(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態.
図1は、本発明の実施の形態に係るコネクタを搭載した照明器具の斜視図である。
図1では、照明器具1として、施設の天井などに配設されるベースライトを例示している。
図1において、x軸方向は短手方向とし、y軸方向は長手方向とし、z軸方向は上下方向あるいは高さ方向とする。以下の各図においても同様とする。
【0012】
図1に示すように、照明器具1は、器具本体2と、ライトユニット3と、電源装置(図示せず)と、を有している。器具本体2は、長手方向に沿って細長く延びる形状であり、断面視において上底よりも下底の方が短い台形状となっている。ライトユニット3は、器具本体2の下方に取り付けられている。
【0013】
ライトユニット3は、器具本体2の短手方向の中央部に、器具本体2の長手方向に沿って取り付けられる外殻3aを有している。
図1の例において、外殻3aは、かまぼこ状に形成されており、外殻3aの長手方向の長さは、器具本体2の長手方向の長さと同程度になっている。また、ライトユニット3は、
図1には図示していないが、器具本体2側から順に、放熱板10と、モジュール基板20と、を有している。
【0014】
図2は、
図1のライトユニットが有する放熱板の正面図である。
図2の各軸は、放熱板10が
図1のライトユニット3に組み込まれている状態に対応する。放熱板10は、板金などを加工して形成され、モジュール基板20から発生する熱を放熱するものである。放熱板10には、表裏に亘って連通した開口部11が設けられている。開口部11は、モジュール基板20に実装された後述するコネクタ30に対応する箇所に設けられており、放熱板10にモジュール基板20を取り付ける際、開口部11にはコネクタ30が挿入される。本実施の形態において、開口部11の周縁部11aは、平面視において四角形状をなしている。ここで、
図2に示すように、開口部11の短手方向の幅を開口幅12とする。
【0015】
図3Aは、
図1のライトユニットが有するモジュール基板を実装面側からみた図である。
図3Bは、
図1のライトユニットが有するモジュール基板を側面側からみた図である。
図3Cは、
図1のライトユニットが有するモジュール基板を底面側からみた図である。
図3A〜
図3Cを参照して、モジュール基板20の構成を説明する。
図3A〜
図3Cの各軸は、モジュール基板20が
図1のライトユニット3に組み込まれている状態に対応する。
【0016】
図3A〜
図3Cに示すように、モジュール基板20は、片面実装基板であり、基材21の一方の面である実装面21aにLEDなどの複数個の光源22が実装されている。すなわち、実装面21aは、モジュール基板20の光源22側の面であり、底面21bは、光源22とは反対側の面である。本実施の形態では、光源22として、チップ型のLED発光素子であるSMD(Surface Mount Device)を採用している。また、モジュール基板20は、基材21の表面に実装される部品の端子を電気的に接続するためのパッド(図示せず)を有している。
【0017】
基材21には、実装面21a側から底面21b側まで連通した穴である一対の貫通穴23が設けられている。本実施の形態では、長手方向に沿う直線上に複数個の光源22が配置されており、一対の貫通穴23は、光源22が並ぶ直線を中心軸とした対象な位置に配置されている。
【0018】
ここで、貫通穴23は、平面視において長手方向を長辺とする四角形状であることから、モジュール基板20の短手方向の長さである基板幅24を小さくすることができる。よって、基材21の取り数を増やすことができるため、モジュール基板20をより安価に製作することができる。
図3Aおよび
図3Cに示すように、貫通穴23の長手方向の幅を穴幅23aとする。
【0020】
コネクタ30は、樹脂に比べて反射率の高い金属のみで構成されている。コネクタ30を構成する金属材料は、例えば、ベリリウム銅合金又はコルソン銅合金などである。つまり、コネクタ30は、ベリリウム銅合金又はコルソン銅合金などを加工して形成されたものである。本実施の形態において、コネクタ30は、単極であり、SMDに対応したSMD形のコネクタである。コネクタ30は、モジュール基板20に実装されたとき、モジュール基板20への電力供給用の電線が挿入される方向が長手方向となるように形成されている。
【0021】
コネクタ30は、モジュール基板20に対し光源22側で接続される基板接続部31を備えている。基板接続部31は、板状の吸着部32と、吸着部32の端部に形成され、モジュール基板20に接続される一対の接続部31aと、を有している。ここで、吸着部32は、本発明の「本体部」に相当する。
【0022】
本実施の形態において、一対の接続部31aは、吸着部32の長手方向の両端部に接続されている。各接続部31aは、それぞれ、モジュール基板20のパッドの位置に実装され、ハンダにより電気的および機械的に接続される。一対の接続部31aがモジュール基板20に接続されることにより、コネクタ30がモジュール基板20に係止される。また、コネクタ30は、吸着部32の端部に接続され、垂直方向に突出した基板貫通部33と、基板貫通部33の下端部に接続され、基板貫通部33から更に突出した電線取付部34と、を有している。
【0023】
ここで、コネクタ30の長手方向の長さであるコネクタ長さ30aは、貫通穴23の穴幅23aよりも長くなっている。すなわち、コネクタ30の接続部31aは、貫通穴23よりも外側にあるため、実装面21a側から貫通穴23に挿入したコネクタ30が、貫通穴23から落ちることはない。なお、本実施の形態において、コネクタ長さ30aは、基板接続部31の長手方向の長さのことである。
【0024】
より具体的に、一対の接続部31aは、
図4Aおよび
図4Cに示すように、吸着部32の長手方向の両端部に形成されている。一対の接続部31aは、モジュール基板20に対し、光源22側で接続される。吸着部32は、基板貫通部33とは反対側の面である吸着面32aが平面となっている。吸着面32aは、コネクタ30をモジュール基板20に実装する際に、マウンターのノズルが吸着する箇所である。ここで、マウンターとは、ハンダ付けの前に、モジュール基板20の表面に電子部品を配置するための装置である。
【0025】
基板貫通部33は、基板接続部31と電線取付部34とを接続するものである。本実施の形態において、基板貫通部33は、湾曲部33aと垂直部33bとからなる4つの部材によって構成されている。湾曲部33aと垂直部33bとからなる各部材は、それぞれ、吸着部32の側端部に接続されており、2つの当該部材がそれぞれ対向して配置され、対向して配置されていない2つの当該部材は長手方向に沿って並んでいる。
【0026】
湾曲部33aは、側端部から湾曲し、吸着部32の短手方向の中央部に向かって延びている。垂直部33bは、吸着部32の短手方向の中央部から垂直方向に延び、電線取付部34に接続されている。基板貫通部33は、湾曲部33aと垂直部33bとからなる4つの部材によって構成されているため、吸着部32と電線取付部34との接続強度を確保することができる。また、
図4Bに示すように、基板貫通部33の垂直部33bの位置での短手方向の距離である第一幅38は、電線取付部34の短手方向の距離である第二幅39に比べて短くなっている。もっとも、基板貫通部33の形状は、
図4A〜
図4Cの例に限定されるものではない。
【0027】
電線取付部34は、照明器具1の電源装置の出力部に電線を介して接続されることにより、電源装置から供給される電力を光源22に印加するものである。すなわち、光源22は、電源装置から電線取付部34を介して供給される電力によって発光する。また、電線取付部34は、モジュール基板20に設けられた貫通穴23を通過可能な大きさとなっている。つまり、電線取付部34は、モジュール基板20の貫通穴23を自在に通過することができる。電線取付部34は、コネクタ30をモジュール基板20に実装した後において、モジュール基板20に対する底面21b側に配設される。
【0028】
電線取付部34は、基板貫通部33の下端部に接続された傾斜部35と、傾斜部35の下端部に接続された電線挿入部36と、を有している。つまり、基板貫通部33と電線挿入部36とは、傾斜部35を介して接続されている。
【0029】
電線挿入部36には、電線が挿入される挿入口36aが設けられている。また、電線挿入部36は、速結端子の構造である電線保持部36bを備えている。ここで、速結端子とは、電線をドライバー等の工具を使用しないで取り付けることができる電源端子のことである。
【0030】
傾斜部35は、電線挿入部36の挿入口36a側が電線保持部36b側よりも下方に傾斜するように、挿入口36a側の上下方向の幅が電線保持部36b側の上下方向の幅よりも長くなっている。すなわち、
図4Cに示すように、電線挿入部36の上端部、つまり傾斜部35の下端部は、基板貫通部33の下端部、つまり傾斜部35の上端部に対し、挿入口36a側に向けて角度θだけ傾いている。よって、コネクタ30をモジュール基板20に取り付けた状態では、電線挿入部36が、モジュール基板20の底面21bに対して角度θだけ傾斜する。このように、コネクタ30は、電線挿入部36がモジュール基板20の底面21bに対して傾斜していることから、挿入口36aへ電線を挿入する際の底面21bへの接触等を抑制することができるため、容易に電線を挿入することができる。
【0031】
ところで、角度θを大きくすればするほど、電線を挿入しやすさは向上する。また、基板貫通部33および傾斜部35のうちの少なくとも一方の上下方向の長さを長くしても、電線を挿入しやすさは向上する。ただし、角度θを大きくしたり、基板貫通部33等の上下方向の長さを長くしたりすれば、コネクタ30の上下方向の長さが長くなることから、リール梱包時に収納できる数量が減るため、梱包材の廃棄費用およびリール交換の負担が増えてしまう。そのため、基板貫通部33の上下方向の長さは、基材21の厚みに1mm〜3mm程度を加えた長さとし、角度θは、3°〜15°程度にするとよい。かかる構成を採れば、電線の挿入しやすさの向上を図ると共に、梱包材の使用量を減少させ、コストを削減することができる。
【0032】
ここで、
図4Aおよび
図4Cでは、一対の接続部31aが、それぞれ同型状である場合を例示したが、これに限らず、一対の接続部31aは、それぞれ、大きさが異なっていてもよい。例えば、電線保持部36bに端部が固定された電線が引っ張られた際、挿入口36a側の接続部31aには、他方の接続部31aに比べて応力が大きく加わることもある。そのため、挿入口36a側の接続部31aが、他方の接続部31aよりも大きくなるようにしてもよい。
【0033】
また、モジュール基板20へ実装されたコネクタ30を実装面21a側からみたとき、電線挿入部36における挿入口36aの向きを確認することが難しい場合もある。そのため、モジュール基板20に実装したコネクタ30を実装面21a側から視認したときの形状が、挿入口36a側と反対側とで非対称となるようにしてもよい。ここで、コネクタ30をモジュール基板20に実装した状態で、実装面21a側から視認できる構成部材は、一対の接続部31aおよび吸着部32である。そのため、一対の接続部31aおよび吸着部32のうちの少なくとも一方が、挿入口36a側と反対側とで線対称な形状とならないようにするとよい。
【0034】
すなわち、一方の接続部31aと他方の接続部31aとが異なる形状となるようにしてもよい。
図4A等では、一方の接続部31aと他方の接続部31aとの双方に切欠き部37が設けられている場合を例示しているが、例えば、一対の接続部31aの一方に、目印としての機能を兼ねた切欠き部37を設けてもよい。また、挿入口36a側の接続部31aの一部に、目印としての小さな窪み等を設けるようにしてもよい。
【0035】
また、吸着部32は、長手方向における中央部を中心として非対称な形状となるようにしてもよい。すなわち、吸着部32は、短手方向に沿って2つの部材に分けたとき、当該2つの部材の形状がそれぞれ異なるようにしてもよい。例えば、吸着部32の挿入口36a側の一部に、目印としての小さな窪み等を設けることにより、吸着部32を非対称な形状としてもよい。
【0036】
図5は、
図4A〜
図4Cのコネクタに装着されるコネクタカバーを示す斜視図である。
図6Aは、
図5のコネクタカバーの平面図である。
図6Bは、
図5のコネクタカバーの正面図である。
図6Cは、
図5のコネクタカバーの右側面図である。
図5および
図6A〜
図6Cを参照して、コネクタカバー40の構成を説明する。
図5および
図6A〜
図6Cの各軸は、コネクタカバー40が
図1のライトユニット3に組み込まれている状態に対応する。
【0037】
コネクタカバー40は、モジュール基板20の光源22とは反対側において、コネクタ30を覆うことにより、コネクタ30への接触に起因した感電を防止するものである。コネクタカバー40は、樹脂などの絶縁物によって形成されている。例えば、コネクタカバー40は、ポリカーポネードなどを成形して形成される。コネクタカバー40は、モジュール基板20にコネクタ30を実装した後、モジュール基板20の底面21b側においてコネクタ30に装着される。
【0038】
コネクタカバー40は、電線が挿入される側の側壁をなす短手方向に沿った第一側壁部41と、第一側壁部41から長手方向に延びる一対の第二側壁部42と、を有している。第一側壁部41は、コネクタ30の挿入口36aに対応する箇所に、電線が挿入される孔を備えた挿入孔部43を有している。つまり、挿入孔部43は、コネクタカバー40をコネクタ30に装着すると、挿入口36aの位置する箇所に配置される。
【0039】
コネクタカバー40において、一対の第二側壁部42の間には、
図6Aに示すように、隙間44aを構成するスライド部44が設けられている。隙間44aは、コネクタ30の基板貫通部33が、長手方向に沿って出し入れ自在となるように形成されている。スライド部44の挿入孔部43とは反対側の端部には、係部45が設けられている。一対の第二側壁部42は、挿入孔部43の位置から長手方向に沿って係部45の位置まで延びている。係部45の隙間の幅である係部幅45aは、基板貫通部33の第一幅38よりも狭くなっている。
【0040】
挿入孔部43は、
図6Bに示すように、挿入された電線を案内する電線ガイド部46を有している。電線ガイド部46は、円環状に形成され、中心が開口しており、内周面46aには面取り加工が施されている。このように、コネクタカバー40は、内周面46aに面取り加工が施されているため、電線ガイド部46の開口部に挿入された電線を、コネクタ30の挿入口36aへ円滑に案内すると共に、電線の破損を抑制することができる。
【0041】
コネクタカバー40は、
図6Bおよび
図6Cに示すように、一対の第二側壁部42それぞれのスライド部44側の端部には、モジュール基板20の底面21bに向けて突出する凸部47が形成されている。一対の凸部47は、それぞれ、長手方向に沿って延びる形状となっている。コネクタカバー40をモジュール基板20に実装されたコネクタ30に装着したとき、凸部47は、モジュール基板20の底面21bに当接する。
【0042】
図7は、
図4A〜
図4Cのコネクタに、
図5のコネクタカバーを装着する様子を示す説明図である。
図8は、
図4A〜
図4Cのコネクタに、
図5のコネクタカバーを装着した状態を示す説明図である。なお、
図7および
図8では、モジュール基板20等を省略している。
【0043】
図7に示すように、コネクタカバー40は、モジュール基板20に実装されたコネクタ30の挿入口36a側から、係部45を基板貫通部33にスライドさせて装着する。係部45の隙間の幅である係部幅45aは、基板貫通部33の第一幅38よりも狭いため、コネクタカバー40にコネクタ30が挿入される際、係部45の内面に外向きの力が加わる。そのため、スライド部44の根元を起点に一対の第二側壁部42が外側に広がり、係部45の係部幅45aが広がる。係部45の係部幅45aは、コネクタ30が正常な位置に装着されたとき、元の長さに戻り、その際、適度な節度感を得ることができる。これにより、基板貫通部33がスライド部44に挿入され、
図8に示すように、コネクタカバー40にコネクタ30が組み込まれる。ここで、コネクタ30とコネクタカバー40とを組み合わせた構成をコネクタユニット50という。
【0044】
図9は、
図4Aのコネクタを実装した
図3A〜
図3Cのモジュール基板と、
図2の放熱板とを組み立てて、コネクタカバーを実装した状態を側面からみた取付図である。
図9に示すように、ライトユニット3では、コネクタ30を実装したモジュール基板20と、放熱板10とが組み合わされる。すなわち、放熱板10は、モジュール基板20の光源22とは反対側の面である底面21bに当接するように配置され、モジュール基板20から発生する熱を放熱するものである。
【0045】
図10は、
図9の構成をコネクタカバー側からみた取付図である。
図10に示すように、開口部11は、周縁部11aが、コネクタ30の外周から一定の距離だけ離れるように形成されている。すなわち、開口部11の周縁部11aからコネクタ30の外周までの距離は、雷サージなどの過電圧で絶縁破壊が生じないように設定されている。
【0046】
ところで、開口部11を広くすれば、絶縁破壊への耐力は増加するが、広くし過ぎると、下記のような課題が生じる。すなわち、まず第1に、放熱板10の強度が低下し、たわみやすくなる。そのため、モジュール基板20との密着性が弱くなり、放熱性が悪化することから、光源22の寿命が短くなる。次いで第2に、開口部11の開口幅12よりも、モジュール基板20の基板幅24の方が短くなると、周縁部11aとモジュール基板20の外周との間に隙間が生じる。すると、その隙間から埃又は虫などが侵入するため、照明器具1に不具合が発生しやすくなる。よって、照明器具1では、放熱板10の強度を確保することができ、かつ開口部11の周縁部11aとモジュール基板20の外周との間に隙間が生じないよう、開口部11を適正な大きさに設定して、放熱板10とコネクタ30との絶縁を図っている。
【0047】
図11は、
図10のA−A線に沿った概略断面図である。上述したように、開口部11の開口幅12がモジュール基板20の基板幅24よりも長いと、周縁部11aとモジュール基板20との間に隙間から、埃又は虫などが侵入してしまう。この点、本実施の形態では、
図11に示すように、開口部11の開口幅12が、モジュール基板20の基板幅24よりも短くなっている。よって、周縁部11aとモジュール基板20との間に隙間か生じないため、照明器具1の不具合の発生を抑制することができる。
【0048】
また、コネクタカバー40の凸部47は、モジュール基板20の底面21b側と接触するようになっている。そのため、コネクタカバー40に外的要因の応力が加わった場合でも、ハンダによって接続された接続部31aに加わる応力を低減することができる。さらに、コネクタカバー40を装着したコネクタ30には、図示しない電線が接続されるところ、コネクタカバー40には挿入孔部43が設けられている。よって、電線が捻回した場合、又は電線に屈曲する力が加わった場合でも、挿入孔部43に力が加わることから、コネクタ30の電線保持部36bに加わる力を低減することができるため、電線接続部の性能の向上を図ることができる。
【0049】
加えて、モジュール基板20の実装面21aを基準とした場合、コネクタ30の高さh1は、光源22の高さh2よりも低くなっている。つまり、コネクタ30は、光源22の発光の妨げとなり難い状態でモジュール基板20に実装されている。また、2つのコネクタ30は、それぞれ、2つの貫通穴23に対応する位置に配設される。したがって、2つのコネクタ30は、
図10および
図11に示すように、2つの貫通穴23と同様、複数個の光源22が並ぶ直線を中心軸とした対象な位置に配置される。そして、2つのコネクタ30の各々の長手方向は、貫通穴23の長手方向、すなわちモジュール基板20の長手方向と平行になっている。よって、省スペース化を図ることができるため、照明器具1の小型化を図ることができる。
【0050】
以上のように、コネクタ30は、樹脂に比べて反射率が高い金属を加工して形成されており、吸着部32および一対の接続部31aだけが、モジュール基板20の実装面21a側に配置されている。すなわち、コネクタ30は、光を反射し易い金属製であり、コネクタ30をモジュール基板20に実装すれば、電線取付部34と基板貫通部33の一部とは、モジュール基板20の底面21b側に配置される。また、コネクタカバー40は、モジュール基板20の光源22とは反対側においてコネクタ30を覆うものである。よって、モジュール基板20の光源22側からは、金属のみが露出することになるため、光源22から出力される光の強度低下を抑制することができる。
【0051】
また、本実施の形態では、コネクタ30として、単極の樹脂レス基板貫通コネクタを用いているため、基材21に開ける穴、すなわち貫通穴23を小さくすることができる。そのため、モジュール基板20の基板幅24を、開口部11の開口幅12よりも長い範囲で短くすることができる。よって、基材21の取り数を増やすことができるため、モジュール基板20をより安価に製造することができる。
【0052】
さらに、電線取付部34は、モジュール基板20に設けられた貫通穴23を通過可能な大きさであり、コネクタ長さ30aは、貫通穴23の穴幅23aよりも長くなっている。すなわち、コネクタ30の接続部31aは、貫通穴23より外側にあるため、実装面21a側から貫通穴23に挿入されるコネクタ30の落下を防ぐことができる。
【0053】
ところで、吸着部32は、コネクタ30をモジュール基板20に実装する際にマウンターのノズルが吸着する箇所であるため、平らな形状であることが望ましい。この点、吸着部32は、平らな面である吸着面32aを備えていることから、コネクタ30をモジュール基板20に実装する際、マウンターのノズルを好適に吸着させることができるため、実装処理の円滑化を図ることができる。
【0054】
また、コネクタ30は、基板貫通部33と電線挿入部36とを接続する傾斜部35を有しており、傾斜部35は、上端部に対して下端部が挿入口36a側に角度θだけ傾斜している。したがって、コネクタ30をモジュール基板20に実装すると、電線挿入部36がモジュール基板20に対して傾斜した状態となる。つまり、電線挿入部36のモジュール基板20からの距離は、挿入口36a側の方が電線保持部36b側よりも長くなる。よって、モジュール基板20が電線挿入時の妨げとなりにくいことから、電線の挿入処理の容易化を図ることができる。もっとも、傾斜部35は、上端部と下端部とが平行となるように形成してもよいが、電線の挿入し易さを考慮すると、下端部に傾斜をつける方が望ましい。
【0055】
ここで、特許文献1のコネクタに電線を接続するためには、ハウジングおよびコンタクトの構成が必要であるため、構造が複雑になると共に、ハーネス費用が高くなるという課題がある。この点、コネクタ30の電線保持部36bは、速結端子の構造であるため、ハーネス費用を抑えることができる。
【0056】
また、特許文献1のコネクタは、金具である導体の全体を樹脂製の外殻で覆っているため、外形が大きくなり、コネクタを貫通させるためのモジュール基板の穴が大きくなる。そのため、モジュール基板の幅が大きくなると共に、基材の取り数が減ってコストがかさむという課題がある。この点、コネクタカバー40は、モジュール基板20の底面21b側からコネクタ30に装着できる構造となっており、モジュール基板20の貫通穴23を通過させる必要がない。よって、コネクタユニット50の構造を採れば、貫通穴23を小さくすることができるため、モジュール基板20の小型化に貢献し、コストの低下を図ることができる。
【0057】
ところで、一対の接続部31aは、それぞれ、吸着部32の短手方向の各端部、又は吸着部32の短手方向の端部と長手方向の端部とに配置してもよいが、このようにすると、モジュール基板20の幅が大きくなるため、基材21の取り数が減少し、モジュール基板20の価格が高くなってしまう。この点、コネクタ30では、一対の接続部31aが、それぞれ、吸着部32の長手方向の各端部に形成されている。よって、基材21の取り数を増やすことができるため、モジュール基板20のコストを削減することができる。
【0058】
なお、一対の接続部31aを短手方向の各端部に設けて基板接続部31を構成した場合、コネクタ30の短手方向の長さは、貫通穴23の短手方向の幅を穴幅23aよりも長くなるため、コネクタ30の落下を防ぐことができる。ただし、かかる構成を採った場合でも、基板接続部31は、吸着部32の長手方向の長さが、貫通穴23の長手方向の長さよりも長くなるように形成し、吸着部32の長手方向の端部が、モジュール基板20の実装面21aに係合するようにしてもよい。このようにすれば、一対の接続部31aにかかる負担を軽減すると共に、より確実にコネクタ30の落下を防止することができる。
【0059】
コネクタカバー40は、モジュール基板20の底面21bに当接する凸部47を有している。よって、コネクタカバー40に外的要因の応力が加わった場合でも、凸部47がモジュール基板20に接触して応力が分散されるため、コネクタ30の接続部31aに加わる応力を低減することができる。また、コネクタカバー40は、電線が挿入される挿入孔部43を有しており、挿入孔部43は、挿入された電線を案内する電線ガイド部46を備えている。よって、電線ガイド部46の案内により、電線を電線保持部36bへ円滑に挿入することができるため、電線の挿入作業の改善を図ることができる。さらに、電線ガイド部46は、円環状に形成されており、中心の開口の内周面46aには、面取り加工が施されているため、電線の破損を抑制することができる。
【0060】
また、従来から、モジュール基板の実装面側に突出したコネクタの一部は、光源22の発光の妨げとなるため、実装面側から突出する高さの低いコネクタが望まれている。この点、照明器具1は、モジュール基板20の実装面21aを基準とした場合、コネクタ30の高さh1が、光源22の高さh2よりも低くなっているため、光源22から出力される光の強度低下をさらに抑制することができる。
【0061】
すなわち、照明器具1は、上記のような構成を採ったため、光源22から出力される光を妨げることなく、モジュール基板20の小型化によりコストを削減することができる。そして、照明器具1は、後付けのコネクタカバー40により、感電保護を実現し、かつ電線保持部36bを含む電線取付部34の性能を向上させることができる。
【0062】
上述した実施の形態は、コネクタ、コネクタユニット、および照明器具における好適な具体例であり、本発明の技術的範囲は、これらの態様に限定されるものではない。例えば、
図1では、照明器具1として、長尺のベースライトを例示したが、これに限らず、照明器具1は、ダウンライト又はシーリングライトなどの照明器具であってもよい。加えて、上記実施の形態では、光源22として、SMD型のLEDを例示したが、これに限らず、光源22は、DIP(Dual Inline Package)型のLED等であってもよい。また、上記実施の形態では、モジュール基板20に、2つの貫通穴23が設けられ、かつ2つのコネクタ30が実装される場合を例示したが、これに限定されるものではない。すなわち、貫通穴23およびコネクタ30の数は、1つであってもよく、3つ以上であってもよい。さらに、上記実施の形態では、一対の凸部47のそれぞれが、長手方向に沿って延びる形状の場合を例示したが、これに限らず、凸部47は、例えば、長手方向に沿って並ぶ複数の突起部によって構成されていてもよい。