特許第6902634号(P6902634)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6902634ネットワーク再接続のためのバックオフタイマー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6902634
(24)【登録日】2021年6月23日
(45)【発行日】2021年7月14日
(54)【発明の名称】ネットワーク再接続のためのバックオフタイマー
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/10 20180101AFI20210701BHJP
   H04W 52/02 20090101ALI20210701BHJP
【FI】
   H04W76/10
   H04W52/02 130
【請求項の数】28
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-572344(P2019-572344)
(86)(22)【出願日】2017年3月15日
(65)【公表番号】特表2020-510385(P2020-510385A)
(43)【公表日】2020年4月2日
(86)【国際出願番号】US2017022494
(87)【国際公開番号】WO2018169523
(87)【国際公開日】20180920
【審査請求日】2019年10月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】513311642
【氏名又は名称】ノキア ソリューションズ アンド ネットワークス オサケユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ヒエタラハティ ハンヌ ペトリ
(72)【発明者】
【氏名】コスキネン ユッシ−ペッカ
(72)【発明者】
【氏名】リウ ジェニファー
【審査官】 松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】 特表2017−504258(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/021287(WO,A1)
【文献】 特開2016−028464(JP,A)
【文献】 特開2011−228805(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークノードが、
ユーザ装置から初期の接続要求メッセージを受信し、
ユーザ装置から初期の接続要求を受け容れるときはバックオフタイマーを発行し、このバックオフタイマーは、ネットワークへの再接続がユーザ装置に許されない期間を含み、
ユーザ装置から別の接続要求メッセージを受信し、
バックオフタイマーの期間が経過したかどうか決定し、及び
バックオフタイマーの期間が経過していないときはユーザ装置からの前記別の接続要求を拒絶する、
ことを含み、
バックオフタイマーの期間は、ユーザ装置がネットワークから分離されるか又はそれに接続されるときにスタートする、方法。
【請求項2】
バックオフタイマーの期間が経過した後にネットワークへの再接続をネットワークノードがユーザ装置に許すことを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記バックオフタイマーの発行は、ネットワークノードにより決定されたバックオフタイマーをネットワークノードがユーザ装置へ送信するか、又は事前構成されたタイマーを使用する旨の指示をネットワークノードがユーザ装置へ送信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
バックオフタイマーの期間をスタートさせる旨の指示をネットワークノードユーザ装置へ送信することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ネットワークノードがネットワークへの再接続ユーザ装置に許した後にユーザ装置をネットワークに再接続することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
バックオフタイマーの期間が経過した後にネットワークに再接続する際にユーザ装置の新たな速度制御割り当てをネットワークノードがリセットすることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
バックオフタイマーの期間は、ネットワークにより課せられる速度制御限界又は割り当てに一部分基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ユーザ装置から受信される再接続要求を拒絶せずにネットワークノードユーザ装置へバックオフタイマーを送信することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
バックオフタイマーは、ユーザ装置において事前構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
バックオフタイマーの期間の少なくとも一部分の間にユーザ装置がネットワークに依然接続されるときユーザ装置からの別の接続要求以外の送信をネットワークノードが受け取ることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ユーザ装置をネットワークに再接続する前にユーザ装置へ及びユーザ装置から送信されるデータの量をネットワークノードが制限することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
別の接続要求の拒絶を指示する応答をネットワークノードがユーザ装置へ送信することを更に含み、その応答は、バックオフタイマーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
ユーザ装置がプライオリティ付けされているときはバックオフタイマーの期間中にネットワークノードがユーザ装置を再接続することを更に含み、前記別の再接続要求メッセージは、ユーザ装置がプライオリティ付けされたユーザ装置として許可される旨の指示を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
ネットワークノードバックオフタイマーの期間を追跡することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
ネットワークノードがユーザ装置の異なる許可レベルに基づいてバックオフタイマーの期間を決定することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
ユーザ装置が、
ネットワークノードへ初期の接続要求メッセージを送信し、
初期の接続要求メッセージが受け容れられることを指示する応答をネットワークノードから受信し、この応答は、バックオフタイマー又はバックオフタイマーの指示を含み、そしてバックオフタイマーは、ネットワークへの再接続がユーザ装置に許されない期間を含み、
ユーザ装置に関連したバックオフタイマーをスタートさせ、及び
バックオフタイマーの期間が経過した後までネットワークへ再接続することを控える、
ことを含み、
バックオフタイマーの期間は、ユーザ装置がネットワークから分離されるか又はそれに接続されるときにスタートする、方法。
【請求項17】
バックオフタイマーの期間の後に別の接続要求メッセージをユーザ装置ネットワークノードへ送信することを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
バックオフタイマーの期間は、ネットワークにより課せられる速度制御限界又は割り当ての別の期間に一部分基づく、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
バックオフタイマーのスタートは、ユーザ装置がネットワークノードからバックオフタイマーを受信するときにトリガーされる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
ネットワークノードからバックオフタイマーを受信する際にユーザ装置がネットワークから分離されることを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
バックオフタイマーは、ユーザ装置で事前構成される、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記事前構成されたバックオフタイマーのスタートは、ユーザ装置がネットワークノードからバックオフタイマーの指示を受信するときにトリガーされる、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
バックオフタイマーの期間の少なくとも一部分の間にユーザ装置がネットワークに依然接続されるときユーザ装置ネットワークへ別の接続要求以外のメッセージを送信することを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項24】
少なくとも1つのプロセッサ、及び
コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリ、
を備えた装置において、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとで、装置が、少なくとも、請求項1から23のいずれかに記載のプロセスを遂行するようにさせるよう構成された、装置。
【請求項25】
求項1から23のいずれかに記載のプロセスを遂行するインストラクションをハードウェアに実行させるためのコンピュータプログラムが記憶された非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項26】
請求項1から23のいずれかに記載のプロセスを遂行するための手段を備えた装置。
【請求項27】
請求項1から23のいずれかに記載のプロセスを遂行するためのインストラクションをハードウェアに実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項28】
非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体に記憶され、請求項1から23のいずれかに記載のプロセスを遂行するインストラクションをハードウェアに実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
種々の通信システムは、ネットワークシグナリング及び接続(attachment)の改善から利益が得られる。例えば、ある通信システムは、タイマー期間中にネットワークへのユーザ装置の再接続(reattachment)を防止するバックオフタイマーから利益が得られる。
【背景技術】
【0002】
セルラーテクノロジーの現在の成長率では、2020年までに、ワイヤレス接続されるモノのインターネット(IoT)デバイスが200億を越えることが予想される。これらデバイスのうちのかなりの数は、セルラーネットワークにより接続されるIoTデバイスである。セルラーIoTデバイスは、セルラーIoTユーザ装置(UE)とも称されるが、バースト状及び低頻度のトラフィックを発生し、低頻度の少量データ転送に対して最適化されている。しかしながら、少量のデータを頻繁に送信することは、多量のデータを低い頻度で送信する場合より多くのネットワークリソースを消費する。
【0003】
モバイルサービスプロバイダーは、典型的に、自身の原価モデルを、所定期間中の合計データ利用量に基づいてユーザに課金するように設計する。例えば、モバイルサービスプロバイダーは、ある月内に送信されたメッセージの数に対してユーザに課金する。又、プロバイダーは、しばしば、UEがある単位時間内に送信できる全メッセージ数を制限又は限定できる速度(rate)制御方法も利用する。送信されるメッセージの数を限定する速度制御方法は、ある単位時間内にUEが送信できるメッセージの数を定義する速度制御割り当てを含む。全メッセージ数に対するそのような制限又は限定は、ネットワークに接続する際にUEに課せられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
速度制御割り当てのようなデータ制限又は限定は、UEがネットワークに接続されたままであるという仮定のもとで作用する。それ故、速度制御方法は、UEをネットワークに接続するときから、UEをネットワークから分離する(detach)まで、UEに適用される。しかしながら、分離した後に同じネットワークに再接続されるUEは、新たなデータ制限割り当てを受ける。従って、課せられたデータ制限又は限定をバイパス又は回避するためには、UEをネットワークに再接続するだけでよい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ある実施形態によれば、装置は、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、少なくとも1つのプロセッサとを備えている。少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとで、装置が、少なくとも、ユーザ装置から初期の接続要求メッセージをネットワークノードで受信するようにさせるよう構成される。又、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとで、装置が、少なくとも、ユーザ装置からの初期の接続要求を受け容れるときにはバックオフタイマーを発行するようにさせるよう構成される。バックオフタイマーは、ネットワークへの再接続がユーザ装置に許されない期間を含む。更に、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとで、装置が、少なくとも、ユーザ装置からの別の接続要求メッセージをネットワークノードで受信するようにさせるよう構成される。更に、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとで、装置が、少なくとも、バックオフタイマーの期間が経過したかどうか決定し、そしてバックオフタイマーの期間が経過していないときにはユーザ装置からの別の接続要求を拒絶するようにさせるよう構成される。
【0006】
方法は、ある実施形態において、ユーザ装置から初期の接続要求メッセージをネットワークノードで受信することを含む。又、この方法は、ユーザ装置から初期の接続要求を受け容れるときにはバックオフタイマーを発行することも含む。バックオフタイマーは、ネットワークへの再接続がユーザ装置に許されない期間を含む。更に、この方法は、ユーザ装置からの別の接続要求メッセージをネットワークノードで受信することも含む。更に、この方法は、バックオフタイマーの期間が経過したかどうか決定し、そしてバックオフタイマーの期間が経過していないときにはユーザ装置からの別の接続要求を拒絶することも含む。
【0007】
装置は、ある実施形態において、ユーザ装置から初期の接続要求メッセージをネットワークノードで受信するための手段を備えている。又、この装置は、ユーザ装置から初期の接続要求を受け容れるときにはバックオフタイマーを発行するための手段も備えている。バックオフタイマーは、ネットワークへの再接続がユーザ装置に許されない期間を含む。更に、この装置は、ユーザ装置からの別の接続要求メッセージをネットワークノードで受信するための手段も備えている。更に、この装置は、バックオフタイマーの期間が経過したかどうか決定するための手段、及びバックオフタイマーの期間が経過していないときにはユーザ装置からの別の接続要求を拒絶するための手段も備えている。
【0008】
ある実施形態によれば、非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体は、ハードウェアで実行されたときにプロセスを遂行するインストラクションをエンコードしている。このプロセスは、ユーザ装置から初期の接続要求メッセージをネットワークノードで受信することを含む。又、このプロセスは、ユーザ装置から初期の接続要求を受け容れるときにはバックオフタイマーを発行することも含む。バックオフタイマーは、ネットワークへの再接続がユーザ装置に許されない期間を含む。更に、このプロセスは、ユーザ装置からの再接続要求メッセージをネットワークノードで受信することも含む。更に、このプロセスは、バックオフタイマーの期間が経過したかどうか決定し、そしてバックオフタイマーの期間が経過していないときにはユーザ装置からの別の接続要求を拒絶することも含む。
【0009】
幾つかの他の実施形態によれば、コンピュータプログラム製品は、プロセスを遂行するためのインストラクションをエンコードする。このプロセスは、ユーザ装置からの初期の接続要求メッセージをネットワークノードで受信することを含む。又、このプロセスは、ユーザ装置から初期の接続要求を受け容れるときにはバックオフタイマーを発行することも含む。バックオフタイマーは、ネットワークへの再接続がユーザ装置に許されない期間を含む。更に、このプロセスは、ユーザ装置からの再接続要求メッセージをネットワークノードで受信することも含む。更に、このプロセスは、バックオフタイマーの期間が経過したかどうか決定し、そしてバックオフタイマーの期間が経過していないときにはユーザ装置からの別の接続要求を拒絶することも含む。
【0010】
ある実施形態によれば、装置は、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、少なくとも1つのプロセッサとを備えている。少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとで、装置が、少なくとも、ユーザ装置からネットワークノードへ初期の接続要求メッセージを送信するようにさせるよう構成される。又、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとで、装置が、少なくとも、初期の接続要求メッセージが受け容れられることを指示する応答をネットワークノードから受信するようにさせるよう構成される。この応答は、バックオフタイマー又はバックオフタイマーの指示を含み、そしてバックオフタイマーは、ネットワークへの再接続がユーザ装置に許されない期間を含む。更に、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとで、装置が、少なくとも、ユーザ装置に関連したバックオフタイマーをスタートするようにさせるよう構成される。更に、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとで、装置が、少なくとも、バックオフタイマーの期間が経過した後までネットワークへの再接続を控えるようにさせるよう構成される。
【0011】
方法は、ある実施形態において、ユーザ装置からネットワークノードへ初期の接続要求メッセージを送信することを含む。又、この方法は、初期の接続要求メッセージが受け容れられることを指示する応答をネットワークノードから受信することも含む。この応答は、バックオフタイマーを含み、そしてバックオフタイマーは、ネットワークへの再接続がユーザ装置に許されない期間を含む。更に、この方法は、ユーザ装置に関連したバックオフタイマーをスタートすることも含む。更に、この方法は、バックオフタイマーの期間が経過した後までネットワークへの再接続を控えることも含む。
【0012】
装置は、ある実施形態において、ユーザ装置からネットワークノードへ初期の接続要求メッセージを送信するための手段を備えている。又、この装置は、初期の接続要求メッセージが受け容れられることを指示する応答をネットワークノードから受信するための手段も備えている。この応答は、バックオフタイマー又はバックオフタイマーの指示を含み、そしてバックオフタイマーは、ネットワークへの再接続がユーザ装置に許されない期間を含む。更に、この装置は、ユーザ装置に関連したバックオフタイマーをスタートする手段も備えている。更に、この装置は、バックオフタイマーの期間が経過した後までネットワークへの再接続を控えるための手段も備えている。
【0013】
ある実施形態によれば、非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体は、ハードウェアで実行されたときにプロセスを遂行するインストラクションをエンコードしている。このプロセスは、ユーザ装置からネットワークノードへ初期の接続要求メッセージを送信することを含む。又、このプロセスは、初期の接続要求メッセージが受け容れられることを指示する応答をネットワークノードから受信することも含む。この応答は、バックオフタイマー又はバックオフタイマーの指示を含み、そしてバックオフタイマーは、ネットワークへの再接続がユーザ装置に許されない期間を含む。更に、このプロセスは、ユーザ装置に関連したバックオフタイマーをスタートすることも含む。更に、このプロセスは、バックオフタイマーの期間が経過した後までネットワークへの再接続を控えることも含む。
【0014】
幾つかの他の実施形態によれば、コンピュータプログラム製品は、プロセスを遂行するためのインストラクションをエンコードする。このプロセスは、ユーザ装置からネットワークノードへ初期の接続要求メッセージを送信することを含む。又、このプロセスは、初期の接続要求メッセージが受け容れられることを指示する応答をネットワークノードから受信することも含む。この応答は、バックオフタイマー又はバックオフタイマーの指示を含み、そしてバックオフタイマーは、ネットワークへの再接続がユーザ装置に許されない期間を含む。更に、このプロセスは、ユーザ装置に関連したバックオフタイマーをスタートすることも含む。更に、このプロセスは、バックオフタイマーの期間が経過した後までネットワークへの再接続を控えることも含む。
【0015】
本発明を適切に理解するため、添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】ある実施形態による接続サイクルの一例を示す。
図2】ある実施形態による接続サイクルの一例を示す。
図3】ある実施形態による方法の一例を示す。
図4】ある実施形態による方法の一例を示す。
図5】ある実施形態によるシステムの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
ある実施形態は、セルラーIoTデバイスのようなUEが所与の期間内にどれほど頻繁にネットワークへの接続を試みるかのリアルタイム追跡を許す。このリアルタイム追跡に基づいて、ネットワークノードは、タイマー、例えば、接続バックオフタイマーを課することによりUEのネットワークアクセス頻度を制御する。接続バックオフタイマーは、単にバックオフタイマーとも称される。他の実施形態では、接続バックオフタイマーは、接続タイマー、再接続タイマー、又は再登録タイマーとも称される。バックオフタイマーは、ネットワークへの再接続がUEに許されない期間を含む。ネットワークは、任意のタイプの通信ネットワーク、例えば、公衆地上移動ネットワーク(PLMN)である。バックオフタイマーの使用は、ユーザがネットワークから分離した短時間後にネットワークに再接続することによりデータ制限割り当てをバイパスすることを防止する上で役立つ。更に、UEは、データが送信されないときネットワークから登録解除又は分離され得る。そのようなUEの節電は、ネットワークへの過剰頻度の登録又は接続をトリガーし得る。そのような振舞いを禁止することにより、ネットワークオペレータは、ネットワークのシグナリング負荷を減少し、そしてあるUEによる不公平なネットワーク利用を防止することができる。
【0018】
ネットワークノードは、UEのネットワークアクセス頻度を制御することができる。ネットワークノードは、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)コアネットワークに位置するネットワークエンティティ、例えば、進化型パケットシステム(EPS)移動管理エンティティ、或いは3GPP TS 23.501に記載された第5世代(5G)アクセス及び移動管理機能(AMF)である。3GPP TS 23.501は、参考としてここにそのまま援用される。UEは、ネットワークから分離され、次いで、制御速度割り当てに関連した単位時間内に短時間再接続を試みることができる。
【0019】
他の実施形態において、UEは、ネットワークに接続されたままであり、そしてそのネットワークに依然接続されたまま、ある実施形態では再接続要求メッセージとも称される別の接続要求をそのネットワークへ送信することができる。3GPP第4世代(4G)技術を伴うある実施形態では、バックオフタイマーは、UE分離後に受信される再接続要求は阻止するが、UEがそのネットワークに接続されたままである限り、追跡エリア更新(TAU)要求のような他のタイプの要求は許す。登録要求手順を含む5G技術では、初期の登録要求は、ある実施形態では、バックオフタイマーにより阻止されるが、UEがそのネットワークに接続されたままであるときは登録更新が許される。
【0020】
ある実施形態は、ネットワークへの過剰なUE再接続を制限又は限定するのに使用される。換言すれば、ネットワークノードは、所与の期間内に同じネットワークへ複数回の再接続を試みるUEによるネットワークリソースの悪用を防止する。そのような制限又は限定は、コアネットワーク上のシグナリング負荷を減少し、且つ課せられたネットワーク速度制御を再接続によりバイパスしようとするユーザによる詐欺的な試みを防止する上で役立つ。
【0021】
図1は、ある実施形態による接続サイクルの一例を示す。特に、図1は、UEが分離又は再接続を試みることなくサイクル全体を通してネットワークに接続されたままである接続サイクル110を示す。この接続サイクル110において、速度制御(RC)制限又はRC割り当ては、1時間当たり5個のメッセージである。図1において、Tは、ユーザ装置からネットワークノードへ送信されるアップリンクメッセージを表わす。5個のメッセージというRC割り当ては、毎時間割り当てであり、各1時間後に、RC割り当てが再スタートすることを意味する。RCは、例えば、アクセスポイント名(APN)速度制御及び/又はサービング公衆地上移動ネットワーク(SPLMN)速度制御である。
【0022】
接続サイクルの時間0において、UEは、5個のアップリンクメッセージをネットワークノードへ送信する。5個のメッセージを送信した後、UEは、RC割り当てによりその1時間の残りの時間内に追加メッセージを送信することが防止される。例えば、UEは、最初の10分以内に5個のメッセージを送信する場合、残りの50分間は、ネットワークへ追加メッセージを送信することが禁止される。RC割り当ては、ネットワークノードによりUEに課せられるか、又はUE自体により自分に課せられる。ある実施形態では、UEは、ネットワークへの接続の際に速度制御割り当てを受け取る。1時間の残りの時間が経過した後に、UEは、次の1時間の間に5個の付加的なアップリンクメッセージをネットワークノードへ送信する。しかしながら、5個のメッセージが送信されると、UEは、再び、その1時間の残りの時間中に追加のメッセージを送信することが防止される。
【0023】
図1に示す第2のサイクル120では、UEは、5個のメッセージを送信した後、追加メッセージの送信を可能にするために残りの時間の経過を待機するのではなく、時間121に示すように、分離され、次いで、同じネットワークへ再接続される。分離されそして同じネットワークに再接続されることにより、UEは、その1時間内の残りの時間が経過する前に追加メッセージの送信を許す新たな速度制御割り当てを受信する。図1に見られるように、時間121において、UEは、分離されて、ネットワークに再接続される。次いで、UEは、更に5個のメッセージをネットワークノードへ送信し、次いで、再び、分離及び再接続されて、時間122に新たな無線制御割り当てを受信する。単に分離してネットワークに再接続するだけで、UEは、1時間当たり5個のメッセージのRC割り当てをバイパスすることができる。図1に示した例では、UEは、1時間の期間に15個のメッセージを送信するように取り扱い、これは、割り当てられた限界を10メッセージも越えるものである。
【0024】
ある実施形態は、課せられた速度制御割り当てを回避するためにUEを分離して同じネットワークに再接続することを防止する上で役立つ。図2は、ある実施形態による接続サイクルの一例を示す。特に、図2は、所与の期間中にUEがネットワークに再接続されるのを防止するよう構成されたバックオフタイマーを使用するサイクル210を示す。ある実施形態では、バックオフタイマーの期間は、速度制御割り当ての期間に基づく。例えば、RC割り当てが1時間当たり5個のメッセージであるとき、バックオフタイマーの期間は、1時間であるか、或いは1時間から5個のメッセージの最後のメッセージが送信された時間を差し引いたものである。
【0025】
図2において明らかなように、UEは、ネットワークに接続されると、例えば、1時間当たり5個のメッセージを送信することができる。ある実施形態では、UEが割り当てられた5個のメッセージを送信すると、バックオフタイマーがスタート又はトリガーされる。UEがバックオフタイマーの期間中にネットワークへの再接続を試みる場合には、ネットワークは、バックオフタイマーが時間切れするまで再接続するのを防止する。例えば、速度制御割り当てがUEを1時間当たり5個のメッセージに制限し、そしてUEが15分以内に5個のメッセージ全部を送信する場合には、バックオフタイマーは、45分間持続する。バックオフタイマーが時間切れすると、UEは、ネットワークへの再接続が許され、その時点で、UEに対して速度制御割り当てが再スタートする。
【0026】
他の実施形態では、バックオフタイマーは、課せられた速度制御割り当ての期間に等しい。例えば、ユーザ装置が1時間に5個のメッセージを送信することに限定された場合には、バックオフタイマーは、UEがネットワークに接続されたときにスタートする。バックオフタイマーは、同じネットワークへの再接続がUEに許されない1時間という期間を有する。バックオフタイマーは、1時間ごとに再スタートする。バックオフタイマーの再スタートは、RC割り当ての期間の再スタートと整列される。
【0027】
ある実施形態ではバックオフタイマー、及び/又はバックオフタイマーの期間は、ネットワークノードにより決定されそして発行される。ネットワークノードは、ユーザ装置から初期の接続要求を受け容れるときにバックオフタイマーを発行する。バックオフタイマーを発行することは、ネットワークノードにより決定されているバックオフタイマーを決定してユーザ装置へ送信し、及び/又は予め構成されたタイマーを使用する旨の指示をユーザ装置へ送信することを含む。ネットワークノードは、バックオフタイマーの期間を収納又は記憶し、そしてバックオフタイマー或いはバックオフタイマーの期間をUEへ発行及び/又は指示する。バックオフタイマーは、ある実施形態では、アクセスネットワークシグナリング手順及び/又は非アクセス階層(NAS)シグナリング手順を使用して送信される。例えば、バックオフタイマーは、無線リソース制御(RRC)接続リリース、TAU、サービス要求メッセージ、及び/又は制御プレーンサービス要求又は分離メッセージの一部分としてUEに指示される。ネットワークノードは、バックオフタイマーをUEへ送信するが、バックオフタイマーの期間の追跡を依然続けてもよい。
【0028】
バックオフタイマーは、ある実施形態では、再接続要求が受信されたと確認した旨のメッセージを介してネットワークノードからUEへ発行及び/又は指示することができる。そのような実施形態では、ネットワークノードは、UEの再接続要求を拒絶しない。むしろ、ネットワークは、バックオフタイマーの期間が経過したとき又はその後にネットワークノードが要求を処理するつもりであることをUEに通知できるが、バックオフタイマーの期間中は再接続を回避することをUEに指示する。
【0029】
他の実施形態では、バックオフタイマーは、UEにおいて事前構成される。事前構成は、例えば、ネットワークへのUEの最初の接続の際にネットワークノードにより行われる。別の例では、UEは、移動サービスオペレータに登録されるときにバックオフタイマーで事前構成される。UEにおいて事前構成されるバックオフタイマーは、バックオフタイマーの期間中に同じネットワークへ再接続するUEの能力を制限する。換言すれば、UEは、バックオフタイマーの期間中にネットワークへ再接続要求を送信することが制限される。UEは、ネットワークから指示を受け取った際にバックオフタイマーの期間をスタートすることが分かる。
【0030】
しかしながら、更に別の実施形態では、事前構成されたバックオフタイマーが、UEからネットワークへ送信される再接続要求に含まれる。ネットワークノードは、UEに関連したバックオフタイマーを検出し、そしてバックオフタイマーの期間が経過した後までUEの再接続を遅らせる。それ故、バックオフタイマーの施行は、UE自体によるか又はネットワークノードにより行われる。
【0031】
バックオフタイマーを受信するか又はバックオフタイマーで事前構成されたUEは、ネットワークから分離されたときにバックオフタイマーの期間をスタートする。従って、UEは、バックオフタイマーの期間が経過した後まで同じネットワークに再接続することができない。他の実施形態では、バックオフタイマーの期間は、UEがネットワークから指示を受け取ったときにスタートされる。ネットワークからの指示は、バックオフタイマーがUEにおいて事前構成されたか又はネットワークノードからUEに受け取られたかに関わりなく、バックオフタイマーのスタートコマンドとして機能する。更に別の実施形態では、バックオフタイマーの期間のスタートは、暗示的である。この暗示的スタートは、UEの分離へと導くネットワークによるアクションにより生じる。このスタートは、分離以外のアクションがタイマーの期間をスタートするので暗示的と言われる。例えば、RRC接続解除を受け取ると、UEの分離又は登録解除を導き、これは、バックオフタイマーをスタートする暗示的トリガーである。
【0032】
バックオフタイマーの期間中に、UEは、ある実施形態では、同じネットワークへの再接続が制限されるだけでなく、異なるネットワークへの接続を要求することも制限される。ある実施形態では、UEは、バックオフタイマーの影響を回避するために異なるネットワークへの接続だけが制限される。しかしながら、UEは、バックオフタイマーを回避する以外の理由で異なるネットワークを選択することが許されてもよい。例えば、UEがサービングネットワークのカバレージを失った場合には、バックオフタイマーは、カバレージを回復するために異なるネットワークの選択を阻止しない。それ故、バックオフタイマーは、UEがカバレージを失ったとき、PLMN選択ルールのような幾つかのネットワーク選択ルールに影響を及ぼさない。
【0033】
ある実施形態では、UEは、バックオフタイマーを受け取った後に接続されたままであることが許される。換言すれば、UEは、ネットワークから分離又は登録解除されずにネットワークノードに再登録要求を送信することができる。バックオフタイマーの期間中に、UEは、登録更新要求を含む他のメッセージをネットワークへ送信することができる。しかしながら、UEは、ネットワークから登録解除され又は分離される場合、バックオフタイマーが時間切れするまでは新たな初期登録手順を遂行することが許されない。他のメッセージの送信は、制御速度割り当て又は他の考えられる適用制約により限定又は制限され、そして接続バックオフタイマーは、そのような他のメッセージに影響を及ぼさない。
【0034】
上述したように、バックオフタイマーは、ある実施形態では、ネットワークノード及びUEの両方において動作される。UEは、バックオフタイマーに違反するよう試み、そしてバックオフタイマーの期間が経過する前にネットワークに再接続要求を送信する。その要求を受け取ると、ネットワークは、ネットワークノードで動作されるバックオフタイマーをチェックする。バックオフタイマーの期間が経過していない場合には、ネットワークノードは、その再接続要求を拒絶する。再接続要求を拒絶するとき、ネットワークは、拒絶の理由をUEに知らせる。例えば、理由は、バックオフタイマーの期間が経過していないことである。他の実施形態では、ネットワークノードは、UEへ送信される拒絶メッセージに接続バックオフタイマーを含ませる。ある実施形態では、バックオフタイマーは、ネットワークノードが要求を拒絶するのではない肯定確認において受け取られる。バックオフタイマーは、UEがネットワークから分離又は登録解除されない限り、ユーザデータ及び/又はシグナリングを含む他のトラフィックを許す。
【0035】
バックオフタイマーは、UEがもはや登録されていないときでもネットワークノードにおいて動作を続けることができる。UEが分離されて、新たな速度制御割り当てを得るため同じネットワークへの再接続を試みるのと同様に、ある実施形態では、UEは、登録解除しそして同じネットワークに再登録するよう試みることがある。そのような実施形態では、ネットワークノードは、再登録されたUEが、課せられた速度制御割り当てを回避できることを防止するために、バックオフタイマーを動作し続けることができる。
【0036】
ある実施形態では、ネットワークは、高プライオリティシグナリングを有するUEのようなあるプライオリティをもつUEがバックオフタイマーの期間中にネットワークに再接続されるのを許す。UEのプライオリティは、ネットワークへ送信される再接続要求メッセージにおいてネットワークに指示される。例外的報告又は非常シグナリングのような高プライオリティシグナリングを伴うUEは、ネットワークに再接続されて、新たな無線制御割り当てを受け取ることが許される。例えば、UEがバックオフタイマーの期間中に接続を必要とする重要なアプリケーションを実行するとき、再接続要求に対する応答として受け取られるバックオフタイマーは、ネットワークへのUEの接続を防止する。バックオフタイマーは、ある実施形態では、非常接続、又は重要なアプリケーションを実行するUEの接続を許すか又はそれを防止しない。
【0037】
ある実施形態では、バックオフタイマーは、バックオフタイマーのプライオリティレベルと同じプライオリティレベルを有するUEの再接続を防止する。換言すれば、バックオフタイマーは、タイマーに関連したプライオリティレベルを含む。例えば、バックオフタイマーは、高レベルプライオリティのUEがネットワークに再接続されるのを防止しないような低い又は通常のプライオリティに関連付けられる。
【0038】
低又は通常プライオリティのシグナリングを伴うUEは、ある実施形態では、再接続が保証されず、このUEは、低又は通常プライオリティのシグナリングについて再接続要求を開始できない。ある実施形態では、タイマーを全てのシグナリングに適用できるか、又は単に低又は通常プライオリティシグナリングのような非プライオリティシグナリングにしか適用できないかの指示がバックオフタイマーの一部分として含まれる。ある実施形態では、所与のUEは、バックオフタイマーの期間中に再接続できるプライオリティ付きUEとみなされるように、ネットワークによりプライオリティ付きUEとして許可される。
【0039】
ある実施形態では、ネットワークノードは、異なるUEにバックオフタイマーを選択的に適用してもよいし、又は異なるUEに異なるバックオフタイマーを選択的に適用してもよい。異なる契約を有するUEは、ネットワークノードにより選択的に適用されるバックオフタイマーを有してもよい。例えば、高いデータ限界を有する契約を伴うUEは、低いデータ限界を有する契約より短いバックオフタイマー期間を有してもよい。異なる契約レベルは、以下、異なる許可レベルとも称される。他の実施形態では、ネットワークノードは、UEのオブザーバーアップリンクアクセス振舞いに基づきバックオフタイマーを選択的に適用してもよい。
【0040】
上述したように、バックオフタイマー期間のトリガー又はスタートは、UEがネットワークノードからバックオフタイマーを受け取るときに生じる。UEがバックオフタイマーで事前構成される実施形態では、バックオフタイマー期間のトリガー又はスタートは、ネットワークから指示が受け取られたときに生じる。他の実施形態では、バックオフタイマー期間のトリガー又はスタートは、UEがネットワークから分離されるときに生じる。ある実施形態では、UEは、ネットワークノードからバックオフタイマーを受け取った後に又は事前構成されたバックオフタイマーを開始する指示をネットワークから受け取る際にネットワークから分離される。
【0041】
図3は、ある実施形態による方法を示す。特に、図3は、ネットワークノードによって遂行される方法を示す。ネットワークノードは、例えば、EPS MME又は5G MMFのようなコアネットワークノードである。ステップ310において、ネットワークノードは、UEから初期の接続要求メッセージを受け取る。ステップ320において、ネットワークノードは、初期の接続要求を受け容れ、そしてUEに関連したバックオフタイマーを発行する。バックオフタイマーを発行することは、バックオフタイマーを決定してユーザ装置へ送信することを含む。バックオフタイマーは、ネットワークへの接続又は再接続がユーザ装置に許されない期間を含む。他の実施形態では、ネットワークノードは、UEがバックオフタイマーで事前構成されているときにバックオフタイマーを検出する。
【0042】
初期の接続要求を受け容れるときにネットワークノードがバックオフタイマーを発行する他の実施形態では、ステップ330において、ネットワークノードは、UEがUEで事前構成されないときに、UEに送信されたバックオフタイマーを受け取る。他の実施形態では、ネットワークノードは、バックオフタイマーの期間をスタートする指示をUEに送信する。ステップ340において、ネットワークノードは、バックオフタイマーの期間が経過したかどうか決定する。ステップ350において、ネットワークノードは、バックオフタイマーの期間が経過していないときはUEからの別の接続要求を拒絶する。バックオフタイマーの期間が経過したときは、ネットワークノードは、ユーザ装置がネットワークに再接続されるのを許す。ネットワークへの再接続がUEに許されると、UEは、ネットワークに接続され、そしてネットワークノードは、ユーザ装置の速度制御割り当てをリセットする。速度制御割り当ては、UEが、所与の期間中にある限定数のメッセージをネットワークに送信するのを許す。例えば、図1及び2において、速度制御割り当ては、1時間当たり5個のメッセージである。バックオフタイマーの期間は、速度制御割り当てに関連した時間に基づく。
【0043】
図4は、ある実施形態による方法を示す。特に、図4は、UEによって遂行される方法を示す。ステップ410において、UEは、初期の接続要求メッセージをネットワークノードへ送信する。ステップ420において、UEは、初期の接続要求メッセージが受け容れられたことを指示する応答をネットワークノードから受け取る。この応答は、ある実施形態では、バックオフタイマーがネットワークノードにより決定されたときに、バックオフタイマーを含む。他の実施形態では、UEがバックオフタイマーで事前構成されるとき、この応答は、ネットワークノードからのバックオフタイマーの指示を含む。バックオフタイマーの指示を受け取ると、ステップ430に示すように、UEに関連したバックオフタイマーのスタートをトリガーする。UEは、次いで、バックオフタイマーを含む応答を受け取り、これは、バックオフタイマーをスタートさせる。
【0044】
ステップ440において、UEは、バックオフタイマー期間の少なくとも一部分の間にネットワークへ他のメッセージを送信する。このメッセージは、別の接続要求メッセージ以外のメッセージである。そのような送信は、速度制御割り当てにより制限される。ステップ450において、UEは、バックオフタイマーの期間が経過した後までネットワークへの接続又は再接続を控える。バックオフタイマーの期間が経過した後に、UEは、ネットワークノードへ別の要求メッセージを送信する。
【0045】
図5は、ある実施形態によるシステムを示す。図1ないし4の各信号又はブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、1つ以上のプロセッサ及び/又は回路のような種々の手段又はそれらの組み合せにより具現化されることを理解されたい。1つの実施形態では、システムは、例えば、ネットワークノード520又はユーザ装置(UE)510のような多数のデバイスを含む。このシステムは、2つ以上のUE510及び2つ以上のネットワークノード520を含んでもよい。ネットワークノード520は、アクセスポイント、アクセスノード、5G MME及びEPS MME、サーバー、ホスト、或いはUEと通信する他のネットワークコアエンティティである。
【0046】
これらのデバイスは、各々、511及び521で示された少なくとも1つのプロセッサ又は制御ユニット又はモジュールを含む。各デバイスには、512及び522で各々示された少なくとも1つのメモリが設けられる。このメモリには、コンピュータプログラムインストラクション又はコンピュータコードが収容される。1つ以上のトランシーバー513及び523が設けられ、そして各デバイスは、514及び524で各々示されたアンテナも備えている。1つのアンテナしか示されていないが、各デバイスには多数のアンテナ及び多数のアンテナ素子が設けられてもよい。例えば、他の構成のデバイスが設けられてもよい。例えば、ネットワークエンティティ520及びUE510は、ワイヤレス通信に加えて、更にワイヤード通信のために構成されてもよく、そのような場合、アンテナ514及び524は、単にアンテナに限定されず、任意の形式の通信ハードウェアを示す。
【0047】
トランシーバー513及び523は、各々、送信器単独、受信器単独、又は送受信器、或いは送信及び受信の両用に構成されたユニット又はデバイスである。又、送信器及び/又は受信器(無線部に関する限り)は、デバイスそれ自体に配置されずに、例えば、支柱に配置されたリモート無線ヘッドとして実施されてもよい。動作及び機能は、ノード、ホスト又はサーバーのような異なるエンティティにおいて柔軟な仕方で遂行されてもよい。換言すれば、労力の分散は、ケースバイケースで変化してもよい。1つの考えられる使用は、ネットワークノードがローカルコンテンツを配達するようにさせることである。又、1つ以上の機能が、サーバーで実行できるソフトウェアにおいてバーチャルアプリケーションとして実施されてもよい。
【0048】
ユーザデバイス又はUE510は、移動電話又はスマートホン又はマルチメディアデバイスのような移動ステーション(MS)、IoTセルラーデバイス、ワイヤレス通信能力が設けられたタブレットのようなコンピュータ、ワイヤレス通信能力が与えられたパーソナルデータ又はデジタルアシスタント(PDA)、ポータブルメディアプレーヤ、デジタルカメラ、ポケットビデオカメラ、ワイヤレス通信能力が設けられたナビゲーションユニット、又はその組み合わせである。他の実施形態では、ユーザ装置は、人間との相互作用を必要としないマシン通信デバイス、例えば、センサ又はメーターに置き換えられてもよい。
【0049】
ある実施形態では、ユーザ装置又はネットワークノードのような装置は、図1から4に関連して上述した実施形態を具現化するための手段を含む。ある実施形態では、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリは、少なくとも1つのプロセッサとで、装置が、少なくとも、ここに述べるプロセスのいずれかを遂行するようにさせるよう構成される。
【0050】
プロセッサ511及び521は、計算又はデータ処理デバイス、例えば、中央処理ユニット(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル改善型回路、又は同等のデバイス、或いはその組み合せにより実施される。プロセッサは、単一のコントローラとして、或いは複数のコントローラ又はプロセッサとして具現化される。
【0051】
ファームウェア又はソフトウェアについては、その具現化は、少なくとも1つのチップセット(例えば、手順、機能、等)のモジュール又はユニットを含む。メモリ512及び522は、独立した適当なストレージデバイス、例えば、非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体である。ハードディスクドライブ(HDD)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、又は他の適当なメモリが使用される。メモリは、単一の集積回路上でプロセッサとして結合されてもよいし又はそこから分離されてもよい。更に、メモリに記憶されてプロセッサにより処理されるコンピュータプログラムインストラクションは、適当な形態のコンピュータプログラムコード、例えば、適当なプログラミング言語で書かれたコンパイル型又は解釈型のコンピュータプログラムである。メモリ又はデータストレージエンティティは、典型的に、内部であるが、サービスプロバイダーから付加的なメモリ容量が得られる場合は、外部又はその組み合わせであってもよい。メモリは、固定でもよいし、分離可能でもよい。
【0052】
メモリ及びコンピュータプログラムインストラクションは、特定デバイスのプロセッサとで、ネットワークノード520又はUE510のようなハードウェア装置が、前記プロセスのいずれかを遂行するようにさせるよう構成される(例えば、図1から4を参照されたい)。それ故、幾つかの実施形態において、非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体は、ハードウェアで実行されたときに、ここに述べるプロセスの1つのようなプロセスを遂行するコンピュータインストラクション又は1つ以上のコンピュータプログラム(例えば、追加又は更新ソフトウェアルーチン、アプレット又はマクロ)でエンコードされる。コンピュータプログラムは、オブジェクティブC、C、C++、C#、Java(登録商標)、等の高レベルプログラミング言語、或いはマシン言語又はアッセンブラーのような低レベルプログラミング言語であるプログラミング言語によりコード化される。或いは又、幾つかの実施形態は、ハードウェアで完全に遂行されてもよい。
【0053】
更に、図5は、ネットワークノード520及びUE510を含むシステムを示しているが、幾つかの実施形態は、ここに図示して述べるように、他の構成、及び付加的な要素を含む構成にも適用できる。例えば、多数のユーザ装置デバイス及び多数のベースステーションが存在するか、又は同様の機能を発揮する他のノード、例えば、ユーザ装置及びベースステーションの機能を結合するノード、例えば、リレーノードが存在してもよい。同様に、UE510には、ネットワークノード520との通信以外の通信のための種々の構成が設けられてもよい。例えば、UE510は、デバイス・対・デバイス、マシン・対・マシン、又はビヒクル・対・ビヒクル通信のために構成されてもよい。
【0054】
前記実施形態は、ネットワークの機能、及び/又はネットワーク、又はネットワークと通信するユーザ装置内のネットワークエンティティの機能に対して顕著な改善を与える。ある実施形態では、同じネットワークへのUEの再接続又は再登録のようなUEのネットワークアクセス機能を制御することは、ネットワークシグナリングを減少する上で役立つ。又、前記実施形態は、ネットワークにより課せられた速度制御限界又は割り当てをUEがバイパスするのを防止し、且つ全てのUEへのネットワークリソースの公平な分配を保証する上で役立つ。
【0055】
本明細書全体にわたって述べた幾つかの実施形態の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態において適当な仕方で組み合わせることができる。例えば、本明細書全体にわたる「ある実施形態」、「幾つかの実施形態」、「他の実施形態」という句又は他の同様の言語の使用は、その実施形態に関連して述べる特定の特徴、構造、又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを指す。従って、本明細書全体にわたり「ある実施形態」、「幾つかの実施形態」、「他の実施形態」という句又は他の同様の言語が出現することは、必ずしも、実施形態の同じグループを指すものではなく、そしてここに述べる特徴、構造又は特性は、1つ以上の実施形態において適当な仕方で組み合わされてもよい。
【0056】
当業者であれば、上述した本発明は、異なる順序のステップで、及び/又はここに開示するものとは異なる構成のハードウェア要素で、実施されてもよいことが容易に理解されよう。それ故、本発明は、それらの好ましい実施形態に基づいて説明したが、当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱せずに、幾つかの変更、修正、及び代替的構造が明らかとなろう。前記実施形態は、EPS技術、IoT技術、4G技術、及び5G技術を参照するが、前記実施形態は、3GPP技術に適用されてもよい。
【0057】
部分用語集
IoT:モノのインターネット
UE:ユーザ装置
PLMN:公衆地上移動ネットワーク
3GPP:第3世代パートナーシッププロジェクト
EPS:進化型パケットシステム
MME:移動管理エンティティ
5G:第5世代
RC:速度制御
APN:アクセスポイント名
SPLMN:サービング公衆地上移動ネットワーク
NAS:非アクセス階層
RRC:無線リソース制御
TAU:追跡エリア更新
【符号の説明】
【0058】
110、120、210:サイクル
510:ユーザ装置(UE)
511:プロセッサ
512:メモリ
513:トランシーバー
514:アンテナ
520:ネットワークノード
521:プロセッサ
522:メモリ
523:トランシーバー
524:アンテナ
図1
図2
図3
図4
図5