(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0011】
(全体構成)
本実施形態に係る制御支援システムの全体構成について説明する。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係る制御支援システムは、機器3を対象として制御支援を行うシステムであり、制御支援装置1、運用管理端末2、運用監視端末4を備える。本実施形態においては、制御支援システムが利用される状況として、運用現場A〜運用現場Cを想定し、各運用現場においては、複数の機器3と、これらの機器3の運用を管理する管理者が用いる運用管理端末2とが設置されるものとする。また、運用現場A〜Cのいずれかにおける機器3の運用状況を監視する監視者が用いる運用監視端末4が運用現場A〜Cとは異なる場所に設置されるものとする。また、機器3を製造する製造施設には、機器3の製造に係る各工程を管理する管理者が用いる製造管理端末5が設置されているものとする。
【0013】
管理者としては、ビル内に設けられた設備機器を管理する者が挙げられ、監視者としては、ビルのオーナーやビルを対象とした保険を扱う保険会社など、設備機器を管理しないが設備機器の状況を必要とする者が挙げられる。制御支援装置1、運用管理端末2、機器3、運用監視端末4、製造管理端末5は、いずれもネットワークに接続されており、制御支援装置1は、運用管理端末2、機器3、運用監視端末4、製造管理端末5とネットワークを介して接続されているものとする。
【0014】
機器3のそれぞれは、機器3の状態を検知するためのセンサを備えるものとし、運用現場A〜Cのそれぞれには、機器3の運用に関連する運用現場の状態を検知するためのセンサが設置されているものとする。これらのセンサについても、運用管理端末2を経由して、または直接に、ネットワークを介して制御支援装置1と接続されているものとする。
【0015】
運用管理端末2、運用監視端末4、製造管理端末5は、それぞれのユーザを示すIDと認証情報により制御支援システムにログイン可能となっており、また、運用管理端末2と、この運用管理端末2が設置される運用現場において運用される機器3とが予め対応付けられるものとする。
【0016】
(制御支援装置の構成)
制御支援装置のハードウェア構成、機能構成について説明する。
図2、
図3は、それぞれ、実施形態に係る制御支援装置のハードウェア構成、機能構成を示すブロック図である。
【0017】
図2に示すように、制御支援装置1は、ハードウェアとして、CPU(Central Processing Unit)11、RAM(Random Access Memory)12、記憶装置13、入出力I/F(Interface)14、ネットワークI/F15を備える。CPU11及びRAM12は協働して各種機能を実行し、記憶装置13は各種機能により実行される処理(制御支援プログラム)に用いられる各種データを記憶する。入出力I/F14は、制御支援装置1に接続されるキーボードなどの入力装置やディスプレイなどの出力装置とのデータの入出力を行う。ネットワークI/F15は、運用管理端末2、機器3、運用監視端末4などの他の装置の有線通信または無線通信を行う。本実施形態においては、運用管理端末2、運用監視端末4、製造管理端末5は制御支援装置1と略同様のハードウェア構成であるものとし、よって説明を省略する。
【0018】
図3に示すように、制御支援装置1は、機能として、取得部101、管理部102、分析部103、生成部104、送信部105、提示部106、評価部107を備える。取得部101は、ネットワークを介して、後述する内部情報、外部情報、検知情報を取得する。管理部102は、後述する内部情報DB(DataBase)、外部情報DB、検知情報DB、ログ情報DBを管理する。分析部103は、管理部102により管理される各種情報に基づいて、対象とする機器3の運用状況を例えばAI(Artificial Intelligence)などを用いて分析する。生成部104は、分析部103による分析結果に基づいて、機器3を制御するための制御情報を生成する。送信部105は、生成部104により生成された制御情報を対象とする機器3へ送信する。提示部106は、運用管理端末2を利用する管理者、運用監視端末4を利用する監視者に対して、分析部103による分析結果、生成部104により生成された制御情報についての情報を提示する。評価部107は、運用管理端末2からの入力に基づいて、分析部103による分析結果、生成部104により生成された制御情報について評価点を付与する。
【0019】
(内部情報)
内部情報DBに蓄積される内部情報について説明する。
図4は、設計仕様情報を示す図である。
【0020】
内部情報は、分析及び制御支援を行う対象としての機器3について、この機器3の製造者により提供される情報であり、例えば、設計仕様情報、製造過程情報、流通後情報などが挙げられる。設計仕様情報は、設計技術者により定められる情報であり、機器3の機種に対して、使用条件、詳細な閾値などが対応付けられる。製造過程情報は、機器3の機種に対して、各製造工程における情報、試験情報、製造装置における各種センサデータなどのトレーサビリティ情報などが対応付けられる。流通後情報は、機器3が市場に流通された後に、機器3の製造者が把握可能な情報であり、機器3の機種、更には機器3の製造ラインに対して、不良品情報、故障情報、補修情報、クレーム情報などが対応付けられる。
【0021】
機器3の機種としては、同一の構成である機器3毎に分類する「型番」、同一の設計手法が用いられた機器3毎に分類する「系(製品名)」などが挙げられる。内部情報に含まれる各情報は、製造管理端末5の記憶装置に蓄積され、制御支援装置1の取得部101によりネットワークを介して取得されるものとする。
【0022】
図4に示すように、設計仕様情報においては、機器3の種別を示す製品カテゴリ、機器3の系を示す製品名、機器3の型番、機器3の製造年、所定の閾値を示す条件、条件の区分を示す項目、条件が満たされた場合の動作、対応する条件下において望まれる動作についての設計者によるコメントを示す設計コメントが対応付けられる。例えば、設計仕様情報には、エスカレータであるCCC系のBについて、輸送人数が900名/10分間以上である場合、乗降口のスピーカからアナウンスを出力する、本機器が複数台設置されている建物であれば他のエスカレータを同じ方向に動くように制御させる旨を示す情報が含まれる。更に、CCC系のBについて、輸送人数が1200名/10分間以上である場合、コントロールセンターに警告を通知し動作を停止させる旨を示す情報が含まれる。また、ロボット掃除機である掃除機AAAのAについて、その機体内温度が55度以上となった場合に動作を停止させる旨を示す情報が含まれる。
【0023】
(外部情報)
外部情報DBに蓄積される外部情報について説明する。
図5は、製品仕様情報を示す図である。
図6は、計画的イベント情報を示す図である。
図7は、突発的イベント情報を示す図である。
【0024】
外部情報は、機器3の運用現場の管理者が把握可能な情報であり、例えば、製品仕様情報、計画的イベント情報、突発的イベント情報、SNS(Social Networking Service)情報などが挙げられる。製品仕様情報は、インターネット上で公開される製品仕様である。計画的イベント情報は、展示博覧会、スポーツ大会、コンサート、お祭り、SALEなどの運用現場において計画的に行われるイベントに関する情報であり、例えば、運用管理端末2において入力される。突発的イベント情報は、気候などの運用現場の管理者によりコントロールできないイベントに関する情報であり、インターネット上で公開される情報が用いられる。製品仕様情報、突発的イベント情報、SNS情報については、ウェブスクレイピングなどの既知の手法により制御支援装置1の取得部101により取得されるものとし、計画的イベント情報については、運用管理端末2に入力された後、取得部101によりネットワークを介して取得されるものとする。
【0025】
図5に示すように、製品仕様情報においては、機器3の種別を示す製品カテゴリ、機器3の系を示す製品名、機器3の型番、所定の閾値を示す条件、条件の区分を示す項目が対応付けられる。例えば、製品仕様情報には、エスカレータであるCCC系のBについて、輸送人数は1000名/10分間までである旨を示す情報や、ロボット掃除機である掃除機AAAのA、掃除機BBBのDのそれぞれについて、稼働温度は0度以上50度以内である旨を示す情報が含まれる。
【0026】
図6に示すように、計画的イベント情報においては、会場、場所・フロア、予定カテゴリ、開始日時、終了日時、開場日時、閉場日時、清掃開始日時、人数、地域が対応付けられる。計画的イベント情報には、例えば、2019年3月1日(金)の10:00~12:00に、東京都港区の××ビル3Fの○○ホールにおいて、3000名が集う講演会があり、会場時間9:30、閉場時間が12:30、清掃開始時間14:00である旨の情報が含まれる。
【0027】
図7に示すように、突発的イベント情報においては、地域、日、複数の時間帯が対応付けられる。突発的イベント情報には、例えば、東京都港区において、6:00‐12:00、12:00‐18:00、18:00‐24:00のそれぞれの時間帯における天候は、晴れ、雨、雪である旨を示す情報が含まれる。
【0028】
(検知情報)
検知情報DBに蓄積される検知情報について説明する。
図8は、エスカレータに関する機器検知情報を示す図である。
図9は、エスカレータに関する状況検知情報を示す図である。
図10は、ロボット掃除機に関する機器検知情報を示す図である。
図11は、ロボット掃除機に関する状況検知情報を示す図である。
【0029】
検知情報は、機器3に備えられたセンサによる測定値を含む機器検知情報と、機器の運用現場に設置されたセンサによる測定値を含む状況検知情報とを含む。機器検知情報に含まれる測定値としては、例えば、温度、振動、角速度、画像、音声などが挙げられる。状況検知情報に含まれる測定値としては、運用現場としての機器3が配される施設への訪問者数、施設における気温、施設で使用される電力使用量などが挙げられる。
【0030】
図8、
図10に示すように、機器検知情報においては、個々の機器3を一意に示す機器ID、製品名、型番、測定時点を示す日時、測定値が対応付けられる。例えば、エスカレータに関する機器検知情報には、
図8に示すように、10分間当たりの施設への訪問者数が時系列データとして蓄積され、ロボット掃除機に関する機器検知情報には、
図10に示すように、機体外温度と、機体内温度とが時系列データとして蓄積される。
【0031】
図9、
図11に示すように、状況検知情報においては、測定時点を示す日時、測定値、場所または地域が対応付けられる。例えば、エスカレータに関する状況検知情報には、
図9に示すように、運用現場としてのビルへの入館人数が時系列データとして蓄積され、ロボット掃除機に関する状況検知情報には、
図11に示すように、運用現場が位置する地域の気温が時系列データとして蓄積される。
【0032】
(全体動作)
制御支援装置の全体動作について説明する。
図12は、制御支援装置の全体動作を示すフローチャートである。なお、制御支援装置においては、上述した各種情報が所定の時間周期で取得されているものとする。
【0033】
図12に示すように、まず、分析部103は、取得部101により取得された各種情報に基づいて、分析開始条件が満たされたか否かを判定する(S101)。ここで、分析開始条件とは、後述する分析処理を開始するための条件であり、例えば、以前になされた分析結果により設定される。なお、制御支援装置1の稼働時には、無条件に分析処理が実行されるようにしても良い。分析開始条件としては、例えば、現在日時が計画的イベント情報に含まれる日時に達したか否か、過去の測定値と比較して突出した測定値が検出されたか否か、などが挙げられる。
【0034】
分析開始条件が満たされた場合(S101,YES)、分析部103が、分析開始条件に関連する機器3を対象機器として、この対象機器の運用状況を分析して分析情報を生成する分析処理を実行し(S102)、生成部104が、対象機器についての分析情報に基づいて、対象機器を制御するための制御情報を生成する生成処理を実行し(S103)、評価部104が、分析情報及び制御情報を評価する評価処理を実行する(S104)。一方、分析開始条件が満たされない場合(S101,NO)、分析部103は、再度、分析開始条件が満たされたか否かを判定する(S101)。なお、分析情報とこれに基づく制御情報は、対象機器と対応付けられて、ログ情報としてログ情報DBに蓄積される。
【0035】
(分析処理)
分析処理の動作について説明する。
図13は、分析処理の動作を示すフローチャートである。なお、本実施形態において、全ての機器が何らかの外部情報、検知情報を有しているものとし、内部情報、ログ情報については、これらを有している機器と有していない機器が混在しているものとする。
【0036】
図13に示すように、まず、分析部103は、対象機器についての内部情報が存在するか否かを判定する(S201)。ここで、分析部103は、例えば、設計仕様情報に対象機器と同一の型番の機器3に関する情報が含まれているかを判定する。
【0037】
対象機器についての内部情報が存在しない場合(S201,NO)、分析部103は、対象機器についてのログ情報が存在するか否かを判定する(S202)。
【0038】
対象機器についてのログ情報が存在しない場合(S202,NO)、分析部103は、対象機器と類似する他の機器3についてのログ情報を分析対象に追加する(S203)。ここで、類似する他の機器3とは、対象機器とその外部情報が類似する機器3である。
【0039】
次に、分析部103は、対象機器についての外部情報及び検知情報を分析対象に追加し(S204)、分析対象に含まれる全ての情報に基づいて、対象機器の運用状況の分析結果を示す分析情報を生成する(S205)。
【0040】
また、ステップS202において、対象機器についてのログ情報が存在する場合(S202,YES)、分析部103は、対象機器についてのログ情報を分析対象に追加し(S206)、対象機器についての外部情報及び検知情報を分析対象に追加する(S204)。
【0041】
また、ステップS201において、対象機器についての内部情報が存在する場合(S201,YES)、分析部103は、対象機器についての内部情報を分析対象に追加し(S207)、対象機器についてのログ情報が存在するか否かを判定する(S208)。
【0042】
対象機器についてのログ情報が存在しない場合(S208,NO)、分析部103は、対象機器とその内部情報が類似する他の機器3についてのログ情報を分析対象に追加し(S209)、対象機器についての外部情報及び検知情報を分析対象に追加する(S204)。
【0043】
一方、対象機器についてログ情報が存在する場合(S208,YES)、分析部103は、対象機器についてのログ情報を分析対象に追加し(S210)、対象機器についての外部情報及び検知情報を分析対象に追加する(S204)。
【0044】
このように、対象機器についての情報が欠けている場合に外部情報が類似する他の機器3についての情報を分析対象に追加することによって、運用状況の分析に必要な情報を補うことができる。
【0045】
(生成処理)
生成処理の動作について説明する。
図14は、生成処理の動作を示すフローチャートである。
【0046】
図14に示すように、まず、生成部104は、対象機器についての内部情報が存在するか否かを判定する(S301)。
【0047】
対象機器についての内部情報が存在しない場合(S301,NO)、生成部104が、分析部103により生成された対象機器についての分析情報に基づいて、複数の制御情報候補、または対象機器の制御に要する情報を入力するための入力項目を生成し、提示部106が、対象機器を管理する運用管理端末2を介して、複数の制御情報候補または入力項目を分析情報に示される分析結果とともに管理者に提示する(S302)。ここで、制御情報候補は、対象機器と外部情報が類似する機器3の内部情報に基づいて生成される。
【0048】
次に、生成部104は、複数の制御情報候補または入力項目の提示に対して、ユーザ入力がなされたか否かを判定する(S303)。ここで、生成部104は、運用管理端末2において、複数の制御情報候補のうちいずれかの制御情報候補の選択、または入力項目への入力がなされた場合にユーザ入力がなされたものと判定する。
【0049】
ユーザ入力がなされた場合(S303,YES)、生成部104が選択された制御情報候補または入力項目に入力されたパラメータと分析情報とに基づいて制御情報を生成し(S304)、送信部105が制御情報を対象機器へ送信し(S305)、管理部102が対象機器について分析情報と制御情報とを対応付け、ログ情報としてログ情報DBに蓄積する(S306)。
【0050】
一方、ユーザ入力がなされない場合(S303,NO)、生成部104は、再度、ユーザ入力がなされたか否かを判定する(S303)。
【0051】
また、ステップS301において、対象機器についての内部情報が存在する場合(S301,YES)、生成部104が対象機器についての内部情報と分析情報とに基づいて制御情報を生成し(S307)、送信部105が制御情報を対象機器へ送信する(S305)。
【0052】
このように、類似する他の機器3の内部情報または入力されたパラメータと分析情報とに基づく制御情報とを生成することによって、内部情報を欠く対象機器に対する制御情報を生成することができる。また、このような制御情報を含むログ情報が以降の分析処理に用いられることによって、制御情報による制御精度を向上させることができる。
【0053】
(評価処理)
評価処理について説明する。
図15は、評価処理の動作を示すフローチャートである。
【0054】
図15に示すように、まず、評価部107は、対象機器を管理する運用管理端末2を介して、分析情報により示される対象機器の運用情報に対する分析と、制御情報に基づく対象機器の制御とに対する評価として、評価点の入力を管理者に催し(S401)、評価点が入力されたか否かを判定する(S402)。
【0055】
評価点が入力された場合(S402,YES)、評価部107は、ログ情報DBにおける対象機器についてのログ情報に評価点を付加する(S403)。
【0056】
一方、評価点が入力されない場合(S402,NO)、評価部107は、再度、評価点が入力されたか否かを判定する(S402)。
【0057】
このように、ログ情報に評価点を付加することによって、分析処理に用いられるログ情報に対して優先度を設定することができる。
【0058】
(第1の具体例)
制御支援システムによる対象機器がエスカレータである場合の具体例について説明する。
【0059】
東京都港区の建物(××ビル)に設置されたエスカレータである2台のCCC系の型番Bを対象機器として想定する。このエスカレータが備えるセンサの測定値が機器検知情報として取得され、建物の入館口に設置された入館人数をカウントするセンサの測定値が状況検知情報として取得されるものとする。
【0060】
また、建物のホールにおいて開催されるイベントについての計画的イベント情報が外部情報DBに含まれるものとする。この計画的イベント情報には、例えば、2019年3月1日(金)の10:00‐12:00の時間帯に3000名が集う講演会があり、その開場時刻は9:30、閉場時刻は12:30であることが示される(
図6)。
【0061】
分析部103は、計画的イベント情報のうち、「開場時刻9:30」をトリガとして、××ビルに設置されたCCC系の型番Bを対象機器とした分析処理を実行する。この対象機器は、内部情報としての設計仕様情報を有しており、この設計仕様情報には、
図4に示すように、輸送人数が900名/10分間を超えると、エスカレータの乗降口にあるスピーカからアナウンスを出力させること、エスカレータが複数台設置されている建物であれば、他のエスカレータを同じ方向に動くよう制御させること、また、1200名/10分間を超えると、コントロールセンターに警告を通知し動作を停止させること、が示される。
【0062】
この建物に設置された2台のエスカレータは、それぞれ、機器IDが1,2であり、通常、エスカレータ(機器ID1)は上昇方向に動作し、エスカレータ(機器ID2)は下降方向に動作しているものとする。分析部103は、
図8に示される機器検知情報における輸送人数の推移と、
図9に示される状況検知情報における入館人数の推移とに基づいて、エスカレータ(機器ID1,2)の運用状況を分析する。
【0063】
機器検知情報によれば、9:40の時点では、エスカレータ(機器ID1)の人数は400名/10分間であり、状況検知情報によれば、同時刻の入館人数は1200名/10分間を超えていることがわかる。これらの検知情報から、分析部103は、数分後にエスカレータ(機器ID1)に人が集中することを予測し、また、設計仕様情報から、エスカレータ(機器ID1)が停止される可能性を予測する。また、分析部103は、エスカレータ(機器ID2)の輸送人数が比較的少ないことを把握する。分析部103は、このような分析結果を分析情報として生成する。
【0064】
生成部104は、分析部103により生成された分析情報に基づいて、9:45の時点で、エスカレータ(機器ID2)を対象機器として、エスカレータ(機器ID1)と同じ方向(上昇方向)に制御する制御情報を生成する。講演会開始時刻10:00を経過後、入館人数は激減するため、生成部104は、エスカレータ(機器ID2)を通常動作(下降方向)に戻す制御情報を生成する。また、生成部104は、講演会終了時刻12:00になると、エスカレータ(機器ID1)を対象機器として、エスカレータ(機器ID2)と同じ方向(下降方向)に動作する制御情報を生成する。
【0065】
(第2の具体例)
制御支援システムによる対象機器がロボット掃除機である場合の具体例について説明する。
図16は、制御支援システムが適用されないロボット掃除機の動作を示す概略図である。
図17は、制御支援システムが適用されるロボット掃除機の動作を示す概略図である。
【0066】
上述のエスカレータが設置された××ビルで運用されるロボット掃除機である掃除機BBBの型番Bを対象機器として想定する。このロボット掃除機(以下、ロボット掃除機B)が備える内部温度センサ、外部温度センサのそれぞれの測定値が機器検知情報として取得され、××ビルが位置する地域に設置される温度センサの測定値が状況検知情報として取得されるものとする。また、ロボット掃除機Bは、計画的イベント情報に示される講演会が行われるフロアにおいて稼働されるものとする。
【0067】
このロボット掃除機Bは、
図6に示すように、講演会の閉場後、フロアの掃除を14:00に開始する。
図10に示すように、機器検知情報として、ロボット掃除機Bの機体外温度と機体内温度とが1分毎に取得されるとともに、
図11に示すように、状況検知情報として、××ビルが位置する地域(東京都港区)の気温が1分毎に取得される。分析部103は、機器検知情報に含まれる14:32に測定された機体外温度が他の時刻よりも突出していることをトリガとして分析処理を開始する。
【0068】
分析部103は、
図7に示される突発的イベント情報、
図11に示す状況検知情報から、突出した機体外温度が測定された時刻における××ビルの気温に変動がなく、該当する時間帯における天気が雨であること、また、機体内温度の上昇と比較して、機体外温度が大きく上昇していることから、ロボット掃除機Bに異常が生じている、具体的には、
図16に示すように、ロボット掃除機Bが熱源Hに接近中であることを推定する。
【0069】
また、分析部103は、ロボット掃除機Bについて、内部情報としての設計仕様情報が存在しないため、外部情報としての製品仕様情報(
図5)を参照し、更に、ロボット掃除機Bと製品仕様情報が類似するロボット掃除機である掃除機AAAのA(以下、ロボット掃除機A)の設計仕様情報を参照する(
図4)。ロボット掃除機Aの設計仕様情報には、内部温度が55度を超えると自動停止することが示される。これらの情報から、分析部103は、ロボット掃除機Bが直進し続けた場合にはロボット掃除機Bが自動停止することを示す分析情報を生成する。
【0070】
生成部104は、分析情報と、複数の制御情報候補(停止、180度方向転換、後進など)または制御に必要となるパラメータの入力項目を生成し、提示部106が、複数の制御情報候補または入力項目をロボット掃除機Bに対応する運用管理端末2に提示する。運用管理端末2により制御情報候補の選択、または入力項目へのパラメータの入力がなされた場合、生成部104は、選択された制御情報候補、または入力されパラメータに基づく制御情報を生成し、送信部105がこの制御情報をロボット掃除機Bへ送信する。例えば、制御情報候補として180度方向転換が選択されると、
図17に示すように、ロボット掃除機Bが熱源Hとは逆方に方向転換し、熱源Hへの接近、延いては、ロボット掃除機Bの自動停止や、ロボット掃除機Bが熱源Hと接触した場合に起こりうる事故を回避することができる。
【0071】
(制御支援システムの運用例)
制御支援システムの運用例について説明する。
図18は、制御支援システムによる機器の運用例を示す概略図である。
【0072】
図18には、複数の運用現場(Edge)のうち、複数の運用管理端末2が設置される運用現場と接続される制御支援装置1が示される。複数の運用管理端末2は、それぞれ、複数の機器群と接続され、1grpの機器群は制御支援システムを運用する企業により製造された機器3である自社製機器3aが複数含まれ、2grp、3grpの機器群は、他の企業により製造された機器3である他社製機器3bが複数含まれるものとする。
【0073】
制御支援装置1において、分析部103は、自社製機器3aについてはこの自社製機器3aに関する内部情報を含む情報群に基づいて、その運用状況についての分析を行い、他社製機器3bについてはこの他社製機器3bに関する内部情報が管理部102により保持されていないため、内情情報を含まない情報群(イベント情報などの外部情報)に基づいて、その運用状況についての分析を行う。
【0074】
生成部104は、分析部103による分析によって生成された分析情報に基づいて、自社製機器3a、他社製機器3bを制御するための制御情報を生成し、これらの制御情報は、送信部105によって、対応する機器を管理する運用管理端末へ送信される。また、分析情報、制御情報は、ログ情報として蓄積され、以降の分析に利用される。
【0075】
(制御支援システムの適用例)
制御支援システムの適用例について説明する。
図19は、制御支援システムを適用可能な機器を示す概略図である。
【0076】
上述した実施形態においては、機器3として、エスカレータ、ロボット掃除機を例として説明をしたが、制御支援システムによる制御支援を行う機器3としては、
図19に示すように、有人自動車のカーナビゲーション装置31、無人自動車32、空調などのビル設備33、街灯34、ドローン(無人航空機)35、エレベータ36、工場の生産設備37など、あらゆる機器3が考えられる。
【0077】
ここで、カーナビゲーション装置31が対象機器とした場合、運用管理端末2としてナビゲーション装置31における一機能として実現されることが考えられ、無人自動車(タクシー、バス、トラックなど)32を対象機器とした場合、運用管理端末2として各車の管理会社の管理センターに設置される端末を用いることが考えられる。
【0078】
ビル設備33を管理する運用管理端末2はビル管理センターに設置され、街灯34を管理する運用管理端末2は地方自治体の管理センターに設置され、ドローン35を管理する運用管理端末2はドローンの管理センターに設置されることが考えられる。エレベータ36を対象機器とした場合は、運用管理端末2はビル管理センターに設置され、運用監視端末4は保険会社やエスカレータ保守会社の管理センターに設置されることが考えられ、エスカレータを対象機器とした場合も同様である。
【0079】
本実施の形態において、制御支援プログラムは上述した制御支援装置の内部に予めインストールされているものとして記載したが、本発明における制御支援プログラムは記憶媒体に記憶されたものも含まれる。ここで記憶媒体とは、磁気テープ、磁気ディスク(ハードディスクドライブ等)、光ディスク(CD−ROM、DVDディスク等)、光磁気ディスク(MO等)、フラッシュメモリ等、制御支援装置に対し脱着可能な媒体や、さらにネットワークを介することで伝送可能な媒体等、上述した制御支援装置としてのコンピュータで読み取りや実行が可能な全ての媒体をいう。
【0080】
発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。