(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6902854
(24)【登録日】2021年6月24日
(45)【発行日】2021年7月14日
(54)【発明の名称】電力を生成するためガスタービンエンジンの高温部の外面に取り付けられた熱電アセンブリ
(51)【国際特許分類】
F02K 3/06 20060101AFI20210701BHJP
F02C 6/18 20060101ALI20210701BHJP
H02N 11/00 20060101ALI20210701BHJP
【FI】
F02K3/06
F02C6/18 Z
H02N11/00 A
【請求項の数】17
【外国語出願】
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-223950(P2016-223950)
(22)【出願日】2016年11月17日
(65)【公開番号】特開2017-129119(P2017-129119A)
(43)【公開日】2017年7月27日
【審査請求日】2019年11月7日
(31)【優先権主張番号】14/952,166
(32)【優先日】2015年11月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ペック, ジェームズ エル., ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】キャンバオ, ジミー エム.
【審査官】
谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2009/0159110(US,A1)
【文献】
特開2009−293390(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0193000(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0048321(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02K 3/06
F02C 6/18
H02N 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンエンジンアセンブリであって、該ガスタービンエンジンアセンブリは、
コアストリームフローを生成する燃料と空気の混合物に点火するための燃焼室と、
前記コアストリームフローがガスタービンエンジンアセンブリの中を通るように方向づけるための高温部カウリングであって、前記コアストリームフローを包含する内面及び前記内面に対向する外面を含む高温部カウリングと、
前記高温部カウリングの外面に熱的に取り付けられた複数の熱電発電機アセンブリであって、各熱電発電機アセンブリは、多数の熱電発電機デバイスの各々の端から端までの温度差に基づいて電流を生成する前記多数の熱電発電機デバイスを含む、複数の熱電発電機アセンブリと、
を含み、
複数の熱電発電機デバイスは、前記燃焼室と前記高温部カウリングの排気端部との間で、前記高温部カウリングに沿って異なる加熱帯で使用される異なる材料を含み、
バッファリング材料層が、前記高温部カウリングの外面と、前記複数の熱電発電機アセンブリのうちの1つとの間に配置され、当該熱電発電機アセンブリのうちの1つは、間にバッファリング材料層無しで前記高温部カウリングの外面に結合された前記複数の熱電発電機アセンブリのうちの1つよりも、前記燃焼室に近い、ガスタービンエンジンアセンブリ。
【請求項2】
前記高温部カウリングは、前記燃焼室から前記高温部カウリングの前記排気端部まで連続する前記高温部カウリングの壁を含み、前記熱電発電機アセンブリは前記壁の外部表面に熱的に取り付けられる、請求項1に記載のガスタービンエンジンアセンブリ。
【請求項3】
ファンストリームフローを方向付けるため、前記高温部カウリングの少なくとも一部を取り囲むファンノズルを更に含み、前記熱電発電機アセンブリは前記ファンストリームフローに曝される、請求項1に記載のガスタービンエンジンアセンブリ。
【請求項4】
前記ガスタービンエンジンアセンブリの中を通るファンストリームフローを生成する前記ガスタービンエンジンアセンブリへの吸気口の位置のファンと、
前記高温部カウリングの少なくとも一部を取り囲むファンノズルと
を更に含み、前記ファンノズルは前記ファンストリームフローを方向付け、前記高温部カウリングは前記燃焼室から前記高温部カウリングの前記排気端部まで連続し、前記ファンストリームフローは向きを変えられることなく、前記ファンから前記熱電発電機アセンブリまで直接通過する、請求項1に記載のガスタービンエンジンアセンブリ。
【請求項5】
前記複数の熱電発電機アセンブリは、前記燃焼室と前記高温部カウリングの前記排気端部との間の所定の場所で、電力生成を最大化するように、前記高温部カウリングの前記外面に沿って並べられる、請求項1に記載のガスタービンエンジンアセンブリ。
【請求項6】
前記複数の熱電発電機アセンブリは異なるタイプの熱電発電機デバイスを含み、異なるタイプの熱電発電機デバイスの各々は、前記ガスタービンエンジンアセンブリの動作中に、前記高温部カウリングの前記外面の温度に基づいて、熱エネルギーから電気エネルギーへの最も高い変換効率をもたらすように構成された特定の材料群を含み、前記複数の熱電発電機アセンブリの各々は前記燃焼室と前記高温部カウリングの前記排気端部との間に配置される、請求項5に記載のガスタービンエンジンアセンブリ。
【請求項7】
前記複数の熱電発電機アセンブリは異なるタイプの熱電発電機デバイスを含み、前記異なるタイプの熱電発電機デバイスは、前記ガスタービンエンジンの動作中に、前記熱電発電機アセンブリの所定の場所で前記高温部カウリングの前記外面の温度に基づいて、所定のレベルの電力を生成するように構成される、請求項5に記載のガスタービンエンジンアセンブリ。
【請求項8】
前記熱電発電機アセンブリは、異なるタイプの熱電発電機デバイスを含み、前記ガスタービンエンジンの動作中に、各熱電発電機アセンブリの所定の場所で前記高温部カウリングの前記外面の温度に従って、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する際の前記異なるタイプの熱電発電機デバイスの各々の効率に基づいて、前記燃焼室と前記高温部カウリングの前記排気端部との間で前記高温部カウリングの前記外面に沿って並べられる、請求項5に記載のガスタービンエンジンアセンブリ。
【請求項9】
電力バスと、
電力管理システムと
を更に含み、前記電力バスは前記熱電発電機アセンブリによって生成される電力を前記電力管理システムに供給し、前記電力管理システムはビークルの電動コンポーネント及びシステムに調整された電力を供給するように構成される、請求項1に記載のガスタービンエンジンアセンブリ。
【請求項10】
熱電発電システムであって、該熱電発電システムは、
ガスタービンエンジンアセンブリを備え、該ガスタービンエンジンアセンブリは、
コアストリームフローを生成する燃料と空気の混合物に点火するための燃焼室と、
前記コアストリームフローが前記ガスタービンエンジンアセンブリの中を通るように方向付けるための高温部カウリングであって、前記コアストリームフローを包含する内面及び前記内面に対向する外面を含む高温部カウリングと、
前記高温部カウリングの前記外面に熱的に取り付けられた複数の熱電発電機アセンブリであって、各熱電発電機アセンブリは複数の熱電発電機デバイスの各々の端から端までの温度差に基づいて電流を生成する多数の熱電発電機デバイスを含む、複数の熱電発電機アセンブリと、
を含み、
複数の熱電発電機デバイスは、前記燃焼室と前記高温部カウリングの排気端部との間で、前記高温部カウリングに沿って異なる加熱帯で使用される異なる材料を含み、
バッファリング材料層が、前記高温部カウリングの外面と、前記複数の熱電発電機アセンブリのうちの1つとの間に配置され、当該熱電発電機アセンブリのうちの1つは、間にバッファリング材料層無しで前記高温部カウリングの外面に結合された前記複数の熱電発電機アセンブリのうちの1つよりも、前記燃焼室に近い、熱電発電システム。
【請求項11】
前記ガスタービンエンジンアセンブリを通るファンストリームフローを生成する前記ガスタービンエンジンアセンブリへの吸気口の位置のファンと、
前記高温部カウリングの少なくとも一部を取り囲むファンノズルと
を更に含み、前記ファンノズルは前記ファンストリームフローを方向付け、前記高温部カウリングは前記燃焼室から前記高温部カウリングの前記排気端部まで連続し、前記ファンストリームフローは向きを変えられることなく、前記ファンから前記熱電発電機アセンブリまで直接通過する、請求項10に記載の熱電発電システム。
【請求項12】
前記複数の熱電発電機アセンブリは、前記燃焼室と前記高温部カウリングの前記排気端部との間の所定の場所で、電力生成を最大化するように、前記高温部カウリングの前記外面に沿って並べられる、請求項10に記載の熱電発電システム。
【請求項13】
電力生成のための方法であって、該方法は、
ガスタービンエンジンの高温部カウリングの外面に沿って複数の熱電発電機アセンブリを並べることであって、前記熱電発電機アセンブリの各々は多数の熱電発電機デバイスを含み、複数の熱電発電機デバイスは、前記高温部カウリングに沿った異なる加熱帯で使用される異なる材料を含む、複数の熱電発電機アセンブリを並べること、
前記複数の熱電発電機アセンブリによって、前記ガスタービンエンジンの前記高温部カウリングから排熱を獲得すること、及び
獲得した前記排熱を前記複数の熱電発電機アセンブリによって電力に変換すること、
を含み、バッファリング材料層が、前記高温部カウリングの外面と、前記複数の熱電発電機アセンブリのうちの1つとの間に配置され、当該熱電発電機アセンブリのうちの1つは、間にバッファリング材料層無しで前記高温部カウリングの外面に結合された前記複数の熱電発電機アセンブリのうちの1つよりも、前記燃焼室に近い、方法。
【請求項14】
前記ガスタービンエンジンの動作中に、前記ガスタービンエンジンの前記高温部カウリングからの熱を前記熱電発電機デバイスの各々の高温側に伝達することを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ガスタービンエンジンの動作中に、各熱電発電機デバイスの前記高温側と低温側との間に温度差を引き起こすため、前記熱電発電機デバイスの各々の前記低温側の上に冷気を流すことを更に含み、前記温度差は各熱電発電機デバイスによって生成されうる電流を引き起こす、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
冷気を前記熱電発電機デバイスの各々の前記低温側の上に流すことは、前記ガスタービンエンジンのファンからの冷気を前記熱電発電機デバイスの各々の前記低温側の上に流すことを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記電力を電力分配システムに伝送することと、
前記電力を前記電力分配システムによって、ビークルのコンポーネント及びシステムに分配することと
を更に含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は発電に関し、より具体的には、電力を生成するためガスタービンエンジンの高温部の外面に取り付けられた熱電アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
航空機は一般的に、電力を必要とする航空機システムに電力を供給するため、28ボルト直流(VDC)を必要とする。航空機ジェットエンジン又は航空機ガスタービンエンジンは、航空電子工学システム、電気機械システム、及び電力を必要とする他の搭載システムなど、航空機の電気負荷に対して電力を供給することが要求されている。機内電力は一般的に、ドライブシャフト及びギアによって、動作可能なようにジェットエンジン又はガスタービンエンジンに連結されるギア駆動発電機によって供給される。ギア及び発電機は、エンジンから推進エネルギーを取り出して電力を生成する。加えて、航空機の油圧システム及び抽気システムもまた、推力を生み出しうるエンジンからエネルギーを取り出す。したがって、発電機、ドライブシャフト及びギアを取り除くことができれば、エンジンの効率を改善し、故障しやすく保守を必要とするコンポーネントを取り除き、航空機の重量を低減することが可能になりうる。
【発明の概要】
【0003】
一実施形態によれば、ガスタービンエンジンアセンブリは、コアストリームフローを生成する燃料と空気の混合物に点火するための燃焼室を含みうる。ガスタービンエンジンはまた、コアストリームフローがガスタービンエンジンアセンブリの中を通るように配向するための高温部カウリングを含みうる。高温部カウリングは、コアストリームフローを包含する内面、及び内面に対向する外面を含みうる。ガスタービンエンジンアセンブリは更に、高温部カウリングの外面に熱的に取り付けられた複数の熱電発電機アセンブリを含みうる。各熱電発電機アセンブリは、多数の熱電発電機デバイスの各々の端から端までの温度差に基づいて電流を生成する、多数の熱電発電機デバイスを含みうる。熱電発電機デバイスは、燃焼室と高温部カウリングの排気端部又はガスタービンエンジンの排気端部との間の高温部カウリングに沿った異なる加熱帯で使用される異なる材料を含みうる。
【0004】
別の実施形態によれば、熱電発電システムはガスタービンエンジンアセンブリを含みうる。ガスタービンエンジンアセンブリは、コアストリームフローを生成する燃料と空気の混合物に点火するための燃焼室を含みうる。ガスタービンエンジンアセンブリはまた、コアストリームフローがガスタービンエンジンアセンブリの中を通るように配向するための高温部カウリングを含みうる。高温部カウリングは、コアストリームフローを包含する内面、及び内面に対向する外面を含みうる。熱電発電システムはまた、高温部カウリングの外面に熱的に取り付けられた複数の熱電発電機アセンブリを含みうる。各熱電発電機アセンブリは、複数の熱電発電機デバイスの各々の端から端までの温度差に基づいて電流を生成する、多数の熱電発電機デバイスを含みうる。熱電発電機デバイスは、燃焼室と高温部カウリングの排気端部との間の高温部カウリングに沿って異なる加熱帯で使用される異なる材料を含みうる。
【0005】
更なる実施形態によれば、電力を生成する方法は、ガスタービンエンジンの高温部カウリングの外面に沿って複数の熱電発電機アセンブリを並べることを含みうる。熱電発電機アセンブリはそれぞれ、多数の熱電発電機デバイスを含みうる。熱電発電機デバイスは、高温部カウリングに沿った異なる加熱帯に使用される異なる材料を含みうる。本方法は、複数の熱電発電機アセンブリによって、ガスタービンエンジンの高温部カウリングから排熱を獲得すること、及び獲得した排熱を複数の熱電アセンブリによって電力に変換することを含みうる。
【0006】
別の実施形態又は前述の実施形態のいずれかによれば、複数の熱電発電機アセンブリは、燃焼室と高温部カウリングの排気端部との間の所定の場所で、電力生成を最大化するように、高温部カウリングの外面に沿って並べられうる。
【0007】
別の実施形態又は前述の実施形態のいずれかによれば、複数の熱電発電機アセンブリは、異なるタイプの熱電発電機デバイスを含みうる。異なるタイプの熱電発電機デバイスの各々は、ガスタービンエンジンの稼働中に、複数の熱電発電機アセンブリの各々が燃焼室と高温部カウリングの排気端部との間に配置される、高温部カウリングの外面の温度に基づいて、熱エネルギーから電気エネルギーへの最も高い変換効率をもたらすように構成された特定の材料群を含みうる。
【0008】
別の実施形態又は前述の実施形態のいずれかによれば、熱電発電機アセンブリは異なるタイプの熱電発電機デバイスを含み、燃焼室と高温部カウリングの排気端部との間で、高温部カウリングの外面に沿って並べられうる。熱電発電機デバイスは、各熱電発電機アセンブリの所定の場所で、高温部カウリングの外面の温度に従って熱エネルギーを電気エネルギーに変換する際に、異なるタイプの熱電発電機デバイスの各々の効率に基づいて並べられうる。
【0009】
別の実施形態又は前述の実施形態のいずれかによれば、ガスタービンエンジンアセンブリは、ガスタービンエンジンアセンブリへの吸気口の位置に、ガスタービンエンジンアセンブリの中へのファンストリームフローを生成するファンを含みうる。ガスタービンエンジンアセンブリは、高温部カウリングの少なくとも一部を取り囲むファンノズルを付加的に含みうる。ファンノズルはファンストリームフローの方向を決定する高温部カウリングは、燃焼室から高温部カウリングの排気端部まで連続していてもよい。ファンストリームフローは、ファンから熱電発電機アセンブリまで、向きを変えられることなく直接通過する。
【0010】
別の実施形態又は前述の実施形態のいずれかによれば、ガスタービンエンジンアセンブリは、電力バス、電力管理システム及び電力分配システムを含みうる。電力バスは、熱電発電機アセンブリによって生成された電力を電力管理システム及び/又は電力分配システムに供給する。電力管理システムは、ビークルの電動コンポーネント及びシステムに調整された電力を供給するように構成されうる。
【0011】
以下の実施形態の詳細な説明は添付の図面を参照しており、これら図面は本開示の具体的な実施形態を示している。異なる構造及び操作を含む他の実施形態も、本開示の範囲から逸脱するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の実施形態による、エンジンの高温部に実装された熱電発電機アセンブリシステムを含むガスタービンエンジンの実施例の断面図である。
【
図2】本開示の別の実施形態による、エンジンの高温部に実装された熱電発電機アセンブリを含むガスタービンエンジンの実施例の断面図である。
【
図3】本開示の実施形態による、ガスタービンエンジンの高温部の外面に実装された熱電発電機アセンブリの詳細なブロック概略図である。
【
図4】本開示の実施形態による、異なるn型の熱電発電機材料の異なる温度での効率を示すグラフである。
【
図5】本開示の実施形態による、異なるp型の熱電発電機材料の異なる温度での効率を示すグラフである。
【
図6】
図1の熱電発電機アセンブリの詳細な上面図である。
【
図7】本開示の実施形態による、電力を生成する少なくとも1つのエンジンに関連する複数のガスタービンエンジン及び熱電発電機アセンブリシステムを含む航空機の実施例の概略図である。
【
図8】本開示の実施形態による、電力生成方法の実施例のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の実施形態の詳細な説明は添付の図面を参照しており、これら図面は本開示の具体的な実施形態を示している。異なる構造及び操作を含む他の実施形態も、本開示の範囲から逸脱するものではない。同様の参照番号は、異なる図面における同一の要素又はコンポーネントを表す。
【0014】
本明細書では、ある種の用語は便宜上の目的でのみ使用されており、説明されている実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。例えば、「近位」、「遠位」、「上部」、「底部」、「上方」、「下方」、「左」、「右」、「水平の」、「垂直の」、「上向き」、「下向き」などの用語は、単に図に示した構成あるいは説明されている図の方位を参照して使用される相対位置を説明しているに過ぎない。実施例のコンポーネントは多数の異なる方位に配置されうるため、方向の用語は説明の目的として使用されるもので、決して限定的なものではない。他の実施例も利用可能であり、本発明の範囲を逸脱することなく、構造的及び論理的な変更を加えうることを理解されたい。したがって、後述の詳細な説明は限定的な意味で捉えるべきではなく、本発明の範囲は添付の請求項の範囲によって定義される。
【0015】
図1は、本開示の実施形態による、ガスタービンエンジンアセンブリ100の高温部104の上に実装された熱電発電機アセンブリシステム102を含む、ガスタービンエンジンアセンブリ100の実施例の断面図である。ガスタービンエンジンアセンブリ100は、少なくとも2つの部分、すなわち、低温部106及び高温部104を有するとみなされうる。低温部106は、燃焼室108前方のガスタービンエンジンアセンブリ100部分を含みうる。高温部104は、燃焼室108及び燃焼室108後方のガスタービンエンジンアセンブリ100部分を含みうる。ガスタービンエンジン又はガスタービンエンジンアセンブリ100は異なる構成を含みうる。例示的なガスタービンエンジンアセンブリ100の構成は、2スプール低バイパスターボファンエンジンの一例である。ガスタービンエンジンの他の構成の実施例には、
図2に示した例のように、高バイパスターボファンエンジン及びターボジェットエンジンを含みうる。本明細書に記載の熱電発電機アセンブリシステム102は、任意の構成又はタイプのガスタービンエンジンアセンブリ及び任意の用途に適用可能でありうる。ガスタービンエンジンの用途の例には、必ずしも限定するものではないが、航空機並びに水上艦や船舶、揚陸船などの他のビークルの推進、発電が含まれうる。例示的なガスタービンエンジンアセンブリ100のコンポーネント及び操作は、本開示の理解のために本明細書に簡潔に記載されているが、本開示は、記載されている例示的な構成に限定されることを意図するものではなく、他の構成も等しく適用可能でありうる。
【0016】
ガスタービンエンジンアセンブリ100は、ガスタービンエンジンアセンブリ100のナセル114によって形成される吸気口112又は吸入口に隣接するファン110を含みうる。
図1の例示的なガスタービンエンジンアセンブリ100に示したように、ナセル114は、ガスタービンエンジンアセンブリ100のコア115又は低温部106及び高温部104の両方を完全に取り囲みうる。他の実施形態では、ナセル114はガスタービンエンジンアセンブリ100のコア115の部分のみを取り囲んでもよく、或いはガスタービンエンジンアセンブリ100の高温部104を超えて部分的に延在してもよい。
【0017】
矢印116によって示される周囲の気流は、吸気口112を通ってガスタービンエンジンアセンブリ100に入り、ファン110によって急加速される。ファン110によって加速された周囲の気流116の一部は、ガスタービンエンジン100の後端部又は排気端部123で、バイパス空気チャネル120又はファンノズル122へのダクトを通るように強いられるファンストリームフロー(矢印118で示した)を形成する。バイパス空気チャネル120は、ガスタービンエンジンアセンブリ100のナセル114又は外側カウリングとガスタービンエンジンアセンブリ100の内壁又は内側カウリング124との間に形成される。
【0018】
ファン110によって加速される周囲の気流116の別の部分は、低温部106の低圧コンプレッサ126と高圧コンプレッサ128とを含むガスタービンエンジンアセンブリ100のコア115を通って流れる。低圧コンプレッサ126及び高圧コンプレッサ128は更に、周囲の気流116を加速し、燃焼室108に入る高圧気流を生成する。低圧コンプレッサ126及び高圧コンプレッサ128はそれぞれ、一連の円形ディスク又はローターを含みうる。各ディスク又はローターは、各ディスク又はローターの円周を囲むように取り付けられた多数のコンプレッサブレードを含みうる。一連の連続回転ディスク又はローターは、低圧コンプレッサ126及び高圧コンプレッサ128を通って燃焼室108に至る気流を漸次加速する。
【0019】
高圧下の燃料と空気の混合物は燃焼室108内で点火され、矢印130によって示されるコアストリームフローを生成する。高加速されたコアストリームフロー130は、高圧タービン132とこれに続く低圧タービン134を通って流れ、高圧タービン132と低圧タービン134が回転するように力を加える。高圧タービン132及び低圧タービン134はそれぞれ、一連の円形ディスク又はローターを含んでもよく、各ディスク又はローターは、各ディスク又はローターの円周を囲むように取り付けられた多数のタービンブレードを含んでもよく、これらは高速コアストリームフロー130によって衝撃が加えられると、タービン132及び134を回転させるように働く。
【0020】
高圧タービン132は、高圧シャフト136によって、高圧コンプレッサ128に動作可能に連結されている。したがって、高圧タービン132は高圧シャフト136によって高圧コンプレッサ128を駆動する。低圧タービン134は、低圧シャフト138によって、低圧コンプレッサ126に動作可能に連結されている。したがって、低圧タービン134は低圧シャフト138によって低圧コンプレッサ126を駆動する。
【0021】
高温部104の内壁124すなわちカウリングは、高温部カウリング140と称されることがある。高温部カウリング140は、燃焼室108又は高圧タービン132の後方又は排気端部の少なくとも近傍から、構成によってはガスタービンエンジンアセンブリ100の排気端部になりうる高温部カウリング140の排気端部142まで、延在しうる。高温部カウリング140の排気端部142はまた、コアノズルと称されることがある。高温部カウリング140は、コアストリームフロー130がガスタービンエンジンアセンブリ130を通るように配向する。高温部カウリング140は壁144を含みうる。高温部カウリング140の壁144は、燃焼室108から高温部カウリング140の排気端部142、すなわちコアノズルまで連続的であってもよい。高温部カウリング140の壁144は、コアストリームフロー130を包含する内面146、及び内面146に対向する外面148、すなわち壁144の外部表面を含みうる。
【0022】
熱電発電機アセンブリシステム102は、複数の熱電発電機アセンブリ150を含みうる。複数の熱電発電機アセンブリ150は、高温部カウリング140の外面148、すなわち壁144の外部表面に熱的に取り付けられうる。熱電発電機アセンブリ150は、生成を所望する電力量、並びに所望の電力量を生成するために必要とされる熱電発電機アセンブリ150の量に応じて、高温部カウリング140の周囲のほぼ全体、又は高温部カウリング140の周囲の一部の所定の場所で、高温部カウリング140の外面148に熱的に取り付けられうる。熱電発電機アセンブリ150間の任意の裂け目や間隙は、熱電発電機アセンブリ150の間及び上部に滑らかな面を提供するため、断熱材料151で充填されてもよく、ファンストリームフロー118はこれにより、ファンストリームフロー118を分断し、ガスタービンエンジン100の効率低下を引き起こしうる表面の凹凸がない状態で流れることができる。別の実施形態では、熱電発電機アセンブリ150は、
図1の破線で示されているように、表面材料153によって覆われてもよい。ファンストリームフロー118が分断やエンジン効率の低下なしで熱電発電機アセンブリ150に受け渡されるように、この材料は断熱性を有し、滑らかな連続面を提供する。熱電発電機アセンブリ150によって電力が効率よく生成されるように、表面材料153は充分な熱伝導と熱流量をもたらす。
【0023】
また、
図3を参照すると、本開示の実施形態に従って、ガスタービンエンジン100の高温部104の外面148に実装された熱電発電機アセンブリ150の実施例の詳細なブロック概略図が示されている。ナセル114は、
図1に最もわかりやすく示されているように、高温部カウリング140の少なくとも一部を取り囲み、ファンストリームフローが熱電発電機アセンブ150を通るように配向する。高温部カウリング140は、プレナム又は他の気流迂回装置なしで、燃焼室108から排気端部112、すなわちコアノズルまで連続的であってもよい。したがって、ファンストリームフロー118は、任意のプレナムやダクトへ向きを変えられたり迂回されることなく、ファン110から熱電発電機アセンブリ150へ直接通過しうる。
【0024】
熱電発電機アセンブリ150は、高温部カウリング140の外面の高温に耐えることができる、好適な熱伝導性結合材152又は接着剤によって、外面148に結合されうる。外面148の温度が熱電発電機アセンブリ150の限界を超え、熱電発電機アセンブリ150に損傷を引き起こしうる高温部カウリング140に沿った幾つかの場所では、結合材152にバッファリング材料154を加えた層154、又は結合材152に代わるバッファリング材料154、又は結合材152に添加されたバッファリング材料154が、高温又は熱による損傷から熱電発電機アセンブリ150を保護するために使用されうる。例えば、熱電発電機アセンブリ150は、外面148の温度が最高になりうる燃焼室108(
図1)に近接して配置されるため、外面148から熱電発電機アセンブリ150の高温側156へ伝導される熱を低減するため、バッファリング材料154又は他の材料又は配置が要求されうる。
【0025】
各熱電発電機アセンブリ150は、多数のTEGデバイス156の各々の端から端までの温度差に基づいて電流を生成する、多数の熱電発電機(TEG)又はTEGデバイス156を含みうる。TEG又はTEGデバイス156は、デバイスの端から端までに温度差が加えられる、又は温度差が存在するときに電力を生成することができる。TEGデバイス156は一般的に、上端及び下端のキャップが同じ大きさの正方形又は長方形となりうる。一般的にTEGによって生成される電力は、
図6を参照して本明細書で説明されているものと同様な、電力線又は端子164又は電力バスの組を介して伝送される。TEGデバイスは一般的に、薄く(例えば、数ミリメートル程度の厚さ)、小さく(例えば、数平方センチメートル)、平らで、壊れやすい。したがって、TEGデバイスは、本明細書に記載されているガスタービンエンジン、並びに、TEGデバイス156が振動や、絶え間ない温度変化などの過酷な環境条件やその他の過酷な条件に曝されうる自動車、航空機などのビークルでの用途では、個別に扱うことが困難になりうる。デバイスの大きさ及び各TEGデバイス156がわずかな電力量しか生成しないことから、有用な電力量を生成するため、多数のTEGデバイス156は1つにまとめられる。更に、TEGデバイス156は一般的に、高温でより大きなエネルギー変換効率をもたらす。これは材料に比較的大きな熱膨張を引き起こすことがある。熱勾配並びに材料の違いに関連する異なる熱膨張係数によって、熱誘発応力が生ずることがある。TEGデバイス156の効率は概して、温度差の増大につれて上昇する。温度差とは、一般的にヒートソース(高温側)156とヒートシンク(低温側)160と呼ばれるTEGデバイス156の対向する2つの面の間の温度差分である。また、周囲の構造材料又は間隙を介した熱エネルギー漏洩がない場合にのみ、TEGデバイス156にヒートフローを導く任意の実装に対して、エネルギー変換効率は最大となる。したがって、取り扱いを単純化し、熱から電力への高い変換効率を実現するため、最終実装に先立って、多数のTEGデバイス156がモジュール又はアセンブリ150に包み込まれる。
【0026】
図3に示されるように、熱電発電機アセンブリ150の各TEGデバイス156の高温側158は、少なくとも熱伝導性結合材152によって、高温部カウリング140の外面148に熱的に連結されてもよく、熱電発電機アセンブリ150に損傷を及ぼしうる極限温度を経験する高温部カウリング140の領域内では、バッファ材料154の層は、TEGデバイス156の高温側158と外面148との間に配設されうる。各TEGデバイス156の低温側160は、熱電発電機アセンブリ150の各TEGデバイス156の端から端までに温度差を作り出すため、ファンストリームフロー118に曝される。矢印162で示すように、高温側158と低温側160との間の温度差ΔTによる、熱電発電機デバイス156を通る熱の流れは、各熱電発電機デバイス156の電気端子164の間に生成される電圧ΔVを引き起こす。各TEGデバイス156によって生成される電圧は、熱電発電機アセンブリ150のTEGデバイス156の端から端までの温度差又は熱の流れ162、或いは各TEGデバイス156の高温側158と低温側160との間の温度差に比例しうる。
【0027】
ガスタービンエンジン100の高温部104の温度は、約1200℃から約600℃の間で変動しうる。約1000℃を超える温度で動作しうるTEGデバイスが入手可能である。図示し、本明細書で説明するように、エンジン100の高温部104は周囲温度又はファンストリームフロー118によって冷却される。TEGデバイス156の端から端までの、すなわち、高温側158と低温側160との間で伝導する約100℃から約300℃の温度差は、熱エネルギーから電気エネルギーへの変換で最も良い結果、すなわち、性能を生み出しうる。現在のTEGデバイス156は、熱エネルギーの約5%から約8%を電気エネルギーに変換しうる。
【0028】
前述のように、外面148の温度は高温部カウリング140に沿って変化しうる。熱電発電機デバイス156は、燃焼室108と高温部カウリング140の排気端部142すなわちコアノズルとの間で、高温部カウリング140に沿って異なる加熱帯166a〜166b(
図1)で使用されうる異なる材料を含みうる。例えば、高温部カウリング140の外面148の温度は燃焼室108の排気で最高温度になることがあり、外面148の温度は、高温部カウリング140に沿って排気端部142又はコアノズルに向かって徐々に低下しうる。
【0029】
また、
図4及び
図5を参照すると、
図4は、本開示の実施形態による、異なるn型の熱電発電機材料の異なる温度での効率を示すグラフ400となっている。
図5は、本開示の実施形態による、異なるp型の熱電発電機材料の異なる温度での効率を示すグラフ500となっている。グラフ400及び500は、異なる材料からなるTEGデバイスの0℃から1000℃までの温度でのZTを示している。ZTは、効率的に電力を生成する所定の材料又は材料の組み合わせに対応する、次元のない評価の数値である。ZTは次の方程式によって定義されうる。
ここで、SはSeebeck係数、λは材料の熱伝導率、σは導電率、Tは温度である。特定の温度又は温度範囲で、ある材料からなる特定のTEGデバイスのZTが高くなると、特定の温度又は温度範囲での電力生成時に、これらの材料からなるTEGデバイスはより効率的になる。したがって、より高いZT、すなわち、より高い電力生成効率を有するTEGデバイスを含む熱電発電機アセンブリ150は、ガスタービンエンジンの動作中に高温部カウリング140の外面148の温度に基づいて、高温部カウリング140に沿って特定の場所で使用されうる。
【0030】
一実施形態によれば、複数の熱電発電機アセンブリ150は、燃焼室108と高温部カウリング140の排気端部142との間の所定の場所で、電力生成を最大化するように、高温部カウリング140の外面148に沿って並べられうる。複数の熱電発電機アセンブリ150は異なるタイプの熱電発電機デバイス156を含み、異なるタイプの熱電発電機デバイス156の各々は、ガスタービンエンジン100の動作中に、高温部カウリング140の外面148の温度に基づいて、熱エネルギーから電気エネルギーへの最も高い変換効率をもたらすように構成された特定の材料又は材料群から形成されうる。複数の電熱発電機アセンブリ150の各々は、燃焼室108と高温部カウリング140の排気端部142すなわちコアノズルとの間の所定の場所に配置される。したがって、異なるタイプの熱電発電機デバイス156は、ガスタービンエンジン100の動作中に、熱電発電機アセンブリ150の所定の場所で、高温部カウリング140の外面148の温度に基づいて、所定の電力レベルを生成するように構成されうる。
【0031】
別の実施形態では、異なるタイプの熱電発電機デバイス150は、各熱電発電機アセンブ150の所定の場所での高温部カウリング140の外面148の温度に従って、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する異なるタイプの熱電発電機デバイス156の各々の効率に基づいて、燃焼室108と高温部カウリング140の排気端部142すなわちコアノズルとの間で、高温部カウリング140の外面148に沿って並べられうる。
【0032】
図2は、本開示の別の実施形態による、エンジン200の高温部204に実装される熱電発電機アセンブリ202を含むガスタービンエンジン200の実施例の断面図である。例示的なガスタービンエンジン200は、ターボジェットエンジンとして構成されている。ガスタービンエンジン200の高温部204は、複数の燃焼室206、燃焼室206後方のタービン208、及びガスタービンエンジン200の排気端部210すなわち排気ノズルを含みうる。例示的なガスタービンエンジン200は、複数の燃焼室206前方の低温部212を含みうる。
【0033】
矢印214によって示される周囲の気流は、ガスタービンエンジン200の吸入口216又は吸気口に入りうる。周囲の気流214は、矢印220によって示される高速圧縮気流の流れを生成するため、コンプレッサ218によって加速又は圧縮されうる。コンプレッサ218は、圧縮気流フロー220が低温部212の中を通るように配向するための、ナセル222又は低温部カウリングによって囲まれうる。コンプレッサ218は、一連のブレード付きローター224を含みうる。各ブレード付きローター224は、ディスク又はローターの周囲に円周方向に沿って取り付けられた多数のブレードを含みうる。圧縮気流フロー220は、ナセル222によって燃焼室206へ配向されうる。圧縮気流フロー220は、燃料と混合され、燃焼室206内で点火され、コアストリームフロー226を生成する。コアストリームフロー226は、燃焼室206からタービン208の中を通るように配向される。高温部カウリング228はタービン208を取り囲み、少なくとも燃焼室206からガスタービンエンジン200の排気端部210まで延在しうる。高温部カウリング228は、ガスタービンエンジン200が取り付けられる航空機の高速な推進速度で、コアストリームフロー226がタービン208の中を通って、ガスタービンエンジン200の排気端部210の外へ向かうよう配向する。タービン208は、複数のブレード付きローター230を含みうる。各ブレード付きローター230は、ディスク又はローターの周囲に円周方向に沿って取り付けられた多数のタービンブレードを含みうる。
【0034】
複数の熱電発電機アセンブリ202は、高温部カウリング228の外面232に熱的に取り付けられうる。熱電発電機アセンブリ202は、
図1の熱電発電機アセンブリ150と同様であってもよい。
図3に示した熱電発電機アセンブリ150と同様に、熱電発電機アセンブリ202の高温側は、高温部カウリング228の外面232の高温に耐えることができる好適な熱伝導性結合材又は接着剤によって、高温部カウリング228の外面232に熱的に取り付けられうる。結合材は、
図3の結合材152と同じでありうる。外面232の温度が熱電発電機アセンブリ202の限界を超え、熱電発電機アセンブリ202に損傷を引き起こしうる高温部カウリング228に沿った一部の場所では、結合材に加えてバッファリング材料の層が、又は結合材に代わるバッファリング材料が、又は結合材152に添加されたバッファリング材料が、高温又は熱による損傷から熱電発電機アセンブリ202を保護するために使用されうる。バッファリング材料は、
図3のバッファリング材料154と同様であってもよい。
【0035】
外面232の温度は、高温部カウリング228に沿って変動しうる。熱電発電機デバイス202は、燃焼室206とガスタービンエンジン100の排気端部210との間の高温部カウリング140に沿って異なる加熱帯234a〜234cで使用されうる異なる材料を含みうる。例えば、高温部カウリング228の外面232の温度は、燃焼室206の排気で最高温度になることがあり、外面232の温度は、高温部カウリング228に沿って排気端部210に向かって徐々に低下しうる。前述のように、異なる材料を含む熱電発電機アセンブリ202は、高温部カウリング228に沿って熱エネルギーから電気エネルギーへの最も高い変換効率をもたらすため、異なる場所で、或いは異なる加熱帯234a〜234cで使用されうる。
【0036】
図6は、
図1の熱電発電機アセンブリ150の詳細な上面図である。前述のように、
図2の熱電発電機アセンブリ202は、
図1の熱電発電機アセンブリ150と同一又は同様であってもよい。各熱電発電機アセンブリ150は、
図3を参照して説明されているものと同様の複数の熱電発電機デバイス156を含みうる。熱電発電機デバイス156は、フレーム600に取り付けられてもよく、また、電気配線602によって相互接続されてもよい。電気配線602は、熱電発電機アセンブリ150の各熱電発電機デバイス156を電力バス604に接続しうる。熱電発電機デバイス156の各々によって生成される電力は、電気配線602によって電力バス604に供給されうる。
図1の熱電発電機アセンブリ150、又は
図2の熱電発電機アセンブリ202の各々は、電力バス604によって電力管理システム608に接続されうる。したがって、熱電発電機アセンブリ150又は202の各々によって生成される電力は、電力バス604によって電力管理システム608に供給される。電力管理システム608は、航空機又は他のビークルなど、ビークルの電力管理システムであってもよい。電力管理システム608は、熱電発電機アセンブリ150又は202の電力を、ビークルや航空機のコンポーネント又はシステムによって利用されうる電力に変換及び/又は調整するように構成されうる。熱電発電機アセンブリ150又は202に対して使用されうる熱電発電機アセンブリ及びシステムの他の実施例は、「熱電発電機アセンブリ及びシステム(Thermoelectric Generator Assembly and System)」と題されて、2015年8月18日に発行された米国特許第9,112,109号に記載されており、本願と同一の譲受人に譲渡され、参照により本明細書に組み込まれる。
【0037】
電力管理システム608は、電力分配システム610に電気的に接続されてもよい。電力分配システム610は、ビークルや航空機の電気システム及びコンポーネントに調整された電力を供給するように構成されうる。幾つかの実施形態によれば、
図1の熱電発電機アセンブリ150、又は
図2の熱電発電機アセンブリ202は、ビークルに対する唯一の電力源として構成されうる。他の実施形態では、熱電発電機アセンブリ150又は202は、ビークルに対する1次電力源として構成されてもよく、更なる実施形態では、熱電発電機アセンブリ150及び202は、ビークルに対する2次電力源として構成されてもよい。
【0038】
図7は、本開示の実施形態による、電力生成のための少なくとも1つのガスタービンエンジンアセンブリ702に関連する複数のガスタービンエンジンアセンブリ702、及び熱電発電機アセンブリシステム704を含む、航空機700の実施例の概略図である。熱電発電機アセンブリシステム704は、本明細書に記載の熱電発電機アセンブリ150と同様の複数の熱電発電機アセンブリを含みうる。航空機700はまた、胴体706、及び胴体706の各側面から延在する翼708を含みうる。
図7に示した例示的な航空機700では、ガスタービンエンジンアセンブリ702は翼708の下に取り付けられる。他の実施形態では、ガスタービンエンジンアセンブリ702は、航空機700の他のコンポーネントに関連付けられてもよく、例えば、ガスタービンエンジンアセンブリは、航空機700の尾部710の近傍で胴体に取り付けられてもよい。航空機700の尾部710は、垂直安定板712すなわち方向舵、及び水平安定板714すなわち昇降舵を含みうる。
【0039】
図8は本開示の一実施形態による電力生成のための方法800の実施例のフロー図である。ブロック802では、複数の熱電発電機アセンブリは、ガスタービンエンジンの高温部カウリングの外面に沿って並べられうる。熱電発電機アセンブリはそれぞれ、多数の熱電発電機デバイスを含みうる。各熱電発電機アセンブリの高温側は、エンジンの高温部から排熱を獲得するため、熱電発電機アセンブリをエンジンの高温部カウリングに熱的に取り付けるための熱伝導性結合材、接着剤又は同様の材料を使用して、高温部カウリングの外面に熱的に連結されうる。熱電発電機アセンブリの低温側は、外気又はガスタービンエンジンのファンからのファンストリーム空気フローに曝されうる。異なるタイプの熱電発電機デバイスを含む異なるタイプの熱電発電機アセンブリは、ガスタービンエンジンの動作中に、熱エネルギーから電気エネルギーへの最も高い変換効率をもたらすように、異なる場所で使用されてもよく、或いは高温部カウリングに沿った表面温度に基づいて、高温部カウリングに沿った異なる加熱帯に並べられてもよい。
【0040】
ブロック804では、熱電発電機アセンブリの各々は、電力バスによって、電力管理システム及び/又は電力分配システムに電気的に接続されうる。電力管理システムは、熱電発電機アセンブリによって生成された電力を、ガスタービンエンジンに関連するビークルのシステム及びコンポーネントによって使用可能な電力に変換して調整するように、提供されてもよい。電力は、電力分配システムによって、ビークルのシステム及びコンポーネントに分配されうる。
【0041】
ブロック806では、熱は、ガスタービンエンジンの動作中に、ガスタービンエンジンの高温部の外面から熱電発電機アセンブリの熱電発電機デバイスの高温側へ伝導されうる。熱は、エンジンコアを通る高温ガスの流れを迂回させることなく、高温部の外面から熱電発電機デバイスの高温側へ伝導されうる。
【0042】
ブロック808では、ガスタービンエンジンの動作中に、ガスタービンエンジンのファンからの冷却空気又はファン気流又はストリームフローは、熱電発電機アセンブリの熱電発電機デバイスの露出された低温側の上を流れうる。冷却空気は、ファンストリームフローを迂回させることなく、ガスタービンエンジンのファンから熱電デバイスの低温側まで直接流れうる。
【0043】
ブロック810では、熱電発電機アセンブリによってガスタービンエンジンの高温部から獲得した排熱は、熱電発電機アセンブリによって電力に変換されうる。電力は、本明細書に記載されているように、各熱電発電機アセンブリの熱電発電機デバイスの高温側と低温側の間の温度差によって生成されうる。
【0044】
ブロック812では、熱電発電機アセンブリによって生成される電力は、電力バスによって、電力管理システム及び/又電力分配システムに伝送されうる。ブロック814では、電力は、電力分配システムによって、ビークルのコンポーネント及びシステムに分配されうる。
【0045】
図面のフロー図及びブロック図は、本発明の様々な実施例によるシステム、方法及びコンピュータプログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能性、及び操作を示すものである。その際、フロー図及びブロック図の各ブロックは、特定の一又は複数の論理機能を実装するための一又は複数の実行可能な命令を含むコードのモジュール、セグメント、又は部分を表わしうる。幾つかの代替的な実装では、ブロックに記載された機能は図面に記載された順序を逸脱して現われることがある。例えば、場合によっては、連続して示されている2つのブロックがほぼ同時に実行されてもよく、或いは含まれる機能によってはブロックは逆の順に実行されてもよい。ブロック図及び/又はフロー図の各ブロック、並びにブロック図及び/又はフロー図のブロックの組み合わせは、特定機能又は作業を行う、又は特殊用途のハードウェア及びコンピュータ命令の組み合わせを実行する特殊用途のハードウェアベースのシステムによって実装可能であることも留意されたい。
【0046】
本明細書で用いられる用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、本発明の実施形態を限定することを意図していない。本明細書で使用されているように、単数形「一つの(a、an)」及び「その(the)」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限りは、複数形も含むものとする。更に、本明細書中で使用される場合の「備える(comprises、comprising)」という用語は、説明されている特徴、実体、ステップ、工程、要素、及び/又はコンポーネントの存在を特定するが、一又は複数の他の特徴、実体、ステップ、工程、要素、及び/又はそのグループの存在又は追加を排除するものではないことを理解されたい。
【0047】
すべての手段又はステップの対応する構造、材料、作業、及び均等物と、下記の請求項の機能要素には、具体的に主張されるその他の請求項の要素と結合した機能を行うための任意の構造、材料、又は作業を含むことが意図されている。本発明の説明は、例示及び説明を目的として提示されているものであり、網羅的な説明であること、又は開示された形態に本発明を限定することを意図していない。当業者であれば、本発明の実施形態の範囲及び精神から逸脱することなく多数の修正及び変更を加えることが可能であることが理解されよう。実施形態は、本発明の実施形態の原理、実際の用途を最もよく説明するため、且つ、他の当業者に対し様々な実施形態の開示と、考慮される特定の用途に適した様々な修正との理解を促すために選択及び記述されている。
【0048】
本明細書では特定の実施形態を例示し説明しているが、例示されている特定の実施形態は、同じ目的を達成するように企図された任意の設定に置き換えられうること、また本発明の実施形態は他の環境で他の用途を有することを当業者は認識するであろう。本出願は、本発明のいかなる改変例又は変形例にも及ぶものとする。下記の請求項は、本発明の実施形態の範囲を本明細書に記載の特定の実施形態に限定することを意図していない。