特許第6903313号(P6903313)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 岐阜プラスチック工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6903313-折畳み式運搬用容器 図000002
  • 特許6903313-折畳み式運搬用容器 図000003
  • 特許6903313-折畳み式運搬用容器 図000004
  • 特許6903313-折畳み式運搬用容器 図000005
  • 特許6903313-折畳み式運搬用容器 図000006
  • 特許6903313-折畳み式運搬用容器 図000007
  • 特許6903313-折畳み式運搬用容器 図000008
  • 特許6903313-折畳み式運搬用容器 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6903313
(24)【登録日】2021年6月25日
(45)【発行日】2021年7月14日
(54)【発明の名称】折畳み式運搬用容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 6/26 20060101AFI20210701BHJP
   B65D 6/18 20060101ALI20210701BHJP
   B65D 19/18 20060101ALI20210701BHJP
【FI】
   B65D6/26 Z
   B65D6/18 C
   B65D19/18
【請求項の数】2
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-74295(P2017-74295)
(22)【出願日】2017年4月4日
(65)【公開番号】特開2018-177239(P2018-177239A)
(43)【公開日】2018年11月15日
【審査請求日】2020年3月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010054
【氏名又は名称】岐阜プラスチック工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】矢崎 義久
【審査官】 ▲高▼橋 杏子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−153309(JP,A)
【文献】 特開2009−120227(JP,A)
【文献】 特開2009−126574(JP,A)
【文献】 特開2010−202265(JP,A)
【文献】 特開平08−258842(JP,A)
【文献】 特開2002−240867(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 6/00−13/02
B65D 19/00−21/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状の周縁を有した底壁と、前記周縁における一対の第1辺上に立設された第1側壁と、前記周縁における一対の第2辺上に立設された第2側壁とを備える有底箱状を有した本体を備え、各側壁の下端において前記側壁を前記本体の内方に折畳むための側壁回動部を介して前記各側壁が折畳み可能に構成された折畳み式運搬用容器であって、
前記第1辺の延在方向に延びる帯板であって、前記延在方向に延びる回動軸を有した帯板回動部を介して前記第1側壁に回動可能に接続されて、前記内方に配向して前記本体の開口の一部を被覆する被覆位置と、前記本体の上方に配向して前記開口を開放する開放位置とに変位する前記帯板を備え、
前記帯板が前記被覆位置に位置する状態で、前記帯板は、前記各側壁の上端よりも下方に位置し、
前記各第2側壁には、前記内方に突き出た係合部を備え、
前記帯板には、前記本体の外方に突き出た被係合部を備え、前記帯板が前記被覆位置に位置し、かつ、前記第2側壁を前記本体の内方に撓ませる外力が作用する状態で、前記被係合部は、前記係合部の下方に位置する部分を備え
前記各第2側壁の前記上端は、下方に向けて窪む受入部をさらに備え、
前記帯板は、前記延在方向の両端に、前記延在方向に突き出る嵌込部をさらに備え、当該嵌込部は、前記帯板が前記被覆位置に位置する状態で前記受入部に嵌り、
前記受入部は、前記受入部の底面から上方に向けて突き出た凸部を備え、
前記嵌込部は、前記嵌込部の底面に嵌込開口を有した空間を区画し、前記嵌込部が前記受入部に嵌ることに伴い、前記空間に前記凸部を収容し、
前記係合部は、前記凸部において前記内方に突き出た突起であり、
前記被係合部は、前記嵌込開口において当該嵌込開口の内方に突き出た突起である
折畳み式運搬用容器。
【請求項2】
矩形状の周縁を有した底壁と、前記周縁における一対の第1辺上に立設された第1側壁と、前記周縁における一対の第2辺上に立設された第2側壁とを備える有底箱状を有した本体を備え、各側壁の下端において前記側壁を前記本体の内方に折畳むための側壁回動部を介して前記各側壁が折畳み可能に構成された折畳み式運搬用容器であって、
前記第1辺の延在方向に延びる帯板であって、前記延在方向に延びる回動軸を有した帯板回動部を介して前記第1側壁に回動可能に接続されて、前記内方に配向して前記本体の開口の一部を被覆する被覆位置と、前記本体の上方に配向して前記開口を開放する開放位置とに変位する前記帯板を備え、
前記帯板が前記被覆位置に位置する状態で、前記帯板は、前記各側壁の上端よりも下方に位置し、
前記各第2側壁には、前記内方に突き出た係合部を備え、
前記帯板には、前記本体の外方に突き出た被係合部を備え、前記帯板が前記被覆位置に位置し、かつ、前記第2側壁を前記本体の内方に撓ませる外力が作用する状態で、前記被係合部は、前記係合部の下方に位置する部分を備え、前記帯板が前記被覆位置に位置し、かつ、前記各側壁に対する外力が解除されている状態で、前記被係合部は、前記係合部の下方から離れていて、
前記各第2側壁は、前記第1辺の前記延在方向の段差を有した嵌合部をさらに備え、
前記帯板は、前記第1辺の前記延在方向の両端に、前記嵌合部と嵌合可能な被嵌合部を備え、前記被嵌合部は、前記被係合部に対する前記帯板回動部側に位置し、前記帯板が前記被覆位置に位置する状態で、前記嵌合部と嵌合する
畳み式運搬用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折畳むことを可能に構成された折畳み式運搬用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の折畳み式運搬用容器は、例えば、有底箱状を有する本体を備える。本体は、矩形板状を有する底壁と、底壁の周縁に立設された相互に対向する一対の短側壁と、底壁の周縁に立設された相互に対向する一対の長側壁とを備える。各短側壁と各長側壁とは、本体の内方に側壁を折畳むための側壁回動部を介して、折畳み可能に構成されている。折畳み式運搬用容器は、本体の開口を被覆するための帯板をさらに備える。帯板は、本体の開口に形成され、本体の開口の一部を帯板が被覆する被覆位置と、本体の上方に配向して本体の開口を開放する開放位置とに変位するための帯板回動部を介して、短側壁に回動可能に接続されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−205938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
内容物を収容した本体の各長側壁を把持して、この状態で折畳み式運搬用容器を手で持って運ぶとき、本体に収容された内容物の荷重は、本体に捻れを生じさせて、各長側壁を本体の内方に撓ませるように、各長側壁を変形させる場合がある。各長側壁がこのように変形すると、一対の長側壁間での距離は、短側壁の近傍においても縮小し、結果として、帯板の長さを縮小させるような外力が、被覆位置に位置する帯板を開放位置に回動させてしまう。こうした帯板の回動は、各長側壁が変形しやすい折畳み式運搬用容器、すなわち、各長側壁の肉厚が薄い折畳み式運搬用容器において、特に起こりやすい課題でもある。
本発明は、折畳み式運搬用容器を手で持って運ぶときに被覆位置の帯板が開放位置に変位することを抑制可能とした折畳み式運搬用容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための折畳み式運搬用容器は、矩形状の周縁を有した底壁と、前記周縁における一対の第1辺上に立設された第1側壁と、前記周縁における一対の第2辺上に立設された第2側壁とを備える有底箱状を有した本体を備え、各側壁の下端において前記側壁を前記本体の内方に折畳むための側壁回動部を介して前記各側壁が折畳み可能に構成された折畳み式運搬用容器である。この折畳み式運搬用容器は、前記第1辺の延在方向に延びる帯板であって、前記延在方向に延びる回動軸を有した帯板回動部を介して前記第1側壁に回動可能に接続されて、前記内方に配向して前記本体の開口の一部を被覆する被覆位置と、前記本体の上方に配向して前記開口を開放する開放位置とに変位する前記帯板を備え、前記帯板が前記被覆位置に位置する状態で、前記帯板は、前記各側壁の上端よりも下方に位置し、前記各第2側壁には、前記内方に突き出た係合部を備え、前記帯板には、前記本体の外方に突き出た被係合部を備え、前記帯板が前記被覆位置に位置し、かつ、前記第2側壁を前記本体の内方に撓ませる外力が作用する状態で、前記被係合部は、前記係合部の下方に位置する部分を備える。
【0006】
上記構成によれば、第2側壁を本体の内方へ撓ませるような外力が、一対の第2側壁に作用するとき、帯板が備える被係合部の一部分は、第2側壁が備える係合部の下方に位置する。そのため、被覆位置に位置する帯板が、開放位置に向けて回動する前に、帯板が備える被係合部と、第2側壁が備える係合部とが係合して、帯板の回動が抑えられる。結果として、折畳み式運搬用容器を手で持って運ぶときに、被覆位置の帯板が開放位置に変位することが抑えられる。
【0007】
上記折畳み式運搬用容器において、前記各第2側壁は、前記第1辺の前記延在方向の段差を有した嵌合部をさらに備え、前記帯板は、前記第1辺の前記延在方向の両端に、前記嵌合部と嵌合可能な被嵌合部を備え、前記被嵌合部は、前記被係合部に対する前記帯板回動部側に位置し、前記帯板が前記被覆位置に位置する状態で、前記嵌合部と嵌合する構成であってもよい。
【0008】
上記構成によれば、折畳み式運搬用容器を手で持って運ぶとき、第2側壁が備える嵌合部と、帯板が備える被嵌合部とが嵌合して、帯板の回動がさらに抑えられる。なお、上述した外力による第2側壁間での距離の変化は、第1側壁に近い部位ほど小さく、すなわち、帯板回動部に近い部位ほど小さい。この点、嵌合部と被嵌合部との嵌合は、係合部と被係合部との係合よりも、帯板回動部の側で実現される。そのため、嵌合部と被嵌合部との嵌合は、第2側壁間での距離の変化などに対して、係合部と被係合部との係合よりも影響を受け難く、これらの嵌合を維持することが可能でもある。
【0009】
上記折畳み式運搬用容器において、前記各第2側壁の前記上端は、下方に向けて窪む受入部をさらに備え、前記帯板は、前記延在方向の両端に、前記延在方向に突き出る嵌込部をさらに備え、当該嵌込部は、前記帯板が前記被覆位置に位置する状態で前記受入部に嵌り、前記受入部は、前記受入部の底面から上方に向けて突き出た凸部を備え、前記嵌込部は、前記嵌込部の底面に嵌込開口を有した空間を区画し、前記嵌込部が前記受入部に嵌ることに伴い、前記空間に前記凸部を収容し、前記係合部は、前記凸部において前記内方に突き出た突起であり、前記被係合部は、前記嵌込開口において当該嵌込開口の内方に突き出た突起であってもよい。
【0010】
上記構成によれば、帯板が被覆位置に位置する状態では、第2側壁が備える受入部に、帯板が備える嵌込部が嵌る。帯板が備える嵌込部は、第1側壁の延在方向に突き出る形状を有し、第2側壁が備える受入部は、第2側壁の上端で下方に向けて窪む凹状を有する。そのため、帯板が備える嵌込部は、受入部と嵌込部との嵌合によって、第2側壁の上端に沿う方向、すなわち、第1側壁の延在方向と交差する方向で位置決めされる。そして、上述した係合部と被係合部とが、これら受入部と嵌込部とに含まれるため、係合部の位置と、被係合部の位置とは、第1側壁の延在方向と交差する方向でずれ難くなる。結果として、第1側壁の延在方向に係合部が変位することによる上述した効果を、より的確に得ることが可能ともなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】折畳み式運搬用容器の斜視構造を示す斜視図。
図2】帯板が開放位置に位置する折畳み式運搬用容器の斜視構造を示す斜視図。
図3】長側壁、および、帯板の両端における平面構造を示す平面図。
図4】短側壁の端を斜め上方から見た斜視構造を示す斜視図。
図5】帯板の端を斜め下方から見た斜視構造を示す斜視図。
図6】短側壁の突起と、帯板の突起との作用を示す断面図。
図7】短側壁の突起と、帯板の突起との作用を示す作用図。
図8】短側壁の嵌合部と、帯板の被嵌合部との作用を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1から図8を参照して折畳み式運搬用容器の一実施形態を説明する。なお、以下の説明では、組み立てられた状態の折畳み式運搬用容器を基準として高さ方向、および、水平方向を規定している。
【0013】
[本体11]
図1が示すように、折畳み式運搬用容器を構成する本体11は、有底長四角箱状を有している。本体11は、矩形状の周縁を有した合成樹脂製の底壁12を備える。底壁12の周縁は、相互に対向するほぼ四角柱状を有した一対の長側支持辺12Lと、相互に対向するほぼ四角柱状を有した一対の短側支持辺12Sとを備える。本体11は、一対の長側支持辺12Lにおける上端に立設支持された合成樹脂製の一対の長側壁13と、一対の短側支持辺12Sにおける上端に立設支持された合成樹脂製の一対の短側壁14とを備える。短側支持辺12Sの高さは、短側壁14の厚さとほぼ等しい。長側支持辺12Lの高さは、短側壁14の厚さと、長側壁13の厚さとを加えた長さとほぼ等しい。
【0014】
長側支持辺12Lの上端、および、短側支持辺12Sの上端の各々は、複数の側壁回動部13R,14Rを備える。長側壁13の下端は、各側壁回動部13Rを介して、本体11の内方に回動可能に、すなわち、本体11の内方に折畳み可能に、長側支持辺12Lに軸着されている。短側壁14の下端は、各側壁回動部14Rを介して、本体11の内方に回動可能に、すなわち、本体11の内方に折畳み可能に、短側支持辺12Sに軸着されている。長側支持辺12Lは、第1辺の一例であり、短側支持辺12Sは、第2辺の一例である。長側壁13は、第1側壁の一例であり、短側壁14は、第2側壁の一例である。
【0015】
長側壁13の延在方向の両端は、長側壁13の延在方向に貫通する複数の組立孔部13Hを備える。短側壁14の長手方向の両端は、長側壁13の延在方向に沿って外方に突き出た複数の組立突起14Tを備える。短側壁14の各組立突起14Tは、長側壁13の組立孔部13Hに1つずつ嵌め込まれている。立設された各長側壁13と、立設された各短側壁14とは、組立孔部13Hと組立突起14Tとの嵌合と共に、本体11の外方への回動が規制される。また、立設された各長側壁13と、立設された各短側壁14とは、組立孔部13Hと組立突起14Tとの嵌合の解除と共に、本体11の内方に折畳まれる。
【0016】
[帯板20]
長側壁13の上端は、下方に向けて切り欠いた凹状を有する複数の軸支部13Sを備える。各軸支部13Sは、長側壁13の延在方向に所定の間隔を空けて並ぶ。各長側壁13の上端は、別々の帯板20と接続されている。帯板20は、長側壁13の延在方向に延びる帯状を有した帯板本体21を備える。帯板本体21の長手方向の長さは、一対の短側壁14の外面間での距離とほぼ等しい。帯板本体21の短手方向の長さは、一対の長側壁13の内面間での距離の1/3よりも短い。
【0017】
帯板20は、帯板本体21から突き出る複数の帯板回動部22を備える。各帯板回動部22は、長側壁13の延在方向に所定の間隔を空けて並ぶ。各帯板回動部22は、帯板本体21の長手方向に延びる一方の端面から、長側壁13の上端に向けて突き出る形状を有する。相互に隣り合う帯板回動部22の間での距離は、相互に隣り合う軸支部13Sの間での距離とほぼ等しい。
【0018】
帯板本体21の長手方向において、帯板回動部22の幅は、軸支部13Sの幅よりも短い。帯板本体21の短手方向において、帯板回動部22の幅は、軸支部13Sの幅よりも長い。各帯板回動部22は、帯板本体21の長手方向に延びる回動軸22Aを備え、回動軸22Aは、長側壁13の軸支部13Sに軸支されている。帯板20は、軸支部13Sによる回動軸22Aの軸支を通じて、長側壁13の上端に回動可能に接続される。
回動可能に構成された帯板20は、本体11の内方に配向して本体11の開口の一部を被覆する被覆位置(図1が示す位置)と、本体11の上方に配向して本体11の開口を開放する開放位置(図2が示す位置)とに変位する。
【0019】
図3は、折畳み式運搬用容器を上方から見た平面図であって、長側壁13、および、一対の短側壁14と共に帯板20を示す図(左側半分)と、帯板20の一部を取り除いて長側壁13、および、短側壁14のみを示す図(右側半分)を含む。
【0020】
図3が示すように、帯板本体21の長手方向の各端は、帯板本体21の長手方向に突き出る1つの嵌込部40を備える。各短側壁14の上端は、下方に向けて切り欠いた凹状を有する1つの受入部30を備える。受入部30の高さは、軸支部13Sの高さとほぼ同じであり、帯板本体21の厚さよりも大きい。帯板20が被覆位置に位置する状態で、受入部30は、嵌込部40を収容して、帯板20が本体11の内方へさらに回動することを規制する。また、帯板20が被覆位置に位置する状態で、帯板20の最上部位は、長側壁13の上端よりも下方、かつ、短側壁14の上端よりも下方に位置する。すなわち、帯板20が被覆位置に位置する状態で、帯板20は、本体11の内方へさらに回動することを規制され、かつ、底壁12と長側壁13と短側壁14とによって囲まれる空間の内部に位置する。そして、本体11に他の運搬用容器の本体11が積み重ねられた状態では、下側の折畳み式運搬用容器の帯板回動部22が、上側の本体11の底壁12との間に隙間を有するため、帯板20と帯板回動部22とが積み重ねによって損傷することを防止することが可能となる。
【0021】
[受入部30]
図4は、短側壁14の長手方向の端を斜め上方から見た斜視図であって、受入部30の斜視構造を拡大して示す図である。
図4が示すように、受入部30は、短側壁14の上端を下方に向けて切り欠いた凹状を有する。受入部30は、短側壁14の長手方向に並ぶ一対の溝側面に挟まれた溝である。受入部30の底面は、上方に向けて突き出た1つの凸部31を備える。凸部31は、短側壁14の内面と対向する方向から見て、ほぼL字状を有する。凸部31の下部は、受入部30の一方の溝側面に接続され、一方の溝側面から他方の溝側面に向けて延びる。すなわち、凸部31の下部は、受入部30の底面と、受入部30の溝側面とに支持されている。凸部31の上部32は、凸部31の下部から上方に向けて延びる。凸部31の高さは、受入部30の高さよりも短く、帯板本体21の厚さとほぼ等しい。長側壁13の延在方向において、凸部31の長さは、受入部30の長さよりも短い。
【0022】
凸部31の内面は、本体11の内方に向けて突き出た1つの突起33を備える。突起33は、長側壁13の延在方向に沿って本体11の内方に突き出た段差を、凸部31の内面に形成する。突起33は、凸部31の高さ方向の中間に位置し、本体11の内方に向けて突き出た半球状を有する。突起33は、受入部30の底面から離れている。突起33の高さは、凸部31の高さの1/3程度である。長側壁13の延在方向において、突起33の長さは、すなわち、突起33の突き出る量は、突起33が受入部30からはみ出さない程度である。突起33は、係合部の一例である。
【0023】
短側壁14の内面は、長側壁13の延在方向に窪む半球状を有した1つの嵌合部34を備える。短側壁14の長手方向の端は、上述した組立突起14Tを備え、嵌合部34は、受入部30に対して、この短側壁14の端の側に位置する。嵌合部34の高さ方向の位置は、突起33の高さ方向の位置とほぼ等しい。すなわち、嵌合部34は、短側壁14の内面のなかで、受入部30よりも短側壁14の端の側であって、かつ、高さ方向の位置が受入部30とほぼ等しい位置に、長側壁13の延在方向に窪む段差を形成する。
【0024】
[嵌込部40]
図5は、帯板20の長手方向の端を斜め下方から見た斜視図であって、嵌込部40の斜視構造を拡大して示す図である。
図5が示すように、帯板20の長手方向の各端は、長側壁13の延在方向に突き出る凸状を有した1つの嵌込部40を備える。嵌込部40が受入部30に嵌る状態で、嵌込部40の高さは、受入部30の高さよりも短い。長側壁13の延在方向において、嵌込部40の長さは、受入部30の長さとほぼ等しい。嵌込部40は、嵌込部40が受入部30に嵌る状態で、すなわち、帯板20が被覆位置に位置する状態で、嵌込部40を高さ方向に貫通する嵌込孔41を備える。嵌込孔41は、嵌込部40の区画する空間の一例であり、嵌込部40の底面に嵌込開口43を区画する。嵌込孔41は、帯板20の短手方向において、嵌込部40の一部を切り欠き、嵌込開口43に繋がる開口を有する。短側壁14の長手方向において、嵌込開口43の長さは、凸部31の長さとほぼ等しい。長側壁13の延在方向において、嵌込開口43の長さは、凸部31の長さよりも長い。
【0025】
嵌込部40は、嵌込開口43から嵌込開口43の内方に突き出た突起44を備える。突起44は、帯板20が被覆位置に位置する状態で、嵌込開口43から上方に進むに連れて、長側壁13の延在方向に突き出る斜面を備える。嵌込部40は、嵌込部40が受入部30に嵌る状態で、突起44の上方に、高さ方向に延びる係合溝45を備える。短側壁14の長手方向において、係合溝45の幅は、突起33の幅よりも長い。長側壁13の延在方向において、係合溝45の深さは、突起33の突き出る量よりも大きい。突起44は、被係合部の一例である。
【0026】
帯板20の長手方向の端面は、帯板20の延在方向に突き出る半球状を有した1つの被嵌合部42を備える。被嵌合部42は、帯板20の長手方向の端面のなかで、嵌込部40よりも帯板回動部22の側に位置し、長側壁13の延在方向に突き出る段差を形成する。被嵌合部42は、短側壁14の嵌合部34と嵌合可能な形状を有し、帯板20が被覆位置に位置する状態では、短側壁14の嵌合部34と嵌合する。
【0027】
[折畳み式運搬用容器の組み立て]
折畳み式運搬用容器を組み立てる際には、まず、対向する一対の長側壁13を90度回動させて長側支持辺12Lの上端に立設させ、次いで、対向する一対の短側壁14を同様に回動させて短側支持辺12Sの上端に立設させる。このとき、長側壁13の組立孔部13Hに、短側壁14の組立突起14Tが嵌め込まれる。最後に、対向する一対の帯板20を本体11の内方に回動させて、短側壁14の受入部30に、帯板20の嵌込部40が嵌め込まれる。この際、受入部30の凸部31は、嵌込部40の嵌込開口43を通して、嵌込孔41の内部に収容される。
【0028】
組み立てられた状態の本体11では、対向する一対の長側壁13の両端において、長側壁13の内面は、短側壁14の端に当接した状態で配置されている。これによって、長側壁13が本体11の内方に回動することが規制されている。また、対向する一対の長側壁13の両端において、長側壁13の組立孔部13Hに、短側壁14の組立突起14Tが嵌め込まれている。これによって、長側壁13が本体11の外方に回動することが規制されている。したがって、組み立てられた状態の本体11では、各長側壁13は、本体11の内方、および、外方のいずれの方向にも回動規制され、長側支持辺12Lの上で垂直方向に立設固定される。
【0029】
一方、対向する一対の短側壁14の両端において、短側壁14の組立突起14Tは、本体11の内方から外方に向けて、長側壁13の組立孔部13Hに嵌め込まれて、短側壁14の外面が、長側壁13の内面と当接した状態で配置されている。これによって、短側壁14が本体11の外方に回動することが規制されている。また、帯板本体21の嵌込部40が、短側壁14の受入部30に嵌められて、短側壁14の内面が、帯板20の端面に当接した状態で配置されている。これによって、短側壁14が本体11の内方に回動することが規制されている。したがって、組み立てられた状態の本体11では、帯板20が被覆位置に位置するとき、各短側壁14は、本体11の内方、および、外方のいずれの方向にも回動規制され、短側支持辺12Sの上で垂直方向に立設固定される。
【0030】
また、組み立てられた状態の本体11が多段に積み上げられて使用される際には、上側に位置する本体11は、下側に位置する本体11の長側壁13の上縁、および、短側壁14の上縁の上に載置される。このとき、上側に位置する本体11の底壁12の下面と、下側に位置する本体11の帯板回動部22との間には、隙間が形成される。同様に、上側に位置する本体11の底壁12の下面と、下側に位置する本体11の帯板本体21との間にも、隙間が形成される。したがって、本体11を多段に積み重ねた状態においては、下側に位置する本体11の帯板20は、上側の本体11に対して非接触の状態となる。
【0031】
なお、組み立てられた状態の本体11を折畳む際には、まず、嵌込部40と受入部30との嵌合を解除しつつ、一対の帯板20を本体11の内方から上方に向けて回動させる。次いで、一対の短側壁14を本体11の内方に90度回動させた後、一対の長側壁13を本体11の内方へ90度回動させ、それによって、一対の短側壁14と一対の長側壁13とを折畳む。また、折畳まれた状態の本体11を多段に積み重ねることも可能である。
【0032】
[作用]
次に、組み立てられた折畳み式運搬用容器の作用について説明する。図5、および、図6は、組み立てられた折畳み式運搬用容器の受入部30、および、嵌込部40を、長側壁13の延在方向に沿って切断した断面を示す断面図である。
【0033】
図6が示すように、組み立てられた折畳み式運搬用容器では、帯板20の嵌込部40は、受入部30の底面に当接し、あるいは、本体11の内方への外力を受けて当接し、本体11の内方へのさらなる回動が規制されている。また、帯板20の嵌込部40は、短側壁14の長手方向へのさらなる変位を、受入部30の溝側面によって規制されている。これら受入部30と嵌込部40との嵌合によれば、受入部30に対する嵌込部40の位置が、短側壁14の長手方向、および、高さ方向で位置決めされている。
【0034】
また、短側壁14の凸部31は、帯板20の嵌込孔41の内部に収容されている。凸部31の上部32は、嵌込孔41からはみ出さない状態であり、凸部31の突起33は、嵌込部40の突起44から、長側壁13の延在方向で離れ、かつ、嵌込部40の係合溝45とは、長側壁13の延在方向で対向している。そして、受入部30の突起33と、嵌込部40の突起44との相対的な位置もまた、短側壁14の長手方向、および、高さ方向でずれ難くなっている。
【0035】
ここで、内容物を収容した本体11の各短側壁14を把持して、この状態で折畳み式運搬用容器を手で持って運ぶとき、内容物の荷重を受けた本体11に捻れが生じ、各短側壁14が本体11の内方に向けて撓むように、各短側壁が変形する。各短側壁14がこのように変形すると、短側壁14の間での距離が、短側壁14の近傍においても縮小し、結果として、帯板20の長さを縮小させるような外力が、被覆位置に位置する帯板20を開放位置に回動させるように作用する。
【0036】
一方、図7の二点鎖線が示すように、各短側壁14が本体11の内方に向けて撓むように、各短側壁が変形すると、この変形に伴い、短側壁14の凸部31は、本体11の内方に変位する。すなわち、短側壁14の凸部31は、長側壁13の延在方向で対向する係合溝45に入り込み、短側壁14の突起33は、帯板20の突起44の上方に変位する。結果として、被覆位置に位置する帯板20が、開放位置に向けて回動する前に、突起33と突起44との係合を通じて、帯板20の回動が抑えられる。そして、折畳み式運搬用容器を手で持って運ぶときに被覆位置の帯板20が開放位置に変位することが抑えられる。
【0037】
また、図8が示すように、組み立てられた折畳み式運搬用容器では、帯板20の被嵌合部42が、短側壁14の嵌合部34と嵌合している。上述したように、一対の短側壁14の間での距離の変化は、短側壁14の長手方向において、長側壁13や帯板回動部22に近い部位ほど小さい。この点、被嵌合部42と嵌合部34との嵌合は、突起33と突起44との係合よりも帯板回動部22の側で実現される。そのため、被嵌合部42と嵌合部34との嵌合は、一対の短側壁14の間での距離の縮小や、一対の短側壁14の間での距離の拡大などに対して、突起33と突起44との係合よりも影響を受け難く、これらの嵌合を維持することが可能でもある。
【0038】
以上、上記実施形態によれば、以下に列挙する効果が得られる。
(1)短側壁14が本体11の内方に撓む状態では、帯板20の突起44が、短側壁14の突起33の下方に位置する。そのため、折畳み式運搬用容器を手で持って運ぶときに、被覆位置の帯板20が開放位置に変位することは、突起44と突起33との係合を通じて抑えられる。
【0039】
(2)被覆位置の帯板20が開放位置に変位することは、帯板20の被嵌合部42と、短側壁14の嵌合部34との嵌合を通じて、さらに抑えられる。
【0040】
(3)被嵌合部42と嵌合部34との嵌合は、突起33と突起44との係合よりも帯板回動部22の側で実現される。そのため、一対の短側壁14の間での距離の縮小や拡大などに対して、被嵌合部42と嵌合部34との嵌合は影響を受け難く、これらの嵌合を維持することが可能でもある。
【0041】
(4)受入部30と嵌込部40との嵌合は、突起33と突起44との相対的な位置を、高さ方向や帯板20の短手方向でずれ難くする。結果として、上記(1)に準じた効果を、より的確に得ることが可能ともなる。
【0042】
(5)嵌合部34は、短側壁14の内面で窪む凹部であり、かつ、突起33は、受入部30のなかに収まり、短側壁14の内面からは突き出ない大きさである。そのため、本体11から内容物が取り出される際に、内容物が突起33に引っ掛かったり、内容物が嵌合部34に引っ掛かったりすることを防止できる。
【0043】
なお、上記実施形態は、次のように変更して実施することも可能である。
[帯板20]
・一対の帯板20が本体11の開口の全体を被覆するように、各帯板20の大きさを具体化することも可能である。
・帯板20の開放位置は、帯板20が本体11の上方に配向して、本体11の開口を開放する位置であり、本体11への内容物の収納や、本体11からの内容物の取り出しの容易性を高められる観点から、帯板20と長側壁13とが相互に平行となる位置であることが好ましい。
【0044】
・各帯板回動部22の構成は、長側壁13と帯板20とを接続する薄肉ヒンジに具体化できる。なお、長側壁13の軸支部13Sが帯板20の回動軸22Aを軸支する構成であれば、帯板20の回動する範囲を広く確保することが容易であり、薄肉ヒンジと比べて帯板回動部22の強度を高めることが可能でもある。
【0045】
[受入部30]
・受入部30の高さは、軸支部13Sの高さと異なることも可能である。例えば、嵌込部40の厚さが、帯板回動部22の厚さよりも大きい場合、受入部30の高さは、軸支部13Sの高さよりも大きいことが好ましい。
【0046】
・受入部30と嵌合部34との並びの順は、短側壁14の長手方向において、帯板回動部22、嵌合部34、受入部30の順に限らず、帯板回動部22、受入部30、嵌合部34の順にも具体化できる。この際、嵌込部40と被嵌合部42との並びの順は、帯板回動部22、嵌込部40、被嵌合部42の側に具体化される。
なお、上述した一対の短側壁14の間での距離の変化は、長側壁13の近傍では小さく、短側壁14の長手方向の中間では大きい。一対の短側壁14の間での距離の変化は、長側壁13の延在方向への突起33の変位であり、この変位量が大きいほど、突起33と突起44との係合する範囲も大きい。そのため、突起33と突起44との係合する範囲を大きく確保し、それによって、帯板20の回動を抑える観点では、上記実施形態に記載のように、帯板回動部22、嵌合部34、受入部30の順に、これらが位置することが好ましい。
【0047】
・受入部30の大きさは、短側壁14の上端において、短側壁14の厚み方向の全体に限らず、例えば、短側壁14の厚み方向の一部のみであって、短側壁14の内面につながる窪みとすることも可能である。この際、帯板20の嵌込部40は、短側壁14の外面よりも本体11の内方に位置し、被覆位置の帯板20は、短側壁14の外面よりも本体11の内方に嵌まり込む。
【0048】
・受入部30は、短側壁14の上端において、上方に向けて突き出る凸部とすることも可能である。この際、帯板20の長手方向の端部は、受入部30が嵌め込まれる凹部を嵌込部として備える。なお、受入部30は、例えば、凸部の頂面や凸部の側面に、内方に向けて突き出る係合部を備え、受入部30が嵌め込まれる嵌込部は、凹部の内面に、本体の外方に突き出る被係合部を備える。
・また、例えば、受入部30は、短側壁14の上端において、四辺を囲まれた凹部とすることも可能である。この際、帯板20の長手方向の端部は、受入部30に嵌め込まれる下方に向けた凸部を嵌合部として備える。なお、受入部30は、例えば、凹部の内側面や凹部の底面に、内方に向けて突き出る係合部を備え、受入部30に嵌め込まれる嵌込部は、凸部の外面に、本体の外方に突き出る被係合部を備える。
【0049】
[係合部]
・突起33と突起44との相対的な位置は、短側壁14に外力が作用する状態のみならず、短側壁14から外力が解除された状態であっても、突起44が突起33の下方に位置する関係とすることも可能である。
なお、上記実施形態に記載のように、短側壁14に外力が作用し、それによって、突起33が突起44の上方に位置する構成であれば、短側壁14から外力が解除された状態では、突起33と突起44との係合も解除される。そのため、被覆位置の帯板20を開放位置に回動させること、および、開放位置の帯板20を被覆位置に回動させることを、突起33と突起44との係合に関わらず、円滑に進めることが可能でもある。
【0050】
・突起33の位置は、短側壁14の内面のなかで、受入部30とは異なる位置に具体化することも可能である。この際、突起44の位置もまた、帯板20の端面のなかで、嵌込部40とは異なる位置であって、帯板20が被覆位置に位置する状態では、長側壁13の延在方向で、突起33と対向する位置である。なお、短側壁14が突起33を備え、かつ、帯板20が突起44を備える構成であれば、受入部30と嵌込部40とを、折畳み式運搬用容器から割愛することも可能である。
【0051】
・係合部が有する形状は、半球状に限らず、長側壁13の延在方向に沿って、本体の内方に突き出る板状や鍔状に具体化することも可能である。この際、被係合部が有する形状は、係合部の形状に応じて適宜選択されるものであり、短側壁14を本体11の内方に撓ませる外力が作用する状態で、係合部の下方に位置する部分を備える形状であればよい。
・短側壁14は、短側壁14の長手方向に並ぶ複数の係合部を備えることも可能である。この際、帯板20は、各係合部に1つずつの被係合部を備える。
【0052】
[嵌合部]
・嵌合部34の形状は、本体11の外方に向けて窪む半球面状に限らず、例えば、本体11の外側下方に向けて窪む楔状に具体化することも可能である。この際、帯板20の長手方向の端面は、長手方向の外方に向けて突き出た凸状の被嵌合部42を備える。
【0053】
・嵌合部34は、本体11の内方に向けて突き出た半球面状の凸部に具体化することも可能である。この際、帯板20の長手方向の端面は、長手方向の内方に向けて窪む凹状の被嵌合部42を備える。
・短側壁14は、短側壁14の長手方向に並ぶ複数の嵌合部34を備えることも可能である。この際、帯板20は、各嵌合部34に1つずつの被嵌合部42を備える。
【0054】
[側壁]
・各側壁の折り畳まれる形態は、側壁の寸法に応じて適宜変更されるものであって、上記構成に限られるものではない。例えば、長側壁13の高さが、短側壁14の長手方向の長さの半分よりも長い構成では、一方の長側壁13の上に、他方の長側壁13が折り畳まれる。また、長側壁13の高さと、帯板20の短手方向の長さとの合計が、短側壁14の長手方向の長さに等しい場合や、その半分の値である場合には、折り畳まれた状態のさらなる小型化を図ることが可能でもある。
【0055】
・長側壁13が第2側壁として機能し、短側壁14が第1側壁として機能する構成とすることも可能である。すなわち、帯板20が接続される側壁を短側壁14とすることも可能である。そして、有底四角箱状を有した本体11を備える構成であれば、本体11の寸法や形状は、特に限定されるものではない。なお、折り畳み式運搬用容器を手で持って運ぶときに被覆位置の帯板20が開放位置に回動するという上述の課題は、各側壁が変形しやすい折畳み式運搬用容器、すなわち、各側壁の厚みが薄く軽量化が図られた折畳み式運搬用容器において、特に起こりやすい課題である。そのため、上記(1)から(3)に準じた効果は、各側壁の厚みが薄く軽量化が図られた折畳み式運搬用容器において特に顕著なものとなる。
【0056】
・帯板20は、開放位置において自立可能に構成することも可能である。
・折畳み式運搬用容器は、短側壁14の外面に、ロック部材50(図1参照)をさらに備えることも可能である。ロック部材50は、立設された短側壁14の回動を規制する機能を備える。ロック部材50は、短側壁14の外面が備える水平リブに向けて延びる一対の弾性片51を備える。一対の弾性片51は、短側壁14の長手方向の中心を通る鉛直線を中心とする線対称の形状を有し、各弾性片51は、弾性片51のうち下方の部位ほど上記鉛直線との距離が小さい形状、いわゆる逆ハ字状を有している。ロック部材50は、ロック位置と、ロック位置よりも下方である非ロック位置とに変位可能に構成され、ロック部材50が備える左右の弾性片51と、短側壁14が備える水平リブとの係合によって、ロック位置に付勢されている。そして、弾性片51の付勢力に抗した外力を利用者がロック部材50に加え、ロック部材50が非ロック位置に変位することによって、ロック部材50による規制が解除されて、立設された短側壁14が回動可能となる。
【0057】
上記実施形態、および、変形例から導き出される技術的思想を以下に付記する。
[付記1]
前記各第2側壁の上端は、下方に向けて窪む受入部をさらに備え、
前記帯板は、前記第1側壁の延在方向の両端に、前記第1側壁の延在方向に突き出る嵌込部をさらに備え、当該嵌込部は、前記帯板が前記被覆位置に位置する状態で前記受入部に嵌り、
前記受入部は、前記係合部を備え、
前記嵌込部は、前記被係合部を備える、
折畳み式運搬用容器。
【0058】
上記付記1に記載の構成によれば、帯板が備える嵌込部は、被係合部を備え、第2側壁の上端に沿う方向では、受入部と嵌込部との嵌合を通じて、第2側壁に位置決めされる。そして、第2側壁が備える係合部と、帯板が備える被係合部とは、第1側壁の延在方向と交差する方向で、位置ずれを生し難くなる。結果として、第1側壁の延在方向に係合部が変位することによる上記(1)に準じた効果を、より的確に得ることが可能ともなる。
【0059】
[付記2]
前記帯板が前記被覆位置に位置し、かつ、前記各側壁に対する外力が解除されている状態で、前記被係合部は、前記係合部の下方から離れている、
上記付記1に記載の折畳み式運搬用容器。
【0060】
開放位置の帯板を被覆位置に回動させるとき、また、被覆位置の帯板を開放位置に回動させるときは、各側壁に対する外力が解除されている。上記付記2に記載の構成によれば、各側壁に対する外力が解除されている状態では、係合部の下方から被係合部が離れている。そのため、開放位置の帯板を被覆位置に回動させたり、被覆位置の帯板を開放位置に回動させたりする際に、係合部と被係合部との係合が、これらの回動の妨げとなることが抑えられる。
【0061】
[付記3]
前記嵌合部は、前記第2側壁の内面にて前記本体の外方に向けて窪む半球面状を有した凹部であり、
前記被嵌合部は、前記延在方向における前記帯板の端面にて前記延在方向の外方に向けて突き出た半球状を有する凸部である、
折畳み式運搬用容器。
【0062】
上記付記3に記載の構成によれば、半球面状を有した嵌合部、および、半球状を有した被嵌合部を備えるため、開放位置の帯板を被覆位置に回動させたり、被覆位置の帯板を開放位置に回動させたりする際に、嵌合部と被嵌合部との嵌合や、その解除を円滑に行うことが可能ともなる。
【符号の説明】
【0063】
11…本体、12…底壁、12L…長側支持辺、12S…短側支持辺、13…長側壁、13H…孔部、13R…側壁回動部、13S…軸支部、14…短側壁、14R…側壁回動部、14T…組立突起、20…帯板、21…帯板本体、22…帯板回動部、22A…回動軸、30…受入部、31…凸部、32…上部、33…突起、34…嵌合部、40…嵌込部、41…嵌込孔、42…被嵌合部、43…嵌込開口、44…突起、45…係合溝。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8