(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
車両に取付けられ、平板状部位を有するペダルサポートブラケットと、前記ぺダルサポートブラケットに回動可能に軸支されて取付けられ、足踏み操作部を有するペダルアームと、前記ぺダルサポートブラケットにおける平板状部位の側面に離間して配設されて、前記ペダルアームの回動操作量を検出するストロークセンサと、前記ストロークセンサを前記ペダルサポートブラケットに取付けるためのセンサ取付ブラケットと、を備える車両用足踏み式ペダル装置であって、
前記センサ取付ブラケットの前記ストロークセンサを設置する設置部位は、前記ペダルサポートブラケットの平板状部位の側面に対して離間した状態で並行に配設されており、
且つ、前記センサ取付ブラケットには、前記ストロークセンサに間隔を置いて形成される2個の組付孔に嵌合する2本の棒状部材が突設されて、前記ストロークセンサは当該センサ取付ブラケットに固定される構成とされており、
更に、前記センサ取付ブラケットは、当該センサ取付ブラケットに配設された2本の棒状部材のうち一方の棒状部材に近接した位置に固定用フランジが配設されて前記ぺダルサポートブラケットに接合固定されており、他方の棒状部材に近接した位置には当該センサ取付ブラケットの撓み変形を防止ないし抑制するストッパ手段が前記ペダルサポートブラケットに対して非固定状態で設定されている車両用足踏み式ペダル装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述した足踏み式ブレーキペダル装置においては、ストロークセンサの組付けにおける組付荷重を支持する固定用フランジが、センサ取付ブラケットの長手方向の両端部に配置できる場合は、組付荷重が両持ち支持となり、問題を生じることは殆どない。これは、ストロークセンサの組付けにおける2本のボルト等の棒状部材への押し込み荷重によって、センサ取付ブラケットが撓み変形することがなく、ストロークセンサをセンサ取付ブラケットにスムースに組付けることができることによる。
【0008】
しかし、ストロークセンサが組付けられるセンサ取付ブラケットの周囲には、各種機器の装置が配置される。このため、ストロークセンサをセンサ取付ブラケットに溶接する固定用フランジを長手方向の一端側にしか設定できない場合がある。この場合には、固定用フランジによるセンサ取付ブラケットのペダルサポートブラケットへの支持形態は、いわゆる片持ち支持の形態となる。このため、ストロークセンサのセンサ取付ブラケットへの組付け時における押し込み荷重によりペダルサポートブラケットが撓み変形することがあり、その組付けがスムースに行うことができない場合がある。
【0009】
上記した問題内容を
図12〜
図17により説明する。
図12はセンサ取付ブラケット124単品の平面図を示し、
図13は斜視図を示す。
図14はセンサ取付ブラケットをペダルサポートブラケット112に取付けた状態の側面図を示す。
図12及び
図13に示すように、センサ取付ブラケット124におけるストロークセンサ128(
図15〜
図17参照)が設置される設置部位134は変形の概略長円形状に形成されており、
図12及び
図13で見て長円形状の左側端部側に2個の固定用フランジ138A,138Bが形成されている。2個の固定用フランジ138A,138Bは図に×印で示す個所においてスポット溶接により
図14に示すようにペダルサポートブラケット112に固定して取付けられる。
図12〜
図14に示す形態では、センサ取付ブラケット124の図で見て右側には他の機器が配置される関係から、固定用フランジ138を配設することが困難な場合である。
【0010】
図12及び
図13に示すように、センサ取付ブラケット124のストロークセンサ128(
図15〜
図17参照)が設置される設置部位134の略中央位置には、比較的大径の丸孔136が穿設されている。そして、センサ取付ブラケット124の長手方向における丸孔136の両側位置には、ストロークセンサ128を組付けるための2本のボルト126が突設した形態で固定的に設定されている。したがって、この配設形態では、
図14に示すように、センサ取付ブラケット124のペダルサポートブラケット112への取付けは、片側に配設された固定用フランジ138による片持支持状態となっている。
【0011】
図15〜
図17は、上述した片持支持状態のセンサ取付ブラケット124へのストロークセンサ128の組付け状態を示す。
図15はストロークセンサ128の組付け前状態を示す。
図16はストロークセンサ128の正常組付け時の状態を示す。
図17は組付け変形時の状態を示す。ストロークセンサ128の両側には、センサ取付ブラケット124に取付けられた2本のボルト126A,126Bが嵌る2個の組付孔146A,146Bが形成されている。なお、ストロークセンサ128は全体構成の外形をイメージとして斜線を付して示した。
【0012】
ストロークセンサ128のセンサ取付ブラケット124への組付けは、センサ取付ブラケット124の2本のボルト126A,126Bにストロークセンサ128の2個の組付孔146A,146Bが嵌められることにより行われる。
図15はその嵌められる前の状態を示し、
図16は正常に嵌められた状態を示す。しかし、組付け時において、ボルト126と組付孔146の位置ずれ等があると、ボルト126へのストロークセンサ128の押し込み荷重により、
図17に示すようにセンサ取付ブラケット124が撓み変形する。撓み変形するとボルト126Bが傾斜した配置となり、より一層位置ずれ状態となり、嵌め込みが困難となり、組付け作業がスムースに行うことができない。
【0013】
而して、本発明は上述した問題に鑑みて創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、センサ取付ブラケットをペダルサポートブラケットに接合固定する固定フランジの配設形態が片持ち支持状態の場合であっても、ストロークセンサのセンサ取付ブラケットへの組付け時において、センサ取付ブラケットの撓み変形を防止ないし抑制して、その組付けをスムースに行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため、本発明にかかる車両用足踏み式ペダル装置は、次の手段をとる。
【0015】
本発明の第1の発明は、車両に取付けられ、平板状部位を有するペダルサポートブラケットと、前記ぺダルサポートブラケットに回動可能に軸支されて取付けられ、足踏み操作部を有するペダルアームと、前記ぺダルサポートブラケットにおける平板状部位の側面に離間して配設されて、前記ペダルアームの回動操作量を検出するストロークセンサと、前記ストロークセンサを前記ペダルサポートブラケットに取付けるためのセンサ取付ブラケットと、を備える車両用足踏み式ペダル装置であって、前記センサ取付ブラケットの前記ストロークセンサを設置する設置部位は、前記ペダルサポートブラケットの平板状部位の側面に対して離間した状態で並行に配設されており、且つ、前記センサ取付ブラケットには、前記ストロークセンサに間隔を置いて形成される2個の組付孔に嵌合する2本の棒状部材が突設されて、前記ストロークセンサは当該センサ取付ブラケットに固定される構成とされており、更に、前記センサ取付ブラケットは、当該センサ取付ブラケットに配設された2本の棒状部材のうち一方の棒状部材に近接した位置に固定用フランジが配設されて前記ぺダルサポートブラケットに接合固定されており、他方の棒状部材に近接した位置には当該センサ取付ブラケットの撓み変形を防止ないし抑制するストッパ手段が前記ペダルサポートブラケットに対して非固定状態で設定されている車両用足踏み式ペダル装置である。
【0016】
本発明の第2の発明は、上述した第1の発明の車両用足踏み式ペダル装置であって、前記センサ取付ブラケットに設定されるストッパ手段は、当該センサ取付ブラケットに配設されるストッパフランジである車両用足踏み式ペダル装置である。
【0017】
本発明の第3の発明は、上述した第2の発明の車両用足踏み式ペダル装置であって、前記ストッパフランジは、前記センサ取付ブラケットの外形形状範囲内に配設されている車両用足踏み式ペダル装置である。
【0018】
本発明の第4の発明は、上述した第2の発明又は第3の発明の車両用足踏み式ペダル装置であって、前記ストッパフランジは前記センサ取付ブラケットに一体に形成されている車両用足踏み式ペダル装置である。
【0019】
本発明の第5の発明は、上述した第2の発明又は第3の発明の車両用足踏み式ペダル装置であって、前記ストッパフランジは前記センサ取付ブラケットに着脱自在に取付けられている車両用足踏み式ペダル装置である。
【0020】
本発明の第6の発明は、上述した第1の発明の車両用足踏み式ペダル装置であって、前記センサ取付ブラケットに突設される棒状部材は頭部を有するボルトであり、前記センサ取付ブラケットの撓み変形を防止ないし抑制するストッパ手段は前記ボルトの頭部の高さにより設定される車両用足踏み式ペダル装置である。
【0021】
本発明の第7の発明は、上述した第1の発明〜第6の発明のいずれかの発明の車両用足踏み式ペダル装置であって、前記センサ取付ブラケットを前記ぺダルサポートブラケットに接合固定するために形成される固定用フランジは1箇所である車両用足踏み式ペダル装置である。
【0022】
本発明の第8の発明は、上述した第1の発明〜第7の発明のいずれかの発明の車両用足踏み式ペダル装置であって、前記センサ取付ブラケットにおける前記固定用フランジの配設位置と前記ストッパ手段の配設位置とは、前記2本の棒状部材を結ぶ接続線上を挟んだ反対位置とされている車両用足踏み式ペダル装置である。
【発明の効果】
【0023】
上述した本発明の手段によれば、センサ取付ブラケットをペダルサポートブラケットに接合固定する固定フランジの配設形態が片持ち支持状態の場合であっても、ストロークセンサのセンサ取付ブラケットへの組付け時において、センサ取付ブラケットの撓み変形を防止ないし抑制することができる。その結果、その組付けをスムースに行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の車両用足踏み式ペダル装置は、車両に常用のブレーキ装置として装備される車両用足踏み式ブレーキペダル装置である。なお、図面に示される当該装置の構成は、基本的構成の一部が省略されて描かれていることがあり、描かれた各部の寸法比等は必ずしも正確ではない。また、
図1及び
図2における方向は、当該図に記載した左右方向、前後方向、上下方向の通りであり、この方向表示は、自動車等車両の通常の進行方向の姿勢状態を基準として示している。
【0026】
先ず、
図1及び
図2により本実施形態の車両用足踏み式ブレーキペダル装置10の全体構成を説明する。
図1は本実施形態のブレーキペダル装置10を車両の左側面方向から見た場合の平面図を示しており、
図2は当該装置10を車両の左上方から見た斜視図を示している。車両用足踏み式ブレーキペダル装置10は、自動車等車両において運転者が足で操作できる運転席の前部下方位置に配置されて装備される。そして、当該装置10は、ペダルサポートブラケット12と、ペダルアーム16と、ストロークセンサ28(
図11参照)と、センサ取付ブラケット24とを備える。
【0027】
ペダルサポートブラケット12は、左側側板12Lと、右側側板12Rと、後部連結板12Bとから構成される。左側側板12Lと右側側板12Rは概略平板状部位12Sとして形成されており、左右方向に間隔を置いて配置されている。間隔を置いて配置された左側側板12Lと右側側板12Rの後部位置の間には後部連結板12Bが配置されており、左側側板12Lと右側側板12Rを一体的に連結している。このペダルサポートブラケット12は前方位置でダッシュパネル14に取付けられて固定され、後方位置で不図示のインパネリインフォースメントに取付けられて固定される。
【0028】
すなわち、前方位置では、左側側板12Lと右側側板12Rの前端部が折り曲げられて取付フランジ12Lf、12Rfが形成され、
図1に示されるダッシュパネル14にボルト等により取付けられて固定される。後方位置では、後部連結板12Bがインパネリインフォースメント(不図示)に取付けられて固定される。インパネリインフォースメントは車両の車室の前部位置における左右方向の強度部材として左右両側の車体部材に橋架して配設される部材である。このようにして、前方位置と後方位置の2カ所でペダルサポートブラケット12は車両に強固に取付けられる。
【0029】
ペダルアーム16は車両の運転者が足の踏み込み操作によりブレーキ操作を行う部材である。そのため、
図1及び
図2で見てペダルアーム16の下端部には足踏み操作部18が備えられている。足踏み操作部18は通称ペダルパッドと称される。ペダルアーム16の上方部位は、ペダルサポートブラケット12の左側側板12Lと右側側板12Rとの間の間隔隙間に挿入して配置されており、ぺダルサポートブラケット12に回動可能に軸支されて取付けられている。詳細には、ぺダルサポートブラケット12の左側側板12Lと右側側板12Rの平板状部位12S個所において、軸ピン20により軸支されている。これにより、ペダルアーム16は軸ピン20を回動中心として回動可能な構成となっている。
【0030】
なお、ペダルアーム16にはぺダルサポートブラケット12の後部連結板12Bとの間にリターンスプリング22が懸架されている。このリターンスプリング22は、ブレーキ操作により回動されたペダルアーム16を、ブレーキ操作解除後に初期位置に戻す作用をなす。なお、
図1及び
図2に符号52で示す部材は、ぺダルアーム16とリンク連結された回動リンクレバーであり、軸ピン54により左側側板12Lと右側側板12Rのぺダルサポートブラケット12に回動可能に支持されている。回動リンクレバー52はぺダルアーム16の踏み込み操作により、軸ピン54を回動軸としてその上方部位が前方に回動する。これにより、上方部位に設定されるブレーキ作動ロッド取付部56が前方に移動する。これにより、不図示のブレーキ作動ロッドを作動させてブレーキマスタシリンダ等によりブレーキ力を発生させて、ブレーキ作用をなす。
【0031】
センサ取付ブラケット24は、ペダルサポートブラケット12の左側側板12Lにおける平板状部位12Sの左側面に、離間した配設状態として並行に取付けられる。そして、
図11に示すストロークセンサ28(
図1、
図2には不図示)がセンサ取付ブラケット24に組付けられて取付けられる。ストロークセンサ28はぺダルアーム16の回動操作量を検出するための機器である。センサ取付ブラケット24のペダルサポートブラケット12への配設構成が本実施形態の特徴とする構成であるので、詳細を後述する。
【0032】
図3〜
図5は本実施形態が特徴とするセンサ取付ブラケット24に設定するストッパ手段30がストッパフランジ32の場合の実施形態である。
図3及び
図4はセンサ取付ブラケット24の単品を示し、
図3は平面図、
図4は斜視図を示す。
図5はセンサ取付ブラケット24をペダルサポートブラケット12に取付けた状態を示す。
図3及び
図4に示すように、センサ取付ブラケット24は、ストロークセンサ28を設置する設置部位34の形状が変形した長円形状とされている。詳細には、長円方向の中央部位置が膨らんだ形状とされている。そして、膨らんだ位置に大径の丸孔36が形成されている。なおセンサ取付ブラケット24は鋼板製である。
【0033】
センサ取付ブラケット24の長手方向における丸孔36の両側には、ボルト26が2本突設されている。このボルト26が本発明の棒状部材に相当する。この2本のボルト26を個別に指称するときは、一方のボルト26A、他方のボルト26Bとして区別する。一方のボルト26Aと他方のボルト26Bは丸孔36を挟んだ対称位置にあり、間隔を置いた配置形態にある。ボルト26は
図5に示すように頭部Hを備えており、この頭部Hが
図5で見てセンサ取付ブラケット24の設置部位34の下面に溶接されて固定される。なお、
図3に示すように、丸孔36の中心Cは、一方のボルト26Aと他方のボルト26Bとを結ぶ接続線X上の位置にあり、且つ、一方のボルト26Aと他方のボルト26Bの中間位置にある。
【0034】
センサ取付ブラケット24には、従来と同様の固定用フランジ38が設定されている。固定用フランジ38は一方のボルト26Aに近接した位置に形成されている。なお、本実施形態で「近接した位置」とは、一方のボルト26Aと他方のボルト26Bからの直線距離で比較した場合に近い方となる位置を意味する。固定用フランジ38は本実施形態では2個形成されている。
図3で見て2本のボルト26を結ぶ接続線X方向に形成される第1固定用フランジ38Aと、接続線Xと直交する方向に形成される第2固定用フランジ38Bとからなる。固定用フランジ38は共に断面L字形状に形成されており、
図4に良く示されるように立設部位40と固定面部位42とからなる。なお、2個の固定用フランジ38は共にセンサ取付ブラケット24の設置部位34と一体に形成されている。
【0035】
固定用フランジ38の立設部位40は、
図5に示すようにセンサ取付ブラケット24をぺダルサポートブラケット12の左側側板12Lに配設した場合に、平板状部位12Sから離間した配設状態とするための部位である。そして、固定面部位42はぺダルサポートブラケット12の平板状部位12Sにスポット溶接により固定して取付ける部位であり、これによりセンサ取付ブラケット24がぺダルサポートブラケット12に固定状態として取付けられる。なお、
図3〜5において、固定面部位42におけるスポット溶接個所を×印で示した。
図1及び
図2においても同様に示した。
【0036】
次に、センサ取付ブラケット24には、本実施形態が特徴とするストッパフランジ32が設定されている。ストッパフランジ32は他方のボルト26Bに近接した位置に設定されている。ストッパフランジ32は本発明のストッパ手段30に相当する。ストッパフランジ32は、
図3〜
図5に示す実施形態では、センサ取付ブラケット24の設置部位34と一体に形成されている。そして、ストッパフランジ32の形成位置はセンサ取付ブラケット24の設置部位34の外形形状範囲内に形成されている。本実施形態において外形形状範囲内とは、設置部位34の外形面を折り曲げ形成した場合に板厚分がわずか突出して形成される形状は含む意味である。しかるところ、
図3〜
図5に示されるストッパフランジ32は設置部位34の外形形状からわずか突出して形成されているが、設置部位34の板厚分の突出であるので、外形形状範囲内とみなされるものである。
【0037】
図5に示すように、ストッパフランジ32は、ペダルサポートブラケット12の左側側板12Lの平板状部位12Sに向けて、センサ取付ブラケット24の設置部位34の端面部が折り曲げられて形成されている。ストッパフランジ32の先端(
図5で見て下方端)は、ペダルサポートブラケット12の左側側板12Lの平板状部位12Sに非固定状態で配設される形態として形成されている。具体的には、本実施形態においては、固定用フランジ38の立設部位40によるペダルサポートブラケット12とセンサ取付ブラケット24との離間間隔は10〜15mmとされている。これに対してストッパフランジ32の先端を非固定状態とするペダルサポートブラケット12との隙間間隔は2〜3mmとされている。
【0038】
図11は上述したセンサ取付ブラケット24に組付けられるストロークセンサ28の一例を示す。ストロークセンサ28はぺダルアーム16の回動操作量を検出するための機器である。ストロークセンサ28の機器本体44の両側には2個の組付孔46が備えられており、センサ取付ブラケット24のボルト26に嵌め込まれて取付けられる。詳細には、2個の組付孔46は第1組付孔46Aと第2組付孔46Bとから成り、第1組付孔46Aが一方のボルト26Aに嵌め込まれ、第2組付孔46Bが他方のボルト26Bに嵌め込まれる構成となっている。なお、ストロークセンサ28にはセンサレバー48を備える。センサレバー48は
図1及び
図2に示すバンパブラケット58に切欠き形成された係止孔60に係止されて、ペダルアーム16の回動をストロークセンサ28に伝える役目をなす。バンパブラケット58はペダルアーム16に溶接されて一体連結されている。
【0039】
図6はストロークセンサ28をセンサ取付ブラケット24に組付ける状態を示す。
図6においてストロークセンサ28の図示は斜線のブロック図として簡略化して示されている。ストロークセンサ28の組付けは、第1組付孔46Aが一方のボルト26Aに嵌め込まれ、第2組付孔46Bが他方のボルト26Bに嵌め込まれることにより行われる。この嵌め込みの際の荷重支持はセンサ取付ブラケット24を介して左側側板12Lのペダルサポートブラケット12で行われる。詳細には、センサ取付ブラケット24に形成された固定用フランジ38とストッパフランジ32により行われる。
【0040】
固定用フランジ38は2個配置されているが、共に一方のボルト26Aに近接した位置に配設されている。このため、ストロークセンサ28の嵌め込みにおいて、一方のボルト26Aに作用する支持荷重は、専ら固定用フランジ38を介して支持される。また、ストッパフランジ32は他方のボルト26Bに近接した位置に配設されている。このため、ストロークセンサ28の嵌め込みにおいて、他方のボルト26Bに作用する支持荷重は、専らストッパフランジ32を介して支持される。
【0041】
なお、固定用フランジ38による支持は、従来同様に、その固定面部位42がペダルサポートブラケット12の左側側板12Lにスポット溶接により接合固定されて支持される。本実施形態が特徴とする構成のストッパフランジ32による支持は、ストッパフランジ32の先端と左側側板12Lのペダルサポートブラケット12とが非固定状態で配設されて支持される。この非固定状態の支持は、ストロークセンサ28の組付け時においてセンサ取付ブラケット24の実質的な撓み変形が防止ないし抑制されて支持される。そのため、本実施形態では、非固定状態とするための隙間間隔は前述もしたように2〜3mmとされている。なお、この隙間間隔は、本実施形態では、車両走行中にストッパフランジ32の先端がペダルサポートブラケット12を打撃することによる異音を防止するために形成したものである。したがって、異音を問題にしなければ、隙間間隔を0mmとして、すなわち接触状態の非固定状態として配設してもよい。
【0042】
また、上記の打撃音対策としてストッパフランジ32の先端にゴム等弾性体やフエルト等の緩衝材(不図示)を設定する構成としてもよい。この場合にも、ストッパフランジ32の先端部の隙間間隔を0mmとする構成とすることができる。しかし、ストロークセンサ28の組付け時に障害とならない撓み変形レベルであれば隙間間隔を設けて構成してもよい。
【0043】
以上、説明したように、本実施形態においてはストロークセンサ28の組付け時に生じる支持荷重は、センサ取付ブラケット24に間隔を置いて配設される固定用フランジ38とストッパフランジ32により支持される。その結果、従来の
図17に示すような組付け時におけるセンサ取付ブラケット124の撓み変形を防止ないし抑制することができる。そして、ストロークセンサ128のセンサ取付ブラケット124への組付けを容易、且つ確実に行うことができる。
【0044】
図7は上記実施形態におけるストッパフランジ32の変形例を示す。上記のストッパフランジ32はセンサ取付ブラケット24の設置部位34と一体に形成したが、この変形例のストッパフランジ33は、着脱自在に構成するものである。そのため、ストッパフランジ33は設置部位34の端縁部を挟むための挟持部50が形成されている。この挟持部
50によりストッパフランジ33の着脱が可能とされる。
【0045】
上記した着脱可能とされるストッパフランジ33においては、このストッパフランジ33をストロークセンサ28の組付け時のみ装着し、組付け後は取り外すことができる。これにより、通常時における軽量化を図ることができる。
【0046】
図8はセンサ取付ブラケット24に形成する固定用フランジ38が1個の場合を示す。
図8に示す実施形態では
図3及び
図4に示す実施形態における2個の固定用フランジ38A,38Bのうち、固定用フランジ38Bを削除した形態の構成である。これにより、ペダルサポートブラケット12に接合固定する溶接個所は1箇所となり、簡素(シンプル)な構成とすることができる。その結果、他の車種とのセンサ取付ブラケット24の共用化を図ることができて、汎用性の向上を図ることができる。また、固定用フランジ38Bを削除する分だけ軽量化を図ることができ、ストッパフランジ32を設置する分の重量増との相殺を図ることができる。
【0047】
また、
図8に示す固定用フランジ38の配設位置とストッパフランジ32の配設位置は、一方のボルト26Aと他方のボルト26Bとを結ぶ接続線X上を挟んだ反対位置とされている。これにより、センサ取付ブラケット24の配設が安定した配設となる。
【0048】
次に、
図9及び
図10に示すストッパ手段30の他の実施形態について説明する。
図9及び
図10に示す実施形態のストッパ手段30は、センサ取付ブラケット24に設置される他方のボルト26Bの頭部Hにより設定される場合である。本実施形態では、
図10に示すように他方のボルト26Bの頭部Hの高さを高く設定して、ペダルサポートブラケット12と前述したストッパフランジ32と同様の非固定状態の配置形態構成とするものである。これにより、他方のボルト26Bの頭部Hが前述のストッパフランジ32と同様の作用効果をなして、ストロークセンサ28の組付け時におけるセンサ取付ブラケット24の撓み変形を防止ないし抑制する作用をなす。
【0049】
上記した他方のボルト26Bにストッパ手段30を設定した場合には、そのストッパ手段30の位置は、他方のボルト26Bに最も近接した位置となる。なお、他方のボルト26Bの頭部Hの先端部にも、ストッパフランジ32の場合と同様に打撃音対策として緩衝材を設置してもよい。
【0050】
なお、センサ取付ブラケット24を片持ち支持とした構成におけるストロークセンサ28の組付け時における撓み変形を防止ないし抑制する別の手段として、センサ取付ブラケット24の設置部位34の周囲に補強用のリブフランジを形成する方策がある。しかし、補強用のリブフランジは設置部位34の周囲の全周に亘って形成されることになるので、センサ取付ブラケット24がその分だけ大幅に重量増加する不都合が生じる。
【0051】
以上、本発明を特定の実施形態について説明したが、本発明は、その他各種の形態でも実施可能である。
【0052】
例えば、上記実施形態は車両用足踏み式ペダル装置が、常用のブレーキペダル装置の場であったが、車両用として用いられるパーキングブレーキ装置やアクセルペダル装置等の各種の足踏み式ペダル装置に適用することができる。
【0053】
また、上記実施形態においては、固定用フランジ38における固定面部位42のペダルサポートブラケット12への接合固定はスポット溶接により行ったが、その他の溶接手段でも良く、また、溶接以外の接合手段、例えば接着手段によってもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、ストッパ手段30はセンサ取付ブラケット24の外形形状範囲内に配設したが、外形形状範囲外に配設するものであってもよい。
【0055】
また、上記実施形態におけるストッパ手段30としてのストッパフランジ32の設定は1箇所であったが、2箇所以上であってもよい。
【0056】
また、上記実施形態におけるストッパフランジ32はセンサ取付ブラケット24における設置部位34の外形端部に形成したが、設置部位34の面を切り起こした片部によって構成してもよい。
【0057】
また、上記実施形態におけるストッパフランジ32によるストッパ手段30と、他方のボルト26Bにおける頭部Hの高さとして設定するストッパ手段30とを併置する構成としてもよい。
【0058】
なお、最後に上述の「課題を解決するための手段」における各発明に対応する上記実施形態の作用効果を付記しておく。
【0059】
先ず、本発明の第1の発明によれば、ストロークセンサを組付けるための2本の棒状部材を備えるセンサ取付ブラケットには、固定用フランジとストッパ手段が設置される。そして、固定用フランジは間隔を置いて配設される2本の棒状部材のうち一方の棒状部材に近接した位置に配設されて、ぺダルサポートブラケットの平板状部位の側面に接合固定される。ストッパ手段は他方の棒状部材に近接した位置に配設されて、センサ取付ブラケットの撓み変形を防止ないし抑制するようにペダルサポートブラケットに対して非固定状態で設定される。このため、固定用フランジとストッパ手段も2本の棒状部材と同様に間隔を置いた配置状態となる。これにより、センサ取付ブラケットにストロークセンサを取付ける際の取付荷重支持は、間隔を置いて配設される固定用フランジとストッパ手段の両持形態の支持となる。且つ、ストッパ手段はセンサ取付ブラケットの撓み変形を防止ないし抑制するように配設される。これにより、センサ取付ブラケットのぺダルサポートブラケットへの取付を確実に且つ容易に行うことができる。
【0060】
次に、本発明の第2の発明によれば、上述した第1の発明におけるストッパ手段はセンサ取付ブラケットに配設されるストッパフランジである。これにより、ストッパ手段をフランジ構成の簡単な構成とすることができて、重量増加を抑制できる。
【0061】
次に、本発明の第3の発明によれば、上述した第2の発明におけるストッパフランジはセンサ取付ブラケットの外形形状範囲内に配設される構成である。これにより、ストッパフランジを配設するために、センサ取付ブラケットの外形形状範囲以外のスペースを必要としない。
【0062】
次に、本発明の第4の発明によれば、上述した第2の発明又は第3の発明におけるストッパフランジはセンサ取付ブラケットに一体に形成される。これにより、ストッパフランジを部品点数を増やすことなく構成できる。
【0063】
次に、本発明の第5の発明によれば、上述した第2の発明又は第3の発明におけるストッパフランジはセンサ取付ブラケットに着脱自在に取付けられる。これにより、ストロークセンサをセンサ取付ブラケットに取付けた後、ストッパフランジをセンサ取付ブラケットから取り除くことができて、取り除いた場合には、その分だけ軽量化を図ることができる。また、取り除いた場合には、センサ取付ブラケットとぺダルサポートブラケットの配設空間が広くなる。これにより、車両走行中等に生じるストッパフランジがぺダルサポートブラケットに接触する打撃異音を防止ないし抑制することができる。
【0064】
次に、本発明の第6の発明によれば、上述した第1の発明における棒状部材は頭部を有するボルトであり、ストッパ手段はボルトの頭部の高さにより設定される構成である。これにより、ボルトの頭部によりストッパ手段を構成できるので、部品点数を増加させることなく構成することができる。
【0065】
次に、本発明の第7の発明によれば、上述した各発明における固定用フランジは1箇所である。これにより、固定用フランジをぺダルサポートブラケットに接合固定するスペースを最小限とすることができる。また、これにより、固定用フランジをシンプルな構成とすることができて、スペース上の制約が少なくなる。その結果、汎用性の向上を図ることができ、他の車種とセンサ取付ブラケットの共用化を図ることもできる。
【0066】
次に、本発明の第8の発明によれば、上述した各発明における固定用フランジの位置とストッパ手段の配設位置とは、2本の棒状部材を結ぶ接続線上を挟んだ反対位置とされている。これにより、センサ取付ブラケットの配設が安定する。