(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
メモリからの命令を実行するためのプロセッサを少なくとも含むコンピューティングデバイスによって行なわれる、コンピュータにより実現される方法であって、前記方法は、
グリッドヘッドエンドデバイスを介して配電網から収集された測定メーターデータを検証するために、プロセッサを介して、ユーザによる検証アルゴリズムのカスタム構成を容易にするグラフィカルユーザインターフェイスを提供するステップと、
非ピーク時間中、ピーク時間から処理をオフロードするために、前記プロセッサを介して、データベースデバイスから履歴使用量データにアクセスするステップとを備え、前記履歴使用量データは、前記グリッドヘッドエンドデバイスを介して前記配電網から前もって収集され、前記データベースデバイスに格納されており、前記非ピーク時間は、前記測定メーターデータが検証のために受信および処理されていない期間に対応し、前記ピーク時間は、前記測定メーターデータが検証のために受信および処理されている別の期間に対応し、前記方法はさらに、
前記非ピーク時間中、前記ピーク時間から処理をオフロードするために、前記プロセッサを介して、前記履歴使用量データから統計データを生成し、前記統計データをメモリに格納するステップと、
前記ピーク時間中、前記プロセッサを介して、前記グリッドヘッドエンドデバイスから前記測定メーターデータを受信し、前記メモリから前記統計データにアクセスするステップと、
前記検証アルゴリズムが前記ユーザによって構成された後で、前記ピーク時間中、合否データを生成するために前記プロセッサを介して前記検証アルゴリズムを前記統計データおよび前記測定メーターデータに適用することによって、前記測定メーターデータを少なくとも部分的に検証するステップとを備える、方法。
前記グラフィカルユーザインターフェイスはさらに、前記プロセッサを介して、前記ユーザによる予め存在する検証アルゴリズムの手動選択を容易にする、請求項1に記載の方法。
前記データベースデバイスから前記履歴使用量データにアクセスするステップ、および前記統計データを生成するステップを制御するために、前記非ピーク時間に基づいて、前記プロセッサを介して制御指令を生成するステップをさらに備える、請求項1または2に記載の方法。
前記グリッドヘッドエンドデバイスから前記測定メーターデータを受信するステップ、前記メモリから前記統計データにアクセスするステップ、および前記測定メーターデータを検証するステップを制御するために、前記ピーク時間に基づいて、前記プロセッサを介して制御指令を生成するステップをさらに備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
前記履歴使用量データは、消費者の複数の電気メーターに対応する間隔消費データまたはレジスタ(スカラ)消費データのうちの少なくとも1つを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
前記測定メーターデータは、消費者の複数の電気メーターに対応する間隔消費データまたはレジスタ(スカラ)消費データのうちの少なくとも1つを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
前記非一時的コンピュータ読取可能媒体に格納された前記検証モジュールは、実行されると少なくとも前記合否データおよび前記測定メーターデータを出力するステップを前記プロセッサに行なわせる命令を含む、請求項9または10に記載のコンピューティングシステム。
実行されると前記ユーザによる前記検証アルゴリズムのカスタム構成を容易にするグラフィカルユーザインターフェイスを提供するステップを前記プロセッサに行なわせる命令を含む前記非一時的コンピュータ読取可能媒体に格納されたビジュアルユーザインターフェイスモジュールをさらに備える、請求項9〜11のいずれか1項に記載のコンピューティングシステム。
前記ビジュアルユーザインターフェイスモジュールによって提供される前記グラフィカルユーザインターフェイスを少なくとも表示し、前記グラフィカルユーザインターフェイスとのユーザインタラクションを容易にするように構成されたディスプレイスクリーンをさらに備える、請求項12に記載のコンピューティングシステム。
実行されると前記ユーザによる前記検証アルゴリズムの手動選択を容易にするグラフィカルユーザインターフェイスを提供するステップを前記プロセッサに行なわせる命令を含む前記非一時的コンピュータ読取可能媒体に格納されたビジュアルユーザインターフェイスモジュールをさらに備える、請求項9〜13のいずれか1項に記載のコンピューティングシステム。
前記ビジュアルユーザインターフェイスモジュールによって提供される前記グラフィカルユーザインターフェイスを少なくとも表示し、前記グラフィカルユーザインターフェイスとのユーザインタラクションを容易にするように構成されたディスプレイスクリーンをさらに備える、請求項12または14に記載のコンピューティングシステム。
【発明を実施するための形態】
【0014】
詳細な説明
電気メーターについての主要履歴統計データを事前計算し、当該データをシステム内で段階分けして、メーターデータの高速検証を可能にする、システム、方法、および他の実施形態が開示される。履歴統計データは、たとえば、メーターについてのいくつかの重大な履歴期間(たとえば、先月、昨年の連続する月、および過去13ヶ月)にわたる最大値、最小値、合計値、標準偏差値、中央値、および平均値を含んでいてもよい。そのような統計データを事前計算することは、CPUフットプリントをよりよく利用するために、および新規メーターデータのロードを速めるために、処理負荷を「オフピーク」時間へ移動させる。
【0015】
事前計算された履歴統計データを適切に使用するために、システムのユーザが、事前計算された履歴統計データを検証目的のために数式および/または論理式に代入する式(検証アルゴリズム)を動的に作成することを可能にする、フレキシブルなルールが導入される。実施形態は、公益企業の電気技術者が検証のために自分自身の式を定義するためのフレキシビリティを提供する。統計の事前計算およびユーザ定義式は、検証プロセス内でメーターデータを動的に使用する能力を提供する。
【0016】
一実施形態によれば、非ピーク時間中、ピーク時間から処理をオフロードするために、データベースデバイスから履歴使用量データにアクセスする使用量確認ロジックが開示される。履歴使用量データは、グリッドヘッドエンドデバイスを介して配電網から前もって収集され、データベースデバイスに格納されている。非ピーク時間は、測定メーターデータが検証のために受信および処理されていない期間に対応する。ピーク時間は、測定メーターデータが検証のために受信および処理されている別の期間に対応する。非ピーク時間中、ピーク時間から処理をオフロードするために、履歴使用量データから統計データが生成され、統計データはメモリに格納される。ピーク時間中、グリッドヘッドエンドデバイスから測定メーターデータが受信され、メモリから統計データがアクセスされる。測定メーターデータは、ピーク時間中に、合否データを生成するために検証アルゴリズムを統計データおよび測定メーターデータに適用することによって検証される。
【0017】
さまざまな実施形態に関して、本明細書では以下の用語が使用される。
本明細書で使用される「測定メーターデータ」という用語は、配電網に接続された1つ以上の電気メーターによって、間隔消費データ、レジスタ(スカラ)消費データ、またはその双方として生成される、検証されるべき最近の電気使用量データを指す。
【0018】
本明細書で使用される「履歴使用量データ」という用語は、配電網に接続された1つ以上の電気メーターによって生成され、測定メーターデータを検証するために使用されることになっている、過去の電気使用量データを指す。
【0019】
本明細書で使用される「非ピーク時間」という用語は、測定メーターデータが検証のために受信および処理されていない期間を指す。
【0020】
本明細書で使用される「ピーク時間」という用語は、測定メーターデータが検証のために受信および処理されている別の期間を指す。
【0021】
本明細書で使用される「検証アルゴリズム」という用語は、最近測定されたメーターデータにおける異常をチェックするために、履歴使用量データの統計を最近測定されたメーターデータと比較する、数学関数および/または論理関数を含む式を指す。検証アルゴリズムが異常を検出しない場合、測定メーターデータは検証されるべきであると考えられる。
【0022】
本明細書で使用される「グリッドヘッドエンドデバイス」という用語は、配電網から電気使用量データを収集するように構成されたデバイスを指す。
【0023】
図1は、使用量確認ロジック110で構成されるコンピューティングデバイス105を有するコンピュータシステム100の一実施形態を示す。たとえば、一実施形態では、使用量確認ロジック110は、顧客への請求を含む電気公益企業のさまざまな局面の管理を助けるように構成された、より大規模なコンピュータアプリケーション(たとえば、コンピュータ化された公益企業管理アプリケーション)の一部であってもよい。使用量確認ロジック110は、処理の一部をピーク時間から非ピーク時間へオフロードすることにより、配電網から収集された測定メーターデータ(measured meter data:MMD)を部分的に検証するプロセスをコンピュータ化するように構成されている。本明細書で説明される実施形態では、間隔消費データ、レジスタ(スカラ)消費データ、またはその双方を含む測定メーターデータが考慮される。
【0024】
使用量確認ロジック110は、システム100の少なくともコンピューティングデバイス105のCPUフットプリントを減少させるように、さまざまなタイプの電気使用量データの処理がいつ行なわれるべきかを制御するプロセスをコンピュータ化するように構成されている。一実施形態では、システム100は、企業組織用のアプリケーションまたは分散型アプリケーションの集合を含むコンピューティング/データ処理システムである。アプリケーションおよびコンピューティングシステム100は、クラウドベースのネットワーキングシステム、ソフトウェア・アズ・ア・サービス(Software as a Service: SaaS)アーキテクチャ、または他のタイプのコンピューティングソリューションを用いて動作するように、またはそのようなものとして実現されるように構成されてもよい。
【0025】
図1を参照して、一実施形態では、使用量確認ロジック110はコンピューティングデバイス105上で実現され、使用量確認ロジック110のさまざまな機能的局面を実現するためのロジックまたはモジュールを含む。一実施形態では、使用量確認ロジック110は、ビジュアルユーザインターフェイスロジック/モジュール120と、事前計算ロジック/モジュール130と、検証ロジック/モジュール140と、制御ロジック/モジュール150とを含む。
【0026】
他の実施形態は、
図1の使用量確認ロジック110と同じまたは類似する機能性を提供する別のロジックまたはロジックの組合せを提供してもよい。一実施形態では、使用量確認ロジック110は、ロジックの機能を行なうように構成されたアルゴリズムおよび/またはプログラムモジュールを含む、実行可能アプリケーションである。このアプリケーションは、非一時的コンピュータ記憶媒体に格納される。すなわち、一実施形態では、使用量確認ロジック110のロジックは、コンピュータ読取可能媒体に格納された命令のモジュールとして実現される。
【0027】
コンピュータシステム100はまた、コンピューティングデバイス105に動作可能に接続されたディスプレイスクリーン160を含む。一実施形態によれば、ディスプレイスクリーン160は、検証アルゴリズムに関連付けられた情報を見たり更新するためにビジュアルユーザインターフェイスロジック120によって生成されるグラフィカルユーザインターフェイス(graphical user interface:GUI)のビューを表示し、GUIとのユーザインタラクションを容易にするように実現される。グラフィカルユーザインターフェイスは、使用量確認アルゴリズムに関連付けられてもよく、ビジュアルユーザインターフェイスロジック120は、グラフィカルユーザインターフェイスを生成するように構成されてもよい。
【0028】
一実施形態では、コンピュータシステム100は集中型サーバ側アプリケーションであり、このアプリケーションは、少なくとも本明細書で開示される機能を提供し、コンピュータネットワークを通して(サーバとして機能する)コンピュータシステム100と通信するコンピューティングデバイス/端末を介して多くのユーザによってアクセスされる。このため、ディスプレイスクリーン160は、ユーザがネットワーク化されたコンピュータ通信を介して使用量確認ロジック110にアクセスし、これからサービスを受信することを可能にする、複数のコンピューティングデバイス/端末を表わしていてもよい。
【0029】
一実施形態では、コンピュータシステム100はさらに、コンピューティングデバイス105に動作可能に接続された少なくとも1つのデータベースデバイス170、および/または、ネットワーク接続を介してデータベースデバイス170にアクセスするためのネットワークインターフェイスを含む。たとえば、一実施形態では、データべースデバイス170は、事前計算ロジック130に動作可能に接続されている。一実施形態によれば、データべースデバイス170は、使用量確認ロジック110に関連付けられたデータ構造をデータベースシステム(たとえば、コンピュータ化された履歴電気使用量アプリケーション)に格納し、管理するように構成されている。データ構造は、たとえば、履歴使用量データの記録を含んでいてもよい。
【0030】
一実施形態では、コンピュータシステム100はまた、コンピューティングデバイス105に動作可能に接続された少なくとも1つのグリッドヘッドエンドデバイス180、および/または、ネットワーク接続を介してグリッドヘッドエンドデバイス180にアクセスするためのネットワークインターフェイスを含む。たとえば、一実施形態では、グリッドヘッドエンドデバイス180は、検証ロジック140に動作可能に接続されている。一実施形態によれば、検証ロジック140は、グリッドヘッドエンドデバイス180から最近測定されたメーターデータを受信(たとえばストリーミング)するように構成されている。グリッドヘッドエンドデバイス180は、配電網から測定メーターデータを収集するように構成されている。一実施形態では、グリッドヘッドエンドデバイス180は、システム100の一部ではなく配電網の一部であると考えられる。
【0031】
図1の使用量確認ロジック110のロジックを再び参照して、一実施形態では、ビジュアルユーザインターフェイスロジック120は、検証アルゴリズムを手動選択し、および/またはカスタム構成するために、グラフィカルユーザインターフェイス(GUI)を生成して使用量確認ロジック110とのユーザインタラクションを容易にするように構成されている。たとえば、ビジュアルユーザインターフェイスロジック120は、グラフィカルユーザインターフェイスを生成し、これをインターフェイスの実現されたグラフィカルデザインに基づいて表示させる、プログラムコードを含む。GUIを介したユーザのアクションおよび選択に応じて、検証アルゴリズムを手動選択するかまたはカスタム構成する関連付けられた局面が操作されてもよい。
【0032】
たとえば、一実施形態では、ビジュアルユーザインターフェイスロジック120は、ユーザのアクションに応じた式の選択を容易にするように構成されている。たとえば、ビジュアルユーザインターフェイスロジック120は、使用量確認ロジック110によって提供される複数の式からの1つの式の手動選択を容易にしてもよい。各式は、コンピュータ実行可能命令および/またはデータを含む検証アルゴリズムとして、コンピューティングデバイス105のメモリに予め格納されてもよい。一実施形態によれば、選択された検証アルゴリズムは、検証ロジック140によって履歴統計使用量データおよび最近測定されたメーターデータに適用されてもよい。
【0033】
一実施形態では、ビジュアルユーザインターフェイスロジック120は、ユーザのアクションに応じた式の構成を容易にするように構成されている。たとえば、ビジュアルユーザインターフェイスロジック120は、式を形成するために、使用量確認ロジック110によって提供される複数の関数からの数学関数および論理関数の選択およびカスタム構成を容易にしてもよい。カスタム構成された式は、検証アルゴリズムとして、コンピューティングデバイス105のメモリに格納されてもよい。一実施形態によれば、検証アルゴリズムは、検証ロジック140によって履歴統計使用量データ(統計データ)および最近測定されたメーターデータに適用され得るコンピュータ実行可能命令および/またはデータを含んでいてもよい。さらに、一実施形態では、ビジュアルユーザインターフェイスロジック120は、最近測定されたメーターデータが検証された(合格)か否か(不合格)を示す合否データの出力および表示を容易にするように構成されている。
【0034】
図1を再び参照して、一実施形態では、事前計算ロジック130は、データベースデバイス170から履歴使用量データにアクセスし、履歴使用量データから統計データを生成するように構成されている。統計データは、コンピューティングデバイス105のメモリに格納される。一実施形態では、履歴使用量データは、1つ以上のグリッドヘッドエンドデバイス(たとえば
図1のグリッドヘッドエンドデバイス180)によって配電網から経時的に収集され、データベースデバイス170に格納される。一実施形態では、事前計算ロジック130は、制御ロジック150に関して本明細書で後述されるように、オフピーク時間中に履歴使用量データがアクセスされ、統計データが生成されるように制御される。
【0035】
履歴使用量データは、配電網に接続された1つ以上の電気メーターによって生成されたデータを、間隔消費データ、レジスタ(スカラ)消費データ、またはその双方として含んでいてもよい。履歴使用量データは、1つ以上の期間に対応していてもよい。たとえば、履歴使用量データは、過去13ヶ月に対応していてもよく、それら数ヶ月にわたる電力の通常または予想使用量を表わしていてもよい。
【0036】
履歴使用量データから導き出された統計データは、たとえば、履歴使用量データの合計値、履歴使用量データの最大値、履歴使用量データの最小値、履歴使用量データの平均値、履歴使用量データの中央値、および履歴使用量データの標準偏差値を含んでいてもよい。そのような統計は、履歴使用量データに関連付けられた、消費されたエネルギーの情報を表わす。一実施形態では、履歴使用量データは、規定された期間に対するキロワット時(kWh)の形をしている。
【0037】
履歴使用量データから導き出された追加の統計データは、たとえば、履歴使用量データの総カウント値、履歴使用量データのゼロカウント値、および履歴使用量データの負のカウント値を含んでいてもよい。総カウント値とは、履歴期間(たとえば、先月、昨年の同じ月、過去13ヶ月)中の間隔/読取値の総カウントである。ゼロカウント値とは、履歴期間中にゼロ使用量として登録された間隔/読取値の総カウントである。負のカウント値とは、履歴期間中に負の使用量(ゼロ未満の使用量)として登録された間隔/読取値の総カウントである。負の使用量は、たとえば、顧客が、自分が消費するよりも多い電力をグリッドに提供し返す場合、もしくは、異常なまたは誤った読取値が生じた場合に起こり得る。他の実施形態によれば、他の統計値も同様に可能である。
【0038】
一実施形態では、検証ロジック140は、(履歴使用量データから導き出された)統計データ、およびグリッドヘッドエンドデバイス180によって配電網から収集された最近測定されたメーターデータに検証アルゴリズムを適用することによって、合否データを生成するように構成されている。検証アルゴリズムは、測定メーターデータを検証するために、ビジュアルユーザインターフェイスロジック120を使用して、ユーザ(たとえば電気技術者)によって選択され、またはカスタム構成される。たとえば、公益企業の電気技術者は、何が有効な測定メーターデータを構成するか、ひいては、それに応じて検証アルゴリズムを選択または構成するために何が最良の立場にいるかについての深い洞察力を有し得る。
【0039】
検証ロジック140は、事前計算ロジック130によって統計データが格納されたメモリから、統計データにアクセスしてもよい。また、検証ロジック140は、グリッドヘッドエンドデバイス180から、最近測定されたメーターデータを受信(たとえばストリーミング)してもよい。一実施形態では、検証ロジック140は、制御ロジック150に関して本明細書で後述されるように、ピーク時間中に統計データがアクセスされ、測定メーターデータが受信され、検証が行なわれるように制御される。
【0040】
検証アルゴリズムは、数学関数(たとえば、加算、減算、乗算、除算など)、論理関数(たとえば、AND、OR、XORなど)、またはその双方の式を含んでいてもよい。検証アルゴリズムの例は、本明細書では、
図4および
図5に関して後述される。最近測定されたメーターデータが検証アルゴリズムに供給されると、測定メーターデータは、検証アルゴリズムによって定義されるように、検証プロセスに合格するかまたは合格しないであろう。検証プロセスに合格するとは、統計データに対して、測定メーターデータに異常が存在しないということを意味する。同様に、検証に合格しないとは、統計データに対して、測定メーターデータに少なくとも1つの異常が存在するということを意味する。
【0041】
最近測定されたメーターデータが検証プロセスに合格した場合、検証ロジック140は、合格信号またはメッセージを出力し、対応する測定メーターデータを次の処理のために(たとえば、顧客への請求のために)他のシステム上へ送信する。最近測定されたメーターデータが検証プロセスに合格しなかった場合、検証ロジック140は、不合格信号またはメッセージを出力し、システム100の他の部分、または他の外部システムに、不合格について調査するよう警告する。不合格信号またはメッセージは、1つ以上の検出された異常に関する詳細情報を含んでいてもよい。ユーザによって選択または構成されたような検証アルゴリズムは、合否条件および境界を定義する。
【0042】
一実施形態では、制御ロジック150は、非ピーク時間中、ピーク時間からコンピューティングデバイス105の処理をオフロードするために、データベースデバイス170から履歴使用量データにアクセスし、統計データを生成するよう、事前計算ロジック130に指令するように構成されている。さらに、制御ロジック150は、ピーク時間中、メモリから統計データにアクセスし、グリッドヘッドエンドデバイス180から最近測定されたメーターデータを受信し、統計データおよび測定メーターデータに検証アルゴリズムを適用することによって合否データを生成するよう、検証ロジック140に指令するように構成されている。
【0043】
一実施形態によれば、制御ロジック150は、ピーク時間および非ピーク時間に精通している。したがって、制御ロジック150は、いつ事前計算ロジック130に指令すべきか、およびいつ検証ロジック140に指令すべきかを見分けることができる。非ピーク時間中、データベースデバイス170にアクセスし、統計データを生成するよう、事前計算ロジック130に指令することにより、統計データの生成に関連付けられたかなりの量のデータアクセスおよび処理が、ピーク時間から非ピーク時間へオフロードされる。同様に、ピーク時間中、統計データにアクセスし、測定メーターデータを受信するよう、検証ロジック140に指令することにより、測定メーターデータの検証に関連付けられたかなりの量のデータ受信、アクセス、および処理が、ピーク時間に限定される。
【0044】
さもなければ、事前計算機能および検証機能を同じ期間内に行なわなければならないということは、コンピューティングデバイス105の処理能力(すなわち、CPUフットプリント)が著しくより大きいことを必要とするであろう。制御ロジック150を介して、(事前計算ロジック130によって行なわれる)事前計算機能および(検証ロジック140によって行なわれる)検証機能を2つの異なる期間に限定することにより、使用量確認がはるかにより管理しやすくなり、システム能力に対する負担を軽くする。
【0045】
このように、ある期間にわたる1つ以上の電気メーターの電気使用量の確認および検証を、関連付けられたコンピューティングシステムに過剰な負担をかけることなく、制御された態様で行なうことができる。さらに、たとえば公益企業のユーザ(たとえば電気技術者)によって、測定メーターデータの検証方法の正確な性質を、検証アルゴリズムとして構成することができる。
【0046】
図2は、測定メーターデータを検証するために、
図1のコンピュータシステム100の使用量確認ロジック110によって行なわれ得る方法200の一実施形態を示す。方法200は使用量確認ロジック110の動作を説明しており、
図1の使用量確認ロジック110によって、または方法200のアルゴリズムで構成されたコンピューティングデバイスによって行なわれるように実現される。たとえば、一実施形態では、方法200は、コンピュータアプリケーションを実行するように構成されたコンピューティングデバイスによって実現される。コンピュータアプリケーションは電子的形態でデータを処理するように構成されており、方法200の機能を行なう格納された実行可能命令を含む。
【0047】
方法200は、1つ以上の顧客電気メーターからの最近測定されたメーターデータが、ネットワーク化されたコンピュータ通信を介して受信され、履歴測定メーターデータ(別名履歴使用量データ)と比較され得るという観点から説明される。比較は、最近測定されたメーターデータを検証する(すなわち、履歴使用量データに対して、最近測定されたメーターデータに異常が存在するかどうかを判断する)ように構成された検証アルゴリズムによって行なわれる。
【0048】
最近測定されたメーターデータおよび履歴使用量データは、消費者の複数の電気メーターに対応する間隔消費データまたはレジスタ(スカラ)消費データのうちの1つ以上を含んでいてもよい。本明細書では、履歴使用量データは前もって収集され、(たとえばデータベースデバイスに)格納されており、新規データが経時的に収集されるにつれて更新されるということが仮定される。たとえば、一実施形態では、過去13ヶ月の履歴使用量データがデータベースデバイスに維持されてもよい。
【0049】
方法200を開始すると、ブロック210で、ユーザ(たとえば、公益企業の電気技術者)による検証アルゴリズムの手動選択および/またはカスタム構成を容易にするグラフィカルユーザインターフェイスが提供される。検証アルゴリズムは、グリッドヘッドエンドデバイスを介して配電網から収集された測定メーターデータを検証するためのものである。一実施形態によれば、グラフィカルユーザインターフェイスは、
図1のビジュアルユーザインターフェイスロジック120によって生成され、
図1のディスプレイスクリーン160上でユーザに表示される。
【0050】
ブロック220で、非ピーク時間中、ピーク時間から処理をオフロードするために、履歴使用量データが、データベースデバイス(たとえば
図1のデータベースデバイス170)からアクセスされる。履歴使用量データは、グリッドヘッドエンドデバイスを介して配電網から前もって収集され、データベースデバイスに格納されている。履歴使用量データは、以前の期間(たとえば、過去数日、数週、数ヶ月)からの測定メーターデータを表わす。
【0051】
非ピーク時間は、最近測定されたメーターデータが検証のために受信および処理されていない期間に対応する。ピーク時間は、最近測定されたメーターデータが検証のために受信および処理されている別の期間に対応する。一実施形態によれば、履歴使用量データは、(たとえば、ネットワーク化されたコンピュータ通信を介して)事前計算ロジック130によってデータベースデバイス170からアクセスされる。一実施形態によれば、履歴使用量データにアクセスするよう事前計算ロジック130に指令するために、制御指令が、非ピーク時間に基づいて、(たとえば
図1の制御ロジック150によって)生成されてもよい。
【0052】
ブロック230で、非ピーク時間中、統計データが履歴使用量データから生成され、メモリに格納される。履歴使用量データはメーターごとにたとえば何百または何千ものデータポイント値を含んでもよく、一方、統計データは、メーターごとに数十個の値を含み得るという意味で、統計データは、履歴使用量データの「ロールアップされた」表現を提供する。一実施形態によれば、統計データは、
図1の事前計算ロジック130によって生成され、メモリに格納される。一実施形態によれば、統計データを生成し格納するよう事前計算ロジック130に指令するために、制御指令が、非ピーク時間に基づいて、(たとえば
図1の制御ロジック150によって)生成されてもよい。
【0053】
ブロック240で、ピーク時間中、グリッドヘッドエンドデバイスから最近測定されたメーターデータが受信され、メモリから統計データがアクセスされる。最近測定されたメーターデータが検証され得るように、検証アルゴリズムが、ブロック210で提供されたグラフィカルインターフェイスを介して、ユーザによって手動選択され、またはカスタム構成されるということが仮定される。選択または構成された検証アルゴリズムは、たとえば、統計データおよび最近測定されたメーターデータに作用する数学関数と論理関数との組合せを含んでいてもよい。一実施形態によれば、最近測定されたメーターデータの受信および統計データのアクセスは、
図1の検証ロジック140によって行なわれる。一実施形態によれば、統計データにアクセスし、最近測定されたメーターデータを受信するよう検証ロジック140に指令するために、制御指令が、ピーク時間に基づいて、(たとえば
図1の制御ロジック150によって)生成されてもよい。
【0054】
最近測定されたメーターデータは、消費者の1つ以上の電気メーターからグリッドヘッドエンドデバイスによって収集され、履歴使用量データの少なくとも一部に対応する。すなわち、最近測定されたメーターデータに関連付けられた電気メーターは、履歴使用量データの少なくとも一部にも関連付けられている。このように、最近測定されたメーターデータを検証するために、有効な比較を行なうことができる。
【0055】
ブロック250で、ピーク時間中、最近測定されたメーターデータは、合否データを生成するために検証アルゴリズムを統計データおよび測定メーターデータに適用することによって検証される。ここでも、測定メーターデータの検証は、検証アルゴリズムの適用を介して、最近測定されたメーターデータに異常が存在しないと判断することを伴う。ユーザによって選択または構成されたような検証アルゴリズムは、合否条件および異常/無異常境界を定義する。一実施形態によれば、検証アルゴリズムは、
図1の検証ロジック140によって適用される。たとえば、一実施形態では、検証アルゴリズムがユーザによっていったん選択または構成されると、検証アルゴリズムは検証ロジック140の一部になる。一実施形態によれば、検証アルゴリズムを統計データおよび最近測定されたメーターデータに適用するよう検証ロジック140に指令するために、制御指令が、ピーク時間に基づいて、(たとえば
図1の制御ロジック150によって)生成されてもよい。
【0056】
次に、合否データが、最近測定されたメーターデータとともに、たとえば顧客への請求の目的のために他のシステムによって使用されるために出力されてもよい。不合格の場合、合否データは、たとえば、データが破損していたか、1つ以上のメーターが問題を有していたかなどを判断するために不合格が調査されるように、不合格についての詳細を含んでいてもよい。
【0057】
このように、より小さいCPUフットプリントを使用してデータの受信、アクセス、および処理を扱えるように、ピーク時間と非ピーク時間との間で処理負荷を分けることができる。さらに、測定メーターデータを検証するためのアルゴリズムを選択または構成するために、公益企業の電気技術者の知識および経験を活用することができる。
【0058】
図3は、オフピーク時間中には履歴使用量データを事前段階の態様で処理し、ピーク時間中には測定メーターデータをリアルタイムで検証する、例示的な一実施形態を図式的に示す。
図3の例では、310で、間隔消費データおよび/またはレジスタ(スカラ)消費データが、履歴使用量データとして、消費者の電気メーターから物理チャネルを通って経時的に収集される。一実施形態では、物理チャネルは、1つ以上のグリッドヘッドエンドデバイス(たとえば
図1のグリッドヘッドエンドデバイス180)、データベースデバイス(たとえば
図1のデータベースデバイス170)、およびコンピュータ化された通信ネットワークから作成されてもよい。コンピュータ化された通信ネットワークは、電気メーターとグリッドヘッドエンドデバイスとの間に、およびグリッドヘッドエンドデバイスとデータベースデバイスとの間に通信を提供するように構成される。
【0059】
図3の320で、統計チャネルが作成され、物理チャネルにリンクされる。統計チャネルは、コンピューティングデバイス(たとえば
図1のコンピューティングデバイス105)上で実現される使用量確認ロジック(たとえば
図1の使用量確認ロジック110)を介して、コンピューティングデバイス内に作成されてもよい。一実施形態によれば、統計チャネルは、履歴使用量データにアクセスするために、コンピュータ化されたネットワーク通信を介して、物理チャネル(たとえば
図1のデータベースデバイス170)にリンクされてもよい。
【0060】
図3の330で、統計チャネルは物理チャネルから履歴使用量データにアクセスし、統計データ(履歴統計)を生成する。統計データは、規定された非ピーク時間(たとえば、1週間に1回、または毎晩)中、バッチモード(たとえば、
図1の使用量確認ロジック110のバッチモード)で生成されてもよい。1組の統計データの一例を、
図3の340に示す。
【0061】
図3の350で、ピーク時間中のリアルタイム検証動作中に、最近測定されたメーターデータ(
図3の使用量データ)が、1つ以上のグリッドヘッドエンドデバイスから受信される。たとえば、一実施形態では、
図1を参照して、測定メーターデータが、グリッドヘッドエンドデバイス180から、使用量確認ロジック110が実現されたコンピューティングデバイス105へストリーミングされてもよい。
【0062】
図3の360で、最近測定されたメーターデータを検証するために、検証アルゴリズムが、統計データおよび最近測定されたメーターデータに作用するように実行される。
図3では、検証アルゴリズムは、検証、推定および編集(validation, estimation, and editing:VEE)ルールと呼ばれ、それは、着信データ(たとえば、ストリーミングされた測定メーターデータ)が有効であることを、その着信データが他のシステム(たとえば、顧客への請求システム)へ送信される前に確かめる。ここでも、検証アルゴリズムは、たとえば数学関数と論理関数との組合せを含む式であってもよい。
【0063】
図3の370で、検証アルゴリズムの実行が、1つ以上の異常(
図3における例外)の発生をもたらす場合、そのような異常は記録され、講ずるべき可能な措置とともに(たとえば、手動および/または自動化された調査タスクのやることリストとともに)出力される。検証アルゴリズムによって異常が検出されない場合、合格を示すデータが、最近測定されたメーターデータ(MMD)とともに、1つ以上の他のシステム(たとえば、顧客への請求システム)へ出力されてもよい。
【0064】
図4は、
図1のコンピュータシステム100の使用量確認ロジック110によって提供されるグラフィカルユーザインターフェイスの表示されたスクリーン400の例示的な一実施形態を示す。グラフィカルユーザインターフェイスの表示されたスクリーン400は、410で、ユーザによって構成された、数学関数および論理関数の双方を有するVEEルール(検証アルゴリズム)を示す。
図4の410での検証アルゴリズム(式の詳細)は、以下のとおりである:
IMD1<0 AND CS1=0(検証アルゴリズム)
式中、IMD1は、420で、最近測定されたメーターデータ(MMD)の最小値として定義され、CS1は、430で、過去13ヶ月にわたる履歴使用量データの負のカウント(統計値)として定義される。ここでも、負のカウント値とは、履歴期間中に負の使用量(ゼロ未満の使用量)として登録された間隔/読取値の総カウントである。負の使用量は、たとえば、顧客が、自分が消費するよりも多い電力をグリッドに提供し返す場合、もしくは、異常なまたは誤った読取値が生じた場合に起こり得る。
【0065】
410での検証アルゴリズム(IMD1<0 AND CS1=0)によれば、ある電気メーターについて測定メーターデータの最小値IMD1がゼロ未満であり、負のカウント値CS1がゼロに等しい場合、その電気メーターからの測定メーターデータは無効である。言い換えれば、ある電気メーターについて最近測定されたメーターデータ内で負の使用量の読取値が測定されたものの、対応する履歴使用量データが負の使用量のそのような事例を示さなかった場合、最近測定されたメーターデータは無効であると考えられるべきである。すなわち、履歴使用量データに基づいて、誰も、その電気メーターについての最近測定されたメーターデータに負の使用量データがあると予想しないであろう。
【0066】
図5は、測定メーターデータを検証する2つの例示的な実施形態を示す。例1は、検証アルゴリズムが、最近測定されたメーターデータの最大値(IMD1)が履歴使用量データの最大値(CS1)の110%よりも大きいかどうか(すなわち、IMD1>CS1
*1.1?)を判断するように構成されている、510での「高水準」例である。最近測定されたメーターデータの最大値が(過去13ヶ月にわたると定義される)履歴使用量データの110%よりも大きい場合、最近測定されたメーターデータは、無効であるとしてフラグが立てられる。すなわち、検証アルゴリズムによれば、誰も、最近測定されたメーターデータの値が過去13ヶ月にわたる最高履歴使用量データの110%よりも大きいと予想しないであろう。
【0067】
例2は、検証アルゴリズムが、最近測定されたメーターデータの最大値(IMD1)が先月および昨年からの履歴使用量データの平均の3つの標準偏差内にあるかどうかを判断するように構成されている、520での「高使用量」例である。検証アルゴリズムは、以下のように表わすことができる:
(IMD1−CS1)/CS2>3 AND (IMD1−CS3)/CS4>3
式中、CS1は、先月の履歴使用量データの平均値であり、CS2は、先月の履歴使用量データの標準偏差値であり、CS3は、昨年の履歴使用量データの平均値であり、CS4は、昨年の履歴使用量データの標準偏差値である。最近測定されたメーターデータの最大値(IMD1)が先月および昨年からの履歴使用量データの平均の3つの標準偏差内にない場合、最大値(IMD1)は異常に高いと考えられ、最近測定されたメーターデータは無効であると考えられる。
【0068】
図5の例2で見られるように、検証アルゴリズムは、数学関数と論理関数との組合せである。有用な検証アルゴリズムの例を表わす多くの他の式または数式が同様に可能であり、本明細書の実施形態によって限定されない。さまざまな実施形態によれば、ユーザ(たとえば電気技術者)は、予め存在する検証アルゴリズムを選択し、および/または新たにカスタマイズされた検証アルゴリズムを構成するフレキシビリティを有する。
【0069】
さらに、他の実施形態は、電気消費データおよび電気メーター以外の他のタイプの消費データおよびメーターに関係していてもよい。たとえば、他の実施形態は、水メーターによって提供される水消費データまたは天然ガスメーターによって提供される天然ガス消費データにアクセスし、当該データを処理するように構成されてもよい。そのような他の実施形態は、本明細書で説明される電気使用量実施形態と同様の態様で機能するであろう。
【0070】
コンピューティングデバイスの実施形態
図6は、本明細書で説明される例示的なシステムおよび方法、および/または均等物のうちの1つ以上で構成および/またはプログラムされた例示的なコンピューティングデバイスを示す。
図6は、使用量確認ロジックの一実施形態が実現され得るコンピューティングデバイスの例示的な一実施形態例を示す。例示的なコンピューティングデバイスは、バス608によって動作可能に接続されたプロセッサ602、メモリ604、および入力/出力ポート610を含む、コンピュータ600であってもよい。
【0071】
一例では、コンピュータ600は、測定メーターデータを検証するためにユーザによって構成されるような検証アルゴリズムを含む使用量確認ロジック630(
図1からの使用量確認ロジック110に対応)を含んでいてもよい。異なる例では、ロジック630は、ハードウェア、命令が格納された非一時的コンピュータ読取可能媒体、ファームウェア、および/またはそれらの組合せで実現されてもよい。ロジック630は、バス608に取付けられたハードウェアコンポーネントとして図示されているが、他の実施形態では、ロジック630は、プロセッサ602において実現されてもよく、メモリ604に格納されたモジュール、またはディスク606に格納されたモジュールであってもよい。
【0072】
一実施形態では、ロジック630またはコンピュータ600は、説明されたアクションを行なうための手段(たとえば、ハードウェア、非一時的コンピュータ読取可能媒体、ファームウェアといった構造)である。いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイスは、クラウドコンピューティングシステムにおいて動作するサーバ、ソフトウェア・アズ・ア・サービス(SaaS)アーキテクチャにおいて構成されたサーバ、スマートフォン、ラップトップ、タブレットコンピューティングデバイスなどであってもよい。
【0073】
手段は、たとえば、検証アルゴリズムの生成と、履歴使用量データから導き出された統計データおよび測定メーターデータへの検証アルゴリズムの適用とを容易にするようにプログラムされたASICとして実現されてもよい。手段はまた、メモリ604に一時的に格納され、次にプロセッサ602によって実行されるデータ616としてコンピュータ600に提示される、格納されたコンピュータ実行可能命令として実現されてもよい。
【0074】
ロジック630はまた、コンピューティングデバイスの処理をピーク時間から非ピーク時間へオフロードするための手段(たとえば、ハードウェア、実行可能命令を格納する非一時的コンピュータ読取可能媒体、ファームウェア)を提供してもよい。非ピーク時間は、測定メーターデータが受信および処理されていない期間に対応する。ピーク時間は、測定メーターデータが受信および処理されている別の期間に対応する。
【0075】
コンピュータ600の例示的な構成を概して説明すると、プロセッサ602は、デュアルマイクロプロセッサおよび他のマルチプロセッサアーキテクチャを含む、多種多様のプロセッサであってもよい。メモリ604は、揮発性メモリおよび/または不揮発性メモリを含んでいてもよい。不揮発性メモリは、たとえばROM、PROMなどを含んでいてもよい。揮発性メモリは、たとえばRAM、SRAM、DRAMなどを含んでいてもよい。
【0076】
ストレージディスク606は、たとえば入力/出力インターフェイス(たとえばカード、デバイス)618および入力/出力ポート610を介して、コンピュータ600に動作可能に接続されてもよい。ディスク606は、たとえば、磁気ディスクドライブ、ソリッドステートディスクドライブ、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、テープドライブ、ジップ(Zip)ドライブ、フラッシュメモリカード、メモリースティックなどであってもよい。さらに、ディスク606は、CD−ROMドライブ、CD−Rドライブ、CD−RWドライブ、DVD ROMなどであってもよい。メモリ604は、たとえばプロセス614および/またはデータ616を格納できる。ディスク606および/またはメモリ604は、コンピュータ600のリソースを制御して割当てるオペレーティングシステムを格納できる。
【0077】
コンピュータ600は、i/oインターフェイス618および入力/出力ポート610を介して入力/出力デバイスとやりとりしてもよい。入力/出力デバイスは、たとえば、キーボード、マイクロホン、ポインティングおよび選択デバイス、カメラ、ビデオカード、ディスプレイ、ディスク606、ネットワークデバイス620などであってもよい。入力/出力ポート610は、たとえば、シリアルポート、パラレルポート、およびUSBポートを含んでいてもよい。
【0078】
コンピュータ600はネットワーク環境で動作可能であり、このため、i/oインターフェイス618および/またはi/oポート610を介してネットワークデバイス620に接続されてもよい。ネットワークデバイス620を通して、コンピュータ600はネットワークとやりとりしてもよい。ネットワークを通して、コンピュータ600は、リモートコンピュータに論理的に接続されてもよい。コンピュータ600がやり取りし得るネットワークは、LAN、WAN、および他のネットワークを含むものの、それらに限定されない。
【0079】
ピーク時間から処理をオフロードする態様で、ユーザによって選択された、またはユーザによって構成された検証アルゴリズムを測定メーターデータおよび履歴使用量データに適用することによって、測定メーターデータを検証するように構成された、システム、方法、および他の実施形態が説明されてきた。一実施形態では、事前計算モジュールは、グリッドヘッドエンドデバイスによって配電網から収集された履歴使用量データから統計データを生成し、統計データをメモリに格納するように構成されている。検証モジュールは、グリッドヘッドエンドデバイスによって配電網から収集された測定メーターデータおよび統計データに検証アルゴリズムを適用することによって、合否データを生成するように構成されている。検証アルゴリズムは、測定メーターデータを検証するために、ユーザによって選択または構成される。制御モジュールは、非ピーク時間中、ピーク時間から処理をオフロードするために、データベースデバイスから履歴使用量データにアクセスし、履歴使用量データから統計データを生成するよう、事前計算モジュールに指令するように構成されている。制御モジュールはまた、ピーク時間中、メモリから統計データにアクセスし、グリッドヘッドエンドデバイスから測定メーターデータを受信し、合否データを生成するよう、検証モジュールに指令するように構成されている。非ピーク時間は、測定メーターデータが受信および検証されていない期間に対応する。ピーク時間は、測定メーターデータが受信および検証されている別の期間に対応する。
【0080】
定義および他の実施形態
別の実施形態では、説明された方法および/またはそれらの均等物は、コンピュータ実行可能命令で実現されてもよい。このため、一実施形態では、非一時的コンピュータ読取可能/記憶媒体は、マシンによって実行されると、マシン(および/または関連付けられたコンポーネント)に方法を行なわせる、アルゴリズム/実行可能アプリケーションの格納されたコンピュータ実行可能命令で構成される。例示的なマシンは、プロセッサ、コンピュータ、クラウドコンピューティングシステムにおいて動作するサーバ、ソフトウェア・アズ・ア・サービス(SaaS)アーキテクチャにおいて構成されたサーバ、スマートフォンなどを含むものの、それらに限定されない。一実施形態では、コンピューティングデバイスは、開示された方法のうちのいずれかを行なうように構成された1つ以上の実行可能アルゴリズムで実現される。
【0081】
1つ以上の実施形態では、開示された方法またはそれらの均等物は、方法を行なうように構成されたコンピュータハードウェア、または、方法を行なうように構成された実行可能アルゴリズムを含む非一時的コンピュータ読取可能媒体で具体化されるコンピュータソフトウェアによって行なわれる。
【0082】
説明を簡潔にするために、図面に示された方法論は、アルゴリズムの一連のブロックとして図示され説明されているが、方法論はブロックの順序によって限定されないということが理解されるべきである。いくつかのブロックは、図示され説明されたものとは異なる順序で、および/または他のブロックと同時に起こり得る。さらに、例示的な方法論を実現するために、図示されたブロックがすべて使用されなくてもよい。ブロックは組合されてもよく、または複数のアクション/コンポーネントへと分けられてもよい。さらに、追加のおよび/または代替的な方法論は、ブロックで図示されていない追加のアクションを採用することができる。
【0083】
以下は、本明細書で採用された、選択された用語の定義を含む。定義は、用語の範囲内に該当し、実現のために使用され得る、構成要素のさまざまな例および/または形態を含む。例は、限定的であるよう意図されてはいない。用語の単数形および複数形は双方とも、定義の範囲内にあり得る。
【0084】
「一実施形態」、「実施形態」、「一例」、「例」などへの言及は、そのように説明された実施形態または例がある特定の特徴、構造、特性、性質、要素、または限定を含み得るものの、すべての実施形態または例が必ずしもその特定の特徴、構造、特性、性質、要素、または限定を含んではいない、ということを示す。さらに、「一実施形態では」という句の反復使用は必ずしも同じ実施形態を指してはいないものの、指す場合もある。
【0085】
ASIC:特定用途向け集積回路。
CD:コンパクトディスク。
CD−R:記録可能CD。
CD−RW:書換可能CD。
DVD:デジタル多用途ディスクおよび/またはデジタルビデオディスク。
HTTP:ハイパーテキスト転送プロトコル。
LAN:ローカルエリアネットワーク。
RAM:ランダムアクセスメモリ。
DRAM:ダイナミックRAM。
SRAM:同期型RAM。
ROM:読出専用メモリ。
PROM:プログラマブルROM。
EPROM:消去可能PROM。
EEPROM:電気的消去可能PROM。
USB:ユニバーサルシリアルバス。
WAN:ワイドエリアネットワーク。
【0086】
「動作可能な接続」、またはエンティティが「動作可能に接続される」接続とは、信号、物理的通信、および/または論理的通信が送信および/または受信され得る接続である。動作可能な接続は、物理インターフェイス、電気インターフェイス、および/またはデータインターフェイスを含んでいてもよい。動作可能な接続は、動作可能な制御を可能にするのに十分である、インターフェイスおよび/または接続の異なる組合せを含んでいてもよい。たとえば、2つのエンティティが、信号を互いに直接、または1つ以上の中間エンティティ(たとえば、プロセッサ、オペレーティングシステム、ロジック、非一時的コンピュータ読取可能媒体)を通して通信するために、動作可能に接続され得る。動作可能な接続は、1つのエンティティがデータを生成してそのデータをメモリに格納すること、および、別のエンティティがたとえば命令制御を介してメモリからそのデータを検索することを含んでいてもよい。動作可能な接続を作り出すために、論理的および/または物理的通信チャネルが使用され得る。
【0087】
本明細書で使用されるような「データ構造」とは、メモリ、ストレージデバイス、または他のコンピュータ化システムに格納される、コンピューティングシステムにおけるデータの構成である。データ構造は、たとえば、データフィールド、データファイル、データ配列、データ記録、データベース、データテーブル、グラフ、ツリー、リンクされたリストなどのうちのいずれであってもよい。データ構造は、多くの他のデータ構造から形成され、多くの他のデータ構造を含んでいてもよい(たとえば、データベースは多くのデータ記録を含む)。他の実施形態によれば、データ構造の他の例も同様に可能である。
【0088】
本明細書で使用されるような「コンピュータ読取可能媒体」または「コンピュータ記憶媒体」とは、実行されると開示された機能のうちの1つ以上を行なうように構成された命令および/またはデータを格納する非一時的媒体を指す。コンピュータ読取可能媒体は、不揮発性媒体および揮発性媒体を含むもののこれらに限定されない形態をとってもよい。不揮発性媒体は、たとえば、光ディスク、磁気ディスクなどを含んでいてもよい。揮発性媒体は、たとえば、半導体メモリ、ダイナミックメモリなどを含んでいてもよい。コンピュータ読取可能媒体の一般的形態は、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、他の磁気媒体、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス、コンパクトディスク(CD)、他の光学媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出専用メモリ(ROM)、メモリチップまたはカード、メモリスティック、ソリッドステートストレージデバイス(solid state storage device:SSD)、フラッシュドライブ、および、コンピュータ、プロセッサ、または他の電子デバイスがそれを用いて機能し得る他の媒体を含んでいてもよいが、これらに限定されない。各タイプの媒体は、一実施形態における実現のために選択された場合、開示および/または請求された機能のうちの1つ以上を行なうように構成されたアルゴリズムの格納された命令を含んでいてもよい。
【0089】
本明細書で使用されるような「ロジック」とは、本明細書で開示されるような機能またはアクションのうちのいずれかを行なうために、ならびに/もしくは、別のロジック、方法、および/またはシステムからの機能またはアクションが本明細書で開示されるように行なわれるようにするために、コンピュータまたは電気ハードウェア、実行可能アプリケーションまたはプログラムモジュールの命令が格納された非一時的媒体、および/またはこれらの組合せで実現された構成要素を表わす。均等のロジックは、ファームウェア、アルゴリズムでプログラムされたマイクロプロセッサ、ディスクリートロジック(たとえばASIC)、少なくとも1つの回路、アナログ回路、デジタル回路、プログラムロジックデバイス、アルゴリズムの命令を含むメモリデバイスなどを含んでいてもよく、それらのいずれも、開示された機能のうちの1つ以上を行なうように構成されてもよい。一実施形態では、ロジックは、開示された機能のうちの1つ以上を行なうように構成された1つ以上のゲート、ゲートの組合せ、または他の回路部品を含んでいてもよい。複数のロジックが説明される場合、それら複数のロジックを1つのロジックに組込むことが可能であってもよい。同様に、単一のロジックが説明される場合、その単一のロジックを複数のロジック間で分散させることが可能であってもよい。一実施形態では、これらのロジックのうちの1つ以上は、開示および/または請求された機能を行なうことに関連付けられた、対応する構造である。実現するためにどのタイプのロジックを選択するかは、所望のシステム条件または仕様に基づいていてもよい。たとえば、より速い速度が考慮事項である場合、ハードウェアが、機能を実現するために選択されるであろう。より低いコストが考慮事項である場合、格納された命令/実行可能アプリケーションが、機能を実現するために選択されるであろう。
【0090】
本明細書で使用されるような「ユーザ」とは、1人以上の人、1つ以上のコンピュータまたは他のデバイス、もしくはこれらの組合せを含むものの、それらに限定されない。
【0091】
開示された実施形態はかなり詳細に図示され説明されてきたが、請求項の範囲をそのような詳細に制限するかまたは何らかのやり方で限定することが意図ではない。主題のさまざまな局面を説明する目的のために、構成要素または方法論の考えられるすべての組合せを説明することは、もちろん不可能である。したがって、この開示は、図示され説明された特定の詳細または例示に限定されない。このため、この開示は、請求項の範囲内にある変更、修正、および変形を包含するよう意図される。
【0092】
詳細な説明または請求項で「含む」または「含んでいる」という用語が採用される限りにおいて、それは、「備える」という用語が請求項で移行語として採用される場合に解釈されるものと同様の態様で包括的であるよう意図される。
【0093】
詳細な説明または請求項で「または」という用語が使用される(たとえばAまたはB)限りにおいて、それは、「AまたはBまたは双方」を意味するよう意図される。出願人が「AまたはBのみであって双方ではない」ことを示すよう意図する場合、「AまたはBのみであって双方ではない」という句が使用されるであろう。このため、本明細書での「または」という用語の使用は、独占的使用ではなく、包括的使用である。
【0094】
本明細書で「A、B、およびCのうちの1つ以上」という句が使用される(たとえば、A、B、およびCのうちの1つ以上を格納するように構成されたデータ格納)限りにおいて、それは、A、B、C、AB、AC、BC、および/またはABCという可能性の集合(たとえば、データ格納は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとB、AとC、BとC、および/または、AとBとCを格納し得る)を伝えるよう意図されている。それは、Aのうちの1つ、Bのうちの1つ、およびCのうちの1つを必要とするよう意図されてはいない。出願人が「Aのうちの少なくとも1つ、Bのうちの少なくとも1つ、およびCのうちの少なくとも1つ」を示すよう意図する場合、「Aのうちの少なくとも1つ、Bのうちの少なくとも1つ、およびCのうちの少なくとも1つ」という句が使用されるであろう。