【実施例】
【0088】
具体的な実施形態を結合して、本発明をさらに説明する。本発明の実施形態は、特に断らない限り、当業者に既知の化学、生化学、組換えDNA技術及び免疫学の通常の方法を用いる。これらの技術は文献で十分に説明されている。例えば、「ペプチド:化学及び生物学」、科学出版社、N.Sewald、H.D.Jakubke著、劉克良、何軍林ら翻訳;「基礎免疫学」(Fundamental Virology)、第二版、第I及びII卷(B.N.Fields及びD.M.Knipe編集);「実験免疫学のハンドブック」(Handbook of Experimental Immunology)、第I〜IV巻(D.M.Weir及びC.C.Blackwell編集、Blackwell Scientific Publications);T.E. Creighton,「タンパク質:構造と分子特性」(Proteins: Structures and Molecular properties)(W.H. Freeman and Company、1993); A.L. Lehninger、「生物化学」(Biochemistry) (Worth Publishers, Inc.最新版);Sambrookら、「分子クローニング:実験室マニュアル」(Molecular Cloning: a Laboratory Manual)、第二版、1989;「酵素学方法」(Methods in Engymology)(S.Colowick及びN. Kaplan編集、Academic Press,Inc.)を参照する。また、本発明における「含む」は、「からなる」も含むことと理解される。本文に使用されるアミノ酸配列の番号、すなわち、「SEQ ID NO:1〜29、38、39及び41」は、アミノ酸配列自体を指し、N末端及びC末端の修飾を含まない。
【0089】
実施例1:ポリペプチドの調製及び修飾
ポリペプチド合成標準Fmocプロトコールによって、0.25mM樹脂から開始して、以下の配列のようにカルボキシ末端からアミノ末端まで残基を伸びて合成し、最後にN末端修飾を加えることができる。ペプチド合成の完了後、切削液で切断し、G6砂コアガラス漏斗で樹脂を除去し、濾液を真空乾燥し、C末端ポリペプチドをさらにアミド化することができる。イオンフリー水でポリペプチド生成物を溶解し、AKTA explorer 100型中圧分取液体クロマトグラフィーC18カラムで精製し、主ピークを段階的に集めた。標的ピークの収集試料を、Agilent 1100 型逆相高速液体クロマトグラフィーPhenomenex C18分析カラムによって同定し、LCQ Advantage質量分析計で分子量を同定した。中圧分取液体クロマトグラフィーの精製により得られた収集液を凍結乾燥し、PBSに溶解してポリペプチド原液を調製し、0.20μMでろ過して菌を除去し、-80℃で冷凍保存した。HPLC純度同定及びMASS質量スペクトル分子量の同定は
図1を参照する。
【0090】
【表4】
【0091】
実施例2:ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)の単離及び培養
臍帯保存液の準備:150mlのPBS +3倍の作業濃度の二重抗体(ペニシリン/ストレプトマイシン);完全培地の準備:80ml M199 + 20ml FBS + 1ml ECGS +1ml 100Xの二重抗体+1mlヘパリン溶液(0.5%W/V)+ 1ml 200mMのグルタミン;分離器の準備:1個の手術湾曲プレート、4〜5個の血管鉗子、2個の外科用ハサミ、直径約10cmのガラスペトリ皿;I型コラゲナーゼの調製:1%(W/V)とする。
【0092】
胎児臍帯の端部から20cmを取って、洗浄し、両端を結んで、150ml臍帯保存液に入れた。4℃冷蔵庫で保存して、6時間以内に消化させた。臍帯を検査して、損傷部分を除去し、臍帯静脈を充分に洗浄した後、10mlのコラゲナーゼ溶液に注入し、37℃インキュベーターに転移して、15分間消化させた。臍帯を取って、消化液を収集し、PBSで洗浄し、遠心分離した後、培養を再懸濁し、24時間後培地を交換し、壁に接着できない細胞を除去した。
【0093】
実施例3:ポリペプチドのヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)及び腫瘍細胞に対する抑制
MTTアッセイで細胞増殖に対する抑制を測定した。その原理は、生細胞のミトコンドリアにおけるコハク酸デヒドロゲナーゼが外因性MTT(3-(4,5-ジメチルチアゾール-2)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド)を水不溶性青紫色のホルマザン(Formazan)結晶へ還元し、細胞中に沈着させるが、死んだ細胞はこの機能がないことである。ジメチルスルホキシド(DMSO)は、細胞におけるホルマザンを溶解し、ELISAリーダーで波長490/570nmにおける吸光度を測定して、間接に生細胞の数を反映できる。所定数量の細胞範囲内で、形成されるMTT結晶の量は、細胞数に比例する。対数期のHUVEC細胞又は腫瘍細胞に対して、培養上清を捨て、PBSで1回洗浄し、1mlの0.25%トリプシン(4℃)を入れて、37℃で2分間消化し、培養上清を添加して中和し、細胞をピペッティングして懸濁液とした後、1000rpmで3分間遠心分離した。上清を捨て、5mlの培地に再懸濁させた。3×10
4/mlで48ウェルプレートに接種し、500μl/ウェルとした。5%CO
2、37℃で24時間培養した。培養した細胞の上清を捨て、ポリペプチド含有培地(培地は濃度17.39μmol/LのZn
2+を含有する)を添加し、48時間培養続けた。慎重に各ウェルの上清を捨て、450μl/ウェルのPBSで1回柔らかく洗浄した。各ウェルに450μlのMTT培地を添加し、4時間培養を続けた。慎重に各ウェルの上清を捨て、450μl/ウェルでジメチルスルホキシドを加え、光線を避けて振盪器で低速振動を10分間行った。150μlの上清を96ウェルELISAプレートに移し、ELISAリーダーで、OD490nm、570nmで吸光度を測定した。
【0094】
実施例4:ポリペプチドのN末端修飾及びC末端修飾がその活性に及ぼす影響
実施例1に示す合成方法により、下記の表で示される配列がSEQ ID NO: 2であるポリペプチドを合成し、N末端及び/又はC末端修飾を有する又は有しない。ただし、Acはアセチル化修飾であり、NH
2はアミド化修飾である。それに対して、HPLC純度同定及びMASS質量スペクトル分子量の同定を行った。
【0095】
【表5】
【0096】
組換えヒトエンドスタチン(endostatin,SEQ ID NO: 1)は、市場から購買できる(例えば、Genetexのカタログ番号GTX65524、BioVisionのカタログ番号4799-1000、上海博昇生物科技有限会社のカタログ番号E2296-05、武漢博士徳生物工程有限会の社カタログ番号 番号BP4153等)。市販の組換えヒトエンドスタチン薬物エンドスター(endostar,SEQ ID NO: 10)は、医療機関から購入した。
【0097】
実施例3に示す方法により、ポリペプチド濃度1mg/ml、組換えヒトエンドスタチン濃度5mg/ml(ポリペプチド及びエンドスタチンは等モル濃度に近い)の試験条件下で、P1、P2、P3及びP4ポリペプチド、エンドスタチン、エンドスターが、HUVECに対する抑制の生物学的活性を測定し、測定結果は
図2のとおりである。
【0098】
実施例5:ポリペプチドの構造活性相関に関する研究
実施例1に示す合成方法により、配列が下記の表に示されたポリペプチドを合成し、HPLC純度同定及びMASS質量スペクトル分子量の同定を行った。実施例3に示す方法により、1mg/ml濃度条件下、ポリペプチドのHUVECに対する抑制の生物学活性の測定を行って、測定結果は
図4のようである。
【0099】
【表6】
【0100】
文献に(EMBO J. 1998年3月16日; 17(6):1656〜1664)に記載されたエンドスタチン構造(PDBデータベース構造番号1BNL)を基礎として、INSIGHT IIIソフトウェアを用いて、前記ポリペプチドに対してホモロジーモデリングを行って、P2ポリペプチドの優勢な立体配座を得た。次いで、完全活性空間多配置(CASSCF)を用いて、P2ポリペプチドの最高被占分子軌道(HOMO)エネルギー及び最低空分子軌道(LUMO)エネルギーを計算した。これに基づいて、独創のアルゴリズム-ポリペプチドのアミノ酸2次元相乗効果反復空間ポテンシャル場アルゴリズム(2-D synergistic iterative algorithms in spacial point field,2-D SIASPF)により、P2ポリペプチドにおけるアミノ酸に対してペアワイズ組み合わせのシミュレーション反復置換を行って、置換によってポリペプチドZnイオン結合活性領域(1H、3H、11H)で引き起こす電子密度の平方偏差相加を計算し、アミノ酸組み合わせの生物活性に対する実測値に基づいて、P2の各アミノ酸の二つの部位間の生物活性の相乗関係について評価した結果、ポリペプチドの2番目及び18番目のアミノ酸の生物活性の相乗性に対して影響が最も高かった。
【0101】
実施例6:ポリペプチドのアミノ酸置換がその活性に及ぼす影響
2番目及び18番目のアミノ酸のP2ペプチド組み合わせのペプチドライブラリーを構築した。AAPPTEC会社のApex396全自動High Throughputペプチドシンセサイザーを用いて、次の表に示した配列を有するポリペプチドを合成した。ただし、X
1及びX
3は任意の天然アミノ酸であり(以下の表を参照)、X
2及びX
4はSであり、X
5及びX
6は、Gである。
【0102】
【表7】
【0103】
実施例3に示す方法により、1mg/ml濃度条件下、ポリペプチドのHUVECに対する抑制の生物学的活性を測定し、測定結果の次の表に示した。
【0104】
【表8】
【0105】
表において,小文字a、b、c、d、e、f、g、h、i及びjはそれぞれ下記の意味を示す:
a:細胞活性0〜10%;b:細胞活性11〜20%;c:細胞活性21〜30%;d:細胞活性31〜40%;e:細胞活性41〜50%;f:細胞活性51〜60%;g:細胞活性61〜70%;h:細胞活性71〜80%;i:細胞活性81〜90%;j:細胞活性91〜100%。
【0106】
実施例7:ポリペプチドの腫瘍細胞及びHUVECのin vitro増殖に対する抑制
実施例1に示す合成方法により、配列が下記の表に示されたポリペプチドを合成し、HPLC純度同定及びMASS質量スペクトル分子量の同定を行った。
【0107】
【表9】
【0108】
SEQ ID NO:1の配列のような組換えエンドスタチン(endostatin)、SEQ ID NO: 10の配列のような市販される薬物エンドスター(endostar)に対して、実施例3に示す方法により、HUVEC及び腫瘍細胞HepG2に対する抑制作用を測定し、測定結果は
図5A、
図5B及び下記の表を参照する。結果は、P2T2S18及びP2T2N18の生物活性がP2より顕著に高く、そのIC
50濃度がP2より10倍低いことを示した。しかし、2番目のアミノ酸の単一の点突然変異を有するポリペプチドP2T2及び18番目のアミノ酸の単一の点突然変異を有するP2N18とP2S18の生物活性が、いずれもP2より低かった。従って、P2T2S18とP2T2N18の高生物活性は、2番目のアミノ酸と18番目のアミノ酸の共通の変異による予想外の相乗効果により生じ、通常の点突然変異スキャニング法により、本発明のP2T2S18とP2T2N18の高生物活性構造を得ることが困難であることが分かる。
【0109】
【表10】
【0110】
実施例8:ポリペプチドのSPC-A-1腫瘍細胞のin vitro死亡に対する誘導
実施例3に示す方法により、ポリペプチドの濃度2.5mg/mlの条件下ポリペプチドのSPC-A-1肺癌細胞系に対する細胞死亡の誘導作用を測定し、光学顕微鏡下で24時間観察し撮影した。結果は
図6に示すように、p2を培地に添加した後4時間から作用を発揮し、細胞が収縮し、24時間で細胞が基本的に死亡し、p2が細胞死を誘導する方式はアポトーシスと類似した。P2T2S18を培地に添加した後、2時間後から細胞に対して激烈に作用を発揮したが、細胞が収縮したのではなく、極度に膨張した。4時間後に膨張が更に加速化して、8時間後細胞は破裂し始め、24時間で細胞残屑のみが存在した。P2T2S18による細胞死亡は驚くことであり、現在このような細胞死亡がどのパータンであるかを確定できなく、報告されたこともない。しかしながら、このような細胞死亡パータンは、P2による細胞死亡とは著しく異なることは明らかである。実施例7の結果を組み合わせてみると、P2T2S18は生物活性がP2より顕著に高いばかりでなく、細胞死亡を引き起こす方式もP2とは明らかに異なる。
【0111】
実施例9:ポリペプチドのHUVECのin vitro増殖に対する抑制
実施例1に示す方法により、配列が下記の表のようなポリペプチドを合成し、HPLC純度同定及びMASS質量スペクトル分子量の同定は
図1及び
図7A〜7Jを参照する。
【0112】
【表11】
【0113】
実施例3に示す方法により、ポリペプチドのHUVECに対する抑制活性を測定した。各ポリペプチドは等モル濃度条件下で測定し、P2T2S18ポリペプチドの300μM濃度は約1mg/mlに相当する。結果は
図8と下記の表を参照し、P2T2S18のC末端が所定の範囲内で短縮又は延長した後依然として生物活性を有することが分かる。
【0114】
【表12】
【0115】
実施例10:ポリペプチドの種々の腫瘍細胞のin vitro増殖に対する抑制
実施例3に示す方法により、ポリペプチド濃度1mg/ml条件下P2 (配列番号SEQ ID NO: 2)とP2T2S18 (配列番号SEQ ID NO: 6)ポリペプチドが、種々の腫瘍細胞SMMC7721、SPC-A-1、A549、LS174T、BEL7402、CK-MES-1、BxPC-3に対するin vitro抑制作用を測定し、測定結果は
図9と下記の表に示した。従って、P2T2S18はP2より、種々の腫瘍に対する抑制活性が顕著に増加され、P2T2S18のIC
50濃度はいずれもP2 IC
50濃度の1/10より小さい。特に、LS174T結腸癌細胞に対して、P2は抑制活性を示されていなく、薬物濃度が1mg/mlである場合、細胞生存率が高く、95%であった。しかしながら、P2T2S18がこの細胞に対する抑制活性はかなり顕著であり、同じ濃度条件下ほぼ全ての腫瘍細胞を殺傷し、細胞生存率は1%のみであった。
【0116】
【表13】
【0117】
実施例11:ポリペプチドの腫瘍細胞及びHUVECのin vitro増殖に対する抑制
実施例1に示す方法により、配列が下記の表のようなポリペプチドを合成し、HPLC純度同定及びMASS質量スペクトル分子量の同定は
図1及び
図3A〜3Fを参照する。実施例3に示す方法により、HUVECに対する抑制作用を測定し、測定結果は
図10を参照する。
【0118】
【表14】
【0119】
実施例12:in vivoにおける腫瘍モデルの確立
in vitro培養状態が良好である対数増殖期の腫瘍細胞を取って、ヌードマウス皮下に5×10
6腫瘍細胞を含有する100μlの細胞懸濁培養物を接種した。15日後、成長良好な固形腫瘍を取って、無菌条件下で約3mmの大きさの均一な断片を切断し、トロカールを使用して各ヌードマウスの右脇皮下にこの断片を接種した。接種10〜14日後、腫瘍の大きさに基づいて再グループ化し、腫瘍が大きすぎる又は小さすぎる動物をアウトし、各群の平均腫瘍体積が基本的に一致した。各群に試験プロトコルに従って試験薬物を投与した。腫瘍塊の長径(a)及び短径(b)を週に2回測定した。試験後に動物を屠殺し、解剖して腫瘍を取り、腫瘍の分量を量って、撮影した。腫瘍体積TV = 1/2×a×b
2であり;腫瘍相対体積RTV= Vt/Voであり、Voはかごを分ける場合(投与1日前)測定した腫瘍体積であり、Vtは各測定時の腫瘍体積である。腫瘍抑制率(%)=(1-T/C)×100%であり、ただし、Tは治療群の平均腫瘍体積であり、Cは陰性対照群の平均腫瘍体積である。
【0120】
実施例13:ポリペプチドの腫瘍細胞のin vivo増殖に対する抑制
実施例1に示す方法により、配列が下記の表のようなポリペプチドを合成し、HPLC純度同定及びMASS質量スペクトル分子量の同定は
図1を参照する。
【0121】
【表15】
【0122】
SEQ ID NO:1の配列のような組換えエンドスタチン(endostatin)、SEQ ID NO: 10の配列のような市販される薬物エンドスター(endostar)に対して、実施例10に示す方法により、ヒト肝臓癌BEL7404腫瘍モデルを確立し、試験は以下の6群を設置した。陰性対照群は9匹動物とする以外に、他の試験群は、6匹/群とした。ただし、ポリペプチドとエンドスタチンの製剤量は等モルに近接する。試験結果は
図11A、
図11B及び下記の表を参照する。
【0123】
1)陰性対照群(生理食塩水、皮下注射sc、2回/日、21日間連続投与)
2)シクロホスファミドCTX(30mg/kg、腹腔内注射ip、1回/日、7日間連続投与)
3)P2群(15mg/kg/回、sc、2回/日、21日間連続投与)
4)P2T2S18群(15mg/kg/回、sc、2回/日、21日間連続投与)
5)エンドスタチン(50mg/kg/回、sc、2回/日、21日間連続投与)
6)エンドスター(50mg/kg/回、sc、2回/日、21日間連続投与)
【0124】
【表16】
【0125】
各試験群間RTVのt検定を行い、各p値は以下の表を参照する。P2は陰性対照群と比較して有意差(P = 0.015)がなく、腫瘍増殖を有意に抑制することができないことが分かる。P2T2S18は腫瘍の増殖を有意に抑制し、21日間投与した後腫瘍抑制率が76.7%に達した。ひいては、腫瘍に対するP2T2S18の抑制効果は化学療法剤CTXと近接し、両群間のRTVは有意差(P> 0.01)がない。注目すべきことは、試験において、P2T2S18試験群の動物は、毒性反応が現れなかったが、CTX群は典型的な化学療法の副作用が現れた。P2T2S18の腫瘍増殖の抑制作用は、P2(P<0.001)、エンドスタチン (P<0.001)及びエンドスター(P<0.001)より、有意に良好である。
【0126】
【表17】
【0127】
実施例14:ポリペプチドの併用化学療法薬の腫瘍細胞のin vivo増殖に対する抑制
実施例1に示す方法により、配列が下記の表のようなポリペプチドを合成し、HPLC純度同定及びMASS質量スペクトル分子量の同定は
図1を参照する。
【0128】
【表18】
【0129】
SEQ ID NO:1の配列のような組換えエンドスタチン(endostatin)、SEQ ID NO: 10の配列のような市販される薬物エンドスター(endostar)に対して、実施例10に示す方法により、ヒト肺癌A549腫瘍モデルを確立し、試験は以下の7群を設置し、6匹動物/群とした。ただし、ポリペプチドとエンドスタチンの製剤量は等モルである。
【0130】
1)陰性対照群:生理食塩水、sc、2回/日、21日間連続投与;
2)低用量シスプラチン(DDP)群:2mg/kg/日、ip、1回/日、7日間連続投与)
3)P2 + DDP群:
DDP:2mg/kg/日、ip、1回/日、7日間連続投与、
P2:15mg/kg/回、sc、2回/日、21日間連続投与;
4)P2T2S18 + DDP群:
DDP:2mg/kg/日、ip、1回/日、7日間連続投与、
P2T2S18:15mg/kg/回、sc、2回/日、21日間連続投与;
5)組換えエンドスタチンSEQ ID NO: 1 + DDP群:
DDP:2mg /kg/日、ip、1回/日、7日間連続投与、
エンドスタチン:50mg/kg/回、sc、2回/日、21日間連続投与;
6)組換えエンドスタチンSEQ ID NO: 10 + DDP群:
DDP:2mg/kg/日、ip、1回/日、7日間連続投与、
エンドスター:50mg/kg/回、sc、2回/日、21日間連続投与;
7)DDP高用量群:6mg/kg/日、ip、1回/日、7日間連続投与。
【0131】
試験結果は
図12A、
図12B及び下記の表を参照する。
【0132】
【表19】
【0133】
各試験群間RTVのt検定を行い、各p値は以下の表を参照する。P2併用DDP(2mg/kg)はDDP(2mg/kg)の腫瘍抑制作用を有意に高めることができなく、二つの試験群RTVを比較したが、有意差(P=0.011)がなかった。P2併用DDP(2mg/kg)の腫瘍抑制作用はDDP(6mg/kg)より有意に弱い、二つの試験群RTVを比較したが、有意差(P<0.001)があった。P2T2S18がDDP(2mg/kg)の腫瘍抑制作用を有意に高めることができる。P2T2S18併用DDP(2mg/kg)が腫瘍に対する抑制は、DDP(2mg/kg)より有意に高く、二つの試験群RTVを比較したが、有意差(P<0.001)があった。ひいては、P2T2S18併用DDP(2mg/kg)の腫瘍に対する抑制は、DDP(6mg/kg)より有意に高く、P2T2S18併用DDP(2mg/kg)は、投与21日後に腫瘍抑制率が99.7%に達し、6匹試験動物において、2匹動物のみの腫瘍は残存し、他の4匹動物の腫瘍は消失した。しかしながら、DDP(6mg/kg)群は投与21日後に6匹の動物は全て腫瘍が残存した。P2T2S18併用DDP(2mg/kg)群のRTVはDDP(6mg/kg)群より小さく,有意差(P<0.001)があった。つまり、P2T2S18併用DDP(2mg/kg)の治療効果はDDP(6mg/kg)より優れている。
【0134】
P2T2S18併用DDP(2mg/kg)群の治療効果は、P2併用DDP(2mg/kg)群((P <0.001)、エンドスタチン併用DDP(2mg/kg)群((P <0.001)、エンドスター併用DDP(2mg/kg)群(P <0.001)より有意に良好であった。
【0135】
特に、試験において、P2T2S18併用DDP(2mg/kg)試験群動物とDDP(2mg/kg)群は、明らかな毒性を示さなかったが、DDP(6mg/kg)群動物は、明らかな化学療法毒性反応を示した。
【0136】
【表20】
【0137】
実施例15:ポリペプチドの腫瘍細胞及びHUVECのin vitro増殖に対する抑制
実施例1の方法により、下記の表のようなポリペプチドを合成し、実施例3に示す方法により、0.1mg/mlのポリペプチド濃度条件下、HUVECに対する抑制作用を測定し、測定結果は
図13のようである。
【0138】
【表21】
【0139】
実施例16:ポリペプチドの腫瘍細胞及びHUVECのin vitro増殖に対する抑制
実施例1に示す方法により、配列が下記の表のようなポリペプチドを合成し、HPLC純度同定及びMASS質量スペクトル分子量の同定は
図14A及び14Bを参照する。実施例3に示す方法により、HUVEC及び腫瘍細胞HepG2に対する抑制作用を測定し、測定結果は
図15と16を参照する。結果は、P2T2S18及びP2T2S18-29の生物活性が類似し、いずれもP2より有意に高いことを示した。
【0140】
【表22】
【0141】
上記の具体的な実施形態は単なる例示であり、限定的なものではない。本出願の保護範囲は特許請求の範囲により限定される。当業者であれば、本発明の思想及び範囲から逸脱することなく、本発明の技術方案に様々な修正及び変更を加えることができ、これらの修正及び変更は依然として本発明の範囲に含まれることが理解される。