特許第6902479号(P6902479)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コヴィディエン リミテッド パートナーシップの特許一覧

特許6902479調節可能な断面形状を有する組織除去カテーテル
<>
  • 特許6902479-調節可能な断面形状を有する組織除去カテーテル 図000002
  • 特許6902479-調節可能な断面形状を有する組織除去カテーテル 図000003
  • 特許6902479-調節可能な断面形状を有する組織除去カテーテル 図000004
  • 特許6902479-調節可能な断面形状を有する組織除去カテーテル 図000005
  • 特許6902479-調節可能な断面形状を有する組織除去カテーテル 図000006
  • 特許6902479-調節可能な断面形状を有する組織除去カテーテル 図000007
  • 特許6902479-調節可能な断面形状を有する組織除去カテーテル 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6902479
(24)【登録日】2021年6月23日
(45)【発行日】2021年7月14日
(54)【発明の名称】調節可能な断面形状を有する組織除去カテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/3207 20060101AFI20210701BHJP
【FI】
   A61B17/3207
【請求項の数】13
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-562254(P2017-562254)
(86)(22)【出願日】2016年6月23日
(65)【公表番号】特表2018-519035(P2018-519035A)
(43)【公表日】2018年7月19日
(86)【国際出願番号】US2016039072
(87)【国際公開番号】WO2016210167
(87)【国際公開日】20161229
【審査請求日】2019年6月11日
(31)【優先権主張番号】62/184,489
(32)【優先日】2015年6月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】マクピーク, トーマス
【審査官】 和田 将彦
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05318576(US,A)
【文献】 米国特許第05176693(US,A)
【文献】 米国特許第05030201(US,A)
【文献】 特開2003−088530(JP,A)
【文献】 特表2006−522662(JP,A)
【文献】 実開平04−088919(JP,U)
【文献】 特表平07−503623(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/030061(WO,A1)
【文献】 米国特許第05108413(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/3207
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する近位端および遠位端を有し、縦軸周りで回転するために構成された駆動軸と、
前記駆動軸の前記遠位端にある組織除去頭部であって、前記組織除去頭部は、前記縦軸周りで回転するよう構成され、前記組織除去頭部は、最初の断面形状から前記最初の断面形状よりも大きい拡張した断面形状へと選択的に調節可能である、組織除去頭部と、
前記組織除去頭部の内部に配置された弾性的変形が可能な部材であって、前記弾性的変形が可能な部材は、最初の断面形状から前記最初の断面形状よりも大きい拡張した断面形状へと前記弾性的変形が可能な部材の断面形状を増加するように縦方向に選択的に弾性的圧縮が可能であり、前記弾性的変形が可能な部材が縦方向に圧縮されると、前記最初の断面形状から前記拡張した断面形状へと前記組織除去頭部を選択的に調節し、前記縦方向の圧縮は、前記弾性的変形が可能な部材を半径方向外側に膨らませる、弾性的変形が可能な部材と
を備える組織除去カテーテル。
【請求項2】
記弾性的変形が可能な部材を弾性的に圧縮するように構成されたアクチュエータをさらに備える、請求項に記載の組織除去カテーテル。
【請求項3】
アクチュエータは、前記組織除去頭部内に配置される、請求項に記載の組織除去カテーテル。
【請求項4】
前記アクチュエータは、前記弾性的変形が可能な部材を弾性的に圧縮するように前記組織除去頭部内で選択的に軸方向移動が可能である、請求項に記載の組織除去カテーテル。
【請求項5】
記駆動軸に沿って延びるワイヤをさらに備え、前記ワイヤは、前記駆動軸と前記組織除去頭部とに対して選択的に軸方向移動が可能であり、前記アクチュエータは、前記ワイヤの遠位端に固定される、請求項に記載の組織除去カテーテル。
【請求項6】
前記ワイヤは、前記駆動軸に沿って延びる軸内腔内に配置される、請求項に記載の組織除去カテーテル。
【請求項7】
前記ワイヤは、前記弾性的変形が可能な部材を弾性的に圧縮するように前記アクチュエータを前記組織除去頭部に対して近位的に移動させるために前記駆動軸に対して選択的に近位的移動が可能である、請求項に記載の組織除去カテーテル。
【請求項8】
前記ワイヤは、前記弾性的変形が可能な部材を弾性的に圧縮解除するように前記アクチュエータを前記組織除去頭部に対して遠位的に移動させるために前記駆動軸に対して選択的に遠位的移動が可能である、請求項に記載の組織除去カテーテル。
【請求項9】
前記アクチュエータは、コーンまたはボール部材を備える、請求項に記載の組織除去カテーテル。
【請求項10】
前記組織除去頭部は、前記組織除去頭部がその縦軸周りで回転するにつれて組織を摩耗するように構成された摩耗外面を備える、請求項に記載の組織除去カテーテル。
【請求項11】
前記組織除去頭部は、複数の円周方向に間隔が空いた縦長のスロットを定義するように、前記組織除去頭部の縦軸周りで円周方向に互いから間隔を空けられた縦長のフィンガを含む略管状本体を備える、請求項10に記載の組織除去カテーテル。
【請求項12】
前記駆動軸の遠位端は、体管腔内の目標部位へ送達されるように構成され、
前記駆動軸は、前記組織除去頭部の回転を加えるようにその縦軸周りで回転させられるように構成され、
前記組織除去頭部の回転が、前記目標部位で前記体管腔の壁から組織を除去する、請求項1記載の組織除去カテーテル。
【請求項13】
前記組織除去頭部は、摩耗外面を備え、前記組織除去頭部の回転が、前記体管腔の前記壁から組織を摩耗する、請求項12に記載の組織除去カテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2015年6月25日に出願された米国仮特許出願第62/184,489号の利益をその全体を参照することにより主張するものである。
【0002】
本開示は、概して調節可能な断面形状を有する回転可能な組織除去頭部を備えた組織除去カテーテルに関する。
【背景技術】
【0003】
体管腔の開存性は、体管腔内に蓄積された組織または体感腔内の他の物質によって影響を受ける場合がある。閉塞物質を切除または排除するため、及びそういった物質を血管といった体管腔から除去するための様々な方法が提案されてきた。例えば、組織除去カテーテルが体管腔の開存性を修復するのに用いられてもよい。これらのカテーテルは、体管腔から物質を切除または摘出するためのものであり、体管腔からそういった物質を切除し分離するために閉塞物質へと、または閉塞物質を越えて進むことができる回転可能な組織除去器具が採用されてもよい。
【0004】
これらのカテーテルは、体管腔の開存性を修復することにおいて非常に優れていることを証明したが、組織除去器具の径が閉塞組織よりも小さい時に問題が起こる場合がある。組織除去器具が閉塞部または腔壁との接触を維持しない場合、組織除去器具の効果は低減する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの態様では、組織除去カテーテルは最初の断面形状から、最初の断面形状よりも大きい拡張した断面形状へと選択的に調節可能な組織除去頭部を含む。
【0006】
他の特徴は、一部が明らかとなり、かつ一部が下文に指摘される。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
対向する近位端と遠位端を有し、縦軸周りで回転するために構成された駆動軸及び前記駆動軸の前記遠位端にある組織除去頭部を備える組織除去カテーテルであって、前記組織除去頭部は前記縦軸周りで回転するよう構成され、前記組織除去頭部は最初の断面形状から前記最初の断面形状よりも大きい拡張した断面形状へと選択的に調節可能である、前記組織除去カテーテル。
(項目2)
前記組織除去頭部を前記最初の断面形状から前記拡張した断面形状へと選択的に調節するよう構成された拡張機構をさらに備える、項目1に記載の組織除去カテーテル。
(項目3)
前記拡張機構が前記組織除去頭部の内部に配置された弾性的変形が可能な部材を含み、前記弾性的変形が可能な部材が、前記弾性的変形が可能な部材の断面形状を増加するよう、最初の断面形状から前記最初の断面形状よりも大きい拡張した断面形状へと選択的に弾性的圧縮が可能であり、前記最初の断面形状から前記拡張した断面形状へと前記組織除去頭部を選択的に調節する、項目2に記載の組織除去カテーテル。
(項目4)
前記拡張機構が、前記弾性的変形が可能な部材を弾性的に圧縮するよう構成されたアクチュエータを含む、項目3に記載の組織除去カテーテル。
(項目5)
アクチュエータが前記組織除去頭部内に配置される、項目4に記載の組織除去カテーテル。
(項目6)
前記アクチュエータが、前記弾性的変形が可能な部材を弾性的に圧縮するよう前記組織除去頭部内で選択的に軸方向移動が可能である、項目5に記載の組織除去カテーテル。
(項目7)
前記拡張機構が前記駆動軸に沿って延びるワイヤを含み、前記ワイヤが前記駆動軸と前記組織除去頭部に対して選択的に軸方向移動が可能であり、前記アクチュエータが前記ワイヤの前記遠位端に固定される、項目6に記載の組織除去カテーテル。
(項目8)
前記ワイヤが、前記駆動軸に沿って延びる軸内腔内に配置される、項目7に記載の組織除去カテーテル。
(項目9)
前記ワイヤが、前記弾性的変形が可能な部材を弾性的に圧縮するよう前記アクチュエータを前記組織除去頭部に対して近位的に移動するために前記駆動軸に対して選択的に近位的移動が可能である、項目7に記載の組織除去カテーテル。
(項目10)
前記ワイヤが、前記弾性的変形が可能な部材を弾性的に圧縮するよう前記アクチュエータを前記組織除去頭部に対して遠位的に移動するために前記駆動軸に対して選択的に遠位的移動が可能である、項目7に記載の組織除去カテーテル。
(項目11)
前記アクチュエータがコーンまたはボールを備える、項目5に記載の組織除去カテーテル。
(項目12)
前記組織除去頭部が、前記組織除去頭部がその縦軸周りで回転するにつれて組織を摩耗するよう構成された摩耗外面を備える、項目3に記載の組織除去カテーテル。
(項目13)
前記組織除去頭部が、複数の円周方向に間隔が空いた縦長のスロットを定義するよう、前記組織除去頭部の縦軸周りで円周方向に互いから間隔を空けられた縦長のフィンガを含む略管状本体を備える、項目12に記載の組織除去カテーテル。
(項目14)
前記拡張機構が、前記組織除去頭部内に配置された膨張可能なバルーンを含む、項目2に記載の組織除去カテーテル。
(項目15)
体管腔減量術の方法であって、
前記体管腔内の目標部位へと組織除去カテーテルの遠位端を送達することであって、前記組織除去カテーテルは、対向する近位端と遠位端を有し、かつ縦軸周りで回転するために構成された駆動軸と、前記駆動軸の前記遠位端にあり、前記縦軸周りで回転するよう構成され、最初の断面形状から前記最初の断面形状よりも大きい拡張した断面形状へと選択的に調節可能である組織除去頭部とを含む、前記送達することと、
前記組織除去頭部を前記最初の断面形状から前記拡張した断面形状へと調節することと、前記組織除去頭部の回転を加えるよう前記駆動軸をその縦軸周りで回転させることと、を含み、前記組織除去頭部を回転させることが前記目標部位で前記体管腔の壁から組織を除去する、前記回転することとを含む、前記方法。
(項目16)
前記組織除去頭部が摩耗外面を備え、前記組織除去頭部の回転が前記体管腔の前記壁から組織を摩耗する、項目15に記載の体管腔減量術の方法。
(項目17)
前記組織除去頭部を調節することが、前記弾性的変形が可能な部材の断面形状を最初の断面形状から前記最初の断面形状よりも大きい前記拡張した断面形状へと増加するよう、前記最初の断面形状から前記拡張した断面形状へと前記組織除去頭部を選択的に調節するために、前記組織除去頭部の内部に配置された弾性的変形が可能な部材を弾性的圧縮することを含む、項目16に記載の体管腔減量術の方法。
(項目18)
前記組織除去頭部を前記調節することが、前記弾性的変形が可能な部材を弾性的に圧縮するようアクチュエータを前記組織除去頭部内で軸方向移動させることを含む、項目17に記載の体管腔減量術の方法。
(項目19)
アクチュエータを前記軸方向移動させることが、前記アクチュエータを近位的に移動させることを含む、項目18に記載の体管腔減量術の方法。
(項目20)
アクチュエータを前記軸方向移動させることが、前記アクチュエータを遠位的に移動させることを含む、項目18に記載の体管腔減量術の方法。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】装置の組織除去頭部が最初の構成にある組織除去カテーテルの実施形態における拡大した部分斜視図である。
図2図1に類似した、拡張した構成にある組織除去頭部を説明する。
図3】最初の構成にある組織除去頭部を備えた組織除去カテーテルの概略図であり、組織除去カテーテルの研磨外面を説明する。
図4図3に類似しているが、拡張した構成にある組織除去頭部である。
図5】拡張機構の1つの実施形態における概略図であり、組織除去頭部を拡張するために膨張したバルーンを説明する。
図6】拡張機構の他の実施形態における概略図であり、組織除去頭部を拡張するのに用いられるワイヤ、ボール、及びエラストマを説明する。
図7】拡張機構の他の実施形態における概略図であり、組織除去頭部の拡張に用いるために一端が固定されたチューブを説明する。
【0008】
対応する参照記号は、図面にわたって対応する部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1〜3を参照して、体管腔から組織を除去するための組織除去カテーテルの実施形態は、概して参照番号10に示される。説明された組織除去カテーテル10は、血管からアテローム(例えばプラーク)を除去するのに特に適しているが、カテーテルは他の体管腔から他の閉塞物を除去するのに用いられてもよい。
【0010】
組織除去カテーテル10は、駆動軸12、駆動軸の遠位端に配置され、概して14で示される組織除去頭部、組織除去頭部の遠位端に配置された遠位キャップ16を備える。駆動軸12は、体管腔内の病変部または閉塞部から組織を除去するために組織除去頭部14と遠位キャップ16を軸A周りで回転させるよう動作可能である。駆動軸12、頭部14、及びキャップ16は、ガイドワイヤ18を受けるためのガイドワイヤ内腔を定義する。キャップ16は、ガイドワイヤ18が通じて延びる遠位開口部20を含む。組織除去カテーテル10は、オーバーワイヤ装置として使用する(すなわちガイドワイヤ18を越える)よう構成される。しかしながら、他の構成が本発明の範囲内にあり、ガイドワイヤ18が本発明の範囲内では省略されていてもよいことがわかる。図1〜3及び他の図面に示されるように、説明されたキャップ16は、遠位的に先細になる略円錐またはドーム型であり、かつ体管腔を閉塞する組織(例えばプラーク)を貫通するのに適している。完全閉塞またはほぼ完全な閉塞をくり抜きやすくするために、特殊ワイヤが組織除去カテーテル10と併せて用いられてもよい。
【0011】
組織除去頭部14は、フィンガ26を分離する円周方向に間隔を置いた縦長のスロット24を有する略管状本体22を含む。縦長のスロット24は、以下に記述されるように、頭部14が円周方向に拡張することを可能にする。頭部14は、ニチノール、ばね鋼、またはあらゆる他の適切な素材から作られる。頭部14の近位端は、駆動軸12に固定して取り付けられ、それにより駆動軸が頭部の回転を加える。駆動軸12は、頭部14から分離して形成されてもよく、または頭部14に一体的に形成されてもよい。キャップ16の近位端は、駆動軸12に対向する頭部14の遠位端に固定して取り付けられる。キャップ16は、キャップが頭部と共に移動(例えば回転)するように、頭部14に取り付けられる。キャップ16は、頭部14から分離して形成されてもよく、または頭部14に一体的に形成されてもよい。キャップ16の少なくとも一部及び/または頭部14の少なくとも一部は、体管腔内の病変部を摩耗するための摩耗外面を有する。例えば、摩耗素材またはグリット28は、キャップ16または頭部14の外面において少なくとも部分的に適用されてもよく、または外面が摩耗材となるように形成されてもよい。1つの実施形態では、キャップ16の一部及び/または頭部14の一部は、摩耗コーティングまたはグリット28でコーティングされる。説明された実施形態では、キャップ16と頭部14の両方の外面は、グリット28でコーティングされる。グリット28は、カテーテルが軸A周りで回転するにつれて体管腔から組織を摩耗し、かつ除去する。グリットは、ダイアモンドグリットまたは組織除去のための回転頭部に用いるための他の適切な素材であり得る。
【0012】
組織除去頭部14は、最初の、または最小の断面形状D1(図1参照)及び第1縦長L1を有する。頭部14は、断面形状を最初の断面形状D1よりも大きい、拡張したかまたは最大の断面形状D2(図2及び4参照)へと拡大するために円周方向に拡張可能である。説明されるように、最初の断面形状D1は駆動軸12の断面形状とほぼ同じであり、拡張した断面形状D2は駆動軸の断面形状よりも大きいが、他の構成も本発明の範囲内にある。拡張した構成では、頭部14のフィンガ26は、頭部の断面形状を拡大するために曲がるかまたはたわみ、次に第2縦長L2へと組織除去頭部を縮小する。よって、頭部14の断面形状は拡大し、頭部の縦長は縮小する。最初の断面形状D1と最大の拡張した断面形状D2間の範囲内にあるあらゆる断面形状を有するよう、頭部14は拡張し、かつ収縮し得る。
【0013】
説明された組織除去カテーテル10は、頭部14を円周方向に拡張するのに用いられる拡張機構を含む。図5に説明される実施形態では、装置10は、頭部14の内部に配置されるバルーン30を含む。バルーン30は、頭部14の断面形状を制御するために膨張し、かつ収縮する。バルーン30は、駆動軸12、頭部14、及びキャップ16と共に回転する。バルーン30は、バルーンを膨張するのに用いられる内腔を有するバルーン軸に配置される。バルーン30は、組織除去カテーテルの近位端上の回転圧力ポート(図示せず)によって膨張または収縮する。バルーン30が膨張するにつれて、頭部の円周を拡張するためにバルーン30は半径方向外側に頭部14のフィンガ26を押し出す。バルーン30が収縮する時、頭部14は最初の断面形状へと戻る。頭部14は、バルーン30が膨張した量に基づいて異なる断面形状へと調節可能である。
【0014】
図6に説明される他の実施形態では、エラストマ40は、頭部14の内部に配置される。移動可能なコーンまたはボール44(大まかには、アクチュエータ)は、駆動軸12を通じて近位的に延びるワイヤ42の遠位端に取り付けられる。ボール44を動かすためにユーザがエラストマ40にワイヤ42を押し付けるかまたは引くことによって、エラストマが圧縮し、半径方向外側に膨らむ。エラストマ40が半径方向外側に膨らむにつれて、頭部の円周を拡張するためにエラストマ40は半径方向外側に頭部14のフィンガ26を押し出す。あるいは、ねじ棒またはエラストマに関連するボールの動きを加えるのに用いられる他の装置がワイヤ43の適所に用いられ得る。
【0015】
図7に説明されるさらに他の実施形態では、内部チューブ50は、取り付けポイント52で頭部14の一端に固定して取り付けられる。内部チューブ50は、駆動軸12に関連して移動可能である。内部チューブが頭部へと取り付けられているため、内部チューブ50が移動するにつれて、頭部14の遠位端は内部チューブと共に移動する。内部チューブ50の矢Bの方向における縦移動は、頭部の長さを増減するよう頭部14のフィンガ26を外側または内側に曲げさせ、それにより頭部の断面形状が増減する。頭部14の断面形状を拡張及び収縮するための他の適切な機構が本発明の範囲内にある。
【0016】
説明はされていないが、制御ハンドルまたは他の制御装置が組織除去カテーテル10に動作可能に連結される。制御ハンドルは、筐体及び駆動軸の駆動回転のために筐体内に少なくとも1つのアクチュエータを含む。一例として、制御ハンドルは、軸A周囲で駆動軸を回転させるための回転アクチュエータを含んでもよい。制御ハンドルは頭部14の断面形状を調節するため(例えば、バルーン30の膨張、ワイヤ42の移動、チューブ50の移動、または頭部の断面形状を調節するためのまたは他の適切な機構を調節するため)のアクチュエータをさらに含み得る。
【0017】
組織除去動作の1つの実施形態では、組織除去カテーテル10は目標部位(例えば体管腔内の病変部)へと体管腔内でガイドワイヤ18上を前進する。目標部位では、組織除去カテーテル10は、制御レバー、ボタン、または少なくとも1つのアクチュエータを起動するための他の装置を起動することなどにより制御ハンドルを用いて起動してもよい。組織除去カテーテル10を起動すると、駆動軸12は軸A周りで回転し、頭部14及びキャップ16の回転を引き起こす。頭部14及び/またはキャップ16は病変部を摩耗し、それにより組織を除去する。頭部14の断面形状は、病変部から追加的組織を摩耗し除去することで既存内腔を拡大するよう拡張し得る(例えば、バルーン30を膨張するために制御ハンドルを用いることによって)。
【0018】
組織除去カテーテル10は、ガイドワイヤなしで同様に用いられてもよい。1つの実施形態では、キャップ16はほぼ完全な閉塞、または完全閉塞を貫通するよう用いられる。組織除去カテーテル10は、組織除去頭部の回転を加えることなく同様に用いられてもよい。1つの実施形態では、組織除去頭部14は、真腔内(すなわち、体管腔内の閉塞部間に残る空間内)で組織除去カテーテル10を中心に置くよう用いられる。組織除去頭部14は、真腔の外側限界に接するよう円周方向に拡張でき、それによって真腔内で組織除去カテーテル10を中心に置く。カテーテル10を真腔内で中心に置くことで、ワイヤ(例えば、ガイドワイヤ18)は、体管腔を閉塞する組織を貫通するよう、キャップ16を越えて前進し得る。1つの実施形態では、組織除去頭部14は、目標部位へと最初の構成で前進し、その後組織除去頭部を回転させることなく閉塞を切除または分離するために閉塞と係合するよう目標部位で円周方向に拡張し得る。1つの実施形態では、組織除去頭部14は目標部位を越えて前進し、その後組織を除去するために目標部位上を引き戻され得る。吸引カテーテル(図示せず)が、組織除去頭部によって除去された破片を収集するために組織除去頭部付近に配置され得る。
【0019】
組織除去カテーテル10はより大きい腔径を作り出すのを補助する。頭部14は、既存の内腔を拡張し続けるよう(例えば、同じ病変部上の複数経路を用いることで)断面形状を増加し、同じ患者における多管腔の治療、または動脈瘤ポケットをわずかに抑える管腔の治療ができる。頭部14が拡張した後に断面形状を減少し得るので、施術者は留まった頭部を回収できるかまたはステントといった治療バリアの遠位にある病変部を治療することができる。可変断面形状頭部14は、複数の径または管腔を治療するために異なるサイズの頭部を用いる必要性を抑え、コスト削減につながる。さらに、頭部14と病変部間の接触を維持するのに遠心力(したがって、高速で良好に制御されたモータ)には依存せず、病変部に接触するよう頭部を拡張するので、さらなるコスト削減につながり得る。
【0020】
開示された実施形態の修正及び変更が添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲から逸脱することなく行われ得る。
【0021】
本発明の要素または実施形態(複数可)を説明する際、冠詞「a」、「an」、「the」及び「said(前記)」という語は、1つ以上の要素が存在することを意味する意図がある。「comprising(備える)」、「including(含む)」、及び「having(有する)」という用語は、列挙された要素以外にさらなる要素があり得ることを包含し、かつ意味する意図がある。
【0022】
本発明の範囲を逸脱せずに様々な変更が上の説明、製品、及び方法に加えられ得るが、上の記述に含まれ、かつ添付の図面に説明され、示される全ての内容は、説明のためのものと解釈されるべきであり、趣旨を制限するものではないことが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7