【課題を解決するための手段】
【0006】
電子タバコのヴェポライザを試験するための、改良された、または少なくとも代わりとなる装置および方法を提供することが望まれよう。また、電子タバコのヴェポライザの連続的な試験を可能にするような装置および方法の提供も望ましいであろう。さらに、少数の部品を要する簡単な構造を有するような装置の提供が望まれよう。また、信頼できる結果を生成するような装置および方法を提供することも望まれよう。
【0007】
これらの懸案事項の1つ以上をよりうまく取り扱うために、本発明の第1の態様において、電子タバコのヴェポライザを試験するための試験装置が提供される。各ヴェポライザは、加熱エレメントと、加熱エレメントに電力を供給するため加熱エレメントに接続された電気的端子とを含む。本試験装置は、各々が1つのヴェポライザを保持するための複数の保持ユニットを備える保持構造部であって、この保持構造部は移動可能であり、これにより保持ユニットは保持ユニットの軌道に沿って移動される、該保持構造部と、複数の電気接触部材を備える接触構造部であって、各接触部材は、それぞれの保持ユニットに関連付けられており該関連する保持ユニット中のヴェポライザの少なくとも1つの電気的端子に電気接触するように構成される、該接触構造部と、各接触部材に電力を伝導するように構成された供給構造部と、加熱エレメントの電気抵抗および/またはインダクタンスを表す少なくとも1つの電気量を測定するように構成された測定部と、を含む。
【0008】
加熱エレメントは、電力が加熱エレメントに供給されたとき、ヴェポライザ中の液体が蒸発するための熱を生成するため電気抵抗性のある材料で製造される。加熱エレメントは、いろいろな形状を取ってよい。或る実施形態において、加熱エレメントはワイヤを含む。このワイヤは、コイルまたはらせんに巻かれていてよい。このワイヤは、電気絶縁性のコーティングを含んでよい。このワイヤはマンドレルに搭載されていてよい。加熱エレメントは、シリーズにまたはパラレルに電気的に接続された各種のワイヤを含んでいてよい。
【0009】
加熱エレメントは、追加されたまたは置き換えられたストリップ片を含んでよい。このストリップ片は、コイルまたはらせんに巻かれていてよい。このストリップ片は、電気絶縁性のコーティングを含んでよい。このストリップ片は、マンドレルに搭載されていてよい。加熱エレメントは、シリーズにまたはパラレルに電気的に接続された各種のワイヤを含んでいてよい。
【0010】
本明細書では、電気抵抗はオーム単位で測定され、インダクタンスはヘンリー単位で測定される。
【0011】
本試験装置によって、電子タバコのヴェポライザを試験することができ、具体的には加熱エレメントの適切な構成および機能性を試験することができる。加熱エレメントの適切な構成および機能性によって、ヴェポライザに電力が供給されたとき、ヴェポライザが或る量の蒸気を生成することが可能なことを高程度の確実さで予期することができる。
【0012】
さらに、本試験装置を使って、ヴェポライザのアセンブリの一部であるヴェポライザと電子タバコの別の部分とを試験することができ、ほぼ組み上がり前の電子タバコの一部であるヴェポライザでさえも、加熱エレメントに接続された電気的端子が利用可能であって、ブリッジしているエレメントの電気特性がわかっており試験を行う際に考慮に入れられる場合は別としてこれら端子が加熱エレメント自体または別の電気回路もしくは回路エレメントによって別途にブリッジされていなければ、本試験装置によって試験することが可能である。
【0013】
なお、試験対象のヴェポライザは、望ましくは、少なくとも、加熱エレメントと、加熱エレメントに接続された電気的端子とを含んでいる必要がある。通常、ヴェポライザの部分である、蒸発対象の液体を保持するためのフィルタ材料などの他のエレメントは、本試験装置が本開示の試験を行うことをまだ可能にしておくために、(まだ)ヴェポライザの部分として構成する必要はない。他方で、フィルタ材料、またはフィルタ材料と蒸発対象の液体など、前記他のエレメントがヴェポライザ中に存在していても、試験のために加熱エレメントの電気的端子が使えるならば、本試験装置はそれでも本開示の試験を行うことが可能である。言い換えれば、加熱エレメントおよび電気的端子がヴェポライザ上またはヴェポライザ中に備えられてさえいれば、本試験装置は、ヴェポライザの組み立てのいろいろな段階に配備することが可能である。
【0014】
本試験装置中で、ヴェポライザは、各ヴェポライザに対する時間経緯の中での空間的位置および方向についての良好な予測可能性を得るため、各ユニットが1つのヴェポライザを所定の位置および方向に保持するように構成された複数の保持ユニットを有する、可動の保持構造部の中に自動的に搬送される。これは、ヴェポライザを外部の構造体に接触させる必要のある試験の自動的な実行を容易にする。
【0015】
保持ユニットは各種の形状に構成することが可能である。一例として、保持ユニットは、ヴェポライザによって変形されると弾力性材料によって及ぼされる締付力を通した摩擦によってヴェポライザを収容するための凹部を有する該弾性材料を含むことが可能である。あるいは、保持ユニットは、剛体性材料が変形されるとヴェポライザに及ぼされる締付力を通した摩擦によって、ヴェポライザを収容するための凹部を有する該剛性材料で作製することも可能である。別の例として、保持ユニットは、ヴェポライザと係合するグリッパ部分を有するグリッパを含むこともできよう。
【0016】
保持構造部は、保持ユニットの軌道に沿って移動または搬送される保持ユニットを含む。この保持構造部は、いろいろな構成を有してよい。保持構造部の構成は、保持ユニットの軌道に応じて決めればよい。一例として、保持ユニットの軌道が直線軌道である場合、保持構造部は、保持ユニットとともに設けられたベルトまたは類似物を含むことができる。ベルトは、2つ以上のローラーの円周周りを、2つのローラーの間でベルト部分が直線軌道を進むようにして走らせればよい。別の例として、保持ユニットの軌道が曲線軌道である場合、保持構造部は、保持ユニットとともに設けられたベルトまたは類似物を含むことができ、ベルトは2つ以上のローラーの円周周りを走行する。2つのローラーの間でベルトが曲線の軌道に沿って進むように、2つのローラーの間でベルトを曲線のガイドに沿って導けばよい。さらに好適な例として、保持ユニットの軌道を環状にすることができ、保持構造部は、円形のリングまたはプレートなど、保持ユニットを支え、保持ユニットの軌道に沿ってそれらを回転移動させる回転体を含むことが可能である。
【0017】
本発明による試験装置の或る実施形態では、本試験装置は、ヴェポライザが保持ユニットの軌道の少なくとも部分に沿って搬送されるように、保持ユニットの軌道に沿った受け取り場所で、ヴェポライザを、保持構造部の保持ユニットの中に置き入れるように構成された供給ユニットと、保持ユニットの軌道に沿った放出場所で、保持ユニットからヴェポライザを取り出すように構成された放出ユニットとをさらに含む。放出場所は、保持ユニットの軌道に沿った、受け取り場所の下流にある。
【0018】
保持構造部の動きは一定速度でも可変速度でもよい。可変速度はゼロ速度から最大速度の間で変えることが可能である。この動きは断続的であってよい。この速度は、試験対象の特定のヴェポライザに応じて、および/または保持ユニットの軌道に沿ったヴェポライザの位置に応じて調節可能にすればよい。
【0019】
本発明の試験装置では、接触構造部には複数の電気接触部材が設けられる。各接触部材は、ヴェポライザの1つ以上のそれぞれの電気的端子と接触するための1つ以上の電気コンタクトを有することができ、これら電気的端子はヴェポライザの加熱エレメントにつながれている。各接触部材は、それぞれの保持ユニットに関連付けられており、接触部材は関連する保持ユニットの中のヴェポライザの1つ以上の電気的端子に電気接触するように構成される。
【0020】
ヴェポライザは、加熱エレメントの電気的端子の1つとして機能しヴェポライザが関連保持ユニットに保持されているときに試験装置との電気的集合コンタクトを備える、封入体を有することができる。このとき、別の電気的端子は、電圧が印加されまたは電流が供給されたとき加熱エレメントに電力を供給するため、接触部材の電気接触によって、ヴェポライザの電気的端子に接触している接触部材の電気コンタクトに接触されることが可能である。
【0021】
上記に換えて、ヴェポライザは、ヴェポライザの封入体から電気絶縁された2つ以上の専用の電気的端子を有してもよい。加えて、この封入体を電気絶縁材料で作製してもよい。ヴェポライザの電気的端子は、電圧が印加されまたは電流が供給されたとき加熱エレメントに電力を供給するため、接触部材の対応する電気コンタクトによって、ヴェポライザの電気的端子に接触している接触部材の電気コンタクトに接触されることが可能である。
【0022】
電力は、供給構造部によって、接触構造部の各接触部材に伝導することが可能である。いくつかの実施形態において電源も供給構造部に固定されこれと一緒に移動することが可能なので、供給構造部は、以下に限らないが、特に接触構造部が保持構造部と同期して移動し電源が固定されているとき、電源と各接触部材との間の電気的接続を提供する。
【0023】
本試験装置の測定部は、ヴェポライザの加熱エレメントの電気抵抗および/またはインダクタンスを表す少なくとも1つの電気量を測定するように構成される。この少なくとも1つの電気量は、(所定電流における)電圧もしくは(所定電圧における)電流、または(両方が事前設定されていない場合は)電圧と電流との組み合わせ、あるいは、ACの場合は電圧および/または電流の周波数、もしくはACの場合は電圧と電流との間の位相シフト、またはDCの場合は電圧もしくは電流の時定数とすることが可能で、これにより、該少なくとも1つの電気量が測定されたとき、電気量を受信し少なくとも1つの電気量を抵抗および/またはインダクタンスあるいは抵抗および/またはインダクタンスを表す少なくとも1つの値に変換するように構成された測定部において、加熱エレメントの電気抵抗および/またはインダクタンスが算定できる。上記を受けて、本発明の試験装置の或る実施形態において、この測定部は、電気抵抗を算定するために、加熱エレメントの電気的端子に所定のDC電圧を印加しながら、加熱エレメントを流れるDC電流を測定するように、または所定のDC電流を供給して加熱エレメントに流しながら、加熱エレメントの電気的端子でDC電圧を測定するように、または加熱エレメントの電気的端子でDC電圧を測定し、かつ加熱エレメントを流れるDC電流を測定するように、または加熱エレメントの電気的端子に所定のAC電圧を印加しながら、加熱エレメントを流れるAC電流を測定するように、または所定のAC電流を供給して加熱エレメントに流しながら、加熱エレメントの電気的端子でAC電圧を測定するように、または加熱エレメントの電気的端子でAC電圧を測定し、かつ加熱エレメントを流れるAC電流を測定するように、構成される。AC電圧またはAC電流の場合、測定部は、電気インダクタンスまたは電気インピーダンスを算定するために、AC電圧またはAC電流の電気周波数を測定するようにさらに構成することが可能である。AC電圧とAC電流との場合、測定部は、電気インダクタンスまたは電気インピーダンスを算定するために、AC電圧とAC電流との間の電気位相シフトを測定するようにさらに構成することが可能である。DC電圧またはDC電流の場合、測定部は、電気インダクタンスおよび/または電気インピーダンスを算定するために、DC電圧またはDC電流の電気時定数を測定するようにさらに構成することが可能である。
【0024】
本発明の試験装置の或る実施形態において、この測定部は、測定量を所定の範囲と比較し、測定量が範囲を外れている場合、不合格信号を出力するようにさらに構成される。
【0025】
なお、加熱エレメント製造工程における生産ばらつき、加熱エレメントとその電気的端子との間の電気的接続の生産ばらつき、および他の要因に起因して、加熱エレメントの電気抵抗および/またはインダクタンス、具体的には測定部によって測定されたこれらに関連する電気量は或る範囲で変動し得る。この範囲内であれば、加熱エレメントは、対応するヴェポライザにおいてまたはヴェポライザを包含する電子タバコにおいて適切に機能するため受容可能な品質であると見なされる。この範囲外であれは、加熱エレメントは、対応するヴェポライザにおいてまたはヴェポライザを包含する電子タバコにおいて適切に機能するため受容可能な品質ではないと見なされる。後者の場合、測定部は不合格信号を出力することができる。
【0026】
加熱エレメントの電気的端子に所定のDC電圧が印加され、加熱エレメントがそのままで関連付けられた電気的端子に接続されると加熱エレメント中にDC電流が流れることになる。オームの法則によれば所定の電圧において加熱エレメント中を流れる電流とその抵抗の間には直接的な関係があるので、電流の測定は、加熱エレメントの電気抵抗を表す値を提供する。電流が高いほど抵抗は低く、電流が低いほど抵抗は高い。電流が所定の範囲より高い場合、これは、例えば、加熱エレメントの一部分の短絡を、あるいは何らかの未知のエレメントまたは製造エラーによる電気的端子へのブリッジさえも示し得る。電流が所定の範囲より低い場合、これは、例えば、電気的端子の1つ以上と加熱エレメントとの間の相対的に高い境界抵抗を、あるいは、例えば、電気的端子と加熱エレメントとの間の接続の破断もしくは不在、または加熱エレメント中の破損に起因する電気的端子の間の電気的不通さえも示し得る。
【0027】
同様に、加熱エレメントの電気的端子に所定のDC電流が供給され、加熱エレメントがそのままで関連付けられた電気的端子に接続されると、加熱エレメントの両端にDC電圧が生起されることになる。オームの法則によれば所定の電流において加熱エレメントの電気的端子をまたぐ電圧とその抵抗の間には直接的な関係があるので、電気的端子で電圧の測定は加熱エレメントの電気抵抗を表す値を提供する。電圧が高いほど抵抗は高く、電圧が低いほど抵抗は低い。電圧が所定の範囲より低い場合、これは、例えば、加熱エレメントの一部の短絡を、あるいは何らかの未知のエレメントまたは製造エラーによる電気的端子へのブリッジさえも示し得る。電圧が所定の範囲より高い場合、これは、例えば、電気的端子の1つ以上と加熱エレメントとの間の相対的に高い境界抵抗を、あるいは、例えば、電気的端子と加熱エレメントとの間のほぼ破断した接続、または加熱エレメント中のほぼ破損に起因する電気的端子の間の電気的なほぼ不通さえも示し得る。
【0028】
同様な検討事項は、試験のため、DC電圧またはDC電流の代わりにAC電圧またはAC電流が使われる場合にも適用される。一部の場合では、関連するDCまたはAC電流を測定する際に、ヴェポライザの電気的端子に印加されるDCまたはAC電圧がそれぞれ、事前設定されていない。別の場合において、関連するDCまたはAC電圧を測定する際に、ヴェポライザの電気的端子に供給されるDCまたはAC電流が事前設定されていない。これらの全ての場合においては、電圧および電流の両方が測定されることになり、一緒に採取された両方の電気量が、加熱エレメントの電気抵抗および/またはインダクタンスを表す。
【0029】
誘導成分を測定する必要があり、抵抗を表す少なくとも1つの電気量の測定においてAC電圧とAC電流とを使うことが可能な場合、特に当該周波数が事前設定されていないおよび/または未知の場合、誘導成分は周波数の変化とともに変わるので、当該AC電圧またはAC電流の電気周波数も同じく測定されてよい。上記に換えてまたは加えて、加熱エレメントの誘導成分の示度を得るために、AC電圧とAC電流との間の位相シフトを測定してもよい。
【0030】
抵抗および/またはインダクタンスを表す少なくとも1つの電気量を測定するのにDC電圧およびDC電流が使われる場合、抵抗成分および誘導成分がこの時定数を決定するので、DC電圧またはDC電流の電気時定数も測定されてよい。
【0031】
例えば、加熱エレメントが巻き線を含む場合、所定の範囲内のインダクタンスを有する、加熱エレメントの巻き線の望ましい空間的構成を検証するために、インダクタンスを測定することが可能である。
【0032】
このインダクタンスは、場合により加熱エレメントの抵抗の測定の前または後に測定することができ、あるいは測定部の中で加熱エレメントの抵抗とインダクタンスとを組み合わせて行うことも可能である。
【0033】
本発明による試験装置の或る実施形態において、測定部は、測定量がその所定範囲を外れたときに不合格信号が出されたとき排出デバイスを作動するようにさらに構成される。この排出デバイスは、要求品質を欠く懸念のある生産工程からの加熱エレメントを含むヴェポライザを除去するように作動される。該排出デバイスは、試験装置の放出ユニット中に含めるか、またはヴェポライザの放出経路中のさらに下流に配置すればよい。
【0034】
本発明の試験装置の或る実施形態において、供給構造部は、複数のスリップ電気接触であって、各スリップコンタクトはそれぞれの接触部材に関連付けられて電気的に接続されており、供給構造部が接触構造部と同期して動くようになされている、該スリップ電気コンタクトと、スリップコンタクトに電気接触して電力供給するように構成された少なくとも1つの電力端子であって、スリップコンタクトは該電力端子に対して移動するようになされる、該電力端子と、を含む。
【0035】
スリップコンタクトの使用は、加熱エレメントの電気抵抗および/またはインダクタンスを表す少なくとも1つの電気量を測定するため、電力端子から接触部材に、それによりその接触部材に関連する保持ユニット中に保持されているヴェポライザの加熱エレメントに、正確に機械的に事前設定された期間でまたは正確に機械的に事前設定された期間内で電力を供給することを可能にする。
【0036】
本発明の試験装置の或る実施形態において、電力端子は固定され、例えば、移動可能な保持構造部および接触構造部に対して固定されている。固定電力端子は、ほとんどメンテナンスおよび消耗部品の取り換えを必要としない単純な構造を有することが可能である。
【0037】
この少なくとも1つの電力端子は、該電力端子が接触部材の少なくとも1つのスリップ電気コンタクトに電気接触している期間中に、関連する保持ユニットの接触部材または接触部材群に、電流もしくは所定電流または電圧もしくは所定電圧を供給するために使用が可能である。同じ期間中、ヴェポライザの加熱エレメントの電気的端子は、関連付けられた接触部材に電気接触している。しかして、加熱エレメントの電気的端子への電圧または電流の印加の時間は、スリップ電気コンタクトの寸法と、関連する電力端子に対するスリップ電気コンタクトの動きの速度とによって設計することができる。電源を測定部の一部とすることによってまたは別個の電源によって、測定部により電圧を印加し、電流を供給することが可能である。
【0038】
本発明の試験装置の或る実施形態において、各接触部材は、接触部材が関連する保持ユニット中のヴェポライザの少なくとも1つの電気的端子に電気的且つ機械的に接触している第1の位置と、接触部材が関連する保持ユニット中のヴェポライザの電気的端子に接触していない第2の位置との間で変位されるように構成される。
【0039】
例えば、ヴェポライザを保持ユニットの中に置き入れるため十分なスペースを設け、異なった位置の間で変位可能な接触部材を使用することが望まれることになろう。これらの位置の一方、ここでは第2の位置と言う、においては、ヴェポライザを保持ユニットの中に置き入れるための妨げのない通路が設けられるが、但し接触部材と加熱エレメントの電気的端子の少なくとも1つのとの間の接触は確保されておらず、一方、ヴェポライザが保持ユニット中に保持されたときに取ることが意図されている、これらの位置の他方、ここでは第1の位置と言う、においては、前記通路は妨げられるが、接触部材と加熱エレメントの電気的端子の少なくとも1つのとの間の接触は確保される。
【0040】
本発明の試験装置の或る実施形態において、各接触部材はカム軌道フォロアを含み、接触構造部の動きを受けて、接触部材は、接触部材のカム軌道フォロアに係合するカム軌道によって、第1の位置と第2の位置とにおよびそれらの間で位置付けられ、カム軌道フォロアは、カム軌道の部分に沿って動きながらカム軌道に対して移動する。
【0041】
このカム軌道は、接触部材の第1の位置と第2の位置との間の動きの時間および幅を制御するための簡単で信頼できる構造を提供する。
【0042】
本発明による試験装置の或る実施形態において、カム軌道は固定され、例えば、移動可能な接触構造部に対して固定される。固定カム軌道は、ほとんどメンテナンスおよび消耗部品の取り換えを必要としない単純な構造を有することが可能である。
【0043】
本発明による試験装置の或る実施形態において、保持ユニットは円形構造体を形成し、保持構造部は回転移動が可能で、これにより保持ユニットは回転方向に移動する。
【0044】
したがって、試験されるヴェポライザは、保持ユニットの軌道に沿った受け取り場所で保持構造部の保持ユニットに供給することができ、それに続いて、試験実施のため、保持ユニットの軌道の少なくとも部分に沿って回転方向に搬送される。回転式の保持構造部は比較的に簡単な構造とすることが可能で、回転方向に駆動するため、回転電気モータなどの単純な駆動体を必要とする。
【0045】
本発明による試験装置の或る実施形態において、接触構造部は、保持構造部と一緒に移動、具体的にはこれと一緒に回転方向に動くため保持構造部に固定される。
【0046】
本発明による試験装置の或る実施形態において、スリップコンタクトは、一緒に移動、具体的には一緒に回転方向に移動するため、保持構造部または接触構造部に固定される。
【0047】
本発明は、第2の態様において、電子タバコのためのヴェポライザを試験する方法を提供し、各ヴェポライザは、加熱エレメントと、加熱エレメントに電力を供給するため加熱エレメントに接続された電気的端子とを含む。本方法は、加熱エレメントに電力を供給するステップと、加熱エレメントの電気抵抗および/またはインダクタンスを表す少なくとも1つの電気量を測定するステップと、測定量を所定の範囲と比較し、測定量が範囲を外れている場合はそのヴェポライザを不合格にするステップとを含む。
【0048】
上記で説明したように、加熱エレメントの(電気)端子に電力を供給するステップは、加熱エレメントの電気的端子を電気接触部材に接触させることによって行うことができる。
【0049】
本発明の試験方法のある実施形態において、測定するステップは、加熱エレメントの電気的端子に所定のDC電圧を供給しながら、加熱エレメントを流れるDC電流を測定するステップ、または所定のDC電流を供給して加熱エレメントに流しながら、加熱エレメントの電気的端子でDC電圧を測定するステップ、または加熱エレメントの電気的端子でDC電圧を測定し、かつ加熱エレメントを流れるDC電流を測定するステップ、または加熱エレメントの電気的端子に所定のAC電圧を供給しながら、加熱エレメントを流れるAC電流を測定するステップ、または所定のAC電流を供給して加熱エレメントに流しながら、加熱エレメントの電気的端子でAC電圧を測定するステップ、または加熱エレメントの電気的端子でAC電圧を測定し、かつ加熱エレメントを流れるAC電流を測定するステップ、を含む。本測定ステップは、AC電圧またはAC電流の周波数を測定するステップをさらに含むことができる。
【0050】
本発明のこれらのおよび他の態様は、以下の詳細な説明を参照し添付の図面と併せ検討することによって、これらをよりよく理解しより容易に認識できよう。図中の同様な参照符号は同様な部品を指す。