(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ハンドルケースの前記鍔部の下部後面側に固定され、前記プッシュソレノイドのプッシュプランジャーの下端部と前記筐体の扉との間を遮絶する硬質材からなるガード金具を具備することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の扉のポップアウト型ロックハンドル装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のロックハンドル装置は、錠前をキーで操作することのみにより扉の解錠を行うものであるが、扉の解錠を電気的に制御したいという要請がある。
したがって、本発明は、扉の解錠を錠前のキー操作に加えて、電気的に制御することができる扉のポップアウト型ロックハンドル装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、添付図面の符号を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上記課題を解決するための、本発明のロックハンドル装置1は、ハンドルケース2、内筒3、錠止部材4、ハンドル5、ばね部材6、施錠機構7、錠前ユニット8a、電気錠ユニット8bを具備する。
ハンドルケース2は、前後方向に延びる軸受け筒部9と、この軸受け筒部9の前端部に設けられる鍔部10とを具備し、鍔部10を筐体の扉Dの前面に当接させて当該扉Dに固着される。
内筒3は、ハンドルケース2の軸受け筒部9内に回転可能かつ前後に移動不能に嵌挿される。
錠止部材4は、軸受け筒部9内に嵌挿された内筒3の後端部に連結され、扉Dを筐体に対して錠止する施錠位置と、解放する解錠位置との間で内筒3と一体に正逆回転する。
ハンドル5は、概略円筒状のハンドル軸部17と、このハンドル軸部17の前端からハンドル軸部17の軸線に直交する下方へ延出するハンドル板部12とを具備する。ハンドル軸部17は、内筒3内に軸周り回転不能に嵌挿される。したがって、ハンドル軸部17は、ハンドルケース2に対して内筒3、錠止部材4と一体回転可能である。また、ハンドル軸部17は、ハンドルケース2内に没する没入位置と、ハンドルケース2から突出する突出位置との間で内筒3に対して前後に摺動自在であり、突出位置において、ハンドルケース2に対して内筒2と一体に施錠位置と解錠位置との間を回転操作可能である。ハンドル板部12は、ハンドル軸部17に連通する開口19を有し、没入位置においてハンドルケース2の鍔部10の前面に当接するように構成される。
ばね部材6は、内筒3とハンドル軸部17との間に挿入され、ハンドル5を前方突出方向へ付勢する。
施錠機構7は、ハンドル軸部17内の後部に設けられ、ハンドル軸部17を没入位置及び施錠位置で内筒3に係合する拘束状態と内筒3との係合を解いて内筒3からの突出を許容する解放状態との間を動作する。
錠前ユニット8aは、ハンドル軸部17内の前部に組み込み固定され、キー操作によるロータ26のロック位置と非ロック位置との間の回転によって、施錠機構7を拘束又は解放動作させるように駆動する。
電気錠ユニット8bは、ハンドルケース2の鍔部10の下部後面側に組み込み固定され、制御センターからの電気信号により施錠機構7を解放動作させるように駆動する。
施錠機構7は、デッドボルト21、ロータカム22を具備する。デッドボルト21は、ハンドル軸部17からそれの半径方向に突出したロック位置とハンドル軸部17内に没入した非ロック位置との間を半径方向に進退自在にハンドル軸部17内に組み込まれ、ロック位置に付勢される。ロータカム22は、ロック位置と非ロック位置との間を軸周り回転自在にハンドル軸部17内に組み込まれ、錠前ユニット8aのロータ26の非ロック方向への回転に応動して非ロック方向へ回転することにより、デッドボルト21を非ロック位置へ後退させる。
ハンドル軸部17は、デッドボルト21を、外周のボルト出入開口33から半径方向に出没させるように収容するボルト収容空間23を具備する。
内筒3は、ハンドル5が没入位置にあるとき、ハンドル軸部17のボルト出入開口33と対向する貫通開口37を具備する。両開口33、37が対向すると、デッドボルト21がこれらを貫通し、ロック位置に移動し、それによりハンドル5を没入位置に拘束する。内筒3は、ハンドル5が没入位置にないときはデッドボルト21を非ロック位置に保持する。
軸受け筒部9は、ハンドル5が施錠位置で没入位置にあるとき、ボルト収容空間23のボルト出入り開口33及び貫通開口37に対向することにより、貫通開口37から突出したロック位置にあるデッドボルト21を半径方向外側へ露出させるように配置されたスリット40を具備する。
デッドボルト21は、ロック位置において内筒3の貫通開口37に係合する頭部41、この頭部41から延出する脚部42、ロータカム22と係合するように脚部42に形成された受動係合部28とを具備し、脚部42とハンドル軸部17との間に介設されたばね27によりロック位置に付勢される。
ハンドルケース2の鍔部10の下部後面側には、制御センターからの電気信号によりロック位置にあるデッドボルト21を非ロック位置へ押し込むためのプッシュソレノイド54が固定される。プッシュソレノイド54のプッシュプランジャー57は、先端をスリット40を介してデッドボルト21の頭部41に対向するように配置される。
電気錠ユニット8bは、ハンドルケース2の鍔部10の下部後面側の後部にプッシュソレノイド54を、前部にプルソレノイド55を具備する。プッシュソレノイド54は、プッシュプランジャー54aの先端をスリット40を通じてデッドボルト21の頭部41に対向するように固定され、制御センターからの電気信号により、ロック位置にあるデッドボルト21を非ロック位置へ押し込む。プルソレノイド55は、プルプランジャー55aの先端をスリット40を通じて内筒3内に挿入し、デッドボルト21の前後方向前側への移動を妨げてハンドル5を没入位置に拘束し、制御センターからの電気信号により、プッシュソレノイド54と同期して内筒3から後退し、デッドボルト21の前後方向前側への移動を許容してハンドル5を突出位置に解放する。
【発明の効果】
【0006】
本発明のポップアウト型ロックハンドル装置は、扉の解錠を錠前のキー操作に加えて、電気的に制御する付加機能を有するので、多様なセキュリティを伴う用途を拡大することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1,2において、ロックハンドル装置1は、ハンドルケース2、内筒3、錠止部材4、ハンドル5、ばね部材6、施錠機構7、錠前ユニット8a、電気錠ユニット8bを具備する。
【0009】
図2,3,4において、ハンドルケース2は、前後方向に延びる軸受け筒部9と、この軸受け筒部9の前端部に設けられる鍔部10とを具備し、
図3,4に示すように、鍔部10の後面を筐体の扉Dの前面パネルに当接させて当該扉Dに固着される。鍔部10の前面には、ハンドル5のハンドル板部12を受け入れるハンドル受け凹部11が形成される。
【0010】
図2,3,4において、内筒3は、ハンドルケース2の軸受け筒部9内に施錠位置と解錠位置との間で約90°軸周り相対回転可能に嵌挿され、かつ前方のフランジ部13と、後端に固着される錠止部材4とにより、軸受け筒部9に対して前後に移動不能とされる。
図1に示すように、内筒3は、前方に開放し、後方は端壁14で閉じられる。
図3,4,7に示すように、端壁14は、軸受け筒部9の後方へ露出し、その後面に錠止部材4が固着される。
図2に示すように、フランジ部13の後面に形成されたストッパ突起15が、ハンドルケース2の軸受け筒部9の内周前縁部に形成されたほぼ90°の円弧状凹部16に嵌合することで、ハンドルケース2に対する内筒3の回転範囲が約90°に規制される。内筒3の軸受け筒部9への嵌め込み角度を180°変更することで、内筒3の回転方向を変更することができる。
【0011】
図2ないし
図4において、錠止部材4は、内筒3の端壁14の後面に固着され、上下方向に延びて扉Dを筐体に対して錠止する施錠位置と、水平方向に延びて解放する解錠位置との間で、ハンドルケース2に対して内筒3と一体に約90°の範囲で正逆回転する。
【0012】
図1において、ハンドル5は、概略円筒状のハンドル軸部17と、それの前端から軸線直交方向に一方(下方)へ延出するハンドル板部12とを具備する。ハンドル軸部17は、外周の突部18が、内筒3の内周の凹部62と嵌合することで、内筒3対して軸周りには相対回転不能、軸方向には所定範囲で相対移動可能に嵌挿される。
【0013】
したがって、ハンドル5は、ハンドルケース2内に没する没入位置(
図3と、ハンドルケース2から突出する突出位置(
図4)との間で内筒3に対して前後に摺動自在であり、また突出位置において、ハンドルケース2に対して内筒3、錠止部材4と一体に施錠位置(
図5における実線)と解錠位置(
図5における仮想線)との間を回転操作可能となる。
【0014】
図3,5に示すように、ハンドル板部12は、没入位置においてハンドルケース2のハンドル受け凹部11内に没して回転操作することができない。
図1に示すように、ハンドル板部12は、ハンドル軸部17に連通して前方に開放する開口19と、その外縁に広がるフード受け凹部20を有する。
【0015】
図1,3,4において、ばね部材6は、内筒3の端壁14とハンドル軸部17の後端との間に挿入され、ハンドル5を前方突出方向へ付勢する。
【0016】
施錠機構7は、デッドボルト21と、ロータカム22とを具備し、ハンドル軸部17内の各収容空間23,24(
図3、
図4)内に組み込まれ、錠前ユニット8aの施解錠操作又は電気錠ユニット8bの施解錠動作に連動し、ハンドル軸部17を没入位置で内筒3に対して前後方向に拘束し、または解放する。
【0017】
錠前ユニット8aは、ハンドル軸部17の錠前収容空間25(
図3、
図4)に組み込み固定され、キー操作によるロータ26のロック位置から非ロック位置への回転によって、ロータカム22を介してデッドボルト21を非ロック位置へ引き上げるように駆動する。
【0018】
電気錠ユニット8bは、ハンドルケース2の鍔部10の下部後面側に組み込み固定され、遠隔の制御センターからの電気信号によって、プッシュソレノイド54を介してデッドボルト21をロック位置から半ロック位置へ引き上げると共に、プルソレノイド55を介してデッドボルト21の拘束位置から前後方向前側への移動を解放するように駆動する。
【0019】
デッドボルト21は、ハンドル軸部17のデッドボルト収容空間23内に組み込まれ、
図3,
図8に示すように、ハンドル軸部17からそれの半径方向に突出したロック位置と、
図4,
図9に示すように、ハンドル軸部17内に没入した非ロック位置との間を半径方向に進退自在であり、ばね27でロック位置に付勢される。
【0020】
ロータカム22は、ハンドル軸部17のロータカム収容空間24に組み込まれる。ロータカム22は、錠前ユニット8aのロータ26の回転をデッドボルト21へ伝えるもので、デッドボルト21の受動係合部28に係合する駆動系合部29(
図8,
図9)を具備し、ロック位置(
図8)と非ロック位置(
図9)との間を軸周り回転自在である。ロータカム22は、ロータ26の非ロック方向への回転に応動して非ロック方向へ回転することにより、デッドボルト21を非ロック位置(
図3,
図8)へ押し上げる。
【0021】
図3、
図4において、ハンドル軸部17の内部には、前方から後方へ向かって錠前収容空間25、ロータカム収容空間24、ボルト収容空間23が形成される。錠前収容空間25は、開口19により前方に開放する。ハンドル軸部17の後端には、ロータカム22の後端部を回転自在に支持する軸受け孔30が形成される。軸受け孔30の外周側に、ロータカム22の回転角度を規制する扇型係合凹部31が形成される。デッドボルト収容空間23の周壁32の下部には、ボルト出入り開口33が形成される。デッドボルト収容空間23は、
図8,
図9に示すように、デッドボルト21をボルト出入り開口33から半径方向に出没自在に保持する。
図1に示すように、錠前収容空間25の周壁32の右方には、錠前固定部材35を挿入するための開口34が形成される。
【0022】
図1、
図3に示すように、内筒3は、その周壁36に、ハンドル軸部17のボルト出入開口33に対応する貫通開口37を具備する。貫通開口37は、ハンドル5が没入位置(
図3)にあるとき、
図3,
図8に示すように、ボルト出入開口33と対向することにより、ボルト収容空間23から突出するデッドボルト21を下方へ貫通させてロック位置に移動させ、ハンドル5を没入位置に拘束する。ハンドル5が没入位置にないときは、
図4,
図9に示すように、周壁36でデッドボルト21を押さえ、これを非ロック位置に保持する。内筒3の周壁36には、貫通開口37に連続して前方に延びる軸線方向のガイド長孔38が形成され、これにデッドボルト21の突起39が移動自在に係合する。
【0023】
したがって、ハンドル5は、デッドボルト21の頂部45が貫通開口37から外れた後、突起39が長孔38に沿って移動する範囲(
図3,
図4)で内筒3に対して前後方向に移動可能である。
【0024】
内筒3の周壁36には、貫通開口37及びガイド長孔38と同形の開口37’、長孔38’が、これらと180度回転対称位置(上方)に設けられる。ハンドル軸部17の後端部上面に螺合されたストッパボルト61の頭部が開口37’及び長孔38’に嵌まり、長孔38’の延長範囲でハンドル5と内筒3との軸線方向の相対移動範囲を限定している(
図2,
図3)。
【0025】
図2,
図3に示すように、ハンドルケース2の軸受け筒部9には、貫通開口37とガイド長孔38に対向して軸線方向前後に延びるスリット40が形成される。デッドボルト21が、貫通開口37からロック位置へ突出するとき(
図3、
図8)、突起39の下端がスリット40から軸受筒部9の外側下方へ露出する。
【0026】
図1、
図8に示すように、デッドボルト21は、頭部41と、頭部41から延出する平行一対の脚部42とを具備する。頭部41の頂部45から突起39が突出している。受動係合部28は一方の脚部42の前面側に設けられる。頭部41は、ロック位置においてハンドル軸部17のボルト出入開口33を貫通して下方外側へ突出する(
図8)。デッドボルト21は、ハンドル軸部17内のボルト収容空間23に半径方向に相対移動自在に組み込まれ、一対の脚部42の間に、ロータカム22の軸筒部43を前後方向に貫通させる。脚部42の先端とハンドル軸部17の内周との間にばね27が介設され、これよりデッドボルト21は、ロック位置に付勢される。
【0027】
図1,
図8に示すように、デッドボルト21の受動係合部28は、ロータカム22の駆動係合部29を受け入れるように、前面側に設けられた凹部からなり、駆動係合部29が当接する当接面44を具備する。
【0028】
図3,
図8に示すように、ロータカム22は、ロック位置と非ロック位置の間を軸周り正逆回転自在に、ハンドル軸部17内に組み込まれる。
図1、
図3に示すように、ロータカム22は、錠前ユニット8aのロータ26が嵌合する軸筒部43と、それの前端部に形成されたフランジ部46と、このフランジ部46の後面に突設された駆動係合部29と、軸筒部43の外周に軸線方向に延びるように形成された突条47とを具備する。駆動係合部29は、デッドボルト21の受動係合部28と係合する。
図2,
図8に示すように、ロータカム22の軸筒部43は、突条47を扇型係合凹部31に係合させて、後端部においてハンドル軸部17の軸受け孔30に支承される。したがって、ロータカム22は、扇型係合凹部31の角度範囲で、錠前ユニット8aのロータ26と一体に、ハンドル軸部17に対してロック位置(
図8)と非ロック位置(
図9)の間を軸周り正逆回転自在である。
【0029】
駆動係合部29は、ロータカム22が非ロック位置へ回転する時、デッドボルト21の受動係合部28の当接面44に係合してデッドボルト21を非ロック位置へ移動させるように配置される。
【0030】
図1,3に示すように、錠前ユニット8aは、錠前ケース48と、固定リング49との間にガードフード50を介在させてハンドル5に組み込まれる。錠前ケース48は、円筒状で外周にねじ部51を有すると共に、対向側面部に軸線と平行な一対の平坦面52を有する。固定リング49は、外周に環状溝53を有し、錠前ケース48の外周に螺合固定される。ガードフード50は、硬質材からなり、ドリル等による暴力的破壊に有効に対抗する。
【0031】
図1,
図3に示すように、錠前ユニット8aは、固定金具挿入用開口34を通してハンドル軸部17に軸線直交方向に挿入される固定部材35により、ハンドル軸部17内に固定される。
【0032】
図2,
図3に示すように、電気錠ユニット8bは、ハンドルケース2の鍔部10の下部後面側に後部のプッシュソレノイド54と前部のプルソレノイド55とを具備する。プッシュソレノイド54は、制御センターに電気的に接続されて取り付け金具56を介してハンドルケース2に固定される。プッシュソレノイド54は、制御センターからの電気信号によりロック位置にあるデッドボルト21を非ロック位置へ押し込むためのもので、スリット40から軸受筒部9の下方へ露出するデッドボルト21の突起39にプッシュプランジャー54aの先端を対向させて固定される。
【0033】
プルソレノイド55は、制御センターに電気的に接続され、ハンドルケース2の鍔部10の下部後面とそこから後方へ突出した上下の棚部と取り付け金具56を介して固定されたプッシュソレノイド54とに組込保持される。プルソレノイド55は、デッドボルト21の前後方向前側への移動を阻止してデッドボルト21をロック位置に拘束するが、制御センターからの電気信号により、プッシュソレノイド54と同期して、下方へ引っ込みデッドボルト21の前後方向前側への移動を許容するためのもので、スリット40及びガイド長孔38を通して内筒3内に上方へ突出し、ハンドル軸部17の外周面下端に形成された軸方向の係合溝17aにプルプランジャー55aのストッパ片55bを挿入させるように固定される。ストッパ片55bは、プッシュプランジャー54aの先端の動作位置より上方に配置され、悪戯などの外力によってプッシュプランジャー54aがデッドボルト21を押し上げても、デッドボルト21の前後方向前側への移動を阻止してロック状態を維持する。一方、ストッパ片55bは、ロータ26の回転に伴うデッドボルト21の引き上げ位置より下方に配置され、錠前ユニット8aのキー操作による解錠を妨げない。
【0034】
ハンドルケース2の下部後方には、プッシュソレノイド54のプッシュプランジャー54aの下端部に対する前方からの暴力的なアプローチを困難とするための硬質材からなるカバー金具58が取り付けられる。これにより、扉Dの前面パネルに穿孔し、工具でプッシュプランジャー54aを下端側から押し上げて不正な解錠をすることが妨げられる。
【0035】
ハンドルケースの上部鍔部10の後面側には、ハンドル5の位置を検知して電気信号を制御センターへ送るマイクロスイッチ59が取り付けられる。鍔部10を前後方向に移動自在に貫通するセンサピン60の基端側がマイクロスイッチ59のアクチュエータに当接し、先端がハンドル受け凹部11の前面から突出している。
【0036】
いま、扉Dが錠止部材4により閉鎖状態で筐体に錠止されている
図3、
図8に示す状態から、扉Dの錠止を解き、これを開いて作業完了後、再び閉鎖して錠止するまでの過程を説明する。
【0037】
図3、
図8に示す状態で、錠止部材4は施錠位置にあり、ハンドル5はハンドルケース2に没入し、デッドボルト21は内筒3の貫通開口37に係合したロック位置にあり、錠前ユニット8aのロータ26、ロータカム22もすべてロック位置にある。
【0038】
この状態から、錠前にキーを挿入して
図8において時計方向に約90°回転すると、ロータカム22の駆動係合部29がデッドボルト21の受動係合部28の当接面44を押しながら、デッドボルト21を非ロック位置へ引き込む。
図9に示すように、デッドボルト21が内筒3の貫通開口37から抜けて、さらに頂部45がプルソレノイド55のプルプランジャー55aの上端位置に達すると、図中矢印で示すように、ばね部材6によりハンドル5がハンドルケース2から押し出され、デッドボルト21が内筒3の周壁36により非ロック位置に保持された
図4の状態となる。
【0039】
これにより、ハンドル5を握って、例えば、これを反時計方向へ90°回転させると、内筒3と共に錠止部材4が解錠位置へ回転し、図示しない筐体の対応係合部から外れるので、扉Dを開くことができる。
所要の作業が完了して扉Dを閉じ、ハンドル5を内筒3及び錠止部材4と共に、時計方向へ90°回転させて施錠位置へ戻し、ハンドル5をハンドルケース2へ押し込むと、デッドボルト21が内筒3の貫通開口37と対向した位置で、デッドボルト21がばね27に押されて自動的にハンドル軸部17から突出して貫通開口37に係合し、扉Dは筐体に錠止される。
【0040】
また、錠前を操作することなく、制御センターからの遠隔操作等で、電気錠ユニット8bにより解錠することができる。
図3、
図8に示す状態から、制御センターからの電気信号により、両ソレノイド54,55を励磁すると、
図10に示すように、プッシュプランジャー54aが上方へ突出してデッドボルト21を非ロック位置へ押し上げると共に、プルプランジャー55aが下方へ引っ込んでデッドボルト21の前後方向の拘束を解放し前側への移動を許容する。これにより、図中矢印で示すように、ハンドル5がハンドルケース2から押し出され、デッドボルト21が内筒3の周壁36により非ロック位置に保持された
図4の状態となる。従って、錠前の操作は不要となり、遠隔からの非常解錠も可能であるから、必要に応じ電気的認証装置を付加して解錠権限に制限を加えることにより、セキュリティーを向上させながら、解錠手段を多様化でき、ポップアウト型ロックハンドル装置の用途を大きく拡大することができる。
【0041】
施錠状態において、悪戯などによる外力によって不正にプッシュソレノイド54のプッシュプランジャー54aを押し上げられてデッドボルト21を非ロック位置にしても、プルプランジャー55aのストッパ片55bは、プッシュプランジャー54aの動作位置より上方に位置するから、デッドボルト21の前後方向前側への移動を阻止してロック状態を維持する。