(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1では、マルチストロボ光を利用して複数の水滴を交互に2種類以上の色で輝かせることとしているが、ある一つの水滴に着目すると、その水滴は単色で照明されているに過ぎない。このため、特許文献1に記載の方法では、一つの水滴を多色に輝かせることは不可能であった。
【0005】
また、特許文献1に記載の方法では、全ての水滴は同じサイズ(具体的には落下方向の長さ)の残像として鑑賞者に知覚されるものとなる。このため、特許文献1に記載の方法では、鑑賞者に視認される水滴の残像のサイズを変化させることも不可能であった。
【0006】
このように、従来の方法は、水滴の色を変化させる程度でしか演出を変えることができず、繰り返しあるいは長時間この演出を鑑賞する場合に、その鑑賞者を飽きさせてしまうという課題が残る。そこで、本発明は、水滴の残像を利用した演出の自由度をさらに高めることを主たる課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の発明者は、上記の従来技術の課題を解決する手段について鋭意検討した結果、水滴に光を照射する周期をさらに時分割し、時間区分ごとに照明装置の発光状態を制御することとした。これにより、例えば一つの水滴を多色に輝かせたり、鑑賞者に視認される水滴の残像のサイズや動きを変化させることが可能となるという知見を得た。そして、本発明者は、上記知見に基づけば従来技術の課題を解決できることに想到し、本発明を完成させた。具体的に説明すると、本発明は以下の構成又は工程を有する。
【0008】
本発明の第1の側面は、水滴演出システムに関する。本発明に係る水滴演出システムは、断続的に水滴を生成する水滴生成装置と、所定周期で水滴に光を照射する照明装置を備える。なお、照明装置が水滴に光を照射する周期は、水滴生成装置が水滴を生成する周期に完全に一致させることは求められないが、光の照射周期は水滴の生成周期に対応したものとすると良い。例えば、光の照射周期[Hz]は、水滴の生成周期[Hz]に対して80〜120%とすることが好ましい。さらに、この照明装置としては、一周期を時間的に複数の区間に分割した場合に、区間ごとに発光状態を制御可能なものが用いられる。なお、区間ごとに発光状態を制御することには、例えば、区間ごとに発光色(色調及び/又は階調)や輝度(発光強度)を設定したり、区間ごとに発光のON又はOFFを制御したりすることが含まれる。なお、照明装置は、多色光を水滴に照射するものに限られず、単色光を水滴に照射するものであってもよい。また、照明装置は、落下する水滴に対して水平方向に光を照射して水滴を真横から照明するものであってもよいし、落下する水滴に対して垂直方向に光を照射して水滴を真上又は真下から照明するものであってもよい。また、落下する水滴に対して斜め方向から光を照射することも可能である。
【0009】
上記のように、光の照射周期を時分割することは、この照射周期の一周期の間に水滴が移動する空間を分割することと捉えることができる。このため、照射周期一周期の間に水滴が移動する空間をディスプレイと見立てるとともに、ここで分割した空間を画像の最小単位であるピクセルと見立てて、水滴に対して自由に色を乗せることが可能になる。また、光が照射された水滴は、鑑賞者に視覚に残像として残る。このため、本発明によれば、水滴の残像を利用して自由度の高いアニメーション表現を行うことができる。例えば、ある一つの水滴を多色に輝かせたり、ある水滴の残像のサイズを短くしたり長くしたり、あるいはある水滴の残像を緩やかに上昇させたり下降させたりするなど、水滴の残像を利用した演出の表現の幅を拡げることができる。
【0010】
本発明に係る水滴演出システムでは、前述のとおり、照明装置は、光の照射周期を時分割した区間ごとに、少なくとも発光色を制御可能なものであることが好ましい。また、照明装置が水滴に光を照射する周期は、水滴生成装置が水滴を生成する周期と実質的に一致することが好ましい。光の照射周期は水滴の生成周期に対して100%一致することが理想であるが、±5%程度の誤差が生じてもよい。
【0011】
本発明に係る水滴演出システムにおいて、照明装置は、複数の発光素子を含むこととしてもよい。具体的には、水滴生成装置から発射されて同時刻に空中に存在する複数の水滴を、複数の発光素子によって同時に照明することが好ましい。なお、同時刻に空中に存在する複数の水滴は、水滴生成装置の同じノズルから発射されたものであってもよいし、別のノズルから発射されたものであってもよい。このように、複数の発光素子によって水滴を照明することにより、発光素子ごとに水滴の輝かせ方を変化させることができる。
【0012】
本発明に係る水滴演出システムにおいて、水滴生成装置に含まれる発光素子は、1/2配光角が20度以下の狭角配光光源(いわゆるスポットライト)であることが好ましい。なお、1/2配光角とは、発光素子から出る光の光度(光強度)が最大値の半分以上となる角度範囲である。1/2配光角の測定は、発光素子からの距離を一定に保ちながら受光器を移動させ、各角度での光強度を測定することにより行う。このように、各発光素子として、配光角の狭い光源を用いることで、水滴に対して照射する光の状態を精密に制御することができるため、水滴の残像をより鮮明に鑑賞者に知覚させることができる。
【0013】
本発明の第2の側面は、水滴演出方法に関する。本発明に係る水滴演出方法では、断続的に水滴を生成しつつ、所定周期で水滴に光を照射する。このとき、光の照射周期の一周期を時間的に複数の区間に分割して、この区間ごとに光の発光状態を調整する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、水滴の残像を利用した演出の自由度を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は、以下に説明する形態に限定されるものではなく、以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜変更したものも含む。
【0017】
図1は、本発明に係る水滴演出システム100の構成例を示している。
図1に示されるように、本発明に係るシステム100は、水滴生成装置10と、照明装置20と、制御装置30を備える。水滴生成装置10は、所定周期で断続的に水滴Wを生成する。照明装置20は、水滴生成装置10が生成した水滴Wに対して所定周期で光を照射する。制御装置30は、水滴生成装置10と照明装置20に接続されており、水滴生成装置10が生成する水滴の周期や水量を制御したり、照明装置20が照射する光の周期や発光状態を制御する。鑑賞者は、照明装置20によって照明された水滴Wの残像を視覚的に認識することとなる。
【0018】
典型的には、水滴の生成周期と光の照射周期が一致していれば、鑑賞者にとって水滴Wの残像が空中に浮いて留まっているように見える。また、光の照射周期が水滴の生成周期よりも早い場合、鑑賞者にとって水滴Wの残像が実際の水滴Wの落下方向とは逆行して緩やかに上昇しているように見える。反対に、光の照射周期が水滴の生成周期よりも遅い場合、鑑賞者にとって水滴Wの残像が実際の水滴Wの落下方向に沿って緩やかに下降しているように見える。本発明のシステム100は、このような基本原理に基づいて水滴と光を利用した演出を行うものである。さらに、本発明は、詳しくは後述するとおり、光の照射周期をさらに複数の区分に分割し、この区分ごとに光の発光状態を制御するものであり、その結果、光の照射周期が水滴の生成周期を一致している状態であっても、水滴Wの残像の動き(上昇や下降)を表現することが可能である。
【0019】
水滴生成装置10としては、特に制限はなく公知のものを利用することができる。水滴生成装置10は、例えば
図1に示すように、一定の間隔を空けて水滴Wを連続的に生成し、単純に落下させるものであってもよい。また、その他、水滴生成装置10としては、水滴Wを上方に向けて射出して、水滴Wに放物運動させるものを採用することもできる。また、水滴生成装置10から発射された水滴Wは、典型的には空中において落下中に球形状(すなわち水玉)となる。ただし、水滴Wの形状はこれに限定されず、水滴生成装置10から発射された直後の状態としては、直線状や螺旋状などとすることも可能である。水滴生成装置10としては、例えば、特開平09−141157号公報や、特開2000−107647号公報、特開2013−91019号公報に開示されたものを利用又は応用することができる。
【0020】
図1を参照して、水滴生成装置10の一例を説明する。水滴生成装置10は、貯水槽11に水が溜められており、この貯水槽11内の水はポンプ12によって汲み上げられる。ポンプ12を作動させると、水は、配管13を介して、貯水槽11の上方に位置するタンク14へと供給され、このタンク14内に一時的に貯留される。タンク14はノズル15に接続されており、タンク14内の水はこのノズル15から一定量ずつ排出される。また、ノズル15には、バイブレータ16によって発生された振動が振動板17を介して伝達される。これにより、ノズル15から水を排出する際に、バイブレータ16及び振動板17によってノズル15に振動を付与することにより、ノズル15の排出口から断続的に水滴W(具体的には水玉)が噴射される。ノズル15による水滴Wの生成周期は、このバイブレータ16の振動周波数に依存する。バイブレータ16の振動周波数は、例えば30〜100Hzとすることが好ましく、55〜75Hzとすることがより好ましい。ノズル15から噴射された水滴Wは、そのまま自由落下して貯水槽11に貯留される。また、貯水槽11内の水は、ポンプ12によって再度汲み上げられ、水滴生成装置10内を循環する。水滴生成装置10のポンプ12とバイブレータ16は、制御装置30によって制御することができる。ポンプ12による水の供給量を調整することで、ノズル15から噴射される水滴W一つあたりの水量を制御できる。また、バイブレータ16の振動周波数を調整することで、ノズル15による水滴Wの生成周期を制御できる。また、タンク14には、逆止弁構造の排気弁18が設けられており、この排気弁18によりタンク14内に集積した空気が外部に排出される。これにより、タンク14内は、水のみが満たされた密閉系となる。
【0021】
照明装置20は、水滴生成装置10によって生成され空中を落下中の水滴Wに対してストロボ光を照射する。照明装置20は、例えば、支柱21と、この支柱21に配列された複数の発光素子22を備える。各発光素子22としては、複数のLEDを備えた多色発光素子が用いることが好ましい。例えば各発光素子22としては、少なくとも赤色、青色及び緑色の3色のLEDを備えたフルカラーLEDを用いると良い。また、発光素子22は、これらの3色のLEDに白色のLEDを加えた4色光源であってもよい。さらに、複数の発光素子22は、水滴Wの移動経路に沿って配置することが好ましい。例えば、
図1に示した例のように、水滴Wが垂直に落下する場合、複数の発光素子22は、この水滴Wに沿って垂直方向に並べて配置される。また、例えば水滴Wが放物線上を移動する場合、複数の発光素子22は、この水滴Wに沿って放物線状に並べて配置される。このように、照明装置20は、空中を落下中の複数の水滴Wに対して、複数の発光素子22により同時に光を照射できるように構成されている。
【0022】
また、各発光素子22としては、スポットライト等の配光角が狭い光源を用いることが好ましい。具体的には、発光素子22の1/2配光角は、1〜20度であることが好ましく、3〜15度又は5〜10度であることが特に好ましい。このように、複数の狭角配光光源を用いて水滴Wを照明することで、各水滴Wに対して照射する光の色を精度高く調整することができる。また、このように、照明装置20は複数の狭角配光光源によって水滴Wを照明する関係上、水滴Wの移動経路と発光素子22の配列位置は近くに設定することが好ましい。例えば、水滴Wの移動経路と発光素子22の位置の間の距離は、1m以下であることが好ましく、例えば1cm〜80cm、3cm〜70cm、5cm〜50cm程度とすると良い。
【0023】
さらに、各発光素子22としては、例えば高周波のパルス幅変調(PWM)により、水滴Wの生成周期よりも更に短い時間単位で、発光状態(発光色、輝度、ON/OFF等)を制御可能なものが用いられる。例えば、水滴Wの生成周期が50Hzである場合、各発光素子22による光の照射周期もこれに合わせて50Hzに設定される。この50Hz(すなわち20ms)の照射周期を50μs単位で時分割すると、400個の区間(ピクセル)に分割できる。そして、発光素子22は、50μsの区間(ピクセル)ごとに発光状態を変化させることができる。具体的には、発光素子22は、例えば50μsのパルスに対して、128段階で輝度を調光できる。また、発光素子22は、赤・青・緑・白の4色光源である場合、各色について128段階で輝度を調光可能できるため、128の4乗の約2億7千万種類の色を再現できこととなる。また、光の照射周期の分割数(すなわち区間の数)は、前述した400に限られず、適宜設定することができる。例えば、光の照射周期の分割数の下限は、2、3、5、又は10とし、上限は1000程度とすればよい。また、照明装置20は、制御装置30により各区間の発光状態が制御される。制御装置30は、照明装置20を構成する複数の発光素子22を統合的に制御することともできるし、発光装置22ごとに発光状態を制御することもできる。
【0024】
このように、光の照射周期1周期ごとに水滴Wが移動する空間を数百ピクセルに分割することで、単純にはこの空間をディスプレイの様に捉えることができる。さらに、水滴Wの生成周期と光の照射周期を一致させると、水滴Wの残像の動きを考える際に、水滴Wの生成周期と光の照射周期の関係性を調整する必要がなくなり、光の照射周期を時分割した区間(ピクセル)の発光状態を調整すれば済む。このため、通常のディスプレイと同様に、各区間(ピクセル)を操作してアニメーションを表示するような考え方で、水滴Wの残像の動きや色を制御することが可能となる。これにより、自由度の高い演出を簡単な設定で実現することができる。
【0025】
制御装置30は、水滴生成装置10及び照明装置20を制御する。制御装置30としては、汎用的なコンピュータを用いることとしてもよいし、専用的なコントローラを用いてもよい。また、
図1に示した例では、便宜的に、水滴生成装置10及び照明装置20を一つの制御装置30によって制御するように描画しているが、水滴生成装置10と照明装置20はそれぞれ別の制御装置によって制御することとしてもよい。
【0026】
続いて、
図2を参照して、上記したシステム100により実行される水滴演出方法の基本概念について説明する。
図2は、一つの照射周期Tにおいて、照明装置20の発光状態の変化(ストロボパルス)と、水滴の挙動と、人が視覚的に認識する水滴の残像を模式的に示したものである。この一つの照射周期Tは、開始時刻0から終了時刻tまでの期間であり、例えば10〜100ms(100〜10Hz)程度である。特に、人の目の時間分解能は約50〜100ms程度であるとされているため、残像効果を実現するには、光の照射周期Tは人の時間分解能よりも短く設定することが好ましい。例えば、一つの照射周期Tは10〜50msとすることが好適である。また、
図2に示した例において、水滴の生成周期iは、光の照射周期Tと実質的に一致している。なお、水滴の生成周期iは、ある水滴と次の水滴の間の間隔に比例する。
【0027】
また、一つの照射周期Tは、複数の区間p
1〜p
nに時分割される。
図2に示した例では、一つの照射周期Tを便宜的に10の区間に分割することとしているが、この分割数は任意に増減させることができる。そして、光の照射周期Tと水滴の生成周期iが一致している場合に、一つの照射周期Tを複数の区間に分割することで、この照射周期Tの間に水滴が移動する空間を、画像の最小単位である複数のピクセルによって構成されたものと見做すことができる。つまり、各区間(ピクセル)について発光色や輝度、発光のON/OFFを制御することで、水滴Wをディスプレイの様に捉えて、水滴の残像の色や動きを自由に調整できる。
【0028】
図2に示した例では、一つの照射周期T内において、区間p
1から区間p
6に亘って発光色が暗色から明色にグラデーション的に変化し、それ以降の区間では発光がOFFとなっている。この照射周期T内で下方に落下する水滴は、区間p
1から区間p
6の間はそれぞれの色の光が照射されるが、それ以降の区間では光を受けない。このため、照射周期T内の区間p
1から区間p
6で有色光の照射を受けた水滴の残像が、人の視覚に残ることとなる。そうすると、
図2に示したように、水滴の残像は、鑑賞者にとって、実際の水滴の落下方向の伸びるとともに、グラデーション的な色が付されたもののように見えることとなる。この原理を利用すれば、一つの水滴を多色で輝かせることができ、また一つの水滴の残像の形状も変化させることができる。
【0029】
図3は、上記の原理を応用した水滴演出の一例を示している。
図3では、光の照射周期Tと水滴の生成周期iが一致していることを前提とし、1箇所で見える水滴の残像に着目して、光の照射周期が、第1の照射周期T
1から第7の照射周期T
7まで繰り返される様子を示している。
図3の例では、鑑賞者にとっては、あたかも一つの水滴が目の前で浮遊し、伸び縮みしながら、上下に移動しているように見えるが、実際には第1の照射周期T
1から第7の照射周期T
7の間に7つの水滴が鑑賞者の目の前を通り過ぎたこととなる。
【0030】
すなわち、
図3の例において、第1の照射周期T
1では、区間p
1から区間p
6まで水滴に光が照射されるが、それ以降の区間では光を照射しない。以降、水滴に光を照射する区間を「点灯区間」といい、水滴に光を照射しない区間を「消灯区間」という。その後の第2の照射周期T
2以降では、点灯区間が、段階的に後の区間ずれていくとともに、その点灯区間の数が少なくなる。そして、点灯区間が、第4の照射周期T
4で最後の区間p
10に到達し、その数も最小となる。その後の第5の照射周期T
5以降では、反対に、点灯区間が、段階的に先の区間ずれていくとともに、その転送区間の数が多くなる。そして、点灯区間は、第7の照射周期T
7で第1の照射周期T
1と同じに戻る。これを繰り返し行うことで、
図3に示したように、鑑賞者にとっては、一つの水滴が目の前で浮遊し、伸び縮みしながら、上下に移動しているように見える。
【0031】
図4は、水滴演出の別例を示している。
図4の例では、第1の照射周期T
1では、区間p
1から区間p
6までが点灯区間とされ、それ以降の区間が消灯区間とされている。その後の第2の照射周期T
2以降では、点灯区間が、段階的に後の区間ずれていく。また、第4の照射周期T
4のように、点灯区間が最後の区間p
10に到達した場合には、冒頭の区間p
1,2を点灯区間とすることで、点灯区間の総数は常に一定とする。これを繰り返し行うことで、
図4に示したように、鑑賞者にとっては、水滴が自由落下よりも遅い速度で目の前を緩やかに下降していくように見える。
【0032】
図5は、水滴演出のさらに別の例を示している。
図5の例では、第1の照射周期T
1では、区間p
1から区間p
4が第1の点灯区間とされ、区間p
5から区間p
8が消灯区間とされ、区間p
9から区間p
10が第2の点灯区間とされている。その後の第2の照射周期T
2以降では、第1の点灯区間は、段階的に後の区間ずれていくのに対して、第2の点灯区間は、最初は2つに分裂していた水滴が、その後一旦合流し、再度分裂していくように見えることとなる。
【0033】
上記
図3から
図5に示した水滴演出はあくまで一例であり、本発明の原理を応用すれば、様々なバリエーションの演出を実行することができる。
【0034】
本発明に係る水滴演出システム100は、例えば、噴水用あるいは舞台用の大型のシステムとすることとしてもよいし、卓上用あるいは携帯用の小型のシステムとすることもできる。
【0035】
図6は、水滴生成装置10のノズル15に隣接するように照明装置20の発光素子22を配置した実施形態を示している。本実施形態では、発光素子22は、水滴Wの落下方向に沿って、ほぼ垂直方向の真下に向けて光を照射する。この場合、あるノズル15から発射された水滴Wの列に対して一つの発光素子22から光を当てて色を変化させることができる。また、図示は省略するが、発光素子22をノズル15の発射口の真下に配置しておき、垂直方向の真上に向けて光を照射することで、あるノズル15から発射された水滴Wの列に対して一光を当てることも可能である。
【0036】
また、
図6に示されるように、ノズル15と発光素子22を一直線上に並べることで、擬似的な2次元ディスプレイを構成することも可能である。
【0037】
図7は、水滴演出システム100の更に別の実施形態を示している。
図7に示されるように、ノズル15に隣接するように発光素子22を配置したものを、3次元的に配置することで、擬似的な3次元ディスプレイを構成することも可能である。
【0038】
以上、本願明細書では、本発明の内容を表現するために、図面を参照しながら本発明の実施形態の説明を行った。ただし、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本願明細書に記載された事項に基づいて当業者が自明な変更形態や改良形態を包含するものである。
【解決手段】水滴生成装置により断続的に水滴を生成しつつ、照明装置によって所定周期で水滴に光を照射する。照明装置としては、水滴に光を照射する一周期を時間的に複数の区間に分割した場合に、この区間ごとに発光状態を制御可能なものを採用する。これにより、例えば一つの水滴を多色に輝かせたり、鑑賞者に視認される水滴の残像のサイズや動きを自由に変化させたりすることが可能となる。