(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記信号情報によって無いとされている前記分割映像信号に対応する前記表示部の領域に所定の画像を表示させるように、前記映像信号処理部に前記出力映像信号を生成させる
請求項1から3のいずれか1項に記載の映像表示装置。
前記一部の分割映像信号は、前記入力部が取得する前記信号情報のうち、前記分割映像信号のペイロード情報に含まれる所定の情報の有無を表す前記信号情報に基づいて選択された前記分割映像信号である
請求項1から5のいずれか1項に記載の映像表示装置。
前記制御部は、ユーザーの入力操作に応じたオンスクリーンディスプレイ用の画像を含む前記出力映像信号を生成するように前記制御信号を供給して前記映像信号処理部を制御する
請求項1から8のいずれか1項に記載の映像表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る映像表示システム1の構成例を示すシステム図である。
図2は、
図1に示す映像表示システム1が処理する画像の例を示す模式図である。
図1に示す映像表示システム1は、プロジェクター2と、外部コンバータ3と、入力操作部4を備える。プロジェクター2は、映像信号処理装置200と、入力端子201〜204と、投写デバイス250と、操作受信部270を備える。映像信号処理装置200は、入力部210と、映像信号処理部240と、CPU260を備える。CPU260は、例えばマイクロコンピュータ等を用いて構成することができる。また、入力部210、映像信号処理部240等は、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array )等を用いて構成することができる。
【0012】
外部コンバータ3は、1個の入力端子301と4個の出力端子311〜314を備え、入力端子301から入力された12G−SDI信号を4個の3G−SDI信号(1)〜(4)に変換して、4個の出力端子311〜314から出力する。12G−SDI信号と3G−SDI信号は、SMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers;映画テレビ技術者協会)策定のビデオ信号伝送規格である12G−SDI(Serial Digital Interface;シリアルデジタルインタフェース)と3G−SDIに準拠した信号である。12G−SDI信号は、伝送速度が約12Gビット/秒であり、例えば4K2K(3840×2160)の映像信号を非圧縮で伝送することができる。3G−SDI信号は、伝送速度が約3Gビット/秒であり、例えば2K1K(1920×1080)の映像信号を非圧縮で伝送することができる。外部コンバータ3は、入力端子301から、例えば
図2に示すような3840ピクセル×2160ラインの画像280(出力画像)を表す12G−SDI信号を入力する。そして、外部コンバータ3は、
図2に示すように、画像280を4個に分割した画像281〜284(以下、分割画像281〜284という)を表す3G−SDI信号(1)〜(4)に変換して出力端子311〜314から並列的に出力する。出力端子311〜314から並列的に出力された3G−SDI信号(1)〜(4)は、4本の映像ケーブルを介して、入力端子201〜204へ入力される。
【0013】
入力端子201〜204へ入力された3G−SDI信号(1)〜(4)は、入力部210の入力回路211〜214へそれぞれ入力される。また、入力端子201〜204へ入力された3G−SDI信号(1)〜(4)は、入力回路211〜214を介して、あるいは入力回路211〜214を介さず並列的に映像信号処理部240へ4個の分割映像信号として入力される。映像信号処理部240へ入力される各分割映像信号は、入力端子201〜204へ入力された3G−SDI信号(1)〜(4)と同一の信号である。
【0014】
入力部210は、入力回路211〜214を備える。入力回路211は、信号検出部(1)221とペイロード取得部(1)231を備える。入力回路212は、信号検出部(2)222とペイロード取得部(2)232を備える。入力回路213は、信号検出部(3)223とペイロード取得部(3)233を備える。入力回路214は、信号検出部(4)224とペイロード取得部(4)234を備える。入力部210は、入力端子201〜204へ入力された3G−SDI信号(1)〜(4)を入力する。そして、入力部210は、信号検出部(1)221〜(4)224およびペイロード取得部(1)231〜(4)234を用いて、入力された3G−SDI信号(1)〜(4)に基づき所定の信号情報を生成して出力する。
【0015】
なお、本実施形態において信号情報とは、後述する複数の種類の信号情報から構成される。信号情報は、例えば映像信号処理部240が処理を行う際に用いられる情報であり、3G−SDI信号(1)〜(4)の種類や形式、内容を示す複数の種類の信号情報、信号の有無を表す種類の信号情報等を含む。また、信号情報は、例えばCPU260によってプロジェクター2の対応信号であるか否か判別するための情報として用いられる。入力部210は、例えば信号検出部(1)221〜(4)224によって、3G−SDI信号(1)〜(4)の有無を例えば物理層のレベルで3G−SDI信号(1)〜(4)毎に検出する。入力部210は、3G−SDI信号(1)〜(4)の有無の検出結果に基づき、3G−SDI信号(1)〜(4)の有無を表す種類の信号情報を生成して出力する。あるいは、入力部210は、3G−SDI信号(1)〜(4)が1垂直走査周期(所定の周期)毎に含む所定の種類の信号情報を3G−SDI信号(1)〜(4)毎に信号検出部(1)221〜(4)224とペイロード取得部(1)231〜(4)234によって取得して、出力する。
【0016】
信号検出部(1)221〜(4)224は、3G−SDI信号(1)〜(4)に基づき、同期有/無、H/V周波数、インターレース情報等を検出する。信号検出部(1)221〜(4)224は、同期有/無を表す種類の信号情報、H/V周波数を表す種類の信号情報、インターレース情報を表す種類の信号情報等を生成して出力する。ペイロード取得部(1)231〜(4)234は、3G−SDI信号(1)〜(4)に含まれている情報であって、映像元の情報であるペイロード情報(RGB/色差情報、Quad Link(クワッド・リンク)有無情報等)を取得する。Quad Link有無情報は、4つの3G−SDI信号(1)〜(4)で1つの映像を表示する信号のとき「有」となる情報であり、例えば外部コンバータ3によって設定される。ペイロード取得部(1)231〜(4)234は、RGB/色差情報を表す種類の信号情報、Quad Link(クワッド・リンク)有無情報を表す種類の信号情報等を生成して、出力する。なお、入力回路211〜214およびペイロード取得部(1)231〜(4)234は、3G−SDI信号(1)〜(4)に基づいて生成した1または複数の種類の信号情報を、所定の周期で繰り返し出力してもよいし、CPU260からの要求に応じて出力してもよい。
【0017】
なお、SMPTE352規格では仮想インタフェースの各データストリームが、次のような情報を含むペイロードID(Payload Identification Code)を伝送する。すなわち、ペイロードIDは、例えば、ペイロードの形式を示す情報、インターレースなのかプログレッシブなのかを示す情報や、画像レート、アスペクト比、色空間、ビット深度 、マルチリンクインタフェースのチャネル番号等を示す情報を含む。ここで例えばペイロードの形式を示す情報は、SDI信号が3G−SDI信号なのか12G−SDI信号なのかといった情報、シングル・リンクなのか、デュアル・リンクなのか、クワッド・リンクなのかといった情報、垂直ライン数等を示す。ペイロード取得部(1)231〜(4)234は、例えば、このペイロードIDの内容に基づいて上述した各種類の信号情報を生成することができる。
【0018】
映像信号処理部240は、3G−SDI信号(1)〜(4)(分割映像信号)を並列的に入力し、所定の処理を施して、分割画像を合成して投写デバイス250で表示するための出力映像信号を生成して出力する。すなわち、出力映像信号は、
図2に示す3G−SDI信号(1)〜(4)に基づく各分割画像281〜284を1枚の画像280に合成して投写デバイス250で表示するための映像信号である。また、所定の処理とは、例えば映像信号の合成処理や投写デバイス250の特性やユーザー(利用者)による設定に合わせた画質の調整等である。また、所定の処理は、出力映像信号を3G−SDI信号以外の形式の信号に変換する場合にはその変換処理を含む。所定の処理は、例えば処理内容等がCPU260から入力された所定の制御信号によって制御される。また、映像信号処理部240は、OSD(機能)241を有し、CPU260から入力された所定の制御信号によってユーザーの入力操作に応じたオンスクリーンディスプレイ用の画像を含むように出力映像信号を生成する。
【0019】
投写デバイス250は、例えば液晶パネル等であり、図示していない光源が発した光を透過させ、外部のスクリーン等に出力映像信号に基づく画像を表示する。
【0020】
CPU260は、プロジェクター2の基本動作を処理する。本実施形態においてCPU260は、例えば、映像信号処理部240に対して例えば出力映像信号を生成するための処理に係る所定の制御信号(処理内容の設定信号等)を供給する。また、CPU260は、入力部210から所定の信号情報を間引いて取得する。ここで信号情報を間引いて取得するとは、例えば、CPU260が、3G−SDI信号(1)〜(4)の一部(例えば1つ)についてのみ複数種類の信号情報を取得し、残部については上記一部について取得する種類の数よりも少ない種類の数の信号情報を取得することである。例えば、CPU260は、3G−SDI信号(1)について複数種類の信号情報を取得し、他の3G−SDI信号(2)〜(4)について例えば信号の有無を示す1種類の信号情報のみを取得する。あるいは、信号情報を間引いて取得するとは、各3G−SDI信号(1)〜(4)について垂直走査期間毎に入力部210が生成および出力する信号情報を、複数の垂直走査期間毎に(例えば1つ置きに)CPU260が取得することである。また、CPU260は、入力部210による各3G−SDI信号(1)〜(4)の有無の検出の結果に基づき、無いと検出された信号に対応する分割画像を表示しないように出力映像信号を生成するよう、所定の制御信号を供給して映像信号処理部240を制御する。分割画像を表示しない場合、当該分割画像の表示領域に、例えば、所定の静止画像や動画像を表示したり、無表示状態となるようなミュート表示を行ったりすることができる。また、CPU260は、ユーザーの入力操作に応じたオンスクリーンディスプレイ用の画像を含む出力映像信号を生成するように所定の制御信号を供給して映像信号処理部240を制御する。また、CPU260は、取得した信号情報に基づいて、映像信号処理部240が分割映像信号に所定の処理を施すように、映像信号処理部240に対して次のように制御信号を出力することができる。例えば、CPU260は、複数種類の信号情報のうちの1種類の信号情報であるinterlace情報を参照し、interlaceの場合は分割映像信号に対してI/P(インターレース/プログレッシブ)変換を行うように、non−interlaceの場合は分割映像信号に対してI/P変換を行わないように、制御信号を出力する。あるいは、例えば、CPU260は、複数種類の信号情報のうちの他の1種類の信号情報であるRGB色差情報を参照し、RGB信号である場合は分割映像信号を変換せず、色差信号の場合はRGBに変換するよう制御信号を出力する。
【0021】
なお、CPU260は、ユーザーの選択指示に応じて3G−SDI信号(1)〜(4)の一部を入力部210からの信号情報の取得対象として選択することができる。また、CPU260は、間引いて取得した所定の信号情報が所定の条件を満たさない場合、出力映像信号に基づく表示が無表示(ミュート表示)となるように所定の制御信号を供給して映像信号処理部240を制御することができる。所定の信号情報が所定の条件を満たさない場合とは、例えば、3G−SDI信号がプロジェクター2の対応信号でない場合、3G−SDI信号が、映像信号処理部240が処理できない形式である場合等である。
【0022】
操作受信部270は、ユーザーの入力操作部4に対する操作を受け付ける構成であり、本体に設けられたキー操作の検出部やリモコン受光部である。入力操作部4は本体キーやリモコンであり、操作受信部270が入力操作部4におけるユーザーの入力操作、すなわち本体キー押し下げやリモコンキー操作を検出する。
【0023】
以上の構成において、
図1に示す映像表示システム1では、図示していない映像信号の出力装置(信号源)から出力された例えば解像度が(3840×2160)の映像信号である12G−SDI信号が外部コンバータ3の入力端子301へ入力された後、外部コンバータ3で解像度が(1920×1080)の映像信号である4個の3G−SDI信号(1)〜(4)に変換されて出力端子311〜314から出力される。なお、外部コンバータ3から出力された4個の3G−SDI信号(1)〜(4)は同一機器から出力されているため、例えばそのうちの一部の出力が不安定になるという可能性は低い。外部コンバータ3から出力された解像度が(1920×1080)×4個の3G−SDI信号(1)〜(4)は、映像ケーブルを介してプロジェクター2の3G−SDI信号(1)〜(4)の入力端子201〜204に入力される。プロジェクター2は、映像信号処理装置200を用いて3G−SDI信号(1)〜(4)に基づく各分割画像281〜284を
図2に示すような形で合成した画像280を投写デバイス250を用いて表示させる。なお、CPU260は、リモコンなどの入力操作部4、操作受信部270およびOSD241を用いてユーザー操作に応じて設定されたマスター端子を示すマスター端子設定値を取得できる。マスター端子設定とは、信号検出部(1)221〜(4)224が検出する同期の有/無、H/V周波数、インターレース情報と、ペイロード取得部(1)231〜(4)234で取得するRGB/色差情報が入っているペイロード情報等を、4個の入力信号である3G−SDI信号(1)〜(4)の内のどの信号から取得するのかということを指す設定情報である。マスター端子設定の設定値は、入力端子201〜204および3G−SDI信号(1)〜(4)に対して「1」〜「4」と設定される。CPU260は、入力操作部4、操作受信部270およびOSD241を用いてマスター端子設定を取得し、所定の記憶領域に記憶する。このユーザーの指示操作に応じたマスター端子設定を、ユーザー設定によるマスター端子設定という。
【0024】
次に、
図3を参照して、
図1に示す映像信号処理装置200の動作例について説明する。
図3は、
図1に示す映像信号処理装置200の動作例を示すフローチャートである。
図3に示す処理は、一定周期毎(例えば20ms毎(=1/映像信号V周波数(50Hz))に行われる。
【0025】
処理が開始されると(ステップS30)、CPU260はまず1個目から順にペイロード情報にあるQuad Link有無情報を入力部210から取得する(ステップS31)。ステップS31で、CPU260は、「有」を示すQuad Link有無情報が取得できた時点で、「有」を示すQuad Link有無情報が取得できた最初の端子(最初の3G−SDI信号)をマスター端子設定に暫定的に設定する。CPU260は例えば、1個目でQuad Link有無情報で「有」が取得できた場合、1個目をマスター端子として設定し、2〜4個目のペイロード情報は入力部210から取得しない。なお、外部コンバータ3が出力した3G−SDI信号(1)〜(4)出力の1つのみにQuad Link有無情報が付加されている場合、CPU260は、マスター端子設定を、「有」と設定されたQuad Link有無情報が取得できた端子とする。ただし、「有」と設定されたQuad Link有無情報が取得できた端子以外の端子にも「有」と設定されたQuad Link有無情報が付加されている場合、CPU260は、「有」と設定されたQuad Link有無情報が取得できた端子とは別の端子をマスター端子として設定してもよい。
【0026】
またユーザー設定によるマスター端子設定が行われている場合は、CPU260は、ユーザー設定によるマスター設定値に基づき、ステップS31で取得したペイロード情報とは無関係にユーザー設定を優先し、マスター端子設定として操作受信部270を用いて取得したユーザー設定値を用いる(ステップS32〜S33)。なお、ユーザー設定によるマスター端子設定が取得済みの場合は、ステップS31の処理を省略し、CPU260は1〜4個目のQuad Link有無情報の取得を行わないようにしてもよい。
【0027】
次にCPU260は、処理上の変数である変数iに「1」を入れ(ステップS34)、変数iが「4」以下の場合(ステップS35で「Yes」の場合)、i個目の入力回路(この場合、1個目の入力回路211)から3G−SDI信号(1)の有無の検出結果を取得する(ステップS36)。
【0028】
ステップS37においてCPU260は、変数iがマスター端子の設定値に一致する場合(ステップS37で「Yes」の場合)、i個目の入力回路(入力回路211〜214のいずれか)から、i個目のH周波数を取得し(ステップS38)、i個目のV周波数を取得し(ステップS39)、i個目のInterlace情報を取得し(ステップS40)、i個目のRGB/色差情報(ステップ41)を取得する。CPU260がステップS38〜S41で入力部210から取得する信号情報は、例えばプロジェクター2の対応信号であるか否か判別するための情報である。
【0029】
次に、CPU260は、ステップS36の検出結果とステップS38〜S41で取得した信号情報に基づき、対応信号外もしくは信号が無い場合は(ステップS42で「No」の場合は)、i個目の映像(分割画像281〜284のいずれか)をミュートする(表示しないようにする)(ステップS43)。この映像のミュートによってi個目の映像表示が異常表示(例:ゴミ表示)にならないようにすることができる。
【0030】
一方、i個目がマスター端子でない場合(ステップS37で「No」の場合)、CPU260は、i個目の3G−SDI信号(i)の有無の検出結果のみを取得する(ステップS36)。i個目がマスター端子でない場合(ステップS37で「No」の場合)、CPU260は、i個目のH周波数の取得(ステップS38)、i個目のV周波数を取得(ステップS39)、i個目のInterlace情報を取得(ステップS40)、およびi個目のRGB/色差情報(ステップS41)の取得等、プロジェクター2の対応信号であるか否か判別するための信号情報を取得しない。次に、CPU260は、ステップS36の当該入力端子についての検出結果と、他の入力端子であるマスター端子についてステップS38〜S41で取得した信号情報に基づき、マスター端子の信号が対応信号外もしくは当該信号が無い場合(ステップS42で「No」の場合)、i個目の映像(分割画像281〜284のいずれか)をミュートする(ステップS43)。i個目の映像をミュートすることでi個目の映像表示が異常表示(例:ゴミ表示)にならないようにすることができる。なお、ステップS42およびステップS43では、マスター端子が1個目の信号でない場合、次の周期の
図3に示す処理においてマスター端子で対応信号外であることが検出された後、マスター端子でない端子の信号に対応する映像がミュートされる。
【0031】
以後、CPU260は、変数iを1だけ増分し(ステップS44)、変数iが「4」より大きくなるまで(ステップS35で「No」となるまで)、ステップS35〜S44の処理を繰り返し実行する。一方、変数iが「4」より大きくなると(ステップS35で「No」となると)、CPU260は、
図3に示す処理を終了する(ステップS45)。
【0032】
図3に示す処理において、CPU260は、マスター端子に設定された3G−SDI信号(3G−SDI信号(1)〜(4)のいずれか)がプロジェクター2の対応信号でない場合、
図2に示す分割画像281〜284のすべてをミュートする。また、CPU260は、3G−SDI信号(1)〜(4)の有無の検出結果については、すべての検出結果を入力部210から取得しているので、映像ケーブルの外れや誤接続等が発生した場合に当該信号に対応する映像をミュートすることができる。
【0033】
また、以上の処理では、CPU260は、マスター端子以外の3個の入力端子について、入力部210から、H周波数の取得、V周波数の取得、Interlace情報の取得、RGB/色差情報の取得等、プロジェクター2の対応信号であるか否か判別するための情報を取得しない(情報の取得を間引く)。したがって、情報取得個数が60%低減され、CPU負荷も低減される。
【0034】
なお、信号/ペイロードの不安定さ、誤情報という点では、プロジェクター2に対して、1つの外部コンバータから4つの3G−SDI信号が入力された場合の影響度を「1」とすれば、4つの3G−SDI信号を別々の信号源(PC(パーソナルコンピュータ)、セットトップボックスなど)から入力された場合は4倍となる。したがって、1つの外部コンバータを接続した際は間引いて、別々の信号源が接続された場合は間引かないようにと映像信号処理装置200の動作を選択できるようにしてもよい。
【0035】
なお、
図1に示す構成は一例であって、例えば、入力部210と映像信号処理部240は、一部または全部を一体的に構成されていてよい。また、本実施形態は、SDI信号のクワッド・リンクの場合に限らず、デュアル・リンクの場合に適用してもよい。また、SDI信号は、3G−SDIや12G−SDI以外の信号であってもよい。また、投写デバイス250に代えて例えば液晶ディスプレイや有機EL(有機エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ等を用いてもよい。また、この場合、複数の表示パネルを組み合わせるマルチディスプレイであってもよい。また、この場合、映像信号処理部240が出力する出力映像信号は各表示パネル用の複数の映像信号から構成されていてもよい。
【0036】
次に、
図1に示す映像信号処理装置200の他の動作例(第2動作例とする)について説明する。
図3に示すフローチャートを参照して説明した上記動作例(第1動作例とする)では、マスター端子以外の端子についてCPU260が信号情報を取得しないことで、情報取得個数を間引いていたが、第2の動作例では、CPU260による情報取得間隔を間引いている。例えば外部コンバータ3の性能によって3G−SDI信号(1)〜(4)の一部の信号が安定性に欠ける場合、すべての3G−SDI信号(1)〜(4)について対応信号であるか否か判別するための情報取得が必要になる。そこで、第2動作例では、例えば1/映像信号V周波数(50Hz)が20msである場合に、取得間隔を1周期毎ではなく、2周期毎(40ms毎)として、CPU260が入力部210から信号情報を取得する時間間隔(取得回数)を間引いている。この場合は、周期を間引く(40ms)ことで1秒間の情報取得個数が50%になるため、CPU負荷も低減される。
【0037】
なお、CPU260は、40ms毎に、すべての3G−SDI信号(1)〜(4)について入力部210から、信号情報を取得してもよいし、例えば40ms毎に1つずつ順に1つの3G−SDI信号について信号情報を取得したり、40ms毎に2つずつ順に2つの3G−SDI信号について信号情報を取得したりしてもよい。すなわち、第1動作例における取得する信号の本数の間引きと、第2動作例における取得間隔の間引きを、適宜組み合わせてもよい。
【0038】
次に、
図4を参照して、本発明の実施形態に係る基本的構成例について説明する。
図4は、本発明の実施形態に係る基本的構成例を示すシステム図である。
図4に示す映像表示装置10は、映像信号処理装置11と、表示部12を備える。映像信号処理装置11は、入力部13と、映像信号処理部14と、制御部15を備える。入力部13へは、出力画像を複数に分割した複数の分割画像を表す複数の分割映像信号が入力され、入力部13は、分割映像信号毎に信号情報を取得する。映像信号処理部14は、複数の分割映像信号に処理を施し、分割画像を合成した画像を表す出力映像信号を生成する。制御部15は、入力部13から信号情報を取得し、映像信号処理部14に対して処理に係る制御信号を供給する。表示部12は、出力映像信号が表す画像を表示する。この構成において、複数の分割映像信号のうち一部の分割映像信号について制御部15が取得する信号情報の種類の数は、他の分割映像信号について制御部15が取得する信号情報の種類の数よりも多い。
ここで、制御部15が取得する信号情報の種類は、3G−SDI信号(分割映像信号)の有無を表す信号情報(ステップS36)、H周波数を表す信号情報(ステップS38)、V周波数を表す信号情報(ステップS39)、インターレース情報を表す信号情報(ステップS40)、RGB/色差情報を表す信号情報(ステップS41)の5つある。このうち、一部の分割映像信号(マスター)について制御部15が取得する信号情報は、上記5つであり、信号情報の種類の数は5となる。一方、他の分割映像信号について制御部15が取得する信号情報は、上記3G−SDI信号の有無を表す信号情報のみの1つであり、信号情報の種類の数は1となる。
以上の構成によれば、複数の分割映像信号を監視する制御部15の負荷を低減することができる。
【0039】
なお、上記構成において、少ない種類の数の信号情報を取得する他の分割映像信号について制御部15が取得する信号情報の種類の数は1としてもよい。また、少ない種類の数の信号情報を取得する分割映像信号について制御部15が取得する信号情報は、分割映像信号の有無を表す信号情報のみとしてもよい。また、制御部15は、所定の制御信号を出力することで、信号情報によって無いとされている分割映像信号に対応する表示部12の領域に所定の画像を表示させるように、映像信号処理部14に出力映像信号を生成させることができる。その所定の画像は、映像表示装置10のミュートの画像としてもよい。また、多い種類の数の信号情報を取得する一部の分割映像信号は、入力部13が取得する信号情報のうち、分割映像信号のペイロード情報に含まれる所定の情報の有無を表す信号情報に基づいて選択された分割映像信号としてもよい。また、制御部15は、ユーザーの選択指示に応じて多い種類の数の信号情報を取得する一部の分割映像信号を選択してもよい。また、制御部15は、入力部13が分割映像信号から所定の周期で取得した信号情報を、所定の周期よりも長い周期で取得してもよい。また、制御部15は、ユーザーの入力操作に応じたオンスクリーンディスプレイ用の画像を含む出力映像信号を生成するように制御信号を供給して映像信号処理部14を制御してもよい。
【0040】
なお、
図4に示す構成と
図1に示す構成との対応は次の通りである。すなわち、
図4に示す映像表示装置10は、
図1に示すプロジェクター2に対応する。
図4に示す映像信号処理装置11は、
図1に示す映像信号処理装置200に対応する。
図4に示す表示部12は、
図1に示す投写デバイス250に対応する。
図4に示す入力部13は、
図1に示す入力部210に対応する。
図4に示す映像信号処理部14は、
図1に示す映像信号処理部240に対応する。
図4に示す制御部15は、
図1に示すCPU260に対応する。
【0041】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。なお、映像信号処理装置200やプロジェクター2が備えるコンピュータが実行するプログラムの一部または全部はコンピュータ読取可能な記録媒体や通信回線を介して頒布することができる。