(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の半導体装置について図面を参照して説明する。
【0011】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態の半導体装置100のブロック図である。
第1の実施形態の半導体装置100は、電圧判定回路10a、10b、10cと、出力ドライバ20と、符号化回路30と、モード切替回路40、内部回路50とで構成される。
【0012】
出力ドライバ20は、入力が内部回路50の出力に接続され、出力が半導体装置100の出力端子OUTに接続される。出力端子OUTは、電圧判定回路10a、10b、10cの入力に接続される。電圧判定回路10a、10b、10cは、出力がそれぞれ符号化回路30の入力に接続される。符号化回路30は、出力がモード切替回路40の第一入力に接続される。モード切替回路40は、第二入力が内部回路50の出力に接続され、出力が内部回路50の入力に接続される。
【0013】
電圧判定回路10aは、閾値Vt1を有し、出力信号V10aを出力する。電圧判定回路10aの出力信号V10aは、出力端子OUTの電位VOUTが閾値Vt1以上の時にHレベルになり、出力端子OUTの電位VOUTが閾値Vt1未満の時にLレベルになる。
【0014】
電圧判定回路10bは、閾値Vt2を有し、出力信号V10bを出力する。電圧判定回路10bの出力信号V10bは、出力端子OUTの電位VOUTが閾値Vt2以上の時にHレベルになり、出力端子OUTの電位VOUTが閾値Vt2未満の時にLレベルになる。
【0015】
電圧判定回路10cは、閾値Vt3を有し、出力信号V10cを出力する。電圧判定回路10cの出力信号V10cは、出力端子OUTの電位VOUTが閾値Vt3以上の時にHレベルになり、出力端子OUTの電位VOUTが閾値Vt3未満の時にLレベルになる。
【0016】
ここで、閾値Vt1〜Vt3は、Vt1<Vt2<Vt3の関係を満たしている。
【0017】
符号化回路30は、2値論理回路であり、電圧判定回路10a〜10cの出力信号が入力され、その出力信号に応じて2値信号を出力する。ここで、例えば、電圧判定回路10aの出力信号がLレベル、10bの出力信号がLレベル、10cの出力信号がLレベルのとき、LLLと記載する。符号化回路30が出力する2値信号は、電圧判定回路10a〜10cの出力信号が、LLLの時はLレベル、HLLの時はHレベル、HHLの時はLレベル、HHHの時はHレベル、である。
【0018】
モード切替回路40は、内部回路50の出力電位と符号化回路30の2値信号を入力して、これらの信号が同じ電位であるとき、テストモードに切替えるモード信号を内部回路50に出力する。
【0019】
内部回路50は、モード切替回路40から入力されるモード信号に応じて、通常モードであれば、例えば、物理量の大小の判定結果を出力し、テストモードであれば所定のテスト動作を実行する。
【0020】
出力ドライバ20は、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタで構成されたCMOS出力ドライバである。ここでは、出力ドライバ20は、高い電流駆動能力を有する。
【0021】
次に、第1の実施形態の半導体装置100の動作について説明する。
【0022】
先ず、内部回路50がLレベルの信号を出力している時に、出力端子OUTの電位VOUTを強制的にLレベルにして、内部回路50をテストモードにする動作について説明する。
【0023】
内部回路50がLレベルの信号を出力している時は、出力ドライバ20はPMOSトランジスタがオンして、出力端子OUTの電位VOUTはHレベルになっている。
【0024】
ここで、出力端子OUTに電流駆動能力の低い検査装置でソース駆動電流が供給されると、出力ドライバ20のPMOSトランジスタのオン抵抗と検査装置の電流駆動能力の関係で出力端子OUTの電位VOUTはLレベルにすることが出来ない。そして、電位VOUTは、閾値Vt2以上、閾値Vt3未満になる。
【0025】
電圧判定回路10aは、出力端子OUTの電位VOUTが閾値Vt1以上なのでHレベルの出力信号V10aを出力する。電圧判定回路10bは、出力端子OUTの電位VOUTが閾値Vt2以上なのでHレベルの出力信号V10bを出力する。電圧判定回路10cは、出力端子OUTの電位VOUTが閾値Vt3未満なのでLレベルの出力信号V10cを出力する。即ち、符号化回路30は、電圧判定回路10a〜10cからHHLの信号が入力される。
【0026】
符号化回路30は、電圧判定回路10a〜10cからHHLの信号が入力されると、Lレベルの信号を出力する。即ち、符号化回路30は、電位VOUTが閾値Vt1未満になった時と同様にLレベルの信号を出力する。
【0027】
モード切替回路40は、内部回路50がLレベルの信号を出力している時に、符号化回路30からLレベルの信号を受けると、出力端子OUTの電位VOUTが強制的にLレベルにされたと認識して、内部回路50をテストモードにするモード信号を出力する。
【0028】
次に、内部回路50がHレベルの信号を出力している時に、出力端子OUTの電位VOUTを強制的にHレベルにして、内部回路50をテストモードにする動作について説明する。
【0029】
内部回路50がHレベルの信号を出力している時は、出力ドライバ20はNMOSトランジスタがオンして、出力端子OUTの電位VOUTはLレベルになっている。
ここで、出力端子OUTに電流駆動能力の低い検査装置でシンク駆動電流が供給されると、出力ドライバ20のNMOSトランジスタのオン抵抗と検査装置の電流駆動能力の関係で出力端子OUTの電位VOUTはHレベルにすることが出来ない。そして、電位VOUTは、閾値Vt1以上、閾値Vt2未満になる。
【0030】
電圧判定回路10aは、出力端子OUTの電位VOUTが閾値Vt1以上なのでHレベルの出力信号V10aを出力する。電圧判定回路10bは、出力端子OUTの電位VOUTが閾値Vt2未満なのでLレベルの出力信号V10bを出力する。電圧判定回路10cは、出力端子OUTの電位VOUTが閾値Vt3未満なのでLレベルの出力信号V10cを出力する。即ち、符号化回路30は、電圧判定回路10a〜10cからHLLの信号が入力される。
【0031】
符号化回路30は、電圧判定回路10a〜10cからHLLの信号が入力されると、Hレベルの信号を出力する。即ち、符号化回路30は、電位VOUTが閾値Vt3以上になった時と同様にHレベルの信号を出力する。
【0032】
モード切替回路40は、内部回路50がHレベルの信号を出力している時に、符号化回路30からHレベルの信号を受けると、出力端子OUTの電位VOUTが強制的にHレベルにされたと認識して、内部回路50をテストモードにするモード信号を出力する。
【0033】
以上説明したように、高い電流駆動能力の出力ドライバ20を備えた第1の実施形態の半導体装置100は、電圧判定回路10a〜10cと符号化回路30を備えたので、電流駆動能力の低い検査装置であっても、内部回路50をテストモードにすることが可能である。
【0034】
<第2の実施形態>
図2は、第2の実施形態の半導体装置200のブロック図である。第2の実施形態の半導体装置200は、
図1の半導体装置100に追加して低域通過フィルタ60を備えた。その他の構成については、
図1の半導体装置100と同一であるため、同一の構成要素には同一の符号を付し、説明は省略する。
【0035】
低域通過フィルタ60は、出力端子OUTと電圧判定回路10a〜10cの間に接続される。低域通過フィルタ60は、出力端子OUTにパルス状のノイズが重畳した場合に、電圧判定回路10a〜10cに入力される出力端子OUTの電位VOUTにそのノイズによる電位の変動を受けないようにする機能を有する。
【0036】
内部回路50がHレベルの信号を出力している時は、出力ドライバ20はNMOSトランジスタがオンして、出力端子OUTの電位VOUTはLレベルになっている。ここで、出力端子OUTにパルス状のHレベルのノイズが重畳した場合、出力ドライバ20のNMOSトランジスタのオン抵抗との関係で出力端子OUTの電位VOUTはパルス状に閾値Vt1以上、閾値Vt2未満になる。
【0037】
低域通過フィルタ60は、入力される電位VOUTがパルス状に変動しても、一定の時定数に従って応答するため、その出力電位は閾値Vt1を超ることがない。
【0038】
第1の実施形態の半導体装置100は、電流駆動能力の低い検査装置に対応するために、電圧判定回路10aの低い閾値Vt1によって出力端子OUTの強制Hレベル入力を検出するようにしたので、出力端子OUTに印加されるノイズの影響を受ける可能性がある。本実施形態の半導体装置200は、出力端子OUTと電圧判定回路10a〜10cの間に低域通過フィルタ60を設けることによって、外部から出力端子OUTに印加されるノイズの影響を排除することが可能である。
【0039】
以上説明したように、第2の実施形態の半導体装置200によれば、第1の実施形態の半導体装置100と同様の効果を有し、更に、出力端子OUTに印加されるノイズの影響を排除することが可能なので、より信頼性の高い半導体装置を提供することが出来る。
【0040】
<第3の実施形態>
図3は、第3の実施形態の半導体装置300のブロック図である。第3の実施形態の半導体装置300は、
図1の半導体装置100に追加してさらに電圧判定回路10d、10eと、符号化回路31を備えた。その他の構成については、
図1の半導体装置100と同一であるため、同一の構成要素には同一の符号を付し、説明は省略する。
【0041】
電圧判定回路10dは、閾値Vt4を有し、出力信号V10dを出力する。電圧判定回路10dの出力信号V10dは、出力端子OUTの電位VOUTが閾値Vt4以上の時にHレベルになり、出力端子OUTの電位VOUTが閾値Vt4未満の時にLレベルになる。
【0042】
電圧判定回路10eは、閾値Vt5を有し、出力信号V10eを出力する。電圧判定回路10eの出力信号V10eは、出力端子OUTの電位VOUTが閾値Vt5以上の時にHレベルになり、出力端子OUTの電位VOUTが閾値Vt5未満の時にLレベルになる。
【0043】
ここで、閾値Vt1〜Vt5は、Vt1<Vt2<Vt3<Vt4<Vt5の関係を満たしている。
【0044】
符号化回路31は、2値論理回路であり、電圧判定回路10a〜10eの出力信号が入力され、その出力信号に応じて2値信号を出力する。ここで、2値信号は、電圧判定回路10a〜10eの出力信号が、LLLLLの時はLレベル、HLLLLの時はHレベル、HHLLLの時はLレベル、HHHLLの時はHレベル、HHHHLの時はLレベル、HHHHHの時はHレベル、である。
【0045】
次に、第3の実施形態の半導体装置300の動作について説明する。
【0046】
先ず、内部回路50がLレベルの信号を出力している時に、出力端子OUTの電位VOUTを強制的にLレベルにして、内部回路50をテストモードにする動作について説明する。
【0047】
内部回路50がLレベルの信号を出力している時は、出力ドライバ20はPMOSトランジスタがオンして、出力端子OUTの電位VOUTはHレベルになっている。
【0048】
出力端子OUTに電流駆動能力の低い検査装置でソース駆動電流が供給されると、電位VOUTは閾値Vt4以上、閾値Vt5未満になる。符号化回路31は、電圧判定回路10a〜10eからHHHHLの信号が入力されると、Lレベルの信号を出力する。
【0049】
また、出力端子OUTの電位VOUTが閾値Vt3以上、閾値Vt4未満になると、符号化回路31は、電圧判定回路10a〜10eからHHHLLの信号が入力されるので、Hレベルの信号を出力する。
【0050】
従って、閾値Vt4と閾値Vt5を近い値に設定すると、内部回路50をテストモードにするためには、出力端子OUTの電位VOUTを正確に閾値Vt4以上、閾値Vt5未満にする必要がある。即ち、符号化回路31は、外部から出力端子OUTに印加されるノイズの影響を受け難くなる、と言う効果がある。
【0051】
更に、符号化回路31は、電圧判定回路10a〜10eから入力される信号を適切な周期でサンプリングして、2値信号を出力するように構成すれば、よりノイズの影響を受け難くなる。
【0052】
第1の実施形態の半導体装置100は、電流駆動能力の低い検査装置に対応するために、電圧判定回路10aの低い閾値Vt1によって出力端子OUTの強制Hレベル入力を検出するようにしたので、出力端子OUTに印加されるノイズの影響を受ける可能性がある。本実施形態の半導体装置300は、電圧判定回路10d、10eを更に設けることによって、外部から出力端子OUTに印加されるノイズの影響を排除することが可能である。
【0053】
以上説明したように、第3の実施形態の半導体装置300によれば、第1の実施形態の半導体装置100と同様の効果を有し、更に、出力端子OUTに印加されるノイズの影響を排除することが可能なので、より信頼性の高い半導体装置を提供することが出来る。
【0054】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更や組合せが可能である。例えば、第三の実施形態の半導体装置に低域通過フィルタを設けても良い。また、出力ドライバにはCMOSドライバを用いた例を示したが、どのような回路の出力ドライバであっても適用が可能である。また、複数の出力端子に適用して、複数ビットからなるパラレル形式のテストモード信号をモード切替回路に供給する構成としてもよい。