特許第6902556号(P6902556)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6902556外力により非接触式で調節可能な閉鎖フラップを含む調節機構
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6902556
(24)【登録日】2021年6月23日
(45)【発行日】2021年7月14日
(54)【発明の名称】外力により非接触式で調節可能な閉鎖フラップを含む調節機構
(51)【国際特許分類】
   B60K 15/05 20060101AFI20210701BHJP
   B60R 16/04 20060101ALI20210701BHJP
   B60L 53/16 20190101ALI20210701BHJP
【FI】
   B60K15/05 B
   B60R16/04 S
   B60L53/16
【請求項の数】14
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2018-542175(P2018-542175)
(86)(22)【出願日】2017年1月13日
(65)【公表番号】特表2019-507700(P2019-507700A)
(43)【公表日】2019年3月22日
(86)【国際出願番号】EP2017050685
(87)【国際公開番号】WO2017137210
(87)【国際公開日】20170817
【審査請求日】2020年1月8日
(31)【優先権主張番号】102016202215.6
(32)【優先日】2016年2月12日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】504344886
【氏名又は名称】ブローズ ファールツォイクタイレ エスエー ウント シーオー. カーゲー, コブルク
【氏名又は名称原語表記】BROSE FAHRZEUGTEILE SE & CO. KG, COBURG
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100086793
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅士
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【弁理士】
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100142608
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 由佳
(74)【代理人】
【識別番号】100154771
【弁理士】
【氏名又は名称】中田 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100155963
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 大輔
(72)【発明者】
【氏名】ダイミンジャー・ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】リヒター・シュテファン
【審査官】 中川 隆司
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/114154(WO,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0146157(US,A1)
【文献】 独国特許出願公開第102012110383(DE,A1)
【文献】 国際公開第2014/184980(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/171035(WO,A1)
【文献】 特開2014−177819(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0375630(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 15/05
B60L 53/16
B60R 16/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
調節機構であって
車両上の蓋付口(BO)を少なくとも部分的に閉じる閉鎖フラップ(K、K1、K2)であって、該閉鎖フラップ(K、K1、K2)が開いた状態では、前記蓋付口(BO)を介して、液体、特に、燃料を充填するためのライン及び/又はポートを接続するための接続部材(A)にアクセス可能となる閉鎖フラップ(K、K1、K2)と、
操作者制御イベントに応じた外力により、前記閉鎖フラップ(K、K1、K2)を調節するための駆動装置(3)とを含み、
前記駆動装置(3)に電子制御ユニット(7)が接続されており、
該電子制御ユニット(7)は、
非接触式検出される操作者制御イベントに応じて、前記駆動装置(3)を起動して前記閉鎖フラップ(K)を開き、
一方で、前記閉鎖フラップ(K)が閉じる際に、前記閉鎖フラップ(K)の調節経路における障害物が、非接触式で挟み込み防止機構により検出されると、前記駆動装置(3)を自動的に停止させるか又は逆作動させる、調節機構において、
前記閉鎖フラップ(K)を開く操作者制御イベントを検出するために使用され、前記挟み込み防止機構の一部としても使用される、少なくとも1つの電極(1a、1b、11、12、13、14)を備え
前記電子制御ユニット(7)が
(a)前記閉鎖フラップ(K)を開くために、前記少なくとも1つの電極(1a、1b、11、12、13、14)により取得される測定値が、閾値を超えたか否かを評価し、
(b)前記閉鎖フラップ(K)が閉じる際に、前記少なくとも1つの電極(1a、1b、11、12、13、14)により取得される少なくとも1つの測定値を、期待値と比較するように構成されていることを特徴とする、調節機構。
【請求項2】
請求項に記載の調節機構において、調節経路に沿った前記閉鎖フラップ(K)の異なる位置についての期待値がそれぞれ記憶されているメモリを備え、前記電子制御ユニット(7)は、前記閉鎖フラップ(K)が閉じる際に、前記少なくとも1つの電極(1a、1b、11、12、13、14)により取得された測定値を、前記記憶されている期待値と位置解析を伴って比較するように構成されていることを特徴とする、調節機構。
【請求項3】
請求項又はに記載の調節機構において、前記閾値を少なくとも所定の期間超える場合、前記電子制御ユニット(7)が、前記閉鎖フラップ(K)の開放を引き起こすように構成されていることを特徴とする、調節機構。
【請求項4】
請求項1〜のいずれか一項に記載の調節機構において、前記電子制御ユニット(7)に接続されている少なくとも2つの電極(1a、1b、11、12、13、14)を備えることを特徴とする、調節機構。
【請求項5】
請求項のいずれか一項に記載の調節機構において、前記少なくとも2つの電極(1a、1b、11、12、13、14)及び前記電子制御ユニット(7)が、
(a)前記閉鎖フラップ(K)を開くために、操作者制御イベントとして、前記閉じている閉鎖フラップ(K)の周囲で実行されるユーザの特定のジェスチャを検出し、
(b)前記閉鎖フラップ(K)が閉じる際に、前記閉鎖フラップ(K)の調節経路に障害物があるかを非接触式で判定するために、測定値を取得し、それらを、前記電子制御ユニット(7)に記憶されている期待値と比較するように構成されていることを特徴とする、調節機構。
【請求項6】
請求項又はに記載の調節機構において、前記電子制御ユニット(7)が、前記閉鎖フラップ(K)を開くために、異なる電極(1a、1b、11、12、13、14)により取得された測定値が、所定の配列で、第1及び第2の閾値を超えるか否かを評価するように構成されていることを特徴とする、調節機構。
【請求項7】
調節機構であって、
車両上の蓋付口(BO)を少なくとも部分的に閉じる閉鎖フラップ(K、K1、K2)であって、該閉鎖フラップ(K、K1、K2)が開いた状態では、前記蓋付口(BO)を介して、液体、特に、燃料を充填するためのライン及び/又はポートを接続するための接続部材(A)にアクセス可能となる閉鎖フラップ(K、K1、K2)と、
操作者制御イベントに応じた外力により、前記閉鎖フラップ(K、K1、K2)を調節するための駆動装置(3)とを含み、
前記駆動装置(3)に電子制御ユニット(7)が接続されており
該電子制御ユニット(7)は、
非接触式検出される操作者制御イベントに応じて、前記駆動装置(3)を起動して前記閉鎖フラップ(K)を開き、
一方で、前記閉鎖フラップ(K)が閉じる際に、前記閉鎖フラップ(K)の調節経路における障害物が、非接触式で挟み込み防止機構により検出されると、前記駆動装置(3)を自動的に停止させるか又は逆作動させる、調節機構において、
前記閉鎖フラップ(K)を開く操作者制御イベントを検出するために使用され、前記挟み込み防止機構の一部としても使用される、少なくとも1つの電極(1a、1b、11、12、13、14)を備え
記少なくとも1つの電極(1a、1b、11、12、13、14)が、
(a)操作者制御イベントを検出するために、前記閉鎖フラップ(K)を開くための測定値を取得するために使用され、
(b)前記閉鎖フラップ(K)が閉じる際に、電磁遮蔽に使用されることを特徴とする、調節機構。
【請求項8】
請求項に記載の調節機構において、少なくとも1つの更なる電極(14、13、12、11、1b、1a)を、前記挟み込み防止機構の一部として備え、それによって、閉じられる前記閉鎖フラップ(K)の前記調節経路に障害物があればそれを検出するための測定値が取得され、操作者制御イベントを検出して前記閉鎖フラップ(K)を開くために使用される前記電極(1a、1b、11、12、13、14)は、前記閉鎖フラップ(K)が閉じる際に、前記少なくとも1つの更なる電極(14、13、12、11、1b、1a)の保護電極として使用されることを特徴とする、調節機構。
【請求項9】
請求項又はに記載の調節機構において、少なくとも3つの前記電極(1a、1b、11、12、13、14)を備え、前記電極(1a、1b、11、12、13、14)及び前記電子制御ユニット(7)が、
(a)前記閉鎖フラップ(K)を開くために、前記電極(1a、1b、11、12、13、14)の一部により、閉じている前記閉鎖フラップ(K)の周囲で実行されるユーザの特定のジェスチャを操作者制御イベントとして検出し、
(b)前記閉鎖フラップ(K)の前記調節経路に障害物があれば、これを非接触式で判定するために、前記閉鎖フラップ(K)が閉じる際に、他の一部の前記電極(1a、1b、11、12、13、14)により測定値を取得し、該測定値を、前記電子制御ユニット(7)に記憶されている期待値と比較することを特徴とする、調節機構。
【請求項10】
請求項に記載の調節機構において、少なくとも2つの前記電極(1a、1b、11、12、13、14)が、前記ジェスチャを検出するために設けられ、2つの前記電極(1a、1b、11、12、13、14)が、障害物があれば、これを検出するために設けられ、前記閉鎖フラップ(K)が閉じている場合に前記閉鎖フラップ(K)を開くジェスチャを検出するために使用される少なくとも1つの電極(11、12、13、14)が、前記閉鎖フラップ(K)が閉じる際に、保護電極として使用されるように設けられることを特徴とする、調節機構。
【請求項11】
請求項又は10に記載の調節機構において、前記閉鎖フラップ(K)が閉じる際に保護電極として使用される前記少なくとも1つの電極(11、12、13、14)が接地されていることを特徴とする、調節機構。
【請求項12】
請求項1〜1のいずれか一項に記載の調節機構において、前記電子制御ユニット(7)に接続されている少なくとも1つの電極(1a、1b、11、12、13、14)が、前記調節機構(V)の接続素子(A)及び/若しくはポートを有する支持構造(T)中に、又は、前記閉鎖フラップ(K)上に配置されていることを特徴とする、調節機構。
【請求項13】
閉鎖フラップ(K)の調節移動を制御する方法であって、
前記閉鎖フラップ(K)は、該閉鎖フラップ(K、K1、K2)が開いている場合に、液体、特に、燃料を充填するためのライン及び/又はポートを接続するための接続部材(A)へのアクセスを可能とする車両上の蓋付口(BO)を少なくとも部分的に閉じ得るものであり、駆動装置(3)による外力により調節され得るものである、方法であって、
一方で、前記駆動装置(3)は、非接触式で検出される操作者制御イベントに応じて、前記閉鎖フラップ(K)を開くように作動し、他方で、前記閉鎖フラップ(K)が閉じる際に、前記閉鎖フラップ(K)の調節経路の障害物が挟み込み防止機構により非接触式で検出された場合、自動的に停止されるか又は逆作動する、方法において、
(a)前記閉鎖フラップ(K)を開くために、少なくとも1つの電極(1a、1b、11、12、13、14)により取得される測定値が、閾値を超えたか否かを評価し、
(b)前記閉鎖フラップ(K)が閉じる際に、前記少なくとも1つの電極(1a、1b、11、12、13、14)により取得される少なくとも1つの測定値を、期待値と比較することを特徴とする、方法。
【請求項14】
閉鎖フラップ(K)の調節移動を制御する方法であって、
前記閉鎖フラップ(K)は、該閉鎖フラップ(K、K1、K2)が開いている場合に、液体、特に、燃料を充填するためのライン及び/又はポートを接続するための接続部材(A)へのアクセスを可能とする車両上の蓋付口(BO)を少なくとも部分的に閉じ得るものであり、駆動装置(3)による外力により調節され得るものである、方法であって、
一方で、前記駆動装置(3)は、非接触式で検出される操作者制御イベントに応じて、前記閉鎖フラップ(K)を開くように作動し、他方で、前記閉鎖フラップ(K)が閉じる際に、前記閉鎖フラップ(K)の調節経路の障害物が挟み込み防止機構により非接触式で検出された場合、自動的に停止されるか又は逆作動する、方法において、
少なくとも1つの電極(1a、1b、11、12、13、14)を、
(a)前記閉鎖フラップ(K)の開放を引き起こす操作者制御イベントを検出するために、前記閉鎖フラップ(K)を開くための測定値を取得するために使用し、
(b)前記閉鎖フラップ(K)が閉じる際に、電磁遮蔽に使用することを特徴とする、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段部分に記載された調節機構に関する。
【背景技術】
【0002】
このような調節機構は、車両上の蓋付口を少なくとも部分的に閉じるための少なくとも1つの閉鎖フラップを有する。閉鎖フラップが開いている場合、蓋付口を介して、液体、特に、燃料を充填するためのライン及び/又はポートを接続するための接続部材にアクセス可能となる。閉鎖フラップは、例えば、ワイピング液又はオイルを充填するためのポートにアクセス可能となる、車両上のタンクフラップ又はタンクカバーである。同様に、閉鎖フラップは、電気自動車における充填ケーブル用の接続ソケットを保護する状態で覆うカバーフラップ又はカバーであってもよい。車両の車体構造上の窪み又は空洞には、例えばタンク開口又は接続ソケットが存在するが、通常、閉鎖フラップにより覆われる。
【0003】
オートメーションの発展の結果として、快適性を改善するために、このような車両上の閉鎖フラップは、今日では、一般的な電気モータ出力駆動による外力によって作動させ、調節することができる。このようなソリューションは、例えば、特許文献1に示されている。
【0004】
実務上従来公知であり、このような閉鎖フラップを有する調節機構は、比較的高価で、かつ/又は、大きな機械的調節システムを有し、これは窪み/空洞の内部又はそれに隣接する部分に大きな取付け空間を要し、操作を困難にしている。特許文献1の調節機構は、この点において顕著な改善を既に構成している。ただし、操作者の制御の快適性を向上させる点に関しては、このような調節機構には改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2015/114154号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明は、この点において改善され、より容易にかつ/又は確実に操作し得る、閉鎖機構を利用可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1に記載の調節機構により達成される。
【0008】
本発明によれば、車両上の蓋付口を少なくとも部分的に閉じる閉鎖フラップ(フラップ蓋)を含む調節機構が提供される。閉鎖フラップが開いている場合、液体を充填するためのライン及び/又はポートを接続するための接続部材は、蓋付口を介してアクセス可能となる。また、調節機構は、操作者制御イベントに応じた外力により、閉鎖フラップを調節するための駆動装置と、駆動装置に接続されている電子制御ユニットとを含む。この点に関し、制御ユニットにより、駆動装置は、一方で、非接触式で検出される操作者制御イベントに応じて閉鎖フラップを開くように作動でき、一方で、閉鎖フラップが閉じる際に、閉鎖フラップの調節経路において、障害物が、挟み込み防止機構により非接触式で検出された場合には、閉鎖フラップは自動的に停止される又は逆戻りすることができる。
【0009】
したがって、本発明による調節機構において、閉じている閉鎖フラップを開くのに決定的な操作者制御イベントを非接触で検出するセンサシステムが、閉鎖フラップが閉じる調節経路に障害物がある場合にこれを検出し得る挟み込み防止機構と組み合わされる。この点について、挟み込み防止機構は、例えば、ユーザの手が閉じようとする閉鎖フラップと車両の車体構造の一部との間で挟まれるのを防止する。ここでは、障害物の検出も、非接触式で、好ましくは、静電容量又は電磁誘導を利用して行われる。
【0010】
ポートは、好ましくは、車両に消耗品を充填するために設計され、設けられる。消耗品は、例えば、車両駆動用のエネルギー担体、例えば、燃料、特に、ガソリン、ディーゼル、圧縮空気若しくは水素等、又は、消耗液、例えば、エンジンオイル、冷却液、若しくはフロントガラスワイパーシステム用のワイピング液等であってもよい。一方、接続部材は、好ましくは、ラインを接続するために設計され、設けられる。その結果として、接続部材は、この構成において、特に、車両の電池、特に、電気自動車又はハイブリッド自動車の電池を充填するための充電ケーブルの接続可能性であると理解される。
【0011】
1つの例示的な実施形態では、少なくとも1つの電極が提供され、これは閉鎖フラップを開くための操作者制御イベントの検出に使用されるとともに、挟み込み防止機構の一部の両方として使用される。したがって、少なくとも1つの電極は、二重の機能を有し、一方で、操作者制御イベントを検出するために機能し、他方で、挟み込み防止機構の一部を形成する。
【0012】
この点に関して、1つの変形例によれば、電子制御ユニットが、
(a)閉鎖フラップを開くために、少なくとも1つの電極により取得される測定値が、閾値を超えたか否かを評価し、
(b)閉鎖フラップが閉じる際に、少なくとも1つの電極により取得される少なくとも1つの測定値を、期待値と比較するように構成されていてもよい。
【0013】
したがって、閉鎖フラップが閉じている場合、少なくとも1つの電極は、閉鎖フラップにおける操作者制御イベントを決定するため、例えば、測定された静電容量についての特定の閾値が、記憶されている閾値を超えたか否かを単にチェックするためにまず使用される。例えば、閉鎖フラップ周囲において測定される静電容量の変化は、閉鎖フラップに手を近づけた結果として生じる。例えば、閉鎖フラップの開放が特定のジェスチャによってのみトリガーされ得る場合、測定された静電容量が記憶されている閾値を超えると、これは、操作者制御イベントとして、又は、少なくとも、操作者制御イベントが生じた可能性についての第1の指標として評価される。したがって、閉鎖フラップが閉じている場合、操作者制御イベント検出のため、少なくとも1つの電極により絶対値の測定が行われる。
【0014】
基本的に、操作者制御イベントの検出のために記憶されている閾値は、特に調節機構の作動時間にわたって、外部環境の変化する条件の関数として適用できる。具体的には、閾値は、閉鎖フラップの領域における(外部)温度又は湿度の関数として適用できる。この目的で、一実施形態において、電子制御ユニットは、例えば、温度又は湿度についての少なくとも1つの測定値を供給する少なくとも1つのセンサに接続され、制御ユニットは、閾値をこの少なくとも1つの測定値の関数とし適用するように構成され、すなわち、閾値を大き、又は、小さくし、あるいは閾値を新しい、すなわち、新たに算出された閾値に置換するように構成されている。
【0015】
変化した環境条件に基づく閾値の適用形態としては、閉鎖フラップが適切に閉じている場合には、基礎測定値、例えば、基礎静電容量が測定され、閾値はその関数として適用される実施形態も含まれる。例えば、閉鎖フラップが閉じている場合に、この基礎測定値が許容可能とされる値(許容値)を超えて変化した場合、基礎測定値が更新され、閾値も、対応する度合いに適用される。一変形例において、調節機構が作動する場合、特に、アイドルモード又はスリープモードから起動する場合に、閾値は、測定された基礎静電容量の関数として自動的に適用される。
【0016】
閉鎖フラップの開放時には、上記少なくとも1つの電極により取得された測定値は、少なくとも1つの記憶されている期待値又は参照値と比較され、これによって仮に測定値が許容値を超えるずれを生じた場合には、閉鎖される閉鎖フラップの調節径路に障害物が存在すると推定される。ここで、期待値は、開かれた閉鎖フラップを中断なしに、すなわち、障害しに、閉位置へ調節移動するためのセットポイント測定値を構成する。
【0017】
この意味で、その調節経路に沿った異なる閉鎖フラップの位置での期待値がそれぞれ記憶されたメモリを設け、閉鎖フラップを閉じる際に、少なくとも1つの電極により取得された測定値を、記憶されている期待値と対比して位置解析を行うように電子制御ユニットを構成してもよい。これにより、異なる位置それぞれにおいて、測定値が記憶された期待値にどの程度対応するのかが確認される。許容不能なずれが検出された場合、閉じつつある閉鎖フラップの調節経路に障害物があると判定される。
【0018】
1つの発展形において、電子制御ユニットの評価ロジックは、期待値から逸脱する個々の測定値を基にする診断処理により、閉鎖機構に誤作動がないかを判定するようにも構成されている。この変形例において、電子制御ユニットは、閉鎖フラップが閉じる際に取得された測定値と、記憶されている期待値を比較して、閉鎖フラップの調節経路に障害物が存在するか否か、また例えば、磨耗により、閉鎖フラップの正確な調節続行できないかどうかを評価するように構成されている。閉鎖フラップが開く際にも診断処理を実行できる。
【0019】
調節機構のメモリに記憶される期待値は、例えば、障害物がない状態で、閉鎖フラップを開放位置から閉鎖位置へ、あるいは閉鎖位置から開放位置へ、一または複数回調整した場合に較正を行うことにより、記憶される。この意味で、この意味で、調節機構の動作中に、記憶されている期待値を適用した調節を、少なくとも1回の後に行われる無障害調節時に行うこともできる。例えば、この目的で、閉鎖フラップの閉位置又は開位置への無障害調節時の各場合に、記憶されている期待値を上書きし、結果として、任意の磨耗現象又は環境条件の変化に適用し得るようにしてもよい。あるいは、記憶されている期待値の各場合に対応する適用は、特定回数の調節サイクルが障害なしに行われた後に行ってもよい。よって、例えば、5回、10回、またはそれ以上の回数の調節サイクル毎に記憶されている期待値を適用してもよい。
【0020】
当然ながら、メモリに記憶された少なくとも1つの期待値の適用は、新たに取得された期待値の単純な上書きのみによらずしても行うことができる。むしろ記憶されている期待値を適用した調節では、状況に応じ、特定の可変的オフセット値を入力して期待値を形成しメモリに記憶してもよい。このようなオフセット値は、例えば、閉鎖フラップの領域における温度変化及び湿度上昇に関し、その結果として、特に測定される静電容量値が変化することを許容する。
【0021】
少なくとも1つの電極は、閉鎖フラップが閉じている場合、起動イベントに応じて、電子制御ユニットの起動をトリガーするためにも使用できる。したがって、エネルギー節約のため、(例えば複数の電極のうち1つのみがアクティブとなる)スリープモードで電子制御ユニットを動作させることがでる。例えば、ユーザの手が閉じている閉鎖フラップに近づくことにより、この1つの電極で静電容量の増大が検出されると、電子制御ユニットが起動して動作モードに替り、同モードにおいて他の電極も作動し、操作者制御イベントの発生があるか閉鎖フラップの周囲をモニターするために、それらの電極の測定値が電子制御ユニットにより評価される。
【0022】
調節機構の少なくとも1つの電極が、電子制御ユニットをスリープモードからアクティブな動作モードに切り替えるための起動イベントの検出と、操作者制御イベントの検出との両方のために使用される場合、電子制御ユニットにおけるこの1つの電極に少なくとも2つの閾値を保存してもよい。閉鎖フラップの周囲において電極により測定された静電容量が、制御ユニットのスリープモードにおける(比較的低い)閾値を超えた場合、これは、起動イベントとして評価される。その後、電子制御ユニットが起動し、その後この電極を用いて(比較的高い第1の)閾値を超える静電容量が測定されると、これは、操作者制御イベント又は少なくとも操作者制御イベントの一部として評価される。操作者制御イベントの一部として評価する場合、例えば、閉鎖機構の少なくとも1つの更なる電極で測定される静電容量の(第2の)閾値を超える必要があり、したがって、これは、第1の電極について測定された静電容量値の超過に対し特定の時系列で生じる必要がある。異なる電極で測定された静電容量の変化が特徴的なサイズ及び順序で生じた場合、閉鎖フラップの周囲における特定のジェスチャ、例えば、ユーザの手により実行され、閉鎖フラップを開くためのトリガーとして機能するワイプ動作(掃過動作)が行われたことを判定することができる。
【0023】
何らかの不適切なトリガーが生じることを避けるために、一変形例においては、少なくとも所定の期間に少なくとも1つの取得された測定値により(各)閾値を超えた場合に、閉鎖フラップの開放のみをトリガーし、及び/又は、「起動」のみを行うように電子制御ユニットは構成されている。これには、好ましくは、(時間をおかずに)連続して測定された特定数(複数)の測定値がそれぞれ閾値を越え、結果として、(各)閾値が所定の期間超過されると判断される場合も含まれる。
【0024】
上述のように、特に、閉鎖フラップの周囲で実行される操作者制御イベントとしてのジェスチャを非接触で検出するために、電子制御ユニットに接続されている少なくとも2つの電極を設けることが好ましい。
【0025】
可能な一実施形態において、上記少なくとも2つの電極及び電子制御ユニットが、例えば、
(a)閉鎖フラップを開くために、閉じている閉鎖フラップの周囲で実行されるユーザの特定のジェスチャを操作者制御イベントとして検出し、
(b)閉鎖フラップが閉じる際に測定値を取得し、それらを電子制御ユニットに記憶された期待値と比較して、閉鎖フラップの調節経路に障害物があれば、これを非接触式で判定するように構成されている。
【0026】
ここで、電子制御ユニットは、閉鎖フラップを開くために、異なる電極により取得された測定値が、所定の順序で、第1及び第2の閾値を超えたか否かを評価するように構成されていてもよい。これによって、例えば、ユーザの手が、最初に1つの電極上にあり、ついでそれとは(空間的に)離れた他の電極上にあることによる静電容量値の増大が測定されるワイプ動作を、非接触式で検出することができる。
【0027】
一実施形態において、少なくとも1つの電極は、
(a)操作者制御イベントを検出するために、閉鎖フラップを開くための測定値を取得するために使用され、
(b)閉鎖フラップ(K)が閉じる際に、電磁遮蔽に使用される。
【0028】
ここでは、各電極は、電子制御ユニットにより対応して作動し、二つの操作モードにおいて異なって用いられ、一方では、閉鎖フラップの開放をトリガーする操作者制御イベントを検出するための測定値を取得するために使用され、他方では、閉鎖フラップを閉じる際に、閉じつつある閉鎖フラップの調節経路に生じうる障害物を検出するために使用される別の電極の電界に影響を及ぼす保護電極として使用される。したがって、ここで、少なくとも1つの電極は、一方では、閉鎖フラップを開く操作者制御イベントを検出するために使用され、他方では、閉じつつある閉鎖フラップの調節経路に生じうる障害物を少なくとも1つの更なる電極による検出を改善するための保護電極として使用される。したがって、閉鎖フラップを開くために使用される一方の電極は、挟み込み防止機構の一部でもあるが、ここでは、それ自体は、障害物を検出するためには使用されず、その代わりに、保護電極として使用される。
【0029】
これを背景として、1つの発展形では、挟み込み防止機構の部品としての少なくとも1つの更なる電極が提供される。この電極により、閉じられる閉鎖フラップの調節経路に障害物があればこれを検出するための測定値が取得される。この場合、閉鎖フラップを開く際に操作者制御イベントを検出するために使用される電極は、閉鎖フラップが閉じる際に、この少なくとも1つの更なる電極のための保護電極として使用される。
【0030】
この変形例では、ジェスチャが閉鎖フラップを開くための操作者制御イベントとしても評価可能である。この目的で、例えば、少なくとも3つの電極が設けられる。そして、これらの電極及び電子制御ユニットは、
(a)閉鎖フラップを開くために、一部の電極により、閉じている閉鎖フラップの周囲で実行されるユーザの特定のジェスチャを操作者制御イベントとして検出し、
(b)閉鎖フラップが閉じる際に、他の一部の電極により測定値を取得し、測定値を、電子制御ユニットに記憶されている期待値と比較して、閉鎖フラップの調節経路に障害物がある場合に非接触式で判定するように構成されている。
【0031】
したがって、少なくとも2つの電極が、ジェスチャを検出するために設けられ、電極のうちの2つが、障害物を検出するために設けることができる。この場合、閉鎖フラップが閉じている場合に該閉鎖フラップを開くジェスチャを検出するために使用される少なくとも1つの電極が、閉鎖フラップが閉じる際に、保護電極として使用され、よって保護電極として動作する。
【0032】
この意味で、例えば、第1及び第2の電極は、ジェスチャの検出に使用される。閉鎖フラップが閉じる際に、第1の電極及び第3の電極は、閉じつつある閉鎖フラップの調節経路において生じうる障害物の静電容量による検出に使用される。そして第2の電極は、閉鎖フラップが閉じる間は、保護電極として機能する。
【0033】
ここでは、閉鎖フラップが閉じる際に、保護電極として使用される少なくとも1つの電極は接地しているべきである。
【0034】
1つの発展形において、例えば、4つの電極が提供される。この構成では、2つの電極は、閉鎖フラップが閉じる際に、操作者制御イベントの検出に使用され、他の2つの電極は、閉鎖フラップが閉じる際に、障害物があれば検出して、挟み込みの可能性を感知するために使用される。閉鎖フラップが開かれる際には、操作者制御イベントの検出に使用される電極のみが参照される。閉鎖フラップが閉じられる際には、他の2つの電極が参照される。閉鎖フラップが閉じる間に、車両の車体構造に対して電極により測定され得る静電容量は変化する。
【0035】
障害物がない場合に対応して測定される静電容量の変化量は期待値を構成し、この期待値は障害物がない調節の場合に維持される。閉鎖フラップが閉じる際の測定を改善するため、操作者制御イベントを検出するために使用された2つの電極は、閉鎖フラップが閉じられる際には、保護電極として使用される。したがって、これらの電極において、検出機能と遮蔽機能との間にわたる切替えが、閉鎖フラップの調節位置(閉/開)又は調節方向(開位置への向き/閉位置への向き)の関数として行われる。
【0036】
少なくとも1つの電極によるこの遮蔽を使用して、ここでは、例えば特に容易な方法により、閉鎖フラップが閉じる際に、該閉鎖フラップの外側に存在するいかなる物体も、閉鎖フラップと閉鎖フラップの内側の車体構造との間に挟まれ得る障害物として間違って検出されないようにすることができる。
【0037】
好ましい一実施形態では、閉鎖フラップは、プラスチック材料から製造される。これにより、静電容量の感知が容易になる。
【0038】
電極は、基本的には、例えば、リードフレーム、銅ストリップ、又は銅ホイルにより形成できる。また、少なくとも1つの電極は、調節機構の支持構造を構成する材料、例えば、筐体部の材料に埋め込むこともできる。この構成では、電極は、筐体部を製造するために利用される(プラスチック)材料を使用した射出成形により封入できる。あるいは、予め仕上げられている支持構造又は筐体部に、少なくとも1つの電極を取り付けてもよく、例えば接着してもよい。
【0039】
電子制御ユニットの電源及び/又はバスラインへのリードフレームの接続は、例えば、リードフレーム上の圧入ピンにより行われ得る。同様に、駆動装置のモータ接触子も、圧入ピン又はダイレクト回路基板プラグと呼ばれる手段により接続できる。特に、このため、センサデバイスは、回路基板を備えてもよく、これを用いて駆動装置のモータ接触子が接続される。回路基板が使用され、特に、リードフレームから形成されたものではない電極が使用される場合、電極と回路基板との間の電気的接触は、プラグ型コネクタ又は圧接部によっても形成できる。
【0040】
センサデバイスの回路基板は、調節機構の支持構造上に配置されることが好ましい。電極が操作者制御イベントを検出する静電容量式又は誘導式感知デバイスの一部として形成される場合、一実施形態では、閉鎖フラップの調節のために操作者制御イベントを非接触式で検出し得るセンサ面は、回路基板の後部上方に形成される。
【0041】
適切に取り付けられた状態にある調節機構の電極を隠すために、少なくとも電極を覆うパネル部を設けてもよい。ここで、パネル部は、一体的に射出成形されるプラスチック材料により、又は、後で取り付けられるパネルにより形成することができる。
【0042】
1つの変形例において、パネル部は、調節機構の接続部材及び/又はポートを有する領域上にも少なくとも部分的に延在している。このようにして、閉鎖フラップが開いている場合にユーザに面する均一な表面は、比較的容易に得ることができる。複数の電極が存在する場合、それらも、同じパネル部により保護される状態で覆うことができる。
【0043】
電子制御ユニットに接続され、それにより閉鎖フラップを開くための操作者制御イベントが検出され、及び/又は、閉鎖フラップが閉じる際に挟み込み防止機構の一部として動作する少なくとも1つの電極は、調節機構の接続部材および/またはポートを有する支持構造、又は、閉鎖フラップ自体に配置することができる。したがって、電極は、固定式で車体構造に固定される調節方向の支持構造、又は、それに対して調節可能なフラップの、一方に配置される。
【0044】
一実施形態において、調節機構は、駆動装置に連結され、異なる旋回軸を中心に旋回し得る少なくとも2つの旋回レバーを備えたレバー機構を有する。この場合、外力により作用して閉鎖フラップを調節する調節力は、このレバー機構を介して伝達できる。
【0045】
閉鎖フラップを調節するため、第1の旋回レバーは、駆動装置により駆動される駆動シャフトにより、その旋回軸を中心に旋回可能であることが好ましく、安定化のために用いられる第2の旋回レバーは、閉鎖フラップの調節により、その旋回軸(好ましくは、他方の旋回軸に平行である)を中心に旋回できる。
【0046】
したがって、少なくとも1つの第1の旋回レバーは、駆動装置により駆動され、一方で、少なくとも1つの第2の旋回レバーは、閉鎖フラップとのその連結によってのみ調節され、前記少なくとも1つの第1の旋回レバーとの組み合わせにより、閉鎖フラップ開閉時の調節経路を予め規定する。したがって、2つの異なる第1及び第2の旋回レバーは、閉鎖フラップに異なる箇所で、好ましくは関節式に、連結され、結果として、閉鎖フラップは開閉時に、旋回軸に平行な配向を維持する。したがって、閉鎖フラップは、旋回可能な旋回レバーを備えたレバー機構によって単に回し上げられるものではなく、むしろレバー機構により駆動され、開かれる際に、第1の空間方向と、該第1の空間方向を横断する第2の空間方向に沿って配向した状態が維持される調節移動を行うことができる。このようにして、例えば、開放される際に、閉鎖フラップは、最初に、接続部材及び/又はポートを少なくとも部分的に囲む支持体縁から上昇し、その後に、接続部材及び/又はポートに外側からアクセス可能となるよう、横方向に離れるように枢動する。レバー機構による閉鎖フラップのこのような調節性は、特に、旋回レバーの旋回軸が蓋付口に対して中心を外れて伸びる、すなわち、蓋付口の中心を伸びる長手方向軸又は横方向軸に対してオフセットすることにより最適化され得る。
【0047】
上記の調節移動は、代替的に又は付加的に、角度レバーとしての1つ以上の旋回レバーの形成によっても支援できる。ここで、角度レバーは、≠180°の角度(すなわち、180°ではない)、好ましくは、45°〜135°の範囲で互いに対して伸びる2つのリムを有するレバーであると理解される。このような角度レバーは、好ましくは、各旋回軸を中心に旋回し得る状態で、その2つのリムの一方の端部において取り付けられる。
【0048】
閉鎖フラップは、車両上に正しく取り付けられた状態の調節機構によって、外力により作動し、安定的に、かつ省スペースとなる形で、
車両の垂直軸に対して、基本的に上向き若しくは下向きに開かれ、又は
車両の長手方向軸に対して、基本的に前向き若しくは後ろ向きに開かれ得る。
【0049】
この構成において、先に説明したように、閉鎖フラップの空間的な配向が車両の垂直軸及び/又は車両の長手方向軸に対して変化しない調節経路が、レバー機構により閉鎖フラップに対して予め規定されることが好ましい。したがって、閉鎖フラップは、外力で作動される調節中に、閉鎖フラップが傾斜又は回転しない状態で、レバー機構に連結される。
【0050】
一実施形態において、全ての旋回レバー又は少なくとも1つの旋回レバーはそれぞれ、レバー端において、例えば、クリップ連結により閉鎖フラップに連結される。
【0051】
調節力を旋回レバーに伝達するために、駆動装置は、ギア機構を備えていてもよい。この構成において、例えば、駆動装置の駆動モータにより駆動され得る第1のギアホイール部材は、回転可能に固定された状態で、少なくとも1つの旋回レバーに接続される第2のギアホイール部材と歯合する。一実施形態において、ギアホイール部材の一方は、例えば、ウォームギアの形をとる。
【0052】
一実施形態において、駆動される第2のギアホイール部材は、回転可能に固定された状態で駆動シャフトに接続され、該駆動シャフトに旋回レバーの少なくとも1つが、駆動トルクをこの旋回レバーに伝達するために、固定される。
【0053】
代替的な実施形態の変形例において、駆動される第2のギアホイール部材は、例えば、1つ以上のベアリングピンにより、回転可能に固定された状態で、1つ又は複数の旋回レバーが接続されるベアリング部に固定される。これに基づく発展形において、互いに平行に配向する2つの旋回レバーが、調節ボウ(弓状調節部材)の一部をなし、この目的で、接続部品により、好ましくは、閉鎖フラップに接続されているそのレバー端において、互いに堅固に接続されている。ここでは、2つの旋回レバーを有する調節ボウは、例えば、ベアリング部と共に一体のピースとして形成されている。ここで、調節ボウを可能な限りコンパクトな形で閉じた状態の閉鎖フラップに収容するために、旋回レバーは、好ましくは、駆動される第2のギアホイール部材を有するベアリング部に対して一定の角度をなして伸びる。ここで、駆動される第2のギアホイール部材はまた、ベアリング部上に一体的に形成でき、該ベアリング部は、駆動装置の駆動モータにより駆動され得る第1のギアホイール部材が歯合する外側歯合システムを形成する。第2のギアホイール部材が、別個の部品として形成されて、回転可能に固定される状態でベアリング部に接続される場合には、ベアリング部及び第2のギアホイール部材は、異なる材料からより容易に製造することができる。例えば、一体的に形成された調節ボウを備え、2つの旋回レバーを有するベアリング部は、軽量化のためにプラスチックから製造することができ、一方で、第2のギアホイール部材は、金属材料から製造することができる。
【0054】
一実施形態において、互いに対して平行に伸び、接続部品により互いに堅く連結された2つの(第1の)旋回レバーを有する調節ボウが設けられ、該調節ボウは、閉鎖フラップを調節するために、駆動装置の駆動モータにより駆動することができる。さらに、複数の更なる(第2の)旋回レバー、あるいは単一の更なる(第2の)旋回レバーをもうけ、この旋回レバーによって、調節移動が行われる際のレバー機構の旋回軸に対する、閉鎖フラップの配向を一定に保持してもよい。一実施形態において、調節ボウ及び1つの更なる旋回レバーは、閉鎖フラップの閉位置において、旋回して収納された調節ボウのレバー端が、接続部材及び/又はポートに隣接して配置され、1つの更なる旋回レバーのレバー端が前記接続部材及び/又はポートの上または下に突出するように配置・搭載されてもよい。特にこのような実施形態(変形例)においては、1つの旋回レバーは、パネル部の貫通口を通じて案内されるものであってもよい。ここで、このパネル部は閉じた状態閉鎖フラップに対向し、電子システム及び調節機構の駆動装置の少なくとも一部を覆い、結果として、(好ましくは、それ自体は駆動されずに同期される)1つの旋回レバーの取付け箇所は、パネル部により隠されるため、(閉鎖フラップが開いている場合であっても)外側から見えない。
【0055】
1つの例示的な実施形態では、閉鎖機構の筐体様の支持構造上で旋回軸を中心に旋回可能であるように、対で取り付けられる4つの旋回レバーが提供される。この支持構造に対して、閉鎖フラップが調節され得る。駆動装置も、この支持体上又は内部に配置され得る。
【0056】
接触が生じた際に感知するように構成される操作者制御部材を、閉鎖フラップを閉じるために設けてもよい。この場合、操作者制御イベントが検出されるためには、ユーザは、操作者制御部材と能動的に接触し、又は、同部材を押す必要さえもある。当然、代替的に又は付加的に、開いた状態の閉鎖フラップの閉鎖を引き起こすために、さらに、ジェスチャ検出システムを実装してもよい。したがって、例えば、露出した接続部材及び/又は露出したポートの方向へのワイプ動作(好ましくは、閉鎖フラップがこれに沿って調節され、特に摺動しうる調節軸に沿ったワイプ動作)を、開かられた状態の閉鎖フラップを閉じるための操作者制御イベントとして検出することができる。
【0057】
さらに、閉鎖機構の視野に少なくとも一つの表示部材を設けて、(具体的にはその時点の閉鎖フラップの位置などの)調節機構の作動状態、車両の燃料タンク若しくは電池の充填レベルなどの、及び/又は、閉鎖フラップを調節するために行われる指の動作若しくは手の動作の指示などを、ユーザに対して視覚的に表示してもよい。このような表示部材は、1つ以上のLEDを含むことが好ましい。
【0058】
したがって、
外力による作動により閉鎖フラップの調節を制御するために提供される少なくとも1つのセンサ部材であって、それにより、閉鎖フラップを調節するための操作者制御イベントとして評価され得るユーザの指の動作又は手の動作を感知可能であるセンサ部材と、
少なくとも1つの表示部材であって、調節機構の動作状態及び/又は車両の燃料タンク若しくは電池の充填レベル、並びに、閉鎖フラップを調節するために行われる指の動作若しくは手の動作の指示の両方を、ユーザに対し視覚的に表示するために設けられた表示装置と、
を提供することができる。
【0059】
ここでは、センサ部材は、先に説明されたように、静電容量感知デバイスの一部であってもよい。このデバイスにより、操作者制御イベントを非接触式で、調節、特に、閉鎖フラップの開閉のために検出できる。
【0060】
したがって、例えば、閉鎖フラップの現在の位置及び車両の燃料タンク又は電池の充填レベルが、例えばLEDのライトレールを含む少なくとも1つの表示部材により、ユーザに対して表示される。例えば、これについて、LEDは、各充填レベルの関数として、異なる色又は光強度で発光し得る。更に、同じLEDを、特定の配列で個々に、又はペアで、又はグループで交互に発光するような方法で作動させ、操作者制御イベントとして検出され得る指の動作又は手の動作を行うべき方向をユーザに表示し、結果としてユーザの動作が、(検知許容範囲の)操作者制御イベントとして検出され得るようにしてもよい。
【0061】
本発明の更なる態様によれば、閉鎖フラップの調節移動を制御するための方法が提供される。
【0062】
ここでは、車両の蓋付口は、少なくとも部分的に、閉鎖フラップによっても閉じられ得る。閉鎖フラップが開いている場合、この蓋付口により、液体充填用のライン及び/又はポートを接続するための接続部材にアクセス可能となる。閉鎖フラップを外力による作動により調節するために、本発明により提供される駆動装置は、一方で、非接触式で検出される操作者制御イベントに応じて作動して閉鎖フラップを開き、他方では、閉鎖フラップが閉じる際に、仮に閉鎖フラップの調節経路において障害物が非接触式で挟み込み防止機構により検出された場合には、自動的に停止されるか又は逆戻りする。したがって、本発明による制御方法では、非接触式でトリガーされ得る閉鎖フラップの調節のためのセンサシステムに加えて、閉鎖フラップが蓋付口に正しく配置された場合に、閉じつつある閉鎖フラップと車両の車体構造との間での障害物の挟みこみを防止するために、挟み込み防止機構も提供される。
【0063】
この構成において、電子部品を最適化し、その数を節約するために、少なくとも1つの電極が、本発明による制御方法の実施形態の変形例の範囲内で、二重の機能で動作し得る。
【0064】
第1の代替手段によれば、例えば、
(a)閉鎖フラップを開くために、少なくとも1つの電極により取得される測定値が閾値を超えたか否かが評価され、
(b)閉鎖フラップが閉じる際に、少なくとも1つの電極により取得される少なくとも1つの測定値を期待値と比較される。
【0065】
したがって、少なくとも1つの電極は、閉鎖フラップが閉じている場合と、閉鎖フラップが閉じる途中とで、異なる機能に使用される。
【0066】
これは、代替的な実施形態の変形例における場合にも基本的に適用される。この変形例においては、
(a)閉鎖フラップの開放をトリガーする操作者制御イベントを検出するために、閉鎖フラップを開くための測定値を取得するために使用され、
(b)閉鎖フラップが閉じる際に、電磁遮蔽に使用される、
少なくとも1つの電極が提供される。
【0067】
この詳細は、本発明による調節機構の対応する実施形態について、既に先に説明されている。
【0068】
したがって、本発明による制御方法は、本発明にしたがって構成された調節機構により実行できる。したがって、本発明による調節機構について、上記及び以下で説明された利点及び特徴は、本発明による制御方法の実施形態にも適用され、その逆も可能である。
【0069】
添付の図面は、本発明の例示となりうる実施形態の変形例として例証する。
【図面の簡単な説明】
【0070】
図1A】横方向に調節可能な閉鎖フラップ(図示せず)を有する、本発明による調節機構の例示的な実施形態を示す図である。
図2図1Aの調節機能の別の状態を示す図である。
図2A図1Aの調節機構を別の視点から示す図である。
図2B図2の調節機構を別の視点から示す図である。
図3A】閉状態にある閉鎖フラップを有する、図1A〜2Bの調節機構を示す図である。
図3B】開状態にある閉鎖フラップを有する、図1A〜2Bの調節機構を示す。
図4A図1A〜3Bの調節機構を示す側面図である。
図4B図1A〜3Bの調節機構の別の状態を示す側面図である。
図4C図4Bの調節機構を別の方向から見た側面図である。
図5A】一方で、ユーザに視覚的に、動作状態及び/又は燃料タンク若しくは電池の充填レベルについての情報を通知し、他方で、閉鎖フラップを開くように行われるジェスチャについての情報を提供する表示装置を有する、本発明による調節機構を示す図である。
図5B図5Aの調節機構使用時の一段階を示す図である。
図5C図5Aの調節機構使用時の別の段階を示す図である。
図5D図5Aの調節機構使用時の別の段階を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0071】
図1A〜4Cに、本発明による調節機構Vの第1の例示的な実施形態を示す。この調節機構Vは、支持構造体として、車両の車体構造部分へ取付けるために設けられた支持フレームTを有する。ここで、支持フレームTは、取付け部BFを介して、車体構造部に固定さできる。支持フレームTは、支持フレームT上に調節可能に取り付けられている閉鎖フラップKにより閉鎖され得る蓋付口BOを囲んでいる。支持フレームTにより囲まれる接続領域ABは、閉鎖フラップKが開いている場合、蓋付口BOを介してアクセス可能となる。接続ソケットAは、この接続領域ABにおいて、ラインを接続するための接続部材として設けられる。接続ソケットAは、例えば、充電ケーブルの差し込みのために用いられる。したがって、例えば電気自動車の電池は、接続ソケットAを介して充電可能である。
【0072】
ここで、閉鎖フラップKは、正しく取り付けられた状態において、駆動装置3による外力によって作動され、具体的には、基本的に側方に車両の長手方向軸に対して、後方に向かって(又は前方に向かって)調節され得る。ここでは、閉鎖フラップKを開閉するための調節移動は、駆動装置3のモータ31により制御される。ここで、モータ31は、ギア機構により、調節移動を閉鎖フラップKに伝達するレバー機構2を駆動させる。ギア機構は、モータ31により駆動され駆動ウォーム33’の形をとる第1のギアホイール部材と、第1のギアホイール部材と歯合し、ギアホイール201’の形をとる第2のギアホイール部材とにより形成される。
【0073】
特に、図1A〜2Bを参照して、図示されるように、支持フレームTは、支持フレームT内の2つの空間同士を旋回軸S1及びS2の延在方向に対して横方向に分離する隔壁STを有する。この構成において、接続領域ABは、接続ソケットAと共に第1の空間に配置される。駆動装置3は、第1の空間から分離されて、レセプタクルLを形成する第2の空間に、駆動モータ31及びギア機構と共に完全に収容される。
【0074】
閉鎖フラップKの閉鎖状態において、特に、調節機構の調節ボウ21は、レセプタクルLに閉位置で完全に収容される。この調節ボウは、レバー機構2の2つの旋回レバー2a及び2bにより形成される。同旋回レバー2a及び2b同士は、その突出した(上方)レバー端において、連結部210により堅く連結されている。U字型に形成された調節ボウ21は、連結部210により、閉鎖フラップKの内側において確実にロックする形で保持され、閉鎖フラップKに関節式に連結される。
【0075】
加えて、ベアリング部22が、調節ボウ21の旋回レバー2a及び2bの他の2つの(下方)端間に形成され、支持フレームTに連結されている。このベアリング部22は、好ましくは、プラスチックから製造され、駆動装置3のギア機構の第2のギアホイール部材としてのギアホイール201’を支持する機能を果たす。この構成において、このギアホイール201’は、ベアリング部22上に回転可能に固定される形で、ギアホイール201’の両端面上に突出するベアリングピン20’により配置される。 このようにして、ギアホイール201’の回転により、旋回軸S1を中心にした調節ボウ21並びにその2つの旋回レバー2a及び2bが旋回する。
【0076】
ギアホイール201’を回転させるために、駆動装置3の駆動ウォーム33’の形の第1のギアホイール部材が設けられている。この駆動ウォーム33’は、ギアホイール201’と歯合して、閉鎖フラップKを開閉させる。本実施形態では、閉鎖フラップKの開閉中に、閉鎖フラップKを常に確実に旋回軸S1と平行に配向させ、旋回軸S1を横断する方向に対しても平行に配向させるため、レバー機構2は、2つの旋回レバー2a及び2bを有する調節ボウ21に加えて、1つの更なる旋回レバー2cを有する。後者は、駆動モータ31により直接駆動されないが、その代わりに、第2の旋回軸S2を中心に支持フレームT及び閉鎖フラップKに連結されるため、閉鎖フラップKが調節される際にのみ調節される。閉鎖フラップKが、旋回軸S1に対して傾くことは、この更なる1つの旋回レバー2cにより防止される。同旋回レバー2cは、閉鎖フラップKの更なるベアリング点を定義する。
【0077】
上記1つの旋回レバー2cは、角度付レバーとして形成されている。1つの旋回レバー2cは、この構成において、支持フレームT上で、閉じている閉鎖フラップKの内側に面するパネル部の後ろで支持される。長手方向に伸びるベアリングスロット4の形をとる貫通口が、このパネル部に設けられる。1つの旋回レバー2cは、そのレバー端210c(関節式に閉鎖フラップKに連結される)がベアリングスロット4に挿通された状態で、このベアリングスロット4において、旋回軸S2に対して横方向に案内される。ここで、調節機構Vが正しく取り付けられた状態では、ベアリングスロット4は、車両の長手方向軸に対して基本的に平行に伸びる。
【0078】
電子部品及び駆動装置3の一部をコンパクトな様式で収容するために、筐体部5が、支持フレームT内、特に、隔壁STにより接続ソケットAから分離された空間内に設けられる。調節ボウ21は、それが図1A及び2Aに示すように旋回されるときに、すなわち、閉鎖フラップKが閉位置に位置するときに、この筐体部5の周囲に係合する。
【0079】
図1A〜4Cに示す調節機構Vの場合、閉鎖フラップKは、レバー機構2に連結されるが、その際閉鎖フラップKは、最大に開いた位置でも、常に筐体部5を有する空間を少なくとも部分的に覆っており、接続ソケットAを備えた視認される領域のみへアクセスし得る状態となる。したがって、図3Bに対応する開位置において、閉鎖フラップKは、特に単一の旋回レバー2cと同様、調節ボウ21及びベアリング部22も完全に覆う。
【0080】
単一の旋回レバー2cにより閉鎖フラップKを閉じた位置において、接続ソケットAを密封状態で閉じるために、平板状又は環状の密封部材DAが、閉鎖フラップKの下側に設けられている。この密封部材DAは、閉鎖フラップKが閉じられた場合、レバー機構2により、接続ソケットAに対して押し付けられる。これについては、特、図4A〜4Cにより、より詳細に図示される。
【0081】
閉鎖フラップKを外力による作動により調整して、図3Aの正面図に示されるように閉鎖フラップKが蓋付口BOを完全に覆う閉位置にするために、操作者制御部材を、車両上若しくは車内及び/又はリモートコントロールシステムに設けてもよい。図示された実施形態では、操作者制御部材は、(適切であれば付加的に)アクセス可能な接続ソケットAの領域に直接設けられる。ここで、この操作者制御部材は、センサ部材SEを備え、これによってユーザによってトリガーされた操作者制御イベントを検出できる。例えば、センサ部材SEは、非接触式でユーザの指又は手により行われた動作を、検知許容範囲の操作者制御イベントとして検出する静電容量式感知デバイスの一部である。
【0082】
ユーザが実行するジェスチャにより閉鎖フラップKを開くために、設定機構Vは、2つのセンサデバイス1a及び1bを有する。ここでは、センサデバイス1a及び1bはそれぞれ少なくとも1つの(センサ)電極を備えており、これによって閉じられた閉鎖フラップKの正面で行われる手の動作、特に、ワイプ動作を、閉鎖フラップKを開くための操作者制御イベントとして静電容量によって検出する。この構成において、センサデバイス1a及び1bはそれぞれ回路基板を備え、これによって駆動装置3を作動させるための電圧源と電子制御ユニットとの間を電気的に接触させる。制御デバイス1a及び1bの電極はそれぞれ、例えば、リードフレームにより形成され、支持構造Tの(プラスチック)材料に埋め込まれ得る。
【0083】
2つのセンサデバイス1a及び1bは、閉鎖ソケットAの両側に配置されており、結果として、接続ソケットA上のワイプ動作を、2つのセンサデバイス1a及び1bにより安定的に検出できる。取付け空間を有効に使用するために、ここでは、一方の(第2の)センサデバイス1bは、レセプタクルL内で閉鎖フラップKの方向に突出する筐体部5に配置される。接続ソケットAの横方向に(ここでは、右側に)存在する取付け空間は、一方で、調節ボウ21を閉鎖フラップKの閉位置に移動させ、それをコンパクトな状態でしまい込むために、また他方では、調節ボウ21の領域における操作者制御イベントの非接触検出を感知するために、最適な度合いで使用され得る。例えば、センサデバイス1bが、筐体部5の閉鎖フラップKに面するカバー面の近傍に配置された場合、操作者制御イベントは、特に、プラスチックで作製された閉鎖フラップKの場合には、静電容量値を変化させることにより、非接触式で実質的に最適な度合いで感知できる。例えば、プラスチック又は他の非導電性材料で作製され、容量性カップリング部材として、例えば、箔の形の導電性部材を備える閉鎖フラップKを設けてもよい。したがって、測定範囲は、操作者制御イベントを感知するような方法で形成され、及び/又は拡大され得る。
【0084】
閉鎖フラップKが開いている場合に視認される調節機構Vの領域、特に接続ソケットAの周り、の美観のため、センサデバイス1a及び1bは、パネル部Bにより覆われる。この構成において、パネル部Bは、センサデバイス1aを接続ソケットAの左に、センサデバイス1b及び筐体部5の上側を接続ソケットAの右に覆い、また接続ソケットAを囲むエッジを覆い、結果として、均一で平坦な表面が利用可能となる。この構成において、パネル部Bは、プラスチック材料を一体的に射出成形することにより、あるいはパネルの後付けによって形成できる。
【0085】
互いに離間したセンサデバイス1a及び1bはそれぞれ、1個又は複数の電極、好ましくは、2つの電極により構成でき、異なる機能のために設けることができる。これによって、閉じられた閉鎖フラップKの正面で実行されるジェスチャを、センサデバイス1a及び1bにより、閉鎖フラップKを開くための操作者制御イベントとして検出できる。加えて、閉鎖フラップKが閉じる際に、閉鎖フラップKを閉じる調節経路に障害物がある場合には、センサデバイス1a及び1b又はそれらの電極及び図3Aに模式的に図示される電子制御ユニット7によって、障害物を検出できる。閉鎖フラップKを開くためには、(基本静電容量に対して上昇した)静電容量が閾値を超え、従ってユーザの手が閉鎖フラップKに近づいてワイプ動作を行ったかどうかを判定するために、センサデバイス1a及び1bにより絶対値の測定が行われるのに対し、閉鎖フラップが動くときには、センサデバイス1a及び1bにより測定される値が参照値として用いられる実験値と対比される。測定値が、電子制御ユニット7のメモリに記憶されている期待値に対して許容可能な程度を超えて異なる場合、閉鎖フラップKの調節経路に、特に、閉鎖フラップKの内側と車両の車体構造との間に障害物があり、閉じられる閉鎖フラップKにより挟まれる可能性があると判定される。このような場合には、閉鎖フラップKの調節移動は、自動的に停止され又は逆戻りする。この目的で、電子制御ユニット7は、駆動装置3に接続される。
【0086】
閉鎖フラップKが閉じる際に使用される期待値は、例えば、障害物がない場合に開いている閉鎖フラップKをその閉位置(又は開位置)へ調節した場合に較正することにより記憶されている。したがって、期待値は、支持構造Tに対する閉鎖フラップKの調節位置が異なる場合についてそれぞれ記憶される。適切であれば、障害物の無い複数の場合における複数回の調節も、位置分解を行いながら複数の期待値を記憶するために使用することができる。 障害物の無い場合の複数の調節サイクルが使用される場合、期待値は、例えば、取得された測定値の平均値により生成され、記憶される。
【0087】
記憶された期待値を適用して調節を行う場合に、任意の磨耗現象又は周囲の影響の変化を許容するように、所定回数の障害物の無い調節サイクルを記憶後に、期待値を自動的に適用することにしてもよい。これによって、センサデバイス1a及び1bによって(も)決定される、挟み込み防止機構の誤始動のリスクを低下させることができる。
【0088】
図3A、3B、及び4Bにより図示されるように、一実施形態において、(更なる)電極11、12、13、及び14を閉鎖フラップK自体に配置し、閉鎖フラップKの開閉のためのジェスチャを検出するために使用してもよい。こここでは、対で配置されて存在する電極11、12及び13、14を、この構成におけるセンサデバイス1a及び1bの電極に代えて又はこれらに加えて設けることができる。
【0089】
一実施形態において、電極11、12、13、及び14が付加的に設けられ、閉じている閉鎖フラップKを開くためのジェスチャを、これらにより検出すつこともできる。閉鎖フラップKが閉じる際に、閉鎖フラップK上の(外側の)電極11、12、13、及び14は、閉じつつある閉鎖フラップKの調節経路に障害物があれば検出するセンサデバイス1a及び1bの(内側)電極に対して、外側に対する保護電極として機能する。したがって、閉鎖フラップKの電極11、12、13、及び14は、閉鎖フラップKの調節方向に依存して異なって作動する。 閉鎖フラップKが閉じている場合の機能か、閉じられるべき状態の機能かに応じ、検出機能から保護機能へ、又はその逆への切替えが行われる。
【0090】
閉鎖フラップKに一体化された4つの電極11、12、13、及び14のみが設けれらた一実施形態において、これらは、対で異なる作動をすることができ、具体的には、閉鎖フラップKが閉じていか、閉じられるべき状態にあるかに応じた機能で作動できる。
【0091】
閉鎖フラップKが閉じている場合、例えば、電極対11、12、13、及び14の両方により、記憶されている閾値に基づいて、ユーザが、閉鎖フラップKを開くために、閉鎖フラップK上において手を左から右にワイプ動作を実行したか否かが評価され、ついで、このワイプ動作は、閉鎖フラップKの開放のトリガーとなる操作者制御イベントとして評価される。開いている閉鎖フラップKを閉じる際に、対照的に、縁部側電極11及び14が、保護電極として作動し、一方で、内側電極12及び13が、閉鎖フラップKが閉じる最中の挟み込みの可能性を検出するために使用される。
【0092】
したがって、4つの電極11、12、13、及び14は全て、挟み込み防止機構の一部でもある。ただし、内側電極12及び13から取得される測定値のみが、記憶されている期待値と比較され、これによって1つ又は複数の期待値から許容範囲を超える大きな逸脱が生じた場合に、挟み込み発生の可能性があると判定して、閉鎖フラップKの調節を停止させる又は逆戻しする。ただしここでは、調節機構Vが開かれ、また場合によってはジェスチャ制御下で閉じられ得ることだけでなく、ジェスチャ検出にも使用される同じ電極を少なくとも部分的に用いることにより利用可能となる、静電容量により作動する挟み込み防止機構が提供されることも重要である。
【0093】
1つの発展形において、閉鎖フラップKが閉じている場合、エネルギーを節約するために、電子制御ユニット7が、所定のアイドル時間後に自動的にスリープモードに変わる構成としてもよい。スリープモードにおいて、1つの電極のみによって、物体が閉じている閉鎖フラップKに近づいたか否かがモニターされる。この電極により取得された測定値が、記憶されている閾値を超えた場合、電子制御ユニット7が起動される。制御ユニット7は、動作モードに変化し、同モードにおいて、少なくとも1つの更なる電極、例えば、センサデバイス1a、1bのうちの一方又は電極11〜14のうちの1つにより、閉じている閉鎖フラップKの周囲におけるジェスチャの発生をモニターし、閉鎖フラップKの開放をトリガーする。
【0094】
図面に図示されていない1つの変形例では、少なくとも1つの電極が閉鎖フラップKの内側の比較的近く配置され、少なくとも1つの電極が閉鎖フラップKの外側の比較的近くに配置されるように、閉鎖フラップKに電極が配置される。ここでは、ついで、(内側)電極は、閉鎖フラップKが閉じているとき、および開放が生じた際に、シールディングとして機能する。一方、他の(外側)電極は、操作者制御イベントを検出し、場合によっては、開いている閉鎖フラップKの調節経路における障害物を検出するために使用される。閉鎖フラップKが閉じる際に、少なくとも1つの(外側)電極は、逆にシールディングを提供するように機能し、一方、他の(内側)電極は、測定機能を行い、ついで、この構成においては挟み込み防止機構の一部として、閉じている最中の閉鎖フラップKの調節経路において生じうる障害物の発生をモニターする。この構成において、個々の電極は、接地(基準電位)に対して測定し得る。加えて、この構成において、電極は、閉鎖フラップK上で又は閉鎖フラップK中で、一方が他方に重なったサンドイッチ構造で配置されてもよい。
【0095】
代替的に又は付加的に、閉鎖フラップKの開閉を、調節機構Vの単一の電極を用いて、異なる測定原理で実施してもよい。例えば、開く(閉じる)ためには2電極法を実施してもよく、閉じる(開く)ためには単一電極法を実施してもよい。2電極法の場合には、送信電極及び受信電極を用いて、静電容量の変化が測定される。静電容量は、通常、物体が閉鎖フラップKに近づいた際には小さくなる。単一電極法では、接地(基準電位)に対する静電容量が測定される。この際測定された静電容量は、物体が近づいた際により大きくなる。
【0096】
特に、閉鎖フラップKが開いている場合、車両の電池の充電状態及び/又は閉鎖フラップKを閉じるために実行すべきジェスチャを、ユーザに視覚的に知らせるため、表示部材AZが設けられており、これは正確に取り付けられた状態では、半透明のカバーADにより保護される(特に、図1A〜2Bを参照のこと)。この表示部材AZは、例えば、1つ以上のLEDを有するライトレールを含み得る。表示部材AZで可能な操作の更なる詳細は、以下で説明すえう図5A〜5Dに図示されている。
【0097】
図1A〜4Cに図示された実施形態では、レバー機構2の旋回軸S1及びS2は、中心をはずれて、蓋付口BOの縁部に近い領域に設けられている。このようにして、閉鎖フラップKは、角度付レバーとして形成された旋回レバー2a〜2cと共に調節され、開放される際に、閉鎖フラップKは接続ソケットAから外れて(特に、最初に第1の空間方向R1に)持ち上げられ、この持ち上げを伴う調節移動において、車両の長手方向軸に対して後ろ向きに、基本的に持ち上げ方向に対して垂直に伸びる第2の空間方向R2に、移動される。ついで開位置において、閉鎖フラップKは、車体構造の外側表面付近上に比較的短い距離で配置され、そのため、開状態においても占める空間は比較的小さい。従って、閉鎖フラップKは、閉位置と開位置との間での調節において、レバー機構2により、最大程度に前方に調節され、接続ソケットA及び支持フレームTを囲む車体構造の外側表面から、旋回軸S1又はS2を横断する方向に伸びる空間方向R1に最大程度に離れるが、完全な開位置にはない。
【0098】
本発明に従って構成され、レバー機構2を有する調節機構Vは、比較的コンパクトな設計のものであるため、車体構造上に取付け空間をほとんど必要としない。加えて、この手段により、蓋付口BOを、密閉状態で閉鎖することができ、その際、レバー機構を用いて十分に大きな力で、閉鎖フラップKを密封シートに引き近づけ、あるいは密封シートから引き上げることができる。
【0099】
図示された調節機構Vを簡単に取付けるためには、調節機構Vは、好ましくは、予め作製された調節モジュールとして形成され、駆動装置3及びレバー機構2は、機能し得る形で支持フレームTに予め配置されており、このフレームTが車体構造の開口内に挿入される。場合によっては、予め作製され、支持フレームT、駆動装置3、及びレバー機構2を備えて機能し得る形で予め作成された調節モジュールに、閉鎖フラップを取り付けておいてもよい。予め作製され、機能的に可能な調節モジュールに予め取り付けられ得る。操作者制御イベントを調節機構V上で検出するためにセンサシステムを設け、かつ/又は、調節機構V上に表示部材AZを設ける場合、これらの部品も、完全に機能し得る形で予め調節機構に取り付けられていることが好ましい。これによって、予備テスト可能であり、単に車体に取り付けて電源、および場合によっては、上位の制御電子部品と接続すればよい構造単位を提供することができる。
【0100】
(センサ部材SEを有する)静電容量感知デバイスにより非接触形式で、閉鎖フラップKを開くための操作者制御イベントが検出されるためには、ユーザが閉じている閉鎖フラップKの正面でどのよう手Hを動かすべきかの視覚的な指示を、表示部材AZの複数の照明手段(ここでは、LED6.1〜6.6の形をとる)を用いて提供するために、表示部材AZを作動させ得る方法を図5A〜5Dに図示する。ここでは、個々のLED6.1〜6.6は、前後に一列に配列され、蓋付口BOの縁部領域(ここでは、上側の縁)に配置されており、結果として、閉鎖フラップKが閉じている場合でも、LED6.1〜6.6により発せられた光を見ることができる。
【0101】
ここで、ユーザが自身の手Hを閉鎖フラップKの正面で左から右に実行するワイプ動作が、静電容量感知デバイスにより、閉鎖フラップKを開くための許容可能な操作者制御イベントとして評価される。手Hにより行われるジェスチャは、スライド動作を連想させるが、この構成では、閉鎖フラップKに手Hが触れることはない。個々のLED6.1〜6.6が、単独で、ペアで、若しくはグループで、交互に及び/又は異なる色で点灯し、ここでは、(場合によっては特定の色の)光スポット又は光ストリップが左から右に移動するようにみえることによって、ユーザは、閉鎖フラップKを開くために、自身の手Hも左から右に移動させるよう指示を受ける。そのため、個々のLED6.1〜6.6は、例えば、次々に点灯し、閉鎖フラップKの縁部において、「走光」が生じる視覚的印象が与えられる。
【0102】
閉鎖フラップKが完全に開いている場合、この動作状態(「閉鎖フラップが開いている」)は、表示部材AZにより表示され、例えば、全てのLED6.1〜6.6が特定の時間(例えば、3、4、又は5秒)、特に、所定の光の色、例えば、白色に一緒に点灯して表示される。
【0103】
閉鎖フラップKが閉じている場合、その状態を示す視覚的信号も、LED6.1〜6.6により、例えば、個々のLED6.1〜6.6を一時的に及び/又は同調的に点滅させることにより、事前に生成される。
【0104】
更に、表示部材AZは、ここでは、充電プラグが接続ソケットAに差し込まれている場合、充電の進行もユーザに視覚的に表示されるような形で、表示電子部により形成され、作動する。そのため、例えば、充電処理中に、LED6.1〜6.6により形成される表示部材AZのライトレールを用いて、例えば、バーのサイズの増大を色の変化で表示する。例えば、電池が切れている場合、ライトレールの端部における1つのLED6.1のみが、赤色に点灯する。電池の充電プロセスが接続された充電プラグを介して行われる場合、ついで暫くして、このLED6.1及び隣接するLED6.2が赤色に点灯し、ついで、3つの隣接するLED6.1、6.2、6.3が、赤色に点灯する。車両電池が更に充電されると、4つのLED6.1〜6.4が一列に点灯し、ついで、更なるLEDが、オレンジ色に点灯する。電池が実質的に又は完全に充電されると、最初にほとんど全て、ついで、全てのLED6.1〜6.6が、緑色に点灯する。充電処理の終了及び接続ソケットAからの充電プラグの脱離後、これも表示部材AZを用いて視覚的に認識される。
【0105】
結果として、調節機構V上の表示部材AZは、調節機構Vの作動状態及び車両の電池の充電状態をユーザに知らせるだけでなく、閉鎖フラップKを調節するために行うべき手の動作の視覚的指示をユーザに表示するためにも使用される。
【0106】
例えば、図5A〜5Dにおける表示部材AZとの組み合わせにおいて、閉鎖フラップKは、以下の条件で開かれ得る。
・ユーザの手Hが、最初に、第1の(左側)電極対11、12に近づき、その結果、この手段により感知される静電容量の顕著な変化が検出されること。
・ついで、ユーザの手Hが所定時間(例えば、1秒以上)の間、近づいた位置に留まり、表示部材AZがユーザに、自身の手を右に移動させて、右へのワイプ動作を実行すべきことを視覚的に信号すること。
・ユーザが、実際に、自身の手を右に動かし、その結果、特徴的な(比較的大きな)センサ歪みが、(第1の電極対11、12では低下となり得るため)第2の電極対13、14により検出されること。
【0107】
これに対し、閉鎖フラップKの閉鎖は、更に提供されたセンサ部材SEを触る又は押すことによりトリガーされる。この構成において、例えば、センサデバイス1a及び1bの(内側)電極は、閉じている最中の閉鎖フラップKの調節経路に障害物がある場合を検出し、挟み込みの発生前に、閉鎖フラップKの調節移動を自動的に停止させ又は逆戻りするために、挟み込み防止機構の一部として動作する。ついで、閉鎖フラップKに設けられる(外側)電極11、12、13、14は、この構成において、閉鎖フラップKの外側に存在する物体を障害物として検出しないために、遮蔽を提供する目的で動作する。
なお本発明は、実施の態様として以下の内容を含む。
〔態様1〕
調節機構であって
車両上の蓋付口(BO)を少なくとも部分的に閉じる閉鎖フラップ(K、K1、K2)であって、該閉鎖フラップ(K、K1、K2)が開いた状態では、前記
蓋付口(BO)を介して、液体、特に、燃料を充填するためのライン及び/又はポートを接続するための接続部材(A)にアクセス可能となる閉鎖フラップ(K、K1、K2)と、
操作者制御イベントに応じた外力により、前記閉鎖フラップ(K、K1、K2)を調節するための駆動装置(3)とを含み、
前記駆動装置(3)に電子制御ユニット(7)が接続されており、
該電子制御ユニット(7)は、
非接触式検出される操作者制御イベントに応じて、前記駆動装置(3)を起動して前記閉鎖フラップ(K)を開き、
一方で、前記閉鎖フラップ(K)が閉じる際に、前記閉鎖フラップ(K)の調節経路における障害物が、非接触式で挟み込み防止機構により検出されると、前記駆動装置(3)を自動的に停止させるか又は逆作動させることを特徴とする、調節機構。
〔態様2〕
態様1に記載の調節機構において、前記閉鎖フラップ(K)を開く操作者制御イベントを検出するために使用され、前記挟み込み防止機構の一部としても使用される、少なくとも1つの電極(1a、1b、11、12、13、14)を備えることを特徴とする、調節機構。
〔態様3〕
態様2に記載の調節機構において、前記電子制御ユニット(7)が、
(a)前記閉鎖フラップ(K)を開くために、前記少なくとも1つの電極(1a、1b、11、12、13、14)により取得される測定値が、閾値を超えたか否かを評価し、
(b)前記閉鎖フラップ(K)が閉じる際に、前記少なくとも1つの電極(1a、1b、11、12、13、14)により取得される少なくとも1つの測定値を、期待値と比較するように構成されていることを特徴とする、調節機構。
〔態様4〕
態様3に記載の調節機構において、調節経路に沿った前記閉鎖フラップ(K)の異なる位置についての期待値がそれぞれ記憶されているメモリを備え、前記電子制御ユニット(7)は、前記閉鎖フラップ(K)が閉じる際に、前記少なくとも1つの電極(1a、1b、11、12、13、14)により取得された測定値を、前記記憶されている期待値と位置解析を伴って比較するように構成されていることを特徴とする、調節機構。
〔態様5〕
態様3又は4に記載の調節機構において、前記閾値を少なくとも所定の期間超える場合、前記電子制御ユニット(7)が、前記閉鎖フラップ(K)の開放を引き起こすように構成されていることを特徴とする、調節機構。
〔態様6〕
態様1〜5のいずれか一態様に記載の調節機構において、前記電子制御ユニット(7)に接続されている少なくとも2つの電極(1a、1b、11、12、13、14)を備えることを特徴とする、調節機構。
〔態様7〕
態様3〜5及び6のいずれか一態様に記載の調節機構において、前記少なくとも2つの電極(1a、1b、11、12、13、14)及び前記電子制御ユニット(7)が、
(a)前記閉鎖フラップ(K)を開くために、操作者制御イベントとして、前記閉じている閉鎖フラップ(K)の周囲で実行されるユーザの特定のジェスチャを検出し、
(b)前記閉鎖フラップ(K)が閉じる際に、前記閉鎖フラップ(K)の調節経路に障害物があるかを非接触式で判定するために、測定値を取得し、それらを、前記電子制御ユニット(7)に記憶されている期待値と比較するように構成されていることを特徴とする、調節機構。
〔態様8〕
態様6又は7に記載の調節機構において、前記電子制御ユニット(7)が、前記閉鎖フラップ(K)を開くために、異なる電極(1a、1b、11、12、13、14)により取得された測定値が、所定の配列で、第1及び第2の閾値を超えるか否かを評価するように構成されていることを特徴とする、調節機構。
〔態様9〕
態様2に記載の調節機構において、前記少なくとも1つの電極(1a、1b、11、12、13、14)が、
(a)操作者制御イベントを検出するために、前記閉鎖フラップ(K)を開くための測定値を取得するために使用され、
(b)前記閉鎖フラップ(K)が閉じる際に、電磁遮蔽に使用されることを特徴とする、調節機構。
〔態様10〕
態様9に記載の調節機構において、少なくとも1つの更なる電極(14、13、12、11、1b、1a)を、前記挟み込み防止機構の一部として備え、それによって、閉じられる前記閉鎖フラップ(K)の前記調節経路に障害物があればそれを検出するための測定値が取得され、操作者制御イベントを検出して前記閉鎖フラップ(K)を開くために使用される前記電極(1a、1b、11、12、13、14)は、前記閉鎖フラップ(K)が閉じる際に、前記少なくとも1つの更なる電極(14、13、12、11、1b、1a)の保護電極として使用されることを特徴とする、調節機構。
〔態様11〕
態様9又は10に記載の調節機構において、少なくとも3つの前記電極(1a、1b、11、12、13、14)を備え、前記電極(1a、1b、11、12、13、14)及び前記電子制御ユニット(7)が、
(a)前記閉鎖フラップ(K)を開くために、前記電極(1a、1b、11、12、13、14)の一部により、閉じている前記閉鎖フラップ(K)の周囲で実行されるユーザの特定のジェスチャを操作者制御イベントとして検出し、
(b)前記閉鎖フラップ(K)の前記調節経路に障害物があれば、これを非接触式で判定するために、前記閉鎖フラップ(K)が閉じる際に、他の一部の前記電極(1a、1b、11、12、13、14)により測定値を取得し、該測定値を、前記電子制御ユニット(7)に記憶されている期待値と比較することを特徴とする、調節機構。
〔態様12〕
態様11に記載の調節機構において、少なくとも2つの前記電極(1a、1b、11、12、13、14)が、前記ジェスチャを検出するために設けられ、2つの前記電極(1a、1b、11、12、13、14)が、障害物があれば、これを検出するために設けられ、前記閉鎖フラップ(K)が閉じている場合に前記閉鎖フラップ(K)を開くジェスチャを検出するために使用される少なくとも1つの電極(11、12、13、14)が、前記閉鎖フラップ(K)が閉じる際に、保護電極として使用されるように設けられることを特徴とする、調節機構。
〔態様13〕
態様10又は12に記載の調節機構において、前記閉鎖フラップ(K)が閉じる際に保護電極として使用される前記少なくとも1つの電極(11、12、13、14)が接地されていることを特徴とする、調節機構。
〔態様14〕
態様1〜13のいずれか一態様に記載の調節機構において、前記電子制御ユニット(7)に接続されている少なくとも1つの電極(1a、1b、11、12、13、14)が、前記調節機構(V)の接続素子(A)及び/若しくはポートを有する支持構造(T)中に、又は、前記閉鎖フラップ(K)上に配置されていることを特徴とする、調節機構。
〔態様15〕
閉鎖フラップ(K)の調節移動を制御する方法であって、
前記閉鎖フラップ(K)は、該閉鎖フラップ(K、K1、K2)が開いている場合に、液体、特に、燃料を充填するためのライン及び/又はポートを接続するための接続部材(A)へのアクセスを可能とする車両上の蓋付口(BO)を少なくとも部分的に閉じ得るものであり、駆動装置(3)による外力により調節され得るものである、方法であって、
一方で、前記駆動装置(3)は、非接触式で検出される操作者制御イベントに応じて、前記閉鎖フラップ(K)を開くように作動し、他方で、前記閉鎖フラップ(K)が閉じる際に、前記閉鎖フラップ(K)の調節経路の障害物が挟み込み防止機構により非接触式で検出された場合、自動的に停止されるか又は逆作動することを特徴とする、方法。
〔態様16〕
態様15に記載の方法において、
(a)前記閉鎖フラップ(K)を開くために、少なくとも1つの電極(1a、1b、11、12、13、14)により取得される測定値が、閾値を超えたか否かを評価し、
(b)前記閉鎖フラップ(K)が閉じる際に、前記少なくとも1つの電極(1a、1b、11、12、13、14)により取得される少なくとも1つの測定値を、期待値と比較することを特徴とする、方法。
〔態様17〕
態様15に記載の方法において、少なくとも1つの電極(1a、1b、11、12、13、14)を、
(a)前記閉鎖フラップ(K)の開放を引き起こす操作者制御イベントを検出するために、前記閉鎖フラップ(K)を開くための測定値を取得するために使用し、
(b)前記閉鎖フラップ(K)が閉じる際に、電磁遮蔽に使用することを特徴とする、方法。
【符号の説明】
【0108】
1a、1b センサデバイス/電極
11〜14 センサ電極
2 レバー機構
20 駆動シャフト
20’ ベアリングピン
201’ ギアホイール(第2のギアホイール部材)
21 調節ボウ
210 接続部
210c レバー端
22 ベアリング部
2a〜2c 旋回レバー
3 駆動装置
31 モータ
33’ 駆動ウォーム(第1のギアホイール部材)
4 ベアリングスロット(貫通口)
5 筐体部
6.1〜6.6 LED(照明手段)
7 電子制御ユニット
A 接続ソケット(接続部材)
AB 接続領域
AD カバー
AZ 表示部材
B パネル部
CF 取付け部
BO 蓋付口
DA 密封部材
H 手
K 閉鎖フラップ
L レセプタクル
R1、R2 方向
S1、S2 旋回軸
SE センサ部材
ST 隔壁
T 支持フレーム(支持構造)
V 調節機構
図1A
図2
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図5D