(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る高所作業車及び取付治具を模式的に表す側面図である。
【
図2】実施形態に係る高所作業車及び取付治具を模式的に表す正面図である。
【
図3】実施形態に係る高所作業車及び取付治具を模式的に表す側面図である。
【
図4】実施形態に係る取付治具を模式的に表す側面図である。
【
図5】実施形態に係る取付治具を模式的に表す正面図である。
【
図6】実施形態に係る取付治具を模式的に表す平面図である。
【
図7】実施形態に係る保持部を模式的に表す斜視図である。
【
図8】実施形態に係る保持部を模式的に表す斜視図である。
【
図9】
図9(a)〜
図9(c)は、実施形態に係る支持部を模式的に表す斜視図である。
【
図10】
図10(a)及び
図10(b)は、実施形態に係る支持板を模式的に表す正面図である。
【
図11】
図11(a)〜
図11(c)は、実施形態に係る左右移動機構を模式的に表す正面図である。
【
図12】
図12(a)及び
図12(b)は、実施形態に係る昇降機構を模式的に表す正面図である。
【
図13】実施形態に係る回転機構を模式的に表す平面図である。
【
図14】実施形態に係る回転機構の一部を模式的に表す部分断面図である。
【
図15】実施形態に係る台座部の一部を拡大して模式的に表す底面図である。
【0009】
以下に、各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0010】
図1は、実施形態に係る高所作業車及び取付治具を模式的に表す側面図である。
図2は、実施形態に係る高所作業車及び取付治具を模式的に表す正面図である。
図3は、実施形態に係る高所作業車及び取付治具を模式的に表す側面図である。
図1〜
図3に表したように、高所作業車2は、作業床4と、昇降装置5と、走行装置6と、を備えている。高所作業車2は、いわゆる自走式の高所作業車である。高所作業車2は、例えば、トラック搭載式の高所作業車などでもよい。
【0011】
作業床4は、作業者や取付対象の資材などを積載する部分である。作業床4は、例えば、床部と、床部の周囲を囲む柵部と、を有する。作業床4は、バケット、あるいはバスケットなどと呼ばれる場合もある。
【0012】
昇降装置5は、作業床4を昇降させる。高所作業車2は、作業者や資材などを作業床4に積載した状態で、作業床4を昇降させることにより、高所(床面よりも高い位置)での作業を可能にする。昇降装置5は、ブーム式や垂直昇降式など、作業床4を昇降させることができる任意の装置でよい。
【0013】
走行装置6は、作業床4及び昇降装置5を移動させる。走行装置6は、直進移動及び旋回移動を行う。これにより、作業床4及び昇降装置5を任意の位置に移動させることができる。走行装置6は、クローラ式でもよいし、ホイール式でもよい。ホイール式の場合、旋回移動は、例えば、前後輪の角度差によって旋回する円旋回である。クローラ式の場合、旋回移動は、例えば、左右のクローラの速度差によって旋回する緩旋回でもよいし、左右のクローラの片側だけを回転させて旋回する信地旋回でもよいし、左右のクローラをそれぞれ逆方向に回転させて旋回する超信地旋回でもよい。
【0014】
以下、本願明細書においては、走行装置6の直進方向を「前後方向」とし、前後方向及び上下方向と直交する方向を「左右方向」とする。より詳しくは、走行装置6の前進する方向を「前方」とし、走行装置6の後進する方向を「後方」とし、前方を向いた状態における右側を「右側方」とし、前方を向いた状態における左側を「左側方」とする。
【0015】
高所作業車2の構成は、上記に限定されるものではない。高所作業車2は、例えば、作業床4を上昇させた際の車体の転倒を抑制するカウンタウエイトやアウトリガなどをさらに備えてもよい。高所作業車2は、作業床4と昇降装置5と走行装置6とを少なくとも備えた任意の構成でよい。
【0016】
取付治具10は、高所作業車2の作業床4に積載して使用される。取付治具10は、例えば、作業床4の床面の上に積載される。
図1及び
図2に表したように、取付治具10は、配線棚CRを保持する。取付治具10は、例えば、複数の配線棚CRを保持可能である。
図1及び
図2では、取付治具10が、4つの配線棚CRを保持した例を示している。取付治具10の保持可能な配線棚CRの数は、4つに限ることなく、1つ〜3つでもよいし、5つ以上でもよい。また、
図3に表したように、取付治具10は、配管CPを保持する。
【0017】
このように、取付治具10は、配線棚CRや配管CPなどの資材を保持する。これにより、取付治具10は、例えば、高所作業車2の移動の際に、積載した配線棚CRや配管CPが作業床4から落下してしまうことなどを抑制する。
【0018】
また、取付治具10は、例えば、保持した状態のまま配線棚CRや配管CPの取り付け作業を行えるようにする。これにより、例えば、片手で資材を支えた状態で、片手で資材の取り付けを行うといった作業を抑制することができる。作業者は、取付治具10に資材を保持させた状態で、両手で資材の取り付けを行うことができる。従って、資材の取り付けの安全性及び作業性をより向上させることができる。
【0019】
取付治具10は、工場などの建築に資材を取り付ける際に用いられる。取付治具10の保持する資材は、例えば、建築に取り付けられる資材である。取付治具10の保持する資材は、配線棚CR及び配管CPのいずれか一方のみでもよい。また、取付治具10の保持する資材は、配線棚CRや配管CPに限ることなく、例えば、天井パネルや照明器具などでもよい。取付治具10は、建築に限ることなく、例えば、船舶や航空機などの大型な乗り物などに資材を取り付ける際に用いてもよい。取付治具10の保持する資材は、床面よりも高い位置に取り付けられる任意の資材でよい。取付治具10の保持可能な資材の数は、任意の数でよい。
【0020】
また、取付治具10は、高所作業車2に積載せずに使用することもできる。取付治具10は、例えば、比較的低い箇所に資材を取り付ける場合などに、高所作業車2に積載することなく、単独で使用してもよい。
【0021】
図4は、実施形態に係る取付治具を模式的に表す側面図である。
図5は、実施形態に係る取付治具を模式的に表す正面図である。
図6は、実施形態に係る取付治具を模式的に表す平面図である。
図4〜
図6に表したように、取付治具10は、台座部12と、保持部14と、左右移動機構16と、昇降機構18と、回転機構20と、ホイール22と、レール部24と、を備えている。
【0022】
台座部12は、高所作業車2の作業床4に積載可能である。台座部12は、例えば、作業床4の床面上に積載される。台座部12は、例えば、略矩形の板状である。台座部12の形状は、作業床4の床面上に積載可能な任意の形状でよい。
【0023】
台座部12は、作業床4の床面に限ることなく、例えば、柵の上や柵の側面などに取り付けられる構成でもよい。取付治具10は、作業床4の上に載せる構成でもよいし、作業床4の外側に取り付けられる構成でもよい。作業床4に積載可能な構成とは、昇降装置5の動作に応じて作業床4とともに昇降可能な任意の構成でよい。
【0024】
保持部14は、台座部12の上に設けられ、取付対象となる資材を着脱可能に保持する。すなわち、この例において、保持部14は、配線棚CR又は配管CPを着脱可能に保持する。
【0025】
左右移動機構16は、前後方向と直交する左右方向に保持部14を移動させることにより、資材の左右方向の位置を調整可能とする。ここで、左右移動機構16による資材の移動の方向は、厳密に前後方向と直交していなくてもよい。左右移動機構16による資材の移動の方向は、資材を少なくとも左右方向に移動させる成分を含んでいればよい。
【0026】
昇降機構18は、保持部14を昇降させ、資材の高さ方向の位置を調整可能とする。回転機構20は、上下方向を軸に保持部14を回転させ、資材の向きを調整可能とする。
【0027】
ホイール22は、台座部12の下方に取り付けられている。ホイール22は、複数設けられる。この例では、4つのホイール22が、略矩形状の台座部12の四隅のそれぞれに1つずつ設けられている。各ホイール22は、前後方向に回転するように、台座部12に取り付けられる。これにより、各ホイール22は、台座部12及び保持部14を前後方向に移動可能とする。各ホイール22は、保持部14を前後方向に移動させることにより、資材の前後方向の位置を調整可能とする。
【0028】
すなわち、この例では、各ホイール22が、前後移動機構として機能する。このように、各ホイール22によって台座部12及び保持部14を前後方向に移動可能とすることにより、例えば、取付治具10を高所作業車2に積載せずに使用する場合に、取付治具10を移動させ易くすることができる。
【0029】
各ホイール22は、例えば、各ホイール22の回転を規制するストッパなど、保持部14の前後方向の移動を規制するロック機構を有してもよい。これにより、保持部14の意図しない前後方向の移動を抑制することができる。
【0030】
レール部24は、一対のレール24a、24bを有する。各レール24a、24bは、前後方向に延び、左右方向に並ぶ。各レール24a、24bは、前後方向に直線状に延びる溝状である。レール部24は、例えば、ボルト24cによって作業床4に固定される。
【0031】
4つのホイール22の前方側の2つのホイール22を前輪22aとし、後方側の2つのホイール22を後輪22bとするとき、右側の前輪22a及び右側の後輪22bは、前後方向に直線状に並ぶ。同様に、左側の前輪22a及び左側の後輪22bは、前後方向に直線状に並ぶ。また、この例では、2つの前輪22aが左右方向に直線状に並び、2つの後輪22bが左右方向に直線状に並ぶ。2つの前輪22aの左右方向の間隔、及び2つの後輪22bの左右方向の間隔は、各レール24a、24bの左右方向の間隔と実質的に同じである。従って、各ホイール22は、各レール24a、24bに嵌り、各レール24a、24bに沿って前後方向に移動する(
図5参照)。これにより、各ホイール22の稼働範囲を規制することができる。例えば、台座部12及び保持部14を前後方向に、よりスムーズに移動させることができる。
【0032】
図7及び
図8は、実施形態に係る保持部を模式的に表す斜視図である。
図7及び
図8に表したように、保持部14は、載置部30と、一対の支持部32と、バンド部34と、バックル36と、を有する。なお、
図7は、保持部14に配線棚CRを保持させる前の状態を表している。
図8は、保持部14に配線棚CRを保持させた状態を表している。
【0033】
配線棚CRは、一対の親桁CRaと、子桁CRbと、を有する。各親桁CRaは、略平行に並ぶ棒状である。子桁CRbは、例えば、各親桁CRaに対して直交する方向に延び、各親桁CRaを連結する。子桁CRbは、例えば、複数設けられる。各子桁CRbは、各親桁CRaの延びる方向に所定の間隔を空けて並べて設けられる。すなわち、配線棚CRは、梯子状である。この例では、2つの子桁CRbを図示している。子桁CRbの数は、2つに限ることなく、1つでもよいし、3つ以上でもよい。
【0034】
載置部30は、配線棚CRの子桁CRbを載置可能に構成されている。換言すれば、載置部30は、子桁CRbを支持する。載置部30は、例えば、略矩形の板状である。
【0035】
一方の支持部32は、載置部30の前端部に設けられている。一方の支持部32は、載置部30の前端部から上方に向かって延びる。他方の支持部32は、載置部30の後端部に設けられている。他方の支持部32は、載置部30の後端部から上方に向かって延びる。各支持部32は、例えば、互いに略平行な平板状である。
【0036】
各支持部32の前後方向の間隔は、各子桁CRbの前後方向の間隔に対応する。各支持部32の前後方向の間隔は、例えば、2つの子桁CRbを間に入り込ませることが可能な間隔に設定される。また、各支持部32の左右方向の長さは、各親桁CRaの左右方向の間隔に対応する。各支持部32の左右方向の長さは、例えば、各親桁CRaの間に入り込むことが可能な間隔に設定される。換言すれば、各支持部32の左右方向の長さは、各子桁CRbの左右方向の長さと同程度に設定される。
【0037】
配線棚CRを保持部14に保持させる場合には、
図8に表したように、各子桁CRbを各支持部32の間に入り込ませるとともに、各支持部32を各親桁CRaの間に入り込ませ、各子桁CRbを載置部30に載置する。これにより、各支持部32と各子桁CRbとの係合により、配線棚CRの前後方向の移動が規制されるとともに、各支持部32と各親桁CRaとの係合により、配線棚CRの左右方向の移動が規制され、配線棚CRが保持部14に保持される。
【0038】
バンド部34は、載置部30の右側端に設けられている。バックル36は、載置部30の左側端に設けられている。バックル36は、バンド部34の一端を着脱可能に保持する。バンド部34は、
図8に表したように、載置部30に載置された配線棚CRを拘束する。このように、配線棚CRをバンド部34で拘束することにより、配線棚CRの意図しない上方への移動を抑制する。換言すれば、バンド部34は、配線棚CRの各支持部32からの抜けを抑制する。これにより、配線棚CRをより適切に保持部14に保持することができる。
【0039】
バンド部34の構成は、上記に限ることなく、配線棚CRを拘束可能な任意の構成でよい。例えば、バックル36の代わりに、ラチェット機構などを用いてバンド部34の一端を保持してもよい。バンド部34は、例えば、ゴムバンドである。バンド部34は、例えば、ナイロンなどの引っ張り強度の高い材料からなるラッシングベルトなどでもよい。
【0040】
図9(a)〜
図9(c)は、実施形態に係る支持部を模式的に表す斜視図である。
図7、
図8、及び
図9(a)〜
図9(c)に表したように、各支持部32は、支持板40と、フレーム41と、を有する。支持板40は、平板状である。支持板40の両側端には、上下に並べて設けられた2つのピン40a、40bが設けられている。
【0041】
フレーム41は、載置部30に取り付けられている。フレーム41は、図示を省略したスライド移動機構により、前後や左右にフレーム41と分離することなく、支持板40を上下動可能に支持する。フレーム41の両側端には、各ピン40a、40bと係合するフック41aが設けられている。フック41aは、各ピン40a、40bと係合する係合位置(
図9(a)、
図9(c)に表した位置)と、各ピン40a、40bとの係合状態を解除する解除位置(
図9(b)に表した位置)と、の間で回動可能にフレーム41に軸支されている。
【0042】
図9(a)に表したように、ピン40aとフック41aとを係合させることにより、支持板40が、所定の高さでフレーム41に支持される。この状態から、
図9(b)に表したように、支持板40を上方に引き上げながらフック41aを回転させ、フック41aを解除位置に移動させる。この後、
図9(c)に表したように、ピン40bとフック41aを係合させる。これにより、ピン40aとフック41aとを係合させた位置よりも低い位置で、支持板40を支持することができる。
【0043】
このように、各支持部32では、各ピン40a、40bとフック41aとの係合状態を変化させることで、各支持部32の上下方向の長さを伸縮させることができる。
【0044】
例えば、3つ又は4つの配線棚CRを保持する場合には、ピン40aとフック41aとを係合させ、各支持部32の上下方向の長さを伸ばしておく。これにより、多数の配線棚CRをまとめて保持する場合にも、各配線棚CRを適切に保持することができる。そして、1つ又は2つの配線棚CRを保持する場合には、ピン40bとフック41aとを係合させ、各支持部32の上下方向の長さを縮めておく。これにより、多数の配線棚CRをまとめて保持する場合において、各支持部32が取り付けの妨げになってしまうことを抑制することができる。例えば、多数の配線棚CRを保持できるように各支持部32の上下方向の最長の長さを長くした場合にも、各支持部32が天井につかえてしまうことを抑制することができる。
【0045】
各支持部32の上下方向の長さを伸縮可能とする構成は、上記に限ることなく、任意の構成でよい。この例では、各支持部32の上下方向の長さを2段階に調整できるようにしている。各支持部32は、上下方向の長さを、より多段に調整可能としてもよいし、例えば、ボールネジなどを用いることにより、上下方向の長さを無段階に調整可能としてもよい。
【0046】
図10(a)及び
図10(b)は、実施形態に係る支持板を模式的に表す正面図である。
図7、
図8、
図10(a)及び
図10(b)に表したように、支持板40は、配管CPを支持する凹状の溝部40vを有する。溝部40vは、略V字状である。これにより、
図10(a)及び
図10(b)に表したように、直径の異なる複数種類の配管CPを溝部40vで支持することができる。溝部40vの支持可能な配管CPの直径は、例えば、10mm以上200mm以下である。但し、溝部40vの形状は、V字状に限ることなく、U字状でもよいし、矩形状などでもよい。溝部40vの形状は、配管CPを保持可能な任意の形状でよい。
【0047】
保持部14は、バンド部42と、バックル43と、複数のピン44と、をさらに有する。バンド部42、バックル43、及び各ピン44は、支持板40に設けられている。各ピン44は、例えば、溝部40vに沿って並べて設けられる。バンド部42は、溝部40vの下端付近に取り付けられている。一方、バックル43は、溝部40vの上端付近に取り付けられている。
【0048】
バンド部42は、溝部40vに支持された配管CPを拘束する。この際、
図10(a)及び
図10(b)に表したように、バンド部42を各ピン44に係合させることにより、直径の異なる配管CPを適切に拘束することができる。このように、配管CPをバンド部42で拘束することにより、配管CPをより適切に保持することができる。
【0049】
また、上記のように、バンド部42を溝部40vの下端付近に取り付け、バックル43を溝部40vの上端付近に取り付けることにより、直径の異なる配管CPを拘束する際にも、バンド部42の長さの変化を抑えることができる。換言すれば、バックル43に通すバンド部42の長さの変化を抑えることができる。
【0050】
例えば、バンド部42及びバックル43の双方が溝部40vの下端付近に設けられている場合、細い配管CPを拘束する場合と、太い配管CPを拘束する場合とで、必要となるバンド部42の長さが大きく異なってしまう。このため、太い配管CPに合わせてバンド部42の長さを設定すると、細い配管CPを拘束する際に、バンド部42を多くバックル43に通さなければならず、操作が煩わしくなってしまう可能性がある。バンド部42及びバックル43を上記のように配置することにより、こうした煩わしさを抑えることができる。
【0051】
但し、バンド部42及びバックル43の構成は、上記に限ることなく、配管CPを適切に拘束可能な任意の構成でよい。例えば、バンド部42及びバックル43の双方を溝部40vの下端付近に設けてもよい。この場合には、太い配管CPを拘束する場合にも、細い配管CPを拘束する場合にも、同様の手順で配管CPを拘束することができ、拘束の手順を分かりやすくすることができる。
【0052】
なお、バンド部42には、バンド部34に関して説明したものと同様のものを用いることができる。バックル43には、バックル36に関して説明したものと同様のものを用いることができる。従って、これらに関する説明は省略する。
【0053】
保持部14の構成は、上記に限定されるものではない。保持部14の構成は、配線棚CRや配管CPを着脱可能に支持可能な任意の構成でよい。
【0054】
図11(a)〜
図11(c)は、実施形態に係る左右移動機構を模式的に表す正面図である。
図11(a)〜
図11(c)に表したように、左右移動機構16は、例えば、ステージ50と、ボールネジ52と、を有する。ステージ50は、左右方向に移動可能に保持部14を支持する。より詳しくは、ステージ50は、載置部30を左右方向に移動可能に支持する。ステージ50は、載置部30の平面形状(上方から見た形状)に対応した平面形状を有する略矩形の平板状である。また、ステージ50は、ボールネジ52を内部に収納するための凹部を有する。
【0055】
ボールネジ52は、左右方向に延びた状態で、ステージ50の凹部内に取り付けられている。ボールネジ52は、ステージ50に回転可能に軸支されている。ボールネジ52の両端は、ステージ50よりも外側に突出している。ボールネジ52の両端には、ハンドル54が取り付けられている。ハンドル54を把持して回転させることにより、左右方向を軸としてボールネジ52が回転する。
【0056】
保持部14の載置部30は、下方に向かって突出し、ボールネジ52と螺合する螺合部30aを有する。これにより、ハンドル54を把持してボールネジ52を回転させると、
図11(b)及び
図11(c)に表したように、ボールネジ52と螺合部30aとの螺合により、保持部14が左右方向に移動する。
【0057】
左右移動機構16の構成は、上記に限ることなく、保持部14を左右方向に移動させ、資材の左右方向の位置を調整可能とする任意の構成でよい。左右移動機構16は、例えば、ラックギアやベアリングなどを用いた構成などでもよい。左右移動機構16は、例えば、ボールネジ52の回転を規制するストッパなど、保持部14の左右方向の移動を規制するロック機構を有してもよい。これにより、保持部14の意図しない左右方向の移動を抑制することができる。
【0058】
図12(a)及び
図12(b)は、実施形態に係る昇降機構を模式的に表す正面図である。
図12(a)及び
図12(b)に表したように、昇降機構18は、油圧ジャッキ60を有する。換言すれば、この例において、昇降機構18は、油圧ジャッキ60である。油圧ジャッキ60は、支柱部61と、可動部62と、ハンドル63と、解除ペダル64と、を有する。支柱部61は、台座部12の上に設けられている。可動部62は、支柱部61の上に上下方向に移動可能に取り付けられている。
【0059】
ハンドル63は、図示を省略したポンプに接続されている。ハンドル63を操作すると、作動油がタンクからシリンダに送り込まれ、可動部62が上昇する。例えば、
図12(a)に表した位置から
図12(b)に表した位置に、可動部62が上昇する。
【0060】
解除ペダル64は、図示を省略したバルブに接続されている。解除ペダル64を操作すると、作動油がシリンダからタンクに戻され、可動部62が下降する。例えば、
図12(b)に表した位置から
図12(a)に表した位置に、可動部62が下降する。
【0061】
保持部14は、可動部62の上に設けられている。この例では、可動部62の上に左右移動機構16が設けられ、左右移動機構16の上に保持部14が設けられている。これにより、ハンドル63及び解除ペダル64の操作により、保持部14が昇降する。可動部62の上昇量は、例えば、1m程度(0.5m以上1.5m以下)である。
【0062】
昇降機構18の構成は、上記に限ることなく、保持部14を昇降させ、資材の高さ方向の位置を調整可能とする任意の構成でよい。昇降機構18は、例えば、電動ジャッキなどを用いた構成などでもよい。昇降機構18は、例えば、ハンドル63及び解除ペダル64の操作を規制するストッパなど、保持部14の昇降を規制するロック機構を有してもよい。これにより、保持部14の意図しない高さ方向の移動を抑制することができる。
【0063】
昇降機構18は、例えば、天井(上方の障害物)までの距離を計測するセンサ部と、センサ部の計測結果に応じて報知を行う報知部と、をさらに有してもよい。例えば、保持部14から天井までの距離が、所定の距離以下となった場合に、報知部が報知を行うようにする。これにより、例えば、保持部14を上昇させ過ぎて、保持した資材や保持部14が天井に当接してしまうことを抑制することができる。
【0064】
例えば、昇降機構18に電動ジャッキなどを用いた場合には、保持部14から天井までの距離が、所定の距離以下となった場合に、昇降機構18による保持部14の上昇を自動的に停止させるようにしてもよい。換言すれば、昇降機構18は、保持部14から天井までの距離が、所定の距離以下となった場合に、保持部14の上昇を停止させる制御部をさらに有してもよい。これにより、例えば、保持部14や資材が天井に当接してしまうことをより確実に抑制することができる。報知部及び制御部は、両方備えてもよいし、いずれか一方のみを備えてもよい。
【0065】
図13は、実施形態に係る回転機構を模式的に表す平面図である。
図14は、実施形態に係る回転機構の一部を模式的に表す部分断面図である。
図14は、
図13のA1−A2線断面を模式的に表している。
図13及び
図14に表したように、回転機構20は、固定部70と、回転部72と、複数のボール74と、を有する。
【0066】
固定部70及び回転部72は、円板状である。固定部70は、複数のボルト71により、昇降機構18の可動部62の上に取り付けられる。回転部72は、複数のボルト73により、左右移動機構16のステージ50の底部に取り付けられる。固定部70は、下方に向かって凹む凹部70aを有する。回転部72は、上方に向かって凹む凹部72aを有する。凹部70a、72aは、円環状である。凹部72aの直径は、凹部70aの直径と実質的に同じである。これにより、凹部70a、72aは、各ボール74を収納するための空間を形成する。
【0067】
各ボール74は、凹部70aと凹部72aとの間に設けられる。各ボール74の直径は、固定部70と回転部72との間に僅かに隙間を形成する大きさに設定される。回転部72は、固定部70に直接接触せず、各ボール74を介して固定部70の上に載る。これにより、回転部72が、円環状の凹部70a、72aに沿って上下方向を軸に回転する。保持部14は、左右移動機構16を介して回転部72の上に取り付けられる。従って、保持部14が、回転部72に従動して上下方向を軸に回転する。
【0068】
回転部72は、例えば、固定部70に対して360°回転する。例えば、ストッパなどを設けることにより、所定の角度以上回転しないようにしてもよい。但し、回転機構20の回転可能な角度は、90°以上であることが好ましい。回転部72の回転する角度は、例えば、90°以上である。これにより、例えば、2つの資材を十字状に重ねて取り付ける場合に、高所作業車2の移動を必要とすることなく、2つの資材の取り付けを連続的に行うことができる。
【0069】
回転機構20の構成は、上記に限ることなく、保持部14を回転させ、資材の向きを調整可能とする任意の構成でよい。回転機構20は、例えば、ボールベアリングなどを用いた構成などでもよい。回転機構20は、例えば、回転部72の回転を規制するストッパなど、保持部14の回転を規制するロック機構を有してもよい。これにより、保持部14の意図しない回転を抑制することができる。
【0070】
図15は、実施形態に係る台座部の一部を拡大して模式的に表す底面図である。
図15に表したように、台座部12は、複数のホイール22の少なくとも1つに設けられた方向転換部12aを有する。この例において、台座部12は、2つの後輪22bのそれぞれに対応して設けられた2つの方向転換部12aを有する。方向転換部12aは、後輪22bを上下方向を軸に回転可能に支持する。すなわち、方向転換部12aは、後輪22bの向きを変化可能とする。これにより、方向転換部12aは、台座部12を前後方向に移動可能にするとともに、台座部12の方向転換を可能にする。
【0071】
このように、方向転換部12aを設けることにより、例えば、取付治具10を高所作業車2に積載せずに使用する場合に、取付治具10をより移動させ易くすることができる。例えば、取付治具10を高所作業車2に積載する際に、各ホイール22と各レール24a、24bとの位置合わせをし易くすることができる。
【0072】
方向転換部12aは、後輪22bに限ることなく、前輪22aに対応させて設けてもよい。また、例えば、ホイール22が、1つの前輪22aと2つの後輪22bとで構成されている場合などには、1つの前輪22aに対応する1つの方向転換部12aを設ければよい。このように、方向転換部12aは、複数のホイール22の少なくとも1つに設ければよい。
【0073】
この例では、保持部14を前後方向に移動させることにより、資材の前後方向の位置を調整可能とする前後移動機構として、各ホイール22を表している。前後移動機構は、各ホイール22に限ることなく、保持部14を前後方向に移動させることができる任意の構成でよい。前後移動機構は、例えば、左右移動機構16と同様に、スライド移動によって保持部14を前後に移動させる構成などでもよい。この場合、前後移動機構は、台座部12の上に設けてもよい。
【0074】
ここで、前後移動機構による資材の移動の方向は、厳密に前後方向と平行でなくてもよい。前後移動機構による資材の移動の方向は、資材を少なくとも前後方向に移動させる成分を含んでいればよい。
【0075】
この例では、台座部12の下方に前後移動機構であるホイール22が設けられ、台座部12の上に昇降機構18が設けられ、昇降機構18の上に回転機構20が設けられ、回転機構20の上に左右移動機構16が設けられ、左右移動機構16の上に保持部14が設けられている。これらの配置順序は、上記に限ることなく、任意の順序でよい。
【0076】
次に、本実施形態に係る取付治具10の動作について説明する。
保持部14に配線棚CRを保持させる場合には、
図9(a)〜
図9(c)に示すような動作でアジャスター機能を発揮し、各支持部32の上下方向の長さを伸縮させる。そして、
図8に表したように、載置部30に載置された配線棚CRをバンド部34で拘束することにより、配線棚CRを保持部14に保持させる。
【0077】
一方、保持部14に配管CPを保持させる場合には、
図10(a)及び
図10(b)に表したように、溝部40vに支持された配管CPをバンド部42で拘束することにより、配管CPを保持部14に保持させる。
【0078】
左右移動機構16の動作においては、
図11(a)〜
図11(c)に表したハンドル54を回転させることで、保持部14を左右方向に移動させることができる。
【0079】
昇降機構18の動作においては、
図12(a)及び
図12(b)に表したハンドル63を上下させることにより、油圧ジャッキ60のシリンダ及びこれに連動する可動部62が上昇する。高く上げすぎた場合は、解除ペダル64を踏むことで、可動部62を降下させることができる。
【0080】
回転機構20の動作においては、
図13及び
図14に表したように、回転部72が複数のボール74を介して固定部70と接しているため、手で回す際に、回転部72がスムーズに回転するようになっている。
【0081】
前後移動機構は、各ホイール22が回転することで、レール部24上及びそれ以外の場所での移動を容易にしている。
図15に表した方向転換部12aはレール部24以外の場所での各ホイール22(後輪22b)の方向転換を容易に行うために人力で時計回りもしくは反時計まわりに動かせるようになっている。
【0082】
以上、説明したように、本実施形態に係る取付治具10では、配線棚CR又は配管CPを保持した状態で、これらの資材の左右方向の位置、高さ方向の位置、前後方向の位置、及び上下方向を軸とする回転の向きを調整可能とする。これにより、高所作業車2の移動や方向転換の回数を減少させ、資材の取り付けを効率よく安全に行うことができる。高所作業車2と周辺構造物との接触事故や、作業員の転落事故などのリスクを低減させることができる。
【0083】
なお、資材の前後方向の位置、及び上下方向を軸とする回転の向きは、高所作業車2の走行によっても調整することができる。そして、資材の高さ方向の位置は、作業床4の昇降によっても調整することができる。一方、資材の左右方向の位置は、高所作業車2の走行では調整し難い。従って、取付治具10は、少なくとも資材の左右方向の位置を調整可能に構成されていればよい。これにより、上述のように、資材の取り付けを効率よく安全に行うことができる。そして、資材の高さ方向の位置、前後方向の位置、及び上下方向を軸とする回転の向きのいずれかを取付治具10において調整可能とすることにより、資材の取り付けの作業性をより向上させることができる。
【0084】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。