特許第6902158号(P6902158)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6902158
(24)【登録日】2021年6月22日
(45)【発行日】2021年7月14日
(54)【発明の名称】自己調整可能な漏斗胸再建システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/80 20060101AFI20210701BHJP
【FI】
   A61B17/80
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2020-507489(P2020-507489)
(86)(22)【出願日】2018年4月19日
(65)【公表番号】特表2020-517406(P2020-517406A)
(43)【公表日】2020年6月18日
(86)【国際出願番号】US2018028239
(87)【国際公開番号】WO2018195235
(87)【国際公開日】20181025
【審査請求日】2020年1月9日
(31)【優先権主張番号】106113333
(32)【優先日】2017年4月20日
(33)【優先権主張国】TW
(31)【優先権主張番号】15/641,358
(32)【優先日】2017年7月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519375538
【氏名又は名称】スー, スーザン ビン
【氏名又は名称原語表記】SU, Susan Bing
(73)【特許権者】
【識別番号】519375549
【氏名又は名称】蘇 世寛
【氏名又は名称原語表記】SU, Sea−Quan
(74)【代理人】
【識別番号】100162396
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 泰之
(74)【代理人】
【識別番号】100202430
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 千香子
(72)【発明者】
【氏名】蘇 世寛
【審査官】 和田 将彦
(56)【参考文献】
【文献】 中国実用新案第205379321(CN,U)
【文献】 中国実用新案第203693730(CN,U)
【文献】 特表2012−500073(JP,A)
【文献】 特表2009−523538(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/80
A61B 17/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端及び前記第1の端に設けられた第1の溝とを有する漏斗胸再建バーと、
第1の通路を有し、かつ、密閉されている第1の固定ユニットと、
第1のコネクタと、
を備える自己調整可能な漏斗胸再建システムであって、
前記漏斗胸再建バーの前記第1の端が前記第1の固定ユニットの前記第1の通路に配置され、
前記第1のコネクタが前記第1の溝を通して前記漏斗胸再建バーを前記第1の固定ユニットに組み付けることにより、前記漏斗胸再建バーの前記第1の溝が前記第1のコネクタを囲んで往復摺動可能となり、
前記第1の通路は、前記第1の溝が前記第1の固定ユニットから露出せずに密閉されるように、その長さが設定されていることを特徴とする自己調整可能な漏斗胸再建システム。
【請求項2】
前記第1の固定ユニットが、前記システムを組織に固定するように構成された第1の貫通孔をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の自己調整可能な漏斗胸再建システム。
【請求項3】
前記第1の溝の延在方向は、前記漏斗胸再建バーの縦方向に平行であることを特徴とする請求項1に記載の自己調整可能な漏斗胸再建システム。
【請求項4】
前記第1の固定ユニットが、弧状構造を有することを特徴とする請求項1に記載の自己調整可能な漏斗胸再建システム。
【請求項5】
第2の固定ユニットと第2のコネクタとをさらに備え、
前記第2の固定ユニットが、前記第2のコネクタにより前記漏斗胸再建バーに組み付けられていることを特徴とする請求項1に記載の自己調整可能な漏斗胸再建システム。
【請求項6】
前記漏斗胸再建バーが、第2の端及び前記第2の端に設けられた第2の溝を備え、
前記第2の固定ユニットが、第2の通路を有し、
前記漏斗胸再建バーの前記第2の端が前記第2の固定ユニットの前記第2の通路に配置され、
前記第2のコネクタが前記第2の溝を通して前記漏斗胸再建バーを第2の固定ユニットに組み付けることにより、前記漏斗胸再建バーの前記第2の溝が前記第2のコネクタを囲んで往復摺動可能となることを特徴とする請求項5に記載の自己調整可能な漏斗胸再建システム。
【請求項7】
前記第2の固定ユニットが、前記システムを組織に固定するように構成された第2の貫通孔をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の自己調整可能な漏斗胸再建システム。
【請求項8】
前記第2の溝の延在方向は、前記漏斗胸再建バーの縦方向に平行であることを特徴とする請求項6に記載の自己調整可能な漏斗胸再建システム。
【請求項9】
前記漏斗胸再建バーが、弧状構造を有することを特徴とする請求項1に記載の自己調整可能な漏斗胸再建システム。
【請求項10】
前記第2の固定ユニットが、弧状構造を有し、
前記第2の固定ユニットが、密閉され
前記第2の通路は、前記第2の溝が前記第2の固定ユニットから露出せずに密閉されるように、その長さが設定されていることを特徴とする請求項5に記載の自己調整可能な漏斗胸再建システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自己伸縮性であってもよく、患者が呼吸する時に拡張空間を提供して成長の制限を回避できる、自己調整可能な構造を有する漏斗胸再建システムを提供する。
【背景技術】
【0002】
漏斗胸は、胸骨両側の肋軟骨の過度の異常増殖により、胸骨が陥凹する先天性の疾患であり;症状が深刻な場合は、心臓及び肺が圧迫され、呼吸困難、胸痛、心肺機能不全などの異常な状態を引き起こす。通常、心肺機能不全は、小児期には見られないが、思春期には重症となる。
【0003】
従来の治療方法としては、肋軟骨の変形を取り除き、肋軟骨を再生させるとともに陥凹した胸骨を引き上げることであった。現在の治療方法としては、従来の治療方法の代わりに低侵襲手術を用いて;切除手術なしで、陥凹した胸骨及び肋軟骨を外方へ押出するために、オーダーメイドされた金属板を胸骨の後ろに配置し、金属板を除去する前に体内に少なくとも2〜4年間保持する必要がある。
【0004】
しかしながら、ほとんどの整形外科用内固定インプラントは、臨床機能が影響せずに人体の成長または呼吸の変化に応じて長さ、サイズや位置を自動的に調整できず;このため、埋入後の不快感を引き起こし、患者の体の成長に合わせて再埋入が必要な場合さえもある。従って、患者の成長または呼吸の変化に応じて自己調整が可能な骨整形外科用器具を開発する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、自己伸縮性であってもよく、患者が呼吸する時に患者の痛みや異物感を軽減できる、自己調整可能な構造を有する自己調整可能な漏斗胸再建システムを提供する。また、漏斗胸矯正手術を受ける患者は、子供及び若者が多いため、本発明に係る自己調整可能な構造によれば、成長の制限を回避するための拡張空間を提供することができる。さらに、本発明に係る固定ユニットは、人間工学に適した弧状であり、異物感や患者の皮膚から押し出されるリスクを回避することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1の端及び第1の端に設けられた第1の溝を有する漏斗胸再建バーと、第1の通路を有する第1の固定ユニットと、第1のコネクタとを備え、前記漏斗胸再建バーの前記第1の端が前記第1の固定ユニットの前記第1の通路に組み立てられ、前記第1のコネクタが前記第1の溝を通して前記漏斗胸再建バーを前記第1の固定ユニットに組み付けることにより、前記第1の溝が前記第1のコネクタを囲んで往復摺動可能となる、自己調整可能な漏斗胸再建システムを提供する。第1の固定ユニットは、第1の貫通孔をさらに含み、前記システムは、第1の固定ユニットの第1の貫通孔により組織に固定される。前記システムは、第2の固定ユニットと第2のコネクタとをさらに含み、第2の固定ユニットは、第2のコネクタにより漏斗胸再建バーに組み付けられる。第1の溝の延在方向は、漏斗胸再建バーの縦方向に平行である。漏斗胸再建バーは、患者の胸骨の形状に合わせて弧状構造を有する。
【0007】
また、本発明は、第2の端及び第2の端に設けられた第2の溝を有する漏斗胸再建バーを備え、第2の固定ユニットが第2の通路を有し、漏斗胸再建バーの第2の端が第2の固定ユニットの第2の通路に組み立てられ、第2のコネクタが第2の溝を通して漏斗胸再建バーを第2の固定ユニットに組み付けることにより、第2の溝が第2のコネクタを囲んで往復摺動可能となる、自己調整可能な漏斗胸再建システムを提供する。第2の固定ユニットは、第2の貫通孔をさらに含み、前記システムは、第2の固定ユニットの第2の貫通孔により組織に固定される。第2の溝の延在方向は、漏斗胸再建バーの縦方向に平行である。
【発明の効果】
【0008】
漏斗胸再建システムは、患者の体内に長期間にわたり配置される必要があるため、患者のニーズを考慮に入れている。本発明によって提供される自己調整可能な漏斗胸再建システムは、自己調整可能な構造を有し、患者が呼吸する時にその構造を調整することができ、胸骨の動きに応じて溝がコネクタを囲んで往復摺動可能であり、システムの長さを自動的に調整可能にしたので、痛みや異物感を軽減することができる。さらに、前記自己調整可能な構造は、成長の制限を回避するために、患者に拡張空間を提供することができる。
【0009】
本発明の更なる実施形態において、自己調整可能な漏斗胸再建システムの第1の固定ユニットと第2の固定ユニットは、必要に応じて、患者の胸骨にさらに適して異物感を軽減するための弧状構造を有してもよい。自己調整可能な漏斗胸再建システムにおいて、第1の固定ユニットと第2の固定ユニットは、人体組織が第1の固定ユニットと第2の固定ユニット内に移入されることによるシステムの故障や後日のシステムの除去の困難さを防ぐために、密閉されている。
【0010】
さらに、本発明は、上記の自己調整可能な漏斗胸再建システムを使用することによる漏斗胸再建方法を提供する。本発明に係る方法は、上記の自己調整可能な漏斗胸再建システムを提供する工程と、漏斗胸再建バーを患者の変形した胸骨の後ろに通す工程と、漏斗胸再建バーを回転させて前記患者の変形した胸骨を所望の位置に上げる工程と、固定ユニットにより漏斗胸再建バーを患者の骨に固定する工程とを備える。
【0011】
本発明の他の目的、利点及び特徴は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明からより明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る具体的な実施形態1のシステム図である。
図2】本発明に係る具体的な実施形態1の組立図である。
図3】本発明に係る具体的な実施形態1のシステムの一端の断面図である。
図4】本発明に係る具体的な実施形態2のシステムの一端の断面図である。
図5】本発明に係る具体的な実施形態3の固定ユニットの模式図である。
図6】本発明に係る具体的な実施形態4の漏斗胸再建バーの模式図である。
図7】本発明に係る具体的な実施形態1の漏斗胸矯正を示す模式図である。
図8】本発明に係る具体的な実施形態1の漏斗胸矯正を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、その実施形態に関連して説明されるが、特許請求の範囲に記載された本開示の精神および範囲から逸脱しない限り、他の多くの可能な修正および変更が可能であることを理解されたい。
【0014】
また、明細書や特許の請求範囲において要素の記述に用いられる序数詞、例えば、「第1の」、「第2の」等の用語は、当該要素がその前の序数詞を有することを表すものではなく、当該要素と他の要素との順序(または製造順序)を表すものでもない。序数詞は、同じ名称を有する要素同士をより明確に区別するためにのみ使用される。
【0015】
実施形態1
図1は、本発明に係るシステム図である。図2は、図1の組立図である。図3は、前記システムの第1の末端の断面図である。図7は、漏斗胸矯正を示す模式図である。図8は、漏斗胸矯正を示す他の模式図である。
【0016】
本実施形態の自己調整可能な漏斗胸再建システム100は、第1の端101及び第1の端101に設けられた第1の溝11を有する漏斗胸再建バー1と、第1の通路21を有する第1の固定ユニット2と、第1のコネクタ3とを備え、前記漏斗胸再建バー1の第1の端101が前記第1の固定ユニット2の第1の通路21に組み立てられ、前記第1のコネクタ3が前記第1の溝11を通して前記漏斗胸再建バー1を前記第1の固定ユニット2に組み付けることにより、漏斗胸再建バー1の第1の溝11が第1のコネクタ3を囲んで往復摺動可能となる。第1の固定ユニット2は、第1の貫通孔22をさらに含み、システム100は、第1の固定ユニット2の第1の貫通孔22により組織に固定される。第1の溝11の延在方向は、漏斗胸再建バー1の縦方向に平行である。
【0017】
本実施形態の自己調整可能な漏斗胸再建システム100は、第2の固定ユニット4と第2のコネクタ5とをさらに備える。漏斗胸再建バー1は、第2の端102及び第2の端102に設けられた第2の溝12をさらに備え、第2の固定ユニット4が第2の通路41を有し、漏斗胸再建バー1の第2の端102が第2の固定ユニット4の第2の通路41に組み立てられ、第2のコネクタ5が第2の溝12を通して漏斗胸再建バー1を第2の固定ユニット4に組み付けることにより、漏斗胸再建バー1の第2の溝12が第2のコネクタ5を囲んで往復摺動可能となる。また、第2の溝12の延在方向は、漏斗胸再建バー1の縦方向に平行である。第2の固定ユニット4は、第2の貫通孔42をさらに備え、システム100は、第2の固定ユニット4の第2の貫通孔42により組織に固定される。
【0018】
図7を参照すると、人体組織に固定された本実施形態の第1の端101と第2の端102の断面図を示し、人体が呼気状態にある時に、胸骨は元の位置にある。図8を参照すると、人体組織に固定された本実施形態の第1の端101と第2の端102の断面図を示し、人体が吸気状態にある時に、胸骨は持ち上げられる。本発明は、自己調整可能な構造を有するため、患者が呼吸している時に、その構造を調整することができる。胸骨の動きに応じて、漏斗胸再建バー1の溝がコネクタを囲んで往復摺動可能であるため、システムの長さを自動的に調整し、痛みや異物感を軽減する。また、本発明の自己調整可能な構造は、成長の制限を回避するために、患者に拡張空間を提供する。図7及び図8に示すように、漏斗胸再建バー1と第1の固定ユニット2及び第2の固定ユニット4との間の相対位置を明確に示すために、第1の固定ユニット2及び第2の固定ユニット4を断面図で示す。一つの具体的な実施形態において、患者に使用される第1の固定ユニット2と第2の固定ユニット4は、図7及び図8に示されるように表すことができる。実際の状況では、第1の固定ユニット2と第2の固定ユニット4は、図1及び図2に示されるように表され得る。
【0019】
漏斗胸再建バー1の材料は、当技術分野での公知の材料、例えば、ステンレス鋼、チタン合金等から選択することができ、溝は、棒状、例えば、楕円状または矩形状とすることができる。固定ユニットの材料は、漏斗胸再建バーと同一または異なってもよく、当技術分野での公知の材料、例えば、ステンレス鋼、チタン合金等から選択することができる。コネクタは、任意の固定要素であってもよい。第1の固定ユニット及び第2の固定ユニットは、人体組織が第1の固定ユニット及び第2の固定ユニット内に移入されることによるシステムの故障や後日のシステムの除去の困難さを防ぐために、密閉されている。
【0020】
実施形態2
図4は、本発明に係るシステム100の一端の断面図であり、本実施形態の自己調整可能な漏斗胸再建システム100は、下記の相違点を除いて実施形態1のものと同様である。
【0021】
図4を参照すると、本実施形態では、第1の固定ユニット2及び/または第2の固定ユニット(図示せず)は、必要に応じて弧状構造を有してもよい。また、漏斗胸再建バー1は、患者の胸骨の形状に合わせて弧状構造を有する。第1の固定ユニット2、第2の固定ユニット及び/または漏斗胸再建バー1が弧状構造を有する場合、前記システム100は、患者の胸骨にさらに適して、異物感や患者の皮膚から押し出されるリスクを回避することができる。
【0022】
実施形態3
図5は、本発明に係る固定ユニットの模式図である。図1〜4に示されるように、実施形態1または実施形態2の漏斗胸再建システム100によれば、第1の固定ユニット2の第1の貫通孔22及び/または第2の固定ユニット4の第2の貫通孔42は、複数であってもよい。本実施形態において、第1の固定ユニット6の貫通孔62及び/または第2の固定ユニット(図示せず)の貫通孔は、複数で前記第1の固定ユニット6の両端に設置されてもよい。第1の固定ユニット6及び/または第2の固定ユニットの貫通孔の数及び設置位置は、特に制限されず、システム100を組織に固定できるものであればよい。
【0023】
実施形態4
図6は、本発明に係る漏斗胸再建バー1の模式図であり、本実施形態の自己調整可能な漏斗胸再建システム100は、下記の相違点を除いて実施形態1と同様である。
【0024】
図6を参照すると、本実施形態では、漏斗胸再建バー1は、第1の端101及び第1の端101に設けられた第1の溝11を有するが、漏斗胸再建バー1の第2の端102には第2の溝が設けられていない。従って、本実施形態の自己調整可能な漏斗胸再建システム100は、一端に自己調整可能な構造が1つだけ設けられている。このため、再建システム100の一つの態様は、システムの一端が自己調整可能であるのに対し、他端が自己調整不可能である。
【0025】
実施形態5
本実施形態では、患者の前胸壁の湾曲に応じて、再建システムのオーダーメイドされた漏斗胸再建バーを提供する。また、前腋窩線と後腋窩線との間において、側胸壁の各側に長さ1.5cm〜2cmの切り目を切開して、自己調整可能な漏斗胸再建バーを患者の変形した胸骨の後ろに挿入することにより、陥凹した胸骨と変形した肋軟骨を押し上げる。前記漏斗胸再建バーを回転させることで、変形した胸骨を所望の位置に押し上げ、固定ユニットにより前記バーを患者の骨に固定する。患者の年齢と状況に応じて、前記漏斗胸再建システムは、患者の体内に2〜4年間保持され、胸骨の形状が固定された後に除去される。
【0026】
従来の手術と比較すると、本発明に係る自己調整可能な漏斗胸再建システムは、手術時間がより短く、切り口がより小さく、切開がより少なく、胸骨の骨折がより少なく、痛みがより少なく、術後の回復がより早く、入院時間がより短く、患者の前胸壁の骨の弾性が維持される低侵襲手術を提供する。
【0027】
本発明に係る自己調整可能な漏斗胸再建システムは、患者が呼吸する時に患者の痛みや異物感を軽減するために、自己伸縮性であってもよい。また、患者の体の成長の制限を回避するために、拡張空間を提供する。さらに、本発明に係る固定ユニットは、人間工学に適合させるために弧状であってもよく、異物感や皮膚から押し出されるリスクを回避することができる。
【0028】
上記の実施形態は、単なる例示として解釈されるべきであり、決して本発明の他の内容を限定するものではないことを理解されたい。
【符号の説明】
【0029】
1 漏斗胸再建バー
2 第1の固定ユニット
3 第1のコネクタ
4 第2の固定ユニット
5 第2のコネクタ
6 第1の固定ユニット
11 第1の溝
12 第2の溝
21 第1の通路
22 第1の貫通孔
41 第2の通路
42 第2の貫通孔
62 貫通孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8