【実施例1】
【0057】
本発明に基づく包装箱Aは、
図1〜
図6等に示すように構成され、内箱部A1と、外箱部A2とを有していて、それぞれが1枚のシート状のブランク(具体的には、段ボール製(例えば、薄型段ボール製)のブランクであり、厚紙製のブランク等の他の紙製のブランクでもよい)により形成されている。つまり、内箱部A1、外箱部A2は、ともに、段ボール材(特に、両面段ボール材)等の紙製の箱体である。段ボールにおける断面略波形形状の中芯の段の方向は、
図5、
図6における円内に示す方向となっていて、内箱部A1においては、折れ線C0〜C3と平行で、外箱部A2においては、折れ線C11〜C14と平行となっている(なお、段ボールにおける中芯の段の方向はこれには限られない)。
【0058】
内箱部A1は、全体に上部が開口した容器状を呈し、
図4、
図5等に示すように、スリーブ状部(内側スリーブ状部)5と、底面部50とを有している。スリーブ状部5は、組立て状態では、底面部50の周囲から立設して形成され、正面部(第1内箱部側面部)10と、側面部(第2内箱部側面部)20と、側面部(第4内箱部側面部)30と、背面部(第3内箱部側面部)40と、糊代部(内箱部糊代部)42とを有していて、その展開状態は、
図5に示すように形成されている。
【0059】
ここで、正面部10は、内箱部A1の正面を形成し、方形状(具体的には、横長長方形状)の上側に切欠部K10を形成した形状を呈し、横長長方形状の両側が上方に突出した形状を呈している。
【0060】
また、側面部20は、正面部10の右側面側の端部から直線状の折れ線C1を介して連設され、横長長方形状の上側に台形形状の突状部を設けた外形を呈し、正面側の端部においては、正面部10の上辺の右側面側の端部と同じ高さに形成され、背面側の端部においては、背面部40の上辺の右側面側の端部と同じ高さに形成されている。この側面部20は、本体部(第1内箱部側面部本体部)22と、分離部(第1分離部)24とを有している。
【0061】
すなわち、側面部20には、切目線24Kと開口部(第1開口部)25とが設けられ、切目線24Kと開口部25により囲まれた領域が分離部24となる。切目線24Kは、上側に膨出した円弧状の切目線24Kaと、切目線24Kaの正面側の端部から連設され、上下方向に直線状に形成された(つまり、折れ線C1と平行に形成された)切目線24Kbと、切目線24Kbの下端から背面側に向けて連設され、下側に膨出した円弧状の切目線24Kcとから形成されている。切目線24Ka、24Kcは、複数の切込みが間隔を介して形成されたものであり(つまり、ミシン目状の切断予定線である)、切目線24Kbは、連続した切込みにより形成されている。また、開口部25は、縦長の長方形状を呈し、上側で正面側の角部に切目線24Kaが連設され、下側で正面側の角部に切目線24Kcが連設されている。開口部25は、分離部24の背面部40側に隣接している。これにより、分離部24は折れ線C1に近い位置に設けることができ、分離部24は対角に近い位置に設けられることになる。本体部22は、側面部20において分離部24を除いた領域であり、側面部20の一部である分離部24が本体部22と切目線24Kを介して分離可能となっている。
【0062】
なお、側面部20における分離部24の形成位置は、横方向において正面側に偏った位置であり、分離部24の背面側の辺部24a(開口部25に沿った辺部)は、側面部20の横方向における中央位置よりも正面側に位置し、少なくとも、分離部24の前後方向における中心位置は、側面部20の横方向における中央位置よりも正面側に位置していて、分離部24は、側面部20において正面側に偏った位置に設けられている。つまり、分離部24は、側面部20における横方向の位置において、スリーブ状部5において他の分離部44が設けられた部材(つまり、背面部40)側とは反対側に偏った位置に設けられている。分離部24は、片部124の本体部125(後述)に接着されている。
【0063】
また、背面部40は、側面部20の背面側の端部から折れ線C2を介して連設され、方形状(横長長方形状)の外形を呈している。この背面部40の横幅は、正面部10の横幅と同一に形成されている。この背面部40は、本体部(第2内箱部側面部本体部)42と、分離部(第2分離部)44とを有している。
【0064】
すなわち、背面部40には、切目線44Kと開口部(第2開口部)45とが設けられ、内箱部A1の展開状態において、切目線44Kは、切目線24Kと折れ線C2を介して線対称に形成され、開口部45は、開口部25と折れ線C2を介して線対称に形成されている。切目線44Kと開口部45により囲まれた領域が分離部44となる。
【0065】
切目線44Kは、上側に膨出した円弧状の切目線44Kaと、切目線44Kaの左側面側の端部から連設され、上下方向に直線状に形成された(つまり、折れ線C3と平行に形成された)切目線44Kbと、切目線44Kbの下端から右側面側に向けて連設され、下側に膨出した円弧状の切目線44Kcとから形成されている。切目線44Ka、44Kcは、複数の切込みが間隔を介して形成されたものであり(つまり、ミシン目状の切断予定線である)、切目線44Kbは、連続した切込みにより形成されている。また、開口部45は、縦長の長方形状を呈し、上側で左側面側の角部に切目線44Kaが連設され、下側で左側面側の角部に切目線44Kcが連設されている。開口部45は、分離部44の側面部20側に隣接している。これにより、分離部44は折れ線C3に近い位置に設けることができ、分離部44は対角に近い位置に設けられることになる。本体部42は、背面部40において分離部44を除いた領域であり、背面部40の一部である分離部44が本体部42と切目線44Kを介して分離可能となっている。
【0066】
なお、背面部40における分離部44の形成位置も、内箱部A1の展開状態において、折れ線C2を介して線対称の位置であり、横方向において左側面側に偏った位置であり、分離部44の右側面側の辺部44a(開口部45に沿った辺部)は、背面部40の横方向における中央位置よりも左側面側に位置し。少なくとも、分離部24の左右方向における中心位置は、背面部40の横方向における中央位置よりも左側面側に位置していて、分離部44は、背面部40において左側面側に偏った位置に設けられている。つまり、分離部44は、背面部40における横方向の位置において、スリーブ状部5において他の分離部24が設けられた部材(つまり、側面部20)側とは反対側に偏った位置に設けられている。分離部44は、片部144の本体部145(後述)に接着されている。
【0067】
また、側面部30は、背面部40の左側面側の端部から直線状の折れ線C3を介して連設され、横長長方形状の上側に台形形状の突状部を設けた外形を呈し、背面側の端部においては、背面部40の上辺と同じ高さに形成されている。つまり、側面部30の外形は、側面部20の外形と略同一であり、側面部20から切目線24K及び開口部25を除いた構成と略同一である。
【0068】
また、糊代部49は、正面部10の左側面側の端部から折れ線C0を介して連設され、縦方向に細長の帯状台形形状を呈している。この糊代部49は、
図4に示すように、その外側の面が側面部30の内側の面に接着されている。
【0069】
また、底面部50は、第1片部(底面部第1片部)60と、第2片部(底面部第2片部)70と、第3片部(底面部第3片部)80と、第4片部(底面部第4片部)90とを有し、包装箱Aの組立て状態においては、
図3に示すように、略方形状を呈している。この底面部50は、いわゆるワンタッチ底組式(ワンタッチ底)と呼ばれるものである。
【0070】
ここで、第1片部60は、正面部10の下端から直線状の折れ線を介して連設され、略長方形状に形成され、第1片部60の上面の一部が内箱部A1の内底面の一部を形成している。また、第1片部60の角部(正面部10と側面部20の境界位置の角部)からは第1片部60の正面部10との境界をなす辺部に対して斜めに折れ線60−1(この折れ線60−1は、上面側が山折れ線となっている)が形成され、内箱部A1を折り畳む際に、底面部50を折り畳むことができるようになっている。第1片部60は、折れ線60−1を介して本体部62と先端部(第1端部領域)64とに区画される。本体部62の先端の先端部64側には、他方の本体部82と互いに係止するように切欠部62aが形成されている。包装箱Aの組立て状態において、先端部64の上面は、第2片部70の下面に接着されている。
【0071】
また、第2片部70は、側面部20の下端から直線状の折れ線を介して連設され、先端側にいくほど幅狭となる略台形形状に形成され、その上面の一部が内箱部A1の内底面の一部を形成している。
【0072】
また、第3片部80は、背面部40の下端から直線状の折れ線を介して連設され、底面部50の組立て状態においては、第1片部60と底面部50の中心位置(底面部50の対角の角部を結ぶ2つの直線の交点)を介して点対称に形成され、内箱部A1の展開状態においては、第1辺部60と同一形状に形成されている。すなわち、第3片部80は、背面部40の下端から折れ線を介して連設され、略長方形状に形成され、第3片部80の上面の一部が内箱部A1の内底面の一部を形成している。また、第3片部80の角部(背面部40と側面部30の境界位置の角部)からは第3片部80の背面部40との境界をなす辺部に対して斜めに折れ線80−1(この折れ線80−1は、上面側が山折れ線となっている)が形成され、内箱部A1を折り畳む際に、底面部50を折り畳むことができるようになっている。第3片部80は、折れ線80−1を介して本体部82と先端部(第2端部領域)84とに区画される。本体部82の先端の先端部84側には、他方の本体部62と互いに係止するように切欠部82aが形成されている。包装箱Aの組立て状態において、先端部84の上面は、第4片部90の下面に接着されている。
【0073】
また、第4片部90は、側面部30の下端から直線状の折れ線を介して連設され、先端側にいくほど幅狭となる略台形形状に形成され、その上面の一部が内箱部A1の内底面の一部を形成している。この第4片部90は、底面部50の組立て状態においては、底面部50の中心位置を介して第2片部70と点対称に形成され、内箱部A1の展開状態においては、第2片部70と同一形状に形成されている。
【0074】
なお、分離部24、44は側面部20と背面部40に設けられているが、内箱部A1を展開した状態では、分離部24、44は、スリーブ状部5を構成する4つの部材(正面部10と側面部20、30と背面部40)において、互いに隣接する部材に設けられ、特に、内箱部A1の展開状態で、該4つの部材において、内側の2つの部材に設けられている(つまり、4つの部材の並び順において、始端の部材と終端の部材以外の部材に設けられている)。
【0075】
内箱部A1を箱状に組み立てた状態では、正面部10と背面部40とが互いに平行になり、側面部20と側面部30とが互いに平行になり、底面部50を構成する各部材は、正面部10、側面部20、30、背面部40に対して略直角(直角でもよい)となる。また、スリーブ状部5を構成する各部材(正面部10、側面部20、30、背面部40)における隣接する部材は互いに直角(略直角としてもよい)となっている。また、内箱部A1は、平板状に折り畳むことができ、正面部10と側面部20との角度を小さくし、背面部40と側面部30との角度を小さくさせることにより、底面部50を構成する各部がスリーブ状部5内に折り畳まれ、内箱部A1が全体に平板状に折り畳むことができる(
図10参照)。また、内箱部A1を折り畳んだ状態では、底面部50を構成する各部は、スリーブ状部5内に入り込んだ状態となる。
【0076】
次に、外箱部A2は、内箱部A1を覆う箱体であり、
図1〜
図3、
図6等に示すように、スリーブ状部(外側スリーブ状部)105と、上面部160、170、180、190とを有していて、その展開状態は、
図6に示すように形成されている。
【0077】
ここで、スリーブ状部105は、組み立てた状態では、四角形状の筒状を呈し、正面部(第1外箱部側面部)110と、側面部(第2外箱部側面部)120と、側面部(第4外箱部側面部)130と、背面部(第3外箱部側面部)140と、糊代部(外箱部糊代部)142を有している。
【0078】
ここで、正面部110は、方形状(長方形状)の板状を呈している。この正面部110の横幅(折れ線C11と左側面側の辺部間の長さ)は、正面部10の横幅(折れ線C0と折れ線C1間の横方向の長さ)と略同一であるが、内箱部A1を外箱部A2内に収納することができるように、正面部10の横幅よりも若干大きく形成されている。
【0079】
また、側面部120は、正面部110の右側面側の端部から直線状の折れ線C11を介して連設され、方形状を呈し、切目線124Kと折れ線C125、C126が形成されている。
【0080】
ここで、切目線124Kは、上側に膨出した円弧状を呈する切目線125Ka−1と、切目線125Ka−1の背面側の端部から下方に直線状に形成された切目線125Ka−2と、切目線125Ka−2の下端から連設された切目線126Kと、切目線126Kの下端から連設され、直線状に形成された切目線125Kb−2と、切目線125Kb−2の下端から正面側に向けて連設され、下方に膨出した円弧状を呈する切目線125Kb−1とを有し、切目線126Kは、切目線125Ka−2の下端から斜め下方に形成された切目線126Kaと、切目線126Kaの切目線125Ka−2と反対側の端部から連設され、上下方向に形成された切目線126Kbと、切目線126Kbの下端から斜め下方に切目線125Kb−2の上端まで形成された切目線126Kcとを有している。切目線125Ka−1、125Kb−1は、複数の切込みが間隔を介して形成されたものであり(つまり、ミシン目状の切断予定線である)、切目線124Kにおける切目線125Ka−1、125Kb−1以外の切目線は、連続した切込みにより形成されている。切目線124Kは、切断予定線を含むので、全体としては、切断予定線であるといえる。切目線125Ka−1と切目線125Ka−2とで、切目線125Kaが構成され、切目線125Kb−1と切目線125Kb−2とで、切目線125Kbが構成される。なお、切目線124Kは、横方向の中心線を介して上下線対称に形成されている。
【0081】
また、切目線125Ka−1の正面側の端部と切目線125Kb−1の正面側の端部間には、上下方向に直線状の折れ線C125が設けられ、切目線125Ka−2の下端と切目線125Kb−2の上端間には、上下方向に直線状の折れ線C126が設けられ、折れ線C125、C126に沿って罫線が形成されている。なお、片部124を回動させることにより、自然と折れ線C125の位置に折れ線が形成されるので、折れ線C125を省略してもよい。
【0082】
切目線124Kと折れ線C125により囲まれた領域が片部(第1回動片部)124となり、片部124は、本体部(第1本体部)125と先端部(第1先端部)126から形成されている。本体部125は、折れ線C125、C126と切目線125Ka、125Kbにより囲まれた領域であり、先端部126は、切目線126Kと折れ線C126により囲まれた領域である。
【0083】
本体部125は、分離部24よりも大きく形成され、縦方向の幅については、切目線125Ka−1と切目線125Kb−1間の長さ(最大長さ)は、切目線24Kaと切目線24Kc間の長さ(最大長さ)よりも長く形成され、横方向の幅については、折れ線C125と折れ線C126間の長さは、切目線24Kbと開口部25の正面側の辺部間の長さよりも長く形成され、分離部24が本体部125に接着された状態で、分離部24は、本体部125の領域からはみ出ないようになっている。
【0084】
また、先端部126は、本体部125の背面部140側(つまり、本体部125の片部124の回動中心側とは反対側である先端側)に連設され、開口部25よりも小さく形成され、先端部126の上下方向の長さ(最大長さ)は、開口部25の上下方向の長さよりも小さく形成され、先端部126の横方向の長さ(最大長さ)は、開口部25の横方向の長さよりも小さく形成されている。これにより、先端部126を本体部125に対して折り曲げて、開口部25内に押し込むことができる。折れ線C126は、横方向において分離部24の辺部24aと一致するか、あるいは、辺部24aよりも若干背面側に設けられている。
【0085】
なお、側面部120における片部124の形成位置は、横方向において正面側に偏った位置であり、本体部125の背面側の辺部(折れ線C126に沿った辺部)は、側面部120の横方向における中央位置よりも正面側に位置し、少なくとも、本体部125の横方向(前後方向としてもよい)における中心位置は、側面部120の横方向における中央位置よりも正面側に位置している。つまり、片部124(特に本体部125)は、側面部120における横方向の位置において、スリーブ状部105において他の片部144が設けられた部材(つまり、背面部140)側とは反対側に偏った位置に設けられている。
【0086】
また、背面部140は、側面部120の背面側の端部から直線状の折れ線C12を介して連設され、方形状を呈し、切目線144Kと折れ線C145、C146が形成されている。この背面部140の左右方向の長さ(折れ線C12と折れ線C13間の長さ)は、正面部110の左右方向の長さ(正面部110の左側面側の端部と折れ線C11間の長さ)と略同一に形成され、厳密には、正面部110における左右方向の長さよりも若干長く形成されている。
【0087】
この背面部140における切目線144K及び折れ線C145、C146の構成は、外箱部A2の展開状態において、折れ線C12に沿った中心線を介して側面部120の切目線124K及び折れ線C125、C126と線対称に形成され、外箱部A2の展開状態において、切目線144Kは、切目線124Kと線対称に形成され、折れ線C145は、折れ線C125と線対称に形成され、折れ線C146は、折れ線C126と線対称に形成されている。
【0088】
すなわち、切目線144Kは、上側に膨出した円弧状を呈する切目線145Ka−1と、切目線145Ka−1の右側面側の端部から下方に直線状に形成された切目線145Ka−2と、切目線145Ka−2の下端から連設された切目線146Kと、切目線146Kの下端から連設され、直線状に形成された切目線145Kb−2と、切目線145Kb−2の下端から連設され、下方に膨出した円弧状を呈する切目線145Kb−1とを有し、切目線146Kは、切目線145Ka−2の下端から斜め下方に形成された切目線146Kaと、切目線146Kaの切目線145Ka−2と反対側の端部から連設され、上下方向に形成された切目線146Kbと、切目線146Kbの下端から斜め下方に切目線145Kb−2の上端まで形成された切目線146Kcとを有している。切目線145Ka−1、145Kb−1は、複数の切込みが間隔を介して形成されたものであり(つまり、ミシン目状の切断予定線である)、切目線144Kにおける切目線145Ka−1、145Kb−1以外の切目線は、連続した切込みにより形成されている。切目線144Kは、切断予定線を含むので、全体としては、切断予定線であるといえる。切目線145Ka−1と切目線145Ka−2とで、切目線145Kaが構成され、切目線145Kb−1と切目線145Kb−2とで、切目線145Kbが構成される。なお、切目線144Kは、横方向の中心線を介して上下線対称に形成されている。
【0089】
また、切目線145Ka−1の左側面側の端部と切目線145Kb−1の左側面側の端部間には、上下方向に直線状の折れ線C145が設けられ、切目線145Ka−2の下端と切目線145Kb−2の上端間には、上下方向に直線状の折れ線C146が設けられ、折れ線C145、C146に沿って罫線が形成されている。なお、片部144を回動させることにより、自然と折れ線C145の位置に折れ線が形成されるので、折れ線C145を省略してもよい。
【0090】
切目線144Kと折れ線C145により囲まれた領域が片部(第2回動片部)144となり、片部144は、本体部(第2本体部)145と先端部(第2先端部)146から形成されている。本体部145は、折れ線C145、C146と切目線145Ka、145Kbにより囲まれた領域であり、先端部146は、切目線146Kと折れ線C146により囲まれた領域である。
【0091】
本体部145は、分離部44よりも大きく形成され、縦方向の幅については、切目線145Ka−1と切目線145Kb−1間の長さ(最大長さ)は、切目線44Kaと切目線44Kc間の長さ(最大長さ)よりも長く形成され、横方向の幅については、折れ線C145と折れ線C146間の長さは、切目線44Kbと開口部45の左側面側の辺部間の長さよりも長く形成され、分離部44が本体部145に接着された状態で、分離部44は、本体部145の領域からはみ出ないようになっている。
【0092】
また、先端部146は、本体部145の側面部120側に(つまり、本体部145の片部144の回動中心側とは反対側である先端側)連設され、開口部45よりも小さく形成され、先端部146の上下方向の長さ(最大長さ)は、開口部45の上下方向の長さよりも小さく形成され、先端部146の横方向の長さ(最大長さ)は、開口部45の横方向の長さよりも小さく形成されている。これにより、先端部146を本体部145に対して折り曲げて、開口部45内に押し込むことができる。折れ線C146は、横方向において分離部44の辺部44aと一致するか、あるいは、辺部44aよりも若干右側面側に設けられている。
【0093】
なお、背面部140における片部144の形成位置は、横方向において左側面側に偏った位置であり、本体部145の右側面側の辺部(折れ線C146に沿った辺部)は、背面部140の横方向における中央位置よりも左側面側に位置し、少なくとも、本体部145の横方向(前後方向としてもよい)における中心位置は、背面部140の横方向における中央位置よりも正面側に位置している。つまり、片部144(特に本体部145)は、背面部140における横方向の位置において、スリーブ状部105において他の片部124が設けられた部材(つまり、側面部120)側とは反対側に偏った位置に設けられている。
【0094】
また、側面部130は、背面部の左側面側の端部から直線状の折れ線C13を介して連設され、略方形状を呈している。つまり、側面部130は、方形状における正面上側の角部が僅かに面取りされた形状を呈している。この側面部130の前後方向の長さ(折れ線C13と折れ線C14間の長さ)は、側面部120の前後方向の長さ(折れ線C11と折れ線C12間の長さ)と同一に形成されている。
【0095】
また、糊代部142は、側面部130の正面側の辺部から直線状の折れ線C14を介して連設され、縦方向に細長の帯状台形形状を呈している。この糊代部142は、
図1、
図3に示すように、その内側の面が正面部110の外側の面に接着されている。この糊代部142の横幅は、当然正面部110の横幅よりも小さく形成されている。
【0096】
また、正面部110と側面部120、130と背面部140の縦幅は同一に形成されていて、内箱部A1の縦幅(最大長さ)よりも大きく形成されている。
【0097】
なお、スリーブ状部105において、折れ線C11と折れ線C12と折れ線C13と折れ線C14は互いに平行に形成されている。
【0098】
また、上面部160は、正面部110の上端から折れ線を介して連設され、略方形状(略長方形状)を呈し、長方形状における両側の先端側の角部を面取りした形状を呈している。また、上面部170は、側面部120の上端から折れ線を介して連設され、略方形状(略長方形状)を呈し、長方形状における両側の先端側の角部を面取りした形状を呈している。上面部190は、背面部140の上端から折れ線を介して連設され、略方形状(略長方形状)を呈し、長方形状における両側の先端側の角部を面取りした形状を呈している。この上面部190は、上面部160と同大同形状に形成されている。また、上面部180は、側面部130の上端から折れ線を介して連設され、略方形状(略長方形状)を呈し、長方形状における両側の先端側の角部を面取りした形状を呈している。この上面部180は、上面部170と同大同形状に形成されている。
【0099】
なお、上面部160、190における先端側の辺部(スリーブ状部105側とは反対側の辺部)に対する面取りの角度は、上面部170、180における先端側の辺部(スリーブ状部105側とは反対側の辺部)に対する面取りの角度よりも小さく形成されている。
【0100】
これら4つの上面部160〜190は、外箱部A2の上面を開閉するものであり、特に、上面部160と上面部190を閉状態とすることにより外箱部A2の上面が塞がれる。つまり、上面部160、190の基端から先端までの長さは、側面部120、130の前後方向の長さの半分であり、上面部160、190を閉じた際には、上面部160の先端と上面部190の先端が接する。つまり、上面部160〜190、特に、上面部160、190が蓋部を構成するといえる。上面部160〜190の構成は、いわゆるA式と言われるものである。なお、上面部160〜190は、予め上方に立設した状態になっていて、外箱部A2の上方が開口した状態になっている。なお、蓋部としての上面部160〜190はスリーブ状部105の上端の各辺から連設されているが、少なくとも1つの上面部から連設されていればよい。
【0101】
なお、片部124、144は側面部120と背面部140に設けられているが、外箱部A2を展開した状態では、片部124、144は、スリーブ状部105を構成する4つの部材(正面部110と側面部120、130と背面部140)において、互いに隣接する部材に設けられ、特に、外箱部A2の展開状態で、該4つの部材において、内側の2つの部材に設けられている(つまり、4つの部材の並び順において、始端の部材と終端の部材以外の部材に設けられている)。
【0102】
外箱部A2を箱状に組み立てた状態では、正面部110と背面部140とが互いに平行になり、側面部120と側面部130とが互いに平行になる。また、スリーブ状部105を構成する各部材(正面部110、側面部120、130、背面部140)における隣接する部材は互いに直角(略直角としてもよい)となっている。
【0103】
なお、スリーブ状部105においては、互いに隣接する部材の境界位置には開口部や切欠部は形成されていない。つまり、折れ線C11、C12、C13、C14に沿った位置に開口部や切欠部は形成されていない。
【0104】
包装箱Aの状態では、内箱部A1と外箱部A2とは、分離部24、44の箇所で互いに接着されている。つまり、分離部24の外側の面と側面部120(具体的には、本体部125)の内側の面とが接着剤その他の接着手段により接着されるとともに、分離部44の外側の面と背面部140(具体的には、本体部145)の内側の面とが接着剤その他の接着手段により接着されることにより、包装箱Aが全体に一体に形成される。つまり、分離部24の外側の面の全部又は一部の領域と側面部120の内側の面の間には接着剤層(図示せず)が設けられていて、同様に、分離部44の外側の面の全部又は一部の領域と背面部140の内側の面の間には接着剤層(図示せず)が設けられている。これにより、外箱部A2のスリーブ状部105は、内箱部A1におけるスリーブ状部5の外側の面に沿って設けられ、例えば、正面部10の外側の面に沿って正面部110が設けられ、側面部20の外側の面に沿って側面部120が設けられ、側面部30の外側の面に沿って側面部130が設けられ、背面部40の外側の面に沿って背面部140が設けられている。該接着剤層の接着力は、外箱部A2の片部124を回動中心としての折れ線C125を介して外側に回動させた際に、同時に分離部24の上下両側の切目線24Ka、24Kcが破れて、分離部24が内箱部A1から分離し、回動させた片部124に接着した状態で片部124に従動するように設定されていて、同様に、外箱部A2の片部144を回動中心としての折れ線C145を介して外側に回動させた際に、同時に分離部44の上下両側の切目線44Ka、44Kcが破れて、分離部44が内箱部A1から分離し、回動させた片部144に接着した状態で片部144に従動するように設定されている。
【0105】
また、内箱部A1と外箱部A2とが接着された状態では、内箱部A1の下端と外箱部A2の下端とが同じ高さになるように形成されている。なお、内箱部A1と外箱部A2とは、分離部24、44の箇所以外は互いに接着されていない。以上のように、内箱部A1は外箱部A2の内側に収納した状態となっていて、内箱部A1の底面部50以外は外箱部A2に被覆された状態となっている。つまり、外箱部A2の下端の高さ方向の位置は、内箱部A1の下端の高さ方向の位置と略同一であり、上面部160〜190を封止した状態では内箱部A1においては底面部50のみが露出している。
【0106】
なお、分離部24、44は、上記のように偏った位置に設けられ、片部124、144は、上記のように偏った位置に設けられていて、分離部と片部の接着部分が、包装箱Aの対角に近い位置となっているので、2つの接着部分に掛かる重量を対角に近い位置で分散させることができ、分離部の切目線が不用意に切断(「破断」としてもよい。他においても同じ)してしまうのを防止することができて、包装箱A自体の一体性を保つことができる。また、開口部25は、分離部24の背面部40側に隣接して設けられ、開口部45は、分離部44の側面部20側に隣接して設けられるので、分離部を対角に近い位置に設けることができ、これによっても、2つの接着部分に掛かる重量を対角に近い位置で分散させることができる。つまり、仮に、分離部24、44が折れ線C2に近い側に偏って設けられ、片部124、144が折れ線C12に近い側に偏って設けられている場合には、外箱部A2が、1つの角部の位置でいわば片持ちのようにして内箱部A1を支持することになり、分離部の切目線が不用意に切断してしまうおそれがあり、包装箱A自体の一体性を保つことが困難となる。
【0107】
上記構成の包装箱Aの製造工程について説明する。まず、展開状態の内箱部A1と外箱部A2とを製造する。
【0108】
次に、外箱部A2の内側の面に内箱部A1の外側の面を接着させる(第1接着工程)。つまり、展開状態の外箱部A2の内側の面を上側にして、片部124における分離部24との接着領域と片部144における分離部44との接着領域に接着剤を塗布して、展開状態の内箱部A1を
図7に示すように重ねる。その際、外箱部A2のスリーブ状部105の下辺と内箱部A1のスリーブ状部5の下辺とが略一致する(一致するとしてもよい)ようにし、また、外箱部A2と内箱部A1とにおいて、対応する折れ線のうち折れ線C2と折れ線C12が一致するようにする。なお、スリーブ状部5とスリーブ状部105において、互いに対応する部材の横方向の長さは、外箱部A2の方が長く形成されているので、
図7に示すように、折れ線C13は、折れ線C3に対して外側にずれ、折れ線C11は折れ線C1に対して外側にずれる。なお、外箱部A2のスリーブ状部105の下辺と内箱部A1のスリーブ状部5の下辺とを略一致させるので、内箱部が外箱部の下方から見えてしまい見栄えが悪くなることがない。
【0109】
次に、内箱部A1の底面部50を構成する各部をスリーブ状部5に対して内側に折り返し、さらに、第1片部60の先端部64を本体部62に対して外側に折り返すとともに、第3片部80の先端部84を本体部82に対して外側に折り返して、
図8に示す状態とする(第2折り返し工程)。つまり、第1片部60を正面部10との境界の折れ線を介して正面部10側に折り返し、第2片部70を側面部20との境界の折れ線を介して側面部20側に折り返し、第3片部80を背面部40との境界の折れ線を介して背面部40側に折り返し、第4片部90を側面部30との境界の折れ線を介して側面部30側に折り返し、さらに、先端部64を本体部62に対して折り返すとともに、先端部84を本体部82に対して折り返す。
【0110】
次に、先端部64の領域に接着剤を塗布して(第1接着剤塗布工程)、正面部110を折れ線C11を介して側面部120の側に内側に折り返す(折り返し工程)ことにより、正面部10を折れ線線C1を介して側面部20側に折り返して、
図9に示す状態とする。すると、先端部64が第2片部70に接着される。なお、先端部64の代わりに、第2片部70における先端部64との接着領域に接着剤を塗布してもよい。
【0111】
なお、分離部24と片部124は、側面部20、120に設けられ、側面部20、120は、スリーブ状部5、105を構成する4つの部材のうち内側にあるので、正面部110を折り返した際に、正面部10は外側にずれようとするが、正面部10は、側面部20以外に接着された部材からは連設されていないので、正面部10、110の折返しが不良となることがない。
【0112】
次に、先端部84の領域と、糊代部49の領域と、糊代部142の領域に接着剤を塗布して(第2接着剤塗布工程)、側面部130を折れ線C13を介して背面部140の側に内側に折り返すことにより、側面部30を折れ線C3を介して背面部40側に折り返し、
図10に示す状態とする。すると、先端部84と第4片部90が接着され、糊代部49が側面部30に接着され、糊代部142が正面部110に接着される(第2接着工程)。
【0113】
なお、分離部44と片部144は、背面部40、140に設けられ、背面部40、140は、スリーブ状部5、105を構成する4つの部材のうち内側にあるので、側面部130を折り返した際に、側面部30は外側にずれようとするが、側面部30は、背面部40以外に接着された部材からは連設されていないので、側面部30、130の折返しが不良となることがない。
【0114】
また、製造された包装箱Aにおいては、スリーブ状部5を構成する各部(例えば、正面部10や側面部30)の横方向の両側の端部が、外箱部A2のスリーブ状部105において対応する部材(例えば、正面部10については、正面部110、側面部30については、側面部130)の両側の角部に強く押しつけられることはない。
【0115】
正面部10、110の折返しや側面部30、130の折返しが不良になることがなく、また、製造された包装箱Aにおいては、スリーブ状部5を構成する各部の横方向の両側の端部が、外箱部A2のスリーブ状部105において対応する部材の両側の角部に強く押しつけられることはないので、外箱部A2のスリーブ状部105においては、互いに隣接する部材の境界位置には開口部や切欠部を設ける必要がない。
【0116】
なお、糊代部49の代わりに、側面部30における糊代部49との接着領域に接着剤を塗布してもよく、また、糊代部142の代わりに、正面部110における糊代部142との接着領域に接着剤を塗布してもよく、また、先端部84の代わりに、第4片部90における先端部84との接着領域に接着剤を塗布してもよい。以上のようにして、包装箱Aが製造される。なお、上記の製造は、組立て装置(「自動製函機」としてもよい)により自動で製造される。
【0117】
なお、上記の製造工程において、第3片部80を背面部40側に折り返し、第4片部90を側面部30側に折り返し、さらに、先端部84を本体部82に対して折り返す工程は、正面部110を側面部120の側に折り返して、先端部64を第2片部70に接着した後で、先端部84の領域と、糊代部49の領域と、糊代部142の領域に接着剤を塗布する前に行ってもよい。第4片部90を側面部30側に折り返し、第3片部80を背面部40側に折り返し、さらに、先端部84を本体部82に対して折り返す工程と、その後に、先端部84と糊代部49、142に接着剤を塗布する工程が、第2折り返し・接着剤塗布工程となる。その場合、上記折り返し工程では、第1片部60と第2片部70を折り返して、先端部64を折り返し、その後、先端部64に接着剤を塗布することになる(第1折り返し・接着剤塗布工程)。
【0118】
また、先端部64への接着剤の塗布は、第1片部60を折り返し先端部64を折り返した状態で行うとしたが、
図7の状態で先端部64(又は第2片部70)に接着剤を塗布した後に、第1片部60を
図8に示す状態としてもよい(第1接着剤塗布・折り返し工程)。
【0119】
また、先端部84への接着剤の塗布は、第3片部80を折り返し先端部84を折り返した状態で行うとしたが、
図7の状態で先端部84(又は第4片部90)に接着剤を塗布した後に、第3片部80を
図8に示す状態としてもよい(第2接着剤塗布・折り返し工程)。なお、
図7の状態で先端部84に接着剤を塗布した後に、第3片部80を
図8に示す状態とするのは、正面部110を側面部120の側に折り返して、先端部64を第2片部70に接着した後でもよく、
図7の状態で先端部64に接着剤を塗布した後に、第1片部60を
図8に示す状態とするのと同時に行ってもよい。
【0120】
上記構成の包装箱Aの使用状態について説明する。包装箱Aを使用しない状況では、包装箱Aは平板状に折り畳むことができるので、折り畳んで保管しておく。すなわち、外箱部A2がスリーブ状部105を有するとともに、内箱部A1がスリーブ状部5を有しているので、包装箱Aの状態においても平板状に折り畳むことができ、正面部110と側面部130間の角度を大きくし、側面部120と背面部140間の角度を大きくすることにより、
図10に示すように平板状に折り畳むことができる。
【0121】
次に、包装箱Aを使用する際に、包装箱Aを組み立てる。すなわち、外箱部A2における正面部110と背面部140とが互いに平行になり、側面部120と側面部130とが互いに平行になるようにするとともに、内箱部A1における正面部10と背面部40とが互いに平行になり、側面部20と側面部30とが互いに平行になるようにし、底面部50がスリーブ状部5、105に対して直角になるようにすることにより包装箱Aが立体状に組み立てられる。
【0122】
そして、
図11に示すように、包装箱Aの上方から複数の被収納物(商品)Gを内箱部A1内に収納する。
図11は、袋状の商品である例を示しているが、他の被収納物であってもよい。なお、上面部160〜190は、予め上方に立設した状態になっていて、外箱部A2の上方が開口した状態になっているので、被収納物Gはそのまま包装箱Aの上方から収納すればよい。その後、上面部160〜190を閉状態にして、
図12に示すように、接着テープTを外箱部A2の側面部120から上面を経て側面部130側にまで接着させることにより、上面部160〜190を封止する。
【0123】
以上のようにして、被収納物Gを包装箱Aに包装したら、被収納物Gを収納した包装箱Aを被収納物Gを陳列する場所に搬送する。
【0124】
その後、被収納物Gを陳列する場合には、外箱部A2を内箱部A1から分離する。すなわち、片部124の先端部126を内側に押し込んで、切目線126Kを切断し、先端部126を開口部25内に浸入させ、先端部126を本体部125に対して内側に折り返した状態とする。すると、先端部126は、分離部24の内側の面に接した状態となる。そして、本体部125と先端部126とを指先でつまんだ状態で(その際、分離部24は、本体部125と先端部126に挟まれた状態となる)、片部124を折れ線C125を介して外側に回動させる。
図13は、片部124を外側に回動させた状態を示している。
【0125】
同様に、片部144の先端部146を内側に押し込んで、切目線146Kを切断し、先端部146を開口部45内に浸入させ、先端部146を本体部145に対して内側に折り返した状態とする。すると、先端部146は、分離部44の内側の面に接した状態となる。そして、本体部145と先端部146とを指先でつまんだ状態で(その際、分離部44は、本体部145と先端部146に挟まれた状態となる)、片部144を折れ線C145を介して外側に回動させる。
【0126】
すると、本体部125の周囲の切目線125Ka、125Kbが切断するとともに、分離部24についての切目線24Ka、24Kcが切断して、分離部24が内箱部A1から分離し、本体部125に接着した状態で片部124に従動する。同様に、本体部145の周囲の切目線145Ka、145Kbが切断するとともに、分離部44についての切目線44Ka、44Kcが切断して、分離部44が内箱部A1から分離し、本体部145に接着した状態で片部144に従動する。
【0127】
そして、
図14に示すように、外箱部A2を上方に引き上げることにより、被収納物Gを収納した状態で、かつ、分離部24、44が分離した状態の内箱部A1が残るので、商品Gを収納した状態で内箱部A1を陳列する。
【0128】
なお、本実施例においては、スリーブ状部5を構成する各部の横方向の両側の端部が、外箱部A2のスリーブ状部105において対応する部材の両側の角部に強く押しつけられることはないので、外箱部A2を内箱部A1に対して引き上げる際にも、容易に引き上げることができる。
【0129】
以上のように、本実施例の包装箱Aにおいては、外箱部A2のスリーブ状部105においては、互いに隣接する部材の境界位置には開口部や切欠部は形成されていないので、外箱部の強度を強く保つことができ、特に、天面圧縮強度が低下しないので、包装箱Aの上側に重量の大きい物を積み重ねても、包装箱Aが破損することがない。
【0130】
また、分離部24、44は、上記のように偏った位置に設けられ、片部124、144は、上記のように偏った位置に設けられていて、2つの接着部分に掛かる重量を対角に近い位置で分散させることができ、包装箱A自体の一体性を保つことができる。
【0131】
また、外箱部A2の片部124、144は上記の構成をしていて、先端部126、146は押込み用の部材である(つまり、先端部126、146を押し込んで使用する)が、片部124、144を外側に回動させる際に、先端部126、146とともに外側に回動させるので、押込み用の部材(つまり、先端部126、146)が外箱部A2を内箱部A1に対して引き上げる際に邪魔となることがない。
【0132】
すなわち、仮に、
図37に示すように、外箱部A2に設けられた片部1124が押込み用の部材で押込み部1127とは切目線1124Kbを介して別に設けられ(分離部は、片部1124に接着される)、片部1124が、切目線1124Ka、1124Kb、1124Kcと折れ線C1125で囲まれた構成であり、押込み部1127が、切目線1127Ka、1127Kbと折れ線C1127と切目線1124Kbにより囲まれた構成である場合には、押込み部1127を押し込んで指先を入れる空間を形成し、その後、片部1127の先端(切目線1124Kbに沿った辺部)に指先をひっかけて折れ線C1125を介して回動させて使用するが、押込み部1127が内側に折れ曲がっているので、外箱部A2を引き上げる際に、押込み部1127が内箱部A1の開口部25にひっかかってしまい、押込み部1127が外箱部A2を引き上げる際に邪魔となるという問題があるが、本実施例の場合には、そのような問題が生じない。
【0133】
本実施例の包装箱Aによれば、
図1や
図2に示すように、上方が開口した包装箱Aに対して上方から被収納物である商品を収納して、上面部160〜190を閉じて1つの接着テープTにより封止するのみであるので、容易に被収納物(商品)の梱包作業を行うことができる。
【0134】
また、本実施例の包装箱Aによれば、外箱部A2の先端部126、146を押し込み、本体部125、145に対して折り返した状態で片部124、144を外側に回動させて、分離部24、44を内箱部A1から分離して外箱部A2を上方に引き上げるのみで陳列することができるので、陳列作業を容易に行なうことができる。
【0135】
また、指先で本体部125、145と先端部126、146をつまむことにより、本体部125、145と先端部126、146により分離部24、44を挟んだ状態で片部124、144を回動させるので、分離部24、44の切目線24K、44Kを容易に切断することができる。
【0136】
さらに、本実施例の包装箱Aの製造方法によれば、上記のように、外箱部A2と内箱部A1を重ねて接着した後に、接着剤を塗布した後に折り返す工程を2回行う(つまり、
図8の状態から
図9の状態への工程と、
図9の状態から
図10の状態への工程)ことにより製造することができるので、包装箱Aの製造が容易となる。
【0137】
また、特に、本実施例の包装箱Aにおいては、片部124、144が外箱部A2の側面部120や背面部140の下端位置よりも上側に設けられ、特に、片部124、144は、スリーブ状部105の下端の縁部に対して垂直方向(つまり、上下方向)の回動軸(回動中心)を中心に水平方向(横方向としてもよい)に回動するので、商品が収納された収納物を持ち上げて搬送する際に、誤って片部124、144を回動させてしまうことがない。つまり、仮に、分離部と接着した片部で、回動させるための片部をスリーブ状部105の下端から上方に伸びる平行な切込みにより形成した場合には、包装箱Aを持ち上げる際に該片部の位置を手に持って持ち上げると、誤って該片部を回動させてしまい、内箱部A1と外箱部A2とを分離させてしまうおそれがあるが、本実施例の包装箱Aの外箱部A2における片部124、144は上記のように構成されているので、そのようなおそれがない。
【0138】
なお、切目線124K、144Kは、全体としては切断予定線であるとしたが、全体に連続した切込みにより形成された切目線としてもよい。
【0139】
なお、上記の説明において、
図7〜
図10に示す工程で包装箱Aを製造するとして説明したが、外箱部A2と内箱部A1の展開状態を左右対称として製造してもよい。すなわち、
図6に示す状態の外箱部A2の上面に
図5に示す状態の内箱部A1を重ねて接着し、内箱部A1の底面部を構成する各部を折り返すとともに、第1片部60の先端部64と第3片部80の先端部84を外側に折り返して、先端部84に接着剤を塗布して側面部130を折り返し、さらに、先端部64と糊代部49、142に接着剤を塗布して正面部110を折り返すことにより包装箱を製造してもよい。その場合に製造された包装箱は、
図1〜
図4の構成に際して左右対称に形成されることになる。
【0140】
また、内箱部A1の底面部50において、第1片部60が正面部10から連設され、第3片部80が背面部40から連設されているとしたが、第1片部60と第3片部80の一方が側面部20から連設され、他方が側面部30から連設され、第2片部70と第4片部90の一方が正面部10から連設され、他方が背面部40から連設されるものとしてもよい。
【0141】
また、上記の説明では、内箱部A1の底面部50はワンタッチ底であるとしたが、これには限られず、例えば、アメリカンロック(底組み形式)やA式(みかん箱の形式)であってもよい。アメリカンロックやA式の場合には、製造工程において、スリーブ状部5の下辺から連設された各部をスリーブ状部5に対して内側に折り返す工程や、スリーブ状部5の下辺から連設された各部も接着剤を塗布する工程は行われない。
【0142】
また、外箱部A2においては、スリーブ状部105の上辺から連設された上面部160、170、180、190は、A式であるとしたが、他の形式、例えば、B式(一対の内フラップと蓋部とを有し、蓋部が、スリーブ状部105から連設された蓋部本体と、蓋部本体の先端から連設され、スリーブ状部105の内側に差し込まれる差込み片部とを有するもの。つまり、スリーブ状部105の4つの上辺(正面部110と側面部120、130と背面部140の上辺)のいずれかから蓋部が連設され、蓋部が連設された上辺に隣接する2つの辺部から内フラップが連設される。)としてもよい。つまり、蓋部は、スリーブ状部105の4つの上辺の少なくとも1つから連設されていればよい(つまり、蓋部は、スリーブ状部105の上端から折れ線を介して連設されていればよい)。
【0143】
また、上記の説明においては、内箱部Aにおいて、分離部24、44は切目線24K、44Kと開口部25、45により囲まれている(つまり、分離部24、44は本体部22、32(及び開口部25、45)に囲まれている)としたが、側面部20の上辺を低く形成して、分離部24の上辺が側面部20の上辺の一部を構成し(つまり、分離部24の上側には本体部32が存在しない)、分離部44の上辺が背面部40の上辺の一部を構成する(つまり、分離部44の上側に本体部42が存在しない)ものとしてもよい。この場合には、開口部25、45は設けられず、分離部24、44の上辺を除いた三辺が本体部22、42と切目線24K、44Kを介して連設される。このような構成の場合でも、分離部24が側面部20における分離部24以外の部分である本体部22と切目線24Kを介して分離可能になっており、また、分離部44が背面部40における分離部44以外の部分である本体部42と切目線44Kを介して分離可能になっているといえる。
【0144】
なお、分離部24、44と片部124、144の構成は、上記で説明した構成(すなわち、
図5、
図6に示す構成)であるとしたが、以下に説明するように、他の構成でもよい。
【0145】
すなわち、
図5、
図6に示す構成を第1の例とすると、第2の例として、
図15、
図16に示す構成が挙げられる。
【0146】
すなわち、第2の例の分離部24、44と片部124、144は、
図15に示すように構成されるが、分離部24と分離部44は、内箱部A1の展開状態で左右線対称であり、片部124と片部144は、外箱部A2の展開状態で左右線対称であるので、分離部24と片部124を例にとって説明すると、片部124は、
図16に示すように、
図6に示す片部124と略同一の構成であるが、切目線125Ka−1、125Kb−1の構成が異なり、切目線125Ka−1と切目線125Kb−1は、ともに2つの円弧状の切目線をつなげた形状を呈している。片部124は、水平方向(スリーブ状部105の下辺の方向)の中心線を介して上下線対称に形成されている。
【0147】
また、分離部24は、
図16に示すように、
図5に示す分離部24と略同一の構成であるが、切目線24Ka、24Kcの構成が異なり、切目線24Kaと切目線24Kcは、ともに2つの円弧状の切目線をつないだ形状を呈している。分離部24と開口部25からなる構成は、水平方向(スリーブ状部5の下辺の方向)の中心線を介して上下線対称に形成されている。
【0148】
また、第3の例として、
図17、
図18に示す構成が挙げられる。第3の例の分離部24、44と片部124、144は、
図17に示すように構成されるが、分離部24と分離部44は、内箱部A1の展開状態で左右線対称であり、片部124と片部144は、外箱部A2の展開状態で左右線対称であるので、分離部24と片部124を例にとって説明すると、片部124は、
図18に示すように、
図6に示す片部124と略同一の構成であるが、切目線125Ka−1、125Kb−1の構成が異なり、切目線125Ka−1と切目線125Kb−1は、ともに内側(片部124の上下方向における中心側)に膨出した円弧状を呈している。つまり、切目線125Ka−1は、切目線125Kb−1側に膨出した円弧状を呈し、切目線125Kb−1は、切目線125Ka−1側に膨出した円弧状を呈している。片部124は、水平方向の中心線を介して上下線対称に形成されている。
【0149】
また、分離部24は、
図18に示すように、
図5に示す分離部24と略同一の構成であるが、切目線24Ka、24Kcの構成が異なり、切目線24Kaと切目線24Kcは、ともに内側(分離部24の上下方向における中心側)に膨出した円弧状を呈している。つまり、切目線24Kaは、切目線24Kc側に膨出した円弧状を呈し、切目線24Kcは、切目線24Ka側に膨出した円弧状を呈している。分離部24と開口部25からなる構成は、水平方向の中心線を介して上下線対称に形成されている。
【0150】
また、第4の例として、
図19、
図20に示す構成が挙げられる。第4の例の分離部24、44と片部124、144は、
図19に示すように構成されるが、分離部24と分離部44は、内箱部A1の展開状態で左右線対称であり、片部124と片部144は、外箱部A2の展開状態で左右線対称であるので、分離部24と片部124を例にとって説明すると、片部124は、
図20に示すように、
図6に示す片部124と略同一の構成であるが、切目線125Ka−1、125Kb−1の構成が異なり、切目線125Ka−1と切目線125Kb−1は、ともに先端部125側にいくに従い内側(片部124の上下方向における中心側)に向けて傾斜した直線状を呈している。つまり、切目線125Ka−1と切目線125Kb−1は、切目線125Ka−1と切目線125Kb−1間の距離が先端部125側にいくに従い短くなるようにテーパ状を呈している。片部124は、水平方向の中心線を介して上下線対称に形成されている。
【0151】
また、分離部24は、
図20に示すように、
図5に示す分離部24と略同一の構成であるが、切目線24Ka、24Kcの構成が異なり、切目線24Kaと切目線24Kcは、ともに開口部25側にいくに従い内側(分離部24のの上下方向における中心側)に向けて傾斜した直線状を呈している。つまり、切目線24Kaと切目線24Kcは、切目線24Kaと切目線24Kc間の距離が開口部25側にいくに従い短くなるようにテーパ状を呈している。分離部24と開口部25からなる構成は、水平方向の中心線を介して上下線対称に形成されている。
【0152】
また、第5の例として、
図21、
図22に示す構成が挙げられる。第5の例の分離部24、44と片部124、144は、
図21に示すように構成されるが、分離部24と分離部44は、内箱部A1の展開状態で左右線対称であり、片部124と片部144は、外箱部A2の展開状態で左右線対称であるので、分離部24と片部124を例にとって説明すると、片部124は、
図22に示すように、
図6に示す片部124と略同一の構成であるが、切目線125Ka−1、125Kb−1の構成が異なり、切目線125Ka−1と切目線125Kb−1は、ともに水平方向に直線状を呈し、切目線125Ka−1と切目線125Kb−1は、互いに平行に形成されている。片部124は、水平方向の中心線を介して上下線対称に形成されている。
【0153】
また、分離部24は、
図22に示すように、
図5に示す分離部24と略同一の構成であるが、切目線24Ka、24Kcの構成が異なり、切目線24Kaと切目線24Kcは、ともに水平方向に直線状を呈し、切目線24Kaと切目線24Kcは、互いに平行に形成されている。分離部24は、水平方向の中心線を介して上下線対称に形成されている。
【0154】
また、第6の例として、
図23、
図24に示す構成が挙げられる。第6の例の分離部24、44と片部124、144は、
図23に示すように構成されるが、分離部24と分離部44は、内箱部A1の展開状態で左右線対称であり、片部124と片部144は、外箱部A2の展開状態で左右線対称であるので、分離部24と片部124を例にとって説明すると、片部124は、
図24に示すように、
図6に示す片部124と略同一の構成であるが、切目線125Ka−1、125Kb−1の構成が異なり、切目線125Ka−1と切目線125Kb−1は、ともに先端部125側にいくに従い外側(片部124の上下方向における中心側とは反対側)に向けて傾斜した直線状を呈している。つまり、切目線125Ka−1と切目線125Kb−1は、切目線125Ka−1と切目線125Kb−1間の距離が先端部125側にいくに従い長くなるようにテーパ状を呈している。片部124は、水平方向の中心線を介して上下線対称に形成されている。
【0155】
また、分離部24は、
図24に示すように、
図5に示す分離部24と略同一の構成であるが、切目線24Ka、24Kcの構成が異なり、切目線24Kaと切目線24Kcは、ともに開口部25側にいくに従い外側(分離部24のの上下方向における中心側とは反対側)に向けて傾斜した直線状を呈している。つまり、切目線24Kaと切目線24Kcは、切目線24Kaと切目線24Kc間の距離が開口部25側にいくに従い長くなるようにテーパ状を呈している。分離部24と開口部25からなる構成は、水平方向の中心線を介して上下線対称に形成されている。
【0156】
上記第2〜第6の例においても、第1の例と同様の効果を得ることができる。特に、外箱部A2のスリーブ状部105においては、互いに隣接する部材の境界位置には開口部や切欠部は形成されていないので、外箱部の強度を強く保つことができ、特に、天面圧縮強度が低下しないので、包装箱Aの上側に重量の大きい物を積み重ねても、包装箱Aが破損することがない。
【0157】
また、分離部24、44は、上記のように偏った位置に設けられ、片部124、144は、上記のように偏った位置に設けられていて、2つの接着部分に掛かる重量を対角に近い位置で分散させることができ、包装箱A自体の一体性を保つことができる。
【0158】
また、押込み用の部材(つまり、先端部126、146)が外箱部A2を内箱部A1に対して引き上げる際に邪魔となることがない。
【0159】
また、外箱部A2の先端部126、146を押し込み、本体部125、145に対して折り返した状態で片部124、144を外側に回動させて、分離部24、44を内箱部A1から分離して外箱部A2を上方に引き上げるのみで陳列することができるので、陳列作業を容易に行なうことができる。
【0160】
また、指先で本体部125、145と先端部126、146をつまむことにより、本体部125、145と先端部126、146により分離部24、44を挟んだ状態で片部124、144を回動させるので、分離部24、44の切目線24K、44Kを容易に切断することができる。
【0161】
また、第7の例として、
図25、
図26に示す構成が挙げられる。第7の例は、第1の例〜第6の例とは異なり、外箱部A2の片部124、144に開口部127、147が連設され、内箱部A1の分離部24、44は、第1〜第6の例における開口部25、45の半分の領域を塞ぐ先端部24−2、44−2を有している。
【0162】
すなわち、分離部24と分離部44は、内箱部A1の展開状態で左右線対称であり、片部124と片部144は、外箱部A2の展開状態で左右線対称であるので、分離部24と片部124を例にとって説明すると、片部124は、本体部125と先端部126を有しているが、先端部126は、本体部125の先端部126側の辺部において上端部分を除いた部分から折れ線C126を介して連設され、先端部126の上側には、開口部127が連設されている。すなわち、切目線125Kaの折れ線C125側とは反対側の端部からは開口部127の辺部127bが水平方向に形成されるとともに、開口部127の辺部127bが上下方向に形成され、さらに、辺部127bの端部からは上下方向に開口部127の辺部127cが形成され、辺部127bの下端と辺部127cの下端の間には、開口部127の辺部127dが形成され、この辺部127dは、辺部127c側にいくほど下方となるように傾斜している。開口部127の辺部127a〜127dはともに直線状を呈し、辺部127aと辺部127cの角部にはアールが形成されている。また、先端部126は、折れ線C126(折れ線C126は、辺部127bの延長線上に形成されている)に沿った辺部と、折れ線C126に対して直角の切目線126Kcに沿った辺部と、折れ線C126と平行で辺部127cの延長線上に形成された切目線126Kbに沿った辺部と、辺部127dに沿った辺部を有している。切目線126Kcと切目線126Kb間の角部にはアールが形成されている。切目線126Kb、126Kcは、切断する必要のない連続した切込みにより形成されている。つまり、本体部125の先端側の縦長長方形状の領域の上側に開口部127が形成され、下側に先端部126が形成されているといえる。この先端部126は、辺部124と分離部24とを重ねた状態において、
図26(c)に示すように、分離部24に隣接した開口部25の領域の全てを塞ぐ構成となっている。
【0163】
また、分離部24は、本体部24−1と先端部24−2とを有し、先端部24−2は、切目線24Kaの切目線24Kbとは反対側の端部から水平方向に連設された切目線24−2aに沿った辺部と、辺部24−2aの端部から上下方向に形成された切目線24−2bに沿った辺部と、開口部25の上側の辺部25aに沿った辺部と、折れ線C24に沿った辺部とを有し、切目線24−2aと切目線24−2bの角部にはアールが形成されている。また、開口部25は、先端部24−2に沿った辺部25aと、辺部25aの端部から連設され、切目線24−2bの延長線上に形成された辺部25bと、本体部24−1の切目線24Kbとは反対側の辺部に沿うとともに、折れ線C24の延長線上に形成された辺部25cと、辺部25cの下端から水平方向に辺部25bの下端にまで形成された辺部25dとを有し、辺部25bと辺部25dの角部にはアールが形成されている。切目線24Ka、24Kcは切断予定線であり、切目線24−2a、24−2bと切目線24Kbは、切断する必要のない連続した切込みにより形成されている。つまり、本体部24−1の先端側の縦長長方形状の領域の上側に先端部24−2が形成され、下側に開口部25が形成されているといえる。
【0164】
この第7の例は、第1〜第6の例のように、外箱部A2における先端部126、146を内側に押し込むことができない場合(被収納物と内箱部A1のスリーブ状部5の内側の面との間に隙間がない場合)に用いられるものであり、例えば、箱状の収納物が内箱部A1内のスリーブ状部5の内側の面に隙間なく収納されている場合が挙げられる。なお、外箱部A2には、開口部127が設けられているが、開口部127の内側を内箱部A1が塞いでいるので(先端部24−2と側面部20の分離部24以外の領域で先端部24−2の辺部に沿った領域が塞いでいる)、包装箱Aの外部からごみ等の異物が混入することがない。
【0165】
片部124を回動させて分離部24の周囲の切目線を切断するには、先端部126の上側の辺部(開口部127に沿った辺部)に指を掛けて先端部126を本体部125に対して折れ線C126を介して外側に回動させ、先端部126をつかんで本体部125を折れ線C125を介して回動させて切目線125Ka、125Kbを切断することにより、分離部24の切目線24Ka、24Kcが切断される。
【0166】
なお、先端部126を本体部125に対して外側に回動させるとともに、先端部24−2を本体部24−1に対して回動させて、先端部126と先端部24−2の両方をつかんだ状態で本体部125を折れ線C125を介して外側に回動させてもよい。
【0167】
また、第7の例の変形例として、第8〜第12の構成を示すと、まず、第8の例は、
図27、
図28に示す構成である。
【0168】
すなわち、第8の例の分離部24、44と片部124、144は、
図27に示すように構成されるが、分離部24と分離部44は、内箱部A1の展開状態で左右線対称であり、片部124と片部144は、外箱部A2の展開状態で左右線対称であるので、分離部24と片部124を例にとって説明すると、片部124は、
図28に示すように、
図26に示す片部124と略同一の構成であるが、切目線125Ka−1、125Kb−1の構成が異なり、切目線125Ka−1と切目線125Kb−1は、ともに2つの円弧状の切目線をつなげた形状を呈している。
【0169】
また、分離部24は、
図28に示すように、
図26に示す分離部24と略同一の構成であるが、切目線24Ka、24Kcの構成が異なり、切目線24Kaと切目線24Kcは、ともに2つの円弧状の切目線をつないだ形状を呈している。
【0170】
また、第9の例として、
図29、
図30に示す構成が挙げられる。第9の例の分離部24、44と片部124、144は、
図29に示すように構成されるが、分離部24と分離部44は、内箱部A1の展開状態で左右線対称であり、片部124と片部144は、外箱部A2の展開状態で左右線対称であるので、分離部24と片部124を例にとって説明すると、片部124は、
図30に示すように、
図26に示す片部124と略同一の構成であるが、切目線125Ka−1、125Kb−1の構成が異なり、切目線125Ka−1と切目線125Kb−1は、ともに内側(片部124の上下方向における中心側)に膨出した円弧状を呈している。つまり、切目線125Ka−1は、切目線125Kb−1側に膨出した円弧状を呈し、切目線125Kb−1は、切目線125Ka−1側に膨出した円弧状を呈している。
【0171】
また、分離部24は、
図18に示すように、
図26に示す分離部24と略同一の構成であるが、切目線24Ka、24Kcの構成が異なり、切目線24Kaと切目線24Kcは、ともに内側(分離部24の上下方向における中心側)に膨出した円弧状を呈している。つまり、切目線24Kaは、切目線24Kc側に膨出した円弧状を呈し、切目線24Kcは、切目線24Ka側に膨出した円弧状を呈している。
【0172】
また、第10の例として、
図31、
図32に示す構成が挙げられる。第10の例の分離部24、44と片部124、144は、
図31に示すように構成されるが、分離部24と分離部44は、内箱部A1の展開状態で左右線対称であり、片部124と片部144は、外箱部A2の展開状態で左右線対称であるので、分離部24と片部124を例にとって説明すると、片部124は、
図32に示すように、
図26に示す片部124と略同一の構成であるが、切目線125Ka−1、125Kb−1の構成が異なり、切目線125Ka−1と切目線125Kb−1は、ともに先端部125側にいくに従い内側(片部124の上下方向における中心側)に向けて傾斜した直線状を呈している。つまり、切目線125Ka−1と切目線125Kb−1は、切目線125Ka−1と切目線125Kb−1間の距離が先端部125側にいくに従い短くなるようにテーパ状を呈している。
【0173】
また、分離部24は、
図32に示すように、
図26に示す分離部24と略同一の構成であるが、切目線24Ka、24Kcの構成が異なり、切目線24Kaと切目線24Kcは、ともに開口部25側にいくに従い内側(分離部24のの上下方向における中心側)に向けて傾斜した直線状を呈している。つまり、切目線24Kaと切目線24Kcは、切目線24Kaと切目線24Kc間の距離が開口部25側にいくに従い短くなるようにテーパ状を呈している。
【0174】
また、第11の例として、
図33、
図34に示す構成が挙げられる。第11の例の分離部24、44と片部124、144は、
図33に示すように構成されるが、分離部24と分離部44は、内箱部A1の展開状態で左右線対称であり、片部124と片部144は、外箱部A2の展開状態で左右線対称であるので、分離部24と片部124を例にとって説明すると、片部124は、
図34に示すように、
図26に示す片部124と略同一の構成であるが、切目線125Ka−1、125Kb−1の構成が異なり、切目線125Ka−1と切目線125Kb−1は、ともに水平方向に直線状を呈し、切目線125Ka−1と切目線125Kb−1は、互いに平行に形成されている。
【0175】
また、分離部24は、
図34に示すように、
図26に示す分離部24と略同一の構成であるが、切目線24Ka、24Kcの構成が異なり、切目線24Kaと切目線24Kcは、ともに水平方向に直線状を呈し、切目線24Kaと切目線24Kcは、互いに平行に形成されている。
【0176】
また、第12の例として、
図35、
図36に示す構成が挙げられる。第12の例の分離部24、44と片部124、144は、
図35に示すように構成されるが、分離部24と分離部44は、内箱部A1の展開状態で左右線対称であり、片部124と片部144は、外箱部A2の展開状態で左右線対称であるので、分離部24と片部124を例にとって説明すると、片部124は、
図36に示すように、
図26に示す片部124と略同一の構成であるが、切目線125Ka−1、125Kb−1の構成が異なり、切目線125Ka−1と切目線125Kb−1は、ともに先端部125側にいくに従い外側(片部124の上下方向における中心側とは反対側)に向けて傾斜した直線状を呈している。つまり、切目線125Ka−1と切目線125Kb−1は、切目線125Ka−1と切目線125Kb−1間の距離が先端部125側にいくに従い長くなるようにテーパ状を呈している。
【0177】
また、分離部24は、
図36に示すように、
図26に示す分離部24と略同一の構成であるが、切目線24Ka、24Kcの構成が異なり、切目線24Kaと切目線24Kcは、ともに開口部25側にいくに従い外側(分離部24のの上下方向における中心側とは反対側)に向けて傾斜した直線状を呈している。つまり、切目線24Kaと切目線24Kcは、切目線24Kaと切目線24Kc間の距離が開口部25側にいくに従い長くなるようにテーパ状を呈している。
【0178】
なお、第8〜第12の例についても、外箱部A2における先端部126、146を内側に押し込むことができない場合(被収納物と内箱部A1のスリーブ状部5の内側の面との間に隙間がない場合)に用いられ、開口部127の内側を内箱部A1が塞いでいるので、包装箱Aの外部からごみ等の異物が混入することがない。
【0179】
上記第7〜第12の例においても、第1の例と同様の効果を得ることができる。つまり、特に、外箱部A2のスリーブ状部105においては、互いに隣接する部材の境界位置には開口部や切欠部は形成されていないので、外箱部の強度を強く保つことができ、特に、天面圧縮強度が低下しないので、包装箱Aの上側に重量の大きい物を積み重ねても、包装箱Aが破損することがない。
【0180】
また、分離部24、44は、上記のように偏った位置に設けられ、片部124、144は、上記のように偏った位置に設けられていて、2つの接着部分に掛かる重量を対角に近い位置で分散させることができ、包装箱A自体の一体性を保つことができる。
【0181】
なお、
図16(c)、
図18(c)、
図20(c)、
図22(c)、
図24(c)、
図26(c)、
図28(c)、
図30(c)、
図32(c)、
図34(c)、
図36(c)においては、外箱部A2が内箱部A1に重なった状態を示し、内箱部A1における構成で外箱部A2に隠れている部分は点線で示している。
【実施例2】
【0182】
次に、他の実施例の包装箱Bについて説明する。包装箱Bは、
図38〜
図43等に示すように構成され、内箱部A1と、外箱部A2とを有していて、それぞれが1枚のシート状のブランク(具体的には、段ボール製(例えば、薄型段ボール製)のブランクであり、厚紙製のブランク等の他の紙製のブランクでもよい)により形成されている。つまり、内箱部A1、外箱部A2は、ともに、段ボール材(特に、両面段ボール材)等の紙製の箱体である。段ボールにおける断面略波形形状の中芯の段の方向は、
図42、
図43における円内に示す方向となっていて、内箱部A1においては、折れ線C0〜C3と平行で、外箱部A2においては、折れ線C11〜C14と平行となっている(なお、段ボールにおける中芯の段の方向はこれには限られない)。
【0183】
内箱部A1は、全体に上部が開口した容器状を呈し、
図41、
図42等に示すように、スリーブ状部(内側スリーブ状部)5と、底面部50とを有している。スリーブ状部5は、組立て状態では、底面部50の周囲から立設して形成され、正面部(第1内箱部側面部)10と、側面部(第2内箱部側面部)20と、側面部(第4内箱部側面部)30と、背面部(第3内箱部側面部)40と、糊代部(内箱部糊代部)49とを有していて、その展開状態は、
図42に示すように形成されている。
【0184】
ここで、内箱部A1の構成は、側面部20における切目線24Kと開口部25の構成と背面部40における切目線44Kと開口部45の構成が異なる以外は、実施例1の内箱部A1と同様の構成である。
【0185】
すなわち、側面部20は、本体部(第1内箱部側面部本体部)22と、分離部(第1分離部)24とを有し、側面部20には、切目線24Kと開口部(第1開口部)25とが設けられ、切目線24Kと開口部25により囲まれた領域が分離部24となる。
【0186】
切目線24Kは、上側に膨出した円弧状の切目線24Kaと、切目線24Kaの背面側の端部から連設され、上下方向に直線状に形成された(つまり、折れ線C1と平行に形成された)切目線24Kbと、切目線24Kbの下端から正面側に向けて連設され、下側に膨出した円弧状の切目線24Kcとから形成されている。切目線24Ka、24Kcは、複数の切込みが間隔を介して形成されたものであり(つまり、ミシン目状の切断予定線である)、切目線24Kbは、連続した切込みにより形成されている。また、開口部25は、縦長の長方形状を呈し、上側で背面側の角部に切目線24Kaが連設され、下側で背面側の角部に切目線24Kcが連設されている。開口部25は、分離部24の正面部10側に隣接している。本体部22は、側面部20において分離部24を除いた領域であり、側面部20の一部である分離部24が本体部22と切目線24Kを介して分離可能となっている。
【0187】
なお、側面部20における分離部24の形成位置は、横方向において正面側に偏った位置であり、分離部24の背面側の辺部(切目線24Kbに沿った辺部)は、側面部20の横方向における中央位置よりも正面側に位置し、少なくとも、分離部24の前後方向における中心位置は、側面部20の横方向における中央位置よりも正面側に位置していて、分離部24は、側面部20において正面側に偏った位置に設けられている。つまり、分離部24は、側面部20における横方向の位置において、スリーブ状部5において他の分離部44が設けられた部材(つまり、背面部40)側とは反対側に偏った位置に設けられている。分離部24は、片部124の本体部125(後述)に接着されている。
【0188】
また、背面部40は、本体部(第2内箱部側面部本体部)42と、分離部(第2分離部)44とを有し、背面部40には、切目線44Kと開口部(第2開口部)45とが設けられ、内箱部A1の展開状態において、切目線44Kは、切目線24Kと折れ線C2を介して線対称に形成され、開口部45は、開口部25と折れ線C2を介して線対称に形成されている。切目線44Kと開口部45により囲まれた領域が分離部44となる。
【0189】
切目線44Kは、上側に膨出した円弧状の切目線44Kaと、切目線44Kaの右側面側の端部から連設され、上下方向に直線状に形成された(つまり、折れ線C3と平行に形成された)切目線44Kbと、切目線44Kbの下端から左側面側に向けて連設され、下側に膨出した円弧状の切目線44Kcとから形成されている。切目線44Ka、44Kcは、複数の切込みが間隔を介して形成されたものであり(つまり、ミシン目状の切断予定線である)、切目線44Kbは、連続した切込みにより形成されている。また、開口部45は、縦長の長方形状を呈し、上側で右側面側の角部に切目線44Kaが連設され、下側で右側面側の角部に切目線44Kcが連設されている。開口部45は、分離部44の側面部30側に隣接している。本体部42は、背面部40において分離部44を除いた領域であり、背面部40の一部である分離部44が本体部42と切目線44Kを介して分離可能となっている。
【0190】
なお、背面部40における分離部44の形成位置も、内箱部A1の展開状態において、折れ線C2を介して線対称の位置であり、横方向において左側面側に偏った位置であり、分離部44の右側面側の辺部(切目線24Kbに沿った辺部)は、背面部40の横方向における中央位置よりも左側面側に位置し、少なくとも、分離部44の左右方向における中心位置は、背面部40の横方向における中央位置よりも左側面側に位置していて、分離部44は、背面部40において左側面側に偏った位置に設けられている。つまり、分離部44は、背面部40における横方向の位置において、スリーブ状部5において他の分離部24が設けられた部材(つまり、側面部20)側とは反対側に偏った位置に設けられている。分離部44は、片部144の本体部145(後述)に接着されている。
【0191】
以上のように、内箱部A1においては、分離部24と開口部25の位置関係が、実施例1の内箱部A1における分離部24と開口部25に対して前後逆(内箱部A1の展開状態では、左右逆)に設けられ、分離部24と開口部25からなる構成と、実施例1の内箱部A1における分離部24と開口部25からなる構成とを比較すると前後対称に形成され、分離部44と開口部45の位置関係が、実施例1の内箱部A1における分離部44と開口部45に対して前後逆(内箱部A1の展開状態では、左右逆)に設けられ、分離部44と開口部45からなる構成と、実施例1の内箱部A1における分離部44と開口部45からなる構成とを比較すると左右対称に形成されている。なお、分離部24と開口部25からなる構成と折れ線C2間の長さ(実施例1では、折れ線C2から開口部25までの長さ、実施例2では、折れ線C2から分離部24までの長さ)は、略同一(同一としてもよい)となっていて、分離部44と開口部45からなる構成と折れ線C2間の長さ(実施例1では、折れ線C2から開口部45までの長さ、実施例2では、折れ線C2から分離部44までの長さ)は、略同一(同一としてもよい)となっている。
【0192】
内箱部A1における上記以外の構成は、実施例1における内箱部A1と同様であるので、詳しい説明を省略する。なお、包装箱Bの組立て状態における底面図は、実施例1と同様に
図3に示すようになる。
【0193】
また、外箱部A2は、内箱部A1を覆う箱体であり、
図38〜
図40、
図43等に示すように、スリーブ状部(外側スリーブ状部)105と、上面部160、170、180、190とを有していて、その展開状態は、
図43に示すように形成されている。スリーブ状部105は、組み立てた状態では、四角形状の筒状を呈し、正面部(第1外箱部側面部)110と、側面部(第2外箱部側面部)120と、側面部(第4外箱部側面部)130と、背面部(第3外箱部側面部)140と、糊代部(外箱部糊代部)142を有している。
【0194】
ここで、外箱部A2の構成は、側面部120における片部124の構成と背面部140における片部144の構成が異なる以外は、実施例1の外箱部A2と同様の構成である。
【0195】
すなわち、外箱部A2の側面部120には、切目線124Kが設けられ、切目線124Kは、上側に膨出した円弧状を呈する切目線125Ka−1と、切目線125Ka−1の正面側の端部から下方に直線状に形成された切目線125Ka−2と、切目線125Ka−2の下端から連設された切目線126Kと、切目線126Kの下端から連設され、直線状に形成された切目線125Kb−2と、切目線125Kb−2の下端から背面側に向けて連設され、下方に膨出した円弧状を呈する切目線125Kb−1とを有し、切目線126Kは、切目線125Ka−2の下端から斜め下方に形成された切目線126Kaと、切目線126Kaの切目線125Ka−2と反対側の端部から連設され、上下方向に形成された切目線126Kbと、切目線126Kbの下端から斜め下方に切目線125Kb−2の上端まで形成された切目線126Kcとを有している。切目線125Ka−1、125Kb−1は、複数の切込みが間隔を介して形成されたものであり(つまり、ミシン目状の切断予定線である)、切目線124Kにおける切目線125Ka−1、125Kb−1以外の切目線は、連続した切込みにより形成されている。切目線124Kは、切断予定線を含むので、全体としては、切断予定線であるといえる。切目線125Ka−1と切目線125Ka−2とで、切目線125Kaが構成され、切目線125Kb−1と切目線125Kb−2とで、切目線125Kbが構成される。なお、切目線124Kは、横方向の中心線を介して上下線対称に形成されている。
【0196】
また、切目線125Ka−1の背面側の端部と切目線125Kb−1の背面側の端部間には、上下方向に直線状の折れ線C125が設けられ、切目線125Ka−2の下端と切目線125Kb−2の上端間には、上下方向に直線状の折れ線C126が設けられ、折れ線C125、C126に沿って罫線が形成されている。なお、片部124を回動させることにより、自然と折れ線C125の位置に折れ線が形成されるので、折れ線C125を省略してもよい。
【0197】
切目線124Kと折れ線C125により囲まれた領域が片部(第1回動片部)124となり、片部124は、本体部(第1本体部)125と先端部(第1先端部)126から形成されている。本体部125は、折れ線C125、C126と切目線125Ka、125Kbにより囲まれた領域であり、先端部126は、切目線126Kと折れ線C126により囲まれた領域である。
【0198】
本体部125は、分離部24よりも大きく形成され、縦方向の幅については、切目線125Ka−1と切目線125Kb−1間の長さ(最大長さ)は、切目線24Kaと切目線24Kc間の長さ(最大長さ)よりも長く形成され、横方向の幅については、折れ線C125と折れ線C126間の長さは、切目線24Kbと開口部25の背面側の辺部間の長さよりも長く形成され、分離部24が本体部125に接着された状態で、分離部24は、本体部125の領域からはみ出ないようになっている。
【0199】
また、先端部126は、本体部125の正面部110側(つまり、本体部125の片部124の回動中心側とは反対側である先端側)に連設され、開口部25よりも小さく形成され、先端部126の上下方向の長さ(最大長さ)は、開口部25の上下方向の長さよりも小さく形成され、先端部126の横方向の長さ(最大長さ)は、開口部25の横方向の長さよりも小さく形成されている。これにより、先端部126を本体部125に対して折り曲げて、開口部25内に押し込むことができる。折れ線C126は、横方向において分離部24の辺部24aと一致するか、あるいは、辺部24aよりも若干正面側に設けられている。
【0200】
なお、側面部120における片部124の形成位置は、横方向において正面側に偏った位置であり、本体部125の横方向(前後方向としてもよい)における中心位置は、側面部120の横方向における中央位置よりも正面側に位置している。つまり、片部124(特に本体部125)は、側面部120における横方向の位置において、スリーブ状部105において他の片部144が設けられた部材(つまり、背面部140)側とは反対側に偏った位置に設けられている。
【0201】
この背面部140における切目線144K及び折れ線C145、C146の構成は、外箱部A2の展開状態において、折れ線C12に沿った中心線を介して側面部120の切目線124K及び折れ線C125、C126と線対称に形成され、外箱部A2の展開状態において、切目線144Kは、切目線124Kと線対称に形成され、折れ線C145は、折れ線C125と線対称に形成され、折れ線C146は、折れ線C126と線対称に形成されている。
【0202】
すなわち、切目線144Kは、上側に膨出した円弧状を呈する切目線145Ka−1と、切目線145Ka−1の左側面側の端部から下方に直線状に形成された切目線145Ka−2と、切目線145Ka−2の下端から連設された切目線146Kと、切目線146Kの下端から連設され、直線状に形成された切目線145Kb−2と、切目線145Kb−2の下端から連設され、下方に膨出した円弧状を呈する切目線145Kb−1とを有し、切目線146Kは、切目線145Ka−2の下端から斜め下方に形成された切目線146Kaと、切目線146Kaの切目線145Ka−2と反対側の端部から連設され、上下方向に形成された切目線146Kbと、切目線146Kbの下端から斜め下方に切目線145Kb−2の上端まで形成された切目線146Kcとを有している。切目線145Ka−1、145Kb−1は、複数の切込みが間隔を介して形成されたものであり(つまり、ミシン目状の切断予定線である)、切目線144Kにおける切目線145Ka−1、145Kb−1以外の切目線は、連続した切込みにより形成されている。切目線144Kは、切断予定線を含むので、全体としては、切断予定線であるといえる。切目線145Ka−1と切目線145Ka−2とで、切目線145Kaが構成され、切目線145Kb−1と切目線145Kb−2とで、切目線145Kbが構成される。なお、切目線144Kは、横方向の中心線を介して上下線対称に形成されている。
【0203】
また、切目線145Ka−1の右側面側の端部と切目線145Kb−1の右側面側の端部間には、上下方向に直線状の折れ線C145が設けられ、切目線145Ka−2の下端と切目線145Kb−2の上端間には、上下方向に直線状の折れ線C146が設けられ、折れ線C145、C146に沿って罫線が形成されている。なお、片部144を回動させることにより、自然と折れ線C145の位置に折れ線が形成されるので、折れ線C145を省略してもよい。
【0204】
切目線144Kと折れ線C145により囲まれた領域が片部(第2回動片部)144となり、片部144は、本体部(第2本体部)145と先端部(第2先端部)146から形成されている。本体部145は、折れ線C145、C146と切目線145Ka、145Kbにより囲まれた領域であり、先端部146は、切目線146Kと折れ線C146により囲まれた領域である。
【0205】
本体部145は、分離部44よりも大きく形成され、縦方向の幅については、切目線145Ka−1と切目線145Kb−1間の長さ(最大長さ)は、切目線44Kaと切目線44Kc間の長さ(最大長さ)よりも長く形成され、横方向の幅については、折れ線C145と折れ線C146間の長さは、切目線44Kbと開口部45の右側面側の辺部間の長さよりも長く形成され、分離部44が本体部145に接着された状態で、分離部44は、本体部145の領域からはみ出ないようになっている。
【0206】
また、先端部146は、本体部145の側面部130側(つまり、本体部145の片部144の回動中心側とは反対側である先端側)に連設され、開口部45よりも小さく形成され、先端部146の上下方向の長さ(最大長さ)は、開口部45の上下方向の長さよりも小さく形成され、先端部146の横方向の長さ(最大長さ)は、開口部45の横方向の長さよりも小さく形成されている。これにより、先端部146を本体部145に対して折り曲げて、開口部45内に押し込むことができる。折れ線C146は、横方向において分離部44の辺部44aと一致するか、あるいは、辺部44aよりも若干左側面側に設けられている。
【0207】
なお、背面部140における片部144の形成位置は、横方向において左側面側に偏った位置であり、本体部145の横方向(前後方向としてもよい)における中心位置は、背面部140の横方向における中央位置よりも左側面側に位置している。つまり、片部144(特に本体部145)は、背面部140における横方向の位置において、スリーブ状部105において他の片部124が設けられた部材(つまり、側面部120)側とは反対側に偏った位置に設けられている。
【0208】
以上のように、外箱部A2においては、片部124の構成と、実施例1の外箱部A2における片部124の構成とを比較すると前後対称(外箱部A2の展開状態では左右対称)に形成され、片部144の構成と、実施例1の外箱部A2における片部144の構成とを比較すると左右対称に形成されている。これにより、折れ線C125は、片部124における折れ線C12側に設けられ、折れ線C145は、片部144における折れ線C12側に設けられ、切目線125Ka、125Kbを破断する際には、片部124を折れ線C12側に引っ張り、切目線145Ka、145Kbを破断する際には、片部144を折れ線C12側に引っ張るように形成されている。つまり、片部124の回動中心(つまり、折れ線C125)は、片部124における背面部140側にあり、片部124が外側に回動する際には、片部124は、折れ線C125を中心に横方向に回動し、また、片部144の回動中心(つまり、折れ線C145)は、片部144における側面部120側にあり、片部144が外側に回動する際には、片部144は、折れ線C145を中心に横方向に回動する。なお、片部124と折れ線C12間の長さ(実施例1では、折れ線C12から先端部126までの長さ、実施例2では、折れ線C12から本体部125までの長さ)は、略同一(同一としてもよい)となっていて、片部144と折れ線C12間の長さ(実施例1では、折れ線C12から先端部146までの長さ、実施例2では、折れ線C12から本体部145までの長さ)は、略同一(同一としてもよい)となっている。
【0209】
外箱部A2における上記以外の構成は、実施例1における外箱部A2と同様であるので、詳しい説明を省略する。
【0210】
なお、スリーブ状部105においては、互いに隣接する部材の境界位置には開口部や切欠部は形成されていない。つまり、折れ線C11、C12、C13、C14に沿った位置に開口部や切欠部は形成されていない。
【0211】
また、包装箱Aの場合と同様に、包装箱Bの状態では、内箱部A1と外箱部A2とは、分離部24、44の箇所で互いに接着されている。つまり、分離部24の外側の面と側面部120(具体的には、本体部125)の内側の面とが接着剤その他の接着手段により接着されるとともに、分離部44の外側の面と背面部140(具体的には、本体部145)の内側の面とが接着剤その他の接着手段により接着されることにより、包装箱Bが全体に一体に形成される。つまり、分離部24の外側の面の全部又は一部の領域と側面部120の内側の面の間には接着剤層(図示せず)が設けられていて、同様に、分離部44の外側の面の全部又は一部の領域と背面部140の内側の面の間には接着剤層(図示せず)が設けられている。これにより、外箱部A2のスリーブ状部105は、内箱部A1におけるスリーブ状部5の外側の面に沿って設けられ、例えば、正面部10の外側の面に沿って正面部110が設けられ、側面部20の外側の面に沿って側面部120が設けられ、側面部30の外側の面に沿って側面部130が設けられ、背面部40の外側の面に沿って背面部140が設けられている。該接着剤層の接着力は、外箱部A2の片部124を折れ線C125を介して外側に回動させた際に、同時に分離部24の上下両側の切目線24Ka、24Kcが破れて、分離部24が内箱部A1から分離し、回動させた片部124に接着した状態で片部124に従動するように設定されていて、同様に、外箱部A2の片部144を折れ線C145を介して外側に回動させた際に、同時に分離部44の上下両側の切目線44Ka、44Kcが破れて、分離部44が内箱部A1から分離し、回動させた片部144に接着した状態で片部144に従動するように設定されている。
【0212】
また、内箱部A1と外箱部A2とが接着された状態では、内箱部A1の下端と外箱部A2の下端とが同じ高さになるように形成されている。なお、内箱部A1と外箱部A2とは、分離部24、44の箇所以外は互いに接着されていない。以上のように、内箱部A1は外箱部A2の内側に収納した状態となっていて、内箱部A1の底面部50以外は外箱部A2に被覆された状態となっている。つまり、外箱部A2の下端の高さ方向の位置は、内箱部A1の下端の高さ方向の位置と略同一であり、上面部160〜190を封止した状態では内箱部A1においては底面部50のみが露出している。
【0213】
なお、分離部24、44は、上記のように偏った位置に設けられ、片部124、144は、上記のように偏った位置に設けられていて、分離部と片部の接着部分が、包装箱Bの対角に近い位置となっているので、2つの接着部分に掛かる重量を対角に近い位置で分散させることができ、分離部の切目線が不用意に切断(「破断」としてもよい。他においても同じ)してしまうのを防止することができて、包装箱B自体の一体性を保つことができる。
【0214】
上記構成の包装箱Bの製造工程は、実施例1の包装箱Aと同様である。すなわち、まず、展開状態の内箱部A1と外箱部A2とを製造する。
【0215】
次に、外箱部A2の内側の面に内箱部A1の外側の面を接着させる(第1接着工程)。つまり、展開状態の外箱部A2の内側の面を上側にして、片部124における分離部24との接着領域と片部144における分離部44との接着領域に接着剤を塗布して、展開状態の内箱部A1を
図44に示すように重ねる。その際、外箱部A2のスリーブ状部105の下辺と内箱部A1のスリーブ状部5の下辺とが略一致する(一致するとしてもよい)ようにし、また、外箱部A2と内箱部A1とにおいて、対応する折れ線のうち折れ線C2と折れ線C12が一致するようにする。なお、スリーブ状部5とスリーブ状部105において、互いに対応する部材の横方向の長さは、外箱部A2の方が長く形成されているので、
図44に示すように、折れ線C13は、折れ線C3に対して外側にずれ、折れ線C11は折れ線C1に対して外側にずれる。
【0216】
次に、内箱部A1の底面部50を構成する各部をスリーブ状部5に対して内側に折り返し、さらに、第1片部60の先端部64を本体部62に対して外側に折り返すとともに、第3片部80の先端部84を本体部82に対して外側に折り返して、
図45に示す状態とする(第2折り返し工程)。
【0217】
次に、先端部64の領域に接着剤を塗布して(第1接着剤塗布工程)、正面部110を折れ線C11を介して側面部120の側に内側に折り返す(折り返し工程)ことにより、正面部10を折れ線線C1を介して側面部20側に折り返して、
図46に示す状態とする。すると、先端部64が第2片部70に接着される。なお、先端部64の代わりに、第2片部70における先端部64との接着領域に接着剤を塗布してもよい。
【0218】
なお、分離部24と片部124は、側面部20、120に設けられ、側面部20、120は、スリーブ状部5、105を構成する4つの部材のうち内側にあるので、正面部110を折り返した際に、正面部10は外側にずれようとするが、正面部10は、側面部20以外に接着された部材からは連設されていないので、正面部10、110の折返しが不良となることがない。
【0219】
次に、先端部84の領域と、糊代部49の領域と、糊代部142の領域に接着剤を塗布して(第2接着剤塗布工程)、側面部130を折れ線C13を介して背面部140の側に内側に折り返すことにより、側面部30を折れ線C3を介して背面部40側に折り返し、
図47に示す状態とする。すると、先端部84と第4片部90が接着され、糊代部49が側面部30に接着され、糊代部142が正面部110に接着される(第2接着工程)。
【0220】
なお、分離部44と片部144は、背面部40、140に設けられ、背面部40、140は、スリーブ状部5、105を構成する4つの部材のうち内側にあるので、側面部130を折り返した際に、側面部30は外側にずれようとするが、側面部30は、背面部40以外に接着された部材からは連設されていないので、側面部30、130の折返しが不良となることがない。
【0221】
また、製造された包装箱Bにおいては、スリーブ状部5を構成する各部(例えば、正面部10や側面部30)の横方向の両側の端部が、外箱部A2のスリーブ状部105において対応する部材(例えば、正面部10については、正面部110、側面部30については、側面部130)の両側の角部に強く押しつけられることはない。
【0222】
正面部10、110の折返しや側面部30、130の折返しが不良になることがなく、また、製造された包装箱Bにおいては、スリーブ状部5を構成する各部の横方向の両側の端部が、外箱部A2のスリーブ状部105において対応する部材の両側の角部に強く押しつけられることはないので、外箱部A2のスリーブ状部105においては、互いに隣接する部材の境界位置には開口部や切欠部を設ける必要がない。
【0223】
なお、糊代部49の代わりに、側面部30における糊代部49との接着領域に接着剤を塗布してもよく、また、糊代部142の代わりに、正面部110における糊代部142との接着領域に接着剤を塗布してもよく、また、先端部84の代わりに、第4片部90における先端部84との接着領域に接着剤を塗布してもよい。以上のようにして、包装箱Bが製造される。なお、上記の製造は、組立て装置(「自動製函機」としてもよい)により自動で製造される。
【0224】
なお、上記の製造工程において、第3片部80を背面部40側に折り返し、第4片部90を側面部30側に折り返し、さらに、先端部84を本体部82に対して折り返す工程は、正面部110を側面部120の側に折り返して、先端部64を第2片部70に接着した後で、先端部84の領域と、糊代部49の領域と、糊代部142の領域に接着剤を塗布する前に行ってもよい。第4片部90を側面部30側に折り返し、第3片部80を背面部40側に折り返し、さらに、先端部84を本体部82に対して折り返す工程と、その後に、先端部84と糊代部49、142に接着剤を塗布する工程が、第2折り返し・接着剤塗布工程となる。その場合、上記折り返し工程では、第1片部60と第2片部70を折り返して、先端部64を折り返し、その後、先端部64に接着剤を塗布することになる(第1折り返し・接着剤塗布工程)。
【0225】
また、先端部64への接着剤の塗布は、第1片部60を折り返し先端部64を折り返した状態で行うとしたが、
図44の状態で先端部64(又は第2片部70)に接着剤を塗布した後に、第1片部60を
図45に示す状態としてもよい(第1接着剤塗布・折り返し工程)。
【0226】
また、先端部84への接着剤の塗布は、第3片部80を折り返し先端部84を折り返した状態で行うとしたが、
図44の状態で先端部84(又は第4片部90)に接着剤を塗布した後に、第3片部80を
図45に示す状態としてもよい(第2接着剤塗布・折り返し工程)。なお、
図44の状態で先端部84に接着剤を塗布した後に、第3片部80を
図45に示す状態とするのは、正面部110を側面部120の側に折り返して、先端部64を第2片部70に接着した後でもよく、
図44の状態で先端部64に接着剤を塗布した後に、第1片部60を
図45に示す状態とするのと同時に行ってもよい。
【0227】
上記構成の包装箱Bの使用状態は、包装箱Aの使用状態と同様である。すなわち、包装箱Bを使用しない状況では、包装箱Bは
図47に示すように平板状に折り畳むことができるので、折り畳んで保管しておく。
【0228】
次に、包装箱Bを使用する際に、包装箱Bを組み立てる。すなわち、外箱部A2における正面部110と背面部140とが互いに平行になり、側面部120と側面部130とが互いに平行になるようにするとともに、内箱部A1における正面部10と背面部40とが互いに平行になり、側面部20と側面部30とが互いに平行になるようにし、底面部50がスリーブ状部5、105に対して直角になるようにすることにより包装箱Bが立体状に組み立てられる。
【0229】
そして、
図48に示すように、包装箱Bの上方から複数の被収納物(商品)Gを内箱部A1内に収納する。その後、上面部160〜190を閉状態にして、
図49に示すように、接着テープTを外箱部A2の側面部120から上面を経て側面部130側にまで接着させることにより、上面部160〜190を封止する。以上のようにして、被収納物Gを包装箱Bに包装したら、被収納物Gを収納した包装箱Bを被収納物Gを陳列する場所に搬送する。
【0230】
その後、被収納物Gを陳列する場合には、外箱部A2を内箱部A1から分離する。すなわち、片部124の先端部126を内側に押し込んで、切目線126Kを切断し、先端部126を開口部25内に浸入させ、先端部126を本体部125に対して内側に折り返した状態とする。すると、先端部126は、分離部24の内側の面に接した状態となる。そして、先端部126を本体部125に対して折り返した状態で(その際、分離部24は、本体部125と先端部126に挟まれた状態となる)、片部124を折れ線C125を介して外側に回動させる。
図50、
図51は、片部124を外側に回動させた状態を示している。
【0231】
同様に、片部144の先端部146を内側に押し込んで、切目線146Kを切断し、先端部146を開口部45内に浸入させ、先端部146を本体部145に対して内側に折り返した状態とする。すると、先端部146は、分離部44の内側の面に接した状態となる。そして、先端部146を本体部145に対して折り返した状態で(その際、分離部44は、本体部145と先端部146に挟まれた状態となる)、片部144を折れ線C145を介して外側に回動させる。
図50、
図52は、片部144を外側に回動させた状態を示している。
【0232】
なお、折れ線C125は、片部124における折れ線C12側に設けられるとともに、折れ線C145は、片部144における折れ線C12側に設けられ、切目線125Ka、125Kbを破断する際には、片部124を折れ線C12側に引っ張り、切目線145Ka、145Kbを破断する際には、片部144を折れ線C12側に引っ張るように形成されているので、片部124の先端部126を指で内側に押し込んで、切目線126Kを切断し、先端部126を本体部125に対して内側に折り返した状態とする操作(第1操作)を左手で行ない、片部144の先端部146を指で内側に押し込んで、切目線146Kを切断し、先端部146を本体部145に対して内側に折り返した状態とする操作(第2操作)を右手で行なうことにより、第1操作と第2操作を両手で同時に行なうことができ、また、先端部126を本体部125に対して折り返した状態で、片部124を折れ線C125を介して外側に回動させる操作(第3操作)を左手で行ない、先端部146を本体部145に対して折り返した状態で、片部144を折れ線C145を介して外側に回動させる操作(第4操作)を右手で行なうことにより、第3操作と第4操作を両手で同時に行なうことができる。特に、第3操作と第4操作は、両手を手前に引く動作で行なうことができ、操作が容易である。つまり、実施例1の場合には、片部124を折れ線C125を介して外側に回動させる操作と片部144を折れ線C145を介して外側に回動させる操作を両手で同時に行おうとすると、両手を左右両側に広げる動作をしなけれならず、両手で同時に操作を行なうことは困難であるが、本実施例においては、両手で同時に切目線を破断する操作を行なうことができ、短時間で外箱部A2を内箱部A1から分離させることができる。
【0233】
すると、本体部125の周囲の切目線125Ka、125Kbが切断するとともに、分離部24についての切目線24Ka、24Kcが切断して、分離部24が内箱部A1から分離し、本体部125に接着した状態で片部124に従動する。同様に、本体部145の周囲の切目線145Ka、145Kbが切断するとともに、分離部44についての切目線44Ka、44Kcが切断して、分離部44が内箱部A1から分離し、本体部145に接着した状態で片部144に従動する。
【0234】
そして、
図53に示すように、外箱部A2を上方に引き上げることにより、被収納物Gを収納した状態で、かつ、分離部24、44が分離した状態の内箱部A1が残るので、商品Gを収納した状態で内箱部A1を陳列する。
【0235】
なお、本実施例においては、スリーブ状部5を構成する各部の横方向の両側の端部が、外箱部A2のスリーブ状部105において対応する部材の両側の角部に強く押しつけられることはないので、外箱部A2を内箱部A1に対して引き上げる際にも、容易に引き上げることができる。
【0236】
以上のように、本実施例の包装箱Bにおいては、外箱部A2のスリーブ状部105においては、互いに隣接する部材の境界位置には開口部や切欠部は形成されていないので、外箱部の強度を強く保つことができ、特に、天面圧縮強度が低下しないので、包装箱Bの上側に重量の大きい物を積み重ねても、包装箱Bが破損することがない。
【0237】
また、分離部24、44は、上記のように偏った位置に設けられ、片部124、144は、上記のように偏った位置に設けられていて、2つの接着部分に掛かる重量を対角に近い位置で分散させることができ、包装箱B自体の一体性を保つことができる。
【0238】
また、外箱部A2の片部124、144は上記の構成をしていて、先端部126、146は押込み用の部材である(つまり、先端部126、146を押し込んで使用する)が、片部124、144を外側に回動させる際に、先端部126、146とともに外側に回動させるので、実施例1の場合と同様に、押込み用の部材(つまり、先端部126、146)が外箱部A2を内箱部A1に対して引き上げる際に邪魔となることがない。
【0239】
さらには、両手を手前に引く動作により、片部124を折れ線C125を介して外側に回動させる操作と、片部144を折れ線C145を介して外側に回動させる操作を両手で同時に行なうことができ、また、先端部126を本体部125に対して内側に折り返した状態とする操作と、先端部146を本体部145に対して内側に折り返した状態とする操作を両手で同時に行なうことができるので、短時間で外箱部A2を内箱部A1から分離させることができる。
【0240】
本実施例の包装箱Bによれば、
図38や
図39に示すように、上方が開口した包装箱Bに対して上方から被収納物である商品を収納して、上面部160〜190を閉じて1つの接着テープTにより封止するのみであるので、容易に被収納物(商品)の梱包作業を行うことができる。
【0241】
また、本実施例の包装箱Bによれば、外箱部A2の先端部126、146を押し込み、本体部125、145に対して折り返した状態で片部124、144を外側に回動させて、分離部24、44を内箱部A1から分離して外箱部A2を上方に引き上げるのみで陳列することができるので、陳列作業を容易に行なうことができる。
【0242】
また、本体部125、145と先端部126、146により分離部24、44を挟んだ状態で片部124、144を回動させるので、分離部24、44の切目線24K、44Kを容易に切断することができる。
【0243】
さらに、本実施例の包装箱Bの製造方法によれば、上記のように、外箱部A2と内箱部A1を重ねて接着した後に、接着剤を塗布した後に折り返す工程を2回行う(つまり、
図45の状態から
図46の状態への工程と、
図46の状態から
図47の状態への工程)ことにより製造することができるので、包装箱Bの製造が容易となる。
【0244】
また、特に、本実施例の包装箱Bにおいては、片部124、144が外箱部A2の側面部120や背面部140の下端位置よりも上側に設けられ、特に、片部124、144は、スリーブ状部105の下端の縁部に対して垂直方向(つまり、上下方向)の回動軸(回動中心)を中心に水平方向(横方向としてもよい)に回動するので、商品が収納された収納物を持ち上げて搬送する際に、誤って片部124、144を回動させてしまうことがない。
【0245】
なお、切目線124K、144Kは、全体としては切断予定線であるとしたが、全体に連続した切込みにより形成された切目線としてもよい。
【0246】
なお、上記の説明において、
図44〜
図47に示す工程で包装箱Bを製造するとして説明したが、外箱部A2と内箱部A1の展開状態を左右対称として製造してもよい。すなわち、
図43に示す状態の外箱部A2の上面に
図42に示す状態の内箱部A1を重ねて接着し、内箱部A1の底面部を構成する各部を折り返すとともに、第1片部60の先端部64と第3片部80の先端部84を外側に折り返して、先端部84に接着剤を塗布して側面部130を折り返し、さらに、先端部64と糊代部49、142に接着剤を塗布して正面部110を折り返すことにより包装箱を製造してもよい。その場合に製造された包装箱は、
図38〜
図41の構成に際して左右対称に形成されることになる。
【0247】
また、内箱部A1の底面部50において、第1片部60が正面部10から連設され、第3片部80が背面部40から連設されているとしたが、第1片部60と第3片部80の一方が側面部20から連設され、他方が側面部30から連設され、第2片部70と第4片部90の一方が正面部10から連設され、他方が背面部40から連設されるものとしてもよい。
【0248】
また、上記の説明では、内箱部A1の底面部50はワンタッチ底であるとしたが、これには限られず、例えば、アメリカンロック(底組み形式)やA式(みかん箱の形式)であってもよい。アメリカンロックやA式の場合には、製造工程において、スリーブ状部5の下辺から連設された各部をスリーブ状部5に対して内側に折り返す工程や、スリーブ状部5の下辺から連設された各部も接着剤を塗布する工程は行われない。
【0249】
また、外箱部A2においては、スリーブ状部105の上辺から連設された上面部160、170、180、190は、A式であるとしたが、他の形式、例えば、B式(一対の内フラップと蓋部とを有し、蓋部が、スリーブ状部105から連設された蓋部本体と、蓋部本体の先端から連設され、スリーブ状部105の内側に差し込まれる差込み片部とを有するもの。つまり、スリーブ状部105の4つの上辺(正面部110と側面部120、130と背面部140の上辺)のいずれかから蓋部が連設され、蓋部が連設された上辺に隣接する2つの辺部から内フラップが連設される。)としてもよい。つまり、蓋部は、スリーブ状部105の4つの上辺の少なくとも1つから連設されていればよい(つまり、蓋部は、スリーブ状部105の上端から折れ線を介して連設されていればよい)。
【0250】
また、上記の説明においては、内箱部Aにおいて、分離部24、44は切目線24K、44Kと開口部25、45により囲まれている(つまり、分離部24、44は本体部22、32(及び開口部25、45)に囲まれている)としたが、側面部20の上辺を低く形成して、分離部24の上辺が側面部20の上辺の一部を構成し(つまり、分離部24の上側には本体部32が存在しない)、分離部44の上辺が背面部40の上辺の一部を構成する(つまり、分離部44の上側に本体部42が存在しない)ものとしてもよい。この場合には、開口部25、45は設けられず、分離部24、44の上辺を除いた三辺が本体部22、42と切目線24K、44Kを介して連設される。このような構成の場合でも、分離部24が側面部20における分離部24以外の部分である本体部22と切目線24Kを介して分離可能になっており、また、分離部44が背面部40における分離部44以外の部分である本体部42と切目線44Kを介して分離可能になっているといえる。
【0251】
なお、上記実施例2の構成(
図38〜
図43に示す構成(実施例2の第1の例とする))は、実施例1の第1の例について、内箱部A1における分離部24と開口部25からなる構成を前後対称(内箱部A1の展開状態では左右対称)に形成するとともに、分離部44と開口部45からなる構成を左右対称に形成し、外箱部A2における片部124を前後対称(外箱部A2の展開状態では左右対称)に形成するとともに、片部144を左右対称に形成したものであるが、実施例1の第2の例〜第12の例についても、内箱部A1における分離部24と開口部25からなる構成を前後対称(内箱部A1の展開状態では左右対称)に形成するとともに、分離部44と開口部45からなる構成を左右対称に形成し、外箱部A2における片部124を前後対称(外箱部A2の展開状態では左右対称)に形成するとともに、片部144を左右対称に形成してもよい。
【0252】
つまり、第2の例については、
図54に示す構成となり、第3の例については、
図55に示す構成となり、第4の例については、
図56に示す構成となり、第5の例については、
図57に示す構成となり、第6の例については、
図58に示す構成となり、第7の例については、
図59に示す構成となり、第8の例については、
図60に示す構成となり、第9の例については、
図61に示す構成となり、第10の例については、
図62に示す構成となり、第11の例については、
図63に示す構成となり、第12の例について、
図64に示す構成となる。
【0253】
実施例2の第2の例〜第12の例においても、実施例2の第1の例と同様の効果を得ることができ、特に、外箱部A2のスリーブ状部105においては、互いに隣接する部材の境界位置には開口部や切欠部は形成されていないので、外箱部の強度を強く保つことができ、特に、天面圧縮強度が低下しないので、包装箱Bの上側に重量の大きい物を積み重ねても、包装箱Bが破損することがない。
【0254】
また、分離部24、44は、上記のように偏った位置に設けられ、片部124、144は、上記のように偏った位置に設けられていて、2つの接着部分に掛かる重量を対角に近い位置で分散させることができ、包装箱B自体の一体性を保つことができる。
【0255】
さらには、両手を手前に引く動作により、片部124を折れ線C125を介して外側に回動させる操作と、片部144を折れ線C145を介して外側に回動させる操作を両手で同時に行なうことができ、また、先端部126を本体部125に対して内側に折り返した状態とする操作と、先端部146を本体部145に対して内側に折り返した状態とする操作を両手で同時に行なうことができるので、短時間で外箱部A2を内箱部A1から分離させることができる。
【0256】
また、実施例2の第2の例〜第6の例においては、先端部126、146とともに外側に回動させるので、実施例1の場合と同様に、押込み用の部材(つまり、先端部126、146)が外箱部A2を内箱部A1に対して引き上げる際に邪魔となることがない。
【0257】
また、実施例2の第2の例〜第6の例においては、外箱部A2の先端部126、146を押し込み、本体部125、145に対して折り返した状態で片部124、144を外側に回動させて、分離部24、44を内箱部A1から分離して外箱部A2を上方に引き上げるのみで陳列することができるので、陳列作業を容易に行なうことができる。
【0258】
また、実施例2の第2の例〜第6の例においては、本体部125、145と先端部126、146により分離部24、44を挟んだ状態で片部124、144を回動させるので、分離部24、44の切目線24K、44Kを容易に切断することができる。
【0259】
また、実施例2の第7〜第12の例においては、外箱部A2における先端部126、146を内側に押し込むことができない場合(被収納物と内箱部A1のスリーブ状部5の内側の面との間に隙間がない場合)に用いられ、開口部127の内側を内箱部A1が塞いでいるので、包装箱Aの外部からごみ等の異物が混入することがない。