特許第6902891号(P6902891)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6902891
(24)【登録日】2021年6月24日
(45)【発行日】2021年7月14日
(54)【発明の名称】梱包装置
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/64 20060101AFI20210701BHJP
【FI】
   B65D85/64 C
【請求項の数】2
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-63144(P2017-63144)
(22)【出願日】2017年3月28日
(65)【公開番号】特開2018-165165(P2018-165165A)
(43)【公開日】2018年10月25日
【審査請求日】2019年9月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】野口 吉孝
(72)【発明者】
【氏名】手塚 歩
【審査官】 内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−147673(JP,A)
【文献】 特開平05−330583(JP,A)
【文献】 実開昭60−161031(JP,U)
【文献】 特開2004−155502(JP,A)
【文献】 実開昭61−005782(JP,U)
【文献】 実開昭50−118271(JP,U)
【文献】 特開2004−106926(JP,A)
【文献】 特開平11−310268(JP,A)
【文献】 実開昭50−154362(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の板状に形成された天板本体を有する天板を梱包する梱包装置において、
前記天板を収容する筐体部と、
前記筐体部の底面に設置され前記天板本体が載置される少なくとも2つの支持部材と、有し、
前記2つの支持部材は、それぞれ長尺に形成され、
前記2つの支持部材のうちの一方の支持部材は、前記天板本体の長手方向に延びる向きで、前記天板本体の短手方向の一方の縁部に沿って配置され、
前記2つの支持部材のうちの他方の支持部材は、前記天板本体の長手方向に延びる向きで、前記天板本体の短手方向の他方の縁部に沿って配置され、
前記2つの支持部材は、前記長手方向に延びて前記長手方向に直交する断面形状が三角形に形成された本体部をそれぞれ有し、
前記本体部は、前記三角形の1つの辺に対応する底面が前記筐体部の底面と面接触するように配置され、前記三角形の他の2つの辺に対応する2つの側面が形成する角部が上側に向かって突出し、前記角部の上に前記天板本体が載置されて、前記角部のみが前記天板本体の下面と接触し、
前記一方の支持部材の前記角部は、前記天板本体の下面の前記短手方向の一方の縁部に接触し、
前記他方の支持部材の前記角部は、前記天板本体の下面の前記短手方向の他方の縁部に接触し、
前記2つの支持部材は、それぞれ前記長手方向の長さ寸法が前記天板本体の前記長手方向の長さ寸法以上となるように形成されていることを特徴とする梱包装置。
【請求項2】
前記天板本体は、上板部と、前記上板部の裏面に貼着され前記上板部を補強する芯材と、を有し、
前記支持部材は、前記芯材と当接するように配置されている請求項1に記載の梱包装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、梱包装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、板状の天板本体にシンクが取り付けられたシンク付天板などの天板は、運搬時や保管時に外部からの衝撃や埃などから保護するために梱包装置に梱包されている(例えば、特許文献1および2参照)。このような梱包装置は、例えば、天板の縁部を緩衝材で覆い、天板および緩衝材を筐体に収容したりシートなどで覆ったりするように構成されている。
また、梱包装置には、天板本体を下側から支持する支持部材が設けられることがある。天板本体が長尺に形成されている場合、支持部材は、例えば、板状や棒状の発泡スチロールや筒状や箱状の段ボールなどの天板本体の短手方向に延びる部材で、天板本体の長手方向に間隔をあけて複数設置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−106926号公報
【特許文献2】特開平11−310268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
支持部材は、天板本体の長手方向に間隔をあけて配置されているため、支持部材間において天板本体に撓みが生じ、この撓みがひびや亀裂などの損傷の原因となる虞がある。
このため、天板本体の撓みを防止して天板本体の損傷を防止できる梱包装置が望まれている。特に、天板本体に大きな撓みによる割れを引き起こしやすい材料を用いた場合や、天板本体の形状が繊細で欠損を起こす可能性のある場合などに、天板本体の損傷を防止できる梱包装置が望まれている。
【0005】
本発明は、天板の運搬時や保管時の落下や衝撃に対して天板本体の損傷を防止できる梱包装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る梱包装置は、長尺の板状に形成された天板本体を有する天板を梱包する梱包装置において、前記天板を収容する筐体部と、前記筐体部の底面に設置され前記天板本体が載置される少なくとも2つの支持部材と、有し、前記2つの支持部材は、それぞれ長尺に形成され、前記2つの支持部材のうちの一方の支持部材は、前記天板本体の長手方向に延びる向きで、前記天板本体の短手方向の一方の縁部に沿って配置され、前記2つの支持部材のうちの他方の支持部材は、前記天板本体の長手方向に延びる向きで、前記天板本体の短手方向の他方の縁部に沿って配置され、前記2つの支持部材は、前記長手方向に延びて前記長手方向に直交する断面形状が三角形に形成された本体部をそれぞれ有し、前記本体部は、前記三角形の1つの辺に対応する底面が前記筐体部の底面と面接触するように配置され、前記三角形の他の2つの辺に対応する2つの側面が形成する角部が上側に向かって突出し、前記角部の上に前記天板本体が載置されて、前記角部のみが前記天板本体の下面と接触し、前記一方の支持部材の前記角部は、前記天板本体の下面の前記短手方向の一方の縁部に接触し、前記他方の支持部材の前記角部は、前記天板本体の下面の前記短手方向の他方の縁部に接触し、前記2つの支持部材は、それぞれ前記長手方向の長さ寸法が前記天板本体の前記長手方向の長さ寸法以上となるように形成されていることを特徴とする。
【0007】
本発明では、天板本体を下側から支持する支持部材が天板本体の長手方向に延びる向きに配置されているため、天板本体が撓むことによって生じるひびや亀裂を防止することができる。
また、天板本体の中でも天板本体の短手方向の端部に長手方向に沿って形成される前垂れ部分などが損傷しやすいが、本発明では支持部材が天板本体の短手方向の少なくとも一方の縁部に沿って配置されていることによって、天板本体における短手方向の端部の損傷を防止することができる。
本発明では、天板本体は、長尺の板状に形成された部材を示し、天板は、少なくとも天板本体を有する部材を示している。天板には、天板本体のみで構成された天板や、天板本体に他の部材が取り付けられた天板の両方が含まれている。
また、本発明に係る梱包装置では、前記支持部材は、前記天板本体の前記短手方向の両縁部それぞれに沿って配置されている。
このような構成とすることにより、天板本体の短手方向の両縁部が支持部材に支持されるため、天板本体の短手方向の両縁部それぞれにおいて天板本体の撓みを確実に防止することができ、天板本体の損傷を防止することができる。
【0008】
また、本発明に係る梱包装置では、前記支持部材は、前記長手方向に延びて前記長手方向に直交する断面形状が三角形に形成された本体部を有し、前記本体部は、前記三角形の1つの辺に対応する底面が前記筐体部の底面と面接触するように配置され、前記三角形の他の2つの辺に対応する2つの側面が形成する角部が上側に向かって突出し、前記角部の上に前記天板本体が載置されている。
このような構成とすることにより、支持部材は、角部によって天板本体を長さ方向に延びる線状に支持することができる。また、支持部材は、本体部の底面が筐体部の底面と面接触するように配置されることにより、筐体部の内部に安定して配置された状態で天板を確実に支持することができる。このように支持部材が安定した状態で天板本体を長さ方向に延びる線状に支持することができるため、天板本体の撓みが確実に防止され、天板本体の損傷を防止することができる。
さらに、段ボール板などを断面形状が三角形となるように折り曲げることで支持部材を容易に形成することができる。
また、本発明に係る梱包装置では、前記支持部材は、前記長手方向の長さ寸法が前記天板本体の前記長手方向の長さ寸法以上となるように形成されている。
このような構成とすることにより、支持部材が天板本体を長手方向全体から支持することができる。このため、天板本体の撓みを確実に防止することができ、天板本体の損傷を防止することができる。
【0009】
また、本発明に係る梱包装置では、前記天板本体は、上板部と、前記上板部の裏面に貼着され前記上板部を補強する芯材と、を有し、前記支持部材は、前記芯材と当接するように配置されていてもよい。
このような構成とすることにより、支持部材から天板本体に伝達する衝撃を芯材に伝達することができる。このため、上板部には支持部材からの衝撃が直接伝達せず、支持部材から伝達する衝撃による上板部の損傷を防止することができる。
特に、上板部が例えばセラミックなどの大きな撓みによる割れが比較的生じやすい材料で形成されている場合に、上板部の損傷を効率的に防止することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、運搬時や保管時の落下や衝撃に対して天板本体の損傷を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態による梱包部材の一例を示す平面図で、天板の上側の部材を省略した図である。
図2図1のA−A線断面図である。
図3図1のA−A線断面に対応する天板の上側の部材も示した梱包部材の断面図である。
図4図3のB−B線断面に対応する断面図である。
図5】梱包部材の天板よりも下側に配置される部材を示す平面図である。
図6】第1支持部材の斜視図である。
図7】パッド部材を説明する図である。
図8】第1桟部材および第2桟部材を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態による梱包装置について、図1乃至図8に基づいて説明する。
図1および図2に示すように、本実施形態による梱包装置1は、キッチンに設けられる天板11を梱包するためのものである。
天板11は、天板本体12と、天板本体12に取り付けられたシンク13と、を有している。天板本体12は、長尺に形成されている。天板本体12の長手方向を幅方向とし、短手方向を前後方向とする。前後方向のうち、キッチンを使用する際に使用者と対向する側を前側とし、その反対側を後側とする。
【0015】
天板本体12は、上板部121と、上板部121の裏面に貼着され上板部121を補強する芯材122と、を有している。
芯材122は、例えば、木材などで板状に形成され、板面が略水平面となるように配置されている。
上板部121は、例えば、セラミックや人造大理石などで形成され、芯材122の上面および前端面を覆うように配置されている。上板部121の上面は、作業面となっている。
【0016】
本実施形態では、天板本体12には、前縁部分にその後側の部分と比べて下側に延びる前垂れ部123が形成されている。天板本体12の前垂れ部123よりも後側部分は、平板状に形成されている。天板本体12の前垂れ部123よりも後側部分を平板部124とする。
平板部124には、幅方向の一方側にシンク13が取り付けられるシンク用開口部125が形成され、幅方向の他方側にコンロが取り付けられるコンロ用開口部126形成されている。
前垂れ部123および平板部124は、それぞれ芯材122および上板部121を有している。平板部124は、芯材122の上側に上板部121が配置されている。前垂れ部123は、芯材122の上側および前側に上板部121が配置されている。前垂れ部123の芯材122と平板部124の芯材122とは一体に形成され、前垂れ部123の上板部121と平板部124の上板部121とは一体に形成されている。
【0017】
シンク13は、例えばステンレスまたは人造大理石などで形成され、シンク用開口部125に取り付けられている。シンク13は、天板本体12の平板部124および前垂れ部123よりも下側に突出している。
なお、天板11は、梱包装置1に梱包される際にはコンロは取り付けられていない状態となっている。
【0018】
図1乃至図4に示すように、梱包装置1は、筐体部2と、筐体部2の内部の底面に配置されて天板11が載置される第1支持部材(支持部材)3および第2支持部材4と、筐体部2の内部において天板11の上側に載置されるパッド部材5と、筐体部2の内部においてパッド部材5の上側に載置される第1桟部材6および第2桟部材7と、筐体部2を外側から固定するバンド部材(不図示)と、を有している。
【0019】
筐体部2は、長尺の直方体状となる筐体本体21と、筐体本体21の内部に敷かれる敷きパッド22と、筐体本体21の内部に配置される補強板23、シンク側防塵パッド24と、を有している。
【0020】
筐体本体21は、所謂A式箱の段ボール箱で、上下方向に開口する角筒状の筒状部25と、筒状部25の下側に設けられた下側開閉部26と、筒状部25の上側に設けられた上側開閉部27と、を有している。
筒状部25は、それぞれ幅方向に延びる平板状に形成され前後方向に間隔をあけて対向する一対の第1側板部251と、それぞれ前後方向に延びる平板状に形成され幅方向に間隔をあけて対向する一対の第2側板部252と、を有している。
一対の第1側板部251は、一対の第2側板部252よりも延在方向(延びる方向)に長く形成されている。第1側板部251の延在方向の縁部が第2側板部252の延在方向の縁部と連続している。
【0021】
下側開閉部26は、一対の第1側板部251それぞれの下側に接続された平板状の第1下側フラップ261と、一対の第2側板部252それぞれの下側に接続された平板状の第2下側フラップ262と、を有している。第1下側フラップ261と第2下側フラップ262とは、筒状部25と近接離間する方向の寸法が略同じ寸法に形成されている。
一対の第1下側フラップ261の上側に一対の第2下側フラップ262が配置されている。一対の第2下側フラップ262は幅方向に間隔をあけて配置されている。
【0022】
上側開閉部27は、一対の第1側板部251それぞれの上側に接続された平板状の第1上側フラップ271と、一対の第2側板部252それぞれの上側に接続された平板状の第2上側フラップ272と、を有している。第1上側フラップ271と第2上側フラップ272とは、筒状部25と近接離間する方向の寸法が略同じ寸法に形成されている。
一対の第1上側フラップ271の下側に一対の第2上側フラップ272が配置されている。
【0023】
敷きパッド22は、平板状の段ボールで形成され一対の第2下側フラップ262の間に嵌め込まれている。敷きパッド22は、第1下側フラップ261と第2下側フラップ262との段差を埋めるために設けられている。敷きパッド22は、粘着テープなどで第2下側フラップ262に固定されている。
補強板23は、平板状の段ボールで形成され、筒状部25の一対の第1側板部251それぞれの内側に重なるように配置されている。補強板23は、第1側板部251と略同じ板面に形成されている。
【0024】
シンク側防塵パッド24は、段ボールを断面形状がハット状となるよう形成した部材で、筒状部25の幅方向の一方側の第2側板部252の内面に沿って配置されている。防塵パッドは、幅方向の一方側に開口するほぼC字形状の本体部241と、本体部241の前縁部から前側に延びる前側固定部242と、本体部241の後縁部から後側に延びる後側固定部243と、を有している。シンク側防塵パッド24は、前側固定部242および後側固定部243が幅方向の一方側の第2側板部252と当接するように設けられている。
【0025】
第1支持部材3は、筐体本体21の内部における幅方向全体にわたるように延びる部材で、一対の第1側板部251それぞれに沿って配置されている。第1支持部材3は、平板状の段ボールを折り曲げて粘着テープなどで固定されて形成されている。
前側の第1側板部251に沿って配置される第1支持部材3を前側第1支持部材31とし、後側の第1側板部251に沿って配置される第1支持部材3を後側第1支持部材32とする。
【0026】
図3および図6に示すように、前側第1支持部材31は、筐体本体21の底部に沿って配置される底板部33と、底板部33の後縁部から上側に延びる第1縦板部34と、第1縦板部34の上縁部から前側に向かって漸次下側に向かう斜め方向に延びる第2縦板部35と、底板部33の前縁部から上側に延びる第3縦板部36と、を有している。
第2縦板部35は、下端部が底板部33と第3縦板部36との境界部分と当接して接続されている。
底板部33、第1縦板部34および第2縦板部35は、幅方向に直交する面による断面形状(前後方向に沿った断面形状)が略三角形状に形成されていて第1縦板部34と第2縦板部35とがなす角部37が上側に尖っている。底板部33、第1縦板部34および第2縦板部35を本体部38とする。
【0027】
前側第1支持部材31は、第3縦板部36の前側の面が前側の第1側板部251の後側の面と当接するように配置されている。第3縦板部36の下端部は、第1側板部251の下端部と略同じ高さに配置され、第3縦板部36の上端部は、第1側板部251の上端部と略同じ高さに配置されている。
第1縦板部34の上部側と第2縦板部35の上部側とは、上側に尖った角部37を形成している、角部37は、第3縦板部36の後側に離間して配置され、第3縦板部36の上端部よりも下側に配置されている。
【0028】
後側第1支持部材32は、筐体本体21の底部に沿って配置される底板部33と、底板部33の前縁部から上側に延びる第1縦板部34と、第1縦板部34の上縁部から後側に向かって漸次下側に向かう斜め方向に延びる第2縦板部35と、底板部33の後縁部から上側に延びる第3縦板部36と、を有している。
第2縦板部35は、下端部が底板部33と第3縦板部36との境界部分と当接して接続されている。底板部33、第1縦板部34および第2縦板部35は、幅方向に直交する面による断面形状が略三角形状に形成されていて第1縦板部34と第2縦板部35とがなす角部37が上側に尖っている。底板部33、第1縦板部34および第2縦板部35を本体部38とする。
【0029】
後側第1支持部材32は、第3縦板部36の後側の面が後側の第1側板部251の前側の面と当接するように配置されている。第3縦板部36の下端部は、第1側板部251の下端部と略同じ高さに配置され、第3縦板部36の上端部は、第1側板部251の上端部と略同じ高さに配置されている。
第1縦板部34の上部側と第2縦板部35の上部側とは、上側に尖った角部37を形成している、角部37は、第3縦板部36の前側に離間して配置され、第3縦板部36の上端部よりも下側に配置されている。
本実施形態では、後側第1支持部材32の角部37が前側第1支持部材31の角部37よりも上側に配置されている。
前側第1支持部材31および後側第1支持部材32は、粘着テープなどで筐体本体21や補強版などに貼りつけられている。
【0030】
図2乃至図5に示すように、第2支持部材4は、前側第1支持部材31と、後側第1支持部材32との間において前後方向全体に延びる部材で、前端部が前側第1支持部材31と当接し、後端部が後側第1支持部材32と当接している。第2支持部材4は、筒状や箱状に形成された段ボールで構成されている。
第2支持部材4は、シンク13が干渉しない位置に幅方向に間隔をあけて複数設けられている。第2支持部材4は、上端部の高さが後側第1支持部材32の角部37の高さと略同じ高さとなるように形成されている。
第2支持部材4は、粘着テープなどで筐体本体21に貼りつけられている。
【0031】
第2支持部材4は、前側第1支持部材31および後側第1支持部材32を互いに離間する方向に付勢している。これにより、前側第1支持部材31および後側第1支持部材32が第1側板部251に押し付けられるとともに、その反力によって第2支持部材4が前側第1支持部材31および後側第1支持部材32挟まれるため、前側第1支持部材31、後側第1支持部材32および第2支持部材4が筐体部2の内部で容易に動かないように構成されている。
【0032】
前側第1支持部材31、後側第1支持部材32および第2支持部材4の上側には、天板11が載置されるように構成されている。前側第1支持部材31、後側第1支持部材32および第2支持部材4の上側に天板11が載置されると、前側第1支持部材31の角部37が天板本体12の前垂れ部123の下端面と当接し、後側第1支持部材32の角部37および第2支持部材4の上端部が天板本体12の平板部124の下面と当接している。後側第1支持部材32の角部37は、天板本体12の後縁部近傍において天板本体12の下面と当接している。なお、シンク13は、前側第1支持部材31と後側第1支持部材32との間で、第2支持部材4が設けられていない部分に配置されている。
【0033】
本実施形態では、前側第1支持部材31の角部37は前垂れ部123の芯材122と当接し、後側第1支持部材32の角部37は平板部124の芯材122と当接している。天板本体12の前端面は、前側第1支持部材31の第3縦板部36と間隔をあけて対向している。天板本体12の後端面は、後側第1支持部の第3縦板部36と間隔をあけて対向している。
天板本体12の幅方向の一方側の端面は、筐体本体21の幅方向一方側の第2側板部252の側方に間隔をあけて配置されている。天板本体12の幅方向の他方側の端面は、筐体本体21の幅方向の他方側の第2側板部252と離間して対向している。本実施形態では、筐体本体21の幅方向の他方側の第2側板部252に、前側第1支持部材31と後側第1支持部材32とに挟まれるようにしコンロ側パッド28が設けられている。なお、天板本体12の幅方向の他方側の端面は、コンロ側パッド28とも離間している。
天板本体12の上面は、筐体本体21の第1側板部251および第2側板部252の上端部よりも下側に配置されている。
【0034】
図3図4および図7に示すように、パッド部材5は、3つ設けられていて幅方向に間隔をあけて配列されている。幅方向の一方側に配置される第1パッド部材51と、幅方向の他方側に配置される第2パッド部材52と、幅方向の中間部に配置される第3パッド部材53とする。
第1パッド部材51は、天板本体12の上側を覆う板部54と、板部54の下面における前端部分から下側に突出する第1突出部55と、板部54の下面における後端部分から下側に突出する第2突出部56と、板部54の下面における幅方向の一方側の端部分から下側に突出する第3突出部57と、を有している。板部54は、平板状の段ボールなどで構成されている。第1〜第3突出部55〜57は、板部54に張り付けられた角棒状の発泡スチロールなどで構成されている。第1突出部55および第2突出部56は、幅方向に延びていて、第3突出部57が前後方向に延びている。
【0035】
第2パッド部材52は、第1パッド部材51と幅方向に対称に形成されている、第2パッド部材52は、天板本体12の上側を覆う板部54と、板部54の下面における前端部分から下側に突出する第1突出部55と、板部54の下面における後端部分から下側に突出する第2突出部56と、板部54の下面における幅方向の他方側の端部分から下側に突出する第3突出部57と、を有している。板部54は、平板状の段ボールなどで構成されている。第1〜第3突出部55〜57は、板部54に張り付けられた角棒状の発泡スチロールなどで構成されている。第1突出部55および第2突出部56は、幅方向に延びていて、第3突出部57が前後方向に延びている。
【0036】
第3パッド部材53は、天板本体12の上側を覆う板部54と、板部54の下面における前端部分から下側に突出する第1突出部55と、板部54の下面における後端部分から下側に突出する第2突出部56と、を有している。板部54は、平板状の段ボールなどで構成されている。第1突出部55および第2突出部56は、板部54に張り付けられた角棒状の発泡スチロールなどで構成されている。第1突出部55および第2突出部56は、幅方向に延びている。
【0037】
第1パッド部材51は、板部54が天板本体12の上側に配置され、第1突出部55が天板本体12と前側第1支持部材31の第3縦板部36との間に嵌め込まれ、第2突出部56が天板本体12と後側第1支持部材32の第3縦板部36との間に嵌め込まれ、第3突出部57が天板本体12と筐体本体21の幅方向一方側の第2側板部252との間に嵌め込まれている。なお、第3突出部57は、シンク側防塵パッド24の上に配置されている。
【0038】
第2パッド部材52は、板部54が天板本体12の上側に配置され、第1突出部55が天板本体12と前側第1支持部材31の第3縦板部36との間に嵌め込まれ、第2突出部56が天板本体12と後側第1支持部材32の第3縦板部36との間に嵌め込まれ、第3突出部57が天板本体12とコンロ側パッド28との間に嵌め込まれている。
【0039】
第3パッド部材53は、板部54が天板本体12の上側に配置され、第1突出部55が天板本体12と前側第1支持部材31の第3縦板部36との間に嵌め込まれ、第2突出部56が天板本体12と後側第1支持部材32の第3縦板部36との間に嵌め込まれている。
【0040】
図3図4および図8に示すように、第1桟部材6は、段ボールを幅方向に長尺となる箱状や筒状に形成した部材で、パッド部材5の板部54の上に配置されている。第1桟部材6は、前側第1支持部材31の第3縦板部36および後側第1支持部材32の第3縦板部36のそれぞれに沿って配置されている。本実施形態では、前側と後側それぞれに第1桟部材6が3つずつ幅方向に間隔をあけて配列されている。前側に配置された第1桟部材6は、前側第1支持部材31の第3縦板部36と当接している。後側に配置された第1桟部材6は、後側第1支持部材32の第3縦板部36と当接している。
第1桟部材6の上端面は、筐体本体21の第1側板部251、第2側板部252の上端部と略同じ高さに配置されている。
【0041】
第2桟部材7は、前側の第1桟部材6と後側の第1桟部材6との間において前後方向に延びる箱状や筒状の部材で、段ボールで形成されている。第2桟部材7は、パッド部材5の板部54の上に配置されている。本実施形態では、4つの第2桟部材7が幅方向に間隔をあけて配列されている。
第2桟部材7は、前端部が前側の第1桟部材6と当接し、後端部が後側の第1桟部材6と当接している。これにより、第1桟部材6が第1側板部251に押し付けられるとともに、その反力によって第2桟部材7が第1桟部材6に挟まれるため、第1桟部材6および第2桟部材7が筐体部2の内部で容易に動かないように構成されている。
第2桟部材7の上端面は、第1桟部材6の上端面と同様に筐体部2の第1側板部251、第2側板部252の上端部と略同じ高さに配置されている。
【0042】
第1桟部材6および第2桟部材7の上部には、筐体本体21の上側開閉部27の第1上側スラップおよび第2上側フラップ272が重なるように構成されている。
バンド部材は、上記のように内部に天板11が収容された筐体部2の外側を囲繞している。
【0043】
次に、上記の梱包装置1を用いた天板11の梱包方法について説明する。
まず、筐体部2を組み立てる。
筐体本体21を下側開閉部26が閉じて上側開閉部27が開口した状態となるように組み立てる。下側開閉部26の一対の第1フラップの上側で一対の第2フラップの間に底板を設置する。底板を粘着テープなどで第2フラップに固定する。
筐体本体21の一対の第1側板部251それぞれの内側に沿って補強板23を配置する。補強板23を粘着テープなどで筐体本体21に固定する。
【0044】
続いて、第1支持部材3を筐体部2の内側に設置する。
前側第1支持部材31を前側に配置された補強板23の内側に配置し、後側第1支持部材32を後側に配置された補強板23の内側に配置する。
幅方向の一方側の第2側板部252と前側第1支持部材31および後側第1支持部材32との間にシンク側防塵パッド24を設置する。シンク側防塵パッド24の第1固定部を幅方向の一方側の第2側板部252と前側第1支持部材31との間に挿し込み、第2固定部を幅方向の一方側の第2側板部252と後側第1支持部材32との間に挿し込んで、シンク側防塵パッド24を筐体本体21に固定する。シンク側防塵パッド24が筐体本体21に固定されたら、防塵パッドの内側にシンク端部受け部材を配置する。
【0045】
続いて、第2支持部材4を筐体部2の内部に設置する。
第2支持部材4を幅方向に間隔をあけて複数配置する。第2支持部材4を粘着テープなどで筐体部2に固定する。また、第2支持部材4の設置と前後して、コンロ側パッド28を筐体部2の内部に設置する。
本実施形態では、第2支持部材4およびコンロ側パッド28が配置された後に、キッチンの部品を収容する部品収容箱29を筐体部2に収容する。部品収容箱を、第1支持部材と第2支持部材4との角部に配置し、粘着テープなどで第1支持部材および第2支持部材4に固定する。
【0046】
続いて、天板11を筐体部2の内部に配置し、第1支持部材および第2支持部材4の上に載置する。前側第1支持部材31の上に天板本体12の前垂れ部123の芯材122を当接させ、後側第1支持部材32の上に天板本体12の平板部124の芯材122を当接させる。
【0047】
続いて、天板11の上にパッド部材5を設置する。
第1パッド部材51の板部54を天板本体12の上側に配置する。第1パッド部材51の第1突出部55を天板本体12と前側第1支持部材31の第3縦板部36との間に嵌め込み、第1パッド部材51の第2突出部56を天板本体12と後側第1支持部材32の第3縦板部36との間に嵌め込む。第1パッド部材51の第3突出部57を天板本体12と筐体本体21の幅方向一方側の第2側板部252との間に嵌め込む。なお、第3突出部57は、シンク側防塵パッド24の上に配置する。
【0048】
第2パッド部材52の板部54を天板本体12の上側に配置する。第2パッド部材52の第1突出部55を天板本体12と前側第1支持部材31の第3縦板部36との間に嵌め込み、第2パッド部材52の第2突出部56を天板本体12と後側第1支持部材32の第3縦板部36との間に嵌め込む。第2パッド部材52の第3突出部57を天板本体12とコンロ側パッド28との間に嵌め込む。
【0049】
第3パッド部材53の板部54を天板本体12の上側に配置する。第3パッド部材53の第1突出部55を天板本体12と前側第1支持部材31の第3縦板部36との間に嵌め込み、第3パッド部材53の第2突出部56を天板本体12と後側第1支持部材32の第3縦板部36との間に嵌め込む。
【0050】
続いて、パッド部材5の上部に第1桟部材6および第2桟部材7を設置する。
筐体部2の内部における前縁部および後縁部に沿って第1桟部材を配置する。前後に配置された第1桟部材6の間に複数の第2桟部材7を幅方向に間隔をあけて配置する。
続いて、筐体本体21の上側開閉部27を閉じて筐体部2の外側をテープで囲繞する。
このようにして天板11が梱包装置1に梱包される。
【0051】
次に、上述した本実施形態による梱包装置1の作用・効果について図面を用いて説明する。
本実施形態による梱包装置1では、天板本体12を下側から支持する第1支持部材3が幅方向に延びているため、天板本体12が撓むことによって生じるひびや亀裂を防止することができる。
【0052】
また、第1支持部材3の本体部38は、幅方向に直交する断面形状が上側に尖った角部37を有する三角形に形成されていることにより、角部37によって天板本体12を幅方向に延びる線状に支持することができる。また、第1支持部材3は、本体部38の底面が筐体部2の底面と面接触するように配置されることにより、筐体部2の内部に安定して配置された状態で天板本体12を確実に支持することができる。このように第1支持部材3が安定した状態で天板本体12を長さ方向に延びる線状に支持することができるため、天板本体12の撓みが確実に防止され、天板本体12の損傷を防止することができる。
さらに、段ボールを折り曲げることで第1支持部材3を容易に形成することができる。
【0053】
また、第1支持部材3は、芯材122と当接するように配置されていることにより、第1支持部材3から天板本体12に伝達する衝撃を芯材122に伝達させることができる。このため、上板部121には第1支持部材3からの衝撃が直接伝達せず、第1支持部材から伝達する衝撃による上板部121の損傷を防止することができる。
特に、上板部121がセラミックなどの大きな撓みやゆがみによる割れが比較的生じやすい材料で形成されている場合に、上板部121の損傷を効率的に防止することができる。
【0054】
また、第1支持部材3は、筐体部2の内部における幅方向の略全体に延びていることにより、第1支持部材3が天板本体12を長手方向全体から支持することができる。このため、天板本体12の撓みを確実に防止することができ、天板本体12の損傷を防止することができる。
【0055】
また、第1支持部材3は、天板本体12の前縁部および後縁部それぞれを支持していることにより、天板本体12の前縁部および後縁部それぞれにおいて天板本体12の撓みを確実に防止することができ、天板本体12の損傷を防止することができる。
【0056】
以上、本発明による梱包装置の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記の実施形態では、第1支持部材3は、幅方向に直交する断面形状が上側に尖った角部37を有する三角形に形成された本体部38を有しているが、第1支持部材3の形態は、幅方向に延びる形態であれば適宜設定されてよい。また、第1支持部材3は、段ボールで形成されているが段ボール以外の材料で形成されていてもよい。
また、梱包装置1を構成する部材の形態は、上記以外の形態でもよい。また、筐体本体21および第1支持部材3以外の部材は、必要に応じて設ければよく、不要な場合には設けなくてもよい。
【0057】
また、上記の実施形態では、第1支持部材3は、天板本体12の芯材122と当接するように配置されているが天板本体12の上板部121と当接するように配置されていてもよい。
また、上記の実施形態では、天板本体12は、上面が作業面となる上板部121と、上板部121の裏面に貼着され上板部121を補強する芯材122と、を有する構造である。これに対し、天板本体12は、必要な強度を有していて上面が作業面となる板状の部材のみで構成され、この板状の部材を補強するような芯材が設けられていなくてもよい。
また、上記の実施形態では、第1支持部材3は、筐体部2の内部における幅方向の略全体に延びているが、筐体部2の内部における幅方向の少なくとも一部の区間において延びる形態であってもよい。また、幅方向に延びる第1支持部材3が幅方向に複数配列されていてもよい。
また、上記の実施形態では、第1支持部材3は、天板本体12の前縁部および後縁部それぞれを支持しているが、前縁部および後縁部のいずれか一方のみを支持していてもよい。
【0058】
また、上記の実施形態では、天板本体12は、前垂れ部123を有する形態であるが、前垂れ部123が設けられていなくてもよいし、後縁部にも下側に突出する後垂れ部が設けられていてもよい。
また、上記の実施形態では、梱包装置1は、天板本体12にシンク13が取り付けられた天板11を梱包するように構成されているが、天板本体12にシンク13が取り付けられておらず天板本体12のみで構成された天板を梱包するように構成されていてもよい。また、梱包装置1は、天板本体12にシンク13以外の部材が設けられた天板を梱包するように構成されていてもよい。梱包装置1は、キッチン以外の天板を梱包するように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0059】
1 梱包装置
2 筐体部
3 第1支持部材(支持部材)
4 第2支持部材
11 天板
12 天板本体
13 シンク
37 角部
38 本体部
121 上板部
122 芯材
123 前垂れ部
124 平板部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8