(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記第2のプレーヤからの前記第2の素材の再生が開始されると、この開始時点において前記第1のプレーヤから再生された前記第1の素材の再生位置を、前記メモリに記憶させるとともに、前記第2のプレーヤからの前記第2の素材の再生が終了するまで前記第1のプレーヤからの前記第1の素材の再生を非表示にする一方、前記開始時点からの、前記第2のプレーヤからの前記第2の素材の再生の経過時間を計測し、前記カットインが終了し、前記第2のプレーヤから、前記第2の素材が再生されなくなった時に、前記第1のプレーヤから、前記第1の素材の再生を、前記記憶された再生位置から前記経過時間を進めた位置から再開させる、請求項1に記載された表示システム。
前記制御部は、前記第2の素材の再生が、前記第2のプレーヤから開始されると、この開始時点において前記第1のプレーヤから再生された前記第1の素材の再生位置を、前記メモリに記憶させるとともに、前記こじ開け状態が終了し、前記第2のプレーヤから、前記第2の素材が再生されなくなった時に、前記第1のプレーヤから、前記第1の素材の再生を、前記記憶された再生位置から再開させる、請求項3に記載された表示システム。
前記ビデオサーバに記憶されている前記第1の素材と前記第2の素材との解像度を低下させ、解像度が低下された第1の素材と第2の素材とを生成する低解像度部をさらに備え、
前記第1のプレーヤは、前記解像度が低下された第1の素材を再生し、
前記第2のプレーヤは、前記解像度が低下された第2の素材を再生する、請求項7に記載の放送システム。
前記ビデオサーバに記憶されている前記第1の素材と前記第2の素材との解像度を低下させ、解像度が低下された第1の素材と第2の素材とを生成する低解像度部をさらに備え、
前記第1のプレーヤは、前記解像度が低下された第1の素材を再生し、
前記第2のプレーヤは、前記解像度が低下された第2の素材を再生する、請求項9に記載の放送システム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の実施形態の表示システムを実現するOA状態表示PC10が適用される周辺環境を示す図である。
【0014】
OA状態表示PC10は、カットイン素材によってカットインされた状態、または、こじ開け素材によってこじ開けられた状態における、放映される素材(通常素材)の映像を表示するための装置であり、前述した仮想化放送マスターシステム30に接続されている。
【0015】
ビデオサーバ40は、通常素材A、カットイン素材B、こじ開け素材Cといった各種素材を格納している。これら素材は、何れも放送用の高解像度(例えば、ハイビジョン用,4K用,8K用等)で用意されている。これら高解像度の素材は、OA状態表示PC10の表示スペックには適さないので、低解像度化PC50によってOA状態表示PC10における表示スペックに適した解像度に変換した後、OA状態表示PC10へ提供する。
【0016】
ビデオサーバ40と、OA状態表示PC10とで、本発明の放送番組表示システムを実現し、さらに低解像度PC50を加えることによって、本発明の実施形態の放送システムを実現する。
【0017】
図2は、OA状態表示PC10の全体構成例を示すブロック図である。
【0018】
図2に示すようにOA状態表示PC10は、プロセッサ(CPU)11、ランダムアクセスメモリ(RAM)12、読み出し専用メモリ(ROM)13、メモリ14、およびディスプレイ15を備えている。
【0019】
CPU11は、OA状態表示PC10全体の動作を制御する。例えばCPU11は、操作や外部の図示しないホスト機器からの命令に応答して、後述する各処理に用いるプログラムを実行する。またCPU11は、メモリ14のメモリ空間を管理する。
【0020】
RAM12は、CPU11の作業領域として使用されるメモリである。RAM12としては、例えばDRAM等の半導体メモリが使用される。
【0021】
ROM13は、制御用のプログラムや制御データ等が予め記憶された不揮発性のメモリである。ROM13は、例えばBIOS(Basic Input/Output System)を保持する。
【0022】
メモリ14は、OA状態表示PC10による処理に必要な情報、ファイル、データ、およびプログラム等を記憶する。メモリ14としては、例えば半導体メモリやSSD(Solid State Drive)、ハードディスクドライブ等が使用される。なお、メモリ14はデータを記憶することが可能であれば良く、メモリ14としてその他の記憶媒体を使用しても良い。
【0023】
メモリ14に記憶されたプログラムは、OA状態表示PC10が当該プログラムを実行する際に読み出され、RAM12に展開される。
【0024】
ディスプレイ15は、種々のプログラムに対応するGUI(Graphical User Interface)等を所定の解像度で表示する。また、後述するプレーヤ22によって再生された素材(通常素材、カットイン素材、こじ開け素材)を選択的に表示する。
【0025】
なお、以上で説明したOA状態表示PC10の構成はあくまで一例であり、OA状態表示PC10に対して、メモリ14およびディスプレイ15がそれぞれ外部接続される等の構成であっても良い。
【0026】
図3は、RAM12に展開されたプログラムと、メモリ14およびディスプレイ15との接続関係を示す機能ブロック図である。
【0027】
図3において、RAM12に展開されたプログラムは、破線内に示すように、制御部20と、受取部21と、4つのプレーヤ22(#1)〜(#4)とを備えている。
【0028】
制御部20は、OA状態表示PC10全体の動作を制御するもので、先ず受取部21に対して、仮想化放送マスターシステム30から、通常素材Aの素材IDおよび放映時間(放映される時間長さ)等を含む通常素材放映情報a、カットイン素材Bの素材IDおよび放映時間(放映される時間長さ)等を含むカットイン情報b、こじ開け素材Cの素材IDおよび放映時間(放映される時間長さ)等を含むこじ開け情報cを受け取るよう指示する。
【0029】
受取部21は、このような制御部20による指示に従って、仮想化放送マスターシステム30に対して、通常素材放映情報a、カットイン情報b、およびこじ開け情報cを求める要求を送信する。そして、これに応じて、仮想化放送マスターシステム30から送られた通常素材放映情報a、カットイン情報b、およびこじ開け情報cを受け取る。
【0030】
制御部20は、このようにして受取部21が受け取った通常素材放映情報a、カットイン情報b、およびこじ開け情報cを、メモリ14に記憶させる。
【0031】
制御部20はさらに、メモリ14に記憶された通常素材放映情報aに含まれる素材IDに対応する通常素材A、メモリ14に記憶されたカットイン情報bに含まれる素材IDに対応するカットイン素材B、およびメモリ14に記憶されたこじ開け情報cに含まれる素材IDに対応するこじ開け素材Cを、受取部21を介して、低解像度化PC50に対して指示する。
【0032】
これに応じて受取部21は、通常素材放映情報aに含まれる素材ID、カットイン情報bに含まれる素材ID、およびこじ開け情報cに含まれる素材IDを、低解像度化PC50へ送り、低解像度化PC50に対して、通常素材A、カットイン素材B、およびこじ開け素材Cを、OA状態表示PC10へ送るように要求する。
【0033】
低解像度化PC50は、この要求に応じて、ビデオサーバ40から、通常素材A、カットイン素材B、およびこじ開け素材Cを取得する。ビデオサーバ40に格納されているこれら素材の解像度は、放送用の高解像度であるため、低解像度化PC50は、通常素材A、カットイン素材B、およびこじ開け素材Cの解像度を、OA状態表示PC10における表示に適した解像度に変換した後、OA状態表示PC10へ送る。
【0034】
受取部21は、解像度が変換された通常素材A、カットイン素材B、およびこじ開け素材Cを低解像度化PC50から受け取り、制御部20へ送る。
【0035】
制御部20は、これら通常素材A、カットイン素材B、およびこじ開け素材Cをメモリ14に記憶させる。
【0036】
OA状態表示PC10は、4つのプレーヤ22(#1)〜(#4)を備えている。そして、これら4つのプレーヤ22(#1)〜(#4)は、制御部20による指示に従って、素材A、B、Cをそれぞれ個別に再生できるように構成されている。
【0037】
デジタル放送では、1つのチャンネルで3つのサービス、すなわち3つの通常素材A(例えば、通常素材A(#1)、A(#2)、A(#3))を同時に放送することができる。従って、本発明の実施形態では、メモリ14に記憶された通常素材Aのうち、3つの通常素材A(例えば、通常素材A(#1)、A(#2)、A(#3))を、4つのプレーヤ22(#1)〜(#4)のうち、3つのプレーヤ22(#1)〜(#3)が再生する。そして、カットインがなされる場合にはカットイン素材Bを、こじ開けがなされる場合にはこじ開け素材Cを、プレーヤ22(#4)が再生する。
【0038】
このようにして、OA状態表示PC10は、3つの通常素材Aと、カットイン素材Bまたはこじ開け素材Cのいずれか一つを個別に再生できるようにしている。
【0039】
そして制御部20は、通常素材放映情報aに含まれる放映時間に従って、メモリ14に記憶されている対応する通常素材A(例えば、通常素材A(#1)、A(#2)、A(#3))をそれぞれ対応するプレーヤ22(#1)〜(#3)から再生させる。
【0040】
制御部20はまた、カットイン情報bに含まれる放映時間あるいはこじ開け素材cに含まれる放映時間に従って、メモリ14に記憶されている対応するカットイン素材Bあるいはこじ開け素材Cをプレーヤ22(#4)から再生させる。
【0041】
ディスプレイ15は、例えば
図4および
図5に示すように4つの素材を全て表示できるようにサブ画面が構成されることによって、プレーヤ22(#1)〜(#4)によって再生されたそれぞれの映像を、各サブ画面から独立して同時に表示できるようにしている。
【0042】
図4は、カットインやこじ開けが行われていない(プレーヤ22(#4)によってカットイン素材Bもこじ開け素材Cも再生されていない)状態におけるディスプレイ15におけるサブ画面の表示構成例である。この例では、ディスプレイ15は、プレーヤ22(#1)によって再生された通常素材A(#1)の映像を左上のサブ画面から、プレーヤ22(#2)によって再生された通常素材A(#2)の映像を右上のサブ画面から、プレーヤ22(#3)によって再生された通常素材A(#3)(例えば、1SEG)の映像を左下のサブ画面から表示している。
【0043】
図5は、カットインの状態(プレーヤ22(#4)によって、通常素材A(#1)に対するカットイン素材B(#1)が再生されている状態)、または、こじ開けの状態(プレーヤ22(#4)によって、通常素材A(#1)に対するこじ開け素材C(#1)が再生されている状態)におけるディスプレイ15におけるサブ画面の表示構成例である。
この場合、制御部20は、通常素材A(#1)を再生するプレーヤ22(#1)による映像を、ディスプレイ15の左上のサブ画面から、右下のサブ画面へ移動させて表示させる。さらに制御部20は、ディスプレイ15の左上のサブ画面から、カットイン素材Bまたはこじ開け素材Cを再生するプレーヤ22(#4)による映像を表示させる。
【0044】
このように、カットインまたはこじ開けがなされた場合には、カットインまたはこじ開けされた通常素材A(この場合、通常素材A(#1))のディスプレイ15における表示位置が移動されるので、これを確認することによって、表示位置が移動された通常素材Aは、カットインまたはこじ開けが適切になされていることを認識できるようになる。
【0045】
カットインがなされた場合、制御部20は、プレーヤ22(この場合、プレーヤ22(#1))による通常素材A(この場合、通常素材A(#1))の再生を停止させずに継続させる。よって、ディスプレイ15の右下のサブ画面からは、カットイン中であっても、通常素材A(#1)の映像が表示され続けることになる。
【0046】
従って、ディスプレイ15は、右下のサブ画面でカットインされた通常素材A(#1)が再生された映像を表示し、また同時に左上のサブ画面でカットイン素材Bが再生された映像を表示するので、カットイン中に通常素材A(#1)に不具合等が発生しても、それを容易に確認できるようになっている。
【0047】
そして制御部20は、カットインが終了すると同時に、右下のサブ画面から表示されていた映像(この場合、プレーヤ22(#1)によって再生される映像)を、再び左上のサブ画面から表示させるようにすることで、
図5に示す状態から
図4に示す状態に復帰させる。
【0048】
従って、ディスプレイ15の状態が、
図5から
図4に復帰することによって、カットインの終了を認識できるようになるとともに、カットイン後の通常素材A(#1)の映像をも確認できるようになる。
【0049】
一方、こじ開けがなされた場合、制御部20は、プレーヤ22(この場合、プレーヤ22(#1))による通常素材A(この場合、通常素材A(#1))の再生を停止させる。よって、ディスプレイ15の右下のサブ画面からは、こじ開け中、プレーヤ22(#1)によって再生が中断された時点における通常素材A(#1)の静止画像が表示され続けることになる。そして、こじ開けが終了すると、制御部20は、プレーヤ22(#1)に対して、表示位置を
図4に示す状態に復帰し、通常素材A(#1)の再生を再開するように指示する。
【0050】
従って、ディスプレイ15の状態が、
図5から
図4に復帰することによって、こじ開けの終了を確認できるようになるとともに、左上のサブ画面を見ることによって、こじ開け後に再生が再開された通常素材A(#1)の映像をも確認できるようになる。
【0051】
なお、通常素材A(#2)に対してカットインまたはこじ開けがなされた場合も、制御部20は、カットイン素材B(#2)またはこじ開け素材C(#2)の映像が、通常素材A(#2)の映像が表示されていたディスプレイ15の右上のサブ画像から表示されるように指示する一方、通常素材A(#2)の映像が表示されるサブ画面が、ディスプレイ15の右下に移動し、カットインまたはこじ開けが終了すると、通常素材A(#2)の映像が表示されるサブ画面が、右下のサブ画面から、右上のサブ画面へ復帰するように指示する。
【0052】
同様に、通常素材A(#3)に対してカットインまたはこじ開けがなされた場合は、制御部20は、カットイン素材B(#3)またはこじ開け素材C(#3)の映像が、通常素材A(#3)の映像が表示されていたディスプレイ15の左下のサブ画像から表示されるように指示する一方、通常素材A(#3)の映像が表示されるサブ画面が、ディスプレイ15の右下に移動し、カットインまたはこじ開けが終了すると、通常素材A(#3)の映像が表示されるサブ画面が、右下のサブ画面から、左下のサブ画面へ復帰するように指示する。
【0053】
なお、
図4および
図5におけるサブ画面の数、各サブ画面のサイズ、形状、通常素材Aを表示するサブ画面の割当、カットイン素材Bまたはこじ開け素材Cを表示するサブ画面の割当、カットイン時またはこじ開け時の通常素材Aの移動先のサブ画面の割当等は、制御部20からの指令により任意に設定することができる。
【0054】
次に、以上のように構成した同実施形態の表示システムを実現するOA状態表示PC10の動作について、
図6に示すフローチャートを用いて説明する。
【0055】
制御部20による指示に基づいて、仮想化放送マスターシステム30から送られた通常素材放映情報a、カットイン情報b、およびこじ開け情報cが、受取部21によって受け取られる(S1)。
【0056】
受取部21によって受け取られた通常素材放映情報a、カットイン情報b、およびこじ開け情報cは、制御部20によって、メモリ14に記憶される。
【0057】
制御部20による指示に基づいて、受取部21から、低解像度化PC50に対して、メモリ14に記憶された通常素材放映情報a、カットイン情報b、およびこじ開け情報cに対応する通常素材A、カットイン素材B、およびこじ開け素材Cを送るように要求がなされる。
【0058】
この要求に応じて、低解像度化PC50によって、ビデオサーバ40から、通常素材A、カットイン素材B、およびこじ開け素材Cが取得される。さらに、これら素材は、低解像度化PC50によって解像度が変換された後、OA状態表示PC10へ送られ、受取部21によって受け取られる(S2)。
【0059】
受取部21によって受け取られたこれら通常素材A、カットイン素材B、およびこじ開け素材Cは、制御部20によってメモリ14に記憶される。
【0060】
制御部20では、通常素材Aが放映される場合、メモリ14に記憶されている対応する通常素材A(例えば、通常素材A(#1)、A(#2)、A(#3))が取得される。そして、取得された通常素材A(例えば、通常素材A(#1)、A(#2)、A(#3))は、それぞれ対応するプレーヤ22(#1)、22(#2)、22(#3)によって再生され、例えば
図4に例示されるように、ディスプレイ15から、同時に、独立して表示される(S3)。
【0061】
制御部20ではまた、カットインが開始される(S4:カットイン)と、メモリ14に記憶されている対応するカットイン素材Bが取得される。例えば、通常素材A(#1)をカットインするカットイン素材B(#1)が、制御部20によって取得された場合には、カットイン素材B(#1)が、プレーヤ22(#4)によって再生され、例えば
図5に例示されるように、ディスプレイ15の左上のサブ画面から表示され、カットインされた通常素材A(#1)は、ディスプレイ15の右下のサブ画面に移動して表示される(S5)。
【0062】
さらに、カットインがなされた場合、カットイン中であっても、カットインされた通常素材A(この場合、通常素材A(#1))の、プレーヤ22(この場合、プレーヤ22(#1))による再生は継続される。従って、ディスプレイ15の右下のサブ画面からは、カットインされている通常素材A(#1)の、カットイン中の映像が表示され続ける(S6)。
【0063】
このように、カットインがなされた場合には、カットインされた通常素材A(この場合、通常素材A(#1))のディスプレイ15における表示位置が移動し、移動後の表示位置において、カットイン中に再生された映像が引き続き表示されるので、これを確認することによって、表示位置が移動された通常素材A(この場合、通常素材A(#1))が、カットインされていることを把握できるのみならず、カットイン中に通常素材A(この場合、通常素材A(#1))に不具合等が発生しても、それを発見することも可能となる。
【0064】
そして、カットインが終了する(S7)と、ディスプレイ15のサブ画面の割当は、
図4に示す状態に復帰し、右下のサブ画面から表示されていた映像(プレーヤ22(#1)によって再生される映像)が、左上のサブ画面から表示される(S8)。
【0065】
従って、ディスプレイ15の状態が、
図5から
図4に復帰することによって、カットインの終了を認識できるようになるとともに、左上のサブ画面を見ることによって、カットイン後の通常素材A(#1)の映像をも確認することとが可能となる。
【0066】
一方、こじ開けが開始される(S4:こじ開け)と、メモリ14に記憶されている対応するこじ開け素材Cが取得される。例えば、通常素材A(#1)をこじ開けるこじ開け素材C(#1)が、制御部20によって取得された場合には、こじ開け素材C(#1)が、プレーヤ22(#4)によって再生され、例えば
図5に例示されるように、ディスプレイ15の左上のサブ画面から表示され、こじ開けられた通常素材A(#1)は、ディスプレイ15の右下のサブ画面に移動して表示される(S10)。
【0067】
なお、こじ開け中、こじ開けられた通常素材A(この場合、通常素材A(#1))の、プレーヤ22(この場合、プレーヤ22(#1))による再生は中断される。従って、ディスプレイ15の右下のサブ画面からは、こじ開け中、プレーヤ22(#1)によって再生が中断された状態の通常素材A(#1)の静止画像が表示され続ける(S11)。
【0068】
このように、こじ開けがなされた場合には、こじ開けされた通常素材A(この場合、通常素材A(#1))のディスプレイ15における表示位置が移動し、移動後の表示位置において、静止画像が表示されるので、これを確認することによって、表示位置が移動された通常素材A(この場合、通常素材A(#1))は、こじ開けがなされている、と認識することが可能となる。
【0069】
そして、こじ開けが終了する(S12)と、ディスプレイ15のサブ画面の割当は、
図4に示す状態に復帰し、プレーヤ22(#1)によって再生される映像が、左上のサブ画面から表示されるようになるとともに、プレーヤ22(#1)による通常素材A(#1)の再生が再開される(S13)。
【0070】
従って、ディスプレイ15の状態が、
図5から
図4に復帰することを認識することによって、こじ開けの終了を認識できるようになるとともに、左上のサブ画面を見ることによって、こじ開け後に再生が再開される通常素材A(#1)の映像をも確認することが可能となる。
【0071】
(変形例1)
上記実施形態では、
図3に示すように、OA状態表示PC10が、4つのプレーヤ22(#1)〜(#4)を備え、
図4および
図5のようにディスプレイ15が4つのサブ画面を有している例について説明した。
【0072】
しかしながら、本変形例のようにすれば、OA状態表示PC10が、2つのプレーヤ22(#1)〜(#2)しか備えておらず、かつ、ディスプレイ15がサブ画面を備えていなくても、カットイン時におけるカットイン素材Bの映像と、カットイン後に表示される通常素材Aの映像とを確認することができる。
【0073】
本変形例における周辺環境は
図1の通りであり、OA状態表示PC10の全体構成例も
図2の通りであるので、重複説明を省く。しかしながら、本変形例では、RAM12に展開されるプログラムの機能ブロック図では、
図7に示す通り、2つのプレーヤ22(#1)〜(#2)しか存在しない。プレーヤ22(#1)は、通常素材Aを再生するためのものであり、プレーヤ22(#2)は、カットイン素材Bを再生するためものである。
【0074】
また、ディスプレイ15におけるプレーヤ22の配置構成は、
図8または
図9の通りである。すなわち、
図8に示す例では、ディスプレイ15では、プレーヤ22(#1)の背面に、プレーヤ22(#2)を配置している。また、
図9に示す例では、プレーヤ22(#1)の前面に、プレーヤ22(#2)を配置している。
【0075】
そして、プレーヤ22(#1)から通常素材Aが再生され、その映像がディスプレイ15から表示されている状態で、プレーヤ22(#2)によってカットイン素材Bの再生が開始されると、制御部20は、カットイン素材Bの再生が開始された時点においてプレーヤ22(#1)によって再生されていた通常素材Aの再生位置を、メモリ14に記憶させる。制御部20はさらに、プレーヤ22(#2)によるカットイン素材Bの再生が終了するまで、プレーヤ22(#1)によって再生された通常素材Aを、ディスプレイ15から表示させない。そして、その間、制御部20は、プレーヤ22(#2)によって再生されたカットイン素材Bを、ディスプレイ15から表示させる。
【0076】
制御部20はさらに、カットイン素材Bの再生開始時点からの、プレーヤ22(#2)によるカットイン素材Bの再生経過時間tを計測する。そして、カットインが終了し、プレーヤ22(#2)から、カットイン素材Bが再生されなくなった時に、プレーヤ22(#1)から、通常素材Aの再生を、メモリ14に記憶された再生位置から経過時間tを進めた位置から再開させる。
【0077】
本変形例においては、ディスプレイ15が通常素材Aと、カットイン素材Bとの両方を同時に表示することができない場合であっても、カットイン後に復帰した通常素材Aの映像を確認することができる。
【0078】
(変形例2)
本実施形態の変形例においても、第1の実施形態の変形例と同様に、2つのプレーヤ22(#1)〜(#2)しか備えておらず、かつ、ディスプレイ15がサブ画面を備えていない場合に、こじ開け時におけるこじ開け素材Cの映像、およびこじ開け終了後の通常素材Aの映像を確認することができる。
【0079】
本変形例における周辺環境もまた
図1の通りであり、OA状態表示PC10の全体構成例も
図2の通りであるので、重複説明を省く。そして、本変形例もまた、RAM12に展開されるプログラムの機能ブロック図は、
図7に示す通り、2つのプレーヤ22(#1)〜(#2)しか備えていない。プレーヤ22(#1)は、通常素材Aを再生するためのものであり、プレーヤ22(#2)は、こじ開け素材Cを再生するためものである。
【0080】
また、ディスプレイ15における表示状態もまた、変形例1と同様に、
図8または
図9の通りとなる。
【0081】
そして、プレーヤ22(#1)から通常素材Aが表示されている状態で、プレーヤ22(#2)からのこじ開け素材Cの再生が開始されると、制御部20は、この開始時点においてプレーヤ22(#1)から再生された通常素材A1の再生位置を、メモリ14に記憶させる。その後、こじ開け状態が終了し、プレーヤ22(#2)から、こじ開け素材Cが再生されなくなった時、制御部20は、プレーヤ22(#1)から、通常素材Aの映像を、記憶された再生位置から再開させる。
【0082】
本変形例においては、ディスプレイ15が通常素材Aと、こじ開け素材Cとの両方を同時に表示することができない場合であっても、こじ開け状態が終了し、再生が再開された通常素材Aの映像を確認することができる。
【0083】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。