(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2の包囲空間の前記画像は、前記第1の包囲空間の前記画像と関連付けながら前記ユーザインターフェイスにおいて強調が抑えられている、請求項3に記載の方法。
前記ユーザインターフェイスは、前記デバイス管理システムのフロントエンドユーザインターフェイスサーバによって生成される、請求項8〜12のいずれかに記載のシステム。
非一時的なコンピュータ読取り可能媒体であって、1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のプロセッサに以下の動作を実行させる命令を含み、前記以下の動作は、
デバイス管理システムに登録されるとともにユーザアカウントに関連付けられた1つ以上の電子デバイスに関するデータを受信する動作を備え、前記データは、前記1つ以上の電子デバイスによって制御または監視される条件を含み、前記以下の動作はさらに、
コンピューティングデバイスからの前記条件を監視または制御するためのユーザインターフェイスを生成する動作を備え、前記ユーザインターフェイスは、
前記ユーザアカウントに関連付けられた第1の包囲空間の画像と、
前記第1の包囲空間に設置される前記1つ以上の電子デバイスにおける第1の1つ以上の電子デバイスの画像と、
前記第1の1つ以上の電子デバイスによって制御または監視される前記第1の包囲空間のアスペクトを反映する、前記第1の1つ以上の電子デバイスの前記画像の各々を覆う現在の条件とを含む、非一時的なコンピュータ読取り可能媒体。
前記第1の1つ以上の電子デバイスの前記画像は、前記ユーザインターフェイスの前記画像が前記第1の1つ以上の電子デバイスのユーザインターフェイスと同様の態様で条件制御および情報を表示するように、前記第1の1つ以上の電子デバイスのユーザインターフェイスの画像を含む、請求項17に記載の非一時的なコンピュータ読取り可能媒体。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の詳細な記述では、説明の目的で、本発明の様々な実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的詳細が記載されている。当業者は、本発明のこれら様々な実施形態は、例示に過ぎず、決して制限することを意図していないことを理解するであろう。本発明の他の実施形態は、本開示の利益を得るかかる当業者に対して、容易に示唆となるであろう。
【0018】
さらに、明確にするために、本明細書に記載される実施形態のルーチン機能の全ては示されないか、または記述されない。当業者は、任意のかかる実際の実施形態の開発では、特定の設計目的を達成するために、多数の実施形態固有の判断が要求され得ることを容易に理解するであろう。これらの設計目的は、実施形態ごと、および開発ごとに異なるであろう。さらに、かかる開発努力は、複雑で時間がかかり得るが、それにもかかわらず、本開示の利益を得る当業者にとっては、日常的な工学上の作業であることが理解されるであろう。
【0019】
1つまたは複数の実施形態が、一戸建て住居等の住居用の家で使用される典型的なHVACシステムの文脈で本明細書にさらに記述される一方で、本教示の範囲は、さほど限定されないことを理解されたい。より一般に、1つまたは複数の好ましい実施形態に従ったサーモスタットは、限定なしに、二世帯住宅、タウンホーム、集合住宅、ホテル、小売店、事務所用建物、および産業施設を含む、1つまたは複数のHVACシステムを有する多岐にわたる包囲空間に適用可能である。さらに、ユーザー、顧客、設置者、自家所有者、居住者、客、テナント、家主、修理人等という用語は、本明細書に記載される1つまたは複数のシナリオの文脈で、サーモスタットまたは他の装置またはユーザーインタフェースと対話する人物(単数または複数)を指すように使用され得る一方で、これらの参照は、かかる動作を行っている人物(単数または複数)に関して、本教示の範囲を限定するものとは決して見なされないことを理解されたい。
【0020】
図1は、1つまたは複数の環境状態を制御するために、本発明の実施形態に従って実施されたインテリジェントサーモスタット(以下、サーモスタット)を使用する例示的な包囲空間を示す図である。例えば、包囲空間100は、HVACシステム120によって提供される暖房および冷房の制御用にサーモスタット110を使用する、一戸建て住宅タイプの包囲空間を示す。本発明の代替実施形態は、二世帯住宅、共同住宅内の区画、事務所もしくは小売店などの軽商業構造、またはこれらおよび他のタイプの包囲空間の組合せである構造もしくは包囲空間を含む、他のタイプの包囲空間とともに使用され得る。
【0021】
図1のサーモスタット110のいくつかの実施形態は、包囲空間100に関連した環境からデータを収集するために1つまたは複数のセンサーを組み込む。サーモスタット110に組み込まれたセンサーは、居住状態、温度、光、および他の環境状態を検出して、HVACシステム120の制御および動作に影響を与え得る。サーモスタット110内に組み込まれたセンサーは、サーモスタット110の表面から突き出ず、それにより、家または他の包囲空間内の居住者から注目を集めない、しゃれた上品な設計を提供する。結果として、サーモスタット110は、インテリアデザインの全体的な魅力を増大させながら、ほとんど全ての装飾に容易に適合する。
【0022】
本明細書では、「学習」サーモスタットは、少なくとも1つの自動的に検知された事象および/または少なくとも1つの過去もしくは現在のユーザー入力に基づいて、暖房および/または冷房スケジュールにおける少なくとも1つの将来の設定点を自動的に確立およ
び/または修正する機能を有する、サーモスタット、またはマルチサーモスタットネットワーク内の複数の通信するサーモスタットのうちの1つを指す。本明細書では、「一次」サーモスタットは、HVACシステムにつながるHVAC制御線(例えば、W、G、Y、など)への電気的接続によってなど、HVACシステムの全部または一部を作動させるために電気的に接続されているサーモスタットを指す。本明細書では、「補助的」サーモスタットは、HVACシステムを作動させるために電気的に接続されていないが、別の方法で少なくとも1つのセンサーを含み、一次サーモスタットとのデータ通信によってHVACシステムの一次サーモスタット制御に影響を与えるか、またはそれを容易にする、サーモスタットを指す。1つの特に有用なシナリオでは、サーモスタット110は、一次学習サーモスタットであり、壁掛け式で、HVAC制御線の全てに接続されるが、他方、遠隔サーモスタット112は、ナイトテーブルまたはドレッサー上に置かれる補助的学習サーモスタットであり、補助的学習サーモスタットは、一次学習サーモスタットと外見およびユーザーインタフェース機能が類似しており、補助的学習サーモスタットは、一次学習サーモスタットと同様の検出機能(例えば、温度、湿度、モーション、周辺光、近接度)をさらに有するが、補助的学習サーモスタットは、HVACワイヤーのいずれにも接続されていない。補助的学習サーモスタットは、HVACワイヤーのいずれにも接続されていないが、例えば、包囲空間内のそのそれぞれの位置で追加の温度データを提供すること、追加の居住状態情報を提供すること、ユーザーに対して追加のユーザーインタフェースを提供することなどにより、HVACシステムの改善された制御のために、一次学習サーモスタットと無線で通信して、それと協働する。
【0023】
サーモスタット110が一次学習サーモスタットであり、遠隔サーモスタット112が補助的学習サーモスタットである、ある実施形態が特に有利であるが、本教示の範囲はそのように限定されないことを理解されたい。従って、例えば、サーモスタットが一次学習サーモスタットである場合、ネットワーク接続されたサーモスタットをオンラインユーザーアカウントと自動的にペアに関連付ける、ある初期プロビジョニング方法が特に好都合であるが、本方法は、さらに一般的に、一次非学習サーモスタット、補助的学習サーモスタット、補助的非学習サーモスタット、または他のタイプのネットワーク接続されたサーモスタットおよび/もしくはネットワーク接続されたセンサーを伴うシナリオに適用可能である。さらなる例として、サーモスタットが一次学習サーモスタットである場合、サーモスタットの遠隔制御用のあるグラフィカルユーザーインタフェースが特に好都合であり得るが、本方法は、さらに一般的に、一次非学習サーモスタット、補助的学習サーモスタット、補助的非学習サーモスタット、または他のタイプのネットワーク接続されたサーモスタットおよび/もしくはネットワーク接続されたセンサーを伴うシナリオに適用可能である。もっとさらなる例として、サーモスタットが一次学習サーモスタットである場合、遠隔クラウドベース管理サーバーによるサーモスタットの協働した電池節約情報のポーリングの特定の方法が特に好都合であり得るが、本方法は、さらに一般的に、一次非学習サーモスタット、補助的学習サーモスタット、補助的非学習サーモスタット、または他のタイプのネットワーク接続されたサーモスタットおよび/もしくはネットワーク接続されたセンサーを伴うシナリオに適用可能である。
【0024】
包囲空間100は、無線で、および有線接続を通じての両方でアクセス可能なプライベートネットワークをさらに含み、ローカルエリアネットワークまたはLANとしても参照され得る。プライベートネットワーク上のネットワーク装置は、本発明のいくつかの実施形態に従って、コンピュータ124、サーモスタット110、および遠隔サーモスタット112を含む。いくつかの実施形態では、プライベートネットワークは、ルーティング、無線アクセスポイント機能、ファイアウォール、および、コンピュータ124などの、様々な有線ネットワーク装置への接続のための複数の有線接続ポートを提供する統合ルーター122を使用して、実施される。他の実施形態は、統合ルーター122によって提供される機能と同等な、または、それに追加のネットワーキング機能を実行するために、複数
の離散スイッチ、ルーター、および他の装置(図示せず)を代わりに使用し得る。
【0025】
包囲空間100が、一般に、ケーブルモデム、DSLモデム、およびインターネットまたは他の公衆ネットワークのサービスプロバイダを通して、公衆ネットワークに接続する場合、統合ルーター122は、ネットワーク装置に、インターネットなどの公衆ネットワークへのアクセスをさらに提供する。インターネットおよび他の公衆ネットワークは、ワイドエリアネットワークまたはWANと呼ばれることもある。一実施形態では、統合ルーター122は、TCP/IPなどの、ネットワークプロトコルを使用して、通信をこれらのネットワーク上の他の装置に向け得る。通信が、プライベートネットワークの外部の装置またはサービスに向けられる場合、統合ルーター122は、プライベートネットワークの外部の通信を、インターネットなどの公衆ネットワークにルーティングし得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、サーモスタット110は、プライベートネットワークを介して、または遠隔サーモスタット112と直接形成されたアドホックのネットワークを通して、遠隔サーモスタット112と無線で通信し得る。遠隔サーモスタット112との通信中、サーモスタット110は、ユーザーから、および遠隔サーモスタット112によって検出可能な環境から、遠隔で情報を収集し得る。例えば、遠隔サーモスタット112は、サーモスタット110と無線で通信して、遠隔サーモスタット112の遠隔位置からユーザー入力を提供し得るか、もしくは情報をユーザーに表示するために使用され得るか、または両方であり得る。サーモスタット110同様、遠隔サーモスタット112の実施形態も、居住状態、温度、光、および他の環境状態に関連したデータを収集するためにセンサーを含み得る。代替実施形態では、遠隔サーモスタット112は、包囲空間100の外部にも配置され得る。
【0027】
いくつかの実施形態に従って、包囲空間100内のコンピュータ装置124は、インターネットなどの公衆ネットワーク上に配置されたサーモスタット管理システム(
図1に示さず)を通して、サーモスタット管理アカウントにアクセスすることにより、サーモスタット110を遠隔で制御し得る。サーモスタット管理システムは、サーモスタット110も、サーモスタット管理システム上のサーモスタット管理アカウントに関連付けられているか、またはペアリングされている場合、制御情報を、ネットワークを介してサーモスタット110に戻す。サーモスタット110によって収集されたデータも、包囲空間100に関連付けられたプライベートネットワークから統合ルーター122を通して、サーモスタット管理システムに公衆ネットワークを介して渡される。スマートフォン、ラップトップおよびタブレットコンピュータなどの包囲空間100内にない他のコンピュータ装置(
図1に示さず)も、それらが公衆ネットワークならびにサーモスタット管理システムおよびサーモスタット管理アカウントの両方にアクセスする場合、サーモスタット110を制御し得る。インターネットなどの、公衆ネットワークのアクセスについてのさらなる詳細、および本発明の実施形態に従ったサーモスタット110のようなサーモスタットが、本明細書で後にさらに詳述される。
【0028】
図2は、本発明の実施形態に従って設計されたサーモスタットを使用して制御されるHVACシステムの概略図である。HVACシステム120は、
図1に示す一戸建て住居などの、包囲空間100に対して、暖房、冷房、換気、および/または空気処理を提供する。システム120は、強制空気タイプの暖房および冷房システムを示しているが、別の実施形態に従って、放射熱ベースシステム、ヒートポンプベースシステム、および他などの、他のタイプのHVACシステムが使用され得る。
【0029】
暖房において、空気処理機240内の加熱コイルまたは加熱要素242は、電気またはガスを使用して、回線236を介して熱源を提供する。冷気は、送風機238を使用して、包囲空間から還気ダクト246を介してフィルタ270を通じて引かれ、加熱コイルま
たは加熱要素242で加熱される。加熱された空気は、1つまたは複数の位置で、給気ダクトシステム252およびレジスタ250等の給気レジスタを介して包囲空間の中に還流する。冷房においては、外側の圧縮機230が、フレオン等のガスを、一組の熱交換器コイル244に通過させて、ガスを冷却する。ガスは次いで、回線232を介して空気処理機240内の冷却コイル234に行き、そこでそれは膨張し、冷却され、送風機238を介して循環されている空気を冷却する。加湿器254は、任意選択として、空気がダクトシステム252を通過する前に湿気を空気に戻す様々な実施形態に含まれ得る。
図2には示されないが、HVACシステム120の代替実施形態は、外側との空気の循環、気流をダクトシステム252内で制御するための1つまたは複数のダンパー、および緊急用の暖房ユニットなどの他の機能を有し得る。HVACシステム120の全体の操作は、制御線248を通じて、サーモスタット110と通信する制御電子機器212によって選択的に作動される。
【0030】
図3A〜
図3Bは、本発明の実施形態に従って設計されたサーモスタットを示す。サーモスタット110の内部は、サーモスタット110を、
図1および
図2に示すHVACシステム120などの、HVACシステムに電気的に接続する制御回路である。サーモスタット110内部のマイクロプロセッサ(図示せず)は、HVACシステム120の操作および制御に関連した処理情報を含む様々な計算を実行するために利用可能である。通信するために、LANなどのプライベートネットワークおよび公衆ネットワークまたはインターネットなどのワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、無線または有線通信を可能にする、ネットワークインタフェースコントローラまたはNIC(図示せず)もサーモスタット110内に提供される。
【0031】
図示する実施形態では、サーモスタット110は、カバー304および格子部材308を含む、前向き面(forwrd−facing surface)を有する筐体316によって囲まれる。格子部材308は、サーモスタットの筐体316内に配置されたセンサーの統合および動作を容易にしながら、サーモスタット110の滑らかで、単純で、整頓され、優美な設計に敬意を表すように設計されている。特に、いくつかの好ましい実施形態に従ったサーモスタット内に含まれているのは、格子部材308の後ろの受動型赤外線(PIR)居住センサーおよび温度センサーである。追加のセンサーは、カバー304のすぐ後ろで、サーモスタットの上端の近くに位置付けられた、周辺光センサー(図示せず)およびアクティブ近位センサー(図示せず)も含み得る。筐体316のいくつかの実施形態は、バックプレート314およびヘッドユニット312を含む。筐体316は、サーモスタット110によって使用されて、その中に含まれる1つまたは複数の統合されたセンサーに対して魅力的で耐久性のある構成を提供する。
【0032】
カバー304の中央ディスプレイ領域306は、サーモスタットの動作に関連した情報が表示されることを可能にし、他方、カバー304の外側領域310は塗装またはスモーク仕上げを使用して、不透明にされ得る。例えば、中央ディスプレイ領域306は、
図3Aに示すように、現在の温度を数字で表示するために使用され得、「75」は75度を示す。中央ディスプレイ領域316は、無線ネットワークの1つを選択、アクセス、および使用するためにするためにサーモスタット110を構成するため、筐体100内で利用可能な無線ネットワークを表示し、ユーザーインタフェースを提示するためにも使用され得る。
【0033】
サーモスタット110の実施形態は円形の形状で、ユーザー入力を受信するための外側リング312を有する。
図3Bのサーモスタット110の側面図は、外側リング302の対応する表面部分に一致する、徐々に外側に弧を描く、カバー304および格子部材308のこの湾曲した球状をさらに強調する。いくつかの実施形態では、カバー304の湾曲は、中央ディスプレイ領域306に表示される情報を拡大する傾向があり得、従って、情
報をユーザーによって読み易くする。サーモスタット110の形状は、それが壁に取り付けられるとき、視覚的に魅力的なアクセントだけでなく、ユーザーが手で触って調整するのに自然な形状も提供する。その結果、サーモスタット110の直径は、およそ80mmまたは手に適合し易い別の直径であり得る。様々な実施形態では、回転する外側リング302は、ユーザーが、新しい標的温度の選択などの、調整を行うことを可能にする。例えば、標的温度は、外側リング302を時計回りに回転させることによって増加され得、外側リング302を反時計回りに回転させることによって減少され得る。
【0034】
図4A〜
図4Bは、本発明の実施形態に従って設計されたサーモスタットを制御するユーザーの手を示す。図に示すように、サーモスタット110は、壁に取り付けられ、円形の形状で、ユーザー入力を受信するための回転可能な外側リング302を有する。サーモスタット110上のカバー304は、サーモスタット110の動作前、動作中、および動作後に、ユーザーに情報およびフィードバックを提供するための中央ディスプレイ領域306を含む。いくつかの実施形態では、カバー304の外側領域310は、ユーザーがサーモスタット110を押すか、または他の方法で操作するための領域の輪郭を示し、従って、塗装またはスモーク仕上げで不透明にされている。格子部材308は、サーモスタット110を見ているか操作している間に、ユーザーが手を置き得る追加の領域を提供する。
【0035】
サーモスタット110のヘッドユニット312は、バックプレート(図示せず)の方にスライドし、ヘッドユニット前面402およびヘッドユニット枠404をさらに含む。ヘッドユニット前面402は、本発明の実施形態に従って設計された、外側リング302、カバー304の中央ディスプレイ領域306および外側領域310、ならびに格子部材308を含む。
【0036】
いくつかの実施形態によれば、ユーザーに自信を抱かせ、かつ更に視覚的および機能的簡潔さを促進するという組み合わされた目的のために、サーモスタット110は、2つのタイプのユーザー入力のみによって制御され、このうち第1のタイプは、
図4Aに示すように、外側リング302の回転(「リングを回転する」としても参照される)であり、第2のタイプは、
図4Bに示すように、可聴のおよび/または触覚の「カチッ」という音が生じるまでの、ヘッドユニット前面402上の内方向への押しである。いくつかの実施形態によれば、
図4Bに示す内方向への押しは、外側リング302を前方に移動させるのみである一方で、他の実施形態では、ヘッドユニット前面402全体が、押されるとき一緒に内方向に移動する。いくつかの実施形態では、カバー304および格子部材308は、外側リング302と共に回転しない。
【0037】
いくつかの実施形態によれば、ヘッドユニット前面402の内方向押しが実施される方法に応じて、複数のタイプのユーザー入力が生成され得る。いくつかの実施形態では、可聴のおよび/または触覚の「カチッ」という音が生じるまでの、ヘッドユニット前面402の内方向へのシングル短押しに続く解放(シングルクリック)は、1つのタイプのユーザー入力(「内方向クリック」としても参照される)と解釈され得る。他の実施形態では、ヘッドユニット前面402を押し込んで、1〜3秒など、ある期間、内方向の圧力で保持することは、別のタイプのユーザー入力(「プレスアンドホールド」としても参照される)と解釈され得る。いくつかのさらなる実施形態によれば、ダブルクリックおよび/または複数クリック、ならびに長期間および/または短期間のプレスアンドホールドなど、他のタイプのユーザー入力がユーザーによって実施され得る。他の実施形態によれば、速度感受性または加速感受性回転入力も、さらなるタイプのユーザー入力(例えば、非常に大きく迅速な左方向の回転が「留守」の居住状態を指定する一方で、非常に大きく迅速な右方向の回転は「在宅」の居住状態を指定する)を作成するために実施され得る。
【0038】
図5は、本発明の実施形態に従って設計されたクラウドベースのサーモスタット管理システム506(以下、単に「サーモスタット管理システム」506)に接続されたプライベートネットワーク502上のサーモスタットおよびコンピュータを示す。一実施形態では、プライベートネットワーク502は、ネットワーク接続を主として、
図1に示す包囲空間100などの、包囲空間内またはその近くに提供するように設計される。プライベートネットワークは、追加として、ネットワーク接続を、スマートフォン508、タブレット510、コンピュータ512、およびラップトップ502などの様々な装置、ならびにサーモスタット110および遠隔サーモスタット112に提供する。
図1の統合ルーター122などの、プライベートネットワーク502内のルーター(図示せず)は、TCP/IPなどのネットワークプロトコルを使用して、これらの装置に対して有線および無線通信を提供し得る。好ましくは、サーモスタット110および遠隔サーモスタット112は、少なくとも、サーモスタットの位置への有線接続が利用できない可能性があるか、またはサーモスタット110もしくは遠隔サーモスタット112のいずれかにおいてかかる物理接続を組み込むことが望ましくない可能性があるという理由のために、プライベートネットワーク502に無線で接続される。いくつかの実施形態に対して、サーモスタット110および遠隔サーモスタット112が、好ましくは装置間に直接セットアップされたアドホックなネットワーク517を使用し、プライベートネットワーク502を迂回して、互いに、および他の装置と、無線で直接通信することも可能である。
【0039】
本明細書に記載の実施形態は、家庭および事務所の多数の人口に対応する多種多様な従来型の統合ルーターと互換性があるように有利に構成される。従って、限定としてではなくほんの一例として、
図5のプライベートネットワーク502に対応するルーター(図示せず)は、例えば、D−Link DIR−655 Extreme N Wireless Router、Netgear WNDR3700 RangeMax Dual
Band Wireless USB Gigabit Router、Buffalo Technology Nfiniti WZR−HP−G300HN Wireless−N Router、Asus RT−N16 Wireless Router、Cisco Linksys E4200 Dual Band Wireless Router、またはCisco Linksys E4200 Dual Band Wireless Routerであり得る。一般性を失うことなく、いくつかの記述は、以下で、サーモスタット110/112が家庭環境で使用される例示的なシナリオをさらに参照するであろう。しかし、記述した実施形態は、そのように限定されず、住居用の家、事務所、別荘、ホテル、ホテルの部屋、産業施設、および制御されるHVACシステムがある一般的などこかを含む、様々な包囲空間のいずれかにおいて、かかるサーモスタット(または複数)の使用に適用可能であることを理解されたい。
【0040】
サーモスタットアクセスクライアント516は、インターネットなどのワイドエリアネットワークである、公衆ネットワーク504を通じてサーモスタット管理システム506にアクセスするために、本発明の態様に従って設計されたクライアントアプリケーションである。サーモスタットアクセスクライアント516は、異なる装置上で実行するように設計されているので、複数のクライアントアプリケーションは、基礎となる装置プラットフォームまたはオペレーティングシステムの要件に基づき、異なる技術を使用して開発され得る。いくつかの事例では、サーモスタットアクセスクライアント516は、HTMLなどのマークアップ言語、およびSAFARI(登録商標)、FIREFOX(登録商標)、またはINTERNET EXPLORER(登録商標)などのウェブブラウザ技術の内部に表示される関連技術を使用して実施され得る。いくつかの実施形態では、コンピュータ512は、インターネット上の特定のURLにナビゲートして、サーモスタット管理システム506によってホストされるウェブサーバーから配信されるウェブページを表示することにより、サーモスタットアクセスクライアント516を実行し得る。
【0041】
さらに別の実施形態では、サーモスタットアクセスクライアント516は、Apple
iOSオペレーティングシステム、Androidオペレーティングシステム、またはその他を実行する、スマートフォン508またはタブレット510などの、特定の装置上にダウンロードして実行されるように設計されたスタンドアロンアプリケーションまたは「アプリ(app)」であり得る。開発者は、装置製造業者によってソフトウェア開発ツールキットまたはSDK内にパッケージされて提供される1組のアプリケーションプログラミングインタフェース(API)およびライブラリを使用して、これらのスタンドアロンアプリケーションを作成する。一旦完成すると、「アプリ」は、品質、有用性、および顧客満足を促進するためにアプリストア所有者によって監督される、アプリケーションストアまたは「アプリ」ストアを通じてそれぞれの装置にダウンロードするために、利用可能にされる。
【0042】
一実施形態では、
図5に示すサーモスタット管理システム506は、サーモスタットアクセスクライアント516を実行するプライベートネットワーク502上のコンピュータ装置によって、公衆ネットワーク504を介してアクセスされ得る。サーモスタットアクセスクライアント516は、サーモスタット110または遠隔サーモスタット112にアクセスするため、コンピュータ装置の代わりに、サーモスタット管理システム506によってプロビジョニングされたサーモスタット管理アカウント(図示せず)にアクセスする。さらに、コンピュータ512などの、プライベートネットワーク502上のコンピュータ装置は、サーモスタット110および遠隔サーモスタット112からデータを収集するために、サーモスタットアクセスクライアント516およびサーモスタット管理アカウントを使用し得る。
【0043】
サーモスタット110および遠隔サーモスタット112は、プライベートネットワーク502または公衆ネットワーク504上の多数の異なる位置から遠隔にアクセスされ得る。以下でさらに詳述するように、サーモスタット110などのサーモスタットを設置すると、まず、サーモスタット管理システム506に登録し、次いで、サーモスタット管理システムに、サーモスタットと対応するサーモスタット管理アカウントとの間のペアリングを作成するように要求する。その後、タブレット518などの装置が、公衆ネットワーク504に直接、または依然としてこれらのサーモスタットにアクセスする一連の他のプライベートネットワーク(図示せず)を通して接続され得るが、他方、それらが配置されているプライベートネットワークの外部は、サーモスタット管理システム520を経由して、接続され得る。一実施形態では、Apple iOSオペレーティングシステムを実行するタブレット518は、サーモスタットアクセスクライアント516のiOS「アプリ」バージョンを使用して、サーモスタット管理システム506およびサーモスタット管理アカウントを通じて、これらのサーモスタットに遠隔でアクセスし得る。サーモスタットをサーモスタット管理アカウントとペアリングすると、タブレット518および他のコンピュータ装置が、サーモスタット110および遠隔サーモスタット112などのサーモスタットを、遠隔で、管理、データ収集、およびそれらと一般に対話することを可能にする。
【0044】
一実施形態では、サーモスタット管理システム506は、サーモスタットとの通信および制御のタスクを、1つまたは複数のサーモスタット管理サーバー520に分散する。これらのサーモスタット管理サーバー520は、サーモスタット110および遠隔サーモスタット112などのサーモスタットによって生成されたデータを使用して、通信の調整、アクセスの管理、データの処理、および結果の分析を行い得る。これらのサーバー520上での計算からの中間結果および最終結果、ならびに生のデータが、将来の参照および使用のために、サーモスタットデータベース522上に一時的に格納され得るか、またはアーカイブされ得る。また、サーモスタット管理サーバー520は、データの一部を制御情報と共に、およびより一般的には、様々な異なる種類の情報のいずれかを、サーモスタッ
ト110および遠隔サーモスタット112に送信して戻すこともし得る。サーモスタット管理サーバー520からの結果も、サーモスタットアクセスクライアント516を実行するタブレット518などの装置による後続のアクセスのために、1つまたは複数のサーモスタットデータベース522に格納し得る。
【0045】
これらのサーモスタット管理サーバー520の各々が、1つまたはいくつかの個別の関数を実行し得るか、これらの異なる個別の関数に対する冗長フェイルオーバーサーバーとして機能し得るか、または、ある個別の関数の実行をタンデムまたはクラスタで、ならびに、より複雑な操作をコンピュータの1つまたは複数のクラスタを介して、並行して、または分散して実行する他の組合せで、共有し得る。いくつかの実施形態では、サーモスタット管理サーバー520のうちの1つは、物理コンピュータまたはコンピューティング装置に直接対応し得るが、他の実施形態では、サーモスタット管理サーバー520は、カリフォルニア州パロアルトのVMWARE、または任意の他の仮想マシンプロバイダによって提供されるような、仮想マシンコンピューティング環境の制御下で、1つまたは複数の物理コンピュータ上で実行する仮想化サーバーであり得る。さらに別の実施形態では、サーモスタット管理サーバー520およびサーモスタットデータベース522は、ワシントン州シアトルのAmazon.comからの提供のElastic Compute CloudまたはEC2などの「クラウド」コンピューティングおよびストレージ環境からプロビジョニングされる。EC2ソリューションでは、例えば、サーモスタット管理サーバー520は、間近のタスクに必要と考えられる、現実または仮想のいずれかの、いくつかのコンピュータに従うよりむしろ、プロセッササイクルおよびストレージ要件に従って割り当てられ得る。
【0046】
図6は、本発明の実施形態に従ったサーモスタット管理システム506を実施するために使用されるサーモスタット管理サーバー520の1つの組合せを示す。一実施形態では、サーモスタット管理システム506は、登録サーバー602、更新サーバー604、ペアリングサーバー606、サーモスタットフロントエンドユーザーインタフェース(UI)サーバー608、サーモスタットバックエンドサーバー610、およびサーモスタット管理アカウントサーバー612を含む。相互接続614は、1つまたは複数の高速ネットワーク接続、共用バックプレーン、ローカルおよび遠隔高速接続の組合せ、ならびに1つまたは複数の仮想化接続を使用して、サーバーを接続し得る。サーモスタット管理サーバー520の構成は例示であるが、決して限定と考えられるべきでなく、機能の分散は、サーバーの異なる組合せおよびそれらのサーバーへの機能の分散を通して処理され得ると考えられる。
【0047】
いくつかの実施形態では、このサーモスタット管理システム506を構成するサーモスタット管理サーバー520は、様々な地理的な位置および時間帯にわたる複数の包囲空間に配置されているサーモスタットを管理し得る。各包囲空間は、
図1のHVACシステム120などの、1つまたはいくつかのHVACシステムを制御するために、本発明の実施形態に従って、1つまたはいくつかのサーモスタットを使用し得る。いくつかの事例では、サーモスタット管理システム506からのある機能に対する必要性の高まり、従って、これらの機能を配信するためのより多くのサーバーに対する必要性の高まりがあり得る。サーモスタット管理システム506の設計およびサーモスタット管理サーバー520の使用が、システムに関するこれらの要求を満足するためにスケーリングされ得、処理、分析、制御、およびマシン学習目的のために、これら複数の包囲空間およびサーモスタットからのデータを効率的に追跡および編成し得ることが理解され得る。
【0048】
登録サーバー602の一実施形態は、サーモスタット管理システム506上でのサーモスタットの登録、およびそれをサーモスタット管理アカウントとペアリングするための準備に関連したいくつかのサービスを提供する。操作中、サーモスタットが包囲空間のHV
ACに配線され、次いで、プライベートネットワークを通じてインターネットに接続されている場合、登録サーバー602は、まず、サーモスタットによってアクセスされ得る。サーモスタットをシステム520上で知らせるために、サーモスタットはサーモスタットメタデータをプライベートネットワークから、インターネットなどの公衆ネットワークに送信し、次いで、登録サーバー602によって処理する。好ましくは、サーモスタットメタデータは、製造時に割り当てられるような、一意のサーモスタット識別子を含む。サーモスタットメタデータを送信する通信は、プライベートネットワーク502にサービスするルーター(図示せず)のネットワークアドレス変換器(NAT)を通過するときに、そのルーターのパブリックネットワークアドレスが付加されるが、それは、従って、サーモスタットによって公衆ネットワークを介して通信するために「使用」されるパブリックアドレスである。サーモスタット識別子は、そのサーモスタットを登録サーバー602によって登録されている他のサーモスタットから識別するために使用され、一部または全部において、サーモスタットのNICに割り当てられた媒体アクセス制御(MAC)アドレスに基づき得る。許可されていない装置の登録に対する1つの安全手段として、登録サーバー602は、サーモスタットメタデータ内のMACアドレスをサーモスタットまたはNICコンポーネントの製造業者によって提供される有効MACアドレスのリストに対して比較し得る。一実施形態によれば、登録サーバー602がエントリをサーモスタット登録プールにプロビジョニングして、そのサーモスタットエントリをサーモスタット管理アカウントとペアリングする準備ができていると印を付けると、サーモスタット登録が完了する。サーモスタット登録プール内のエントリは、それらの一意のサーモスタット識別子、それらが使用したパブリックネットワークアドレス(または、より詳細には、それらがそれを介してインターネットに接続するプライベートネットワークルーターのパブリックアドレス)、および任意選択でサーモスタットに関連付けられた他の関連メタデータによって参照され得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、更新サーバー604は、サーモスタット登録プール内に登録されたサーモスタットの各々に対するソフトウェア、ファームウェア、および構成アップデートを更新しようと試みる。登録プール内のエントリからのメタデータがバージョン管理情報を除外する場合、更新サーバーは、各サーモスタットに設置されている現在のバージョンについてさらに問い合わせる必要があり得る。更新サーバー604は、登録プール内のエントリにアクセスし得、次いで、公衆ネットワークもしくはプライベートネットワーク、またはその両方を介して、関連付けられたサーモスタットに接続するために、各エントリ内の対応するネットワークアドレスを使用し得る。
【0050】
サーモスタット上で現在使用されているよりも新しいソフトウェアバージョンが存在する場合、更新サーバー604は、続けて、ソフトウェアアップデートを公衆ネットワークを介してサーモスタットに送信する。例えば、更新サーバーは、新しいソフトウェアをアップロードする際に、ftp(ファイル転送プロトコル)、tftp(トリビアルファイル転送プロトコル)、またはもっと安全な転送プロトコルなどの、ファイル転送プロトコルを使用し得る。一旦、アップロードされると、サーモスタット上でのソフトウェアのインストレーションおよび更新が、サーモスタット上の自動更新オプションを通じて直ちに、またはユーザーによって要求される通りにサーモスタットのインタフェースを通じて手動で起こり得る。
【0051】
ペアリングサーバー606の一実施形態は、サーモスタット管理アカウントサーバー612上でサーモスタットのサーモスタット管理アカウントとの関連付けまたは「ペアリング」を容易にする。「サーモスタット管理アカウント」という用語は、特に指定のない限り、本明細書では「ユーザーアカウント」と区別しないで使用され得る。一旦、サーモスタットがユーザーアカウントとペアリングされると、数多くの豊かなネットワーク対応機能が、本明細書で、および上記の1つまたは複数の本発明の譲受人に譲渡された組み込ま
れた出願でさらに記述されるように、有効にされる。例えば、一旦ペアリングが達成されると、そのサーモスタット管理アカウントへのアクセスを有する人は、家の現在の温度を見る、現在の設定点を変更する、「在宅」と「留守」との間でサーモスタットのモードを変更する、などの様々な目的のために、(サーモスタット管理システム506を通じ、サーモスタットアクセスクライアント516を使用して)サーモスタットにアクセスし得る。その上、サーモスタット管理システム506は、次いで、サーモスタットによって提供される様々な情報の追跡を開始し得、それは、その結果、関連報告書、要約、更新、および推奨を、サーモスタットのディスプレイ自体を通じて、サーモスタットアクセスクライアント516を通じて、またはその両方のいずれかで、ユーザーに対して提供するために使用できる、数多くの豊かなクラウドベースのデータ集約および分析を可能にする。サーモスタット管理サーバーが、かかるプログラムに登録されているユーザーのサーモスタットに対して、エネルギー警告を送信し、かつ/またはエネルギー節約設定点コマンドを送信する需要応答動作などの、様々な他の機能が実行され得る。
【0052】
サーモスタットとサーモスタット管理アカウントとの間のペアリングの確立の重要性を考慮して、ペアリングのフォールバック方法に関する機能が提供されるが、それは、ペアリングの「手動支援」方法と呼ばれ得、以下でさらに詳述する便利な自動ペアリング方法が、特定の設置に対して、安全かつ確実に実行できない場合に、効力を生じて実行され得る。以下に
図9Fに関連して詳述される、手動支援方法では、ペアリングサーバー606は、英数字の「パスコード」を使用して、サーモスタットをサーモスタット管理アカウントにペアリングし得る。通常、パスコードは、インターネットのような公衆ネットワークを介してサーモスタットに送信されて、そのサーモスタットのディスプレイ領域上に表示される。サーモスタットにアクセスする許可は、サーモスタット上の表示からパスコードを取得するユーザーが、次いでそれを、ユーザーが彼らのサーモスタット管理アカウントにログインする際に提示されるペアリングダイアログに入力する場合に提供される。ペアリングサーバー606は、ユーザーが彼らのサーモスタットディスプレイ上に表示された同じパスコードを入力する場合に、サーモスタットをユーザーのサーモスタット管理アカウントとペアリングする。
【0053】
好ましい「自動ペアリング」方法によれば、ペアリングサーバー606は、両方が同じプライベートネットワーク上に配置されている場合、サーモスタット管理アカウントをサーモスタットに対して自動的にペアリングまたは「自動ペアリング」し得る。サーモスタットおよびサーモスタット管理アカウントが同じプライベートネットワークに関連付けられている場合、本発明の実施形態は、サーモスタットがユーザーの自宅、事務所、または、ユーザーが装置の制御も有するはずの他の領域にあると仮定する。これを自動的に判断するために、ペアリングサーバー606は、サーモスタットをインターネットを介して登録するために使用されたパブリックネットワークアドレスを、サーモスタット管理アカウントにアクセスするためにごく最近使用されたコンピュータ装置によって使用されたパブリックネットワークアドレスと比較する。サーモスタットおよびコンピュータ装置はプライベートネットワークアドレスのみを有しているので、それらの共有するプライベートネットワーク上のルーターは、同じパブリックネットワークアドレスをそれらのパケット内に挿入して、その2つの装置が、インターネット上のサーバー、サービス、および他の装置にアクセスできるようにする。「自動ペアリング」は、この事実を利用して、同じパブリックネットワークアドレスを共有する装置を自動的にペアリングする。これは、ペアリングプロセスを達成するために、ユーザーがパスコードまたは他の英数字の識別子を入力する必要で面倒な思いをすることがなく、また、ユーザーが不注意に間違ったコードまたは識別子をシステムに入力し得る懸念を回避するというユーザーの観点から特に好都合である。自動ペアリングおよび手動支援ペアリングに関する詳細が、本明細書で以下でさらに詳述される。
【0054】
サーモスタットフロントエンドユーザーインタフェース(UI)サーバー608は、ユーザーが、彼らのネットワーク接続されたサーモスタット110/112のうちの1つまたは複数を、コンピュータウェブブラウザ、スマートフォン、タブレット、または他のコンピュータ装置から、遠隔で、アクセス、構成、それとの対話、および制御することを可能にする、直感的で、ユーザーフレンドリなグラフィカルユーザーインタフェースの生成および提示を容易にする。ユーザーフレンドリなグラフィカルユーザーインタフェースは、サーモスタット110/112とのリアルタイムの接続を必ずしも要求しない便利なツールおよびインタフェースも提供でき、例には、いくつかの実施形態に対して、過去のエネルギー使用、過去のセンサー測定値および/または居住パターンを表示するためのユーザーインタフェースを提供すること、ユーザーが需要応答プログラムに関して学習し、かつ/またはそのプログラムに登録できるようにすること、ユーザーが、エネルギー節約を促進する、有益で、競争的な、楽しい方法で互いに対話することを可能にするソーシャルネットワーキングフォーラムを提供すること、天気、公安情報、近隣の行事、および地域のブログを含む、地域の情報へのアクセスを提供すること、より一般的に、総合的な「エネルギーポータル」機能に関連したサービスおよび機能を提供することを含む。1つまたは複数の好ましい実施形態に従って、UIサーバー608によって提供される、直感的で、ユーザーフレンドリなグラフィカルユーザーインタフェースが、
図10A〜
図12Cに関連して以下でさらに記述される。
【0055】
いくつかの実施形態では、サーモスタットアクセスクライアントユーザーインタフェースは、サーモスタット管理システム内のサーモスタット管理アカウントとペアリングされた一次包囲空間を表す家の画像を表示する。サーモスタットフロントエンドUIサーバー608は、
図5のサーモスタットアクセスクライアント516などの、サーモスタットアクセスクライアントに、一次包囲空間内部の1つまたは複数のサーモスタット110/112を視覚的に表す画像を表示するようにさらに指示し得る。デフォルトによって、1つまたは複数のサーモスタット画像の各々も、包囲空間内の現在の温度を表示し得る。いくつかの実施形態では、ユーザーインタフェースは、同様にサーモスタット管理アカウントにペアリングされている追加のサーモスタットを有する二次包囲空間を表す、追加の家、または複数の家の画像もさらに表示し得る。追加の家の画像は、一次包囲空間を表す家の画像と関連付けながら、小さく、ぼんやりと、または一般に視覚的に強調を抑えて、現れ得る。二次包囲空間を超えた追加の包囲空間も、ユーザーインタフェースに表示され得、同様に、一次包囲空間に対して表示される画像に比べて、視覚的に強調を抑えて現れるはすである。サーモスタットアクセスクライアントおよびユーザーインタフェースに関するさらなる情報が、本明細書で以下でさらに詳述される。
【0056】
サーモスタットバックエンドサーバー610は、サーモスタット管理システム506内の様々なサーモスタット管理サーバーによって使用されるデータの保管を管理する。いくつかの実施形態では、サーモスタットバックエンドサーバー610は、登録サーバー602によって使用されるサーモスタット登録プールデータの保管を管理し得るか、または、新しいソフトウェアアップデートを編成および格納して、更新サーバー604に対してリリースし得る。別の実施形態では、サーモスタットバックエンドサーバー610は、それに登録されたサーモスタットによってサーモスタット管理システム506に送信された包囲空間に関連した、暖房および冷房関連データ(すなわち、包囲空間内でHVACシステムが暖房または冷房モードのいずれかであった日付および時間)、センサー情報、電池レベルデータ、警告、なども格納し得、また、いくつかの実施形態では、サーモスタットによって使用するため、公衆ネットワークを介してダウンロードするために、事前計算された暖房および冷房スケジュール、アプリケーション、ならびに他のデータを提供する。
【0057】
いくつかの実施形態では、サーモスタット管理アカウントサーバー612は、サーモスタット管理システム506上で新しいアカウントの作成および既存のアカウントの更新を
行うために使用される。彼らのサーモスタットにサーモスタットアクセスクライアント516を通じてアクセスし、サーモスタット連結性の利点を享受するために、ユーザーはまず、彼らのサーモスタットアクセスクライアント516を使用して、サーモスタット管理アカウントサーバー612上にサーモスタット管理アカウント(「ユーザーアカウント」)を作成することを要求される。その結果、ユーザーは、サーモスタット管理アカウントサーバー612にアクセスするために、コンピュータまたは他のコンピュータ装置上でサーモスタットアクセスクライアント516を実行する。サーモスタット管理アカウントサーバー612は、その最適な包囲空間の特徴化およびHVAC制御アルゴリズムの一部として使用され得る、気象サービスによって提供される気象情報がサーモスタットでアクセスされてダウンロードされ得るように、サーモスタットが設置されている(または設置される予定の)包囲空間に対する少なくとも郵便番号および/または市ならびに州を受信すべきである。任意選択で、ユーザーの連絡先、包囲空間の所在地住所などを含む、様々な他の情報も受信され得る。サーモスタット管理アカウントサーバー612に関連付けられた一次オプションは、1つまたは複数のサーモスタットを、ペアリングサーバー606によって提供されるペアリング操作を通じて、正しいサーモスタット管理アカウントにペアリングすることを含む。しかし、たとえアカウントがサーモスタットとまだペアリングされていない場合でさえ、ユーザーは、サーモスタット管理アカウントを使用して、天気、公安情報、近隣の行事、地域ブログ、ならびに、ユーザーの連絡先、場所および他の関心に基づく更なる情報を含む地域の情報にアクセスし得る。
【0058】
図7は、本発明の実施形態に従って、サーモスタットをサーモスタット管理アカウントとペアリングするための操作を表す流れ図を示す。制御線ならびにサーモスタットからHVACコントローラおよび関連したHVACシステムへの任意選択の電力を接続することを含め、ユーザーが物理的にサーモスタットを、住居用または商用の、包囲空間内に設置していると仮定する(ステップ702)。これらの制御線は、HVACコントローラに信号を送信して、HVACに関連付けられた暖房および冷房ユニット内の1つまたは複数の段階をスイッチオンまたはオフする。サーモスタットは、サーモスタットユニットに含まれる居住センサー、熱センサー、近位センサー、または他のセンサーの適切な動作を促進するために、異なる高さおよび配向で壁に取り付けられ得る。サーモスタット上での制御ワイヤーの接続および試験に関するさらなる詳細が、上記の米国特許出願第13/038,206号に記述されている。HVACシステムを介した制御は、プライベートネットワークがない場合、またはサーモスタットが設置されている場所でプライベートネットワーク接続が利用できない場合(ステップ704−いいえ)、サーモスタットのローカル操作を通して達成され得る(ステップ706)が、かかる非接続操作は、一般に、ネットワーク接続された操作ほど、最適および/または便利ではないだろう。いくつかの実施形態では、サーモスタットが配置される包囲空間が、サーモスタットに接続するための有線または無線接続を持つプライベートネットワークを有していない可能性がある。あるいは、プライベートネットワークが存在するが、サーモスタットが範囲外で、プライベートネットワーク内のルーターまたは無線アクセスポイントに無線で接続できない事例があり得る。これらまたは他の同様の状況のいずれかでは、たとえサーモスタットがネットワークを介してアクセス可能でない場合であっても、サーモスタットは、スタンドアロン構成で動作を継続して、HVACおよびHVACコントローラを通じたローカル制御を可能にする。サーモスタットのローカル操作は、その制御およびプログラミングのために、外側リング312を回転すること、またはヘッドユニット前面402を押すこと(上記の
図3A〜
図4Bを参照)を含み得る。
【0059】
ネットワーク接続が利用可能な場合(ステップ704−はい)、ユーザーはまず、サーモスタットに関連付けられたNICと包囲空間内のプライベートネットワークとの間に、好ましくは無線の、ネットワーク接続を構成する必要があり得る(ステップ708)。いくつかの実施態様では、包囲空間内のネットワークからの信号強度が最強であり得るので
、サーモスタットは、最強の無線信号で無線ネットワークに加わることを自動的に示唆し得る。例えば、サーモスタットは、最も高い受信信号強度インジケータ(RSSI)の無線ネットワークに加わるように示唆し得る。ユーザーは、サーモスタットが無線ネットワークに加わることをインタフェース上でサーモスタットに確認し得る。他の実施態様では、サーモスタットは、近くの無線ネットワークからのSSIDを、
図4Aのディスプレイ306などのディスプレイ上に表示して、ユーザーが、外側リング302を回転して正しい無線ネットワークにスクロールにし、次いで、ヘッドユニット前面を押してそのネットワークを選択して加わろうと試みることを可能にする。無線ネットワークに対するパスワードが要求される場合、パスワードを構成する一連の文字が、外側リング312を回して英字の文字をスクロールし、次いで、ヘッド前面ユニット402全体を押すことによりその文字を選択することによって提供される。無線ネットワークへの接続を容易にする好ましいサーモスタットのユーザーインタフェースのさらなる説明が、上の本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願第13/269,501号で提供される。さらに別の実施態様では、無線コンピュータまたは無線装置が、内蔵ウェブサーバーおよびウェブインタフェースにアクセスするためにアドホックなネットワークをサーモスタットと直接形成し得、次いで、コンピュータ装置およびブラウザを使用して、無線NICとプライベートネットワークとの間に接続を構成する。この後者のアプローチは、サーモスタット上のディスプレイが、構成目的のため、またはある診断を実行するために、容易に見ることができないか、到達できない場合に有用であり得る。
【0060】
一旦、プライベートネットワークに接続されると、サーモスタットは、その一意のサーモスタット識別子を含む、それに関連したサーモスタットメタデータ情報をサーモスタット管理システム506に伝送し、この情報は、プライベートネットワークルーターを通りサーモスタット管理システム506に向けて出て行く途中で、プライベートネットワークルーターのパブリックネットワークアドレスが付加される(ステップ710)。サーモスタットに関連する情報をサーモスタット管理システム上で利用可能にする登録が実行され、その登録は、サーモスタットをサーモスタット管理アカウントとペアリングするための先行(precursor)である。登録を完了するために、登録サーバー602などの、サーモスタット管理システムに関連したサーバーが、後の処理用に保持するために、サーモスタットに関連した前述のデータおよびメタデータとともに、サーモスタット登録プール内に新しいエントリを作成し得る。実施態様に応じて、サーモスタットは、一旦、それがサーモスタット管理システムに登録されると、そのシステムからソフトウェアおよびファームウェアアップデートを受信することが可能であり得る。
【0061】
クラウドベースのサーモスタット管理システムは、作成された各ユーザーアカウントに対する一意のアカウント識別子(電子メールアドレスなど)、および製造された各サーモスタットユニットに対する一意のサーモスタット識別子(MACアドレスなど)を維持する。クラウドベースのサーモスタット管理サーバーは、各ユーザーアカウントに対して、ユーザーが、クラウドベースのサーモスタット管理サーバー上の彼らのユーザーアカウントにそこからごく最近アクセスしたパブリックネットワークアドレスを追跡し、かかる追跡は、以前に確立されたユーザーアカウントおよび新しく確立されたユーザーアカウントの両方に対して適用可能である。
【0062】
いくつかの実施形態では、サーモスタットは、既にサーモスタット管理アカウントとペアリングされている可能性があり(ステップ712−はい)、それは、ステップ710で送信された一意のサーモスタット識別子に基づいて検出され得、従って、ペアリングは既に確立されている(ステップ722)。いくつかの実施形態では、サーモスタット識別子、例えば、NICに割り当てられたMACアドレスが、サーモスタットに対するエントリをサーモスタット登録プール内で探すために使用され得、次いで、サーモスタット管理アカウントのリストと相互参照される。初期ペアリングが削除または除去されていない限り
、1つのアカウントとペアリングされたサーモスタットは、別のアカウントとのペアリングに利用可能ではあり得ない。他方、単一のサーモスタット管理アカウントは、複数の異なるサーモスタットとペアリングできることを理解されたい。
【0063】
サーモスタットがまだサーモスタット管理アカウントとペアリングされていない場合(ステップ712−いいえ)(すなわち、「ペアリング候補サーモスタット」)、ステップ714でサーモスタット管理サーバーが、(i)サーモスタットのプライベートネットワークルーターのパブリックネットワークアドレスと(ii)サーモスタット管理アカウントがそこから最近アクセスされている追跡されたパブリックネットワークアドレスとの比較に基づき、ペアリング候補サーモスタットがサーモスタット管理アカウントと自動的に関連付けできるかどうかを判断する。ペアリング候補サーモスタットのプライベートネットワークルーターのパブリックネットワークアドレスと、1つのユーザーアカウントがそこから最近アクセスされているパブリックネットワークアドレスとの間にかかる一致がある場合(ステップ716−はい)、サーモスタットに対する一意のサーモスタット識別子とサーモスタット管理アカウントに対する一意のアカウント識別子との間に、自動関連付けが、少なくとも暫定的に、確立される。しかし、かかる確かな一致時に、サーモスタット管理アカウント識別子(例えば、ユーザーの電子メールアドレス)がサーモスタットディスプレイ画面上に表示される、少なくとも1つのセーフガード試験(718)が行われて(
図8Bを参照)、サーモスタットへのユーザーからの肯定確認入力が要求されることが好ましい。さらなるセーフガードも実行され(ステップ720)、全てが満足されると、ペアリングが肯定的に確立される(ステップ722)。
【0064】
しかし、ステップ716で一致が見つからない場合、またはセーフガード試験(718、720)のいずれかが満足されない場合には、ペアリングを肯定的に確立するために(ステップ722)、手動支援ペアリングプロセス(ステップ719)が行われることが要求される。任意選択で、ステップ716で一致が見つからない場合、ユーザーは、彼らのサーモスタット管理アカウントを確立し、かつ/またはそれにログインするように要請され得、その後、ステップ714〜716が次いで繰り返されて、一致が生じるかどうかを確かめる。
【0065】
手動支援ペアリングについて、サーモスタットは、ペアリングサーバー606から、サーモスタットのディスプレイに表示される、7文字の英数字パスコードシーケンスを受信し得、その一例が
図8Cに示されている。パスコードを見ている、サーモスタットのすぐ近くのユーザーが、その英数字シーケンスを彼らのサーモスタット管理アカウントに入力し得る。英数字シーケンスがサーモスタット管理に正しく入力されると、ペアリングサーバーは、サーモスタットをユーザーのサーモスタット管理アカウントとペアリングするであろう。
【0066】
いくつかの実施形態によれば、ステップ720で実行される所定のセーフガードは、以下のいずれかの場合、任意の暫定的なペアリング関連付けのキャンセル(すなわち、手動支援を要求する)を含み得る:(i)2つの異なるユーザーアカウントが、現在サーモスタットのプライベートネットワークルーターによって使用されている同じパブリックネットワークアドレスから24時間以内(または他の適切な時間窓)にログインされている、(ii)同じパブリックネットワークアドレスからクラウドベースのサーモスタット管理サーバーに同時にアクセスしている2つの異なるペアリング候補サーモスタットがある。
【0067】
図8は、パスコード手段によって、サーモスタットとサーモスタット管理アカウントの手動支援ペアリングのための操作の流れ図を提供する。一実施形態では、サーモスタット管理システムからの、
図6のペアリングサーバー606などのサーバーは、登録されたサーモスタットのユーザーインタフェース上に表示されるパスコードを伝送し得る(802
)。いくつかの実施形態では、パスコードは通常、
図8Cに示すようにサーモスタットのディスプレイ部分に表示される。一般に、ユーザーは、サーモスタットのディスプレイからパスコードを読み取り、次いで、そのパスコードをサーモスタット管理アカウントに入力する。好ましくは、各パスコードは、他のアクティブなパスコードとの起こり得る衝突または競合を回避するために十分異なっているが、人間の記憶または回想間違いを回避するために容易に覚えられる。いくつかの実施形態では、記憶しやすい7桁のパスコードが、ユーザーに良く知られている電話番号の局番と、簡単に覚えられる4文字単語の組合せで構成され得る。例えば、サーモスタット964上に表示されるパスコード「347−TRAM」は、簡単に覚えられる単語tram(路面電車)と組み合わされた、たまたまニューヨーク州の局番である、覚えやすい3桁のコードを含む。
【0068】
ペアリングサーバーは、パスコードを表示しているそれぞれのサーモスタットとペアリングが行われることを要求しているサーモスタット管理アカウントから確認パスコードを受信し得る(804)。サーバーが、サーモスタットとサーモスタット管理アカウントとの間でパスコードの一致を確認すると(806−はい)、システムはサーモスタットをサーモスタット管理アカウントとペアリングする(808)。パスコードの一致がない場合、いくつかの実施形態は、提供されたパスコードが、サーモスタット管理システム内に登録されたサーモスタットと一致しないという通知をサーモスタット管理アカウントに提示し得る(810)。例えば、これは、パスコードがアカウントに不正確に入力されている場合に起こり得る。それは、パスコードが、3時間などの、所定の時間間隔を超えてサーモスタットのディスプレイに表示されて、タイムアウトしているか、またはシステムから除去されている場合にも起こり得る。
【0069】
図9A〜
図9Eは、本発明の実施形態に従った、サーモスタットのサーモスタット管理アカウントとの自動ペアリングに関連した概略図および流れ図を提示する。
図9Aは、プライベートネットワーク上で接続されるサーモスタットおよび、一実施形態に従って使用される公衆ネットワーク上のペアリングサーバーからのデータ部分を示す。この例では、サーモスタット902が、インターネットなどの公衆ネットワーク906に接続されたプライベートネットワーク904およびルーター905を有する包囲空間内に設置される。大規模なクラウドベースのサーモスタット管理システムのコンポーネントである、ペアリングサーバー908は、公衆ネットワーク906上のパブリックネットワークアドレス107.20.224.12を有し、サーモスタット登録プール910およびサーモスタット管理アカウントテーブル912を含む。
図9Aに示すように、サーモスタット902は、サーモスタット識別子として使用され得る、18:B4:30:01:63:E4のMACアドレスを有するが、プライベートネットワーク904および/または公衆ネットワーク906にはまだ接続されていない。
【0070】
この図に示されるように、サーモスタット登録プール910は、サーモスタット識別子18:B4:30:01:63:E1、18:B4:30:01:63:E7、18:B4:30:01:63:E3、および18:B4:30:01:63:E9、ならびに対応するパブリックネットワークアドレスまたはパブリックアドレス75.52.8.12、75.22.4.21、68.21.4.12、および68.21.4.15を有する、現在、システム内に登録されている全てのサーモスタットのリストを含む。「はい」エントリをもつサーモスタット登録プール内の確認フィールドは、サーモスタット18:B4:30:01:63:E1、18:B4:30:01:63:E7、および18:B4:30:01:63:E3が、それぞれ、サーモスタット管理アカウント912からのアカウントbob123@gmail.comおよびmatt@gunn.comと肯定的にペアリングされていることを示し、これらのペアリングは、
図9A内のテーブル910と912との間の矢印によって示されている。特に、bob123@gmail.comは2つのサーモスタット18:B4:30:01:63:E1および18:B4:30:
01:63:E7とペアリングされ、matt@gunn.comは、1つのサーモスタット18:B4:30:01:63:E3とペアリングされている。それに比べて、サーモスタット管理アカウントjeff533@mac.comおよびsue324@yahoo.comは、どのサーモスタットともペアリングされておらず、サーモスタット識別子18:B4:30:01:63:E1に関連付けられたサーモスタットは、アカウントとペアリングされていないままである。
【0071】
図9Bでは、サーモスタット902は、プライベートネットワーク904に無線で接続され、192.168.1.108のプライベートネットワークアドレスがルーターによって割り当てられている。ルーターは、NATポート1022によって識別される、NATテーブル914内のサーモスタット902に対するエントリも作成して、サーモスタット902が、公衆ネットワーク上の宛先アドレス107.20.224.12および宛先ポート443でペアリングサーバー908にアクセスできるようにする。サーモスタット902からペアリングサーバー908に送信されたパケットは、ルーターのパブリックネットワークアドレスおよびNATテーブル914内のNATポート識別子に対応するパブリックネットワークアドレス76.21.3.203:1022を有する。その結果として、図のように、76.21.3.203のパブリックネットワークアドレスおよびポートならびにサーモスタットIDの18:B4:30:01:63:E4を有するサーモスタットメタデータ916が、サーモスタット902をサーモスタット登録プール910内にサーモスタット登録プールエントリ911で登録するために使用される。
【0072】
図9Cの図は、アカウント名bill11@sbc.comをもち、プライベートネットワーク904を通してコンピュータ装置918に無線で接続するユーザー902をさらに示す。プライベートネットワーク906上のルーターは、プライベートネットワークアドレス192.168.1.110をコンピュータ装置918、およびコンピュータ装置918が公衆ネットワーク上のペアリングサーバー908もアクセスできるようにする、NATポート1044によって識別されるNATテーブル914内のエントリに割り当てる。コンピュータ装置918からペアリングサーバー908に送信されたパケットは、76.21.3.203:1044のパブリックネットワークアドレスおよびポートを有し、これにより、ルーターのパブリックネットワークアドレスおよびNATテーブル914内のNATポート1044に対応する。76.21.3.203のパブリックネットワークアドレスおよびbill11@sbc.comのアカウント名を有するサーモスタットアクセスクライアントメタデータ922は、次いで、強調表示されているように、サーモスタット管理アカウント913エントリをプロビジョニングするためにサーモスタット管理アカウントテーブル912内で使用される。さらなる実施形態によれば、ペアリングサーバー908は、次いで、サーモスタット登録プールエントリ911とサーモスタット管理アカウントエントリ913が、76.21.3.203の一致するパブリックネットワークアドレスを有しているので、それらの間で自動化されたペアリングまたは「自動ペアリング」を開始し得る。この特定の例では、自動ペアリングは、図のように、サーモスタット登録プールエントリ911とサーモスタット管理アカウントエントリ913との間で関連付けを作成する。
【0073】
サーモスタットが正しいアカウントとペアリングされていることを確実にする手助けをするために、いくつかの実施形態は、セーフガードの目的で、1つまたはいくつかの追加の確認操作を含み得る。いくつかの実施形態では、サーモスタットフロントエンドUIサーバー608(
図6を参照)は、サーモスタットアクセスクライアントを実行するコンピュータ装置上で彼らのサーモスタット管理アカウントにアクセスするユーザーに対して、
図9Dのダイアログ924を表示する。ダイアログ924は、ペアリングが自動的にサーモスタットを特定のサーモスタット管理アカウントに追加またはそれとペアリングしようとしているので、自動ペアリングルーチンがそのサーモスタットを見つけたことをユーザ
ーに通知する。ユーザーがそのサーモスタットをサーモスタット管理アカウントとペアリングすることを欲しない場合には、拒絶ダイアログ930が、ユーザーがそのサーモスタットを「追加しない」よう要求することを可能にし、ペアリングがキャンセルされるだろう。
【0074】
ユーザーがペアリングをキャンセルしない場合、
図9Dのダイアログ924内に示す一実施形態は、ユーザーに「新しいサーモスタットが検出されています」とさらに通知し、次いで、ユーザーに「そのサーモスタットに行って、それをあなたのアカウントに追加してください」と提案する。一実施形態では、サーモスタットフロントエンドUIサーバー608は、ユーザーがそのサーモスタットを見つけるのを支援するために、確認ダイアログと共に、サーモスタット画像複製928を配信する。ユーザーは次いで、アカウント名936(この例では、bsmister@nestlabs.com)、およびそのアカウントとのペアリングを確認するための確認ダイアログ934と共に
図9Dに示すような、サーモスタット932を見つけ得る。ユーザーは、サーモスタット932の外側リングを操作して、サーモスタット932のサーモスタット管理アカウント936とのペアリングの確認(すなわち、はいを選択)または拒絶(すなわち、いいえを選択)のいずれかを行い得る。ユーザーがはい/いいえダイアログ934を確認すると、サーモスタット登録プール910内の確認?欄のエントリが「はい」エントリを受信して、サーモスタットがペアリングされる。
【0075】
いくつかの実施形態では、確認ダイアログ934は、ユーザーがそれを許可するまで、ペアリングサーバー908が、サーモスタットをサーモスタット管理アカウントと自動的にペアリングしないことを確実にするのを助ける。他の実施形態では、複数のユーザーが同じプライベートネットワーク上にいる場合に、確認は、サーモスタットを間違ったサーモスタット管理アカウントと誤って自動ペアリングするのを制限するためにも使用され得る。例えば、小売店または喫茶店は、顧客も自分のサーモスタット管理アカウントにアクセスしている、複数の顧客と共用プライベートネットワークを使用しているサーモスタットをペアリングしようとし得る。この後者の状況が起こる場合、
図9Cのサーモスタット管理テーブルなどのサーモスタット管理テーブルが、同じパブリックネットワークアドレスの複数のエントリを有し(図示せず)、自動ペアリングサーバーは、どのアカウントがサーモスタットとペアリングされるべきかを判断できない。この競合を回避するために、確認ダイアログ934は、任意選択で、可能性のあるアカウントのリストを連続的に通過して、どのアカウントがサーモスタットとペアリングされるべきかをユーザーが選択することを可能にし得る。さらに別の実施形態では、同じパブリックネットワークアドレスの複数のエントリおよびサーモスタット管理テーブルが曖昧さを解消できない場合、本発明のいくつかの実施形態は、自動ペアリングを見合わせて、本明細書の以下で説明するパスコードペアリングなどの別のタイプのペアリングを使用する。
【0076】
図9Eは、本発明の実施形態に従った、サーモスタットとサーモスタット管理アカウントの自動ペアリングに関連した操作の流れ図を提供する。一実施形態では、
図6のペアリングサーバー606などの、ペアリングサーバーは、プライベートネットワーク上のコンピュータ装置が、公衆ネットワーク上のサーモスタット管理システム上のサーモスタット管理アカウントにアクセスしたことを検出する(936)。いくつかの実施形態は、自動ペアリングは、ユーザーがサーモスタット管理アカウントを作成し、サービスにログインしている場合に起こり得る。例えば、自動ペアリングは、ユーザーが、アカウントを作成し、かつ/または
図9Bに示すサーモスタット管理アカウントテーブル912内に配置されたアカウント情報にアクセスする場合に起こり得る。サーモスタット管理アカウントが現在アクセスされている場合、ユーザーは、1つまたは複数のサーモスタットのサーモスタット管理アカウントとの自動ペアリングを確認することも利用できそうである。さらに、サーモスタット管理アカウントにアクセスすることは、パブリックネットワークアドレ
スを更新し得、新しいサーモスタットが検出されて自動ペアリングされることを可能にし得る。
【0077】
本発明の実施形態は、プライベートネットワーク上のルーターによって提供されたサーモスタット管理アカウントに関連付けられたパブリックネットワークアドレスをさらに受信する(938)。前述のように、プライベートネットワーク上の装置は一般に、パブリックネットワークアドレスを、プライベートネットワークに、インターネットなどの公衆ネットワークへのアクセスを提供するルーターと共有する。プライベートネットワーク上のルーター装置は、NATテーブルエントリを使用して、プライベートネットワークおよび公衆ネットワーク上で使用されるアドレス間をブリッジする。一実施形態は、
図9Cのサーモスタット管理アカウントテーブル913内のサーモスタット管理アカウントにアクセスするコンピュータ装置に関連付けられたパブリックネットワークアドレスを格納する。ペアリングサーバー908によって実行される自動ペアリングは、ペアリングを判断するために、単一のパブリックネットワークアドレスを共有する1つのプライベートネットワーク上の装置およびサービスに依存する。
【0078】
別の実施形態では、ペアリングサーバーが、パブリックネットワークアドレスを含むサーモスタットメタデータをサーモスタット管理システムでのサーモスタットの登録から取り出す(942)。一実施形態では、プライベートネットワークに取り付けられたサーモスタットは最初、サーモスタット管理システム上でのアクセスおよび登録を要求して、データ、アップデートを取得し、最終的にはサーモスタット管理アカウントとのペアリングを取得する。登録中、サーモスタットは、サーモスタット登録プール910などの、サーモスタット登録プール内に入力されるサーモスタットメタデータ情報を提供し得る。このサーモスタットメタデータ情報は、一実施形態では、パブリックネットワークアドレスおよびサーモスタット識別子を含む。登録時に、パブリックネットワークアドレスが、サーモスタットが配置されるプライベートネットワーク上のルーターによって提供される。一実施形態では、自動ペアリングは、プライベートネットワーク上のコンピュータ装置、サーモスタット、および他のサービスと、ルーターによって共有されている、サーモスタットによって使用される同じパブリックネットワークアドレスを頼りにする。
【0079】
本発明の実施形態は、サーモスタット管理アカウントに関連付けられたパブリックネットワークアドレスが、サーモスタットに関連付けられたパブリックネットワークアドレスと同じかどうかを判断する(944)。前述のように、サーモスタット管理アカウントにアクセスしたコンピュータ装置がサーモスタットと同じプライベートネットワーク上にある場合、パブリックネットワークアドレスは一致するはずである。しかし、サーモスタットおよびサーモスタット管理アカウントに対するパブリックネットワークアドレスが異なる場合(944−いいえ)、サーモスタット管理アカウントをサーモスタットとペアリングするための代替アプローチが必要であり得る(952)。
【0080】
本発明の実施形態は、サーモスタット管理アカウントが、サーモスタットが配置されている同じプライベートネットワークからアクセスされると仮定する。許可の追加手段として、一実施形態は、サーモスタットとサーモスタット管理アカウントをペアリングするための確認を、サーモスタット上に表示されるダイアログを通じて要求する(946)。確認は、サーモスタットをセットアップするユーザーに、サーモスタット上のインタフェースを操作して、特定のサーモスタット管理アカウントとのペアリングを確認するように要求し得る。一例として、
図9Dのサーモスタット932は、サーモスタットをアカウントに追加することを確認するために使用される確認ダイアログを含む。確認が提供されない場合(948−いいえ)、サーモスタット管理アカウントとサーモスタットをペアリングするための代替アプローチが取られ得る(952)。サーモスタット管理システムが、サーモスタットから処理を続けるための確認を受信する場合(948−はい)、本発明の実
施形態は、サーモスタットをサーモスタット管理アカウントとペアリングするであろう。前述のように、ペアリングは、サーモスタットにデータへのアクセスを提供し、また、サーモスタット管理アカウントを通じたサーモスタットへのアクセスも許可する(950)。
【0081】
図10A〜
図10Cは、本発明の実施形態に従って設計されたサーモスタットアクセスクライアントからのユーザーインタフェースの一部を提示する。
図12Aのサーモスタットアクセスクライアント1000は、
図5で前述して示されたサーモスタットアクセスクライアント516に別の態様を提供する。このユーザーインタフェース部分では、サーモスタットアクセスクライアント1000は、アカウント名1002、家の設定選択1004、天気選択1006、バックグラウンド領域1008、一次視覚天気1010、二次視覚天気1012、フォアグラウンド領域1014、サーモスタット選択1016、一次包囲空間選択1018、留守インジケータ1019、二次包囲空間選択1020、フォーカスインジケータ1022および位置1024を含む、いくつかのコンピュータ選択可能な、対話式要素を提示する。この記述の文脈では、家の設定選択1004、天気選択1006、サーモスタット選択1016、一次包囲空間選択1018、および他を記述するために使用されるような「選択」という用語は、ユーザーインタフェース上の要素が選択され得て、インタフェースを変更させるか、もしくはデータを生み出すか、またはその両方を生じる。一実施形態では、「選択」として記述されていない他の要素は、包囲空間の現在の位置を示す位置1024などの、テキストの表示を通して情報を提供し得る。他の実施形態は、テキストまたは他のデータの表示を通して情報を表示し、かつ選択され得、従って、選択され得るユーザーインタフェース上のさらに別の要素として機能する要素をさらに提供し得る。これら他の実施形態では、テキストの選択が、関連情報、ユーザーインタフェースの構成部分へのアクセス、またはサーモスタットアクセスクライアントのユーザーインタフェースに適切であると見なされる他の情報をさらに提供し得る。例えば、代替実施形態は、位置1024で、またはその近隣で起こっている現在の事象を表示するためにサーモスタットアクセスクライアント100内の位置1024の選択を可能にし得る。その結果、一実施形態は、本明細書で前述および後述の通りの選択の組合せを含むが、代替実施形態は、もっと多くのまたはもっと少ない要素がユーザーインタフェース上の選択となることを可能にして、選択された場合に追加の情報を提供し得ると考えられる。
【0082】
これらの要素を一緒に組み合せて、本発明の実施形態は、1つまたはいくつかの包囲空間に関連し、かつその中に設置されている1つまたは複数のサーモスタットをアクセス、プログラミング、および制御するための魅力的で直感的なインタフェースを提供する。その上、ユーザーインタフェースの要素は、天気の関連情報、データ、地域のコミュニティ情報、エネルギー節約情報、緊急対応情報、および他のデータへのアクセスを、それが、ユーザーのサーモスタット管理アカウントに関連付けられた1つまたは複数の包囲空間の各々に関連するとき、さらに提供する。いくつかの実施形態では、アカウント名1002は、
図10Aに示すように、サーモスタットアクセスクライアントを現在使用しているサーモスタット管理アカウントの名前を提供する。例えば、アカウント名は、電子メールアドレスであり得るが、しかし、それは、システムが認識して、現在使用中のサーモスタット管理アカウントに関連付け得る任意の識別子でもあり得る。アカウント名1002および適切な関連した許可を提供すると、ユーザーインタフェースの一実施形態は、アカウント名1002からの一次包囲空間を、ユーザーインタフェースで当初使用されるデフォルトの一次包囲空間として識別する。いくつかの実施形態では、デフォルトの一次包囲空間は、アカウント名1002の構成中に指定され得るか、またはアカウント名1002をもつサーモスタット管理アカウントが最後にアクセスされた時に使用された包囲空間であり得る。この例では、アカウント名から取られたデフォルトの一次包囲空間は、「自宅」として識別されて、一次包囲空間選択1018に関連付けられた住居であり得、他方、二次包囲空間は、「別荘」として識別されて、二次包囲空間選択1020に関連づけられた別
荘であり得る。ユーザーインタフェース内に表示されるように、「自宅」とラベル付けされた一次包囲空間選択1018が、フォアグラウンド領域1014内で強調されて、大きなサイズで、「別荘」とラベル付けされた小さい二次包囲空間選択1020の前に現れる。フォーカスインジケータ1022は、ユーザーインタフェース内で現在アクセスされ、かつ/または操作されている、ユーザーインタフェース内の1つの主要素を識別して、ユーザーの注意をそれに向けるのをさらに助けるように動作する。この例では、フォーカスインジケータ1022は、一次包囲空間選択1018を主要素およびユーザーインタフェースの他の部分を駆動する1つの情報源として識別する。
図10Aには示されていないが、フォーカスインジケータ1022は、一次包囲空間選択1018ではなく、サーモスタット選択1016などの他の要素を、ユーザーインタフェース内の主要素として識別し得る。
【0083】
一次包囲空間選択1018がフォーカスインジケータ1022によって識別されているので、ユーザーインタフェースのバックグラウンド領域1008は、一次包囲空間選択1018に関連付けられた一次包囲空間の近くの現在の天気を表す一次視覚天気1010を表示する。一次視覚天気1010のいくつかの実施形態は、一次包囲空間における天気パターンをさらに強調するために、雲、雨、雪、および他の天気状態を表す様々な画像要素をアニメーション化し得る。時刻も、一次包囲空間の位置に関連付けられた時間帯に応じ、一次視覚天気内の画像の明るさまたは暗さによって反映され得、それは、この事例では、
図10Aの一次視覚天気1010内に反映されたように昼間として現れる。一次包囲空間選択1018に関連付けられたユーザーインタフェース上の他の要素は、現在の温度および一次包囲空間位置における温度を示す温度/位置1024、ならびに、選択された場合に、同様に、一次包囲空間に関連した天気予報を提供する天気選択1006を含む。家の設定選択1004は、選択された場合に、一次包囲空間選択1018に関連付けられた一次包囲空間の住所、郵便番号および位置に関連する情報を表示する。
【0084】
留守インジケータ1019は、一次包囲空間選択1018の家画像の窓1017内、および家画像の玄関に沿った逆「U」字形のドアのような画像の輪郭の幅内に、異なる色として現れる。例えば、明るい黄色として現れる窓およびドア内の色は、誰かが家または事務所に現在居ることを示し得るが、色が暗色または黒に変わると、それは、家または事務所が留守であることを示す。
【0085】
いくつかの実施形態では、一次包囲空間選択1018は、実際の一次包囲空間内で使用されるサーモスタットの各々に対してサーモスタット選択1016も表示する。この例内で「自宅」とラベル付けされた一次包囲空間選択1018は、フォアグラウンド領域1014内に表示されたサーモスタット選択1016によって表されるように、サーモスタットを1つだけ有している一次住居または自宅を表すように見える。いくつかの実施形態では、サーモスタット選択1016を選択すると、フォーカスインジケータ1022がサーモスタット選択1016の下にスライドして、ユーザーインタフェースは、スケジュールに従って暖房および冷房設定点をセットアップするためのインタフェースの別の部分を提示する。
【0086】
図10Bは、別の実施形態に従って、一次包囲空間として選択された異なる包囲空間をもつ
図10Aと類似した、サーモスタットアクセスクライアントからのユーザーインタフェースの部分を提示する。
図10Bでは、一次包囲空間選択1018は、「別荘」とラベル付けされた包囲空間を一次包囲空間として、また、「自宅」とラベル付けされた包囲空間を二次包囲空間1020として示す。
図10Aで二次包囲空間選択1020を選択すると、関連付けられた二次包囲空間が、一次包囲空間の役割を引き受けされて、
図10Bに示すように、一次包囲空間選択1018に関連付けられるようになる。同様に、
図10Aの一次包囲空間選択1018に関連付けられた一次包囲空間が、二次包囲空間の役割を引
き受けて、
図10Bの二次包囲空間選択1020に対応する。
図10Bのユーザーインタフェース内のこの一次包囲空間選択1018は、「別荘」包囲空間内に設置された2つのサーモスタットを、「2階」とラベル付けされたサーモスタット選択1016および「1階」とラベル付けされた別のサーモスタット選択1024でさらに表示する。同様に、一次視覚天気1010は、
図10Bの一次包囲空間選択1018の近くの現在の天気および時刻を反映する。
【0087】
図10Cは、本発明の一実施形態に従った、サーモスタットアクセスクライアントインタフェースに関連した操作の流れ図を提供する。
図10Cの操作は、
図10Aおよび
図10Bに示されるユーザーインタフェースの実施形態の別の態様を提供する。一実施形態では、ユーザーインタフェースは、サーモスタット管理アカウントに関連付けられた1つまたは複数の包囲空間から選択された一次包囲空間を識別する。一次包囲空間が、ディスプレイ装置のユーザーインタフェース上での表示のために、一次包囲空間選択に関連付けられる(1032)。例えば、
図10Aに示されたユーザーインタフェースは、電子メールアドレスsteve@gmailで識別されるサーモスタット管理アカウント内の複数の異なる包囲空間から選択された「自宅」とラベル付けされた包囲空間の一次包囲空間選択をデフォルトで表示する。このデフォルトの一次包囲空間は、ユーザーによって構成され得るか、またはユーザーインタフェースを通じてごく最近アクセスおよび選択された包囲空間であり得る。さらに、
図10Aのユーザーインタフェースは、また、その選択に注意を引くために、フォーカスインジケータ1022を、新しく選択された一次包囲空間選択1018の下に移動させる。
【0088】
一旦、一次包囲空間が選択されると、サーモスタットアクセスクライアントのユーザーインタフェースが、一次包囲空間選択および関連付けられたサーモスタット選択を表示する(1034)。いくつかの実施形態では、個々のサーモスタット選択が、一次包囲空間の内部または近くの対応する温度を示し得る。一次包囲空間選択および対応するサーモスタット選択の両方が、ディスプレイ装置上に表示される際に、ユーザーインタフェースのフォアグラウンド領域内に現れる。例えば、一次包囲空間選択は、
図10Aおよび
図10Bのフォアグラウンド領域1014内に現れる一次包囲空間選択1018によって示されるように、家の画像として現れ得る。同様に、ユーザーインタフェース上のサーモスタット選択は、包囲空間内に設置された円形サーモスタットとして現れ得、例えば、
図10Aのサーモスタット選択1016ならびに
図10Bのサーモスタット選択1016および1024として示される。いくつかの実施形態では、サーモスタット選択1016は、現在の一次包囲空間に関連付けられた第1のサーモスタットを表し、サーモスタット選択1024は、一次包囲空間に関連付けられた第2のサーモスタットを表す。
【0089】
サーモスタットアクセスクライアントのユーザーインタフェースは、一次包囲空間の地理的位置における一次視覚天気および大体の時刻をさらに表示する(1036)。一実施形態では、この一次視覚天気は、
図10Aの一次視覚天気1010同様に表示され得る。例えば、一次視覚天気は、雨、雪、霰およびその他などの天気状況の画像および/またはアニメーション化された画像を、サーモスタットアクセスクライアント内のユーザーインタフェースのバックグラウンド領域に含み得る。これらの画像は、一般に、一次包囲空間の地理的地域内の現在の天気状況および大体の時刻を反映する。
【0090】
1つだけの包囲空間がサーモスタット管理アカウントとペアリングされる場合(1038−いいえ)、ユーザーインタフェースは、前述のように、一次包囲空間選択だけを継続して表示する(1034)。代替実施形態では、サーモスタット管理アカウントにペアリングされた二次包囲空間(1038−はい)が、ユーザーインタフェースのさらなる実施形態に従って、二次包囲空間選択として表示される。二次包囲空間選択は、視覚的に強調を抑えられ、一次包囲空間選択と比較して小さく現れる。さらに強調を抑えるために、二
次包囲空間選択もフォアグラウンド領域に配置され得るが、一次包囲空間選択の後ろに現れる。一次包囲空間選択と同様に、二次包囲空間選択は、
図10Aのフォアグラウンド領域1014内に現れる二次包囲空間選択1020によって示されるような家のように見え得る。
【0091】
選択が行われない場合(1042−いいえ)、ユーザーインタフェースの実施形態は、前述のように、同じ一次包囲空間選択を継続して表示する(1034)。代替実施形態では、ユーザーインタフェースは、二次包囲空間選択の選択を受信し得、それにより、ユーザーインタフェースによって表される一次および二次包囲空間における変化を生じる(1042−はい)。例えば、二次包囲空間選択のユーザーの選択は、二次包囲空間に一次包囲空間の役割を引き受けさせ、次いで、ユーザーインタフェース上に一次包囲空間選択として表示されるようになる。その結果として、以前の一次包囲空間は二次包囲空間の役割を引き受け、二次包囲空間選択として、ユーザーインタフェース上で視覚的に強調を抑えて表示される(1044)。このユーザーインタフェースの相互作用の例を示すために、
図10Aは、ユーザー選択を受信する前に、「自宅」として識別される一次包囲空間選択1018を表示する。「別荘」として識別される
図10Aの二次包囲空間選択1020が、ユーザー選択を受信して、
図10Bに示すように、一次包囲空間選択1018になる。結果として、「自宅」として識別される以前の一次包囲空間選択が、
図10Bにおける二次包囲空間選択1020になる。
【0092】
本発明によれば、
図11A〜
図11Cは、包囲空間に対し、ユーザーインタフェースにおけるオプションの設定および天気予報の取得を示す。一実施形態では、包囲空間に対するオプションは、サーモスタットアクセスクライアントのユーザーインタフェース1102上で一次包囲空間選択1104および関連した設定1106を選択することにより表示される。この実施形態では、オプション1108は、一次包囲空間選択1104に対する住所を提供すること、および自宅が在宅または留守であるかを示すことを含み得る。いくつかの実施形態では、オプション1108内の「在宅状況」フィールドを「留守」に設定することは、家が留守であることを示し、一次包囲空間選択1104として使用される家の画像で照明が消されているか、または暗く見せる。「在宅状況」フィールドを留守に設定することは、また、サーモスタットに、HVACシステムの電源をオフにさせ得るか、またはHVACを留守状態にして、温度をサーモスタットの留守状態に対して指定された所定の範囲に維持し得る。他の実施形態では、オプション1108内の「在宅状況」フィールドを「在宅」に設定することは(
図11Aに示さず)、一次包囲空間選択1104として使用される家の画像で照明が点灯されているように見せ、また、HVACシステムの電源をオンにして、所定の暖房または冷房プログラムを開始し得る。
【0093】
他の実施形態によれば、
図11Bの設定1106の下で利用可能なサーモスタットダイアログ1110は、サーモスタットに関する状態を提供し、それらを容易に追加および除去することを可能にする。例えば、サーモスタットダイアログ1110は、「廊下」として識別された1つのサーモスタットがサーモスタットアカウントとペアリングされて、「オンライン」であることを示す。いくつかの実施形態では、サーモスタットダイアログ1110内で「別のサーモスタットを追加」選択を選択すると、サーモスタット管理システムに、前述のように、自動ペアリング機能を使用して、追加のサーモスタットとペアリングするように促し得る。あるいは、「別のサーモスタットを追加」を選択すると、ユーザーが、サーモスタットからシステムにパスコードを入力することにより、追加のサーモスタットをペアリングすることを可能にし得る。
図11Cは、設定1106の下で利用可能な天気予報1112のある、ユーザーインタフェース1102の別の実施形態を示す。この例では、天気予報1112が、一次包囲空間選択1104がある地理的地域(この事例ではパロアルト)に対する週間予報として提供される。
【0094】
図12A〜
図12Cは、サーモスタットに関連したオプションおよびスケジュールを設定するための、本発明の実施形態に従ったユーザーインタフェースを示す。ユーザーインタフェース1202内でサーモスタット選択1204および設定1206を選択することは、ユーザーにサーモスタット設定1208へのアクセスを提供する。一実施形態では、サーモスタット設定1208の一部は、サーモスタット1204に対するサーモスタットモード、学習モード、およびファンモード、ならびに対応するHVACシステム(図示せず)を選択することを含む。例えば、サーモスタットモードは、「冷房」に設定されて、HVACが空気調整装置または他の冷却機構を実行することを可能にし得;「暖房」は、HVACが暖房または他の加熱機構を実行することを可能にし得;または、「自動」は、プログラミングに応じて、暖房または冷房モードのいずれかで実行することを可能にし得る。学習モードが有効にされると、サーモスタットが、過去、環境および他のデータのみならず、好みに基づいて、いつ暖房または冷房するかを学習することを可能にする。一実施形態では、サーモスタット内のセンサーから取得されたセンサーデータも、サーモスタット設定1208内に提示され、温度および湿度を含む。
【0095】
図12Bは、サーモスタットの1日のスケジューリングのために、本発明に従って設計されたユーザーインタフェースを示す。一実施形態では、1日に対するスケジュールが、24時間のタイムラインを表す、端部が丸められた選択可能な水平バー1210を使用して行われる。選択可能な水平バー1210上の空いた領域を選択すると、設定点が示された時間間隔および温度で、選択可能な水平バー1210上に追加される。いくつかの実施形態では、青色の設定点(すなわち、冷房設定点)を追加すると、関連付けられた設定点温度を上回る場合、HVACに冷却させ、他方、赤色の設定点(すなわち、暖房設定点)を追加すると、温度が関連付けられた設定点温度を下回る場合、HVACに暖房させる。多くの他のタイプの設定点が、異なる色の組合せ、形状および外観で作成され得、これらの設定点は、温度の範囲および暖房と冷房との間の自動切り替えを可能にするように構成され得ることが考えられる。いくつかの実施形態では、設定点の除去は、選択可能な水平バー1210上に配置された以前に作成された設定点を選択することにより達成される。
【0096】
選択可能水平バー1210上に追加された設定点例1212および1214は、容易に理解され得、それにより、サーモスタットの全体的なスケジューリングを単純化する。例えば、選択可能水平バー1210上で「8:00」の位置に置かれた「79」度の冷房設定点1212は、温度が「8:00」以降に「79」度を上回る場合、HVACに空気調整装置の電源をオンにさせて「冷房」させるはずである。それに続く、「9:00」の「80」度の冷房設定点1214は、温度がその後「9:00」以降に「80」度を上回る場合にのみ、HVACに空気調整装置の電源をオンにさせて「冷房」させるはずである。
【0097】
別の実施形態によれば、
図12Cは、サーモスタットを1週間スケジューリングするためのユーザーインタフェースを示す。ユーザーインタフェース上のサーモスタット選択1204およびスケジュール選択1206は、ユーザーに週間スケジュール1216へのアクセスを提供する。サーモスタットに対する週間スケジュールは、
図12Bに示す1日のスケジュールと同様に機能するが、ただし、インタフェース内に、1つの水平バーが月曜日から日曜日の各曜日に対する、7つの異なる選択可能水平バーが存在することを除く。
図12Cに示す例では、週間スケジュール1216は、「79」度で毎日「8」時に設定された冷房設定点1218を有する。単一の73度の暖房設定点1220が月曜日の「11:00」に設定され、これにより、温度が73度より涼しくならないことを確実にする。
【0098】
図12Dは、本発明の実施形態に従い、サーモスタットにおいて、暖房および冷房スケジュールとやりとりするためのユーザーインタフェース方法に対応する流れ図である。一実施形態では、ユーザーインタフェース方法は、サーモスタット管理アカウントとペアリ
ングされた第1の包囲空間およびサーモスタットに対する設定に関連付けられたスケジュールを識別する(1202)。第1の包囲空間は、デフォルトで「自宅」とラベル付けされた包囲空間、またはサーモスタット管理アカウント内で構成された包囲空間のリスト内の第1の包囲空間にされ得る。
【0099】
識別された包囲空間に基づき、一実施形態は、次いで、サーモスタットに対する暖房および冷房スケジュールを、コンピュータ装置のユーザーインタフェース上に、サーモスタットに対する暖房および冷房スケジュールにおける1日または複数日に対応する、1つまたは複数の垂直に並べられた水平バーとして表示する(1204)。各水平バーは、スケジュールにおいて、各水平バーの水平方向に沿って分けられた1日の時間範囲を含む。例えば、水平バーは、左端の範囲で、真夜中の12:00または24時間スケジュールで00:00に1日が始まり、夜まで続いて、11:59pmまたは23:59にスケジュールが終了する。
【0100】
インタフェースは、設定点選択を、1つまたは複数の垂直に並べられた水平バーのうちの1つ上に置かれた幾何学形状としても表示し得る(1206)。一実施形態では、設定点選択は、幾何学形状の中央に表示された値によって示される少なくとも1つの温度閾値を有する。好ましくは、幾何学形状は、丸い円、または同心円であるが、他の形状も使用され得る。例えば、70などの単一の値は、70度の閾値を示し得るが、62/76などの2つの値は、設定点選択に関連付けられた範囲を示す。色または複数の色に応じて、設定点選択の一実施形態は、HVACシステムの動作に対する温度の好みを示す。例えば、「赤」色の幾何学形状は、設定点選択に関連した温度閾値に達するまで暖めることを示し得る。62/76などの、2つの閾値レベルと結び付けられた「赤」および「黒」などの2色は、低い方の閾値の62に達するまで暖めて、その後、高い方の閾値の76を上回る場合に冷却することを示し得る。
【0101】
ユーザーインタフェースのさらなる態様では、暖房および冷房のためのスケジュールが、特定の時間間隔における1つまたは複数の設定点選択とやりとりするために、いくつかの水平バーのうちの1つ上の選択を受信する(1208)。例えば、選択は、本発明に従って、サーモスタットアクセスクライアントおよびユーザーインタフェースを実行するコンピュータの画面上の選択を示す、マウスまたは他のポインティング装置からであり得る。一実施形態は、水平バー上で選択された時間間隔が既に設定点選択を有するかを判断する(1210)。その時間間隔に設定点選択が存在しない場合(1210−いいえ)、ポインティング装置による選択は、1つの水平バーの時間間隔において設定点を追加することを示し得る(1212)。追加された設定点選択は、暖房、冷房、または両方のいずれかを示し得、また、その設定点を作動させるための1つまたは2つの閾値も指定し得る。冷房に対する温度の好みが、幾何学形状を「青」にすることによって示され得、他方、暖房に対する温度の好みが「赤」の幾何学形状で示され得る。
【0102】
あるいは、その時間間隔に設定点選択が存在する場合(1210−はい)、ポインティング装置による選択は、追加の指示を通じて、設定点を削除することをさらに示し得る(1214−はい)。例えば、ユーザーインタフェースにおけるサーモスタットアクセスクライアント内でのマウスの右クリックまたはダブルクリックが、1つの水平バー上の時間間隔における特定の既存の設定点が削除されるべきことを示し得る(1216)。しかし、ポインティング装置がその設定点を削除することを示していない場合(1214−いいえ)、ポインティング装置による選択は、代わりに、水平バーに沿って設定点を修正するために使用され得る。例えば、ユーザーインタフェースは、スケジュール内の特定の時間間隔および日における設定点に対する温度閾値、時間間隔、または温度の好みを修正するために使用され得る(1218)。
【0103】
図13は、好ましい実施形態に従ったサーモスタットアクセスクライアントを使用する現在の設定点操作を説明する目的で、単一の包囲空間および単一のサーモスタットがある、比較的基本的なシナリオに対する、サーモスタットアクセスクライアントのためのユーザーインタフェースを示す。
図13の上の画面の包囲空間ベースの表示について、サーモスタットが、比較的小さいか、または控えめなサイズのサーモスタットアイコン1302Aによって表されている。しかし、ユーザーがサーモスタットアイコン1302A上またはその近くをクリックすると、
図13の下に示されるサーモスタットベースの表示に画面が変わり、そこでは、サーモスタットは、比較的大きなサーモスタット画像1302Bによって表されている。サーモスタット画像1302B上に表示されているのは、目盛り形式およびデジタル形式の両方での現在の周囲温度1304、大きく中央に置かれた数字での現在の設定点温度(76度F)、および現在の設定点温度も表すメモリ1306である。本発明の譲受人に譲渡された組み込まれた参照の1つまたは複数に記述されているように、ユーザー挙動が良好なエネルギー節約挙動と一致するというフィードバックを与える、精神的に報いる葉っぱアイコン1308も示されている。一実施形態について、ユーザーは、現在の設定点目盛り1308をクリックし、ダイアルに沿って所望の温度位置までドラッグすることにより、サーモスタットの現在の設定点温度を変えることができ、ダイアルの真ん中の大きな数字の設定点温度も、ドラッグされた目盛り位置に従って変わるであろう。いくつかの実施形態について、遠隔で課されたサーモスタット設定点温度における変更は、ユーザーの温度調整挙動におけるパターン検出の目的、または他の自動学習目的などで、ユーザーが、家の中のサーモスタットのダイアルまで直接歩いて行ったかのように、サーモスタットによって同等に処理される。
【0104】
図14A〜
図14Cは、例えば、サーモスタットの現在の設定点温度が別の好ましい実施形態に従って変更される、
図13からのサーモスタット画像1302を示す。より詳細には、ユーザーが、大きな数字の中央の設定点温度のちょうど上である、サーモスタット画像1302B上の領域に、彼らのマウスポインタを置くか、または他の方法でタッチすると、図(
図14A)のように上向きカレットアイコンが表示される。ユーザーは、次いで、上向きカレットアイコンの上またはその近くをクリックすると、現在の設定点温度を上げることできる(
図14B)。他方、ユーザーが、大きな数字の中央の設定点温度のちょうど下の領域に、彼らのマウスを置くか、または他の方法でタッチすると、下向きアイコンが表れ、次いで、ユーザーは、その上またはその近くをクリックして、現在の設定点温度を下げることができる(
図14C)。
【0105】
図15A〜
図15Cは、比較的小さい画面を有する、スマートフォンまたは他のハンドヘルド装置上で実行されるサーモスタットアクセスクライアントに関連したユーザーインタフェース画面を示す。図に示すように、これらのユーザーインタフェース表示は、大きな画面に対して提供されるものに類似したテーマおよび機能が提供されるが、小さい全体スペースに収まるように賢明に適合される。従って、例えば、ユーザーが、
図15Bに示すサーモスタットアイコンの上をクリックすると、
図15Cのように拡大されたサーモスタット画像が現れて、画面のフォアグラウンド全体を実質的に占有し、家の景観が薄暗くされてバックグラウンドに置かれる。これは、拡大されたサーモスタット画像をさらに収容しながら、一般的な家の景観が定位置に留まることが可能な、上で、
図13に示すような大きな画面の実施態様と比較できる。
【0106】
本特許の主題は、一般に、以下の本発明の譲受人に譲渡された出願の主題に関する:2011年10月7日に出願された米国出願第13/269,501号;2011年10月17日に出願された米国出願第13/275,307号;2011年10月17日に出願された米国出願第13/317,423号;および2011年10月21日に出願された米国仮出願第61/627,996号。上で参照された特許出願の各々が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0107】
それに応じて、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な修正が行われ得る。実際に、サーモスタット、HVACSおよび他の装置に対する操作のための様々なユーザーインタフェースが提供されているが、設計は、発明全体の範囲に関して、制限するのではなく、図示することが意図されている。自動ペアリングおよびパスコードペアリングを使用してサーモスタットをペアリングするための方法およびシステムが記述されているが、これらの方法およびシステムは、アカウントとペアリングしようと試みるプライベートネットワーク上の任意の装置に適用され得ると考えられる。例えば、本発明の実施形態は、ネットワークに取り付けられたサーモスタットに限定されず、セットトップボックス、ストリーミングサーバー装置、ストリーミングサービスアプリケーション、コンピュータ、携帯電話、ボイスオーバーIP電話、または本発明の実施形態に従った自動ペアリング機能から利益を得るものなどの、ネットワークに接続される任意の装置である。ユーザーインタフェースの事例では、これらのユーザーインタフェースの操作を表す多数の流れ図が提供されているが、これらのインタフェースに関連して提示されるステップは、入れ替え、順序付け、および混合され得、本発明の態様の範囲内に留まると考えられる。前述および後述のように、サーモスタットという用語は、HVACシステムへの直接制御線を有するサーモスタットを含み得、また、HVACシステムと直接接続しないが、包囲空間内の1つの位置における周囲温度を検知して、包囲空間内のどこかに配置された別個のサーモスタットユニットとの有線または無線のデータ接続によって協力して伝達する、サーモスタットをさらに含み得、別個のサーモスタットユニットは、HVACシステムへの直接制御線を有することをさらに理解されたい。その結果、本発明は、前述の実施形態に限定されず、代わりに、添付の請求項により、均等物のそれらの完全な範囲を考慮して、定義される。