(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の好適な実施形態を、図面を参照しながら以下に説明する。尚、図面において、左右方向がX軸方向であり、前後方向がY軸方向であり、上下方向がZ軸方向である。
【0011】
(1)部品装着装置10の構成
図1に、部品装着装置10を表す。部品装着装置10は、基板Sに対する部品の装着作業を実行するための装置である。部品装着装置10は、基板搬送保持装置12、部品採取装置14、リール部品供給装置16、パーツカメラ18、及び制御装置20等を備えている。尚、基板Sとしては、プリント配線板、プリント回路板等が挙げられる。
【0012】
基板搬送保持装置12は、搬送装置22及びクランプ装置24を備えている。搬送装置22は、
図1の前後に間隔を開けて設けられ左右方向に延びる支持板26,26と、両支持板26,26の互いに対向する面に設けられたコンベアベルト28,28とを備えている。コンベアベルト28,28は、支持板26,26の左右に設けられた駆動輪及び従動輪に無端状となるように架け渡されている。基板Sは、一対のコンべアベルト28,28の上面に乗せられて左から右へと搬送される。クランプ装置24は、基板Sを保持する装置である。これにより、基板搬送保持装置12は、基板Sを搬送するとともに、作業位置において、基板Sを固定的に保持する。
【0013】
部品採取装置14は、作業ヘッド30及び作業ヘッド移動装置32を備えている。作業ヘッド30は、作業ヘッド移動装置32の前面に取り付けられている。作業ヘッド移動装置32は、X軸スライダ34、Y軸スライダ36、及びZ軸モータ38等を備えている。X軸スライダ34は、前後方向にスライド可能なY軸スライダ36の前面に、左右方向にスライド可能となるように取り付けられている。Y軸スライダ36は、前後方向に延びる左右一対のガイドレール40,40にスライド可能に取り付けられている。尚、ガイドレール40,40は、部品装着装置10の内部に固定されている。Y軸スライダ36の前面には、左右方向に延びる上下一対のガイドレール42,42が設けられ、このガイドレール42,42にX軸スライダ34が左右方向にスライド可能に取り付けられている。作業ヘッド30は、X軸スライダ34が左右方向に移動するのに伴って左右方向に移動し、Y軸スライダ36が前後方向に移動するのに伴って前後方向に移動する。尚、各スライダ34,36は、それぞれ図示しない駆動モータにより駆動される。更に、各スライダ34,36には図示しない位置センサが装備されており、制御装置20は、それらの位置センサからの位置情報を入力しつつ、各スライダ34,36の駆動モータを制御する。
【0014】
作業ヘッド30は、部品を吸着する複数の吸着ノズル44を昇降可能に支持するノズル保持部46を備えている。ノズル保持部46は、Z軸と平行な軸線周りに回転可能に構成されている。本実施形態では、作業ヘッド30は、8本の吸着ノズル44を備えている。吸着ノズル44は、圧力を利用して、ノズル先端に部品を吸着したり、ノズル先端に吸着している部品を放したりするものである。吸着ノズル44は、Z軸モータ38を駆動源とするホルダ昇降装置によって、ノズル保持部46の回転位相の特定の位相に位置してホルダ昇降装置と係合する。これにより、吸着ノズル44が、X軸およびY軸方向と直交するZ軸方向(上下方向)に昇降される。
【0015】
リール部品供給装置16は、部品が格納されたテープが巻き付けられているリール48を備え、部品装着装置10の前方に着脱可能に取り付けられている。テープは、リール48から巻きほどかれ、フィーダ部50により、作業ヘッド30により採取される採取位置に送り出される。パーツカメラ18は、搬送装置22の前側の支持板26の前方に配置されている。パーツカメラ18の撮像範囲は、パーツカメラ18の上方である。パーツカメラ18は、部品を吸着した吸着ノズル44がパーツカメラ18の上方を通過する際に、吸着ノズル44に吸着された部品の状態を撮像し、その画像データを制御装置20へ出力する。
【0016】
制御装置20は、
図2に表すように、CPU(Central Processing Unit)52を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、処理プログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)54、各種データを記憶するHDD(Hard Disc Drive)56、作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)58、外部装置と電気信号のやり取りを行うための入出カインタフェース60等を備えており、これらはバス62を介して接続されている。尚、ROM54には、後述する
図5、
図7、
図9、
図11、
図13、
図15、
図17及び
図19のフローチャートを実現するための処理プログラムが記憶されている。
【0017】
制御装置20は、上述した搬送装置22、クランプ装置24、作業ヘッド30、作業ヘッド移動装置32、リール部品供給装置16、及びパーツカメラ18と双方向通信可能に接続されている。更に、制御装置20は、Q方向移動装置64、正負圧供給装置66、マークカメラ68、側面カメラ70、及び通信装置72と双方向通信可能に接続されている。
【0018】
Q方向移動装置64は、ノズル保持部46をZ軸と平行な軸線周りに回動させる装置であり、作業ヘッド30に内蔵されている。正負圧供給装置66は、吸着ノズル44を負圧エア通路及び正圧エア通路に連通させる装置であり、負圧にて部品を吸着ノズル44に吸着保持させ、僅かな正圧が供給されることで部品を吸着ノズル44から離脱させる構造となっている。尚、Q方向移動装置64及び正負圧供給装置66は、部品採取装置14を構成する。
【0019】
マークカメラ68は、下方を向いた状態で作業ヘッド30に取り付けられており、作業ヘッド30とともに、X方向、Y方向およびZ方向に移動させられる。これにより、マークカメラ68は、フィーダ部50の採取位置上及び基板S上等の任意の位置を撮像し、その画像データを制御装置20へ出力する。側面カメラ70は、X軸及びY軸を含む平面に平行な方向を向いた状態で作業ヘッド30に取り付けられている。側面カメラ70は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等を有しており、後述する反射体80により反射された光を受光し、吸着ノズル44に吸着された部品の側面の画像データを制御装置20へ出力する。通信装置72は、後述するメンテナンス用基板100と双方向通信を無線で行うものである。
【0020】
制御装置20は、画像処理部74を有している。画像処理部74は、パーツカメラ18、マークカメラ68、及び側面カメラ70によって得られた画像データを処理するものであり、制御装置20は、画像データから各種情報を取得する。
【0021】
(2)部品装着装置10の動作
部品装着装置10では、上述した構成によって、基板搬送保持装置12に保持された基板Sに対して部品の装着作業が行われる。具体的には、基板Sが、搬送装置22によって作業位置まで搬送され、その位置において、クランプ装置24によって固定的に保持される。次に、マークカメラ68が、基板Sの上方に移動し、基板Sを撮像する。これにより、基板Sの作業位置等に関する情報が得られる。また、リール部品供給装置16は、採取位置において、部品を供給する。そして、作業ヘッド30が、部品の採取位置の上方に移動し、吸着ノズル44によって部品を保持する。続いて、側面カメラ70によって、吸着ノズル44が撮像される。更に、部品を保持した作業ヘッド30が、パーツカメラ18の上方に移動し、パーツカメラ18によって、吸着ノズル44に保持された部品が撮像される。これらにより、部品の保持位置等に関する情報が得られる。続いて、部品を保持した作業ヘッド30が、基板Sの上方に移動し、基板Sの保持位置の誤差、部品の保持位置の誤差等を補正する。そして、吸着ノズル44が部品を離脱することで、基板Sに部品が装着される。
【0022】
(3)メンテナンス用基板100の構成
図3に、メンテナンス用基板100を表す。メンテナンス用基板100は、部品装着装置10のメンテナンスで使用される基板であって、そのメンテナンスの際に、搬送装置22によって作業位置まで搬送され、その位置において、クランプ装置24によって固定的に保持される。
【0023】
メンテナンス用基板100は、基板本体102を備えている。基板本体102は、平面視で矩形状の平板であって、前後方向の幅L1が基板Sの幅と同じである。これにより、メンテナンス用基板100は、基板Sと同様にして、基板搬送保持装置12で搬送及び保持される。基板本体102には、第1穴104、第2穴106、第3穴108、第4穴110、及び第5穴112が設けられている。
【0024】
第1穴104は、段付きの貫通穴である。第1穴104には、レンズ清掃用ノズル114が作業ヘッド30のノズル保持部46によって取り出し可能となるように保持されている。レンズ清掃用ノズル114は、ノズル本体116、保持管118、フランジ120、及びレンズ清掃用ブラシ122等を備えている。ノズル本体116は、円筒状を成している。レンズ清掃用ノズル114が第1穴104に保持された状態では、ノズル本体116の長手方向が上下方向に一致している。保持管118は、ノズル本体116の第1端面から突き出すように設けられており、レンズ清掃用ノズル114が第1穴104に保持された状態において上方を向いている。保持管118には、ノズル本体116の第1端面(保持管118が設けられた端面)とは反対側の第2端面にまで連通するエア通路が形成されている。フランジ120は、ノズル本体116の第1端面(保持管118が設けられた端面)の外周から張り出すように設けられており、ノズル本体116の第1端面(保持管118が設けられた端面)の突縁を成している。フランジ120は、レンズ清掃用ノズル114が第1穴104に保持された状態では、第1穴104に遊嵌されると共に第1穴104の段に係止される。レンズ清掃用ブラシ122は、ノズル本体116の第1端面(保持管118が設けられた端面)とは反対側の第2端面に設けられており、レンズ清掃用ノズル114が第1穴104に保持された状態において下方を向いている。
【0025】
従って、レンズ清掃用ノズル114の保持管118を作業ヘッド30のノズル保持部46で保持した後に、作業ヘッド30を上方に移動させれば、レンズ清掃用ノズル114を第1穴104から取り出すことが可能である。レンズ清掃用ノズル114の保持管118が作業ヘッド30のノズル保持部46に保持されると、レンズ清掃用ノズル114のエア通路が、正負圧供給装置66を介して、作業ヘッド30の正圧エア通路と連通する。これにより、レンズ清掃用ノズル114では、ノズル本体116の第1端面(保持管118が設けられた端面)とは反対側の第2端面(レンズ清掃用ブラシ122が設けられた端面)から正圧エアを吹き出させることが可能である。尚、作業ヘッド30のノズル保持部46に保持された状態にあるレンズ清掃用ノズル114を第1穴104の上方に移動させた後に、作業ヘッド30を下方に移動させることにより、レンズ清掃用ノズル114を第1穴104に差し入れれば、レンズ清掃用ノズル114を第1穴104に再び保持させることが可能である。
【0026】
第2穴106は、段付きの貫通穴である。第2穴106には、フィーダ清掃用ノズル124が作業ヘッド30のノズル保持部46によって取り出し可能となるように保持されている。フィーダ清掃用ノズル124は、ノズル本体126、保持管128、フランジ130、及びノズルヘッド132等を備えている。フィーダ清掃用ノズル124は、ノズルヘッド132を除けば、上述したレンズ清掃用ノズル114と同様な構成を有している。更に、フィーダ清掃用ノズル124が第2穴106に保持された状態は、上述したレンズ清掃用ノズル114が第1穴104に保持された状態と同様である。
【0027】
つまり、フィーダ清掃用ノズル124のノズル本体126、保持管128、及びフランジ130は、上述したレンズ清掃用ノズル114のノズル本体116、保持管118、及びフランジ120に相当する。更に、フィーダ清掃用ノズル124を保持する第2穴106は、上述したレンズ清掃用ノズル114を保持する第1穴104に相当する。そこで、フィーダ清掃用ノズル124の説明においては、上述したレンズ清掃用ノズル114と実質的に共通する部分の説明を省略する。
【0028】
ノズルヘッド132は、ノズル本体126の第1端面(保持管128が設けられた端面)とは反対側の第2端面に設けられており、フィーダ清掃用ノズル124が第2穴106に保持された状態において下方を向いている。ノズルヘッド132は、フィーダ清掃用ノズル124のエア通路と連通している。従って、フィーダ清掃用ノズル124の保持管128が作業ヘッド30のノズル保持部46に保持されると、フィーダ清掃用ノズル124のエア通路が、正負圧供給装置66を介して、作業ヘッド30の正圧エア通路及び負圧エア通路と連通する。これにより、フィーダ清掃用ノズル124では、ノズル本体126の第1端面(保持管128が設けられた端面)とは反対側の第2端面に設けられたノズルヘッド132から正圧エアを吹き出させること、及びノズルヘッド132に負圧エアを吸い込ませることが可能である。
【0029】
第3穴108は、所定の深さを有する縦穴である。第3穴108には、後述するロードセル154が設けられると共に、そのロードセルの球面座134が上下方向に摺動可能に装入されている。第4穴110は、貫通穴である。第4穴110の下側開口には、後述するブロア156の吐出口が連通している。第5穴112は、貫通穴である。第5穴112の下側開口には、後述するトランスジューサー158が設けられている。
【0030】
メンテナンス用基板100は、その右側側面において、第1アーム部136及び第2アーム部138を備えている。第1アーム部136及び第2アーム部138は、長尺状である。第1アーム部136は、その長手方向の第1端部が第1モータ140の出力軸142によって回動可能に軸支されている。これにより、第1アーム部136は、メンテナンス用基板100に対して倒設状態と立設状態との間で移行することが可能である。
図3の第1アーム部136は、倒設状態を表しており、基板本体102とは面一の状態にある。尚、第1モータ140は、基板本体102の下面に固設されている。
【0031】
第1アーム部136では、その長手方向の第1端部(第1モータ140の出力軸142で軸支された端部)とは反対側の第2端部において、第1ブラシ144及び第2ブラシ146が設けられている。第1ブラシ144は、第1アーム部136を構成する六面のうち、第1アーム部136が倒設状態において上方を向いた面に設けられることにより、メンテナンス用基板100から上方に向かっている。第2ブラシ146は、第1アーム部136を構成する六面のうち、第1アーム部136が倒設状態において下方を向いた面に設けられることにより、メンテナンス用基板100から下方に向かっている。つまり、両ブラシ144,146は、第1アーム部136の上記第2端部において、第1アーム部136の短手方向(第1アーム部136が倒設状態において、上下方向)で対向する二つの側面に立設されている。尚、両ブラシ144,146から第1モータ140の出力軸142の軸支点までの距離L2は、第1ブラシ144又は第2ブラシ146でメンテナンスを行う際において、メンテナンス用基板100からメンテナンス対象物までの距離に相当する。そのメンテナンス対象物としては、例えば、吸着ノズル44、側面カメラ70、又は反射体80等がある。
【0032】
第2アーム部138は、その長手方向の第1端部が第2モータ148の出力軸150によって回動可能に軸支されている。これにより、第2アーム部138は、メンテナンス用基板100に対して倒設状態と立設状態との間で移行することが可能である。
図3の第2アーム部138は、倒設状態を表しており、基板本体102とは面一の状態にある。尚、第2モータ148は、基板本体102の下面に固設されている。
【0033】
第2アーム部138では、その長手方向の第1端部(第2モータ148の出力軸150で軸支された端部)とは反対側の第2端部の端面において、第3ブラシ152が設けられている。第3ブラシ152は、第2アーム部138を構成する六面のうち、第2アーム部138が倒設状態において前方を向いた面に設けられることにより、当該面から前方に向かっている。尚、第3ブラシ152から第2モータ148の出力軸150の軸支点までの距離L3は、第3ブラシ152でメンテナンスを行う際において、メンテナンス用基板100からメンテナンス対象物までの距離に相当する。そのメンテナンス対象物としては、例えば、マークカメラ68等がある。
【0034】
第1モータ140は、基板本体102の前側側面より後方に位置している。更に、倒設状態にある第1アーム部136の前側側面も、同様にして、基板本体102の前側側面より後方に位置している。第2モータ148は、基板本体102の後側側面より前方に位置している。更に、倒設状態にある第2アーム部138の後側側面も、同様にして、基板本体102の後側側面より前方に位置している。このような構造により、基板本体102の前側端部及び後側端部が一対のコンべアベルト28,28の上面に乗せることが可能である。従って、メンテナンス用基板100は、基板Sと同様にして、基板搬送保持装置12で搬送及び保持されることが可能である。
【0035】
メンテナンス用基板100では、
図2に表すように、上記第1モータ140及び上記第2モータ148に加えて、ロードセル154、ブロア156、トランスジューサー158、記憶装置160、バッテリー162、及び通信装置164が、バス166を介して接続されている。
【0036】
ロードセル154は、基板本体102の第3穴108に内設されており、第3穴108の上側開口付近の球面座134に対して上方から作用する荷重を測定することが可能である。ブロア156は、その吐出口が基板本体102の第4穴110の下側開口に連通されるようにして、基板本体102の下面に固設されている。これにより、ブロア156は、第4穴110の上側開口から上方に向けて強風を吹き出させることが可能である。トランスジューサー158は、そのセンサ部分が基板本体102の第5穴112の下側開口に配置されるようにして、基板本体102の下面に固設されている。これにより、トランスジューサー158は、第5穴112の上側開口から第5穴112内に向けて吹き出されるエアの正圧、又は第5穴112の上側開口を介して第5穴112内から吸い込まれるエアの負圧を測定することが可能である。記憶装置160は、HDD又はRAM等であり、各種データを記憶することが可能である。バッテリー162は、メンテナンス用基板100の電源である。通信装置164は、制御装置20の通信装置72と双方向通信を無線で行うものである。
【0037】
尚、メンテナンス用基板100は、CPU及びROM等を備えることにより、自ら制御できるように電気的に構成しても良い。
【0038】
(4)メンテナンス用基板100の各メンテナンス動作
次に、メンテナンス用基板100の各メンテナンス動作の一例について、
図4乃至
図19を用いて説明する。メンテナンス用基板100の各メンテナンス動作が行われる際は、上述したように、メンテナンス用基板100は、搬送装置22によって作業位置まで搬送され、その位置において、クランプ装置24によって固定的に保持される。尚、
図4、
図6、
図8、
図10、
図12、
図14、
図16、及び
図18では、構成の一部が省略されて描かれていることがあり、描かれた各部の寸法比等は必ずしも正確ではない。
【0039】
(4−1)メンテナンス用基板100の第1メンテナンス動作
メンテナンス用基板100の第1メンテナンス動作とは、
図4に表すように、第1アーム部136の第1ブラシ144で吸着ノズル44をブラッシングすることにより、吸着ノズル44を清掃する動作をいう。メンテナンス用基板100の第1メンテナンス動作では、第1アーム部136が倒設状態にある。従って、第1ブラシ144が基板本体102から上方に向いており、上方に向いている第1ブラシ144の中を吸着ノズル44が移動する。
【0040】
メンテナンス用基板100の第1メンテナンス動作が行われる際には、
図5のフローチャートを実現するための処理プログラムが、制御装置20のCPU52によって実行される。当該処理プログラムが実行されると、
図5に表すように、制御装置20のCPU52は、清掃前画像取得処理を行う(ステップS100)。この処理では、清掃対象の吸着ノズル44がパーツカメラ18によって撮像される。これにより、清掃前の吸着ノズル44を撮像した画像データが取得される。
【0041】
画像データが取得されると、制御装置20のCPU52は、清掃処理を行う(ステップS102)。この処理では、第1ブラシ144の中を清掃対象の吸着ノズル44が移動することにより、吸着ノズル44の清掃が第1ブラシ144で行われる。吸着ノズル44の移動は、作業ヘッド30をX方向(左右方向)又はY方向(前後方向)に移動させたり、ノズル保持部46をQ方向(Z軸と平行な軸線周りに回動させる方向)に移動させることにより行われる。
【0042】
尚、
図4に表すように、作業ヘッド30のノズル保持部46の下面中央には、突出部76が下方に向けて突設されており、その突出部76の下面中央には、ヘッド位置認識マーク78が設けられている。ヘッド位置認識マーク78は、吸着ノズル44と同様にして、作業ヘッド30又はノズル保持部46の移動により、第1ブラシ144の中を移動することができるので、第1ブラシ144で清掃することが可能である。
【0043】
図5に戻り、上記ステップS102の処理が行われると、制御装置20のCPU52は、清掃後画像取得処理を行う(ステップS104)。この処理では、清掃対象の吸着ノズル44がパーツカメラ18によって撮像される。これにより、清掃後の吸着ノズル44を撮像した画像データが取得される。
【0044】
画像データが取得されると、制御装置20のCPU52は、清掃対象の吸着ノズル44に異物があるか否かを判定する(ステップS106)。この判定は、上記ステップS100の処理で取得された清掃前の画像データと、上記ステップS104の処理で取得された清掃後の画像データとを、画像処理部74で比較照合することにより行われる。
【0045】
ここで、清掃対象の吸着ノズル44に異物がある場合には(ステップS106:YES)、制御装置20のCPU52は、停止処理を行う(ステップS108)。この処理では、制御装置20のCPU52は、当該処理プログラムを終了する。但し、制御装置20のCPU52は、この処理において、上記ステップS100乃至上記ステップS106までの各処理を繰り返して実行しても良い。尚、繰り返し回数は、予め定められた所定回数を限度とする。
【0046】
これに対して、清掃対象の吸着ノズル44に異物がない場合には(ステップS106:NO)、制御装置20のCPU52は、サイドビュー画像取得処理を行う(ステップS110)。この処理では、清掃対象の吸着ノズル44の側面が側面カメラ70によって撮像される。これにより、清掃後の吸着ノズル44の側面を撮像した画像データが取得される。尚、側面カメラ70は、
図4に表すように、反射体80により反射された光を受光し、吸着ノズル44の側面の画像データを制御装置20へ出力する。反射体80は、作業ヘッド30に取り付けられている。
【0047】
図5に戻り、上記ステップS110の処理が行われると、制御装置20のCPU52は、清掃対象の吸着ノズル44が折れているか否かを判定する(ステップS112)。この判定は、上記ステップS110の処理で取得された吸着ノズル44の側面の画像データに基づいて行われる。
【0048】
ここで、清掃対象の吸着ノズル44が折れている場合には(ステップS112:YES)、制御装置20のCPU52は、上述した停止処理を行う(ステップS108)。これに対して、清掃対象の吸着ノズル44が折れていない場合には(ステップS112:NO)、制御装置20のCPU52は、履歴処理を行う(ステップS114)。この処理では、制御装置20のCPU52は、上記ステップS100、上記ステップS104、及び上記ステップS110の各処理で取得された画像データを、清掃対象の吸着ノズル44のノズルID(Identification Number)に対応付けてHDD56等に記憶する。但し、それらの画像データ及びノズルIDは、各通信装置72,164を介して、メンテナンス用基板100に送信されることにより、メンテナンス用基板100の記憶装置160において対応付けて記憶されても良いし、部品装着装置10に接続されたPC(Personal Computer)等において対応付けて記憶されても良い。
【0049】
画像データが記憶されると、制御装置20のCPU52は、全ての吸着ノズル44が第1ブラシ144で清掃されたか否かを判定する(ステップS116)。この判定は、例えば、清掃対象の吸着ノズル44のノズルID等に基づいて行われる。ここで、全ての吸着ノズル44が第1ブラシ144で清掃されていない場合には(ステップS116:NO)、制御装置20のCPU52は、上記ステップS100に戻って、上記ステップS100以降の各処理を繰り返して行う。これに対して、全ての吸着ノズル44が第1ブラシ144で清掃されている場合には(ステップS116:YES)、制御装置20のCPU52は、当該処理プログラムを終了する。
【0050】
以上詳細に説明したように、メンテナンス用基板100の第1メンテナンス動作では、その第1メンテナンス動作の際に搬送装置22で搬送される、メンテナンス用基板100の第1ブラシ144が使用されており、第1ブラシ144を設けるためのスペースを部品装着装置10に常に確保する必要がないので、費用対効果が大きい。
【0051】
(4−2)メンテナンス用基板100の第2メンテナンス動作
メンテナンス用基板100の第2メンテナンス動作とは、
図6に表すように、第1アーム部136の第1ブラシ144で反射体80をブラッシングし、第1アーム部136の第2ブラシ146で側面カメラ70をブラッシングすることにより、反射体80又は側面カメラ70を清掃する動作をいう。メンテナンス用基板100の第2メンテナンス動作では、第1アーム部136が立設状態にある。従って、第1ブラシ144が基板本体102から離れた状態で前方に向いており、前方に向いている第1ブラシ144の中を反射体80が移動する。更に、第2ブラシ146が基板本体102から離れた状態で後方に向いており、後方に向いている第2ブラシ146の中を側面カメラ70が移動する。
【0052】
尚、
図6では、吸着ノズル44がノズル保持部46に保持されていないが、反射体80又は側面カメラ70をブラッシングする際に第1アーム部136が吸着ノズル44と接触しない場合には、吸着ノズル44がノズル保持部46に保持されていても良い。
【0053】
メンテナンス用基板100の第2メンテナンス動作が行われる際には、
図7のフローチャートを実現するための処理プログラムが、制御装置20のCPU52によって実行される。当該処理プログラムが実行されると、
図7に表すように、制御装置20のCPU52は、清掃前画像取得処理を行う(ステップS200)。この処理では、反射体80が側面カメラ70によって撮像される。これにより、清掃前の反射体80を清掃前の側面カメラ70で撮像した画像データが取得される。
【0054】
画像データが取得されると、制御装置20のCPU52は、立設処理を行う(ステップS202)。この処理では、制御装置20のCPU52は、各通信装置72,164を介して、メンテナンス用基板100に制御信号を送信することにより、第1モータ140を駆動させて、第1アーム部136を立設状態にする。
【0055】
第1アーム部136が立設状態になると、制御装置20のCPU52は、清掃処理を行う(ステップS204)。この処理では、第1ブラシ144の中を反射体80が移動することにより、反射体80の清掃が第1ブラシ144で行われる。更に、第2ブラシ146の中を側面カメラ70が移動することにより、側面カメラ70の清掃が第2ブラシ146で行われる。反射体80及び側面カメラ70の移動は、作業ヘッド30をX方向(左右方向)、Y方向(前後方向)、又はZ方向(上下方向)に移動させることにより行われる。
【0056】
清掃が行われると、制御装置20のCPU52は、倒設処理を行う(ステップS206)。この処理では、制御装置20のCPU52は、各通信装置72,164を介して、メンテナンス用基板100に制御信号を送信することにより、第1モータ140を駆動させて、第1アーム部136を倒設状態にする。
【0057】
第1アーム部136が倒設状態になると、制御装置20のCPU52は、清掃後画像取得処理を行う(ステップS208)。この処理では、反射体80が側面カメラ70によって撮像される。これにより、清掃後の反射体80を清掃後の側面カメラ70で撮像した画像データが取得される。
【0058】
画像データが取得されると、制御装置20のCPU52は、反射体80又は側面カメラ70に異物があるか否かを判定する(ステップS210)。この判定は、上記ステップS200の処理で取得された清掃前の画像データと、上記ステップS208の処理で取得された清掃後の画像データとを、画像処理部74で比較照合することにより行われる。
【0059】
ここで、反射体80又は側面カメラ70に異物がある場合には(ステップS210:YES)、制御装置20のCPU52は、停止処理を行う(ステップS212)。この処理では、制御装置20のCPU52は、当該処理プログラムを終了する。但し、制御装置20のCPU52は、この処理において、上記ステップS200乃至上記ステップS210までの各処理を繰り返して実行しても良い。尚、繰り返し回数は、予め定められた所定回数を限度とする。
【0060】
これに対して、反射体80及び側面カメラ70に異物がない場合には(ステップS210:NO)、制御装置20のCPU52は、吸着ノズル44が折れているか否かを判定する(ステップS214)。この判定は、上記ステップS208の処理で取得された清掃後の画像データに基づいて行われる。尚、吸着ノズル44がノズル保持部46に保持されていない場合には、この処理は実行されず、後述するステップS216の処理が実行される。
【0061】
ここで、吸着ノズル44が折れている場合には(ステップS214:YES)、制御装置20のCPU52は、上述した停止処理を行う(ステップS212)。これに対して、吸着ノズル44が折れていない場合には(ステップS214:NO)、制御装置20のCPU52は、履歴処理を行う(ステップS216)。この処理では、制御装置20のCPU52は、上記ステップS200及び上記ステップS208の各処理で取得された画像データをHDD56等に記憶する。但し、それらの画像データは、各通信装置72,164を介して、メンテナンス用基板100に送信されることにより、メンテナンス用基板100の記憶装置160において記憶されても良いし、部品装着装置10に接続されたPC等において記憶されても良い。その後、制御装置20のCPU52は、当該処理プログラムを終了する。
【0062】
以上詳細に説明したように、メンテナンス用基板100の第2メンテナンス動作では、その第2メンテナンス動作の際に搬送装置22で搬送される、メンテナンス用基板100の第1ブラシ144及び第2ブラシ146が使用されており、第1ブラシ144及び第2ブラシ146を設けるためのスペースを部品装着装置10に常に確保する必要がないので、費用対効果が大きい。更に、メンテナンス用基板100の第2メンテナンス動作を行うことにより、作業者による清掃を省くことが可能である。
【0063】
(4−3)メンテナンス用基板100の第3メンテナンス動作
メンテナンス用基板100の第3メンテナンス動作とは、
図8に表すように、レンズ清掃用ノズル114のレンズ清掃用ブラシ122でパーツカメラ18をブラッシングすると共に、レンズ清掃用ノズル114に内設されたエア通路168から正圧エアをパーツカメラ18に吹き付けることにより、パーツカメラ18を清掃する動作をいう。尚、メンテナンス用基板100の第3メンテナンス動作は、レンズ清掃用ノズル114が作業ヘッド30のノズル保持部46に保持された状態で行われる。
【0064】
メンテナンス用基板100の第3メンテナンス動作が行われる際には、
図9のフローチャートを実現するための処理プログラムが、制御装置20のCPU52によって実行される。当該処理プログラムが実行されると、
図9に表すように、制御装置20のCPU52は、清掃前画像取得処理を行う(ステップS300)。この処理では、清掃前のパーツカメラ18による撮像が行われる。これにより、清掃前のパーツカメラ18で撮像した画像データが取得される。
【0065】
画像データが取得されると、制御装置20のCPU52は、清掃用ノズル取付処理を行う(ステップS302)。この処理では、制御装置20のCPU52は、メンテナンス用基板100の第1穴104にあるレンズ清掃用ノズル114を作業ヘッド30のノズル保持部46に保持させる。レンズ清掃用ノズル114が作業ヘッド30のノズル保持部46に保持されると、上述したように、レンズ清掃用ノズル114のエア通路168が、正負圧供給装置66を介して、作業ヘッド30の正圧エア通路と連通する。
【0066】
その後、制御装置20のCPU52は、清掃処理を行う(ステップS304)。この処理では、レンズ清掃用ノズル114が移動することによってレンズ清掃用ブラシ122でパーツカメラ18がブラッシングされると共に、正負圧供給装置66が駆動することによってレンズ清掃用ノズル114からパーツカメラ18に正圧エアが吹き付けられる。これにより、パーツカメラ18の清掃がレンズ清掃用ノズル114で行われる。レンズ清掃用ノズル114の移動は、作業ヘッド30をX方向(左右方向)又はY方向(前後方向)に移動させたり、ノズル保持部46をQ方向(Z軸と平行な軸線周りに回動させる方向)に移動させることにより行われる。
【0067】
清掃が行われると、制御装置20のCPU52は、清掃後画像取得処理を行う(ステップS306)。この処理では、清掃後のパーツカメラ18による撮像が行われる。これにより、清掃後のパーツカメラ18で撮像した画像データが取得される。尚、この処理では、上記ステップS300の処理での撮像条件に合わせるため、レンズ清掃用ノズル114がパーツカメラ18で撮像されないように、レンズ清掃用ノズル114を移動させる。
【0068】
画像データが取得されると、制御装置20のCPU52は、パーツカメラ18に異物があるか否かを判定する(ステップS308)。この判定は、上記ステップS300の処理で取得された清掃前の画像データ及び上記ステップS306の処理で取得された清掃後の画像データとを、画像処理部74で比較照合することにより行われる。
【0069】
ここで、パーツカメラ18に異物がある場合には(ステップS308:YES)、制御装置20のCPU52は、停止処理を行う(ステップS310)。この処理では、制御装置20のCPU52は、当該処理プログラムを終了する。但し、制御装置20のCPU52は、この処理において、上記ステップS300乃至上記ステップS308までの各処理を繰り返して実行しても良い。尚、繰り返し回数は、予め定められた所定回数を限度とする。
【0070】
これに対して、パーツカメラ18に異物がない場合には(ステップS308:NO)、制御装置20のCPU52は、清掃用ノズル返却処理を行う(ステップS312)。この処理では、制御装置20のCPU52は、作業ヘッド30のノズル保持部46に保持されているレンズ清掃用ノズル114を、メンテナンス用基板100の第1穴104に返却する。
【0071】
その後、制御装置20のCPU52は、履歴処理を行う(ステップS314)。この処理では、制御装置20のCPU52は、上記ステップS300及び上記ステップS306の各処理で取得された画像データをHDD56等に記憶する。但し、それらの画像データは、各通信装置72,164を介して、メンテナンス用基板100に送信されることにより、メンテナンス用基板100の記憶装置160において記憶されても良いし、部品装着装置10に接続されたPC等において記憶されても良い。その後、制御装置20のCPU52は、当該処理プログラムを終了する。
【0072】
以上詳細に説明したように、メンテナンス用基板100の第3メンテナンス動作では、その第3メンテナンス動作の際に搬送装置22で搬送される、メンテナンス用基板100のレンズ清掃用ノズル114が使用されており、レンズ清掃用ノズル114を備えるためのスペースを部品装着装置10に常に確保する必要がないので、費用対効果が大きい。更に、メンテナンス用基板100の第3メンテナンス動作を行うことにより、パーツカメラ18の清掃を正圧エア及びブラッシングを併用して行うことが可能である。
【0073】
(4−4)メンテナンス用基板100の第4メンテナンス動作
メンテナンス用基板100の第4メンテナンス動作とは、
図10に表すように、フィーダ清掃用ノズル124に内設されたエア通路170から正圧エアを吹き出させること、又はフィーダ清掃用ノズル124にエア通路170を介して負圧エアを吸い込ませることにより、リール部品供給装置16のフィーダ部50を清掃する動作をいう。尚、メンテナンス用基板100の第4メンテナンス動作は、フィーダ清掃用ノズル124が作業ヘッド30のノズル保持部46に保持された状態で行われる。
【0074】
リール部品供給装置16においては、リール48から巻きほどかれたテープ82が、フィーダ部50のガイド84を通過する。その通過の際に、テープ82のエッジが削がれてしまうと、テープ摩耗クズ86がガイド84に蓄積する。そこで、メンテナンス用基板100の第4メンテナンス動作では、フィーダ清掃用ノズル124からの正圧エアでテープ摩耗クズ86を吹き飛ばしたり、又はフィーダ清掃用ノズル124からの負圧エアでテープ摩耗クズ86を吸い取ることにより、リール部品供給装置16のフィーダ部50を清掃する。尚、テープ摩耗クズ86を吸い取る場合には、サイクロン方式、紙パック方式、又はフィルタ等により、作業ヘッド30内でテープ摩耗クズ86が集められる。
【0075】
メンテナンス用基板100の第4メンテナンス動作が行われる際には、
図11のフローチャートを実現するための処理プログラムが、制御装置20のCPU52によって実行される。当該処理プログラムが実行されると、
図11に表すように、制御装置20のCPU52は、清掃用ノズル取付処理を行う(ステップS400)。この処理では、制御装置20のCPU52は、メンテナンス用基板100の第2穴106にあるフィーダ清掃用ノズル124を作業ヘッド30のノズル保持部46に保持させる。フィーダ清掃用ノズル124が作業ヘッド30のノズル保持部46に保持されると、上述したように、フィーダ清掃用ノズル124のエア通路170が、正負圧供給装置66を介して、作業ヘッド30の正圧エア通路及び負圧エア通路と連通する。
【0076】
その後、制御装置20のCPU52は、清掃処理を行う(ステップS402)。この処理では、作業ヘッド30又はノズル保持部46の移動によってフィーダ清掃用ノズル124(のノズルヘッド132)が清掃対象のリール部品供給装置16のフィーダ部50のガイド84の上方に移動すると共に、正負圧供給装置66が駆動することによって、フィーダ清掃用ノズル124(のノズルヘッド132)から正圧エアが吹き出し、又はフィーダ清掃用ノズル124(のノズルヘッド132)に負圧エアが吸い込まれる。これにより、リール部品供給装置16のフィーダ部50の清掃がフィーダ清掃用ノズル124で行われる。尚、フィーダ清掃用ノズル124に負圧エアが吸い込まれる場合には、テープ摩耗クズ86を吸い取り易くするため、フィーダ部50のガイド84からフィーダ清掃用ノズル124のノズルヘッド132までの間隔を所定距離にすることが望ましい。
【0077】
清掃が行われると、制御装置20のCPU52は、清掃用ノズル返却処理を行う(ステップS404)。この処理では、制御装置20のCPU52は、作業ヘッド30のノズル保持部46に保持されているフィーダ清掃用ノズル124を、メンテナンス用基板100の第2穴106に返却する。
【0078】
その後、制御装置20のCPU52は、履歴処理を行う(ステップS406)。この処理では、制御装置20のCPU52は、清掃対象のリール部品供給装置16のフィーダ部50を清掃した旨のログを、清掃対象のリール部品供給装置16のフィーダIDに対応付けて、HDD56等に記憶する。但し、そのログは、各通信装置72,164を介して、メンテナンス用基板100に送信されることにより、メンテナンス用基板100の記憶装置160において記憶されても良いし、部品装着装置10に接続されたPC等において記憶されても良い。その後、制御装置20のCPU52は、当該処理プログラムを終了する。
【0079】
以上詳細に説明したように、メンテナンス用基板100の第4メンテナンス動作では、その第4メンテナンス動作の際に搬送装置22で搬送される、メンテナンス用基板100のフィーダ清掃用ノズル124が使用されており、フィーダ清掃用ノズル124を備えるためのスペースを部品装着装置10に常に確保する必要がないので、費用対効果が大きい。更に、メンテナンス用基板100の第4メンテナンス動作を行うことにより、作業者による清掃を省くことが可能である。
【0080】
(4−5)メンテナンス用基板100の第5メンテナンス動作
メンテナンス用基板100の第5メンテナンス動作とは、
図12に表すように、吸着ノズル44を第3穴108内の球面座134に接触させることにより、吸着ノズル44の荷重データを第3穴108内のロードセル154で取得する動作をいう。
【0081】
作業ヘッド30において、吸着ノズル44は、ノズル保持部46に対してZ方向(上下方向)に相対移動可能な構成になっている。従って、リール部品供給装置16から部品が吸着される際において、吸着ノズル44が部品に接触した後に作業ヘッド30が下降しても、その下降の動きは、ノズル保持部46に対する吸着ノズル44の相対移動により吸収される。更に、基板Sに部品が装着される際において、部品が基板Sに接触した後に作業ヘッド30が下降しても、その下降の動きは、ノズル保持部46に対する吸着ノズル44の相対移動により吸収される。そこで、メンテナンス用基板100の第5メンテナンス動作では、ノズル保持部46に対する吸着ノズル44の相対移動時の摺動抵抗を、吸着ノズル44の荷重データとして取得する。
【0082】
メンテナンス用基板100の第5メンテナンス動作が行われる際には、
図13のフローチャートを実現するための処理プログラムが、制御装置20のCPU52によって実行される。当該処理プログラムが実行されると、
図13に表すように、制御装置20のCPU52は、ノズル取付処理を行う(ステップS500)。この処理では、制御装置20のCPU52は、実際に部品実装に使用される吸着ノズル44のノズルIDを認識した後に、その吸着ノズル44を作業ヘッド30のノズル保持部46に保持させる。ノズルIDの認識は、例えば、ノズル保持部46による吸着ノズル44の保持前において、吸着ノズル44に付されたQRコード(登録商標)をマークカメラ68で読み取ること等によって行われる。尚、制御装置20のCPU52は、荷重測定専用ノズルのノズルIDを認識した後に、その荷重測定専用ノズルを作業ヘッド30のノズル保持部46に保持させても良い。
【0083】
その後、制御装置20のCPU52は、荷重測定処理を行う(ステップS502)。この処理では、制御装置20のCPU52は、吸着ノズル44による部品吸着が行われるようにして、又は吸着ノズル44による部品装着が行われるようにして、吸着ノズル44をメンテナンス用基板100の球面座134に向けて下降させることにより、吸着ノズル44を球面座134に接触させる。このような接触は、ROM54等に記憶された生産プログラムの設定に基づいて行われる。これにより、吸着ノズル44の荷重データがロードセル154で取得されると共に、吸着ノズル44の摺動動作又はスタック動作が確認される。尚、荷重測定専用ノズルが作業ヘッド30のノズル保持部46に保持されている場合には、ROM54等に記憶されている測定専用プログラムに基づいて、荷重測定専用ノズルが球面座134に接触される。これにより、荷重測定専用ノズルの荷重データがロードセル154で取得される。
【0084】
荷重データが取得されると、制御装置20のCPU52は、画像処理を行う(ステップS504)。この処理では、荷重データが取得された吸着ノズル44又は荷重測定専用ノズル(以下、測定対象ノズルという。)がパーツカメラ18又は側面カメラ70によって撮像される。これにより、測定対象ノズルを撮像した画像データが取得される。
【0085】
その後、制御装置20のCPU52は、測定対象ノズルに割れがあるか否かを判定する(ステップS506)。この判定は、上記ステップS504の処理で取得された画像データに基づいて行われる。
【0086】
ここで、測定対象ノズルに割れがある場合には(ステップS506:YES)、制御装置20のCPU52は、停止処理を行う(ステップS508)。この処理では、制御装置20のCPU52は、当該処理プログラムを終了する。これに対して、測定対象ノズルに割れがない場合には(ステップS506:NO)、制御装置20のCPU52は、ノズル返却処理を行う(ステップS510)。この処理では、制御装置20のCPU52は、作業ヘッド30のノズル保持部46に保持されている測定対象ノズルをノズルパレット等に返却する。
【0087】
その後、制御装置20のCPU52は、履歴処理を行う(ステップS512)。この処理では、制御装置20のCPU52は、荷重データを、各通信装置72,164を介してメンテナンス用基板100から取得し、測定対象ノズルのノズルIDに対応付けてHDD56等に記憶する。尚、部品装着装置10に接続されたPC等において、荷重データをノズルIDに対応付けて記憶しても良い。一方、ノズルIDは、各通信装置72,164を介して、メンテナンス用基板100に送信されることにより、メンテナンス用基板100の記憶装置160において、荷重データに対応付けて記憶されても良い。その後、制御装置20のCPU52は、当該処理プログラムを終了する。
【0088】
以上詳細に説明したように、メンテナンス用基板100の第5メンテナンス動作では、その第5メンテナンス動作の際に搬送装置22で搬送される、メンテナンス用基板100のロードセル154が使用されており、ロードセル154を備えるためのスペースを部品装着装置10に常に確保する必要がないので、費用対効果が大きい。更に、メンテナンス用基板100の第5メンテナンス動作を行うことにより、測定対象ノズルの荷重データを測定対象ノズルのノズルIDに対応付けて記憶することが可能である。
【0089】
(4−6)メンテナンス用基板100の第6メンテナンス動作
メンテナンス用基板100の第6メンテナンス動作とは、
図14に表すように、第4穴110から上方に向けて吹き出されるブロア156の強風で作業ヘッド30のノズル保持部46を清掃する動作をいう。尚、ノズル保持部46に吸着ノズル44が保持されている場合には、その吸着ノズル44の清掃も、メンテナンス用基板100の第6メンテナンス動作によって行われる。
【0090】
メンテナンス用基板100の第6メンテナンス動作が行われる際には、
図15のフローチャートを実現するための処理プログラムが、制御装置20のCPU52によって実行される。当該処理プログラムが実行されると、
図15に表すように、制御装置20のCPU52は、清掃前画像取得処理を行う(ステップS600)。この処理では、作業ヘッド30のノズル保持部46がパーツカメラ18によって撮像される。これにより、作業ヘッド30のノズル保持部46を清掃前に撮像した画像データが取得される。
【0091】
画像データが取得されると、制御装置20のCPU52は、清掃処理を行う(ステップS602)。この処理では、制御装置20のCPU52は、各通信装置72,164を介して、メンテナンス用基板100に制御信号を送信することにより、ブロア156を駆動させる。更に、制御装置20のCPU52は、作業ヘッド30をX方向(左右方向)又はY方向(前後方向)に移動させたり、ノズル保持部46をQ方向(Z軸と平行な軸線周りに回動させる方向)に移動させることにより、作業ヘッド30のノズル保持部46の全域をメンテナンス用基板100の第4穴110の上方を通過させる。そのため、メンテナンス用基板100の第4穴110から上方に向かって吹き出されるブロア156の強風が、作業ヘッド30のノズル保持部46の全域に当てられる。これにより、作業ヘッド30のノズル保持部46の清掃がブロア156により行われる。
【0092】
その後、制御装置20のCPU52は、清掃後画像取得処理を行う(ステップS604)。この処理では、先ず、制御装置20のCPU52は、各通信装置72,164を介して、メンテナンス用基板100に制御信号を送信することにより、ブロア156を停止させる。更に、制御装置20のCPU52は、作業ヘッド30のノズル保持部46をパーツカメラ18によって撮像する。これにより、作業ヘッド30のノズル保持部46を清掃後に撮像した画像データが取得される。尚、ブロア156の停止は、当該処理プログラムを終了する際に行っても良い。
【0093】
画像データが取得されると、制御装置20のCPU52は、作業ヘッド30のノズル保持部46に異物があるか否かを判定する(ステップS606)。この判定は、上記ステップS600の処理で取得された清掃前の画像データと、上記ステップS604の処理で取得された清掃後の画像データとを、画像処理部74で比較照合することにより行われる。
【0094】
ここで、作業ヘッド30のノズル保持部46に異物がある場合には(ステップS606:YES)、制御装置20のCPU52は、停止処理を行う(ステップS608)。この処理では、制御装置20のCPU52は、当該処理プログラムを終了する。但し、制御装置20のCPU52は、この処理において、上記ステップS600乃至上記ステップS606までの各処理を繰り返して実行しても良い。尚、繰り返し回数は、予め定められた所定回数を限度とする。
【0095】
これに対して、作業ヘッド30のノズル保持部46に異物がない場合には(ステップS606:NO)、制御装置20のCPU52は、履歴処理を行う(ステップS610)。この処理では、制御装置20のCPU52は、上記ステップS600及び上記ステップS604の各処理で取得された画像データをHDD56等に記憶する。但し、それらの画像データは、各通信装置72,164を介して、メンテナンス用基板100に送信されることにより、メンテナンス用基板100の記憶装置160において記憶されても良いし、部品装着装置10に接続されたPC等において記憶されても良い。その後、制御装置20のCPU52は、当該処理プログラムを終了する。
【0096】
以上詳細に説明したように、メンテナンス用基板100の第6メンテナンス動作では、その第6メンテナンス動作の際に搬送装置22で搬送される、メンテナンス用基板100のブロア156が使用されており、ブロア156を設けるためのスペースを部品装着装置10に常に確保する必要がないので、費用対効果が大きい。更に、メンテナンス用基板100の第6メンテナンス動作を行うことにより、作業者による清掃を省くことが可能である。
【0097】
(4−7)メンテナンス用基板100の第7メンテナンス動作
メンテナンス用基板100の第7メンテナンス動作とは、
図16に表すように、吸着ノズル44を第5穴112の上側開口から第5穴112内に挿入させることにより、吸着ノズル44のエア圧力データを、第5穴112の下側開口に接続されたトランスジューサー158で取得する動作をいう。
【0098】
吸着ノズル44では、部品採取時に負圧で部品を吸着保持し、部品実装時に僅かな正圧で部品を離脱させている。そこで、メンテナンス用基板100の第7メンテナンス動作では、吸着ノズル44の負圧データ及び正圧データを、吸着ノズル44のエア圧力データとして取得する。
【0099】
メンテナンス用基板100の第7メンテナンス動作が行われる際には、
図17のフローチャートを実現するための処理プログラムが、制御装置20のCPU52によって実行される。当該処理プログラムが実行されると、
図17に表すように、制御装置20のCPU52は、ノズル取付処理を行う(ステップS700)。この処理では、制御装置20のCPU52は、実際に部品実装に使用される吸着ノズル44のノズルIDを認識した後に、その吸着ノズル44を作業ヘッド30のノズル保持部46に保持させる。吸着ノズル44が作業ヘッド30のノズル保持部46に保持されると、上述したように、吸着ノズル44が、正負圧供給装置66を介して、作業ヘッド30の負圧エア通路及び正圧エア通路と連通する。尚、ノズルIDの認識は、例えば、上述したメンテナンス用基板100の第5メンテナンス動作のときと同様にして行われる。
【0100】
その後、制御装置20のCPU52は、エア圧力測定処理を行う(ステップS702)。この処理では、制御装置20のCPU52は、吸着ノズル44をメンテナンス用基板100の第5穴112に向けて下降させることにより、吸着ノズル44を第5穴112に挿入させてトランスジューサー158に密着させる。更に、制御装置20のCPU52は、正負圧供給装置66を駆動させることにより、吸着ノズル44から正圧エアを吹き出させたり、吸着ノズル44に負圧エアを吸い込ませる。これにより、吸着ノズル44のエア圧力データがトランスジューサー158で取得される。
【0101】
エア圧力データが取得されると、制御装置20のCPU52は、画像処理を行う(ステップS704)。この処理では、エア圧力データが取得された吸着ノズル44(以下、測定対象ノズルという。)がパーツカメラ18又は側面カメラ70によって撮像される。これにより、測定対象ノズルを撮像した画像データが取得される。
【0102】
その後、制御装置20のCPU52は、測定対象ノズルに割れがあるか否かを判定する(ステップS706)。この判定は、上記ステップS704の処理で取得された画像データに基づいて行われる。
【0103】
ここで、測定対象ノズルに割れがある場合には(ステップS706:YES)、制御装置20のCPU52は、停止処理を行う(ステップS708)。この処理では、制御装置20のCPU52は、当該処理プログラムを終了する。これに対して、測定対象ノズルに割れがない場合には(ステップS706:NO)、制御装置20のCPU52は、ノズル返却処理を行う(ステップS710)。この処理では、制御装置20のCPU52は、作業ヘッド30のノズル保持部46に保持されている測定対象ノズルをノズルパレット等に返却する。
【0104】
その後、制御装置20のCPU52は、履歴処理を行う(ステップS712)。この処理では、制御装置20のCPU52は、エア圧力データを、各通信装置72,164を介してメンテナンス用基板100から取得し、測定対象ノズルのノズルIDに対応付けてHDD56等に記憶する。尚、部品装着装置10に接続されたPC等において、エア圧力データをノズルIDに対応付けて記憶しても良い。一方、ノズルIDは、各通信装置72,164を介して、メンテナンス用基板100に送信されることにより、メンテナンス用基板100の記憶装置160において、エア圧力データに対応付けて記憶されても良い。その後、制御装置20のCPU52は、当該処理プログラムを終了する。
【0105】
以上詳細に説明したように、メンテナンス用基板100の第7メンテナンス動作では、その第7メンテナンス動作の際に搬送装置22で搬送される、メンテナンス用基板100のトランスジューサー158が使用されており、トランスジューサー158を備えるためのスペースを部品装着装置10に常に確保する必要がないので、費用対効果が大きい。更に、メンテナンス用基板100の第7メンテナンス動作を行うことにより、測定対象ノズルのエア圧力データを測定対象ノズルのノズルIDに対応付けて記憶することが可能である。
【0106】
尚、メンテナンス用基板100の第7メンテナンス動作では、吸着ノズル44に代えて、エア圧力データの取得が所望されるノズルが作業ヘッド30のノズル保持部46に保持された場合でも、吸着ノズル44と同様にして、エア圧力データの取得が行われる。
【0107】
(4−8)メンテナンス用基板100の第8メンテナンス動作
メンテナンス用基板100の第8メンテナンス動作とは、
図18に表すように、第2アーム部138の第3ブラシ152でマークカメラ68をブラッシングし、第4穴110から上方に向けて吹き出されるブロア156の強風をマークカメラ68に吹き付けることにより、マークカメラ68を清掃する動作をいう。メンテナンス用基板100の第8メンテナンス動作では、第2アーム部138が立設状態にある。従って、第3ブラシ152が基板本体102から離れた状態で上方に向いており、上方に向いている第3ブラシ152の中をマークカメラ68が移動する。
【0108】
メンテナンス用基板100の第8メンテナンス動作が行われる際には、
図19のフローチャートを実現するための処理プログラムが、制御装置20のCPU52によって実行される。当該処理プログラムが実行されると、
図19に表すように、制御装置20のCPU52は、清掃前画像取得処理を行う(ステップS800)。この処理では、マークカメラ68による撮像が行われる。これにより、マークカメラ68で撮像した清掃前の画像データが取得される。
【0109】
画像データが取得されると、制御装置20のCPU52は、立設処理を行う(ステップS802)。この処理では、制御装置20のCPU52は、各通信装置72,164を介して、メンテナンス用基板100に制御信号を送信することにより、第2モータ148を駆動させて、第2アーム部138を立設状態にする。
【0110】
第2アーム部138が立設状態になると、制御装置20のCPU52は、清掃処理を行う(ステップS804)。この処理では、第3ブラシ152の中をマークカメラ68が移動することにより、マークカメラ68の清掃が第3ブラシ152で行われる。マークカメラ68の移動は、作業ヘッド30をX方向(左右方向)又はY方向(前後方向)に移動させることにより行われる。更に、制御装置20のCPU52は、各通信装置72,164を介して、メンテナンス用基板100に制御信号を送信することにより、ブロア156を駆動させる。更に、制御装置20のCPU52は、作業ヘッド30をX方向(左右方向)又はY方向(前後方向)に移動させることにより、マークカメラ68の全域をメンテナンス用基板100の第4穴110の上方を通過させる。メンテナンス用基板100の第4穴110では、その上方に向かってブロア156の強風が吹き出されている。そのため、ブロア156の強風が、マークカメラ68の全域に当てられる。これにより、マークカメラ68の清掃がブロア156により行われる。
【0111】
清掃が行われると、制御装置20のCPU52は、清掃後画像取得処理を行う(ステップS806)。この処理では、先ず、制御装置20のCPU52は、各通信装置72,164を介して、メンテナンス用基板100に制御信号を送信することにより、ブロア156を停止させる。更に、制御装置20のCPU52は、マークカメラ68による撮像を行う。これにより、マークカメラ68で撮像した清掃後の画像データが取得される。尚、ブロア156の停止は、当該処理プログラムを終了する際に行っても良い。
【0112】
画像データが取得されると、制御装置20のCPU52は、マークカメラ68に異物があるか否かを判定する(ステップS808)。この判定は、上記ステップS800の処理で取得された清掃前の画像データと、上記ステップS806の処理で取得された清掃後の画像データとを、画像処理部74で比較照合することにより行われる。
【0113】
ここで、マークカメラ68に異物がある場合には(ステップS808:YES)、制御装置20のCPU52は、停止処理を行う(ステップS810)。この処理では、制御装置20のCPU52は、当該処理プログラムを終了する。但し、制御装置20のCPU52は、この処理において、上記ステップS800乃至上記ステップS808までの各処理を繰り返して実行しても良い。尚、繰り返し回数は、予め定められた所定回数を限度とする。
【0114】
これに対して、マークカメラ68に異物がない場合には(ステップS808:NO)、制御装置20のCPU52は、倒設処理を行う(ステップS812)。この処理では、制御装置20のCPU52は、各通信装置72,164を介して、メンテナンス用基板100に制御信号を送信することにより、第2モータ148を駆動させて、第2アーム部138を倒設状態にする。
【0115】
第2アーム部138が倒設状態になると、制御装置20のCPU52は、履歴処理を行う(ステップS814)。この処理では、制御装置20のCPU52は、上記ステップS800及び上記ステップS806の各処理で取得された画像データをHDD56等に記憶する。但し、それらの画像データは、各通信装置72,164を介して、メンテナンス用基板100に送信されることにより、メンテナンス用基板100の記憶装置160において記憶されても良いし、部品装着装置10に接続されたPC等において記憶されても良い。その後、制御装置20のCPU52は、当該処理プログラムを終了する。
【0116】
以上詳細に説明したように、メンテナンス用基板100の第8メンテナンス動作では、その第8メンテナンス動作の際に搬送装置22で搬送される、メンテナンス用基板100の第3ブラシ152及びブロア156が使用されており、第3ブラシ152及びブロア156を設けるためのスペースを部品装着装置10に常に確保する必要がないので、費用対効果が大きい。更に、メンテナンス用基板100の第8メンテナンス動作を行うことにより、マークカメラ68の清掃を強風及びブラッシングを併用して行うことが可能であると共に、作業者による清掃を省くことが可能である。
【0117】
(5)まとめ
以上、詳細に説明したように、メンテナンス用基板100は、部品装着装置10の搬送装置22で搬送されることによって、部品装着装置10の静電気除去以外のメンテナンスで使用することが可能となる。更に、メンテナンス用基板100の各メンテナンス動作において、履歴処理(ステップS114,ステップS216,ステップS314,ステップS406,ステップS512,ステップS610,ステップS712,ステップS814)が行われることにより、清掃記録又は各種データを自動的に取得できるトレーサビリティを構築することが可能である。
【0118】
ちなみに、本実施形態において、レンズ清掃用ノズル114又はフィーダ清掃用ノズル124は、清掃用ノズルの一例である。第1アーム部136又は第2アーム部138は、アーム部の一例である。第1ブラシ144、第2ブラシ146、又は第3ブラシ152は、ブラシの一例である。トランスジューサー158は、第1圧力センサの一例である。ロードセル154は、第2圧力センサの一例である。
【0119】
(6)その他
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、部品を吸着したり吸着解除したりする吸着ノズル44については、特にこれに限定されず、例えばメカニカルチャックとしてもよい。そのような場合に対しては、メンテナンス用基板100の第1メンテナンス動作、メンテナンス用基板100の第5メンテナンス動作、又はメンテナンス用基板100の第6メンテナンス動作が適用される。
【0120】
また、メンテナンス用基板100に設けたボタンを作業ヘッド30等で押下するような構成を備えていれば、そのボタン押下により、メンテナンス開始、メンテナンス終了、又はメンテナンス停止の制御信号をメンテナンス用基板100に入力することができるので、通信機器72,164を省略することが可能である。