【文献】
中村 勇介,サプライヤー動向 Supplier Uberが料理を運ぶ「UberEATS」 世界6か国で先行展開、9月に日本上陸へ,日経デジタルマーケティング 第107号,日本,日経BP社 Nikkei Business Publications,Inc.,2016年 8月25日,第107号,p.20
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示処理手段は、前記配送情報格納部において配送情報が前記ログイン運搬従事者とは異なる他の運搬従事者の識別情報と既に関連付けられている配送の、前記配送手配リストにおける表示属性を、他の配送とは異なる属性にする、
請求項1に記載の配送手配システム。
同一運搬従事者に関して前記配送手配リストの中から選択された複数配送間の配送情報の比較、又は、同一運搬従事者に関して前記配送手配リストの中から選択された配送と該運搬従事者の識別情報と既に関連付けられている他の配送との間の配送情報の比較により、該運搬従事者に関して該選択された配送の手配が可能か否かを判定するチェック手段、
を更に備える請求項1又は2に記載の配送手配システム。
前記配送情報格納部に格納される配送情報と運搬従事者の識別情報との関連付けが追加、解除又は変更される場合に、該識別情報が既に関連付けられていた又は新たに関連付けられる運搬従事者宛てに、該配送情報の少なくとも一部を通知する通知手段、
を更に備える請求項1から4のいずれか一項に記載の配送手配システム。
前記表示処理手段は、ログインユーザが管理者権限を有する場合には、前記配送情報格納部において配送情報が運搬従事者の識別情報と関連付けられているか否かにより配送ごとの表示属性が異なる管理者用の前記配送手配リストをユーザ端末に表示する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の配送手配システム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に挙げる実施形態は例示であり、本発明は以下の実施形態の構成に限定されない。
【0014】
まず、本実施形態に係る配送手配システム(以降、本システムと略称する場合もある)及び配送手配方法(以降、本方法と略称する場合もある)の概要について説明する。
図1は、本実施形態に係る配送手配システム100の処理構成例を概念的に示す図である。
本システム100は、ソフトウェア要素として、特定部101、表示処理部103、及び格納処理部105を有する。
例えば、本システム100は、
図3に例示される配送管理サーバ10のような1台以上のコンピュータとして実現される。この場合、上記各ソフトウェア要素は、CPU(Central Processing Unit)1によりメモリ2に格納されるプログラムが実行されることにより実現される。そのプログラムは、例えば、CD(Compact Disc)、メモリカード等のような可搬型記録媒体や他のコンピュータから通信ユニット4を介してインストールされ、メモリ2に格納されてもよい。但し、本システム100のハードウェア構成は限定されない。
【0015】
特定部101は、ユーザ端末110からのログインに成功したログイン運搬従事者の識別情報を特定する。
ユーザ端末110は、運搬従事者により利用される据え置き型又は携帯型の一般的なコンピュータである。
ログイン運搬従事者とは、本システム100からのログインに成功した運搬従事者(ドライバ候補者)であり、本システム100で支援される配送を担当することができるドライバ候補者である。そのため、ログイン運搬従事者は、当該配送の管理者などにより予め認証され、本システム100で扱われる識別情報が予め付与されている。
運搬従事者の識別情報は、少なくとも本システム100内において個々の運搬従事者を識別し得る情報であればよい。この識別情報は、いわゆるIDであってもよいし、住所、氏名、電話番号などの個人情報であってもよい。
【0016】
運搬従事者は、ユーザ端末110を操作することにより本システム100にログインする。運搬従事者がログインするのに必要となる各種事前登録情報は、本システム100により保持されていてもよいし、他のシステムで保持されていてもよい。また、ログイン処理自体についても、本システム100で実行されてもよいし、他のシステムで実行されてもよい。ログイン処理自体には公知の処理が用いられればよい。
【0017】
特定部101がログイン処理を行う場合、例えば、特定部101は、ユーザ端末110の操作により入力されたユーザID及びパスワードを取得し、その取得された情報を本システム100で保持されているマスタ情報と照合する。特定部101は、その照合に成功した場合に、そのマスタ情報に含まれるユーザIDをログイン運搬従事者の識別情報として取得(特定)することができる。また、本システム100で実現されている他のソフトウェア要素又は他のシステムでログイン処理が行われる場合、特定部101は、他のソフトウェア要素又は他のシステムからそのログイン処理で使われた運搬従事者の識別情報を取得してもよい。但し、特定部101により特定されるログイン運搬従事者の識別情報は、ログイン処理に用いられた情報でなくてもよく、ログイン処理で用いられたIDに関連付けられた他の情報であってもよい。
【0018】
表示処理部103は、配送ごとに出荷日時、出荷元情報、及び配送先情報をそれぞれ含む配送手配リストをユーザ端末110に表示する。
ここで「一配送」とは、配送対象となる物を或る出荷日時に或る一つの出荷元から一以上の配送先に送り届けることを意味する。
「出荷元」とは、配送する対象となる物を積荷する場所であり、一配送のスタート地点である。出荷元は、製品を製造する工場であってもよいし、製品を格納しておく倉庫であってもよいし、配送拠点(中継局)であってもよい。
「最終配送先」とは、一配送の到達地点である。
ここで、一配送には、一つの配送先のみが含まれていてもよいし、複数の配送先が含まれていてもよい。一配送に複数の配送先が含まれている場合、その配送の最終到達地点を最終配送先と表記し、途中で立ち寄る配送先を中間配送先と表記することとする。
配送先は、顧客の家や会社といった製品を納品する場所(納品先)であってもよいし、製品を格納しておく倉庫であってもよいし、配送拠点(中継局)であってもよい。
【0019】
図2は、様々な配送の例を概念的に示す図である。
図2では、医薬品が配送対象であり、一配送に含まれ得る施設として、製造工場F1、配送拠点F2、医薬品の納品先となる医療機関F3からF8が例示されている。
配送DL1は、出荷元を配送拠点F2とし、配送先を納品先となる医療機関F3とする配送である。配送DL2は、出荷元を配送拠点F2とし、配送先を納品先となる医療機関F4とする配送である。配送DL3は、出荷元を配送拠点F2とし、配送先を納品先となる医療機関F5とする配送である。配送DL4は、出荷元を製造工場F1とし、配送先を配送拠点F2とする配送である。配送DL5は、出荷元を製造工場F1とし、配送先を納品先となる医療機関F6とする配送である。
【0020】
ここで、DL6−1及びDL6−2で示される配送は、製造工場F1において医療機関F7及びF8に納品すべき医薬品を一台の配送車両に積載し、まず医療機関F8に向かい、医療機関F8で一部の積荷を降ろした後、医療機関F7に向かい、医療機関F7で残りの積荷を降ろすものである。このような配送は、出荷元を製造工場F1とし配送先を医療機関F8とする配送DL6−1と、出荷元を製造工場F1とし配送先を医療機関F7とする配送DL6−2との二つの配送として設定されてもよいし、一つの配送として設定されてもよい。後者の場合、例えば、出荷元を製造工場F1とし中間配送先を医療機関F8とし最終配送先を医療機関F7とする一つの配送として設定される。
同様に、配送DL1、DL2、又はDL3と配送DL4とが一つの配送として設定されてもよい。この場合、最終配送先が医療機関F3、F4、又はF5とされ、中間配送先が配送拠点F2とされる。
なお、
図2には製造工場F1が示されているが、製造工場F1は複数あってもよい。また、配送拠点F2は、空港であってもよく、車両以外の輸送(例えば、飛行機やヘリコプターによる空港Aから空港Bへの輸送)を含んでいてもよい。
【0021】
配送手配リストは、配送ごとに出荷日時、出荷元情報、及び配送先情報を複数配送分それぞれ示す。配送手配リストで示される各配送の情報として、配送指定時刻など他の情報が含まれていてもよい。
配送手配リストの具体的表示内容及び具体的実現手法は、出荷日時、出荷元情報、及び配送先情報が配送ごとに示されていれば、特に制限されない。
配送手配リストは、WEBページで実現されてもよいし、ユーザ端末110で起動されているアプリケーションの画面として表示されてもよいし、電子メールの形式で表示されてもよい。また、配送手配リストは、いわゆるリスト形式の表示でなくてもよい。
【0022】
格納処理部105は、上述の配送手配リストの中から選択された配送の配送情報に、ログイン運搬従事者の識別情報を関連付けて配送情報格納部115に格納する。
ログイン運搬従事者の識別情報と関連付けられて格納される配送情報は、配送手配リストの中から選択された配送に関する情報であれば、配送手配リストで表示される情報(出荷日時、出荷元情報、配送先情報など)を含んでもよいし、配送手配リストで表示されていない情報(例えば、配送IDなど)を含んでもよい。
「配送手配リストの中から選択された配送」とは、配送手配リストを参照したログイン運搬従事者により選択された配送を意味する。このため、その配送は、ユーザ端末110を用いて表示部111に表示される配送手配リストを選択操作することにより指定された配送であってもよいし、その配送手配リストを参照したログイン運搬従事者が頭の中で選択した配送であってもよい。後者の場合、格納処理部105は、配送手配リストに対する操作ではなく、他の操作により、頭の中で選択された配送の識別情報などの入力を受け、そのような入力情報からその配送情報を取得してもよい。
なお、配送情報格納部115は、本システム100のメモリ2上に実現されてもよいし、他のシステム上に実現されてもよい。
【0023】
本システム100は、上述のような各ソフトウェア要素の処理により、本実施形態に係る配送手配方法を実行することができる。言い換えれば、本システム100を形成する1以上のCPU1がメモリ2に格納されるコンピュータプログラムを実行することにより、本方法を実行することができる。
即ち、本方法は、ユーザ端末からのログインに成功したログイン運搬従事者の識別情報を特定し、配送ごとに出荷日時、出荷元情報、及び配送先情報をそれぞれ含む配送手配リストを当該ユーザ端末に表示し、配送手配リストの中から選択された配送の配送情報に、ログイン運搬従事者の識別情報を関連付けて配送情報格納部に格納する、ことを含む。
また、本実施形態は、このような配送手配方法をコンピュータに実行させるためのプログラム又はそのようなプログラムがコンピュータにより読み取り可能に記憶される記憶媒体であってもよい。
【0024】
概要として述べたとおり、本実施形態では、配送ごとに出荷日時、出荷元情報、及び配送先情報をそれぞれ含む配送手配リストがログイン運搬従事者により操作されるユーザ端末に表示され、その配送手配リストの中から選択された配送の配送情報にログイン運搬従事者の識別情報が関連付けられ配送情報格納部115に格納される。
配送情報格納部115に格納される相互に関連付けられた配送情報及び運搬従事者の識別情報は、配送ごとの手配情報として用いることができる。
このように本実施形態によれば、運搬従事者は、ユーザ端末110を操作して、自ら、希望する配送の担当に自身を登録することができる。これにより、運搬従事者は、好きな時間及び好きな場所への配送業務を行うことができるため、当該業務を行う自由度が高まる。結果、運送会社などを通すことなく、運搬従事者を集めることができ、安定した配送手配が可能となる。
更に言えば、各配送に対して運搬従事者が自ら登録することで、配送手配が完了するため、本実施形態によれば、配送手配業務にかかる人的労力を大幅に軽減することができる。
【0025】
以下、上述の本システム100及び本方法についてより詳述する。
以下では、上述の本システム100の具体例として、配送管理サーバ(以降、本サーバと略称される場合もある)が例示される。
以下の具体例では、配送対象となる物として放射性医薬品が例示される。放射性医薬品の配送を行う運搬従事者には、年1回以上の教育を受ける法定義務が付与されている。以下、このような運搬従事者をドライバと表記する場合もある。
【0026】
〔配送管理サーバ〕
図3は、本実施形態に係る配送管理サーバ10のハードウェア構成例を概念的に示す図である。
本サーバ10は、いわゆるコンピュータであり、CPU1、メモリ2、入出力インタフェース(I/F)3、通信ユニット4等を有する。
【0027】
CPU1は、一般的なCPUに加えて、特定用途向け集積回路(ASIC)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)等も含まれ得る。メモリ2は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、補助記憶装置(ハードディスク等)である。
入出力I/F3は、表示装置、入力装置等のユーザインタフェース装置(図示せず)と接続可能である。表示装置は、LCDやCRTディスプレイのような、CPU1等により処理された描画データに対応する画面を表示する装置である。入力装置は、キーボード、マウス等のようなユーザ操作の入力を受け付ける装置である。表示装置及び入力装置は一体化され、タッチパネルとして実現されてもよい。
通信ユニット4は、通信網9を介した他のコンピュータとの通信や、プリンタ等の他の機器との信号のやりとり等を行う。通信ユニット4には、可搬型記録媒体等も接続され得る。
【0028】
本サーバ10のハードウェア構成は、
図3の例に制限されない。本サーバ10は、図示されていない他のハードウェア要素を含み得る。また、各ハードウェア要素の数も、
図3の例に制限されない。例えば、本サーバ10は、複数のCPU1を有していてもよい。また、本サーバ10は、複数台のコンピュータにより実現されていてもよい。
【0029】
本サーバ10は、受注システム12、生産管理システム14、ドライバ端末16、管理者端末18等と通信可能に接続されている。本サーバ10と他の端末又はシステムとの間の通信は、Wi−Fi(Wireless Fidelity)回線網、インターネット通信網、専用回線網、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の一つ又はそれらの組み合わせにより形成される通信網9を介して行われる。当該通信の具体的形態は制限されない。
【0030】
受注システム12は、放射性医薬品の受注を管理するシステムである。受注システム12は、受注情報を本サーバ10に提供する。受注システム12は、その他、公知の一般的な機能を有していればよい。
生産管理システム14は、放射性医薬品の製造(生産)を管理するシステムである。生産管理システム14は、受注システム12から受注情報を受け、この受注情報に基づいて、製造工場F1ごとに放射性医薬品の生産計画を立案する。生産管理システム14は、その他、公知の一般的な機能を有していればよい。
ドライバ端末16は、
図1のユーザ端末110に対応し、ドライバにより利用される据え置き型又は携帯型の一般的なコンピュータである。
管理者端末18は、配送手配業務の管理者により利用される据え置き型又は携帯型の一般的なコンピュータである。
【0031】
図4は、本実施形態に係る配送管理サーバ10の処理構成例を概念的に示す図である。
本サーバ10は、ソフトウェア要素として、ログイン処理部21、表示処理部23、チェック部25、格納処理部27、通知処理部28、評価部29、ドライバ情報データベース(DB)31、配送情報データベース(DB)33、配送実績データベース(DB)35等を有する。これら各ソフトウェア要素は、例えば、CPU1によりメモリ2に格納されるコンピュータプログラムが実行されることにより実現される。そのプログラムは、例えば、CD、メモリカード等のような可搬型記録媒体や他のコンピュータから通信ユニット4を介してインストールされ、メモリ2に格納されてもよい。
【0032】
ドライバ情報DB31は、配送を依頼する候補となるドライバに関する情報を格納する。
図5は、ドライバ情報DB31に格納される情報の例を示す図である。
図5に示されるように、ドライバ情報DB31は、配送を依頼する候補となるドライバごとに、ドライバID、氏名、メールアドレス、電話、就業許諾期限、担当出荷元ID、評価ランク、お知らせ情報などを格納する。
【0033】
ドライバIDは、ドライバの識別情報である。
パスワードは、ドライバが本サーバ10のサービスにログインするための認証情報である。
就業許諾期限は、ドライバが配送業務を担当できる期限である。上述したとおり、放射性医薬品の配送を行うドライバには、年1回以上の教育を受ける法定義務が課されている。このため、就業許諾期限には教育を受けた日から1年後の日が設定されてもよい。また、配送の手配を行う事業者により決められた期限が設定されてもよい。
担当出荷元IDは、ドライバが配送を担当し得る出荷元の識別情報である。各ドライバは、希望する出荷元の識別情報を担当出荷元IDとして登録することができる。
評価ランクは、ドライバの評価の階級であり、例えば、配送手配業務の管理者により設定される。
お知らせ情報は、ドライバへのお知らせ情報であり、例えば、配送手配業務の管理者により設定される。
【0034】
各ドライバの情報は、配送の手配を行う事業者との契約を通じて、ドライバ情報DB31に登録される。本実施形態では、新規のドライバの情報は、そのドライバが最初の教育を受けた後に、ドライバ情報DB31に格納される。本サーバ10が配送手配処理を行うにあたり、複数のドライバの情報がドライバ情報DB31に格納されている。
【0035】
配送情報DB33は、上述の配送情報格納部115に対応し、一配送ごとの配送情報を格納する。
図6は、配送情報DB33に格納される情報の例を示す図である。
図6に示されるように、配送情報DB33は、一配送ごとに、配送ID、出荷日、出荷時刻、出荷元ID、出荷元名称、配送先ID、配送先名称、配送指定時刻、ドライバID、配送価格などを格納する。
【0036】
配送IDは、個々の配送の識別情報である。
出荷元IDは、出荷元の識別情報である。
図6の例では、出荷元IDフィールドが一つしか示されていないが、複数の出荷元IDが設定可能となっていることが望ましい。
配送先IDは、配送先の識別情報である。
出荷日及び出荷時刻は、出荷元IDで識別される出荷元から出荷する日時を示す。
出荷元名称は、出荷元IDで識別される出荷元の名称であり、例えば、出荷元となる製造工場の名称などが設定される。
配送先名称は、配送先IDで識別される配送先の名称であり、例えば、納品先となる医療機関の名称などが設定される。
配送指定時刻は、配送先IDで識別される配送先への到着時刻を指定するものである。例えば、この配送指定時刻は、8時から8時30分というような任意の時間幅で設定される。
ドライバIDは、その配送を担当することになったドライバの識別情報である。
配送価格は、その配送についてドライバに支払われる料金である。配送価格の初期値は、担当するドライバに関わらずその配送について決められている料金に設定されればよい。
【0037】
ドライバIDで識別されるドライバは、配送IDで識別される次のような配送を担当することになる。即ち、ドライバは、放射性医薬品を積み、出荷日及び出荷時刻に出荷元IDで識別される出荷元を出発し、配送先IDで識別される配送先へ配送指定時刻内に到着し、放射性医薬品を納品する。ドライバは、その配送指定時刻を順守するように、配送先へ到着することが望まれる。この配送指定時刻よりも早く配送先へ到着してしまった場合、その配送は、早配と呼ばれ、評価を落とすことになる。逆に、配送指定時刻よりも遅く配送先へ到着してしまった場合も、その配送は、遅配と呼ばれ、評価を落とすことになる。
【0038】
配送実績DB35は、運搬従事者ごとの配送実績の履歴情報を格納する。配送実績DB35は、配送実績格納部と呼ぶこともできる。配送実績DB35に格納される配送実績情報としては、納品完了時刻、事前連絡の有無などが含まれる。
【0039】
ログイン処理部21は、本サーバ10が提供するサービスを利用するためのログイン処理を行う。ログイン処理の具体的手法については、公知のあらゆる手法が利用可能である。
本実施形態では、ログイン処理部21は、ドライバ端末16、管理者端末18等を含むユーザ端末にログイン画面を表示し、そのログイン画面を介して入力されるユーザID及びパスワードを取得する。ログイン処理部21は、取得されたユーザID及びパスワードを保持している正当な認証情報と照合して、正当性が確認されたユーザのそのユーザ端末からのアクセスを許可する。本実施形態では、ドライバ情報DB31に格納されるドライバID及びパスワードがドライバの正当な認証情報として利用される。管理者用のユーザID及びパスワードは、別途、ログイン処理部21により保持されればよい。
【0040】
以降、ログインに成功しアクセスが許可されたログインユーザであるドライバをログインドライバと表記し、ログインユーザである管理者をログイン管理者と表記する。
ログイン処理部21は、ログインドライバに関して、そのドライバIDを含むレコードをドライバ情報DB31から抽出し、そのレコードのドライバ情報を表示処理部23に渡す。
【0041】
表示処理部23は、上述の表示処理部103に対応し、ドライバ情報DB31に格納されるドライバ情報及び配送情報DB33に格納される配送情報に基づいて、ユーザ端末に配車予約画面及び配車確認画面を表示する。具体的には、表示処理部23は、ログインドライバにより操作されるドライバ端末16に配車予約画面を表示し、ログイン管理者により操作される管理者端末18に配車確認画面を表示する。つまり、配車予約画面はドライバ用の画面であり、配車確認画面は管理者用の画面である。
表示処理部23は、ログインユーザがドライバであるか管理者であるかを示す情報と、ログインユーザがドライバである場合には、ドライバ情報DB31に格納されるログインドライバの情報を、ログイン処理部21から取得することができる。
【0042】
図7は、配車予約画面の例を示す図である。
図7に例示される配車予約画面では、上部から、ログインドライバの情報表示エリアSE1、条件指定エリアSE2、及び配送予約リストSE3が配置されている。
表示処理部23は、ログイン処理部21から取得されたログインドライバの情報に基づいて、ログインドライバのドライバID、氏名、評価ランク、就業許諾期限、及びお知らせ情報を含むエリアSE1の表示イメージを生成する。
【0043】
エリアSE2では、配送日及び出荷元が指定可能となっている。この配送日は出荷日と同意である。表示処理部23は、エリアSE3の配送日の欄の下矢印が選択されたことを検知すると、カレンダを表示し、そのカレンダで選択された日付をエリアSE2の配送日に設定する。
更に、表示処理部23は、エリアSE3の出荷元名称の欄の下矢印が選択されたことを検知すると、出荷元のリストをプルダウンにより表示する。表示処理部23は、出荷元ごとのID及び名称の情報を保持しておき、ログインドライバのドライバ情報に含まれる担当出荷元IDに対応する出荷元名が並ぶプルダウンリストを表示することができる。これにより、ログインドライバが担当できない出荷元からの配送については表示されないようにすることができる。
表示処理部23は、カレンダ又はプルダウンリストの中から選択された配送日を出荷日として含みかつ当該選択された出荷元の出荷元IDを含むレコードを配送情報DB33から特定し、そのレコードの情報から配送予約リストSE3を生成する。
【0044】
配送予約リストSE3は上述の配送手配リストに相当する。本実施形態では、配送予約リストSE3は、一配送の情報を一行に表示するいわゆるリスト形式で表示される。即ち、配送予約リストSE3は、エリアSE2で指定された出荷日及び出荷元に基づいて配送情報DB33から特定された各レコード(各配送)の配送情報を各行に表示する。以降、配送予約リストSE3で表示される各配送(各行)に対応する配送情報DB33中のレコードをリスト指定レコードと表記する場合もある。
また、配送予約リストSE3には、配送ごと(一行ごと)に、先約、確定、出荷時刻、配送先ID、配送先名、指定時刻、チェックボックス、及び配送価格の項目が含まれる。出荷時刻、配送先ID、配送先名、及び指定時刻の各項目には、配送情報DB33中のリスト指定レコードに含まれる出荷時刻、配送先ID、配送先名称、及び配送指定時刻が設定される。
【0045】
表示処理部23は、配送予約リストSE3におけるログインドライバが既に予約している配送の行の、確定の項目に「○」を表示し、チェックボックスの項目に「レ」を表示する。このように、表示処理部23は、配送予約リストSE3におけるログインドライバが既に予約している配送の行の表示属性を他の配送と異なる属性に設定することができる。このような設定対象となる配送行の表示属性は、このような項目の表示のみに限らず、行内背景の表示色、行内の文字の表示色又はフォント、行を囲む線分の表示色、太さ又は線種など様々である。例えば、表示処理部23は、ログインドライバが既に予約している配送の行内背景の表示色を他の配送の表示色とは異なる色に設定することもできる。
これにより、配送予約リストSE3を見たログインドライバは、表示属性の違いにより自身が既に予約している配送を直ぐに把握することができる。
表示処理部23は、配送予約リストSE3におけるログインドライバが既に予約している配送の行を、その行に対応するリスト指定レコードにログインドライバのドライバIDが設定されているか否かで特定することができる。
【0046】
また、表示処理部23は、配送予約リストSE3におけるログインドライバ以外のドライバが既に予約している配送の行の、先約の項目に「※」を表示する。このように、表示処理部23は、配送予約リストSE3におけるログインドライバ以外のドライバが既に予約している配送の行の表示属性を他の配送と異なる属性に設定することができる。このような設定対象となる配送行の表示属性は、このような項目の表示のみに限らず、行自体の表示/非表示、行内背景の表示色、行内の文字の表示色又はフォント、行を囲む線分の表示色、太さ又は線種、行の或る項目の編集可/不可など様々である。例えば、表示処理部23は、ログインドライバ以外のドライバが既に予約している配送の行内背景の表示色を他の配送の表示色とは異なる色に設定し、当該配送の行のチェックボックスを編集不可に設定することができる。他の手法として、表示処理部23は、ログインドライバ以外のドライバが既に予約している配送を配送予約リストSE3内で非表示としてもよい。
言い換えれば、表示処理部23は、配送情報格納部(配送情報DB33)において配送情報がログイン運搬従事者(ログインドライバ)とは異なる他の運搬従事者(ドライバ)の識別情報と既に関連付けられている配送の、配送手配リストにおける表示属性を、他の配送とは異なる属性にする。
これにより、配送予約リストSE3を見たログインドライバは、表示属性の違いにより他人が既に予約している配送を直ぐに把握することができる。
表示処理部23は、配送予約リストSE3におけるログインドライバ以外のドライバが既に予約している配送の行を、その行に対応するリスト指定レコードにログインドライバ以外のドライバIDが設定されていることを以て特定することができる。
【0047】
表示処理部23は、配送予約リストSE3の配送価格の項目については、リスト指定レコードに含まれる配送価格を表示する。ここで、表示処理部23は、配送予約リストSE3におけるドライバの予約が入っていない配送の行の配送価格として、ログインドライバの評価ランクに対応する配送価格を表示してもよい。
配送予約リストSE3におけるドライバの予約が入っていない配送の行は、その行に対応するリスト指定レコードにドライバIDが設定されていないことを以て特定可能である。
即ち、表示処理部23は、ログイン処理部21から取得したログインドライバの情報からログインドライバの評価ランクを特定し、配送情報格納部(配送情報DB33)において配送情報が運搬従事者(ドライバ)の識別情報と未だ関連付けられていない配送の配送手配リスト上の表示に関連付けて、ログイン運搬従事者(ログインドライバ)の評価ランクに対応する配送価格を表示してもよい。この場合、表示処理部23は、上述の特定部101にも対応する。
この場合、表示処理部23は、ドライバの予約が入っていない配送に対応するリスト指定レコードの配送価格から、ログインドライバの評価ランクに応じて上昇させた価格を算出し、この価格を当該行の配送価格として表示してもよい。表示される配送価格でログインドライバが或る配送を予約した場合には、その配送に対応するリスト指定レコードに、ログインドライバのドライバIDと共に、その表示されている配送価格が設定されればよい。
このようにすることで、配送業務に対するドライバのモチベーションを上げることができ、配送品質を向上させることにつながる。
【0048】
また、表示処理部23は、ドライバ端末16にこのような配車予約画面を表示するにあたり、ログインユーザの就業許諾期限の徒過を判定し、この判定結果に基づいて、配送予約リストSE3の表示属性を切り替えることもできる。切り替え対象となる配送予約リストSE3の表示属性は、表示/非表示、編集可/不可、線の色、太さ又は線種、文字の色又はフォント、背景の色など様々である。
例えば、表示処理部23は、ログイン処理部21から得られたログインドライバの情報からログインドライバの就業許諾期限を特定し、その日がその就業許諾期限を徒過しているか否かを判定する。この場合、表示処理部23は、上述の特定部101にも対応する。表示処理部23は、就業許諾期限が徒過していない場合には、配送予約リストSE3を上述のような通常状態で表示し、就業許諾期限を徒過している場合、配送予約リストSE3のチェックボックスを編集不可とし、配送予約リストSE3全体の表示色を薄くする。
このようにすることで、ドライバに課せられる法定義務を順守させることができると共に、法定義務を守らないドライバに配送を担当させるといった手配ミスを未然に防ぐことができる。
【0049】
更に、表示処理部23は、配車予約画面のエリアSE2で指定されている配送日(出荷日)に対する配送予約の制限時刻に基づいて、配送予約リストSE3の表示属性を切り替えることもできる。本実施形態では、配送日(出荷日)の前日の17時が配送予約の制限時刻に設定される。例えば、表示処理部23は、配送予約の制限時刻を過ぎていない場合には、配送予約リストSE3を上述のような通常状態で表示し、制限時刻を過ぎている場合、配送予約リストSE3のチェックボックスを編集不可とし、配送予約リストSE3全体の表示色を薄くする。切り替えられる表示属性は、このような例に制限されず、上述したとおり様々である。
これにより、ドライバは、この制限時刻を過ぎると、配車予約画面を通じた配送の予約ができなくなる。配送手配業務の管理者は、その制限時刻を徒過した後は、未予約の配送を予約の希望がなかったものとして、独自に配送手配をすることができる。管理者は、未予約の配送に関して、ドライバ情報DB31にドライバ情報が格納されているドライバの中からドライバを手配してもよいし、運送会社に依頼してドライバの手配を行ってもよい。
【0050】
図8は、配車確認画面の例を示す図である。
図8に例示される配車確認画面では、上部から、条件指定エリアSE10、お知らせエリアSE11、及び配送予約リストSE12が配置されている。
条件指定エリアSE10の表示及び動作は、
図7に例示される条件指定エリアSE2と同様である。
なお、お知らせエリアSE11には、全てのドライバに共通のお知らせ情報が表示される。この共通のお知らせ情報は、表示処理部23により保持されていればよい。
【0051】
配送予約リストSE12は上述の配送手配リストに相当する。
配送予約リストSE12においても、上述の配送予約リストSE3と同様に、一配送の情報を一行に表示するいわゆるリスト形式で表示される。配送予約リストSE12は、エリアSE2で指定された出荷日及び出荷元に基づいて配送情報DB33から特定された各リスト指定レコードの配送情報を各行に表示する。
但し、配送予約リストSE12は、表示される項目が配送予約リストSE3とは異なる。
配送予約リストSE12では、配送ごと(一行ごと)に、確定、出荷時刻、配送先ID、配送先名、指定時刻、ID(ドライバID)、運搬従事者名、及び評価ランクの項目が表示されている。出荷時刻、配送先ID、配送先名、指定時刻、及びID(ドライバID)の各項目には、配送情報DB33中のリスト指定レコードに含まれる出荷時刻、配送先ID、配送先名称、配送指定時刻、及びドライバIDが設定される。運搬従事者名及び評価ランクの各項目については、リスト指定レコードのドライバIDに基づいてドライバ情報DB31から特定される氏名及び評価ランクが設定される。
【0052】
表示処理部23は、配送予約リストSE12におけるいずれかのドライバが既に予約している配送の行の、確定の項目に「※」を表示する。いずれかのドライバが既に予約している配送は、リスト指定レコードにドライバIDが設定されていることを以て特定することができる。
このように、表示処理部23は、配送予約リストSE12におけるいずれかのドライバが既に予約している配送の行の表示属性を未予約の配送と異なる属性に設定することができる。このような設定対象となる配送行の表示属性は、このような項目の表示のみに限らず、行内背景の表示色、行内の文字の表示色又はフォント、行を囲む線分の表示色、太さ又は線種、行の或る項目の編集可/不可など様々である。例えば、表示処理部23は、いずれかのドライバが既に予約している配送の行内背景の表示色を未予約の配送の表示色とは異なる色に設定する。
言い換えれば、表示処理部23は、ログインユーザが管理者権限を有する場合には、配送情報格納部(配送情報DB33)において配送情報が運搬従事者(ドライバ)の識別情報と関連付けられているか否かにより配送ごとの表示属性が異なる管理者用の配送手配リスト(配送予約リストSE12)をユーザ端末(管理者端末18)に表示する。
これにより、配送予約リストSE12を見たログイン管理者は、表示属性の違いにより既にドライバの予約が完了している配送と未予約の配送とを直ぐに把握することができ、未予約の配送に対して早急に対処することが可能となる。
【0053】
また、配送予約リストSE12では、運搬従事者名の項目が操作可能とされている。ログイン管理者は、この項目を操作することにより、未予約の配送に対してドライバを登録することができる。
具体的には、表示処理部23は、或る配送の行における運搬従事者名の項目の下矢印に対する操作を検出すると、ドライバリストをドロップダウンリストとして表示する。表示処理部23は、ドライバ情報DB31に格納される情報を用いてドライバリストを生成することができる。表示処理部23は、そのドライバリストから選択されたドライバのドライバID及び氏名を、その配送の行のID及び運搬従事者名として表示する。
表示処理部23は、そのドライバリストにおいて、各ドライバの評価ランクの高い順に、各ドライバの情報を表示することができる。これにより、評価ランクの高いドライバを優先的に配送手配することができ、配送品質を向上させることができると共に、配送業務に対するドライバのモチベーションも向上させることができる。
【0054】
格納処理部27は、上述の格納処理部105に対応し、配送情報DB33に対するレコードの追加及び更新を行う。
具体的には、格納処理部27は、受注システム12から受注情報を取得し、その受注情報から配送情報を生成し、その配送情報を配送情報DB33にレコードとして格納する。受注情報から配送情報の生成手法については、上述の特許文献1及び2に記載されるような公知の手法が利用可能である。例えば、格納処理部27は、受注情報に含まれる注文者の情報から配送先ID及び配送先名称を決めることができ、注文者の住所及び検定日時などの情報から出荷日、出荷時刻、出荷元ID、出荷元名称、及び配送指定時刻を決めることができる。配送情報DB33に格納される配送価格の初期値は、出荷元と納品先との距離や出荷日時などから決めることができる。配送情報DB33に追加される新規レコードでは、ドライバIDは未設定状態(未予約状態)とされる。
但し、格納処理部27は、受注システム12からの受注情報に加えて、生産管理システム14からの生産計画情報を参照することにより、配送情報DB33に格納する配送情報を生成してもよい。
【0055】
また、格納処理部27は、配車予約画面又は配車確認画面に対する操作に基づいて、配送情報DB33に格納されるリスト指定レコードを更新することにより、各配送の予約状態を配送情報DB33に反映させる。具体的には、格納処理部27は、配車予約画面の配送予約リストSE3又は配車確認画面の配送予約リストSE12において選択された配送(行)に対応するリスト指定レコードに、ログインドライバのドライバID又は上述のドライバリストで選択されたドライバのドライバIDを設定する。また、格納処理部27は、配送の予約が変更された場合又はキャンセルされた場合には、当該選択された配送(行)に対応するリスト指定レコードに設定されているドライバIDを変更又は削除する。
表示処理部23による
図7及び
図8の表示制御と格納処理部27による配送情報DB33の更新処理との連携については、動作例の項にて詳述する。
【0056】
また、格納処理部27は、ドライバごとの配送実績の履歴情報を配送実績DB35に格納する。即ち、格納処理部27は第二格納処理手段に相当する。
格納処理部27は、配送実績情報の入力画面をドライバ端末16又は管理者端末18に表示し、その入力画面を介して入力された情報を配送実績DB35に格納してもよい。また、格納処理部27は、ドライバが携帯する端末で実行される納品完了処理(例えば、顧客の受領印又は受領印に相当する二次元コードの読み取り処理など)を通じて他のシステムで管理される納品情報に基づいて、当該他のシステムから納品完了時刻を取得し、それを当該配送実績DB35に格納してもよい。
【0057】
チェック部25は、配車予約画面又は配車確認画面で設定された配送予約に対して、その配送予約が可能か否かのチェックを行う。
具体的には、チェック部25は、配車予約画面において確定及び先約の項目にマークが付されておらずかつチェックボックスにより指定された配送(以降、予約希望配送と表記する場合もある)に関して、ログインドライバがその配送を行うことができるか否か判定する。更に、チェック部25は、配車確認画面において手配するドライバの変更又は設定が行われた配送(以降、手配予定配送と表記する場合もある)に関して、そのドライバがその配送を行うことができるか否か判定する。
【0058】
チェック部25は、対象の出荷日(配送日)でログインドライバが既に予約している配送が存在する場合、その配送と予約希望配送との間で、配送先及び配送指定時刻と出荷元及び出荷時刻とを比較することにより、その配送先からその出荷元への移動が可能か否かを判定する。例えば、チェック部25は、移動可能な配送先と出荷元との組合せに係る、配送先ID及び配送指定時刻と出荷元ID及び出荷時刻との組合せ情報を予め保持しておき、この組合せ情報に合致するか否かにより、配送先からその出荷元への移動が可能か否かを判定することができる。予約希望配送が複数存在する場合には、チェック部25は、予約希望配送間で、配送先及び配送指定時刻と出荷元及び出荷時刻とを比較することにより、その配送先からその出荷元への移動が可能か否かを判定する。
また、チェック部25は、手配予定配送の対象ドライバが既に予約している配送が存在する場合、その配送と手配予定配送との間で、配送先及び配送指定時刻と出荷元及び出荷時刻とを比較することにより、その配送先からその出荷元への移動が可能か否かを判定する。この判定についても、上述のとおり、移動可能な配送先と出荷元との組合せに係る組合せ情報を用いて行うことができる。同じドライバが指定された手配予定配送が複数存在する場合には、チェック部25は、それら手配予定配送間で、配送先及び配送指定時刻と出荷元及び出荷時刻とを比較することにより、その配送先からその出荷元への移動が可能か否かを判定する。
言い換えれば、チェック部25は、同一運搬従事者に関して配送手配リスト(配送予約リストSE3又はSE12)の中から選択された複数配送間の配送情報の比較、又は、同一運搬従事者に関して当該配送手配リストの中から選択された配送とその運搬従事者の識別情報(ドライバID)と既に関連付けられている他の配送との間の配送情報の比較により、その運搬従事者に関してその選択された配送の手配が可能か否かを判定する。
【0059】
チェック部25は、移動時間などの問題から手配が不可能な配送が選択されている場合には、そのような配送が含まれている旨のエラー表示を行う。チェック部25は、そのエラー表示の後、その手配が不可能な配送に対するドライバの設定を解除してもよい。
【0060】
通知処理部28は、配送情報DB33において或る配送のレコードにドライバIDが新たに設定された場合、又は、該レコードのドライバIDが変更若しくは削除された場合に、その新たに設定されたドライバID、変更前若しくは変更後のドライバID、又は削除されたドライバIDに対応するドライバ宛てに、そのレコードで示される配送情報の少なくとも一部を通知する。言い換えれば、通知処理部28は、配送情報格納部(配送情報DB33)に格納される配送情報と運搬従事者の識別情報との関連付けが追加、解除又は変更される場合に、その識別情報が既に関連付けられていた又は新たに関連付けられる運搬従事者宛てに、その配送情報の少なくとも一部を通知する。
【0061】
本実施形態では、通知処理部28は、ドライバ情報DB31において対象のドライバIDと同一レコードに含まれているメールアドレスを送信先にして、配送情報DB33においてその対象のドライバIDと同一レコードに含まれている配送情報の少なくとも一部を本文として含む電子メールを送信する。但し、通知の手段は、電子メールのみに制限されず、電話、ファックス、プッシュ型又はプル型の何らかのメッセージ伝達手段であってもよい。
これにより、通知を受けたドライバは、自身が行った配送の予約又はキャンセルが適切に行われていることや、管理者により行われたドライバの変更やキャンセルなどを容易に知ることができる。
【0062】
評価部29は、配送実績DB35に格納される配送実績の履歴情報に基づいて、各ドライバの評価ランクを決定する。評価ランクの具体的な決定手法については何ら制限されない。例えば、評価部29は、配送ごとに配送完了時刻と配送指定時刻とを比較して、早配及び遅配に該当するか否かを判定することにより、評価ランクを決定することができる。評価部29は、配送完了時刻が配送指定時刻よりも早い場合には、早配と判定し、配送完了時刻が配送手配時刻よりも遅い場合には、遅配と判定する。評価部29は、早配又は遅配と判定された配送の数によって、評価ランクを決定する。
【0063】
ここで、評価部29により決定される評価ランクは、評価の階級が示されれば、点数であってもよい。
その他、評価部29は、配送実績DB35に格納される履歴情報に基づいて、早配又は遅配となった配送において事前連絡があったか否かを判定し、事前連絡があった場合には、ない場合に比べて、高い評価を行うこともできる。また、評価部29は、担当した配送の数の増加に伴い、評価ランクを上昇させることもできる。
このように配送実績が管理され、その配送実績に基づいてドライバの評価ランクが決められ、その評価ランクによって、ドライバは各種メリットを享受することができる。当該メリットの例としては、上述の配送価格への反映や、配車確認画面のドライバリストにおける優先表示などがある。これにより、ドライバのモチベーションが向上し、安定した配送手配が可能となり、配送品質の向上にも繋がる。
【0064】
評価部29により決定された評価ランクは、そのままドライバ情報DB31の評価ランクに反映されてもよい。また、評価部29は、管理者が各ドライバの評価ランクを決める上での参考情報として、決定した評価ランクを管理者端末18に表示してもよい。この場合には、管理者端末18を介して管理者により入力された評価ランクがドライバ情報DB31に格納されればよい。
【0065】
〔配送手配方法〕
次に、上述の配送管理サーバ10で実行される配送手配方法(以下、本方法と表記する場合もある)について詳述する。
図9及び
図10は、本実施形態に係る配送手配方法を示すフローチャートである。本方法は、例えば、上述のソフトウェア要素の動作により実現される。即ち、本方法は、CPU1によりメモリ2に格納されるコンピュータプログラムが実行されることにより実現される。このため、本方法の実行主体は、配送管理サーバ10、CPU1、コンピュータ、又は上述の各ソフトウェア要素であるといえる。但し、本方法は、各工程において人手が介入することを許容する。
【0066】
まず、ドライバがドライバ端末16を用いて本サーバ10にログインする場合の配送手配方法について
図7及び
図9を用いて説明する。
図9は、ドライバがログインする場合の配送手配方法を示すフローチャートである。
【0067】
ドライバは、ドライバ端末16を用いて本サーバ10にアクセスし、ログイン操作を行う。このログイン操作に従って、本サーバ10は、ドライバのログイン処理を行う(S11)。ログイン処理の具体的内容については、ログイン処理部21について説明したとおりである。本実施形態では、本サーバ10は、ドライバ端末16から取得されたドライバID及びパスワードをドライバ情報DB31に格納されるドライバID及びパスワードと照合する。ドライバ端末16から取得されたドライバID及びパスワードと同一のものがドライバ情報DB31に格納されている場合、そのドライバはログイン成功となる。但し、工程(S11)でのログイン手法には、公知の様々な手法が利用可能である。
【0068】
本サーバ10は、ドライバ端末16から取得されたドライバID及びパスワードと同一ドライバID及びパスワードを含むレコードをドライバ情報DB31から抽出し、このレコードのドライバ情報を特定する(S12)。上述の例では、ドライバID、パスワード、氏名、メールアドレス、電話番号、就業許諾期限、担当出荷元ID、評価ランク、及びお知らせ情報がドライバ情報として特定される。
【0069】
続いて、本サーバ10は、配車予約画面の表示処理を行う。この処理は、ログイン成功後にドライバ端末16に表示されるメニュー画面に対する操作により実行されてもよいし、ログイン処理後に自動的に実行されてもよい。
配車予約画面を表示する際に、本サーバ10は、工程(S12)で特定されたドライバ情報に基づいて、ログインドライバの就業許諾期限の徒過を判定する(S13)。具体的には、その日がログインドライバの就業許諾期限を過ぎているか否かが判定される。就業許諾期限を徒過している場合(S13;YES)、本サーバ10は、チェックボックスに対する入力ができない状態(編集不可状態)で配車予約画面をドライバ端末16に表示する(S15)。これにより、就業許諾期限が過ぎてしまっているログインドライバは、配車予約画面において配送の予約を行うことができなくなる。結果、コンプライアンスの遵守と共に、放射性医薬品の配送の安全性を維持することができる。
【0070】
本サーバ10は、就業許諾期限が徒過していない場合(S13;NO)、更に、配車予約画面の初期値として設定すべき出荷日(配送日)に関して、制限時刻の経過を判定する(S14)。例えば、配車予約画面における出荷日の初期値は当日(動作日)に設定される。本実施形態では、制限時刻は出荷日の前日の17時に設定されるため、本サーバ10は、そのときの時刻が制限時刻(17時)を超えているか否かを判定する(S14)。既に制限時刻を経過している場合には、本サーバ10は、編集不可状態)で配車予約画面をドライバ端末16に表示する(S15)。これにより、制限時刻経過後に、ログインドライバは、配車予約画面において配送の予約を行うことができなくなる。これにより、各ドライバは、この制限時刻までに配送の予約を行うようになるため、配車手配のスピードを向上させることができる。
なお、
図9には示していないが、このような工程(S14)の判定は、配車予約画面のエリアSE2で配送日(出荷日)の指定が変更される度に実行される。
【0071】
本サーバ10は、就業許諾期限の徒過も制限時刻の経過もない場合(S13;NO、S14;NO)、編集可能な通常状態で配車予約画面をドライバ端末16に表示する(S16)。
本サーバ10は、配車予約画面における配送日(出荷日)及び出荷元の初期値に従って、配送情報DB33から、その出荷日、及び、担当出荷元IDに対応する出荷元IDを含むレコード(リスト指定レコード)を抽出し、このリスト指定レコードの配送情報を用いて、配車予約画面の表示イメージを生成する。
【0072】
本サーバ10は、配車予約画面を編集不可状態で表示するか編集可能状態で表示するかにおいて、編集可/不可以外の表示属性を切り替えてもよい。
また、本サーバ10は、配車予約画面を表示するにあたり(S14、S15)、配送予約リストSE3におけるログインドライバが既に予約している配送の行の表示属性を他の配送と異なる属性に設定することができる。また、本サーバ10は、配送予約リストSE3におけるログインドライバ以外のドライバが既に予約している配送の行の表示属性を他の配送と異なる属性に設定することもできる。更に、本サーバ10は、配送予約リストSE3の配送価格を、ログインドライバの評価ランクに対応する配送価格とすることもできる。
このような配車予約画面の表示については、表示処理部23について述べたとおりである。
【0073】
ログインドライバは、配車予約画面で配送を予約する際には、配送予約リストSE3における、先約又は確定の項目に「※」又は「○」が付されていない未予約の配送の行を選択し、その行のチェックボックスを操作する。このチェックボックスに対する操作により「レ」が表示される。このとき、複数の行のチェックボックスに対して操作されてもよい。
その後、ログインドライバは、登録ボタンSE6を押下操作する。
【0074】
本サーバ10は、登録ボタンSE6の押下操作を検出すると(S17;YES)、チェックボックスの操作で「レ」が付された、即ち、確定及び先約の項目にマークが付されておらずかつチェックボックスにより指定された配送(予約希望配送)のリスト指定レコードの配送情報を特定する(S18)。
この特定された配送情報を用いて、本サーバ10は、その予約希望配送についてのチェック処理を行う(S19)。このチェック処理の内容についてはチェック部25について述べたとおりである。例えば、本サーバ10は、対象の出荷日(配送日)でログインドライバが既に予約している配送が存在する場合、その配送と予約希望配送との関係で、一方の配送先から他方の出荷元への移動が可能か否かを判定する。また、本サーバ10は、予約希望配送間で、一方の配送先から他方の出荷元への移動が可能か否かを判定する。
【0075】
本サーバ10は、工程(S19)のチェック処理において全ての予約希望配送について、ログインドライバが配送可能と判定すると(S20;YES)、各予約希望配送に対応する配送情報DB33中のレコードにログインドライバのドライバIDを設定する(S24)。加えて、リスト指定レコードに含まれる配送価格と異なる配送価格が配送予約リストSE3に表示されている場合には、本サーバ10は、そのドライバIDを設定すると共に、表示されている配送価格をリスト指定レコードに反映させる。
更に、このとき、本サーバ10は、ログインドライバのメールアドレス宛てに、該当レコードの配送情報の少なくとも一部を含む電子メールを送信することもできる。これについては、上述の通知処理部28で述べたとおりである。
【0076】
一方、一つの予約希望配送でもログインドライバが配送不可能と判定された場合(S20;NO)、本サーバ10は、配送不可能と判定された予約希望配送が存在する旨のエラー画面をドライバ端末16に表示する(S21)。続いて、本サーバ10は、配送不可能と判定された予約希望配送についてチェックコントロールの指定を解除する(レを消去する)(S22)。
本サーバ10は、予約希望配送の中に配送可能と判定された予約希望配送が存在する場合(S23;YES)、その予約希望配送に対応する配送情報DB33中のレコードにログインドライバのドライバIDを設定する(S24)。配送価格については上述したとおりである。
【0077】
本サーバ10は、配車予約画面における終了操作を検出すると(S28;YES)、配車予約画面を終了する。この終了操作の具体的内容は何ら制限されない。
【0078】
図9には、ドライバが配送の予約を行う際の方法フローが示されているが、ドライバは、既に予約されている配送のキャンセルも同様に行うことができる。
既に予約している配送をキャンセルする際には、ログインドライバは、確定の項目に「○」が付されかつチェックボックスに「レ」が付されている配送の行を選択し、その行のチェックボックスを操作する。このチェックボックスに対する操作により「レ」が消去される。
工程(S18)では、本サーバ10は、チェックボックスの操作で「レ」が消された、即ち、確定の項目にマークが付されておりかつチェックボックスの指定が解除された配送(予約削除配送)のリスト指定レコードの配送情報を特定する。
工程(S24)では、本サーバ10は、予約削除配送に対応する配送情報DB33中のレコードのドライバIDをクリアする。これにより、配送予約リストSE3におけるその予約がキャンセルされた配送の行の、確定の項目の「○」が消され、チェックボックスの「レ」の表示も消される。
【0079】
次に、配送手配業務の管理者が管理者端末18を用いて本サーバ10にログインする場合の配送手配方法について
図8及び
図10を用いて説明する。
図10は、管理者がログインする場合の配送手配方法を示すフローチャートである。
【0080】
管理者は、管理者端末18を用いて本サーバ10にアクセスし、ログイン操作を行う。このログイン操作に従って、本サーバ10は、管理者のログイン処理を行う(S31)。ログイン処理の具体的内容については、ログイン処理部21について説明したとおりである。本実施形態では、本サーバ10は、管理者端末18から取得されたID及びパスワードを管理者用に保持されるID及びパスワードと照合する。照合に成功した場合、本サーバ10は、そのログインユーザが管理者権限を有すると判断する。但し、工程(S31)でのログイン手法には、公知の様々な手法が利用可能である。
【0081】
本サーバ10は、ログインユーザが管理者権限を有すると判断すると、編集可能な通常状態で配車確認画面を管理者端末18に表示する(S31)。管理者は、制限期限の経過後にも配送手配を行う必要があるため、配車確認画面では、制限期限の経過などによる編集可/不可の制御が行われない。
ログイン管理者は、配車確認画面で配送手配する際には、配送予約リストSE12における対象となる配送の行を選択し、その行の運搬従事者名の項目の下矢印を操作する。この操作によりドライバリストが表示され、ログイン管理者は、そのドライバリストからドライバを選択する。この選択により、配送予約リストSE12の選択された行におけるID及び運搬従事者名に、当該選択されたドライバのドライバID及び氏名が表示される。
本サーバ10は、そのドライバリストにおいて、各ドライバの評価ランクの高い順に、各ドライバの情報を表示してもよい。
その後、ログイン管理者は、更新ボタンSE16を押下操作する。
【0082】
本サーバ10は、更新ボタンSE16の押下操作を検出すると(S33;YES)、配車確認画面において手配するドライバの変更又は設定が行われた配送(手配予定配送)のリスト指定レコードの配送情報を特定する(S34)。本実施形態では、配車確認画面における手配するドライバの変更又は設定は、ドライバリストに対する選択操作で行われる。
この特定された配送情報を用いて、本サーバ10は、その手配予定配送についてのチェック処理を行う(S35)。このチェック処理の内容についてはチェック部25について述べたとおりである。例えば、本サーバ10は、対象の出荷日(配送日)で設定されたドライバが既に予約している配送が存在する場合、その配送と手配予定配送との関係で、一方の配送先から他方の出荷元への移動が可能か否かを判定する。また、本サーバ10は、同一ドライバが指定された手配予定配送間で、一方の配送先から他方の出荷元への移動が可能か否かを判定する。
【0083】
本サーバ10は、工程(S35)のチェック処理において全ての手配予定配送について、手配したドライバが配送可能と判定すると(S36;YES)、各手配予定配送に対応する配送情報DB33中のレコードにその手配したドライバのドライバIDを設定する(S40)。加えて、そのドライバの評価ランクにより配送価格の初期値よりも高い配送価格が算出される場合には、本サーバ10は、そのドライバIDを設定すると共に、その算出された配送価格をリスト指定レコードに反映させる。
【0084】
一方、一つの手配予定配送でも手配したドライバが配送不可能と判定された場合(S36;NO)、本サーバ10は、配送不可能と判定された手配予定配送が存在する旨のエラー画面を管理者端末18に表示する(S37)。続いて、本サーバ10は、配送不可能と判定された手配予定配送についてドライバの設定又は変更を元に戻す(S38)。
本サーバ10は、手配予定配送の中に配送可能と判定された手配予定配送が存在する場合(S39;YES)、その手配予定配送に対応する配送情報DB33中のレコードに指定したドライバのドライバIDを設定する(S40)。配送価格については上述したとおりである。
【0085】
本サーバ10は、配車確認画面における終了操作を検出すると(S41;YES)、配車確認画面を終了する。この終了操作の具体的内容は何ら制限されない。
【0086】
[変形例]
上述の実施形態は、内容的に支障の生じない範囲で適宜、変形可能である。
例えば、上述の実施形態では、配車予約画面の表示属性を変えることで、制限時刻の経過後の配送の予約又はキャンセルができないようにしたが、このような表示属性の制御を行うことなく、工程(S19)のチェック処理で代替することも可能である。この場合、制限時刻の経過後に配送の予約又はキャンセルが行われた場合には、エラー表示(S21)を行うようにすればよい。
また、ドライバが配送の予約又はキャンセルを行う画面の表示は、
図7に例示される配車予約画面の構成に制限されない。同様に、管理者が配送の手配又は変更を行う画面の表示は、
図8に例示される配車確認画面の構成に制限されない。
更に、ドライバ情報DB31に格納されるドライバ情報及び配送情報DB33に格納される配送情報についても、
図5及び
図6の例に限定されない。例えば、ドライバの評価機能を省く場合には、ドライバ情報から評価ランクの情報が省かれ、配送予約リストSE3に表示される配送価格は、配送ごとに固定されていればよい。
また、
図9及び
図10で示されるフローチャートにおいて、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。
図9及び
図10では、図示されていないが、本サーバ10は、ドライバごとの配送実績の履歴情報を保持し、この履歴情報に基づいて各ドライバの評価ランクを決定することができる。この評価ランクは、管理者に提示されてもよいし、そのままドライバ情報の評価ランクとしてドライバ情報DB31に格納されてもよい。このような評価の決定手法については、評価部29について述べたとおりである。
【0087】
また、上述の配送管理サーバ10で実行される各種処理の一部は、ドライバ端末16(又は
図1のユーザ端末110)により実行されてもよい。具体的には、ドライバ端末16にインストールされているコンピュータプログラム(以降、アプリと表記される)が表示処理部23及びチェック部25の処理の少なくとも一部を担うことができる。この場合、アプリは、実行する処理で必要となる情報を配送管理サーバ10から通信により入手すればよい。
【0088】
例えば、
図7の配車予約画面は、配送管理サーバ10から送信される情報に基づいて、ドライバ端末16により実行されるアプリにより生成されてもよい。また、その配車予約画面の表示属性の制御についてもアプリにより実行可能である。
即ち、アプリは、配送ごとに出荷日時、出荷元情報、及び配送先情報をそれぞれ含む配送手配リスト(配送予約リストSE3)をドライバ端末16の表示部(LCDなど)に表示し、配送情報がログイン運搬従事者とは異なる他の運搬従事者の識別情報と既に関連付けられている配送の、当該配送手配リストにおける表示属性を、他の配送とは異なる属性にする。また、アプリは、ログイン運搬従事者の識別情報と関連付けられているログイン運搬従事者の就業許諾期限が渡過しているか否かにより、配送手配リストの表示属性を切り替えることができる。更に、アプリは、配送情報が運搬従事者の識別情報と未だ関連付けられていない配送の当該配送手配リスト上の表示に関連付けて、ログイン運搬従事者の評価ランクに対応する配送価格を表示することもできる。
【0089】
但し、この場合、アプリは、配車予約画面に対する操作に基づいて、配送管理サーバ10の格納処理部27に、配送情報DB33に格納されるリスト指定レコードを更新させる必要がある。具体的には、アプリは、格納処理部27に対して、配車予約画面の配送予約リストSE3において選択された配送(行)に対応するリスト指定レコードに、ログインドライバのドライバIDを設定させる必要がある。そこで、アプリは、その選択された配送の配送情報とログイン運搬従事者の識別情報とを配送管理サーバ10に関連付けさせるために、その選択された配送の識別情報を配送管理サーバ10に送信すればよい。アプリにより送信される配送の識別情報は、選択された配送を識別できる情報であればよく、例えば、上述の配送IDであってもよいし、他の配送情報であってもよい。
【0090】
また、チェック部25により実行される、配車予約画面で設定された配送予約に対する配送予約が可能か否かのチェックも、そのアプリにより実行可能である。即ち、アプリは、ログイン運搬従事者により当該配送手配リストの中から選択された複数配送間の配送情報の比較、又は、ログイン運搬従事者により当該配送手配リストの中から選択された配送とログイン運搬従事者の識別情報と既に関連付けられている他の配送との間の配送情報の比較により、ログイン運搬従事者に関してその選択された配送の手配が可能か否かを判定してもよい。
【0091】
また、アプリは、通知処理部28により通知される配送情報の少なくとも一部をドライバ端末16の表示部(LCDなど)に表示してもよい。即ち、アプリは、配送管理サーバ10によりログイン運搬従事者の識別情報と配送情報との関連付けが追加、解除又は変更された場合に、ログイン運搬従事者宛てに配送管理サーバ10から通知されるその配送情報の少なくとも一部を表示部に表示させてもよい。
【0092】
更に言えば、上述の実施形態では、放射性医薬品の配送が例示されたが、上述の配送管理サーバ10及び配送手配方法の対象となり得る配送は、放射性医薬品のみに限定されない。
【0093】
上述の内容は次のように特定することもできる。但し、以下の記載が上述の内容を限定するものではない。
(付記1) ユーザ端末からのログインに成功したログイン運搬従事者の識別情報を特定する特定手段と、
配送ごとに出荷日時、出荷元情報、及び配送先情報をそれぞれ含む配送手配リストを前記ユーザ端末に表示する表示処理手段と、
前記配送手配リストの中から選択された配送の配送情報に、前記ログイン運搬従事者の前記識別情報を関連付けて配送情報格納部に格納する格納処理手段と、
を備える配送手配システム。
(付記2) 前記表示処理手段は、前記配送情報格納部において配送情報が前記ログイン運搬従事者とは異なる他の運搬従事者の識別情報と既に関連付けられている配送の、前記配送手配リストにおける表示属性を、他の配送とは異なる属性にする、
(付記1)に記載の配送手配システム。
(付記3) 同一運搬従事者に関して前記配送手配リストの中から選択された複数配送間の配送情報の比較、又は、同一運搬従事者に関して前記配送手配リストの中から選択された配送と該運搬従事者の識別情報と既に関連付けられている他の配送との間の配送情報の比較により、該運搬従事者に関して該選択された配送の手配が可能か否かを判定するチェック手段、
を更に備える(付記1)又は(付記2)に記載の配送手配システム。
(付記4) 前記特定手段は、前記ログイン運搬従事者の前記識別情報と関連付けられている前記ログイン運搬従事者の就業許諾期限を更に特定し、
前記表示処理手段は、前記特定された就業許諾期限の渡過を判定し、該判定の結果に基づいて、前記配送手配リストの表示属性を切り替える、
(付記1)から(付記3)のいずれか一つに記載の配送手配システム。
(付記5) 前記配送情報格納部に格納される配送情報と運搬従事者の識別情報との関連付けが追加、解除又は変更される場合に、該識別情報が既に関連付けられていた又は新たに関連付けられる運搬従事者宛てに、該配送情報の少なくとも一部を通知する通知手段、
を更に備える(付記1)から(付記4)のいずれか一つに記載の配送手配システム。
(付記6) 前記表示処理手段は、ログインユーザが管理者権限を有する場合には、前記配送情報格納部において配送情報が運搬従事者の識別情報と関連付けられているか否かにより配送ごとの表示属性が異なる管理者用の前記配送手配リストをユーザ端末に表示する、
(付記1)から(付記5)のいずれか一つに記載の配送手配システム。
(付記7) 前記特定手段は、前記ログイン運搬従事者の評価ランクを更に特定し、
前記表示処理手段は、前記配送情報格納部において配送情報が運搬従事者の識別情報と未だ関連付けられていない配送の前記配送手配リスト上の表示に関連付けて、前記ログイン運搬従事者の前記評価ランクに対応する配送価格を表示する、
(付記1)から(付記6)のいずれか一つに記載の配送手配システム。
(付記8) 運搬従事者ごとの配送実績の履歴情報を配送実績格納部に格納する第二格納処理手段と、
前記配送実績格納部に格納される配送実績の履歴情報に基づいて、各運搬従事者の評価ランクを決定する評価手段、
を更に備え、
前記履歴情報は、配送ごとの配送完了時刻を含み、
前記配送情報格納部に格納される配送ごとの配送情報は、配送指定時刻を含み、
前記評価手段は、配送ごとに前記配送完了時刻と前記配送指定時刻とを比較して、早配及び遅配に該当するか否かを判定することにより、前記評価ランクを決定する、
(付記1)から(付記7)のいずれか一つに記載の配送手配システム。
(付記9) 前記表示処理手段は、ログインユーザが管理者権限を有する場合に、運搬従事者情報のリスト及び管理者用の前記配送手配リストをユーザ端末に表示し、
前記格納処理手段は、前記運搬従事者情報のリストから選択された運搬従事者の識別情報を前記管理者用の前記配送手配リストから選択された配送の配送情報に関連付けて前記配送情報格納部に格納し、
前記運搬従事者情報のリストでは、前記運搬従事者の情報が前記評価ランクの高い順に並べられている、
(付記7)又は(付記8)に記載の配送手配システム。
(付記10) ユーザ端末からのログインに成功したログイン運搬従事者の識別情報を特定し、
配送ごとに出荷日時、出荷元情報、及び配送先情報をそれぞれ含む配送手配リストを前記ユーザ端末に表示し、
前記配送手配リストの中から選択された配送の配送情報に、前記ログイン運搬従事者の前記識別情報を関連付けて配送情報格納部に格納する、
ことを含む配送手配方法。
(付記11) 前記配送情報格納部において配送情報が前記ログイン運搬従事者とは異なる他の運搬従事者の識別情報と既に関連付けられている配送の、前記配送手配リストにおける表示属性を、他の配送とは異なる属性にする、
ことを更に含む(付記10)に記載の配送手配方法。
(付記12) 同一運搬従事者に関して前記配送手配リストの中から選択された複数配送間の配送情報の比較、又は、同一運搬従事者に関して前記配送手配リストの中から選択された配送と該運搬従事者の識別情報と既に関連付けられている他の配送との間の配送情報の比較により、該運搬従事者に関して該選択された配送の手配が可能か否かを判定する、
ことを更に含む(付記10)又は(付記11)に記載の配送手配方法。
(付記13) 前記ログイン運搬従事者の前記識別情報と関連付けられている前記ログイン運搬従事者の就業許諾期限を更に特定し、
前記特定された就業許諾期限の渡過を判定し、
前記判定の結果に基づいて、前記配送手配リストの表示属性を切り替える、
ことを更に含む(付記10)から(付記12)のいずれか一つに記載の配送手配方法。
(付記14) 前記配送情報格納部に格納される配送情報と運搬従事者の識別情報との関連付けが追加、解除又は変更される場合に、該識別情報が既に関連付けられていた又は新たに関連付けられる運搬従事者宛てに、該配送情報の少なくとも一部を通知する、
ことを更に含む(付記10)から(付記13)のいずれか一つに記載の配送手配方法。
(付記15) ログインユーザが管理者権限を有する場合には、前記配送情報格納部において配送情報が運搬従事者の識別情報と関連付けられているか否かにより配送ごとの表示属性が異なる管理者用の前記配送手配リストをユーザ端末に表示する、
ことを更に含む(付記10)から(付記14)のいずれか一つに記載の配送手配方法。
(付記16) 前記ログイン運搬従事者の評価ランクを特定し、
前記配送情報格納部において配送情報が運搬従事者の識別情報と未だ関連付けられていない配送の前記配送手配リスト上の表示に関連付けて、前記ログイン運搬従事者の前記評価ランクに対応する配送価格を表示する、
ことを更に含む(付記10)から(付記15)のいずれか一つに記載の配送手配方法。
(付記17) 運搬従事者ごとの配送実績の履歴情報を配送実績格納部に格納し、
前記配送実績格納部に格納される配送実績の履歴情報に基づいて、各運搬従事者の評価ランクを決定する、
を更に含み、
前記履歴情報は、配送ごとの配送完了時刻を含み、
前記配送情報格納部に格納される配送ごとの配送情報は、配送指定時刻を含み、
前記評価ランクの決定では、配送ごとに前記配送完了時刻と前記配送指定時刻とを比較して、早配及び遅配に該当するか否かを判定することにより、前記評価ランクを決定する、
(付記10)から(付記16)のいずれか一つに記載の配送手配方法。
(付記18) ログインユーザが管理者権限を有する場合に、運搬従事者情報のリスト及び管理者用の前記配送手配リストをユーザ端末に表示し、
前記運搬従事者情報のリストから選択された運搬従事者の識別情報を前記管理者用の前記配送手配リストから選択された配送の配送情報に関連付けて前記配送情報格納部に格納する、
ことを更に含み、
前記運搬従事者情報のリストでは、前記運搬従事者の情報が前記評価ランクの高い順に並べられている、
(付記16)又は(付記17)に記載の配送手配方法。
(付記19)サーバ装置と通信可能であり表示部を備えるコンピュータにより実行されるコンピュータプログラムにおいて、
配送ごとに出荷日時、出荷元情報、及び配送先情報をそれぞれ含む配送手配リストを前記表示部に表示し、
前記配送手配リストの中から選択された配送の識別情報を前記サーバ装置に送信して、前記コンピュータからのログインに成功したログイン運搬従事者の識別情報と該配送の配送情報とを前記サーバ装置に関連付けさせる、
ことを前記コンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
(付記20) 前記サーバ装置により配送情報が前記ログイン運搬従事者とは異なる他の運搬従事者の識別情報と既に関連付けられている配送の、前記配送手配リストにおける表示属性を、他の配送とは異なる属性にする、
ことを更に前記コンピュータに実行させる(付記19)に記載のコンピュータプログラム。
(付記21) 前記ログイン運搬従事者により前記配送手配リストの中から選択された複数配送間の配送情報の比較、又は、前記ログイン運搬従事者により前記配送手配リストの中から選択された配送と前記ログイン運搬従事者の識別情報と既に関連付けられている他の配送との間の配送情報の比較により、前記ログイン運搬従事者に関して該選択された配送の手配が可能か否かを判定する、
ことを更に前記コンピュータに実行させる(付記19)又は(付記20)に記載のコンピュータプログラム。
(付記22) 前記ログイン運搬従事者の前記識別情報と関連付けられている前記ログイン運搬従事者の就業許諾期限が渡過しているか否かにより、前記配送手配リストの表示属性を切り替える、
ことを更に前記コンピュータに実行させる(付記19)から(付記21)のいずれか一つに記載のコンピュータプログラム。
(付記23) 前記サーバ装置により前記ログイン運搬従事者の前記識別情報と配送情報との関連付けが追加、解除又は変更された場合に、前記ログイン運搬従事者宛てに前記サーバ装置から通知される該配送情報の少なくとも一部を前記表示部に表示する、
ことを更に前記コンピュータに実行させる(付記19)から(付記22)のいずれか一つに記載のコンピュータプログラム。
(付記24)前記サーバ装置により配送情報が運搬従事者の識別情報と未だ関連付けられていない配送の前記配送手配リスト上の表示に関連付けて、前記ログイン運搬従事者の評価ランクに対応する配送価格を表示する、
ことを更に前記コンピュータに実行させる(付記19)から(付記23)のいずれか一つに記載のコンピュータプログラム。