【実施例】
【0068】
メソ細孔性ゼオライト及びコア/シェルゼオライトを形成するための方法及びシステムの様々な実施形態は、以下の実施例によって更に明らかにされる。実施例は本来は例示的なものであり、本開示の主題を限定するものと理解すべきではない。
【0069】
様々な実施例を通して、粉末X線回折(XRD)パターンをCuKα線を使用してBruker D8 Advance回折計で記録した。誘導結合プラズマ発光分光法(ICP−OES)は、Varian 720−ES分光計で行った。熱重量分析(TGA)は、毎分25ミリリットル(mL/分)の速度及び毎分10ケルビン(K/分)の一定の傾斜(ramping)速度で流動空気下でNetzsch TG 209 F1装置で実施した。Micromeritics ASAP 2420分析機で77KでN
2吸着−脱着等温線を収集した。プローブ分子としてNH
3を使用する温度プログラム脱着(TPD)測定は、Micromeritics AutoChem II 2950装置で実施した。測定前に、0.15gのサンプルをHeガス(25mL/分)中で500℃で1時間前処理し、次いで100℃に冷却した。次に、サンプルを20mL/分の混合ガス(10モルパーセント(mol%)のNH
3及び90mol%のHe)流に1時間暴露して、NH
3の十分な吸着を確保した。脱着の前に、サンプルをHeガス中で3時間フラッシュした。その後、20mL/分のHe流下で毎分10セルシウス度(℃/分)の加熱速度で100〜600℃の範囲内でNH
3の吸着を実施した。電子顕微鏡法の画像化及び断層撮影は、
図19Cに示される画像(300kVで作動されるJEOL JEM−3010顕微鏡で撮影された)以外は、300キロボルト(kV)で作動されるFEI−Titan ST電子顕微鏡で行った。TEM断層撮影では、1°の間隔で75度(°)から75°までの電子断層撮影傾斜シリーズをまず整列し、次いでFEI Inspect 3DソフトウェアのSIRT機能を使用して3Dボリュームに再構成した。次いで3Dボリュームレンダリング、密度セグメント化、及びスライス化は、Avizoソフトウェアによって達成された。
【0070】
実施例1−PDAMAB−TPHABカチオン性ポリマーの合成
PDAMAB−TPHABを生成するための一般化された反応順序を
図1に図示している。合成の各ステップを
図1に照らして説明する。
【0071】
第1工程では、メチルアミンモノマーを合成した。500ミリリットル(mL)の丸底フラスコ内で0℃に冷却したギ酸(5当量、0.5mol)の溶液にジアリルアミン(1部当量、0.1mol)を徐々に添加した。得られた透明な溶液に、ホルムアルデヒド溶液(37%溶液;3当量、0.3mol)を添加して、混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、フラスコを還流凝縮器に接続し、反応混合物を110℃で一晩加熱した。その後、溶液を冷却し、水性HCl(4N、2当量、0.9mol、225mL)を添加した。粗反応生成物を減圧下で蒸発させて乾燥させた。
【0072】
第2の工程では、ポリ(ジアリルメチルアミン)(PDMA)を合成した。3.2%の2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(AAPH)の開始剤を有するモノマーのジアリルメチルアンモニウム塩酸塩の50%水溶液を窒素で20分間(分)パージした。その後、反応を窒素雰囲気下で50℃で3時間撹拌した後、反応を更に6時間60℃に上昇させた。生成物のポリ(ジアリルメチルアンモニウム塩酸塩)(PDMAH)を透析によって精製し、減圧下でロータリーエバポレーターで水を除去した。次いで、PDMAH(モノマー単位に対して1部当量)を最小量のメタノールに溶解させ、氷浴中に置いた。その後、最小量のメタノールに溶解したナトリウムメトキシド(1部当量)を添加した。反応物を冷凍庫内で1時間保存した。遠心分離でNaClを除去した後、PDMAメタノール溶液を得た。
【0073】
第3工程では、6−ブロモ−N,N,N−トリプロピルヘキサン−1−アミニウムブロマイド(BTPAB)を合成した。1,6−ジブロモヘキサン(0.1mol)/アセトニトリル(1:1v/v)にトリプロピルアミン(0.05mol)/トルエン混合物(1:1体積/体積(v/v)を磁気撹拌下で60℃で徐々に添加し、この温度で24時間維持した。室温への冷却及び溶媒の蒸発後、得られたBTPABを、混合物から過剰の1,6−ジブロモヘキサンを分離するジエチルエーテル−水系で抽出した。
【0074】
第4工程では、PDAMAB−TPHABを合成した。PDAMAB−TPHABの合成のために、メタノール中1部当量のPDMA(モノマー単位に対して)を1部当量のBTPABと共にアセトニトリル/トルエン(40mL、v:v=1:1)に溶解させ、磁気撹拌下で70℃で72時間還流した。室温への冷却及びそれに次ぐ溶媒の蒸発後、得られたPDAMAB−TPHABを、水中での透析法によって更に精製した。
【0075】
実施例2−PDAMAB−TPHABカチオン性ポリマーのH−NMR分析
実施例1で合成されたPDAMAB−TPHABポリマーをH−NMRによって分析した。実施例1で生成されたポリマーのH−NMRスペクトルを
図3に図示している。H−NMRスペクトルは、0.85百万分率(ppm)またはその付近、1.3ppmまたはその付近、1.6ppmまたはその付近、2.8ppmまたはその付近、及び3.05ppmまたはその付近においてピークを示す。
【0076】
実施例3−100Si/Al比を有するメソ細孔性ZSM−5ゼオライトの合成
100のSi/Alモル比を有するメソ細孔性ZSM−5ゼオライトを形成した。まず、0.1093グラム(g)のNaAlO
2及び0.2gのNaOHを0.5時間撹拌しながら14.4mLの水に溶解させた。透明な溶液が形成されたら、0.497gのPDAMAB−TPHABを溶液に添加し、0.5時間撹拌した。次いで、4.16gのテトラエチルオルトシリケートを60℃で添加した。混合物のモル組成は、1PDAMAB−TPHAB:20SiO
2:2.5Na
2O:0.1Al
2O
3:800H
2Oであった。60℃で10時間撹拌した後、得られたゲルを更に2時間100℃に加熱した。テフロン(登録商標)内張りステンレス鋼オートクレーブ(サイズ25mL)内で結晶化を150℃で48時間行った。生成物を遠心分離し、蒸留水及びメタノールで洗浄し、100℃で一晩乾燥させた。550℃での5時間の焼成によってポリマーテンプレートを合成時の材料から除去した。
【0077】
実施例4−60Si/Ti比を有するメソ細孔性TS−1−ゼオライトの合成
60のSi/Tiモル比を有するメソ細孔性チタノシリケートゼオライトを形成した。まず、0.2gのNaOHを10分間撹拌しながら14.4mLの水に溶解させた。透明な溶液が形成されたら、0.497gのPDAMAB−TPHABを溶液に添加し、0.5時間撹拌した。次いで、Si/Tiモル比60を有する、テトラエチルオルトシリケートとテトラブチルオルトチタネートとの混合物(全量:4.16g)を60℃で添加した。混合物のモル組成は、1PDAMAB−TPHAB:20SiO
2:0.33TiO
2:2.5Na
2O:800H
2Oであった。60℃で10時間撹拌した後、得られたゲルを更に2時間100℃に加熱した。「テフロン」内張りステンレス鋼オートクレーブ(サイズ25mL)内で結晶化を150℃で48時間行った。生成物を遠心分離し、蒸留水及びメタノールで洗浄し、100℃で一晩乾燥させた。550℃での5時間の焼成によってポリマーテンプレートを合成時の材料から除去した。
【0078】
実施例5−100Si/Al比を有するメソ細孔性ZSM−5ゼオライトの分析
実施例3のメソ細孔性ZSM−5ゼオライトを分析した。
図5は、合成時及び焼成後のメソ細孔性ZSM−5ゼオライトのX線回折(XRD)パターンを図示している。実施例3のゼオライトは、焼成によるポリマーテンプレートの除去後に良好に維持されたMFI型のゼオライト構造を有することがXRDパターンから決定された。例えば、
図5に示されたものにおけるXRDピークを使用して、ゼオライトがMFI骨格型のミクロ構造を有することを決定した。
【0079】
また、実施例3のメソ細孔性ZSM−5ゼオライトを多孔度について試験した。
図5は、実施例3のゼオライト及び慣用的に調製されたZSM−5ゼオライトのN
2収着等温線を図示しており、それは、慣用ZSM−5ゼオライトよりもはるかに高い多孔度を有することを図示している。慣用ZSM−5ゼオライトの320m
2/gの表面積とは対照的に、実施例3のゼオライトについては700m
2/gの表面積が測定された。また、慣用ZSM−5ゼオライトの0.23cm
3/gの全細孔容積とは対照的に、実施例3のゼオライトについては0.71cm
3/gの全細孔容積が測定された。実施例3のゼオライトでは、全表面積の57%及び全細孔容積の68%がメソ細孔に起因する。また、
図6は、実施例3のゼオライト中のメソ細孔の分布曲線を図示している。メソ細孔は、
図6に示されているように、10nmまたはその付近を中心とする比較的広いサイズ分布を有する。
【0080】
図7を参照すると、実施例3のゼオライトの透過電子顕微鏡(TEM)画像が図示されている。TEMの特徴付けは、実施例3のゼオライトが、均一で比較的小さい(約200nmのサイズ)が、高度にメソ細孔性である粒子からなることを示している。更に、
図8は、実施例3のゼオライトの高分解能透過電子顕微鏡画像(HRTEM)を図示しており、
図9は、
図8に示された選択領域の高速フーリエ変換(FFT)画像を図示しており、
図10は、実施例3のゼオライトの暗視野走査型電子顕微鏡(STEM)画像を図示している。これらの粒子の高い結晶化度は、HRTEM画像で確認される一方で、HRTEM画像のFFTは、大幅な量のメソ細孔の存在にもかかわらず、各粒子が単結晶特質であることを示唆している。
図8のHRTEM画像は、実施例3の粒子のゼオライトが高度に分枝状であり、各分枝はわずか3〜4nmの厚さであり、1〜2単位のセルに相当することも明らかにしている。
図10のSTEM画像は、より良好な画像コントラストにより、粒子中のメソ細孔性構造をよりはっきりと示している。
【0081】
実施例6−31のSi/Alモル比を有するメソ細孔性ZSM−5ゼオライトの分析
31のSi/Alモル比を有するメソ細孔性ZSM−5ゼオライトを(Alに対するSiの異なる比の前駆体材料で)実施例3と同様のプロセスで調製し、これは、655.6m
2/gの測定された表面積、0.66cm
3/gの測定された全細孔容積、及び0.081cm
3/gの測定されたミクロ細孔容積を有していた。
図19A〜19Dは、31のモル比Si/Alのメソ細孔性ZSM−5ゼオライトの画像を図示している。具体的には、
図19Aは、低倍率のTEM画像を図示している。
図19Bは、単一のメソ細孔性ZSM−5粒子のEDパターン及びTEM画像を図示している。EDパターンは、約35度の面内方位差を有する2組の[010]投影反射としてインデックス化され得る。
図19Cは、メソ細孔性ZSM−5粒子の周辺で[010]方向に沿って撮影された高分解能TEM画像を図示しており、10リングチャネルの規則的な配置を有する繊維状構造を図示している。比較のための構造モデルと共に、繊維中の最も薄い領域(約3.5nm)が示されている。左下隅の挿入図は、対応する低倍率のTEM画像であり、HRTEM画像化のための領域が表示されている。
図19Dは、メソ細孔性ZSM−5粒子の再構成された電子断層撮影ボリューム、及びそのボリュームの異なる領域で横断する3つのスライスを図示している。そのスライスは、何もない領域が濃い青色である虹色図でレンダリングされている。スライスII及びスライスIIIでは、離散しているドット(その一部は矢印によって示されている)は、突出している繊維の断面を表している。スケールバーは50nmを表す。
【0082】
31のSi/Alモル比を有するメソ細孔性ZSM−5ゼオライトを慣用ZSM−5ゼオライトと比較した。2つの慣用ZSM−5ゼオライトを調製した。約200nmの平均粒子サイズを有する「ナノZSM−5慣用ゼオライト」を調製し(SDAとして水酸化テトラプロピルアンモニウム(TPAOH)を使用して)、これは、26のSi/Alモル比、399.1m
2/gの測定された表面積、0.24cm
3/gの測定された全細孔容積、及び0.099cm
3/gの測定されたミクロ細孔容積を有していた。3〜10ミクロン(μm)の平均粒子サイズを有する「ミクロZSM−5慣用ゼオライト」を調製し(the Catalyst Plant of Nakai Universityから商業的に入手可能)、これは、25のSi/Alモル比、298.6m
2/gの測定された表面積、0.15cm
3/gの測定された全細孔容積、及び0.092cm
3/gの測定されたミクロ細孔容積を有していた。
図20A〜20Dは、慣用ZSM−5ゼオライトとメソ細孔性ZSM−5ゼオライトとの間の様々な差異を示している。
図24Aは、ナノZSM−5慣用ゼオライトのTEM画像を図示しており、
図24Bは、ミクロZSM−5慣用ゼオライトのTEM画像を図示している。
【0083】
図20Aは、メソ細孔性ZSM−5ゼオライト及びミクロZSM−5慣用ゼオライトの粉末X線回折パターンを図示している。
図20Bは、メソ細孔性ZSM−5ゼオライト及びミクロZSM−5慣用ゼオライトのN
2吸着−脱着等温線を図示している。
図20Cは、メソ細孔性ZSM−5ゼオライト及びナノZSM−5慣用ゼオライトの熱重量分析プロファイルを図示している。
図20Dは、メソ細孔性ZSM−5ゼオライト及びミクロZSM−5慣用ゼオライトのNH
3−TPDプロファイルを図示している。
【0084】
透過電子顕微鏡法(TEM)は、メソ細孔性ZSM−5ゼオライトが、200〜250nmのサイズの比較的均一な粒子からなり、ほとんどの粒子が伸長した形状を有することを示している。メソ細孔性ZSM−5ゼオライトの、慣用ZSM−5ゼオライトと比較して広いX線回折(XRD)ピークは、TEMによって明らかにされるようにメソスケールでのその多孔質構造に従って、前者がより小さな結晶サイズを有することを示唆している。TEM及びXRDによってメソ細孔性ZSM−5ゼオライトにおいて観察された付随的不純物相または非晶質成分は存在しない。メソ細孔性ZSM−5ゼオライト中の高いメソ細孔性の存在は吸着等温線によって確認され、P/P
0>0.10の範囲の相対圧力での吸着容積の連続的な増加が、非常に開口的でありかつ相互接続されたメソ細孔性システムを示している。したがって、メソ細孔性ZSM−5ゼオライトは、慣用ZSM−5よりも大幅に大きなBET表面積(298m
2/gに対して655m
2/g)及び全細孔容積(0.15cm
3/gに対して0.66cm
3/g)を有する。合成時のメソ細孔性ZSM−5ゼオライトの熱重量分析は、PDAMAB−TPHABの分解に対応して、200〜650℃の領域で顕著な重量損失(>40重量%)を示した。比較すると、SDAとして水酸化テトラプロピルアンモニウムを使用して合成された慣用ZSM−5ゼオライトは、同じ範囲の温度範囲で約15重量%の重量損失を示した。この結果は、メソ細孔性ZSM−5ゼオライトにおけるPDAMAB−TPHABの組み込み及びそのメソ細孔を発生させるための「ポロゲン」の役割を確認している。
【0085】
1つ以上の実施形態によれば、PDAMAB−TPHABの分子量は、メソ細孔性ZSM−5ゼオライトのテクスチャー特性にほとんど影響を及ぼさない。
図28は、前述した合成のために使用された場合よりも低い分子量を有する(約390Kに対して約130K)PDAMAB−TPHABを使用して合成されたメソ細孔性ZSM−5ゼオライトサンプルのN
2吸着等温線を示している。重合プロセスの温度及び反応時間を制御することによって、異なる分子量を有する2つのPDAMAB−TPHABサンプルを合成した。ゲルパーミエーションクロマトグラフィによってそれらの分子量を正確に決定することは困難である。そのため、それらの固有粘度は、確立された方法(Prajapat,P.R.Gogate/Chemical Engineering and Processing,2015,88,1)に従うことによって30℃でCannon Unnelohde粘度計を用いて測定した。標準として100キロダルトン(kDa)〜200kDa及び400kDa〜500kDaの分子量を有するポリジメチルジアリルアンモニウムクロライドを使用して、我々は、2つのPDAMAB−TPHABサンプルの平均分子量をそれぞれ390kDa及び130kDAと概算で決定した。前者は、本開示に記載されたMFI型階層状ゼオライトの合成の全てに使用されたが、後者はここでは比較目的のためにのみ使用された。
【0086】
図19Bは、典型的なメソ細孔性ZSM−5ゼオライト粒子のTEM画像及び電子回折(ED)パターンを示している。そのEDパターンは、2組の[100]投影反射を含有し、この粒子は、それらの整列したa軸、及びbc平面において約35度の方位差を有する2つの単結晶から構成されることを示唆している。とりわけ、
図19Aにおいて白い矢印で表示されているように、いくつかのメソ細孔性ZSM−5ゼオライト粒子は、他のものよりも薄く、メソ細孔性ZSM−5ゼオライト粒子のTEM画像及び伸長した対応するEDパターンである。
図29に示されるTEM及びEDの結果は、そのような粒子が本質的に単結晶であり、伸長がc軸に沿っていることを示している。具体的には、
図29は、メソ細孔性ZSM−5ゼオライト粒子のFFTを示しており、
図29に関して、[010]及び[100]の投影は現在の解像度では区別できず、[010]はインデックス化のために任意に選択されたことに留意されたい。また、メソ細孔性ZSM−5ゼオライトは、伸長方向に沿って突出する粒子周辺における極薄の「繊維」を有し得る。高分解能TEMは、繊維中に規則的な10リングミクロ細孔チャネルをはっきりと示しており、
図19Cに示されているように、繊維がc軸に沿って成長していることを確認している。繊維の最も薄い領域は約3.5nmであり、
図19Cに示されているように、3つの10リングチャネル層のみを含有する。TEM試料を大きな角度範囲内で傾斜させた場合、繊維はそれらの一次元(1−D)モルフォロジーを保持することが見出された。例えば、
図30A〜30Dは、TEM試料を傾斜させることによって、異なる入射角(すなわち、
図30Aでは−40°、
図30Bでは−20°、
図30Cでは0°、
図30Dでは20°)で撮影された突出しているMFI繊維のTEM画像を示している。繊維は、傾斜の間にそれらの1−Dモルフォロジーを保持し、これらの「繊維」が2−Dナノシートの側方投影である可能性を除外する。また、メソ細孔性ZSM−5ゼオライトを特徴付けるために、TEM断層撮影を実施した。
図19Dは、メソ細孔性ZSM−5粒子の再構成された電子断層撮影ボリューム、及びそのボリュームの異なる領域で横断する3つのスライス(約2nm厚)を示している。スライスIに示されているように、粒子の中央領域では、不規則なメソ細孔は、連続的なゼオライト骨格によって包含されている。一方、ゼオライトは高度に分枝状の繊維構造を示して、スライスII及びIIIで実証されているように(
図19Dに示されているように、離れたドットは突出している繊維の横断面を示している)、粒子の周辺により大きくかつより開いたメソ細孔を形成する。
【0087】
電子顕微鏡法及び断層撮影法によれば、メソ細孔性ZSM−5ゼオライトの構造的特徴は次のように特徴付けされ得る:高度にメソ細孔性であるにもかかわらず、ほとんどのメソ細孔性ZSM−5ゼオライト粒子は単結晶であるか、または2つの相互成長した(intergrown)単結晶から構成されている。各単結晶は、c軸に沿ってわずかに伸長しており、2つの端部で分枝した極薄繊維を有する。少数の粒子は、大部分(例えば、
図19Aの黒い矢印で表示された粒子)と比較してより薄くかつより丸いように見えるが、その理由は、それらはより多くの(すなわち、少なくとも2つの)互い違いの単結晶を含有するからである。
図31は、1つ以上の互い違いの結晶構造を有するメソ細孔性ZSM−5ゼオライトの単純化された概略図を示している。具体的には、
図34は、メソ細孔性ZSM−5ゼオライトの単純化された概略図を示しており、一番左は、単結晶メソ細孔性伸長(c軸に沿った)ZSM−5粒子を表し、これは単独で、または、
図31の右の3つの図形に示されているように、相互成長を介して互い違いの構造で1個(または数個)以上の粒子と組み合わせて存在し得る。単結晶特質は、メソ細孔性ZSM−5ゼオライトを、2−Dゼオライトナノシートまたは小さな(数nmの)ゼオライト粒のランダムな凝集によって構成される界面活性剤テンプレートゼオライトから区別する。
【0088】
実施例7−メソ細孔性シリカライト−Iの合成及び分析
実施例3の手順を使用して、混合物中にアルミニウムを含めないことによってシリカライトメソ細孔性構造を生成した。
図12は、生成されたシリカライトのHRTEM画像を図示している。そのメソ細孔性シリカライト−Iゼオライトは、671.4m
2/gの測定された表面積、0.77cm
3/gの測定された全細孔容積、及び0.080cm
3/gの測定されたミクロ細孔容積を有していた。
【0089】
実施例8−メソ細孔性TS−1の分析
実施例4のメソ細孔性チタノシリケート材料を分析した。
図13は、実施例4のチタノシリケート材料のTEM画像を図示しており、
図14は、実施例4のチタノシリケート材料のXRDパターンを図示している。そのメソ細孔性TS−1ゼオライトは、527m
2/gの測定された表面積、0.61cm
3/gの測定された全細孔容積、及び0.065cm
3/gの測定されたミクロ細孔容積を有していた。
【0090】
実施例9−ゼオライトコア/メソ細孔性ゼオライトシェル構造(コア/シェルゼオライト)の合成
コア/シェルゼオライト構造を形成した。まず、0.1〜0.5gの予め合成したゼオライト結晶(例えば、ZSM−5、Y、またはベータ)を6.3gの水に分散させて懸濁液を作製した。次いで、PDAMAB−TPHAB(0.2485g)、アルミン酸ナトリウム(0.0164g)、及び10%のNaOH水溶液(1g)を懸濁液に添加した。6時間撹拌した後、2.229mLのTEOSを添加し、更に4時間撹拌した。得られたゲルを100℃で1時間加熱した。「テフロン」内張りステンレス鋼オートクレーブ(25mL)内で結晶化を150℃で48時間行った。生成物を遠心分離し、蒸留水及びメタノールで洗浄し、100℃で一晩乾燥させた。550℃での5時間の焼成によってポリマーテンプレートを合成時の材料から除去した。
【0091】
ゼオライトシードの種類に応じて、この方法を使用して異なるコア−シェル構造を合成することができた。使用されるゼオライトシードの量に応じて、メソ細孔性ゼオライトシェルの厚さは、約20nm〜約200nmに調整することができた。慣用ZSM−5コア材料及び慣用Yゼオライトコア材料(それぞれがメソ細孔性ZSM−5シェルを有する)を利用してサンプルを調製した。HRTEMは、シェルの完全な結晶性及びメソ細孔性、ならびにコアとシェルとの間の高度に密着した界面を実証し、エピタキシャル関係を明らかにした。幾何学的位相分析による歪みマッピングは、小さな歪みを有する密着界面を確認し、メソ細孔を適合させる結果としてシェル領域でかなりのひずみ変動の存在を明らかにした。HRTEM画像のED及び高速フーリエ変換(FFT)は、メソ細孔性ZSM−5シェル(シード結晶は単結晶であった)の成長後に結晶が単結晶のままであることを示していた。これらの結果は、非界面活性剤ポリマーが、メソ多孔質であるが単結晶のゼオライト構造の形成を可能にすることを再度確認するものである。
【0092】
また、慣用TS−1コア/メソZSM−5シェル、慣用ZSM−5コア/メソ細孔性TS−1シェル、慣用TS−1コア/メソ細孔性TS−1シェル、慣用シリカライト−1コア/メソ細孔性ZSM−5シェル、及び慣用ZSM−5コア/メソ細孔性シリカライト−1シェルなどのコア及びシェル材料の組み合わせは、シード、合成前駆体、またはその両方を変更することによって合成し得る。コア及びシェルが同じミクロ細孔骨格を有する場合、コア/シェルは、単結晶から構築され得、シェル部分はシード部分(すなわち、コア)からエピタキシャル成長する。
【0093】
図26A〜26Eは、ナノZSM−5慣用ゼオライトコア材料/シード及びメソ細孔性ZSM−5ゼオライトシェルから調製されたコア/シェル構造の画像を示している。
図29Aは、比較的薄いシェルを有するコア/シェル構造のTEM画像を示し、
図26Bは、比較的厚いシェルを有するコア/シェル構造のTEM画像を示している。
図26Cは、2つの直行する方向から見たTEM断層撮影法による再構成されたコア/シェル粒子を示しており、コア結晶を示すためにメソ細孔性シェルは半透明の手法で表示されている。
図26Cは、HR−TEM画像を示しており、
図26Dは、コア/シェル粒子の対応するFFT(左)及びEDパターン(右)を示しており、多孔質であるが結晶性であるシェル及びそのコア結晶との完全なエピタキシャル関係を示している。
図26Eは、幾何学的位相分析によって決定された異なる歪み成分の分布(ε
xx,ε
yy,ε
xy,及びr
xy;±15%でのカットオフ)を示しており、非常に密着的(より歪みの少ない)コア−シェル界面及び最も外側のシェルにおけるひずみの存在を示している。
【0094】
図32A〜32Dは、ナノZSM−5慣用ゼオライトコア材料及び様々なシェル厚さを有するメソ細孔性ZSM−5ゼオライトシェルから調製されたコア/シェル構造のSEM画像、XRDデータ、及びN
2吸着等温線を示している。具体的には、
図32Aは、より薄いシェルを有するZSM−5/メソ細孔性ZSM−5コア/シェル粒子の低倍率TEM画像を示しており、
図32Bは、より厚いシェルを有するZSM−5/メソ細孔性ZSM−5コア/シェル粒子の低倍率TEM画像を示しており、
図32Cは、XRDパターンを示しており、
図32Dは、異なるシェル厚さを有するZSM−5/メソ細孔性ZSM−5コア/シェルゼオライト及びバルクZSM−5シード(ナノZSM−5慣用ゼオライト)のN
2吸着等温線をそれぞれ示している。その結果は、構造中のコアとシェルとの間の密着性、及びシェルの厚さの増加に伴うメソ細孔性の増加を示している。
【0095】
実施例10−コア/シェルゼオライトの分析
実施例9のコア/シェルゼオライトをTEM画像化によって分析した。
図15A〜15Dは、ZSM−5コア/メソ細孔性ZSM−5シェル多孔質構造のTEM画像を図示しており、
図15Aは、コア(すなわち、シード)材料を図示しており、
図15Bは、約40nmのシェル厚さを有するコア/シェル構造を図示しており、
図15Cは、約100nmのシェル厚さを有するコア/シェル構造を図示しており、
図15Dは、約150nmのシェル厚さを有するコア/シェル構造を図示している。
図16A及び16Bは、Yゼオライトコア/メソ細孔性ZSM−5シェル多孔質構造のTEM画像を図示しており、
図16Aの画像は、ゼオライトYシード材料のものであり、
図16Bの画像は、コア/シェルゼオライトのものである。
【0096】
図33A及び33Bは、バルク慣用ゼオライトベータ結晶上に成長したメソ細孔性ZSM−5ゼオライトから構成される「ダイマー」のTEM画像を示している。これらの材料は、慣用ゼオライトベータ結晶の表面上にメソ細孔性ZSM−5層を成長させる試みをしたときに得られた。これらの結果は、コア/シェル構造を形成するためのいくつかの実施形態では、シードと成長材料との間の格子合致が重要であり得ることを示唆している。
【0097】
実施例11−メソ細孔性ベータゼオライトの製造及び分析
メソ細孔性ベータゼオライトを生成するために、0.058gのNaAlO
2、0.4gのNaOH、及び0.41gのPDAMAB−TMHABを14.4mLの脱イオン水に添加した。1時間撹拌した後、0.935gのヒュームドシリカを溶液に添加した。得られたゲル(モル組成:1PDAMAB−TMHAB:15.6SiO2:5Na
2O:0.35Al
2O
3:800H
2O)を12時間後にオートクレーブに移した。結晶化は180℃で96時間行った。得られた粉末を遠心分離によって収集し、水及びメタノールで数回洗浄した。真空下で80℃で24時間乾燥させた後、ポリマーテンプレートを550℃で6時間焼成することによって除去した。合成時のメソ細孔性ベータゼオライトのSi/Al比は20であった。
【0098】
図17Aは、階層的に構造化されたメソ細孔性ベータゼオライトの異なる倍率でのTEM画像を示しており、
図17Bは、メソ細孔性ベータゼオライト及び慣用ベータゼオライト(「バルクベータ」として表示されている)のXRDパターンを示しており、
図17Cは、メソ細孔性ベータゼオライト及び慣用バルクベータゼオライトのN
2収着等温線を示している。メソ細孔性ベータゼオライトは、750m
2/gの表面積及び1.1cm
3/gの全細孔容積を有し、対照的に、慣用(ミクロ細孔)ベータゼオライトは、550m
2/gの表面積及び0.3cm
3/gの全細孔容積を有する。
【0099】
18のSi/Al比を有する別のメソ細孔性ベータゼオライトを製造し、これは、616m
2/gの測定された表面積、1.01cm
3/gの測定された全細孔容積、及び0.151cm
3/gの測定されたミクロ細孔容積を有していた。
【0100】
比較として、SDAとして水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAOH)から15のSi/Alモル比を有する慣用ベータゼオライトを調製した。慣用ベータゼオライトは、633.5m
2/gの測定された表面積、0.27cm
3/gの測定された全細孔容積、及び0.214cm
3/gの測定されたミクロ細孔容積を有していた。
【0101】
実施例12−ベータコア/メソ細孔性ベータシェルゼオライトの製造
ベータコア/メソ細孔性ベータシェルゼオライトは、予め合成された慣用(ミクロ細孔)ベータゼオライト結晶をシードとして使用することによってシード成長を介して合成した。シェル合成手順は、(ヒュームドシリカに対して)20〜50重量%の予め合成された慣用ゼオライトベータを前駆体に添加したことを除き、前述した実施例11のゼオライトのものと同一である。
図18A及び18Bは、異なる倍率でのベータコア/メソ細孔性ベータシェルゼオライトのTEM画像を図示している。
図27A及び27Bもまた、ベータコア/メソ細孔性ベータシェルゼオライトの画像を示している。
図27Aは、ベータコア/メソ細孔性ベータシェルゼオライト及びゼオライトベータシード(挿入図)の低倍率TEM画像を示している。
図27Bは、単一のベータコア/メソ細孔性ベータシェルゼオライト粒子のTEM画像を示している。対応するEDパターン(挿入図)は、粒子の単結晶特質を示しており、伸長した反射はメソ細孔に関連する歪みの存在を暗示している。
図27C及び27Dは、
図27Bで表示された粒子周辺で撮影されたベータコア/メソ細孔性ベータシェルゼオライトのHR−TEM画像を示しており、密着したコア−シェル界面及びシェルの高い結晶性を示している。
【0102】
実施例13−様々なSi/Alモル比を有するメソ細孔性ZSM−5ゼオライトの分析
実施例3の手順を使用して、SiのAlに対する様々なモル比を有するゼオライトを生成した。
図11は、異なるSi/Alモル比を有する調製されたゼオライトのXRDパターンを図示している。その結果は、異なるSi/Alモル比を有するゼオライトは全て、高い結晶性のMFI構造を有することを確認している。
【0103】
実施例14−調製されたメソ細孔性ゼオライトの触媒試験
2つの酸触媒反応を利用して、31のSi/Alモル比を有するメソ細孔性ZSM−5ゼオライト(実施例6に記載されている)の触媒性能を評価した。第1の試験は、メタノールの芳香族化合物(MTA)への転化であり、これはコークスの蓄積による触媒の迅速な失活を被る。第2の試験は、キャノーラ油の接触分解であり、これは大分子の反応物を伴う。比較のために、異なる粒子サイズを有する2つの慣用ZSM−5ゼオライト触媒を同じ反応について試験した。これらの慣用ZSM−5ゼオライトは、実施例6に記載された「ミクロZSM−5慣用ゼオライト」(メソ細孔性ZSM−5ゼオライトに匹敵する粒子サイズを有する)、及び実施例6に記載された「ナノZSM−5慣用ゼオライト」(メソ細孔性ZSM−5ゼオライトよりもはるかに大きな粒子サイズを有する)であった。
【0104】
メタノールの芳香族化合物への転化は、ステンレス固定床反応器(内径11mm)内で実施した。各反応において0.5gのゼオライト触媒を使用した。各実行の前に触媒床を550℃で60分間純粋な空気流中(50mL/分)で活性化した。次いで、温度を550℃に設定し、HPLCポンプを使用して空気流を0.02mL/分の供給原料(MeOHと2−エチルフランとの重量比は4:1である)を有するN
2(50mL/分)ガス流に変更した。重量時間空間速度(WHSV)は、1時間当たり触媒1グラム当たり約2gの供給原料であった。全ての実験は大気圧下で行った。生成物分析はオンラインガスクロマトグラフィを使用して実施した。Agilent HP−PLOT/Qカラム(30m×0.53mm×40μm)を備えるフレームイオン化検出器(FID)を用いてGCで流出物組成を決定した。次の温度プログラムを適用した:50℃(初期温度で5分)から230℃(最終温度で20分)まで6℃/分。ジメチルエーテルは、計算を行うときは1つの生成物としてみなされなかった。
【0105】
アンモニア実験の温度プログラム脱着(TPD)の結果は、メソ細孔性ZSM−5ゼオライトが、わずかに少ない強酸部位を除いて、酸性の種類及び強度においてミクロZSM−5慣用ゼオライトと本質的に同一であることを示している。ナノZSM−5慣用ゼオライトは、ミクロZSM−5慣用ゼオライトと同様のNH
3−TPDプロファイルを有する。塩基滴定法を使用して、メソ細孔性ZSM−5ゼオライト、ナノZSM−5慣用ゼオライト、及びミクロZSM−5慣用ゼオライトが、それぞれ、29%、12%、及び0%の外部ブレンステッド酸部位(ZSM−5の10−リングチャネルに入るには大きすぎる分子とって到達可能である)を有することが決定された。具体的には、外部酸性部位を決定するために、エタノール脱水反応中に有機塩基2,6−ジ−tert−ブチルピリジン(DTBP)滴定を使用してゼオライトの外部酸性部位を決定し、FFAPキャピラリーカラムを備えたAgilent 7890A GCに接続されたパルス反応器内で反応を実施した。773Kで2時間He中で処理した後、触媒(5.0mg〜11.0mg、100〜300メッシュ)をグラスウールで支持された反応器に入れた。反応器の温度を415Kに固定した。2,6−ジ−tertブチルピリジン(DTBP、Alfa、純度98%)/エタノール(0.0105g/mL)の混合物1マイクロリットル(μL)を、液体オートサンプラーの各パルスによって滴定剤が有機塩基で飽和するまで840秒間隔で導入した。エタノールの脱水速度は、FFAPキャピラリーカラムを備えたAgilent 7890A GCによって測定した。脱水速度の低下は、方程式1によって計算した。エタノールの脱水速度の低下は、かさ高いDTBP分子が到達可能な活性部位(「外部酸性部位」と定義される)の割合を反映していた。
図23は、エタノール脱水反応中の3つのゼオライト触媒上の酸部位のDTBP(2,6−ジ−tertブチルピリジン)塩基滴定を図示している。
【0106】
【数1】
【0107】
MTA反応は、2g
MeOH/(g
触媒・時間)の重量時間空間速度(WHSV)で550℃において固定床反応器を使用して行った。ゼオライトのメタノールの転化率及び芳香族化合物の選択性を
図21Aに示している。この条件下で、3つの触媒は、反応の開始時にメタノールを十分に転化することができた。芳香族ベースの触媒サイクルを促進するために、2−メチルフラン(25重量%)と共にMeOHを共供給することによって高い芳香族化合物選択性(50%超)が達成された。この共供給戦略の副作用は、コークスの迅速な形成及びその結果生じる触媒の失活であった。結果は、失活速度が触媒の拡散距離に対して直接的な相関を有することを示した。具体的には、ミクロZSM−5慣用ゼオライトはわずか2時間の反応の間にその活性の90%を損失した。ナノZSM−5慣用ゼオライトでは、メタノール転化率は最大で6時間は100%のままであり、次いで10時間で約40%に低下した。最良の性能はメソ細孔性ZSM−5ゼオライトによって得られ、これはメタノールの100%の転化率を11時間維持し、転化率が約40%に低下する前のその寿命は14時間であった。3つの触媒の寿命プロットから、転化能力R、速度定数k、及び失活係数aは、「Janssens,T.V.W.,J.Catal.264,130−137(2009)」においてJanssensによって開発されたモデルを各触媒の寿命プロットと組み合わせて使用することによって導いた。結果を表2に示す。結果は、ナノZSM−5及びミクロZSM−5慣用のゼオライト触媒と比較して、メソ−ZSM−5がより高い転化能力、より高い速度定数、及びより低い失活係数を有することを示している。メソ細孔性ZSM−5ゼオライトの優れた触媒特性は、その階層状構造に起因し得、その構造は、酸性部位を十分に利用して高い転化率及び大きな転化能力を達成することを可能にする一方で、コークス形成及びそれ故触媒の失活の可能性を低下させる分子輸送を促進する。また、階層状構造は、メソ細孔性ZSM−5ゼオライトの長い寿命の原因ともなる、触媒のコークス耐性能力を増大させ得る。100%のメタノール転化率を伴う反応期間中、メソZSM−5ゼオライトは、2つの慣用ZSM−5触媒よりも高い芳香族化合物に対する選択性を示したことに留意される。表2のデータについて、t
0.5は50%の転化率までの時間を指し、t
0.8は80%の転化率までの時間を指し、Rはt
0.5で計算されたメタノール転化能力を指し(R=WHSV
MeOH*t
0.5)、kはt
0.8でJanssensのモデルから導かれた速度定数を指し、aはa=τ
0/t
0.5(接触時間τ
0=2.84g
触媒h mol
MeOH−1)の失活係数を指すことを理解されたい。
【0108】
【表2】
【0109】
キャノーラ油(Abu Dhabi Vegetable Oil Company、100%純度)の接触分解を550℃で固定床反応器内で行った。キャリアガスとしてヘリウム(25mL/分)を使用し、内部標準として窒素(12mL/分)を使用した。反応の前に、触媒を100〜300μmサイズの粒子に粉砕し、ヘリウム流(37mL/分)下で550℃で1時間その場で活性化した。凝縮器を使用して、水及び液体生成物を捕捉した。FID及びTCD検出器ならびにHP−AL/KCL及びTDX−01カラムを備えたHaixin 9200 GCシステムを使用して気相生成物を分析した。HP−AL/KCLカラム及びFIDは、炭化水素の分離及び分析のために使用し、TDX−01カラム及びTCDは、窒素、CO
x、及び水素の分離及び分析のために使用した。FID検出器を573Kで維持し、TCD検出器を523Kで維持した。次の温度傾斜を使用した:323Kで10分間保持し、10K/分で473Kまで傾斜させ、473Kで20分間保持する。HP−5キャピラリーカラムを備えたAgilent 7890A GCによって液体生成物を分析した。
【0110】
図21(b)は、接触時間に対するキャノーラ油の転化率及び軽質オレフィンの収率を示しており、これから、メソZSM−5ゼオライトは、ナノZSM−5慣用ゼオライト及びミクロZSM−5慣用ゼオライトよりも同じ条件でより多くのキャノーラ油を転化することができたことが示されている。0.015時間g
触媒/g
油の接触時間では、キャノーラ油の転化率は、メソ細孔性ZSM−5ゼオライトの場合は82.7重量%であり、ナノZSM−5慣用ゼオライトの場合は60.2重量%であり、ミクロZSM−5慣用ゼオライトの場合は37.0重量%であった。軽質オレフィンの対応する収率はそれぞれ26.9重量%、16.4重量%、及び10.1重量%であった。3つの触媒について異なる反応条件での詳細な生成物分布を表3〜5に提供しており、表3はメソ細孔性ZSM−5ゼオライトの結果を示しており、表4はナノZSM−5慣用ゼオライトの結果を示しており、表5はミクロZSM−5慣用ゼオライトの結果を示している。主としてかさ高い飽和及び不飽和トリグリセリドを含有するキャノーラ油の分解は、脂肪酸鎖のプロトン化及びそれに続くβ−切断から開始すると考えられる。反応物分子のサイズが大きいため、プロトン化はミクロ細孔内では起こり得ず、触媒の外表面上でのみ起こり得る。メソ細孔性ZSM−5ゼオライトは、3つの触媒の中で最も高い割合の外部酸部位を有し、そのため、この反応に特に有利である。
【0111】
【表3】
【0112】
【表4】
【0113】
【表5】
【0114】
実施例15−官能化ゼオライトの合成
慣用ZSM−5と比較した、未焼成メソ細孔性ZSM−5ゼオライト(テンプレートポリマーを除去しない)の吸着能力を実証した。50mgのゼオライト粉末を1mLのK
2PtCl
4溶液(0.013M)と5分間混合し、次いで遠心分離によって分離した。2つの上澄み間の色の鮮明なコントラストは、メソ細孔性ZSM−5ゼオライトが、慣用ZSM−5よりも効率的に溶液からPtCl
42−アニオンを吸収したことを暗示していた。
図25A及び25Bは、未焼成メソ細孔性ZSM−5ゼオライト及び未焼成ナノZSM−5慣用ゼオライトによるPtCl
42−の吸着を示している。具体的には、
図25A及び25Bは、1mLの0.013−MのK
2PtCl
4水溶液単独(バイアル0)、50mgのメソ細孔性ZSM−5との混合(バイアル1)、または50mgのナノZSM−5慣用ゼオライトとの混合(バイアル2)の遠心分離の前(
図25A)及び後(
図25B)の写真を示している。バイアル2中のものと比較して、バイアル1中の上澄み液のより明るい色は、メソ細孔性ZSM−5の、より高い吸着能力を示している。
【0115】
吸着能力(Ptに基づく)は、誘導結合プラズマ発光分光法(ICP−OES)によって、メソZSM−5の場合は24.7mg/gであり、ナノZSM−5慣用ゼオライトの場合は0.64mg/gであると決定された。メソ細孔性ZSM−5ゼオライトの向上した吸着能力は、静電相互作用を介してPtCl
42−アニオンを捕捉し得るPDAMAB−TPHAB中の豊富なアンモニウム基に起因する。PtCl
42−の吸着後、メソ細孔性ZSM−5ゼオライトを500℃で焼成してテンプレートを除去し、その一方でPt前駆体をPt金属に還元した。
図22に示されているように、このプロセスは、メソ細孔性ZSM−5ゼオライトに均一に分散した超微細Ptナノ結晶(1〜2nm)をもたらし、これは高角度環状暗視野透過電子顕微鏡(HAADF−STEM)によって観察され、メソ細孔性ZSM−5ゼオライトによるPtイオンの吸着を確認した。慣用の湿式含浸法では、そのような担持レベルでゼオライト担体上にそのような小さな良好に分散したPtナノ結晶を調製することは困難であることに留意される。アンモニウム基とPtCl
42−アニオンとの間の特定の相互作用により、後者がメソ細孔性ZSM−5ゼオライト粒子中に存在するポリマーマトリックスによって均一に分布しかつ保護されることが可能となり、最終的には焼成時に高度に分散した超微細Ptナノ結晶となる。得られる複合材料は、メソ細孔性、強酸性、及び貴金属部位を統合し、潜在的には、大きな分子を伴う水素化または水素化脱酸素化のための有用な触媒である。
【0116】
本開示を説明及び定義する目的のために、「約」という用語は、定量的な比較、価値、測定、または他の表現に起因し得る不確実性の固有の程度を表すために本開示において利用されることが留意される。「約」という用語はまた、定量的表現が、問題の主題の基本的機能に変化をもたらさずに記述された基準と異なり得る程度を表すために本開示において利用される。また、「本質的に〜からなる」という用語は、本開示の基本的かつ新規な特徴(複数可)に実質的に影響を与えない定量値を指すために本開示において使用される。例えば、特定の化学的構成要素または化学的構成要素の群から「本質的になる」化学流は、その流れがその特定の化学的構成要素または化学的構成要素の群の少なくとも約99.5%を含むことを意味すると理解されたい。
【0117】
以下の請求項のうちの1つ以上は、用語「そこで(where)」を移行句として利用することに留意される。本技術を定義する目的のために、この用語は、構造の一連の特徴の記述を導入するために使用されるオープンエンドの移行句として特許請求の範囲に導入され、より一般的に使用されるオープンエンドのプリアンブル用語「含む」と同様に解釈されるべきであることに留意される。
【0118】
特性に割り当てられた任意の2つの定量値は、その特性の範囲を構成し得、所与の特性の全ての記述された定量値から形成される全ての範囲の組み合わせが本開示において企図されることを理解されたい。
【0119】
本開示の第1の態様によれば、カチオン性ポリマーは、化学構造#3または化学構造#8の構造を含み、Aが窒素またはリンであり、Bが窒素またはリンであり、R5が1〜10,000個の炭素原子の炭素鎖長を有する分枝状または非分枝状炭化水素鎖であり、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、及びR13の各々が水素原子または炭化水素であり、その炭化水素の各々が1つ以上のヘテロ原子を任意に含み、nが10〜10,000,000である。
【0120】
本開示の第2の態様は、A及びBが窒素である第1の態様を含み得る。
【0121】
本開示の第3の態様は、Cl
−、Br
−、F
−、I
−、OH
−、1/2SO
42−、1/3PO
43−、1/2S
2−、AlO
2−から選択される1種以上のアニオンを更に含む、第1または第2の態様を含み得る。
【0122】
本開示の第4の態様は、R5が3〜30個の炭素原子の炭素鎖長を含む、第1〜第3の態様のいずれか1つを含み得る。
【0123】
本開示の第5の態様は、R5が5〜10個の炭素原子の炭素鎖長を含む、第1〜第4の態様のいずれか1つを含み得る。
【0124】
本開示の第6の態様は、R6、R7、R8、及びR9が水素である、第1〜第5の態様のいずれか1つを含み得る。
【0125】
本開示の第7の態様は、R10がアルキル基である、第1〜第6の態様のいずれか1つを含み得る。
【0126】
本開示の第8の態様は、R10がメチル基である、第1〜第7の態様のいずれか1つを含み得る。
【0127】
本開示の第9の態様は、R11、R12、及びR13がアルキル基である、第1〜第8の態様のいずれか1つを含み得る。
【0128】
本開示の第10の態様は、R11、R12、及びR13がメチル基である、第1〜第9の態様のいずれか1つを含み得る。
【0129】
本開示の第11の態様は、R11、R12、及びR13がエチル基である、第1〜第10の態様のいずれか1つを含み得る。
【0130】
本開示の第12の態様は、R11、R12、及びR13がプロピル基である、第1〜第11の態様のいずれか1つを含み得る。
【0131】
本開示の第13の態様は、カチオン性ポリマーがポリ(N
1,N
1−ジアリル−N
1−アルキル−N
6,N
6,N
6−トリアルキルアルカン−1,6−ジアモニウムハライド)である、第1〜第12の態様のいずれか1つを含み得る。
【0132】
本開示の第14の態様は、カチオン性ポリマーがポリ(N
1,N
1−ジアリル−N
1−メチル−N
6,N
6,N
6−トリメチルヘキサン−1,6−ジアモニウムブロマイド)である、第1〜第13の態様のいずれか1つを含み得る。
【0133】
本開示の第15の態様は、カチオン性ポリマーがポリ(N
1,N
1−ジアリル−N
1−メチル−N
6,N
6,N
6−トリエチルヘキサン−1,6−ジアモニウムブロマイド)である、第1〜第14の態様のいずれか1つを含み得る。
【0134】
本開示の第16の態様は、カチオン性ポリマーがポリ(N
1,N
1−ジアリル−N
1−メチル−N
6,N
6,N
6−トリプロピルヘキサン−1,6−ジアモニウムブロマイド)である、第1〜第15の態様のいずれか1つを含み得る。
【0135】
本開示の第17の態様は、カチオン性ポリマーが非界面活性剤である、第1〜第16の態様のいずれか1つを含み得る。
【0136】
本開示の第18の態様は、カチオン性ポリマーが構造指向剤として利用されてメソ細孔性ゼオライトを形成する、第1〜第17の態様のいずれか1つを含み得る。
【0137】
本開示の第19の態様によれば、H−NMRピークを0.65ppm〜1.05ppm、1.1ppm〜1.5ppm、1.4ppm〜1.8ppm、2.6ppm〜3.0ppm、及び2.85ppm〜3.25ppmのうちの1つ以上で含むカチオン性ポリマー。
【0138】
本開示の第20の態様は、カチオン性ポリマーが、H−NMRピークを0.65ppm〜1.05ppm、1.1ppm〜1.5ppm、1.4ppm〜1.8ppm、2.6ppm〜3.0ppm、及び2.85ppm〜3.25ppmで含む、第19の態様を含み得る。
【0139】
本開示の第21の態様によれば、カチオン性ポリマーを生成するための方法は、塩化物アニオンを有するジアリルメチルアンモニウム塩酸塩カチオンをジアリルアミンから形成するステップと、ジアリルメチルアンモニウム塩酸塩を重合してポリ(ジアリルメチルアンモニウム塩酸塩)(PDMAH)を形成するステップと、ポリ(ジアリルメチルアンモニウム塩酸塩)(PDMAH)からポリ(ジアリルメチルアミン)(PDMA)を形成するステップと、トリアルキルアミンをジハロアルカンと反応させることによってハライドアニオンを有するアンモニウムハライドカチオンを形成するステップと、PDMAをアンモニウムハライドカチオンと反応させることによって請求項1に記載のカチオン性ポリマーを形成するステップと、を含む。
【0140】
本開示の第22の態様は、カチオン性ポリマーが、化学構造#3または化学構造#8の構造を含み、Aが窒素またはリンであり、Bが窒素またはリンであり、R5が1〜10,000個の炭素原子の炭素鎖長を有する分枝状または非分枝状炭化水素鎖であり、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、及びR13の各々が水素原子または炭化水素であり、その炭化水素の各々が1つ以上のヘテロ原子を任意に含み、nが10〜10,000,000である、第21の態様を含み得る。
【0141】
本開示の第23の態様は、塩化物アニオンを有するジアリルメチルアンモニウム塩酸塩カチオンが、ジアリルアミンをギ酸、ホルムアルデヒド、及びHClと接触させることによって形成される、第21または第22の態様を含み得る。
【0142】
本開示の第24の態様は、ジアリルメチルアンモニウム塩酸塩が、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(AAPH)との接触によって重合される、第21〜第23の態様のいずれか1つを含み得る。
【0143】
本開示の第25の態様は、ポリ(ジアリルメチルアミン)(PDMA)が、ポリ(ジアリルメチルアンモニウム塩酸塩)(PDMAH)をメタン及びナトリウムメトキシドと接触させることによって形成される、第21〜第24の態様のいずれか1つを含み得る。
【0144】
本開示の第26の態様によれば、触媒は、構造指向剤としてカチオン性ポリマーを利用することによって生成され得、構造指向剤として利用されるカチオン性ポリマーが、化学構造#3または化学構造#8の構造を含み、Aが窒素またはリンであり、Bが窒素またはリンであり、R5が1〜10,000個の炭素原子の炭素鎖長を有する分枝状または非分枝状炭化水素鎖であり、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、及びR13の各々が水素原子または炭化水素であり、その炭化水素の各々が1つ以上のヘテロ原子を任意に含み、nが10〜10,000,000である。
【0145】
本開示の第27の態様は、触媒がメソ細孔性ゼオライトである、第26の態様を含み得る。
【0146】
本開示の第28の態様によれば、メソ細孔性ゼオライトは、カチオン性ポリマー及び1種以上の前駆体材料を組み合わせてミクロ細孔を含む中間体材料を形成するステップであって、カチオン性ポリマーが、ミクロ細孔の形成のための構造指向剤として作用し、カチオン性ポリマーが、炭化水素鎖によって結合した2つ以上の第4級アンモニウムカチオンまたは第4級ホスホニウムカチオンを含むモノマーを含む、形成するステップと、中間体構造を焼成してメソ細孔性ゼオライトを形成するステップと、を含む方法によって生成され得る。
【0147】
本開示の第29の態様は、焼成が、中間体構造からカチオン性ポリマーを除去し、メソ細孔を形成する、第28の態様を含み得る。
【0148】
本開示の第30の態様は、カチオン性ポリマーが、化学構造#3または化学構造#8の構造を含み、Aが窒素またはリンであり、Bが窒素またはリンであり、R5が1〜10,000個の炭素原子の炭素鎖長を有する分枝状または非分枝状炭化水素鎖であり、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、及びR13の各々が水素原子または炭化水素であり、その炭化水素の各々が1つ以上のヘテロ原子を任意に含み、nが10〜10,000,000である、第28または第29の態様のいずれかを含み得る。
【0149】
本開示の第31の態様は、前駆体材料が、ケイ素含有材料、チタン含有材料、及びアルミニウム含有材料のうちの1種以上から選択される、第28〜第30の態様のいずれか1つを含み得る。
【0150】
本開示の第32の態様は、メソ細孔性ゼオライトが、アルミノシリケート材料、チタノシリケート材料、または純粋なシリケート材料を含む、第28〜第31の態様のいずれか1つを含み得る。
【0151】
本開示の第33の態様は、メソ細孔性ゼオライトが、350m
2/gを超える表面積を含む、第28〜第32の態様のいずれか1つを含み得る。
【0152】
本開示の第34の態様は、メソ細孔性ゼオライトが、0.3cm
3/gを超える細孔容積を含む、第28〜第33の態様のいずれか1つを含み得る。
【0153】
本開示の第35の態様は、メソ細孔性ゼオライトがMFI骨格型を含む、第28〜第34の態様のいずれか1つを含み得る。
【0154】
本開示の第36の態様は、メソ細孔性ゼオライトがZSM−5ゼオライトである、第28〜第35の態様のいずれか1つを含み得る。
【0155】
本開示の第37の態様は、メソ細孔性ゼオライトがTS−1ゼオライトである、第28〜第36の態様のいずれか1つを含み得る。
【0156】
本開示の第38の態様は、メソ細孔性ゼオライトがシリカライト−Iゼオライトである、第28〜第37の態様のいずれか1つを含み得る。
【0157】
本開示の第39の態様は、メソ細孔性ゼオライトがBEA骨格型を含む、第28〜第38の態様のいずれか1つを含み得る。
【0158】
本開示の第40の態様は、メソ細孔性ゼオライトがベータゼオライトである、第28〜第39の態様のいずれか1つを含み得る。
【0159】
本開示の第41の態様によれば、メソ細孔性ゼオライトは、2nm以下の直径を有する複数のミクロ細孔を含むミクロ細孔性骨格と、2nmを超え50nm以下の直径を有する複数のメソ細孔と、を含み得、メソ細孔性ゼオライトが、アルミノシリケート材料、チタノシリケート材料、または純粋なシリケート材料を含み、メソ細孔性ゼオライトが、350m
2/gを超える表面積を含み、メソ細孔性ゼオライトが、0.3cm
3/gを超える細孔容積を含む。
【0160】
本開示の第42の態様は、メソ細孔性ゼオライトがMFI骨格型を含む、第41の態様を含み得る。
【0161】
本開示の第43の態様は、メソ細孔性ゼオライトがZSM−5ゼオライトである、第41〜第42の態様のいずれか1つを含み得る。
【0162】
本開示の第44の態様は、メソ細孔性ゼオライトがTS−1ゼオライトである、第41〜第43の態様のいずれか1つを含み得る。
【0163】
本開示の第45の態様は、メソ細孔性ゼオライトがシリカライト−Iゼオライトである、第41〜第44の態様のいずれか1つを含み得る。
【0164】
本開示の第46の態様は、メソ細孔性ゼオライトがBEA骨格型を含む、第41〜第45の態様のいずれか1つを含み得る。
【0165】
本開示の第47の態様は、メソ細孔性ゼオライトがベータゼオライトである、第41〜第46の態様のいずれか1つを含み得る。
【0166】
本開示の第48の態様は、メソ細孔性ゼオライトがアルミノシリケート材料を含む、第41〜第47の態様のいずれか1つを含み得る。
【0167】
本開示の第49の態様は、メソ細孔性ゼオライトが10以上のSiのAlに対するモル比を含む、第41〜第48の態様のいずれか1つを含み得る。
【0168】
本開示の第50の態様は、メソ細孔性ゼオライトがチタノシリケート材料を含む、第41〜第49の態様のいずれか1つを含み得る。
【0169】
本開示の第51の態様は、メソ細孔性ゼオライトが30以上のSiのTiに対するモル比を含む、第41〜第50の態様のいずれか1つを含み得る。
【0170】
本開示の第52の態様は、メソ細孔性ゼオライトが純粋なシリケート材料を含む、第41〜第51の態様のいずれか1つを含み得る。
【0171】
本開示の第53の態様は、メソ細孔性ゼオライトが25nm〜500nmのサイズの粒子を含む、第41〜第52の態様のいずれか1つを含み得る。
【0172】
本開示の第54の態様によれば、多孔質材料は、2nm以下の直径を有する複数のミクロ細孔を含むミクロ細孔構造を含むゼオライトコア部分であって、そのコア部分が、アルミノシリケート材料、チタノシリケート材料、または純粋なシリケート材料を含む、ゼオライトコア部分と、アルミノシリケート材料、チタノシリケート材料、または純粋なシリケート材料を含み、かつコア部分を取り囲むメソ細孔性ゼオライトシェル部分であって、そのシェル部分が、2nm以下の直径を有する複数のミクロ細孔を含むミクロ細孔性骨格と、2nmを超え50nm以下の直径を有する複数のメソ細孔と、を含む、メソ細孔性ゼオライトシェル部分と、を含む。
【0173】
本開示の第55の態様は、シェル部分が、350m
2/gを超える表面積を含む、第54の態様を含み得る。
【0174】
本開示の第56の態様は、シェル部分が、0.3cm
3/gを超える細孔容積を含む、第54または第55の態様を含み得る。
【0175】
本開示の第57の態様は、コア部分がメソ細孔を含まない、第54〜第56の態様のいずれか1つを含み得る。
【0176】
本開示の第58の態様は、シェル部分が20nm〜200nmの厚さを有する、第54〜第57の態様のいずれか1つを含み得る。
【0177】
本開示の第59の態様は、コア部分が25nm〜500nmの長さを有する、第54〜第58の態様のいずれか1つを含み得る。
【0178】
本開示の第60の態様は、シェル部分がMFI骨格型を含む、第54〜第59の態様のいずれか1つを含み得る。
【0179】
本開示の第61の態様は、シェル部分がZSM−5ゼオライトである、第54〜第60の態様のいずれか1つを含み得る。
【0180】
本開示の第62の態様は、シェル部分がTS−1ゼオライトである、第54〜第61の態様のいずれか1つを含み得る。
【0181】
本開示の第63の態様は、シェル部分がシリカライト−Iゼオライトである、第54〜第62の態様のいずれか1つを含み得る。
【0182】
本開示の第64の態様は、シェル部分がBEA骨格型を含む、第54〜第64の態様のいずれか1つを含み得る。
【0183】
本開示の第65の態様は、シェル部分がベータゼオライトである、第54〜第64の態様のいずれか1つを含み得る。
【0184】
本開示の第66の態様によれば、コア部分及びシェル部分を含むコア/シェルゼオライトは、カチオン性ポリマー、多孔質材料の前駆体材料、及び1種以上のコアシード材料を含む混合物を形成するステップであって、コアシード材料がミクロ細孔構造を含む、形成するステップと、コアシード材料の周りにシェル部分の中間体材料を形成するステップであって、シェル部分の中間体材料がミクロ細孔を含み、カチオン性ポリマーが、シェル部分の中間体のミクロ細孔の形成のための構造指向剤として作用し、カチオン性ポリマーが、炭化水素鎖によって分離した2つ以上の第4級アンモニウムカチオンまたは第4級ホスホニウムカチオンを含むモノマーを含む、形成するステップと、コア/シェル多孔質材料を焼成してコア/シェルゼオライトを形成するステップであって、シェル部分がメソ細孔性ゼオライトを含む、形成するステップと、を含む、方法によって生成され得る。
【0185】
本開示の第67の態様は、カチオン性ポリマーが、化学構造#3または化学構造#8の構造を含み、Aが窒素またはリンであり、Bが窒素またはリンであり、R5が1〜10,000個の炭素原子の炭素鎖長を有する分枝状または非分枝状炭化水素鎖であり、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、及びR13の各々が水素原子または炭化水素であり、その炭化水素の各々が1つ以上のヘテロ原子を任意に含み、nが10〜10,000,000である、第66の態様を含み得る。
【0186】
本開示の第68の態様は、焼成が、シェル部分の中間体構造からカチオン性ポリマーを除去し、シェル構造中でメソ細孔を形成する、第66または第67の態様を含み得る。
【0187】
本開示の第69の態様は、構造
(式中、Aが窒素またはリンであり、Bが窒素またはリンであり、R5が1〜10,000個の炭素原子の炭素鎖長を有する分枝状または非分枝状炭化水素鎖であり、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、及びR13の各々が水素原子または炭化水素であり、その炭化水素の各々が1つ以上のヘテロ原子を任意に含み、o+mが10〜10,000,000である。)を含むカチオン性ポリマーを含む。
【0188】
本開示の主題を詳細に、そして特定の実施形態を参照して説明したが、本開示に記載された様々な詳細は、これらの詳細が、本明細書に付随する図面の各々に特定の要素が示されている場合であっても、本開示に記載された様々な実施形態の必須成分である要素と関連することを暗示するために受け取られるべきではないことが留意される。むしろ、本明細書に添付された特許請求の範囲は、本開示の幅及び本開示に記載された様々な実施形態の対応する範囲の唯一の表現として受け取られるべきである。更に、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、変更及び変形が可能であることは明らかである。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
構造:
【化1】
(式中、Aが窒素またはリンであり、Bが窒素またはリンであり、
R5が1〜10,000個の炭素原子の炭素鎖長を有する分枝状または非分枝状炭化水素鎖であり、
R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、及びR13の各々が水素原子または炭化水素であり、前記炭化水素の各々が1つ以上のヘテロ原子を任意に含み、
nが10〜10,000,000である。)を含むカチオン性ポリマー。
実施形態2
A及びBが窒素である、実施形態1に記載のカチオン性ポリマー。
実施形態3
Cl−、Br−、F−、I−、OH−、1/2SO42−、1/3PO43−、1/2S2−、AlO2−から選択される1種以上のアニオンを更に含む、実施形態1に記載のカチオン性ポリマー。
実施形態4
R5が、3〜30個の炭素原子の炭素鎖長を含む、実施形態1に記載のカチオン性ポリマー。
実施形態5
R5が、5〜10個の炭素原子の炭素鎖長を含む、実施形態1に記載のカチオン性ポリマー。
実施形態6
R6、R7、R8、及びR9が水素である、実施形態1に記載のカチオン性ポリマー。
実施形態7
R10がアルキル基である、実施形態1に記載のカチオン性ポリマー。
実施形態8
R10がメチル基である、実施形態1に記載のカチオン性ポリマー。
実施形態9
R11、R12、及びR13がアルキル基である、実施形態1に記載のカチオン性ポリマー。
実施形態10
R11、R12、及びR13がメチル基である、実施形態1に記載のカチオン性ポリマー。
実施形態11
R11、R12、及びR13がエチル基である、実施形態1に記載のカチオン性ポリマー。
実施形態12
R11、R12、及びR13がプロピル基である、実施形態1に記載のカチオン性ポリマー。
実施形態13
前記カチオン性ポリマーが、ポリ(N1,N1−ジアリル−N1−アルキル−N6,N6,N6−トリアルキルアルカン−1,6−ジアモニウムハライド)である、実施形態1に記載のカチオン性ポリマー。
実施形態14
前記カチオン性ポリマーが、ポリ(N1,N1−ジアリル−N1−メチル−N6,N6,N6−トリメチルヘキサン−1,6−ジアンモニウムブロマイド)である、実施形態1に記載のカチオン性ポリマー。
実施形態15
前記カチオン性ポリマーが、ポリ(N1,N1−ジアリル−N1−メチル−N6,N6,N6−トリエチルヘキサン−1,6−ジアモニウムブロマイド)である、実施形態1に記載のカチオン性ポリマー。
実施形態16
前記カチオン性ポリマーが、ポリ(N1,N1−ジアリル−N1−メチル−N6,N6,N6−トリプロピルヘキサン−1,6−ジアモニウムブロマイド)である、実施形態1に記載のカチオン性ポリマー。
実施形態17
前記カチオン性ポリマーが非界面活性剤である、実施形態1に記載のカチオン性ポリマー。
実施形態18
前記カチオン性ポリマーが構造指向剤として利用されてメソ細孔性ゼオライトを形成する、実施形態1に記載のカチオン性ポリマー。
実施形態19
H−NMRピークを、
0.65ppm〜1.05ppm、
1.1ppm〜1.5ppm、
1.4ppm〜1.8ppm、
2.6ppm〜3.0ppm、及び
2.85ppm〜3.25ppmのうちの1つ以上で含むカチオン性ポリマー。
実施形態20
前記カチオン性ポリマーが、H−NMRピークを、
0.65ppm〜1.05ppm、
1.1ppm〜1.5ppm、
1.4ppm〜1.8ppm、
2.6ppm〜3.0ppm、及び
2.85ppm〜3.25ppmで含む、実施形態19に記載のカチオン性ポリマー。
実施形態21
前記カチオン性ポリマーを生成するための方法であって、前記方法が、
塩化物アニオンを有するジアリルメチルアンモニウム塩酸塩カチオンをジアリルアミンから形成するステップと、
前記ジアリルメチルアンモニウム塩酸塩を重合してポリ(ジアリルメチルアンモニウム塩酸塩)(PDMAH)を形成するステップと、
前記ポリ(ジアリルメチルアンモニウム塩酸塩)(PDMAH)からポリ(ジアリルメチルアミン)(PDMA)を形成するステップと、
トリアルキルアミンをジハロアルカンと反応させることによってハライドアニオンを有するアンモニウムハライドカチオンを形成するステップと、
前記PDMAを前記アンモニウムハライドカチオンと反応させることによって実施形態1に記載のカチオン性ポリマーを形成するステップと、
を含む、方法。
実施形態22
前記カチオン性ポリマーが、構造:
【化2】
(式中、Aが窒素またはリンであり、Bが窒素またはリンであり、
R5が1〜10,000個の炭素原子の炭素鎖長を有する分枝状または非分枝状炭化水素鎖であり、
R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、及びR13の各々が水素原子または炭化水素であり、前記炭化水素の各々が1つ以上のヘテロ原子を任意に含み、
nが10〜10,000,000である。)を含む、実施形態21に記載の方法。
実施形態23
前記塩化物アニオンを有するジアリルメチルアンモニウム塩酸塩カチオンが、前記ジアリルアミンをギ酸、ホルムアルデヒド、及びHClと接触させることによって形成される、実施形態21に記載の方法。
実施形態24
前記ジアリルメチルアンモニウム塩酸塩が、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(AAPH)との接触によって重合される、実施形態21に記載の方法。
実施形態25
前記ポリ(ジアリルメチルアミン)(PDMA)が、前記ポリ(ジアリルメチルアンモニウム塩酸塩)(PDMAH)をメタン及びナトリウムメトキシドと接触させることによって形成される、実施形態21に記載の方法。
実施形態26
構造指向剤としてカチオン性ポリマーを利用することによって生成される触媒であって、前記構造指向剤として利用される前記カチオン性ポリマーが、構造:
【化3】
(式中、Aが窒素またはリンであり、Bが窒素またはリンであり、
R5が1〜10,000個の炭素原子の炭素鎖長を有する分枝状または非分枝状炭化水素鎖であり、
R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、及びR13の各々が水素原子または炭化水素であり、前記炭化水素の各々が1つ以上のヘテロ原子を任意に含み、
nが10〜10,000,000である。)を含む、触媒。
実施形態27
前記触媒がメソ細孔性ゼオライトである、実施形態26に記載の触媒。
実施形態28
メソ細孔性ゼオライトを生成するための方法であって、前記方法が、
カチオン性ポリマー及び1種以上の前駆体材料を組み合わせてミクロ細孔を含む中間体材料を形成するステップであって、
前記カチオン性ポリマーが、前記ミクロ細孔の形成のための構造指向剤として作用し、
前記カチオン性ポリマーが、炭化水素鎖によって結合した2つ以上の第4級アンモニウムカチオンまたは第4級ホスホニウムカチオンを含むモノマーを含む、形成するステップと、
中間体構造を焼成してメソ細孔性ゼオライトを形成するステップと、
を含む、方法。
実施形態29
前記焼成が、前記中間体構造から前記カチオン性ポリマーを除去し、メソ細孔を形成する、実施形態28に記載の方法。
実施形態30
前記カチオン性ポリマーが、構造:
【化4】
(式中、Aが窒素またはリンであり、Bが窒素またはリンであり、
R5が1〜10,000個の炭素原子の炭素鎖長を有する分枝状または非分枝状炭化水素鎖であり、
R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、及びR13の各々が水素原子または炭化水素であり、前記炭化水素の各々が1つ以上のヘテロ原子を任意に含み、
nが10〜10,000,000である。)を含む、実施形態28に記載の方法。
実施形態31
前記前駆体材料が、ケイ素含有材料、チタン含有材料、及びアルミニウム含有材料のうちの1種以上から選択される、実施形態28に記載の方法。
実施形態32
前記メソ細孔性ゼオライトが、アルミノシリケート材料、チタノシリケート材料、または純粋なシリケート材料を含む、実施形態28に記載の方法。
実施形態33
前記メソ細孔性ゼオライトが、350m2/gを超える表面積を含む、実施形態28に記載の方法。
実施形態34
前記メソ細孔性ゼオライトが、0.3cm3/gを超える細孔容積を含む、実施形態28に記載の方法。
実施形態35
前記メソ細孔性ゼオライトがMFI骨格型を含む、実施形態28に記載のメソ細孔性ゼオライト。
実施形態36
前記メソ細孔性ゼオライトがZSM−5ゼオライトである、実施形態35に記載のメソ細孔性ゼオライト。
実施形態37
前記メソ細孔性ゼオライトがTS−1ゼオライトである、実施形態35に記載のメソ細孔性ゼオライト。
実施形態38
前記メソ細孔性ゼオライトがシリカライト−Iゼオライトである、実施形態35に記載のメソ細孔性ゼオライト。
実施形態39
前記メソ細孔性ゼオライトがBEA骨格型を含む、実施形態28に記載のメソ細孔性ゼオライト。
実施形態40
前記メソ細孔性ゼオライトがベータゼオライトである、実施形態39に記載のメソ細孔性ゼオライト。
実施形態41
2nm以下の直径を有する複数のミクロ細孔を含むミクロ細孔性骨格と、
2nmを超え50nm以下の直径を有する複数のメソ細孔と、を含む、メソ細孔性ゼオライトであって、
前記メソ細孔性ゼオライトが、アルミノシリケート材料、チタノシリケート材料、または純粋なシリケート材料を含み、
前記メソ細孔性ゼオライトが、350m2/gを超える表面積を含み、
前記メソ細孔性ゼオライトが、0.3cm3/gを超える細孔容積を含む、メソ細孔性ゼオライト。
実施形態42
前記メソ細孔性ゼオライトがMFI骨格型を含む、実施形態41に記載のメソ細孔性ゼオライト。
実施形態43
前記メソ細孔性ゼオライトがZSM−5ゼオライトである、実施形態42に記載のメソ細孔性ゼオライト。
実施形態44
前記メソ細孔性ゼオライトがTS−1ゼオライトである、実施形態42に記載のメソ細孔性ゼオライト。
実施形態45
前記メソ細孔性ゼオライトがシリカライト−Iゼオライトである、実施形態42に記載のメソ細孔性ゼオライト。
実施形態46
前記メソ細孔性ゼオライトがBEA骨格型を含む、実施形態41に記載のメソ細孔性ゼオライト。
実施形態47
前記メソ細孔性ゼオライトがベータゼオライトである、実施形態46に記載のメソ細孔性ゼオライト。
実施形態48
前記メソ細孔性ゼオライトがアルミノシリケート材料を含む、実施形態41に記載のメソ細孔性ゼオライト。
実施形態49
前記メソ細孔性ゼオライトが、10以上のSiのAlに対するモル比を含む、実施形態48に記載のメソ細孔性ゼオライト。
実施形態50
前記メソ細孔性ゼオライトがチタノシリケート材料を含む、実施形態41に記載のメソ細孔性ゼオライト。
実施形態51
前記メソ細孔性ゼオライトが、30以上のSiのTiに対するモル比を含む、実施形態50に記載のメソ細孔性ゼオライト。
実施形態52
前記メソ細孔性ゼオライトが純粋なシリケート材料を含む、実施形態41に記載のメソ細孔性ゼオライト。
実施形態53
前記メソ細孔性ゼオライトが、25nm〜500nmのサイズの粒子を含む、実施形態41に記載のメソ細孔性ゼオライト。
実施形態54
2nm以下の直径を有する複数のミクロ細孔を含むミクロ細孔構造を含むゼオライトコア部分であって、前記コア部分が、アルミノシリケート材料、チタノシリケート材料、または純粋なシリケート材料を含む、ゼオライトコア部分と、
アルミノシリケート材料、チタノシリケート材料、または純粋なシリケート材料を含み、かつ前記コア部分を取り囲むメソ細孔性ゼオライトシェル部分であって、前記シェル部分が、
2nm以下の直径を有する複数のミクロ細孔を含むミクロ細孔性骨格と、
2nmを超え50nm以下の直径を有する複数のメソ細孔と、を含む、メソ細孔性ゼオライトシェル部分と、を含む、多孔質材料。
実施形態55
前記シェル部分が、350m2/gを超える表面積を含む、実施形態54に記載の多孔質材料。
実施形態56
前記シェル部分が、0.3cm3/gを超える細孔容積を含む、実施形態54に記載の多孔質材料。
実施形態57
前記コア部分がメソ細孔を含まない、実施形態54に記載の多孔質材料。
実施形態58
前記シェル部分が、20nm〜200nmの厚さを有する、実施形態54に記載の多孔質材料。
実施形態59
前記コア部分が、25nm〜500nmの長さを有する、実施形態54に記載の多孔質材料。
実施形態60
前記シェル部分がMFI骨格型を含む、実施形態54に記載のメソ細孔性ゼオライト。
実施形態61
前記シェル部分がZSM−5ゼオライトである、実施形態60に記載のメソ細孔性ゼオライト。
実施形態62
前記シェル部分がTS−1ゼオライトである、実施形態60に記載のメソ細孔性ゼオライト。
実施形態63
前記シェル部分がシリカライト−Iゼオライトである、実施形態60に記載のメソ細孔性ゼオライト。
実施形態64
前記シェル部分がBEA骨格型を含む、実施形態54に記載のメソ細孔性ゼオライト。
実施形態65
前記シェル部分がベータゼオライトである、実施形態64に記載のメソ細孔性ゼオライト。
実施形態66
コア部分及びシェル部分を含むコア/シェルゼオライトを生成するための方法であって、
カチオン性ポリマー、多孔質材料の前駆体材料、及び1種以上のコアシード材料を含む混合物を形成するステップであって、前記コアシード材料がミクロ細孔構造を含む、形成するステップと、
前記コアシード材料の周りに前記シェル部分の中間体材料を形成するステップであって、前記シェル部分の中間体材料がミクロ細孔を含み、
前記カチオン性ポリマーが、前記シェル部分の中間体の前記ミクロ細孔の形成のための構造指向剤として作用し、
前記カチオン性ポリマーが、炭化水素鎖によって分離した2つ以上の第4級アンモニウムカチオンまたは第4級ホスホニウムカチオンを含むモノマーを含む、形成するステップと、
前記コア/シェル多孔質材料を焼成してコア/シェルゼオライトを形成するステップであって、前記シェル部分がメソ細孔性ゼオライトを含む、形成するステップと、
を含む、方法。
実施形態67
前記カチオン性ポリマーが、構造:
【化5】
(式中、Aが窒素またはリンであり、Bが窒素またはリンであり、
R5が1〜10,000個の炭素原子の炭素鎖長を有する分枝状または非分枝状炭化水素鎖であり、
R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、及びR13の各々が水素原子または炭化水素であり、前記炭化水素の各々が1つ以上のヘテロ原子を任意に含み、
nが10〜10,000,000である。)を含む、実施形態66に記載の方法。
実施形態68
前記焼成が、前記シェル部分の中間体構造から前記カチオン性ポリマーを除去し、前記シェル構造中でメソ細孔を形成する、実施形態66に記載の方法。
実施形態69
構造:
【化6】
(式中、Aが窒素またはリンであり、Bが窒素またはリンであり、
R5が1〜10,000個の炭素原子の炭素鎖長を有する分枝状または非分枝状炭化水素鎖であり、
R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、及びR13の各々が水素原子または炭化水素であり、前記炭化水素の各々が1つ以上のヘテロ原子を任意に含み、
o+mが10〜10,000,000である。)を含むカチオン性ポリマー。
実施形態70
A及びBが窒素である、実施形態69に記載のカチオン性ポリマー。
実施形態71
Cl−、Br−、F−、I−、OH−、1/2SO42−、1/3PO43−、1/2S2−、AlO2−から選択される1種以上のアニオンを更に含む、実施形態69に記載のカチオン性ポリマー。
実施形態72
R5が、3〜30個の炭素原子の炭素鎖長を含む、実施形態69に記載のカチオン性ポリマー。
実施形態73
R5が、5〜10個の炭素原子の炭素鎖長を含む、実施形態69に記載のカチオン性ポリマー。
実施形態74
R6、R7、R8、及びR9が水素である、実施形態69に記載のカチオン性ポリマー。
実施形態75
R10がアルキル基である、実施形態69に記載のカチオン性ポリマー。
実施形態76
R10がメチル基である、実施形態69に記載のカチオン性ポリマー。
実施形態77
R11、R12、及びR13がアルキル基である、実施形態69に記載のカチオン性ポリマー。
実施形態78
R11、R12、及びR13がメチル基である、実施形態69に記載のカチオン性ポリマー。
実施形態79
R11、R12、及びR13がエチル基である、実施形態69に記載のカチオン性ポリマー。
実施形態80
R11、R12、及びR13がプロピル基である、実施形態69に記載のカチオン性ポリマー。