【実施例】
【0031】
スキーム1。化合物6の調製
【化3】
スキーム1:i)TBAHS、NaOH、トルエン ii)NBS、DMF iii)4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサ−ボロラン、Pd(dppf)Cl
2、KOAc、1,4−ジオキサン、90℃ iv)DIPEA、1,4−ジオキサン v)Na
2CO
3、Pd(PPh
3)
4、H
2O、1,4−ジオキサン、80℃ vi)LiOH、1,4−ジオキサン
【0032】
1の調製
【化4】
5,7−ジフルオロ−1H−インドール(30g、195.91mmol)のトルエン(500mL)溶液を、窒素下で撹拌した。TBAHS(5g、14.7mmol)を添加し、続いてNaOH(H
2O中50%)(105mL)を添加し、混合物を激しく撹拌した。p−トルエンスルホニルクロリド(63.5g、333.05mmol)を添加し、混合物を一晩撹拌した。溶液をトルエン250mLで希釈し、水で2回洗浄した。有機層をMgSO
4で乾燥し、固形分を濾過によって除去し、濾液の溶媒を減圧除去した。粗生成物をメタノール中で沈殿させ、終夜攪拌した。濾過によって沈殿物を回収し、真空で乾燥して、5,7−ジフルオロ−1−トシル−1H−インドール、1を得た。
【0033】
2の調製
【化5】
5,7−ジフルオロ−1−トシル−1H−インドール、1(50.85g、165.46mmol)のDMF(330mL)溶液に、NBS(35.34g、198.56mmol)を少しずつ添加した。50℃で1時間撹拌を続けた。混合物をNaOH(1N、200mL)の氷水(1L)溶液に撹拌しながら少しずつ添加し、一晩撹拌した。濾過によって沈殿物を回収し、真空で乾燥して、3−ブロモ−5,7−ジフルオロ−1−トシル−1H−インドール、2を得た。
【0034】
3の調製
【化6】
3−ブロモ−5,7−ジフルオロ−1−トシル−1H−インドール,2(60g、155.35mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボロラン(118.35g、466.06mmol)、Pd(dppf)Cl
2(22.74g、31.07mmol)およびKOAc(45.74g、466.06mmol)の混合物の1,4−ジオキサン(1500mL)溶液を、N
2雰囲気下で一晩、90℃に加熱した。全混合物を90℃で18時間撹拌した。濾過および濃縮の後、CH
2Cl
2からヘプタンへの勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィーによって、粗生成物を精製した。純生成物を含む画分をプールし、溶媒を減圧除去して、5,7−ジフルオロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1−トシル−1H−インドール,3を得た。
【0035】
4の調製
【化7】
3,5−ジクロロ−1,2,4−トリアジン(250mg、1.67mmol)の無水1,4−ジオキサン(35mL)溶液に、DIPEA(0.58mL、3.33mmol)および(+/−)−(トランス)−メチル3−アミノビシクロ−[2.2.2]オクタン−2−カルボキシレート(366mg、1.66mmol)を添加した。反応混合物を室温で4時間撹拌した。酢酸エチル(100mL)を加え、有機溶液を飽和NH
4Cl水溶液、水および塩水で洗浄した。有機層をMgSO
4で乾燥し、固形分を濾過によって除去し、濾液の溶媒を減圧除去した。酢酸エチルからヘプタンへの勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィーによって、粗生成物を精製した。所望の画分を回収し、溶媒を減圧除去して、(+/−)−(トランス)−メチル3−((3−クロロ−1,2,4−トリアジン−5−イル)アミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボキシレート,4を得た。
【0036】
5の調製
【化8】
250mL丸底フラスコ中、5,7−ジフルオロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1−トシル−1H−インドール,3(550mg、1.269mmol)、(+/−)−(トランス)−メチル3−((3−クロロ−1,2,4−トリアジン−5−イル)アミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボキシレート,4(313mg、1.06mmol)およびNa
2CO
3(187mg、1.77mmol)の混合物のH
2O(1mL)および1,4−ジオキサン(9mL)溶液を、N
2流で10分間脱気した。Pd(PPh
3)
4(61mg、0.053mmol)を添加し、混合物を12時間、80℃に加熱した。混合物を減圧下で濃縮し、粗生成物5をさらに精製することなく次の工程で使用した。
【0037】
6の調製
【化9】
100mLフラスコで、5(300mg、0.53mmol)の1,4−ジオキサン(9mL)溶液を室温で撹拌し、その間に、LiOH(13mg、0.53mmol)の蒸留水(1mL)溶液を添加した。混合物を80〜90℃で加熱し、4時間攪拌した。減圧下、1,4−ジオキサンを除去し、分取HPLC(固定相:RP XBridge Prep C18 OBD−10μm、30×150mm、移動相:0.25%NH
4HCO
3水溶液、CH
3CN)により、粗生成物を精製した。所望の画分を回収し、溶媒を減圧除去した。所望の画分を回収し、溶媒を減圧除去し、6を得た。LC−MS ES
+ m/z=400.1;Rt:1.41min,方法D。
【0038】
スキーム2。13の調製
【化10】
スキーム2:i)DPPA、ベンジルアルコール、Et
3N、トルエン、100℃、12時間 ii)HCl、CH
2Cl
2、CH
3OH、室温、48時間 iii)DIPEA、ACN、室温、2時間 iv)Na
2CO
3、H
2O、1,4−ジオキサン、80℃、24時間 v)TFA、室温、50℃、48時間 vi)DIPEA、HATU、ACN、DMF、室温、24時間 vii)LiOH、H
2O、1,4−ジオキサン、60℃、4時間
【0039】
7の調製
【化11】
Et
3N(70mL、503mmol)およびDPPA(78mL、362mmol)を、cis−3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]シクロヘキサンカルボン酸(78g、321mmol)のトルエン(1L)溶液に撹拌しながら添加し、得られた混合物を室温で4時間撹拌した。ベンジルアルコール(66.4mL、641.2mmol)を添加し、混合物を100℃に加熱した。12時間後、反応混合物を室温まで冷却し、EtOAcで希釈した。有機層をMgSO
4で乾燥し、固形分を濾過によって除去し、濾液の溶媒を減圧除去した。ヘプタンから酢酸エチルへの勾配を用いたシリカカラムクロマトグラフィーによって、粗生成物を精製した。純生成物を含む画分をプールし、溶媒を減圧除去して、ラセミ混合物を得た。キラル分離(固定相:Kromasil Amycoat10μm、移動相:80%CO
2、20%メタノールから80%CO
2、20%メタノールへの勾配)。所望の画分を回収し、溶媒を減圧下で除去して、7a、(−)−ベンジルtert−ブチル((cis)−シクロヘキサン−1,3−ジイル)ジカルバメート、[α]
D20−10.9(c0.47、DMF)、および7b、(+)−ベンジルtert−ブチル((cis)−シクロヘキサン−1,3−ジイル)ジカルバメート、[α]
D20+10.9(c0.52、DMF)を得た。
【0040】
8の調製
【化12】
磁気撹拌子を備えた500mLの丸底フラスコに、7a(10g、28.7mmol)、CH
2Cl
2(100mL)、およびメタノール(100mL)を添加した。6M HClのイソプロパノール溶液を室温で撹拌しながらゆっくりと添加し、48時間撹拌を続けた。溶媒を減圧除去し、粗生成物をイソプロパノールを含むジイソプロピルエーテル中で撹拌した。濾過によって白色の沈殿物を分離し、真空で乾燥して8を得た。
1H NMR(360MHz,DMSO−d
6)δ ppm 1.01−1.13(m,1H)1.16−1.36(m,3H)1.66−1.80(m,2H)1.86−1.99(m,1H)2.14(m,1H)2.95−3.17(m,1H)3.28−3.51(m,1H)4.95−5.08(m,2H)7.27−7.45(m,5H)8.21(s,3H).LC−MS ES
+ m/z=249.3;Rt:1.48分、方法B。
【0041】
9の調製
【化13】
磁気撹拌子を備えた100mL丸底フラスコに、2,4ジクロロ−5−フルオロ−6−メチルピリミジン(1g、5.53mmol)、ACN(35mL)、DIPEA(2.86mL、16.58mmol)、および8(1.6g、5.53mmol)を加えた。反応混合物を室温で2日間撹拌した。減圧下で溶媒を除去した。n−ヘプタンから酢酸エチルへの勾配を用いたシリカカラムクロマトグラフィーによって、粗生成物を精製した。最良の画分の溶媒を減圧除去して9を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ ppm 1.08(m,2.5Hz,1H)1.18−1.39(m,3H)1.68−1.83(m,3H)1.93−2.07(m,1H)2.21(m,3H)3.35−3.44(m,1H)3.82−3.93(m,1H)5.01(s,2H)7.28−7.39(m,6H)7.85(m,1H).LC−MS ES
+ m/z=393.2;Rt:2.03分、方法B。
【0042】
10の調製
【化14】
磁気撹拌子を備えた50mL丸底フラスコに、3(500mg、1.15mmol)、9(378mg、0.96mmol)、炭酸ナトリウム(210mg、1.98mmol)、水(1mL)および1,4−ジオキサン(10mL)の混合物を加えた。黄色懸濁液をN
2流で10分間脱気した。Pd(PPh
3)
4(57mg、0.05mmol)を添加し、混合物を24時間、80℃に加熱した。固形分を濾過によって除去し、濾液の溶媒を減圧除去した。n−ヘプタンから酢酸エチルへの勾配を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、粗生成物を精製した。最良の画分の溶媒を減圧除去して10を得た。LC−MS ES
+ m/z=664.5;Rt:2.65min,方法B。
【0043】
11の調製
【化15】
磁気撹拌子を備えた50mLの丸底フラスコに、10(270mg、0.407mmol)、CH
2Cl
2(5mL)、およびTFA(10mL)を加えた。反応混合物を室温で24時間撹拌した。さらなるTFA(10mL)を添加し、混合物を24時間、50℃に加熱した。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物11を得、これをさらに精製することなく次の工程で使用した。LC−MS ES
+ m/z=530.2;Rt:1.13min,方法A。
【0044】
12の調製
【化16】
磁気撹拌子を備えた50mL丸底フラスコに、1−メチル−1H−イミダゾール−4−カルボン酸(121mg、0.93mmol)、DMF(10mL)、ACN(20mL)、DIPEA(0.321mL、1.864mmol)およびHATU(378mg、0.99mmol)を加えた。この混合物を室温で5分間撹拌し、その後11(400mg、0.621mmol)を加えた。フラスコを密閉し、室温で24時間撹拌した。反応混合物の体積を減らし、水(400mL)中に注ぎ、酢酸エチル(3×100mL)で分配した。有機層をまとめ、硫酸ナトリウムで乾燥し、固形物を濾過により除去し、濾液の溶媒を減圧除去した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで、n−ヘプタンから酢酸エチルへの勾配を使用して精製した。最良の画分をプールし、溶媒を減圧除去して12を得た。LC−MS ES
+ m/z=638.5;Rt:2.34min,方法B。
【0045】
13の調製
【化17】
100mLフラスコで、12(230mg、0.361mmol)の1,4−ジオキサン(9mL)溶液を60℃で撹拌し、その間に、LiOH(86mg、3.61mmol)の水(1mL)溶液を添加した。混合物を1時間還流し、周囲温度で終夜撹拌した。1,4−ジオキサンを蒸発させ、粗生成物を酢酸エチル(20mL)に溶解し、撹拌し、濃HClで中和した。減圧下で溶媒を除去した。分取HPLC(固定相:RP XBridge Prep C18 ODB−5μm、30×250mm、移動相:0.25%NH
4HCO
3水溶液、CH
3OH)により、粗生成物を精製した。所望の画分を回収し、蒸発乾固した。CH
3OH添加後、溶液に2度目の濃縮を行って、13を得た。
1H NMR(360MHz,DMSO−d
6)δ ppm 1.26−1.57(m,4H)1.84(m,2H)2.07(m,2H)2.32(d,J=2.6Hz,3H)3.67(s,3H)3.92(m,1H)4.08−4.20(m,1H)7.05(m,1H)7.35(d,J=7.3Hz,1H)7.60−7.67(m,2H)7.72(d,J=8.4Hz,1H)8.05(m,1H)8.11(d,J=2.2Hz,1H)12.17(s,1H).LC−MS ES
+ m/z=484.2;Rt:1.87分、方法B.[α]
D20 −137.6°(c 0.8,DMF)
【0046】
14の調製
【化18】
工程1。(+)−7b(7g、20.09mmol)をCH
3OHに溶解し、次いでPd/C(855mg)を不活性雰囲気下で添加した。反応器の雰囲気を除去し、次いで水素で置換した。混合物をH
2(10bar)下、25℃で18時間撹拌した。H
2を除去し、次いで混合物をセライトで濾過し、溶媒を減圧下で除去して油状物を得た。LC−MS ES
+ m/z=215.1;Rt:0.727min,方法F。
【0047】
【化19】
工程2。14a(3.08g、14.36mmol)のイソプロパノール(150mL)溶液に、DIPEA(3.33mL、19.15mmol)、次いで2,4−ジクロロ−5−フルオロ−6−メチル−ピリミジン(2.89g、15.96mmol)を添加した。混合物を80℃で3時間加熱した。溶媒を減圧除去し、粗生成物をCH
2Cl
2に溶解した。有機層を水で洗浄し、MgSO
4で乾燥し、固形分を濾過によって除去し、濾液の溶媒を減圧除去した。n−ヘプタンから酢酸エチルへの勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィーによって、粗生成物を精製した。純生成物を含む画分をプールし、溶媒を減圧除去して、14bを得た。LC−MS ES
+ m/z=359.1;Rt:0.963,方法E。[α]
D23−72.5°(c0.14,CH
3OH)
【0048】
【化20】
工程3。3(2.8g、6.46mmol)、14b(2.32g、6.46mmol)、PdCl
2(dppf)(421mg、0.65mmol)およびK
3PO
4(4.12g、19.39mmol)の混合物の1,4−ジオキサン(10mL、N
2で脱気)および水(1mL)溶液を100℃に2時間加熱した。反応混合物をセライトで濾過し、濾液の溶媒の体積を減圧下で減らした。粗生成物を水およびCH
2Cl
2に分配した。有機層をMgSO
4で乾燥し、固形分を濾過によって除去し、濾液の溶媒を蒸発乾固した。ヘプタンから酢酸エチルへの勾配を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、粗生成物を精製した。純生成物を含む画分をプールし、溶媒を減圧除去して、14cを得た。LC−MS ES
+ m/z=630.2;Rt:1.45,方法E。[α]
D23−57.6°(c0.13,CH
3OH)。
【0049】
【化21】
工程4.14c(3.25g、5.16mmol)を1,4−ジオキサン(50mL)に溶解し、次いで4M HCl(7.74mL)ジオキサン溶液をゆっくりと添加した。次いで、濃HCl(1.5mL)を添加した。溶液を室温で1時間撹拌した。次いで、NaHCO
3(飽和、水溶液、5mL)の添加により反応を停止させた。懸濁液をCH
2Cl
2で洗浄した。有機層を蒸発乾固させて14dを得、これをさらに精製することなく使用した。LC−MS ES
+ m/z=530.2;Rt:0.982,方法E。
【0050】
【化22】
工程5。1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(188mg、1.49mmol)のTHF(14mL)溶液を含有するフラスコに、HBTU(1.074g、2.83mmol)を室温で5分間添加し、次いで不活性雰囲気下で、14dおよびDIPEA(0.62mL、3.54mmol)のDMSO溶液を添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下で濃縮して14eを得、これをさらに精製することなく使用した。LC−MS ES
+ m/z=638.2;Rt:1.21,方法E。
【0051】
【化23】
工程6。100mLフラスコに60℃で(−)−14e(230mg、0.36mmol)の1,4−ジオキサン(9mL)溶液を、LiOH(86mg、3.6mmol)の水(1mL)溶液を添加しながら加え、混合物を不活性雰囲気下、室温で一晩撹拌した。次いで、溶媒を真空下で除去し、残留物を水および酢酸エチルで分配した。有機層を蒸発乾固した。n−ヘプタンからアイソクラチック酢酸エチルを用いたシリカゲルクロマトグラフィーによって、粗生成物を精製し、(−)−14を得た。LC−MS ES
+ m/z=438.9;Rt:2.28,方法C。[α]
D23−202.3°(c0.14,CH
3OH)。MP>300℃。
【0052】
16の調製
【化24】
DMF(50mL)に溶解した臭素(11.8g、73.84mmol)の溶液を、7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(11.5g、73.92mmol)のDMF(350mL)溶液に撹拌しながら0℃で添加した。冷却浴を除去し、反応物を20℃で8時間撹拌し、その後、反応混合物を氷水に注ぎ、Na
2CO
3で塩基性化した。この混合物を酢酸エチルで抽出した。まとめた有機相をNa
2S
2O
3水溶液塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥し、固形物を濾過により除去し、濾液を減圧濃縮して、16,5−ブロモ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを黄色固体として得、さらに精製することなく次の工程に使用した。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ ppm 7.84(s,1H),8.84(s,1H),8.92(s,1H),12.57(br,1H).
【0053】
17の調製
【化25】
窒素下、0℃で、NaH(4.48g、112.01mmol)を、5−ブロモ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(12.8g、55.11mmol)の溶液に、撹拌しながら少しずつ添加した。混合物を5℃で1時間撹拌し、その後、p−トルエンスルホニルクロリド(11.6g、60.85mmol)を少しずつ添加した。反応混合物を室温まで温め、3時間撹拌した。反応混合物を氷と1MHCl水溶液との混合物に撹拌しながら注いだ。この混合物を酢酸エチルで抽出した。まとめた有機層を塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥し、固形物を濾過によって除去し、濾液を減圧濃縮した。粗生成物を酢酸エチルから結晶化させることによって精製して、17,5−ブロモ−7−トシル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ ppm 2.36(s,3H),7.47(d,J=8.0Hz,2H),8.06(d,J=8.0Hz,2H),8.31(s,1H),9.03(s,1H),9.06(s,1H).LC−MS ES
+ m/z=351.8;Rt:2.02min,方法D.
【0054】
18の調製
【化26】
還流冷却器を備えた500mL丸底フラスコにおいて、窒素下、5−ブロモ−7−トシル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(10g、28.39mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(14.42g、56.79mmol)、酢酸カリウム(8.36g、85.18mmol)、Pd(dppf)Cl
2(1g、1.37mmol)の1,4−ジオキサン(170mL、窒素で脱気)中混合物を80℃で16時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、充填Celiteで濾過し、固形物を酢酸エチルで洗滌した。濾液を減圧濃縮し、粗生成物をシリカカラムクロマトグラフィーで、n−ヘプタンから酢酸エチルへの勾配を使用して精製した。所望の画分を回収し、減圧濃縮して18,5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−7−トシル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを得た。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ ppm 1.33(s,12H)2.37(s,3H)7.47(d,J=8.36Hz,2H)8.11(d,J=8.58Hz,2H)8.14(s,1H)9.00(s,1H)9.10(s,1H).LC−MS ES
+ m/z=318.1;Rt:0.74min,方法A.
【0055】
19の調製
【化27】
密閉管中で、18(1.525g、3.82mmol)、9(1.6g、4.073mmol)およびK
2CO
3(5.73mL、2M、11.46mmol)のDME(24mL)溶液をN
2で5分間パージし、次いでPd(dppf)Cl
2でパージした。CH
2Cl
2(313mg、0.38mmol)を添加した。混合物を撹拌し、オートクレーブ中、110℃で60分間加熱し、次いでダイカライトで濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。n−ヘプタンからn−ヘプタン中25%EtOAcへの勾配を用いたシリカカラムクロマトグラフィーによって、粗生成物を精製した。最良の画分の溶媒を減圧除去して固体を得た。LC−MS ES
+ m/z=630.2;Rt:1.28min,方法A。
【0056】
20の調製
【化28】
Pd/C(10%)(173mg、0.163mmol)をN
2雰囲気下、CH
3OH(15mL)およびTHF(15mL)の混合物に添加した。その後、19(410mg、0.651mmol)を添加し、反応混合物をH
2雰囲気下、25℃の温度で1当量の水素が消費されるまで撹拌した。触媒をダイカライトでの濾過によって除去した。濾液を減圧濃縮した。残渣をCH
2Cl
2に溶解し、6N HClのイソプロパノール溶液で処理した。沈殿物を真空で乾燥して20を得た。
【0057】
21の調製
【化29】
THF(3mL)中にHBTU(478mg、1.26mmol)を含むフラスコに、ピコリン酸(93mg、0.76mmol)を室温で添加した。混合物を、不活性雰囲気下、5分間撹拌した。その後、20(250mg、0.504mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.22mL、1.261mmol)のDMSO(1mL)溶液を添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。その後、反応混合物を水で希釈し、CH
2Cl
2で抽出した。有機層を乾燥(MgSO
4)し、固形物を濾過によって除去し、濾液を減圧濃縮した。粗生成物を分取HPLC(RP SunFire Prep C18 OBD−10μm、30×150mm、移動相0.25%炭酸アンモニウム水溶液、アセトニトリルへ)により精製した。最良の画分をプールし、溶媒を減圧除去して21を得た。MP:225.1 LC−MS ES
+ m/z=447.1;Rt:2.18min,方法C。[α]
D23−175.6°(c0.13,CH
3OH)。
1H NMR(300MHz,METHANOL−d
4)δ ppm 1.28−1.59(m,3H)1.61−1.75(m,1H)1.94−2.25(m,3H)2.38(d,J=2.9Hz,3H)2.39−2.47(m,1H)4.08−4.20(m,1H)4.26−4.37(m,1H)7.53(m,1H)7.94(t,J=7.5Hz,1H)8.08(d,J=7.8Hz,1H)8.20(s,1H)8.61(m,1H)8.79(s,1H)9.73(s,1H)
【0058】
22の調製
【化30】
(+/−)−cis−3−(boc−アミノ)シクロヘキサンカルボン酸(9.51g、39.09mmol)、ジフェニルリン酸アジド(12.61mL、58.63mmol)およびEt
3N(7.61mL、54.72mmol)のTHF(250mL)中混合物を2時間還流した。溶液を室温にし、次いで、ピロリジン(9.81mL、117.26mmol)を添加し、溶液を1時間還流した。混合物を0℃に冷却し、濾過によって沈殿物を分離し、THFで洗浄し、真空で乾燥して、22a,t−ブチル(+/−)−(cis−3−(ピロリジン−1−カルボキサミド)シクロヘキシル)カルバメートを白色粉末として得た。
【0059】
(+/−)−t−ブチル(cis−3−(ピロリジン−1−カルボキサミド)シクロヘキシル)カルバメート(23.77g、76.33mmol)のHCl(4M、1,4−ジオキサン中、344mL)溶液を室温で4時間撹拌した。溶液を減圧濃縮し、次いで、真空で乾燥して、22,(+/−)−N−((cis)−3−アミノシクロヘキシル)ピロリジン−1−カルボキサミドHClを白色固体として得、さらに精製することなく次の工程に使用した。
【0060】
23の調製
【化31】
2,6−ジクロロピラジン(2.76g、18.65mmol)のエタノール(70mL)およびTHF(70mL)溶液を室温で撹拌した。(+/−)−cis−N−(3−アミノシクロヘキシル)ピロリジン−1−カルボキサミド(4.1g、19.41mmol)およびDIPEA(8.56mL、49mmol)を反応混合物に少しずつ添加し、70℃で1時間、その後、周囲温度で終夜撹拌した。溶媒を減圧除去し、水に溶解し、CH
2Cl
2で2回抽出した。まとめた有機層を水で洗浄し、MgSO
4で乾燥し、固形物を濾過により除去し、濾液の溶媒を減圧除去した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで、CH
2Cl
2からCH
2Cl
2/メタノールへの勾配を使用して精製した。所望の画分をプールし、蒸発乾固して、23を得た。
【0061】
24の調製
【化32】
3(350mg、0.81mmol)、23(157mg、0.485mmol)、1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(53mg、0.08mmol)およびリン酸三カリウム(514mg、2.42mmol)の混合物の1,4−ジオキサン(10mL)およびH
2O(1mL)溶液を、マイクロ波照射下、100℃に45分間加熱した。反応混合物を濃縮し、残留画分をCH
2Cl
2に溶解し、濾過した。濾液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで、CH
2Cl
2からCH
2Cl
2/メタノールへの勾配を使用して精製した。所望の画分を回収し、減圧濃縮し、24を得た。LC−MS ES
+ m/z=595.3;Rt:2.09min,方法B。
【0062】
25の調製
【化33】
化合物25を、13の調製方法にしたがって調製した。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ ppm 1.01−1.12(m,1H)1.15−1.26(m,1H)1.28−1.48(m,2H)1.74−1.91(m,2H)1.74−1.91(m,4H)2.13(m,2H)3.15−3.27(m,4H)3.59(m,1H)3.78−3.88(m,1H)5.81(m,1H)6.92(m,1H)7.05(m,1H)7.66(s,1H)8.05(m,1H)8.25(s,1H)8.21−8.28(m,1H)12.16(s,1H).LC−MS ES
+ m/z=441.4;Rt:1.77min,方法B.
【0063】
26の調製
【化34】
中間体26を、23の調製方法にしたがって調製した。
【0064】
27の調製
【化35】
中間体27を、24の調製方法にしたがって調製した。LC−MS ES
+ m/z=596.3;Rt:2.09min,方法B。
【0065】
28の調製
【化36】
化合物28を、25の調製方法にしたがって調製した。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ ppm 1.09−1.36(m,3H)1.44(m,1H)1.73−1.86(m,2H)1.73−1.86(m,4H)2.08(m,2H)3.14−3.25(m,4H)3.56−3.66(m,1H)3.93−4.04(m,1H)5.82(m,1H)6.99−7.07(m,1H)7.99(d,J=9.9Hz,2H)8.27(s,2H). LC−MS ES
+ m/z =442.4;Rt:1.62分、方法B.
【0066】
29の調製
【化37】
最終工程に以下の手順を用いたエステル加水分解を要したことを除き、実験の項に記載したものと類似の方法を用いて、29を調製した。29aおよびメタノール(2.5mL)を含有する丸底フラスコに、NaOCH
3(1.55mL、メタノール中25重量%)を添加し、混合物を不活性雰囲気下、室温で4時間撹拌した。有機相を真空下で濃縮して、混合物を逆相クロマトグラフィーで精製した。(開始70%[25mM NH
4HCO
3]−30%[ACN:CH
3OH 1:1]および終了27%[25mM NH
4HCO
3]−73%[ACN:CH
3OH 1:1])
【0067】
30の調製
【化38】
5−フルオロオロチン酸(3g、17.2mmol)のDMF(10mL)溶液にDBU(2.58mL、17.2mmol)を添加した。30分間撹拌した後、溶液にヨードエタン(2.69g、17.2mmol)を加え、混合物を60℃で2時間加熱した。混合物に水(100ml)を加え、沈殿物を濾過によって回収し、水で洗浄し、乾燥して、30、5−フルオロオロチン酸エチルを得た。LC−MS ES
− m/z=200.9;Rt:0.91min,方法D。
【0068】
31の調製
【化39】
90℃で、5−フルオロオロチン酸エチル30(2.13g、10.54mmol)をN、N−ジエチルアニリン(1.09mL、7.16mmol)およびPOCl
3(2.64mL、28.45mmol)の混合物に添加し、混合物を4時間加熱還流した。溶液を氷水に注ぎ、重炭酸ナトリウムを添加して混合物をpH8とした。反応混合物を酢酸エチルで抽出し、5%重硫酸カリウム水溶液および塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで、n−ヘプタンからn−ヘプタン/EtOAc:8/2への勾配を使用して精製した。所望の画分をプールし、蒸発乾固して、31、エチル2,6−ジクロロ−5−フルオロピリミジン−4−カルボキシレートを得た。
【0069】
32の調製
【化40】
化合物32を、9の調製方法にしたがって調製した。LC−MS ES
+ m/z=451.2;Rt:1.09min,方法A。
【0070】
33の調製
【化41】
化合物33を、10の調製方法にしたがって調製した。LC−MS ES
+ m/z=722.4;Rt:2.56min,方法B。
【0071】
34の調製
【化42】
250mLフラスコで、33(1000mg、1.56mmol)の1,4−ジオキサン(45mL)溶液を室温で撹拌し、その間に、LiOH(374mg、15.63mmol)の水(5mL)溶液を添加した。混合物を80〜90℃で4時間加熱した。反応混合物を、濃HClで中和し、減圧下で溶媒を除去した。水層をEtOAcで抽出し、MgSO
4で乾燥し、固形分を濾過によって除去し、濾液の溶媒を減圧除去して、34を得た。LC−MS ES
+ m/z=540.2;Rt:0.83min,方法A。
【0072】
35の調製
【化43】
Pd/C(10%)(172mg、0.16mmol)をN
2雰囲気下、CH
3OH(15mL)およびTHF(15mL)の混合物に添加した。34(580mg、1.08mmol)を添加し、反応混合物をH
2雰囲気下、25℃で1当量のH
2が消費されるまで撹拌した。触媒をダイカライトでの濾過によって除去した。濾液を減圧濃縮し、35を得た。LC−MS ES
+ m/z=406.3;Rt:1.03min,方法B。
【0073】
36の調製
【化44】
HBTU(140mg、0.37mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.26mL、1.48mmol)のDMF(10mL)溶液を含むフラスコに、1H−1,2,3−トリアゾール−5−カルボン酸(50mg、0.44mmol)を室温で添加した。混合物を不活性雰囲気下、10分間撹拌し、その後、35(150mg、0.37mmol)を添加し、室温で18時間攪拌を続けた。反応混合物を濃縮し、粗生成物を分取HPLC(RP XBridge Prep C18 ODB−5μm、30×250mm、移動相0.25%NH
4HCO
3水溶液、アセトニトリルへ)により精製した。最良の画分をプールし、溶媒を減圧除去して36を得た。LC−MS ES
+ m/z=501.2;Rt:1.16min,方法A。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ ppm 1.22−1.68(m,1H)1.80−1.91(m,2H)1.95−2.07(m,1H)2.12−2.23(m,1H)3.87−4.08(m,2H)4.10−4.30(m,1H)6.89−7.12(m,1H)7.50(br s,1H)8.07(m,1H)8.14(s,1H)8.30(br s,1H)8.38(br d,1H)12.16(br s,1H).
【0074】
【表1】
【0075】
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)測定は、それぞれの方法に特定されたLCポンプ、ダイオードアレイ(DAD)検出器またはUV検出器、およびカラムを使用して行った。必要に応じて、その他の検出器も含まれた(下の方法の表を参照)。
【0076】
カラムからの流れは、大気圧イオン源を装備した質量分析計(MS)に導入した。化合物の公称モノアイソトピック分子量(MW)の特定を可能にするイオンを得るために、調整パラメータ(例えば、走査範囲、データ収集時間(dwell time)など)を設定することは当業者の知識の範囲内である。適切なソフトウェアを用いてデータの取得を行った。化合物は、それらの実測保持時間(R
t)およびイオンで表される。データの表に別段記載されていなければ、報告された分子イオンは、[M+H]
+(プロトン化分子)および/または[M−H]
−(脱プロトン化分子)に相当する。化合物が直接イオン化できなかった場合、付加物の種類を記載する(すなわち、[M+NH
4]
+、[M+HCOO]
−など)。複数の同位体パターンを有する分子(Br、Clなど)では、報告する値は最も低い同位体質量について得られた値である。得られた結果には全て、使用した方法に通常関連する実験による不確かさを伴った。
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】
式(I)の化合物の生物学的活性
化合物のインビトロでの抗ウィルス活性を、セルベースの抗ウィルスアッセイを用いて測定した。このアッセイでは、化合物の存在下または非存在下で、インフルエンザウィルスA/Taiwan/1/86(H1N1)に感染したMadin−Darby Canine Kidney(MDCK)細胞における細胞変性効果(CPE)を測定した。echo liquid handler(Labcyte、Sunnyvale、California)を用いて、アコースティック液滴吐出により、白色384ウェルマイクロタイターアッセイプレート(Greiner)に充填した。200ナノリットルの化合物原液(100%DMSO)をアッセイプレートにトランスファーした。MDCK細胞を最終密度25,000個または6,000個/ウェルとなるようにプレートに分注した。その後、それぞれ0.001または0.01の感染多重度で、インフルエンザA/Taiwan/1/86(H1N1)ウィルスを添加した。ウェルは1体積当たり0.5%のDMSOを含む。ウィルス感染および偽感染の対照が、各試験に含まれた。プレートを5%CO
2中、37℃でインキュベートした。ウィルスに暴露3日後、ATPliteTMキット(PerkinElmer、Zaventem、Belgium)を製造者の使用説明書にしたがって使用して、ATP濃度の低下を測定することによって、細胞変性効果を定量化した。IC
50を、50%阻害濃度と定義した。並行して、化合物を3日間、白色384ウェルのマイクロタイタープレート内でインキュベートし、MDCK細胞内の化合物の細胞毒性をATPliteTMキット(PerkinElmer、Zaventem、Belgium)を製造者の使用説明書にしたがって使用して細胞のATP含量を測定することによって決定した。細胞毒性を、CC
50、すなわち、細胞生存度の50%低下を引き起こす濃度として報告した。
【0080】
【表4】
以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[請求項1]
式(I)の化合物
【化1】
その立体異性体、薬学的に許容されるその塩、溶媒和物または多形体(式中、
XはNであり、かつYはNであり;または
Xは−Fで置換されたCであり、かつYは−F、−Cl、−CH3、または−CNで置換されたCであり;
ZはNであり、Qは−C−CH3、−C−COOH、−C−CF3、−CH−シクロプロピル、−CH2R1、または−CONR1R1であり、かつMはCFであり、R1は独立して、水素、ハロゲン、シアノ、オキソ、アルキル、ヒドロキシル、アミノから選択され;または
ZはNであり、QはNであり、かつMはCHであり;または
ZはCであり、QはNであり、かつMはCHであり;および
Rは、(i)カルボン酸、または、
(ii)C1〜6アルキルもしくは−COOHによって任意選択により置換される−NH−C(O)−C3〜6ヘテロ環、
で置換されたC3〜8シクロアルキルである)。
[請求項2]
構造式
【化2】
を有する、請求項1に記載の化合物。
[請求項3]
請求項1に記載の、式(I)の化合物、またはその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは多形体を、1種以上の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体とともに含む医薬組成物。
[請求項4]
医薬として使用される、請求項1に記載の、式(I)の化合物、またはその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは多形体、あるいは請求項3に記載の医薬組成物。
[請求項5]
インフルエンザの治療に使用される、請求項1に記載の、式(I)の化合物、またはその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは多形体、あるいは請求項3に記載の医薬組成物。
[請求項6]
構造式(I)
【化3】
によって示される化合物、その立体異性体、薬学的に許容されるその塩、溶媒和物または多形体(式中、
XはNであり、かつYはNであり;または
Xは−Fで置換されたCであり、かつYは−F、−Cl、−CH3、または−CNで置換されたCであり;
ZはNであり、Qは−C−CH3、−C−COOH、−C−CF3、−CH−シクロプロピル、−CH2R1、または−CONR1R1であり、かつMはCFであり、R1は独立して、水素、ハロゲン、シアノ、オキソ、アルキル、ヒドロキシル、アミノから選択され;または
ZはNであり、QはNであり、かつMはCHであり;または
ZはCであり、QはNであり、かつMはCHであり;および
Rは、(i)カルボン酸、または、
(ii)C1〜6アルキルもしくは−COOHによって任意選択により置換される−NH−C(O)−C3〜6ヘテロ環、
で置換されたC3〜8シクロアルキルである)
の、生物試料または患者におけるインフルエンザウィルスの複製を阻害するための使用。
[請求項7]
さらなる治療剤の同時投与をさらに含む、請求項6に記載の使用。
[請求項8]
前記さらなる治療薬は、抗ウィルス剤もしくはインフルエンザワクチン、またはその両方から選択される、請求項7に記載の使用。