特許第6903396号(P6903396)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6903396
(24)【登録日】2021年6月25日
(45)【発行日】2021年7月14日
(54)【発明の名称】撮像素子及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20210701BHJP
   G02B 5/30 20060101ALI20210701BHJP
   H04N 5/369 20110101ALI20210701BHJP
【FI】
   H01L27/146 D
   G02B5/30
   H04N5/369
【請求項の数】9
【全頁数】37
(21)【出願番号】特願2015-202660(P2015-202660)
(22)【出願日】2015年10月14日
(65)【公開番号】特開2017-76684(P2017-76684A)
(43)【公開日】2017年4月20日
【審査請求日】2018年10月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082131
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100168686
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 勇介
(74)【代理人】
【識別番号】100094363
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 孝久
(74)【代理人】
【識別番号】100118290
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 正明
(72)【発明者】
【氏名】丸山 康
【審査官】 柴山 将隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−238632(JP,A)
【文献】 特開2015−106149(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/011047(WO,A1)
【文献】 特開2010−049280(JP,A)
【文献】 特開2014−164263(JP,A)
【文献】 特開2007−052315(JP,A)
【文献】 特開2015−170732(JP,A)
【文献】 特開2008−177191(JP,A)
【文献】 特開2012−169530(JP,A)
【文献】 特開2012−098469(JP,A)
【文献】 特開2010−263158(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
G02B 5/30
H04N 5/369
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に形成された光電変換部、
光電変換部の光入射側に配設され、ライン・アンド・スペース構造を有するワイヤグリッド偏光素子、及び、
保護層、
を備えており、
ワイヤグリッド偏光素子のスペース部は空隙であり、
保護層は、ライン部の上、及び、スペース部の上方に形成されており、
ライン部と保護層との間、及び、スペース部の上方であって、保護層の直下には第2保護層が形成されており、
保護層を構成する材料の屈折率をn1、第2保護層を構成する材料の屈折率をn2としたとき、
1>n2
を満足し、
保護層は、SiNから成り、第2保護層は、SiO2又はSiONから成り、
スペース部に存在する物質に基づき求められた平均屈折率をn0’、スペース部に存在する物質、保護層及び第2保護層に基づき求められた平均屈折率をn0”としたとき、
0’<n0
を満足する撮像素子。
【請求項2】
少なくとも、ワイヤグリッド偏光素子のスペース部に面したライン部の側面には第3保護層が形成されている請求項1に記載の撮像素子。
【請求項3】
第3保護膜は、SiO2、SiON、SiN、SiC、SiOC、SiCN、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、パーフルオロデシルトリクロロシラン及びオクタデシルトリクロロシランから成る群から選択された材料から成る請求項2に記載の撮像素子。
【請求項4】
ワイヤグリッド偏光素子を取り囲むフレーム部を更に備えており、
フレーム部と、ワイヤグリッド偏光素子のライン部とは連結されており、
フレーム部は、ワイヤグリッド偏光素子のライン部と同じ構造を有する請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の撮像素子。
【請求項5】
基板の一方の面には光電変換部を駆動する駆動回路が形成されており、
基板の他方の面に光電変換部が形成されており、
撮像素子の縁部には、基板の一方の面から他方の面に亙り、更に、ワイヤグリッド偏光素子の下方まで延びる、絶縁材料又は遮光材料が埋め込まれた溝部が形成されている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の撮像素子。
【請求項6】
ワイヤグリッド偏光素子のライン部は、光電変換部側から、第1導電材料から成る光反射層、絶縁層、及び、第2導電材料から成る光吸収層が積層された積層構造体から構成されている請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の撮像素子。
【請求項7】
光反射層の延在部は基板又は光電変換部と電気的に接続されている請求項6に記載の撮像素子。
【請求項8】
光反射層の頂面全面に絶縁層が形成されており、絶縁層の頂面全面に光吸収層が形成されている請求項6又は請求項7に記載の撮像装置。
【請求項9】
基板に形成された光電変換部、
光電変換部の光入射側に配設され、ライン・アンド・スペース構造を有するワイヤグリッド偏光素子、及び、
保護層、
を備えた撮像素子を、複数、撮像領域に有する撮像装置であって、
ワイヤグリッド偏光素子のスペース部は空隙であり、
保護層は、ライン部の上、及び、スペース部の上方に形成されており、
ライン部と保護層との間、及び、スペース部の上方であって、保護層の直下には第2保護層が形成されており、
保護層を構成する材料の屈折率をn1、第2保護層を構成する材料の屈折率をn2としたとき、
1>n2
を満足し、
保護層は、SiNから成り、第2保護層は、SiO2又はSiONから成り、
スペース部に存在する物質に基づき求められた平均屈折率をn0’、スペース部に存在する物質、保護層及び第2保護層に基づき求められた平均屈折率をn0”としたとき、
0’<n0
を満足する撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像素子、及び、係る撮像素子を備えた撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤグリッド偏光素子(Wire Grid Polarizer,WGP)が設けられた撮像素子を複数有する撮像装置が、例えば、特開2012−142501から周知である。撮像素子に設けられた光電変換部に含まれ、入射した光に基づき電流を生成する光電変換領域は、例えば、CCD素子(Charge Coupled Device:電荷結合素子)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor:相補性金属酸化膜半導体)イメージセンサーから成る。ワイヤグリッド偏光素子は、光電変換部の光入射側に配設され、ライン・アンド・スペース構造を有する。ライン・アンド・スペース構造の延びる方向を、便宜上、『第1の方向』と呼び、ライン部の繰り返し方向(第1の方向と直交する方向)を、便宜上、『第2の方向』と呼ぶ。
【0003】
図37に概念図を示すように、ワイヤグリッドの形成ピッチP0が入射する電磁波の波長λ0よりも有意に小さい場合、ワイヤグリッドの延在方向に平行な平面で振動する電磁波は、選択的にワイヤグリッドにて反射・吸収される。ここで、ライン部とライン部との間の距離(第2の方向に沿ったスペース部の距離、長さ)が、ワイヤグリッドの形成ピッチP0である。そのため、図37に示すように、ワイヤグリッド偏光素子に到達する電磁波には縦偏光成分と横偏光成分が含まれるが、ワイヤグリッド偏光素子を通過した電磁波は縦偏光成分が支配的な直線偏光となる。ここで、可視光波長帯に着目して考えた場合、ワイヤグリッドの形成ピッチP0がワイヤグリッド偏光素子へ入射する電磁波の実効波長λeffよりも有意に小さい場合、第1の方向に平行な面に偏った偏光成分はワイヤグリッドの表面で反射若しくは吸収される。一方、第2の方向に平行な面に偏った偏光成分を有する電磁波がワイヤグリッドに入射すると、ワイヤグリッドの表面を伝播した電場がワイヤグリッドの裏面から入射波長と同じ波長、同じ偏光方位のまま透過する。ここで、スペース部に存在する物質に基づき求められた平均屈折率をn0としたとき、実効波長λeffは、(λ0/n0)で表される。平均屈折率n0とは、スペース部において存在する物質の屈折率と体積の積を加算して、スペース部の体積で除した値である。波長λ0の値を一定とした場合、n0の値が小さいほど、実効波長λeffの値は大きくなり、従って、形成ピッチP0の値を大きくすることができる。また、n0の値が大きくなるほど、ワイヤグリッド偏光素子における透過率の低下、消光比の低下を招く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−142501
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ワイヤグリッド偏光素子における透過率の向上、消光比の向上に対する強い要望がある。一方、ワイヤグリッド偏光素子の製造において、撮像素子の四隅に対応するワイヤグリッド偏光素子の外周部の部分に、屡々、光電変換部からの剥離が発生するといった問題があるし、ワイヤグリッド偏光素子の外周部の構造とワイヤグリッド偏光素子の中央部の構造に差異が生じ、ワイヤグリッド偏光素子自体の性能が低下するといった問題がある。更には、ワイヤグリッド偏光素子の外周部に入射した光は、偏光方向の異なる隣接する撮像素子に漏れ込み易い。上記の特許公開公報においては、ワイヤグリッド偏光素子のライン部の側面等に絶縁層を形成することで信頼性の向上を図っているが、これらの要望、問題に関して、上記の特許公開公報には、何らの言及がなされていない。
【0006】
従って、本開示の第1の目的は、透過率の向上、消光比の向上を達成し得る構成、構造を有する撮像素子及び係る撮像素子を備えた撮像装置を提供することにある。また、本開示の第2の目的は、ワイヤグリッド偏光素子の外周部における問題を解消し得る構成、構造を有する撮像素子及び係る撮像素子を備えた撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の第1の目的を達成するための本開示の第1の態様に係る撮像素子は、
基板に形成された光電変換部、
光電変換部の光入射側に配設され、ライン・アンド・スペース構造を有するワイヤグリッド偏光素子、及び、
ワイヤグリッド偏光素子の上に形成された保護層、
を備えており、
ワイヤグリッド偏光素子のスペース部は空隙である。即ち、スペース部は少なくとも空気で満たされている。
【0008】
上記の第1の目的を達成するための本開示の第1の態様に係る撮像装置は、
基板に形成された光電変換部、
光電変換部の光入射側に配設され、ライン・アンド・スペース構造を有するワイヤグリッド偏光素子、及び、
ワイヤグリッド偏光素子の上に形成された保護層、
を備えた撮像素子を、複数、撮像領域に有する撮像装置であって、
ワイヤグリッド偏光素子のスペース部は空隙である。
【0009】
上記の第2の目的を達成するための本開示の第2の態様に係る撮像素子は、
光電変換部、
光電変換部の光入射側に配設され、ライン・アンド・スペース構造を有するワイヤグリッド偏光素子、及び、
ワイヤグリッド偏光素子を取り囲むフレーム部、
を備えており、
フレーム部と、ワイヤグリッド偏光素子のライン部とは連結されており、
フレーム部は、ワイヤグリッド偏光素子のライン部と同じ構造を有する。
【0010】
上記の第2の目的を達成するための本開示の第2の態様に係る撮像装置は、
光電変換部、
光電変換部の光入射側に配設され、ライン・アンド・スペース構造を有するワイヤグリッド偏光素子、及び、
ワイヤグリッド偏光素子を取り囲むフレーム部、
を備えた撮像素子を、複数、撮像領域に有する撮像装置であって、
フレーム部と、ワイヤグリッド偏光素子のライン部とは連結されており、
フレーム部は、ワイヤグリッド偏光素子のライン部と同じ構造を有する。
【発明の効果】
【0011】
本開示の第1の態様に係る撮像素子あるいは撮像装置においては、ワイヤグリッド偏光素子のスペース部が空隙であるので、平均屈折率n0の値を小さくすることができる。その結果、ワイヤグリッド偏光素子における透過率の向上、消光比の向上を図ることができる。また、形成ピッチP0の値を大きくすることができるので、ワイヤグリッド偏光素子の製造歩留りの向上を図ることができる。しかも、ワイヤグリッド偏光素子の上には保護層が形成されているので、高い信頼性を有する撮像素子、撮像装置を提供することができる。本開示の第2の態様に係る撮像素子あるいは撮像装置においては、フレーム部とワイヤグリッド偏光素子のライン部とが連結されており、フレーム部はワイヤグリッド偏光素子のライン部と同じ構造を有する。それ故、撮像素子の四隅に対応するワイヤグリッド偏光素子の外周部の部分に光電変換部からの剥離が発生するといった問題、ワイヤグリッド偏光素子の外周部の構造とワイヤグリッド偏光素子の中央部の構造に差異が生じ、ワイヤグリッド偏光素子自体の性能が低下するといった問題、ワイヤグリッド偏光素子の外周部に入射した光が偏光方向の異なる隣接する撮像素子に漏れ込み易いといった問題を解消することができ、高い信頼性を有する撮像素子、撮像装置を提供することができる。尚、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また、付加的な効果があってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施例1の撮像装置における撮像素子の模式的な一部端面図である。
図2図2は、実施例1の撮像装置における撮像素子の模式的な一部端面図である。
図3図3は、実施例1の撮像装置における撮像素子の模式的な部分的平面図である。
図4図4は、実施例1の撮像装置における撮像素子の模式的な部分的平面図である。
図5図5は、実施例1の撮像装置における撮像素子を構成するワイヤグリッド偏光素子の模式的な斜視図である。
図6図6は、実施例1の撮像装置における撮像領域等を示す模式的な撮像装置の平面図である。
図7図7A図7B図7C及び図7Dは、実施例1の撮像素子、撮像装置の製造方法を説明するための基板等の模式的な一部端面図である。
図8図8は、実施例1の撮像装置における撮像素子の変形例を構成するワイヤグリッド偏光素子の模式的な一部端面図である。
図9図9は、実施例2の撮像装置における撮像素子の模式的な一部端面図である。
図10図10は、実施例2の撮像装置における撮像素子の模式的な一部端面図である。
図11図11は、実施例3の撮像装置における撮像素子の模式的な一部端面図である。
図12図12は、実施例3の撮像装置における撮像素子の変形例の模式的な一部端面図である。
図13図13は、実施例3の撮像装置における撮像素子の別の変形例の模式的な一部端面図である。
図14図14は、実施例3の撮像装置における撮像素子の更に別の変形例の模式的な一部端面図である。
図15図15は、実施例4の撮像装置における撮像素子の模式的な一部端面図である。
図16図16は、実施例4の撮像装置における撮像素子の模式的な一部端面図である。
図17図17は、実施例4の撮像装置における撮像素子の模式的な部分的平面図である。
図18図18は、実施例4の撮像装置における撮像素子の模式的な部分的平面図である。
図19図19は、実施例4の撮像装置における撮像領域等を示す模式的な撮像装置の平面図である。
図20図20A図20B図20C及び図20Dは、実施例1の撮像素子、撮像装置の製造方法を説明するための基板等の模式的な一部端面図である。
図21図21は、実施例1の撮像装置におけるベイヤ配列を有する撮像素子ユニットの概念図である。
図22図22は、実施例1〜実施例4の撮像装置におけるベイヤ配列を有する撮像素子ユニットの変形例の概念図である。
図23図23は、実施例1〜実施例4の撮像装置におけるベイヤ配列を有する撮像素子ユニットの変形例の概念図である。
図24図24は、実施例1〜実施例4の撮像装置におけるベイヤ配列を有する撮像素子ユニットの変形例の概念図である。
図25図25は、実施例1〜実施例4の撮像装置におけるベイヤ配列を有する撮像素子ユニットの変形例の概念図である。
図26図26は、実施例1〜実施例4の撮像装置におけるベイヤ配列を有する撮像素子ユニットの変形例の概念図である。
図27図27は、実施例1〜実施例4の撮像装置におけるベイヤ配列を有する撮像素子ユニットの変形例の概念図である。
図28図28は、実施例1〜実施例4の撮像装置におけるベイヤ配列を有する撮像素子ユニットの変形例の概念図である。
図29図29は、実施例1〜実施例4の撮像装置におけるベイヤ配列を有する撮像素子ユニットの変形例の概念図である。
図30図30は、実施例1〜実施例4の撮像装置におけるベイヤ配列を有する撮像素子ユニットの変形例の概念図である。
図31図31は、実施例1〜実施例4の撮像装置におけるベイヤ配列を有する撮像素子ユニットの変形例の概念図である。
図32図32は、実施例1〜実施例4の撮像装置におけるベイヤ配列を有する撮像素子ユニットの変形例の概念図である。
図33図33は、実施例1〜実施例4の撮像装置におけるベイヤ配列を有する撮像素子ユニットの変形例の概念図である。
図34図34は、実施例1〜実施例4の撮像装置におけるベイヤ配列を有する撮像素子ユニットの変形例の概念図である。
図35図35は、実施例1〜実施例4の撮像装置におけるベイヤ配列を有する撮像素子ユニットの変形例の概念図である。
図36図36は、本開示の第2の態様に係る撮像装置の変形例における撮像素子ユニットの概念図である。
図37図37は、ワイヤグリッド偏光素子を通過する光等を説明するための概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、実施例に基づき本開示を説明するが、本開示は実施例に限定されるものではなく、実施例における種々の数値や材料は例示である。尚、説明は、以下の順序で行う。
1.本開示の第1の態様に係る撮像素子及び撮像装置、並びに、本開示の第2の態様に係る撮像素子及び撮像装置、全般に関する説明
2.実施例1(本開示の第1の態様に係る撮像素子及び撮像装置、並びに、本開示の第2の態様に係る撮像素子及び撮像装置、本開示の撮像素子−A、第1−Aの態様に係る撮像素子等、第1−Dの態様に係る撮像素子等、第2−Aの態様に係る撮像素子等、第2−Dの態様に係る撮像素子等)
3.実施例2(実施例1の変形、本開示の撮像素子−B)
4.実施例3(実施例1〜実施例2の変形、第1−Bの態様に係る撮像素子等、第2−Bの態様に係る撮像素子等)
5.実施例4(実施例1〜実施例3の変形、第1−Cの態様に係る撮像素子等、第2−Cの態様に係る撮像素子等)
6.その他
【0014】
〈本開示の第1の態様に係る撮像素子及び撮像装置、並びに、本開示の第2の態様に係る撮像素子及び撮像装置、全般に関する説明〉
本開示の第1の態様に係る撮像素子あるいは本開示の第1の態様に係る撮像装置における撮像素子(以下、これらの撮像素子を総称して、『本開示の第1の態様に係る撮像素子等』と呼ぶ)において、
ワイヤグリッド偏光素子と保護層との間には第2保護層が形成されており、
保護層を構成する材料の屈折率をn1、第2保護層を構成する材料の屈折率をn2としたとき、
1>n2
を満足する形態とすることができる。n1>n2 を満足することで、平均屈折率n0の値を確実に小さくすることができる。ここで、保護層は、SiNから成り、第2保護層は、SiO2又はSiONから成ることが好ましい。
【0015】
上記の各種好ましい形態を含む本開示の第1の態様に係る撮像素子等において、少なくとも、ワイヤグリッド偏光素子のスペース部に面したライン部の側面には第3保護層が形成されている形態とすることができる。即ち、スペース部は空気で満たされ、加えて、スペース部には第3保護層が存在する。ここで、第3保護層を構成する材料として、屈折率が2以下、消衰係数が零に近い材料が望ましく、TEOS−SiO2を含むSiO2、SiON、SiN、SiC、SiOC、SiCN等の絶縁材料や、酸化アルミニウム(AlOX)、酸化ハフニウム(HfOx)、酸化ジルコニウム(ZrOx)、酸化タンタル(TaOx)等の金属酸化物を挙げることができる。あるいは又、パーフルオロデシルトリクロロシランやオクタデシルトリクロロシランを挙げることができる。第3保護層は、各種CVD法、塗布法、スパッタリング法や真空蒸着法を含む各種PVD法、ゾル−ゲル法等の公知のプロセスによって形成することができるが、所謂単原子成長法(ALD法、Atomic Layer Doposition 法)や、HDP−CVD法(高密度プラズマ化学的気相成長法)を採用することが、より好ましい。ALD法を採用することで、薄い第3保護層をコンフォーマルにワイヤグリッド偏光素子上に形成することができるが、より一層薄い第3保護層をライン部の側面に形成するといった観点から、HDP−CVD法を採用することが更に一層好ましい。あるいは又、スペース部を、第3保護層を構成する材料で充填し、しかも、第3保護層に、隙間、空孔、ボイド等を設ければ、第3保護層の屈折率を低下させることができる。
【0016】
ワイヤグリッド偏光素子を構成する金属材料や合金材料(以下、『金属材料等』と呼ぶ場合がある)が外気と接触すると、外気からの水分や有機物の付着によって金属材料等の腐食耐性が劣化し、撮像素子の長期信頼性が劣化する虞がある。特に、金属材料等−絶縁材料−金属材料等のライン部に水分が付着すると、水分中にはCO2やO2が溶解しているために電解液として作用し、2種類のメタル間の間で局部電池が形成される虞がある。そして、このような現象が生じると、カソード(正極)側では水素発生等の還元反応が進み、アノード(負極側)では酸化反応が進むことにより、金属材料等の異常析出やワイヤグリッド偏光素子の形状変化が発生する。そして、その結果、本来期待されたワイヤグリッド偏光素子や撮像素子の性能が損なわれる虞がある。例えば、光反射層としてアルミニウム(Al)を用いる場合、以下の反応式で示すようなアルミニウムの異常析出が発生する虞がある。しかしながら、保護層を形成するので、また、第3保護層を形成すれば、このような問題の発生を確実に回避することができる。
Al → Al3+ + 3e-
Al3+ + 3OH- → Al(OH)3
【0017】
以上に説明した各種好ましい形態を含む本開示の第1の態様に係る撮像素子等において、
ワイヤグリッド偏光素子を取り囲むフレーム部を更に備えており、
フレーム部と、ワイヤグリッド偏光素子のライン部とは連結されており、
フレーム部は、ワイヤグリッド偏光素子のライン部と同じ構造を有する形態とすることができる。係る形態の本開示の第1の態様に係る撮像素子等を、便宜上、『第1−Aの態様に係る撮像素子等』と呼ぶ。
【0018】
更には、以上に説明した各種好ましい形態を含む本開示の第1の態様に係る撮像素子等において、
基板の一方の面には光電変換部を駆動する駆動回路が形成されており、
基板の他方の面に光電変換部が形成されており、
撮像素子の縁部には、基板の一方の面から他方の面に亙り、更に、ワイヤグリッド偏光素子の下方まで延びる、絶縁材料又は遮光材料が埋め込まれた溝部(一種の素子分離領域)が形成されている形態とすることができる。係る形態の本開示の第1の態様に係る撮像素子等を、便宜上、『第1−Bの態様に係る撮像素子等』と呼ぶ。絶縁材料として、後述する絶縁層(絶縁層形成層)や層間絶縁層を構成する材料を挙げることができるし、遮光材料として、後述する遮光層を構成する材料を挙げることができる。後述する第2−Bの態様に係る撮像素子等においても同様とすることができる。このような溝部を形成することで、感度低下、偏光クロストークの発生、消光比の低下を防止することができる。
【0019】
更には、以上に説明した各種好ましい形態を含む本開示の第1の態様に係る撮像素子等において、ワイヤグリッド偏光素子のライン部は、光電変換部側から、第1導電材料から成る光反射層、絶縁層、及び、第2導電材料から成る光吸収層が積層された積層構造体から構成されている構成とすることができる。尚、光電変換部と光反射層の間に、TiやTiN、Ti/TiNの積層構造から成る下地膜が形成されている構成とすることができ、これによって、光反射層形成層、光反射層のラフネスを改善することができる。そして、この場合、光反射層の延在部は基板又は光電変換部と電気的に接続されている構成とすることができる。係る構成の本開示の第1の態様に係る撮像素子等を、便宜上、『第1−Cの態様に係る撮像素子等』と呼ぶ。このように、光反射層の延在部を基板又は光電変換部と電気的に接続することで、ワイヤグリッド偏光素子の形成時、後述する光反射層形成層や光吸収層形成層が帯電し、一種の放電が発生する結果、ワイヤグリッド偏光素子や光電変換部に損傷が発生するといった問題の発生を、確実に回避することができる。次に述べる第2−Cの態様に係る撮像素子等においても同様である。更には、本開示の第1の態様に係る撮像素子等におけるこれらの構成にあっては、光反射層の頂面全面に絶縁層が形成されており、絶縁層の頂面全面に光吸収層が形成されている構成とすることができる。係る構成の本開示の第1の態様に係る撮像素子等を、便宜上、『第1−Dの態様に係る撮像素子等』と呼ぶ。これによって、光吸収層及び光反射層の全領域が基板又は光電変換部に電気的に接続されるので、一層確実に放電の発生を防止することができる。次に述べる第2−Dの態様に係る撮像素子等においても同様である。あるいは又、ワイヤグリッド偏光素子は、絶縁層が省略され、光電変換部側から、光反射層及び光吸収層が積層されて成る構成とすることができる。次に述べる第2−Dの態様に係る撮像素子等においても同様である。
【0020】
本開示の第2の態様に係る撮像素子あるいは本開示の第2の態様に係る撮像装置における撮像素子(以下、これらの撮像素子を総称して、『本開示の第2の態様に係る撮像素子等』と呼ぶ)において、ワイヤグリッド偏光素子のライン部は、光電変換部側から、第1導電材料から成る光反射層、絶縁層、及び、第2導電材料から成る光吸収層が積層された積層構造体から構成されている構成とすることができる。尚、上述したと同様に、光電変換部と光反射層の間に、TiやTiN、Ti/TiNの積層構造から成る下地膜が形成されている構成とすることができる。そして、この場合、光反射層の延在部は基板又は光電変換部と電気的に接続されている構成とすることができる。係る構成の本開示の第2の態様に係る撮像素子等を、便宜上、『第2−Cの態様に係る撮像素子等』と呼ぶ。更には、本開示の第2の態様に係る撮像素子等におけるこれらの構成にあっては、光反射層の頂面全面に絶縁層が形成されており、絶縁層の頂面全面に光吸収層が形成されている構成とすることができる。係る構成の本開示の第2の態様に係る撮像素子等を、便宜上、『第2−Dの態様に係る撮像素子等』と呼ぶ。
【0021】
以上に説明した好ましい構成を含む本開示の第2の態様に係る撮像素子等において、
基板の一方の面には光電変換部を駆動する駆動回路が形成されており、
基板の他方の面に光電変換部が形成されており、
撮像素子の縁部には、基板の一方の面から他方の面に亙り、更に、ワイヤグリッド偏光素子の下方まで延びる、絶縁材料又は遮光材料が埋め込まれた溝部(一種の素子分離領域)が形成されている形態とすることができる。係る形態の本開示の第2の態様に係る撮像素子等を、便宜上、『第2−Bの態様に係る撮像素子等』と呼ぶ。
【0022】
本開示の第2の態様に係る撮像装置において、1つの撮像素子ユニットが複数の撮像素子から成り、これらの複数の撮像素子におけるライン・アンド・スペース構造の延びる方向(第1の方向)が同じである場合、撮像素子ユニット内の隣接する撮像素子の間には、フレーム部を設けなくともよい場合がある。
【0023】
第1−Cの態様に係る撮像素子等あるいは第2−Cの態様に係る撮像素子等は、
(A)光電変換部を形成した後、光電変換部上に、第1導電材料から成り、基板又は光電変換部と電気的に接続された光反射層形成層を設け、次いで、
(B)光反射層形成層の上に絶縁層形成層を設け、絶縁層形成層の上に、第2導電材料から成り、少なくとも一部が光反射層形成層と接した光吸収層形成層を設け、その後、
(C)光吸収層形成層、絶縁層形成層及び光反射層形成層をパターニングすることで、帯状の光反射層、絶縁層及び光吸収層のライン部が、複数、離間して並置されて成るワイヤグリッド偏光素子を得る、
各工程に基づき製造することができる。尚、
工程(B)において、基板又は光電変換部を介して光反射層形成層を所定の電位とした状態で、第2導電材料から成る光吸収層形成層を設け、
工程(C)において、基板又は光電変換部を介して光反射層形成層を所定の電位とした状態で、光吸収層形成層、絶縁層形成層及び光反射層形成層をパターニングする形態とすることができる。
【0024】
また、第1−Cの態様に係る撮像素子等あるいは第2−Cの態様に係る撮像素子等を含む撮像装置において、基板又は光電変換部と光反射層の延在部(あるいは光反射層形成層)とが電気的に接続される領域は、撮像領域に位置する形態とすることができるし、撮像領域の外周に設けられた光学的黒画素領域(OPB)に位置する形態とすることができるし、撮像領域の外側に設けられた周辺領域に位置する形態とすることができる。尚、基板又は光電変換部と光反射層の延在部(あるいは光反射層形成層)とが電気的に接続される領域は、撮像領域に位置する場合、あるいは、光学的黒画素領域(OPB)に位置する場合、各撮像素子に設けられていてもよいし、複数の撮像素子に対して1箇所設けられていてもよいし、全ての撮像素子に対して1箇所設けられていてもよく、また、1つの撮像素子に対して、1箇所設けられていてもよいし、複数箇所設けられていてもよい。また、周辺領域に位置する場合、1箇所設けられていてもよいし、複数箇所に設けられていてもよい。
【0025】
第1−Cの態様に係る撮像素子等あるいは第2−Cの態様に係る撮像素子等を含む撮像装置において、撮像素子と撮像素子との間の領域には遮光層が形成されており、光反射層の延在部は遮光層の係る領域に接している形態とすることができる。ここで、遮光層の係る領域に接している光反射層の延在部の長さは、撮像素子の実質的に光電変換を行う領域である光電変換領域の長さと同じとすることができるし、あるいは又、光電変換領域の長さの半分の長さ乃至同じ長さとすることができる。このような形態を採用することで、隣接する撮像素子からの混色の発生を防止することもできる。また、光反射層形成層と光吸収層形成層とが接する領域は、撮像素子と撮像素子との間の領域であって、撮像素子の四隅の内の少なくとも1箇所とすることができる。周辺領域においても遮光層が形成されており、光反射層の延在部は遮光層の係る領域に接している形態とすることができる。ここで、遮光層の係る領域に接している光反射層の延在部の長さは、本質的に任意の長さとすることができる。
【0026】
周辺領域において、ワイヤグリッド偏光素子の形成は不要である。周辺領域はフレーム部と同じ構造で占められていることが好ましい。フレーム部あるいは周辺領域は、ワイヤグリッド偏光素子として機能しないのであれば、ワイヤグリッド偏光素子のようにラインアンドスペース・パターンが設けられていてもよい。即ち、ワイヤグリッドの形成ピッチP0が入射する電磁波の実効波長よりも充分に大きい構造を有していてもよい。
【0027】
以上に説明した好ましい形態、構成を含む本開示の第1の態様〜第2の態様に係る撮像素子等(以下、これらを総称して、単に、『本開示の撮像素子等』と呼ぶ場合がある)において、帯状の光反射層の延びる方向(第1の方向)は、消光させるべき偏光方位と一致しており、帯状の光反射層の繰り返し方向は、透過させるべき偏光方位と一致している構成とすることができる。即ち、光反射層は、偏光子としての機能を有し、ワイヤグリッド偏光素子に入射した光の内、光反射層の延びる方向と平行な方向に電界成分を有する偏光波(TE波/S波及びTM波/P波のいずれか一方)を減衰させ、光反射層の延びる方向と直交する方向(帯状の光反射層の繰り返し方向)に電界成分を有する偏光波(TE波/S波及びTM波/P波のいずれか他方)を透過させる。即ち、光反射層の延びる方向がワイヤグリッド偏光素子の光吸収軸となり、光反射層の延びる方向(第2の方向)と直交する方向がワイヤグリッド偏光素子の光透過軸となる。
【0028】
本開示の撮像素子等において、第1の方向に沿ったライン・アンド・スペース構造の長さは、撮像素子の実質的に光電変換を行う領域である光電変換領域の第1の方向に沿った長さと同じとすることができるし、撮像素子の長さと同じとすることもできるし、第1の方向に沿った撮像素子の長さの整数倍とすることもできる。
【0029】
本開示の撮像素子等において、複数の撮像素子の配列方向と第1の方向とが成す角度が、例えば、0度の角度を有する撮像素子と、90度の角度を有する撮像素子との組合せとすることができるし、0度の角度を有する撮像素子と、45度の角度を有する撮像素子と、90度の角度を有する撮像素子と、135度の角度を有する撮像素子との組合せとすることができる。
【0030】
本開示の撮像素子等にあっては、オンチップレンズ(OCL)の上方にワイヤグリッド偏光素子が配置されている形態とすることができるし、ワイヤグリッド偏光素子の上方にオンチップレンズ(OCL)が配置されている形態とすることもできる。尚、前者の撮像素子を、便宜上、『本開示の撮像素子−A』と呼び、後者の撮像素子を、便宜上、『本開示の撮像素子−B』と呼ぶ。
【0031】
本開示の撮像素子−Aにあっては、オンチップレンズ(下側に位置する)とワイヤグリッド偏光素子(上側に位置する)との間に、オンチップレンズ側から、例えば透明な樹脂(例えば、アクリル系樹脂)から成る平坦化層、及び、ワイヤグリッド偏光素子製造工程においてプロセスの下地として機能するシリコン酸化膜等の無機材料から成る下地絶縁層が形成されている構成とすることができる。更には、これらの好ましい構成を含む本開示の撮像素子−Aにあっては、オンチップレンズの下方に波長選択層(具体的には、例えば、周知のカラーフィルタ層)が配置されている構成とすることができる。
【0032】
また、本開示の撮像素子−Bにあっては、ワイヤグリッド偏光素子(下側に位置する)とオンチップレンズ(上側に位置する)との間に、波長選択層(具体的には、例えば、周知のカラーフィルタ層)が配置されている構成とすることができる。このような構成を採用することで、各ワイヤグリッド偏光素子における透過光の波長帯域において独立してワイヤグリッド偏光素子の最適化を図ることができ、可視光域全域において一層の低反射率を実現することができる。ワイヤグリッド偏光素子と波長選択層との間には平坦化層が形成され、ワイヤグリッド偏光素子の下には、ワイヤグリッド偏光素子製造工程においてプロセスの下地として機能するシリコン酸化膜等の無機材料から成る下地絶縁層が形成されている構成とすることができる。
【0033】
カラーフィルタ層として、赤色、緑色、青色、シアン色、マゼンダ色、黄色等の特定波長を透過させるフィルタ層を挙げることができる。カラーフィルタ層を、顔料や染料等の有機化合物を用いた有機材料系のカラーフィルタ層から構成するだけでなく、フォトニック結晶や、プラズモンを応用した波長選択素子(導体薄膜に格子状の穴構造を設けた導体格子構造を有するカラーフィルタ層。例えば、特開2008−177191参照)、アモルファスシリコン等の無機材料から成る薄膜から構成することもできる。
【0034】
また、本開示の撮像素子等にあっては、隣接する撮像素子と撮像素子との間に位置する領域には、例えば、クロム(Cr)や銅(Cu)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)から成る遮光層が設けられている構成とすることができ、これによって、隣接する撮像素子への光の漏れ込み(偏光クロストーク)を、一層効果的に防ぐことができる。更には、光電変換部には、撮像素子を駆動するために、アルミニウム(Al)や銅(Cu)等から構成された各種配線(配線層)が形成されている。
【0035】
基板としてシリコン半導体基板、InGaAs基板等の化合物半導体基板を挙げることができる。
【0036】
本開示の撮像素子−Aにあっては、入射した光に基づき電流を生成する光電変換領域、オンチップレンズ、平坦化層、下地絶縁層、遮光層及びカラーフィルタ層、並びに、配線(配線層)、各種層間絶縁層から光電変換部が構成される。また、本開示の撮像素子−Bにあっては、入射した光に基づき電流を生成する光電変換領域、下地絶縁層及び遮光層、並びに、配線(配線層)、各種層間絶縁層から光電変換部が構成される。光反射層の延在部や光反射層形成層が電気的に接続される光電変換部は、例えば、遮光層あるいは配線(配線層)である。光反射層の延在部や光反射層形成層が電気的に接続される基板の部分には、例えば、高濃度不純物領域や金属層、合金層、配線層等を形成すればよい。
【0037】
本開示の撮像素子等において、光反射層は、金属材料、合金材料若しくは半導体材料から成る構成とすることができるし、光吸収層は、金属材料、合金材料若しくは半導体材料から成る構成とすることができる。
【0038】
ここで、光反射層(光反射層形成層)を構成する無機材料として、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、白金(Pt)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、鉄(Fe)、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、テルル(Te)等の金属材料や、これらの金属を含む合金材料、半導体材料を挙げることができる。
【0039】
光吸収層(光吸収層形成層)を構成する材料として、消衰係数kが零でない、即ち、光吸収作用を有する金属材料や合金材料、半導体材料、具体的には、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、鉄(Fe)、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、テルル(Te)、錫(Sn)等の金属材料や、これらの金属を含む合金材料、半導体材料を挙げることができる。また、FeSi2(特にβ−FeSi2)、MgSi2、NiSi2、BaSi2、CrSi2、CoSi2等のシリサイド系材料を挙げることもできる。特に、光吸収層(光吸収層形成層)を構成する材料として、アルミニウム又はその合金、あるいは、β−FeSi2や、ゲルマニウム、テルルを含む半導体材料を用いることで、可視光域で高コントラスト(高消光比)を得ることができる。尚、可視光以外の波長帯域、例えば赤外域に偏光特性を持たせるためには、光吸収層(光吸収層形成層)を構成する材料として、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)等を用いることが好ましい。これらの金属の共鳴波長が赤外域近辺にあるからである。
【0040】
光反射層形成層、光吸収層形成層は、各種化学的気相成長法(CVD法)、塗布法、スパッタリング法や真空蒸着法を含む各種物理的気相成長法(PVD法)、ゾル−ゲル法、メッキ法、MOCVD法、MBE法等の公知の方法に基づき形成することができる。また、光反射層形成層、光吸収層形成層のパターニング法として、リソグラフィ技術とエッチング技術との組合せ(例えば、四フッ化炭素ガス、六フッ化硫黄ガス、トリフルオロメタンガス、二フッ化キセノンガス等を用いた異方性ドライエッチング技術や、物理的エッチング技術)や、所謂リフトオフ技術、サイドウォールをマスクとして用いる所謂セルフアラインダブルパターニング技術を挙げることができる。また、リソグラフィ技術として、フォトリソグラフィ技術(高圧水銀灯のg線、i線、KrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザ、EUV等を光源として用いたリソグラフィ技術、及び、これらの液浸リソグラフィ技術、電子線リソグラフィ技術、X線リソグラフィ)を挙げることができる。あるいは又、フェムト秒レーザ等の極短時間パルスレーザによる微細加工技術や、ナノインプリント法に基づき、光反射層や光吸収層を形成することもできる。
【0041】
絶縁層(絶縁層形成層)や層間絶縁層を構成する材料として、入射光に対して透明であり、光吸収特性を有していない絶縁材料、具体的には、SiO2、NSG(ノンドープ・シリケート・ガラス)、BPSG(ホウ素・リン・シリケート・ガラス)、PSG、BSG、PbSG、AsSG、SbSG、SOG(スピンオングラス)等のSiOX系材料(シリコン系酸化膜を構成する材料)、SiN、SiON、SiOC、SiOF、SiCN、低誘電率絶縁材料(例えば、フルオロカーボン、シクロパーフルオロカーボンポリマー、ベンゾシクロブテン、環状フッ素樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、アモルファステトラフルオロエチレン、ポリアリールエーテル、フッ化アリールエーテル、フッ化ポリイミド、有機SOG、パリレン、フッ化フラーレン、アモルファスカーボン)、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂、Silk(The Dow Chemical Co. の商標であり、塗布型低誘電率層間絶縁膜材料)、Flare(Honeywell Electronic Materials Co. の商標であり、ポリアリルエーテル(PAE)系材料)を挙げることができ、単独、あるいは、適宜、組み合わせて使用することができる。絶縁層形成層は、各種CVD法、塗布法、スパッタリング法や真空蒸着法を含む各種PVD法、スクリーン印刷法といった各種印刷法、ゾル−ゲル法等の公知の方法に基づき形成することができる。絶縁層は、光吸収層の下地層として機能すると共に、光吸収層で反射された偏光光と、光吸収層を透過し、光反射層で反射された偏光光の位相を調整し、干渉効果により消光比と透過率を向上させ、反射率を低減する目的で形成される。従って、絶縁層は、1往復での位相が半波長分ずれるような厚さとすることが望ましい。但し、光吸収層は、光吸収効果を有するが故に、反射された光が吸収される。従って、絶縁層の厚さが、上述のように最適化されていなくても、消光比の向上を実現することができる。それ故、実用上、所望の偏光特性と実際の作製工程との兼ね合い基づき絶縁層の厚さを決定すればよく、例えば、1×10-9m乃至1×10-7m、より好ましくは、1×10-8m乃至8×10-8mを例示することができる。また、絶縁層の屈折率は、1.0より大きく、限定するものではないが、2.5以下とすることが好ましい。
【0042】
本開示の第1の態様〜第2の態様に係る撮像装置においては、1撮像素子ユニット(1画素)は複数の撮像素子(副画素)から構成することができる。そして、例えば、各副画素は1つの撮像素子を備えている。画素と副画素の関係については後述する。
【0043】
本開示の撮像素子等にあっては、光吸収層から光が入射する。そして、ワイヤグリッド偏光素子は、光の透過、反射、干渉、光学異方性による偏光波の選択的光吸収の4つの作用を利用することで、第1の方向に平行な電界成分を有する偏光波(TE波/S波及びTM波/P波のいずれか一方)を減衰させると共に、第2の方向に平行な電界成分を有する偏光波(TE波/S波及びTM波/P波のいずれか他方)を透過させる。即ち、一方の偏光波(例えば、TE波)は、光吸収層の光学異方性による偏光波の選択的光吸収作用によって減衰される。帯状の光反射層は偏光子として機能し、光吸収層及び絶縁層を透過した一方の偏光波(例えば、TE波)を反射する。このとき、光吸収層を透過し、光反射層で反射された一方の偏光波(例えば、TE波)の位相が半波長分ずれるように絶縁層を構成すれば、光反射層で反射された一方の偏光波(例えば、TE波)は、光吸収層で反射された一方の偏光波(例えば、TE波)との干渉により打ち消し合って減衰される。以上のようにして、一方の偏光波(例えば、TE波)を選択的に減衰させることができる。但し、上述したように、絶縁層の厚さが最適化されていなくても、コントラストの向上を実現することができる。それ故、上述したように、実用上、所望の偏光特性と実際の作製工程との兼ね合い基づき、絶縁層の厚さを決定すればよい。
【0044】
本開示の撮像装置を構成する全ての撮像素子がワイヤグリッド偏光素子を備えていてもよいし、一部の撮像素子がワイヤグリッド偏光素子を備えていてもよい。複数の撮像素子から構成された撮像素子ユニットはベイヤ配列を有し、1撮像素子ユニット(1画素)は4つの撮像素子から構成されている形態とすることができる。但し、撮像素子ユニットの配列は、ベイヤ配列に限定されず、その他、インターライン配列、GストライプRB市松配列、GストライプRB完全市松配列、市松補色配列、ストライプ配列、斜めストライプ配列、原色色差配列、フィールド色差順次配列、フレーム色差順次配列、MOS型配列、改良MOS型配列、フレームインターリーブ配列、フィールドインターリーブ配列を挙げることができる。例えば、ベイヤ配列の場合、2×2の副画素領域の内の3つの副画素領域のそれぞれに、赤色、緑色、青色のカラーフィルタ層を配置し、本来、緑色のカラーフィルタ層を配置すべき残りの1つの副画素領域にはカラーフィルタ層を配置せず、この残りの1つの副画素領域にワイヤグリッド偏光素子を配置する構成とすることができる。あるいは又、ベイヤ配列の場合、2×2の副画素領域の内の3つの副画素領域のそれぞれに、赤色、緑色、青色のカラーフィルタ層を配置し、残りの1つの副画素領域に緑色のカラーフィルタ層とワイヤグリッド偏光素子を配置する構成とすることもできる。色分離や分光を目的としない場合、若しくは、撮像素子それ自体が特定波長に感度を有するような撮像素子にあっては、フィルターは不要な場合がある。また、カラーフィルタ層を配置しない副画素領域にあっては、カラーフィルタ層を配置した副画素領域との間の平坦性を確保するために、カラーフィルタ層の代わりに透明な樹脂層を形成してもよい。即ち、撮像素子は、赤色の感度を有する赤色撮像素子、緑色の感度を有する緑色撮像素子、青色の感度を有する青色撮像素子の組合せから構成されていてもよいし、これらに加えて、赤外線に感度を有する赤外線撮像素子の組合せから構成されていてもよいし、単色の画像を得る撮像装置としてもよいし、単色の画像と赤外線に基づく画像の組合せを得る撮像装置としてもよい。
【0045】
本開示の撮像素子等として、CCD素子、CMOSイメージセンサー、CIS(Contact Image Sensor)、CMD(Charge Modulation Device)型の信号増幅型イメージセンサーを挙げることができる。また、撮像素子として、表面照射型の撮像素子あるいは裏面照射型の撮像素子を挙げることができる。撮像装置から、例えば、デジタルスチルカメラやビデオカメラ、カムコーダ、監視カメラ、車両搭載用カメラ、スマートホン用カメラ、ゲーム用のユーザーインターフェースカメラ、生体認証用カメラを構成することができる。そして、通常の撮像に加えて、偏光情報が同時に取得可能な撮像装置とすることができる。また、立体画像を撮像する撮像装置とすることもできる。
【実施例1】
【0046】
実施例1は、本開示の第1の態様〜第2の態様に係る撮像素子及び撮像装置に関し、より具体的には、本開示の撮像素子−A、第1−Aの態様に係る撮像素子等、第1−Dの態様に係る撮像素子等に関する。即ち、オンチップレンズ(OCL)の上方にワイヤグリッド偏光素子が配置されている。撮像装置は、裏面照射型の撮像素子を有する。実施例1の撮像装置を構成する撮像素子の模式的な一部端面図を図1及び図2に示し、実施例1の撮像装置における撮像素子の模式的な部分的平面図を図3及び図4に示す。更には、実施例1の撮像装置における撮像素子を構成するワイヤグリッド偏光素子の模式的な斜視図を図5に示し、実施例1の撮像装置における撮像領域等を示す模式的な撮像装置の平面図を図6に示す。図1及び図2においては2つの撮像素子を図示し、図3及び図4においては4つの撮像素子を図示している。また、図1は、図3及び図4の矢印A−Aに沿った模式的な一部端面図であり、図2は、図3及び図4の矢印B−Bに沿った模式的な一部端面図であり、ワイヤグリッド偏光素子におけるライン・アンド・スペース構造の延びる方向(第1の方向)に沿った撮像素子の模式的な一部端面図と、第2の方向に沿った撮像素子の模式的な一部端面図とを示している。更には、図3及び図4においては、撮像素子と撮像素子との間の境界を点線で示し、図3においては、ライン部とライン部との間に位置する隙間(スペース部)の部分に斜線を付し、図4においては、ライン・アンド・スペース構造におけるライン部及びフレーム部を、異なる斜線を付して示した。
【0047】
実施例1の撮像素子21は、
基板31に形成された光電変換部40、及び、
光電変換部40の光入射側に配設され、ライン・アンド・スペース構造を有するワイヤグリッド偏光素子50、
を備えている。尚、ライン部を参照番号54で示し、スペース部を参照番号55で示す。
【0048】
そして、本開示の第1の態様に係る撮像素子に則って説明すれば、実施例1の撮像素子21は、ワイヤグリッド偏光素子50の上に形成された保護層56を備えており、ワイヤグリッド偏光素子50のスペース部55は空隙である。即ち、スペース部55の一部若しくは全部が空気で満たされている。実施例1にあっては、具体的には、スペース部55の全てが空気で満たされている。
【0049】
また、本開示の第2の態様に係る撮像素子に則って説明すれば、あるいは又、第1−Aの態様に係る撮像素子等に則って説明すれば、実施例1の撮像素子21は、ワイヤグリッド偏光素子を取り囲むフレーム部59を備えており、フレーム部59とワイヤグリッド偏光素子50のライン部54とは連結されており、フレーム部59はワイヤグリッド偏光素子50のライン部54と同じ構造を有する。
【0050】
実施例1の撮像素子21にあっては、更に、ワイヤグリッド偏光素子50と保護層56との間に第2保護層57が形成されている。保護層56を構成する材料の屈折率をn1、第2保護層57を構成する材料の屈折率をn2としたとき、
1>n2
を満足する。ここで、保護層56は、SiN(n1=2.0)から成り、第2保護層57は、SiO2(n2=1.46)から成る。図面においては、第2保護層57の底面(光電変換部40と対向する面)を平坦な状態で示したが、スペース部55に向かって第2保護層57の底面が凸状となっている場合もあるし、保護層56に向かって第2保護層57の底面が凹状となっている場合、あるいは、楔状に凹んでいる場合もある。
【0051】
ワイヤグリッド偏光素子50のライン部54は、光電変換部側から、第1導電材料(具体的には、アルミニウム(Al))から成る光反射層51、SiO2から成る絶縁層52、及び、第2導電材料(具体的には、タングステン(W))から成る光吸収層53が積層された積層構造体から構成されている。光反射層51の頂面全面に絶縁層52が形成されており、絶縁層52の頂面全面に光吸収層53が形成されている。光電変換部40と光反射層51との間には、TiやTiN、Ti/TiNの積層構造から成る下地膜が形成されているが、下地膜の図示は省略した。
【0052】
実施例1の撮像装置は、実施例1の撮像素子21を複数、撮像領域11に有する撮像装置であり、例えば偏光方位が異なる2種類以上のワイヤグリッド偏光素子50を備えている。そして、隣接する撮像素子21A,21Bにおいては、ワイヤグリッド偏光素子50A,50Bにおける透過軸が直交している。実施例1の撮像装置から、例えば、デジタルスチルカメラやビデオカメラ、カムコーダ、監視カメラ、車両搭載用カメラ(車載カメラ)、スマートホン用カメラ、ゲーム用のユーザーインターフェースカメラ、生体認証用カメラ等が構成されている。そして、実施例1にあっては、光電変換領域41の上方にオンチップレンズ44が配置されており、オンチップレンズ44の上方にワイヤグリッド偏光素子50が設けられている。参照番号22は、撮像素子21が占める領域を示し、参照番号23は、撮像素子21と撮像素子21との間の領域を指す。
【0053】
具体的には、実施例1の撮像素子21は、例えば、シリコン半導体基板から成る基板31に設けられた光電変換領域41、並びに、その上に、第1平坦化膜42、波長選択層(カラーフィルタ層43)、オンチップレンズ44、平坦化層(第2平坦化膜45と呼ぶ)、下地絶縁層46、及び、ワイヤグリッド偏光素子50が積層されて成る。第1平坦化膜42及び下地絶縁層46はSiO2から成り、平坦化層(第2平坦化膜45)はアクリル系樹脂から成る。光電変換領域41は、CCD素子やCMOSイメージセンサー等から構成されている。隣接するオンチップレンズ44とオンチップレンズ44との間に位置する領域(より具体的には、オンチップレンズ44とオンチップレンズ44との間に位置する下地絶縁層46)には、例えば、タングステン(W)等から成る遮光層(所謂、ブラックマトリクス層)47が設けられている。遮光層47は、例えば金属材料から構成される光反射層51と遮光層47中の自由電子の相互干渉を避けるために、絶縁材料である下地絶縁層46の中に配置させることが好ましい。遮光層47は、例えば、接地されている。
【0054】
実施例1の撮像素子にあっては、光電変換領域41、第1平坦化膜42、波長選択層(カラーフィルタ層43)、オンチップレンズ44、平坦化層(第2平坦化膜45)、下地絶縁層46、遮光層47によって、光電変換部40が構成されている。
【0055】
また、実施例1の撮像装置において、光反射層51、絶縁層52及び光吸収層53は、撮像素子において共通である。光学的黒画素領域(OPB)12及び周辺領域13は、光反射層51、絶縁層52及び光吸収層53から成るフレーム部59と同じ構造で占められている。
【0056】
実施例1にあっては、複数の撮像素子から構成された撮像素子ユニット(画素)24はベイヤ配列を有し、4つの撮像素子から構成されている。このようなベイヤ配列を有する撮像素子ユニット24の概念図を図21に示す。即ち、1撮像素子ユニット(1画素)24は、赤色を受光する1つ副画素(図21では赤色撮像素子Rで示す)、青色を受光する1つの副画素(図21では青色撮像素子Bで示す)、及び、緑色を受光する2つの副画素(図21では緑色撮像素子Gで示す)から構成されている。撮像素子ユニット24は、行方向及び列方向に2次元マトリクス状に配列されている。1つの撮像素子ユニット内における全てのワイヤグリッド偏光素子50の第1の方向は同じ方向である。更には、行方向に配列された撮像素子ユニットにあっては、ワイヤグリッド偏光素子50の第1の方向は全て同じ方向である。一方、列方向に沿って、ワイヤグリッド偏光素子50の第1の方向が行方向と平行である撮像素子ユニットと、ワイヤグリッド偏光素子50の第1の方向が列方向と平行である撮像素子ユニットとが、交互に配置されている。尚、図21あるいは後述する図22図35において、ワイヤグリッド偏光素子にハッチング線を付した。
【0057】
そして、ワイヤグリッド偏光素子50は、前述したように、光電変換部40の側から、光反射層51、絶縁層52及び光吸収層53が積層されて成る。即ち、ライン部54は、光反射層51、絶縁層52及び光吸収層53から構成されている。光反射層51の頂面全面に絶縁層52が形成されており、絶縁層52の頂面全面に光吸収層53が形成されている。具体的には、光反射層51は、厚さ150nmのアルミニウム(Al)から構成され、絶縁層52は、厚さ25nmあるいは50nmのSiO2から構成され、光吸収層53は、厚さ25nmのタングステン(W)から構成されている。帯状の光反射層51の延びる方向(第1の方向)は、消光させるべき偏光方位と一致しており、帯状の光反射層51の繰り返し方向(第2の方向であり、第1の方向と直交する)は、透過させるべき偏光方位と一致している。即ち、光反射層51は、偏光子としての機能を有し、ワイヤグリッド偏光素子50に入射した光の内、光反射層51の延びる方向(第1の方向)と平行な方向に電界成分を有する偏光波を減衰させ、光反射層51の延びる方向と直交する方向(第2の方向)に電界成分を有する偏光波を透過させる。第1の方向はワイヤグリッド偏光素子50の光吸収軸であり、第2の方向はワイヤグリッド偏光素子50の光透過軸である。
【0058】
実施例1にあっては、第1の方向におけるライン部54の長さは、第1の方向に沿った光電変換領域41の第1の方向に沿った長さと同じである。また、図示した例では、複数の撮像素子の配列方向と第1の方向(帯状の光反射層51の延びる方向)とが成す角度が、例えば、0度の角度を有する撮像素子と、90度の角度を有する撮像素子との組合せとしたが、0度の角度を有する撮像素子と、45度の角度を有する撮像素子と、90度の角度を有する撮像素子と、135度の角度を有する撮像素子との組合せとすることもできる。
【0059】
以下、実施例1の撮像素子、撮像装置の製造方法を、基板等の模式的な一部断面図である図7A図7B図7C及び図7Dを参照して説明する。
【0060】
[工程−100]
先ず、周知の方法に基づき、シリコン半導体基板から成る基板31の一方の面の側に、撮像素子を駆動するための各種の駆動回路や配線(配線層)を形成する。駆動回路や配線(配線層)を、全体として、参照番号32で示す。次いで、基板31の他方の面に対して研磨等を行うことで基板31の厚さを所望の厚さとする。参照番号33は、基板31の一方の面に形成された層間絶縁膜である。
【0061】
[工程−110]
そして、基板31の上に周知の方法で光電変換部40を形成する。即ち、周知の方法で、基板31の他方の面に光電変換領域41を形成し、また、光電変換領域41と駆動回路や配線(配線層)32とを電気的に接続する接続部(図示せず)を形成する。その後、光電変換領域41の上に、第1平坦化膜42、波長選択層(カラーフィルタ層43)、オンチップレンズ44、平坦化層(第2平坦化膜45)、遮光層47、下地絶縁層46を、周知の方法で形成する。こうして、光電変換部40を形成することができる。前述したとおり、光電変換領域41、第1平坦化膜42、波長選択層(カラーフィルタ層43)、オンチップレンズ44、平坦化層(第2平坦化膜45)、遮光層47、及び、下地絶縁層46によって、光電変換部40が構成されている。
【0062】
[工程−120]
次に、光電変換部40上に(具体的には、下地絶縁層46上に)、TiあるいはTiN、Ti/TiNの積層構造から成る下地膜(図示せず)、第1導電材料(具体的には、アルミニウム)から成る光反射層形成層51Aを真空蒸着法に基づき設ける(図7A及び図7B参照)。
【0063】
[工程−130]
その後、光反射層形成層51Aの上に絶縁層形成層52Aを設け、絶縁層形成層52Aの上に、第2導電材料から成る光吸収層形成層53Aを設ける。具体的には、SiO2から成る絶縁層形成層52Aを、光反射層形成層51AにCVD法に基づき形成する(図7C参照)。その後、その後、絶縁層形成層52A上に、スパッタリング法によってタングステン(W)から成る光吸収層形成層53Aを形成する。こうして、図7Dに示す構造を得ることができる。
【0064】
[工程−140]
その後、リソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基づき、光吸収層形成層53A、絶縁層形成層52A及び光反射層形成層51A、更には、下地膜をパターニングすることで、帯状の光反射層51、絶縁層52及び光吸収層53のライン部(積層構造体)54が、複数、離間して並置されて成るライン・アンド・スペース構造を有するワイヤグリッド偏光素子50を得ることができる。また、撮像素子と撮像素子との間の領域23は、光反射層51、絶縁層52及び光吸収層53から成るフレーム部59で占められ、光学的黒画素領域(OPB)12及び周辺領域13は、フレーム部59と同じ構成の積層構造体で占められる。
【0065】
[工程−150]
その後、CVD法に基づき、SiO2から成り、平均厚さ0.01μm乃至10μmの第2保護層57を全面に形成する。ライン部54とライン部54との間に位置するスペース部55の上方は、第2保護層57によって塞がれる。次いで、CVD法に基づき、SiNから成り、平均厚さ0.1μm乃至10μmの保護層56を第2保護層57の上に形成する。保護層56をSiNから構成することで、高い信頼性を有する撮像素子を得ることができる。但し、SiNは比較的高い比誘電率を有するので、SiO2から成る第2保護層57を形成することで、平均屈折率n0の低下を図っている。
【0066】
[工程−160]
その後、電極パッド(図示せず)の形成、チップ切り離しのためのダイシング、パッケージといった周知の方法に基づき、撮像装置を組み立てればよい。
【0067】
実施例1の撮像素子あるいは撮像装置においては、ワイヤグリッド偏光素子のスペース部は空隙であるので(具体的には、空気で充填されているので)、平均屈折率n0の値を小さくすることができ、その結果、ワイヤグリッド偏光素子における透過率の向上、消光比の向上を図ることができる。また、形成ピッチP0の値を大きくすることができるので、ワイヤグリッド偏光素子の製造歩留りの向上を図ることができる。しかも、ワイヤグリッド偏光素子の上には保護層が形成されているので、高い信頼性を有する撮像素子、撮像装置を提供することができる。また、フレーム部とワイヤグリッド偏光素子のライン部とは連結されており、フレーム部はワイヤグリッド偏光素子のライン部と同じ構造を有するので、安定して、しかも、均質・均一なワイヤグリッド偏光素子を形成することができる。それ故、撮像素子の四隅に対応するワイヤグリッド偏光素子の外周部の部分に光電変換部からの剥離が発生するといった問題、ワイヤグリッド偏光素子の外周部の構造とワイヤグリッド偏光素子の中央部の構造に差異が生じ、ワイヤグリッド偏光素子自体の性能が低下するといった問題、ワイヤグリッド偏光素子の外周部に入射した光が偏光方向の異なる隣接する撮像素子に漏れ込み易いといった問題を解消することができ、高い信頼性を有する撮像素子、撮像装置を提供することができる。
【0068】
しかも、光電変換領域の上方にオンチップで一体的にワイヤグリッド偏光素子が形成されているが故に、撮像素子の厚さを薄くすることができる。その結果、隣接する撮像素子への偏光光の混入(偏光クロストーク)を最小にできるし、ワイヤグリッド偏光素子は吸収層を有する吸収型ワイヤグリッド偏光素子であるために反射率が低く、映像に対する迷光、フレア等の影響を軽減することができる。
【0069】
また、撮像装置にあっては、ワイヤグリッド偏光素子を備えているので、通常の撮像に加えて、偏光情報が同時に取得可能な撮像装置とすることができる。即ち、入射光の偏光情報を空間的に偏光分離する偏光分離機能を、撮像装置に付与することができる。具体的には、各撮像素子において光強度、偏光成分強度、偏光方向を得ることができるので、例えば、撮像後に、偏光情報に基づき画像データを加工することができる。例えば、空や窓ガラスを撮像した画像の部分、水面を撮像した画像の部分等に対して所望の処理を加えることで、偏光成分を強調あるいは低減させることができ、あるいは又、偏光成分と無偏光成分とを分離することができ、画像のコントラストの改善、不要な情報を削除を行うことができる。尚、具体的には、例えば、撮像装置を用いて撮像を行うときに撮像モードを規定することで、このような処理を行うことができる。更には、撮像装置によって、窓ガラスへの映り込みの除去を行うことができるし、偏光情報を画像情報に加えることで複数の物体の境界(輪郭)の鮮明化を図ることができる。あるいは又、路面の状態の検出や、路面上の障害物の検出を行うこともできる。更には、物体の複屈折性を反映した模様の撮像、リターデーション分布の測定、偏光顕微鏡画像の取得、物体の表面形状の取得や物体の表面性状の測定、移動体(車両等)の検出、雲の分布等の測定といった気象観測、各種の分野への適用、応用が可能である。また、立体画像を撮像する撮像装置とすることもできる。
【0070】
ワイヤグリッド偏光素子は、絶縁層が省略された構造、即ち、光電変換部40の側から、光反射層(例えば、アルミニウムから成る)及び光吸収層(例えば、タングステンから成る)が積層された構成とすることができる。あるいは又、1層の導電遮光材料層から構成することもできる。導電遮光材料層を構成する材料として、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、タングステン(W)、あるいは、これらの金属を含む合金といった、撮像素子が感度を有する波長域において複素屈折率の小さい導体材料を挙げることができる。
【0071】
場合によっては、図8にワイヤグリッド偏光素子の模式的な一部端面図を示すように、スペース部55に面したライン部54の側面に、例えば、SiO2から成る第3保護層58が形成されていてもよい。即ち、スペース部55は空気で満たされ、加えて、スペース部には第3保護層58が存在する。第3保護層58は、例えば、HDP−CVD法に基づき成膜されており、これによって、より一層薄い第3保護層58をコンフォーマルにライン部54の側面に形成することができる。このような第3保護層58は、以下の実施例においても適用することができる。
【実施例2】
【0072】
実施例2は、実施例1の変形であり、本開示の撮像素子−Bに関する。即ち、ワイヤグリッド偏光素子の上方にオンチップレンズ(OCL)が配置されている。また、ワイヤグリッド偏光素子(下側に位置する)とオンチップレンズ(上側に位置する)との間に波長選択層(具体的には、例えば、周知のカラーフィルタ層)が配置されている。
【0073】
具体的には、実施例2にあっては、撮像素子の模式的な一部断面図を図9及び図10に示すように、光電変換領域(受光領域)41の上に、平坦化層45及び下地絶縁層46が形成され、下地絶縁層46上にワイヤグリッド偏光素子50が形成されている。更には、ワイヤグリッド偏光素子50上に、第2保護層57、保護層56が形成されており、保護層56の上に、第3平坦化膜48、波長選択層(カラーフィルタ層43)、オンチップレンズ44が形成されている。光電変換領域(受光領域)41、平坦化層45及び下地絶縁層46によって、光電変換部40が構成されている。平坦化層45上には遮光層47が形成されている。第3平坦化膜48は、SiO2やアクリル系樹脂、SOG等から成る。実施例2にあっても、撮像素子の配置はベイヤ配列としている。ここで、図9は、図3及び図4の矢印A−Aに沿ったと同様の模式的な一部端面図であり、図10は、図3及び図4の矢印B−Bに沿ったと同様の模式的な一部端面図である。
【0074】
実施例2にあっては、光電変換領域41とオンチップレンズ44との間に、ワイヤグリッド偏光素子50が波長選択層(具体的には、カラーフィルタ層43)より基板側に配置されており、ワイヤグリッド偏光素子50の形成はカラーフィルタ層形成前となるために、プロセス温度に制限を受け難い。更に、ワイヤグリッド偏光素子50は第3平坦化膜48の下に形成されている。それ故、撮像装置をパッケージに実装する際に、チップ切り離しのためのダイシング工程等におけるワイヤグリッド偏光素子へのダメージの発生を確実に防止することができる。しかも、ワイヤグリッド偏光素子50を光電変換領域41に近接して設けることができるので、隣接する撮像素子への光の漏れ込み(偏光クロストーク)を防ぐことができる。
【実施例3】
【0075】
実施例3は、実施例1〜実施例2の変形であり、第1−Bの態様に係る撮像素子等、第2−Bの態様に係る撮像素子等に関する。模式的な一部断面図を図11あるいは図12に示すように、実施例3の撮像素子にあっては、
基板31の一方の面には光電変換部40を駆動する駆動回路32が形成されており、
基板31の他方の面に光電変換部40が形成されており、
撮像素子21の縁部には、基板31の一方の面から他方の面に亙り、更に、ワイヤグリッド偏光素子50の下方まで延びる(ワイヤグリッド偏光素子50の直下まで延びる態様を含む)、絶縁材料又は遮光材料が埋め込まれた溝部34が形成されている。絶縁材料としてSiO2を例示することができるし、遮光材料としてタングステン(W)を例示することができる。尚、図11に示した実施例3の撮像素子は、実施例1の撮像素子の変形であり、図1に対応している。また、図12に示した実施例3の撮像素子は、実施例2の撮像素子の変形であり、図9に対応している。以上の点を除き、実施例3の撮像素子は、実施例1あるいは実施例2の撮像素子と同様の構成、構造とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0076】
実施例1の[工程−100]と同様の工程において、シリコン半導体基板から成る基板31の一方の面の側に、撮像素子を駆動するための各種の駆動回路や配線(配線層)を形成するとき、基板31に溝部34の一部を形成し、実施例1の[工程−110]と同様の工程において、光電変換領域41、第1平坦化膜42、波長選択層(カラーフィルタ層43)、オンチップレンズ44、平坦化層(第2平坦化膜45)を形成した後、平坦化層(第2平坦化膜45)、第1平坦化膜42、基板31に溝部34の残部を形成すればよい(図11参照)。あるいは又、実施例1の[工程−100]と同様の工程において、シリコン半導体基板から成る基板31の一方の面の側に、撮像素子を駆動するための各種の駆動回路や配線(配線層)を形成し、実施例1の[工程−110]と同様の工程において、光電変換領域41、第1平坦化膜42、波長選択層(カラーフィルタ層43)、オンチップレンズ44、平坦化層(第2平坦化膜45)を形成した後、基板31の側から、あるいは又、平坦化層(第2平坦化膜45)側から、基板31から平坦化層(第2平坦化膜45)に亙り、溝部34を形成すればよい。尚、「溝部の形成」には、溝部34内への絶縁材料又は遮光材料の埋込み処理を含む。
【0077】
あるいは又、実施例1の[工程−100]と同様の工程において、シリコン半導体基板から成る基板31の一方の面の側に、撮像素子を駆動するための各種の駆動回路や配線(配線層)を形成するとき、基板31に溝部34の一部を形成し、実施例2において、平坦化層(第2平坦化膜45)を形成した後、平坦化層(第2平坦化膜45)、基板31に溝部34の残部を形成すればよい(図12参照)。あるいは又、実施例1の[工程−100]と同様の工程において、シリコン半導体基板から成る基板31の一方の面の側に、撮像素子を駆動するための各種の駆動回路や配線(配線層)を形成し、実施例2において、平坦化層(第2平坦化膜45)を形成した後、基板31の側から、あるいは又、平坦化層(第2平坦化膜45)側から、基板31から平坦化層(第2平坦化膜45)に亙り、溝部34を形成すればよい。
【0078】
尚、図11の変形例を図13に示し、図12の変形例を図14に示すように、溝部34を下地絶縁層46にまで延在するように設けてもよい。
【実施例4】
【0079】
実施例4は、実施例1〜実施例3の変形であり、第1−Cの態様に係る撮像素子等、第2−Cの態様に係る撮像素子等に関する。実施例4の撮像装置を構成する撮像素子の模式的な一部端面図を図15及び図16に示し、実施例4の撮像装置における撮像素子の模式的な部分的平面図を図17及び図18に示す。更には、実施例4の撮像装置における撮像領域等を示す模式的な撮像装置の平面図を図19に示す。図15及び図16においては2つの撮像素子を図示し、図17及び図18においては4つの撮像素子を図示している。また、図15は、図17及び図18の矢印A−Aに沿った模式的な一部端面図であり、図16は、図17及び図18の矢印B−Bに沿った模式的な一部端面図であり、ワイヤグリッド偏光素子におけるライン・アンド・スペース構造の延びる方向(第1の方向)に沿った撮像素子の模式的な一部端面図と、第2の方向に沿った撮像素子の模式的な一部端面図とを示している。更には、図17及び図18においては、撮像素子と撮像素子との間の境界を点線で示し、図17及び図18においては、ライン部とライン部との間に位置する隙間(スペース部)の部分に斜線を付した。
【0080】
実施例4において、光反射層51の延在部51aは基板31又は光電変換部40と電気的に接続されている。具体的には、光反射層51の延在部51aは、光電変換部40を構成する遮光層47と接続されている。
【0081】
ここで、実施例4において、光電変換部40と光反射層51の延在部51a(あるいは光反射層形成層51A)とが電気的に接続される領域は、撮像領域11に位置する。光電変換部40と光反射層51の延在部51a(あるいは光反射層形成層51A)とが電気的に接続される領域は、各撮像素子に設けられていてもよいし、複数の撮像素子に対して1箇所設けられていてもよいし、全ての撮像素子に対して1箇所設けられていてもよい。基板31又は光電変換部40と光反射層51の延在部51a(あるいは光反射層形成層51A)とが電気的に接続される領域は、撮像領域の外周に設けられた光学的黒画素領域(OPB)12に位置していてもよいし、撮像領域11の外側に設けられた周辺領域13に位置していてもよい。
【0082】
撮像素子と撮像素子との間の領域23には遮光層47が形成されており、光反射層51の延在部51aは遮光層47の係る領域に接している。図18では、光反射層51の延在部51aが遮光層47の係る領域に接している部分を、便宜上、矩形で囲み、「A」の符号を付した。遮光層47の係る領域に接している光反射層51の延在部51aの長さを、光電変換領域41の長さと同じとした。このような構造を採用することで、隣接する撮像素子からのクロストークの発生を防止することもできる。また、光反射層51(光反射層形成層51A)と光吸収層53(光吸収層形成層53A)とが接する領域を、撮像素子と撮像素子との間の領域23であって、撮像素子の四隅の内の少なくとも1箇所(具体的には、4箇所)とした。光反射層51(光反射層形成層51A)と光吸収層53(光吸収層形成層53A)とが接する領域を、図18では、便宜上、矩形で囲み、「B」の符号を付した。尚、図15図16における光反射層51の延在部51a(光反射層延在部51A)及び光吸収層形成層53Aの延在部53aの位置と、図18に示した延在部51a,53aの位置とは、図面を簡素化するため、食い違っている。場合によっては、光反射層51の延在部51aが遮光層47の係る領域に接している部分Aは、撮像素子を囲んでいてもよいし、光反射層51(光反射層形成層51A)と光吸収層53(光吸収層形成層53A)とが接する領域Bも、撮像素子を囲んでいてもよい。
【0083】
以下、実施例4の撮像素子、撮像装置の製造方法を、基板等の模式的な一部断面図である図20A図20B図20C及び図20Dを参照して説明するが、実施例4の撮像素子は、
(A)光電変換部40を形成した後、光電変換部40上に、第1導電材料から成り、基板31又は光電変換部40と電気的に接続された光反射層形成層51Aを設け、次いで、
(B)光反射層形成層51Aの上に絶縁層形成層52Aを設け、絶縁層形成層52Aの上に、第2導電材料から成り、少なくとも一部が光反射層形成層51Aと接した光吸収層形成層53Aを設け、その後、
(C)光吸収層形成層53A、絶縁層形成層52A及び光反射層形成層51Aをパターニングすることで、帯状の光反射層51、絶縁層52及び光吸収層53から構成されたライン部(積層構造体)54が、複数、離間して並置されて成るワイヤグリッド偏光素子50を得る、
各工程に基づき製造することができる。尚、
工程(B)において、基板31又は光電変換部40を介して光反射層形成層51Aを所定の電位とした状態で、第2導電材料から成る光吸収層形成層53Aを設け、
工程(C)において、基板31又は光電変換部40を介して光反射層形成層51Aを所定の電位とした状態で、光吸収層形成層53A、絶縁層形成層52A及び光反射層形成層51Aをパターニングする形態とすることができる。
【0084】
[工程−400]
先ず、実施例1の[工程−100]と同様の工程を実行する。次いで、実施例1の[工程−110]と同様の工程を実行する。尚、遮光層47の上方に位置する下地絶縁層46の部分に第1開口部46Bを設けておく。
【0085】
[工程−410]
次に、光電変換部40上に(具体的には、下地絶縁層46上に)、第1導電材料(具体的には、アルミニウム)から成る光反射層形成層51Aを真空蒸着法に基づき設ける(図20A及び図20B参照)。光反射層形成層51Aは、第1開口部46B内を遮光層47の頂面まで延びる。即ち、第1導電材料から成る光反射層形成層51Aを、基板31又は光電変換部40に(実施例4にあっては、具体的には遮光層47)に電気的に接続する。光反射層形成層51Aの遮光層47との接続部を参照番号51aで示す。
【0086】
[工程−420]
その後、光反射層形成層51Aの上に絶縁層形成層52Aを設け、絶縁層形成層52Aの上に、第2導電材料から成り、少なくとも一部が光反射層形成層51Aと接した光吸収層形成層53Aを設ける。具体的には、SiO2から成る絶縁層形成層52Aを、光反射層形成層51AにCVD法に基づき形成する。その後、ライン部(積層構造体)54を形成すべき光反射層形成層51Aの所望の領域の上方に位置する絶縁層形成層52Aの部分に、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術に基づき、第2開口部52Bを形成する。こうして、図20Cに示す構造を得ることができる。その後、第2開口部52B内を含む絶縁層形成層52A上に、スパッタリング法によってタングステン(W)から成る光吸収層形成層53Aを形成する。こうして、図20Dに示す構造を得ることができる。光反射層形成層51Aと光吸収層形成層53Aとは、第2開口部52B内を延びる光吸収層形成層53Aの延在部53aによって接している。尚、この工程においては、基板31又は光電変換部40を介して光反射層形成層51Aを所定の電位とした状態で(具体的には、実施例4にあっては、遮光層47を介して接地した状態で)、光吸収層形成層53Aを設ける。
【0087】
[工程−430]
その後、リソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基づき、光吸収層形成層53A、絶縁層形成層52A及び光反射層形成層51Aをパターニングすることで、帯状の光反射層51、絶縁層52及び光吸収層53のライン部(積層構造体)54が、複数、離間して並置されて成るワイヤグリッド偏光素子50を得ることができる。尚、この工程においては、基板31又は光電変換部40を介して光反射層形成層51Aを所定の電位とした状態で(具体的には、実施例4にあっては、遮光層47を介して接地した状態で)、光吸収層形成層53A、絶縁層形成層52A及び光反射層形成層51Aをパターニングする。また、撮像素子と撮像素子との間の領域23はフレーム部59で占められるし、光学的黒画素領域(OPB)12及び周辺領域13は、光反射層51、絶縁層52及び光吸収層53から成るフレーム部と同じ積層構造体で占められる。
【0088】
[工程−440]
その後、実施例1の[工程−150]〜[工程−160]と同様の工程を実行することで、実施例4の撮像素子、撮像装置を得ることができる。

【0089】
実施例4の撮像素子にあっては、光反射層形成層を光電変換部に電気的に接続し、また、光反射層の延在部が光電変換部と電気的に接続されている。従って、ワイヤグリッド偏光素子の形成時、光反射層形成層や光吸収層形成層が帯電し、一種の放電が発生する結果、ワイヤグリッド偏光素子や光電変換部に損傷が発生するといった問題の発生を、確実に回避することができる。
【0090】
尚、光反射層形成層51Aを、光電変換部40に電気的に接続する代わりに、基板31(例えば、駆動回路や配線、配線層32)に電気的に接続してもよい。また、基板31又は光電変換部40と光反射層形成層51Aとが電気的に接続される領域を、撮像領域11の外周に設けられた光学的黒画素領域(OPB)12に位置させてもよいし、撮像領域11の外側に設けられた周辺領域13に位置させてもよい。即ち、周辺領域13においても遮光層が形成されており、光反射層51の延在部51aは遮光層の係る領域に接している。ここで、遮光層の係る領域に接している光反射層の延在部の長さは、本質的に任意の長さとすることができる。図19の右手において、光反射層51の延在部51aが遮光層47の係る領域に接している部分を、便宜上、矩形で囲み、「A」の符号を付した。また、光反射層51(光反射層形成層51A)と光吸収層53(光吸収層形成層53A)とが接する領域を、図19では、便宜上、矩形で囲み、「B」の符号を付した。尚、領域A及び領域Bの一部のみを図示した。あるいは又、チップ切り離しのためにダイシングを行うが、場合によっては、基板31又は光電変換部40と光反射層形成層51Aとが電気的に接続される領域は、撮像装置と撮像装置との間に位置するスクライブ部に位置させてもよい。
【0091】
以上、本開示を好ましい実施例に基づき説明したが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例において説明したワイヤグリッド偏光素子、撮像素子、撮像装置の構成、構造は例示であり、適宜、変更することができるし、これらの製造方法も例示であり、適宜、変更することができる。実施例においては、本開示の第1の態様に係る撮像素子と本開示の第2の態様に係る撮像素子とを組み合わせた撮像素子を専ら説明したが、本開示の第1の態様に係る撮像素子と本開示の第2の態様に係る撮像素子とは、独立して発明として成立するものである。また、撮像素子の縁部に、基板の一方の面から他方の面に亙り、更に、ワイヤグリッド偏光素子の下方まで延びる、絶縁材料又は遮光材料が埋め込まれた溝部(一種の素子分離領域)を形成が形成された撮像素子も、独立して発明として成立するものである。撮像素子を、裏面照射型とするだけでなく、表面照射型としてもよい。具体的には、例えば、撮像素子を、シリコン半導体基板に設けられた光電変換領域41、並びに、その上に、第1平坦化膜42、波長選択層(カラーフィルタ層)43、オンチップレンズ44、平坦化層(第2平坦化膜)45、遮光層47、下地絶縁層46、及び、ワイヤグリッド偏光素子50が積層されて成る構成とすることができるし、シリコン半導体基板に設けられた光電変換領域41、並びに、その上に、平坦化層45、遮光層47、下地絶縁層46、ワイヤグリッド偏光素子50、第3平坦化膜48、波長選択層(カラーフィルタ層)43及びオンチップレンズ44が積層されて成る構成とすることもできる。
【0092】
また、実施例において、ワイヤグリッド偏光素子は、専ら、可視光波長帯に感度を有する撮像素子における偏光情報の取得のために用いられたが、撮像素子が赤外線や紫外線に感度を有する場合、それに応じて、ライン部の形成ピッチP0を拡大・縮小することで、任意の波長帯で機能するワイヤグリッド偏光素子としての実装が可能である。また、光電変換部側から、光反射層、絶縁層及び光吸収層が積層されたライン部(積層構造体)が、複数、離間して並置されて成り、光反射層の頂面全面に絶縁層が形成されており、絶縁層の頂面全面に光吸収層が形成されているワイヤグリッド偏光素子は、それ自体で発明を構成し得る。
【0093】
ベイヤ配列を有する撮像素子ユニットにおける撮像素子の配置状態は図21に限定されない。以下に説明する図20図35に図示する撮像素子ユニットの平面レイアウト図において、「R」は赤色カラーフィルタ層を備えた赤色撮像素子を示し、「G」は緑色カラーフィルタ層を備えた緑色撮像素子を示し、「B」は青色カラーフィルタ層を備えた青色撮像素子を示し、「W」はカラーフィルタ層を備えていない白色撮像素子を示す。
【0094】
図20に示すように、複数の撮像素子の配列方向と第1の方向とが成す角度が、例えば、45度の角度を有する撮像素子と、135度の角度を有する撮像素子との組合せとすることができる。
【0095】
図23に示す例では、赤色撮像素子R、緑色撮像素子G、青色撮像素子Bには、ワイヤグリッド偏光素子50は設けられておらず、白色撮像素子Wにワイヤグリッド偏光素子50が設けられている。尚、図23においては、ワイヤグリッド偏光素子50を有する白色撮像素子WをX方向及びY方向に1撮像素子を飛ばして配置したが、2撮像素子を飛ばして、あるいは又、3撮像素子を飛ばして配置に配置してもよいし、ワイヤグリッド偏光素子50を有する撮像素子を、千鳥格子状に配置してもよい。
【0096】
図24に平面レイアウト図を示すように、カラーフィルタ層の配列を、基本的にはベイヤ配列とし、2×2の4つの撮像素子から構成された1撮像素子ユニット(1画素)に、赤色、緑色、青色、緑色のカラーフィルタ層を配置し、1つの撮像素子ユニット群を4つの撮像素子ユニットから構成し、各撮像素子ユニットを構成する4つの撮像素子の内の1つの撮像素子にワイヤグリッド偏光素子を配置するといった構成を採用してもよい。
【0097】
図25図26に平面レイアウトを図示する構成とすることも可能である。ここで、図25に示す平面レイアウトを有するCMOSイメージセンサーの場合、2×2の撮像素子で選択トランジスタ、リセットトランジスタ、増幅トランジスタを共有する2×2画素共有法式を採用することができ、画素加算を行わない撮像モードでは偏光情報を含む撮像を行い、2×2の副画素領域の蓄積電荷をFD加算するモードでは、全偏光成分を積分した通常撮像画像を提供することができる。また、図26に示す平面レイアイトの場合、2×2の撮像素子に対して1方向のワイヤグリッド偏光素子を配置するレイアウトであるため、撮像素子ユニット間での積層構造体の不連続が生じ難く、高品質な偏光撮像を実現できる。
【0098】
更には、図27図28図29図30図31図32図33図34図35に平面レイアウトを図示する構成とすることも可能である。
【0099】
また、本開示の第2の態様に係る撮像装置において、1つの撮像素子ユニットが複数の撮像素子から成り、これらの複数の撮像素子におけるライン・アンド・スペース構造の延びる方向(第1の方向)が同じである場合、図26を変形した図36の平面レイアウト図に示すように、撮像素子ユニット内の隣接する撮像素子の間には、フレーム部59を設けなくともよい場合がある。尚、図36において、フレーム部59には右上から左下に向かうハッチング線を付し、撮像素子ユニット内の隣接する撮像素子の間であってフレーム部が設けられていない領域を白抜きで示した。
【0100】
尚、本開示は、以下のような構成を取ることもできる。
[A01]《撮像素子:第1の態様》
基板に形成された光電変換部、
光電変換部の光入射側に配設され、ライン・アンド・スペース構造を有するワイヤグリッド偏光素子、及び、
ワイヤグリッド偏光素子の上に形成された保護層、
を備えており、
ワイヤグリッド偏光素子のスペース部は空隙である撮像素子。
[A02]ワイヤグリッド偏光素子と保護層との間には第2保護層が形成されており、
保護層を構成する材料の屈折率をn1、第2保護層を構成する材料の屈折率をn2としたとき、
1>n2
を満足する[A01]に記載の撮像素子。
[A03]保護層は、SiNから成り、第2保護層は、SiO2又はSiONから成る[A02]に記載の撮像素子。
[A04]少なくとも、ワイヤグリッド偏光素子のスペース部に面したライン部の側面には第3保護層が形成されている[A01]乃至[A03]のいずれか1項に記載の撮像素子。
[A05]ワイヤグリッド偏光素子を取り囲むフレーム部を更に備えており、
フレーム部と、ワイヤグリッド偏光素子のライン部とは連結されており、
フレーム部は、ワイヤグリッド偏光素子のライン部と同じ構造を有する[A01]乃至[A04]のいずれか1項に記載の撮像素子。
[A06]基板の一方の面には光電変換部を駆動する駆動回路が形成されており、
基板の他方の面に光電変換部が形成されており、
撮像素子の縁部には、基板の一方の面から他方の面に亙り、更に、ワイヤグリッド偏光素子の下方まで延びる、絶縁材料又は遮光材料が埋め込まれた溝部が形成されている[A01]乃至[A05]のいずれか1項に記載の撮像素子。
[A07]ワイヤグリッド偏光素子のライン部は、光電変換部側から、第1導電材料から成る光反射層、絶縁層、及び、第2導電材料から成る光吸収層が積層された積層構造体から構成されている[A01]乃至[A06]のいずれか1項に記載の撮像素子。
[A08]光電変換部と光反射層の間に下地膜が形成されている[A07]に記載の撮像装置。
[A09]光反射層の延在部は基板又は光電変換部と電気的に接続されている[A07]又は[A08]に記載の撮像素子。
[A10]光反射層の頂面全面に絶縁層が形成されており、絶縁層の頂面全面に光吸収層が形成されている[A07]乃至[A09]のいずれか1項に記載の撮像装置。
[B01]《撮像素子:第2の態様》
光電変換部、
光電変換部の光入射側に配設され、ライン・アンド・スペース構造を有するワイヤグリッド偏光素子、及び、
ワイヤグリッド偏光素子を取り囲むフレーム部、
を備えており、
フレーム部と、ワイヤグリッド偏光素子のライン部とは連結されており、
フレーム部は、ワイヤグリッド偏光素子のライン部と同じ構造を有する撮像素子。
[B02]ワイヤグリッド偏光素子のライン部は、光電変換部側から、第1導電材料から成る光反射層、絶縁層、及び、第2導電材料から成る光吸収層が積層された積層構造体から構成されている[B01]に記載の撮像素子。
[B03]光電変換部と光反射層の間に下地膜が形成されている[B02]に記載の撮像素子。
[B04]光反射層の延在部は基板又は光電変換部と電気的に接続されている[B02]又は[B03]に記載の撮像素子。
[B05]光反射層の頂面全面に絶縁層が形成されており、絶縁層の頂面全面に光吸収層が形成されている[B02]乃至[B04]のいずれか1項に記載の撮像装置。
[B06]基板の一方の面には光電変換部を駆動する駆動回路が形成されており、
基板の他方の面に光電変換部が形成されており、
撮像素子の縁部には、基板の一方の面から他方の面に亙り、更に、ワイヤグリッド偏光素子の下方まで延びる、絶縁材料又は遮光材料が埋め込まれた溝部が形成されている[B01]乃至[B05]のいずれか1項に記載の撮像素子。
[C01]《撮像装置:第1の態様》
基板に形成された光電変換部、
光電変換部の光入射側に配設され、ライン・アンド・スペース構造を有するワイヤグリッド偏光素子、及び、
ワイヤグリッド偏光素子の上に形成された保護層、
を備えた撮像素子を、複数、撮像領域に有する撮像装置であって、
ワイヤグリッド偏光素子のスペース部は空隙である撮像装置。
「C02]《撮像装置:第2の態様》
光電変換部、
光電変換部の光入射側に配設され、ライン・アンド・スペース構造を有するワイヤグリッド偏光素子、及び、
ワイヤグリッド偏光素子を取り囲むフレーム部、
を備えた撮像素子を、複数、撮像領域に有する撮像装置であって、
フレーム部と、ワイヤグリッド偏光素子のライン部とは連結されており、
フレーム部は、ワイヤグリッド偏光素子のライン部と同じ構造を有する撮像装置。
[D01]《撮像装置》
基板に形成された光電変換部、及び、
ワイヤグリッド偏光素子、
を備えた撮像素子を、複数、撮像領域に有する撮像装置であって、
ワイヤグリッド偏光素子は、光電変換部側から、光反射層、絶縁層及び光吸収層が積層された帯状の積層構造体が、複数、離間して並置されて成り、
光反射層の頂面全面に絶縁層が形成されており、絶縁層の頂面全面に光吸収層が形成されている撮像装置。
[D02]光反射層及び光吸収層は撮像素子において共通である[D01]に記載の撮像装置。
[D03]光電変換部と光反射層の間に下地膜が形成されている[D01]又は[D02]に記載の撮像装置。
[D04]《撮像装置》
基板に形成された光電変換部、及び、
ワイヤグリッド偏光素子、
を備えた撮像素子を、複数、撮像領域に有する撮像装置であって、
基板の一方の面には光電変換部を駆動する駆動回路が形成されており、
基板の他方の面に光電変換部が形成されており、
撮像素子の縁部には、基板の一方の面から他方の面に亙り、更に、ワイヤグリッド偏光素子の下方まで延びる、絶縁材料又は遮光材料が埋め込まれた溝部が形成されている撮像装置。
[D05]《撮像素子》
基板に形成された光電変換部、及び、
ワイヤグリッド偏光素子、
を備えており、
ワイヤグリッド偏光素子は、光電変換部側から、光反射層、絶縁層及び光吸収層が積層された帯状の積層構造体が、複数、離間して並置されて成り、
光反射層の頂面全面に絶縁層が形成されており、絶縁層の頂面全面に光吸収層が形成されている撮像素子。
[D06]光電変換部と光反射層の間に下地膜が形成されている[D05]に記載の撮像素子。
[D07]《撮像素子》
基板に形成された光電変換部、及び、
ワイヤグリッド偏光素子、
を備えており、
基板の一方の面には光電変換部を駆動する駆動回路が形成されており、
基板の他方の面に光電変換部が形成されており、
縁部には、基板の一方の面から他方の面に亙り、更に、ワイヤグリッド偏光素子の下方まで延びる、絶縁材料又は遮光材料が埋め込まれた溝部が形成されている撮像素子。
【符号の説明】
【0101】
10・・・撮像装置、11・・・撮像領域、12・・・光学的黒画素領域(OPB)、13・・・周辺領域、21,21A,21B・・・撮像素子、22・・・撮像素子が占める領域、23・・・撮像素子と撮像素子との間の領域、24・・・撮像素子ユニット、31・・・基板、32・・・駆動回路や配線(配線層)、33・・・層間絶縁膜、34・・・溝部、40・・・光電変換部、41・・・光電変換領域、42・・・第1平坦化膜、43・・・波長選択層(カラーフィルタ層)、44・・・オンチップレンズ、45・・・平坦化層(第2平坦化膜)、46・・・下地絶縁層、46B・・・第1開口部、47・・・遮光層、48・・・第3平坦化膜、50,50A,50B・・・ワイヤグリッド偏光素子、51・・・光反射層、51A・・・光反射層形成層、51a・・・光反射層あるいは光反射層形成層の延在部、52・・・絶縁層、52A・・・絶縁層形成層、52B・・・第2開口部、53・・・光吸収層、53A・・・光吸収層形成層、53a・・・光吸収層あるいは光吸収層形成層の延在部、54・・・ライン部(積層構造体)、55・・・スペース部(積層構造体と積層構造体との間の隙間)、56・・・保護層、57・・・第2保護層、58・・・第3保護層、59・・・フレーム部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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