(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
驚くべきことに、NK−1/NK−3受容体デュアルアンタゴニストが、性腺刺激ホルモンおよび/またはアンドロゲンの産生/分泌の抑制、特に哺乳類におけるLHおよび/またはテストステロンの産生の抑制に有効であることが見出された。性腺刺激ホルモンの産生/分泌の抑制はアンドロゲンの産生/分泌の抑制をもたらす。したがって、本発明は、性腺刺激ホルモンおよび/またはアンドロゲンの上昇および/または異常レベルに影響されるかまたは悪化する性ホルモン依存性疾患の治療方法にある。具体的には、本発明は、有効量のNK−1/NK−3受容体デュアルアンタゴニストを投与することによる性腺刺激ホルモンおよび/またはアンドロゲンの血中レベルの抑制方法に関する。本明細書で定義される化合物は、性腺刺激ホルモンおよび/またはアンドロゲンの産生を抑制する能力を示し、特に、LHおよびアンドロゲンテストステロンの血中レベルの可逆的低減に有効である。
【0022】
定義
明細書および特許請求の範囲で使用される量、パーセンテージまたは割合、および他の数値を表す全ての数字は、すべての場合において「約」という用語によって修飾されるものとして理解されるべきである。
【0023】
本明細書で使用される用語「1つ」(「a」および「an」)は、列挙された構成要素の「1つ以上」を指すことを理解されたい。当業者であれば、特に断りのない限り、単数形の使用は複数形を含むことは明らかであろう。
【0024】
本明細書で使用される「性ホルモン依存性疾患」という用語は、過剰な、不適切なまたは規制されない性ホルモン産生により悪化するか、またはそれによって引き起こされる疾患を意味する。
【0025】
男性におけるこのような疾患の例には、限定されないが、良性前立腺肥大症症(BPH)、転移性前立腺癌、精巣癌、乳癌、アンドロゲン依存性座瘡、脂漏症、多毛症(hypertrichosis)、男性型脱毛症、および男児思春期早発症が含まれる。女性におけるこのような疾患の例には、限定されないが、子宮内膜症、腺筋症、異常思春期、子宮
筋腫、重症月経出血、ホルモン依存性癌(卵巣癌、乳癌)、高アンドロゲン症、男性型多毛症(hirsutism)、多毛症(hypertrichosis)、女性アンドロゲン性脱毛症、アンドロゲン依存性座瘡、脂漏症、男性化、多発性嚢胞卵巣症候群(PCOS)、HAIR−AN症候群(高アンドロゲン症、インスリン抵抗および黒色表皮症)、卵胞莢膜増殖症(ovarian hyperthecosis;卵巣間質における黄体化莢膜細胞の過形成を伴うHAIR−AN)、その他の卵巣内高アンドロゲン濃度発現(例えば、濾胞成熟停止、卵胞閉鎖、無排卵、月経困難症、機能不全性不正子宮出血、不妊症)、アンドロゲン産生腫瘍(男性化卵巣または副腎腫瘍)、骨粗鬆症が含まれる。他の例は、女性では子癇前症であり、男女では化膿性汗腺炎、紅潮である。
【0026】
本明細書で使用される「NK−1/NK−3受容体デュアルアンタゴニスト」は、単一分子でNK−1受容体およびNK−3受容体の両方に同時に親和性を示す化合物をいう。
【0027】
本明細書において、用語「アンドロゲン」は男性の性的特徴の発達を促すステロイドを意味し、テストステロン、ジヒドロテストステロン、アンドロステンジオンおよび類似体(アナログ)を含むアンドロスタンのステロイド誘導体を含む。
【0028】
本明細書中において、「性腺刺激ホルモンの抑制」は、黄体形成ホルモンおよび卵胞刺激ホルモンを含む1または2以上の天然の性腺刺激ホルモンの産生または合成の低下をいう。
【0029】
本明細書において、「アンドロゲンの抑制」は、NK−1/NK−3受容体デュアルアンタゴニストの有効量であって、過剰なまたは調節されていないアンドロゲン産生によって悪化または引き起こされる疾患の予防または治療を目的に患者に投与したときに、アンドロゲンのインビボレベルを正常または準正常レベルへ低減させるものをいう。
【0030】
本明細書において、用語「紅潮」は、用語「潮紅」および用語「血管運動症状」と交換可能であり、同じ意味を有することを意図している。
【0031】
本明細書において、用語「治療」などは、所望の薬理学的、生理学的、皮膚科学的または美容的効果を得ることをいう。かかる効果は、病態(condition)もしくは疾患(disease)もしくは障害(disorder)またはその症状(sympton)を完全にまたは部分的に予防するという点で予防的であり得、かつ/または、病態もしくは疾患もしくは障害、および/または、当該病態もしくは当該疾患もしくは当該障害に起因する有害な症状もしくは効果を部分的にまたは完全に治癒する点で治療的であり得る。
【0032】
したがって、例えば、「治療」は、哺乳動物、特にヒトにおける病態または疾患の全ての治療をカバーするものであり、(a)病態もしくは疾患もしくは障害に罹り易いが、未だそうとは診断されていない対象において、当該病態もしくは当該疾患もしくは当該障害またはその症状の発生を防止すること、(b)病態もしくは疾患もしくは障害またはその症状を、例えばこれらの発症を阻止して阻害すること、および、(c)病態もしくは疾患もしくは障害またはその症状を、例えばこれらの退行を引き起こすなど、軽減、緩和または改善すること、を含む。
【0033】
本明細書中において、用語「有効量」は、薬剤、治療剤、医薬品の量であって、例えば研究者、臨床医または獣医師が対象としている組織、系、動物またはヒトの生物学的または医学的応答を誘発するものを意味する。
【0034】
本明細書において、「薬学的に許容可能な賦形剤」または「薬学的に許容可能な担体」は、医薬組成物に形態または堅さを付与することに関与する薬学的に許容可能な材料、組成物またはビヒクルを意味する。各賦形剤は、医薬組成物が患者に投与された場合に本発明の化合物の効能を実質的に低下させる相互作用や、当該医薬組成物を薬学的に許容できないものとする相互作用が回避されるように、混合されたときに医薬組成物のその他全ての成分と適合しなければならない。また、各賦形剤は、十分に高い純度を有するなど、薬学的に許容可能なものでなければならないことは言うまでもない。
【0035】
本明細書中において、「薬学的に許容可能な塩」は、薬学的に許容可能なアニオンまたはカチオンを有する、医療用途に適した塩を意味する。
【0036】
一実施形態において、本発明は、性
ホルモン依存性疾患の治療方法であって、それを必要とするヒトに有効量のNK−1/NK−3受容体デュアルアンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩を投与する工程を含み、前記性
ホルモン依存性疾患は、良性前立腺肥大症(BPH)、転移性前立腺癌、精巣癌、乳癌、アンドロゲン依存性座瘡、脂漏症、男性型多毛症(hirsutism)、多毛症(hypertrichosis)、男性型脱毛症、女性アンドロゲン性脱毛症、子宮内膜症、異常思春期、子宮
筋腫、卵巣癌、高アンドロゲン症、男性化、多発性嚢胞卵巣症候群(PCOS)、HAIR−AN症候群、卵胞莢膜増殖症(ovarian hyperthecosis)、化膿性汗腺炎、紅潮、男児思春期早発症、濾胞成熟停止、卵胞閉鎖、無排卵、月経困難症、機能不全性不正子宮出血、不妊症、男性化卵巣腫瘍、男性化副腎腫瘍、および、骨粗鬆症からなる群から選ばれる、治療方法を提供する。
【0037】
一実施形態において、本発明は、性
ホルモン依存性疾患の治療方法であって、それを必要とするヒトに有効量のNK−1/NK−3受容体デュアルアンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩を投与する工程を含み、前記性
ホルモン依存性疾患は、良性前立腺肥大症(BPH)、転移性前立腺癌、精巣癌、乳癌、アンドロゲン依存性座瘡、脂漏症、男性型多毛症(hirsutism)、多毛症(hypertrichosis)、男性型脱毛症、女性アンドロゲン性脱毛症、子宮内膜症、腺筋症、異常思春期、子宮
筋腫、重症月経出血、卵巣癌、高アンドロゲン症、男性化、多発性嚢胞卵巣症候群(PCOS)、HAIR−AN症候群、卵胞莢膜増殖症(ovarian hyperthecosis)、化膿性汗腺炎、紅潮、男児思春期早発症、濾胞成熟停止、卵胞閉鎖、無排卵、月経困難症、機能不全性不正子宮出血、不妊症、男性化卵巣腫瘍、男性化副腎腫瘍、骨粗鬆症、および、子癇前症からなる群から選ばれる、治療方法を提供する。
【0038】
更なる一実施形態において、本発明は、性
ホルモン依存性疾患の治療に使用するためのNK−1/NK−3受容体デュアルアンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩であって、それを必要とするヒトに有効量のNK−1/NK−3受容体デュアルアンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩で投与され、前記性
ホルモン依存性疾患は、良性前立腺肥大症(BPH)、転移性前立腺癌、精巣癌、乳癌、アンドロゲン依存性座瘡、脂漏症、男性型多毛症(hirsutism)、多毛症(hypertrichosis)、男性型脱毛症、女性アンドロゲン性脱毛症、子宮内膜症、異常思春期、子宮
筋腫、卵巣癌、乳癌、高アンドロゲン症、男性化、多発性嚢胞卵巣症候群(PCOS)、HAIR−AN症候群、卵胞莢膜増殖症(ovarian hyperthecosis)、化膿性汗腺炎、紅潮、男児思春期早発症、濾胞成熟停止、卵胞閉鎖、無排卵、月経困難症、機能不全性不正子宮出血、不妊症、男性化卵巣腫瘍、男性化副腎腫瘍、および、骨粗鬆症からなる群から選ばれる、NK−1/NK−3受容体デュアルアンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0039】
更なる一実施形態において、本発明は、性
ホルモン依存性疾患の治療に使用するためのNK−1/NK−3受容体デュアルアンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩であって、前記性
ホルモン依存性疾患は、良性前立腺肥大症(BPH)、転移性前立腺癌、精巣癌、乳癌、アンドロゲン依存性座瘡、脂漏症、男性型多毛症(hirsutism)、多毛症(hypertrichosis)、男性型脱毛症、女性アンドロゲン性脱毛症、子宮内膜症、腺筋症、異常思春期、子宮
筋腫、重症月経出血、卵巣癌、乳癌、高アンドロゲン症、男性化、多発性嚢胞卵巣症候群(PCOS)、HAIR−AN症候群、卵胞莢膜増殖症(ovarian hyperthecosis)、化膿性汗腺炎、紅潮、男児思春期早発症、濾胞成熟停止、卵胞閉鎖、無排卵、月経困難症、機能不全性不正子宮出血、不妊症、男性化卵巣腫瘍、男性化副腎腫瘍、骨粗鬆症、および、子癇前症からなる群から選ばれる、NK−1/NK−3受容体デュアルアンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩が提供される。
【0040】
更なる一態様において、本発明は、性ホルモン依存性疾患を治療するための医薬の製造のための、NK−1/NK−3受容体デュアルアンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩の使用であって、前記性
ホルモン依存性疾患は、良性前立腺肥大症(BPH)、転移性前立腺癌、精巣癌、乳癌、アンドロゲン依存性座瘡、脂漏症、男性型多毛症(hirsutism)、多毛症(hypertrichosis)、男性型脱毛症、女性アンドロゲン性脱毛症、子宮内膜症、異常思春期、子宮
筋腫、卵巣癌、高アンドロゲン症、男性化、多発性嚢胞卵巣症候群(PCOS)、HAIR−AN症候群、卵胞莢膜増殖症(ovarian hyperthecosis)、化膿性汗腺炎、紅潮、男児思春期早発症、濾胞成熟停止、卵胞閉鎖、無排卵、月経困難症、機能不全性不正子宮出血、不妊症、男性化卵巣腫瘍、男性化副腎腫瘍、および、骨粗鬆症からなる群から選ばれる、使用を提供する。
【0041】
更なる一態様において、本発明は、性ホルモン依存性疾患を治療するための医薬の製造のための、NK−1/NK−3受容体デュアルアンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩の使用であって、前記性
ホルモン依存性疾患は、良性前立腺肥大症(BPH)、転移性前立腺癌、精巣癌、乳癌、アンドロゲン依存性座瘡、脂漏症、男性型多毛症(hirsutism)、多毛症(hypertrichosis)、男性型脱毛症、女性アンドロゲン性脱毛症、子宮内膜症、腺筋症、異常思春期、子宮
筋腫、重症月経出血、卵巣癌、高アンドロゲン症、男性化、多発性嚢胞卵巣症候群(PCOS)、HAIR−AN症候群、卵胞莢膜増殖症(ovarian hyperthecosis)、化膿性汗腺炎、紅潮、男児思春期早発症、濾胞成熟停止、卵胞閉鎖、無排卵、月経困難症、機能不全性不正子宮出血、不妊症、男性化卵巣腫瘍、男性化副腎腫瘍、骨粗鬆症、および、子癇前症からなる群から選ばれる、使用を提供する。
【0042】
一実施形態において、本発明に係る性
ホルモン依存性疾患は、男性型多毛症(hirsutism)、子宮内膜症、腺筋症、子宮
筋腫、重症月経出血、多発性嚢胞卵巣症候群(PCOS)、および、紅潮から選ばれる。
【0043】
本発明で使用する化合物は、その全体が参照により本明細書に援用される国際公開第2004/056799号公報、国際公開第2004/056805号公報、国際公開第2005/002577号公報、国際公開第2005/097794号公報、国際公開第2006/013050号公報、国際公開第2007/028654号公報、国際公開第2008/128891号公報、国際公開第2011/131571号公報または国際公開第2011/023733号公報に記載され、かつ従って製造されるNK−1/NK−3受容体デュアルアンタゴニストを含む。
【0044】
本発明で使用するための国際公開第2006/013050号公報に記載の好ましいピリジン誘導体は以下のとおりである:
・2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[4−(2−クロロ−フェニル)−6−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−ピリジン−3−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[4−(2−クロロ−フェニル)−6−(2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エトキシ)−ピリジン−3−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・(S)−2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−6−(ピロリジン−2−イルメトキシ)−ピリジン−3−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・ 2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−6−(2−ヒドロキシ−エチルスルファニル)−ピリジン−3−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−[2,3’]ビピリジニル−5−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−1’−オキシ−[2,3’]ビピリジニル−5−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−6−(3−ヒドロキシメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−5’−ヒドロキシメチル−[2,3’]ビピリジニル−5−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−2’−ヒドロキシメチル−[2,4’]ビピリジニル−5−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−1’−メタンスルホニル−1’,2’,3’,6’−テトラヒドロ−[2)4’]ビピリジニル−5−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−1’−メタンスルホニル−1’,2’,3’,4’,5’,6’−ヘキサヒドロ−[2,4’]ビピリジニル−5−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・(RS)−2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−1’−メタンスルホニル−1’,2’,3’,4’,5’,6’−ヘキサヒドロ−[2,3’]ビピリジニル−5−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・(RS)−N−[1’−アセチル−4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−1’,2’,3’,4’,5’,6’−ヘキサヒドロ−[2,3’]ビピリジニル−5−イル]−2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−メチル−イソブチルアミド;
・2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[6−(3,6−ジヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)−4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[6−(1,1−ジオキソ−1,2,3,6−テトラヒドロ−1λ
6チオピラン−4−イル)−4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[6−(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ
6−チオピラン−4−イル)−4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;または
その薬学的に許容可能な塩。
【0045】
本発明で使用するための国際公開第2008/128891号公報に記載の好ましいピロリジン誘導体は以下のとおりである:
・rac−2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(モルホリン−4−カルボニル)−ピロリジン−3−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・rac−2−(3,5−ジクロロ−フェニル)−N−(3S,4R)−4−(4−フルオロ−フェニル)−1−(モルホリン−4−カルボニル)−ピロリジン−3−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・rac−2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[(3S,4R)−4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−1−(モルホリン−4−カルボニル)−ピロリジン−3−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・rac−2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[(3S,4R)−4−(4−フルオロ−フェニル)−1−(4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−カルボニル)−ピロリジン−3−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・rac−N−[(3S,4R)−1−(4−アセチル−ピペラジン−1−カルボニル)−4−(4−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−3イル]−2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−メチル−イソブチルアミド;
・rac−2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[(3S,4R)−1−(4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−カルボニル)−4−フェニル−ピロリジン−3−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・rac−2−(3,5−ジクロロ−フェニル)−N−[(3S,4R)−4−(4−フルオロ−フェニル)−1−(4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−カルボニル)−ピロリジン−3−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・rac−2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[(3S,4R)−4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−1−(4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−カルボニル)−ピロリジン−3−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・rac−N−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−カルボニル)−ピロリジン−3−イル]−2−(3,5−ジクロロ−フェニル)−N−メチル−イソブチルアミド;
・rac−(3S,4R)−3−{[2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−2−メチル−プロピオニル]−メチル−アミノ}−4−(4−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−1−カルボン酸ビス−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド;
・rac−(3S,4R)−3−{[2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−2−メチル−プロピオニル]−メチル−アミノ}−4−(4−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−1−カルボン酸(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド;
またはその薬学的に許容可能な塩。
【0046】
本発明で使用するための国際公開第2011/131571号公報に記載の好ましいピラゾロピリジン誘導体は以下のとおりである:
・2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−(1−エチル−4−o−トリル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)−N−メチル−イソブチルアミド;
・2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[1−エチル−4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[4−(2−クロロ−フェニル)−1−エチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−1−エチル−1H−ピラゾロ[3,4−]ピリジン−5−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[1−(2,2−ジフルオロ−エチル)−4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−1−H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・N−[1−ベンジル−4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]−2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−メチル−イソブチルアミド;
・2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[1−エチル−4−(4−フルオロ−2−メトキシ−フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[4−(2−クロロ−3−フルオロ−フェニル)−1−エチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[4−(2,3−ジクロロ−フェニル)−1−エチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[4−(2−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−1−エチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[4−(2−クロロ−5−ヒドロキシメチル−フェニル)−1−エチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・N−[1−アセチル−4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]−2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−メチル−イソブチルアミド;
・2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−1−(2−メトキシ−アセチル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[1−シクロプロパンカルボニル−4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−1−メタンスルホニル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[1−ジメチルスルファモイル−4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−1−メタンスルホニルメチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[1−エチル−4−(4−メチル−チオフェン−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[4−(2−クロロ−チオフェン−3−イル)−1−エチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・2−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[1−エチル−4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;もしくは
・2−(3,5−ジクロロ−フェニル)−N−[1−エチル−4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;または
その薬学的に許容可能な塩。
【0047】
本発明での使用に特に好ましい化合物は、
・2−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−N−{4−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−6−[(7S,9aS)−7−(ヒドロキシメチル)ヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−8(1H)−イル]−3−ピリジニル}−N,2−ジメチルプロパンアミド;
・(2R,3S)−2−(3,5−ビス−トリフルオロメチルフェニル)−N−[4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−6−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−1’−メタンスルホニル−1’,2’,3’,6’−テトラヒドロ[2)4’]ビピリジニル−5−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−1’−メタンスルホニル−1’,2’,3’,4’,5’,6’−ヘキサヒドロ−[2,4’]ビピリジニル−5−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[6−(1,1−ジオキソ−1,2,3,6−テトラヒドロ−1λ
6チオピラン−4−イル)−4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・rac−N−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−カルボニル)−ピロリジン−3−イル]−2−(3,5−ジクロロ−フェニル)−N−メチル−イソブチルアミド;
・2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[1−(2,2−ジフルオロ−エチル)−4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;
・2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−1−メタンスルホニルメチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;または
その薬学的に許容可能な塩。
【0048】
本発明に係る特に好ましい化合物は、
・2−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−N−{4−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−6−[(7S,9aS)−7−(ヒドロキシメチル)ヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−8(1H)−イル]−3−ピリジニル}−N,2−ジメチルプロパンアミド(式A);
【化1】
・(2R,3S)−2−(3,5−ビス−トリフルオロメチルフェニル)−N−[4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−6−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−N−メチル−イソブチルアミド(式B);
【化2】
またはその薬学的に許容可能な塩もしくは結晶形態である。
【0049】
式Aの化合物、その塩およびその結晶形態の製造方法は、それぞれ国際公開第2007/028654号公報および国際公開第2011/023733号公報に記載されており、これらの方法は参照により本明細書に援用する。
【0050】
具体的には、国際公開第2011/023733号公報には、結晶性無水物形態(形態1)の式Aの化合物が開示されており、これは、20.4Å、11.1Å、9.0Å、8.3Å、8.2Å、6.6Å、6.3Å、5.9Åの面間隔(d−spancing)にそれぞれ対応する、4.3±0.1°、7.9±0.1°、9.8±0.1°、10.7±0.1°、10.8±0.1°、13.3±0.1°、14.0±0.1°、15.1±0.1°に現れる所定の特徴的な2θ角を示す。
【0051】
式Bの化合物またはその塩の製造方法は国際公開第2005/002577号公報に記載されており、かかる方法は参照により本明細書に援用される。
【0052】
更なる一実施形態において、本発明は、性
ホルモン依存性疾患の治療に使用するための
・2−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−N−{4−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−6−[(7S,9aS)−7−(ヒドロキシメチル)ヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−8(1H)−イル]−3−ピリジニル}−N,2−ジメチルプロパンアミド、もしくは
・(2R,3S)−2−(3,5−ビス−トリフルオロメチルフェニル)−N−[4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−6−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−N−メチル−イソブチルアミド、または、その薬学的に許容可能な塩もしくは結晶形態であって、前記性
ホルモン依存性疾患は、良性前立腺肥大症(BPH)、転移性前立腺癌、精巣癌、乳癌、アンドロゲン依存性座瘡、脂漏症、男性型多毛症(hirsutism)、多毛症(hypertrichosis)、男性型脱毛症、女性アンドロゲン性脱毛症、子宮内膜症、腺筋症、異常思春期、子宮
筋腫、重症月経出血、卵巣癌、乳癌、高アンドロゲン症、男性化、多発性嚢胞卵巣症候群(PCOS)、HAIR−AN症候群、卵胞莢膜増殖症(ovarian hyperthecosis)、化膿性汗腺炎、紅潮、男児思春期早発症、濾胞成熟停止、卵胞閉鎖、無排卵、月経困難症、機能不全性不正子宮出血、不妊症、男性化卵巣腫瘍、男性化副腎腫瘍、骨粗鬆症、および、子癇前症からなる群から選ばれるものを提供する。
【0053】
更なる一実施形態において、本発明は、性
ホルモン依存性疾患の治療方法であって、それを必要とするヒトに有効量の下記化合物:
・2−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−N−{4−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−6−[(7S,9aS)−7−(ヒドロキシメチル)ヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−8(1H)−イル]−3−ピリジニル}−N,2−ジメチルプロパンアミド;
・(2R,3S)−2−(3,5−ビス−トリフルオロメチルフェニル)−N−[4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−6−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;またはその薬学的に許容可能な塩もしくは結晶形態を投与する工程を含み、前記性
ホルモン依存性疾患は、良性前立腺肥大症(BPH)、転移性前立腺癌、精巣癌、乳癌、アンドロゲン依存性座瘡、脂漏症、男性型多毛症(hirsutism)、多毛症(hypertrichosis)、男性型脱毛症、女性アンドロゲン性脱毛症、子宮内膜症、腺筋症、異常思春期、子宮
筋腫、重症月経出血、卵巣癌、乳癌、高アンドロゲン症、男性化、多発性嚢胞卵巣症候群(PCOS)、HAIR−AN症候群、卵胞莢膜増殖症(ovarian hyperthecosis)、化膿性汗腺炎、紅潮、男児思春期早発症、濾胞成熟停止、卵胞閉鎖、無排卵、月経困難症、機能不全性不正子宮出血、不妊症、男性化卵巣腫瘍、男性化副腎腫瘍、骨粗鬆症、および、子癇前症からなる群から選ばれる、性
ホルモン依存性疾患の治療方法を提供する。
【0054】
更なる一実施形態において、本発明は、性
ホルモン依存性疾患の治療方法であって、それを必要とするヒトに有効量のNK−1/NK−3受容体デュアルアンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩を投与する工程を含み、前記性
ホルモン依存性疾患は、アンドロゲン依存性男性型多毛症(hirsutism)、女性アンドロゲン性脱毛症、子宮内膜症、腺筋症、子宮
筋腫、重症月経出血、多発性嚢胞卵巣症候群(PCOS)、および、紅潮からなる群から選ばれる、性
ホルモン依存性疾患の治療方法を提供する。
【0055】
更なる一実施形態において、本発明は、性
ホルモン依存性疾患の治療方法であって、それを必要とするヒトに有効量の2−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−N−{4−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−6−[(7S,9aS)−7−(ヒドロキシメチル)ヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−8(1H)−イル]−3−ピリジニル}−N,2−ジメチルプロパンアミド;(2R,3S)−2−(3,5−ビス−トリフルオロメチルフェニル)−N−[4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−6−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−N−メチル−イソブチルアミド;または、その薬学的に許容可能な塩を投与する工程を含み、前記性
ホルモン依存性疾患は、アンドロゲン依存性男性型多毛症(hirsutism)、女性アンドロゲン性脱毛症、子宮内膜症、腺筋症、子宮
筋腫、重症月経出血、多発性嚢胞卵巣症候群(PCOS)、および、紅潮からなる群から選ばれる、性
ホルモン依存性疾患の治療方法を提供する。
【0056】
一実施形態において、本発明に係る前記化合物は、男性型多毛症(hirsutism)、子宮内膜症、腺筋症、子宮
筋腫、重症月経出血、多発性嚢胞卵巣症候群(PCOS)、および、紅潮の治療に使用するための2−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−N−{4−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−6−[(7S,9aS)−7−(ヒドロキシメチル)ヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−8(1H)−イル]−3−ピリジニル}−N,2−ジメチルプロパンアミドまたはその結晶性無水物形態である。
【0057】
更なる一実施形態において、本発明に係る前記化合物は、子宮内膜症、腺筋症、子宮
筋腫、重症月経出血、多発性嚢胞卵巣症候群(PCOS)、および、紅潮の治療に使用するための、無水結晶形態1としての2−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−N−{4−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−6−[(7S,9aS)−7−(ヒドロキシメチル)ヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−8(1H)−イル]−3−ピリジニル}−N,2−ジメチルプロパンアミドである。
【0058】
更なる一実施形態において、本発明に係る前記化合物は、紅潮の治療に使用するため、の無水結晶形態1としての2−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−N−{4−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−6−[(7S,9aS)−7−(ヒドロキシメチル)ヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−8(1H)−イル]−3−ピリジニル}−N,2−ジメチルプロパンアミドである。
【0059】
性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)経路に対して活性を有するため、NK−1/NK−3受容体デュアルアンタゴニストは単独でまたはエストロゲンおよびプロゲスチンと組み合わせて避妊薬として使用することができる。
【0060】
したがって、更なる一態様において、本発明は、有効量のNK−1/NK−3受容体デュアルアンタゴニストを患者に投与する工程を含む、経口避妊を提供する方法を提供する。
【0061】
本発明の更なる一態様において、経口避妊薬の製造のためのNK−1/NK−3受容体デュアルアンタゴニストの使用が提供される。
【0062】
経口避妊用の化合物は、その全体が参照により本明細書に援用される国際公開第2004/056799号公報、国際公開第2004/056805号公報、国際公開第2005/002577号公報、国際公開第2005/097794号公報、国際公開第2006/013050号公報、国際公開第2007/028654号公報、国際公開第2008/128891号公報、国際公開第2011/131571号公報、国際公開第20110/23733号公報に記載され、かつ従って製造されるNK−1/NK−3受容体デュアルアンタゴニストを含む。
【0063】
経口避妊用の国際公開第2006/013050公報の好ましいピリジン誘導体は、本明細書(国際公開第2016/184829号公報)の第8頁第10〜45行および第9頁第1〜15行に開示されているものである。
【0064】
経口避妊用の国際公開第2008/128891号公報の好ましいピロリジン誘導体は、本明細書(国際公開第2016/184829号公報)の第9頁第15〜43行に開示されているものである。
【0065】
経口避妊用の国際公開第2011/31571号公報の好ましいピラゾロピリジン誘導体は、本明細書(国際公開第2016/184829号公報)の第9頁第47行〜第11頁第6行に開示されているものである。
【0066】
経口避妊用に特に好ましい化合物は、
・2−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−N−{4−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−6−[(7S,9aS)−7−(ヒドロキシメチル)ヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−8(1H)−イル]−3−ピリジニル}−N,2−ジメチルプロパンアミド(式A);
【化3】
・(2R,3S)−2−(3,5−ビス−トリフルオロメチルフェニル)−N−[4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−6−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−N−メチル−イソブチルアミド(式B);
【化4】
または、その薬学的に許容可能な塩もしくは結晶形態である。
【0067】
本発明はさらに、NK−1/NK−3受容体デュアルアンタゴニストまたは上記の化合物、その薬学的に許容可能な塩または結晶形態、および薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物を提供する。
【0068】
したがって、一実施形態では、本発明は、性ホルモン依存性疾患の治療に使用するための、NK−1/NK−3受容体デュアルアンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物を提供する。
【0069】
更なる一実施形態では、本発明は、性ホルモン依存性疾患の治療に使用するための、2−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−N−{4−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−6−[(7S,9aS)−7−(ヒドロキシメチル)ヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−8(1H)−イル]−3−ピリジニル}−N,2−ジメチルプロパンアミドまたはその結晶性無水物形態、および、薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物を提供する。
【0070】
更なる一実施形態では、本発明は、男性型多毛症(hirsutism)、子宮内膜症、腺筋症、子宮
筋腫、重症月経出血、多発性嚢胞卵巣症候群(PCOS)、および、紅潮の治療に使用するための、2−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−N−{4−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−6−[(7S,9aS)−7−(ヒドロキシメチル)ヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−8(1H)−イル]−3−ピリジニル}−N,2−ジメチルプロパンアミドまたはその結晶性無水物形態、および、薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物を提供する。
【0071】
更なる一実施形態において、本発明は、NK−1/NK−3受容体デュアルアンタゴニストおよび薬学的に許容可能な担体を含む薬物を提供する。
【0072】
更なる一実施形態において、本発明は、2−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−N−{4−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−6−[(7S,9aS)−7−(ヒドロキシメチル)ヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−8(1H)−イル]−3−ピリジニル}−N,2−ジメチルプロパンアミドまたはその薬学的に許容可能な塩、および、薬学的に許容可能な担体を含む薬物を提供する。
【0073】
本発明のこのような薬剤および組成物は本発明の化合物と適切な薬学的に許容可能な担体との混合によって調製され得る。これは、従来の手法により、希釈剤、結合剤、充填剤、崩壊剤、着香剤、着色剤、潤滑剤または防腐剤を含有してもよい。
【0074】
これらの従来の賦形剤は、例えば、病態を治療するための既知の薬剤の組成物の調製と同様に使用することができる。
【0075】
本発明の医薬組成物は、単位用量形態であって、かつ医療分野または獣医分野での使用に適した形態であることが好ましい。例えば、このような調製物は病態を治療する薬剤として使用するための書面または印刷による使用説明書を伴ったパックの形態であり得る。
【0076】
本発明の化合物の適切な投与量範囲は使用される化合物および患者の状態に依存する。また特に、吸収能と効力との関係や、投与の頻度および経路にも依存する。
【0077】
本発明の化合物または組成物は任意の経路による投与のために製剤化してもよく、また好ましくは、単位剤形またはヒト患者が単回投薬で自分自身に投与し得る形態である。
【0078】
有利には、上記組成物は経口投与、直腸投与、局所投与、非経口投与、静脈内投与または筋肉内投与に適している。調製物は有効成分を徐放するように設計されてもよい。
【0079】
組成物は、例えば、錠剤、カプセル剤、分包剤、バイアル剤、散剤、顆粒剤、トローチ剤、再構成可能な散剤、または液体製剤、例えば、溶液または懸濁液、または坐剤の形態とされ得る。
【0080】
上記組成物の例えば経口投与に適したものは、結合剤、例えばシロップ、アカシア、ゼラチン、ソルビトール、トラガカントまたはポリビニルピロリドン;充填剤、例えば、乳糖、砂糖、トウモロコシデンプン、リン酸カルシウム、ソルビトールまたはグリシン;打錠潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム;崩壊剤、例えばデンプン、ポリビニルピロリドン、デンプングリコール酸ナトリウムまたは微結晶セルロース;または、薬学的に許容可能な硬化剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム、などの従来の賦形剤を含み得る。
【0081】
固体組成物は、ブレンド、充填、打錠などの従来の方法によって得ることができる。繰返しのブレンド操作により、大量の充填剤を用いた組成物全体に活性剤を分配してもよい。
【0082】
上記組成物が錠剤、散剤またはトローチ剤の形態である場合、固体医薬組成物の製剤化に適した任意の担体、例えば、ステアリン酸マグネシウム、デンプン、グルコース、乳糖、スクロース、米粉およびチョークが使用され得る。
【0083】
錠剤は、通常の製薬実務で周知の方法により被覆され得、特に腸溶性コーティングによって被覆され得る。上記組成物はまた、所望により担体または他の賦形剤と共に上記化合物を含有するゼラチンなどの摂取可能なカプセルの形態とされ得る。
【0084】
液体としての経口投与のための組成物は、例えば、エマルジョン、シロップまたはエリキシルの形態であってもよく、あるいは、使用前に水または他の適切なビヒクルで再構成される乾燥製品として提供されてもよい。このような液体組成物は、懸濁剤、例えばソルビトール、シロップ、メチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲル、水素化食用脂肪;乳化剤、例えばレシチン、モノオレイン酸ソルビタン、またはアカシア;食用油、例えば、アーモンド油、分別ヤシ油、油性エステル、例えばグリセリンのエステル、またはプロピレングリコール、またはエチルアルコール、グリセリン、水、生理食塩水を含む、水性または非水性のビヒクル;防腐剤、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸メチルまたはプロピル、またはソルビン酸;および、所望により従来の香味剤または着色剤などの、従来の添加剤を含み得る。
【0085】
本発明の化合物はまた、非経口経路で投与され得る。通常の薬学的手順に従って、上記組成物は、例えば座剤として直腸投与用に製剤化され得る。上記組成物はまた、薬学的に許容可能な液体(例えば、パイロジェンフリーな滅菌水または非経口的に許容可能な油、または液体の混合物)中の水性もしくは非水性の溶液、懸濁液またはエマルジョン中の注射可能な形態とするために製剤化され得る。上記液体は、静菌剤、抗酸化剤または他の保存剤;溶液を血液と等張にするための緩衝剤または溶質;増粘剤;懸濁化剤;または他の薬学的に許容可能な添加剤を含み得る。
【0086】
このような形態は、アンプルや使い捨て注射器などの単位用量形態、適切な用量を抜き取ることが可能なボトルなどの複数用量形態、または注射可能な製剤の調製に使用可能な固体形態もしくは濃縮物とされ得る。
【0087】
本発明の化合物はまた、鼻または経口経路を介して吸入により投与され得る。このような投与は、本発明の化合物と、炭化水素推進剤等に任意に懸濁された適切な担体とを含むスプレー剤を用いて行うことができる。
【0088】
好ましいスプレー製剤は、懸濁粒子の沈降を防止するために微粉化化合物粒子を界面活性剤、溶媒または分散剤と組み合わせて含む。好ましくは、上記化合物の粒径は約2〜10ミクロンである。
【0089】
本発明の化合物の更なる投与様式は皮膚パッチ製剤を利用する経皮送達を含む。好ましい製剤は、皮膚に接着する感圧接着剤中に分散された本発明の化合物を含み、それにより化合物を皮膚を通して接着剤から拡散させて患者へ送達する。一定速度の経皮吸収とするために、天然ゴムやシリコーンなどの当該技術分野で知られている感圧接着剤を使用することができる。
【0090】
本主題に係る医薬組成物の製造は、当技術分野で公知の方法に従って行うことができる。意図する投与様式および使用する活性化合物の特定の特性、例えば溶解度、バイオアベイラビリティなどに応じて、一般的に知られかつ使用されている薬学的に許容可能な助剤や、更に適切な希釈剤、香味剤、甘味剤、着色剤などが使用され得る。
【0091】
本明細書に記載の組成物を製剤化するために、任意の非毒性、不活性かつ有効な局所、経口等用の薬学的に許容可能な担体が使用され得る。
【0092】
これらの組成物では、ヒトへの投与を目的として他の局所治療用組成物の製剤化に使用されている周知の担体が有用である。当業者に周知のこれらの成分の例は下記に記載されている:The Merck Index, Thirteenth Edition, Budavari et al., Eds., Merck & Co., Inc., Rahway, N.J. (2001);the CTFA (Cosmetic, Toiletry, and Fragrance Association) International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook, Tenth Edition (2004);“Inactive Ingredient Guide” U.S. Food and Drug Administration (FDA) Center for Drug
【0093】
上述したとおり、化合物の有効用量は、使用される特定の化合物、患者の状態、投与頻度および投与経路に依存する。有効用量は、一般に、1mg〜250mg、好ましくは10mg〜220mg、特に30mg〜200mgを含む。
【0094】
上記組成物は、1日1回以上、例えば、1日2回、3回または4回投与され得、体重70kgの成人の1日の総投与量は、通常30mg〜200mgの範囲である。
【0095】
あるいは、単位用量は、10〜100mgの有効成分を含み、必要に応じて複数回投与して上記1日用量を与える。
【0096】
本発明に従って投与された場合、許容できない毒物学的効果は本発明の化合物では予期されない。
【0097】
本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩および他の薬学的に活性な薬剤は、固定した組み合わせで一緒にまたは別々に(すなわち、固定しない組み合わせで)投与され得る。
【0098】
別々に投与する場合、任意の順序で別々にまたは連続して投与され得、治療レジメンは各薬剤が同じ投与経路で必ずしも投与されないものとなり得る。本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩および他の薬学的に活性な薬剤の量および投与の相対的なタイミングは、所望の統合治療効果を達成するために選択される。
【0099】
本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩と組み合わせて使用され得る適切な治療剤の例には、ナファレリン、ブセレリン、ゴセレリン、リュープロレリンなどの性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)のアゴニスト;デガレリクス、ガニレリクス、セトロレリクス、アバレリクス、エラゴリクスなどの性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)のアンタゴニスト;デュタステリド、フィナステリドなどの5−α−レダクターゼ阻害剤;スピロノラクトンなどの混合アンドロゲン受容体アンタゴニスト/5−α−レダクターゼ阻害薬;酢酸シプロテロン、フルタミドなどの抗アンドロゲン;エストロゲンと、ノルゲスチメート、ノルエチンドロンまたはドロスピレノンとの組み合わせなどの混合型(エストロゲンとプロゲスチン)経口避妊薬;ウリプリストールアセテートなどのプロゲステロン受容体モジュレータが含まれる。
【実施例】
【0100】
生物学データ
本明細書で有用な化合物の抗アンドロゲン作用は、テストステロン低下効果を示すヒトボランティアにおける下記臨床研究によって決定される。
【0101】
実施例1
2−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−N−{4−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−6−[(7S,9aS)−7−(ヒドロキシメチル)ヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−8(1H)−イル]−3−ピリジニル}−N,2−ジメチルプロパンアミド(以下化合物A)を男性ヒトボランティア(human volunteer;HV)に単一用量漸増(single ascending dose)および反復用量漸増(repeat ascending dose)の両方で投与し、テストステロンレベルに対する化合物Aの効果を評価した。
【0102】
1.単一用量漸増試験
10〜250mgの範囲の単一用量漸増のプラセボまたは化合物Aを一重盲検ランダム化様式で男性ヒトボランティア(HV)に懸濁液として投与した。
【0103】
遊離および総テストステロン血清レベルを1日目、各用量投与24時間後およびフォローアップ(化合物A投与後7〜14日)でそれぞれ測定した。HV血清のテストステロンレベル(遊離および総量)は表1に記載のとおり測定された。
【0104】
表1.単一用量漸増試験で得られたHVにおける遊離および総テストステロン濃度
【表1】
【0105】
表1に示すように、化合物Aの投与後24時間以内の遊離および総テストステロンレベルの臨床的に意義のある減少が明らかである。160mg以上の用量では減少は35%〜43%の範囲である。テストステロンレベルは、フォローアップ(化合物Aの最後の投与後7〜14日)においてベースラインレベルまで回復した。
【0106】
2.化合物Aの反復用量漸増試験
本試験のパートAは、1日の複数回投与量を漸増させた化合物Aの安全性、耐容性およびPKを調査する3つのコホートからなる。これらのコホートに関する情報は以下の通りである:
【0107】
コホート1および2には化合物Aを14日間投与し、最後の投与後7〜14日フォローアップした。双方のコホートのテストステロンレベルを1日目投与前、15日目およびフォローアップにおいて測定した。
【0108】
コホート3にも14日間の反復処置期間にわたって化合物Aを投与し、最後の投与後7〜14日フォローアップした。このコホートでは、テストステロンレベルは1日目投与前、14日目投与前およびフォローアップにおいて測定した。
【0109】
HV血清のテストステロンレベル(遊離および総量)は表2に記載のとおり測定された。
【0110】
表2.反復投与試験で得られたHVの遊離および総テストステロン濃度
【表2】
【0111】
化合物Aを反復投与した後もまた、遊離および総テストステロンレベルの臨床的に意義のある減少が明らかであった。14日後の200mgの用量で減少は43%から45%の範囲であり、単一用量漸増試験で24時間後に観察された値と一致した。テストステロンレベルは、フォローアップ(200mgの化合物Aの最後の投与後7〜14日)においてベースラインレベルまで回復した。
【0112】
上記の説明は、その好ましい実施形態を含む本発明を完全に開示するものである。本明細書に具体的に開示された実施形態の改変および改良は、添付の特許請求の範囲の範囲内である。それ以上の詳述なしに、当業者は、上記の説明を用いて、本発明を最大限に利用することができると考えられる。したがって、本明細書の実施例は、単なる例示であって、本発明の範囲を限定するものではないと解釈されるべきである。排他的な権利または特権が請求される本発明の実施形態は、特許請求の範囲のとおり定義される。