(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項9に記載の方法において、前記計算する工程は、少なくとも、前記第一時間間隔を確認する第一電流値と前記第二時間間隔を確認する第二電流値とをサンプリングする工程を含んでいる方法。
【背景技術】
【0002】
内燃機関は、大きくは、自己点火機関(エンジン)と制御点火エンジンとに分けられる。後者は、空気と燃料との混合物の圧縮と、それと関連する火花(スパーク)の生成と、により、前記混合物を点火することによって、エンジン内の一以上の内燃機関室内に制御状態で爆発を発生させ、当該エンジンに動力を供給するよう動作する。火花は典型的には、電極間が特定の距離にある点火プラグに高圧電力を供給することにより生成される。その特定の距離は、放電「ギャップ」として知られている。それによって生じる放電により、混合物の燃焼が引き起こされる。
【0003】
近年、エンジンの条件に応じて点火プラグの動作を変更させて燃焼しなかった物質(未燃物質)の残留を低減するように火花の生成を電子的に制御することによって、このような燃焼の効率を最大限にするいくつかの解決法が研究されている。
【0004】
このようなアプローチには、主に、燃焼室内におけるガス混合物においてプラズマ状態を引き起こすこと、つまり、それは混合物/ガスをイオン化させて電磁界に強く応答する良好な導電体とすることが含まれている。
【0005】
したがって、詳細にはここに記載する特徴に関連する、内燃機関の燃焼室内におけるプラズマ発生によって、混合物の燃焼を確実に改良することができる。実際、プラズマによって生成された炎面(flame face)は、燃焼室内におけるその伝播の間に、ガス混合物において非常に高い温度となり、したがって当該炎面の速度が高速となってその拡散(advancement)に要する時間が低減されることによって、性能が大きく向上し、未燃ガスの残留を低減できる。
【0006】
例えば、国際公開第2012/106807号(WO2012/106807)に、現状の技術として知られている点火装置が示されている。
【0007】
このような装置は二つの巻線を有するコイルを備えており、一次巻線は電力発生器に接続されるとともに接地されて閉じた状態となり、一方、二次巻線は点火プラグに、つまり二つの電極に接続されている。
【0008】
一次巻線には、エンジンコントロールユニット(ECU)により受信された制御信号に応じて開閉駆動を行う制御ユニットを用いて電子的に制御可能なスイッチがさらに配置されている。
【0009】
国際公開第2012/106807号に例示された装置の動作は、おおむね四つのステップを含む。
【0010】
第一ステップにおいて、スイッチは制御ユニットによって閉じた状態となり、発生器によって生成された電流が一次巻線において流れ始め、所望の電流値に充電される。
【0011】
フライバック(fly−back)ステップとして知られる第二ステップの間に、スイッチは、制御ユニットによって開いた状態となって動作を停止し、電磁誘導によって、一次巻線は二次巻線に放電して、二つの電極間の「ギャップ」において絶縁破壊を生じさせるのに十分に高い電圧へと充電させて、火花を発生する。
【0012】
フォワード・ステップとして知られる第三ステップにおいて、スイッチは、制御ユニットによって再び閉じた状態となり、一次巻線を「充電する」と同時にコイルを通じて二次巻線への電力を送ることによって、再び動作を開始し、先の極性とは反対の極性の高電圧を再び発生して、これにより、火花を「ギャップ」において「アライブ(活性状態)」に維持する。
【0013】
二次巻線の高電圧は、この場合、二つの巻線間の巻数比によって決まることが知られている。
【0014】
第四ステップの間に、スイッチは再び閉じた状態となり(新たなフライバック)、一次巻線を励起(heating)し、電磁誘導によって、「ギャップ」の端部(エンド)において異なる極性の電圧を再発生し、火花を維持する。
【0015】
「プラズマ・ステップ」として一般に知られているものは第三ステップおよび第四ステップの繰り返しにより主として定義されることが知られている。その繰り返しの数によって、火花の継続時間、したがって燃焼の完了が決まる。
【0016】
言い換えれば、なだれイオン化の効果が生じるように、電圧交番コマンド(voltage alternating command)によって放電「ギャップ」を通じて電子のフローが確実に生じる。
【0017】
しかしながら、直上に説明した公報に示された装置を含む既知の装置には、性能要因および信頼性要因の両方に関係する多くの欠点がある。
【0018】
この技術の第一の欠点は、フォワード・ステップの効率化を可能にするために二つの巻線間の巻数比を(二次巻線を優先して)増加させる必要があることと関係がする。
【0019】
このように巻数比を増加させる必要は、スイッチの開閉構成間のスイッチングレート(切り換え速度)が二次巻線に、したがって、点火プラグの端部に、スイッチを閉じる毎に高い電圧ピークを発生させる一因になるという事実を伴う。
【0020】
このピークは、制限しなければ、ギャップにおける絶縁破壊を生じるのに十分となることになり、シリンダで火花が危険な状態で拡散する虞がある。
【0021】
既知の装置のさらなる重大な事態は、「プラズマ」ステップの間にスイッチを制御することが難しいことと関係する。このような難しさがあるので、シリンダにおいて生成される実際の条件を考慮に入れずに予め定義されたロジック(論理)によって多くの場合制御されるスイッチの開閉の管理の精度が低くなり、したがって二次巻線の管理の精度が低くなる。
【0022】
再び、既知の装置においてより多く見られる問題のうちの一つは、二次巻線を交流で制御することによって、スイッチを連続して高い周波数で開閉させるので、必然的にスイッチによる吸収と散逸とを伴う電力散逸に起因する問題である。
【0023】
本発明の目的は、上述した従来の技術の欠点を回避することができる内燃機関用電子点火システムおよび該電子点火システムの制御方法を提供することにある。
【0024】
特に、本発明の目的は、高性能であるが、同時に、実現するのが容易でコスト効率に優れた、内燃機関用電子点火システムおよび該電子点火システムの制御方法を提供することにある。
【0025】
本発明のさらなる目的は、拡散する火花の課題を解消できる内燃機関用電子点火システムおよび該電子点火システムの制御方法を提供することにある。
【0026】
また、本発明の目的は、フライバック・ステップおよびフォワード・ステップの両方において容易に駆動可能な内燃機関用電子点火システムを提供することにある。
【0027】
さらにまた、本発明の目的は、信頼性を高めながら熱的電力散逸を最大限に制限する内燃機関用電子点火システムを提供することにある。
【0028】
前記目的は、添付の特許請求の範囲の請求項1〜11の一以上の特徴を有する内燃機関用電子点火システムによって達成され、そして添付の特許請求の範囲の請求項12〜17の一以上の特徴を有する駆動方法によっても同様に達成される。
【0029】
特に、これらの目的は、少なくとも一つの一次巻線と一つの二次巻線とを有する点火コイルと、前記一次巻線に接続されるスイッチと、前記一次巻線と関係する制御ユニットと、を備える機関(エンジン)シリンダ内に火花を所定の時間生成するよう構成される内燃機関用電子点火システムによって達成される。前記少なくとも一次巻線は電気接続を用いて電圧発生装置に接続可能であり、前記二次巻線は点火プラグに接続可能である。スイッチは、前記一次巻線を通る電流の通電を遮断するまたは可能にするために、コマンド信号の値に応じて開いた位置および/または閉じた位置で駆動可能である。制御ユニットは、前記制御信号の値に応じて開いた位置におよび/または閉じた位置に一次巻線を駆動するよう構成される。
【0030】
本発明の第一の面では、システムが、前記電気接続に接続されるとともに、電気接続と一次巻線との間で機能的に間に配置されており、そして制御信号の値に応じて前記一次巻線の電圧値を変更するように構成される電圧変更要素を備える。制御ユニットは、変更要素に関係するとともに、一次巻線の第一電圧値と第二電圧値とをそれぞれ表す少なくとも第一値と第二値との間で可変である前記制御信号を生成するよう構成される。前記第二値は第一値より大きい。
【0031】
制御ユニットはさらに、前記二次巻線において電流値が実質的にヌル平均値(null mean value)でありスイッチが閉じている一次巻線の少なくとも第一充電間隔の間に、前記第一値を有する前記制御信号を、前記変更電子要素に送信するよう構成される。
【0032】
これにより、一次巻線の充電の第一ステップの間に、二つの巻線間の巻数比の、第二巻線の、増大効果を最小限とすることができる利点がある。
【0033】
言い換えれば、この解決法により、第一フライバック・ステップの間に火花を確実に発生させることができ、あらゆる場合においても、巻数比を最大限に利用するよう変更モジュールによって電源電圧が再び増加する効率的な「プラズマ」制御(第三ステップおよび第四ステップ)を維持することができる。
【0034】
本発明のさらなる面では、システムは、前記二次巻線に関係する電流検出手段を備える。制御ユニットは、二次巻線における少なくとも電流値を表す信号を受信するよう検出手段と関係するとともに、前記信号に応じて前記スイッチを駆動するよう構成されている。
【0035】
より詳細には、制御ユニットは、二次巻線において検出された前記電流信号に応じてスイッチ駆動信号を変更するよう構成されている。
【0036】
好ましくは、制御ユニットは、少なくとも所定の時間、二次巻線における少なくとも一つの電流値を表す信号を受信するよう検出手段と関係し、それを前記一以上の制御パラメータをそれぞれの所定参照値の一つ以上と比較するよう構成されるスイッチ制御の一以上のパラメータに関連させることにより前記信号を処理するようにプログラムされ、前記比較に応じて決定される値の一以上の動作信号を前記制御モジュールに送信するよう構成されている。
【0037】
このように、スイッチ駆動(好ましくはPWM変調における)は、先のサイクルにおける二次巻線の電流の閉リング制御(closed−ring control)に応じて行われ、応答を最適化しており、制御の精度を高める利点がある。
【0038】
本発明のさらなる面では、システムは、前記スイッチと並列に接続されるとともに前記スイッチが開いた結果一次巻線に残留する残留電力を蓄積するよう構成される蓄積回路を有する。
【0039】
なお、ここで用いる表現「残留電力」は、一次巻線の分散インダクタンス(dispersed inductance)に蓄えられ、したがって電磁誘導によって二次巻線に送られない電力として定義されることを記載しておく。
【0040】
好ましくは、蓄積回路は、一次巻線自体の充電条件に応じて、一次巻線から電流を吸収するようまたは前記一次巻線の電流を放出するよう構成される。
【0041】
この場合、スイッチが開く毎に、一次巻線から流れる残留電流は蓄積回路に蓄積され、熱として散逸されることなく引き続いて一次巻線に戻るよう放出されて、スイッチがこれらの充電を管理する負担を完全に除去できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0042】
本発明のこれら特徴および他の特徴は、以下の図面に示す、内燃機関用電子点火システムおよび該電子点火システムの制御方法の好ましい実施形態でありしたがって他のものを排除するものではない実施形態の、以下の例示的でありしたがって限定するものではない説明からさらに明らかとなろう。
【
図1】本発明にかかる内燃機関用電子点火システムの概略的機能図を示す。
【
図2】
図1のシステムの部品の概略的機能図を示す。
【
図3】
図1のシステムのさらなる機能的部品の概略的機能図を示す。
【
図4】
図1のシステムの制御ユニットの概略的機能図を示す。
【
図5】a)〜f)は、
図1のシステムの各部品の電流、電圧および制御信号の変化を示す。
【
図6】a)、b)は、
図1のシステムの二次巻線の電流とスイッチの制御パラメータとの間の相関を示す。
【
図7】a)〜f)は、スイッチが開くステップにおけるスイッチおよび蓄積モジュールの種々のブランチの電流および電圧信号の変化を示す。
【0043】
添付の図面を参照して、符号1は、本発明にかかる内燃機関装置用点火システムを示す。
【0044】
このように、点火システム1は、内燃機関(エンジン)のそれぞれのシリンダ内に火花を生成するよう構成されており、絶縁破壊に必要な電圧を点火プラグ100の二つの電極100aに供給して電流フローの生成を可能にする装置または装置アッセンブリである。
【0045】
したがって、システム1は、好ましくは車両の電池における電圧(または電流)発生装置50と関連する(または備える)。
【0046】
好ましい実施形態において、したがって、生成器50はシステム1に直流電流を供給するよう構成されている。
【0047】
より詳細には、発生器は、電池であり、より好ましくは自動車車両用の電池であり、さらにより好ましくは鉛蓄電池である。
【0048】
システムはさらに、少なくとも一つの一次巻線3および一つの二次巻線3を有する少なくとも一つの点火コイル2を備える。
【0049】
より詳細には、システムは、それぞれがエンジンのそれぞれのシリンダと関係する複数のコイル2を備える。
【0050】
一次巻線3は、第一端子3aと第二端子3bとを有しており、電気接続5を用いて電圧発生装置50に接続することができる。
【0051】
一方、二次巻線4は点火プラグ100に接続可能である(または接続されている)。
【0052】
なお、一次巻線3は第一の巻数N
Iの数を有し、二次巻線4は、第二の巻数N
IIを有することを記載しておく。
好ましくは、二次巻線4の巻数は、二次巻線4(詳細には高電圧回路の一部である)における電圧を増大させるよう一次巻線3より大きい。
【0053】
好ましい実施形態において、第二の巻数N
IIを第一の巻数N
Iで除した巻数比は、120〜220の間であり、好ましくは約150である。
【0054】
システム1はさらに、一次巻線3に接続されるとともに、前記一次巻線3を通る電流の通電を遮断するまたは可能にするために開いた位置および/または閉じた位置へと駆動可能なスイッチ6を備える。
【0055】
好ましい実施形態において、一次巻線3は電気接続5とスイッチ6との間に配置される。
【0056】
このように、好ましくは、スイッチ6は一次巻線3の第二端子3bに接続される。
【0057】
好ましくは、スイッチ6は静的(スタティック)タイプである。より好ましくは、複雑な充電を効率的にかつ高い信頼性で管理できるよう、スイッチ6は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(isolated gate bipolar transistor)(一般にIGBTとして知られている)である。
【0058】
したがって、このスイッチ6は、
一次巻線3に接続された第一ノード(すなわちコネクタ(connector))と、
接地された第二ノード(すなわちエミッタ)と、
スイッチ6自体を開閉可能にするよう制御可能な第三ノード(すなわちゲート)と、
を有する。
【0059】
この点で、システム1は、前記スイッチ6と関係するとともに、所定駆動信号の値に応じて開いた位置におよび/または閉じた位置に前記スイッチ6を駆動するよう構成される制御ユニット7を備える。
【0060】
したがって、制御ユニット7は、スイッチ6の駆動信号を変更するよう(または生成するよう)構成される。
【0061】
より詳細には、制御ユニット7は、スイッチ6の駆動モジュール11の駆動信号を生成するよう構成される。
【0062】
このように、第三ノード(すなわちゲート)は、制御ユニット7に機能的に好ましくは電気的に接続されている。
【0063】
また制御ユニット7すなわち周辺パワーユニットは、車両の電子制御ユニット「ECU」に接続されているまたは接続可能である。
【0064】
より詳細には、制御ユニット7は、ECUからエンジンの動作条件を表す一以上の信号を受信するよう配置されるとともに、前記一以上の信号に応じてスイッチ6を駆動するよう(つまり駆動ユニット11を制御するよう)構成されている。
【0065】
制御ユニット7とECUとの間の関係は、それ自体知られており、車両モデルおよび構成に応じて変更可能であるので、詳細には説明しない。
【0066】
いずれの場合も、本発明にかかるシステム1は、「プラズマ」タイプである、つまり、それぞれの仕事(ワーク)サイクルが、つまりそれぞれのシリンダのそれぞれの燃焼が、複数の連続的にかつ一部分を構成するよう定義された時間間隔に分割されるよう、コイル2を駆動するように構成される。
【0067】
より詳細には、仕事サイクルは、制御ユニット7の第一モード、第二モードおよび第三モードにそれぞれ対応する互いに連続する少なくとも一つの第一ギャップ、第二ギャップおよび第三ギャップを含む。
【0068】
言い換えれば、制御ユニット7は、前記第一、第二および第三モードを、互いに連続する第一、第二および第三間隔でそれぞれ切り換えるよう構成されている。
【0069】
したがって、制御ユニット7は、それぞれが仕事サイクルの間隔に対応するいくつかのモードに切り換えることができる。
【0070】
好ましくは、制御ユニット7は、少なくとも
一次巻線3の第一充電を達成するよう前記スイッチ6を所定第一期間閉じた位置に駆動する(駆動モジュール11を通じて)第一モードと、
一次巻線3の放電と、それによる二次巻線4における高電圧発生(点火プラグ100の端部において絶縁破壊を生じさせる)と、を可能にするよう、前記スイッチ6を所定第二時間間隔開いた位置に駆動する(駆動モジュール11を通じて)、第一フライバック・ステップを定義する第二モードと、
前記スイッチ6を少なくとも一回開かせそして少なくとも一回閉じさせる交互順序で駆動する、第三モード、すなわち「プラズマ構成(plasma configuration)」と、
の間で切り換わるようプログラムされる。
【0071】
より詳細には、このような第三モードにおいて、制御ユニット7は、スイッチ6の開閉間隔の期間および/または火花の所望の期間に対する(つまりプラズマ・ステップの)開いて続いて閉じる回数を決定するようにプログラムされている。
【0072】
言い換えれば、制御ユニット7は、エンジンの一以上の動作パラメータに応じて、第三モードにおいてスイッチ6の開閉回数(すなわちそれぞれの期間)を変更することにより、火花の所定の時間を決定するよう構成されている。
【0073】
したがって、既に簡単に説明した通り、制御ユニット7は、エンジンの一以上の動作パラメータに応じてスイッチ駆動信号を変更する(駆動モジュール11によって)よう構成される。
【0074】
本発明の第一の面では、システム1は、電気接続5に接続されるとともに電気接続5と一次巻線3との間に機能的に配置される電圧変更電子要素(voltage changing electronic element)8を備える。
【0075】
言い換えれば、変更電子要素8は、電気的に接続される一次巻線3の上流側に配置される。
【0076】
このような変更電子要素8は、少なくとも第一電圧値V1および第二電圧値V2の制御信号「C」の値に応じて一次巻線3の電圧値(特に第一端子3aにおける)を変更するよう構成される。
【0077】
なお、第二電圧値V2は第一電圧値V1より大きいことを記載しておく。
【0078】
このような変更モジュール8は、一次巻線3における電圧の値を、つまりスイッチ6が閉じられたときのその電圧供給を、定義するためのものである。
【0079】
このように、変更電子要素8は、制御ユニット7によって受信された制御信号に応じて、一次巻線3の電源電圧を、つまり発生装置50によって発生された電圧を、分圧するように構成される。
【0080】
好ましい実施形態において、変更電子要素は、D/D電圧変換器(コンバータ)であり、好ましくは、電源電圧を低減させるよう構成されるかまたは増加させる構成されるかに応じた降圧型(バックタイプ)または昇圧型(ブーストタイプ)のものである。
【0081】
あるいは、変更電子要素8は、バック/ブースト・コンバータ、つまり、第一充電ステップにおける電圧の低減とプラズマ・ステップにおける電圧の増加との両方が可能であるコンバータとすることもできる。
【0082】
なお、このようなコンバータは、タイプにかかわらず、独立させることも(また変圧器(transformer)を含む)、独立させないこともできる。したがって、制御ユニット7は、好ましくは駆動するために変更電子要素8と関連している。
【0083】
より詳細には、制御ユニット7は、一次巻線3の第一電圧値「V1」と第二電圧値「V2」とをそれぞれ表す少なくとも第一値と第二値との間の可変な制御信号「C」を生成するように構成される。
【0084】
また、制御ユニット7はさらに、前記二次巻線4において電流値が実質的にヌル平均値であり前記スイッチ6が閉じている一次巻線3の少なくとも第一充電間隔の間に、前記第一値を有する前記制御信号「C」を、前記変更電子要素8に送信するよう構成される。
【0085】
言い換えれば、制御ユニット7は、第一モードにある場合に、制御信号「C」の第一値を変更電子要素8に送信するようプログラムされている。
【0086】
また、前記二次巻線4における電圧がゼロとは異なる値である時間間隔において、制御ユニット7はさらに、前記第二値を有する前記制御信号「C」を前記変更電子要素8に送信するよう構成されている。
【0087】
したがって、制御ユニット
7は、第二モードおよび/または第三モードにある場合に、制御信号「C」の第二値を変更電子要素8に送信するようプログラムされている。
【0088】
結果として、制御ユニット7は、少なくとも、
第一信号S1を前記変更電子要素8に送信するとともに、スイッチ6を閉じた位置に駆動する(駆動モジュール11を介して)第一モードと、
前記スイッチ6を開いた位置に駆動する(駆動モジュール11を介して)とともに、第二信号S2を変更電子要素8に送信する第二モードと、
スイッチ6を少なくとも一回閉じさせそして少なくとも一回開かせる交互順序で駆動する(駆動モジュール11を介して)第三構成と、
との間で切り換わるようプログラムされている。
【0089】
この場合、仕事サイクルの第一期間に、つまり一次巻線3の第一充電の間に、二次巻線4における電圧を低減することができ、火花の生成において危険な拡散を回避することができる利点がある。
【0090】
なお、第三モードにおいては、制御ユニット7は、第二値と等しい電気接続5の電圧値を維持するよう構成されていることを記載しておく。
【0091】
この場合、二つの巻線間の好ましい巻数比に加えて、一次巻線3における最大電圧によって、第三間隔においてすなわちプラズマ・ステップの間に二次巻線4においてこのような電圧を維持して、火花を「アライブ」に保持することができる利点がある。
【0092】
これに関して、好ましくは、一次巻線3および二次巻線4の変更電子要素8は、
V
batt×(1−μ
var)×(N
II/N
I)<1000V
を満たし、
ここで、
V
battは、電圧発生器50の電圧、つまり電気接続5に対応する電圧であり、
μ
varは、変更電子要素8によって与えられる電圧パーセンテージ変化、つまり、第一値と第二値との間のパーセンテージまたは相対的な差であり、
N
Iは一次巻線3の巻数であり、
N
IIは二次巻線4の巻数である、
よう構成されている。
【0093】
さらに、好ましくは、制御ユニット7がまた第四放電構成を有することを記載しておく。
【0094】
このような第四構成は、システムが放電して、火花が消滅する仕事サイクルの第四の、かつ、最後の間隔に対応する。
【0095】
このような第四モードにおいては、制御ユニット7はスイッチ6を、交互に連続的に少なくとも一回開かせそして少なくとも一回閉じさせるよう、駆動し続けると同時に、第一値の制御信号「C」を変更電子要素8に送信することによって、電圧を前記第一値V1に低減する。
【0096】
この場合、また例えば好ましく用いられるバックまたはブースト・コンバータに存在する変更電子要素8の内部コンデンサを放電させることができる利点がある。
【0097】
好ましい実施形態において、システムはそれぞれのコイル2に機能的に接続される単一の変更電子要素8を有することが知られている。
【0098】
ただ、あるいは、それぞれのコイル2がその専用の変更電子要素8に関連付けられている「スタンド・アロン」システムを備えることもできる。
【0099】
好ましくは、第一間隔の起動時間に、つまり制御ユニット7が第一モードに切り換わる場合に、二次巻線における電圧ピークを低減するために、システム1は、スイッチ6に関連付けられるとともに一次巻線
3における当該スイッチ6を閉じる効果を減速させるよう構成される制限装置9を備える。
【0100】
より詳細には、好ましい実施形態において、制限装置9はコンデンサ9aとダイオード9bとを有する。
【0101】
初めに、スイッチ6が開いている場合、コンデンサ9aは電源電圧に充電され、ダイオード9bは遮断される。コンデンサ9aにおける当該電圧がIGBTのコレクタ(collector)端子に印加されているからである。
【0102】
スイッチ6が閉じると、駆動ブロックからの信号は、約0Vのローレベル(low)から4Vを超えるハイレベル(high)へと変化する。
【0103】
このような電圧(ハイレベル、例えば4V)は抵抗器を介してスイッチ6のゲート端子(すなわち第三ノード)に印加され、これにより、遮断状態から伝導状態への移行過程が始まる。
【0104】
IGBT遮断ステップからIGBT伝導ステップへと変化するために、このステップにおいて、スイッチ6(IGBT)のコレクタにおける電圧が低下し始め、ダイオード9bが伝導状態へと移行していく。
【0105】
このように、コンデンサ9aを介して、電流は、スイッチ6の第一ノードにおける電圧の降下に比例して、スイッチ6の第三ノードから流れる。
【0106】
これにより、第一ノード電圧の降下の傾きに比例する、第三ノードにおける電圧の瞬間的な低下が生じる。
【0107】
第一ノードにおける電圧の降下の傾きが第三ノードにおける電圧と密接に関係するので、システムは均衡に達する。
【0108】
コンデンサ9aの容量値を増加させることによって、降下の傾きをさらに小さくすることができる。
【0109】
小さな傾き値によって、上記の移行状態の間に二次巻線における電圧が大きくなりすぎる原因となる変圧器における発振の開始を防止することができる。
【0110】
本発明のさらなる面では、上記に加えて、システム1は、二次巻線4に関連する電流の検出手段10を備える。
【0111】
制御ユニット7は、二次巻線4における少なくとも一つの電流値を表す信号を受信するようこのような検出手段10と関係するとともに、前記信号に応じてスイッチ6を駆動する(駆動モジュール11を介して)よう構成されている。
【0112】
第三ギャップは複数のプラズマ・サイクル(以下に単に「サイクル」という)によって定義され、それぞれのサイクルは、第一間隔すなわちスイッチ6を開く間隔と、第二間隔すなわちスイッチ6を閉じる間隔と、に分けられることが知られている。
【0113】
したがって、制御ユニット7は、先のサイクルで二次巻線4の少なくとも一つの電流値を表す信号を検出するよう、そして次のサイクルの検出のためにスイッチ6を駆動するよう、構成される。
【0114】
この場合、プラズマ・ステップ(第三間隔)の変更を特に正確で精度よくすることができ、未燃物質が残ってしまうのを、除去しきれなかったとしても、大きく制限できる利点がある。
【0115】
なお、制御ユニット7は、第三モードにある場合に、駆動モジュール11を介して、検出手段10によって二次巻線4で検出される電流信号「I
II」に応じてスイッチ6を制御するよう構成されることを記載しておく。
【0116】
言い換えれば、仕事サイクルの第三間隔(つまりプラズマ・ステップ)において、制御ユニット7は、二次巻線4を流れる電流に応じてスイッチ6を、したがって一次巻線3を制御するように構成される。
【0117】
好ましくは、制御ユニット7は、少なくとも一の所定時間において、二次巻線4における少なくとも一つの電流値を表す信号「I
II」を受信するよう前記検出手段10と関係する。
【0118】
したがって、制御ユニット7は、検出されたこのような信号「I
II」を表す少なくとも一つの値を一以上の所定参照値と比較するよう、そして前記比較に応じて所定値を有する一以上の動作信号を駆動モジュール11に送信するよう、プログラムされる。
【0119】
好ましくは、制御ユニット7は、検出された電流信号「I
II」を、またはそれをスイッチ6の一以上の駆動パラメータに関連付けることにより得られた比較の結果を、処理するようにプログラムされる。
【0120】
「駆動パラメータ」という表現は、本明細書において、好ましくは駆動スイッチ6を制御することができる変数を定義する意味である。
【0121】
駆動のタイプに応じて、パラメータは異なるものとすることができる。
【0122】
例えば、好ましい実施形態において、駆動モジュール11は少なくともPWM信号生成器を有する。
【0123】
この点で、好ましくは、駆動パラメータは、駆動モジュール11によってスイッチ6に送信される、少なくともデューティサイクルおよび/またはPWM駆動信号の周波数を含んでいる。
【0124】
好ましくは、それぞれスイッチ6を開く間隔と閉じる間隔とに分けられる一連の仕事サイクルを駆動モジュール11において駆動させるよう構成される。
【0125】
より詳細には、制御ユニット7は、少なくとも第三モードにある場合(つまり仕事サイクルの第三間隔の間に)、前記検出および比較を実行するよう構成されている。
【0126】
言い換えれば、制御ユニット7は、第三モードにある場合に、駆動モジュール11を介して、検出手段10によって二次巻線4で検出される電流信号「I
II」に応じてスイッチ6を制御するよう構成されている。
【0127】
さらに、制御ユニット7はまたコントローラモジュール13を有する。コントローラモジュール13は、
先のサイクル(すなわちプラズマサイクル)の間に平均電流値を表す少なくとも電流値を検出しおよび/または計算し、
前記平均電流値を表す値を前記平均値の所定参照値と比較し、
前記比較に応じて、駆動信号のデューティサイクルにおける変更を計算し、
デューティサイクルの前記変更に関連する信号を前記駆動モジュール11に送信する
よう構成されている。
【0128】
なお、デューティサイクルの計算を、先のサイクルと次のサイクルとの間のデューティサイクルの変化として、またはアブソリュート(無条件の)時間(パーセンテージ)の点から、制御ユニット7によって行うことができることを記載しておく。
【0129】
なお、好ましい態様では、平均値の所定参照値は実質的にゼロに等しいことを記載しておく。
【0130】
好ましくは、制御ユニット7は、検出手段10とコントローラモジュール13との間に機能的に配置されている少なくとも一つのサンプリング・モジュール12を備える。
【0131】
このようなサンプリング・モジュール12は、検出手段10と関係するとともに、各サイクルすなわちプラズマ・サイクルにおけるスイッチ6を開く間隔と閉じる間隔のそれぞれに対する確認電流値(identifying current value)をサンプリングするよう構成されている。
【0132】
このように、それぞれのサイクルに対して、サンプリング・モジュール12は、二つの電流値(閉じる間隔を確認する第一電流値および開く間隔を確認する第二電流値)をサンプリングするよう、つまり検出するよう、構成されている。
【0133】
好ましくは、第一値および第二値は、それぞれの間隔における電流の平均値である。
【0134】
より詳細には、第一値および第二値は、正の側の半波(第一間隔)および負の側の半波(第二間隔)の、時間および/または量の点からの平均値である。第一値および第二値は、無視できる誤差を含む平均値を表している。
【0135】
したがって、好ましくは、コントローラモジュール13は、少なくとも第一電流値と第二電流値とを受信するのに適しており、先のサイクルにおける平均電流値を表す値を取得するよう前記第一値と前記第二値との合計を得るようにプログラムされるコンピュータ13aを有する。
【0136】
加えて、コントローラモジュール13は、平均値を表す値と所定参照値との間の比較に応じてデューティサイクルの値を決定するようプログラムされるアジャスタ(調整器)13b(好ましくは比例積分のもの)を備える。
【0137】
より詳細には、制御器13bは、比例積分係数に応じて計算された誤差を「乗算する」よう構成される。アジャスタの機能的に下流側の位置にはまた、アジャスタの出力値をデューティサイクル値に変換するように構成される変換モジュール(transformer module)13cが配置される。
【0138】
あるいは、好ましくは一緒に、制御ユニットは、さらなるコントローラモジュール14を備える。
【0139】
このようなさらなるコントローラモジュール14は、第一電流値と第二電流値とを受信するようサンプリング・モジュール12の下流側に機能的に配置される。
【0140】
このようなさらなるコントローラモジュール14は、各サイクルの間に、
先のサイクルの間に電流振幅を表す少なくとも電流値を検出しおよび/または計算し、
前記電流振幅を表す値を前記振幅の所定の参照値と比較し、
前記比較に応じて、前記駆動信号の周波数における変更を計算し、
周波数の前記変更に関連する信号を前記駆動モジュール11に送信する
よう構成されている。
【0141】
なお、周波数の計算を、先のサイクルと次のサイクルとの間の信号周波数の変化として、または無条件の周波数の点から、制御ユニット7によって行うことができることを記載しておく。
【0142】
好ましくは、振幅の所定参照値は10mA〜200mAであり、好ましくは20mA〜150mAである。
【0143】
さらなるコントローラモジュール14は、好ましくは、少なくとも第一電流値と第二電流値とを受信するのに適しており、先のサイクルにおける電流の振幅を表す値を取得するよう前記第一値と前記第二値との間の差を計算するようにプログラムされる少なくともコンピュータ14aを有する。
【0144】
さらに、さらなるコントローラモジュール14は、振幅を表す値と所定参照値との間の比較に応じて周波数の値を決定するようプログラムされるアジャスタ(調整器)14b(好ましくは比例積分のもの)を備える。
【0145】
より詳細には、アジャスタ14bは、比例積分係数に応じて計算された誤差を「乗算する」よう構成される。アジャスタの機能的に下流側の位置にはまた、アジャスタの出力値を周波数値に変換するように構成される変換モジュール14cが配置される。
【0146】
本発明のさらなる面では、好ましくは既に説明した両方の面に加えて、システム1は、前記スイッチ6と並列に接続されるとともに前記スイッチ6が開いた結果一次巻線3に残留する残留電力を蓄積するよう構成される蓄積回路15を有する。
【0147】
この場合、電力散逸を最大限に低減でき、したがって、スイッチ6の過熱を回避することができる利点がある。
【0148】
好ましくは、蓄積回路15は、一次巻線3自体の充電条件に応じて、一次巻線3から電流を吸収するよう、および/または前記一次巻線3の電流を放出するよう、構成される。
【0149】
より詳細には、蓄積回路15は、前記スイッチ6の開いた後に一次巻線3に流れ込む(すなわち一次巻線3からの)残留電流による最大値まで充電する蓄積条件を有する。
【0150】
加えて、蓄積回路15は、蓄積された残留電流が一次巻線3において充電条件とは反対方向に放出される放電条件を有する。
【0151】
このような蓄積回路15は、このように、一次巻線3の充電条件に応じて二つの構成の間で切り換わるよう構成される。
【0152】
この点で、蓄積回路15は、互いに機能的に並列に配置された、少なくとも一つの蓄積用片半分16と、放電用片半分17と、を備える。
【0153】
概略的に図示する実施形態を参照して、蓄積回路15は、並列に機能的に配置されるとともに、両方ともが第一ノード15aおよび第二ノード15bから延びる、第一ブランチ(分岐)18と第二ブランチ19とを備える。
【0154】
スイッチ6は、蓄積回路15と前記第一ノード15aおよび第二ノード15bにおいて並列に接続される。
【0155】
第一ブランチ18は、好ましくはコンデンサ16aを備える。
【0156】
したがって、蓄積部分16用片半分は、前記スイッチ6と並列に配置された少なくとも一つのコンデンサ16aによって形成される。
【0157】
詳細には、コンデンサ16は、一次巻線において分散されるインダクタンス電力を蓄える、好ましくは40nF〜100nFの間の容量を有する必要がある。
【0158】
また、このようなコンデンサ16は、スイッチ6のクランプ電圧(clamp voltage)より高い電圧を、好ましく300V〜600Vの間の電圧を保持することができるように構成されている必要がある。
【0159】
一方、第二ブランチ19は、第一ノード15aに向かって第二ノード15bの一方向に電流の通電を可能にするよう配置されたダイオード17aを備える。
【0160】
詳細には、ダイオード17aは、スイッチ・クランプ(switch clamp)の電圧(300V〜600Vの間の電圧)より高い逆電圧を保持するように構成される。
【0161】
加えて、ダイオード17aは、一次巻線3の最大の電流(つまり少なくとも50A)に対応する電流ピークに耐えるよう構成される。
【0162】
言い換えれば、第一ブランチ18は、蓄積装置15の蓄積用片半分16を形成し、第二ブランチ19は、放電用片半分17を形成している。
【0163】
また、先に記載した通り、システム1の駆動方法も本発明の対象である。
【0164】
したがって、本発明にかかる方法は、少なくとも一つの一次巻線3および一つの二次巻線4を有する点火コイル2を備える内燃機関用電子点火システムの駆動に関してなされたものである。前記二次巻線4は点火プラグ100に接続される。
【0165】
既に先に説明した通り、このようなシステム1はさらに、一次巻線3に接続されるとともに、当該一次巻線3を通る電流のフローを遮断するまたは可能にするために開いた状態および/または閉じた状態へと駆動可能なスイッチ6を備える。
【0166】
なお、駆動方法は、一連の第一ステップ、第二ステップおよびまた第三ステップをそれぞれの仕事サイクルに対して決定するコイル2の「プラズマ」駆動を提供するように構成されることを記載しておく。
【0167】
第一ステップにおいて、一次巻線3はスイッチ6を第一時間間隔閉じることにより充電される。
【0168】
第二ステップにおいて、スイッチ6を少なくとも第二時間間隔(長い間隔)開いた後、電磁誘導によって二次巻線4に電力が供給される。この開いている間隔は、一次巻線3における電流がゼロに達することができるよう十分に長い。
【0169】
なお、この第二ステップにおいて、二次巻線電圧は、点火プラグ100の二つの電極間において絶縁破壊を生じさせる値に達して、火花を生成することを記載しておく。
【0170】
第三ステップ、すなわちプラズマ・サイクル、すなわちプラズマ・ステップには、火花の継続時間を変更するよう前記スイッチ6の交互順序での開閉(先のものより短い)が含まれる。
【0171】
本発明の一の面では、一次巻線3に対する電源電圧の所定第一値は、それぞれのサイクルにおいて初めに設定される。
【0172】
このような値は、仕事サイクルの第一期間に、つまり一次巻線3の第一充電の間に、二次巻線4における電圧を低減するよう、前記第一ステップの間に維持され、これにより、火花の生成において危険な状態での拡散を回避する。
【0173】
このような方法は、二次巻線4の前記電力供給工程において、つまり、第二ステップまたは第三ステップの間に、一次巻線(3)の前記電源電圧を第一値より大きい第二値へと増加するステップを含む。
【0174】
なお、前記第二電圧値は第三ステップの間に維持されることを記載しておく。
【0175】
言い換えれば、前記スイッチ6を交互順序で開閉させる前記工程の少なくとも最初の(第一の)部分(first part)では、前記一次巻線3の電源電圧は前記第二値と等しい値に維持される。
【0176】
この場合、プラズマ・ステップの間に二つの巻線間の巻数比を最大限に利用することができる利点がある。
【0177】
また方法は、各サイクルにおいて、一次巻線3に対する前記第一の所定電圧値を新たに設定する第四ステップを含む。
【0178】
このような第四ステップは、好ましくは、スイッチ6の前記交互順序での開閉の最終の部分(final portion)(つまり第三ステップの終了時)の後にまたは間に始まる。
【0179】
好ましくは、システム1に関して先に記載したものと合わせて、設定ステップおよび増加ステップは、適当な変更モジュール8によって行われる。
【0180】
好ましい実施形態では、上述した新たに設定するステップは、電力を供給するステップとそれに続くスイッチ6を交互順序で開閉させるステップの間に(つまり第二ステップおよび第三ステップの間に)前記変更電子要素8に蓄積された電力を放出するために、スイッチ6を交互順序で開閉させるステップの最終部分(final part)の間に行われる。
【0181】
好ましくは、また、一次巻線3を充電するステップは、前記充電ステップの間に(つまり第一ステップの間に)、前記二次巻線4の電圧サージを低減するために、一次巻線3への電圧(および/またはスイッチ6からの電流のフロー)を低減する少なくともサブステップを含む。
【0182】
より詳細には、このようなサブステップによって、一次巻線の端部における電圧が低減され、電流増加(電流フローの)が減速することが期待できる。
【0183】
なお、第三ステップの間に、つまりプラズマ・ステップの間に、スイッチ6を所定時間間隔少なくとも一回閉じ、続いて前記スイッチ6を所定第二時間間隔開くことを記載しておく。
【0184】
このような第一時間間隔および第二時間間隔は、既に上で説明した通り、プラズマ・サイクルを定義する。
【0185】
本発明のさらなる面では、方法は、第一時間間隔および第二時間間隔の間に二次巻線4における少なくとも一つの電流値を検出するステップと、二次巻線4において検出された前記電流に応じて次のサイクルにおけるスイッチ6の一以上の駆動パラメータを計算するステップと、を含む。
【0186】
言い換えれば、方法は、先のサイクルおいて、好ましくは直前のサイクルにおいて、二次巻線4に検出された電流に応じて、プラズマ・ステップのそれぞれのサイクルにおけるスイッチの駆動を含んでいる。
【0187】
より詳細には、方法は、前記少なくとも一つの電流値を処理し、前記処理された値をそれぞれの参照値と比較するステップを含む。
【0188】
また、前記比較の結果に応じてスイッチ6を駆動するステップも含まれる。
【0189】
既に記載した通り、好ましくはスイッチ6の駆動はPWM変調で実行される。
【0190】
この場合、駆動パラメータは好ましくは、デューティサイクルによってそして駆動信号周波数によって定義される。
【0191】
好ましくは、少なくとも、二次巻線4における電流信号の検出は、第一間隔を確認する第一電流値と第二間隔を確認する第二電流値とをサンプリングするステップを含んでいる。
【0192】
より好ましくは、このような確認値は、それぞれの間隔における電流の平均値に、さらにより好ましくはその間隔の約半分における電流値に、対応する。
【0193】
なお、計算ステップは好ましくは、少なくとも、前記仕事サイクルにおける電流の平均値を表す値を取得するために、第一値と第二値との合計を得るステップを含むことを記載しておく。
【0194】
実際には、プラズマ・サイクルは交流駆動で実行され、二つの開閉間隔は異なる極性の電流であり、そして、二つの確認値の合計はサイクルにおける平均値に関連付けられる(あるいは比例する)。
【0195】
このような合計を得るステップの後、前記デューティサイクルにおける平均電流値を表す前記値を好ましくはゼロと等しい平均値の参照値と比較するステップが行われる。
【0196】
前記比較の結果に応じて、スイッチ6の駆動信号のデューティサイクル値は、相対的に換算して決定される(つまり先のサイクルと比較して変更)、または絶対的に換算して決定される。
【0197】
これは、適当なアジャスタを介して、二次巻線4における平均電流値と駆動信号のデューティサイクルとの間の既存の相関を処理することによって可能である。このような相関の一例を
図6aに表す。
【0198】
デューティサイクル決定ステップの後、前記決定された値に対応するPWM変調とデューティサイクルとを用いてスイッチ6が駆動される。
【0199】
好ましくは、デューティサイクルの決定に代えてまたは加えて、方法は、前記仕事サイクルにおける電流の振幅を表す値を取得するよう、前記第一値と前記第二値との間の差を計算することを含んでいる。
【0200】
実際には、プラズマ・サイクルは交流駆動で実行され、二つの開閉間隔は異なる極性の電流であり、そして、二つの確認値の間の差はサイクルにおける電流の振幅に、つまりピークとピークとの間の値(peak−to−peak value)に関連付けられる(あるいは比例する)。
【0201】
このような減算作用の後、前記仕事サイクル(つまり先の仕事サイクル)における電流振幅を表す前記値をその基準線値(baseline value)と比較することが行われる。
【0202】
好ましくは、振幅の前記参照値は10mA〜200mAであり、好ましくは20mA〜150mAである。
【0203】
前記比較の結果に応じて、スイッチ6の駆動信号の周波数値は、相対的に換算して決定される(つまり先のサイクルと比較して変更)、または絶対的に換算して決定される。
【0204】
これは、適当なアジャスタを介して、二次巻線4における平均電流値と駆動信号の周波数との間の既存の相関を処理することによって可能である。このような相関の一例を
図6bに表す。
【0205】
デューティサイクル決定の結果として、前記決定された値に対応するPWM変調と周波数とを用いてスイッチ6が駆動される。
【0206】
好ましい実施形態では、スイッチ6は、前述のステップにおいて決定されたものに対応するデューティサイクルと周波数を有するPWM変調における駆動信号で駆動される。
【0207】
本発明により、意図する目的が達成され、大きな利点が得られる。
【0208】
実際に、電子変更要素(electronic variation element)を、特にD/D電圧変換器を用いることによって、火花の拡散(スパーク・アドバンス)の問題を克服することができ、また、プラズマ・ステップにおいて巻数比を最大限に利用することもできる。
【0209】
さらに、少なくともプラズマ・ステップの間に、二次巻線において実際に測定する電流の関数としてスイッチ駆動の制御が実現できるので、システムの精度および信頼性を向上でき、したがって、未燃物質の残留を最小限にすることができる。
【0210】
さらにまた、スイッチと並列な蓄積回路を備えることによって、熱的電力散逸を制限することができ、そのため、部品に対する特にスイッチに対する負荷(ストレス)を低減し、その結果、システムの信頼性を高めることができる。