特許第6903524号(P6903524)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6903524
(24)【登録日】2021年6月25日
(45)【発行日】2021年7月14日
(54)【発明の名称】計量装置
(51)【国際特許分類】
   G01G 19/414 20060101AFI20210701BHJP
   G01G 19/415 20060101ALI20210701BHJP
【FI】
   G01G19/414 F
   G01G19/415 B
   G01G19/415 A
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-168736(P2017-168736)
(22)【出願日】2017年9月1日
(65)【公開番号】特開2019-45311(P2019-45311A)
(43)【公開日】2019年3月22日
【審査請求日】2020年5月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(72)【発明者】
【氏名】岡村 敦
【審査官】 森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/028378(WO,A1)
【文献】 特許第5830115(JP,B2)
【文献】 特許第5824340(JP,B2)
【文献】 特許第6377926(JP,B2)
【文献】 特許第6501284(JP,B2)
【文献】 特許第6157836(JP,B2)
【文献】 特開2016−157328(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0109281(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2018/0314866(US,A1)
【文献】 特許第6087813(JP,B2)
【文献】 特許第6282253(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置された被計量物の重量を計量する計量部が複数配設された計量ユニットと、
前記計量ユニットに載置された、第1被計量物と第2被計量物のそれぞれと、前記計量部との対応を決定する決定手段と、
前記第1被計量物に対応する前記計量部により計量された重量に基づく前記第1被計量物に対する第1単価と、前記第2被計量物に対応する前記計量部により計量された重量に基づく前記第2被計量物に対する第2単価を判別する単価判別手段と、
前記第1単価と前記第2単価をもとに、前記第1被計量物と前記第2被計量物に対応する合計価格を出力する出力手段とを有する計量装置。
【請求項2】
前記出力手段は、
前記第1被計量物に対応する前記計量部により計量された重量をもとに、前記第1被計量物に対する第1計量結果を出力し、
前記第2被計量物に対応する前記計量部により計量された重量をもとに、前記第2被計量物に対する第2計量結果を出力する請求項1記載の計量装置。
【請求項3】
前記計量ユニットに載置された前記第1被計量物と前記第2被計量物を含む画像を撮影する撮影手段をさらに有し、
前記決定手段は、前記画像をもとに、前記第1被計量物と前記第2被計量物のそれぞれと、前記計量部との対応を決定する請求項1または請求項2記載の計量装置。
【請求項4】
前記第1被計量物は、第1容器と前記第1容器に収容された第1商品であり、前記第2被計量物は、第2容器と前記第2容器に収容された第2商品であって、
前記出力手段は、前記第1被計量物に対応する前記第1容器と前記第1商品を判別し、前記第2被計量物に対応する前記第2容器と前記第2商品を判別し、
前記第1被計量物に対応する重量から前記第1容器の重量を除いた前記第1商品に対応する第1重量と、前記第2被計量物に対応する重量から前記第2容器の重量を除いた前記第2商品に対応する第2重量を出力する請求項1〜3の何れかに記載の計量装置。
【請求項5】
前記決定手段は、前記計量ユニットに配設された複数の前記計量部を、入力操作による指示に応じて第1区分と第2区分に区分し、
前記第1区分に含まれる前記計量部を前記第1被計量物に対応し、前記第2区分に含まれる前記計量部を前記第2被計量物に対応すると決定する請求項1〜4の何れかに記載の計量装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、百貨店やスーパーマーケット等の店舗においては、商品の重量に応じて価格が決定される、いわゆる計り売りされる商品が販売されている。商品を計り売りする場合には、商品トレイなどの容器に商品を収納した状態で計量し、この計量に応じて価格が決定される。商品トレイには商品の重量に対応する価格を表記したラベルが貼り付けられる。
【0003】
従来の計量装置は、計量部に載置された商品を販売単位として重量を計量する。従って、計量装置は、複数の商品が載置された場合には、複数の商品の総重量を計量する。
【0004】
すなわち、従来の計量装置では、商品を個々に販売しようとする場合に、複数の商品を一緒に計量しても個々の重量が測定できず、それぞれの価格を決定することができなかった。従って、従来の計量装置では、販売単位とする商品毎に計量作業をしなければならず作業負担が大きかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014−98722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、重量を計量するための作業負担を軽減することができる計量装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、計量装置は、計量ユニット、決定手段、単価判別手段、出力手段を有する。計量ユニットは、載置された被計量物の重量を計量する計量部が複数配設される。決定手段は、前記計量ユニットに載置された、第1被計量物と第2被計量物のそれぞれと、前記計量部との対応を決定する。単価判別手段は、前記第1被計量物に対応する前記計量部により計量された重量に基づく前記第1被計量物に対する第1単価と、前記第2被計量物に対応する前記計量部により計量された重量に基づく前記第2被計量物に対する第2単価を判別する。出力手段は、前記第1単価と前記第2単価をもとに、前記第1被計量物と前記第2被計量物に対応する合計価格を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態の計量装置の外観構成の一例を示す図。
図2】本実施形態における計量装置の構成を示すブロック図。
図3】本実施形態における処理装置の構成を示すブロック図。
図4】本実施形態における計量ユニットを説明するための図。
図5】本実施形態における計量ユニットを説明するための図。
図6】本実施形態における計量ユニットを説明するための図。
図7】本実施形態における容器情報データの一例を示す図。
図8】本実施形態における商品価格データの一例を示す図。
図9】本実施形態における計量装置10の動作の一例を示すフローチャート。
図10】計量器のそれぞれによって検出された部分重量を示す図。
図11】容器(商品)と計量器との対応を示す図。
図12】商品別の部分重量と商品別の商品重量を示す図。
図13】容器(商品)に対して判別された容器重量を示す図。
図14】商品別の正味重量を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の計量装置10の外観構成の一例を示す図である。図1に示すように、計量装置10は、本体部12の上面部に商品などの被計量物を計量するための計量ユニット24が設けられる。計量ユニット24の詳細な構成については後述する。計量ユニット24の上方には、支持部材14により支持されたカメラ22が配置される。カメラ22は、計量ユニット24に載置された被計量物を含む計量ユニット24の全体を上方から撮影して画像データを入力する。本体部12の前面部には、入力装置20Dと表示装置20Eが設けられる。
【0010】
図2は、本実施形態における計量装置10の構成を示すブロック図である。
計量装置10は、図2に示すように、処理装置20、カメラ22、計量ユニット24とを有する。計量ユニット24は、複数の計量器から形成される。本実施形態の計量ユニット24は、例えば第1計量器24−1、第2計量器24−2、第3計量器24−3、第4計量器24−4、第5計量器24−5、第6計量器24−6の6台の計量器から形成される(図4参照)。複数の計量器24−1〜24−6のそれぞれは、載置部に載置された被計量物の重量を計量して、計量データを処理装置20に出力する。
【0011】
カメラ22は、処理装置20の制御のもとで、計量ユニット24による被計量物に対する計量実施時の画像を撮影して画像データを処理装置20に出力する。カメラ22により撮影された画像は、例えば計量ユニット24に載置された被計量物の識別、被計量物が収容された容器の識別、被計量物と計量器24−1〜24−6との対応の判別などに用いられる。
【0012】
処理装置20は、複数の計量器24−1〜24−6により計量された重量をもとに、被計量物に対する計測結果を出力するための処理を実行する。処理装置20は、外部機器8と接続され、計測結果を示すデータを外部機器8に出力する。外部機器8は、例えば、計量ユニット24による被計量物(商品)の計量結果をもとにした価格を含むラベルを印刷するプリンタ、被計量物(商品)の計量結果をもとに顧客による購入対象として商品(商品コードと価格を含む)を登録する商品登録装置を用いることができる。
【0013】
計量装置10とプリンタとを組み合わせることでラベル発行装置など実現することができる。ラベル発行装置は、計量装置10により測定された商品の重量、単価、価格などの情報を印刷したラベルを発行する。計量装置10により測定された商品は、ラベル発行装置により発行されるラベルが貼り付けられて販売に供される。また、計量装置10と商品登録装置を組み合わせることで、POS(Point Of Sales)端末などを実現することができる。
【0014】
なお、外部機器8は、計量装置10による計量結果を利用した処理を実行可能な機能を有していれば、前述したプリンタ、商品登録装置以外であっても良い。
【0015】
図3は、本実施形態における処理装置20の構成を示すブロック図である。
処理装置20は、コンピュータの機能が設けられており、CPU20A、メモリ20B、入力装置20D、表示装置20E、通信インタフェース20F、入出力インタフェース20Gを有している。
【0016】
CPU20Aは、制御プログラムを実行することにより、計量装置10の全体を制御する。CPU20Aは、計量プログラムを実行することで、計量ユニット24(計量器24−1〜24−6)による被計量物の重量の計量制御と、計量された重量をもとに、被計量物に対する計量結果を出力する出力制御を実行する。CPU20Aは、計量ユニット24に複数の被計量物が載置されて計量が実行される場合、複数の被計量物のそれぞれと、計量器24−1〜24−6との対応を決定し、それぞれの被計量物に対応する計量器により計量された重量をもとに、被計量物毎の計量結果を出力することができる。CPU20Aは、計量ユニット24による被計量物の計量結果として、例えば商品の重量(容器を含めた重量、正味重量、容器重量)、商品の価格を選択的に出力することができ、また、複数の商品が計量された場合には、複数の商品の合計重量、合計価格、個別の重量、価格を選択的に出力することができる。何れのデータを出力するかは、外部機器8の機能に応じて予め設定されていても良いし、計量装置10に対する指示に応じて切り替えられるようにしても良い。
【0017】
CPU20Aは、例えばカメラ22により撮影された計量ユニット24に載置された被計量物の画像をもとに、既存の画像処理技術を利用して商品及び容器を識別することができる。なお、計量ユニット24による計量対象とする商品及び容器の識別は、画像処理によるものだけでなく、商品(あるいは容器)に付された画像コード(バーコードなど)の読み取り、無線タグ(RF(Radio Frequency)タグ)からの近距離無線通信によるデータ(タグに予め記憶された商品あるいは容器を示す識別コード)の受信等によって実行しても良い。
【0018】
メモリ20Bは、CPU20Aにより実行される各プログラムの他、各種処理の実行に伴う各種データが記憶される。メモリ20Bは、CPU20Aの処理のためにワークエリアとして使用される記憶エリア、及び各種プログラムやデータを記憶する不揮発性の記憶エリアを含むものとする。メモリ20Bには、計量ユニット24による被計量物(商品)の正味重量及び価格を算出するために容器情報データ(図7参照)、商品価格データ(図8参照)が記憶される。容器情報データは、商品を収容する容器の重量を示すデータが複数の容器種類毎に設定されたデータである。商品価格データは、商品毎の所定単位の価格(単価)が設定されたデータである。容器情報データ及び商品価格データは、例えば外部機器8を通じて記憶されても良いし、入力装置20Dに対する入力操作によって記憶されても良い。
【0019】
入力装置20Dは、タッチパネル、ボタン、キーボードにより構成され、計量装置10の動作を制御するための指示を入力する。入力装置20Dは、例えば計量ユニット24に載置された被計量物に対する計量実行の指示のために操作される。
【0020】
表示装置20Eは、CPU20Aの制御のもとで、計量装置10の動作状態や計量結果等を表示する。
入出力インタフェース20Gは、カメラ22や計量ユニット24を含む、外部の機器が接続されるインタフェースである。
なお、計量装置10にさらに印刷装置を設けて、例えば紙片(ロール紙など)に対して計量結果等を印刷して出力するようにしても良い。
【0021】
図4図5及び図6は、本実施形態における計量ユニット24を説明するための図である。図4は、本実施形態における計量ユニット24の構成を示す平面図、図5は、計量ユニット24に商品が収容された2つの容器Y1,Y2が載置された状態を示す平面図、図6は、図5に示す2つの容器Y1,Y2が載置された状態を示す側面図である。
【0022】
図4に示すように、計量ユニット24は、例えば6台の計量器24−1〜24−6が例えば2×3により配列されている。計量器24−1〜24−6のそれぞれには、被計量物が載置される載置部24−1A〜24−6Aが形成されている。載置部24−1A〜24−6Aは、被計量物が載置される載置面が、例えば円形状の平面に形成される。
【0023】
載置部24−1A〜24−6Aは、図6に示すように、凸状に形成されており、相互に所定の距離分、離間されている。本実施形態の計量ユニット24では、複数の計量器24−1〜24−6に設けられた載置部を離間させることで、1つの載置部に複数の被計量物が載置されないようにしている。すなわち、計量器24−1〜24−6は、計量ユニット24に複数の被計量物が載置された場合であっても、それぞれ何れか1つの被計量物の重量を計量する。
【0024】
例えば、計量ユニット24に対して、図5に示すように、商品1が収容された容器Y1と商品2が収容された容器Y2の2つ被計量物が載置されたものとする。この場合、容器Y1の底面部Y1Bが載置部24−1A,24−2A,24−4A,24−5Aに載置されるため、第1計量器24−1,第2計量器24−2,第4計量器24−4,第5計量器24−5は、商品1が収容された容器Y1を計量する。同様にして、容器Y2の底面部Y2Bが載置部24−6Aに載置されるため、第6計量器24−6は、商品2が収容された容器Y2を計量する。
【0025】
本実施形態の計量装置10は、図6に示すように、載置部24−1A〜24−6Aの載置面の幅W1(円形状の直径)が、容器Y1,Y2を最も近づけて配置した時の底面部Y1B,Y2Bの間の距離W2よりも小さくなるようにした形状の容器の使用を想定している。容器Y1,Y2は、それぞれ上面部Y1U,Y2Uよりも底面部Y1B,Y2Bの方が、幅が狭く形成されている。従って、複数の容器Y1,Y2は、計量ユニット24に載置した状態に、少なくとも底面部Y1B,Y2Bの間の距離が距離W2よりも長くなる。従って、前述した幅W1と距離W2との関係にあるように形成された容器を使用することで、計量器24−1〜24−6のそれぞれに1つの被計量物のみについて計量させることができる。
【0026】
なお、図5及び図6に示す容器Y1,Y2は、上面部Y1U,Y2Uと底面部Y1B,Y2Bのそれぞれが四角形状に形成されている例を示している。計量装置10は、例えば円形状やその他の形状に形成された他の容器を使用することも可能である。
【0027】
また、図4図6に示す計量ユニット24の構成は一例であって、他の構成とすることも可能である。例えば、計量器24−1〜24−6は、6台に限定されるものではなく、6台以外の複数台であっても良い。また、図4図6では、計量器24−1〜24−6を2×3により配列しているが、その他の配列であっても良い。
【0028】
また、図4図6では、複数の計量器24−1〜24−6の横方向に配置された計量器の載置部間と縦方向に配置された計量器の載置部間の間隔が等しく(均等)、縦横方向の間隔と斜め方向の位置関係にある計量器の載置部の間隔とが異なっている。これを、複数の計量器のそれぞれに設けられた載置部の間隔が全て均等となるように計量器をそれぞれ配置しても良い。さらに、複数の計量器のそれぞれに設けられた載置部の間隔が不均等となるように、複数の計量器をそれぞれ配置しても良い。
【0029】
また、載置部の形状は円形状に限らず他の形状としても良い。さらに、計量器の載置部は、計量ユニット24に載置された被計量物を支持できるように平面状に形成されているが、例えば計量器の数が多ければ、被計量物との接触面が少ない形状とすることが可能である。被計量物との接触面が少ない形状とすることで、複数の被計量物が物理的に載置できないようにすることができる。
【0030】
また、前述した説明では、商品を容器に収容した状態で計量ユニット24により計量する前提としているが、当然ながら容器なしで商品のみ(例えば、果物、野菜など)を計量することも可能である。容器を使用しないで複数の商品の重量を計量する場合には、1つの計量器の載置部に複数の商品を載置させないように、複数の商品を配置して計量を実行すれば良い。
【0031】
図7は、本実施形態における容器情報データの一例を示す図である。
容器情報データは、商品を収容する容器の重量を示すデータが複数の容器種類毎に設定されたデータである。容器情報データは、計量装置10において計量に使用される容器のそれぞれについて、計量を実施する前に予め計量装置10に入力されるものとする。
【0032】
図7に示す容器情報データの例では、例えば容器の形状、サイズ、容器種類(識別データ)、容器重量のデータが、それぞれの容器別に対応づけて設定されている。例えば、容器種類「A1」の容器は、平面の形状が「四角」、サイズが「○○」、容器重量が「5g」であることを示している。
【0033】
図8は、本実施形態における商品価格データの一例を示す図である。
商品価格データは、商品毎の所定単位の価格(単価)が設定されたデータである。商品価格データは、計量ユニット24により測定された商品の重量をもとに、商品価格を出力する場合に用いられるデータである。容器情報データは、計量装置10において計量に使用される容器のそれぞれについて、計量を実施する前に予め計量装置10に入力されるものとする。
【0034】
次に、本実施形態における計量装置10の動作について説明する。図9は、本実施形態における計量装置10の動作の一例を示すフローチャートである。
【0035】
ここでは、図5及び図6に示すように、商品1が収容された容器Y1と商品2が収容された容器Y2の2つ被計量物について計量を実行するものとして説明する。商品1,2は異なる商品であり単価が異なる(図8に示す商品価格データの「商品1」「商品2」に対応する)。また、計量装置10は、外部機器8に対して、少なくとも商品1,2のそれぞれを示す商品識別データと、商品識別データに対応する正味重量のデータを出力するように設定されているものとする。
【0036】
容器Y1,Y2が計量ユニット24に載置された状態で、例えば入力装置20Dに対する入力操作によって計量開始が指示されたものとする。CPU20Aは、計量開始の指示入力を検出すると(ACT1,Yes)、計量器24−1〜24−6から、それぞれによって検出された重量(以下、部分重量と称する)を示す部分重量データを入力し、メモリ20Bに記憶させる(ACT2)。図10には、計量器24−1〜24−6のそれぞれによって検出された部分重量を示している。
【0037】
一方、CPU20Aは、カメラ22に対して、計量ユニット24による計量実施時の画像を撮影させる。CPU20Aは、カメラ22により撮影された、計量ユニット24に載置された被計量物を含む画像の画像データを入力する(ACT3)。CPU20Aは、カメラ22により撮影された画像を対象として、容器について画像認識処理を実行する(ACT4)。ここでは、容器情報データに設定された複数種類の容器を認識対象とする。
【0038】
図5に示す2種類の容器Y1,Y2が計量ユニット24に載置されている場合、CPU20Aは、容器Y1を形状「四角」、サイズ「○○」の容器種類「A1」として認識し、容器Y2を形状「四角」、サイズ「××」の容器種類「A2」として認識する。
【0039】
CPU20Aは、容器種類に応じた容器形状(底面部のサイズと形状など)に基づいて、容器が載置部に載置されている計量器を判別して、容器(被計量物)のそれぞれと、計量器24−1〜24−6との対応を決定する。図5に示す例では、容器種類「A1」が示す容器Y1と第1計量器24−1,第2計量器24−2,第4計量器24−4,第5計量器24−5との対応が決定される。また、容器種類「A2」が示す容器Y2と第6計量器24−6との対応が決定される。図11には、容器(商品)と計量器24−1〜24−6との対応を示している。なお、第3計量器24−3は、容器Y1,Y2の何れも載置されていない。
【0040】
CPU20Aは、計量ユニット24に容器が載置されていることが判別された場合(ACT5、Yes)、該当する容器種類に対応する容器重量を、容器情報データを参照して判別する(ACT6)。図7の容器情報データに示すように、容器種類「A1」については容器重量「5g」、容器種類「A2」については容器重量「4g」が判別される。図13には、容器(商品)に対して判別された容器重量を示している。
【0041】
また、CPU20Aは、例えばカメラ22により撮影された画像をもとに画像認識処理によって商品を識別し(ACT7)、認識された商品を示す商品識別データを設定する(ACT8)。CPU20Aは、商品識別データと対応づけて、認識された商品が収容されている容器種類を示すデータとを対応づけて記憶する。
【0042】
なお、容器についての認識処理によって、容器を識別できなかった場合には(ACT5,No)、CPU20Aは、前述と同様にして、カメラ22により撮影された画像をもとに画像認識処理によって商品を識別し(ACT7)、認識された商品を示す商品識別データを設定する(ACT8)。
【0043】
CPU20Aは、計量ユニット24により重量が計量された容器(商品)が1つでない場合(ACT9、No)、商品別の部分重量を判別する。CPU20Aは、図10に示す計量器24−1〜24−6のそれぞれにより計量された部分重量と、図11に示す容器(商品)と計量器24−1〜24−6との対応に基づいて、商品別の部分重量を判別する(ACT10)。
【0044】
CPU20Aは、商品別の部分重量をそれぞれ加算することにより、商品別の商品重量を求める(ACT11)。図12には、商品別の部分重量と商品別の商品重量を示している。図12に示すように、容器Y1(商品1)については、第1計量器24−1,第2計量器24−2,第4計量器24−4,第5計量器24−5により計量された部分重量が加算されて商品重量「190g」が算出される。同様にして、容器Y2(商品2)については、第6計量器24−6により計量された部分重量が加算されて商品重量「130g」が算出される。
【0045】
また、CPU20Aは、図12に示す商品別の商品重量と、図13に示す商品に対応する容器重量をもとに、商品別の正味重量を算出する(ACT12)。すなわち、CPU20Aは、商品重量から容器重量を減算することにより商品の正味重量を算出する。この結果、図14に示すように、商品1(商品識別データ1)と対応して、商品重量「190g」、容器重量「5g」、正味重量「185g」のデータを得ることができる。同様にして、商品2(商品識別データ2)と対応して、商品重量「130g」、容器重量「4g」、正味重量「126g」のデータを得ることができる。
【0046】
CPU20Aは、各商品1,2の正味重量のデータと、商品価格データに設定された各商品1,2の単価をもとに、商品別の価格を算出する(ACT13)。商品価格データには、図8に示すように、商品1については「120円/100g」、商品2については「85円/100g」が設定されている。従って、CPU20Aは、商品1について価格「222円」、商品2について価格「107円」を算出する。
【0047】
さらに、CPU20Aは、商品別の価格を合計して、計量ユニット24において同時に計量された全ての商品についての合計価格を算出する(ACT14)。すなわち、CPU20Aは、商品1の価格「222円」と商品2の価格「107円」を合計した合計価格「329円」を算出する。
【0048】
CPU20Aは、こうして算出した計量結果を出力する(ACT15)。計量結果の出力先には、例えば表示装置20Eにおける表示、外部機器8へのデータ送信などがある。表示装置20Eでは、例えば商品識別データが示す商品名と共に、正味重量、価格、商品重量、容器重量(容器種類)、単価などの何れかを、例えば予め設定された出力対象に応じて選択的に表示させることができる。複数の商品がまとめて計測された場合には、複数の商品の合計価格を表示させるようにできる。なお、計量装置10に印刷装置が設けられている場合には、表示装置20Eにおける表示内容と同様に、印刷装置による印刷によって計量結果を出力しても良い。
【0049】
また、CPU20Aは、外部機器8に対して、少なくとも複数の商品のそれぞれを示す商品識別データと、各商品識別データに対応する正味重量のデータを出力する。
【0050】
例えば、外部機器8がプリンタである場合、商品に貼り付けるラベルに対して、商品名、商品の価格、正味重量、単価をラベルに印刷する場合には、CPU20Aは、商品1,2のそれぞれについて、商品識別データ、価格、正味重量、単価の各データを外部機器8に出力する。
【0051】
なお、外部機器8が商品登録装置である場合、商品登録装置において商品価格データを設定しておくことができる。この場合、CPU20Aは、前述した価格算出の処理(ACT13,14)を省略することができる。CPU20Aは、計量結果として、商品識別データ及び正味重量のデータを外部機器8に出力する。外部機器8は、商品識別データが示す商品について、正味重量と商品価格データに設定された単価をもとに価格を算出して、顧客による購入対象とする商品(商品コードと価格を含む)を登録することができる。
【0052】
こうして、外部機器8において実行される処理に応じて、計量装置10から出力される計量結果とするデータを選択することができる。
【0053】
なお、前述した説明では、2つの被計量物(商品)の計量を一括して実施する場合について説明しているが、3つ以上の被計量物が載置されて計量が実行される場合についても、前述と同様の処理により計量結果を出力することができる。
【0054】
このようにして、本実施形態における計量装置10では、複数の商品が計量ユニット24に載置された場合であっても、一括して複数の商品のそれぞれについての計量を実施して計量結果を出力することができる。従って、複数の商品毎に計量を実施することができるので、商品の重量を計量するための作業負担を軽減することが可能となる。
【0055】
なお、前述した説明では、カメラ22により撮影された画像をもとに、容器Y1,Y2(商品1,2)の個々に対応する計量器24−1〜24−6の対応を決定しているが、例えば利用者の入力操作による指示に応じて計量器24−1〜24−6を被計量物別に区分するようにしても良い。例えば、計量ユニット24に対して2つの商品を同時に載置して計量する場合には、予め利用者からの指示に応じて、計量器24−1,24−2,24−4,24−5と、計量器24−3,24−6に区分しておく。2つの商品は、それぞれの区分に対応する計量器24−1〜24−6に載置されて計量される。CPU20Aは、計量器24−1,24−2,24−4,24−5と、計量器24−3,24−6の区分毎に部分重量を加算することで商品別の商品重量を算出する。これにより、カメラ22を用いた被計量物と計量器24−1〜24−6との対応を判別する処理を省くことが可能となる。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0057】
10…計量装置、20…処理装置、20A…CPU、20D…入力装置、20E…表示装置、22…カメラ、24…計量ユニット、24−1〜24−6…計量器、24−1A〜24−6A…載置部、Y1,Y2…容器。
図1
図2
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