(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
部品収納部材を複数装着可能な複数の部品供給装置が付設され、当該部品供給装置から供給された部品を基板に搭載し部品搭載基板を生産する実装機に対する、前記部品搭載基板を生産するための段取り作業の計画を管理する作業計画管理システムであって、
前記複数の部品供給装置の各々に対して新たな部品収納部材を補給する段取り作業である部品補給作業の計画を管理する部品補給管理部と、
前記部品補給作業以外の段取り作業である、前記部品搭載基板の生産時の複数の付随作業の計画を管理する付随作業管理部と、を備え、
前記部品補給管理部は、
前記複数の部品供給装置の各々における部品の供給状況を監視し、前記部品補給作業が可能な時間帯を表す補給可能時間帯を、前記複数の部品供給装置ごとに特定する部品供給監視部と、
前記各補給可能時間帯で重複する重複補給時間帯を認識し、当該重複補給時間帯内で前記部品補給作業が可能な部品供給装置を、前記部品補給作業の対象となる部品補給対象装置として特定する補給対象特定部と、を含み、
前記付随作業管理部は、
前記複数の付随作業において、作業開始から作業終了までの作業時間に基づいて、前記作業開始を推奨する時間帯を表す作業開始推奨時間帯を、前記複数の付随作業ごとに特定する作業時間特定部と、
前記複数の付随作業において、前記作業開始推奨時間帯に前記重複補給時間帯の最も早い時刻が含まれる付随作業を、前記重複補給時間帯内で作業を開始させる対象となる開始対象作業として特定する作業開始対象特定部と、を含む、作業計画管理システム。
前記部品補給管理部は、前記重複補給時間帯において、前記部品補給対象装置に対して同一の前記部品補給作業の補給作業タイミングを特定する補給タイミング特定部を、更に含み、
前記付随作業管理部は、前記補給作業タイミングを、前記開始対象作業の作業開始タイミングとして特定する付随作業タイミング特定部を、更に含む、請求項1又は2に記載の作業計画管理システム。
前記補給タイミング特定部は、前記重複補給時間帯が、前記作業開始推奨時間帯の最も遅い時刻が含まれる第1注目重複時間帯である場合、当該第1注目重複時間帯内における前記最も遅い時刻よりも早い所定の時刻を、前記補給作業タイミングとして特定する、請求項3に記載の作業計画管理システム。
前記作業時間特定部は、前記作業開始推奨時間帯の最も遅い時刻から前記付随作業を開始したときに作業が終了すると想定される作業終了想定時刻を、前記複数の付随作業ごとに特定し、
前記補給タイミング特定部は、前記重複補給時間帯が、前記複数の付随作業の各々の前記作業開始推奨時間帯の最も遅い時刻よりも遅く、且つ前記作業終了想定時刻が含まれる第3注目重複時間帯である場合、当該第3注目重複時間帯内における前記作業終了想定時刻を、前記補給作業タイミングとして特定する、請求項3に記載の作業計画管理システム。
前記作業開始推奨時間帯の最も遅い時刻は、前記作業終了想定時刻が前記部品搭載基板の生産における基板品種の切換えタイミングと一致するように設定される、請求項6に記載の作業計画管理システム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係る作業計画管理システム及び部品実装システムについて図面に基づいて説明する。
【0013】
[部品実装システムの全体構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る部品実装システム1の構成を概略的に示す図である。部品実装システム1は、実装機2と、作業計画管理システム3と、実装機動作管理装置4と、生産計画管理装置5と、段取り管理装置6とを備える。部品実装システム1において、実装機動作管理装置4、生産計画管理装置5、及び段取り管理装置6は、作業計画管理システム3とデータ通信可能に接続され、実装機2による部品搭載基板の生産を管理する管理装置である。部品実装システム1では、複数の実装機2が並設されている。なお、
図1に示す例では、4台の実装機2が並設されている。
【0014】
<実装機の構成>
まず、
図2を参照して実装機2の構成を説明する。
図2は、実装機2の構成を示す平面図である。なお、以下では、方向関係についてはXY直交座標軸を用いて説明する。X軸方向の一方向側を「+X側」と称し、X軸方向の一方向側とは反対の他方向側を「−X側」と称する。また、Y軸方向の一方向側を「+Y側」と称し、Y軸方向の一方向側とは反対の他方向側を「−Y側」と称する。
【0015】
実装機2は、基板Pに部品を搭載して部品搭載基板を生産する装置である。なお、実装機2による部品の搭載前において基板Pには、半田ペーストのパターンが印刷されている。つまり、実装機2は、パターン形成装置により半田ペーストのパターンが印刷された基板Pに部品を搭載する。実装機2は、本体フレーム21と、移動フレーム22と、コンベア23と、部品供給部24と、ヘッドユニット25と、第1駆動機構26と、第2駆動機構27と、基板支持装置28とを備える。
【0016】
本体フレーム21は、実装機2を構成する各部が配置される構造体であり、X軸方向及びY軸方向の両方向と直交する方向から見た平面視で略矩形状に形成されている。コンベア23は、X軸方向に延び、本体フレーム21に配置される。コンベア23は、基板PをX軸方向に搬送する。コンベア23上を搬送される基板Pは、所定の作業位置(基板P上に部品が搭載される部品搭載位置)に、基板支持装置28によって位置決めされるようになっている。基板支持装置28は、バックアップピンにより基板Pを支持することにより、当該基板Pを位置決めする。
【0017】
部品供給部24は、本体フレーム21におけるY軸方向の+Y側及び−Y側の領域部分にそれぞれ、X軸方向に2箇所ずつ合計4箇所に配置される。部品供給部24は、基板Pに搭載される部品を供給するものであり、複数の部品供給装置が並設される。部品供給部24に配置される部品供給装置については後述する。
【0018】
移動フレーム22は、X軸方向に延び、本体フレーム21に、所定の移動方向(Y軸方向)に移動可能に支持される。この移動フレーム22にヘッドユニット25が搭載されている。ヘッドユニット25は、X軸方向に移動可能となるように、移動フレーム22に搭載される。すなわち、ヘッドユニット25は、移動フレーム22の移動に伴ってY軸方向に移動可能であり、且つ、移動フレーム22に沿ってX軸方向に移動可能である。ヘッドユニット25は、部品供給部24とコンベア23により搬送された基板Pの所定の作業位置とにわたって移動可能とされ、部品供給部24から部品を取り出すとともに、その取り出した部品を基板P上に搭載(実装)する。ヘッドユニット25は、吸着ノズル251を備えている。吸着ノズル251は、部品供給部24により供給された部品を吸着して保持可能な保持具である。吸着ノズル251は、電動切替弁を介して負圧発生装置、正圧発生装置及び大気の何れかに連通可能とされている。つまり、吸着ノズル251に負圧が供給されることで当該吸着ノズル251による部品の吸着保持(部品の取り出し)が可能となり、その後、正圧が供給されることで当該部品の吸着保持が解除される。
【0019】
第1駆動機構26は、本体フレーム21の+X側及び−X側の端部に配設される。第1駆動機構26は、移動フレーム22をY軸方向に移動させる機構である。第1駆動機構26は、例えば、駆動モーターと、Y軸方向に延び、駆動モーターに連結されるボールねじ軸と、移動フレーム22に配設されてボールねじ軸と螺合するボールナットと、を含んで構成される。このような構成の第1駆動機構26は、駆動モーターによるボールねじ軸の回転駆動に伴ってボールナットがボールねじ軸に沿って進退することにより、移動フレーム22をY軸方向に移動させる。
【0020】
第2駆動機構27は、移動フレーム22に配設される。第2駆動機構27は、ヘッドユニット25を移動フレーム22に沿ったX軸方向に移動させる機構である。第2駆動機構27は、第1駆動機構26と同様に、例えば、駆動モーターと、X軸方向に延び、駆動モーターに連結されるボールねじ軸と、ヘッドユニット25に配設されてボールねじ軸と螺合するボールナットと、を含んで構成される。このような構成の第2駆動機構27は、駆動モーターによるボールねじ軸の回転駆動に伴ってボールナットがボールねじ軸に沿って進退することにより、ヘッドユニット25をX軸方向に移動させる。
【0021】
<部品供給装置について>
部品供給部24に並設される部品供給装置は、部品供給方式の違いにより、テープフィーダー、トレイフィーダー及びスティックフィーダーに大別される。実装機2の各部品供給部24には、部品供給方式が同一の1種の部品供給装置が配置されていてもよいし、部品供給方式が異なる2種以上の部品供給装置がそれぞれ配置されていてもよい。
【0022】
(テープフィーダー)
まず、部品供給装置としてのテープフィーダーは、部品収納部材としてのリールに、部品を所定間隔おきに収納した部品収納テープが巻回され、そのリールから部品収納テープが送出されるように構成されている。テープフィーダーは、一般的に、スプライシングフィーダーと自動ローディングフィーダー(AF)とに大別される。スプライシングフィーダーは、1本のリールが装着されるように構成されており、そのリールからの部品収納テープの送出が完了して部品切れになる前に、当該部品収納テープから後続の部品収納テープへと移行させるために、先行する部品収納テープの末端部と後続の部品収納テープの先端部との間をスプライシングテープ等で貼り付けて両者を接続する。すなわち、スプライシングフィーダーでは、1本のリールからの部品収納テープの送出が完了して部品切れになる前に、スプライシングテープ等で貼り付けるスプライシング作業が行われるので、後続の部品収納テープが巻回されたリールの補給タイミングは、先行の部品収納テープの送出が完了した時点に拘束される。
【0023】
一方、AFは、複数のリールが装着可能に構成されており、複数のリールのうち、部品供給が先行して行われる部品収納テープ(以下、「先行の部品収納テープ」という)が巻回された先行のリールからの部品収納テープの送出が完了すると、スプライシング作業を行うことなく自動的に、後続する部品収納テープが巻回された後続のリールから部品収納テープが送出される。すなわち、AFにおいて、新たなリールの補給タイミングは、先行の部品収納テープが巻回された先行のリールからの部品収納テープの送出が完了した時点に拘束されることなく、スプライシングフィーダーに比べて自由度がある。
【0024】
本実施形態では、部品供給部24に配置されるテープフィーダーとしては、スプライシングフィーダーとAFとが混在しても構わないが、部品収納部材としてのリールを複数装着可能なAFが、部品供給装置として複数配置されている。この部品供給装置としてのAFからなるテープフィーダーについて、
図3及び
図4を参照して説明する。
図3はAF241の構成を概略的に示す図であり、
図4はAF241に装着される部品収納テープ243を示す斜視図である。
【0025】
部品供給部24においてAF241は、台車242に配置される。AF241は、部品収納テープ243が巻回された複数のリール2420を装着可能である。
【0026】
AF241の構成を説明するに先立って、
図4を参照して部品収納テープ243を説明する。部品収納テープ243は、キャリアテープ2431とカバーテープ2434とからなる。キャリアテープ2431は、部品Eを収納する部品収納部2433が所定の間隔をおいて複数配列されたテープである。また、キャリアテープ2431には、その幅方向一端部に、後述するAF241における第1スプロケット2412A及び第2スプロケット2413Aの歯部と嵌合し、第1スプロケット2412A及び第2スプロケット2413Aにより部品収納テープ243を送出させるための搬送力が伝達される搬送力伝達孔2432が所定の間隔を有して配列されている。カバーテープ2434は、部品収納部2433を覆うようにキャリアテープ2431に貼付されたテープである。
【0027】
図3に示すように、AF241は、部品供給部24に設けられたフィーダー取付部2417Aに取り付けられている。詳しくは、部品供給部24には、フィーダー取付部2417Aと、リール支持部2419とが設けられている。フィーダー取付部2417Aには、X軸方向に一定間隔で並びかつY軸方向に互いに平行に延びる複数のスロット2417Bと、これらスロット2417Bよりも前側の位置でX軸方向に延びる固定台2417Cとが設けられている。そして、各スロット2417BにAF241がセットされ、各AF241が固定台2417Cに固定されている。これにより、部品供給部24において複数のAF241が台車242に並設されている。
【0028】
リール支持部2419は、フィーダー取付部2417Aの後方下側に位置しており、リール2420を回転可能に支持する第1リールホルダ2419A及び第2リールホルダ2419Bを、上下方向に互いに離間した状態で支持する。第1リールホルダ2419A及び第2リールホルダ2419Bの各々に支持されるリール2420には、部品収納テープ243が巻回されている。
【0029】
AF241は、フィーダー本体2411を備えている。AF241は、スロット2417Bにフィーダー本体2411が挿入(セット)された状態で、固定台2417Cに固定されている。フィーダー本体2411には、第1テープ送出部2412を構成する第1スプロケット2412Aと、その第1スプロケット2412Aに対してリール支持部2419から離れるようにY軸方向に離間した、第2テープ送出部2413を構成する第2スプロケット2413Aとが、回転可能に支持されている。第1スプロケット2412A及び第2スプロケット2413Aはそれぞれ、周方向に所定の間隔を有して配列した複数の歯部を備える。第1スプロケット2412A及び第2スプロケット2413Aの歯部は、部品収納テープ243のキャリアテープ2431に形成された搬送力伝達孔2432と嵌合可能である。
【0030】
第1リールホルダ2419A及び第2リールホルダ2419Bの各々に支持されるリール2420に巻回された部品収納テープ243は、リール支持部2419の上端に配設されたガイドローラー2418にガイドされつつ第1スプロケット2412A及び第2スプロケット2413Aに導かれる。搬送力伝達孔2432が第1スプロケット2412A及び第2スプロケット2413Aの歯部と嵌合された部品収納テープ243は、第1スプロケット2412A及び第2スプロケット2413Aの回転により送出され、部品供給位置P1で部品Eの取り出しが行われる。
【0031】
AF241は、更に、フィーダー本体2411の後端部に着脱可能に固定されたテープ支持部材2414と、フィーダー本体2411の後部上面に配置された操作入力部2415と、第1、第2テープ検知センサ2416A、2416Bと、を備えている。
【0032】
テープ支持部材2414は、
図3に示すように、フィーダー本体2411の内部において部品収納テープ243が走行するテープ走行通路2414Aの後端部分を、上下の2つの通路(上側通路2414AA、下側通路2414AB)に分けるとともに、上側通路2414AAを通過する部品収納テープ243を下側から支持するものである。詳しくは、テープ走行通路2414Aの後端部分は、その前方から後方に向かって上下方向に広がる形状とされている。テープ支持部材2414は、フィーダー本体2411の後方からテープ走行通路2414A内に挿入され、当該フィーダー本体2411に着脱可能に固定されている。これにより、テープ走行通路2414Aの後端部分が、テープ支持部材2414によって上側通路2414AAと下側通路2414ABとに分けられている。
【0033】
第1テープ検知センサ2416A及び第2テープ検知センサ2416Bは、テープ走行通路2414Aに臨む状態で設けられており、テープ走行通路2414Aを通過する部品収納テープ243の有無を検出する。より具体的には、第1テープ検知センサ2416Aは、上側通路2414AAと下側通路2414ABとの合流地点よりも前方であってテープ走行通路2414Aに下方から臨む位置に設けられている。一方、第2テープ検知センサ2416Bは、上側通路2414AAに上方から臨む位置に設けられており、これにより、上側通路2414AAにおける部品収納テープ243の有無を検知する。
【0034】
操作入力部2415は、作業者が必要に応じて部品収納テープ243の送出及び逆送を行うものである。
【0035】
以上のように構成されるAF241の部品供給動作は、次の通りである。まず準備作業として、作業者は、リール支持部2419の下段の第1リールホルダ2419Aに先行する部品収納テープ243が巻回されたリール2420を取り付け、そのリール2420に巻回された部品収納テープ243の先端部をフィーダー本体2411の後方から上側通路2414AAに挿入する。これにより、先行する部品収納テープ243の先端部は、第1スプロケット2412Aと嵌合された状態で、テープ支持部材2414により支持される。その後、作業者は、操作入力部2415を操作し、第1スプロケット2412Aを回転させる指示を入力して部品収納テープ243を送出させ、部品供給テープ243の先端部を第2スプロケット2413Aと嵌合させる。
【0036】
上記の準備作業が終了した状態で、AF241の部品供給動作が開始される。AF241において、第2スプロケット2413Aは回転し、これにより部品収納テープ243を送出する。なお、第1スプロケット2412Aは空転するように構成されており、このとき、第2スプロケット2413Aを回転させるのみで部品収納テープ243を送出することができる。
【0037】
次に、リール2420から先行する部品収納テープ243が送出されている状態で、作業者は、フィーダー本体2411からテープ支持部材2414を取り外す。テープ支持部材2414が取り外されると、部品収納テープ243がその自重によってテープ走行通路2414A底面部に変位する。これにより、先行する部品収納テープ243の第1スプロケット2412Aとの嵌合が解除される。このとき、部品収納テープテープ243は、第2スプロケット2413Aと嵌合されているので、第1スプロケット2412Aとの嵌合が解除されても、第2スプロケット2413Aの回転により送出され続ける。
【0038】
次に、リール2420から先行する部品収納テープ243が送出されている状態で、作業者は、テープ支持部材2414をフィーダー本体2411に装着し、先行する部品収納テープ243が巻回されたリール2420を下段の第1リールホルダ2419Aから上段の第2リールホルダ2419Bに移動させる。次に、上段の第2リールホルダ2419Bに支持されたリール2420から先行する部品収納テープ243が送出されている状態で、作業者は、後続する部品収納テープ243が巻回されたリール2420を下段の第1リールホルダ2419Aに取り付け、その部品収納テープ243の先端部をフィーダー本体2411の後方から上側通路2414AAに挿入する。これにより、後続する部品収納テープ243の先端部は、第1スプロケット2412と嵌合された状態で、テープ支持部材2414により支持される。このようにして、リール2420に巻回される先行の部品収納テープ243の部品切れが発生していない状態で、後続の部品収納テープ243が巻回されたリール2420を装着することができる。
【0039】
その後、上段の第2リールホルダ2419Bに支持されたリール2420から、先行する部品収納テープ243が全て引き出され、その後端が第2テープ検知センサ2416Bの位置を通過して、先行する部品収納テープ243が無いことが検知されると、下段の第1リールホルダ2419Aに支持されたリール2420からの、後続する部品収納テープ243の送出が自動的に開始される。そして、作業者は、部品切れとなったリール2420を上段の第2リールホルダ2419Bから取り外し、後続する部品収納テープ243が巻回されたリール2420を下段の第1リールホルダ2419Aから上段の第2リールホルダ2419Bに移動させる。このとき、作業者は、部品収納テープ243が巻回された新たなリールを、AF241に対して補給することができる。AF241に対して補給された新たなリールは、作業者によって下段の第1リールホルダ2419Aに取り付けられる。ここで、新たなリールの部品補給作業のタイミングは、先行する部品収納テープ243が巻回されたリール2420が部品切れとなる時点に拘束されることはなく、作業計画管理システム3によって特定される。
【0040】
なお、上段の第2リールホルダ2419Bに支持されたリール2420から先行する部品収納テープ243が送出され、下段の第1リールホルダ2419Aに支持されたリール2420に巻回された後続する部品収納テープ243の先端部が上側通路2414AAに挿入された状態では、新たなリールの装着が不能である。一方、上段の第2リールホルダ2419Bに支持されたリール2420から、先行する部品収納テープ243が全て引き出され、下段の第1リールホルダ2419Aに支持されたリール2420からの、後続する部品収納テープ243の送出が自動的に開始された状態では、新たなリールの装着が可能である。
【0041】
(トレイフィーダー)
次に、部品供給装置としてのトレイフィーダーについて、
図5を参照して説明する。
図5は、トレイフィーダー245の構成を概略的に示す図である。部品供給部24には、複数のトレイフィーダー245が並設可能である。トレイフィーダー245は、1つのマガジン2453がカバー体2451内を上下方向に移動可能に構成されている。このマガジン2453には、複数の第1パレット2454と、複数の第2パレット2455と、複数の第3パレット2456とが収容されている。
【0042】
各第1パレット2454には、複数の部品が保持された少なくとも1つの第1トレイTR1が載置されている。第1トレイTR1に保持される部品は、第1パレット2454ごとに同じ種類の部品である。同様に、各第2パレット2455には、複数の部品が保持された少なくとも1つの第2トレイTR2が載置されている。第2トレイTR2に保持される部品は、第2パレット2455ごとに同じ種類の部品である。但し、第2トレイTR2に保持される部品は、第1トレイTR1に保持される部品とは種類が異なる。また、各第3パレット2456には、複数の部品が保持された少なくとも1つの第3トレイTR3が載置されている。第3トレイTR3に保持される部品は、第3パレット2456ごとに同じ種類の部品である。但し、第3トレイTR3に保持される部品は、第1トレイTR1及び第2トレイTR2の各々に保持される部品とは種類が異なる。
【0043】
第1パレット2454、第2パレット2455、及び第3パレット2456の各々は、複数の部品が保持されたトレイTR1,TR2,TR3が載置される、部品収納部材としての機能を有する。マガジン2453に収容された第1パレット2454、第2パレット2455、及び第3パレット2456の各々は、部品搭載基板の生産時に、カバー体2451から外方に突出して設けられたテーブル2452に移動され、これによってトレイTR1,TR2,TR3に保持された状態で部品が供給される。
【0044】
部品搭載基板の生産中において、複数の第1パレット2454のうちの1つの第1パレット2454に載置された第1トレイTR1に保持された部品が部品切れになったとしても、他の第1パレット2454がテーブル2452に移動され、これによって第1トレイTR1に保持された状態で部品が供給される。このとき、作業者は、部品搭載基板の生産中において、部品切れとなった第1パレット2454をカバー体2451から取り出し、新たな第1パレットをトレイフィーダー245に対して補給することができる。同様に、部品搭載基板の生産中において、複数の第2パレット2455のうちの1つの第2パレット2455に載置された第2トレイTR2に保持された部品が部品切れになったとしても、他の第2パレット2455がテーブル2452に移動され、これによって第2トレイTR2に保持された状態で部品が供給される。このとき、作業者は、部品搭載基板の生産中において、部品切れとなった第2パレット2455をカバー体2451から取り出し、新たな第2パレットをトレイフィーダー245に対して補給することができる。また、部品搭載基板の生産中において、複数の第3パレット2456のうちの1つの第3パレット2456に載置された第3トレイTR3に保持された部品が部品切れになったとしても、他の第3パレット2456がテーブル2452に移動され、これによって第3トレイTR3に保持された状態で部品が供給される。このとき、作業者は、部品搭載基板の生産中において、部品切れとなった第3パレット2456をカバー体2451から取り出し、新たな第3パレットをトレイフィーダー245に対して補給することができる。
【0045】
トレイフィーダー245に対する新たなパレットの部品補給作業の計画に関する管理は、作業計画管理システム3によって行われる。
【0046】
(スティックフィーダー)
次に、部品供給装置としてのスティックフィーダーについて、
図6を参照して説明する。
図6は、スティックフィーダー246の構成を概略的に示す図である。部品供給部24には、複数のスティックフィーダー246が並設可能である。スティックフィーダー246は、筒状の部品収納部材としてのスティック2469に収納された部品Eを当該スティック2469から押し出しながら供給するように構成されている。スティックフィーダー246は、フレーム本体2461と、このフレーム本体2461の上部に設けられたスティックテーブル2462、第1チャック2463及び第2チャック2464と、部品押し出し機構部2465と、ガイドフレーム2466と、一対のガイドレール2467と、搬送ベルト2468と、を備える。
【0047】
フレーム本体2461は、上部が開口した中空箱形の形状を有している。スティックテーブル2462は、フレーム本体2461の上部内側に配設されている。スティックテーブル2462上には、複数のスティック2469を積層状態で載置することが可能である。第1チャック2463は、スティックテーブル2462上の複数のスティック2469のうちの最下位以外のスティック2469の前端部を同時に保持することが可能である。同様に、第2チャック2464は、スティックテーブル2462上の複数のスティック2469のうちの最下位以外のスティック2469の後端部を同時に保持することが可能である。
【0048】
部品押し出し機構部2465は、スティックテーブル2462上の複数のスティック2469のうち、最下位のスティック2469からその前方に部品Eを押し出す。ガイドフレーム2466は、フレーム本体2461の前部に固定され、このガイドフレーム2466に一対のガイドレール2467が支持されている。そして、一対のガイドレール2467の間に搬送ベルト2468が設けられている。部品押し出し機構部2465により前方に押し出された部品Eは、一対のガイドレール2467に沿って、搬送ベルト2468によって搬送される。これにより、スティック2469に収納された部品Eが、部品供給位置に供給される。
【0049】
部品供給動作に伴い最下位のスティック2469が部品切れとなると、第1及び第2チャック2463,2464が最下位以外のスティック2469を保持する。この状態でスティックテーブル2462がスティック2469の支持を解除する支持解除位置に変位することによって、最下位のスティック2469のみを自重でフレーム本体2461の内底部に落下させるようになっている。なお、部品切れのスティック2469の廃棄後は、スティックテーブル2462がスティック2469の支持位置に復帰し、第1及び第2チャック2463,2464が開放されることにより、スティックテーブル2462上に残りのスティック2469が載置され、次の(最下位の)スティック2469から部品Eの供給が行われる。
【0050】
部品搭載基板の生産中において、部品切れとなったスティック2469がフレーム本体2461の内底部に落下すると、作業者は、新たなスティックをスティックフィーダー246に対して補給することができる。
【0051】
スティックフィーダー246に対する新たなスティックの部品補給作業の計画に関する管理は、作業計画管理システム3によって行われる。
【0052】
[作業計画管理システムの構成]
作業計画管理システム3は、実装機2に対する、部品搭載基板を生産するための段取り作業の計画を管理するシステムである。段取り作業としては、部品供給部24に配置された複数の部品供給装置の各々に対して新たな部品収納部材を補給する部品補給作業と、部品補給作業以外の複数の付随作業とが含まれる。部品補給作業としては、AF241に対する新たなリールの補給作業、トレイフィーダー245に対する新たなパレットの補給作業、並びにスティックフィーダー246に対する新たなスティックの補給作業が含まれる。
【0053】
付随作業としては、例えば、メガリール(結合リール)の作製作業、トレイのベーキング作業、半田ペーストの撹拌作業、吸着ノズルの洗浄作業、バックアップピンの準備作業などが挙げられる。メガリールの作製作業は、AF241に対して装着可能な、部品収納数の多い部品収納テープが巻回されたリールを作製する作業である。具体的には、部品収納テープが巻回された2本のリールを準備し、一方のリールの部品収納テープと他方のリールの部品収納テープとの先端同士を繋ぎ合わせ、一方のリールに他方のリールの部品収納テープを巻き取ることにより、1本のリール(メガリール)を作製する。トレイのベーキング作業は、トレイフィーダー245に対して装着可能なパレットに載置されるトレイをベーキングする作業である。加熱装置などを用いてトレイをベーキングすることによって、トレイに付着した水分等を除去する。半田ペーストの撹拌作業は、部品搭載前の基板Pに印刷される半田ペーストを準備する作業であり、撹拌機などを用いて半田ペーストを撹拌する作業である。吸着ノズルの洗浄作業は、ヘッドユニット25に備えられる吸着ノズル251に関し、基板品種ごとに、部品の保持に適した吸着ノズル251を洗浄して準備しておく作業である。バックアップピンの準備作業は、基板支持装置28に備えられるバックアップピンに関し、基板品種ごとに、基板Pの支持に適したバックアップピンを準備しておく作業である。
【0054】
図7は、作業計画管理システム3の構成を示すブロック図である。作業計画管理システム3は、
図1に示すように、実装機動作管理装置4、生産計画管理装置5、及び段取り管理装置6とデータ通信可能に接続されている。また、作業計画管理システム3は、例えばマイクロコンピュータを含み、
図7に示すように、データ通信部31と、操作部32と、表示部33と、制御部34とを備える。
【0055】
操作部32は、タッチパネル、テンキー、スタートキー及び設定キー等を備え、作業計画管理システム3に対する作業者の操作や各種の設定を受付ける。表示部33は、後述の制御部34の部品補給管理部345及び付随作業管理部346により生成される作業計画情報を表示する。データ通信部31は、実装機動作管理装置4、生産計画管理装置5、及び段取り管理装置6とのデータ通信を実現させるためのインターフェイス回路である。データ通信部31は、実装機動作管理装置4、生産計画管理装置5、及び段取り管理装置6から送信される情報を取得し、その取得した情報を制御部34に与える。また、データ通信部31は、部品補給管理部345及び付随作業管理部346により生成される作業計画情報が制御部34から与えられ、その作業計画情報を実装機動作管理装置4、生産計画管理装置5、及び段取り管理装置6に送信(出力)する。
【0056】
ここで、作業計画管理システム3とデータ通信可能に接続される実装機動作管理装置4、生産計画管理装置5、及び段取り管理装置6について、説明する。
【0057】
実装機動作管理装置4は、実装機2が配設される部品搭載基板の生産ラインに近設され、実装機2の部品搭載動作を管理するための装置である。実装機動作管理装置4は、例えばマイクロコンピュータからなる。生産ラインの作業者は、実装機動作管理装置4を操作し、実装機2の部品搭載動作を制御させる。実装機動作管理装置4は、生産ラインの作業者の操作によって、各AF241、各トレイフィーダー245及び各スティックフィーダー246における部品Eの合計部品残数に関する部品残数情報を、作業計画管理システム3に送信する。AF241の部品残数情報は、第1リールホルダ2419A及び第2リールホルダ2419Bの各々に装着されたリール2420に巻回された部品収納テープ243に収納される部品Eの合計部品残数に関する情報である。トレイフィーダー245の部品残数情報は、複数の第1パレット2454の各々の第1トレイTR1に収納される部品の合計部品残数、複数の第2パレット2455の各々の第2トレイTR2に収納される部品の合計部品残数、並びに、複数の第3パレット2456の各々の第3トレイTR3に収納される部品の合計部品残数に関する情報である。スティックフィーダー246の部品残数情報は、スティックテーブル2462上に載置された複数のスティック2469の各々に収納される部品Eの合計部品残数に関する情報である。
【0058】
実装機動作管理装置4から送信される部品残数情報は、データ通信部31を介して作業計画管理システム3に入力される。なお、部品残数情報は、後述の段取り管理装置6から送信されるようにしてもよい。また、実装機動作管理装置4には、データ通信部31を介して作業計画管理システム3から送信される、後述の部品補給管理部345及び付随作業管理部346により生成される作業計画情報が入力される。生産ラインの作業者は、実装機動作管理装置4に入力される前記作業計画情報に基づいて、実装機2による部品搭載基板の生産のための段取り作業を行う。
【0059】
生産計画管理装置5は、実装機2による部品搭載基板の生産計画を管理するための装置である。生産計画管理装置5は、例えばマイクロコンピュータからなる。生産計画管理装置5は、生産計画を立案する作業者の操作によって、部品搭載基板の生産計画に関する生産計画情報を作業計画管理システム3に送信する。
図8は、生産計画管理装置5から送信され、作業計画管理システム3に入力される生産計画情報JH1を説明するための図である。生産計画情報JH1は、部品必要数情報J153及びサイクルタイム情報J154を少なくとも含む情報である。部品必要数情報J153は、1枚の部品搭載基板の生産に必要な部品Eの必要数(数/枚)に関する情報である。サイクルタイム情報J154は、1枚の部品搭載基板の生産時における部品Eの搭載に要する時間(秒/枚)に関する情報である。
【0060】
具体的には、
図8に示すように、生産計画情報JH1は、生産順序情報J11、基板品種情報J12、生産ロット情報J13、生産数情報J14、及び使用部品情報J15が関連付けられた情報である。生産順序情報J11は、部品搭載基板の生産順序を表す情報である。基板品種情報J12は、部品搭載基板の生産に供される基板Pの品種を表す情報である。生産ロット情報J13は、基板品種ごとの生産ロットを特定するための情報である。生産数情報J14は、生産ロットごとの部品搭載基板の生産数を表す情報である。使用部品情報J15は、部品搭載基板の生産時に使用される部品Eに関する情報である。
【0061】
なお、使用部品情報J15は、部品Eを識別するための部品識別情報J151、部品Eを特定するための部品種特定情報J152、前記部品必要数情報J153、及び前記サイクルタイム情報J154が関連付けられた情報である。部品必要数情報J153は、部品識別情報J151で識別される部品ごとに設定されている。また、サイクルタイム情報J154は、基板品種情報J12で特定される基板品種ごとに設定されている。
図8を参照して説明すると、サイクルタイム情報J154にて表されるサイクルタイム「CT1」、「CT2」、「CT3」、「CT4」、「CT5」、「CT6」は、基板品種情報J12で特定される1つの「基板A」に対して、部品識別情報J151で識別される部品ごと(「PIA1」、「PIA2」、「PIA3」、「PIA4」、「PIA5」、「PIA6」)に同値である。サイクルタイム情報J154にて表されるサイクルタイムは、基板品種が異なれば、その基板品種に対応した値が設定される。
【0062】
段取り管理装置6は、実装機2による部品搭載基板の生産前に、その生産に必要な段取り作業を管理するための装置である。段取り管理装置6は、例えばマイクロコンピュータからなり、作業計画管理システム3において段取り作業の計画を管理するために必要な段取り関連情報を出力する。段取り管理装置6は、作業者の操作によって、段取り関連情報を作業計画管理システム3に送信する。段取り関連情報は、部品補給作業関連情報と付随作業関連情報とを含む。
【0063】
図9は、段取り管理装置6から送信され、作業計画管理システム3に入力される部品補給作業関連情報JH2を説明するための図である。部品補給作業関連情報JH2は、部品残数情報J22を含む情報であってもよい。部品残数情報J22は、前述の如く、各AF241、各トレイフィーダー245及び各スティックフィーダー246における部品Eの合計部品残数に関する情報であり、本実施形態では実装機動作管理装置4から送信される。
【0064】
具体的には、
図9に示すように、部品補給作業関連情報JH2は、前記生産順序情報J11、前記基板品種情報J12、部品供給装置情報J21、前記部品識別情報J151、前記部品残数情報J22、及び部品残数警告値情報J23が関連付けられた情報である。部品補給作業関連情報JH2は、生産計画情報JH1と同一の前記生産順序情報J11を含むことによって、生産計画情報JH1と関連付けられた情報となる。部品供給装置情報J21は、部品搭載基板の生産時に使用される部品供給装置に関する情報であり、部品供給装置の種類(部品供給方式の種類)を表す装置種情報J211と、部品供給装置を識別するための装置識別情報J212とを含む。部品残数警告値情報J23は、各AF241、各トレイフィーダー245及び各スティックフィーダー246において、部品Eが部品切れとなる前の、前記部品残数情報J22で表される合計部品残数が、警告を報知すべき所定値(部品残数警告値)である旨を表す情報である。
【0065】
図10は、段取り管理装置6から送信され、作業計画管理システム3に入力される付随作業関連情報JH3を説明するための図である。付随作業関連情報JH3は、前記生産順序情報J11、生産状況情報J31、及び付随作業情報J32が関連付けられた情報である。付随作業関連情報JH3は、生産計画情報JH1及び部品補給作業関連情報JH2と同一の前記生産順序情報J11を含むことによって、生産計画情報JH1及び部品補給作業関連情報JH2と関連付けられた情報となる。
【0066】
生産状況情報J31は、生産順序情報J11にて表される生産順序における、部品搭載基板の生産の生産状況を表す情報である。生産状況情報J31は、例えば、生産順序情報J11にて表される生産順序に対応した、基板品種情報J12にて表される基板品種における、生産ロット情報J13にて表される生産ロットの生産が、何枚目の部品搭載基板の生産に達したかを表す情報である。
【0067】
付随作業情報J32は、部品搭載基板の生産において必要な付随作業に関する情報である。付随作業情報J32は、付随作業の種類を表す作業種情報J321と、付随作業を識別するための作業識別情報J322と、作業種情報J321にて表される付随作業の作業時間を表す作業時間情報J323とを含む。作業時間情報J323にて表される付随作業の作業時間は、各付随作業の作業開始から作業終了までに要する時間であり、付随作業ごとに経験的に予め求められている。
【0068】
作業計画管理システム3の制御部34は、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)等から構成されている。制御部34は、CPUがROMに記憶された制御プログラムを実行することによりデータ通信部31、操作部32及び表示部33を制御するとともに、段取り作業の計画の管理に関する各種作業計画情報を生成する。制御部34は、
図7に示すように、通信制御部341と、操作制御部342と、表示制御部343と、取得部344と、部品補給管理部345と、付随作業管理部346と、を含む。
【0069】
通信制御部341は、データ通信部31による実装機動作管理装置4、生産計画管理装置5、及び段取り管理装置6とのデータ通信を制御する。操作制御部342は、操作部32を制御する。表示制御部343は、表示部33による情報の表示動作を制御する。
【0070】
<作業計画管理システムにおける段取り作業の計画管理に関する制御動作>
図7に加えて
図11を参照して、制御部34における取得部344、部品補給管理部345及び付随作業管理部346を説明する。
図11は、作業計画管理システム3の制御動作を説明するための図である。
図11は、第1生産期間TW01において第1の基板品種の部品搭載基板が生産され、その後、基板品種が切換えられて、第2生産期間TW02において第2の基板品種の部品搭載基板が生産される例を示している。また、
図11では、第1生産期間TW01において、実装機2の部品供給部24に並設された複数の部品供給装置のうち、3台のAF241A、241B、241C、2台のトレイフィーダー245A、245B、及び1台のスティックフィーダー246Aから部品を供給し、部品搭載基板を生産する例が示されている。更に、
図11では、第2生産期間TW02において部品搭載基板を生産するために、第1付随作業、第2付随作業、第3付随作業、第4付随作業及び第5付随作業の、5種の付随作業を、第1生産期間TW01の間に行う例が示されている。なお、第1〜第5付随作業は、例えば前述の、メガリールの作製作業、バックアップピンの準備作業、吸着ノズルの洗浄作業、トレイのベーキング作業、及び半田ペーストの撹拌作業である。
【0071】
(取得部について)
取得部344は、AF241A、241B、241C、トレイフィーダー245A、245B、及びスティックフィーダー246Aの各々に対する部品補給作業、並びに、第1〜第5付随作業を含む段取り作業の計画の、管理の開始時刻を表す管理開始時刻TSを取得する。取得部344は、第1生産期間TW01での部品搭載基板の生産を開始する時刻を管理開始時刻TSとして取得してもよいし、管理開始を指令する指令情報が操作部32を介して入力された場合に、その指令情報が入力された時刻を管理開始時刻TSとして取得してもよい。
【0072】
(部品補給管理部について)
部品補給管理部345は、AF241A、241B、241C、トレイフィーダー245A、245B、及びスティックフィーダー246Aの各々に対する部品補給作業の計画を管理する。部品補給作業としては、AF241A、241B、241Cの各々に対して新たなリールを補給する部品補給作業、トレイフィーダー245A、245Bの各々に対して新たなパレットを補給する部品補給作業、並びにスティックフィーダー246Aに対して新たなスティックを補給する部品補給作業が含まれる。なお、以下では、AF241A、241B、241C、トレイフィーダー245A、245B、及びスティックフィーダー246Aを総称するときには、「部品供給装置241、245、246」と称し、リール、パレット及びスティックを総称するときには、「部品収納部材」と称する。
【0073】
部品補給管理部345は、部品供給監視部3451と、補給対象特定部3452と、補給タイミング特定部3453とを含む。部品供給監視部3451は、部品供給装置241、245、246の各々における部品Eの供給状況を監視する。部品供給監視部3451は、部品補給作業が可能な時間帯を表す補給可能時間帯を、部品供給装置241、245、246ごとに特定する。
図11に示す例では、AF241Aに対しては補給可能時間帯TWSAが特定され、AF241Bに対しては補給可能時間帯TWSBが特定され、AF241Cに対しては補給可能時間帯TWSCが特定されている。また、トレイフィーダー245Aに対しては補給可能時間帯TWSDが特定され、トレイフィーダー245Bに対しては補給可能時間帯TWSEが特定されている。更に、スティックフィーダー246Aに対しては補給可能時間帯TWSFが特定されている。
【0074】
補給可能時間帯TWSA〜TWSFの各々における最も早い時刻(以下、「最早時刻」という)は、部品供給装置241、245、246に装着された複数の部品収納部材のうちの、部品供給が先行して行われる先行の部品収納部材が部品切れとなる時刻である。先行の部品収納部材が部品切れとなると、新たな部品収納部材の補給が可能となる。また、補給可能時間帯TWSA〜TWSFの各々における最も遅い時刻(以下、「最遅時刻」という)は、部品供給装置241、245、246に装着された複数の部品収納部材の合計部品残数が所定の部品残数警告値に達する時刻である。
【0075】
部品供給監視部3451は、データ通信部31から制御部34に与えられた情報であって、実装機動作管理装置4(又は段取り管理装置6)からの部品残数情報J22、生産計画管理装置5からの生産計画情報JH1、及び、段取り管理装置6からの部品補給作業関連情報JH2に基づいて、部品供給装置241、245、246ごとに補給可能時間帯TWSA〜TWSFを特定する。
【0076】
具体的には、部品供給監視部3451は、まず、部品残数情報J22にて表される合計部品残数から、後続の部品収納部材における部品残数を減算し、先行の部品収納部材における部品残数を求める。更に、部品供給監視部3451は、部品必要数情報J153にて表される、1枚の部品搭載基板の生産に必要な部品識別情報J151で識別される部品ごとの必要数を、サイクルタイム情報J154にて表される、基板品種情報J12で特定される基板ごとの、1枚の部品搭載基板の生産時における部品の部品搭載時間で除算し、1秒当たりの使用部品数を求める。そして、部品供給監視部3451は、先行の部品収納部材における前記部品残数を、1秒当たりの前記使用部品数で除算することにより、補給可能時間帯TWSA〜TWSFの各々における最早時刻を求める。一方、部品供給監視部3451は、部品残数情報J22にて表される合計部品残数から、部品残数警告値情報J23にて表される部品残数警告値を減算した部品数を、1秒当たりの前記使用部品数で除算することにより、補給可能時間帯TWSA〜TWSFの各々における最遅時刻を求める。
【0077】
ところで、部品残数情報J22にて表される合計部品残数は、ヘッドユニット25にて部品が取り出されるごとに減算される。詳細については後述するが、先行の部品収納部材が部品切れとなり、部品供給装置241、245、246に対して新たな部品収納部材が補給されたときには、その新たな部品収納部材に収納される部品の数(初期設定数)を、ヘッドユニット25にて部品が取り出されるごとに変化する合計部品残数に加算することにより、合計部品残数が更新される。新たな部品収納部材に収納される部品の数(初期設定数)は、制御部34のROM等に、部品識別情報J151で識別される部品ごとに記憶されている。なお、使用途中の部品収納部材が新たな部品収納部材として補給された場合には、その部品収納部材に収納されている実際の部品数にて、制御部34のROM等に記憶されている前記初期設定数が書き換えられる。
【0078】
次に、補給対象特定部3452は、部品供給装置241、245、246において、部品補給作業の対象となる部品補給対象装置を特定する。具体的には、補給対象特定部3452は、まず、補給可能時間帯TWSA〜TWSFの各々で重複する重複補給時間帯を認識する。
図11に示す例では、補給対象特定部3452は、時系列の早い方から順に、第1重複補給時間帯TWD1、第2重複補給時間帯TWD2、及び第3重複補給時間帯TWD3の、複数の重複補給時間帯を認識している。第1重複補給時間帯TWD1は、AF241Aの補給可能時間帯TWSAと、AF241Bの補給可能時間帯TWSBとで重複する時間帯である。第1重複補給時間帯TWD1の最も早い時刻(最早時刻)は、AF241Bの補給可能時間帯TWSBにおける最早時刻T1に一致し、第1重複補給時間帯TWD1の最も遅い時刻(最遅時刻)は、AF241Aの補給可能時間帯TWSAにおける最遅時刻T2に一致している。
【0079】
第2重複補給時間帯TWD2は、AF241Cの補給可能時間帯TWSCと、トレイフィーダー245Aの補給可能時間帯TWSDとで重複する時間帯である。第2重複補給時間帯TWD2の最も早い時刻(最早時刻)は、AF241Cの補給可能時間帯TWSCにおける最早時刻T3に一致し、第2重複補給時間帯TWD2の最も遅い時刻(最遅時刻)は、トレイフィーダー245Aの補給可能時間帯TWSDにおける最遅時刻T4に一致している。第3重複補給時間帯TWD3は、トレイフィーダー245Bの補給可能時間帯TWSEと、スティックフィーダー246Aの補給可能時間帯TWSFとで重複する時間帯である。第3重複補給時間帯TWD3の最も早い時刻(最早時刻)は、スティックフィーダー246Aの補給可能時間帯TWSFにおける最早時刻T5に一致し、第3重複補給時間帯TWD3の最も遅い時刻(最遅時刻)は、トレイフィーダー245Bの補給可能時間帯TWSEにおける最遅時刻T6に一致している。
【0080】
そして、補給対象特定部3452は、各重複補給時間帯TWD1、TWD2、TWD3内で部品補給作業が可能な全ての部品供給装置を、部品補給対象装置として特定する。補給対象特定部3452は、第1〜第3重複補給時間帯TWD1、TWD2、TWD3ごとに、部品補給対象装置を特定する。
図11に示す例では、補給対象特定部3452は、第1重複補給時間帯TWD1内で部品補給作業が可能な部品補給対象装置として、AF241A、241Bを特定する。また、補給対象特定部3452は、第2重複補給時間帯TWD2内で部品補給作業が可能な部品補給対象装置として、AF241C、トレイフィーダー245Aを特定する。また、補給対象特定部3452は、第3重複補給時間帯TWD3内で部品補給作業が可能な部品補給対象装置として、トレイフィーダー245B、スティックフィーダー246Aを特定する。
【0081】
このように、補給対象特定部3452は、各重複補給時間帯TWD1、TWD2、TWD3内で部品補給作業が可能な全ての部品供給装置を、部品補給対象装置として特定する。これにより、各重複補給時間帯TWD1、TWD2、TWD3内で部品収納部材を補給可能な部品供給装置241、245、246に対しては、作業者による部品補給作業をまとめて行う、「まとめ補給」が可能となる。このため、部品供給装置241、245、246が付設された実装機2のもとに作業者が行く頻度を低減することができ、作業者による部品補給作業の負荷を軽減することができる。
【0082】
次に、補給タイミング特定部3453は、補給対象特定部3452により部品補給対象装置として特定された部品供給装置241、245、246に対して同一の、部品補給作業の補給作業タイミングを、第1〜第3重複補給時間帯TWD1、TWD2、TWD3ごとに特定する。
図11に示す例では、補給タイミング特定部3453は、AF241A、241Bに対して同一の、第1重複補給時間帯TWD1内での部品補給作業のタイミングとして、第1補給作業タイミングTH1を特定する。また、補給タイミング特定部3453は、AF241C、トレイフィーダー245Aに対して同一の、第2重複補給時間帯TWD2内での部品補給作業のタイミングとして、第2補給作業タイミングTH2を特定する。また、補給タイミング特定部3453は、トレイフィーダー245B、スティックフィーダー246Aに対して同一の、第3重複補給時間帯TWD3内での部品補給作業のタイミングとして、第3補給作業タイミングTH3を特定する。補給タイミング特定部3453による各補給作業タイミングTH1、TH2、TH3の特定動作の詳細については、後述する。
【0083】
(付随作業管理部について)
付随作業管理部346は、第1〜第5付随作業の各々の計画を管理する。この付随作業管理部346は、作業時間特定部3461と、作業開始対象特定部3462と、付随作業タイミング特定部3463とを含む。
【0084】
作業時間特定部3461は、付随作業関連情報JH3の作業時間情報J323にて表される、作業開始から作業終了までの作業時間に基づいて、第1〜第5付随作業ごとに作業開始推奨時間帯を特定する。第1〜第5付随作業において、作業開始推奨時間帯は、作業開始を推奨する時間帯である。
図11に示す例では、第1付随作業に対しては作業開始推奨時間帯TWC1が特定され、第2付随作業に対しては作業開始推奨時間帯TWC2が特定され、第3付随作業に対しては作業開始推奨時間帯TWC3が特定され、第4付随作業に対しては作業開始推奨時間帯TWC4が特定され、第5付随作業に対しては作業開始推奨時間帯TWC5が特定されている。第1〜第5付随作業の各々における作業開始推奨時間帯TWC1〜TWC5の時間間隔は、一定の所定時間(例えば30分間)に設定される。つまり、作業開始推奨時間帯TWC1〜TWC5の最も早い時刻(最早時刻)から所定時間経過後の時刻が、作業開始推奨時間帯TWC1〜TWC5の最も遅い時刻(最遅時刻)となる。
【0085】
また、作業時間特定部3461は、作業開始推奨時間帯TWC1〜TWC5の最遅時刻から各付随作業を開始したときに、作業が終了すると想定される作業終了想定時刻TCEAを、第1〜第5付随作業ごとに特定する。第1〜第5付随作業の各々における作業終了想定時刻TCEAは、各作業開始推奨時間帯TWC1〜TWC5の最遅時刻から作業時間(作業時間情報J323にて表される時間)が経過した時刻である。
図11に示す例では、第1付随作業に対しては、作業開始推奨時間帯TWC1の最遅時刻から作業時間WT1が経過した時刻が作業終了想定時刻TCEAとして特定されている。また、第2付随作業に対しては、作業開始推奨時間帯TWC2の最遅時刻から作業時間WT2が経過した時刻が作業終了想定時刻TCEAとして特定されている。また、第3付随作業に対しては、作業開始推奨時間帯TWC3の最遅時刻から作業時間WT3が経過した時刻が作業終了想定時刻TCEAとして特定されている。また、第4付随作業に対しては、作業開始推奨時間帯TWC4の最遅時刻から作業時間WT4が経過した時刻が作業終了想定時刻TCEAとして特定されている。また、第5付随作業に対しては、作業開始推奨時間帯TWC5の最遅時刻から作業時間WT5が経過した時刻が作業終了想定時刻TCEAとして特定されている。
【0086】
第1〜第5付随作業の作業終了想定時刻TCEAは、部品搭載基板の生産における基板品種の切換えタイミングTPと一致するように設定される。換言すると、第1〜第5付随作業の各々における作業開始推奨時間帯TWC1〜TWC5の最遅時刻は、作業終了想定時刻TCEAが基板品種の切換えタイミングTPと一致するように設定される。基板品種の切換えタイミングTPは、第1生産期間TW01と第2生産期間TW02とを区画するタイミングである。なお、
図11に示す例では、第1〜第5付随作業の各々の作業終了想定時刻TCEAが基板品種の切換えタイミングTPと一致しているが、作業終了想定時刻が切換えタイミングTPと一致しない付随作業も存在し得る。例えば、同種の付随作業であっても生産ラインが異なれば、作業終了想定時刻が切換えタイミングTPと一致しない付随作業となる可能性がある。また、基板品種の切換えとは関連性の低い付随作業も存在する。
【0087】
作業開始対象特定部3462は、第1〜第5付随作業において、作業開始推奨時間帯TWC1〜TWC5に、各重複補給時間帯TWD1〜TWD3の最早時刻が含まれる全ての付随作業を、各重複補給時間帯TWD1〜TWD3内で作業を開始させる対象となる開始対象作業として特定する。作業開始対象特定部3462は、各重複補給時間帯TWD1〜TWD3のいずれかの時間帯に対応付けて、開始対象作業を特定する。
図11に示す例では、作業開始対象特定部3462は、第1重複補給時間帯TWD1の最早時刻が含まれる作業開始推奨時間帯TWC3、TWC4、TWC5が設定された第3〜第5付随作業を、第1重複補給時間帯TWD1内で作業を開始させる開始対象作業として特定する。また、作業開始対象特定部3462は、第2重複補給時間帯TWD2の最早時刻が含まれる作業開始推奨時間帯TWC1、TWC2が設定された第1及び第2付随作業を、第2重複補給時間帯TWD2内で作業を開始させる開始対象作業として特定する。なお、第3重複補給時間帯TWD3の最早時刻が含まれる作業開始推奨時間帯が設定された付随作業は、存在しない。この場合、作業開始対象特定部3462は、第3重複補給時間帯TWD3内で作業を開始させる開始対象作業を特定しない。
【0088】
このように、作業開始対象特定部3462は、第1〜第5付随作業ごとに特定された作業開始推奨時間帯TWC1〜TWC5に各重複補給時間帯TWD1〜TWD3の最早時刻が含まれる全ての付随作業を、開始対象作業として特定する。この開始対象作業は、各重複補給時間帯TWD1〜TWD3内で作業を開始させる対象となる付随作業である。つまり、開始対象作業として特定された付随作業は、部品補給作業の「まとめ補給」と同じ時間帯の各重複補給時間帯TWD1〜TWD3内において、作業の開始が可能となる。このため、作業者による、部品補給作業に加えて付随作業を含んだ段取り作業の負荷を軽減することができる。
【0089】
次に、付随作業タイミング特定部3463は、作業開始対象特定部3462により開始対象作業として特定された付随作業に対して同一の作業開始タイミングを、第1〜第3重複補給時間帯TWD1〜TWD3ごとに特定する。付随作業タイミング特定部3463は、補給タイミング特定部3453により第1〜第3重複補給時間帯TWD1〜TWD3ごとに特定された補給作業タイミングを、作業開始タイミングとして特定する。
図11に示す例では、第1重複補給時間帯TWD1内での開始対象作業として特定された第3〜第5付随作業に対しては、第1補給作業タイミングTH1と同一のタイミングが、第1作業開始タイミングTS1として特定されている。また、第2重複補給時間帯TWD2内での開始対象作業として特定された第1及び第2付随作業に対しては、第2補給作業タイミングTH2と同一のタイミングが、第2作業開始タイミングTS2として特定されている。これにより、作業者は、第1重複補給時間帯TWD1において、AF241A、241Bに対する部品補給作業と、第3〜第5付随作業とを同一のタイミングで、まとめて行うことができる。また、作業者は、第2重複補給時間帯TWD2において、AF241C、トレイフィーダー245Aに対する部品補給作業と、第1及び第2付随作業とを同一のタイミングで、まとめて行うことができる。
【0090】
また、前述の作業時間特定部3461は、第1〜第5付随作業の各々に対応付けて、作業開始推奨時間帯TWC1〜TWC5及び作業終了想定時刻TCEAの特定に加えて、作業終了時刻を特定する。作業終了時刻は、補給作業タイミングTH1、TH2と同一の作業開始タイミングTS1、TS2で付随作業を開始したときに作業が終了する時刻である。つまり、作業終了時刻は、作業開始タイミングTS1、TS2から作業時間(作業時間情報J323にて表される時間)が経過した時刻である。
図11に示す例では、第1付随作業に対しては、第2補給作業タイミングTH2と同一の第2作業開始タイミングTS2から作業時間WT1が経過した時刻が、作業終了時刻TCE1として特定されている。また、第2付随作業に対しては、第2補給作業タイミングTH2と同一の第2作業開始タイミングTS2から作業時間WT2が経過した時刻が、作業終了時刻TCE2として特定されている。また、第3付随作業に対しては、第1補給作業タイミングTH1と同一の第1作業開始タイミングTS1から作業時間WT3が経過した時刻が、作業終了時刻TCE3として特定されている。また、第4付随作業に対しては、第1補給作業タイミングTH1と同一の第1作業開始タイミングTS1から作業時間WT4が経過した時刻が、作業終了時刻TCE4として特定されている。また、第5付随作業に対しては、第1補給作業タイミングTH1と同一の第1作業開始タイミングTS1から作業時間WT5が経過した時刻が、作業終了時刻TCE5として特定されている。
【0091】
なお、前述したように、第1〜第5付随作業の各々における作業開始推奨時間帯TWC1〜TWC5の最遅時刻は、作業終了想定時刻TCEAが基板品種の切換えタイミングTPと一致するように設定されている。これにより、作業者は、基板品種の切換えタイミングTPか、又はその切換えタイミングTPよりも以前に、第1〜第5付随作業の作業を終了させることができる。
【0092】
<部品補給タイミング及び作業開始タイミングの詳細設定について>
前述したように、部品供給装置241、245、246に対する部品補給作業の補給作業タイミングTH1、TH2、TH3は、補給タイミング特定部3453により特定される。また、第1〜第5付随作業の作業開始タイミングTS1、TS2は、付随作業タイミング特定部3463により特定される。なお、
図11に示す例では、第1及び第2付随作業の第1作業開始タイミングTS1は、第2重複補給時間帯TWD2内において、AF241C、トレイフィーダー245Aに対する第2補給作業タイミングTH2と同一のタイミングとされている。また、第3〜第5付随作業の第2作業開始タイミングTS2は、第1重複補給時間帯TWD1内において、AF241A、241Bに対する第1補給作業タイミングTH1と同一のタイミングとされている。
【0093】
補給タイミング特定部3453は、第1〜第3重複補給時間帯TWD1〜TWD3において、作業開始推奨時間帯TWC1〜TWC5の最遅時刻が含まれる第1注目重複時間帯が存在する場合、当該第1注目重複時間帯内における前記最遅時刻よりも早い所定の時刻を、補給作業タイミングとして特定する。
図11に示す例では、第1重複補給時間帯TWD1の最遅時刻T2は、第5付随作業の作業開始推奨時間帯TWC5の最遅時刻よりも遅い時刻となっている。つまり、第1重複補給時間帯TWD1は、第5付随作業の作業開始推奨時間帯TWC5の最遅時刻が含まれる第1注目重複時間帯となる。なお、第3付随作業の作業開始推奨時間帯TWC3の最遅時刻と、第4付随作業の作業開始推奨時間帯TWC4の最遅時刻とは、第1重複補給時間帯TWD1の最遅時刻T2よりも遅い時刻であり、第1重複補給時間帯TWD1には含まれていない。
【0094】
補給タイミング特定部3453は、第1注目重複時間帯である第1重複補給時間帯TWD1内での部品補給対象装置となるAF241A、241Bに対する第1補給作業タイミングTH1として、第5付随作業の作業開始推奨時間帯TWC5の最遅時刻よりも早い時刻を特定する。そして、付随作業タイミング特定部3463は、第1重複補給時間帯TWD1内での開始対象作業となる第3〜第5付随作業に対する第1作業開始タイミングTS1として、第1補給作業タイミングTH1と同一のタイミングを特定する。これにより、作業者は、第1注目重複時間帯としての第1重複補給時間帯TWD1において、LF241A、241Bに対する部品補給作業と、第3〜第5付随作業とを、第1補給作業タイミングTH1としての同一のタイミングで行うことができる。
【0095】
また、補給タイミング特定部3453は、第1重複補給時間帯TWD1内での第1補給作業タイミングTH1として、第1重複補給時間帯TWD1の最早時刻T1を特定することが望ましい。第1重複補給時間帯TWD1の最早時刻T1は、当該第1重複補給時間帯TWD1内で最も早い時刻である。このような、第1重複補給時間帯TWD1内で最も早い時刻となる最早時刻T1を、第1補給作業タイミングTH1とすることによって、作業者は、時間的な余裕がある状態で、AF241A、241Bに対する部品補給作業と、第3〜第5付随作業とを同一のタイミングで、まとめて行うことができる。
【0096】
同様に、補給タイミング特定部3453は、第2重複補給時間帯TWD2内での第2補給タイミングTH2として、第2重複補給時間帯TWD2の最早時刻T3を特定することが望ましい。第2重複補給時間帯TWD2の最早時刻T3は、当該第2重複補給時間帯TWD2内で最も早い時刻である。このような、第2重複補給時間帯TWD2内で最も早い時刻となる最早時刻T3を、第2補給作業タイミングTH2とすることによって、作業者は、時間的な余裕がある状態で、AF241C、トレイフィーダー245Aに対する部品補給作業と、第1及び第2付随作業とを同一のタイミングで、まとめて行うことができる。
【0097】
更に、補給タイミング特定部3453は、第1〜第3重複補給時間帯TWD1〜TWD3において、第1〜第5付随作業の各々の作業開始推奨時間帯TWC1〜TWC5の最遅時刻よりも遅く、且つ作業終了時刻TCE1〜TCE5のいずれかの時刻が含まれる第2注目重複時間帯が存在する場合、当該第2注目重複時間帯内における作業終了時刻を、補給作業タイミングとして特定する。
図11に示す例では、第3重複補給時間帯TWD3は、第1〜第5付随作業の各々の作業開始推奨時間帯TWC1〜TWC5の最遅時刻よりも遅い時間帯である。更に、第3重複補給時間帯TWD3には、第5付随作業の作業終了時刻TCE5が含まれている。つまり、第3重複補給時間帯TWD3は、第2注目重複時間帯となる。
【0098】
補給タイミング特定部3453は、第2注目重複時間帯である第3重複補給時間帯TWD3内での部品補給対象装置となるトレイフィーダー245B、スティックフィーダー246Aに対する第3補給作業タイミングTH3として、第5付随作業の作業終了時刻TCE5を特定する。第5付随作業の作業終了時刻TCE5では、作業者は、第5付随作業における作業終了の成果物を、実装機2での部品搭載基板の生産に反映させるために、実装機2のもとに行く可能性がある。このような、作業終了時刻TCE5が含まれる第2注目重複時間帯としての第3重複補給時間帯TWD3においては、第3補給作業タイミングTH3が作業終了時刻TCE5に設定される。これにより、作業者は、第5付随作業の作業終了に応じて実装機2のもとに行くタイミングで、トレイフィーダー245B、スティックフィーダー246Aに対する部品補給作業を行うことができる。
【0099】
また、補給タイミング特定部3453は、第1〜第3重複補給時間帯TWD1〜TWD3において、第1〜第5付随作業の各々の作業開始推奨時間帯TWC1〜TWC5の最遅時刻よりも遅く、且つ作業終了想定時刻TCEAが含まれる第3注目重複時間帯が存在する場合、当該第3注目重複時間帯内における作業終了想定時刻TCEAを、補給作業タイミングとして特定する。
図11に示す例では、第3重複補給時間帯TWD3は、第1〜第5付随作業の各々の作業開始推奨時間帯TWC1〜TWC5の最遅時刻よりも遅い時間帯である。更に、第3重複補給時間帯TWD3には、第1〜第5付随作業の作業終了想定時刻TCEAが含まれている。つまり、第3重複補給時間帯TWD3は、第3注目重複時間帯となる。
【0100】
補給タイミング特定部3453は、第3注目重複時間帯である第3重複補給時間帯TWD3内での部品補給対象装置となるトレイフィーダー245B、スティックフィーダー246Aに対する第3補給作業タイミングTH3として、第1〜第5付随作業の作業終了想定時刻TCEAを特定するように構成されていてもよい。付随作業の作業終了想定時刻TCEAでは、作業者は、付随作業に関連する作業をするために、実装機2のもとに行く可能性がある。例えば、第1〜第5付随作業の作業終了想定時刻TCEAが基板品種の切換えタイミングTPと一致している場合には、作業者は、基板品種の切換えのための作業をするために、実装機2のもとに行く可能性がある。このような、作業終了想定時刻TCEAが含まれる第3注目重複時間帯としての第3重複補給時間帯TWD3においては、第3補給作業タイミングTH3が作業終了想定時刻TCEAに設定される。これにより、作業者は、基板品種の切換え等に応じて実装機2のもとに行くタイミングで、トレイフィーダー245B、スティックフィーダー246Aに対する部品補給作業を行うことができる。
【0101】
上記の部品補給管理部345及び付随作業管理部346は、段取り作業の計画に関する各種特定結果を表す作業計画情報を生成する。部品補給管理部345及び付随作業管理部346により生成される作業計画情報には、補給対象特定部3452による部品補給作業の対象となる部品供給装置241、245、246の特定結果と、作業開始対象特定部3462による作業開始対象となる付随作業の特定結果とが、主として含まれている。なお、作業計画情報には、補給タイミング特定部3453により特定される補給作業タイミングTH1、TH2、TH3に関する情報と、付随作業タイミング特定部3463により特定される作業開始タイミングTS1、TS2に関する情報とが、付加されていてもよい。
図12は、部品補給管理部345及び付随作業管理部346により生成される作業計画情報JH4を説明するための図である。
【0102】
作業計画情報JH4は、補給作業計画情報J41と付随作業計画情報J42とが含まれた情報である。補給作業計画情報J41は、補給作業タイミング情報J411、前記部品供給装置情報J21、前記部品識別情報J151、及び前記部品種特定情報J152が関連付けられた情報である。補給作業タイミング情報J411は、補給タイミング特定部3453による補給作業タイミングTH1、TH2、TH3の特定結果を表す情報である。付随作業計画情報J42は、付随作業タイミング情報J421、及び前記付随作業情報J32が関連付けられた情報である。付随作業タイミング情報J421は、付随作業タイミング特定部3463による作業開始タイミングTS1、TS2の特定結果を表す情報である。
【0103】
作業計画情報JH4は、表示制御部343によって制御された表示部33に表示される。また、作業計画情報JH4は、データ通信部31に与えられ、通信制御部341によって制御されてデータ通信部31から実装機動作管理装置4に送信される。実装機動作管理装置4に入力された作業計画情報JH4に基づいて、生産ラインの作業者は、部品供給装置241、245、246に対する部品補給作業と、第3〜第5付随作業とを同一のタイミングで、まとめて行うことができる。
【0104】
以上、本発明の実施形態に係る作業計画管理システム及び部品実装システムについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を採ることができる。
【0105】
図13は、作業計画管理システム3の制御動作の変形例を説明するための図である。
図13に示す作業計画管理システム3の制御動作は、補給対象特定部3452が部品補給作業の対象となる部品供給装置241、245、246を特定するときの特定動作が、前述の特定動作(
図11参照)とは異なる。
【0106】
図13に示す例では、補給対象特定部3452は、第1生産期間TW01を、所定の特定時間を時間間隔とする複数の特定期間TW11、TW12、TW13に区画する。各特定期間TW11、TW12、TW13の時間間隔を規定する前記特定時間は、操作部32を介して作業者により入力され、例えば30分間などの任意の時間に設定される。以下では、時系列の順序で早い方から順に、第1特定期間TW11、第2特定期間TW12、第3特定期間TW13と称する。第1〜第3特定期間TW11、TW12、TW13の各々における時間間隔は、一定に設定される。
【0107】
そして、補給対象特定部3452は、部品供給装置241、245、246の各々に対応した補給可能時間帯TWSA〜TWSFで重複する第1〜第3重複補給時間帯TWD1〜TWD3を認識する。更に、補給対象特定部3452は、第1〜第3特定期間TW11、TW12、TW13の各々において、第1〜第3重複補給時間帯TWD1〜TWD3のいずれかの時間帯の最早時刻が含まれるか否かを判断する。
図13に示す例では、第1特定期間TW11に第1重複補給時間帯TWD1の最早時刻が含まれ、第2特定期間TW12に第2重複補給時間帯TWD2の最早時刻が含まれ、第3特定期間TW13に第3重複補給時間帯TWD3の最早時刻が含まれている。
【0108】
この場合、補給対象特定部3452は、第1重複補給時間帯TWD1内において、当該第1重複補給時間帯TWD1の最早時刻と、第1特定期間TW11の最も遅い時刻(最遅時刻)との間の時間帯で部品補給作業が可能な部品補給対象装置として、AF241A、241Bを特定する。また、補給対象特定部3452は、第2重複補給時間帯TWD2内において、当該第2重複補給時間帯TWD2の最早時刻と、第2特定期間TW12の最も遅い時刻(最遅時刻)との間の時間帯で部品補給作業が可能な部品補給対象装置として、AF241C、トレイフィーダー245Aを特定する。また、補給対象特定部3452は、第3重複補給時間帯TWD3内において、当該第3重複補給時間帯TWD3の最早時刻と、第3特定期間TW13の最も遅い時刻(最遅時刻)との間の時間帯で部品補給作業が可能な部品補給対象装置として、トレイフィーダー245B、スティックフィーダー246Aを特定する。
【0109】
補給タイミング特定部3453は、第1重複補給時間帯TWD1内において、当該第1重複補給時間帯TWD1の最早時刻と、第1特定期間TW11の最遅時刻との間の時間帯内で、AF241A、241Bに対して同一の第1補給作業タイミングTH1を特定する。また、補給タイミング特定部3453は、第2重複補給時間帯TWD2内において、当該第2重複補給時間帯TWD2の最早時刻と、第2特定期間TW12の最遅時刻との間の時間帯内で、AF241C、トレイフィーダー245Aに対して同一の第2補給作業タイミングTH2を特定する。また、補給タイミング特定部3453は、第3重複補給時間帯TWD3内において、当該第3重複補給時間帯TWD3の最早時刻と、第3特定期間TW13の最遅時刻との間の時間帯内で、トレイフィーダー245B、スティックフィーダー246Aに対して同一の第3補給作業タイミングTH3を特定する。
【0110】
次に、作業開始対象特定部3462は、前述したように、第1重複補給時間帯TWD1の最早時刻が含まれる作業開始推奨時間帯TWC3、TWC4、TWC5が設定された第3〜第5付随作業を、第1重複補給時間帯TWD1内で作業を開始させる開始対象作業として特定する。また、作業開始対象特定部3462は、第2重複補給時間帯TWD2の最早時刻が含まれる作業開始推奨時間帯TWC1、TWC2が設定された第1及び第2付随作業を、第2重複補給時間帯TWD2内で作業を開始させる開始対象作業として特定する。なお、第3重複補給時間帯TWD3の最早時刻が含まれる作業開始推奨時間帯が設定された付随作業は、存在しない。この場合、作業開始対象特定部3462は、第3重複補給時間帯TWD3内で作業を開始させる開始対象作業を特定しない。
【0111】
作業開始対象特定部3462により開始対象作業として特定された付随作業は、部品補給作業の「まとめ補給」と同じ時間帯内において、作業の開始が可能となる。このため、作業者による、部品補給作業に加えて付随作業を含んだ段取り作業の負荷を軽減することができる。
【0112】
付随作業タイミング特定部3463は、第1重複補給時間帯TWD1内での開始対象作業として特定された第3〜第5付随作業に対し、第1補給作業タイミングTH1と同一のタイミングを第1作業開始タイミングTS1として特定する。また、付随作業タイミング特定部3463は、第2重複補給時間帯TWD2内での開始対象作業として特定された第3〜第5付随作業に対し、第2補給作業タイミングTH2と同一のタイミングを第2作業開始タイミングTS2として特定する。これにより、作業者は、第1重複補給時間帯TWD1において、AF241A、241Bに対する部品補給作業と、第3〜第5付随作業とを同一のタイミングで、まとめて行うことができる。また、作業者は、第2重複補給時間帯TWD2において、AF241C、トレイフィーダー245Aに対する部品補給作業と、第1及び第2付随作業とを同一のタイミングで、まとめて行うことができる。
【0113】
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
【0114】
本発明の一の局面に係る作業計画管理システムは、部品収納部材を複数装着可能な複数の部品供給装置が付設され、当該部品供給装置から供給された部品を基板に搭載し部品搭載基板を生産する実装機に対する、前記部品搭載基板を生産するための段取り作業の計画を管理するシステムである。この作業計画管理システムは、前記複数の部品供給装置の各々に対して新たな部品収納部材を補給する段取り作業である部品補給作業の計画を管理する部品補給管理部と、前記部品補給作業以外の段取り作業である、前記部品搭載基板の生産時の複数の付随作業の計画を管理する付随作業管理部と、を備える。前記部品補給管理部は、前記複数の部品供給装置の各々における部品の供給状況を監視し、前記部品補給作業が可能な時間帯を表す補給可能時間帯を、前記複数の部品供給装置ごとに特定する部品供給監視部と、前記各補給可能時間帯で重複する重複補給時間帯を認識し、当該重複補給時間帯内で前記部品補給作業が可能な部品供給装置を、前記部品補給作業の対象となる部品補給対象装置として特定する補給対象特定部と、を含む。前記付随作業管理部は、前記複数の付随作業において、作業開始から作業終了までの作業時間に基づいて、前記作業開始を推奨する時間帯を表す作業開始推奨時間帯を、前記複数の付随作業ごとに特定する作業時間特定部と、前記複数の付随作業において、前記作業開始推奨時間帯に前記重複補給時間帯の最も早い時刻が含まれる付随作業を、前記重複補給時間帯内で作業を開始させる対象となる開始対象作業として特定する作業開始対象特定部と、を含む。
【0115】
この作業計画管理システムによれば、実装機による部品搭載基板の生産の際に行われる段取り作業において、部品供給装置に対する部品補給作業の計画が部品補給管理部によって管理され、付随作業の計画が付随作業管理部によって管理される。部品補給管理部の補給対象特定部は、複数の部品供給装置ごとに特定された補給可能時間帯で重複する重複補給時間帯を認識し、当該重複補給時間帯内で部品補給作業が可能な部品供給装置を、部品補給対象装置として特定する。これにより、重複補給時間帯内で部品収納部材を補給可能な部品供給装置に対しては、作業者による部品補給作業をまとめて行う、「まとめ補給」が可能となる。このため、部品供給装置が付設された実装機のもとに作業者が行く頻度を低減することができ、作業者による部品補給作業の負荷を軽減することができる。
【0116】
また、付随作業管理部の作業開始対象特定部は、複数の付随作業ごとに特定された作業開始推奨時間帯に重複補給時間帯の最も早い時刻が含まれる付随作業を、開始対象作業として特定する。この開始対象作業は、重複補給時間帯内で作業を開始させる対象となる付随作業である。つまり、開始対象作業として特定された付随作業は、部品補給作業の「まとめ補給」と同じ時間帯の重複補給時間帯内において、作業の開始が可能となる。このため、作業者による、部品補給作業に加えて付随作業を含んだ段取り作業の負荷を軽減することができる。
【0117】
上記の作業計画管理システムにおいて、前記補給対象特定部は、前記重複補給時間帯が複数存在した場合、それらの重複補給時間帯ごとに前記部品補給対象装置を特定し、前記作業開始対象特定部は、前記複数の重複補給時間帯のいずれかの時間帯に対応付けて、前記開始対象作業を特定する構成であってもよい。
【0118】
この態様では、作業者は、複数の重複補給時間帯ごとに、各部品補給対象装置に対する部品補給作業と、各開始対象作業の付随作業とを、まとめて行うことができる。
【0119】
上記の作業計画管理システムにおいて、前記部品補給管理部は、前記重複補給時間帯において、前記部品補給対象装置に対して同一の前記部品補給作業の補給作業タイミングを特定する補給タイミング特定部を、更に含み、前記付随作業管理部は、前記補給作業タイミングを、前記開始対象作業の作業開始タイミングとして特定する付随作業タイミング特定部を、更に含む構成であってもよい。
【0120】
この態様では、補給対象特定部により特定された部品補給対象装置に対する部品補給作業の補給作業タイミングが、重複補給時間帯において、同一のタイミングとされる。更に、作業開始対象特定部により特定された開始対象作業の作業開始タイミングが、補給作業タイミングと同一のタイミングとされる。これにより、作業者は、重複補給時間帯において、各部品補給対象装置に対する部品補給作業と、各開始対象作業の付随作業とを、同一のタイミングで行うことができる。
【0121】
上記の作業計画管理システムにおいて、前記補給タイミング特定部は、前記重複補給時間帯が、前記作業開始推奨時間帯の最も遅い時刻が含まれる第1注目重複時間帯である場合、当該第1注目重複時間帯内における前記最も遅い時刻よりも早い所定の時刻を、前記補給作業タイミングとして特定する構成であってもよい。
【0122】
付随作業の作業開始タイミングは、重複補給時間帯内において補給作業タイミングと同一のタイミングとされる。ここで、作業開始推奨時間帯の最も遅い時刻が含まれる第1注目重複時間帯においては、補給作業タイミングが、作業開始推奨時間帯の最も遅い時刻よりも早い時刻に設定される。これにより、作業者は、第1注目重複時間帯において、各部品補給対象装置に対する部品補給作業と、各開始対象作業の付随作業とを、補給作業タイミングとしての同一のタイミングで行うことができる。
【0123】
上記の作業計画管理システムにおいて、前記作業時間特定部は、前記作業開始タイミングで前記付随作業を開始したときの作業終了時刻を、前記複数の付随作業ごとに特定し、前記補給タイミング特定部は、前記重複補給時間帯が、前記複数の付随作業の各々の前記作業開始推奨時間帯の最も遅い時刻よりも遅く、且つ前記作業終了時刻が含まれる第2注目重複時間帯である場合、当該第2注目重複時間帯内における前記作業終了時刻を、前記補給作業タイミングとして特定する構成であってもよい。
【0124】
付随作業の作業終了時刻では、作業者は、作業終了の成果物を、実装機での部品搭載基板の生産に反映させるために、実装機のもとに行く可能性がある。このような、作業終了時刻が含まれる第2注目重複時間帯においては、補給作業タイミングが作業終了時刻に設定される。これにより、作業者は、付随作業の作業終了に応じて実装機のもとに行くタイミングで、各部品補給対象装置に対する部品補給作業を行うことができる。
【0125】
上記の作業計画管理システムにおいて、前記作業時間特定部は、前記作業開始推奨時間帯の最も遅い時刻から前記付随作業を開始したときに作業が終了すると想定される作業終了想定時刻を、前記複数の付随作業ごとに特定し、前記補給タイミング特定部は、前記重複補給時間帯が、前記複数の付随作業の各々の前記作業開始推奨時間帯の最も遅い時刻よりも遅く、且つ前記作業終了想定時刻が含まれる第3注目重複時間帯である場合、当該第3注目重複時間帯内における前記作業終了想定時刻を、前記補給作業タイミングとして特定する構成であってもよい。
【0126】
また、上記の作業計画管理システムにおいて、記作業開始推奨時間帯の最も遅い時刻は、前記作業終了想定時刻が前記部品搭載基板の生産における基板品種の切換えタイミングと一致するように設定されてもよい。
【0127】
付随作業の作業終了想定時刻では、作業者は、付随作業に関連する作業をするために、実装機のもとに行く可能性がある。例えば、付随作業の作業終了想定時刻が基板品種の切換えタイミングと一致する場合には、作業者は、基板品種の切換えのための作業をするために、実装機のもとに行く可能性がある。このような、作業終了想定時刻が含まれる第3注目重複時間帯においては、補給作業タイミングが作業終了想定時刻に設定される。これにより、作業者は、基板品種の切換え等に応じて実装機のもとに行くタイミングで、各部品補給対象装置に対する部品補給作業を行うことができる。
【0128】
本発明の他の局面に係る部品実装システムは、部品収納部材を複数装着可能な複数の部品供給装置が付設され、当該部品供給装置から供給された部品を基板に搭載し部品搭載基板を生産する実装機と、前記実装機に対する、前記部品搭載基板を生産するための段取り作業の計画を管理する、上記の作業計画管理システムと、を備える。
【0129】
この部品実装システムによれば、作業者の段取り作業の負荷を軽減することが可能な作業計画管理システムを備えている。このため、作業者による段取り作業の遅れに起因した、部品搭載基板の生産効率の低下を抑止することができる。
【0130】
以上説明した通り、本発明によれば、実装機による部品搭載基板の生産に際し、作業者の段取り作業の負荷を軽減することが可能な作業計画管理システム、及びそれを備えた部品実装システムを提供することができる。