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特許6902868補強されたインターレースを備えた改良ファブリック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6902868
(24)【登録日】2021年6月24日
(45)【発行日】2021年7月14日
(54)【発明の名称】補強されたインターレースを備えた改良ファブリック
(51)【国際特許分類】
   D04B 21/10 20060101AFI20210701BHJP
   A61F 2/06 20130101ALI20210701BHJP
   D03D 1/00 20060101ALI20210701BHJP
   D03D 9/00 20060101ALI20210701BHJP
【FI】
   D04B21/10
   A61F2/06
   D03D1/00 Z
   D03D9/00
【請求項の数】14
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-502227(P2016-502227)
(86)(22)【出願日】2014年3月13日
(65)【公表番号】特表2016-518533(P2016-518533A)
(43)【公表日】2016年6月23日
(86)【国際出願番号】US2014026731
(87)【国際公開番号】WO2014160466
(87)【国際公開日】20141002
【審査請求日】2017年3月9日
【審判番号】不服2019-9086(P2019-9086/J1)
【審判請求日】2019年7月5日
(31)【優先権主張番号】61/779,062
(32)【優先日】2013年3月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515256855
【氏名又は名称】アテックス テクノロジーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】ベイヤー サラ
【合議体】
【審判長】 石井 孝明
【審判官】 佐々木 正章
【審判官】 藤原 直欣
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭49−56275(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0176658(US,A1)
【文献】 特開2001−164447(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D04B 21/10
A61F 2/06
D03D 1/00 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の糸の編みピラー縫いを有する第1メッシュ編みパターンであって、第1細孔寸法を有する前記第1メッシュ編みパターンで第1の数の節点を構成するように前記多数の糸の第1インターレーシングにより作られた第1ファブリック細孔を有する第1メッシュ編みパターンからなり、前記第1ファブリック細孔は、前記第1メッシュ編みパターンの編みピラー縫いの間の開口であり、各ピラー縫いは、1針で形成されるループからなる、第1ファブリック部分と、
編みピラー縫いを有する第2メッシュ編みパターンであって、第2細孔寸法を有する前記第2メッシュ編みパターンで第2の数の節点を構成するように前記多数の糸の第2インターレーシングにより作られた第2ファブリック細孔を有する第2メッシュ編みパターンからなり、前記第2ファブリック細孔は、前記第2メッシュ編みパターンの編みピラー縫いの間の開口であり、各ピラー縫いは、1針で形成されるループからなる、第2ファブリック部分と、含み、
前記第1の数の節点は、前記第2の数の節点よりも多く、
前記第1細孔寸法は、前記第2細孔寸法よりも小さく、
前記第1ファブリック部分と前記第2ファブリック部分の間に作られた前記多数の糸の補強用メッシュ境界をさらに含み、前記補強用メッシュ境界は、第3の数の節点を構成するように前記多数の糸の第3インターレーシングを有し、前記第3の数の節点は、前記第1の数の節点よりも多く、且つ、前記第3の数の節点は、前記第2の数の節点よりも多い、ファブリック。
【請求項2】
前記第1ファブリック部分は、前記第2ファブリック部分を取り囲んでいる、請求項1に記載のファブリック。
【請求項3】
前記第1ファブリック部分の単位重量は、前記第2ファブリック部分の単位重量よりも少なくとも50%大きい、請求項1に記載のファブリック。
【請求項4】
前記第1ファブリック部分の厚さは、前記第2ファブリック部分の厚さよりも少なくとも10%大きい、請求項1に記載のファブリック。
【請求項5】
前記第1ファブリック部分のASTM D3786-06破裂強度は、前記第2ファブリック部分のASTM D3786-06破裂強度よりも少なくとも50%大きい、請求項1に記載のファブリック。
【請求項6】
前記第1編みパターンの前記第1の数の節点は、前記第2編みパターンの前記第2の数の節点よりも少なくとも50%多い、請求項1に記載のファブリック。
【請求項7】
前記第1ファブリック部分の開放領域のパーセンテージは、前記第2ファブリック部分の開放領域のパーセンテージより7%小さい、請求項1に記載のファブリック。
【請求項8】
補強されたメッシュファブリックを作る方法であって、
多数の糸を準備し、
編みピラー縫いを有する第1メッシュ編みパターンであって、第1細孔寸法を有する前記第1メッシュ編みパターンで第1の数の節点を構成するように前記多数の糸の第1インターレーシングにより作られた第1ファブリック細孔を有する第1メッシュ編みパターンからなり、前記第1ファブリック細孔は、前記第1メッシュ編みパターンの編みピラー縫いの間の開口であり、各ピラー縫いは、1針で形成されるループからなる、第1ファブリック部分を編み、
編みピラー縫いを有する第2メッシュ編みパターンであって、第2細孔寸法を有する前記第2のメッシュ編みパターンで第2の数の節点を構成するように前記多数の糸の第2インターレーシングにより作られた第2ファブリック細孔を有する第2メッシュ編みパターンからなり、前記第2ファブリック細孔は、前記第2メッシュ編みパターンの編みピラー縫いの間の開口であり、各ピラー縫いは、1針で形成されるループからなる、第2ファブリック部分を編み、
前記第1の数の節点は、前記第2の数の節点よりも多く、
前記第1細孔寸法は、前記第2細孔寸法よりも小さく、
前記第1ファブリック部分と前記第2ファブリック部分の間に前記多数の糸の補強用メッシュ境界を編み、前記補強用メッシュ境界は、第3の数の節点を構成するように前記多数の糸の第3インターレーシングを有し、前記第3の数の節点は、前記第1の数の節点よりも多く、且つ、前記第3の数の節点は、前記第2の数の節点よりも多い、補強されたメッシュファブリックを作る方法。
【請求項9】
前記第1ファブリック部分は、前記第2ファブリック部分を取り囲んでいる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1ファブリック部分の単位重量は、前記第2ファブリック部分の単位重量よりも少なくとも50%大きい、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記第1ファブリック部分の厚さは、前記第2ファブリック部分の厚さよりも少なくとも10%大きい、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記第1ファブリック部分のASTM D3786-06破裂強度は、前記第2ファブリック部分のASTM D3786-06破裂強度よりも少なくとも50%大きい、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記第1編みパターンの前記第1の数の節点は、前記第2編みパターンの前記第2の数の節点よりも少なくとも50%多い、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記第1ファブリック部分の開放領域のパーセンテージは、前記第2ファブリック部分の開放領域のパーセンテージより7%小さい、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願に記載されている実施形態は、補強されたインターレース、および、少なくとも2つの異なる縫いまたは織りパターンによって作られた少なくとも2つの異なる平均細孔寸法を有するファブリックに関する。節点の間隔が変化する境界が作られる。補強されたインターレースは、インターレースにおけるより大きな細孔を補強し、ほつれまたはほぐれの潜在的危険を減少させるのを助ける。
【背景技術】
【0002】
医療用テキスタイルは、外部適用、並びに、内部および移植適用の両方のために多数の適用例で使用されている。今日、技術の前進および健康管理費用の増加により、低侵襲技術を使用して、より多くの医療および外科処置が行われている。これには、内視鏡或いは他の低侵襲性器具のパラメータ内で患者を見、診査し、および、患者に外科処置を施すための内視鏡等の使用が含まれる。
【0003】
かかる適用例では、低侵襲性処置は、大きな圧縮ができる処置の器具および他の構成要素を必要とする。これは、構成要素がカテーテルを通して処置部位に移動することを可能にすることである。さらに、構成要素は、一旦所定位置に到達したならば、設計されたように機能するように巻き解き或いはその他の仕方で元の状態に除圧されるように設計されなければならない。
【0004】
これに関して、低侵襲性処置の多くの構成要素は、所定の目的のために使用される特定の処置または器具の必要を満たすように特別に適合される。例えば、或る診査処置では、捕獲デバイスを使用して組織試料を封入し、封入された組織試料は、一旦身体から回収されると、外科医によって分析される。すべての場合において、材料は重量が非常に軽くかつ比較的薄く、或いは、カテーテルを経て移動するために薄い輪郭に圧縮することができなければならない。さらに、構成要素は、それらの軽量性がそれらの一体性を減じないように、設計されたように機能するのに十分強くなければならない。これらの2つの特性は、各々が他方に妥協するように設計するのが困難である。強いように設計されたファブリックは、典型的には重量が重く、嵩張る。反対に、重量が軽く、カテーテルを経て移動するために薄い輪郭を取ることができるファブリックは、典型的には強くなく、張力下でよく耐えない。
【0005】
低侵襲適用例で使用される材料およびテキスタイル構成要素では、もう1つの問題は、構造のほぐれまたはほつれの問題である。これは大変開放したメッシュまたはネットについて特にあてはまる。弛んだ糸を有し、または、ファブリックをほぐれさせることは望ましくない。弛んだ糸は、例えば、動脈または静脈の修復に関する適用例で、通路を塞ぐことがある。加えて、テキスタイル構成要素のほぐれは、構造的一体性、および、究極的には、構成要素または装置の機能を悪化させることがある。
【0006】
1つの特許は、“Warped knitted Carotid Patch Having Finished Selvage Edges”という名称の米国特許第5,456,711号においてほつれまたはほぐれの問題に対処している。この特許は、所定の幅の編みメッシュパッチに仕上がり縁を設けることによって切断の必要を解消し、かくして、ほつれまたはほぐれの問題をなくしている。
【0007】
設計されたように機能し、糸のほつれまたはほぐれを防止するのに必要な一定レベルの強度を維持しながら、カテーテルを経て移動するための薄い輪郭を取ることができる重量が軽いファブリックを提供することが望ましい。本願で記載されるほつれという用語は、より少なく集中されたインターレーシングまたは節点の領域から張力を吸収し、縫い目が弛みまたはほどける潜在的な危険を減らすより多く集中されたインターレーシングまたは節点の領域におけるファブリックの能力に言及する。
【0008】
さらに、製造目的のために切断することができ、ほつれまたはほぐれの潜在的な危険を減らすことができる低侵襲性処置で使用できるファブリックを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0009】
本願で記載される実施形態は、第1パターンで糸の第1インターレーシングにより作られ、第1平均細孔寸法を有する第1ファブリック細孔を含む第1ファブリック部分を有するファブリックに関する。このファブリックはさらに、第2パターンで第2糸インターレーシングにより作られ、第2平均細孔寸法を有する第2ファブリック細孔を含む第2ファブリック部分を含む。前記糸の第1インターレーシングの数は、前記糸の第2インターレーシングの数よりも多い。前記第1糸インターレーシングは、前記第2ファブリック部分の一体性を高め、ほつれの潜在的危険を減少させる。
【0010】
本願で記載される実施形態のファブリックは、第1ファブリック部分が第2ファブリック部分を取り囲むことができる構成を有する。
【0011】
本願で記載される実施形態のファブリックは、第1ファブリック部分と第2ファブリック部分との間で平均細孔寸法の差を有するのがよく、その差は、少なくとも少なくとも100%である。
【0012】
本願で記載される実施形態のファブリックは、第1ファブリック部分と第2ファブリック部分との間で重量の差を有するのがよく、その差は、少なくとも50%である。
【0013】
本願で記載される実施形態のファブリックは、第1ファブリック部分と第2ファブリック部分との間で厚さの差を有するのがよく、その差は、少なくとも10%である。
【0014】
本願で記載される実施形態のファブリックは、第1ファブリック部分と第2ファブリック部分との間で破裂強度の差を有するのがよく、その差は、少なくとも50%である。
【0015】
本願で記載される実施形態のファブリックは、第1ファブリック部分と第2ファブリック部分との間でインターレーシングの数の差を有するのがよく、前記第1インターレーシングの数は、前記第2インターレーシングの数よりも少なくとも50%多い。
【0016】
本願で記載される実施形態のファブリックは、第1ファブリック部分と第2ファブリック部分との間で開放領域のパーセンテージの差を有するのがよく、前記第1ファブリック部分の開放領域のパーセンテージは、前記第2ファブリック部分の開放領域のパーセンテージより約7%小さいのがよい。
【0017】
本願で記載される実施形態のファブリックは、編み物または織物であるのがよい。本願で記載される実施形態はさらに、第1パターンで糸の第1インターレーシングにより作られ、第1平均細孔寸法を有する第1ファブリック細孔を含む第1ファブリック部分を作り、第2パターンで糸の第2インターレーシングにより作られ、第2平均細孔寸法を有する第2ファブリック細孔を含む第2ファブリック部分を作り、前記糸の第1インターレーシングの数は、前記糸の第2インターレーシングの数よりも多い、補強されたメッシュファブリックを作る方法を提供する。
【0018】
本願で記載される実施形態の目的、特徴、および、利点は、図面および特許請求の範囲と一緒に以下の詳細な説明を読むときにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1A】第1実施形態のファブリックの正面図である。
図1B図1Aの実施形態の縮小図である。
図1C図1Aの実施形態の拡大図である。
図1D図1Cの概略図である。
図1E】横方向に沿った第1細孔と第2細孔の境界における図1Aの拡大図である。
図1F図1Eの概略図である。
図1G】縦方向に沿った第1細孔と第2細孔の境界における図1Aの拡大図である。
図1H図1Gの概略図である。
図2A】代表的な第1細孔の拡大図である。
図2B】代表的な第2細孔の拡大図である。
図3】第2実施形態の正面図である。
図4図3の実施形態のためのスレッディングレイアウトのダイアグラム図である。
図5図3の実施形態のための案内バー移動のダイアグラム図である。
図6図3の拡大図である。
図7】第3実施形態の正面図である。
図8】第4実施形態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
同じ番号は、いくつかの図に亘って同じ部分を指示する図面を参照すると、図1Aは、第1部分12および第2部分14の第1実施形態10を示している。第1実施形態は、者フィラメントPET糸でできた編みメッシュである。第1部分12は、第1縫いパターンを使用して作られており、第1細孔16を形成する。第2部分14は、第2縫いパターンを使用することによって形成され、第2細孔18を形成する
【0021】
第1実施形態10のために使用される特定の縫いパターンは、以下のように示される。

案内バー1=(2-1/1-2/2-10/1-2/2-2/2-3)x17 (2-1/1-0/1-3)x12

案内バー2=(1-2/2-1/1-3/2-1/1-2/2-1/1-0)x17 (1-2/2-3/2-1/1-0)x12

案内バー3=(2-1/1-0/1-2/2-3)x46

案内バー4=(1-2/2-3/2-1/1-0)x46
【0022】
任意の数の縫いパターンを使用して本願に記載されているファブリックを作ることができ、上記の縫いパターンは、いかなる仕方でも実施形態の範囲を限定することを意図するものではないことに留意すべきである。当業者は理解するように、縫いパターンを変更してファブリックを作ることができ、ここで、寸法形状は変更する必要があるかもしれないが、ファブリックの機能は実質的に同じままである。図1Bは、第1実施形態10の縮小図であり、第1部分12および第2部分14を示している。図1Cは、第1実施形態の更に拡大された図であり、特に、第1部分12と第2部分12が境界で接する隅部を示している。図1Dは、図1Cのコンピュータで作られた図である。図1Eは、横方向に沿った第1部分12と第2部分14の境界における第1実施形態10の拡大図である。図1Fは、図1Eのコンピュータで作られた図である。図1Gは、縦方向に沿った第1部分12と第2部分14の境界における第1実施形態の拡大図である。図1Hは、図1Gのコンピュータで作られた図である。
【0023】
一般的には、細孔は、メッシュの編みピラーと編みピラーの間に作られた開口として定義される。各ピラーは1針で形成されたループからなる。各編みピラー内の糸と糸の間の空間は、本願で記載されている形成されたメッシュの細孔とは考えられていない。図2Aは、第1実施形態10の第1編みピラー20のインターレーシングによって形成された代表的な第1細孔16を示している。図2Bは、第1実施形態10の第2編みピラー22のインターレーシングによって形成された代表的な第2細孔18を示している。図1に示されているように、第1部分12は、境界線15によって示されるように、第2部分14を取り囲んでいる。第1部分12は、部分内に糸と糸がインターレースする追加の点を設けることによって第2の部分14を支持するように互いに対抗して働く補強用インターレースを使用することによって第2部分14を封入する。追加のインターレースの第1部分12は、切断された糸または端を吸収することによるほつれを緩和または防止し、インターレーシングの点または節点内に張力を吸収することによる更なるほつれを防止し、ほつれた糸の端の更なるほつれを防止する。
【0024】
第1細孔16がより小さく、固定領域に亘ってインターレーシングの数がより多いので、第1部分12は、第2部分14より大きい密度を有する。第1実施形態10では、第1部分12のインターレーシングの数は、1インチ(25.4mm)当たり約26個であるのに対して、第2部分のインターレーシングの数は、1インチ(25.4mm)当たり約14個である。それ故、第1部分12は、第2部分14よりも大きい重量を有する。
【0025】
第1実施形態10についていくつかの試験を行った。その結果は、以下の表Aに示されている。
【0026】
以下の表Cは、ポンド(1lb=0.435kg))対伸びの第1実施形態10の第1部分12および第2部分14の伸びデータを提供する。グラフでわかるように、第1部分は、第2部分に比べて、一定の率に対しより長い時間引張状態で一体性を維持する。
【0027】
第2実施形態24は、図3に示されているように、異なる縫いパターンを提供する。第2実施形態24は、第1細孔27を有する第1部分、および、第2細孔29を有する第2部分28を有する。
【0028】
第2実施形態を作るように採用されたこの縫いパターンは、以下のとおりである。

案内バー1=(1-0/0-1/1-0/0-1/1-2/2-1/1-2/2-1)x3//

案内バー2=0-1/1-2/2-3/3-4/4-5/5-6/6-7/7-8/8-7/7-8/8-7/7-6/6-5/5-4/4-3/3-2/2-1/1-0/0-1/1-0/0-1/1-0//

案内バー3=8-7/7-6/6-5/5-4/4-3/3-2/2-1/1-0/0-1/1-0/0-1/1-0/0-1/1-2/2-3/3-4/4-55-6/6-7/7-8/8-7/7-8/8-7/7-8//
【0029】
図4は、第2実施形態24のスレッディングレイアウトのダイアグラム図である。
【0030】
図5は、第2実施形態24の案内バー移動のダイアグラム図である。最後に、図6は、第1部分26および第2部分28をより詳細に示す第2実施形態24の拡大図である。第1部分26は、第2部分28より小さい細孔寸法、および、より多い数のインターレースまたは節点を有する。第2部分は、第1部分よりも少ないインターレースを有し、より大きい細孔寸法を有する。
【0031】
より多いインターレースまたは節点を有する領域はまた、節点の数が変化する領域と領域の間の境界において視覚的または触覚的補助として作用することができる。製作適用例では、この境界は、作業者がフレームまたは装置上にファブリック片を効率的または効果的に取り付けるのを助け、より高品質の製品を生み出す。
【0032】
視覚的および/または触覚的補助としてより多い節点の使用は、より少ない節点またはより少ないインターレースを有するファブリックがフレームまたは他の装置上に操縦される場合の製作のすべての局面に組み込むことができる。節点がより多い補強領域は、ワイヤまたはチューブ上にファブリックを通す人に視覚的案内を提供するのを助ける。より高いインターレーシング領域は、細孔が正しく通され、かくして、製品の品質がより高いことを確実にするように作業者に視覚的案内を提供する。
【0033】
所与のファブリックで特定の位置のインターレースの数の変化はまた、密度がより小さい領域が正しく配向されていることを確保するための視覚的補助を提供することができる。外科医は、ファブリックを見る、または、ファブリックを感じることができ、パターンによって、メッシュが正しく配向されているかどうかを決定することができる。メッシュが正しく配向されているとき、処置の成功率は増大し、かくして、患者の生活の質が向上される。
【0034】
本願で記載されたファブリックは、織りファブリックおよび編みファブリックの両方に適用できる。編みファブリックに関して、適用例が要求するように、異なる縫いパターンを使用することができる。縫いパターンおよび密度は、強度、細孔寸法、安定性、および、伸びの編みメッシュ品質に強い影響を与える。かかる性質を変更する必要がある場合には、縫いパターンおよび/または密度が変更される。
【0035】
図7および図8は、織り構造における第3および第4実施形態を示している。図7は、より密な織り並びにより多くのインターレーシングおよび節点を有する第1部分32を有する第3実施形態30を開示している。第3実施形態30の第2部分34は、より少ないインターレースおよび節点を備えたより大きい開放織りを有する。第3実施形態30の第1部分32は、1,1織りを有し、第2部分34は、2,2織りを有する。図6はまた、第1部分32と第2部分34の両方の織りパターンを示している。
【0036】
図8は、織り実施形態のもう1つの例36であり、より大きな開放織りの第2部分40を取り囲むより密な織りを有する第1部分38を有する第4実施形態の図を提供する。図8からわかるように、第1部分38と第2部分40の境界は円形であるが、ファブリックの必要および機能を支援するように所望のように設計することができる。第1部分38および第2部分40の織りパターンもまた提供される。第4実施形態36の第1部分32は、1,1織りを有し、第2部分34は、4,4織りを有する。
【0037】
本実施形態の別の適用例は、細胞内成長のためのファブリック足場を作ることである。種々の細孔寸法のファブリックを構成することによって、細胞内成長を促進することができることが理解される。その結果、寸法が特別な細胞の成長を促進するように、ファブリック足場、かくして、そのファブリック足場上または内の位置を設計することができる。
【0038】
本願で示された編みパターンは、形状が直線的であり、真っ直ぐな長さおよび幅を有することも理解すべきである。しかしながら、出願人は、上述した実施形態が、特定の適用例の所望の寸法または幅に編むことによっても作ることができるであろうことを予期している。例えば、できた片が、菱形を有することを望む場合には、その形状は、その形状をシート状のファブリックに切断すること、或いは、片を所望の形状に編むことのいずれかによって達成することができる。片が編まれる場合には、編みパターンは、菱形を作るために、テーパした部分を含む必要があるであろう。任意の数の直線または曲線形状を達成できること、および、菱形は例であり、いかなる仕方でも本願に記載された実施形態の範囲を制限することを意図しないことが理解されるであろう。
【0039】
出願人は、本願で開示されている実施形態を作る少なくとも1つの代替的な方法があることに気が付いている。種々の数のインターレーシングを有するファブリックを作るために縫いパターンを変える代わりに、代替的方法は、より少ない節点の領域に張力をかけ、次いで、ファブリックを加熱することである。張力状態の領域は、残りのファブリックが縮み、または、後退する間に、その密度を維持し、かくして、より多くの数の節点またはインターレースを作る。この方法は、上述した種々の実施形態に適用することができる。
【0040】
本願で使用されているように、単数形態“a”、“an”、および、“the”は、文脈が明らかに異なることを指示しない限り、複数指示も含む。かくして、例えば、「糸(a yarn)」または「細孔(a pore)」は、単一の糸または単一の細孔を意味するか、或いは、2以上の糸または細孔を意味することを意図する。さらに、「上側」、「下側」、「鉛直」、「水平」等のような用語の明細書内の使用は、互いに関して本願で記載された実施形態の部分の構造および機能を記載するために使用された便宜の語であり、いかなる仕方でも限定する用語として解釈されることを意味しない。
【符号の説明】
【0041】
12、26、32、38 第1部分
14、28、34、40 第2部分
16、27 第1細孔
18、29 第2細孔
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図2A
図2B
図3
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図8