A・10Bをもつ。これら側面10A・10Bは、上記にて定義した「上下」方向と略
平行である。好適には絶縁体10は直方体状であり、この形状がコモンモードフィルタ全体の寸法とほぼ等しい。
【0011】
絶縁体10は、好ましくは非磁性体11と磁性体12とを有し、さらに好ましくは、磁性体12は、非磁性体11の上下両側に配置される。好適には、2つの平面コイル20A・20Bは非磁性体11の内部に埋め込まれるように位置している。磁性体12の材質としては、例えば、Ni−Zn−Cuフェライトや、Mn−Zn−Cuフェライト又は金属磁性材料など必要な透磁率や周波数特性に応じて、非限定的に例示される。非磁性体11の材質としては、例えば、Znフェライトや、低温焼結が可能であるZn−Cuフェライトや、ホウケイ酸ガラス又はホウケイ酸ガラスと結晶質シリカとの混合物、又は樹脂などが挙げられる。絶縁体10について、その態様や製造方法は従来技術を適宜参照することができ、また、後述の実施例において、製造例が紹介される。
【0012】
上述の側面10A・10Bには外部電極41・42が形成される。外部電極は、上述の平面コイル20のうち内側の端部21と電気的に接続する内端用外部電極41と、外側の端部22と電気的に接続する外端用外部電極42とに分類できる。それぞれの端部21・22と、外部電極41・42との電気的な接続は、後述の引出部が担う。上述の側面10A・10Bのうち、内端用外部電極41が形成される面を「一方の側面10A」と呼び、外端用外部電極42が形成される面を「他方の側面10B」と呼ぶ。外部電極41・42の具体的な形状や製造方法などは従来技術や後述の実施例を適宜参照することができ、典型的にはめっき技術による製造が挙げられる。
【0013】
平面コイル20A・20Bの端部21・22と、外部電極41・42との連結及び電気的接続は、引出部31・32が担う。各引出部31・32は導体からなる。平面コイル20A・20Bの内側の端部21と内端用外部電極41とは、第1の内側引出部31A及び第2の内側引出部31Bが連結する。平面コイル20A・20Bの外側の端部22と外端用外部電極42とは、第1の外側引出部32A及び第2の外側引出部32Bが連結する。
【0014】
本発明によれば、一方の側面10Aから平面コイル20に至る最短距離L2は、他方の側面10Bから平面コイル20に至る最短距離L1より大きい。換言すると、絶縁体10内において、平面コイル20A・20Bは、外端用外部電極42に近づけるように偏らせて配置するのである。これにより、内端用外部電極41と平面コイル20との間での容量を低く抑えることができ、デバイスを小型化しても、周波数特性の向上と、高インピーダンス特性との両立が可能になる。
図2は、本発明のコイル構造の模式平面図である。
図1の形態よりも、平面コイル20は外端用外部電極42により近づいており、上述のL2/L1の値が向上している。前記効果をより実効あらしめる観点から、L2/L1の値は、好ましくは1.2〜2.0である。
【0015】
なお、一方の側面10Aから平面視したとき、好適には、外部電極は平面コイル20の最内周より外側に位置している。ここで、「一方の側面10Aから平面視した」とは一方の側面10Aから他方の側面10Bを見たときの透視図を意味し、「外部電極が平面コイルの最内周より外側に位置する」とは一方の側面10Aにある外部電極41の位置が平面コイルの一番内側の周回の位置より外側に位置していることを意味する。つまり、
図2に示すように、一方の側面10Aにおける2つの外部電極41の間隔である符号bは平面コイルの最内周の間隔である符号aより大きいことになる。また、他方の側面10Bにある外部電極42においても同様に位置している。
【0016】
図1(B)は、本発明のコイル構造を有するコモンモードフィルタの模式断面図である。好適には、
図1(B)に記載されるように、外側引出部32A・32Bは、それぞれの平面コイル20A・20Bと同一の平面に形成されている。
【0017】
内側引出部31については、パターン形成の都合上、通常は、平面コイル20とは異なる面に形成される。平面コイル20と内側引出部31との接続には、ビア技術などで例示される接続導体51A・51Bを用いることができる。平面コイル20好適な一態様として、内側引出部31は、(A)上側の平面コイル20Aより上にある平面、又は、(B)下側の平面コイル20Bより下にある平面、に形成される。2つの内側引出部31A・32Bは、同一平面に形成されてもよいし、
図1(B)に記載されるように異なる平面に形成されてもよい。
図1(B)に記載されるように、上側の平面コイル20Aと接続する内側引出部31Aは、当該コイル20Aよりさらに上にあって、かつ、下側の平面コイル20Bと接続する内側引出部31Bは当該コイル20Bよりさらに下にあってもよい。
【0018】
図3は、本発明のコイル構造を有するコモンモードフィルタの模式断面図である。
図3に記載されるように、特に好ましい態様によれば、2つの内側引出部31はいずれも、上側の平面コイル20Aより上にある平面に形成される。このとき、2つの内側引出部31が異なる平面に形成されていてもよいし、
図3の形態のように、2つの内側引出部31が同一平面に形成されていてもよい(後者の場合、
図3の如き断面図では内側引出部が一つだけ視認できる。)。なお、2つの内側引出部31がいずれも、「下側」の平面コイル20Bより「下」にある平面に形成されると見受けられる場合であっても、コモンモードフィルタ全体を天地逆にみれば、「2つの内側引出部はいずれも、上側の平面コイルより上にある平面に形成される」という条件を充足することになるから、前記の特に好ましい態様の範疇に属する。
【0019】
図4は本発明のコイル構造を有するコモンモードフィルタの模式断面図である。本発明の好適態様では、2つの内側引出部31と2つの平面コイル20との距離の最小値は、2つの平面コイル20の間隔より大きい。2つの平面コイル20A・20Bの間隔は
図4において符号cとして記載されている。「2つの内側引出部と2つの平面コイルとの距離」は、4つの距離が想定される。それら4つの距離は、
図1(B)に描写された符号を用いると、「内側引出部31A−平面コイル20A間の距離」、「内側引出部31A−平面コイル20B間の距離」、「内側引出部31B−平面コイル20A間の距離」、「内側引出部31B−平面コイル20B間の距離」である。この好適態様で着目するのは、それらの距離の最小値である。再び
図4を参照すると、この形態では、2つの内側引出部31は同一平面に形成されている。よって、「2つの内側引出部と2つの平面コイルとの距離」は、「内側引出部31−平面コイル20A間の距離」と、「内側引出部31−平面コイル20B間の距離」の2つが想定され、距離が短い前者(符号d)を上述の「最小値」であると評価する。この好適態様では、符号dの距離の方が符号cの距離よりも長い。内側引出部31と平面コイル20との距離が大きいことによって、これらの間での容量を低く抑えることができ、周波数特性を向上させることができる。
【0020】
図4の形態では、内側引出部31は非磁性体11と磁性体12との間にある。内側引出部31は非磁性体11と磁性体12との間に存在することは、容量を低く抑えたまま、絶縁体10の高さをさらに低くすることができる点で好ましい。好適には、2つの内側引出部31のうちの一つだけが非磁性体11と磁性体12との間にあってもよいし、前記利点を考慮すると、より好ましくは、2つの内側引出部31の両方が非磁性体11と磁性体12との間にある。
【0021】
本発明のコイル構造は、平面コイルや引出部の配置に特徴があり、上述した特徴を備えるデバイスの具体的な製造方法は特に限定は無く、従来技術を適宜参照することができる。例えば、平面コイル20の導体の材質としてAgなどが例示されその製法としてはペーストを用いた印刷などが非限定的に例示され、異なる平面にある平面コイル20と内側引出部31との接続のための接続導体51の形成などではスルーホール技術などを適宜参照することができる。スルーホールの作成については、例えば、金型による打ち抜きやレーザー加工による穿孔などの手法が非限定的に挙げられる。また、コモンモードフィルタの典型的な製造例として、各絶縁層の前駆体となる磁性体シートおよび非磁性体シートを得て、当該シートに導体ペースト等を印刷し、適宜スルーホールを設けてコイルが形成されるようにして、これらを圧着して、樹脂を除去して(脱バインダー)、焼成する方法が挙げられる。こういった製法の具体例は以下の実施例において詳述する。
【実施例】
【0022】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に記載された態様に限定されるわけではない。
【0023】
まず、磁性体シートを得るために、FeO
2、ZnO、NiOを主材料とする仮焼粉砕後のNi−Zn−系フェライト微粉末(透磁率900)にブチラール樹脂と溶剤を加えてスラリーを作成した。このスラリーを一定の厚みになるようにドクターブレードで塗布し、乾燥し、所定サイズに切断して磁性体シートをつくった。次に、非磁性体シートを得るためにホウケイ酸ガラス粉末にブチラール樹脂と溶剤を加えてスラリーを作成した。このスラリーを一定の厚みになるようにドクターブレードで塗布し、乾燥し、所定サイズに切断して非磁性体シートをつくった。この非磁性体シートには所定の位置にスルーホールを形成した。次に、非磁性体シートにスクリーン版を用いてAgペーストを印刷し、乾燥して、平面コイル(周回数:5.5t)、各引出部および接続導体のパターンを得た。次に、磁性体シートと非磁性体シート、および各パターンが印刷された非磁性体シートを積層し、プレス圧着をおこなった。これを所定のサイズに切断したあと500℃、1hrで脱バインダー処理に供し、大気炉中890℃、2hrで焼成して積層体チップを形成した。得られた積層体チップの側面に各外部電極のためのAgペーストを印刷法によって塗布し、約600℃で1時間の大気焼成をして端子電極を形成した。この端子電極にニッケル電解バレルめっきを施したあと、ハンダ電解バレルめっきをおこなって各外部電極を形成した。このようにして実施例・比較例のコモンモードフィルタを得た。
【0024】
各実施例・比較例で得たコモンモードフィルタの絶縁体のサイズは以下のとおりである。
実施例1〜6、比較例1 1.2mm×1.0mm×0.5mm、
実施例7 1.2mm×1.0mm×0.45mm、
実施例8 1.2mm×1.0mm×0.4mm、
各製品の模式図は以下のとおりである。
実施例1〜4、比較例1・・・
図1
実施例5・・・
図2
実施例6・・・
図3
実施例7・・・
図4
実施例8・・・図示無し
【0025】
各実施例・比較例で得たコモンモードフィルタの各寸法は表1、表2のとおりである。なお、各寸法の調整は、非磁性体のシート厚みを調整することなどによって行った。
【0026】
【表1】
表1におけるa、bは
図2に示す寸法であり、c、dは、
図4に示す寸法である。
【0027】
【表2】
表2におけるL1、L2は
図1に示す寸法である。
【0028】
(評価)
各実施例、比較例のコモンモードフィルタの製品特性を表3にまとめる。
【表3】
【0029】
インピーダンス、カットオフ周波数の測定はAgilent製ネットワークアナライザーE5071Cを用いた。インピーダンスのピーク値はコモンモードのインピーダンスであり、このピーク値を求めている。カットオフ周波数はディファレンシャルモードの伝送特性の挿入損失を測定から求めている。挿入損失が3dBとなる周波数を、カットオフ周波数とした。
【符号の説明】
【0030】
10:絶縁体 11:非磁性体
12:磁性体 20:平面コイル
31:内側引出部 32:外側引出部
41:内端用外部電極 42:外端用外部電極