(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
長尺なベルト帯と、前記ベルト帯の先端部が差し入れられるバックルと、前記バックルが取り付けられており前記ベルト帯の後端部側に連結される連結体と、を備えた衣服用ベルトであって、
前記連結体には、前記ベルト帯の後端部を拘持するための連結金具が設けられており、
前記連結金具は、金具本体と、前記金具本体にスライド移動可能に配設されているスライド部材と、を備えており、
前記金具本体の一の面に前記ベルト帯の後端部を当接させた状態で、前記スライド部材を前記ベルト帯の長手方向に沿って移動させることで、前記金具本体と前記スライド部材の間に前記ベルト帯の後端部が挟み込まれるように構成されていることを特徴とする衣服用ベルト。
前記金具本体の一の面に前記ベルト帯の後端部を当接させた状態で、前記スライド部材を前記ベルト帯の先端部側へ移動させることで、前記金具本体と前記スライド部材の間に前記ベルト帯の後端部が挟み込まれるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の衣服用ベルト。
前記金具本体と前記スライド部材の間に前記ベルト帯の後端部を挟み込むのに前記スライド部材を移動させる方向に沿って、前記金具本体の厚みが漸次厚くなるように形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の衣服用ベルト。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明に係る衣服用ベルトの実施形態について詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0017】
(実施形態1)
本実施形態の衣服用ベルト100は、例えば、
図1〜
図3に示すように、長尺なベルト帯10と、ベルト帯10の先端部11(剣先)が差し入れられるバックル20と、ベルト帯10の後端部12側に連結される連結体30等を備えている。
【0018】
ベルト帯10は、例えば、本革や合成皮革などを材料にした帯状部材である。
ベルト帯10の後端部12側には、後述する連結金具50(
図3(a)参照)が取り付けられる。
【0019】
バックル20は、例えば、ステンレスや真鍮などの金属製の部材であり、ベルトの緩みを防ぐための留め金である。また、バックル20は各種プラスチック製の部材(留め具)であってもよい。
このバックル20は、連結体30の折り返し部分に取り付けられている。
【0020】
連結体30は、例えば、本革や合成皮革などを材料にした部材であり、一端側31がベルトの表側に配され、他端側32がベルトの裏側に配されるように、バックル20の取り付け箇所にて折り返されている。
この連結体30の一端側31と他端側32の間に定革30aが取り付けられている。
定革30aは、例えば、本革や合成皮革などを材料にした輪状の部材であり、バックル20に差し入れられたベルト帯10の先端部11(剣先)が挿通される留め具である。
【0021】
また、
図3(a)に示すように、連結体30には、ベルト帯10の後端部12を拘持するための連結金具50が設けられている。換言すれば、連結体30には、連結体30にベルト帯10を連結するための連結金具50が設けられている。
連結金具50は金属製の部材であり、金具本体51とスライド部材52とで構成されている。
この連結金具50は、連結体30の裏面側に設けられているループ状の帯材40に着脱可能に配設されている。帯材40は、例えば、帯状の材料を折り返して、その両端部が連結体30の一端側31と他端側32の間に縫着されて形成されている。
【0022】
また、
図3(a)に示すように、この連結体30には、連結体30の一部を成している一対の折返し片33,34が設けられている。
一対の折返し片33,34は、連結体30の一端側31の両側の一部が、その幅方向に延設された態様に形成されている。
この折返し片33,34は、
図3(b)(c)に示すように、連結体30に連結されたベルト帯10の後端部12を覆うように折り返される端片である。
具体的には、連結体30に連結されたベルト帯10の後端部12を覆うように、一方の折返し片33が折り返され、その一方の折返し片33に重ねるように、他方の折返し片34が折り返されるようになっている。
つまり、連結体30の一端側31の両側に設けられている一対の折返し片33,34は、連結体30に連結されたベルト帯10を両側から覆うように折り返される。
【0023】
そして、一方の折返し片33における他方の折返し片34が重ねられる面には止着部材70が配設されており、他方の折返し片34における一方の折返し片33に重ねる面には止着部材70に止着される被止着部材80が配設されている。
ここでの止着部材70はメス型スナップボタンであり、被止着部材80はオス型スナップボタンである。
なお、一方の折返し片33における他方の折返し片34が重ねられる面に配設されている止着部材70がメス型面ファスナーで、他方の折返し片34における一方の折返し片33に重ねる面に配設されている被止着部材80がオス型面ファスナーであってもよい。
【0024】
連結金具50は、例えば、
図4(a)〜(f)に示すように、金具本体51と、金具本体51にスライド移動可能に配設されているスライド部材52と、を備えている。
この連結金具50を構成する金具本体51とスライド部材52の間に、ベルト帯10の後端部12が挟み込まれて拘持されるようになっている。
【0025】
金具本体51は、連結体30に設けられている帯材40のループに挿通させるためのフック部51aを備えている。
また、金具本体51の一の面には、金具本体51とスライド部材52の間に挟み込むベルト帯10の移動を拘束するための拘束部51bが設けられている。
ここでの拘束部51bは、ベルト帯10に食い込むように形成されている歯状あるいは爪状の突起であり、突起の尖端を金具本体51の一の面側に斜めに突き出す態様に形成されている。ここでは尖った突起である3つの拘束部51bが設けられている。
【0026】
また、金具本体51の一の面とは反対側の他の面には、スライド部材52の移動を制限するための凸部51cが設けられている。ここでの凸部51cは半球状に形成されている。
この凸部51cは、金具本体51に対して配置が切り替えられるスライド部材52を位置決めするように、それぞれの配置にあるスライド部材52の移動を制限する機能を有している。
なお、凸部51cは、スライド部材52が移動しないよう規制してしまうのではなく、自由に動いてしまわないように、ある程度その移動を制限するために設けられている。
【0027】
スライド部材52は、短冊状の金属板の両端を折曲加工してなる部材であり、金具本体51の一の面側を覆うように配設されている。
つまり、スライド部材52は、金具本体51の一の面側から他の面側に金属板の両端を折り曲げる態様で取り付けられている。
このスライド部材52は、金具本体51の括れ部51dに取り付けられており、スライド部材52が金具本体51から外れてしまわないようになっている。
そして、スライド部材52は、金具本体51の凸部51cを越えてスライド移動可能であり、金具本体51の一端側と他端側に配置が切り替えられるようになっている。
【0028】
次に、衣服用ベルト100のベルト帯10と連結金具50を連結する手順と、ベルト帯10が連結された連結金具50を連結体30に連結する手順について説明する。
【0029】
まず、ユーザーの腰回りの寸法に応じてベルト帯10の後端部12側の一部を切断して長さ調整する。
例えば当初、ベルト帯10は100cm〜110cmの長さを有している。
このベルト帯10の後端部12側の一部をハサミなどでカットして、所望する長さのベルト帯10にする。なお、
図5(a)に示すベルト帯10は、ユーザーの所望する長さにカットされたものである。
【0030】
次いで、
図5(b)に示すように、金具本体51の一の面にベルト帯10の後端部12を当接させる。
このとき、スライド部材52を金具本体51のフック部51a寄りの位置に配置しておき、そのスライド部材52と金具本体51の間にベルト帯10の後端部12を通して、そのベルト帯10の後端部12側を金具本体51の一の面に当接させる。
【0031】
次いで、
図5(c)に示すように、金具本体51の一の面にベルト帯10の後端部12を当接させた状態で、スライド部材52をベルト帯10の長手方向に沿って移動させるように、スライド部材52をベルト帯10の先端部11側へ向けて移動させることで、金具本体51とスライド部材52の間にベルト帯10の後端部12を挟み込んで、ベルト帯10と連結金具50を連結する。
ここで、スライド部材52をベルト帯10の先端部11側へ向けて移動させることは、スライド部材52を金具本体51のフック部51a寄りの配置から拘束部51b側へスライド移動させることに相当する。
このようにして金具本体51とスライド部材52の間にベルト帯10の後端部12を挟み込むことで、金具本体51の拘束部51bの尖った突起がベルト帯10に食い込むので、金具本体51とスライド部材52の間に挟み込まれたベルト帯10が移動するのを好適に拘束することができる。
特に、金具本体51の拘束部51b側へ移動されたスライド部材52は、金具本体51の凸部51cによってその位置から移動するのを制限されるので、連結金具50とベルト帯10との連結が強固になる。
【0032】
なお、連結金具50に連結されたベルト帯10を取り外すには、金具本体51の凸部51cを乗り越えさせるように、スライド部材52を金具本体51のフック部51a側へ押し出すようにすればよい。
衣服用ベルト100の使用中にスライド部材52が移動してしまうことはないが、金具本体51の凸部51cは半球状に形成されているので、やや強めに押し出せば、その凸部51cを乗り越えるようにスライド部材52を金具本体51のフック部51a側にスライド移動させることが可能になっている。
【0033】
また、ここでは
図1に示した衣服用ベルト100のように、ベルト帯10の表側を表面に出して使用するように、金具本体51の一の面にベルト帯10の表側を向けて、ベルト帯10と連結金具50を連結している。
つまり、
図5(d)(e)においては、金具本体51の一の面にベルト帯10の表側が向けられているので、
図5(d)ではベルト帯10の裏側が図示されており、
図5(e)ではベルト帯10の表側が図示されている。
【0034】
そして、ベルト帯10の表側を表面に出して使用する場合には、
図6(a)(b)に示すように、連結体30の帯材40のループに図中上側から金具本体51のフック部51aを挿し入れるようにして、ベルト帯10が連結されている連結金具50を連結体30に連結する。
つまり、ベルト帯10の表側を表面に出して使用する場合、ベルト帯10が連結されている連結金具50を、
図5(d)の向きで連結体30に連結すればよい。
なお、ベルト帯10が連結されている連結金具50を連結体30に連結した後、
図3(b)(c)に示したように、折返し片33,34を折り返すようにする。
【0035】
一方、ベルト帯10の裏側を表面に出して使用する場合には、
図6(c)(d)に示すように、連結体30の帯材40のループに図中下側から金具本体51のフック部51aを挿し入れるようにして、ベルト帯10が連結されている連結金具50を連結体30に連結する。
つまり、ベルト帯10の裏側を表面に出して使用する場合、ベルト帯10が連結されている連結金具50を、
図5(e)の向きで連結体30に連結すればよい。
なお、ベルト帯10が連結されている連結金具50を連結体30に連結した後、
図3(b)(c)と同様に、折返し片33,34を折り返すようにする。
【0036】
このように、本実施形態の衣服用ベルト100では、連結体30の帯材40に連結する連結金具50の向きを変えることで、ベルト帯10の表裏を切り替えて使用することができる。
つまり、本実施形態の衣服用ベルト100は、ベルト帯10の表裏を容易に切り替えることができるリバーシブル仕様になっている。
【0037】
また、上記実施形態では、
図5と
図6を用いて説明したように、連結金具50にベルト帯10を連結した後に、その連結金具50を連結体30に連結して衣服用ベルト100を使用可能な状態にしたが、連結手順はこの限りでない。
例えば、予め連結体30に連結されている連結金具50にベルト帯10を連結することでも、衣服用ベルト100を使用可能な状態にすることができる。
【0038】
このように、本実施形態の衣服用ベルト100は、ベルト帯10が連結された連結金具50を連結体30に連結した後、あるいは、連結体30に配設されている連結金具50にベルト帯10を連結した後、一対の折返し片33,34を折り返して連結体30に連結されている連結金具50及びベルト帯10の後端部12を両側から覆うようにして、その連結を補強しているので、ベルト帯10と連結体30の連結が外れてしまうことはなく、衣服用ベルト100を好適に使用することができる。
【0039】
そして、本実施形態の衣服用ベルト100は、金具本体51と、その金具本体51にスライド移動可能に配設されているスライド部材52とを備えた連結金具50を備えており、金具本体51とスライド部材52の間にベルト帯10の後端部12を挟み込んだ連結金具50が、バックル20を備えた連結体30に連結された態様を有している。
特に、金具本体51とスライド部材52の間に挟み込んだベルト帯10には、金具本体51に設けられている尖った突起状の拘束部51bが刺さるので、連結金具50にベルト帯10を好適に連結することができる。
【0040】
この衣服用ベルト100において、ベルト帯10と連結金具50とを連結するには、金具本体51の一の面にベルト帯10の後端部12を当接させた状態で、スライド部材52を所定の方向にスライド移動させて、金具本体51とスライド部材52の間にベルト帯10の後端部12を挟み込むようにする。
また、この衣服用ベルト100において、連結金具50に連結されたベルト帯10を取り外すには、スライド部材52を連結の際とは逆向きにスライド移動させるようにする。
そして、このスライド部材52には、ベルト帯10に食い込ませる係止歯のようなものはないので、従来技術の衣服用ベルトのように、係止歯がベルト帯10に深く食い込むことで、スライド部材52がスライド移動し難くなるようなことはない。
つまり、本実施形態の衣服用ベルト100が備えている連結金具50であれば、連結金具50とベルト帯10の連結や連結解除を好適に行うことができるので、連結金具50とベルト帯10との着脱を繰り返すようなサイズ調整を行い易く、ユーザーにとって使い易い衣服用ベルト100とすることができる。
【0041】
また、本実施形態の衣服用ベルト100であれば、ベルト帯10が連結されている連結金具50を連結体30に連結する向きを切り替えることで、ベルト帯10の表裏を容易に切り替えることができるので、リバーシブル仕様の衣服用ベルトとして使い勝手のよいものになる。
【0042】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
衣服用ベルト100は、例えば、
図7(a)〜(e)に示す連結金具50を備えたものでもよい。以下、上記実施形態1と同一部分には同符号を付し、異なる部分について説明する。
【0043】
この連結金具50は、
図7(a)(b)(c)に示すように、金具本体51と、金具本体51にスライド移動可能に配設されているスライド部材52と、を備えている。
そして、この連結金具50の金具本体51には、フック部51aと拘束部51bの間で一の面側に突き出したストッパー51eと、フック部51aの反対側の端部が一の面側に折り返されてなる段差部51fとが設けられている。
ここでのストッパー51eは、金具本体51の一部を金具本体51の一の面側に略垂直に折り曲げて形成されている。
【0044】
また、この連結金具50の金具本体51の他の面に設けられている凸部51cは、
図7(c)に示すように、側面視略直角三角形状を呈している。
具体的には、凸部51cの段差部51f側の端が、金具本体51の他の面に対して垂直に形成され、凸部51cのフック部51a側の面が傾斜した面に形成されている。
そして、この凸部51cは、スライド部材52を金具本体51のフック部51a寄りの配置から拘束部51b側へスライド移動させ易くするとともに、スライド部材52を金具本体51の拘束部51b側からフック部51a寄りの配置へスライド移動させ難くする形状に形成されている。
【0045】
次に、この連結金具50にベルト帯10を連結する手順について説明する。
【0046】
まず、ユーザーの腰回りの寸法に応じてベルト帯10の後端部12側の一部を切断して長さ調整する。
そして、
図7(d)に示すように、長さ調整されたベルト帯10の後端部12を金具本体51のストッパー51eに突き当てて、そのベルト帯10の後端部12を金具本体51の一の面に当接させる。
このとき、スライド部材52を金具本体51のフック部51a寄りの位置に配置しておき、そのスライド部材52と金具本体51の間にベルト帯10の後端部12を通して、そのベルト帯10の後端部12側を金具本体51の一の面に当接させる。
また、このとき、金具本体51のストッパー51eにベルト帯10の後端部12を突き当てることで、連結金具50に対してベルト帯10を位置合わせし易くなっている。
【0047】
次いで、
図7(e)に示すように、金具本体51の一の面にベルト帯10の後端部12を当接させた状態で、スライド部材52をベルト帯10の先端部11側へ向けて移動させることで、金具本体51とスライド部材52の間にベルト帯10の後端部12を挟み込んで、ベルト帯10と連結金具50を連結する。
ここで、スライド部材52をベルト帯10の先端部11側へ向けて移動させることは、スライド部材52を金具本体51のフック部51a寄りの配置から拘束部51b側あるいは段差部51f側へスライド移動させることに相当する。
このようにして金具本体51とスライド部材52の間にベルト帯10の後端部12を挟み込むことで、金具本体51の拘束部51bの尖った突起がベルト帯10に食い込むので、金具本体51とスライド部材52の間に挟み込まれたベルト帯10が移動するのを好適に拘束することができる。
【0048】
特に、ベルト帯10の後端部12が金具本体51のストッパー51eに突き当てられているので、より好適にベルト帯10が移動するのを拘束することができる。
また、金具本体51とスライド部材52の間に挟み込まれたベルト帯10は、金具本体51の段差部51fによって屈曲されるように、スライド部材52と段差部51fの間で締め付けられるので、より一層好適にベルト帯10が移動するのを拘束することができる。
【0049】
また、金具本体51の凸部51cは、スライド部材52を金具本体51のフック部51a寄りの配置から拘束部51b側へスライド移動させ易く、スライド部材52を金具本体51の拘束部51b側からフック部51a寄りの配置へスライド移動させ難くする形状を有しているので、連結金具50とベルト帯10とを連結し易く、連結金具50とベルト帯10とをより強固に連結することが可能になる。
【0050】
そして、この連結金具50にベルト帯10を連結した後、
図6(a)(b)や
図6(c)(d)と同様に、連結金具50を連結体30に連結することで、衣服用ベルト100を使用可能な状態にすることができる。
また、上記実施形態1と同様に、この連結金具50を予め連結体30に連結しておき、連結体30に連結されている連結金具50にベルト帯10を連結することでも、衣服用ベルト100を使用可能な状態にすることができる。
【0051】
このような連結金具50であっても、連結金具50とベルト帯10の連結や連結解除を好適に行うことができるので、連結金具50とベルト帯10との着脱を繰り返すようなサイズ調整を行い易く、ユーザーにとって使い易い衣服用ベルト100とすることができる。
【0052】
また、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
衣服用ベルト100は、例えば、
図8に示す連結金具50を備えたものでもよい。以下、上記実施形態1と同一部分には同符号を付し、異なる部分について説明する。
【0053】
この連結金具50は、
図8(a)(b)に示すように、金具本体51と、金具本体51にスライド移動可能に配設されているスライド部材52と、を備えている。
この連結金具50の金具本体51は、金具本体51の一の面側に斜めに突き出した態様の尖った突起である3つの拘束部51bを有している。
この3つの拘束部51bは山型に配列されてなり、中央側の拘束部51bがフック部51a寄りに配置されている。
つまり、3つの拘束部51bのうち、真ん中の拘束部51bが両側の拘束部51bよりもフック部51a側に突き出ている。
【0054】
また、この連結金具50の金具本体51には、フック部51aと対向する金具本体51の一部が一の面側に突き出したストッパー51eと、フック部51aの反対側の端部が一の面側に折り返されてなる段差部51fとが設けられている。
ここでのストッパー51eは、金具本体51の一部を金具本体51の一の面側に略垂直に折り曲げて形成されている。
【0055】
このように、この連結金具50の金具本体51は、真ん中の拘束部51bが両側の拘束部51bよりもフック部51a側に突き出るように山型に配列された3つの拘束部51bを有している。
【0056】
そして、山型に配列されてなる3つの拘束部51bを有している金具本体51であると、連結金具50にベルト帯10を連結するのに、ベルト帯10の後端部12を金具本体51のストッパー51eに突き当ててそのベルト帯10の後端部12を金具本体51の一の面に当接させる際に、金具本体51とスライド部材52の間にベルト帯10を挿し入れ易くなる。
これは、金具本体51とスライド部材52の間にベルト帯10を挿し入れる際に、ベルト帯10の後端部12が両側の2つの拘束部51bに接触した後、真ん中の拘束部51bに接触することによる。
【0057】
また、山型に配列されてなる3つの拘束部51bであると、金具本体51の一の面にベルト帯10の後端部12を当接させた状態で、スライド部材52をベルト帯10の先端部11側へ向けて移動させることで、金具本体51とスライド部材52の間にベルト帯10の後端部12を挟み込んでベルト帯10と連結金具50を連結する際、ベルト帯10に拘束部51bが刺さり易くなる。
これは、真ん中の拘束部51bがベルト帯10に刺さって食い込んだ後に、両側の2つの拘束部51bがベルト帯10に刺さって食い込むことによる。
そして、ベルト帯10に拘束部51bが刺さり易いことで、連結金具50とベルト帯10の連結強度が向上するようになる。
【0058】
このような連結金具50であっても、
図4や
図7の連結金具50と同様に、連結金具50とベルト帯10の連結や連結解除を好適に行うことができるので、連結金具50とベルト帯10との着脱を繰り返すようなサイズ調整を行い易く、ユーザーにとって使い易い衣服用ベルト100とすることができる。
【0059】
また、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
衣服用ベルト100は、例えば、
図9、
図10に示す連結金具50を備えたものでもよい。以下、上記実施形態1と同一部分には同符号を付し、異なる部分について説明する。
【0060】
この連結金具50は、
図9(a)〜(d)に示すように、金具本体51と、金具本体51にスライド移動可能に配設されているスライド部材52と、を備えている。
そして、この連結金具50の金具本体51には、フック部51aの反対側の端部が一の面側に略垂直に折り曲げられてなる拘束部51bが設けられている。
ここでの拘束部51bは、ベルト帯10に食い込むように形成されている歯状あるいは爪状の突起であり、突起の尖端を金具本体51の一の面側に略垂直に突き出す態様に形成されている。ここでは尖った突起である4つの拘束部51bが設けられている。
【0061】
スライド部材52は、金具本体51の一の面側を覆うように配設されており、その両端が他の面側に折り曲げられた態様で取り付けられている。
このスライド部材52には、スライド部材52における金具本体51のフック部51aとは反対側の縁にガード片52aが設けられている。
このガード片52aは、金具本体51の一の面から離れる側に反り返るように設けられている。
【0062】
次に、この連結金具50にベルト帯10を連結する手順について説明する。
【0063】
まず、
図10(a)に示すように、ユーザーの腰回りの寸法に応じてベルト帯10の後端部12側の一部を切断して長さ調整する。
そして、
図10(b)に示すように、長さ調整されたベルト帯10の後端部12に金具本体51の拘束部51bの尖った突起を突き刺すようにして、そのベルト帯10の後端部12を金具本体51の一の面に当接させる。
このとき、スライド部材52を金具本体51のフック部51a寄りの位置に配置しておく。
【0064】
次いで、
図10(c)に示すように、金具本体51の一の面にベルト帯10の後端部12を当接させた状態で、スライド部材52をベルト帯10の先端部11側へ向けて移動させることで、金具本体51とスライド部材52の間にベルト帯10の後端部12を挟み込んで、ベルト帯10と連結金具50を連結する。
ここで、スライド部材52をベルト帯10の先端部11側へ向けて移動させることは、スライド部材52を金具本体51のフック部51a寄りの配置から拘束部51b側へスライド移動させることに相当する。
なお、金具本体51の拘束部51bの尖った突起がベルト帯10の後端部12に刺し込まれており、金具本体51に対してベルト帯10が位置合わせされてずれなくなっているので、スライド部材52をスライド移動させて、そのスライド部材52と金具本体51との間にベルト帯10を挟み込み易くなっている。
特に、スライド部材52の縁には外側に反り返ったガード片52aが設けられているので、やや厚みのあるベルト帯10であっても、ベルト帯10の端部がスライド部材52の縁に引っ掛かることなく、スライド移動するスライド部材52と金具本体51との間にベルト帯10を挟み込むことができる。
【0065】
また、連結金具50に連結されたベルト帯10を取り外すために、スライド部材52を金具本体51のフック部51a側へ押し出す際、スライド部材52のガード片52aに指を掛け易いので、そのスライド部材52を解除の方向にスライド移動させ易く、連結金具50とベルト帯10の連結解除を行い易くなる。
【0066】
そして、この連結金具50にベルト帯10を連結した後、
図6(a)(b)や
図6(c)(d)と同様に、
図10(d)(e)に示す連結金具50を連結体30に連結することで、衣服用ベルト100を使用可能な状態にすることができる。
また、上記実施形態1と同様に、この連結金具50を予め連結体30に連結しておき、連結体30に連結されている連結金具50にベルト帯10を連結することでも、衣服用ベルト100を使用可能な状態にすることができる。
【0067】
このような連結金具50であっても、連結金具50とベルト帯10の連結や連結解除を好適に行うことができるので、連結金具50とベルト帯10との着脱を繰り返すようなサイズ調整を行い易く、ユーザーにとって使い易い衣服用ベルト100とすることができる。
【0068】
(実施形態2)
次に、本発明に係る衣服用ベルトの実施形態2について説明する。なお、実施形態1と同一部分には同符号を付し、異なる部分について説明する。
【0069】
実施形態2の衣服用ベルト100は、例えば、
図11、
図12に示す連結金具50を備えている。
この連結金具50は、
図11に示すように、金具本体51と、金具本体51にスライド移動可能に配設されているスライド部材52と、を備えている。
この連結金具50を構成する金具本体51とスライド部材52の間に、ベルト帯10の後端部12が挟み込まれて拘持されるようになっている。
【0070】
金具本体51は、連結体30に設けられている帯材40のループに挿通させるためのフック部51aを備えている。
この金具本体51は、フック部51aから離間する方向に沿って、金具本体51の厚みが漸次厚くなるように形成されている。つまり、この金具本体51は、略楔形状を呈している。
そして、金具本体51の一の面が、その裏側の面(他の面)に対して傾斜した傾斜面51sに形成されている。
【0071】
スライド部材52は、所定の金属板の両端を折曲加工してなる部材であり、金具本体51の一の面側を覆うように配設されている。
つまり、このスライド部材52は、金具本体51の傾斜面51s側を覆うように配設されている。
【0072】
次に、この連結金具50にベルト帯10を連結する手順について説明する。
【0073】
まず、
図12(a)に示すように、ユーザーの腰回りの寸法に応じてベルト帯10の後端部12側の一部を切断して長さ調整する。
そして、
図12(b)に示すように、長さ調整されたベルト帯10の後端部12を、金具本体51の一の面である傾斜面51sに当接させる。
このとき、スライド部材52を金具本体51のフック部51a寄りの位置に配置しておく。
【0074】
次いで、
図12(c)に示すように、金具本体51の一の面である傾斜面51sにベルト帯10の後端部12を当接させた状態で、スライド部材52をベルト帯10の先端部11側へ向けて移動させることで、金具本体51とスライド部材52の間にベルト帯10の後端部12を挟み込んで、ベルト帯10と連結金具50を連結する。
ここで、スライド部材52をベルト帯10の先端部11側へ向けて移動させることは、スライド部材52を金具本体51のフック部51aから離間する方向へスライド移動させることに相当する。
【0075】
特に、金具本体51は、フック部51aから離間する方向に沿って金具本体51の厚みが漸次厚くなる略楔形状に形成されている。これは、
図12(a)〜(c)に示すように、金具本体51とスライド部材52の間にベルト帯10の後端部12を挟み込むのに、スライド部材52を移動させる方向に沿って金具本体51の厚みが漸次厚くなるように形成されていることに相当する。
つまり、フック部51aから離間する方向にスライド部材52を移動させるほど、金具本体51とスライド部材52の間隔が狭くなり、その金具本体51とスライド部材52の間にベルト帯10の後端部12が強く挟み込まれるので、金具本体51とスライド部材52の間に挟み込まれたベルト帯10が移動するのを好適に拘束することができる。
なお、連結金具50に連結されたベルト帯10を取り外すように、スライド部材52を金具本体51のフック部51a側へ押し出せば、金具本体51とスライド部材52の間隔が広がってベルト帯10の拘束が解かれて、連結金具50とベルト帯10の連結解除がなされる。
【0076】
そして、この連結金具50にベルト帯10を連結した後、
図6(a)(b)や
図6(c)(d)と同様に、
図12(d)(e)に示す連結金具50を連結体30に連結することで、衣服用ベルト100を使用可能な状態にすることができる。
また、上記実施形態1と同様に、この連結金具50を予め連結体30に連結しておき、連結体30に連結されている連結金具50にベルト帯10を連結することでも、衣服用ベルト100を使用可能な状態にすることができる。
【0077】
このように、実施形態2の衣服用ベルト100の連結金具50は、略楔形状に形成された金具本体51を備えているので、尖った突起を有していなくても、金具本体51とスライド部材52の間にベルト帯10を圧接するように挟み込んで、そのベルト帯10が移動するのを好適に拘束することができる。
つまり、スライド部材52によってベルト帯10が圧接される金具本体51の傾斜面51sは、金具本体51にベルト帯10を拘束するための拘束部として機能しているといえる。
【0078】
このような連結金具50であっても、連結金具50とベルト帯10の連結や連結解除を好適に行うことができるので、連結金具50とベルト帯10との着脱を繰り返すようなサイズ調整を行い易く、ユーザーにとって使い易い衣服用ベルト100とすることができる。
【0079】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
衣服用ベルト100は、例えば、
図13、
図14に示す連結金具50を備えたものでもよい。以下、上記実施形態1や実施形態2と同一部分には同符号を付し、異なる部分について説明する。
【0080】
この連結金具50は、
図13(a)、
図13(b)に示すように、略楔形状を呈する金具本体51と、金具本体51にスライド移動可能に配設されているスライド部材52と、を備えている。
この金具本体51の一の面が、その裏側の面(他の面)に対して傾斜した傾斜面に形成されている。
【0081】
そして、この連結金具50の金具本体51の一の面には、金具本体51とスライド部材52の間に挟み込むベルト帯10の移動を拘束するための拘束部51gが設けられている。
ここでの拘束部51gは、ベルト帯10に対して摩擦力を付与するように形成されている鑢状の凹凸面である。
鑢状の凹凸面は、例えば、
図13(a)に示すような複目やすり面や、
図13(b)に示すような波目やすり面(段目やすり面)などであればよい。なお、鑢状の凹凸面(やすり面)は任意であり、例えば、単目やすり面や鬼目やすり面などであってもよい。
【0082】
次に、この連結金具50にベルト帯10を連結する手順について説明する。
【0083】
まず、
図14(a)に示すように、ユーザーの腰回りの寸法に応じてベルト帯10の後端部12側の一部を切断して長さ調整する。
そして、
図14(b)に示すように、長さ調整されたベルト帯10の後端部12を、金具本体51の一の面に当接させる。この金具本体51の一の面には鑢状の凹凸面である拘束部51gが設けられているので、金具本体51の一の面(拘束部51g)に当接されたベルト帯10はその摩擦抵抗で滑り難いため、金具本体51に対して位置合わせし易い。
このとき、スライド部材52を金具本体51のフック部51a寄りの位置に配置しておく。
【0084】
次いで、
図14(c)に示すように、金具本体51の一の面の拘束部51g(鑢状の凹凸面で)にベルト帯10の後端部12を当接させた状態で、スライド部材52をベルト帯10の先端部11側へ向けて移動させることで、金具本体51とスライド部材52の間にベルト帯10の後端部12を挟み込んで、ベルト帯10と連結金具50を連結する。
ここで、スライド部材52をベルト帯10の先端部11側へ向けて移動させることは、スライド部材52を金具本体51のフック部51aから離間する方向へスライド移動させることに相当する。
【0085】
このようにして略楔形状の金具本体51とスライド部材52の間にベルト帯10の後端部12を圧接するように挟み込むことができる。
特に、金具本体51とスライド部材52の間に挟み込まれたベルト帯10には、金具本体51の拘束部51g(鑢状の凹凸面)による摩擦力が強く作用するので、金具本体51とスライド部材52の間からベルト帯10がずれ難くなって、そのベルト帯10を好適に拘束することができる。
【0086】
そして、この連結金具50にベルト帯10を連結した後、
図6(a)(b)や
図6(c)(d)と同様に、連結金具50を連結体30に連結することで、衣服用ベルト100を使用可能な状態にすることができる。
また、上記実施形態1と同様に、この連結金具50を予め連結体30に連結しておき、連結体30に連結されている連結金具50にベルト帯10を連結することでも、衣服用ベルト100を使用可能な状態にすることができる。
【0087】
このように、この連結金具50は、略楔形状に形成された金具本体51の一の面に鑢状の拘束部51gが設けられているので、金具本体51とスライド部材52の間にベルト帯10を圧接するように強く挟み込んで、そのベルト帯10が移動するのを好適に拘束することができる。
【0088】
このような連結金具50であっても、連結金具50とベルト帯10の連結や連結解除を好適に行うことができるので、連結金具50とベルト帯10との着脱を繰り返すようなサイズ調整を行い易く、ユーザーにとって使い易い衣服用ベルト100とすることができる。
【0089】
以上のように、本実施形態の衣服用ベルト100が備えている連結金具50は、ベルト帯10の連結や連結解除を好適に行うことができる構造を有しているので、連結金具50とベルト帯10との着脱を繰り返すようなサイズ調整を行い易い。
そして、このような連結金具50を備えた衣服用ベルト100は、サイズ調整し易いベルトとして好適に使用することができる。
【0090】
なお、以上の実施の形態においては、実施形態1の連結金具50(金具本体51)の拘束部として、歯状あるいは爪状の突起(拘束部51b)を設けるようにしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、実施形態1の連結金具50(金具本体51)の拘束部として、ベルト帯10に対して摩擦力を付与するように形成されている鑢状の凹凸面(拘束部51g)を設けるようにしてもよい。
また、実施形態1の連結金具50の金具本体51を略楔形状に形成するようにしてもよい。
【0091】
また、以上の実施の形態においては、実施形態1の連結金具50の金具本体51に3つの尖った拘束部51b(
図4,
図7,
図8)、4つの尖った拘束部51b(
図9)を設けるようにしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、拘束部51bの数は任意であり、2つの尖った拘束部51bや5つ以上の尖った拘束部51bを設けるようにしてもよい。
例えば、金具本体51の一の面側に斜めに突き出した態様の4つの尖った拘束部51bを設け、その両側2つの拘束部51bよりも、内側2つの拘束部51bがフック部51a側に突き出ているようにしてもよい(
図8の連結金具50の変形例)。
【0092】
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【解決手段】衣服用ベルト100は、金具本体51と、その金具本体51にスライド移動可能に配設されているスライド部材52とを備えた連結金具50を備えており、金具本体51とスライド部材52の間にベルト帯10の後端部12を挟み込んだ連結金具50が、バックル20を備えた連結体30に連結された態様を有している。特に、金具本体51とスライド部材52の間に挟み込んだベルト帯10には、金具本体51に設けられている尖った突起状の拘束部51bが刺さるので、連結金具50にベルト帯10を好適に連結することができる。