(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、一般的に、シューズ(特にスポーツシューズ)において、屈曲に対する剛性や捻れ剛性は、スポーツパフォーマンスの向上、あるいは日常生活を送る上での運動能力の向上等の観点から重要な要素となっている。また、着用者における個々人が求める屈曲剛性や捻れ剛性は、シューズの部位、着用者における個々人の運動能力、各種競技における足の動作特性、着用者の足の形状や足関節の硬さ(足の形態的な特性)によりそれぞれ異なる。このため、着用者における個々人に適した剛性を備えたシューズ(ソール構造)を提供することが求められていた。
【0006】
一方、特許文献1の製造方法では、1つの金型装置(成形アセンブリ)から、各部材(プレート部材およびクリート先端部)の形状や位置関係が一義的に定められた1つのソール構造のみが製造される。すなわち、1つの金型装置から、屈曲剛性や捻れ剛性が一義的に定められた形態のソール構造が製造されるに過ぎない。このため、剛性が異なる複数種類のソール構造を製造するためには、各部材の材料を適宜変えることや、複数の金型装置を予め準備しておくことが考えられるが、いずれも煩雑であった。このように、特許文献1の製造方法では、1つの金型装置を用いて、上述したような着用者における個々人の特性や好みに適した剛性を有する複数種類のソール構造を提供することが容易ではなかった。
【0007】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、着用者における個々人の特性や好みに適した剛性を有する複数種類のソール構造用部材を容易に提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の形態は、シューズに用いられるソール構造用部材を、金型装置を用いて製造する、該ソール構造用部材の製造方法である。ソール構造用部材は、第1の樹脂材からなる第1部材と、第1の樹脂材の剛性
よりも高い剛性を有する第2の樹脂材からなる第2部材と、を備えている。第1部材は、
略板状に形成された第1本体部と、
前記第1の樹脂材からなり、前記第1本体部の下面から下方に向かって突出しかつ前記第1本体部と一体に形成された少なくとも1つの第1リブ部と、第1本体部に
おいて前記第1リブ部と上下方向に重なる位置に配置され、前記第1本体部の上面から下方に向かって凹陥状に形成された少なくとも1つの凹部または孔部と、を有している。
前記第1リブ部と、前記凹部または孔部とは、長手方向が着用者の足の足長方向または足幅方向に沿うように細長状に延びている。第2部材は、第1部材において凹部または孔部に対応する位置に配置された少なくとも1つの枝部を有している。金型装置は、ソール構造用部材を成形するための成形部と、成形部の内部に設けられ、第1部材を収容するための収容部と、凹部または孔部と成形部とにより囲われた空間からなる流路部と、成形部および流路部の少なくともいずれか一方と連通し、かつ成形部および流路部に向かって第2の樹脂材を注入するためのゲート部と、を備えている。そして、ソール構造用部材の製造方法は、凹部または孔部の構成が互いに異なるように予め成形された複数種類の第1部材により構成される選択群から少なくとも1つの第1部材を選択する工程と、選択群から選択された少なくとも1つの第1部材を収容部に収容するインサート工程と、第2の樹脂材を、加熱溶融してゲート部から成形部および流路部に向けて注入することにより、第1部材と第2部材とを一体成形する成形工程と、を備えることを特徴とする。
【0009】
この第1の形態では、凹部または孔部の構成が互いに異なるように予め成形された複数種類の第1部材により構成される選択群から少なくとも1つの第1部材を選択する工程を備えている。例えば、かかる工程で選択群から2つのパターンの第1部材が選択された場合において、それぞれのパターンにおける凹部の構成の相違により、成形工程において第2の樹脂材をゲート部から流路部に注入することにより成形された第2部材の枝部の構成が各パターンにおいて互いに異なるようになる。すなわち、一方のパターンによる第1部材を備えたソール構造用部材と、他方のパターンによる第1部材を備えたソール構造用部材とでは、枝部の構成の相違により剛性が互いに異なるようになる。その結果、1つの金型装置を用いて、基本的な外形を一定に保ちつつ剛性のみが異なる複数種類のソール構造用部材を製造することが可能となる。したがって、第1の形態では、着用者における個々人の特性や好みに適した剛性を有する複数種類のソール構造用部材を容易に提供することができる
。
【0010】
また、第
1の形態では、選択群から選択された第1部材の凹部または孔部の大きさ、位置関係、数量などにより、第2部材における枝部の剛性を適宜変えることが可能となる。これにより、ソール構造用部材を製造するときに、着用者における個々人の特性や好みに適した剛性を容易に調整することができる。
【0011】
第
2の形態は、第
1の形態において、第1の樹脂材は、透明性を有する樹脂材からなることを特徴とする。
【0012】
この第
2の形態では、第1の樹脂材が透明性を有する樹脂材からなることから、第1部材が透明に見えるようになり、ソール構造用部材を見たときに、凹部または孔部の位置に対応する枝部の構成(形状、位置関係、数量など)を視認しやすくなる。これにより、外観上において枝部の構成に基づき剛性の程度を視覚化したソール構造用部材を容易に製造することができる。
【0013】
第
3の形態は、第1
または第2の形態において、第1部材は、ソール構造用部材がシューズに用いられた状態において、凹部または孔部がシューズを着用した着用者の足の足長方向に延びるように構成されていることを特徴とする。
【0014】
この第
3の形態では、シューズにおいて足長方向の屈曲剛性を高めるためのソール構造用部材を容易に製造することができる。
【0015】
第
4の形態は、第1〜第
3のいずれか1つの形態において、第1部材は、ソール構造用部材がシューズに用いられた状態において、凹部または孔部がシューズを着用した着用者の足のMP関節に対応する位置に位置するように構成されていることを特徴とする。
【0016】
この第
4の形態では、シューズにおいて着用者の足のMP関節に対応する位置の剛性を高めるためのソール構造用部材を容易に製造することができる。
【0017】
第
5の形態は、第1〜第
3のいずれか1つの形態において、第1部材は、ソール構造用部材がシューズに用いられた状態において、凹部または孔部がシューズを着用した着用者の足の中足部に対応する位置に位置するように構成されていることを特徴とする。
【0018】
この第
5の形態では、シューズにおいて着用者の足の中足部(例えば土踏まず部分)に対応する位置の剛性を高めるためのソール構造用部材を容易に製造することができる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明によると、着用者における個々人の特性や好みに適した剛性を有する複数種類のソール構造用部材を容易に提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の各実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0022】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るソール構造用部材10の全体を示す。第1実施形態に係るソール構造用部材10は、シューズを着用した者(以下「着用者」という)の足の前足部から中足部に亘る範囲を支持するためのアウトソールとして構成されている。そして、このソール構造用部材10を備えたシューズは、例えば、陸上競技、球技等のスポーツ用シューズ(スパイクシューズ)として用いられる。なお、第1実施形態において、ソール構造用部材10をシューズのアウトソールとして適用した場合には、ソール構造用部材10の表面が外部に露出するように構成されている。
【0023】
ここで、ソール構造用部材10は、左足用シューズ(図示せず)に適用されるソール構造用部材10のみを例示している。右足用シューズに適用されるソール構造用部材は、左足用シューズに適用されるソール構造用部材と左右対称になるように構成されているので、以下の説明では左足用シューズに適用されるソール構造用部材のみについて説明し、左足用シューズに適用されるソール構造用部材の説明は省略する。
【0024】
また、以下の説明において、上方(上側)および下方(下側)とはソール構造用部材10の上下方向の位置関係を表し、前方(前側)および後方(後側)とはソール構造用部材10の前後方向の位置関係を表すものとする。また、内甲側および外甲側とは、ソール構造用部材10をシューズに適用した場合において、該シューズにおける足幅方向の位置関係を表すものとする。
【0025】
図1および
図2に示すように、ソール構造用部材10は、第1部材11および第2部材21を備えている。
【0026】
(第1部材)
第1部材11は、第1の樹脂材からなる。第1の樹脂材は、第2の樹脂材の剛性よりも低い剛性を有する。第1の樹脂材は、透明性を有する樹脂材からなるのが好ましい。
【0027】
第1の樹脂材は、後述する製造方法の(3)成形工程において、第2部材21を成形する時の圧力および温度に耐えうる材料であることが好ましい。例えば、第1の樹脂材としてPA(ポリアミド)などの比較的剛性のあるソリッド状の樹脂材を適用した場合には、成形工程時における高温高圧下においても第1の樹脂材が変形しにくくなる。このため、ソール構造用部材10を安定して容易に得ることが可能となる。これに対し、第1の樹脂材としてウレタンフォームなどの軟質な材料を適用した場合には、上記高温高圧下で第1の樹脂材が変形しやすくなり、ソール構造用部材10を安定して得ることが困難となる。
【0028】
また、第1の樹脂材は、第2の樹脂材の成形温度よりも高い融点を有する材料からなるのが好ましい。これに対し、第2の樹脂材の成形温度が第1の樹脂材の融点よりも高くなってしまうと、後述の(3)成形工程において第1部材11が溶融してしまうおそれがあり、ソール構造用部材10を安定して得ることが困難となる。
【0029】
(第1本体部)
図1および
図2に示すように、第1部材11は、第1本体部12を有している。第1本体部12は、略板状に形成されている。
図3および
図4にも示すように、第1本体部12は、上面12aおよび下面12bを含む。第1本体部12は、ソール構造用部材10を図示しないシューズに適用した場合において、着用者の足の前足部に対応する位置に配置されかつ下面12bが地面または路面と対向するように構成されている。
【0030】
(台座部)
図1および
図2に示すように、第1部材11は、複数の台座部13,13,…を有している。各台座部13は、第1の樹脂材からなり、第1本体部12と一体形成されている。各台座部13は、第1本体部12の下面12bから下方に向かって突出している。各台座部13は、底面視において略円形状に形成されている。台座部13,13,…は、着用者の足の足長方向または足幅方向において互いに間隔をあけて配置されている。
【0031】
各台座部13には、クリーツ部14が設けられている。各クリーツ部14は、例えば鉄材などの金属材料からなる。各クリーツ部14は、各台座部13の下面から下方に向かって先細るように突出している。
【0032】
(第1リブ部)
第1部材11は、複数の第1リブ部15,15,…を有している。各第1リブ部15は、第1の樹脂材からなる。各第1リブ部15は、第1本体部12と一体形成されている。各第1リブ部15は、第1本体部12の下面12bから下方に向かって突出している。各第1リブ部15は、ソール構造用部材10を図示しないシューズに適用した場合において、着用者の足の足長方向または足幅方向に沿って延びている。各第1リブ部15は、少なくとも一方の端部が各台座部13と連続するように各台座部13と一体形成されている。
【0033】
(凹部)
図3〜
図6に示すように、第1部材11は、有底状の凹部16を有している。凹部16は、第1本体部12の上面12aから下方に向かって凹陥状に形成されている。凹部16は、各台座部13および各第1リブ部15の位置と上下方向に重なるように配置されている。具体的に、凹部16は、各台座部13と上下方向に重なる部分が各台座部13の周縁部分に沿って略円環状に形成されている一方、各第1リブ部15と上下方向に重なる部分が足長方向または足幅方向に沿って延びている。
【0034】
(選択群)
本発明の特徴として、後述するソール構造用部材10の製造方法では、凹部16の構成が互いに異なるように予め成形された複数種類の第1部材11,11,…により構成される選択群が設けられている。具体的に、この選択群は、凹部16の形状、位置関係、および数量などの少なくとも1つの要素が異なるように予め成形された複数種類の第1部材11,11,…により構成されている。
【0035】
第1実施形態では、上記選択群からパターンAの第1部材11,11が選択された場合(
図1〜
図7参照)と、上記選択群からパターンBの第1部材11,11が選択された場合(
図8〜
図11参照)とのそれぞれを例示している。なお、上記選択群には、パターンAおよびパターンB以外にも、予め成形された複数種類の第1部材11が含まれているものとする。
【0036】
(パターンAの第1部材)
図1〜
図7に示すように、パターンAの第1部材11,11は、内甲側用第1部材17Aおよび外甲側用第1部材18Aにより構成されている。
【0037】
内甲側用第1部材17Aは、着用者の足の内甲側に対応する位置に配置されている。内甲側用第1部材17Aは、3つの台座部13a〜13cおよび4つの第1リブ部15a〜15dを有している。
【0038】
台座部13aは、着用者の足の爪先部分に対応する位置に配置されている。台座部13bおよび台座部13cは、着用者の足のMP関節に対応する位置付近に配置されかつ足幅方向において互いに間隔をあけて配置されている。
【0039】
第1リブ部15a〜15dの各々は、足長方向に沿って延びている。第1リブ部15aは、台座部13aと台座部13bとの間に配置されている。第1リブ部15bは、台座部13aと台座部13cとの間に配置されている。第1リブ部15cおよび第1リブ部15dは、台座部13bおよび台座部13cよりも後方に配置されている。第1リブ部15cおよび第1リブ部15dは、各々の後端部が連続するように形成されている。
【0040】
外甲側用第1部材18Aは、着用者の足の外甲側に対応する位置に配置されている。外甲側用第1部材18Aは、3つの台座部13d〜13fおよび2つの第1リブ部15e〜15fを有している。
【0041】
台座部13dは、着用者の足の爪先部分に対応する位置に配置されている。台座部13eは、台座部13dよりも後方に位置しかつ着用者の足のMP関節よりも前方に位置するように配置されている。台座部13fは、台座部13eよりも後方に位置しかつ着用者の足のMP関節よりも後方に位置するように配置されている。
【0042】
第1リブ部15e,15fの各々は、足長方向に沿って延びている。第1リブ部15eは、台座部13eと台座部13fとの間に配置されている。第1リブ部15fは、台座部13fよりも後方に配置されている。
【0043】
(パターンBの第1部材)
図8〜
図11に示すように、パターンBの第1部材11は、内甲側用第1部材17Bおよび外甲側用第1部材18Bにより構成されている。
【0044】
内甲側用第1部材17Bは、3つの台座部13a〜13cおよび2つの第1リブ部15c、15dを有している。すなわち、内甲側用第1部材17Bには、上述した第1リブ部15a,15bが設けられていない。また、外甲側用第1部材18Bは、3つの台座部13d〜13fおよび1つの第1リブ部15fを有している。すなわち、外甲側用第1部材18Bは、上述した第1リブ部15eを有していない。
【0045】
このように、パターンAの第1部材11,11とパターンBの第1部材11,11とは、各々における凹部16の構成が互いに異なるように予め成形されている。
【0046】
(第2部材)
第2部材21は、第2の樹脂材からなる。第2部材21は、剛性が第1の樹脂材の剛性と異なるように構成されている。第1実施形態において、第2の樹脂材は、第1の樹脂材の剛性よりも高い剛性を有する。具体的に、第2の樹脂材は、例えばPEBA(ポリエーテルブロックアミド)、PA(ポリアミド)またはTPU(熱可塑性ポリウレタン)等の樹脂材料からなる。
【0047】
(第2本体部)
図1および
図2に示すように、第2部材21は、第2本体部22を有している。第2本体部22は、略板状に形成されている。
図6および
図7にも示すように、第2本体部22は、上面22aおよび下面22bを有している。第2本体部22は、ソール構造用部材10を図示しないシューズに適用した場合において、着用者の足の中足部および後足部に対応する位置に配置されかつ下面22bが地面または路面と対向するように構成されている。なお、第2本体部22の上面22aは、第1本体部12の上面12aと面一になっている。
【0048】
(第2リブ部)
図1および
図2に示すように、第2部材21は、複数の第2リブ部23,23,…を有している。各第2リブ部23は、第2の樹脂材からなる。各第2リブ部23は、第2本体部22と一体形成されている。各第2リブ部23は、第2本体部22の下面22bから下方に向かって突出している。各第2リブ部23は、ソール構造用部材10をシューズに適用した場合において足長方向に沿って延びている。
【0049】
各第2リブ部23は、3つの第2リブ部23a〜23cからなる。
【0050】
第2リブ部23aは、足幅方向略中央に配置されている。具体的に、第2リブ部23aは、着用者の足の前足部の位置に対応する部分が第1部材11,11同士との間隙に位置するように形成されている。第2リブ部23aは、着用者の足の中足部から前足部に亘って延びている。また、第2リブ部23aは、前部が着用者の足の爪先部分において内甲側と外甲側との2方向に向かって分岐するように形成されている。さらに、第2リブ部23aは、後部が着用者の足の中足部から後足部に向かうにつれて内甲側と外甲側との2方向に向かって分岐するように形成されている。
【0051】
第2リブ部23bは、内甲側寄りに配置されている。第2リブ部23bは、着用者の足の後足部から中足部に亘って延びている。第2リブ部23bは、前端部が第1リブ部15c、15dの後端部と連続するように形成されている。
【0052】
第2リブ部23cは、外甲側寄りに配置されている。第2リブ部23cは、着用者の足の後足部から中足部に亘って延びている。第2リブ部23cは、前端部が第1リブ部15fの後端部と連続するように形成されている。
【0053】
(枝部)
図7に示すように、第2部材21は、複数の枝部24,24,…を有している。枝部24,24,…は、ソール構造用部材10の成形時において第1部材11の凹部16に対応する位置(後述の流路部37)に充填された第2の樹脂材からなる。複数の枝部24,24,…は、第2本体部22と連続している。枝部24,24,…は、第1部材11と第2部材21とが一体形成された状態において第1部材11の凹部16に対応する位置に配置されている。枝部24,24,…は、第1部材11における台座部13および第1リブ部15と上下方向に重なるように配置されている。
【0054】
(金型装置)
次に、ソール構造用部材10は、例えば、
図3〜
図7に示した金型装置30を用いて射出成形により製造される。金型装置30は、例えば略矩形状に形成されていて、いずれもキャビティ型の下側金型31および上側金型32からなる。
【0055】
金型装置30は、例えば上側金型32が下側金型31に対して上下可動するように構成されている。また、金型装置30は、後述する成形部36および流路部37と連通し、かつ成形部36および流路部37に向かって第2の樹脂材を注入するためのゲート部(図示せず)を備えている。
【0056】
図3〜
図7に示すように、金型装置30は、ソール構造用部材10を成形するための成形部36を備えている。具体的に、成形部36は、上側金型32を下側金型31に重ね合わせた状態において、後述するキャビティ33と上側金型32の下面32aとにより囲われた空間として構成されている。この成形部36は、ソール構造用部材10の成形時において上記ゲート部から注入された第2樹脂材が流れるように構成されている。また、成形部36には、第2リブ部23を成形するための成形凹部35が設けられている。
【0057】
下側金型31は、その上面31aが側面視において湾曲状に形成されている。下側金型31には、キャビティ33が設けられている。キャビティ33は、下側金型31の上面31aから下方に向かって凹陥状に形成されている。キャビティ33は、平面視における外形がソール構造用部材10の外形と同じ形状となるように形成されている。
【0058】
キャビティ33(成形部36の内部)には、第1部材11を収容可能な収容部34が設けられている。すなわち、収容部34は、成形部36の一部の空間として構成されている。収容部34は、第1部材11,11における下側の形状に適合するように形成されている。
【0059】
上側金型32には、キャビティが設けられていない。そして、上側金型32は、側面視において下面32aが下側金型31における上面31aの形状に沿うように湾曲形成されている。
【0060】
図6に示すように、成形部36には、複数の流路部37,37,…が形成されている。具体的に、各流路部37は、上側金型32が下側金型31に重ね合わされた状態において、収容部34に収容された第1部材11の各凹部16と成形部36の内壁面(すなわち、上側金型32の下面32a)とにより囲われた略トンネル状の空間からなる。この各流路部37は、ソール構造用部材10の成形時において上記ゲート部から注入された第2樹脂材が流れるように構成されている。
【0061】
(ソール構造用部材の製造方法)
次に、
図3〜
図7を参照しながらパターンAによる第1部材11,11(17A,18A)を備えたソール構造用部材10の製造方法を説明する。この製造方法は、主に(1)少なくとも1つの第1部材11を選択する工程、(2)インサート工程、および(3)成形工程を有している。なお、
図7については、第2部材21を第1部材11,11および金型装置30と区別して示すために、第2部材21に対して第1部材11,11のドットよりも細かいドットによるハッチングを付している。
【0062】
(1)第1部材を選択する工程
この工程では、凹部16の構成が互いに異なるように予め成形された複数種類の第1部材11,11,…により構成される選択群から第1部材11,11を選択する。
【0063】
(2)インサート工程
インサート工程では、上記選択群から選ばれた少なくとも1つの第1部材11を収容部34に収容する。第1実施形態では、第1部材11,11を収容部34に収容する。具体的に、下側金型31を例えば図示しない設置台などに固定した状態で上側金型32を持ち上げて、金型装置30を上下に分離した状態とする(
図3および
図4を参照)。次に、第1部材11,11を、下側金型31の収容部34に収容する。この収容作業を終えた後、上側金型32を下側金型31に重ね合わせる(
図5および
図6を参照)。
【0064】
(3)成形工程
次に、成形工程では、第2部材21を構成する第2の樹脂材を金型装置30に射出(注入)して、第1部材11,11と第2部材21とを一体成形する。具体的に、第2の樹脂材を、図示しない射出成形機により加熱溶融した後に金型装置30のゲート部から成形部36および流路部37に向けて射出する。このとき、第2樹脂材の成型温度を、第2部材21を構成する材料に適した温度となるように適宜設定する。そして、第2樹脂材が金型装置30内の成形部36および各流路部37内に充填された後に金型装置30に対して所定の冷却処理を行うことにより、第1部材11,11と第2部材21とが一体成形された状態となる。そして、上記冷却処理が終了した後、上側金型32を持ち上げてソール構造用部材10を取り出す(
図7参照)。
【0065】
上記(1)〜(3)の工程を経ることによりソール構造用部材10が得られる。
【0066】
[第1実施形態の作用効果]
以上のように、第1実施形態におけるソール構造用部材10の製造方法では、凹部16の構成が互いに異なるように予め成形された複数種類の第1部材11,11,…により構成される選択群から少なくとも1つの第1部材11を選択する工程を備えている。例えば、かかる工程で選択群から2つのパターン(上記パターンAおよび上記パターンB)の第1部材11,11が適宜選択された場合において、それぞれのパターンにおける凹部16の構成の相違により、成形工程において第2の樹脂材を上記ゲート部から各流路部37に注入することにより成形された第2部材21の枝部24,24,…の構成が各パターンにおいて互いに異なるようになる。すなわち、一方のパターン(例えばパターンA)による第1部材11,11を備えたソール構造用部材10と、他方のパターン(例えばパターンB)による第1部材11,11を備えたソール構造用部材10とでは、枝部24,24,…の構成の相違により剛性が互いに異なるようになる。その結果、1つの金型装置30を用いて、基本的な外形を一定に保ちつつ剛性のみが異なる複数種類のソール構造用部材10を製造することが可能となる。したがって、第1実施形態では、着用者における個々人の特性や好みに適した剛性を有する複数種類のソール構造用部材10を容易に提供することができる。また、剛性が異なる複数種類のソール構造用部材10を1つの金型装置30を用いて製造することが可能であることから、製造コストを低減することもできる。
【0067】
また、第2の樹脂材が第1の樹脂材の剛性よりも高い剛性を有していることから、選択群から選択される第1部材11の凹部16の大きさ、位置関係、数量などにより、第2部材21における枝部24,24,…の剛性を適宜変えることが可能となる。これにより、ソール構造用部材10を製造するときに、着用者における個々人の特性や好みに適した剛性を容易に調整することができる。
【0068】
第1実施形態において、パターンAによる第1部材17A,18Aを備えたソール構造用部材10では、第2部材21の枝部24,24,…がパターンBによる第1部材17B,18Bを備えたソール構造用部材10よりも多く形成されている。このため、第1部材17A,18Aを備えたソール構造用部材10は、第1部材17B,18Bを備えたソール構造用部材10よりも相対的に屈曲剛性が高められている。
【0069】
また、第1の樹脂材が透明性を有する樹脂材からなることから、第1部材11が透明に見えるようになり、ソール構造用部材10を見たときに、凹部16の位置に対応する枝部24,24,…の構成(形状、位置関係、数量など)を視認しやすくなる。これにより、外観上において枝部24,24,…の構成に基づき剛性の程度を視覚化したソール構造用部材10を容易に製造することができる。
【0070】
また、第1部材11は、ソール構造用部材10がシューズに用いられた状態において、凹部16がシューズを着用した着用者の足の足長方向に延びるように構成されている。これにより、シューズにおいて足長方向の屈曲剛性を高めるためのソール構造用部材10を容易に製造することができる。
【0071】
また、第1部材11は、ソール構造用部材10がシューズに用いられた状態において、凹部16がシューズを着用した着用者の足のMP関節に対応する位置に位置するように構成されている。かかる構成により、シューズにおいて着用者の足のMP関節に対応する位置の剛性を高めるためのソール構造用部材10を容易に製造することができる。
【0072】
[第2実施形態]
図12〜
図20は、本発明の第2実施形態に係るソール構造用部材10およびそれを製造するための金型装置30を示す。第2実施形態では、第1実施形態と比較して、ソール構造用部材10および金型装置30の構成が異なっている。なお、第2実施形態に係るソール構造用部材10および金型装置30の他の構成は、第1実施形態に係るソール構造用部材10および金型装置30の構成と同様である。このため、以下の説明では、
図1〜
図11と同じ部分について同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0073】
図12および
図13は、第2実施形態に係るソール構造用部材10を適用したシューズ1の全体を示す。このシューズ1は、例えばランニング、球技等の各種競技におけるスポーツ用シューズ、日常使用のスニーカー、リハビリ用シューズに適用される。
【0074】
シューズ1は、ソール構造2を備えている。ソール構造2は、ミッドソール3およびアウトソール4を有している。アウトソール4,4は、前側アウトソール部5および後側アウトソール部6からなる。前側アウトソール部5および後側アウトソール部6は、足長方向において互いに間隔をあけて配置されている。
【0075】
第2実施形態に係るソール構造用部材10は、シューズ1において着用者の足の中足部(主にアーチ部)を支持するためのシャンクプレートとして構成されている。具体的に、ソール構造用部材10は、ミッドソール3の下側に配置され、かつ足長方向における前側アウトソール部5と後側アウトソール部6との間に配置されている。なお、
図12および
図13に示したシューズ1は、ソール構造用部材10の表面が外部に露出するように構成されている。
【0076】
図17に示すように、ソール構造用部材10は、第1部材11および第2部材21を備えている。
【0077】
(第1部材)
第1部材11は、第1の樹脂材からなる。なお、第1の樹脂材については、上記第1実施形態と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
【0078】
(第1本体部)
図12〜
図17に示すように、第1部材11は、第1本体部12を有している。第1本体部12は、略板状に形成されている。第1本体部12は、上面12aおよび下面12bを含む。第1本体部12は、ソール構造用部材10をシューズ1に適用した場合において、着用者の足の中足部に対応する位置に配置されかつ下面12bが地面または路面と対向するように構成されている。
【0079】
(第1リブ部)
第1部材11は、複数の第1リブ部15,15,…を有している。各第1リブ部15は、第1の樹脂材からなる。各第1リブ部15は、第1本体部12と一体形成されている。各第1リブ部15は、第1本体部12の下面12bから下方に向かって突出している(
図13および
図15を参照)。各第1リブ部15は、ソール構造用部材10をシューズ1に適用した場合において、着用者の足の足長方向または足幅方向に沿って延びている。
【0080】
(凹部)
図14〜
図16に示すように、第1部材11は、有底状の凹部16,16,…を有している。凹部16,16,…は、第1本体部12の下面から下方に向かって凹陥状に形成されている。凹部16,16,…は、第1リブ部15の位置と上下方向に重なるように配置されている。具体的に、各凹部16は、各第1リブ部15と上下方向に重なる部分が足長方向または足幅方向に沿って延びている。
【0081】
(選択群)
第2実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、凹部16,16,…の構成が互いに異なるように予め成形された複数種類の第1部材11,11,…により構成される選択群が設けられている。第2実施形態では、選択群からパターンCの第1部材11Cが選択された場合(
図13〜
図17を参照)と、選択群からパターンDの第1部材11Dが選択された場合(
図18〜
図20を参照)とのそれぞれを例示する。なお、上記選択群には、パターンCおよびパターンD以外にも、予め成形された複数種類の第1部材11が含まれているものとする。
【0082】
(パターンCの第1部材)
図13〜
図17に示すように、パターンCの第1部材11Cは、4つの第1リブ部15a〜15dおよび3つの凹部16a〜16cを有している。第1リブ部15aおよび第1リブ部15bの各々は、足長方向に沿って延びている。第1リブ部15aは、内甲側寄りに配置されている。第1リブ部15bは、外甲側寄りに配置されている。第1リブ部15cおよび第1リブ部15dの各々は、足幅方向に沿って延びている。第1リブ部15cは、第1リブ部15dよりも後方に配置されている。
【0083】
凹部16aは、第1リブ部15aと上下方向に重なる位置に配置されている。凹部16bは、第1リブ部15bと上下方向に重なる位置に配置されている。凹部16cは、第1リブ部15cと上下方向に重なる位置に配置されている。なお、第1部材11Cにおいて、第1リブ部15dと上下方向に重なる位置には、凹部16が配置されていない。
【0084】
(パターンDの第1部材)
図18〜
図20に示すように、パターンDの第1部材11Dは、4つの第1リブ部15e〜15hおよび4つの凹部16e〜16hを有している。第1リブ部15eおよび第1リブ部15fの各々は、足長方向に沿って延びている。第1リブ部15eは、内甲側寄りに配置されている。第1リブ部15fは、外甲側寄りに配置されている。第1リブ部15gおよび第1リブ部15hの各々は、足幅方向に沿って延びている。第1リブ部15gは、第1リブ部15hよりも後方に配置されている。そして、第1リブ部15e〜15hは、各々の幅が、パターンCにおける第1リブ部15a〜15dの各々の幅よりも太くなるように形成されている。
【0085】
凹部16eは、第1リブ部15eと上下方向に重なる位置に配置されている。凹部16fは、第1リブ部15fと上下方向に重なる位置に配置されている。凹部16gは、第1リブ部15gと上下方向に重なる位置に配置されている。凹部16hは、第1リブ部15hと上下方向に重なる位置に配置されている。そして、凹部16e〜16hは、各々の幅が、パターンCにおける凹部16a〜16dの各々の線幅よりも太くなるように形成されている。
【0086】
このように、パターンCの第1部材11とパターンDの第1部材11とは、各々における凹部16,16,…の構成が互いに異なるように予め成形されている。
【0087】
(第2部材)
図17に示すように、第2部材21は、複数の枝部24,24,…により構成されている。枝部24,24,…は、上記第1実施形態と同様に、ソール構造用部材10の成形時において第1部材11の凹部16に対応する位置(流路部37)に充填された第2の樹脂材からなる。枝部24,24,…は、第1部材11と第2部材21とが一体形成された状態において第1部材11の凹部16,16,…に対応する位置に配置されている。なお、第2の樹脂材については、上記第1実施形態と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
【0088】
(金型装置)
次に、ソール構造用部材10は、例えば
図14〜
図17に示した金型装置30を用いて射出成形により製造される。第2実施形態において、成形部36(下側金型31に設けられたキャビティ33)は、第1部材11を収容可能な収容部34からなる。そして、
図16に示すように、成形部36には、流路部37が形成されている。なお、金型装置30における他の構成は、上記第1実施形態と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
【0089】
(ソール構造用部材の製造方法)
第2実施形態に係るソール構造用部材10の製造方法は、上記第1実施形態と同様に、主に(1)少なくとも1つの第1部材11を選択する工程、(2)インサート工程、および(3)成形工程を有している。上記(1)〜(3)の工程については、上記第1実施形態と同様であるため、その詳細な説明を省略する。なお、
図17については、第2部材21を第1部材11および金型装置30と区別して示すために、第2部材21に対して第1部材11のドットよりも細かいドットによるハッチングを付している。
【0090】
[第2実施形態の作用効果]
以上のように、第2実施形態であっても、上記第1実施形態と同様に、1つの金型装置30を用いて剛性が異なる複数種類のソール構造用部材10を製造することが容易となり、着用者における個々人の特性や好みに適した剛性を有する複数種類のソール構造用部材10を容易に提供することができる。
【0091】
また、第2実施形態において、第1部材11は、ソール構造用部材10がシューズ1のソール構造2に用いられた状態において、凹部16がシューズ1を着用した着用者の足の中足部に対応する位置に位置するように構成されている。かかる構成により、シューズ1のソール構造2において着用者の足の中足部(例えば土踏まず部分)に対応する位置の剛性を高めるためのソール構造用部材10を容易に製造することができる。
【0092】
また、第2実施形態において、パターンDによる第1部材11Dを備えたソール構造用部材10では、パターンCによる第1部材11Cを備えたソール構造用部材10と対比して第2部材21の枝部24,24,…の数量が多くかつ枝部24,24,…の幅が大きくなるように形成されている。このため、第1部材11Dを備えたソール構造用部材10は、第1部材11Cを備えたソール構造用部材10よりも相対的に屈曲剛性が高められている。
【0093】
[第2実施形態の変形例]
上記第2実施形態において、4つの第1リブ部15a〜15dを有するパターンCの第1部材11Cを用いた形態を示したが、
図21に示した変形例のように、例えば第1リブ部15dが設けられていない第1部材11Cを用いてもよい。
【0094】
かかる変形例では、第1リブ部15dが設けられていた位置において、金型装置30の収容部34(成形部36)における第1本体部12の下面12bと下側金型31の上面31aと間に空間が生じてしまう。しかしなから、上記空間は、第2の樹脂材を注入するための部分ではないことから、第1部材11Cと第2部材21とを成形する際に影響は生じない。
【0095】
以上のように、上記第2実施形態において、原則としては第1部材11が下側金型31の収容部34(成形部36)と同じ外形となっているのが好ましいが、第1部材11が収容部34(成形部36)に収容可能な形状になっていれば、第1部材11の外形が部分的に異なる形状(第1リブ部15の突出高さが異なる、第1リブ部15の一部が貫通しているなど)となっていても、成形時において特に問題は生じない。なお、このことは、上記第1実施形態についても同様である。
【0096】
[その他の実施形態]
上記各実施形態では、第2の樹脂材が第1の樹脂材の剛性よりも高い剛性を有する形態を示したが、この形態に限られない。すなわち、第2の樹脂材が第1の樹脂材の剛性よりも低い剛性を有する形態であってもよい。要は、第2の樹脂材が第1の樹脂材の剛性と異なる剛性を有していればよい。
【0097】
また、上記各実施形態では、凹部16が、第1本体部12の上面12aから下方に向かって凹陥状に形成された形態を示したが、この形態に限られない。すなわち、凹部16は、第1本体部12の下面12bから上方に向かって凹陥状に形成されていてもよい。
【0098】
また、上記各実施形態では、第1部材11に有底状の凹部16を設けた形態を示したが、この形態に限られない。例えば、
図22および
図23に示すように、凹部16に代えて、第1本体部12の上面12aから下面12bに亘って貫通する孔部19を第1部材11に形成してもよい。かかる形態であっても、上側金型32が下側金型31に重ね合わされた状態において、第1部材11の各孔部19と成形部36の内壁面(すなわち、下側金型31の上面31aおよび上側金型32の下面32a)とにより囲われた略トンネル状の空間からなる各流路部37が形成されるようになる。そして、ソール構造用部材10の成形時において、上記ゲート部から注入された第2樹脂材が各流路部37に流れるようになる。これにより、上記各実施形態と同様の作用効果を奏し得る。
【0099】
上記各実施形態の金型装置30として、上側金型32が下側金型31に対して上下可動する形態のみを示したが、この形態に限られない。例えば、金型装置30は、下側金型31が上側金型32に対して上下可動するように構成されていてもよい。あるいは、上側金型32が下側金型31に対して前後方向または左右方向に可動するように構成されていてもよい。
【0100】
また、上記各実施形態の製造方法として、射出成形によりソール構造用部材10を得る方法を示したが、この方法に限られない。例えば、金型装置30と同形状の成形品が得られるポリウレタンの注型成形などによりソール構造用部材10を製造してもよい。なお、注型成形によりソール構造用部材10を製造する場合において、発泡等により脱型後に明らかに膨張するような成形方法および材料は適していない。
【0101】
また、上記第1実施形態のようにソール構造用部材10をシューズのアウトソールとして適用した場合または上記第2実施形態のようにソール構造用部材10をシューズのシャンクプレートとして適用した場合において、ソール構造用部材10の表面がシューズの外部に露出するような形態を示したが、この形態に限られない。例えば、上記各実施形態にいて、ソール構造用部材10における表面の少なくとも一部が、図示しないミッドソール等の緩衝部材により覆われていてもよい。
【0102】
以上、本発明についての実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態のみに限定されず、発明の範囲内で種々の変更が可能である。