特許第6903771号(P6903771)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許69037712種の特定のカチオン性界面活性剤とシリコーンエマルジョンを含む化粧用組成物、並びに美容的処置方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6903771
(24)【登録日】2021年6月25日
(45)【発行日】2021年7月14日
(54)【発明の名称】2種の特定のカチオン性界面活性剤とシリコーンエマルジョンを含む化粧用組成物、並びに美容的処置方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/41 20060101AFI20210701BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20210701BHJP
   A61K 8/898 20060101ALI20210701BHJP
   A61K 8/891 20060101ALI20210701BHJP
   A61K 8/39 20060101ALI20210701BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20210701BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20210701BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20210701BHJP
【FI】
   A61K8/41
   A61K8/06
   A61K8/898
   A61K8/891
   A61K8/39
   A61K8/86
   A61Q5/00
   A61Q5/12
【請求項の数】15
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2019-570050(P2019-570050)
(86)(22)【出願日】2018年6月21日
(65)【公表番号】特表2020-524678(P2020-524678A)
(43)【公表日】2020年8月20日
(86)【国際出願番号】EP2018066571
(87)【国際公開番号】WO2018234444
(87)【国際公開日】20181227
【審査請求日】2020年2月17日
(31)【優先権主張番号】1755647
(32)【優先日】2017年6月21日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【弁理士】
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】クレール−マリー・ルソニエ
(72)【発明者】
【氏名】ローラン・シェノー
【審査官】 池田 周士郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−213163(JP,A)
【文献】 特開2000−219612(JP,A)
【文献】 特開2001−139429(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0015078(US,A1)
【文献】 特開2015−110538(JP,A)
【文献】 特開2003−119114(JP,A)
【文献】 特開平09−095424(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00−90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)式(Ia):
【化1】
(式中:
− 同一又は異なっていてよいR5及びR6は、8から30個の炭素原子を含む、直鎖又は分枝、飽和又は不飽和の脂肪族基であって、酸素、窒素、硫黄、及び/又はハロゲンなどの1つ又は複数のヘテロ原子を含んでいてもよい脂肪族基;又はアリール又はアルカリール基などの芳香族基を表し;
− 同一又は異なっていてよいR7及びR8は、1から6個の炭素原子を含む直鎖又は分枝の脂肪族基を表し;
− Yは、アニオンである)の1種又は複数種のカチオン性界面活性剤;
(ii)式(Ia)のカチオン性界面活性剤以外の1種又は複数種のカチオン性界面活性剤、及び
(iii)350nm未満の粒径D50を有し、且つ
− (i)25℃で40000から100000mPa.sの範囲の粘度を有する、トリアルキルシリル末端基を含むポリジアルキルシロキサンと、(ii)25℃で1000から15000mPa.sの範囲の粘度、及びアミノシリコーン1グラムあたり2から10mgのKOHの範囲のアミン数を有するアミノシリコーンとを含む、シリコーン混合物;
− 1種又は複数種の非イオン性界面活性剤を含む界面活性剤混合物であって、10から16の範囲のHLBを有する混合物、及び
− 水
を含む、水中油型エマルジョン
を含む化粧用組成
【請求項2】
式(Ia)の1種又は複数種のカチオン性界面活性剤(式中:
− R5は、飽和した直鎖C8〜C30アルキル基、又は(C12〜C22)アルキルアミド(C2〜C6)アルキル基を表す;及び/又は
− R6は、飽和した直鎖C8〜C30アルキル基、又は(C12〜C22)アルキルアセテート基を表す;及び/又は
− 同一又は異なっていてよいR7及びR8は、1から6個の炭素原子を含む、飽和した直鎖アルキル基を表す)
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
ジ(C8〜C30)アルキルジメチルアンモニウム塩から選択される、式(Ia)の1種又は複数種のカチオン性界面活性剤を含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物の総質量に対して、0.1質量%から10質量%の範囲の総量の、式(Ia)の界面活性剤を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
式(Ia)のカチオン性界面活性剤とは異なるカチオン性界面活性剤が、式(Ib):
【化2】
(式中:
− R1は、8から30個の炭素原子を含む、直鎖又は分枝、飽和又は不飽和の脂肪族基であって、酸素、窒素、硫黄、及び/又はハロゲンなどの1つ又は複数のヘテロ原子を含んでいてもよい脂肪族基を表し;
− 同一又は異なっていてよいR2からR4は、1から6個の炭素原子を含む、直鎖又は分枝、飽和又は不飽和の脂肪族基を表し、
− X、アニオンである)
のカチオン性界面活性剤から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記式(Ib)のカチオン性界面活性剤が、(C8〜C30)アルキルトリメチルアンモニウム塩から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物の総質量に対して、0.1質量%から10質量%の範囲の総量の、式(Ia)のカチオン性界面活性剤とは異なる界面活性剤を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記シリコーン混合物が、25℃で40000から100000mPa.sの範囲の粘を有する、式(I):R’3SiO(R’2SiO)pSiR’3
(式中:
− 同一又は異なっていてよいR’は、1から18個の炭素原子を有する一価の炭化水素をベースとする基であり、
− pは、500から2000の範囲の整数である)
の、トリアルキルシリル末端基を含む1種又は複数種のポリジアルキルシロキサンを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記シリコーン混合物が、25℃で1000から15000mPa.sの範囲の粘度、及び/又はアミノシリコーン1グラムあたり2から10mgのKOHの範囲のアミン数を有する、式(II):XRSi(OSiAR)(OSiROSiR
(式中:
− 同一又は異なっていてよいRは、1から18個の炭素原子を有する一価の炭化水素をベースとする基であり、
− 同一又は異なっていてよいXは、R又はヒドロキシル(OH)又はC1〜C6アルコキシ基を表し、
− Aは、式−R−[NR−R−]NRのアミノ基、又はこのアミノ基のプロトン化された形態であり、
− Rは、C1〜C6アルキレン基を表し、
− 同一又は異なっていてよいRは、水素原子又はC1〜C4アルキル基であり、
− Rは、C1〜C6アルキレン基であり、
− xは、0又は1であり;
− m及びnは、m+nが、50から1000の範囲であるような整数である)
の1種又は複数種のアミノシリコーンを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
シリコーン混合物の総質量に対して、(i)70質量%から90質量%の量の、25℃で40000から100000mPa.sの範囲の粘度を有する、トリアルキルシリル末端基を含む1種又は複数種のポリジアルキルシロキサンと、(ii)0質量%から30質量%の量の、25℃で1000から15000mPa.sの範囲の粘度、及びアミノシリコーン1グラムあたり2から10mgのKOHの範囲のアミン数を有する1種又は複数種のアミノシリコーンとを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記界面活性剤混合物が、
(i)(ポリ)オキシアルキレン化された脂肪アルコー
(ii)ポリ)オキシアルキレン化された(C8〜C32)アルキルフェニルエーテル;
(iii)8〜C32脂肪酸とソルビタンとのポリオキシアルキレン化されたエステル;及び
(iv)C8〜C32脂肪酸のポリオキシエチレン化されたエステ
から選択される1種又は複数種の非イオン性界面活性剤を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記水中油型エマルジョンが、
− エマルジョンの総質量に対して、5質量%から15質量%の範囲の総量の界面活性剤混合物;及び/又は
− エマルジョンの総質量に対して、5質量%から15質量%の範囲の総量の非イオン性界面活性剤
− エマルジョンの総質量に対して、40質量%から60質量%の範囲の総量のシリコーン混合物;及び/又は
− エマルジョンの総質量に対して、35質量%から45質量%の範囲の総量のトリアルキルシリル末端基を含むポリジアルキルシロキサン;及び/又は
− エマルジョンの総質量に対して、5質量%から15質量%の範囲の総量のアミノシリコーン;及び/又は
− エマルジョンの総質量に対して、25質量%から50質量%の範囲の総量の水
を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記水中油型エマルジョンが、100と300nmの間の粒径D50を有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
組成物の総質量に対して、0.1質量%から20質量%の範囲の総量の1種又は複数種の脂肪アルコールも含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
ケラチン物質を処置するための美容的方法であって、前記ケラチン物質への、請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物の適用、それに続く又は続かない、つけたままにする時間及び/若しくはすすぎステップ及び/若しくは乾燥ステップを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2種の特定のカチオン性界面活性剤とシリコーンエマルジョンとの組み合わせを含む化粧用組成物、特に毛髪組成物に;また、この組成物を使用する美容的処置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ケラチン繊維、特にヒトケラチン繊維、特に毛髪の美容的処置の分野では、特に、例えばもつれを解くこと若しくはブロー乾燥に関連する機械的攻撃又は例えば染色若しくはパーマネントウェーブに関連する化学的攻撃などの様々な外部攻撃後に、敏感になっている及び/又は損傷を受けているケラチン繊維を処置することが求められている。
【0003】
これらの攻撃は、ケラチン繊維の質に影響を及ぼすことがあり、特に、表面が滑らかでなく均一でなくなり、それによって、乾いた毛髪でも濡れた毛髪でも、もつれを解くのが容易ではなく、あまり良くない感触である、ケラチン繊維の表面特性の崩壊を引き起こすことがある。
【0004】
これらの現象を制限することを可能にするケア製品が存在する。これらの製品は、一般に、カチオン性界面活性剤、脂肪アルコール、又はシリコーンなどの、1種又は複数種のコンディショニング剤を含有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、これらのコンディショニング剤のいくつかは、毛髪ケア製品の質感を濃くするという、また、過度に高い粘度の組成物をもたらすという欠点を有する;いくつかのコンディショニング剤は、毛髪に過剰なコンディショニング剤が付着するという欠点も有し、これは、繊維の軟化若しくは強健性の欠乏、及び/又は繊維の耐性の欠乏を、また、特に2回のシャンプー実施の間の過度に速い油脂再付着(regreasing)が原因の、手触りが脂っぽく汚れた感触を、一般にもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願人は、今や、少なくとも2種の特定のカチオン性界面活性剤と少なくとも2種のシリコーンのエマルジョンとの組み合わせが、上に記述した欠点を克服することを可能にすることを発見した。
【0007】
したがって、本発明の一主題は、以下:
(i)式(Ia):
【化1】
(式中:
− 同一又は異なっていてよいR5及びR6は、8から30個の炭素原子、好ましくは12から24個の炭素原子を含む、直鎖又は分枝、飽和又は不飽和の脂肪族基であって、酸素、窒素、硫黄、及び/又はハロゲンなどの1つ又は複数のヘテロ原子を含んでいてもよい前記脂肪族基;又はアリール又はアルカリール(alkaryl)基などの芳香族基、特にベンジル基を表し;
− 同一又は異なっていてよいR7及びR8は、1から6個の炭素原子を含む直鎖又は分枝の脂肪族基を表し;
− Yは、アニオンである)の1種又は複数種のカチオン性界面活性剤;
(ii)式(Ia)のカチオン性界面活性剤以外の、好ましくは下の式(Ib):
【化2】
(式中:
− R1は、8から30個の炭素原子、好ましくは12から24個の炭素原子を含む、直鎖又は分枝、飽和又は不飽和の脂肪族基であって、酸素、窒素、硫黄、及び/又はハロゲンなどの1つ又は複数のヘテロ原子を含んでいてもよい前記脂肪族基を表し;
− 同一又は異なっていてよいR2からR4は、1から6個の炭素原子を含む、直鎖又は分枝、飽和又は不飽和の脂肪族基を表し;
− Xは、アニオンである)に相当する、1種又は複数種のカチオン性界面活性剤;及び
(iii)350nm未満の粒径D50を有し、且つ以下:
− (i)25℃で40000から100000mPa.sの範囲の粘度を有する、トリアルキルシリル末端基を含むポリジアルキルシロキサンと、(ii)25℃で1000から15000mPa.sの範囲の粘度、及びアミノシリコーン1グラムあたり2から10mgのKOHの範囲のアミン数を有するアミノシリコーンとを含む、シリコーン混合物;
− 1種又は複数種の非イオン性界面活性剤を含む界面活性剤混合物であって、10から16の範囲のHLBを有する前記混合物、及び
− 水
を含む、水中油型エマルジョン
を含む化粧用組成物、特に毛髪組成物である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明による組成物は、優れた美容的特性、特にコンディショニング美容的特性を有する;これは、特に、見た目の滑らかさ及び毛髪の手触りの滑らかさ(滑らかな性質)(前記滑らかさは、毛髪全体にわたって、すなわち毛髪の根元から毛髪の末端まで認識可能である(根元〜末端の滑らかさ))の点で、高い性能水準を得ることを可能にする。
【0009】
さらに、本発明による組成物は、ケラチン繊維に強健性を与える。
【0010】
これはまた、持続的ではない「清浄性」効果−すなわち、2回のシャンプー実施の間に持ちこたえる脂っぽくない自然な感触を毛髪が有すること−を得ることも可能にする。
【0011】
本発明による組成物はまた、特に滑らかさの点で、非常に優れた性能水準を得るために必要とされる量のコンディショニング剤を付着させ、同時に、繊維の強健性及びその清浄な感触にとって有害であろう過剰な付着を避けることも可能にする。
【0012】
これは、敏感になった毛髪、特に、損傷を受けた、裂けた、脆くなった毛髪に、特に適しており、これらに強度、活力、及びボリュームを提供することができ、したがって、前記毛髪は、活力が再び与えられる、修復される、及び強化されるように見える。
【0013】
本発明による組成物は、さらに、流れ出すリスクのない容易な適用に適した粘度を有する。留意されているのは、この粘度が、長期の保管期間後に、少ししか変化しないことである。
【0014】
好都合には、本発明による組成物は、800センチポアズ(cps)を超える、好ましくは900cpsを超える、さらに望ましくは900と1500cpsの間の粘度(30sで測定された、Rheomat RM 200を使用して、25℃、スピンドル3、200回転/分で測定された粘度)を有する。
【0015】
以下の文では、別段の指示がない限り、特に表現「の間」及び「〜から〜の範囲の」において、値の範囲の境界は、その範囲に含まれる。
【0016】
本説明において使用される表現「少なくとも1つの」は、表現「1つ又は複数の」と等価である。
【0017】
(i)式(Ia)のカチオン性界面活性剤
本発明による組成物は、上で定義した通りの式(Ia)の1種又は複数種の界面活性剤を含む。
【0018】
好ましくは、R5は、ベンジル基、又は、8から30個の炭素原子、好ましくは12から24個の炭素原子を含む、直鎖又は分枝の飽和脂肪族基であって、酸素及び/又は窒素などの1つ又は複数のヘテロ原子を含んでいてもよい前記脂肪族基を表す。
【0019】
好ましくは、R6は、ベンジル基、又は、8から30個の炭素原子、好ましくは12から24個の炭素原子を含む、直鎖又は分枝の飽和脂肪族基であって、酸素及び/又は窒素などの1つ又は複数のヘテロ原子を含んでいてもよい前記脂肪族基を表す。
【0020】
脂肪族基は、例えば、C8〜C30アルキル、C8〜C30アルコキシ、(C2〜C6)ポリオキシアルキレン、C8〜C30アルキルアミド、(C12〜C22)アルキルアミド(C2〜C6)アルキル、(C12〜C22)アルキルアセテート、及びC8〜C30ヒドロキシアルキル基から選択される。
【0021】
特に、R5は、飽和した直鎖C8〜C30、特にC12〜C24アルキル基、又は(C12〜C22)アルキルアミド(C2〜C6)アルキル基であり得る。優先的には、R5は、ベヘニル、セチル、ステアリル、又はステアラミドプロピル基であり得る。
【0022】
特に、R6は、飽和した直鎖C8〜C30、特にC12〜C24アルキル基、又は(C12〜C22)アルキルアセテート基であり得る。優先的には、R6は、ベンジル、ベヘニル、セチル、ステアリル、又はミリスチルアセテート基であり得る。
【0023】
好ましくは、同一又は異なっていてよいR7及びR8は、1から6個の炭素原子、特に1から3個の炭素原子を含む、飽和した直鎖アルキル基を表す。
【0024】
優先的には、R7及びR8は、メチル基を表す。
【0025】
好ましくは、Yは、塩化物、臭化物、及びヨウ化物などのハロゲン化物;ホスフェート、アセテート、ラクテート、(C1〜C4)アルキルスルフェート、(C1〜C4)アルキル−又は(C1〜C4)アルキルアリールスルホネートから選択されるアニオンである。
【0026】
好ましくは、式(Ia)のカチオン性界面活性剤は、ジ(C8〜C30)アルキルジメチルアンモニウム塩、特にジステアリルジメチルアンモニウム塩、ジセチルジメチルアンモニウム塩、ベンジルジメチルステアリルアンモニウム塩、ステアラミドプロピルジメチル(ミリスチルアセテート)アンモニウム塩、及びそれらの混合物から選択される。
【0027】
より具体的には、これらは、ハロゲン化ジ(C8〜C30)アルキルジメチルアンモニウム、特に塩化物、特にハロゲン化ジステアリルジメチルアンモニウム、特に塩化物、ハロゲン化ジセチルジメチルアンモニウム、特に塩化物、ハロゲン化ベンジルジメチルステアリルアンモニウム、特に塩化物、ハロゲン化ステアラミドプロピルジメチル(ミリスチルアセテート)アンモニウム、特に塩化物から;又はジ(C8〜C30)アルキルジメチルアンモニウム(C1〜C4)アルキルスルフェート、特にメトスルフェート、特にジステアリルジメチルアンモニウム(C1〜C4)アルキルスルフェート、特にメトスルフェート、ジセチルジメチルアンモニウム(C1〜C4)アルキルスルフェート、特にメトスルフェート、ベンジルジメチルステアリルアンモニウム(C1〜C4)アルキルスルフェート、特にメトスルフェート、ステアラミドプロピルジメチル(ミリスチルアセテート)アンモニウム(C1〜C4)アルキルスルフェート、特にメトスルフェート;並びにそれらの混合物から選択される。
【0028】
優先的には、式(Ia)のカチオン性界面活性剤は、ハロゲン化ジセチルジメチルアンモニウム、特に塩化物、又はジセチルジメチルアンモニウム(C1〜C4)アルキルスルフェート、特にメトスルフェートから選択される。
【0029】
本発明による組成物は、組成物の総質量に対して、0.1質量%から10質量%、さらに望ましくは0.2質量%から10質量%、優先的には0.5質量%から5質量%の範囲の総量の、式(Ia)の界面活性剤を好ましくは含む。
【0030】
(ii)追加のカチオン性界面活性剤
本発明による組成物はまた、上で定義した通りの式(Ia)のカチオン性界面活性剤とは異なる1種又は複数種のカチオン性界面活性剤を含む。
【0031】
用語「カチオン性界面活性剤」は、本発明による組成物に含有された場合に正に帯電する界面活性剤を意味することが意図される。この界面活性剤は、本発明による組成物中で、1つ又は複数の永久正電荷を帯びていてもよく、1つ又は複数のカチオン化可能な(cationizable)官能基を含有していてもよい。
【0032】
追加のカチオン性界面活性剤(ii)は、第一級、第二級、若しくは第三級脂肪アミン(これらは場合によってはポリオキシアルキレン化(polyoxyalkylenated)されている)、又はその塩、及び第四級アンモニウム塩、並びにそれらの混合物から好ましくは選択される。
【0033】
脂肪アミンは、一般に、少なくとも1つのCからC30の炭化水素をベースとする鎖を含む。
【0034】
第四級アンモニウム塩の中では、以下を特に挙げることができる:
(a)式(Ib):
【化3】
(式中:
− R1は、8から30個の炭素原子、好ましくは12から24個の炭素原子を含む、直鎖又は分枝、飽和又は不飽和の脂肪族基であって、酸素、窒素、硫黄、及び/又はハロゲンなどの1つ又は複数のヘテロ原子を含んでいてもよい前記脂肪族基を表し;
− 同一又は異なっていてよいR2からR4は、1から6個の炭素原子を含む、直鎖又は分枝、飽和又は不飽和の脂肪族基を表し;
− Xは、アニオンである)のカチオン性界面活性剤。
【0035】
好ましくは、R1は、8から30個の炭素原子、好ましくは12から24個の炭素原子を含む、直鎖又は分枝の飽和脂肪族基であって、酸素及び/又は窒素などの1つ又は複数のヘテロ原子を含んでいてもよい前記脂肪族基を表す。
【0036】
脂肪族基は、例えば、C8〜C30アルキル、C8〜C30アルコキシ、(C2〜C6)ポリオキシアルキレン、C8〜C30アルキルアミド、(C12〜C22)アルキルアミド(C2〜C6)アルキル、(C12〜C22)アルキルアセテート、及びC8〜C30ヒドロキシアルキル基から選択される。
【0037】
特に、R1は、飽和した直鎖C8〜C30、特にC12〜C24アルキル基、又は(C12〜C22)アルキルアミド(C2〜C6)アルキル基であり得る。優先的には、R1は、ベヘニル、セチル、又はパルミチルアミドプロピル基であり得る。
【0038】
好ましくは、同一又は異なっていてよいR2及びR4は、1から6個の炭素原子、特に1から3個の炭素原子を含む、飽和した直鎖アルキル基を表す。優先的には、R2、R3、及びR4は、メチル基を表す。
【0039】
好ましくは、Xは、塩化物、臭化物、及びヨウ化物などのハロゲン化物;ホスフェート、アセテート、ラクテート、(C1〜C4)アルキルスルフェート、(C1〜C4)アルキル−又は(C1〜C4)アルキルアリールスルホネートから選択されるアニオンである。
【0040】
(b)例えば下の式(II):
【化4】
(式中:
− R32は、例えば獣脂脂肪酸由来の、8から30個の炭素原子を含むアルケニル又はアルキル基を表し、
− R33は、水素原子、CからCアルキル基、又は8から30個の炭素原子を含むアルケニル又はアルキル基を表し、
− R34は、CからCアルキル基を表し、
− R35は、水素原子又はCからCアルキル基を表し、
− Xは、ハロゲン化物、ホスフェート、アセテート、ラクテート、アルキルスルフェート、アルキル−又はアルキルアリールスルホネート(ここでは、アルキル及びアリール基は、それぞれ、1から20個の炭素原子及び6から30個の炭素原子を、好ましくは含む)の基から特に選択されるアニオンである)のものである、イミダゾリンの第四級アンモニウム塩。
【0041】
好ましくは、R32及びR33は、例えば獣脂脂肪酸由来の、12から21個の炭素原子を含むアルケニル又はアルキル基の混合物を指し、R34は、メチル基を指し、R35は、水素原子を指す。こうした製品は、例えば、RewoによってRewoquat(登録商標)W 75という名前で販売されている;
【0042】
(c)特に式(III):
【化5】
(式中:
− R36は、場合によってはヒドロキシル化された及び/又は1つ又は複数の酸素原子に割り込まれた、およそ16から30個の炭素原子を含むアルキル基を指し、
− R37は、水素、又は1から4個の炭素原子を含むアルキル基、又は(R36a)(R37a)(R38a)N−(CH基から選択され、同一又は異なっていてよいR36a、R37a、R38a、R38、R39、R40、及びR41は、水素、又は1から4個の炭素原子を含むアルキル基から選択され、
− Xは、ハロゲン化物、アセテート、ホスフェート、ナイトレート、及びメチルスルフェートの基から特に選択されるアニオンである)の、ジ−又はトリ第四級アンモニウム塩。
【0043】
こうした化合物は、例えば、Finetex社によって販売されているFinquat CT−P(Quaternium 89)、及びFinetex社によって販売されているFinquat CT(Quaternium 75)である。
【0044】
(d)下の式(IV)を有するものなどの、少なくとも1つのエステル官能基を含有する第四級アンモニウム塩:
【化6】
(式中:
− R42は、CからCアルキル基及びCからCヒドロキシアルキル又はジヒドロキシアルキル基から選択され;
− R43は、
− 基
【化7】
− 直鎖又は分枝、飽和又は不飽和のCからC22炭化水素をベースとする基である基R47
− 水素原子
から選択され、
45は、
− 基
【化8】
− 直鎖又は分枝、飽和又は不飽和のCからC炭化水素をベースとする基である基R49
− 水素原子
から選択され、
− 同一又は異なっていてよいR44、R46、及びR48は、直鎖又は分枝、飽和又は不飽和のCからC21炭化水素をベースとする基から選択され;
− 同一又は異なっていてよいr、s、及びtは、2から6の範囲の整数であり;
−yは、1から10の範囲の整数であり;
− 同一又は異なっていてよいx及びzは、0から10の範囲の整数であり;
− Xは、単体又は錯体の有機又は無機アニオンであり;
ただし、x+y+zの合計は1から15であり、且つxが0の場合R43はR47を指し、且つzが0の場合R45はR49を指すという条件である)。
【0045】
アルキル基R42は、直鎖又は分枝、より具体的には直鎖であってよい。
【0046】
好ましくは、R42は、メチル、エチル、ヒドロキシエチル、又はジヒドロキシプロピル基、より具体的にはメチル又はエチル基を指す。
【0047】
好都合には、x+y+zの合計は、1から10である。
【0048】
43が、炭化水素をベースとする基R47である場合、これは、12から22個の炭素原子、又は1から3個の炭素原子を含むことができる。
【0049】
45が、炭化水素をベースとする基R49である場合、これは、1から3個の炭素原子を好ましくは含有する。
【0050】
好都合には、同一又は異なっていてよいR44、R46、及びR48は、直鎖又は分枝、飽和又は不飽和のC11からC21炭化水素をベースとする基から、より具体的には直鎖又は分枝、飽和又は不飽和のC11からC21アルキル及びアルケニル基から選択される。
【0051】
好ましくは、同一又は異なっていてよいx及びzは、0又は1と等しい。
【0052】
好都合には、yは、1と等しい。
【0053】
好ましくは、同一又は異なっていてよいr、s、及びtは、2又は3と等しく、さらにいっそう具体的には、2と等しい。
【0054】
アニオンXは、好ましくはハロゲン化物(塩化物、臭化物、若しくはヨウ化物)又はアルキルスルフェート、より具体的にはメチルスルフェートである。しかし、メタンスルホネート、ホスフェート、ナイトレート、トシレート、有機酸由来のアニオン、例えばアセテート若しくはラクテートなど、又はエステル官能基をもつアンモニウムと適合性のあるあらゆる他のアニオンの使用を行うことができる。
【0055】
アニオンXは、さらにいっそう具体的には、塩化物又はメチルスルフェートである。
【0056】
より具体的には、本発明による組成物中で、式(IV)のアンモニウム塩の使用を行うことができ、式中:
42は、メチル又はエチル基を指し、
x及びyは、1と等しく;
zは、0又は1と等しく;
r、s、及びtは、2と等しく;
43は、
− 基
【化9】
− メチル、エチル、又はC14からC22炭化水素をベースとする基
− 水素原子
から選択され;
45は、
− 基
【化10】
− 水素原子
から選択され;
同一又は異なっていてよいR44、R46、及びR48は、飽和又は不飽和の直鎖又は分枝のC13からC17炭化水素をベースとする基から、好ましくは、飽和又は不飽和の直鎖又は分枝のC13からC17アルキル及びアルケニル基から選択される。
【0057】
好都合には、炭化水素をベースとする基は、直鎖である。
【0058】
例えば、ジアシルオキシ/エチルジメチルアンモニウム、ジアシルオキシ/エチルヒドロキシエチルジメチルアンモニウム、モノアシルオキシ/エチルヒドロキシエチルジメチルアンモニウム、トリアシルオキシ/エチルメチルアンモニウム、モノアシルオキシ/エチルヒドロキシエチルジメチルアンモニウムの塩(特に塩化物又はメチルスルフェート)、及びそれらの混合物を挙げることができる。これらのアシル基は、好ましくは、14から18個の炭素原子を含有し、また、より具体的には、パーム油又はヒマワリ油などの植物油に由来する。化合物が、いくつかのアシル基を含有する場合、これらの基は、同一又は異なっていてよい。
【0059】
これらの生成物は、例えば、C10からC30脂肪酸との又は植物若しくは動物起源のC10からC30脂肪酸の混合物との、場合によってはオキシアルキレン化されたトリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、アルキルジエタノールアミン、又はアルキルジイソプロパノールアミンの直接的エステル化によって、又は、そのメチルエステルのトランスエステル化によって得られる。このエステル化に続いて、ハロゲン化アルキル(好ましくはハロゲン化メチル又はエチル)、ジアルキルスルフェート(好ましくはメチル又はエチルスルフェート)、メタンスルホン酸メチル、パラトルエンスルホン酸メチル、グリコールクロロヒドリン、又はグリセロールクロロヒドリンなどのアルキル化剤を使用する四級化が行われる。
【0060】
こうした化合物は、例えば、Henkel社によってDehyquart(登録商標)、Stepan社によってStepanquat(登録商標)、CECA社によってNoxamium(登録商標)、又はRewo−Witco社によってRewoquat(登録商標)WE 18という名前で販売されている。
【0061】
好ましくは、本発明による組成物は、式(Ib)の1種又は複数種のカチオン性界面活性剤、より具体的には、(C8〜C30)アルキルトリメチルアンモニウム塩、特にセチルトリメチルアンモニウム塩、ベヘニルトリメチルアンモニウム塩、パルミチルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、及びそれらの混合物から選択される1種又は複数種のカチオン性界面活性剤を含む。
【0062】
より具体的には、この組成物は、ハロゲン化(C8〜C30)アルキルトリメチルアンモニウム、特に塩化物、ハロゲン化セチルトリメチルアンモニウム、特に塩化物、ハロゲン化ベヘニルトリメチルアンモニウム、特に塩化物、ハロゲン化パルミチルアミドプロピルトリメチルアンモニウム、特に塩化物;又は(C8〜C30)アルキルトリメチルアンモニウム(C1〜C4)アルキルスルフェート、特にメトスルフェート、特にセチルトリメチルアンモニウム(C1〜C4)アルキルスルフェート、特にメトスルフェート、ベヘニルトリメチルアンモニウム(C1〜C4)アルキルスルフェート、特にメトスルフェート、パルミチルアミドプロピルトリメチルアンモニウム(C1〜C4)アルキルスルフェート、特にメトスルフェート;並びにそれらの混合物から選択される、1種又は複数種のカチオン性界面活性剤を含む。
【0063】
優先的には、本発明による組成物は、ハロゲン化セチルトリメチルアンモニウム、特に塩化物、又はハロゲン化ベヘニルトリメチルアンモニウム、特に塩化物、及びセチルトリメチルアンモニウム(C1〜C4)アルキルスルフェート、特にメトスルフェート、又はベヘニルトリメチルアンモニウム(C1〜C4)アルキルスルフェート、特にメトスルフェートから選択される、1種又は複数種のカチオン性界面活性剤を含む。
【0064】
本発明による組成物は、組成物の総質量に対して、0.1質量%から10質量%、さらに望ましくは0.2質量%から10質量%、優先的には0.5質量%から5質量%の範囲の総量の、式(Ia)のカチオン性界面活性剤とは異なる界面活性剤を好ましくは含む。
【0065】
優先的には、本発明による組成物は、存在する場合、組成物の総質量に対して、0.1質量%から10質量%、さらに望ましくは0.2質量%から10質量%、優先的には0.5質量%から5質量%の範囲の総量の、式(Ib)の界面活性剤を好ましくは含む。
【0066】
3/シリコーンエマルジョン
本発明による組成物はまた、350nm未満の粒径D50を有し、且つ以下:
− (i)25℃で40000から100000mPa.sの範囲の粘度を有する、トリアルキルシリル末端基を含むポリジアルキルシロキサンと、(ii)25℃で1000から15000mPa.sの範囲の粘度、及びアミノシリコーン1グラムあたり2から10mgのKOHの範囲のアミン数を有するアミノシリコーンとを含む、シリコーン混合物;
− 1種又は複数種の非イオン性界面活性剤を含む界面活性剤混合物であって、10から16の範囲のHLBを有する前記混合物、及び
− 水
を含む、水中油型エマルジョンを含む。
【0067】
本発明による水中油型又は水中シリコーン型エマルジョンでは、液相(分散相)は、別の液相(連続相)に、好都合には分散される;本発明では、シリコーンの混合物、又はシリコーン相は、水性連続相に分散される。
【0068】
シリコーンの混合物(又はシリコーン混合物)は、好ましくは式(I):R’3SiO(R’2SiO)pSiR’3
(式中:
− 同一又は異なっていてよいR’は、1から18個の炭素原子、好ましくは1から6個の炭素原子、さらに望ましくは1から3個の炭素原子を有する一価の炭化水素をベースとする基、いっそうさらに望ましくはメチル基であり、
− pは、500から2000、さらに望ましくは1000から2000の範囲の整数である)
の、トリアルキルシリル末端基を含む1種又は複数種のポリジアルキルシロキサンを含む。
【0069】
本発明によるトリアルキルシリル末端基を含むポリジアルキルシロキサンは、25℃で40000から100000(好ましくは100000は除外される)mPa.sの範囲の、好ましくは25℃で40000から70000mPa.sの範囲の、さらに望ましくは25℃で51000から70000mPa.sの粘度を有する。
【0070】
本発明によるトリアルキルシリル末端基を含むポリジアルキルシロキサンは、好ましくは直鎖であるが、これは、R’SiO2/2単位(D−単位)に加えて、追加のRSiO3/2単位(T−単位)及び/又はSiO4/2単位(Q−単位)を含むことができる(ここでは、同一又は異なっていてよいR’は、C1〜C18の一価の炭化水素をベースとする基である)。
【0071】
式(I)では、同一又は異なっていてよいR’は、好ましくは、
− アルキル、好ましくはC1〜C28アルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、1−n−ブチル、2−n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、特にn−ヘキシル、ヘプチル、特にn−ヘプチル、オクチル、特にn−オクチル、イソオクチル、2,2,4−トリメチルペンチル;ノニル、特にn−ノニル;デシル、特にn−デシル;ドデシル、特にn−ドデシル;オクタデシル、特にn−オクタデシル基;
− アルケニル基、例えばビニル及びアリル;
− シクロアルキル基、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びメチルシクロヘキシル;
− アリール基、例えばフェニル、ナフチル、アントリル、及びフェナントリル;
− アルカリール基、例えばo−、m−、及びp−トリル;キシリル、エチルフェニル基;
− アラルキル基、例えばベンジル及びフェニルエチル
である。
【0072】
優先的には、R’は、メチル基である。
【0073】
好ましくは、トリアルキルシリル末端基を含むポリジアルキルシロキサンは、トリアルキルシリル末端基を含むポリジメチルシロキサン(PDMS)である。
【0074】
シリコーン混合物はまた、好ましくは式(II):XRSi(OSiAR)(OSiROSiR
(式中:
− 同一又は異なっていてよいRは、1から18個の炭素原子、好ましくは1から6個の炭素原子、さらに望ましくは1から3個の炭素原子を有する一価の炭化水素をベースとする基、いっそうさらに望ましくはメチル基であり、
− 同一又は異なっていてよいXは、R又はヒドロキシル(OH)又はC1〜C6アルコキシ基を表し;好ましくはXはR、すなわち1から18個の炭素原子、好ましくは1から6個の炭素原子、さらに望ましくは1から3個の炭素原子を有する一価の炭化水素をベースとする基、いっそうさらに望ましくはメチル基であり、
− Aは、式−R−[NR−R−]NRのアミノ基、又はこのアミノ基のプロトン化された形態であり、
− Rは、C1〜C6アルキレン基、好ましくは−CHCHCH−又は−CHCH(CH)CH−基を表し、
− 同一又は異なっていてよいRは、水素原子又はC1〜C4アルキル基、好ましくは水素原子であり、
− Rは、C1〜C6アルキレン基、好ましくは−CHCH−基であり、
− xは、0又は1であり;
− m及びnは、m+nが、50から1000、さらに望ましくは50から600の範囲であるような整数である)
の、1種又は複数種のアミノシリコーンを含む。
【0075】
好ましくは、Aは、式−R−[NR−R−]NRのアミノ基、又はこのアミノ基のプロトン化された形態であり、Rは、−CHCHCH−又は−CHCH(CH)CH−であり、Rは、水素原子であり、Rは、−CHCH−であり、xは、1と等しい。
【0076】
好ましくは、同一又は異なっていてよいRは、
− アルキル、好ましくはC1〜C28アルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、1−n−ブチル、2−n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、特にn−ヘキシル、ヘプチル、特にn−ヘプチル、オクチル、特にn−オクチル、イソオクチル、2,2,4−トリメチルペンチル;ノニル、特にn−ノニル;デシル、特にn−デシル;ドデシル、特にn−ドデシル;オクタデシル、特にn−オクタデシル基;
− アルケニル基、例えばビニル及びアリル;
− シクロアルキル基、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びメチルシクロヘキシル;
− アリール基、例えばフェニル、ナフチル、アントリル、及びフェナントリル;
− アルカリール基、例えばo−、m−、及びp−トリル;キシリル、エチルフェニル基;
− アラルキル基、例えばベンジル及びフェニルエチル
である。
【0077】
優先的には、Rは、メチル基である。
【0078】
本発明によるアミノシリコーンは、25℃で測定される、1000から15000mPa.sの範囲の、好ましくは1500から15000mPa.sの範囲の粘度を有する。
【0079】
本発明によるアミノシリコーンは、アミノシリコーン1グラムあたり2から10mg;好ましくは3.5から8mgのKOHの範囲のアミン数を有する。
【0080】
アミン官能基の分子百分率は、好ましくは、0.3と8モル%の間である。
【0081】
アミノシリコーンの例としては、トリアルキルシリル末端基を含むアミノシリコーン;好ましくはトリアルキルシリル末端基を含むアミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン、いっそうさらに望ましくはトリアルキルシリル末端基を含むアミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン/ジメチルシロキサンのコポリマーを挙げることができる。
【0082】
アミノ基Aは、例えば、塩に変えられた形態の前記アミノ基を得るような、アミノシリコーンへの酸の添加によって、部分的又は全体的にプロトン化することができる。
【0083】
使用することができる酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ピバル酸、ソルビン酸、安息香酸、又はサリチル酸などの、3から18個の炭素原子を有する直鎖又は分枝のカルボン酸を挙げることができる。好ましくは、これらの酸は、式(II)のアミノシリコーン中で、1モルのアミノ基Aあたり0.1から2.0モルの割合で使用することができる。
【0084】
シリコーン混合物は、(i)70質量%から90質量%、好ましくは75質量%から85質量%の量の、25℃で40000から100000mPa.sの範囲の粘度を有する、トリアルキルシリル末端基を含む1種又は複数種のポリジアルキルシロキサンと、(ii)シリコーン混合物の総質量に対して、10質量%から30質量%、特に15質量%から25質量%の量の、25℃で1000から15000mPa.sの範囲の粘度、及びアミノシリコーン1グラムあたり2から10mgのKOHの範囲のアミン数を有する1種又は複数種のアミノシリコーンとを、好ましくは含む。
【0085】
水中油型エマルジョンはまた、1種又は複数種の非イオン性界面活性剤を含む界面活性剤混合物を含む;前記界面活性剤混合物は、1種又は複数種のカチオン性界面活性剤を場合によっては含むことができる。
【0086】
前記界面活性剤混合物は、10から16の範囲のHLBを有する。
【0087】
使用することができる非イオン性界面活性剤は、アルコール、α−ジオール、及び(C1〜20)アルキルフェノールから選択することができ、これらの化合物は、ポリエトキシ化及び/又はポリプロポキシ化及び/又はポリグリセロール化(polyglycerolated)されており、酸化エチレン及び/又は酸化プロピレン基の数は、1から100の範囲である可能性があり、グリセロール基の数は、2から30の範囲である可能性がある;又はこれらの化合物は、8から30個の炭素原子、特に16から30個の炭素原子を含む少なくとも1つの脂肪鎖を含む。
【0088】
酸化エチレン及び酸化プロピレンと脂肪アルコールとの縮合物;2から30個の酸化エチレン単位を好ましくは有するポリエトキシ化された脂肪アミド、平均で1から5、特に1.5から4個のグリセロール基を含むポリグリセロール化された脂肪アミド;2から40個の酸化エチレン単位を好ましくは含有するソルビタンのエトキシ化された脂肪酸エステル、スクロースの脂肪酸エステル、2から150モルの酸化エチレンを含有するポリオキシアルキレン化された、好ましくはポリオキシエチレン化された脂肪酸エステル(オキシエチレン化された植物油が含まれる)、N−(C6〜C24アルキル)グルカミン誘導体、(C10〜C14アルキル)アミンオキシドなどのアミンオキシド、又はN−(C10〜C14アシル)アミノプロピルモルホリンオキシドも挙げることができる。
【0089】
特に次の一般式:RO−(RO)−(G)
(式中:
− Rは、6から24個の炭素原子、特に8から18個の炭素原子を含む、直鎖又は分枝のアルキル又はアルケニル基、又はその直鎖又は分枝のアルキル基が6から24個の炭素原子、特に8から18個の炭素原子を含むアルキルフェニル基を表し;
− Rは、2から4個の炭素原子を含むアルキレン基を表し、
− Gは、5から6個の炭素原子を含む糖単位を表し、
− tは、0から10、好ましくは0から4の範囲の値を指し、
− vは、1から15、好ましくは1から4の範囲の値を指す)
によって表される、アルキル(ポリ)グリコシド型の非イオン性界面活性剤も挙げることができる。
【0090】
好ましくは、アルキル(ポリ)グリコシド界面活性剤は、上に記載した式の化合物であり、式中:
− Rは、8から18個の炭素原子を含む直鎖又は分枝、飽和又は不飽和のアルキル基を指し、
− Rは、2から4個の炭素原子を含むアルキレン基を表し、
− tは、0から3の範囲の、好ましくは0と等しい値を指し、
− Gは、グルコース、フルクトース、又はガラクトース、好ましくはグルコースを指し;
− 重合度、すなわちvの値は、1から15、好ましくは1から4の範囲である可能性があり;平均重合度は、より具体的には、1と2の間である。
【0091】
糖単位間のグルコシド結合は、一般に、1−6又は1−4型のもの、好ましくは1−4型のものである。好ましくは、アルキル(ポリ)グリコシド界面活性剤は、アルキル(ポリ)グルコシド界面活性剤である。C8/C16アルキル(ポリ)グルコシド1,4、特にデシルグルコシド及びカプリリル/カプリルグルコシドが、最も具体的には好ましい。
【0092】
市販の製品の中では、Cognis社によってPlantaren(登録商標)(600 CS/U、1200、及び2000)又はPlantacare(登録商標)(818、1200、及び2000)という名前で販売されている製品;SEPPIC社によってOramix CG 110及びOramix(登録商標)NS 10という名前で販売されている製品;BASF社によってLutensol GD 70という名前で販売されている製品、又はChem Y社によってAG10 LKという名前で販売されている製品を挙げることができる。
【0093】
好ましくは、Cognisによって参照Plantacare(登録商標)818 UPで販売されているものなどの、特に53%水溶液としての、C8/C16−アルキル(ポリ)グリコシド1,4の使用が行われる。
【0094】
モノ又はポリグリセロール化された界面活性剤は、1から30個の、特に1から10個の、さらに望ましくは1.5から5個の範囲の平均数のグリセロール基を好ましくは含む。これらは、次の式:
RO[CH2CH(CH2OH)O]H、
RO[CH2CH(OH)CH2O]H又は
RO[CH(CH2OH)CH2O]H;
(式中:
− Rは、O及びNなどの1つ又は複数のヘテロ原子を場合によっては含む、8から40個の炭素原子、特に10から30個の炭素原子を含む、飽和又は不飽和の直鎖又は分枝の炭化水素をベースとする(特にアルキル又はアルケニル)基を表し;
− mは、1から30、好ましくは1から10、さらに望ましくは1.5から6の範囲整数である)の1つに、好ましくは相当する。
【0095】
特に、Rは、1つ又は複数のヒドロキシル及び/又はエーテル及び/又はアミド基を含むことができる。好ましくは、Rは、モノ又はポリヒドロキシル化されたC10〜C20アルキル又はアルケニル基である。
【0096】
ChimexからのChimexane(登録商標)NFという製品などの、ポリグリセロール化された(3.5モル)ヒドロキシラウリルエーテルを挙げることができる。
【0097】
1つ又は複数のヒドロキシル(OH)基、特に1から4個のヒドロキシル基で場合によっては置換された、8から30個の炭素原子、好ましくは12から22個の炭素原子を含む、1つ又は複数の飽和又は不飽和の直鎖又は分枝の炭化水素をベースとする鎖を好ましくは含む、(ポリ)エトキシ化された脂肪アルコールも挙げることができる。
【0098】
鎖が不飽和である場合、この鎖は、1から3個の共役又は非共役炭素−炭素二重結合を含むことができる。
【0099】
(ポリ)エトキシ化された脂肪アルコールは、式(II):
R3−(OCH2CH2)OH
(式中:
− R3は、1つ又は複数の、特に1から4個のヒドロキシル基で場合によっては置換された、8から40個の炭素原子、特に8から30個の炭素原子を含む、直鎖又は分枝のアルキル又はアルケニル基を表し;
− cは、1から200、好ましくは2から150、さらには4から50、いっそうさらに望ましくは8から30の範囲の整数である)
に、好ましくは相当する。
【0100】
(ポリ)エトキシ化された脂肪アルコールは、より具体的には、1から30モルの酸化エチレン(1から30 EO)でオキシエチレン化された、8から22個の炭素原子を含む脂肪アルコールである;ラウリルアルコール(2 EO);ラウリルアルコール(3 EO);デシルアルコール(3 EO);デシルアルコール(5 EO)、及びオレイルアルコール(20 EO)を、特に挙げることができる。
【0101】
非イオン性界面活性剤は、以下:
(i)(ポリ)オキシアルキレン化された、特に(ポリ)エトキシ化された、脂肪アルコール、特に式:R−(OCHCHOHのもの(式中:
−R3は、1つ又は複数の、特に1から4個のヒドロキシル基で場合によっては置換された、8から40個の炭素原子、特に8から30個の炭素原子を含む、直鎖又は分枝のアルキル又はアルケニル基を表し;
−cは、1から200、特に2から150、さらには4から50、いっそうさらに望ましくは8から20の範囲の整数である)
(ii)1から200、さらに望ましくは1から30モルの酸化エチレンを特に含む、(ポリ)オキシアルキレン化された(C8〜C32)アルキルフェニルエーテル;
(iii)2から40個の酸化エチレン単位、さらに望ましくは2から20個の酸化エチレン(EO)単位を好ましくは有する、C8〜C32脂肪酸とソルビタンとのポリオキシアルキレン化されたエステル、特に、C8〜C32脂肪酸とソルビタンとの、ポリオキシエチレン化されたエステル;特に、2から40個の酸化エチレン単位、さらに望ましくは2から20個の酸化エチレン(EO)単位を好ましくは有する、特に、C10〜C24脂肪酸の、及びソルビタンの、ポリオキシエチレン化されたエステル;及び
(iv)2から150個の酸化エチレン単位を好ましくは有する、C8〜C32脂肪酸のポリオキシエチレン化されたエステル;特に、2から150個の酸化エチレン(EO)単位を特に含む、C10〜C24脂肪酸のポリオキシエチレン化されたエステル
から好都合には選択することができる。
【0102】
非イオン性界面活性剤は、ポリアルキレングリコールの、特にポリエチレングリコールの、アルキルエーテル及びアルキルエステルから、好都合には選択することができる。
【0103】
以下を特に挙げることができる:
− ポリエチレングリコールオクチルエーテル;ポリエチレングリコールラウリルエーテル;ポリエチレングリコールトリデシルエーテル;ポリエチレングリコールセチルエーテル;ポリエチレングリコールステアリルエーテル;最も具体的にはトリデセス−3、トリデセス−10、及びステアレス−6;
− ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル;ポリエチレングリコールドデシルフェニルエーテル;ポリエチレングリコールセチルフェニルエーテル;ポリエチレングリコールステアリルフェニルエーテル;
− モノステアリン酸ポリエチレングリコールソルビタン、モノオレイン酸ポリエチレングリコールソルビタン;
− ステアリン酸ポリエチレングリコール、特にステアリン酸PEG100。
【0104】
いっそうさらに望ましくは、非イオン性界面活性剤は、ステアレス−6、ステアリン酸PEG100、トリデセス−3、及びトリデセス−10、並びにそれらの混合物;最も具体的には、これらの4種の非イオン性界面活性剤を含む混合物から選択することができる。
【0105】
界面活性剤混合物は、テトラアルキルアンモニウム、テトラアリールアンモニウム、及びテトラアルキルアリールアンモニウム塩、特にハロゲン化物から、また、最も具体的にはセトリモニウム又はベヘントリモニウム塩、特にハロゲン化物、さらに望ましくは塩化物から選択することができる、1種又は複数種のカチオン性界面活性剤を場合によっては含むことができる。
【0106】
水中油型エマルジョンは、エマルジョンの総質量に対して、5質量%から15質量%、特に8質量%から15質量%、いっそうさらに望ましくは10質量%から12質量%の範囲の総量の界面活性剤混合物を好ましくは含む。
【0107】
水中油型エマルジョンは、エマルジョンの総質量に対して、5質量%から15質量%、特に8質量%から15質量%、いっそうさらに望ましくは10質量%から12質量%の範囲の総量の非イオン性界面活性剤を好ましくは含む。
【0108】
水中油型エマルジョンは、存在する場合、エマルジョンの総質量に対して、0.5質量%から1.5質量%の範囲の総量のカチオン性界面活性剤を好ましくは含む。
【0109】
水中油型エマルジョンは、エマルジョンの総質量に対して、40質量%から60質量%、特に45質量%から55質量%の範囲の総量のシリコーン混合物を好ましくは含む。
【0110】
水中油型エマルジョンは、エマルジョンの総質量に対して、35質量%から45質量%、特に38質量%から42質量%の範囲の総量のトリアルキルシリル末端基を含むポリジアルキルシロキサンを好ましくは含む。
【0111】
水中油型エマルジョンは、エマルジョンの総質量に対して、5質量%から15質量%、特に8質量%から12質量%の範囲の総量のアミノシリコーンを好ましくは含む。
【0112】
水中油型エマルジョンは、エマルジョンの総質量に対して、25質量%から50質量%、特に30質量%から45質量%、いっそうさらに望ましくは35質量%から42質量%の範囲の総量の水を好ましくは含む。
【0113】
水中油型エマルジョンは、エマルジョンの総質量に対して、0.5%から1質量%の範囲の量のフェノキシエタノールなどの保存料を含むことができる。
【0114】
水中油型エマルジョンを調製するためのプロセスは、以下を好ましくは含む:
− シリコーンの流体混合物を得るために、25℃で40000から100000mPa.sの範囲の粘度を有する、トリアルキルシリル末端基を含む1種又は複数種のポリジアルキルシロキサンと、25℃で1000から15000mPa.sの範囲の粘度、及びアミノシリコーン1グラムあたり2から10mgのKOHの範囲のアミン数を有する1種又は複数種のアミノシリコーンとを、15℃から40℃の温度で、特に25℃で混合するステップ;次いで
− 乳化されたシリコーン混合物を得るために、前記シリコーンの流体混合物に、1種又は複数種の非イオン性界面活性剤を含む界面活性剤混合物であって、10から16の範囲のHLBを有する前記混合物を添加するステップ;次いで
− 前記乳化されたシリコーン混合物を均質化するステップ、それに続いて
− 350nm未満の粒径D50を有する水中油型エマルジョンを得るために、水、特に脱塩水を、優先的には段階的に添加するステップ。
【0115】
この調製プロセスはまた、1種又は複数種の保存料を添加する追加のステップを含むことができる。
【0116】
水中油型エマルジョンのpHは、一般に、4と6の間である。
【0117】
水中油型エマルジョンは、350nm未満、特に100と300nmの間、さらに望ましくは150と250nmの間、さらには160と200nmの間の粒径D50を有する。
【0118】
このサイズは、平均流体力学的粒径に相当する。粒径D50は、体積によって表される。これは、「光子相関分光(Photon Correlation Spectroscopy)(PCS)」法に基づいて、Malvern,UKからのZetaSizer装置、Nano−ZS型を使用して測定することができる。
【0119】
粒径を測定するための方法
エマルジョンの粒径は、「光子相関分光(Photon Correlation Spectroscopy)(PCS)」法に基づいて、Malvern,UKからのZetaSizer装置、Nano−ZS型を使用して測定する。
【0120】
粒径D50は、評価アルゴリズムが「キュムラント解析」である場合に測定される。
【0121】
被験溶液を得るために、0.5gのエマルジョンを250mlビーカーに入れ、100mlの脱塩水を添加し、混合を行う。被験溶液を、測定容器(又はセル)に入れ、測定装置に導入する。
【0122】
サイズD50は、累積分布における50%での粒径値に相当する。
【0123】
例えば、D50=170nmならば、これは、50%の粒子が170nmを超えるサイズを有すること、且つ50%の粒子が170nm未満のサイズを有することを意味する。
【0124】
この分布は体積によるものであることを思い起こすべきである。
【0125】
粘度を測定するための方法
特にシリコーン化合物の粘度は、25℃、1気圧で測定される。
【0126】
25℃での1000と40000mPa.sの間の粘度を測定するために、Anton Paarレオメータ、MCR101型(円筒形状、シングルギャップ:CC27スピンドル、せん断速度1s−1、2分間、25℃)の使用を行うことができる。
【0127】
25℃での40000と100000mPa.sの間の粘度を測定するために、Anton Paarレオメータ、MCR101型(25−6コーン(コーン−プレート形状、直径25mm/6°コーン);ゼロギャップ、せん断速度1s−1、2分間、25℃)の使用を行うことができる。
【0128】
各試料に対して3回の測定を行い、粘度の値は、60秒時点で取得する。MCRレオメータシリーズ製品は、USP協会(米国薬局方協会(US Pharmacopeia Convention)、912−回転式レオメータ方法(Rotational Rheometer methods)に従って操作する。
【0129】
アミン数を測定するための方法
アミン数は、電位差計[製造:Veego;VPT−MG型]を使用する酸に基づく滴定によって測定することができる。
【0130】
0.6gの試料を、500mlビーカーに入れ、1:1トルエン−ブタノール混合物を添加し、次いで、混合を行う。
【0131】
この溶液を、0.1N HCl溶液で滴定する。1:1トルエン−ブタノール混合物を単独で用いて、ゼロ値(Vblank)の決定も行う。
【0132】
アミン数は、式:
56.11×(V−VBlank)×N/W mg KOH/試料のg
を用いて算出する。
V=必要とされるHClの体積(ml)、VBlank=ゼロ値について必要とされるHClの体積(ml);N=HClの規定度、すなわち0.1、及びW=試料の質量(g)。
【0133】
HLB値
用語HLBは、界面活性剤の親水性−疎水性バランスに関する。これは、実験的に測定することも、計算することもできる。
【0134】
本出願では、HLB値は、25℃での値である。
【0135】
HLB値は、刊行物Griffin,J.Soc.Cosm.Chem.1954(vol.5,n°4),pages 249−256に記載されている通り、次の式:HLB=(E+P)/5(式中、Eは、オキシエチレンの質量%であり、Pは、ポリオールの質量%である)を用いて算出することができる。
【0136】
HLB値はまた、“Galenica 5:Les systemes disperses[Galenics 5:Dispersed systems]−Volume I−Agents de surface et emulsions[Surface agents and emulsions]−Chapter IV−Notions de HLB et de HLB critique[Notions of HLB and of critical HLB],pages 153−194−paragraph 1.1.2.Determination de HLB par voie experimentale[Experimental determination of HLB],pages 164−180”という題の、Puisieux及びSeillerによる本に従って、実験的に決定することもできる。
【0137】
好ましくは、考慮に入れられることとなるHLB値は、特に次の方式で、計算によって得られるものである:「計算されるHLB」=20×(親水性部分のモル質量/総モル質量)。
【0138】
したがって、オキシエチレン化された脂肪アルコールについては、親水性部分は、脂肪アルコールに縮合されたオキシエチレン単位に相当し、その結果、「計算されるHLB」は、「GriffinによるHLB」に相当する。
【0139】
エステル又はアミドについては、親水性部分は、一般に、カルボニル基を越えて脂肪鎖から開始すると定義される。
【0140】
非イオン性界面活性剤のHLB値はまた、Davies JT(1957),“A quantitative kinetic theory of emulsion type,I.Physical chemistry of the emulsifying agent”,Gas/Liquid and Liquid/Liquid Interface(Proceedings of the International Congress of Surface Activity):426−438に記載されている通りに、Davies式を用いて計算することもできる。
【0141】
この式によれば、HLB値は、界面活性剤中の構成基に、親水性/疎水性寄与を加えることによって得られる:
HLB=(親水性基の数)−n(CH基あたりの基の数)+7。
【0142】
いくつかのカチオン性界面活性剤のHLB値は、“Cationic emulsifiers in cosmetics”,GODFREY,J.Soc.Cosmetic Chemists(1966)17,pages 17−27中の表IVに示されている。
【0143】
HLB値が公知である2種の界面活性剤AとBが混合される場合、HLBmixは、この混合物のHLBに相当し、次の式によって表すことができる:
HLBmix=(WHLB+WHLB)/(W+W
式中、Wは、第1の界面活性剤Aの量(質量)であり、Wは、第2の界面活性剤Bの量であり、HLB及びHLBは、界面活性剤A及び界面活性剤BのHLB値である。
【0144】
好ましくは、本発明による組成物は、組成物の総質量に対して、0.1質量%から10質量%、さらに望ましくは0.2質量%から8質量%、優先的には0.5質量%から6質量%の範囲の総量の水中油型エマルジョンを含む。
【0145】
好ましくは、本発明による組成物は、組成物の総質量に対して、0.1質量%から10質量%、さらに望ましくは0.2質量%から8質量%、優先的には0.5質量%から6質量%の範囲の総量の水中油型エマルジョンを含み、エマルジョンは、エマルジョンの総質量に対して、40質量%と60質量%との間の、特に45質量%から55質量%の固体(又は活性材料)含有量を有する。
【0146】
4/脂肪アルコール
本発明による組成物はまた、1種又は複数種の脂肪アルコールを含むことができる。
【0147】
本発明の目的では、用語「脂肪アルコール」は、少なくとも8個の炭素原子、好ましくは8から30個の炭素原子、いっそうさらに望ましくは10から22個の炭素原子を含む、その主鎖内に少なくとも1つの飽和又は不飽和の直鎖又は分枝の炭化水素をベースとする鎖(例えばアルキル又はアルケニル)を含むアルコールを意味することが意図される。これらは、グリセロール化もポリオキシアルキレン化もされていない。
【0148】
これらは、構造R−OHを好ましくは有し、ここでは、Rは、直鎖又は分枝、飽和又は不飽和のC8〜C30、好ましくはC10〜C22、さらに望ましくはC12〜C24アルキル又はアルケニル基を指し、Rは、1つ又は複数のヒドロキシル基によって置換されている可能性がある。
【0149】
脂肪アルコールは、周囲温度(25℃)且つ大気圧(760mmHg、すなわち1.013×10Pa)で、液体又は固体であってよい。
【0150】
本発明の液体脂肪アルコールは、飽和又は不飽和である可能性がある。
【0151】
飽和液体脂肪アルコールは、好ましくは分枝である。これは、その構造内に、少なくとも1つの芳香環又は非芳香環を場合によっては含むことができる。好ましくは、これらは、非環式である。
【0152】
不飽和液体脂肪アルコールは、その構造内に、少なくとも1つの二重又は三重結合、好ましくは1つ又は複数の二重結合を含有する。いくつかの二重結合が存在する場合、好ましくは2つ又は3つの二重結合が存在し、これらは共役されていてもよく共役されていなくてもよい。これらの不飽和液体脂肪アルコールは、直鎖又は分枝であってもよい。これらは、その構造内に、少なくとも1つの芳香環又は非芳香環を場合によっては含むことができる。好ましくは、これらは、非環式である。
【0153】
液体脂肪アルコールは、構造R’−OHを好ましくは有し、ここでは、R’は、分枝C12〜C24アルキル又は直鎖又は分枝のC12〜C24アルケニル基を指し、R’は、1つ又は複数のヒドロキシル基によって置換されている可能性がある。好ましくは、R’は、1つ又は複数のヒドロキシル基で場合によっては置換された分枝C12〜C24アルキル基であり;さらに望ましくは、R’は、ヒドロキシル基を含有しない。
【0154】
固体脂肪アルコールは、より具体的には、8から30個の炭素原子、好ましくは8から24個の炭素原子を含む、直鎖又は分枝、飽和又は不飽和のアルコールから選択される。
【0155】
好ましくは、固体脂肪アルコールは、構造R”−OHを有し、R”は、8から30個、さらに望ましくは10から30個、さらには12から24個の炭素原子を含む、1つ又は複数のヒドロキシル基によって場合によっては置換された直鎖アルキル基を指す。
【0156】
固体脂肪アルコールは、8から30個の炭素原子、さらに望ましくは10から30個、さらには12から24個の炭素原子を含む、飽和又は不飽和の直鎖又は分枝の好ましくは直鎖及び飽和の、モノアルコールから好ましくは選択される。
【0157】
好ましくは、組成物は、1種又は複数種の固体脂肪アルコールを含む。
【0158】
本発明において使用することができる脂肪アルコールの例としては、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、ウンデシレニルアルコール、イソセチルアルコール、イソステアリルアルコール、2−オクチル−1−ドデカノール、2−ブチルオクタノール、2−ヘキシル−1−デカノール、2−デシル−1−テトラデカノール、2−テトラデシル−1−セタノール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セチルステアリルアルコール、及びそれらの混合物を挙げることができる。
【0159】
優先的には、2−オクチル−1−ドデカノール、オレイルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セチルステアリルアルコール、及びそれらの混合物を使用することができる。
【0160】
本発明による組成物は、組成物の総質量に対して、0.1%から20質量%、さらに望ましくは0.5%から15質量%、優先的には1%から10質量%の範囲の総量の脂肪アルコールを含むことができる。
【0161】
5/他の成分
本発明による組成物はまた、上記シリコーンエマルジョン中に存在するシリコーンとも、上記脂肪アルコールとも異なる、1種又は複数種の追加の脂肪性物質、好ましくは、液体又は固体の脂肪エステルから特に選択される、25℃、1気圧で液体又は固体である1種又は複数種の非シリコーン脂肪性物質を含むことができる。
【0162】
用語「脂肪エステル」は、特に1つ又は複数のヒドロキシル基(特に1から4個)で場合によっては置換された、6から30個の炭素原子を含む、1つ又は複数の直鎖又は分枝、飽和又は不飽和の炭化水素をベースとする鎖を含むエステルを意味することが意図される。これらが不飽和であるならば、これらの化合物は、1から3個の共役又は非共役炭素−炭素二重結合を含むことができる。
【0163】
飽和又は不飽和の直鎖又は分枝のC1〜C26脂肪族モノ又はポリ酸と、飽和又は不飽和の直鎖又は分枝のC1〜C26脂肪族モノ又はポリアルコールとのエステル(エステルの総炭素数は、より具体的には10以上である)を特に挙げることができる。
【0164】
好ましくは、モノアルコールのエステルについては、本発明のエステルが由来するアルコール及び酸の中の少なくとも1つが、分枝である。
【0165】
モノ酸とモノアルコールとのモノエステルの中では、アルキル、特にC1〜C28アルキル、パルミチン酸エステル、例えばパルミチン酸エチル又はパルミチン酸イソプロピル、アルキル、特にC1〜C28アルキル、ミリスチン酸エステル、例えばミリスチン酸イソプロピル又はミリスチン酸エチル、ステアリン酸イソセチル、イソノナン酸2−エチルヘキシル、ネオペンタン酸イソデシル、及びネオペンタン酸イソステアリルを挙げることができる。
【0166】
C4〜C22ジカルボン酸又はトリカルボン酸と、C1〜C22アルコールとのエステル、及びモノ、ジ、又はトリカルボン酸と、C2〜C26であるジ、トリ、テトラ、又はペンタヒドロキシアルコールとのエステルも、使用することができる。
【0167】
以下を特に挙げることができる:セバシン酸ジエチル;セバシン酸ジイソプロピル;アジピン酸ジイソプロピル;アジピン酸ジ−n−プロピル;アジピン酸ジオクチル;アジピン酸ジイソステアリル;マレイン酸ジオクチル;ウンデシレン酸グリセリル;ステアロイルステアリン酸オクチルドデシル;モノリシノール酸ペンタエリスリチル;テトライソノナン酸ペンタエリスリチル;テトラペラルゴン酸ペンタエリスリチル;テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル;テトラオクタン酸ペンタエリスリチル;ジカプリル酸プロピレングリコール;ジカプリン酸プロピレングリコール;エルカ酸トリデシル;クエン酸トリイソプロピル;クエン酸トリイソステアリル;トリ乳酸グリセリル;トリオクタン酸グリセリル;クエン酸トリオクチルドデシル;クエン酸トリオレイル;ジオクタン酸プロピレングリコール;ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール;ジイソノナン酸ジエチレングリコール;及びジステアリン酸ポリエチレングリコール。
【0168】
糖と、直鎖又は分枝、飽和又は不飽和の、C〜C30、好ましくはC12〜C22の脂肪酸とのエステルも挙げることができる。
【0169】
これらが不飽和であるならば、これらの化合物は、1から3個の共役又は非共役炭素−炭素二重結合を含むことができる。
【0170】
用語「糖」は、アルデヒド又はケトン官能基を伴う又は伴わない、いくつかのアルコール官能基を含有する、且つ少なくとも4個の炭素原子を含む、酸素をもつ炭化水素をベースとする化合物を意味することが意図される。これらの糖は、単糖、オリゴ糖、又は多糖であり得る。好ましくは、これらの糖は、スクロース、グルコース、ガラクトース、リボース、フコース、マルトース、フルクトース、マンノース、アラビノース、キシロース、及びラクトース、並びにそれらの誘導体、特にアルキル誘導体、例えばメチル誘導体、例えばメチルグルコースから選択される。
【0171】
この変形形態によるエステルは、モノ、ジ、トリ、及びテトラエステル、又はポリエステルであり得る。
【0172】
これらのエステルは、例えば、オレイン酸エステル、ラウリン酸エステル、パルミチン酸エステル、ミリスチン酸エステル、ベヘン酸エステル、ヤシ脂肪酸エステル、ステアリン酸エステル、リノール酸エステル、リノレン酸エステル、カプリン酸エステル、及びアラキドン酸エステル、並びにそれらの混合物、例えば、特に、オレオパルミチン酸エステル、オレオステアリン酸エステル、又はパルミトステアリン酸エステルの混合エステルであり得る。
【0173】
より具体的には、モノエステル及びジエステル、特に、モノ若しくはジオレイン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレオパルミチン酸、リノール酸、リノレン酸、又はオレオステアリン酸スクロース、グルコース、又はメチルグルコース、或いはジオレイン酸メチルグルコース(Glucate(登録商標)DO)の使用が行われる。
【0174】
ペンタエリスリチルエステル、好ましくはテトライソステアリン酸ペンタエリスリチル、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、並びにジペンタエリスリトールとの混合物としてのカプリル酸及びカプリン酸ヘキサエステルを使用することも可能である。
【0175】
グリセロールの天然又は合成の一塩基酸、二塩基酸、又は三塩基酸エステルの中では、植物油又は合成の油を挙げることができる。
【0176】
より具体的には、前記植物油又は合成の油は、植物又は合成起源のトリグリセリド油、例えば6から30個の炭素原子を含有する液体脂肪酸トリグリセリド、例えばヘプタン酸又はオクタン酸トリグリセリド、或いは、例えば、ゴマ油、ダイズ油、コーヒー油、ベニバナ油、ルリジサ油、ヒマワリ油、オリーブ油、杏仁油、ツバキ油、バンバラマメ(bambara pea)油、アボカド油、マンゴー油、米ぬか油、綿実油、バラ油、キウイ種子油、シーバックソーン果肉(sea buckthorn pulp)油、ブルーベリー種子油、ケシ種子油、オレンジ種子油、スイートアーモンド油、パーム油、ヤシ油、ベルノニア油、マジョラム油、バオバブ油、ナタネ油、キシメニア(ximenia)油、プラカシー油、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド(Stearineries Dubois社によって販売されているもの、又はDynamit Nobel社によってMiglyol(登録商標)810、812、及び818という名前で販売されているものなど)、ホホバ油、及びシアバター油から選択される。
【0177】
植物起源のトリグリセリド、特に、アボカド油、オリーブ油、ツバキ油、及び杏仁油、及びそれらの混合物から選択される油、並びにC〜C22アルコールのC〜C22ジカルボン酸又はトリカルボン酸エステル、特にジカプリル酸1,3−プロパンジオールを、好ましくは挙げることができる。
【0178】
優先的には、エステルは、パルミチン酸エチル、イソプロピル、ミリスチル、セチル、若しくはステアリル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−オクチルデシル、ミリスチン酸アルキル、例えばミリスチン酸イソプロピル、ブチル、セチル、若しくは2−オクチルドデシル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソブチル;リンゴ酸ジオクチル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸2−ヘキシルデシル、イソノナン酸イソノニル、又はオクタン酸セチルから選択することができる。
【0179】
ケア組成物は、存在する場合、組成物の総質量に対して、0.01質量%から20質量%、好ましくは0.05質量%から15質量%、優先的には0.1質量%から10質量%、さらには0.2質量%から5質量%の範囲の含有量の、脂肪性物質を含むことができる。
【0180】
本発明による組成物は、好都合には水性であり、組成物の総質量に対して、好ましくは40質量%と98質量%の間、特に50質量%と98質量%の間、さらには60質量%と95質量%の間、優先的には70質量%と95質量%の間の含水量を含む。
【0181】
組成物のpHは、好ましくは2.5と6の間、特に2.5と5の間、さらには2.8と4の間である。
【0182】
本発明による組成物はまた、アニオン性、非イオン性、カチオン性、又は両性ポリマー;セラミド、疑似セラミド、ビタミン及びプロビタミン(パンテノールが含まれる)、水溶性及び脂溶性の日焼け止め、真珠光沢剤(nacreous agent)及び乳白剤、金属イオン封鎖剤、可溶化剤、抗酸化剤、フケ防止剤、抗脂漏剤、毛髪脱落を予防するための及び/又は発毛を促進するための薬剤、浸透剤、香料、解膠剤、及び保存料から選択される、1種又は複数種の添加剤も含むことができる。これらの添加剤は、組成物の総質量に対して、0から20質量%の範囲の量で、本発明による組成物中に存在することができる。当業者は、これらの任意選択の添加剤及びその量を、本発明の組成物の特性を損なわないように、注意深く選択することとなる。
【0183】
本発明による組成物は、好都合には、毛髪組成物の形態、特に、洗い流すコンディショナー、マスク、又はつけたままにするケア製品の形態であり得る。
【0184】
本発明はまた、ケラチン物質、特にケラチン繊維、特に毛髪を処置するための、より具体的にはコンディショニングのための美容的方法であって、前記ケラチン物質への、上に記載した通りの組成物の適用、場合によっては、それに続く、つけたままにする時間及び/又はすすぎステップ及び/又は乾燥ステップを含む方法に関する。
【0185】
この適用は、乾いた又は濡れた毛髪、好ましくは濡れた毛髪に実施することができる。
【0186】
組成物をケラチン繊維上につけたままにする時間は、5秒から10分、さらに望ましくは10秒から5分、いっそうさらに望ましくは20秒から2分の範囲であり得る。
【0187】
本出願は、それにすすぎが続いても続かなくてもよく、好ましくはすすぎが続く。
【0188】
本発明を、以下の実施例によって、より詳細に例示する。別段の指示がない限り、示される量は、組成物の総質量に対する、活性材料(AM)の質量%で表す。
【実施例】
【0189】
実施例1:シリコーンエマルジョンの調製
450gの流動性アミノシリコーン(25℃で7.2mgのKOH/gのアミン数及び5600mPa.sの粘度を有する、トリメチルシリル末端基を含むジメチルシロキサン−アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサンのコポリマー)を、第1の容器に移す;25℃で61500mPa.sの粘度を有する、トリメチルシリル末端基を含む1800gのジメチルシロキサンを、撹拌しながら添加し、撹拌を周囲温度で2時間維持する。
【0190】
別の容器中で、49gのステアレス−6と62gのステアリン酸PEG100を混合し、混合物を、60℃に加熱する。この混合物を、液体混合物が得られるまで、この温度に維持し、次いで、31gのトリデセス−3と350gのトリデセス−10(80%の活性材料)を添加する。この界面活性剤混合物は、HLB=11.25を有する。80gの水と6.2gの氷酢酸を添加し、クリーム状のペーストが得られるまで、撹拌を継続する。
【0191】
次いで、この第2の容器の内容物(クリーム状のペースト)を、第1の容器(シリコーンを含有する)に移し、次いで、得られた混合物を、周囲温度(20〜25℃)で30分間混合する。均一な混合物を得るために、混合ステップを行う;これらは、周囲温度で行う。
【0192】
79.6gの脱塩水を添加し、混合を60分間行う。
【0193】
72.7gの脱塩水を添加し、混合を50分間行う。
【0194】
197.4gの脱塩水を添加し、混合を5分間行う。
【0195】
294.3gの脱塩水を添加し、混合を5分間行う。
【0196】
180gの脱塩水を添加し、混合を5分間行う。
【0197】
180gの脱塩水を添加し、混合を5分間行う。
【0198】
197.4gの脱塩水を添加し、混合を5分間行う。
【0199】
197.4gの脱塩水を添加し、混合を3分間行う。
【0200】
228.5gの脱塩水を添加し、混合を3分間行う。
【0201】
最後に、40.5gの2−フェノキシエタノール(保存料)を添加し、混合を3分間行う。
【0202】
170nmの粒径D50を有する水中油型エマルジョンが得られる。
【0203】
実施例2
次の成分を含む、下の化粧用組成物(別段の指示がない限り、量は、活性材料AMの質量%として表す)を調製する。
【0204】
【表1】
【0205】
洗い流すコンディショナーとして使用することができる組成物が得られる。
【0206】
a)粘度
3つの組成物の粘度を、生成の24時間後、その後、周囲温度(25℃)での保管の2か月後に測定した(Rheomat RM 200、25℃、スピンドル3、200rpm)。
【0207】
得られた結果を、下に示す。
【0208】
【表2】
【0209】
本発明による組成物Aは、比較組成物B及びCよりも高い粘度を有し、これは、流れ出すリスクのない容易な適用を可能にする。
【0210】
25℃での2か月の保管期間後、最初の粘度と比較した粘度の変化は、本発明による組成物Aについては、組成物B及びCと比較して、より小さい。
【0211】
b)脂肪性物質及びカチオンの付着
組成物A、B、及びCを、標準のシャンプーであらかじめ洗浄してすすいだ、200mgの質量の刈り取られた毛髪の束に、毛髪1束あたり1mlの組成物という割合で適用した。
【0212】
すすぎ及び乾燥後、一方では脂肪性物質の、他方ではカチオンの付着を、ジクロロメタン中での脱着後に、ガスクロマトグラフィーによって測定した。
【0213】
次の結果が得られる(マイクログラム/1グラムの毛髪)。
【0214】
【表3】
【0215】
組成物Aが、組成物Bと組成物Cとの中間の量の脂肪性物質及びカチオンを付着させることを可能にすることがわかる。
【0216】
脂肪性物質の過度に多い付着は、所望される自然で清浄な感触に反して、汚れた脂っぽい感触をもたらす。
【0217】
カチオンの過度に多い付着は、所望される強健性効果に反して、繊維の軟化をもたらす。
【0218】
これらの結果は、以下で、房に対して行われる摩擦力及び屈曲力測定によって確認される。
【0219】
c)摩擦
標準のシャンプーで事前に洗浄してすすいだ毛髪の房を、組成物A、B、及びCのそれぞれで、毛髪1gあたり0.4gの組成物という割合で処理する。
【0220】
すすぎ及び乾燥後、それぞれ150ミリグラムの質量の4房分を、各房から抽出し、それぞれを支持体に据え付ける。
【0221】
次いで、それぞれの房部分を、2つの顎部の間に挿入し:次いで、2つの顎部に沿って支持体を動かすのに必要とされる最大の力を記録する。
【0222】
測定された4つの最大の力の平均に相当する、力の平均を算出する。
【0223】
摩擦力が低いほど、汚れた脂っぽい感触の房の表面がよく現れる。
【0224】
次の結果が得られる。
【0225】
【表4】
【0226】
組成物B及びCの摩擦力は、組成物Aよりも低い;これは、組成物B及びCについての、汚れた脂っぽい感触をはるかに表す表面を反映する。
【0227】
d)屈曲
標準のシャンプーで事前に洗浄してすすいだ毛髪の房を、組成物A、B、及びCのそれぞれで、毛髪1gあたり0.4gの組成物という割合で処理する。
【0228】
すすぎ及び乾燥後、150ミリグラムの質量の4房分を、各房から抽出し、それぞれを支持体に据え付ける。
【0229】
次いで、各支持体を、2つの止め具の間を垂直に動かし:動きを継続するのに必要とされる最大の力を記録する。
【0230】
測定された4つの最大の力の平均に相当する、力の平均を算出する。
【0231】
屈曲が大きいほど、毛髪はより耐性がある/強健である。
【0232】
次の結果が得られる。
【0233】
【表5】
【0234】
組成物Aは、組成物B及びCを超える屈曲力をもたらし、これは、毛髪のより優れた屈曲耐性、したがってより優れた強健性を反映する。
【0235】
結論として、本発明による組成物Aのみ、やわらかく、同時に、清浄なままである感触を生じることを可能にし、また、毛髪が強健性を保持することを可能にする。
【0236】
実施例3
次の成分を含む、下の化粧用組成物(別段の指示がない限り、量は、活性材料AMの質量%として表す)を調製する。
【0237】
【表6】
【0238】
組成物A及びA’を、標準のシャンプーであらかじめ洗浄してすすいだ、100mgの質量の天然の刈り取られた毛髪の束に、毛髪1束あたり1mlの組成物という割合で適用した。
【0239】
すすぎ及び乾燥後、毛髪を粉砕及び均質化した後に、BRUKER(波長分散)XRFシステムからの分光計S8 TIGER WDXRFを使用するX線蛍光分光法による元素のケイ素の測定によって、ケイ素(Si)付着を測定した。
【0240】
次の結果が得られる(マイクログラム/1グラムの毛髪)。
【0241】
【表7】
【0242】
本発明の組成物Aが、比較組成物A’と比較すると、中程度の量のシリコーンを付着させることを可能にすることがわかる。
【0243】
シリコーンの過度に多い付着は、消費者に歓迎されない汚れた脂っぽい感触(重い又は帯電した手触り)をもたらす。
【0244】
本発明の組成物では、シリコーンの付着は、より薄く、感触(手触り)は、より自然、且つ、より清浄(清潔感)である。