(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下の図面では各構成部の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、実施の形態の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」、「表」、「裏」といった方向や位置が示されている場合、それらの表記は、説明の便宜上、そのように記載しているだけであって、装置、器具、部品等の配置や向き等を限定するものではない。なお、以下の説明では、天井面等のように照明器具を取り付ける取付部300の方向を取付方向あるいは上方とし、光源の照射方向を下方として説明する。
【0011】
実施の形態1.
***構成の説明***
以下の
図1から
図10を用いて、本実施の形態に係る照明装置10の構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係る照明装置10の斜視図である。
図2は、本実施の形態に係る照明装置10の内部を示す図で、
図1のA−A断面図である。
図3は、本実施の形態に係る照明装置10の分解斜視図である。
図4は、本実施の形態に係る光源ユニット100の斜視図である。
図5は、本実施の形態に係る光源ユニット100の5面図である。
図6は、本実施の形態に係る光源ユニットの端部を示す部分拡大図である。
図7は、本実施の形態に係るフレーム部110とLEDモジュール120の関係を示す図であり、照射側から見た図である。
図8は、本実施の形態に係るフレーム部110とLEDモジュール120の関係を示す図であり、取付側から見た図である。
図9は、本実施の形態に係るフレーム部110とLEDモジュール120の関係を示す図であり、
図7又は
図8のA−A断面図である。
図10は、本実施の形態に係るフレーム部110とLEDモジュール120の関係を示す図であり、
図7又は
図8のB−B断面図である。
【0012】
<照明装置10>
図1に示すように、本実施の形態に係る照明装置10は、天井や壁といった取付部300に取り付けられる照明装置であり、長手方向に延びた長尺状の照明装置である。この照明装置10は、長手方向に複数連結して用いられる場合がある。
照明装置10は、光源ユニット100と、光源ユニット100が着脱可能に取り付けられる照明器具200とを有する。光源ユニット100は、照明具ともいう。
【0013】
図2及び
図3に示すように、光源ユニット100は、基板取付面部111aの裏面である装置取付面部111dを凹部211の底面部211aに対向させて凹部211に直脱自在に取り付けられる。また、光源ユニット100は、カバー側部131を開口縁部211baに対向させて凹部211に取り付けられる。
このとき、カバー側部131と開口縁部211baとの間に隙間部190が形成される。隙間部190は、照明器具200とカバー130との長手方向の境界部分に形成される。
【0014】
また、光源ユニット100の長手方向の端部であるユニット端部260は、凹部211の長手方向の端部である凹部端部2111と当接する。照明装置10において、ユニット端部260と凹部端部2111とが当接する部分を当接部191とする。
当接部191ではユニット端部260と凹部端部2111とが当たっている。また、隙間部190では、光源ユニット100の長尺の側部と照明器具200の開口縁部211baとが当たらずに隙間を有している。すなわち、隙間部190は、光源ユニット100の両側の長尺の側部にスリット状に存在する。
【0015】
<光源ユニット100>
照明具である光源ユニット100は、フレーム部110、LEDモジュール120、カバー130、電源装置140、2つの取付具150を有する。
フレーム部110は、長手方向に延びた板状であり、発光素子120aが実装された基板120bが取り付けられる基板取付面部111aを有する基台である。フレーム部110は、金属材料を用いて形成されている。フレーム部110は、プレス成型によって形成されている。なお、フレーム部110は、押出成型によって形成されてもよい。
また、フレーム部110は、短手方向の端部であるフレーム側部110aを有している。そして、フレーム側部110aは、光源ユニット100が照明器具200に取り付けられた状態で、照明器具200の凹部211の底面部211aに向かって立ち上がる立上部112を備える。
【0016】
フレーム部110は、長尺状の平板である平面部111と、この平面部111の短手方向の両端が折り曲げられて形成される立上部112とを有し、短手方向に切る断面が略コ字形状である。フレーム部110は、モジュールフレーム、プレートとも称される。
基板取付面部111aには、LEDである発光素子120aが実装され、発光素子120aに点灯電力を供給する配線パターン120cが敷設された基板120bを備えるLEDモジュール120が取り付けられる。発光素子120a及び配線パターン120cは導電部ともいう。
また、フレーム部110は、後述するカバー130よりも熱収縮率が小さい。
本実施の形態では、1枚の基板120bからなる1つのLEDモジュール120が取り付けられているものとする。また、基板取付面部111aの裏面である装置取付面部111dには、LEDモジュール120に点灯電力を供給する電源装置140と、2つの取付具150とが取り付けられる。
【0017】
図4から
図6に示すように、フレーム部110には、平面部111の長手方向における両端の一部が切り欠かれた切欠き195が形成されている。切欠き195の詳細については後述する。
【0018】
光源ユニット100の基板120bは、リジットタイプでもフレキシブルタイプでもよい。また、光源ユニット100の発光素子120aは、LEDに限らず、LED以外の発光素子、具体的には、有機ELあるいはレーザといった発光素子を用いてもよい。
【0019】
図4に示すように、電源装置140は、平面部111の長手方向中央より一方側に寄せて取り付けられている。なお、電源装置140は、平面部111の長手方向中央に取り付けられていても構わない。
2つの取付具150は、平面部111の長手方向の両端側にそれぞれ取り付けられている。取付具150は、後述する照明器具200が備えるバネ230と係合し、光源ユニット100を照明器具200に固定する。
【0020】
図2に示すように、カバー130は、基板120bを覆う。また、カバー130は、長手方向に延びたカバー側部131を有する。カバー130は、カバー側部131がフレーム部110の短手方向の端部であるフレーム側部110aを覆ってフレーム部110に取り付けられる。
カバー130は、フレーム部110に取り付けられたLEDモジュール120を覆うようにフレーム部110に取り付けられる。立上部112にはカバー130の取付側の端部が取り付けられ、カバー130がフレーム部110に固定される。
カバー130は樹脂材料を用いて形成されており、透光性を有する。また、カバー130は、フレーム部110よりも熱収縮率が大きい。
【0021】
図5に示すように、電源装置140には、第1電線500cが接続される。第1電線500cは、先端部にコネクタ501が接続されたハーネスである。第1電線500cが後述する端子台240に接続されたハーネス500dと接続されることにより、電源装置140は端子台240から電力を受け取ることができる。
また、電源装置140には、電力をLEDモジュール120に供給するための第2電線500eが接続される。第2電線500eは、電源装置140からフレーム部110の長手方向端部を介してLEDモジュール120まで接続される。
なお、第1電線500cと第2電線500eとは、電線保持部材160、第2電線クランプ170、第1電線クランプ180を用いてフレーム部110に保持される。
【0022】
<照明器具200>
照明器具200は、器具本体210と、器具本体210の両端部に取り付けられる端板部220とを備える。
器具本体210は、コの字状に折り曲げられて形成され、長手方向に延びた凹部211を備える。器具本体210は、板金が折り曲げられて形成される。
【0023】
凹部211は、長手方向に延びた底面部211aと、底面部211aの短手方向の両端部から立ち上がる側面部211bとを備える。また、凹部211は、側面部211bの先端部を開口縁部211baとする開口部211cが形成される。
また、器具本体210は、開口縁部211baから取付側に向かって広がるように形成された傾斜部211dを備える。
【0024】
図3に示すように、凹部211の底面部211aには、端子台240と、2つのバネ230が設置される。端子台240は、電源端子台である。あるいは、端子台240は信号端子台でも構わない。バネ230は、上述した光源ユニット100が備える取付具150に対応する位置に配置される。また、
図2に示すように、光源ユニット100が照明器具200に取り付けられた状態では、光源ユニット100が備える電源装置140の少なくとも一部が開口部211cから凹部211に挿入される。
【0025】
図示はないが、端子台240には外部電源に接続される電源電線500aが接続される。また、図示はないが、端子台240には照明器具200を長手方向に連結した場合に隣接する照明器具に電力や信号を送る送り電線500bが接続される。よって、凹部211内には、電源電線500aや送り電線500b等が配設される。
また、
図3に図示はないが、底面部211aには、電源電線500aを通過させる電源線挿入孔250、天井のような取付部300から吊下げられている吊ボルト400を挿入させるボルト挿入孔251等の各種の孔2501が形成されている。
【0026】
<光源ユニット100が照明器具200に取り付けられた状態>
図2に示すように、光源ユニット100は、基板取付面部111aの裏面である装置取付面部111dを凹部211の底面部211aに対向させて凹部211に取り付けられる。また、光源ユニット100は、また、カバー側部131を開口縁部211baに対向させて凹部211に取り付けられる。
このとき、カバー側部131と開口縁部211baとの間に隙間部190が形成される。
【0027】
カバー130は、発光素子120aに対向するカバー本体132を備える。カバー本体132は、短手方向両側のカバー側部131の下端部から連続して形成される。
カバー側部131は、カバー係合部1311とカバー側面部1313とを備える。また、カバー側面部1313はカバー延出部1312を備える。
カバー係合部1311は、立上部112を覆って立上部112と係合する。カバー側面部1313は、カバー本体132の短手方向の端部から連続して基板取付面部111aに向かって形成される。カバー延出部1312は、カバー係合部1311とカバー側面部1313との間に形成され、凹部211の中央部から離れる向きに突出する。
隙間部190は、カバー延出部1312と開口縁部211baとの間に形成される。
【0028】
カバー係合部1311は、カバー側面部1313の上部の内側に立上部112に沿って形成される。
カバー側面部1313は、カバー係合部1311の外側部に上端部が接合され、カバー本体132の短手方向端部に下端部が接合される。
カバー延出部1312は、光源ユニット100が照明器具200に取り付けられた状態で、カバー側面部1313がカバー係合部1311の外側部に接合された部分から開口縁部211baに向かって突出する。
【0029】
隙間部190は、数ミリ程度が好ましく、1mmから5mm程度が好ましい。2mmから4mmが特に好ましい。なお、隙間部190は、上記の数値以外でも構わない。
【0030】
凹部211の底面部211aには、電源線挿入孔250、ボルト挿入孔251等の孔2501が形成される。
隙間部190から凹部211の内部に流入した空気が底面部211aに形成された孔2501から流出する。凹部211の内部に空気の流路が形成される。
なお、凹部211の底面部211aには、電源線挿入孔250、ボルト挿入孔251等の孔2501が形成されているが、電源線挿入孔250、ボルト挿入孔251以外にも、空気の流路を形成する目的で孔を形成してもよい。
【0031】
開口縁部211baは、凹部211の中央部から離れる向きに滑らかに湾曲した湾曲部211bbを有する。湾曲部211bbは、凹部211の側面部211bが外側に湾曲されて形成されている。
また、カバー延出部1312は、湾曲部211bbに向かって突き出す曲面を形成する。
このように、隙間部190は、短手方向の両側が曲面により構成されているので、空気が流れ易い形状となっている。
【0032】
<光源ユニット100の照明器具200への取り付け工程>
次に、照明器具200に光源ユニット100を取り付ける取り付け工程について説明する。照明器具200の天井等の取付部300への取り付けは、天井からつり下げられている吊ボルト400に固定する方法、ネジといった固定具により直接天井に固定する方法がある。
【0033】
照明器具200を取付部300に取り付ける際、天井から引き出される電源電線500a、すなわちFケーブルを、電源線挿入孔250を介して照明器具200の凹部211内に引き込み、端子台240に接続する。
次に、バネ230を光源ユニット100の取付具150と係合させ、光源ユニット100と照明器具200との間に作業空間が存在する状態で、端子台240のハーネス500dのコネクタ502と、電源装置140の第1電線500cのコネクタ501とを接続する等の作業が行われる。その後、光源ユニット100を照明器具200に向かって押し上げ、光源ユニット100が照明器具200に取り付けられる。
【0034】
<切欠き195の説明>
LEDモジュール120は、基板120bの実装面(表面)に発光素子120aと配線パターン120cが配置されてり、非実装面(裏面)が基板取付面部111aと当接した状態でフレーム部110の基板取付面部111aに取り付けられる。すなわち、フレーム部110は、基板120bと接した状態で基板120bを取り付ける。発光素子120aの動作熱は、非実装面(裏面)からフレーム部110に伝達される。
【0035】
図7及び
図8に示すように、フレーム部110は、外周の縁部であるフレーム縁部1105が切り欠かれた切欠き195が形成され、基板120bの周縁部である基板周縁部1205の少なくとも一部が切欠き195に重なった状態で基板120bを取り付けている。
フレーム部110は、外周の縁部であるフレーム縁部1105のうち長手方向端部のフレーム縁部1105が切り欠かれた切欠き195が形成される。また、基板周縁部1205のうち長手方向端部の基板周縁部1205が切欠き195の縁部に重なった状態で基板120bが取り付けられている。
【0036】
フレーム部110は、平面部111の長手方向における両端の一部が切り欠かれた切欠き195が形成されている。
図4から
図6では、図に向かってフレーム部110の右側端部にのみ切欠き195が表されているが、左側端部にも切欠き195が形成される。ただし、
図4から
図6では、左側端部の切欠き195はハーネスクランプである第2電線クランプ170に覆われており、視認できない。切欠き195は平面部111の短手方向における中央寄りに形成されている。本実施の形態における切欠き195は、長手方向の両端側が開放した略コの字型に形成されている。
【0037】
切欠き195は、基板取付面部111aに取り付けられた基板120bの長手方向における両端よりもさらに長手方向中央側まで切り欠かれて形成されている。すなわち、基板周縁部1205の長手方向端部が切欠き195にかかっている。切欠き195は、基板120bの長手方向の両端側に実装された発光素子120aといった電子部品、又は、電子部品を電気接続するために基板120bの長手方向における最も端に敷設された配線パターン120cよりも長手方向中央側まで切り欠かれて形成されている。
つまり、
図9及び
図10に示すように、切欠き195は、基板取付面部111aに取り付けられた基板120bの長手方向における最も端よりの導電部よりも長手方向中央側まで切り欠かれて形成されている。このため、基板120bは、非実装面のうち長手方向における両端側の一部の領域が基板取付面部111aと当接しない状態でフレーム部110に取り付けられる。
【0038】
図11は、本実施の形態に係る光源ユニット100の効果を説明する図であり、(a)は本実施の形態の構成、(b)は比較のために用いる比較用構成を示した図である。
フレーム部110は、基板周縁部1205のうち発光素子120aを含む導電部との距離が基準寸法Lthより小さくなる部分が切欠き195に重なった状態で基板120bを取り付けている。より詳しくは、フレーム部110は、基板周縁部1205のうち発光素子120aを含む導電部との距離と基板の厚さ寸法Tとを足した値が基準寸法Lthより小さくなる部分が切欠き195に重なった状態で基板120bを取り付けている。基準寸法Lthは、基準沿面距離ともいう。なお、基準寸法Lthは、基板120bの厚さ寸法Tよりも大きい寸法であるものとする。
【0039】
図11の(a)に示すように、本実施の形態における発光素子120aとフレーム部110との沿面距離Lnは、Ln=Ls+T+Lbである。Lsは、基板周縁部1205と発光素子120a等の導電部との距離である。すなわち、基板120bの長手方向の端部と端部に一番近い実装面の最端側に実装された発光素子120a等の導電部との距離(実装面側沿面距離)である。Tは、基板120bの厚さ寸法である。Lbは、基板120bの長手方向の端部と非実装面に当接するフレーム部110との最短距離(非実装面側沿面距離)である。非実装面側沿面距離Lbは、切欠き195が形成されたことによって得られる沿面距離である。
よって、
図11の(a)の光源ユニット100によれば、非実装面側沿面距離Lbを調整することによって、基準寸法Lth以上の沿面距離Lnを得ること、すなわちLth≦Ln=Ls+T+Lbとすることができるので、発光素子120aを基板120bの長手方向の端微に近接させて配置することができ、長手方向における端部側の明るさを向上させることができる。また、本実施の形態の光源ユニット100は、この光源ユニット100を長手方向に複数連結配置した場合には、連結部を含む長手方向全体の明るさを均一なものとすることができる。
【0040】
これに対して、
図11の(b)に示すように、比較用構成における発光素子120aとフレーム部110との沿面距離Loは、実装面側沿面距離Lsと基板120bの厚さ寸法であるTとを加えた距離である。すなわち、Lo=Ls+Tである。よって、沿面距離Loが基準寸法Lth以上となるように基板120bを配置する必要があり、基板120bの配置が制限されてしまう。
【0041】
***本実施の形態の効果の説明***
以上のように、本実施の形態の光源ユニットは、一面に光源が実装される電極部と電極部に接続される配線パターンとを含む導電部が形成された基板を備える。また、基板が一面側と対向する他面を当接させた状態で取付けられる基板取付面部が形成されたフレーム部を備える。また、光源ユニットは、基板の導電部から一面における外周端部までの距離が予め定められた基準寸法Lthを下回る第1寸法である場合に、フレーム部の基板配置部は、基板の他面における外周端部を基準として、基準寸法Lthと第1寸法との差である第2の寸法で定義される領域に基板の他面が当接しない非当接部を設けている。また、基板には、列状に光源が実装されるように電極部が基板の一面に形成され、基準寸法Lthは基板の一面に列状に実装されて隣接する光源同士の距離よりも小さい寸法である。
【0042】
本実施の形態の光源ユニット100は、フレーム部110に切欠き195が形成されたことによって基板120bの非実装面側に非実装面側沿面距離Lbを備えたので、外部から侵入する雷サージといった外来ノイズに対する電気絶縁耐性を向上させることができる。このため、発光素子120aが外来ノイズによって損傷したり性能が劣化したりするおそれが少なくなる。
【0043】
また、本実施の形態の光源ユニット100は、非実装面側沿面距離Lbを調整することによって、基準寸法Lth以上の沿面距離Lnを得ること、すなわちLth≦Ln=Ls+T+Lbとすることができるので、発光素子120aを基板120bの長手方向の端微に近接させて配置することができ、長手方向における端部側の明るさを向上させることができる。また、本実施の形態の光源ユニット100は、この光源ユニット100を長手方向に複数連結配置した場合には、連結部を含む長手方向全体の明るさを均一なものとすることができる。
【0044】
また、本実施の形態の光源ユニット100は、切欠き195によってフレーム部110の使用量を減らすことができ、軽量化及び資材コスト低減につながる。
さらに、本実施の形態の光源ユニット100は、非実装面側沿面距離Lbを調整することによって、基準寸法Lth以上の沿面距離Lnを得ること、すなわちLth≦Ln=Ls+T+Lbとすることができるので、絶縁シートといった絶縁部材を具備する必要が無く、軽量化及び資材コスト低減につながる。
【0045】
***他の構成***
本実施の形態では、切欠きはフレーム部の長手方向の端部に形成されていたが、長手方向の端部に限らずフレーム部の側部に形成されていてもよい。
また、本実施の形態では、長尺の照明装置について説明したが、長尺の照明装置でなくても本実施の形態を適用することができる。具体的には、円形、略正方形、略正多角形といった基板をフレーム部に取り付ける場合でも、基板の周縁部において導電部からの沿面距離が基準寸法Lthを満たすように、フレーム部のフレーム縁部に切欠きを形成してもよい。すなわち、フレーム部は、基板周縁部のうち発光素子といった導電部との距離Lsと基板の厚さ寸法Tとを足した値が基準寸法Lthより小さくなる部分が、フレーム部の切欠きに重なった状態で基板を取り付けていればよい。
【0046】
実施の形態2.
本実施の形態では、主に、実施の形態1と異なる点について説明する。
実施の形態1の光源ユニット100では、1枚の基板120bからなるLEDモジュール120が基板取付面部111aに取り付けられていた。本実施の形態では、長手方向に連結された2つのLEDモジュール1201,1202を取り付ける光源ユニット100xと、この光源ユニット100xが取り付けられた照明器具200xとを備える照明装置10xについて説明する。
本実施の形態において、実施の形態1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。また、本実施の形態において添え字xが付された符号の構成は、実施の形態1で説明した添え字xが付されていない符号の構成に対応するものであり、基本的な構成は同様であるものとする。
【0047】
***構成の説明***
以下の
図12から
図18を用いて、本実施の形態に係る照明装置10xの構成について説明する。
図12は、本実施の形態に係る照明装置10xの斜視図である。
図13は、本実施の形態に係る照明装置10xの分解斜視図である。
図14は、本実施の形態に係る照明器具200xの構成を説明する部分拡大図である。
図15は、本実施の形態に係る照明装置10xの図で、光源ユニット100xの照明器具200xに対する取り付け過程を示す図であり、(a)は全体を示す正面図、(b)は詳細を示す側面図、(c)は詳細を示す正面図である。
図16は、本実施の形態に係る光源ユニット100xの斜視図である。
図17は、本実施の形態に係る光源ユニット100xを示す図であり、(a)は5面図、(b)は主要な内部構造を示す断面図である。
図18は、本実施の形態に係る光源ユニット100xの結線図である。
【0048】
<照明装置10x>
本実施の形態に係る照明装置10xは、照明器具200xと光源ユニット100xとを備える。上述したように、光源ユニット100xは、長手方向に連結された2つのLEDモジュール1201,1202を取り付ける。したがって、照明装置10xは、長手方向の長さが実施の形態1で説明した照明装置10の約2倍である。照明装置10xの長さの具体例は、概ね8フィートである。
【0049】
図13に示すように、底面部211aには、電源電線500aを通過させる電源線挿入孔250、天井等から吊下げられている吊ボルト400を挿入させるボルト挿入孔251等の各種の孔2501が形成されている。
【0050】
<光源ユニット100x及び照明器具200x>
照明具である光源ユニット100xは、長手方向に隣接して配置された2つのLEDモジュール120をフレーム部110に取り付ける。ここで、2つのLEDモジュール120をLEDモジュール1201,1202とする。すなわち、光源ユニット100xは、長手方向に連結された2枚の基板120bと、各基板120bに実装された発光素子120aとをフレーム部110の基板取付面部111aに備える。
【0051】
光源ユニット100xは、フレーム部110、2つのLEDモジュール120(LEDモジュール1201,1202)、カバー130、2つの電源装置140(電源装置1401,1402)、3つの取付具150(取付具1501,1502,1503)を有する。LEDモジュール1201,1202の各々の構成は、実施の形態1で説明したLEDモジュール120の構成と同様である。電源装置1401,1402の各々は、実施の形態1で説明した電源装置140と同様である。ただし、
図18に示すように、電源装置1401はLEDモジュール1201に電力を供給し、電源装置1402はLEDモジュール1202に電力を供給する。
【0052】
フレーム部110は、実施の形態1と同様に、長尺状の平板である平面部111と、この平面部111の短手方向の両端が折り曲げられて形成される立上部112とを有し、短手方向に切る断面が略コ字形状である。フレーム部110は、基台、モジュールフレーム、プレートとも称される。
また、実施の形態1と同様に、基板取付面部111aには、基板120bを備えるLEDモジュール1201と、同様に基板120bとを備えるLEDモジュール1202とが取り付けられる。また、基板取付面部111aの裏面である装置取付面部111dには、LEDモジュール1201に点灯電力を供給する電源装置1401とLEDモジュール1202に点灯電力を供給する電源装置1402とが取り付けられる。装置取付面部111dには、さらに、3つの取付具1501,1502,1503が取り付けられる。なお、3つの取付具1501,1502,1503の各々は、実施の形態1で説明した取付具150と同様である。
【0053】
図16に示すように、電源装置1401及び電源装置1402は、平面部111の長手方向の中心と両端側との間の領域に1ずつ配置されるように取り付けられている。
3つの取付具1501,1502,1503は、平面部111の長手方向の両端側に2つが、中央側に1つがそれぞれ取り付けられている。3つの取付具1501,1502,1503は、1つが平面部111の電源装置1401と電源装置1402との間に配置されており、2つは平面部111の電源装置1401より外側と電源装置1402より外側とに、それぞれ1つずつ配置されている。
【0054】
図13、
図14及び
図15の(a)に示すように、照明器具200xは、3つの取付具1501,1502,1503に対応する3つのバネ2301,2302,2303を備える。3つの取付具1501,1502,1503は、3つのバネ2301,2302,2303とそれぞれ係合し、光源ユニット100xを照明器具200xに固定する。
【0055】
ここで、光源ユニット100xが有する3つの取付具1501,1502,1503が取付けられる平面部111の位置は、3つの取付具1501,1502,1503が照明器具200xが有する3つのバネ2301,2302,2303とそれぞれ係合した場合に、光源ユニット100xが照明器具200xの長手方向における略中心に配置されるように調整される。
すなわち、光源ユニット100xが照明器具200xに固定されたときに、光源ユニット100xの長手方向における応力が均衡するように、中央部の取付具1502が配置される位置は光源ユニット100xの長手方向におけるいずれかの端部側にオフセットされる。なお、取付具1502とともに照明器具200xの中央部の板バネ2302が照明器具200xの長手方向におけるいずれかの端部側にオフセットされてもよいし、照明器具200xの中央部の板バネ2302のみが照明器具200xの長手方向におけるいずれかの端部側にオフセットされてもよい。
このようにオフセットすることによって、中央部の取付具1502、板バネ2302の向きに依存した長手方向における応力の不均衡を解消することができるので、照明装置10xは、長手方向のいずれの端部においても光源ユニット100xと照明器具200xとの間に隙間を生じさせることがない。
【0056】
なお、3つのバネ2301,2302,2303の各々は、実施の形態1で説明したバネ230と同様である。
【0057】
<光源ユニット100xの照明器具200xへの取り付け工程>
図14から
図17を用いて、光源ユニット100xの照明器具200xへの取り付け工程について説明する。
図14は、3つのバネ2301,2302,2303を照射側に引き出した様子を示している。バネ230の下端部を取付具150のバネ挿入孔152に挿入する。実際に光源ユニット100xを取付ける際におけるバネ挿入孔152に挿入する順番は、一方の端部のバネ、中央部のバネ、他方の端部のバネの順である。全てのバネ230の下端部を取付具150のバネ挿入孔152に挿入した後に、端子台240と電源装置140との結線等を行う。必要な結線が完了したら、光源ユニット100xを照明器具200x側に押し上げて、光源ユニット100xを照明器具200xに取り付ける。
【0058】
<光源ユニット100xの結線>
図18は、照明装置10xの結線状態を示す図である。
上述したように、光源ユニット100xは、2系統の点灯装置(電源装置+LEDモジュール)を有する。2つのLEDモジュール1201,1202の各々は、光源ユニット100xの端部側から点灯電力が供給される。本実施の形態では、2つのLEDモジュール間は相互に電気接続されていない。
各電源装置の端子1と端子2は器具の配線を経由して供給される商用交流電源を受電する受電端、端子3と端子4はLEDモジュールに点灯電力を給電する給電端、端子5と端子6は照明装置の外部から照明装置を制御する制御信号が入力される制御信号入力端である。
【0059】
<開口196の説明>
以下の
図19から
図23を用いて、本実施の形態に係る光源ユニット100xの構成について説明する。
図19は、本実施の形態に係る光源ユニット100xの中央部及び両端部を示す部分拡大図である。
図20は、本実施の形態に係るフレーム部110とLEDモジュール1201,1202の関係を示す図であり、照射側から見た図である。
図21は、本実施の形態に係るフレーム部110とLEDモジュール1201,1202の関係を示す図であり、取付側から見た図である。
図22は、本実施の形態に係るフレーム部110とLEDモジュール1201,1202の関係を示す図であり、
図20又は
図21のD−D断面図である。
図23は、本実施の形態に係るフレーム部110とLEDモジュール1201,1202の関係を示す図であり、
図20又は
図21のE−E断面図である。
【0060】
図19から
図21に示すように、光源ユニット100xの両端部および中央部の拡大図に、LEDモジュール1201,1202の正規配置領域(破線部分)を示している。中央部の配線、粘着テープは図示を省略している。
本実施の形態では、フレーム部110は、両端部の切欠き195に加え、中央部に開口196が形成される。すなわち、フレーム部110は、基板120bが2つ並べられた状態で基板120bを取り付け、2つ並べられた基板120bの隣接部分Q1に対向した位置に開口196が形成されている。
また、LEDモジュール1201,1202の4隅近傍に対向する位置に、貫通孔197が形成される。つまり、貫通孔197は8か所に形成される。
図22は、
図21のD−D断面である。
図21では3箇所のD−D断面で切るように示しているが、どの位置においても
図22のように表される。
【0061】
図23に示すように、開口196は、中央部におけるLEDモジュール1201とLEDモジュール1202との隣接部分Q1に位置するように形成される。開口196には、LEDモジュール1201の中央部側の端部とLEDモジュール1202の中央部側の端部とが臨むように、LEDモジュール1201とLEDモジュール1202とが配置される。
【0062】
***本実施の形態の効果の説明***
図24は、本実施の形態に係る光源ユニット100xの効果を説明する図であり、(a)は本実施の形態の構成、(b)は比較のための構成を示した図である。
図24の(a)に示すように、本実施の形態の光源ユニット100xは、非実装面側沿面距離Lbを調整することによって、基準寸法Lth以上の沿面距離Lnを得ること、すなわちLth≦Ln=Ls+T+Lbとすることができるので、発光素子120aを基板120bの長手方向の端微に近接させて配置することができ、長手方向における端部側の明るさを向上させることができる。
図24の(a)に示すように、光源ユニット100xを長手方向に複数連結配置した場合には、連結部である隣接部分Q1を含む長手方向全体の明るさを均一なものとすることができる。
【0063】
また、本実施の形態の光源ユニット100xは、開口196によってフレーム部110の使用量を減らすことができ、軽量化及び資材コスト低減につながる。
さらに、本実施の形態の光源ユニット100xは、非実装面側沿面距離Lbを調整することによって、基準寸法Lth以上の沿面距離Lnを得ること、すなわちLth≦Ln=Ls+T+Lbとすることができるので、絶縁シートといった絶縁部材を具備する必要が無く、軽量化及び資材コスト低減につながる。
【0064】
以上のように、本実施の形態に係る光源ユニット100x及び照明装置10xによれば、長手方向において、LEDの配置領域を拡大させることができ、灯具の長手端部側からの光の照射量が向上し、照射空間を均一に照射させることができる。2つの基板の接続領域についてもLEDの配置領域を拡大させることができ、灯具の長手端部側からの光の照射量が向上し、照射空間を均一に照射させることができる。
【0065】
実施の形態3.
本実施の形態では、主に、実施の形態2と異なる点について説明する。
本実施の形態において、実施の形態1,2と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0066】
***構成の説明***
図25は、本実施の形態に係る光源ユニット100xの構成を説明する部分拡大図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
本実施の形態では、開口196が切り起こしにより形成されているフレーム部110について説明する。本実施の形態のフレーム部110では、開口196が切り起こしにより形成されており、開口196から取付側に突出した切起こし部1961を備える。すなわち、フレーム部110は、一部が基板120bの取付方向に突き出した突き出し部であって開口を形成した突き出し部を備える。切起こし部1961は突き出し部の一例である。
【0067】
実施の形態1,2ではフレーム部110に形成される切欠き195及び開口196により、LEDモジュール120の実装面側の導電部とフレーム部110との沿面距離を確保していた。本実施の形態では、フレーム部110を取付側に切り起こすことによって形成される開口196により沿面距離を確保する。
【0068】
また、切起こし部1961には、ネジ穴1962が形成される。
フレーム部110の装置取付面部111dに切起こし部1961及びネジ穴1962を設け、バネ取付金具、電源装置といった部品を固定するために有効活用することができる。部品の固定に金属製のネジ(不図示)を用いる場合には、先端部とLEDモジュールの導電部(活電部)との絶縁空間距離に配慮し、ネジや切起こしの寸法を選択する。部品の固定は、ネジ以外の固定手段でもよい。具体的には、リベット、クリップでもよい。
【0069】
***本実施の形態の効果の説明***
本実施の形態によれば、切り起こされた切起こし部1961のネジ穴1962を、フレーム部110の取付側に配置されるバネ取付金具、電源装置、配線固定具といった部品の取付けに用いることができる。また、フレーム部110は、フレーム以外の構造体が取り付けられることによって、剛性が増し、光源ユニット100xの強度が向上する。
【0070】
実施の形態4.
本実施の形態では、主に、実施の形態1とは異なる点について説明する。
本実施の形態において、実施の形態1から3と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態では、フレーム部110Aは、短手方向の中央部が基板120bの側に長手方向に沿って突き出た台部198を備える。本実施の形態の光源ユニット100Aでは、基板120bは台部198に接した状態でフレーム部110Aに取り付けられる。
光源ユニット100A及びフレーム部110Aは、実施の形態1で説明した光源ユニット100及びフレーム部110に対応する。実施の形態1と異なる点はフレーム部110Aが台部198を備える点である。
【0071】
図26から
図28を用いて、本実施の形態に係る光源ユニット100Aの構成について説明する。
図26は、本実施の形態に係るフレーム部110AとLEDモジュール120を示す図であり、照射側から見た図である。
図27は、
図26のG−G断面図である。
図28は、
図26のF−F断面図である。
【0072】
本実施の形態に係るフレーム部110Aは、LEDモジュール120が取り付けられる基板取付面部111aに台部198を備える。台部198は、基板取付面部111aにおいてLEDモジュール120と対向する領域に形成される。
図26から
図28に示すように、台部198の上面が基板120bの非実装面と接している。台部198の上面の面積は、基板120bの面積よりも小さく形成される。
なお、本実施の形態では、
図26に示すように、発光素子120aが2列に実装されたLEDモジュール120を用いている。したがって、本実施の形態のLEDモジュール120では、長手方向端部の沿面距離の確保に加え、短手方向端部における沿面距離の確保が必要になる。
【0073】
***本実施の形態の効果の説明***
図29は、本実施の形態に係る光源ユニット100Aの効果を説明する図であり、(a)は本実施の形態の構成、(b)は比較のための構成を示した図である。
図29の(a)に示すように、本実施の形態の光源ユニット100Aは、非実装面側沿面距離Lbを調整することによって、基準寸法Lth以上の沿面距離Lnを得ること、すなわちLth≦Ln=Ls+T+Lbとすることができるので、発光素子120aを基板120bの短手方向の端微に近接させて配置することができ、短手方向における端部側の明るさを向上させることができる。
【0074】
また、本実施の形態の光源ユニット100Aは、台部の上面の面積を調整することにより、基板の短手方向の長さを短くすることができるので、軽量化及び資材コスト低減につながる。
さらに、本実施の形態の光源ユニット100は、非実装面側沿面距離Lbを調整することによって、基準寸法Lth以上の沿面距離Lnを得ること、すなわちLth≦Ln=Ls+T+Lbとすることができるので、絶縁シートといった絶縁部材を具備する必要が無く、軽量化及び資材コスト低減につながる。
【0075】
以上のように、本実施の形態に係る光源ユニット100及び照明装置10によれば、短手方向において、LEDの配置領域を拡大させることができ、灯具の長手端部側からの光の照射量が向上し、照射空間を均一に照射させることができる。
【0076】
実施の形態5.
本実施の形態では、主に、実施の形態1から4の説明に追加する点について説明する。
本実施の形態において、実施の形態1から4と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0077】
***構成の説明***
以下の
図30から
図35を用いて、本実施の形態に係る光源ユニット100について説明する。
図30は、本実施の形態に係る光源ユニット100の部分拡大斜視図である。
図31は、本実施の形態に係るカバー130の部分拡大斜視図である。
図32は、本実施の形態に係る光源ユニット100の部分拡大平面図である。
図33は、本実施の形態に係る光源ユニット100の部分拡大断面図である。
図34は、本実施の形態の作用効果を説明する図である。
図35は、本実施の形態の変形例を説明する図である。
【0078】
図2,3及び
図30から
図33に示すように、光源ユニット100は、発光素子120aが実装された長形の基板120bを覆うカバー130を備える。
カバー130は、基板120bの照射側を覆うカバー本体132とカバー本体132の長手方向の端部を覆うカバー端部135とを備える。
また、照明器具200は、光源ユニット100を取り付ける長形の凹部211を備える。
カバー端部135は、凹部211に光源ユニット100が取り付けられた状態で凹部211の長手方向の端部である凹部端部2111に対向した端部対向部1351を備える。端部対向部1351は、凹部211から離れる方向に傾斜したカバー傾斜部1352を有する。凹部211は光源ユニット100を取り付ける光源取付部201の一例である。また、凹部端部2111は、端部対向部1351が向かう先である光源取付部201の長手方向の端部の一例である。すなわち、カバー端部135は、光源取付部201に光源ユニット100が取り付けられた状態で光源取付部201の長手方向の端部である凹部端部2111に対向した端部対向部1351を備える。端部対向部1351は、光源取付部201から離れる方向に傾斜したカバー傾斜部1352を有する。
【0079】
カバー端部135は、カバー130の端部を塞ぐ部分である端面部1354と、凹部端部2111と対向する端部対向部1351とを備える。端面部1354と端部対向部1351との境界部分近傍には、端部対向部1351が長手方向の端部側に向かって徐々に凹部端部2111から離れるように形成されたカバー傾斜部1352が形成される。つまり、カバー傾斜部1352は、端部対向部1351が長手方向の端部側に向かって徐々に照射側に傾斜している部分である。カバー傾斜部1352は、緩やかな曲面を成しつつ照射側に傾斜している。
【0080】
***本実施の形態の効果の説明***
本実施の形態では、実施の形態1の照明装置10及び光源ユニット100の端部を用いて説明したが、長手方向の寸法がより長い光源ユニット100xの場合、カバー130の伸縮の量が大きくなる。
図34及び
図35では、実施の形態2の照明装置10x及び照明器具200xを用いて説明する。本実施の形態は、実施の形態1の構成であっても実施の形態2の構成であっても適用可能である。
【0081】
図34に示すように、照明装置10xには、照明器具200xと光源ユニット100xとの長手方向のクリアランスLc分だけ、カバー130は伸張可能である。
また、
図34の状態から、照明器具200xの端部の照射側の面である凹部端部2111とカバー130とが重なる寸法Ll以上、カバー130が縮む場合もある。Ll以上カバー130が縮むと、カバー130の端部対向部1351の角部分が凹部端部2111の周縁等に引っ掛かるおそれがある。そして、カバー130が再び伸びた場合に、カバー130が破損するおそれがある。特に、カバー130が寒冷な環境にさらされると縮みの量が大きくなる。
本実施の形態に係るカバー130によれば、カバー端部135の端部対向部1351にカバー傾斜部1352が形成されているので、一度大きく縮んだ状態から再び伸びる方向に変形する過程で、カバー端部135が照明器具200に引っ掛かり難くなる。
図34に示すように、カバー傾斜部1352は、凹部端部2111に対して角度θだけ照射側に傾斜しているので、カバー130の端部対向部1351の角部分が凹部端部2111の周縁に引っ掛かり難くなる。
【0082】
***他の構成***
図35では、端部に向かって徐々に照射側に傾斜する凹部端部2111を示している。
照明器具200xは、凹部211に光源ユニット100xが取り付けられた状態で光源ユニット100の側に傾斜した器具傾斜部2111aを長手方向の端部に備える。器具傾斜部2111aは、カバー傾斜部1352に沿って傾斜している。すなわち、照明器具200xの凹部端部2111は、カバー傾斜部1352に沿って傾斜した器具傾斜部2111aを備える。具体的には、凹部端部2111はカバー傾斜部1352の傾斜の角度θと略同一の傾斜角で傾斜した器具傾斜部2111aを有する。
図35の照明装置10xの凹部端部2111は、照射側に傾斜する器具傾斜部2111aを有しているので、長手方向の端部におけるカバー130と照明器具200との隙間を目立たなくすることができる。また、塵埃あるいは虫といった不要物の侵入を防ぐことができる。
【0083】
実施の形態6.
本実施の形態では、主に、実施の形態5の説明に追加する点について説明する。
本実施の形態において、実施の形態1から5と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0084】
***構成の説明***
以下に、
図30から
図33を用いて、本実施の形態に係る光源ユニット100について説明する。
本実施の形態では、フレーム部110の長手方向の端部を基準にして、カバー130のカバー端部135がフレーム部110の長手方向の端部の外側に配置されるように取付位置を規制する突起部1353が形成されている。突起部1353は、位置決め突起ともいう。
【0085】
図4から
図6及び
図30から
図33に示すように、カバー130は、基板120bを覆ったカバー本体132とカバー本体132の長手方向の両端部を覆った一対のカバー端部135とを有する。カバー130は、一対のカバー端部135の各々からカバー本体132の長手方向の中央部に向かって突き出た突起部1353を備える。
図6に示すように、フレーム部110は、一対のカバー端部135うち一方のカバー端部135から突き出た一方の突起部1353と、他方のカバー端部135から突き出た他方の突起部1353との間に配置された状態で、カバー130に取り付けられる。
【0086】
図30及び
図31に示すように、突起部1353は、カバー130の端部対向部1351の一部が取付側に突出すると共に、長手方向中央側に突出することにより形成される。突起部1353は、端部対向部1351の長手方向中央側の端部の2箇所から取付側及び長手方向中央側に突出する。つまり、カバー130は、突起部1353として一方のカバー端部135に2つの突起部1353を有し、他方のカバー端部135に2つの突起部1353を有し、合計4つの突起部1353を有する。なお、突起部1353は、端部対向部1351の長手方向中央側の端部の3箇所あるいは4箇所に設けてもよい。
【0087】
図32に示すように、カバー130が縮んだ場合でも突起部1353と第2電線クランプ170とが干渉しないように、第2電線クランプ170には突起部1353に対応する位置に凹み1701が形成される。
【0088】
図32に示すように、P1ラインは、カバー本体132の長手方向の端部を示す。P2ラインは、フレーム部110の長手方向の端部を示す。P3ラインは、突起部1353の長手方向の中央部側の端部を示す。すなわち、P3ラインは、突起部1353のガイド面を示す。
図32に示すように、突起部1353により、カバー端部135がフレーム部110の長手方向端部の外側に位置するように、フレーム部110の長手方向端部がガイドされる。
【0089】
図31の状態のカバー130に、LEDモジュール120、電源装置140、各種クランプといった部品を実装したフレーム部110が取り付けられる。そのとき、
図32及び
図33に示すように、フレーム部110と突起部1353のガイド面(P3ライン)との間に、適切なクリアランスLdを生じさせることができる。
【0090】
***本実施の形態の効果の説明***
図33に示すように、本実施の形態に係る光源ユニット100では、カバー端部135が突起部1353を備えているので、フレーム部110の長手方向の端部の位置(P2ライン)が突起部1353のガイド面(P3ライン)よりも内側に規制される。よって、本実施の形態に係る光源ユニット100によれば、長手方向の一方側に偏ることなくフレーム部110をカバー130に取り付けることができる。
【0091】
実施の形態7.
本実施の形態では、主に、実施の形態1から6で説明した照明装置10,10xの変形例である照明装置10B,10C,10D,10E,10Fについて説明する。
本実施の形態において、実施の形態1から6と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0092】
図36は、本実施の形態に係る照明装置10Bの斜視図である。また、
図37は、
図36に示す照明装置10BのB−B断面図である。
照明装置10Bは、直付けタイプである。照明装置10Bは、照明器具200Bの形状が照明装置10の照明器具200と異なる。また、照明装置10Bは、照明器具200Bが光を反射させる構成を備えていないトラフタイプの照明装置である。
【0093】
図38は、本実施の形態に係る照明装置10Cの斜視図である。また、
図39は、
図38に示す照明装置10CのB−B断面図である。
照明装置10Cは、直付けタイプである。照明装置10Cは、照明器具200Cの形状が照明装置10の照明器具200と異なる。また、照明装置10Cは、照明器具200Cの傾斜部211dCが凹部211の開口縁部211baから下方に向かって広がるように形成された反射笠タイプの照明装置である。
【0094】
図40は、本実施の形態に係る照明装置10Dの斜視図である。また、
図41は、
図40に示す照明装置10DのB−B断面図である。
照明装置10Dは、天井面のような取付部300に形成された取付孔に埋め込まれて取り付けられる埋込タイプの照明装置である。照明装置10Dは、照明器具200Dの形状が照明装置10の照明器具200と異なる。照明装置10Dの短手方向の幅LDは、例えば150mmである。
【0095】
図42は、本実施の形態に係る照明装置10Eの斜視図である。また、
図43は、
図22に示す照明装置10EのB−B断面図である。
照明装置10Eは、埋込タイプの照明装置である。照明装置10Eは、照明器具200Eの形状が照明装置10の照明器具200と異なる。照明装置10Eの短手方向の幅LEは、照明装置10Dの短手方向の幅LDの0.6〜0.7倍である。照明装置10Eの短手方向の幅LEは、例えば、100mmである。
【0096】
図44は、本実施の形態に係る照明装置10Fの斜視図である。また、
図45は、
図24に示す照明装置10FのB−B断面図である。
照明装置10Fは、埋込タイプの照明装置である。照明装置10Fは、照明器具200Fの形状が照明装置10の照明器具200と異なる。照明装置10Fは、Cチャンネル回避型の照明装置である。照明装置10Fは、埋め込まれる照明器具200Fの高さHFが、
図41に示す照明器具200Dの高さHDや
図43に示す照明器具200Eの高さHEよりも低い。照明装置10Fの短手方向の幅LFは、照明装置10Eの短手方向の幅LEの1.8〜2.2倍である。照明装置10Fの短手方向の幅LFは、例えば、220mmである。
【0097】
なお、実施の形態1から4で説明した構成及び効果は、本実施の形態に係る照明装置10B,10C,10D,10E,10Fについて適用することができる。また、光源ユニットの伸縮を想定した実施の形態5,6で説明した構成及び効果は、本実施の形態に係る照明装置10B,10C,10Fについて適用することができる。
【0098】
実施の形態8.
本実施の形態では、主に、実施の形態1で説明した構成を直管形LEDランプである光源ユニット100yに応用する例について説明する。
本実施の形態において、実施の形態1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。また、本実施の形態において添え字yが付された符号の構成は、実施の形態1で説明した添え字yが付されていない符号の構成に対応する。
【0099】
図46は、本実施の形態に係る照明装置10yを示す図である。
本実施の形態において、照明装置10yは、光源ユニット100yと照明器具200yとを備える。
光源ユニット100yは、直管形LEDランプである。光源ユニット100yは、照明器具200yに取り付けられる。光源ユニット100yは、LEDモジュール120を取り付けるヒートシンクであるフレーム部110yと、LEDモジュール120が取り付けられたフレーム部110yを内部に収納する円筒形状のカバー130yとを備える。円筒形状のカバー130yは樹脂材料を用いて押出成形される。また、円筒形状のカバー130yはガラス材料が用いられてもよい。光源ユニット100yは、長手方向の両端部の各端部に口金5011を備える。
【0100】
照明器具200yは、長手方向の両端部の各端部に、光源ユニット100yの口金を取り付けるソケット5021を備える。また、照明器具200yの内部には、光源ユニット100yにソケット5021と口金5011とを介して電力を供給する電源装置140が収納されている。
【0101】
図47は、本実施の形態に係る光源ユニット100yを示す図であり、(a)はLEDモジュール120を取り付けるヒートシンクであるフレーム部110yの分解斜視図、(b)はLEDモジュール120を取り付けたヒートシンクであるフレーム部110yのH−H断面図である。
【0102】
フレーム部110yには、LEDモジュール120が取り付けられた場合に、基板120bの端部が位置する部分に貫通孔部199が形成される。貫通孔部199は、LEDモジュール120の長手方向の両側の端部に対応する位置に形成される。貫通孔部199には、基板120bの端部の少なくとも一部がかかるように基板取付面部111dyに形成される。
【0103】
本実施の形態に係る光源ユニット100yによれば、フレーム部110yに貫通孔部199を有しているので、実施の形態1の
図11で説明した効果と同様の絶縁効果を得ることができる。また、軽量化及び低コスト化の効果を得ることもできる。
なお、
図47の(a)(b)では、フレーム部110yの基板取付面部111dyに貫通孔を形成しているが、貫通しない凹み部であっても上記の効果を得ることができる。
【0104】
実施の形態9.
本実施の形態では、主に、実施の形態8の説明に追加する点について説明する。
本実施の形態において、実施の形態8と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0105】
図48は、本実施の形態に係る光源ユニット100yを示す図であり、(a)はLEDモジュール120を取り付けるヒートシンクであるフレーム部110yの分解斜視図、(b)はLEDモジュール120を取り付けたヒートシンクであるフレーム部110yのI−I断面図である。
【0106】
図48の(a)(b)に示すように、フレーム部110yには、LEDモジュール120が取り付けられた場合に、基板120bの長手方向に沿った側端部が位置する部分に溝状の隙間部1991が形成される。隙間部1991は、LEDモジュール120の短手方向の両側の側端部に対応する位置に長手方向に沿って形成される。隙間部1991は、隙間部1991の開口部分に基板120bの側端部が位置するように基板取付面部111dyに形成される。
【0107】
本実施の形態に係る光源ユニット100yでは、隙間部1991を絶縁空間として活用することができる。本実施の形態に係る光源ユニット100yによれば、フレーム部110yに溝状の隙間部1991を有しているので、基板120bの短手方向の両端部において実施の形態4の
図29で説明した絶縁効果と同様の効果を得ることができる。また、軽量化及び低コスト化の効果を得ることもできる。
【0108】
以上、本発明の実施の形態1から9について説明したが、これらの実施の形態の2つ以上を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態のうち、1つを部分的に実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態のうち、2つ以上を部分的に組み合わせて実施しても構わない。その他、これらの9つの実施の形態を、全体としてあるいは部分的に、可能な限りどのように組み合わせて実施しても構わない。
なお、上記の実施の形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
なお、上述した光源ユニット、照明器具、および照明装置は、いずれも長尺形状の例であるが、長尺形状に限らず、正方形、円形、多角形といった形状であっても本願発明が適用できる。