(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の配車管理サーバ、陸送員端末およびプログラムの実施の形態について説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態に係る配車管理システム1の全体の構成を示す図である。
【0017】
配車管理システム1は、例えば車両の陸送代行サービス(配車代行サービス)を提供する陸送代行業者(配車代行業者)の配車管理サーバ10と、配車管理サーバ10と直接的あるいは通信ネットワーク(インターネット/クラウド)を介して接続される複数の配車担当端末20と、配車管理サーバ10と通信ネットワーク(インターネット/クラウド)を介して接続される複数の陸送員端末30と、を備える。
【0018】
配車担当端末20は、陸送代行業者の配車担当者などにより操作され、配車管理サーバ10に対し、PC(Personal Computer)などを使用した入出力端末として機能する。
【0019】
陸送員端末30は、陸送代行業者の陸送員(ドライバ)などにより操作され、配車管理システム1を利用するための専用アプリ32a(
図3参照)をインストールしたカメラ30C付きのタブレット端末などを使用して構成される。
【0020】
図2は、配車管理サーバ10の電子回路の構成を示すブロック図である。
【0021】
図3は、陸送員端末30の電子回路の構成を示すブロック図である。
【0022】
図2に示すように、配車管理サーバ10は、コンピュータとしてのCPU(プロセッサ)11を備える。
【0023】
CPU(プロセッサ)11は、フラッシュメモリなどの記憶部(ストレージ)12に予め記憶されたプログラム、あるいはCD−ROMなどの外部記録媒体13から記録媒体読取部14により読み取られ記憶部12に記憶されたプログラム、あるいは通信ネットワークN(インターネット/クラウド)上のWebサーバ40(ここではプログラムサーバ)から通信部15を介してダウンロードされ記憶部12にインストールされたプログラムに従って、回路各部の動作を制御する。
【0024】
記憶部12には、プログラム記憶エリア12aのほか、経路検索API記憶エリア12b、陸送員管理データ記憶エリア12c、配車管理データ記憶エリア12dなどのデータ記憶エリアを確保する。
【0025】
プログラム記憶エリア12aには、配車管理サーバ10の全体の動作を司るシステムプログラムのほか、配車担当端末20および陸送員端末30と通信接続し、車両配車業務の全般を管理するための配車管理プログラム(12a)などが記憶される。
【0026】
経路検索API記憶エリア12bには、通信ネットワークN上に設けられた経路検索サーバ40(Webサーバ)を利用して、地図データに基づく出発地から目的地まで推奨経路とその距離のデータを得るための経路検索API(Application Program Interface)のデータが記憶される。
【0027】
陸送員管理データ記憶エリア12cには、車両の陸送に就く複数の陸送員(ドライバ)毎の管理データが記憶される。
【0028】
図4は、陸送員管理データ記憶エリア12cに記憶される陸送員(ドライバ)毎の管理データの一例を示す図である。
【0029】
図4に示すように、陸送員管理データエリア12cには、複数の陸送員(ドライバ)毎に、陸送員のID(識別番号)、名前、陸送員端末30の電話番号、陸送員端末30のメールアドレスなどの各データが対応付けられて記憶される。
【0030】
配車管理データ記憶エリア12dには、陸送代行業者が受注した車両配車業務毎の配車管理データが記憶される。
【0031】
図5は、配車管理データ記憶エリア12dに記憶される車両配車業務毎の配車管理データの一例を示す図である。
【0032】
図5に示すように、配車管理データの入力項目としては、受注した配車業務毎に連番となる[業務ID]、受注した配車業務を実行する[実行日]、手数料を請求する社名などの[請求先]、請求先の営業所名[請求先営業所]、陸送員(ドライバ)の名前[陸送員]、陸送する車両の引取時間と納車時間[引取〜納車時間]12d1、引取先の名称[引取先]、引取先の住所地[引取先住所]12d2、納車先の名称[納車先]、納車先の住所地[納車先住所]12d3、車両の識別情報である車種名[車種]12d4、車両の識別情報であるナンバー[車番]12d5、[注文番号]、リース会社が車両毎に付加した識別情報である管理番号[レンタルNo.]12d6、車両の陸送開始(出発)地点での距離メータの距離[開始メータ]12d7、車両の陸送終了(到着)地点での距離メータの距離[終了メータ]12d8、車両の陸送開始地点〜陸送終了地点間での走行(陸送)距離[距離]、車両へ給油した燃料の代金[ガス代]12d9、などのほか、該当する陸送業務が完了したか未完了かを示す[完了/未完了]12d10などが設けられる。
【0033】
図5に示す配車管理データの入力項目のうち、例えば、[業務ID]、[実行日]、[請求先]、[請求先営業所]、[陸送員]、[引取〜納車時間]12d1、[引取先]、[引取先住所]12d2、[納車先]、[納車先住所]12d3、[車種]12d4、[車番]12d5、[注文番号]、[レンタルNo.]12d6の各項目に対応するデータは、配車業務の受注に応じて、発注元から得られる各項目に対応した情報に基づき配車担当端末20から入力され、また、当該入力されたデータのうち、[引取〜納車時間]12d1、[引取先住所]12d2、[納車先住所]12d3、[車種]12d4、[車番]12d5、[レンタルNo.]12d6の各項目に対応するデータは、陸送員が実際の陸送業務を行なった際に、入力されているデータの内容が実際の内容と異なる場合に、陸送員端末30から入力されて修正される。
【0034】
また、[開始メータ]12d7、[終了メータ]12d8、[ガス代]12d9の各項目に対応するデータは、陸送員が実際の陸送業務を行なった際に、陸送員端末30から入力されるが、[開始メータ]12d7および[終了メータ]12d8の入力項目に対応する距離メータのデータは、陸送員端末30により撮影した距離メータのメータ画像Ims,Imeに含まれる距離メータの数字を文字認識することで入力され、[ガス代]12d9の入力項目に対応する代金のデータは、陸送員端末30により撮影したガス代領収証の領収証画像Igに含まれる合計金額の数字を文字認識することで入力される。
【0035】
なお、[完了/未完了]12d10の項目に対応するデータは、デフォルトで「未完了」に設定され、陸送員端末30から“業務完了”のデータが受信されることに応じて「完了」に設定される。
【0036】
CPU11には、システムバスを介して、記憶部12、記録媒体読取部14、通信部15が接続されるほか、外部機器インターフェイス16を介して配車担当端末20が接続される。
【0037】
このように構成された配車管理サーバ10は、CPU11が配車管理プログラム12aに記述された命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウエアとハードウエアとが協働して動作することにより、後述の動作説明で述べるような、業務発注情報登録機能(
図6参照)、配車管理画面表示機能(
図7参照)、業務管理機能(
図11、
図12参照)を実現する。
【0038】
図3に示すように、陸送員端末30は、コンピュータとしてのCPU(プロセッサ)31を備える。
【0039】
CPU(プロセッサ)31は、フラッシュメモリなどの記憶部(ストレージ)32に予め記憶されたプログラム、あるいはメモリカードなどの外部記録媒体33から記録媒体読取部34により読み取られ記憶部32に記憶されたプログラム、あるいは通信ネットワークN(インターネット/クラウド)上のWebサーバ40(ここではプログラムサーバ)から通信部35を介してダウンロードされ記憶部32にインストールされたプログラムに従って、回路各部の動作を制御する。
【0040】
記憶部32には、プログラム記憶エリア32aのほか、経路検索API記憶エリア32b、陸送員IDデータ記憶エリア32c、現在位置データ記憶エリア32d、撮像データ記憶エリア32eなどのデータ記憶エリアを確保する。
【0041】
プログラム記憶エリア32aには、陸送員端末30の全体の動作を司るシステムプログラムのほか、配車管理サーバ10と通信接続し、車両陸送業務の業務報告を行なうための配車管理システム利用専用アプリ32aが記憶される。
【0042】
経路検索API記憶エリア32bには、通信ネットワークN上に設けられた経路検索サーバ40(Webサーバ)を利用して、地図データに基づく出発地から目的地まで推奨経路とその距離のデータを得るための経路検索API(Application Program Interface)のデータが記憶される。
【0043】
陸送員IDデータ記憶エリア32cには、陸送員端末30を使用する陸送員(ドライバ)のID(識別番号)のデータが、配車管理システム利用専用アプリ32aに従った初期設定の処理に応じて記憶される。
【0044】
現在位置データ記憶エリア32dには、GPS受信部38により受信されるGPS(Global Positioning System)信号の受信に応じて取得された現在位置を示すデータ(現在位置データ)が記憶される。
【0045】
撮像データ記憶エリア32eには、
図1で示したカメラ30Cとしての撮像部37により撮影された撮像データが記憶される。
【0046】
CPU31には、システムバスを介して、記憶部32、記録媒体読取部34、通信部35、撮像部37、GPS受信部38が接続されるほか、ソフトキーボードを表示させてキー入力部としても機能するタッチパネル式表示部36および通話用のマイク、スピーカとしても機能する音声入出力部39などが接続される。
【0047】
このように構成された陸送員端末30は、CPU31が配車管理システム利用専用アプリ32aに記述された命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウエアとハードウエアとが協働して動作することにより、後述の動作説明で述べるような、業務報告機能(
図10、
図11参照)を実現する。
【0048】
次に、実施形態の配車管理システム1の動作について説明する。
【0049】
(業務発注情報登録処理)
図6は、配車管理サーバ10の配車管理プログラム12aに従った業務発注情報登録処理を示すフローチャートである。
【0050】
例えば、車両のリース会社からの車両の配車の発注を受けた際に、配車担当端末20の操作に応じて、当該配車担当端末20から送信された業務発注情報の登録要求が配車管理サーバ10で受信されると(ステップR1(Yes))、配車管理サーバ10のCPU11は、配車管理データ記憶エリア12d(
図5参照)から配車管理データの各入力項目にデータが入力されていない新規の配車業務のための配車管理データ一覧を、配車担当端末20に送信して表示させる(ステップR2)。
【0051】
新規の配車業務のための配車管理データ一覧が表示された配車担当端末20において、配車業務の発注元から得られた種々の情報に基づいて、当該配車管理データ一覧の各入力項目[業務ID]、[実行日]、[請求先]、[請求先営業所]、[陸送員]、[引取〜納車時間]12d1、[引取先]、[引取先住所]12d2、[納車先]、[納車先住所]12d3、[車種]12d4、[車番]12d5、[注文番号]、[レンタルNo.]12d6に、それぞれ対応するデータが入力されると(ステップR3)、CPU11は、各入力項目のデータが入力された配車管理データを配車管理データ記憶エリア12dに記憶させる(ステップR4)。
【0052】
これにより、車両の配車業務の発注情報が入力された新たな[業務ID]に対応付けられた配車管理データが配車管理データ記憶エリア12dに登録される。
【0053】
(配車管理画面表示処理)
図7は、配車管理サーバ10の配車管理プログラム12aに従った配車管理画面表示処理を示すフローチャートである。
【0054】
図8は、配車管理サーバ10の配車管理画面表示処理に従って配車担当端末20に表示された配車管理画面Ghの一例を示す図である。
【0055】
例えば、配車担当者が陸送員毎の陸送業務の遂行状況を確認するため、配車担当端末20の操作に応じて、配車管理サーバ10において配車管理画面Ghの表示要求が受信されると(ステップL1(Yes))、CPU11は、配車管理データ記憶エリア12dに記憶されている配車管理データ(
図5参照)に基づいて、
図8に示すように、陸送員毎の時間軸に対し、[引取〜納車時間]12d1のデータおよび[引取先]-[納車先]のデータを対応付けて表記した配車管理画面Ghを生成する(ステップL2)。
【0056】
CPU11は、生成した配車管理画面Ghに含まれる陸送員毎の時間軸のうち、完了済みの業務に対応する時間範囲を青色Bで識別処理H1〜H3すると共に、未完了の業務に対応する時間範囲を黄色Yで識別処理H4し(ステップL3)、識別処理H1〜H4した配車管理画面Ghを、配車担当端末20に送信して表示させる(ステップL4)。
【0057】
これにより、配車担当者は、配車管理画面Ghにより、陸送員毎の陸送業務の遂行状況を容易且つ明確に確認できる。
【0058】
(業務報告処理/業務管理処理)
図9は、陸送員端末30の配車管理システム利用専用アプリ32aに従った業務報告処理(その1)を示すフローチャートである。
【0059】
図10は、陸送員端末30の配車管理システム利用専用アプリ32aに従った業務報告処理(その2)を示すフローチャートである。
【0060】
図11は、配車管理サーバ10の配車管理プログラム12aに従った業務管理処理(その1)を示すフローチャートである。
【0061】
図12は、配車管理サーバ10の配車管理プログラム12aに従った業務管理処理(その2)を示すフローチャートである。
【0062】
図13は、陸送員端末30の業務報告処理に従い表示される配車管理データ一覧MLを示す図である。
【0063】
陸送員端末30において、陸送員(ドライバ)により、例えばタッチパネル式表示部36に表示されているアプリ起動アイコン(図示せず)がタッチ操作されると、CPU31は、配車管理システム利用専用アプリ32aを起動させ、当該専用アプリ32aに従った業務報告処理を開始する(ステップT1)。
【0064】
CPU31は、陸送員IDデータ記憶エリア32cに記憶されている陸送員IDのデータを読み出して配車管理サーバ10へ送信する(ステップT2)。
【0065】
配車管理サーバ10において、陸送員端末30から送信された陸送員IDのデータが受信されると(ステップS1(Yes))、CPU11は、受信された陸送員IDに対応する陸送員(ドライバ)の配車管理データを、配車管理データ記憶エリア12d(
図5参照)から読み出して当該陸送員IDを有する陸送員端末30へ送信する(ステップS2)。
【0066】
陸送員端末30において、配車管理サーバ10から送信された配車管理データ(12d)が受信されると(ステップT3(Yes))、CPU31は、例えば
図13に示すように、受信された配車管理データの一覧(配車管理データ一覧)MLをタッチパネル式表示部36に表示させる(ステップT4)。
【0067】
陸送員端末30において、
図13に示すようにタッチパネル式表示部36に表示された配車管理データ一覧MLは、上下にスクロールしてその全体を確認することができる。
【0068】
陸送員(ドライバ)は、自身の陸送員端末30に表示された配車管理データ一覧MLにある各項目[実行日]、[陸送員]、[引取〜納車時間]、[引取先]、[引取先住所]、[納車先]、[納車先住所]、[車種]、[車番]、[レンタルNo.]の内容を確認することで、今回の陸送業務の内容を確認し、陸送すべき車両の陸送業務を行なう。
【0069】
陸送員(ドライバ)は、配車管理データ一覧MLの各項目の内容に基づいて実際の車両の陸送業務を行なうにあたり、何れかの項目の内容に実際と異なる内容がある場合、当該実際と異なる項目の内容を実際の内容に変更して修正する操作を行なう。
【0070】
タッチパネル式表示部36に表示された配車管理データ一覧MLにおいて、[引取〜納車時間]の項目がタッチされその何れかの内容が変更されると(ステップT5(Yes))、CPU31は、変更された[引取〜納車時間]の内容のデータを、例えば[業務ID]のデータを付加して配車管理サーバ10へ送信する(ステップT8)。
【0071】
同様に、[引取先住所][納車先住所]の項目がタッチされその何れかの内容が変更されると(ステップT6(Yes))、CPU31は、変更された内容のデータを例えば[業務ID]のデータを付加して配車管理サーバ10へ送信する(ステップT8)。
【0072】
同様に、[車種][車番][レンタルNo.]の項目がタッチされその何れかの内容が変更されると(ステップT7(Yes))、CPU31は、変更された内容のデータを例えば[業務ID]のデータを付加して配車管理サーバ10へ送信する(ステップT8)。
【0073】
配車管理サーバ10において、陸送員端末30から送信された何れも[業務ID]のデータが付加されている、[引取〜納車時間]の変更されたデータ、または[引取先住所][納車先住所]の変更されたデータ、または[車種][車番][レンタルNo.]の変更されたデータが受信されると(ステップS3(Yes))、CPU11は、受信された[業務ID]のデータおよび変更された項目のデータに応じて、配車管理データ記憶エリア12dに記憶されている当該[業務ID]を有する配車管理データの該当する項目のデータを変更する(ステップS4)。
【0074】
これにより、配車管理サーバ10に登録されている配車管理データ(12d)(
図5参照)のうち、[引取〜納車時間]12d1、[引取先住所]12d2、[納車先住所]12d3、[車種]12d4、[車番]12d5、[レンタルNo.]12d6の各項目のデータについて、陸送員が実際の陸送業務を行なった際に実際の内容と異なる場合には、当該実際の内容と異なる項目のデータを、陸送業務の現場にいる陸送員の陸送員端末30から容易且つ正確に修正できるようなる。
【0075】
陸送員端末30において、表示されている配車管理データ一覧ML(
図13参照)の[修正完了]ボタンBCが操作されると(ステップT23(Yes))、CPU31は起動中の専用アプリ32aに従った業務報告処理を終了する。
【0076】
図14は、陸送員端末30の業務報告処理に従い表示される開始メータ撮影画面GS1と終了メータ撮影画面GS2を示す図である。
【0077】
陸送員(ドライバ)が車両の陸送を開始する際に、陸送員端末30において、表示させた配車管理データ一覧ML(
図13参照)の[開始メータ]の項目がタッチされて指定されると(ステップT9(Yes))、CPU31は、車両の距離メータの撮影を陸送員に促すための撮影メッセージ(例えば「画面の点線枠内に距離メータを入れて撮影して下さい。」)を表示部36に一定時間表示させる(ステップT10)。なお、撮影メッセージは音声により出力してもよい。
【0078】
CPU31は、撮像部(カメラ)37を起動し、例えば、
図14(A)に示すように、当該撮像部(カメラ)37により撮像されている距離メータの撮像データ(32e)に対応する開始メータ撮影画面GS1(点線枠TP付き)を、タッチパネル式表示部36に表示させる(ステップT11)。
【0079】
開始メータ撮影画面GS1が表示されている陸送員端末30において、陸送員の操作により、当該画面GS1の点線枠TP内に距離メータを入れたメータ画像Imsが撮影されると(ステップT11(Yes))、CPU31は、撮影されたメータ画像Imsのデータを、開始メータの撮像データとして配車管理サーバ10へ送信する(ステップT12)。
【0080】
配車管理サーバ10において、陸送員端末30から送信された開始メータの撮像データ(メータ画像Ims)が受信されると(ステップS5(Yes))、CPU11は、受信された撮像データ(メータ画像Ims)の点線枠TPに対応する範囲を文字認識し、認識された数字(
図14(A)では“36521”)のデータを、車両の陸送開始(出発)地点での距離メータの距離データとして、メータ画像Imsと共に、配車管理データ(12d)(
図5参照)の[開始メータ]12d7の項目に対応付けて記憶させる(ステップS6)。
【0081】
陸送員(ドライバ)が車両の陸送を終了した際に、陸送員端末30において、表示させた配車管理データ一覧ML(
図13参照)の[終了メータ]の項目がタッチされて指定されると(ステップT13(Yes))、CPU31は、[開始メータ]の項目が指定された場合と同様に、撮影メッセージ(例えば「画面の点線枠内に距離メータを入れて撮影して下さい。」)を表示部36に一定時間表示させる(ステップT14)。なお、撮影メッセージは音声により出力してもよい。
【0082】
CPU31は、撮像部(カメラ)37を起動し、例えば、
図14(B)に示すように、当該撮像部(カメラ)37により撮像されている距離メータの撮像データ(32e)に対応する終了メータ撮影画面GS2(点線枠TP付き)を、タッチパネル式表示部36に表示させる(ステップT15)。
【0083】
終了メータ撮影画面GS2が表示されている陸送員端末30において、陸送員の操作により、当該画面GS2の点線枠TP内に距離メータを入れたメータ画像Imeが撮影されると(ステップT15(Yes))、CPU31は、撮影されたメータ画像Imeのデータを、終了メータの撮像データとして配車管理サーバ10へ送信する(ステップT16)。
【0084】
配車管理サーバ10において、陸送員端末30から送信された終了メータの撮像データ(メータ画像Ime)が受信されると(ステップS7(Yes))、CPU11は、受信された撮像データ(メータ画像Ime)の点線枠TPに対応する範囲を文字認識し、認識された数字(
図14(B)では“37074”)のデータを、車両の陸送終了(到着)地点での距離メータの距離データとして、メータ画像Imeと共に、配車管理データ(12d)(
図5参照)の[終了メータ]12d8の項目に対応付けて記憶させる(ステップS8)。
【0085】
CPU11は、配車管理データ(12d)の[終了メータ]12d8の項目に対応付けられた距離データ“37074”(km)から[開始メータ]12d7の項目に対応付けられた距離データ“36521”(km)を減算して今回の車両の配車に伴う実走距離“553”(km)を算出し、算出された実走距離“553”(km)を配車管理データ(12d)の[距離]の項目に対応付けて記憶させる(ステップS9)。
【0086】
CPU11は、経路検索API(12b)に従って、経路検索サーバ40(Webサーバ)から、配車管理データ(12d)の[引取先住所]12d2に対応付けられた引取先の住所地(出発地)から[納車先住所]12d3に対応付けられた納車先の住所地(目的地)までの推奨経路に対応する距離(推奨距離)を取得する(ステップS10)。
【0087】
CPU11は、ステップS9にて算出した実走距離とステップS10にて取得した推奨距離とを比較し(ステップS11)、実走距離と推奨距離との距離差が、予め設定されるか配車担当端末20の操作に応じて任意に設定された許容範囲内(例えば、実走距離が推奨距離の±10%以内)であるか否かを判定する(ステップS12)。
【0088】
実走距離と推奨距離との距離差が、設定された許容範囲内ではなく、許容範囲を超えていると判定されると(ステップS12(No))、CPU11は、今回の車両の配車業務において、当該車両の引取先〜納車先間の推奨距離に対し実走距離に大きなずれがあることを警告するための実走距離アラートを、配車担当端末20に送信して表示あるいは音声あるいは印刷により出力させる(ステップS13)。
【0089】
図15は、陸送員端末30の業務報告処理に従い撮影されたガス代の領収証画像Igの一例を示す図である。
【0090】
陸送員(ドライバ)による車両の陸送過程にて当該車両に燃料を給油した際に、その場(燃料を給油したガソリンスタンド:給油所)にて、陸送員端末30において、表示させた配車管理データ一覧ML(
図13参照)の[ガス代]の項目がタッチされて指定されると(ステップT17(Yes))、CPU31は、撮影メッセージ(例えば「燃料代の領収証を撮影して下さい。」)を表示部36に一定時間表示させる(ステップT18)。なお、撮影メッセージは音声により出力してもよい。
【0091】
CPU31は、撮像部(カメラ)37を起動し、例えば、
図15に示すように、当該撮像部(カメラ)37により撮像されているガス代の領収証画像Igを、タッチパネル式表示部36に表示させる(ステップT19)。
【0092】
ガス代の領収証画像Igが表示されている陸送員端末30において、陸送員の操作により、当該領収証画像Igが撮影されると(ステップT19(Yes))、CPU31は、撮影された領収証画像IgのデータおよびGPS受信部38によるGPS信号の受信に基づき取得した現在位置データを、ガス代の撮像データとして配車管理サーバ10へ送信する(ステップT20)。
【0093】
配車管理サーバ10において、陸送員端末30から送信された現在位置データおよびガス代の撮像データ(領収証画像Ig)が受信されると(ステップS14(Yes))、CPU11は、受信された撮像データ(領収証画像Ig)を文字認識し、認識された文字のうち、例えば“合計¥”の文字が含まれる代金欄PRに対応付けられた数字(
図15では“6875”)のデータを、ガス代のデータとして、領収証画像Igと共に、配車管理データ(12d)(
図5参照)の[ガス代]12d9の項目に対応付けて記憶させる(ステップS15)。
【0094】
CPU11は、陸送員端末30から得られたガス代の領収証画像Igが、今回の配車業務において行われた燃料の給油に伴う正しい(不正の無い)ガス代の領収証画像Igであるかを判定するため、以下の処理(ステップS16,S17)を実行する。
【0095】
CPU11は、経路検索API(12b)に従って、経路検索サーバ40(Webサーバ)から、配車管理データ(12d)の[引取先住所]12d2に対応付けられた引取先の住所地(出発地)から[納車先住所]12d3に対応付けられた納車先の住所地(目的地)までの推奨経路と当該推奨経路上に存在するガソリンスタンドの位置のデータを取得し、取得したガソリンスタンドの位置に、ステップS14にて陸送員端末30から得られた当該陸送員端末30の現在位置が、予め設定されるか配車担当端末20の操作に応じて任意に設定された許容範囲内(例えば、100m以内)で含まれる(一致する)か否かを判定する(ステップS16)。
【0096】
引取先〜納車先間の推奨経路上に存在するガソリンスタンドの位置に、陸送員端末30の現在位置が一致したと判定されると(ステップS16(Yes))、CPU11は、さらに、領収証画像IgのExif(exchangeable image file format)ファイルに記録された撮影日時が、配車管理データ(12d)の[引取〜納車時間]12d1の項目に対応付けられた引取〜納車時間内に含まれるか否かを判定する(ステップS17)。
【0097】
なお、ステップS16の処理に併せて、または代わりに、領収証画像Igから文字認識された文字のうち、“都”“道”“府”“県”などの行政区画名を示す文字が含まれる住所地欄ADに対応付けられた住所地が、経路検索サーバ40(Webサーバ)から得られた推奨経路上の位置または推奨経路上のガソリンスタンドの位置と、予め設定されるか配車担当端末20の操作に応じて任意に設定された許容範囲内(例えば、100m以内)で含まれる(一致する)か否かを判定する処理を加えてもよい。ステップS16の処理に併せて行なう場合、陸送員端末30から得られたガス代の領収証画像Igの正/不正を判定する信頼性を高めることができる。
【0098】
また、ステップS17の処理に併せて、または代わりに、領収証画像IgのExifファイルに記録された撮影日時が、当該領収証画像Igから文字認識された文字のうち、“年”“月”“日”などの日付を示す文字が含まれる日時欄TMに対応付けられた領収証の発行日時から予め設定されるか配車担当端末20の操作に応じて任意に設定された範囲の時間内(例えば10分以内)に含まれるか否かを判定する処理を加えてもよい。ステップS17の処理に併せて行なう場合、陸送員端末30から得られたガス代の領収証画像Igの正/不正を判定する信頼性を高めることができる。
【0099】
なお、ステップS16の不正判定処理と、同ステップS16の代わりとして説明した不正判定処理と、ステップS17の不正判定処理と、同ステップS17の代わりとして説明した不正判定処理と、の4つの不正判定処理は、そのうち2つ以上の何れを組み合わせてもよく、組み合わせて実行する順序は任意に定めてもよい。
【0100】
ステップS16において、陸送員端末30の現在位置が、引取先〜納車先間の推奨経路上に存在するガソリンスタンドの位置に一致しないと判定された場合(ステップS16(No))、またはステップS17において、領収証画像IgのExifファイルに記録された撮影日時が、配車管理データ(12d)の引取〜納車時間内に含まれないと判定された場合(ステップS17(No))、CPU11は、今回の車両の配車業務において、陸送員端末30から受信されたガス代の領収証画像Ig(領収証)が不正なものである可能性があることを警告するためのガス代アラートを、配車担当端末20に送信して表示あるいは音声あるいは印刷により出力させる(ステップS18)。
【0101】
陸送員端末30において、表示させた配車管理データ一覧ML(
図13参照)の[引取〜納車時間][引取先住所][納車先住所][車種][車番][レンタルNo.][開始メータ][終了メータ][ガス代]の各項目以外の他の項目がタッチされて指定されると(ステップT21(Yes))、CPU31は、当該他の項目の指定を無効として処理する(ステップT22)。
【0102】
陸送員端末30において、表示されている配車管理データ一覧ML(
図13参照)の[業務完了]ボタンBEが操作されると(ステップT24(Yes))、CPU31は、業務完了を示すデータ(業務完了データ)を配車管理サーバ10へ送信し(ステップT25)、起動中の専用アプリ32aに従った業務報告処理を終了する。
【0103】
配車管理サーバ10において、陸送員端末30から送信された業務完了データが受信されると(ステップS19(Yes))、CPU11は、ステップS13における実走距離アラートの出力、ステップS18におけるガス代アラートの出力の何れかのアラートの出力中であるかを判定する(ステップS20)。
【0104】
アラートの出力中であると判定された場合(ステップS20(Yes))、CPU11は、実走距離アラートあるいはガス代アラートのデータを保持し(ステップS21)、配車管理データ(12d)(
図5参照)の[完了/未完了]12d10の項目に「完了」のデータを設定する(ステップS22)。
【0105】
アラートの出力中ではないと判定された場合(ステップS20(No))、CPU11は、そのまま、配車管理データ(12d)の[完了/未完了]12d10の項目に「完了」のデータを設定する(ステップS22)。
【0106】
(実施形態のまとめ)
実施形態の配車管理システム1によれば、配車管理サーバ10において、陸送員(ドライバ)の陸送業務毎に、配車担当端末20からの操作に応じて、[引取〜納車時間][引取先住所][納車先住所][車種][車番][レンタルNo.]の各項目12d1〜12d6を含む配車管理データ(12d)を記憶させ、陸送員は、陸送員端末30により配車管理サーバ10から配車管理データ(12d)を取得して配車管理データ一覧MLを表示させ、[引取〜納車時間]の時間範囲を目安に、[引取先住所]の引取先から[納車先住所]の納車先まで、[車種][車番][レンタルNo.]に対応する車両を陸送する。
【0107】
陸送員は実際の陸送業務を行なうにあたり、配車管理データ一覧MLの[引取〜納車時間][引取先住所][納車先住所][車種][車番][レンタルNo.]の各項目の何れかのデータが実際と異なる場合、異なるデータの項目を指定して実際のデータに変更することで、配車管理サーバ10に記憶されている配車管理データ(12d)を修正できる。
【0108】
また、陸送員端末30において、配車管理データ一覧MLの[開始メータ]または[終了メータ]の項目を指定すると、車両の距離メータの撮影を促す撮影メッセージが表示され、撮影メッセージに従い撮影した距離メータの撮像データは、[開始メータ]の場合は[開始メータ]の撮像データ(メータ画像Ims)として、[終了メータ]の場合は[終了メータ]の撮像データ(メータ画像Ime)として配車管理サーバ10に送信される。
【0109】
配車管理サーバ10は、受信された距離メータの撮像データ(Ims/Ime)を文字認識して陸送開始地点または陸送終了地点での距離を取得し、配車管理データ(12d)の[開始メータ]12d7または[終了メータ]12d8の項目に対応付けて記憶させる。陸送に伴う実走距離(終了距離−開始距離)と経路検索サーバ40(Webサーバ)から取得した推奨経路に対応する距離(推奨距離)との距離差が許容範囲を超えた場合、実走距離アラートを出力し、推奨距離に対し実走距離に大きなずれがあることを警告できる。
【0110】
また、陸送員端末30において、配車管理データ一覧MLの[ガス代]の項目を指定すると、燃料代(ガス代)の領収証の撮影を促す撮影メッセージが表示され、撮影メッセージに従い撮影したガス代の領収証画像Igは、GPS信号に基づき取得した現在位置データと共に配車管理サーバ10に送信される。
【0111】
配車管理サーバ10は、受信されたガス代の領収証画像Igを文字認識してガス代のデータ(代金欄PRに対応付けられた数字)を取得し、配車管理データ(12d)の[ガス代]12d9の項目に対応付けて記憶させる。陸送員端末30から受信した現在位置が経路検索サーバ40(Webサーバ)から取得した推奨経路上に存在するガソリンスタンドの位置に、設定された許容範囲内で含まれない(一致しない)場合、または領収証画像IgのExifファイルに記録された撮影日時が、配車管理データ(12d)の引取〜納車時間内に含まれない場合、ガス代アラートを出力し、領収証画像Igが不正なものである可能性があることを警告できる。
【0112】
よって、例えば車両の陸送代行サービスを提供するにあたり、配車管理用の情報を正確かつ効率的に管理することが可能になり、顧客に対し正しく迅速な手数料請求が行えるなど信頼性の高いサービスを提供できる。
【0113】
なお、実施形態の配車管理システム1では、陸上を走行する車両の配車業務を対象とした場合ついて説明したが、これに限らず、水陸両用の車両、空陸両用の車両(所謂、空飛ぶ車)など、種類の異なる車両の配車業務を対象とした場合であっても、実施形態の配車管理システム1を同様に適用可能であるのは言うまでもない。
【0114】
前記各実施形態において記載した配車管理システム1の配車管理サーバ10と陸送員端末30とによる各処理の手法、すなわち、
図6のフローチャートに示す業務発注情報登録処理、
図7のフローチャートに示す配車管理画面表示処理、
図9および
図10のフローチャートに示す業務報告処理、
図11および
図12のフローチャートに示す業務管理処理などの各手法は、何れもコンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フロッピ(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の記録媒体に格納して配布することができる。
【0115】
また、前記各実施形態の各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態として通信ネットワーク上を伝送させることができ、このプログラムデータを、通信ネットワークに接続された電子機器のコンピュータ(プロセッサ)に通信部によって取り込むことで、前述した業務発注情報登録機能、配車管理画面表示機能、業務報告機能、業務管理機能を含む各種の機能を実現することもできる。
【0116】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。