(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6903615
(24)【登録日】2021年6月25日
(45)【発行日】2021年7月14日
(54)【発明の名称】感温ペレット型温度ヒューズ
(51)【国際特許分類】
H01H 37/76 20060101AFI20210701BHJP
【FI】
H01H37/76 C
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-170136(P2018-170136)
(22)【出願日】2018年9月12日
(65)【公開番号】特開2019-53986(P2019-53986A)
(43)【公開日】2019年4月4日
【審査請求日】2020年5月26日
(31)【優先権主張番号】特願2017-176289(P2017-176289)
(32)【優先日】2017年9月14日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】300078431
【氏名又は名称】ショット日本株式会社
(72)【発明者】
【氏名】吉川 時弘
(72)【発明者】
【氏名】藤田 亨
(72)【発明者】
【氏名】前田 憲之
(72)【発明者】
【氏名】野崎 裕一
(72)【発明者】
【氏名】関岡 亮太
【審査官】
北岡 信恭
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−248490(JP,A)
【文献】
特開2014−099249(JP,A)
【文献】
特開2006−269380(JP,A)
【文献】
特開2011−210611(JP,A)
【文献】
特開2013−196984(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 37/76
H01H 1/00− 1/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
良導電性かつ良熱伝導性の筒状ケースの内部に、少なくとも、特定温度で溶融または軟化する感温ペレットと、この感温ペレットを押圧する強圧縮ばねと、筒状ケースの開口端を閉止する絶縁管と、この絶縁管に当接した弱圧縮ばねと、前記絶縁管を貫通した内方端を接点部とした第1リードと、この第1リードおよび前記筒状ケースと電気接続した可動接点とを有し、さらに前記筒状ケースの片端に配設された第2リードを備え、前記可動接点は、中央部分に型押し加工で設けた突起状接点部材を有し、この突起状接点部材と前記第1リードの接点部とを当接させることで、前記可動接点と前記第1リードの接点部との接触面を前記絶縁管の周壁内側に収容した感温ペレット型温度ヒューズ。
【請求項2】
良導電性かつ良熱伝導性の筒状ケースの内部に、少なくとも、特定温度で溶融または軟化する感温ペレットと、この感温ペレットを押圧する強圧縮ばねと、筒状ケースの開口端を閉止する絶縁管と、この絶縁管に当接した弱圧縮ばねと、前記絶縁管を貫通した内方端を接点部とした第1リードと、この第1リードおよび前記筒状ケースと電気接続した可動接点とを有し、さらに前記筒状ケースの片端に配設された第2リードを備え、前記可動接点は、中央部分に前記可動接点に個片を固着して設けた突起状接点部材を有し、前記突起状接点部材は、前記可動接点と同可動接点に接した金属板とに挿通された状態で前記可動接点と前記金属板とに固定されており、前記突起状接点部材と前記第1リードの接点部とを当接させることで、前記可動接点と前記第1リードの接点部との接触面を前記絶縁管の周壁内側に収容した感温ペレット型温度ヒューズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器の過熱を検知して回路を遮断する感温ペレット型温度ヒューズに関し、ケース内に発生したアークによる部材同士(接点部の周辺など)の溶着または絶縁抵抗低下を防止できるように改良した感温ペレット型温度ヒューズに関する。
【背景技術】
【0002】
家庭用電気製品あるいは産業用電気・電子機器には、機器の温度を感知して異常過熱時に速やかに回路を遮断する保護部品として温度ヒューズが使用される。温度ヒューズは、例えば家電製品、携帯機器、通信機器、事務機器、車載機器、ACアダプタ、充電器、モータ、電池などの製品に搭載されている。一般に温度ヒューズには、定格電流値が概ね0.5Aから15A程度までの種々の物があるが、特に6A以上の高電流定格用として感温ペレット型温度ヒューズが好適に利用されている。感温ペレット型温度ヒューズの代表的な形態の一つとして、例えば、特許文献1または特許文献2に示されるように、筒状の金属ケースと、この金属ケースの両端に配設された第1リードと第2リードを有し、第2リードに接して配設された感温ペレットと、この感温ペレットを介して第1リードに当接し常時開離方向に付勢された可動接点とを備え、搭載された電気機器の温度が所定温度以上となった場合に感温ペレットが溶融または軟化することにより、可動接点が付勢力により第1リードより開離して回路を遮断する感温ペレット型温度ヒューズがある。前述の構成における感温ペレット型温度ヒューズを電気機器に直列に接続しかつ電子、電気機器の異常温度上昇を検知したい箇所に配置することによって、感温ペレット型温度ヒューズを介して電気機器に給配電することができる。感温ペレットは平常温度で固体であり、このとき該付勢力により可動接点を第1リードのケース内端部に押圧接触させている。したがって、第1リード―金属ケース―可動接点―第2リードが導通状態に保持されている。そして、電気機器の短絡等の異常通電によって設置箇所の温度が感温ペレット型温度ヒューズの動作温度にまで上昇すると、感温ペレットが溶融し、可動接点を第1リードの端部に押圧接触させている付勢力が減少して解かれるので、可動接点が第1リードのケース内端部から開離して、第1リードと第2リードとの間が非導通状態となる。これによって電気機器への給配電が停止されて電気機器の温度上昇が阻止され、電気設備の過熱損傷あるいはそれに起因する発火などの事故を未然に防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平01−154422号公報
【特許文献2】実案登録第3161636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、感温ペレット型温度ヒューズは非復帰型の保護素子であり、動作後の再導通を防止し通電遮断性をより完全かつ確実なものとする必要から、感温ペレット型温度ヒューズの動作後において、第1リードと第2リードとの間の耐電圧は高いほど望ましく、また動作後の絶縁抵抗もより高いものが望ましい。
図6(a)および(b)に示す従来の感温ペレット型温度ヒューズは、既存製品と外径寸法を大きく変えずに専ら沿面距離や空間距離を長くとることで動作時あるいは動作後のアーク放電によるショートの発生を抑制していた。
【0005】
本発明は、動作時あるいは動作後においてケース内に生じたアークから圧縮ばねを含む可動接点周辺の金属部材を確実に絶縁遮蔽することで通電遮断性を向上した感温ペレット型温度ヒューズを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によると、良導電性かつ良熱伝導性の筒状ケースの内部に、少なくとも、特定温度で溶融または軟化する感温ペレットと、この感温ペレットを押圧する強圧縮ばねと、筒状ケースの開口端を閉止する絶縁管と、この絶縁管に当接した弱圧縮ばねと、絶縁管を貫通した内方端を接点部とした第1リードと、この第1リードおよび筒状ケースと電気接続した可動接点とを有し、さらに筒状ケースの片端に配設された第2リードを備え、前記可動接点は、突起状接点部材が設けられており、この突起状接点部材と前記第1リードの接点部とを当接させることで、前記可動接点と前記第1リードの接点部との接触面を絶縁管の周壁内側に収容して周囲から遮蔽した感温ペレット型温度ヒューズが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の感温ペレット型温度ヒューズは、可動接点は、突起状接点部材を設け、この突起状接点部材と前記第1リードの接点部とを当接させることで、前記可動接点と前記第1リードの接点部との接触面を絶縁管の周壁内側に収容して周囲を遮蔽することで、可動接点と第1リードの接点が開離する時に発生するアーク放電から、絶縁管の外側に配置された金属部品を隔離する事で絶縁低下や絶縁破壊を防止する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係る感温ペレット型温度ヒューズ10の断面図を示す。
【
図2】本発明に係る感温ペレット型温度ヒューズ20の断面図を示す。
【
図3】本発明に係る感温ペレット型温度ヒューズ30の断面図を示す。
【
図4】本発明に係る感温ペレット型温度ヒューズ40の断面図を示す。
【
図5】本発明に係る感温ペレット型温度ヒューズ50の断面図を示す。
【
図6】従来の感温ペレット型温度ヒューズ(a)および(b)の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明によると、良導電性かつ良熱伝導性の筒状ケースの内部に、少なくとも、特定温度で溶融または軟化する感温ペレットと、感温ペレットを押圧する強圧縮ばねと、筒状ケースの開口端を閉止する絶縁管と、絶縁管に当接した弱圧縮ばねと、絶縁管を貫通した内方端を接点部とした第1リードと、第1リードおよび筒状ケースと電気接続した可動接点とを有し、さらに筒状ケースの片端に配設された第2リードを備え、前記可動接点は、突起状接点部材が設けられており、この突起状接点部材と前記第1リードの接点部とを当接させることで、可動接点と第1リードの接点部との接触面を絶縁管の周壁内側に収容して周囲から遮蔽した感温ペレット型温度ヒューズが提供される。本発明の感温ペレット型温度ヒューズは、上記強圧縮ばねを挟んで2枚の金属板をさらに設けてもよい。一つの好ましい構成においては、
図1の可動接点17のように、型押し加工等で設けた突起状接点部材(突起部の反対面は凹状となる)を形成した可動接点を有する感温ペレット型温度ヒューズがある。また、他の好ましい構成においては、可動接点に該接点の他の部分より厚みをもたせた肉厚部を設けてもよい。例えば、
図2の可動接点27のように、円柱型ないし円錐台型(頭を切った円錐型)の凸状肉厚部(この凸状肉厚部は、異種接点材料を用いて形成してもよい。)を設けて突起状接点部材を形成した可動接点を有する感温ペレット型温度ヒューズがある。何れも第1リードの内方端からなる固定接点を絶縁管の内径内側に設けてあり、第1リード内端の固定接点に上述の可動接点の突起状接点部材を当接して接点を形成することで、固定接点と可動接点の接続面を絶縁管の内径の奥側に引き込んだ構成となっている。そして、通電下で両接点が開離したとき、アークの発生する両接点の接続面が絶縁管の内径部に収容された状態で接点が開放されるので、接点可動機構を構成する部材など(ばね、筒状ケース、筒状ケースと可動接点との摺動部ほか)の周辺をアークから効果的に遮蔽できる。
【0010】
例えば、良導電性かつ良熱伝導性の筒状ケースの内部に、少なくとも、特定温度で溶融または軟化する感温ペレットと、この感温ペレットを押圧する強圧縮ばねと、筒状ケースの開口端を閉止する絶縁管と、この絶縁管に当接した弱圧縮ばねと、絶縁管を貫通した内方端を接点部とした第1リードと、この第1リードおよび筒状ケースと電気接続した可動接点とを有し、さらに筒状ケースの片端に配設された第2リードを備え、前記可動接点は、通孔を有し、この通孔に突起状接点部材を挿通し突起状接点部材の挿通端部を溶接やろう接またはかしめること等でこの可動接点に固定した突起状接点部材を設けてあり、この突起状接点部材と前記第1リードの接点部とを開離可能に当接させることで、前記可動接点と前記第1リードの接点部との接触面を絶縁管の周壁内側に収容して周囲から遮蔽した感温ペレット型温度ヒューズが提供される。この感温ペレット型温度ヒューズは、
図4に示すように強圧縮ばね44を挟んで2枚の金属板80をさらに設けてもよい。前記突起状接点部材は、前記第1リードの接点部と当接させる部分のみに接点材を設けた構成でも、前記突起状接点部材の全体が接点材から成る構成でもどちらでもよい。例えば、前記突起状接点部材は、少なくとも前記第1リードの接点部と当接させる部分(遮断側)が電気接点性を有する材料であれば何れのものを使用してもよく、特に限定されないが、好ましくは、前記第1リードの接点部と当接させる部分(遮断側)が、銀、またはニッケル、銅、錫、インジウムの元素群から1ないし2以上の元素を含む銀合金、より好ましくは、銀、ニッケル、銅、錫、インジウムの元素群から1ないし2以上の元素の酸化物を含む酸化物合金からなり、前記可動接点に接する部分(可動側)が、銅または銅合金からなり、さらに好ましくは、その表面を銀めっき層で覆うとよい。
【0011】
他の一例では、良導電性かつ良熱伝導性の筒状ケースの内部に、少なくとも、特定温度で溶融または軟化する感温ペレットと、この感温ペレットの押圧面に被せた第1金属板と、この第1金属板を挟んで感温ペレットを押圧する強圧縮ばねと、強圧縮ばねのもう一方の端部に当接した第2金属板と、筒状ケースの開口端を閉止する絶縁管と、この絶縁管と第2金属板とに当接した弱圧縮ばねと、絶縁管を貫通した内方端を接点部とした第1リードと、この第1リードおよび筒状ケースと電気接続した可動接点とを有し、さらに筒状ケースの片端に配設された第2リードを備え、前記可動接点と前記第2金属板とは、通孔を有し、前記可動接点と前記第2金属板との通孔に突起状接点部材を挿通して、その挿通端部を溶接やろう接またはかしめること等で前記可動接点と前記第2金属板を固定する突起状接点部材を設けている。この突起状接点部材と前記第1リードの接点部とを開離可能に当接させることで、前記可動接点と前記第1リードの接点部との接触面を絶縁管の周壁内側に収容して周囲から遮蔽した感温ペレット型温度ヒューズが提供される。前記突起状接点部材は、前記第1リードの接点部と当接させる部分のみに接点材を設けた構成でも、前記突起状接点部材の全体が接点材から成る構成でもどちらでもよい。例えば、前記突起状接点部材は、少なくとも前記第1リードの接点部と当接させる部分(遮断側)が電気接点性を有する材料であれば何れのものを使用してもよく、特に限定されないが、好ましくは、前記第1リードの接点部と当接させる部分(遮断側)が、銀、またはニッケル、銅、錫、インジウムの元素群から1ないし2以上の元素を含む銀合金、より好ましくは、銀、ニッケル、銅、錫、インジウムの元素群から1ないし2以上の元素の酸化物を含む酸化物合金からなり、前記可動接点に接する部分(可動側)を銅または銅合金から構成するとよい。さらに、前記突起状接点部材の表面を銀めっき層で覆うとよい。
【実施例】
【0012】
本発明に係る実施例1の感温ペレット型温度ヒューズ10は、
図1に示すように一端にかしめ固定されている銀めっき銅材の第2リード19を配設した銀めっき銅合金製筒状ケース18の内部に、特定温度で溶融する感温ペレット15と、2枚の金属板80と、両金属板80の間に介在され感温ペレット15を押圧するように設けた強圧縮ばね14と、片方の金属板80に当接しかつ筒状ケース18内壁に摺接した銀合金製可動接点17と、筒状ケース18の開口端を閉止するセラミック製絶縁管12と、この絶縁管12の中心部を貫通した内方端を接点とする銀めっき銅材の第1リード11と、絶縁管12と可動接点17との間に挟んだ弱圧縮ばね13とを有し、さらに筒状ケース18内をエポキシ樹脂封止材70で気密封止すると共に、封止材70端部にセラミック製の碍管90とを備え、可動接点17は、中央部分に型押し加工で設けた突起状接点部材(突起部の反対面にキャビティを有する)17−1を有し、この突起状接点部材17−1と第1リード11の接点部とを当接させることで、可動接点17と第1リード11の接点部との接触面を絶縁管12の周壁16内側に収容して周囲から隔離している。即ち突起状接点部材17−1と第1リード11は、絶縁管に設けた周壁内径の内側に接触部を配置している。
【0013】
本発明に係る実施例2の感温ペレット型温度ヒューズ20は、
図2に示すように一端にかしめ固定されている銀めっき銅材の第2リード29を配設した銀めっき銅合金製筒状ケース28の内部に、特定温度で溶融する感温ペレット25と、2枚の金属板80と、両金属板80の間に介在され感温ペレット25を押圧するように設けた強圧縮ばね24と、片方の金属板80に当接しかつ筒状ケース28内壁に摺接した銀合金製可動接点27と、筒状ケース28の開口端を閉止するセラミック製絶縁管22と、この絶縁管22の中心部を貫通した内方端を接点とする銀めっき銅材の第1リード21と、絶縁管22と可動接点27との間に挟んだ弱圧縮ばね23とを有し、さらに筒状ケース28内をエポキシ樹脂封止材70で気密封止すると共に、封止材70端部にセラミック製の碍管90とを備え、可動接点27は、中央部分に頭を切った円錐型の肉厚部からなる突起状接点部材27−1を有し、この突起状接点部材27−1と第1リード21の接点部とを当接させることで、可動接点27と第1リード21の接点部との接触面を絶縁管22の周壁26内側に収容して周囲から隔離し、突起状接点部材27−1と第1リード21は、絶縁管に設けた周壁内径の内側に接触部を配置している。
【0014】
本発明の突起状接点部材は、可動接点に個片を固着させて設けてもよい。例えば、可動接点の片側表面に、これと異なる異種導電材料を、抵抗溶接、はんだ付け、導電性接着材等の接続手段で接合または接着して形成することができる。また、突起状接点部材は、板状の可動接点に円柱型ないし円錐台型の部材を固着して形成させてもよい。その一例として、
図3の突起状接点部材(凸状部分)37−1には、AgNiを、同可動接点(平板部部分)37には、AgCuOやAgめっき銅合金を用いることができる。すなわち可動接点37は、可動接点の導通を妨げない物であるならば、可動接点37とは別部材ないし別材質の突起状接点部材37−1を取付けて形成してもよい。さらに、
図1に示す可動接点17においても、突起状接点部材(突起部をキャビティで形成)17−1は、可動接点17とは別部材ないし別材質の突起状接点部材17−1を取付けて形成してもよい。
【0015】
例えば、実施例2の感温ペレット型温度ヒューズ20は、
図3に示す実施例3ように変形できる。一端にかしめ固定されている銀めっき銅材の第2リード39を配設した銀めっき銅合金製筒状ケース38の内部に、特定温度で溶融する感温ペレット35と、2枚の金属板80と、両金属板80の間に介在され感温ペレット35を押圧するように設けた強圧縮ばね34と、片方の金属板80に当接しかつ筒状ケース38内壁に摺接した銀合金製可動接点37と、筒状ケース38の開口端を閉止するセラミック製絶縁管32と、この絶縁管32の中心部を貫通した内方端を接点とする銀めっき銅材の第1リード31と、絶縁管32と可動接点37との間に挟んだ弱圧縮ばね33とを有し、さらに筒状ケース38内をエポキシ樹脂封止材70で気密封止すると共に、封止材70端部にセラミック製の碍管90とを備え、可動接点37は、円錐台型の銀合金製チップ部材を可動接点37の中央部分に接合して設けた突起状接点部材37−1を有し、この突起状接点部材37−1と第1リード31の接点部とを当接させることで、可動接点37と第1リード31の接点部との接触面を絶縁管32の周壁36内側に収容して周囲から隔離し、突起状接点部材37−1と第1リード31とを絶縁管に設けた周壁内径の内側で接触させている。
【0016】
本発明に係る実施例4の感温ペレット型温度ヒューズ40は、
図4に示すように、一端にかしめ固定されている銀めっき銅材の第2リード49を配設した銀めっき銅合金製筒状ケース48の内部に、特定温度で溶融する感温ペレット45と、2枚のステンレス鋼製金属板80と、両金属板80の間に挟まれ感温ペレット45を押圧するように設けた強圧縮ばね44と、片方の金属板80に当接しかつ筒状ケース48内壁に摺接した銀合金製可動接点47と、筒状ケース48の開口端を閉止するセラミック製絶縁管42と、絶縁管42の中心部を貫通した内方端を接点とする銀めっき銅材の第1リード41と、絶縁管42と可動接点47との間に挟んだ弱圧縮ばね43とを有し、さらに筒状ケース48内をエポキシ樹脂封止材70で気密封止すると共に、封止材70端部にセラミック製の碍管90とを備え、可動接点47は、中央部分に通孔47−2を有し、通孔47−2に突起状接点部材47−1を挿通し突起状接点部材47−1の挿通端部をかしめることで可動接点47に固定した突起状接点部材47−1を設けてあり、突起状接点部材47−1と第1リード41の接点部とを当接させることで、可動接点47と第1リード41の接点部との接触面を絶縁管42の周壁46内側に収容して周囲から遮蔽している。
【0017】
本発明に係る実施例5の感温ペレット型温度ヒューズ50は、
図5に示すように、一端にかしめ固定されている銀めっき銅材の第2リード59を配設した銀めっき銅合金製筒状ケース58の内部に、特定温度で溶融する感温ペレット55と、ステンレス鋼製の第1金属板81およびステンレス鋼製の第2金属板82と、第1金属板81および第2金属板82との間に挟まれ感温ペレット55を押圧するように設けた強圧縮ばね54と、第2金属板82に当接しかつ筒状ケース58内壁に摺接した銀合金製可動接点57と、筒状ケース58の開口端を閉止するセラミック製絶縁管52と、この絶縁管52の中心部を貫通した内方端を接点とする銀めっき銅材の第1リード51と、絶縁管52と可動接点57との間に挟んだ弱圧縮ばね53とを有し、さらに筒状ケース58内をエポキシ樹脂封止材70で気密封止すると共に、封止材70端部にセラミック製の碍管90とを備え、可動接点57と第2金属板82とは、それぞれ中央部分に通孔57−2、82−2を有し、可動接点57の通孔57−2と、第2金属板82の通孔82−2に突起状接点部材57−1を挿通して、その挿通端部をかしめることで可動接点57と第2金属板82とを固定する突起状接点部材57−1を設けており、突起状接点部材57−1と第1リード51の接点部とを当接させることで、可動接点57と第1リード51の接点部との接触面を絶縁管52の周壁46内側に収容して周囲から遮蔽している。突起状接点部材57−1は、第1リード51の接点部と当接させる部分57−3のみに接点材を設けた構成でも、突起状接点部材57−1の全体が接点材から成る構成でもどちらでもよい。
【0018】
実施例3および実施例4に記載の前記突起状接点部材は、前記第1リードの接点部と当接させる部分(遮断側)47−3または57−3のみに接点材を設けた構成でも、前記突起状接点部材の全体が接点材から成る構成でもどちらでもよい。例えば、前記第1リードの接点部と当接させる部分(遮断側)47−3または57−3のみに接点材を設けた構成では、前記突起状接点部材は、前記第1リードの接点部と当接させる部分(遮断側)47−3または57−3が、銀、またはニッケル、銅、錫、インジウムの元素群から1ないし2以上の元素を含む銀合金、より好ましくは、銀、ニッケル、銅、錫、インジウムの元素群から1ないし2以上の元素の酸化物を含む酸化物合金からなり、前記可動接点に接する部分(可動側)が銅または銅合金からなり、より好ましくは、その表面を銀めっき層で覆うとよい。この場合、突起状接点部材は、上記遮断側と可動接点に接する側とで異なる材質により形成されている。
【0019】
さらに前記突起状接点部材は、片端がリベットの機能を備えており、端部にフランジ110を有し、このフランジ110は前記可動接点ないし前記第2金属板のストッパーとして機能し、このフランジより先の先端部はリベットの機能を具備させることができる。例えば、フランジより先の先端部を筒状に形成しておき、これを前記可動接点ないし前記第2金属板の通孔に挿通した後、この筒状先端部を変形させリベット止めしたかしめ部120により、前記可動接点ないし前記第2金属板に固定される。
【0020】
本発明に係る金属板、第1金属板および第2金属板は、特に限定されないが銅またはステンレス鋼が好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明は、可動接点を有し異常温度を感知して接点を開離動作させる接点開離型温度ヒューズに利用でき、特に感温ペレット型温度ヒューズに好適に利用できる。
【符号の説明】
【0022】
10,20,30,40,50・・・実施例の感温ペレット型温度ヒューズ、
11,21,31,41,51・・・第1リード、
12,22,32,42,52・・・絶縁管、
13,23,33,43,53・・・弱圧縮ばね、
14,24,34,44,54・・・強圧縮ばね、
15,25,35,45,55・・・感温ペレット、
16,26,36,46,56・・・周壁、
17,27,37,47,57・・・可動接点、
17−1,27−1,37−1,47−1,57−1・・・突起状接点部材、
47−2,57−2・・・通孔(但し図は可動接点に設けた通孔断面の内璧部分を図示)、
82−2・・・通孔(但し図は第2金属板に設けた通孔断面の内璧部分を図示)、
47−3,57−3・・・第1リードの接点部と当接させる部分、
18,28,38,48,58・・・筒状ケース、
19,29,39,49,59・・・第2リード、
70・・・封止材、
80・・・金属板、
81・・・第1金属板、
82・・・第2金属板、
90・・・碍管、
110・・・フランジ(但し図はフランジ断面の部分を図示)、
120・・・かしめ部。