(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
アームは、外側ニードルシールドに向かって延びるように構成され、アームの鋭い端部は、外側ニードルシールドに当接し、その結果、ペンキャップが取り外されるとき、アームの鋭い端部は外側ニードルシールドを穿孔し、該外側ニードルシールドを穿孔した後で内側ニードルシールドに係合し、その結果、内側および外側のニードルシールドの両方がペンキャップ内で保持される、請求項1に記載のペン注射デバイス。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、上述した問題を解決し、改善されたペン注射デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、液体薬剤を送達するためのペン注射デバイスであって、ペン本体と、ペン本体の第1の端部に受け入れられる針と、針を取り囲むように針の上に着脱可能に配置された内側ニードルシールドと、内側ニードルシールドを取り囲むように、内側ニードルシールドの上に着脱可能に配置された外側ニードルシールドと、外側ニードルシールドを取り囲むようにペン本体の第1の端部に着脱可能に取り付けられるペンキャップであって、キャップの内面から垂れ下がり(depending)ペン本体の第1の端部から遠ざかるように内側および外側のニードルシールドに向かって延びるアームを含み、アームは、鋭い端部を有し、キャップが本体から取り外されるとき、アームの鋭い端部が内側または外側のニードルシールドを把持し、それをキャップ内に保持し、針を露出する、ペンキャップと、を含むペン注射デバイスが提供される。
【0005】
従来の注射デバイスでは、デバイスの注射の準備を整えるために、使用者がキャップとニードルシールドを別々に取り外して針を露出させる必要がある。高齢または身体に障害のあるような虚弱な患者は、ニードルシールドのサイズが小さいことでそれらの取り扱いが難しいことから、キャップの取り外しよりもニードルシールドの取り外しをより難しく感じることがあることを理解されたい。本発明によれば、内側および外側のニードルシールドの両方がキャップの取り外しと同じ動作で同時に取り外され、したがって、虚弱な患者にとってデバイスの使用がより簡単になる。
【0006】
少なくとも1つの係合要素は、キャップの内面から延び外側ニードルシールドに当接係合するリブを含むことができる。
【0007】
アームは、内側ニードルシールドに係合するように延びることができる。
【0008】
キャップは、外側ニードルシールドに当接係合するようにキャップの内面から延びるリブをさらに含むことができる。
【0009】
キャップは、互いに対向して配置された2つのリブを含むことができ、その結果、ペンキャップが本体から取り外されるとき、外側シールドは、前記リブと外側シールドの摩擦係合によってキャップ内で保持される。
【0010】
したがって、外側シールドは、キャップが取り外されるときに、取り外される。
【0011】
アームは、キャップの内面から遠ざかるように付勢され、その結果、ペンキャップが取り外されるとき、アームの鋭い端部は、内側ニードルシールドに係合しそれを把持することができる。
【0012】
キャップは、第2のアームを含むことができ、アームおよび第2のアームは、互いに対向して配置され、その結果、ペンキャップが取り外されるとき、それぞれのアームの鋭い端部は、内側ニードルシールドを挟むように内側ニードルシールドに係合し、その結果、内側ニードルシールドはキャップ内で保持される
【0013】
したがって、内側シールドは、キャップが取り外されるときにやはりまた取り外され、したがって内側および外側のニードルシールドの両方が同時に取り外される。
【0014】
アームは、外側ニードルシールドに向かって延びるように構成され、アームの鋭い端部は、外側ニードルシールドに当接し、その結果、ペンキャップが取り外されるとき、アームの鋭い端部は外側ニードルシールドを穿孔し、外側ニードルシールド穿孔した後で内側ニードルシールドに係合し、その結果、内側および外側のニードルシールドの両方がキャップ内で保持される。
【0015】
したがって、アームは、内側および外側のニードルシールドの両方に係合し、その結果、内側および外側のニードルシールドは、キャップが取り外されるときに同時に取り外される。
【0016】
アームは、外側ニードルシールドに向かって付勢される。
【0017】
したがって、アームの鋭い端部は、外側ニードルシールドを把持し、それによって、キャップが取り外されるとき、アームの鋭い端部は外側ニードルシールドを貫通し、内側ニードルシールドに係合する。
【0018】
キャップは、第2のアームを含むことができ、アームおよび第2のアームは、互いに対向して配置され、それによって、ペンキャップが取り外されるとき、それぞれのアームの鋭い端部は外側ニードルシールドを穿孔し、内側ニードルシールドに係合して内側ニードルシールドを挟み、その結果、内側および外側のニードルシールドの両方がキャップ内で保持される。
【0019】
外側ニードルシールドは、アームの鋭い端部に隣接する壁厚の薄い領域を含むことができる。
【0020】
したがって、外側ニードルシールドを貫通するのに必要な力がより小さくて済み、したがってキャップを取り外すのに必要な力が減少する。これは、キャップを取り外すのに十分な力を及ぼすようにキャップを把持するのに苦心することがある、器用さの低下したまたは指の感覚が低下した患者のためになる。
【0021】
本発明によれば、液体薬剤のカートリッジを含む、上述したようなペン注射デバイスが提供される。
【0022】
したがって、本発明は、添付の図面を参照して次に述べられる実施形態からより十分に理解することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本明細書に記載の薬物送達デバイスは、薬剤を患者に注射するように構成される。たとえば、送達は、皮下、筋肉内、または静脈内であってよい。そのようなデバイスは、患者、または看護師もしくは内科医などの介護者によって操作され、様々なタイプの安全シリンジ、ペン注射器または自動注射器を含むことができる。デバイスは、使用前に、封止されているアンプルを穿孔する必要のあるカートリッジベースのシステムを含むことができる。これらの様々なデバイスにより送達される薬剤の量は、約0.5ml〜約2mlの範囲内であってよい。さらに他のデバイスは、「大」量(典型的には、約2ml〜約5ml)の薬剤を送達するために、ある時間にわたって(たとえば、約5、15、30、60または120分間)患者の皮膚に付着されるように構成される、大容量デバイス(「LVD」)またはパッチポンプを含むことができる。
【0025】
特定の薬剤と組み合わせて、上述したデバイスは、必要な仕様内で動作するようにカスタマイズすることができる。たとえば、デバイスは、ある時間をかけて(たとえば、自動注射器なら約3〜約20秒間、LVDなら約10分〜約60分間で)薬剤を注射するようにカスタマイズすることができる。他の仕様は、低いレベルまたは最低限のレベルの不便さ、すなわち人的要因、保存可能期間、満期、生体適合性、環境的考慮などに関する一定の条件に対する不便さを含むことがある。そのような変化は、たとえば粘度が約3cP〜約50cPの範囲の薬物など、様々な要因により起こることがある。したがって、薬物送達デバイスは、しばしば、サイズ約25〜約31ゲージの中空針を含むことになる。通常のサイズは27ゲージおよび29ゲージである。
【0026】
本明細書に記載の送達デバイスは、1つまたはそれ以上の自動化された機能を含むこともできる。たとえば、針の挿入、薬剤の注射および針の後退のうちの1つまたはそれ以上を自動化することができる。1つまたはそれ以上の自動化工程のためのエネルギーは、1つまたはそれ以上のエネルギー源によってもたらされる。エネルギー源は、たとえば、機械、空気、化学または電気エネルギーを含むことができる。たとえば、機械エネルギー源は、ばね、レバー、エラストマー、または、エネルギーを蓄えるもしくは解放する他の機械機構を含むことができる。1つまたはそれ以上のエネルギー源は、単一デバイスに組み合わせられてもよい。デバイスは、さらに、ギア、弁またはエネルギーをデバイスの1つもしくはそれ以上の構成要素の動きに変換する他の機構を含むことができる。
【0027】
自動注射器の1つまたはそれ以上の自動化された機能は、起動機構を介してそれぞれ起動される。そのような起動機構は、ボタン、レバー、針スリーブまたは他の起動構成要素のうちの1つまたはそれ以上を含むことができる。自動化された機能の起動は、単一工程または複数工程からなるプロセスであってよい。すなわち、使用者は、自動化された機能を引き起こすために、1つまたはそれ以上の起動構成要素を起動させる必要がある。たとえば、単一工程プロセスでは、使用者は、薬剤の注射を引き起こすために、身体に対して針スリーブを押し下げることができる。他のデバイスは、自動化された機能の複数工程の起動を必要とすることがある。たとえば、使用者は、注射を引き起こすために、ボタンを押し下げ、ニードルシールドを後退させる必要があることがある。
【0028】
さらに、自動化された機能の起動は、その後の1つまたはそれ以上の自動化された機能を起動させることができ、それによって起動シーケンスが形成される。たとえば、第1の自動化された機能の起動は、針の挿入、薬剤の注射および針の後退のうちの少なくとも2つを起動させることができる。デバイスのなかには、1つまたはそれ以上の自動化された機能が行われるようにする特定の工程のシーケンスを必要とするものもある。他のデバイスは、独立した工程のシーケンスにより動作することができる。
【0029】
送達デバイスのなかには、安全シリンジ、ペン注射器または自動注射器の1つまたはそれ以上の機能を含むことができるものもある。たとえば、送達デバイスは、(典型的には自動注射器で見られるような)薬剤を自動的に注射するように構成された機械エネルギー源と、(典型的にはペン注射器で見られるような)用量設定機構とを含むことができる。
【0030】
図1Aおよび
図1Bには、本開示のいくつかの実施形態による例示的な薬物送達デバイス10が示されている。デバイス10は、上述したように、薬剤を患者の体内に注射するように構成される。デバイス10は、ハウジング11を含む。ハウジング11は、典型的には、注射予定の薬剤を含むリザーバ(たとえば、シリンジ)と、送達プロセスの1つまたはそれ以上の工程を円滑化するのに必要な構成要素とを含む。デバイス10は、さらに、ハウジング11に取り外し可能に取り付けることができるキャップアセンブリ12を含むことができる。典型的には、使用者は、デバイス10を動作可能にする前に、キャップ12をハウジング11から除去しなければならない。
【0031】
図示のように、ハウジング11は、長手方向軸Xに沿って、実質的に円筒形であり、実質的に一定の直径を有する。ハウジング11は、遠位領域20と、近位領域21とを有する。用語「遠位」は、注射部位に相対的により近い位置を示し、用語「近位」は、注射部位から相対的にさらに遠くの位置を示す。
【0032】
デバイス10は、さらに、針スリーブ13を含むことができる。針スリーブ13は、ハウジング11に対してスリーブ13が動くことができるようにハウジング11に連結される。たとえば、スリーブ13は、長手方向軸Xに対して平行な長手方向に動くことができる。具体的には、スリーブ13が近位方向に動かされることで、針17は、ハウジング11の遠位領域20から延びることができる。
【0033】
針17の挿入は、いくつかの機構により行われる。たとえば、針17は、ハウジング11に対して固定的に配置され、最初は、延長された針スリーブ13内に位置している。患者の身体にスリーブ13の遠位端を当ててハウジング11を遠位方向に動かすと、スリーブ13が近位方向に動き、それによって針17の遠位端が現れる。このような相対的な動きによって、針17の遠位端は、患者の体内へと延びることが可能になる。そのような挿入は、患者がスリーブ13に対してハウジング11を手動で動かすことで針17が手動で挿入されることから、「手動」挿入と呼ばれる。
【0034】
挿入の他の形態は、針17がハウジング11に対して、「自動的に」動く。そのような挿入は、スリーブ13の動きによって、またはたとえばボタン22などの他の起動形態によって、トリガされる。
図1Aおよび
図1Bに示されるように、ボタン22は、ハウジング11の近位端に位置する。しかし、他の実施形態では、ボタン22は、ハウジング11の側面に位置してもよい。
【0035】
他の手動または自動の機能は、薬物の注射、針の後退またはその両方を含むことができる。注射は、薬剤をシリンジから針17を通って押し出すために、栓またはピストン23がシリンジ(図示せず)内の近位位置からよりシリンジ内の遠位の位置まで動かされるプロセスである。いくつかの実施形態では、駆動ばね(図示せず)は、デバイス10が起動される前は圧縮状態にある。駆動ばねの近位端は、ハウジング11の近位領域21内に固定され、駆動ばねの遠位端は、ピストン23の近位面に圧縮力を加えるように構成される。駆動ばねが駆動されると、それに蓄えられていた(stored)エネルギーの少なくとも一部がピストン23の近位面に加えられる。この圧縮力は、ピストン23に作用し、それによってピストン23は遠位方向に動かされる。そのような遠位方向運動は、シリンジ内の液体薬剤を圧縮するように働き、それによって液体薬剤は針17を通って押し出される。
【0036】
注射の後、針17は、スリーブ13内またはハウジング11内に後退することができる。後退は、使用者が患者の身体からデバイス10を取り除いたとき、スリーブ13が遠位方向に動いたときに行われる。これは、針17がハウジング11に対して固定的に配置されたままで行われる。スリーブ13の遠位端が針17の遠位端を越えて動かされ針17を覆うと、スリーブ13はロックされる。そのようなロックすることは、ハウジング11に対するスリーブ13のあらゆる近位方向運動をロックすることを含むことができる。
【0037】
針17がハウジング11に対して動かされる場合、別の形態で針の後退が行われる。そのような動きは、ハウジング11内のシリンジがハウジング11に対して近位方向に動かされた場合に行われる。この近位方向運動は、遠位領域20に位置する後退ばね(図示せず)を用いることによって達成することができる。圧縮状態にある後退ばねは、起動されると、シリンジにそれを近位方向に動かすのに十分な力を供給することができる。十分な後退の後、針17とハウジング11との間のいかなる相対運動もロッキング機構によってロックされる。さらに、ボタン22またはデバイス10の他の構成要素を必要に応じてロックすることができる。
【0038】
本明細では、参照のため、
図2に示されるような典型的なペン注射器101についてより詳細に述べる。ペン注射器101は、近位領域21(
図2の上方端)と、遠位領域20(
図2の下方端)とを有する。
【0039】
本開示のいくつかの実施形態によれば、
図3Aには、手動で操作されるペン注射器101の構成要素部材がより詳細に示されている。ペン注射器101は、注射器キャップ24と、外側ニードルシールド30と、内側ニードルシールド40と、ニードルホルダ50と、カートリッジホルダ60と、薬剤カートリッジ70と、プランジャ機構80と、外側ハウジング90と、投薬ボタン100とを含む。
【0040】
図3Bに示されるカートリッジホルダ60は、実質的に管状であり、薬剤カートリッジ70を受けるためにカートリッジホルダ60の近位端に形成された開口部65を含む一定直径セクション61を有する。カートリッジホルダ60は、外側ねじ山63が上に設けられた、遠位端まで延びる小径セクション62をさらに含む。一定直径セクション61の一部分は、透明なパネル、本明細書では窓64を備え、したがって、使用者は、カートリッジ70内に残っている薬剤の量を判定するためにカートリッジホルダ60を通して見ることができる。
【0041】
図3Cに示される薬剤カートリッジ70は、液体薬剤を収納するための管状容器である。カートリッジ70は、第1の直径セクション71と、第2の直径セクション72とを含む。第1の直径セクション71は、第1の直径セクション71の外面がカートリッジホルダ60の一定直径セクション61の内面に軽く当接するように、カートリッジホルダ60の一定直径セクション61内に確実に嵌められる。第1の直径セクション71は、円柱形ゴムストッパ73を受け入れる開近位端を有する。円柱形ゴムストッパ73は、カートリッジ70の近位端を封止するように第1の直径セクション71の内面にしっかり当接する外面を有する。第2の直径セクション72は、カートリッジ70の遠位端まで延び、カートリッジ70の第2の直径セクション72がカートリッジホルダ60の小径セクション62内に嵌るように、第1の直径セクション71よりも小さな直径を有する。
【0042】
図3Dおよび
図3Eは、ニードルホルダ50および外側ニードルシールド30をそれぞれ示しており、それらは以下により詳細に述べられる。
【0043】
次に、
図4を参照して、図面は、組み立て済みの注射ペン101の部分断面図である。図面から、薬剤カートリッジ70の第2の直径セクション72は、リップ74をさらに含むことが見られる。リップ74は、第2の直径セクション72を越えて外方に、第2の直径セクション72の円周全体にわたって延びる。リップ74は、カートリッジ70の遠位端の開口部75に隣接して配置され、縁を提供し、その縁の上にゴムキャップ76がカートリッジ70を封止するために配置される。
【0044】
ゴムキャップ76は、ディスク状部分77を有する。ディスク状部分77は、カートリッジ70の遠位端に当接し、カートリッジ70を封止するように開口部75の上に位置する。針51は、カートリッジ70の内部と連通するようにディスク状部分77を通って受けられ、導管を提供し、薬剤が患者の皮下領域に送達されるとき、投薬中に液体薬剤がその導管に沿って移動することができる。ゴムキャップ76の円筒形壁部78は、ディスク状部分77の外縁の周りに延び、ゴムキャップ76をカートリッジ70に対してしっかり当接した状態で保持するように、カートリッジ70のリップ74の上に配置される。
【0045】
図4から見られるように、ゴムキャップ76の円筒形壁部78の外面は、カートリッジホルダ60の小径セクション62の内面に接するように配置される。それぞれの面は、互いにしっかり当接し、したがってカートリッジ70は、カートリッジホルダ60内に確実に保持される。さらに、図面から、針51は、ゴムキャップ76のディスク状部分77を貫通し、カートリッジ70の遠位端に設けられた開口部75を通って受けられ、カートリッジ70の内部と連通することが見られる。
【0046】
針51は、
図3Dに示されるニードルホルダ50によって定位置に固定される。ニードルホルダ50は、本明細書に記載されるように、カートリッジホルダ60の小径セクション62に接して配置される。ニードルホルダ50は、内側ねじ山を含む円筒形壁部を有する管状ねじ付き部分52を含む。ねじ付き部分52は、カートリッジホルダ60の外側ねじ山63にねじ係合することによってカートリッジホルダ60の小径セクション62の上に位置するように構成される。ニードルホルダ50の針支持部分53は、円筒形壁部の遠位端を閉じ、円筒形壁部に対して軸方向位置に針51を支持する。針51は、
図4に示されるように、針支持部分53を通って、カートリッジ70内へと延びる。
【0047】
ショルダ54は、デバイスが使用されていないときは内側ニードルシールド40に接して位置するように、針支持部分53上に設けられる。ショルダ54は、針51が針支持部分53にそこで交わる、針51の周りに延び、内側ニードルシールド40が上に配置された円筒形突出部を提供す。
【0048】
内側ニードルシールド40は、管状であり、開近位端と、閉遠位端とを含む。内側ニードルシールド40の直径は、前記ニードルシールド40の内面がニードルホルダ50のショルダ54にしっかり当接しその上に前記ニードルシールド40が確実に位置するような直径である。こうして内側ニードルシールド40が配置されると、針51は完全に取り囲まれる。
【0049】
図3Eに示される外側ニードルシールド30は、ニードルホルダ50に接して位置するように、内側ニードルシールド40の上に配置される。外側ニードルシールド30は、管状であり、開近位端と、閉遠位端とを有する。外側ニードルシールド30は、近位端と連結セクション32との間に延びる第1の直径を有する近位セクション31を含む。連結セクション32は、遠位端まで延びる遠位セクション33に向かって収束する。遠位セクション33は、第1の直径よりも小さな第2の直径を有する。近位セクション31は、ニードルホルダ50の円筒形壁部の外面の上に位置し、近位セクション31の直径は、前記近位セクション31の内面がニードルホルダの管状部分52の外面にしっかり当接しその上に外側ニードルシールド30が確実に位置するような直径である。遠位セクション33の直径は、遠位セクション33の内面が、内側ニードルシールド40の外面に軽く当接するような直径である。
【0050】
外側ハウジング90は、管状であり、開遠位端と開近位端とを含む。カートリッジホルダ60の近位端は、外側ハウジング90の遠位端に受け入れられ、ねじ係合によってその内部で保持される。プランジャ機構80は、外側ハウジング90内に摺動可能に配置され、投薬の間、ゴムストッパ73をカートリッジ70の下へと変位させるように、ゴムストッパ73の上に軸方向負荷を及ぼすように構成される。ボタン100は、プランジャ機構80を動作させるように設けられ、ハウジング90の近位開口部から突出して配置される。ボタン100によって、デバイスの使用者は、投薬の間に送達予定の液体薬剤の必要な用量を設定することが可能になる。そのようなデバイスのよくある例では、用量は、ボタン100がハウジング90の軸の周りに回転するようにボタン100を回すことで設定される。そのような例では、プランジャ機構80は、ねじ付きバー81を含む。ねじ付きバー81は、外側ハウジングおよびプランジャスリーブ82の中を通って延びる。プランジャスリーブ82は、ハウジング90内に配置され、ねじ付きバー81の上に部分的に延びる。プランジャスリーブ82は、管状であり、内側ねじ山を含み、その長さの遠位部分に沿ってねじ付きバー81にねじ係合している。プランジャスリーブ82の近位部分は、ハウジング90の近位開口部まで延び、そこでボタン100に機械的に連結されている。したがって、ボタン100の回転によって、スリーブ82は、ねじ付きバー81に対して逆行し(react against)、ねじ付きバー81に沿って変位させられる。ボタン100は、スリーブ82の近位部分がハウジング90の近位開口部から延ばされるような方向に回転することができる。クリッカは、ボタン100が回転すると音響および触覚のフィードバックをもたらし、投薬について選択された用量を示す。用量の選択後、投薬は、ボタン100に軸方向負荷を加え、ボタン100をハウジング90の近位開口部に向かって変位させて戻すことによって実行することができる。この軸方向負荷は、ボタン100からスリーブ82を介してねじ付きバー81に伝わり、さらにねじ付きバー81からカートリッジ70に受け入れられているゴムストッパ73に伝わる。
【0051】
注射器キャップ24は、外側ハウジング90の遠位端に着脱可能に取り付けられる。キャップ24は、管状形状であり、開近位端と、閉遠位端とを有する。外側ハウジングの遠位端は、ペンキャップの開近位端に受け入れられ、したがってキャップ24の内面は、外側ハウジング90の外面に当接する。キャップ24は、カートリッジホルダ60、針51および関連のニードルシールド40、30を取り囲む。
【0052】
図5〜
図7に示される本発明の実施形態によれば、ペンキャップは、係合要素110をさらに含む。係合要素110は、キャップ24が外側ハウジング90から取り外されるとき、内側ニードルシールド40および外側ニードルシールド30に係合する。したがって、キャップが外側ハウジング90から取り外されるとき、前記内側および外側のニードルシールド40/30は、キャップ24内で保持され、針51が露出される。
【0053】
図5Aおよび
図5Bに示される本発明の第1の実施形態によれば、係合要素110は、キャップ24が取り外されると内側ニードルシールド40に係合する2本のアーム111を含む。アーム111は、キャップ24と、カートリッジホルダ60との間に配置されている。各アーム111は、キャップ24の内面からキャップ24の遠位端に向かって遠ざかるように斜めに延びる細長い針様突出部であり、鋭く尖った先端116に向けて細くなるテーパ状セクション112を含む。アーム111は、アームのベースセクション114がその中へと延びるくぼんだポケット113によってペンキャップの内面に固定されている。
【0054】
係合要素は、キャップ24の遠位端に隣接するキャップ24の内面から延びる少なくとも2つのリブ115をさらに含む。各リブ115は、キャップ24の内面から径方向に延び、外側ニードルシールド30に対してしっかり当接している。リブ115は、互いに対向して配置されており、したがって外側ニードルシールド30は、リブ115によってしっかり把持されている。したがって、外側ニードルシールド30は、キャップ24がハウジング90から取り外されるとき、キャップ24内で保持される。
【0055】
この実施形態の一例では、アーム111は、アーム111の先端がキャップ24の内面から離れるように付勢されるように、反ることができる。この実施形態のそのような例では、アーム111は、くぼんだポケット113内に確実に位置し、アーム111のテーパ状部分112がカートリッジホルダ60に当接するように、内方に片持ち梁型である。したがって、キャップ24および外側ニードルシールド30が取り外されるとき、テーパ状部分112は、ニードルホルダ50の管状部分52の上を通過し、内側ニードルシールド40に向かって曲がる。アーム111の尖った先端116は、内側ニードルシールド40に接触し、それによってアーム111は内側ニードルシールド40を把持する。アーム111は、互いに対向して配置されており、したがってキャップ24の取り外しによって、内側ニードルシールド40は、それぞれのアーム111の互いに対向する尖った先端116の間に挟まれる。したがって、内側ニードルシールド40は、キャップ24が注射器ハウジング90から取り外されるとき、キャップ24内に保持される。
【0056】
キャップ24が本発明の第1の実施形態に従ってハウジング90から取り外される場合、内側および外側のニードルシールド40/30は、
図5Bに示されるように、キャップ24内で保持される。
【0057】
図5Aおよび
図5Bでは、2本のアーム111だけが示されているが、この実施形態の他の例では、2本よりも多いアーム111が設けられることを理解されたい。そのような一例では、2対のアーム111が設けられ、各対の各アーム111は、互いに反対に配置され、その結果、キャップ24が取り外されるとき、内側ニードルシールド40がそれぞれの対のアーム111の互いに対向する尖った先端116の間に挟まれる。
【0058】
図6Aおよび
図6Bに示される本発明の第2の実施形態では、アーム111は、キャップ24が取り外されるとき、内側および外側のニードルシールド40/30の両方に係合するように構成される。第1の実施形態におけるように、各アーム111は、キャップ24の内面からキャップ24の遠位端に向かって遠ざかるように斜めに延び、鋭く尖った先端116の方に細くなるテーパ状部分112を含む。アーム111は、アーム111のベースセクション114がその中へと延びるくぼんだポケット113によってキャップ24の内面に固定されている。この実施形態では、アーム111は、キャップ24と、外側ニードルシールド30の遠位セクション33との間に配置されており、したがってアームの尖った先端116は、外側ニードルシールド30を把持するように外側ニードルシールド30の遠位セクション33に当接している。アーム111は、互いに対向して配置され、その結果、キャップ24の取り外しによって、外側ニードルシールド30は、それぞれのアーム111の互いに対向する尖った先端116の間に挟まれる。キャップ24が取り外されるとき、アーム111の先端116は、外側ニードルシールド30を通って外側ニードルシールド30を通って延び、内側ニードルシールド40を把持する。したがって、内側および外側のニードルシールド40/30は、キャップ24がハウジング90から取り外されるとき、キャップ24内で保持される。
【0059】
アーム111が外側ニードルシールド30に対して配置される角度A1は、キャップ24の取り外しに使用される十分な軸方向の分力がアーム111によって外側ニードルシールド30に伝えられ、それによって、外側ニードルシールド30の貫通が引き起こされることが確実になるような角度に構成されることを理解されたい。角度A1が小さすぎると、外側ニードルシールド30の貫通を行うには不十分な力しかアーム111を介して伝えられなくなる。
【0060】
本発明の第2の実施形態に従ってハウジング90からキャップ24が取り外される場合、内側および外側のニードルシールド40/30は、
図6Bに示されるように、キャップ24内で保持される。
【0061】
図6Aおよび
図6Bでは、2本のアーム111だけが示されているが、この実施形態の他の例では、2本よりも多いアーム111が設けられることを理解されたい。そのような一例では、2対のアーム111が設けられ、各対の各アーム111は、互いに対向して配置され、その結果、キャップ24の取り外しによって外側ニードルシールド30がそれぞれの対のアーム111の互いに対向する尖った先端116の間に挟まれる。
【0062】
図7に示される本発明の第3の実施形態によれば、外側ニードルシールド30の遠位部分33は、壁厚の薄い領域34を含む。この実施形態では、単一のアーム111が設けられる。アーム111は、キャップ24の内面からキャップ24の遠位端に向かって遠ざかるように斜めに延び、鋭く尖った先端116の方に細くなるテーパ状部分112を含む。アーム111は、アーム111のベースセクション114がその中へと延びるくぼんだポケット113によってキャップ24の内面に固定されている。アーム111は、キャップ24と、外側ニードルシールド30の遠位セクション33との間に配置されており、アーム111の尖った先端116は、壁厚の薄い領域34に当接している。キャップ24が取り外されるとき、アーム111の先端116は、外側ニードルシールド30の壁厚の薄い領域34を貫通し、外側ニードルシールド30の中を通って延びて内側ニードルシールド40を把持する。したがって、外側および内側のニードルシールド30/40は、キャップ24がハウジング90から取り外されるとき、キャップ24内で保持される。
【0063】
第3の実施形態のアーム111が外側ニードルシールド30の壁厚の薄い領域34を貫通するのに必要な力は、第1および第2の実施形態の外側ニードルシールド30を貫通するのに必要な力よりも実質的に小さいことを理解されたい。したがって、有利には、第3の実施形態のキャップ24の取り外しに必要な軸方向力は、第1または第2の実施形態のキャップ24を取り外すのに必要な力よりも小さい。
【0064】
図7に示される実施形態は、単一のアーム111に限定されないことを理解されたい。この実施形態のさらなる例では、1本以上のアーム111が設けられ、各アーム111の尖った先端116は、それぞれの壁厚の薄い領域34に当接する。
【0065】
用語「薬物」または「薬剤」は、本明細書において同意語として使用され、1つまたはそれ以上の医薬品有効成分または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物と、場合により、薬学的に許容される担体とを含む医薬製剤を示す。医薬品有効成分(「API」)とは、最も広範な言い方で、ヒトまたは動物に生物学的影響を及ぼす化学構造のことである。薬理学では、薬物または薬剤が、疾患の処置、治療、予防、または診断に使用され、またはそれとは別に、身体的または精神的健康を向上させるために使用される。薬物または薬剤は、限られた継続期間、または慢性疾患では定期的に、使用される。
【0066】
以下に説明されるように、薬物または薬剤は、1つまたはそれ以上の疾患を処置するための、様々なタイプの製剤の少なくとも1つのAPI、またはその組み合わせを含むことができる。APIの例としては、分子量が500Da以下である低分子;ポリペプチド、ペプチド、およびタンパク質(たとえばホルモン、成長因子、抗体、抗体フラグメント、および酵素);炭水化物および多糖類;ならびに核酸、二本鎖または一本鎖DNA(裸およびcDNAを含む)、RNA、アンチセンスDNAおよびRNAなどのアンチセンス核酸、低分子干渉RNA(siRNA)、リボザイム、遺伝子、およびオリゴヌクレオチドが含まれ得る。核酸は、ベクター、プラスミド、またはリポソームなどの分子送達システムに組み込まれる。1つまたはそれ以上の薬物の混合物もまた企図される。
【0067】
用語「薬物送達デバイス」は、薬物または薬剤をヒトまたは動物の体内に投薬するように構成されたあらゆるタイプのデバイスまたはシステムを包含するものである。それだけには限らないが、薬物送達デバイスは、注射デバイス(たとえばシリンジ、ペン型注射器、自動注射器、大容量デバイス、ポンプ、潅流システム、または眼内、皮下、筋肉内、もしくは血管内送達にあわせて構成された他のデバイス)、皮膚パッチ(たとえば、浸透圧性、化学的、マイクロニードル)、吸入器(たとえば鼻用または肺用)、埋め込み型デバイス(たとえば、薬物またはAPIコーティングされたステント、カプセル)、または胃腸管用の供給システムとすることができる。ここで説明される薬物は、たとえば24以上のゲージ数を有する、たとえば皮下針である針を含む注射デバイスでは特に有用であり得る。
【0068】
薬物または薬剤は、薬物送達デバイスで使用するように適用された主要パッケージまたは「薬物容器」内に含まれる。薬物容器は、たとえば、カートリッジ、シリンジ、リザーバ、または1つもしくはそれ以上の薬物の保存(たとえば短期または長期保存)に適したチャンバを提供するように構成された他の固体もしくは可撓性の容器とすることができる。たとえば、場合によって、チャンバは、少なくとも1日(たとえば1日から少なくとも30日まで)の間薬物を収納するように設計される。場合によって、チャンバは、約1カ月から約2年の間薬物を保存するように設計される。保存は、室温(たとえば約20℃)または冷蔵温度(たとえば約−4℃から約4℃まで)で行うことができる。場合によって、薬物容器は、投与予定の医薬製剤の2つまたはそれ以上の成分(たとえばAPIおよび希釈剤、または2つの異なるタイプの薬物)を別々に、各チャンバに1つずつ保存するように構成された二重チャンバカートリッジとすることができ、またはこれを含むことができる。そのような場合、二重チャンバカートリッジの2つのチャンバは、ヒトまたは動物の体内に投薬する前、および/または投薬中に2つまたはそれ以上の成分間で混合することを可能にするように構成される。たとえば、2つのチャンバは、これらが(たとえば2つのチャンバ間の導管によって)互いに流体連通し、所望の場合、投薬の前にユーザによって2つの成分を混合することを可能にするように構成される。代替的に、またはこれに加えて、2つのチャンバは、成分がヒトまたは動物の体内に投薬されているときに混合することを可能にするように構成される。
【0069】
本明細書において説明される薬物送達デバイス内に含まれる薬物または薬剤は、数多くの異なるタイプの医学的障害の処置および/または予防に使用される。障害の例としては、たとえば、糖尿病、または糖尿病性網膜症などの糖尿病に伴う合併症、深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症が含まれる。障害の別の例としては、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、がん、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症および/または関節リウマチがある。APIおよび薬物の例としては、たとえば、それだけには限らないが、ハンドブックのRote Liste 2014、主グループ12(抗糖尿病薬物)または主グループ86(腫瘍薬物)、およびMerck Index、第15版などに記載されているものがある。
【0070】
1型もしくは2型の糖尿病、または1型もしくは2型の糖尿病に伴う合併症の処置および/または予防のためのAPIの例としては、インスリン、たとえばヒトインスリン、またはヒトインスリン類似体もしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、GLP−1類似体もしくはGLP−1受容体アゴニスト、またはその類似体もしくは誘導体、ジペプチジルペプチダーゼ−4(DPP4)阻害剤、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物、またはそれらの任意の混合物が含まれる。本明細書において使用される用語「類似体」および「誘導体」は、元の物質と構造的に十分に類似しており、それによって同様の機能または活性(たとえば治療効果性)を有することができる任意の物質を指す。特に、用語「類似体」は、天然のペプチドの構造、たとえばヒトのインスリンの構造から、天然のペプチド中に見出される少なくとも1つのアミノ酸残基を欠失させるおよび/もしくは交換することによって、ならびに/または少なくとも1つのアミノ酸残基を付加することによって式上で得られる分子構造を有するポリペプチドを指す。付加および/または交換されるアミノ酸残基は、コード可能なアミノ酸残基、または他の天然の残基もしくは完全に合成によるアミノ酸残基とすることができる。インスリン類似体は「インスリン受容体リガンド」とも呼ばれる。特に、用語「誘導体」は、1つまたはそれ以上の有機置換基(たとえば、脂肪酸)が1つまたはそれ以上のアミノ酸に結合している、天然のペプチドの構造、たとえばヒトのインスリンの構造から式上で得られる分子構造を有するポリペプチドを指す。場合により、天然のペプチド中に見出される1つまたはそれ以上のアミノ酸が、欠失され、かつ/もしくはコード不可能なアミノ酸を含む他のアミノ酸によって置換されていてもよく、または、コード不可能なアミノ酸を含むアミノ酸が、天然のペプチドに付加されていてもよい。
【0071】
インスリン類似体の例としては、Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)ヒトインスリン(インスリングラルギン);Lys(B3),Glu(B29)ヒトインスリン(インスリングルリジン);Lys(B28),Pro(B29)ヒトインスリン(インスリンリスプロ);Asp(B28)ヒトインスリン(インスリンアスパルト);B28位におけるプロリンがAsp、Lys、Leu、Val、またはAlaで置き換えられており、B29位において、LysがProで置換されているヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリンおよびDes(B30)ヒトインスリンがある。
【0072】
インスリン誘導体の例としては、たとえば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;Lys(B29)(N−テトラデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン(インスリンデテミル、Levemir(登録商標))、B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイルヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ω−カルボキシヘプタデカノイル−γ−L−グルタミル−des(B30)ヒトインスリン(インスリンデグルデク、Tresiba(登録商標))、B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、およびB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンがある。
【0073】
GLP−1、GLP−1類似体およびGLP−1受容体アゴニストの例としては、たとえば、リキシセナチド(Lyxumia(登録商標)、エキセナチド(エキセンディン−4、Dyetta(登録商標)、Bydureon(登録商標)、アメリカドクトカゲの唾液腺によって産生される39アミノ酸ペプチド)、リラグルチド(Victoza(登録商標))、セマグルチド、タスポグルチド、アルビグルチド(Syncria(登録商標))、デュラグルチド(Trulicity(登録商標))、rエキセンディン−4、CJC−1134−PC、PB−1023、TTP−054、ラングレナチド/HM−11260C、CM−3、GLP−1エリゲン(Eligen)、ORMD−0901、NN−9924、NN−9926、NN−9927、ノデキセン(Nodexen)、ビアドール(Viador)−GLP−1、CVX−096、ZYOG−1、ZYD−1、GSK−2374697、DA−3091、MAR−701、MAR709、ZP−2929、ZP−3022、TT−401、BHM−034、MOD−6030、CAM−2036、DA−15864、ARI−2651、ARI−2255、エキセナチド−XTENおよびグルカゴン−Xtenがある。
【0074】
オリゴヌクレオチドの例としては、たとえば:家族性高コレステロール血症の処置のためのコレステロール低下アンチセンス治療薬である、ミポメルセンナトリウム(Kynamro(登録商標))がある。
【0075】
DPP4阻害剤の例としては、ビルダグリプチン、シタグリプチン、デナグリプチン、サキサグリプチン、ベルベリンがある。
【0076】
ホルモンの例としては、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(ソマトロピン)、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、およびゴセレリンなどの、脳下垂体ホルモンまたは視床下部ホルモンまたは調節性活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニストが含まれる。
【0077】
多糖類の例としては、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、もしくは超低分子量ヘパリン、またはそれらの誘導体、または上述の多糖類の硫酸化形態、たとえば、ポリ硫酸化形態、および/または、薬学的に許容されるそれらの塩が含まれる。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容される塩の例としては、エノキサパリンナトリウムがある。ヒアルロン酸誘導体の例としては、ハイランG−F20(Synvisc(登録商標))、ヒアルロン酸ナトリウムがある。
【0078】
本明細書において使用する用語「抗体」は、免疫グロブリン分子またはその抗原結合部分を指す。免疫グロブリン分子の抗原結合部分の例には、抗原を結合する能力を保持するF(ab)およびF(ab’)
2フラグメントが含まれる。抗体は、ポリクローナル、モノクローナル、組換え型、キメラ型、非免疫型またはヒト化、完全ヒト型、非ヒト型(たとえばネズミ)、または一本鎖抗体とすることができる。いくつかの実施形態では、抗体はエフェクター機能を有し、補体を固定することができる。いくつかの実施形態では、抗体は、Fc受容体と結合する能力が低く、または結合することはできない。たとえば、抗体は、アイソタイプもしくはサブタイプ、抗体フラグメントまたは変異体とすることができ、これはFc受容体との結合を支持せず、たとえば、突然変異した、または欠失したFc受容体結合領域を有する。用語の抗体はまた、四価二重特異性タンデム免疫グロブリン(TBTI)および/または交差結合領域の配向性を有する二重可変領域抗体様結合タンパク質(CODV)に基づく抗体結合分子を含む。
【0079】
用語「フラグメント」または「抗体フラグメント」は、全長抗体ポリペプチドを含まないが、抗原と結合することができる全長抗体ポリペプチドの少なくとも一部分を依然として含む、抗体ポリペプチド分子(たとえば、抗体重鎖および/または軽鎖ポリペプチド)由来のポリペプチドを指す。抗体フラグメントは、全長抗体ポリペプチドの切断された部分を含むことができるが、この用語はそのような切断されたフラグメントに限定されない。本発明に有用である抗体フラグメントは、たとえば、Fabフラグメント、F(ab’)
2フラグメント、scFv(一本鎖Fv)フラグメント、直鎖抗体、単一特異性抗体フラグメント、または二重特異性、三重特異性、四重特異性および多重特異性抗体(たとえば、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ)などの多重特異性抗体フラグメント、一価抗体フラグメント、または二価、三価、四価および多価抗体などの多価抗体フラグメント、ミニボディ、キレート組換え抗体、トリボディまたはバイボディ、イントラボディ、ナノボディ、小モジュラー免疫薬(SMIP)、結合ドメイン免疫グロブリン融合タンパク質、ラクダ化抗体、およびVHH含有抗体を含む。抗原結合抗体フラグメントのさらなる例が当技術分野で知られている。
【0080】
用語「相補性決定領域」または「CDR」は、特異的抗原認識を仲介する役割を主に担う重鎖および軽鎖両方のポリペプチドの可変領域内の短いポリペプチド配列を指す。用語「フレームワーク領域」は、CDR配列ではなく、CDR配列の正しい位置決めを維持して抗原結合を可能にする役割を主に担う重鎖および軽鎖両方のポリペプチドの可変領域内のアミノ酸配列を指す。フレームワーク領域自体は、通常、当技術分野で知られているように、抗原結合に直接的に関与しないが、特定の抗体のフレームワーク領域内の特定の残基が、抗原結合に直接的に関与することができ、またはCDR内の1つまたはそれ以上のアミノ酸が抗原と相互作用する能力に影響を与えることができる。
【0081】
抗体の例としては、アンチPCSK−9mAb(たとえばアリロクマブ)、アンチIL−6mAb(たとえばサリルマブ)、およびアンチIL−4mAb(たとえばデュピルマブ)がある。
【0082】
本明細書において説明される任意のAPIの薬学的に許容される塩もまた、薬物送達デバイスにおける薬物または薬剤の使用に企図される。薬学的に許容される塩は、たとえば酸付加塩および塩基性塩である。
【0083】
本明細書に記載のAPI、配合、装置、方法、システムおよび実施形態の様々な構成要素の改変(追加および/または削除)は、本発明の全範囲および趣旨から逸脱することなく行うことができ、本発明は、そのような改変、および本発明のあらゆる均等物もすべて包含することが当業者には理解されよう。