特許第6902947号(P6902947)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6902947
(24)【登録日】2021年6月24日
(45)【発行日】2021年7月14日
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/28 20060101AFI20210701BHJP
   G01R 31/3185 20060101ALI20210701BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20210701BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20210701BHJP
【FI】
   G01R31/28 W
   H01L27/04 T
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-136328(P2017-136328)
(22)【出願日】2017年7月12日
(65)【公開番号】特開2018-36253(P2018-36253A)
(43)【公開日】2018年3月8日
【審査請求日】2020年6月9日
(31)【優先権主張番号】特願2016-165828(P2016-165828)
(32)【優先日】2016年8月26日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】715010864
【氏名又は名称】エイブリック株式会社
(72)【発明者】
【氏名】挽地 友生
(72)【発明者】
【氏名】有山 稔
(72)【発明者】
【氏名】飯島 功造
(72)【発明者】
【氏名】志賀 聖史
【審査官】 島田 保
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−026269(JP,A)
【文献】 特開平04−084782(JP,A)
【文献】 特開2010−216998(JP,A)
【文献】 特開昭49−057759(JP,A)
【文献】 特開2002−246878(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0285858(US,A1)
【文献】 特開2013−190256(JP,A)
【文献】 特開昭51−086957(JP,A)
【文献】 特開昭60−148227(JP,A)
【文献】 特開2002−124574(JP,A)
【文献】 特開2006−121377(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/28
H01L 21/822
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部回路から入力された信号を半導体装置の出力端子に出力する出力ドライバと、
前記半導体装置の出力端子に入力端子が接続され、第1の閾値を有する第1の電圧判定回路と、
前記半導体装置の出力端子に入力端子が接続され、前記第1の閾値よりも高い第2の閾値を有する第2の電圧判定回路と、
前記半導体装置の出力端子に入力端子が接続され、前記第2の閾値よりも高い第3の閾値を有する第3の電圧判定回路と、
前記第1〜3の電圧判定回路の出力端子が入力端子に接続され、前記第1〜3の電圧判定回路の出力信号に応じて2値の符号化信号を出力する符号化回路と、
前記符号化回路の出力端子が入力端子に接続され、入力される前記符号化信号と前記内部回路の前記信号に応じて、前記内部回路にモード信号を出力するモード切替回路と、を備えた、
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記符号化回路は、
前記出力端子の電位が前記第1の閾値よりも低い場合に第1の論理信号を出力し、
前記出力端子の電位が前記第1の閾値以上、かつ、前記第2の閾値よりも低い場合に第2の論理信号を出力し、
前記出力端子の電位が前記第2の閾値以上、かつ、前記第3の閾値よりも低い場合に前記第1の論理信号を出力し、
前記出力端子の電位が前記第3の閾値以上の場合に前記第2の論理信号を出力する、
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記半導体装置の出力端子と前記第1〜3の電圧判定回路の入力端子の間に低域通過フィルタを設けた、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
内部回路から入力された信号を半導体装置の出力端子に出力する出力ドライバと、
前記半導体装置の出力端子に入力端子が接続され、第1の閾値を有する第1の電圧判定回路と、
前記半導体装置の出力端子に入力端子が接続され、前記第1の閾値よりも高い第2の閾値を有する第2の電圧判定回路と、
前記半導体装置の出力端子に入力端子が接続され、前記第2の閾値よりも高い第3の閾値を有する第3の電圧判定回路と、
前記半導体装置の出力端子に入力端子が接続され、前記第3の閾値よりも高い第4の閾値を有する第4の電圧判定回路と、
前記半導体装置の出力端子に入力端子が接続され、前記第4の閾値よりも高い第5の閾値を有する第5の電圧判定回路と、
前記第1〜5の電圧判定回路の出力端子が入力端子に接続され、前記第1〜5の電圧判定回路の出力信号に応じて2値の符号化信号を出力する符号化回路と、
前記符号化回路の出力端子が入力端子に接続され、入力される前記符号化信号と前記内部回路の前記信号に応じて、前記内部回路にモード信号を出力するモード切替回路と、を備えた、
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
前記符号化回路は、
前記出力端子の電位が前記第1の閾値よりも低い場合に第1の論理信号を出力し、
前記出力端子の電位が前記第1の閾値以上、かつ、前記第2の閾値よりも低い場合に第2の論理信号を出力し、
前記出力端子の電位が前記第2の閾値以上、かつ、前記第3の閾値よりも低い場合に前記第1の論理信号を出力し、
前記出力端子の電位が前記第3の閾値以上、かつ、前記第4の閾値よりも低い場合に前記第2の論理信号を出力し、
前記出力端子の電位が前記第4の閾値以上、かつ、前記第5の閾値よりも低い場合に前記第1の論理信号を出力し、
前記出力端子の電位が前記第5の閾値以上の場合に前記第2の論理信号を出力する、
ことを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記半導体装置の出力端子と前記第1〜5の電圧判定回路の入力端子の間に低域通過フィルタを設けた、
ことを特徴とする請求項4または5に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、特に高駆動能が高い出力ドライバを備えた出力端子をテスト端子と兼用する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
端子数の制限から専用のテスト端子を設けることの出来ない半導体装置において、量産検査のためのテストモードへ投入するためのテスト端子を出力端子と兼用する回路が搭載されている。
【0003】
例えば特許文献1には、出力端子から強制的に電圧を入力することによって発生する、通常動作では起こりえない状態を検出して、テストモードへ移行する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−31225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術は、電流駆動能力の低い検査装置と、出力端子に電流駆動能力が高い出力ドライバを備えた半導体装置の組み合わせは想定していなかった。
【0006】
本発明は、電流駆動能力の低い検査装置であってもテストが可能な、テスト端子と兼用した出力端子に電流駆動能力が高い出力ドライバを備えた半導体装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の半導体装置は、半導体装置の出力端子に接続され夫々閾値の異なる複数の電圧判定回路と、複数の電圧判定回路から入力される信号に応じて2値の符号化信号を出力する符号化回路と、入力される符号化信号と内部回路の信号に応じて内部回路にモード信号を出力するモード切替回路と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の半導体装置によれば、複数の電圧判定回路と符号化回路を備えたので、電流駆動能力の低い検査装置であっても、電流駆動能力が高い出力ドライバを備えた出力端子を外部から駆動して、テストモードに切替えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態の半導体装置のブロック図である。
図2】第2の実施形態の半導体装置のブロック図である。
図3】第3の実施形態の半導体装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の半導体装置について図面を参照して説明する。
【0011】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態の半導体装置100のブロック図である。
第1の実施形態の半導体装置100は、電圧判定回路10a、10b、10cと、出力ドライバ20と、符号化回路30と、モード切替回路40、内部回路50とで構成される。
【0012】
出力ドライバ20は、入力が内部回路50の出力に接続され、出力が半導体装置100の出力端子OUTに接続される。出力端子OUTは、電圧判定回路10a、10b、10cの入力に接続される。電圧判定回路10a、10b、10cは、出力がそれぞれ符号化回路30の入力に接続される。符号化回路30は、出力がモード切替回路40の第一入力に接続される。モード切替回路40は、第二入力が内部回路50の出力に接続され、出力が内部回路50の入力に接続される。
【0013】
電圧判定回路10aは、閾値Vt1を有し、出力信号V10aを出力する。電圧判定回路10aの出力信号V10aは、出力端子OUTの電位VOUTが閾値Vt1以上の時にHレベルになり、出力端子OUTの電位VOUTが閾値Vt1未満の時にLレベルになる。
【0014】
電圧判定回路10bは、閾値Vt2を有し、出力信号V10bを出力する。電圧判定回路10bの出力信号V10bは、出力端子OUTの電位VOUTが閾値Vt2以上の時にHレベルになり、出力端子OUTの電位VOUTが閾値Vt2未満の時にLレベルになる。
【0015】
電圧判定回路10cは、閾値Vt3を有し、出力信号V10cを出力する。電圧判定回路10cの出力信号V10cは、出力端子OUTの電位VOUTが閾値Vt3以上の時にHレベルになり、出力端子OUTの電位VOUTが閾値Vt3未満の時にLレベルになる。
【0016】
ここで、閾値Vt1〜Vt3は、Vt1<Vt2<Vt3の関係を満たしている。
【0017】
符号化回路30は、2値論理回路であり、電圧判定回路10a〜10cの出力信号が入力され、その出力信号に応じて2値信号を出力する。ここで、例えば、電圧判定回路10aの出力信号がLレベル、10bの出力信号がLレベル、10cの出力信号がLレベルのとき、LLLと記載する。符号化回路30が出力する2値信号は、電圧判定回路10a〜10cの出力信号が、LLLの時はLレベル、HLLの時はHレベル、HHLの時はLレベル、HHHの時はHレベル、である。
【0018】
モード切替回路40は、内部回路50の出力電位と符号化回路30の2値信号を入力して、これらの信号が同じ電位であるとき、テストモードに切替えるモード信号を内部回路50に出力する。
【0019】
内部回路50は、モード切替回路40から入力されるモード信号に応じて、通常モードであれば、例えば、物理量の大小の判定結果を出力し、テストモードであれば所定のテスト動作を実行する。
【0020】
出力ドライバ20は、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタで構成されたCMOS出力ドライバである。ここでは、出力ドライバ20は、高い電流駆動能力を有する。
【0021】
次に、第1の実施形態の半導体装置100の動作について説明する。
【0022】
先ず、内部回路50がLレベルの信号を出力している時に、出力端子OUTの電位VOUTを強制的にLレベルにして、内部回路50をテストモードにする動作について説明する。
【0023】
内部回路50がLレベルの信号を出力している時は、出力ドライバ20はPMOSトランジスタがオンして、出力端子OUTの電位VOUTはHレベルになっている。
【0024】
ここで、出力端子OUTに電流駆動能力の低い検査装置でソース駆動電流が供給されると、出力ドライバ20のPMOSトランジスタのオン抵抗と検査装置の電流駆動能力の関係で出力端子OUTの電位VOUTはLレベルにすることが出来ない。そして、電位VOUTは、閾値Vt2以上、閾値Vt3未満になる。
【0025】
電圧判定回路10aは、出力端子OUTの電位VOUTが閾値Vt1以上なのでHレベルの出力信号V10aを出力する。電圧判定回路10bは、出力端子OUTの電位VOUTが閾値Vt2以上なのでHレベルの出力信号V10bを出力する。電圧判定回路10cは、出力端子OUTの電位VOUTが閾値Vt3未満なのでLレベルの出力信号V10cを出力する。即ち、符号化回路30は、電圧判定回路10a〜10cからHHLの信号が入力される。
【0026】
符号化回路30は、電圧判定回路10a〜10cからHHLの信号が入力されると、Lレベルの信号を出力する。即ち、符号化回路30は、電位VOUTが閾値Vt1未満になった時と同様にLレベルの信号を出力する。
【0027】
モード切替回路40は、内部回路50がLレベルの信号を出力している時に、符号化回路30からLレベルの信号を受けると、出力端子OUTの電位VOUTが強制的にLレベルにされたと認識して、内部回路50をテストモードにするモード信号を出力する。
【0028】
次に、内部回路50がHレベルの信号を出力している時に、出力端子OUTの電位VOUTを強制的にHレベルにして、内部回路50をテストモードにする動作について説明する。
【0029】
内部回路50がHレベルの信号を出力している時は、出力ドライバ20はNMOSトランジスタがオンして、出力端子OUTの電位VOUTはLレベルになっている。
ここで、出力端子OUTに電流駆動能力の低い検査装置でシンク駆動電流が供給されると、出力ドライバ20のNMOSトランジスタのオン抵抗と検査装置の電流駆動能力の関係で出力端子OUTの電位VOUTはHレベルにすることが出来ない。そして、電位VOUTは、閾値Vt1以上、閾値Vt2未満になる。
【0030】
電圧判定回路10aは、出力端子OUTの電位VOUTが閾値Vt1以上なのでHレベルの出力信号V10aを出力する。電圧判定回路10bは、出力端子OUTの電位VOUTが閾値Vt2未満なのでLレベルの出力信号V10bを出力する。電圧判定回路10cは、出力端子OUTの電位VOUTが閾値Vt3未満なのでLレベルの出力信号V10cを出力する。即ち、符号化回路30は、電圧判定回路10a〜10cからHLLの信号が入力される。
【0031】
符号化回路30は、電圧判定回路10a〜10cからHLLの信号が入力されると、Hレベルの信号を出力する。即ち、符号化回路30は、電位VOUTが閾値Vt3以上になった時と同様にHレベルの信号を出力する。
【0032】
モード切替回路40は、内部回路50がHレベルの信号を出力している時に、符号化回路30からHレベルの信号を受けると、出力端子OUTの電位VOUTが強制的にHレベルにされたと認識して、内部回路50をテストモードにするモード信号を出力する。
【0033】
以上説明したように、高い電流駆動能力の出力ドライバ20を備えた第1の実施形態の半導体装置100は、電圧判定回路10a〜10cと符号化回路30を備えたので、電流駆動能力の低い検査装置であっても、内部回路50をテストモードにすることが可能である。
【0034】
<第2の実施形態>
図2は、第2の実施形態の半導体装置200のブロック図である。第2の実施形態の半導体装置200は、図1の半導体装置100に追加して低域通過フィルタ60を備えた。その他の構成については、図1の半導体装置100と同一であるため、同一の構成要素には同一の符号を付し、説明は省略する。
【0035】
低域通過フィルタ60は、出力端子OUTと電圧判定回路10a〜10cの間に接続される。低域通過フィルタ60は、出力端子OUTにパルス状のノイズが重畳した場合に、電圧判定回路10a〜10cに入力される出力端子OUTの電位VOUTにそのノイズによる電位の変動を受けないようにする機能を有する。
【0036】
内部回路50がHレベルの信号を出力している時は、出力ドライバ20はNMOSトランジスタがオンして、出力端子OUTの電位VOUTはLレベルになっている。ここで、出力端子OUTにパルス状のHレベルのノイズが重畳した場合、出力ドライバ20のNMOSトランジスタのオン抵抗との関係で出力端子OUTの電位VOUTはパルス状に閾値Vt1以上、閾値Vt2未満になる。
【0037】
低域通過フィルタ60は、入力される電位VOUTがパルス状に変動しても、一定の時定数に従って応答するため、その出力電位は閾値Vt1を超ることがない。
【0038】
第1の実施形態の半導体装置100は、電流駆動能力の低い検査装置に対応するために、電圧判定回路10aの低い閾値Vt1によって出力端子OUTの強制Hレベル入力を検出するようにしたので、出力端子OUTに印加されるノイズの影響を受ける可能性がある。本実施形態の半導体装置200は、出力端子OUTと電圧判定回路10a〜10cの間に低域通過フィルタ60を設けることによって、外部から出力端子OUTに印加されるノイズの影響を排除することが可能である。
【0039】
以上説明したように、第2の実施形態の半導体装置200によれば、第1の実施形態の半導体装置100と同様の効果を有し、更に、出力端子OUTに印加されるノイズの影響を排除することが可能なので、より信頼性の高い半導体装置を提供することが出来る。
【0040】
<第3の実施形態>
図3は、第3の実施形態の半導体装置300のブロック図である。第3の実施形態の半導体装置300は、図1の半導体装置100に追加してさらに電圧判定回路10d、10eと、符号化回路31を備えた。その他の構成については、図1の半導体装置100と同一であるため、同一の構成要素には同一の符号を付し、説明は省略する。
【0041】
電圧判定回路10dは、閾値Vt4を有し、出力信号V10dを出力する。電圧判定回路10dの出力信号V10dは、出力端子OUTの電位VOUTが閾値Vt4以上の時にHレベルになり、出力端子OUTの電位VOUTが閾値Vt4未満の時にLレベルになる。
【0042】
電圧判定回路10eは、閾値Vt5を有し、出力信号V10eを出力する。電圧判定回路10eの出力信号V10eは、出力端子OUTの電位VOUTが閾値Vt5以上の時にHレベルになり、出力端子OUTの電位VOUTが閾値Vt5未満の時にLレベルになる。
【0043】
ここで、閾値Vt1〜Vt5は、Vt1<Vt2<Vt3<Vt4<Vt5の関係を満たしている。
【0044】
符号化回路31は、2値論理回路であり、電圧判定回路10a〜10eの出力信号が入力され、その出力信号に応じて2値信号を出力する。ここで、2値信号は、電圧判定回路10a〜10eの出力信号が、LLLLLの時はLレベル、HLLLLの時はHレベル、HHLLLの時はLレベル、HHHLLの時はHレベル、HHHHLの時はLレベル、HHHHHの時はHレベル、である。
【0045】
次に、第3の実施形態の半導体装置300の動作について説明する。
【0046】
先ず、内部回路50がLレベルの信号を出力している時に、出力端子OUTの電位VOUTを強制的にLレベルにして、内部回路50をテストモードにする動作について説明する。
【0047】
内部回路50がLレベルの信号を出力している時は、出力ドライバ20はPMOSトランジスタがオンして、出力端子OUTの電位VOUTはHレベルになっている。
【0048】
出力端子OUTに電流駆動能力の低い検査装置でソース駆動電流が供給されると、電位VOUTは閾値Vt4以上、閾値Vt5未満になる。符号化回路31は、電圧判定回路10a〜10eからHHHHLの信号が入力されると、Lレベルの信号を出力する。
【0049】
また、出力端子OUTの電位VOUTが閾値Vt3以上、閾値Vt4未満になると、符号化回路31は、電圧判定回路10a〜10eからHHHLLの信号が入力されるので、Hレベルの信号を出力する。
【0050】
従って、閾値Vt4と閾値Vt5を近い値に設定すると、内部回路50をテストモードにするためには、出力端子OUTの電位VOUTを正確に閾値Vt4以上、閾値Vt5未満にする必要がある。即ち、符号化回路31は、外部から出力端子OUTに印加されるノイズの影響を受け難くなる、と言う効果がある。
【0051】
更に、符号化回路31は、電圧判定回路10a〜10eから入力される信号を適切な周期でサンプリングして、2値信号を出力するように構成すれば、よりノイズの影響を受け難くなる。
【0052】
第1の実施形態の半導体装置100は、電流駆動能力の低い検査装置に対応するために、電圧判定回路10aの低い閾値Vt1によって出力端子OUTの強制Hレベル入力を検出するようにしたので、出力端子OUTに印加されるノイズの影響を受ける可能性がある。本実施形態の半導体装置300は、電圧判定回路10d、10eを更に設けることによって、外部から出力端子OUTに印加されるノイズの影響を排除することが可能である。
【0053】
以上説明したように、第3の実施形態の半導体装置300によれば、第1の実施形態の半導体装置100と同様の効果を有し、更に、出力端子OUTに印加されるノイズの影響を排除することが可能なので、より信頼性の高い半導体装置を提供することが出来る。
【0054】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更や組合せが可能である。例えば、第三の実施形態の半導体装置に低域通過フィルタを設けても良い。また、出力ドライバにはCMOSドライバを用いた例を示したが、どのような回路の出力ドライバであっても適用が可能である。また、複数の出力端子に適用して、複数ビットからなるパラレル形式のテストモード信号をモード切替回路に供給する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0055】
10a〜10e 電圧判定回路
20 出力ドライバ
30、31 符号化回路
40 モード切替回路
50 内部回路
60 低域通過フィルタ
図1
図2
図3