【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1に記載の調節機構により達成される。
【0008】
本発明によれば、車両上の蓋付口を少なくとも部分的に閉じる閉鎖フラップ(フラップ蓋)を含む調節機構が提供される。閉鎖フラップが開いている場合、液体を充填するためのライン及び/又はポートを接続するための接続部材は、蓋付口を介してアクセス可能となる。また、調節機構は、操作者制御イベントに応じた外力により、閉鎖フラップを調節するための駆動装置と、駆動装置に接続されている電子制御ユニットとを含む。この点に関し、制御ユニットにより、駆動装置は、一方で、非接触式で検出される操作者制御イベントに応じて閉鎖フラップを開くように作動でき、一方で、閉鎖フラップが閉じる際に、閉鎖フラップの調節経路において、障害物が、挟み込み防止機構により非接触式で検出された場合には、閉鎖フラップは自動的に停止される又は逆戻りすることができる。
【0009】
したがって、本発明による調節機構において、閉じている閉鎖フラップを開くのに決定的な操作者制御イベントを非接触で検出するセンサシステムが、閉鎖フラップが閉じる調節経路に障害物がある場合にこれを検出し得る挟み込み防止機構と組み合わされる。この点について、挟み込み防止機構は、例えば、ユーザの手が閉じようとする閉鎖フラップと車両の車体構造の一部との間で挟まれるのを防止する。ここでは、障害物の検出も、非接触式で、好ましくは、静電容量又は電磁誘導を利用して行われる。
【0010】
ポートは、好ましくは、車両に消耗品を充填するために設計され、設けられる。消耗品は、例えば、車両駆動用のエネルギー担体、例えば、燃料、特に、ガソリン、ディーゼル、圧縮空気若しくは水素等、又は、消耗液、例えば、エンジンオイル、冷却液、若しくはフロントガラスワイパーシステム用のワイピング液等であってもよい。一方、接続部材は、好ましくは、ラインを接続するために設計され、設けられる。その結果として、接続部材は、この構成において、特に、車両の電池、特に、電気自動車又はハイブリッド自動車の電池を充填するための充電ケーブルの接続可能性であると理解される。
【0011】
1つの例示的な実施形態では、少なくとも1つの電極が提供され、これは閉鎖フラップを開くための操作者制御イベントの検出に使用されるとともに、挟み込み防止機構の一部の両方として使用される。したがって、少なくとも1つの電極は、二重の機能を有し、一方で、操作者制御イベントを検出するために機能し、他方で、挟み込み防止機構の一部を形成する。
【0012】
この点に関して、1つの変形例によれば、電子制御ユニットが、
(a)閉鎖フラップを開くために、少なくとも1つの電極により取得される測定値が、閾値を超えたか否かを評価し、
(b)閉鎖フラップが閉じる際に、少なくとも1つの電極により取得される少なくとも1つの測定値を、期待値と比較するように構成されていてもよい。
【0013】
したがって、閉鎖フラップが閉じている場合、少なくとも1つの電極は、閉鎖フラップにおける操作者制御イベントを決定するため、例えば、測定された静電容量についての特定の閾値が、記憶されている閾値を超えたか否かを単にチェックするためにまず使用される。例えば、閉鎖フラップ周囲において測定される静電容量の変化は、閉鎖フラップに手を近づけた結果として生じる。例えば、閉鎖フラップの開放が特定のジェスチャによってのみトリガーされ得る場合、測定された静電容量が記憶されている閾値を超えると、これは、操作者制御イベントとして、又は、少なくとも、操作者制御イベントが生じた可能性についての第1の指標として評価される。したがって、閉鎖フラップが閉じている場合、操作者制御イベント検出のため、少なくとも1つの電極により絶対値の測定が行われる。
【0014】
基本的に、操作者制御イベントの検出のために記憶されている閾値は、特に調節機構の作動時間にわたって、外部環境の変化する条件の関数として適用できる。具体的には、閾値は、閉鎖フラップの領域における(外部)温度又は湿度の関数として適用できる。この目的で、一実施形態において、電子制御ユニットは、例えば、温度又は湿度についての少なくとも1つの測定値を供給する少なくとも1つのセンサに接続され、制御ユニットは、閾値をこの少なくとも1つの測定値の関数とし適用するように構成され、すなわち、閾値を大き、又は、小さくし、あるいは閾値を新しい、すなわち、新たに算出された閾値に置換するように構成されている。
【0015】
変化した環境条件に基づく閾値の適用形態としては、閉鎖フラップが適切に閉じている場合には、基礎測定値、例えば、基礎静電容量が測定され、閾値はその関数として適用される実施形態も含まれる。例えば、閉鎖フラップが閉じている場合に、この基礎測定値が許容可能とされる値(許容値)を超えて変化した場合、基礎測定値が更新され、閾値も、対応する度合いに適用される。一変形例において、調節機構が作動する場合、特に、アイドルモード又はスリープモードから起動する場合に、閾値は、測定された基礎静電容量の関数として自動的に適用される。
【0016】
閉鎖フラップの開放時には、上記少なくとも1つの電極により取得された測定値は、少なくとも1つの記憶されている期待値又は参照値と比較され、これによって仮に測定値が許容値を超えるずれを生じた場合には、閉鎖される閉鎖フラップの調節径路に障害物が存在すると推定される。ここで、期待値は、開かれた閉鎖フラップを中断なしに、すなわち、障害しに、閉位置へ調節移動するためのセットポイント測定値を構成する。
【0017】
この意味で、その調節経路に沿った異なる閉鎖フラップの位置での期待値がそれぞれ記憶されたメモリを設け、閉鎖フラップを閉じる際に、少なくとも1つの電極により取得された測定値を、記憶されている期待値と対比して位置解析を行うように電子制御ユニットを構成してもよい。これにより、異なる位置それぞれにおいて、測定値が記憶された期待値にどの程度対応するのかが確認される。許容不能なずれが検出された場合、閉じつつある閉鎖フラップの調節経路に障害物があると判定される。
【0018】
1つの発展形において、電子制御ユニットの評価ロジックは、期待値から逸脱する個々の測定値を基にする診断処理により、閉鎖機構に誤作動がないかを判定するようにも構成されている。この変形例において、電子制御ユニットは、閉鎖フラップが閉じる際に取得された測定値と、記憶されている期待値を比較して、閉鎖フラップの調節経路に障害物が存在するか否か、また例えば、磨耗により、閉鎖フラップの正確な調節続行できないかどうかを評価するように構成されている。閉鎖フラップが開く際にも診断処理を実行できる。
【0019】
調節機構のメモリに記憶される期待値は、例えば、障害物がない状態で、閉鎖フラップを開放位置から閉鎖位置へ、あるいは閉鎖位置から開放位置へ、一または複数回調整した場合に較正を行うことにより、記憶される。この意味で、この意味で、調節機構の動作中に、記憶されている期待値を適用した調節を、少なくとも1回の後に行われる無障害調節時に行うこともできる。例えば、この目的で、閉鎖フラップの閉位置又は開位置への無障害調節時の各場合に、記憶されている期待値を上書きし、結果として、任意の磨耗現象又は環境条件の変化に適用し得るようにしてもよい。あるいは、記憶されている期待値の各場合に対応する適用は、特定回数の調節サイクルが障害なしに行われた後に行ってもよい。よって、例えば、5回、10回、またはそれ以上の回数の調節サイクル毎に記憶されている期待値を適用してもよい。
【0020】
当然ながら、メモリに記憶された少なくとも1つの期待値の適用は、新たに取得された期待値の単純な上書きのみによらずしても行うことができる。むしろ記憶されている期待値を適用した調節では、状況に応じ、特定の可変的オフセット値を入力して期待値を形成しメモリに記憶してもよい。このようなオフセット値は、例えば、閉鎖フラップの領域における温度変化及び湿度上昇に関し、その結果として、特に測定される静電容量値が変化することを許容する。
【0021】
少なくとも1つの電極は、閉鎖フラップが閉じている場合、起動イベントに応じて、電子制御ユニットの起動をトリガーするためにも使用できる。したがって、エネルギー節約のため、(例えば複数の電極のうち1つのみがアクティブとなる)スリープモードで電子制御ユニットを動作させることがでる。例えば、ユーザの手が閉じている閉鎖フラップに近づくことにより、この1つの電極で静電容量の増大が検出されると、電子制御ユニットが起動して動作モードに替り、同モードにおいて他の電極も作動し、操作者制御イベントの発生があるか閉鎖フラップの周囲をモニターするために、それらの電極の測定値が電子制御ユニットにより評価される。
【0022】
調節機構の少なくとも1つの電極が、電子制御ユニットをスリープモードからアクティブな動作モードに切り替えるための起動イベントの検出と、操作者制御イベントの検出との両方のために使用される場合、電子制御ユニットにおけるこの1つの電極に少なくとも2つの閾値を保存してもよい。閉鎖フラップの周囲において電極により測定された静電容量が、制御ユニットのスリープモードにおける(比較的低い)閾値を超えた場合、これは、起動イベントとして評価される。その後、電子制御ユニットが起動し、その後この電極を用いて(比較的高い第1の)閾値を超える静電容量が測定されると、これは、操作者制御イベント又は少なくとも操作者制御イベントの一部として評価される。操作者制御イベントの一部として評価する場合、例えば、閉鎖機構の少なくとも1つの更なる電極で測定される静電容量の(第2の)閾値を超える必要があり、したがって、これは、第1の電極について測定された静電容量値の超過に対し特定の時系列で生じる必要がある。異なる電極で測定された静電容量の変化が特徴的なサイズ及び順序で生じた場合、閉鎖フラップの周囲における特定のジェスチャ、例えば、ユーザの手により実行され、閉鎖フラップを開くためのトリガーとして機能するワイプ動作(掃過動作)が行われたことを判定することができる。
【0023】
何らかの不適切なトリガーが生じることを避けるために、一変形例においては、少なくとも所定の期間に少なくとも1つの取得された測定値により(各)閾値を超えた場合に、閉鎖フラップの開放のみをトリガーし、及び/又は、「起動」のみを行うように電子制御ユニットは構成されている。これには、好ましくは、(時間をおかずに)連続して測定された特定数(複数)の測定値がそれぞれ閾値を越え、結果として、(各)閾値が所定の期間超過されると判断される場合も含まれる。
【0024】
上述のように、特に、閉鎖フラップの周囲で実行される操作者制御イベントとしてのジェスチャを非接触で検出するために、電子制御ユニットに接続されている少なくとも2つの電極を設けることが好ましい。
【0025】
可能な一実施形態において、上記少なくとも2つの電極及び電子制御ユニットが、例えば、
(a)閉鎖フラップを開くために、閉じている閉鎖フラップの周囲で実行されるユーザの特定のジェスチャを操作者制御イベントとして検出し、
(b)閉鎖フラップが閉じる際に測定値を取得し、それらを電子制御ユニットに記憶された期待値と比較して、閉鎖フラップの調節経路に障害物があれば、これを非接触式で判定す
るように構成されている。
【0026】
ここで、電子制御ユニットは、閉鎖フラップを開くために、異なる電極により取得された測定値が、所定の順序で、第1及び第2の閾値を超えたか否かを評価するように構成されていてもよい。これによって、例えば、ユーザの手が、最初に1つの電極上にあり、ついでそれとは(空間的に)離れた他の電極上にあることによる静電容量値の増大が測定されるワイプ動作を、非接触式で検出することができる。
【0027】
一実施形態において、少なくとも1つの電極は、
(a)操作者制御イベントを検出するために、閉鎖フラップを開くための測定値を取得するために使用され、
(b)閉鎖フラップ(K)が閉じる際に、電磁遮蔽に使用される。
【0028】
ここでは、各電極は、電子制御ユニットにより対応して作動し、二つの操作モードにおいて異なって用いられ、一方では、閉鎖フラップの開放をトリガーする操作者制御イベントを検出するための測定値を取得するために使用され、他方では、閉鎖フラップを閉じる際に、閉じつつある閉鎖フラップの調節経路に生じうる障害物を検出するために使用される別の電極の電界に影響を及ぼす保護電極として使用される。したがって、ここで、少なくとも1つの電極は、一方では、閉鎖フラップを開く操作者制御イベントを検出するために使用され、他方では、閉じつつある閉鎖フラップの調節経路に生じうる障害物を少なくとも1つの更なる電極による検出を改善するための保護電極として使用される。したがって、閉鎖フラップを開くために使用される一方の電極は、挟み込み防止機構の一部でもあるが、ここでは、それ自体は、障害物を検出するためには使用されず、その代わりに、保護電極として使用される。
【0029】
これを背景として、1つの発展形では、挟み込み防止機構の部品としての少なくとも1つの更なる電極が提供される。この電極により、閉じられる閉鎖フラップの調節経路に障害物があればこれを検出するための測定値が取得される。この場合、閉鎖フラップを開く際に操作者制御イベントを検出するために使用される電極は、閉鎖フラップが閉じる際に、この少なくとも1つの更なる電極のための保護電極として使用される。
【0030】
この変形例では、ジェスチャが閉鎖フラップを開くための操作者制御イベントとしても評価可能である。この目的で、例えば、少なくとも3つの電極が設けられる。そして、これらの電極及び電子制御ユニットは、
(a)閉鎖フラップを開くために、一部の電極により、閉じている閉鎖フラップの周囲で実行されるユーザの特定のジェスチャを操作者制御イベントとして検出し、
(b)閉鎖フラップが閉じる際に、他の一部の電極により測定値を取得し、測定値を、電子制御ユニットに記憶されている期待値と比較して、閉鎖フラップの調節経路に障害物がある場合に非接触式で判定するように構成されている。
【0031】
したがって、少なくとも2つの電極が、ジェスチャを検出するために設けられ、電極のうちの2つが、障害物を検出するために設けることができる。この場合、閉鎖フラップが閉じている場合に該閉鎖フラップを開くジェスチャを検出するために使用される少なくとも1つの電極が、閉鎖フラップが閉じる際に、保護電極として使用され、よって保護電極として動作する。
【0032】
この意味で、例えば、第1及び第2の電極は、ジェスチャの検出に使用される。閉鎖フラップが閉じる際に、第1の電極及び第3の電極は、閉じつつある閉鎖フラップの調節経路において生じうる障害物の静電容量による検出に使用される。そして第2の電極は、閉鎖フラップが閉じる間は、保護電極として機能する。
【0033】
ここでは、閉鎖フラップが閉じる際に、保護電極として使用される少なくとも1つの電極は接地しているべきである。
【0034】
1つの発展形において、例えば、4つの電極が提供される。この構成では、2つの電極は、閉鎖フラップが閉じる際に、操作者制御イベントの検出に使用され、他の2つの電極は、閉鎖フラップが閉じる際に、障害物があれば検出して、挟み込みの可能性を感知するために使用される。閉鎖フラップが開かれる際には、操作者制御イベントの検出に使用される電極のみが参照される。閉鎖フラップが閉じられる際には、他の2つの電極が参照される。閉鎖フラップが閉じる間に、車両の車体構造に対して電極により測定され得る静電容量は変化する。
【0035】
障害物がない場合に対応して測定される静電容量の変化量は期待値を構成し、この期待値は障害物がない調節の場合に維持される。閉鎖フラップが閉じる際の測定を改善するため、操作者制御イベントを検出するために使用された2つの電極は、閉鎖フラップが閉じられる際には、保護電極として使用される。したがって、これらの電極において、検出機能と遮蔽機能との間にわたる切替えが、閉鎖フラップの調節位置(閉/開)又は調節方向(開位置への向き/閉位置への向き)の関数として行われる。
【0036】
少なくとも1つの電極によるこの遮蔽を使用して、ここでは、例えば特に容易な方法により、閉鎖フラップが閉じる際に、該閉鎖フラップの外側に存在するいかなる物体も、閉鎖フラップと閉鎖フラップの内側の車体構造との間に挟まれ得る障害物として間違って検出されないようにすることができる。
【0037】
好ましい一実施形態では、閉鎖フラップは、プラスチック材料から製造される。これにより、静電容量の感知が容易になる。
【0038】
電極は、基本的には、例えば、リードフレーム、銅ストリップ、又は銅ホイルにより形成できる。また、少なくとも1つの電極は、調節機構の支持構造を構成する材料、例えば、筐体部の材料に埋め込むこともできる。この構成では、電極は、筐体部を製造するために利用される(プラスチック)材料を使用した射出成形により封入できる。あるいは、予め仕上げられている支持構造又は筐体部に、少なくとも1つの電極を取り付けてもよく、例えば接着してもよい。
【0039】
電子制御ユニットの電源及び/又はバスラインへのリードフレームの接続は、例えば、リードフレーム上の圧入ピンにより行われ得る。同様に、駆動装置のモータ接触子も、圧入ピン又はダイレクト回路基板プラグと呼ばれる手段により接続できる。特に、このため、センサデバイスは、回路基板を備えてもよく、これを用いて駆動装置のモータ接触子が接続される。回路基板が使用され、特に、リードフレームから形成されたものではない電極が使用される場合、電極と回路基板との間の電気的接触は、プラグ型コネクタ又は圧接部によっても形成できる。
【0040】
センサデバイスの回路基板は、調節機構の支持構造上に配置されることが好ましい。電極が操作者制御イベントを検出する静電容量式又は誘導式感知デバイスの一部として形成される場合、一実施形態では、閉鎖フラップの調節のために操作者制御イベントを非接触式で検出し得るセンサ面は、回路基板の後部上方に形成される。
【0041】
適切に取り付けられた状態にある調節機構の電極を隠すために、少なくとも電極を覆うパネル部を設けてもよい。ここで、パネル部は、一体的に射出成形されるプラスチック材料により、又は、後で取り付けられるパネルにより形成することができる。
【0042】
1つの変形例において、パネル部は、調節機構の接続部材及び/又はポートを有する領域上にも少なくとも部分的に延在している。このようにして、閉鎖フラップが開いている場合にユーザに面する均一な表面は、比較的容易に得ることができる。複数の電極が存在する場合、それらも、同じパネル部により保護される状態で覆うことができる。
【0043】
電子制御ユニットに接続され、それにより閉鎖フラップを開くための操作者制御イベントが検出され、及び/又は、閉鎖フラップが閉じる際に挟み込み防止機構の一部として動作する少なくとも1つの電極は、調節機構の接続部材および/またはポートを有する支持構造、又は、閉鎖フラップ自体に配置することができる。したがって、電極は、固定式で車体構造に固定される調節方向の支持構造、又は、それに対して調節可能なフラップの、一方に配置される。
【0044】
一実施形態において、調節機構は、駆動装置に連結され、異なる旋回軸を中心に旋回し得る少なくとも2つの旋回レバーを備えたレバー機構を有する。この場合、外力により作用して閉鎖フラップを調節する調節力は、このレバー機構を介して伝達できる。
【0045】
閉鎖フラップを調節するため、第1の旋回レバーは、駆動装置により駆動される駆動シャフトにより、その旋回軸を中心に旋回可能であることが好ましく、安定化のために用いられる第2の旋回レバーは、閉鎖フラップの調節により、その旋回軸(好ましくは、他方の旋回軸に平行である)を中心に旋回できる。
【0046】
したがって、少なくとも1つの第1の旋回レバーは、駆動装置により駆動され、一方で、少なくとも1つの第2の旋回レバーは、閉鎖フラップとのその連結によってのみ調節され、前記少なくとも1つの第1の旋回レバーとの組み合わせにより、閉鎖フラップ開閉時の調節経路を予め規定する。したがって、2つの異なる第1及び第2の旋回レバーは、閉鎖フラップに異なる箇所で、好ましくは関節式に、連結され、結果として、閉鎖フラップは開閉時に、旋回軸に平行な配向を維持する。したがって、閉鎖フラップは、旋回可能な旋回レバーを備えたレバー機構によって単に回し上げられるものではなく、むしろレバー機構により駆動され、開かれる際に、第1の空間方向と、該第1の空間方向を横断する第2の空間方向に沿って配向した状態が維持される調節移動を行うことができる。このようにして、例えば、開放される際に、閉鎖フラップは、最初に、接続部材及び/又はポートを少なくとも部分的に囲む支持体縁から上昇し、その後に、接続部材及び/又はポートに外側からアクセス可能となるよう、横方向に離れるように枢動する。レバー機構による閉鎖フラップのこのような調節性は、特に、旋回レバーの旋回軸が蓋付口に対して中心を外れて伸びる、すなわち、蓋付口の中心を伸びる長手方向軸又は横方向軸に対してオフセットすることにより最適化され得る。
【0047】
上記の調節移動は、代替的に又は付加的に、角度レバーとしての1つ以上の旋回レバーの形成によっても支援できる。ここで、角度レバーは、≠180°の角度(すなわち、180°ではない)、好ましくは、45°〜135°の範囲で互いに対して伸びる2つのリムを有するレバーであると理解される。このような角度レバーは、好ましくは、各旋回軸を中心に旋回し得る状態で、その2つのリムの一方の端部において取り付けられる。
【0048】
閉鎖フラップは、車両上に正しく取り付けられた状態の調節機構によって、外力により作動し、安定的に、かつ省スペースとなる形で、
車両の垂直軸に対して、基本的に上向き若しくは下向きに開かれ、又は
車両の長手方向軸に対して、基本的に前向き若しくは後ろ向きに開かれ得る。
【0049】
この構成において、先に説明したように、閉鎖フラップの空間的な配向が車両の垂直軸及び/又は車両の長手方向軸に対して変化しない調節経路が、レバー機構により閉鎖フラップに対して予め規定されることが好ましい。したがって、閉鎖フラップは、外力で作動される調節中に、閉鎖フラップが傾斜又は回転しない状態で、レバー機構に連結される。
【0050】
一実施形態において、全ての旋回レバー又は少なくとも1つの旋回レバーはそれぞれ、レバー端において、例えば、クリップ連結により閉鎖フラップに連結される。
【0051】
調節力を旋回レバーに伝達するために、駆動装置は、ギア機構を備えていてもよい。この構成において、例えば、駆動装置の駆動モータにより駆動され得る第1のギアホイール部材は、回転可能に固定された状態で、少なくとも1つの旋回レバーに接続される第2のギアホイール部材と歯合する。一実施形態において、ギアホイール部材の一方は、例えば、ウォームギアの形をとる。
【0052】
一実施形態において、駆動される第2のギアホイール部材は、回転可能に固定された状態で駆動シャフトに接続され、該駆動シャフトに旋回レバーの少なくとも1つが、駆動トルクをこの旋回レバーに伝達するために、固定される。
【0053】
代替的な実施形態の変形例において、駆動される第2のギアホイール部材は、例えば、1つ以上のベアリングピンにより、回転可能に固定された状態で、1つ又は複数の旋回レバーが接続されるベアリング部に固定される。これに基づく発展形において、互いに平行に配向する2つの旋回レバーが、調節ボウ(弓状調節部材)の一部をなし、この目的で、接続部品により、好ましくは、閉鎖フラップに接続されているそのレバー端において、互いに堅固に接続されている。ここでは、2つの旋回レバーを有する調節ボウは、例えば、ベアリング部と共に一体のピースとして形成されている。ここで、調節ボウを可能な限りコンパクトな形で閉じた状態の閉鎖フラップに収容するために、旋回レバーは、好ましくは、駆動される第2のギアホイール部材を有するベアリング部に対して一定の角度をなして伸びる。ここで、駆動される第2のギアホイール部材はまた、ベアリング部上に一体的に形成でき、該ベアリング部は、駆動装置の駆動モータにより駆動され得る第1のギアホイール部材が歯合する外側歯合システムを形成する。第2のギアホイール部材が、別個の部品として形成されて、回転可能に固定される状態でベアリング部に接続される場合には、ベアリング部及び第2のギアホイール部材は、異なる材料からより容易に製造することができる。例えば、一体的に形成された調節ボウを備え、2つの旋回レバーを有するベアリング部は、軽量化のためにプラスチックから製造することができ、一方で、第2のギアホイール部材は、金属材料から製造することができる。
【0054】
一実施形態において、互いに対して平行に伸び、接続部品により互いに堅く連結された2つの(第1の)旋回レバーを有する調節ボウが設けられ、該調節ボウは、閉鎖フラップを調節するために、駆動装置の駆動モータにより駆動することができる。さらに、複数の更なる(第2の)旋回レバー、あるいは単一の更なる(第2の)旋回レバーをもうけ、この旋回レバーによって、調節移動が行われる際のレバー機構の旋回軸に対する、閉鎖フラップの配向を一定に保持してもよい。一実施形態において、調節ボウ及び1つの更なる旋回レバーは、閉鎖フラップの閉位置において、旋回して収納された調節ボウのレバー端が、接続部材及び/又はポートに隣接して配置され、1つの更なる旋回レバーのレバー端が前記接続部材及び/又はポートの上または下に突出するように配置・搭載されてもよい。特にこのような実施形態(変形例)においては、1つの旋回レバーは、パネル部の貫通口を通じて案内されるものであってもよい。ここで、このパネル部は閉じた状態閉鎖フラップに対向し、電子システム及び調節機構の駆動装置の少なくとも一部を覆い、結果として、(好ましくは、それ自体は駆動されずに同期される)1つの旋回レバーの取付け箇所は、パネル部により隠されるため、(閉鎖フラップが開いている場合であっても)外側から見えない。
【0055】
1つの例示的な実施形態では、閉鎖機構の筐体様の支持構造上で旋回軸を中心に旋回可能であるように、対で取り付けられる4つの旋回レバーが提供される。この支持構造に対して、閉鎖フラップが調節され得る。駆動装置も、この支持体上又は内部に配置され得る。
【0056】
接触が生じた際に感知するように構成される操作者制御部材を、閉鎖フラップを閉じるために設けてもよい。この場合、操作者制御イベントが検出されるためには、ユーザは、操作者制御部材と能動的に接触し、又は、同部材を押す必要さえもある。当然、代替的に又は付加的に、開いた状態の閉鎖フラップの閉鎖を引き起こすために、さらに、ジェスチャ検出システムを実装してもよい。したがって、例えば、露出した接続部材及び/又は露出したポートの方向へのワイプ動作(好ましくは、閉鎖フラップがこれに沿って調節され、特に摺動しうる調節軸に沿ったワイプ動作)を、開かられた状態の閉鎖フラップを閉じるための操作者制御イベントとして検出することができる。
【0057】
さらに、閉鎖機構の視野に少なくとも一つの表示部材を設けて、(具体的にはその時点の閉鎖フラップの位置などの)調節機構の作動状態、車両の燃料タンク若しくは電池の充填レベルなどの、及び/又は、閉鎖フラップを調節するために行われる指の動作若しくは手の動作の指示などを、ユーザに対して視覚的に表示してもよい。このような表示部材は、1つ以上のLEDを含むことが好ましい。
【0058】
したがって、
外力による作動により閉鎖フラップの調節を制御するために提供される少なくとも1つのセンサ部材であって、それにより、閉鎖フラップを調節するための操作者制御イベントとして評価され得るユーザの指の動作又は手の動作を感知可能であるセンサ部材と、
少なくとも1つの表示部材であって、調節機構の動作状態及び/又は車両の燃料タンク若しくは電池の充填レベル、並びに、閉鎖フラップを調節するために行われる指の動作若しくは手の動作の指示の両方を、ユーザに対し視覚的に表示するために設けられた表示装置と、
を提供することができる。
【0059】
ここでは、センサ部材は、先に説明されたように、静電容量感知デバイスの一部であってもよい。このデバイスにより、操作者制御イベントを非接触式で、調節、特に、閉鎖フラップの開閉のために検出できる。
【0060】
したがって、例えば、閉鎖フラップの現在の位置及び車両の燃料タンク又は電池の充填レベルが、例えばLEDのライトレールを含む少なくとも1つの表示部材により、ユーザに対して表示される。例えば、これについて、LEDは、各充填レベルの関数として、異なる色又は光強度で発光し得る。更に、同じLEDを、特定の配列で個々に、又はペアで、又はグループで交互に発光するような方法で作動させ、操作者制御イベントとして検出され得る指の動作又は手の動作を行うべき方向をユーザに表示し、結果としてユーザの動作が、(検知許容範囲の)操作者制御イベントとして検出され得るようにしてもよい。
【0061】
本発明の更なる態様によれば、閉鎖フラップの調節移動を制御するための方法が提供される。
【0062】
ここでは、車両の蓋付口は、少なくとも部分的に、閉鎖フラップによっても閉じられ得る。閉鎖フラップが開いている場合、この蓋付口により、液体充填用のライン及び/又はポートを接続するための接続部材にアクセス可能となる。閉鎖フラップを外力による作動により調節するために、本発明により提供される駆動装置は、一方で、非接触式で検出される操作者制御イベントに応じて作動して閉鎖フラップを開き、他方では、閉鎖フラップが閉じる際に、仮に閉鎖フラップの調節経路において障害物が非接触式で挟み込み防止機構により検出された場合には、自動的に停止されるか又は逆戻りする。したがって、本発明による制御方法では、非接触式でトリガーされ得る閉鎖フラップの調節のためのセンサシステムに加えて、閉鎖フラップが蓋付口に正しく配置された場合に、閉じつつある閉鎖フラップと車両の車体構造との間での障害物の挟みこみを防止するために、挟み込み防止機構も提供される。
【0063】
この構成において、電子部品を最適化し、その数を節約するために、少なくとも1つの電極が、本発明による制御方法の実施形態の変形例の範囲内で、二重の機能で動作し得る。
【0064】
第1の代替手段によれば、例えば、
(a)閉鎖フラップを開くために、少なくとも1つの電極により取得される測定値が閾値を超えたか否かが評価され、
(b)閉鎖フラップが閉じる際に、少なくとも1つの電極により取得される少なくとも1つの測定値を期待値と比較される。
【0065】
したがって、少なくとも1つの電極は、閉鎖フラップが閉じている場合と、閉鎖フラップが閉じる途中とで、異なる機能に使用される。
【0066】
これは、代替的な実施形態の変形例における場合にも基本的に適用される。この変形例においては、
(a)閉鎖フラップの開放をトリガーする操作者制御イベントを検出するために、閉鎖フラップを開くための測定値を取得するために使用され、
(b)閉鎖フラップが閉じる際に、電磁遮蔽に使用される、
少なくとも1つの電極が提供される。
【0067】
この詳細は、本発明による調節機構の対応する実施形態について、既に先に説明されている。
【0068】
したがって、本発明による制御方法は、本発明にしたがって構成された調節機構により実行できる。したがって、本発明による調節機構について、上記及び以下で説明された利点及び特徴は、本発明による制御方法の実施形態にも適用され、その逆も可能である。
【0069】
添付の図面は、本発明の例示となりうる実施形態の変形例として例証する。